説明

短波長紫外線放電灯及び紫外線照射処理装置

【課題】220nm以下の波長域を含む紫外線が放射される放電灯において、管体の外を引き回される絶縁導体からのハロゲン化物の発生を抑制すること。
【解決手段】220nm以下の波長域に発光する物質を封入して成る放電灯において、管体の外を引き回される絶縁導線として、非ハロゲン系の絶縁体で被覆された絶縁導体を使用する。絶縁体が、主鎖中に、芳香環及び/又は複素環を有する高分子化合物の場合には、劣化に対する耐性が改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも220nm以下の波長領域に発光する放電灯及びこの放電灯を搭載し、放電灯から放射される紫外線を利用した紫外線照射処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
短波長域の紫外線は有害物や有機物の分解、殺菌など多岐に亘って利用されている。例えば、図6に従来技術による水中の有機物分解装置の一例を示す。
【0003】
符号1はステンレス製のシリンダーで、両端はフランジ1a,1bで閉じられている。
符号1cは入水口のフランジ、1dは出水口のフランジである。、被処理水5は、フランジ1c側からフランジ1d側に向かって流れることになるが、被処理水がショートパスしないように、途中に複数枚の還流板1e〜1iを配置した構造になっている。符号3は220nm以下の波長の紫外線を含む光を放射する放電灯で、一般には220nm以下の波長域から長波長域に透過性を有する石英ガラス管で構成された低圧水銀蒸気放電灯が使用されている。符号2は放電灯と被処理水を隔離する透光管で、同じく220nm以下の波長域から長波長域に透過性を有する石英ガラスでできている(透光管2と放電灯3は通常複数本平行して設置されているが図6では1本のみ示す)。紫外線は透光管2を透過し、被処理水5に照射される。水分子H2OのH-OHの結合エネルギーは499kJ/molであるから、220nm以下の波長の紫外線は水分子H2Oを解離し得る能力を有し、OHラジカルを生成する。生成されたOHラジカルは水中に存在する有機物を例えば、次式のように無害なCO、CO2、H2Oに分解する作用を果たすことになる。
O + hν(185nm) → H + OHラジカル
CnHmOk +OHラジカル → CO、CO2、H2O
( n,m,k は 1,2,3,..... )
【0004】
次に、放電灯3について説明する。管体31は石英ガラスでできており、両端に一対の電極32a、32bを有し発光金属として水銀が封入されている。そして、一方の側の電極32bはリード線38によって他端側に電気的に導き出され、もう一方の側の電極につながるリード線と一緒に口金37に収められている。ちなみに、リード線38は外壁に沿って引き回されているため、放電灯3が発する放電中の発熱に耐え得る必要があり、一般的にはETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA(・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(テトラフルオロエチレン樹脂)等のフッ素系絶縁被覆導線が使用されている。この放電灯に所定の電源を供給して、放電灯を点灯させると185nm の紫外線を含む水銀特有の紫外線や可視光線が放射し、上述した有機物の分解反応処理に寄与する。
【0005】
ところで、放電灯は紫外線出力の低下を伴うため、おおむね半年乃至1年間で定期的に交換する必要があるが、上述のように構成された従来の放電灯を交換作業する際に、不快で強烈な刺激臭と共に皮膚への刺激痛を受けることがある。
【0006】
刺激臭・刺激痛は、リード線の絶縁被覆材が短波長紫外線やその紫外線によって発生されるオゾンに晒されて、素材のフッ素成分が析出し、それが周囲の湿気と反応しフッ化水素もしくはフッ化水素酸を生成するものと考えられており、この種の放電灯や紫外線処理装置を扱う上で、安全及び環境保全上極めて重大な障害になる。このため、特開2002-282851号公報では放電灯の導線に被覆のない非絶縁電線を用い、該放電灯への供給電源が切断されない限り、透光管から抜き出せないように構成された紫外線照射処理装置が発案されている。
【0007】
しかしながら、上記発明は新規に製造し設置する装置に適応できても、既設の装置においては改造に要する費用と期間が膨大であることから必ずしも受け入れられていない。併せて、非絶縁電線の放電灯を扱うことに精神的な拒否反応が存在することも否めない。
【0008】
一方、近年は特許第3563373号公報に記載されているような高効率・高出力形の放電灯が出現しており、処理能力を高める目的で既設装置への置き換え要求が強い。高出力形放電灯を使用した場合、一層フッ化水素等の発生に関連するトラブルが危惧されるので、安全で信頼性の高い放電灯が強く求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、220nm以下の波長域を含む紫外線が放射される放電灯において、一端を、一方の側の電極に電気的に接続し、他端を、他方の側の電極の方へ引き回される絶縁導体の絶縁体によって生じる問題を解消して、人体に対する安全性や環境保全に寄与する放電灯及び紫外線照射処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の短波長紫外線放電灯は、石英ガラス管の両端に、互いに対向する一対の電極を備え、少なくとも220nm以下の波長域に発光する物質を封入して成る放電灯において、一方の側の電極に、非ハロゲン系の絶縁体で被覆された絶縁導体の一端を接続し、該絶縁導体を、前記石英ガラス管の外壁に沿って他方の側の電極の方に導き、該他方の側の電極に電気的に接続される導線と同じ側で、供給電源に接続可能に構成したことを特徴とする。
【0011】
本発明の短波長紫外線放電灯は、他方の電極側に導かれた絶縁導体と、前記他方の側の電極に電気的に接続される導線とを、一体となる口金に収納し供給電源に着脱可能に構成することにより着脱が容易になり取り扱いに便利である。
【0012】
本発明において、絶縁導体に用いる非ハロゲン系の絶縁体は、主鎖中に、芳香環及び/又は複素環を有する高分子化合物を含むことが望ましい。主鎖中の芳香環及び/又は複素環は、紫外線のによる劣化に対して高い耐性を有する。
【0013】
さらに、上記絶縁導体に用いる非ハロゲン系の絶縁体は、主鎖中に、芳香環又は複素環だけを有するものに限らず、芳香環又は複素環とともに、アミド結合、エステル結合及びウレタン結合から選ばれた少なくとも一種の化学結合を有するものが特に高い耐性を示す。
【0014】
このような高分子化合物としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート、ポリエステルなどが例示される。なお、ハロゲン系ガスを放出させない目的だけであれば、ナイロン、ポリオレフィン、ポリスルフォン、エチレン-プロピレン共重合体(EPR又はEPDM)又はポリウレタンのような脂肪族の高分子化合物からなる絶縁体も使用可能である。
【0015】
また、非ハロゲン系の絶縁体としては、ケイ素、アルミニウム、亜鉛もしくはジルコニウムの酸化物又は窒化物およびガラス繊維の少なくとも1種から成る無機絶縁体も用いることができる。
【0016】
これらの絶縁体は、単線、撚り線、集合線又は編組線からなる導体上に、ワニスの塗布・焼付け塗膜、押し出し被覆、管状被覆、テープ巻回、繊維の編組又はこれらの組み合わせにより、被覆される。
【0017】
本発明の紫外線照射処理装置は、以上説明した短波長紫外線灯を、少なくとも220nm以下の波長域に透光性を有する管に内挿して前記短波長紫外線放電灯から放射される紫外線を該透光管の壁を介して被処理物へ照射可能としたものである。なお、短波長紫外線放電灯と前記少なくとも220nm以下の波長域に透光性を有する管との間を封止し、前記短波長紫外線放電灯と前記透光性を有する管の間に不活性ガスを封入若しくは流通させて前記絶縁体の劣化をより一層防護することが望ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の短波長紫外線放電灯によれば、従来の放電灯や紫外線照射処理装置で問題とされていた有害なハロゲン化水素やハロゲン化水素酸のようなハロゲン系ガスの発生を完全に防止される。また、本発明の放電灯は、他方の電極近傍に導かれた絶縁導体と、前記他方の側の電極に電気的に接続される導線とを、一体となる口金に収納することにより、供給電源への着脱が容易となる。
【0019】
非ハロゲン系の高分子化合物として、主鎖中に芳香族及び/又は複素環を有する高分子化合物を用いた場合には、これらの高分子化合物は、特に紫外線とオゾンに対する耐久性に優れているので、優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の効果を確認するために、図1に示すように、放電灯の外周に次の絶縁導線試料を束ねて加速試験を行った。
(a)FEPとETFEのフッ素樹脂押し出し成形被覆導線
(b)塩化ビニル樹脂押し出し成形被覆導線
(c)芳香族ポリイミド管状被覆導線
(d)芳香族ポリイミドテープ巻回被覆導線
(e)PEEK管状被覆導線
(f)ポリエチレン管状被覆導線
(g)ナイロンテープ巻回被覆導線
(h)マイカテープ巻回被覆導線
(i)アルミナ繊維編組被覆導線
(j)シリコーンゴム被覆導線
【0021】
図1において、符号333は管径15mm、発光長約1.5mの185nmの波長を含む紫外線を放射する両口金型の高出力形低圧水銀蒸気放電灯である。この放電灯の管体のほぼ全長に亘って、その周囲にそれぞれ、同一の絶縁導線試料333a 、333b、333c、333d、…、…を10本以上束ねて、ニッケル裸線334a ,334bで緊縛した上で、反応加速のため約10ccの水を滴下し、これを石英ガラス製の透光管に挿入し、透光管の両端をゴムキャップで封じて点灯した。
【0022】
1ヶ月の昼夜連続点灯の後に透光管から放電灯を抜き出し、刺激臭の有無及び放電灯の外表面をリトマス試験紙で拭ってpH(ペーハー)レベルを確認した。
【0023】
その結果、(a)FEPおよびETFEのフッ素樹脂被覆導線と(b)塩化ビニル樹脂被覆導線の試料からは、明らかに刺激臭と共に酸性の生成物の付着が認められた。これに対して、(C)〜(j)のそれ以外の試料からはいずれも刺激臭は認められず、リトマス試験紙の結果も中性であることを示した。
【0024】
上述の実験結果から、(c)芳香族ポリイミド管状被覆導線、(d)同じくテープ巻回被覆導線、(e)PEEKワニス塗膜導線、(g)ナイロンテープ巻回被覆導線、(h)マイカテープ巻回被覆導線、(i)アルミナ繊維編組被覆導線が課題克服に対して有効であることが確認された。ちなみに、(f)ポリエチレン管状被覆導線と(J)シリコーンゴム被覆導線については、刺激臭や酸性物質の生成は確認されなかったものの被覆に微細なひび割れが生じ、絶縁物としての耐久性に問題のあることが認められた。次に、(a)FEPおよびETFEのフッ素系樹脂絶縁導線及び(b)塩化ビニル樹脂絶縁導線の各資料をそれぞれ10本以上同様に前述した高出力形低圧水銀蒸気放電灯の外周に緊縛し、これらを水を滴下せずに透光管に内挿した後、透光管内を窒素ガスで置換して両端をゴムキャップで封止して点灯した。1ヶ月の連続点灯の後に、前述と同様に透光管から放電灯を抜き出し、刺激臭の有無及び放電灯の外表面のpH(ペーハー)レベルを確認した。その結果、刺激臭は認められず、リトマス試験紙も中性であることを示した。
【0025】
この結果から、透光管内を窒素ガスで置換しかつ水も存在させないと絶縁体の劣化とハロゲン化水素の生成が抑制されることが確認された。
【実施例】
【0026】
本発明に係る放電灯の一実施例を図2に示す。
符号31は220nm以下の波長域から長波長域に亘って透過性を有する外径15mm、全長1.6mの石英ガラスから成る放電灯の管体である。管体31に合成石英ガラスを使用し、管内径と放電電流と電位傾度の関係を適正にした放電灯は高効率・高出力形の放電灯が得られる。管体31の両端には対向して一対のフィラメント(電極)32a,32bが約1.5mの間隔で備えられ、一対のフィラメント32a,32bはそれぞれ、インナーリード33a、33b、33c、33dに継止され、モリブデン箔34a、34b、34c、34dとアウターリード35a、35b、35c、35dを介して管体に封止されると共に管体の外部に電気的に導かれ、管体内には適量の水銀と希ガスが封入されている。また、36は管端部を保護するセラミック製のキャップで、37は給電ピン37a、37bを備えたセラミック製の口金である。38は断面積が約0.6平方ミリメートルの導線を内径1mm×外径1.5mmのポリイミド管で絶縁したリード線で、フィラメント32bに電気的につながるアウターリード35cに圧着接続され、管体31の外壁に沿ってもう一方の側のフィラメント32aの側に導かれ、口金37の中で給電ピン37bに半田付けされている。フィラメント32aのアウターリード35bもまた口金37の中で給電ピン37aに半田付けされており、いわゆる片口金型放電灯の形態を成している。ちなみに絶縁体素材のポリイミドは数kV以上の絶縁耐圧を有しているので、高々数100Vの電圧が印加される当該放電灯の導線絶縁体として必要十分条件を満たしている。
【0027】
このように構成された放電灯を所定の電子安定器(図示せず)を介して放電電流1Aで点灯させると、放電灯の電力の約5%に相当する7.5Wが 185nmの紫外線エネルギーとして放射され、その一部は管体に沿って引き回される絶縁導線にも照射されるが、有害なハロゲン化水素やハロゲン化水素酸を発することがない。上記実施例では対向する電極へ接続される給電ピンが一体の口金に収められた片口金形放電灯について示したが、図3に示すような絶縁導線38をそのまま放電灯の前方に引き出して供給電源にコネクター接続するような方式の放電灯としてもよい。なお、図3〜図5において、図6、図1、図2と共通する部分には、同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0028】
図4は両口金形放電灯を用いて同様の効果を発揮する紫外線照射処理装置の実施例について示すものである。図4で符号3は220nm 以下の波長域を含む紫外線を放射する両口金形放電灯で、両端の電極に電気的につながる口金38a、38bに、それぞれソケット39a、39bを挿入し、ソケット39bにつながる非ハロゲン化物質の絶縁導線40を透光管2の中で放電灯3の管体に沿ってソケット39a側まで引き回し、ソケット39a側で装着と着脱ができる構造になっている。
【0029】
図5は放電灯を透光管に内挿し、透光管内を窒素ガスの雰囲気で使用した紫外線照射処理装置の実施例である。実際の装置は複数本の透光管にそれぞれ放電灯が挿入されて使用される装置が一般的であるが、便宜上1本のみで図示している。符号3は220nm以下の波長域を含む紫外線を放射する片口金形放電灯で、一方の電極に通じるリード線38の絶縁導線は非ハロゲン化物質に拘らない。本装置を稼動開始するに際して、放電灯3を透光管2に挿入後に透光管内を窒素ガスで置換し両側をゴムキャップ39a、39bで密封する。ゴムキャップ39aはソケットが密着して貫通する穴が開いており、ゴムキャップ39bは穴のない閉塞体になっている。両方のゴムキャップを完全にはめ込む前に、シリンダー1全体を大きなプラスチック袋等で覆い、その中を窒素ガスで充満させると容易に置換できる。その後にシリンダーカバー40a、40bを取り付け、シリンダーカバー41a、41b内も窒素ガスで満たしておくと一層効果的である。このように構成された紫外線照射処理装置は放電灯の管体に沿って引き回される絶縁線38が窒素雰囲気にあるためハロゲン化物質の絶縁導線であっても劣化がなく、有害なハロゲン化水素やハロゲン化水素酸を発することがない。符号42は電源である。
【0030】
なお、本発明の実施例では一対のフィラメントのそれぞれ片側に導線を接続し、2ピンの口金を有するインスタントスタート形の低圧水銀蒸気放電灯、すなわち管体の外壁を引き回す絶縁導線が1本の放電灯を図示したが、フィラメントのそれぞれ両側に導線を接続しフィラメントを予め加熱させてから放電させるプレヒート形の低圧水銀蒸気放電灯、すなわち管体の外壁を引き回す絶縁導線が複数本であっても何ら問題がなく、口金の形状等にもこだわるものではない。また、必ずしも水銀蒸気放電灯のみを対象とするものではなく、例えばエキシマランプやキセノンランプ等の220nm以下の波長域に発光を有する光源に適用すれば同様の作用効果をもたらすものである。さらには、対象とする装置は横型に限らず縦型であっても良く、放電灯を挿入する透光管は両端に開口部をもつ形状に限らず一端は封止されたものでもよい。
【0031】
ちなみに、実施例1に示した放電灯を数100本の単位で有機物分解処理を行う既設の紫外線照射処理装置に搭載し運転したところ特段の不具合もなく満足される性能を発揮し、1年間使用後にそれらの放電灯を交換した際には安全、環境、健康上は勿論のこと、交換、取り扱い、廃棄作業上にも何ら障害がなかったことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態において紫外線放電灯の外周に束ねた絶縁導線試料を示す図。
【図2】本発明の一実施例の紫外線放電灯を模式的に示した断面図。
【図3】本発明の他の実施例の紫外線放電灯を模式的に示した断面図。
【図4】本発明のさらに他の実施例の紫外線放電灯を模式的に示した断面図。
【図5】本発明の他の実施例の紫外線処理装置を模式的に示した断面図。
【図6】従来の紫外線処理装置を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
【0033】
2……透光管、3……片口金形放電灯、31……管体、32a,32b……フィラメント、33a,33b,33c,33d……インナーリード、34a,34b,34c,34d……モリブデン箔、35a,35b,35c,35d……アウターリード、36……キャップ、37……口金、37a,37b……給電ピン、38……ポリイミド管で絶縁したリード線、38a,38b……口金、39a,39b……ソケット、40a,40b……ゴムキャップ、41a,41b……シリンダーカバー、42……電源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石英ガラス管の両端に、互いに対向する一対の電極を備え、少なくとも220nm以下の波長域に発光する物質を封入して成る放電灯において、
一方の側の電極に、非ハロゲン系の絶縁体で被覆された絶縁導体の一端を接続し、該絶縁導体を、前記石英ガラス管の外壁に沿って他方の側の電極の方に導き、該他方の側の電極に電気的に接続される導線と同じ側で、供給電源に接続可能に構成したことを特徴とする短波長紫外線放電灯。
【請求項2】
前記他方の電極近傍に導かれた絶縁導体と、前記他方の側の電極に電気的に接続される導線とを、一体となる口金に収納し前記供給電源に着脱可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の短波長紫外線放電灯。
【請求項3】
非ハロゲン系の絶縁体が、主鎖中に、芳香環及び/又は複素環を有する高分子化合物を含むことを特徴とする請求項1又は及び2に記載の短波長紫外線放電灯。
【請求項4】
高分子化合物が、主鎖中にアミド結合、エステル結合、エーテル結合、CO結合及びウレタン結合から選ばれた少なくとも一種の化学結合を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の短波長紫外線放電灯。
【請求項5】
高分子化合物が、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスルフォン、エチレン-プロピレン共重合体(EPR又はEPDM)及びポリウレタンから選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の短波長紫外線放電灯。
【請求項6】
非ハロゲン系の絶縁体が、ケイ素、アルミニウム、亜鉛もしくはジルコニウムの酸化物又は窒化物およびガラス繊維の少なくとも1種から成る無機絶縁体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の短波長紫外線放電灯。
【請求項7】
非ハロゲン系の絶縁体が、導体上に、ワニスの塗布・焼付け塗膜、押し出し被覆、管状被覆、テープ巻回、繊維の編組又はこれらの組み合わせにより、被覆されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の短波長紫外線放電灯。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の短波長紫外線放電灯を、少なくとも220nm以下の波長域に透光性を有する管に内挿して前記短波長紫外線放電灯から放射される紫外線を該透光管の壁を介して被処理物へ照射可能としたことを特徴とする紫外線照射処理装置。
【請求項9】
前記短波長紫外線放電灯と前記少なくとも220nm以下の波長域に透光性を有する管との間を封止し、前記短波長紫外線放電灯と前記透光性を有する管の間に不活性ガスを封入若しくは流通させたことを特徴とする請求項8記載の紫外線照射処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−220549(P2007−220549A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41404(P2006−41404)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(391031155)株式会社日本フォトサイエンス (12)
【Fターム(参考)】