説明

石膏木部繊維製品のための耐水性添加剤

石膏木部繊維製品に耐水性を与えるのに有用なエマルションが提供される。ある実施の形態では、エマルションは、ろうもしくはろうの組み合わせ、アルキルフェノール、少なくとも一種類の界面活性剤、ポリナフタレンスルホン酸、および、アルカリ金属の水酸化物を有する。他の実施の形態では、エマルションは、ろうもしくはろうの組み合わせ、アルキルフェノール、少なくとも一種類の界面活性剤、ポリナフタレンスルホン酸、アルカリ金属の水酸化物、および、デンプン複合体を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年12月20日出願の米国仮出願番号60/435,329および2003年3月12日出願の米国仮出願番号60/454,131の利益の享受を主張する。
【0002】
本発明は、石膏木部繊維製品の耐水性の改良に有用な添加剤に関する。また、本発明は、ろうもしくはろうの組み合わせ、アルキルフェノール、少なくとも一種類の界面活性剤、ポリナフタレンスルホン酸、および、アルカリ金属の水酸化物を含むエマルションで、石膏木部繊維製品の耐水性の改良に有用なエマルションに関する。さらに、本発明は、エマルションの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
石膏(硫酸カルシウム二水和物)のある性質は、工業製品および建築製品、特に石膏ボードの製造にとてもよく使用されている。石膏は、脱水と再水和の工程を通して、流し込み、成型、または他の成形によって有用な形状にできる、豊富で、一般に安価な原料である。石膏ボードを製造する基本的な材料は、二水和物から水相が除去される熱転移によって造られ、通常焼石膏と呼ばれる硫酸カルシウム(石膏)の半水和物の形態をしている。
【0004】
石膏ボードの製造において、石膏スラリーは紙の基材に流出される。そして、続く工程で、スラリー/基材の複合物は、ローラーの間を通過することによってある大きさにされる。ある大きさにされると同時に、裏紙が石膏スラリーの上に配置される。したがって、石膏スラリーは、適切な大きさにされた石膏ボードを製造するのに充分な流動性が維持されるべきである。
【0005】
石膏ボードの製造では、石膏スラリーが限られた範囲で泡立ちやすいことも重要である。起泡性はこの泡立ち能力を示す。石膏スラリーと紙の基材がある大きさにするローラーを通過するとき、一定の量の石膏スラリーがこのローラーに供給されるように、石膏スラリーのある量が逆流しローラーの間に溜まることが必要である。
【0006】
石膏スラリーが基材の上に流れ、そしてある大きさにするローラーを通過するという石膏ボードの製造工程の連続性のため、ある大きさにされた後の石膏スラリーの流量は、石膏ボードの最終製品の寸法を維持するために重要である。石膏スラリーを流入しない時間は硬化前の時間となる。硬化時間は石膏スラリーの重要な特性である。石膏スラリーの硬化時間は、加熱下で石膏スラリーを乾燥させて最終的な固体の石膏ボードを得る時間となる。
【0007】
石膏ボードは吸水して壁板の強度を減少させる。通常の石膏ボード、石膏タイル、石膏ブロック、石膏成型品等の従来製品は、比較的耐水性がない。例えば、通常の石膏ボードを水に浸すと、ボードは直ちに多量の水を吸って強度を大きく失う。実際の試験では、石膏ボードの主材料の2インチ×4インチの円柱を約70°Fで水に浸したところ、円柱は40分間の浸漬後に36%の吸水率を示した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
石膏木部繊維(GWF)製品は、GWFが石膏および木部繊維の両方の確立したスラリーが合併している点で、通常の石膏壁板製品と異なる。例えば、木材に加えて、パーティクルボード、繊維板、薄板、合板、再生パルプおよび再生紙、ならびに、「硬質の」板(高密度繊維板)は、建築業で使用される加工されたリグノセルロース系材料製品の形成体である。このような材料は、石膏と比べて良好な張力と曲げ強度を有する。しかしながら、これらは一般に高価で耐火性に乏しく、湿気にさらすとしばしば膨張しやすく反りやすい。したがって、セルロース系材料から造られる建築製品の特性を制限する用途を改善する手頃な方法が望まれる。
【0009】
石膏とセルロース系繊維、特に木部繊維の好都合な特性を合わせる従来の試みは、とてもわずかな成功しかもたらさなかった。これまでは繊維と石膏との間の大きな結合を得ることができなかったため、セルロース系繊維(またはその材料に代わる他の繊維)を焼石膏および/または石膏ボードの芯に加える試みでは、一般に、ほとんどまたは全く強度を高めることができなかった。米国特許第4,328,178号、第4,239,716号、第4,392,896号、および、第4,645,548号は、再水和した石膏ボードなどの強化剤として役立つように、木部繊維または他の天然繊維を混ぜて焼石膏(硫酸カルシウム半水和物)スラリーに加えた新しい試験例を開示している。
【0010】
米国特許第4,734,163号は、未処理または未焼成の石膏を細かく粉砕し、5から10%の紙パルプと湿式混合する工程を教示する。粉砕されたものは、部分的に脱水されケークを形成し、水/固形分の比が0.4未満になるまで更に圧縮ロールで脱水される。ケークは切断されて未乾燥のボードとなり、調整および切断の後、未乾燥のボードは2つの鋼鉄製の装置の間で積層されオートクレーブに入れられる。石膏が硫酸カルシウムのα半水和物に転移するように、オートクレーブ中の温度が約140℃に上げられる。続いて起こる容器内のボードの追加冷却の間、半水和物は再水和して二水和物(石膏)に戻り、ボードを完全にする。そして、ボードは必要に応じて乾燥され完成する。
【0011】
ベイグ(Baig)の米国特許第5,320,677号は、石膏とリグノセルロース繊維のような材料を強化する補助粒子の複合体を開示する。複合体の材料は、薄い水性のスラリー中で、石膏と木部繊維のような強い物質の補助粒子を混合することによって作製される。スラリーは、石膏が硫酸カルシウムのα半水和物に転移するように、オートクレーブ中で、好ましくは減圧下で、加熱される。転移された熱いスラリーは、ヘッドボックスを経由して製紙工程で使用される型の連続するフェルト化コンベアに流出され、そこで、半水和物が再水和して石膏に戻る前にできるだけ多くの結合していない水を除去するようにスラリーが脱水される。得られた材料は、分離した補助粒子と物理的にからみ合った石膏の結晶を含む均質なかたまりである。得られたマットは、加熱対流下または強制空気乾燥炉内で乾燥し、乾燥したボードは望みの大きさに切断される。ベイグは、結晶転移剤をスラリーに加えることを教示するが、最終製品の耐水性を改良する添加剤を加えることを教示しない。
【0012】
通常の石膏壁板、石膏タイル、石膏ブロック、石膏成型品等のような従来の製品は、相対的にほとんど耐水性がない。
【0013】
ソング(Song)の米国特許第6,010,596号は、パラフィン系炭化水素、モンタンろう、ポリビニルアルコール、水、および、乳化剤の組み合わせを含むろうエマルションを、基礎の石膏と木部繊維を含む熱いスラリーに加えることを教示する。乳化剤は、非イオンおよび陽イオン界面活性剤を含んでいる。スラリーは、熱いうちに製紙工程で使用される型のような連続するフェルト化コンベア上にヘッドボックス経由で排出され、濾過ケーク形成し、結合していない水をできるだけ多く除去する。ソングは、ろう、アルキルフェノール、少なくとも一種類の界面活性剤、ポリナフタレンスルホン酸、および、アルカリ金属水酸化物の新規な組み合わせを含むエマルションを教示する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の実施の形態は、添加するエマルションと、石膏木部繊維複合体の製造において、吸水、粘度調整、安定性、および、スラリーの流動性の課題に対応するエマルションの製造方法を提供する。
【0015】
ある実施の形態では、本発明は、少なくとも一種類のろうと、アルキルフェノールと、少なくとも一種類の界面活性剤と、ポリナフタレンスルホン酸と、アルカリ金属の水酸化物と、水を有するエマルションを提供する。ポリナフタレンスルホン酸とアルカリ金属の水酸化物は、反応してポリナフタレンスルホン酸の塩を生じる。この実施の形態のエマルションは、エマルションを分離または凝固させずに、沸騰水でもよい熱水を加えることができる。本発明のエマルションは、室温において、注げるような液体であり、保存しておく時間が延長されように安定している。本発明のエマルションは、石膏木部繊維複合体の製造中に加えると、複合体の耐水性を改善する。
【0016】
他の実施の形態では、本発明は、少なくとも一種類のろうと、アルキルフェノールと、少なくとも一種類の界面活性剤と、ポリナフタレンスルホン酸と、アルカリ金属の水酸化物と、水と、デンプンを有するエマルションを提供する。
【0017】
他の実施の形態では、本発明は、少なくとも一種類のろうと、アルキルフェノールと、少なくとも一種類の界面活性剤と、ポリナフタレンスルホン酸と、アルカリ金属の水酸化物と、水と、デンプン複合体を有するエマルションを提供する。
【0018】
他の実施の形態では、本発明は、
(a)少なくとも一種類のろう、アルキルフェノール、および、少なくとも一種類の界面活性剤を含む混合物を約185°Fから約210°Fの温度に加熱し、ろう相の混合物を得る工程と、
(b)ポリナフタレンスルホン酸、アルカリ金属の水酸化物、および、水を含む混合物を約185°Fから約210°Fの温度に加熱し、水相の混合物を得る工程と、
(c)水相の混合物をろう相の混合物に加えて混合物を得る工程と、
(d)工程(c)の混合物を均質化する工程と、
(e)均質化された混合物の安定性と粘度を管理するのに有効な速度で、均質化された混合物を冷却する工程と、
を有するエマルションの製造方法を提供する。
【0019】
発明の他の形態では、本発明のエマルションと通常の製紙工程を使用して製造される石膏木部繊維複合体が示される。
【0020】
本発明の他の実施の形態は、120°F以上の融点を有し、エマルションの総重量に対して約30wt%から約45wt%の量の第1のろうと、エマルションの総重量に対して約3から約5wt%の量のケン化性のろうと、エマルションの総重量に対して約0.5から約5wt%の量の界面活性剤の組み合わせと、エマルションの総重量に対して約0.5から約10wt%の量のアルキルフェノールと、エマルションの総重量に対して約0.25%から約5wt%の量のポリナフタレンスルホン酸と、エマルションの総重量に対して約45から約65wt%の量の水と、エマルションの総重量に対して約0.5%から約3wt%の量のアルカリ金属の水酸化物を有するエマルションである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
石膏木部繊維(「GWF」と省略)製品は、GWFが約5から50部の木部繊維と混合体で100%の組み合わせが得られるような石膏の量との独自の組み合わせおよび比率で石膏および木部繊維の両方の確立したスラリーが合併している点で、通常の石膏壁板製品と異なる。形成装置を通してスラリーを組み込むと共に、製造工程におけるスラリーの流動性に影響しないで工程における固有の起泡を抑えるスラリーの化学作用を補助する添加剤が必要である石膏壁板の製造とは異なり、GWFの製造は、最初のマットの形成、および、後の連続する真空ベルトローラーを通じて圧縮し脱水するための真空網にGWFスラリーを分配し、最終的な脱水のための炉に入れる湿部のヘッドボックスの分配機構を利用する通常の製紙工程によって促進される。エマルションの添加によって、ろうは、真空ベルト上で被覆または析出を起こさない。本発明のGWFは、紙表面と裏紙に組み込まれず、むしろ、現在入手できる通常の外装製品と類似の性能および用途を持つ紙がない芯である。
【0022】
24からC36またはこれより多く重合されたアルキルフェノール、各種のろう、ヘキサオレイン酸の脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステルのようなソルビタンエステルから選択される共通の界面活性剤、ならびに、ポリナフタレンスルホン酸の塩の独自の組み合わせおよび比率が、GWF複合体に組み込むのに適した安定なろうエマルションを生じる。
【0023】
好ましい態様は、次の表1の通りである。
【表1】

【0024】
水で各種の繊維系材料の薄い水性分散液をフェルト化する工程は、多種の紙およびボード製品のよく知られた量産製造工程である。この工程では、繊維、接合剤、および、希望や必要に応じた他の成分の水性分散液は、長網抄紙機またはオリバー抄紙機の網のような移動している多孔の支持抄網上に水切りのために流される。分散液は、まず重力によって水切りされ、つぎに真空吸引手段によって水切りされ、そして、余分な水を除去するために、ロールと支持抄網の間で、湿ったマットが指定された厚さになるように押圧される。押圧されたマットは、加熱下で、または、強制空気乾燥炉によって乾燥され、乾燥した材料は望ましい大きさに切断される。
【0025】
発明の実施の形態は、更に石膏木部繊維製品の製造方法を示し、この方法は、
(a)スラリーと水の総重量に対して、約5wt%から約50wt%の木部繊維、約5wt%から約50wt%の石膏、約1wt%から約3wt%の本発明のエマルションを含むスラリーを混合する工程と、
(b)マットを形成するために、真空網にスラリーを分散する工程と、
(c)工程(b)のマットを部分的に乾燥させる工程と、
(d)連続する真空ベルトローラーを通して、工程(c)のマットを圧縮する工程と、
(e)工程(d)の圧縮されたマットを炉内で乾燥させる工程と、
を有する。
【0026】
スラリー中の水の量は、マットを形成するために真空網にスラリーを分散させる十分な量である。各種の石膏木部繊維製品は、壁板および外装を含むこの方法によって製造してもよいが、この方法には限定されない。
【0027】
複合剤、および、重合されたアルキルフェノールが結合したポリナフタレンスルホン酸の塩と全て正しい関係で組み合わされて、酸で変性された、ヒドロキシエチル化された、酸化された、および/または、陽イオン化されたようなデンプン化合物を利用することによって、有名な欠陥が訂正され、吸水抑制剤として優れた性能を有するろうエマルションが得られることが分かった。さらに、本発明の組成物は、真空ベルトに堆積するろうに対して、堆積防止剤として作用する。
【0028】
さらに、ホウ酸化合物、モリブデン酸化合物、および、モリブデン化合物は、複合剤に驚くような効果があることが分かった。以下、一般的に、本発明のモリブンデン酸およびモリブデン化合物をモリブデン化合物という。有用な複合剤の例は、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸マグネシウム、および、他のホウ酸化合物;モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸マグネシウム、および、他のモリブデン酸化合物;二硫化モリブデン、および、他のモリブデン化合物を含むがこれらに限定されない。
【0029】
変性されたデンプンに対する複合剤(例えば、テトラホウ酸ナトリウム十水和物、モリブデン酸ナトリウム二水和物、二硫化モリブデン、または、他の化合物)の比率は、ボード/スラリーの工程における他の必要な特性、すなわち、泡の維持性およびスラリー添加剤の互換性の調整にかなり影響する。
【0030】
さらに、これらの組み合わせと比率は、独自のもので、安定して機能するろうエマルションを案出するために必要であること、および、確かな製造工程が現れることが分かった。デンプン:ホウ酸化合物、または、デンプン:モリブデン化合物の比率の範囲は、重量比で、約4:1から約20:1であってもよい。
【0031】
発明の他の実施の形態では、木部繊維、石膏、および、本発明のろうエマルションを含む石膏木部繊維製品が示される。
【0032】
石膏木部繊維壁板製品の製造において、壁板を規定の板浸漬試験に供することによって得られる最大吸水量を制限するように、最終製品に耐水性を与えることが重要である。例えば、米国材料試験標準のASTM 1396やその下位分類には、そのような試験が記載されている。
【0033】
エマルションの調製:
本発明の実施の形態の有用なデンプン複合体を造るために、本発明のある実施の形態では、まず、水、複合剤(すなわち、ホウ酸化合物またはモリブンデン化合物)、および、デンプンを一緒にする。つぎに、ポリナフタレンスルホン酸と水酸化カリウムをデンプン複合体の水溶液に加える。この混合は約185°Fから約205°Fの温度で行われ、デンプンが最大限のゲル状態になるまで、典型的には約20から約30分間維持される。ろうの混合物を重合されたアルキルフェノールと合わせ、約185°Fから約205°Fの温度にする。そして、現場で界面活性剤を形成するために、ろう相を水相に加え反応させる。重合されたアルキルフェノールとポリナフタレンスルホン酸の組み合わせと反応によって陰イオン界面活性剤/分散剤が形成され、これがろうの結晶を変性し、ろうの結晶の被覆および自己結合を抑え、その代わりに、石膏に移されるまで極性によって分離状態で残存する。そして、反応系は、約2,000から約4,000psiの圧力下でホモジナイザーを経由して、最終的なろうエマルションの安定性および粘度を調整するために指定の速度で冷却される。均質化された混合物は、約135°Fから約145°Fの温度でホモジナイザーから出される。そして、混合物を約80°Fから約110°Fに冷却する。冷却速度は、ろうの結晶化や溶液中での析出を起こさないように調整される。
【0034】
ここで使用される「ろうエマルション」の語は、一種類以上の界面活性剤の使用によって乳化された、一種類以上のろうの水性のエマルションを意味する。ろうエマルションは、最終製品に耐水性を与えるのに適した一種類以上のろうを含む。一種類以上のろうは、製品を仕上げる石膏と木部繊維に関して不活性である。
【0035】
エマルションは、ある容器内のろう、アルキルフェノール、および、少なくとも一種類の界面活性剤(「ろう相混合物」)、ならびに、他の容器内の水、ポリナフタレンスルホン酸、アルキル金属の水酸化物(「水相混合物」)を加熱することによって調製される。双方の混合物をそれぞれ混ぜながら約185°Fから約210°Fの温度に加熱した。つぎに、ろう混合物を水混合物に混ぜながら注いだ。そして、得られた混合物をホモジナイザーに入れた。均質化によって、約0.6ミクロンから約1.8ミクロンのミセルの直径の分布が生じることが好ましい。しかしながら、ミセルの直径の分布が、約0.5ミクロンから約2.5ミクロンであってもよい。この均質化の水準は、例えば、約2,000から約4,000psigで、好ましくは約2500から約3000psigで、二穴ホモジナイザー(dual orifice homogenizer)を用いて達成できる。
【0036】
均質化工程の後に、均質化された混合物は、均質化された混合物の安定性と粘度の管理に効果的な速度で冷却される。均質化された混合物の粘度は、約30から約200cps、好ましくは約80から約100cpsである。均質化された混合物は、およそ185°Fから約100°Fに冷却するのが最も好ましい。これは、均質化された混合物を、室温に維持された水に浸した冷却管(cooling coil)に通すことによって達成してもよい。
【0037】
HLB値:
親水性/疎水性の比(「HLB」)の値は、化合物の水への溶解性との関連を描写する。低いHLB値を有する乳化剤は油に溶ける傾向にあり、高いHLB値を有する乳化剤は水に溶ける傾向にある。典型的には、水に溶けるまたは水に混ざる乳化剤は、ここで述べた代表的な油/水のエマルションを製造するために、油やろうを可溶化するために、または、多少の洗浄性を得るために使用される。したがって、HLB値は、乳化剤または乳化系の特性を評価したり選択したりするために使用できる。
【0038】
2以上の成分を混ぜ合わせたとき、混合物のHLB値は、個々のHLB値の重量平均である。以下の式は、材料の混合物のHLB値を算出するのに使用できる。
【0039】
【数1】

【0040】
ここで、Qは材料1の重量、HLBは材料1のHLB値、Qは材料2の重量、HLBは材料2のHLB値、Qは材料nの重量、HLBは材料nのHLB値である。
【0041】
吸水試験:
本発明の成分の吸水への影響は、以下の工程を用いて測定した。
1)紙パルプの作製:ミキサー中で3.2グラムの紙と200gのHOを低速で2分間混合する。
2)混合物が190°Fになるまで加熱板の上でパルプを撹拌・加熱し、そして、31.8グラムのB型(B−Base)焼石膏を加えて190°Fになるまで絶え間なく撹拌する。
3)加熱板の上で混合物を撹拌しながら、焼石膏のような耐熱添加剤(「HRA」)を0.32グラムと、0.067gの製紙用ミョウバンを加える。加熱板から外して、計算量の本発明の耐水性エマルション(「WR」)を、使い捨てピペットを用いて加える。この計算は、Xがエマルションの固形含有量のとき1/XグラムのWRである。例えば、固形含有量が40%の場合、1/0.4=2.5グラムのエマルションを熱い混合物に加える。ライン製造では、典型的な3%のWRの使用水準と概算される。加熱板の上に混合物を置き、1分間撹拌し温度を維持する。
4)パルプ/スラリー混合物を真空濾過し、平坦な濾過ケークを造る。上述の装置を使っておよそ30秒間かかる。濾過ケークをアルミ皿に除去し濾紙をはがす。周囲の温度でケークを20分間置き、そして、180°Fの炉内に30分間入れておき、そして、100°Fで一定の重量に乾燥させる。
5)乾燥したケークを秤量する。ケークを水に30分間浸漬する。余分な水を取って再度ケークを秤量する。吸水率を算出する。
【0042】
材料
各種の石膏源が本発明の混合物に使用できる。ここで使用する「石膏」の語は、安定な二水和物の状態の硫酸カルシウム、すなわち、CaSO2HOを意味し、天然の鉱物、合成された同等の物、および、硫酸カルシウム半水和物(焼石膏)または無水物を水和させて作製した二水和物を含む。ここで使用する「硫酸カルシウム材料」の語は、どんな形態の硫酸カルシウム、すなわち、無水硫酸カルシウム、硫酸カルシウム半水和物、硫酸カルシウム二水和物、および、これらの混合物をも意味する。石膏はデューク・パワーまたはケンタッキー・パワーのような石炭焼成電力工場の大半から入手できる。
【0043】
ここで使用する「石膏木部繊維」(GWF)の語は、石膏と例えば木部繊維である補助粒子の混合物を含むように定められる。しかし、石膏の試料を水和するのに必要な水の量は、試料の純度によって異なる。混合物中の石膏の存在量は、混合物の総重量に対して、約5部から約50部である。一般に、木部繊維は、従来の木の組成に属する。木部繊維の例は、松、ツガ、および、モミのような軟材を源とするもの、ならびに、オーク、カエデ、ユーカリ、ポプラ、ブナ、および、ヤマナラシのような硬材を源とするもの含むが、これらには限定されない。
【0044】
本発明の各実施の形態を作製するのに有用なろうは、約120°Fから約150°F、好ましくは約135°Fから約145°Fの融点を有する市場で知られたどんなろうでも選択できる。このようなろうは、一般に、揮発性が低く、標準の熱重量分析で約10%未満の重量損失を示す。また、これらのろうに含まれる油分含有量は、典型的には重量で約1%未満である。これらのろうは、36個の炭素鎖の長さであるC36かそれを超える平均鎖長を有し、比較的高い分子量を有する。好ましいろうは、Honeywell 3816である。ろうは、エマルションの総重量に対して、約30から約45wt%の量で存在する。
【0045】
好ましいろうの組み合わせは、モンタンろうとHoneywell 3816の組み合わせである。この好ましい実施の形態では、エマルションの総重量に対して、モンタンろうの存在量が約3から約5wt%で、Honeywell 3816の存在量が約30から約45wt%である。
【0046】
ある実施の形態では、一種類以上のろうをケン化することは有用である。この方法では、ケン化されたろうが添加された界面活性剤として機能する。この点で有用なろうは、酸価またはケン化価を有し、融点が約180°Fより高いろうに限定される。このようなろうのケン化は、ろうに水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような強塩基を混合することによって行うことができる。本発明のエマルション中でケン化されたろうは、モンタンろう、カルナウバろう、みつろう、シロヤマモモろう、カンデリラろう、キャランデイ(caranday)ろう、ヒマろう、エスパルトろう、木ろう、オーリカリー(ouricury)ろう、レタモセリミンビ(retamo−ceri mimbi)ろう、セラック、鯨ろう、サトウキビろう、羊毛ろう、および、その他のろうを含む。ろうをケン化するのに必要な強塩基材料の量は、ろうのケン化価に基づいて算出できる。例えば、1000で割ったケン化価は、ろう1グラム当たりに加える水酸化カリウムのグラム量と等しい。
【0047】
アルカリ金属の水酸化物は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群から選択される。エマルション中に存在するアルカリ金属の水酸化物の量は、エマルションの総重量に対して約0.5から約3.0wt%である。
【0048】
界面活性剤はソルビタンエステルを含むが、これに限定されない。好適なソルビタンエステルの例は、ソルビタン脂肪酸エステル、ヘキサオレイン酸の脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、および、これらの混合物を含むが、これらには限定されない。本発明に有用なソルビタン脂肪酸エステルの例は、モノステアリン酸ソルビタンであるSPAN 60である。SPAN 60は、デラウェア州ウィルミントンのICIアメリカズ社から入手できる。本発明に有用なポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの例は、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンであるTWEEN 60である。TWEEN 60は、デラウェア州ウィルミントンのICIアメリカズ社から入手できる。エマルション中の界面活性剤の量は、エマルションの総重量に対して約0.5から約5wt%である。
【0049】
一種類を超える界面活性剤をエマルションに用いてもよい。界面活性剤の好ましい組み合わせは、モノステアリン酸ソルビタンとモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンであり、界面活性剤の組み合わせは、約0.5から約5wt%の量だけ存在する。
【0050】
ある実施の形態では、本発明のエマルションに使用するデンプンは、デンプン複合体である。デンプンは、エマルションの製造中に現場で複合してもよいし、エマルションへの添加前に予め複合してもよい。デンプンは、ホウ酸化合物またはモリブデン化合物のような複合剤とデンプンとを混合して複合するのが好ましい。複合剤として有用な化合物は、二ホウ酸アンモニウム、ペンタホウ酸アンモニウム、テトラホウ酸ナトリウム(ボラックス)、ペンタホウ酸カリウム、テトラホウ酸カリウム、テトラホウ酸リチウム、および、ホウ酸マグネシウム化合物;ジモリブデン酸アンモニウム、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸バリウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸リチウム、モリブデン酸マグネシウム、モリブデン酸ナトリウム、および、モリブデン酸カリウム;二硫化モリブデン、および、他のモリブデン化合物などを含む。本発明のデンプン複合体の製造に有用なデンプンは、トウモロコシ、稲、小麦、芋、サゴヤシ、および、他のデンプンを含むが、これらには限定されない。デンプンに対する複合剤(ホウ酸化合物またはモリブデン化合物)の比は、エマルション中のデンプン複合体の機能にとって重要である。デンプンに対する複合剤(ホウ酸化合物またはモリブデン化合物)の重量比が1:20の低さであってもよいことが分かった。その比は1:3.5の高さであってもよいが、この比以上では、石膏の混合物および石膏の最終製品の望ましい性質の安定性を維持するためには、エマルション中に大量のデンプン複合体が必要であることが分かった。これらの望ましい性質は、流動性、起泡性、および、耐水性を含む。
【0051】
アルキルフェノールをエマルションに混合することは、最終的な石膏木部繊維製品が低い吸水性を示すのに重要であることが分かった。ここで使用する「アルキルフェノール」とは、長鎖アルキル基を有するフェノール化合物をいう。長鎖アルキル基は、直鎖構造であっても分枝構造であってもよい。長鎖アルキル基は、C24からC34(24個から34個の炭素鎖の長さ)であってもよい。このようなアルキルフェノールは、長鎖、C24からC34(24個から34個の炭素鎖の長さ)に重合されたメチレンが結合したアルキルフェノール、フェナート塩、カルシウムフェナート、分枝した長鎖のカルシウムアルキルフェノール、長い直鎖のカルシウムアルキルフェノール、ならびに、アミン基で置換されたおよび置換されていないマレイン酸の重合体の複合体を含む。本発明の混合物に有用なアルキルフェノールの一例を以下に示す。
【表2】

【0052】
エマルション中のアルキルフェノール存在量は、エマルションの総重量に対して、約0.5から約10wt%である。
【0053】
酸で変性された、ヒドロキシエチル化された、酸化された、および/または、陽イオン化されたようなデンプン化合物もエマルションに加えてもよい。デンプンの量は、エマルションの総重量に対して約0.1から約2wt%である。
【0054】
本発明では、殺菌剤/殺カビ剤が含まれていてもよい。殺菌剤、殺カビ剤の例は、3,5−ジメチル−テトラヒドロ−1,3,5,2H−チアジアジン−2−チオンであるMETASOL D3TAである。METASOL D3TAは、テキサス州ヒューストンのオンド−ナルコから入手できる。
【0055】
本発明では、ポリナフタレンスルホン酸の塩が必要である。ポリナフタレンスルホン酸の例は、DISAL GPSである。ポリナフタレンスルホン酸とアルカリ金属の水酸化物は、反応してポリナフタレンスルホン酸の塩を生じる。DISAL GPSは、カナダのケベック州モントリオールのハンディ・ケミカルから入手してもよい。
【0056】
ポリナフタレンスルホン酸を含むろうエマルション
下記の表2は、本発明の実施の形態によって製造されたエマルションの例を示す。重量はグラムによって現される。
【表3】

【0057】
また、本発明のエマルションは、ホウ酸化合物またはモリブデン化合物のような有用な複合剤を含むことができる。本発明のエマルションは、デンプンを含むことができる。本発明のエマルションは、デンプン、および、ホウ酸化合物、モリブデン化合物などから選択される複合剤の複合体であるデンプン複合体を含むことができる。
【0058】
本発明の原理に従って、エマルションおよびこのようなエマルションを使用して製造する石膏木部繊維製品について説明した。このエマルションは、石膏木部繊維製品に耐水性を与えるのに有用である。実施の形態および本発明の最良の形態を説明したが、これらの実施の形態は、単なる説明に過ぎない。発明の趣旨および請求の範囲の意図に反しない変更ができることは、当業者にとって明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一種類のろうと、
アルキルフェノールと、
少なくとも一種類の界面活性剤と、
ポリナフタレンスルホン酸と、
アルカリ金属の水酸化物と、
水と、
を有することを特徴とするエマルション。
【請求項2】
前記アルカリ金属の水酸化物は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載のエマルション。
【請求項3】
前記アルキルフェノールは、C24からC36に重合したメチレンが結合したアルキルフェノールであることを特徴とする請求項1記載のエマルション。
【請求項4】
前記C24からC36に重合したメチレンが結合したアルキルフェノールは、エマルションの総重量に対して約0.5から約10wt%存在することを特徴とする請求項3記載のエマルション。
【請求項5】
前記界面活性剤は、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、および、これらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載のエマルション。
【請求項6】
前記ポリオキシエチレンソルビタンエステルは、モノステアリン酸ソルビタンであることを特徴とする請求項5記載のエマルション。
【請求項7】
前記モノステアリン酸ソルビタンは、エマルションの総重量に対して約0.5から約5wt%存在することを特徴とする請求項6記載のエマルション。
【請求項8】
前記ポリオキシエチレンソルビタンエステルは、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンであることを特徴とする請求項5記載のエマルション。
【請求項9】
前記モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンは、エマルションの総重量に対して約0.5から約5wt%存在することを特徴とする請求項8記載のエマルション。
【請求項10】
前記界面活性剤は、モノステアリン酸ソルビタンとモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンの組み合わせであることを特徴とする請求項1記載のエマルション。
【請求項11】
前記モノステアリン酸ソルビタンとモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンの組み合わせは、エマルションの総重量に対して約0.5から約5wt%存在することを特徴とする請求項10記載のエマルション。
【請求項12】
第1のろうは、少なくとも120°Fの融点を有し、第2のろうは、ケン化性のろうであることを特徴とする請求項1記載のエマルション。
【請求項13】
エマルションの総重量に対して、前記第1のろうは、約30から約45wt%存在し、前記第2のろうは、約3から約5wt%存在することを特徴とする請求項12記載のエマルション。
【請求項14】
前記ポリナフタレンスルホン酸は、エマルションの総重量に対して、約0.25から約5wt%存在することを特徴とする請求項1記載のエマルション。
【請求項15】
デンプンを更に有することを特徴とする請求項1記載のエマルション。
【請求項16】
前記デンプンは、デンプン、ならびに、ホウ酸化合物およびモリブデン化合物からなる群から選択される複合剤を含むデンプン複合体であることを特徴とする請求項15記載のエマルション。
【請求項17】
前記デンプンは、変性されていないデンプン、酸で変性されたデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、酸化デンプン、および、陽イオンデンプンからなる群から選択されることを特徴とする請求項16記載のエマルション。
【請求項18】
前記デンプンは、酸で変性されたデンプンであることを特徴とする請求項17記載のエマルション。
【請求項19】
前記デンプンに対する前記複合剤の重量比は、約1:4から約1:20であることを特徴とする請求項16記載のエマルション。
【請求項20】
(a)少なくとも一種類のろう、アルキルフェノール、ならびに、ソルビタンエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステルからなる群から選択される少なくとも一種類の界面活性剤を含む混合物を約185°Fから約210°Fの温度に加熱し、ろう相の混合物を製造する工程と、
(b)ポリナフタレンスルホン酸、アルカリ金属の水酸化物、および、水を含む混合物を約185°Fから約210°Fの温度範囲に加熱し、水相の混合物を製造する工程と、
(c)前記水相の混合物を前記ろう相の混合物に加えて混合物を得る工程と、
(d)約2000psigから約4000psigの圧力下で、工程(c)の混合物を均質化する工程と、
(e)前記均質化された混合物の安定性と粘度を管理するのに有効な速度で、前記均質化された混合物を冷却する工程と、
を有することを特徴とするエマルションの製造方法。
【請求項21】
前記アルカリ金属の水酸化物は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記アルキルフェノールは、C24からC36に重合したメチレンが結合したアルキルフェノールであることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記界面活性剤は、モノステアリン酸ソルビタンとモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンの組み合わせであることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項24】
第1のろうは、少なくとも120°Fの融点を有し、第2のろうは、ケン化性のろうであることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項25】
デンプン、ならびに、ホウ酸化合物およびモリブデン化合物からなる群から選択される複合剤を含むデンプン複合体が、前記水相の混合物に加えられることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項26】
少なくとも120°Fの融点を有し、エマルションの総重量に対して約30wt%から約45wt%の量の第1のろうと、
エマルションの総重量に対して約3から約5wt%の量のケン化性のろうと、
エマルションの総重量に対して約0.5から約5wt%の量の界面活性剤の組み合わせと、
エマルションの総重量に対して約0.5から約10wt%の量のアルキルフェノールと、
エマルションの総重量に対して約0.25%から約5wt%の量のポリナフタレンスルホン酸と、
エマルションの総重量に対して約45から約65wt%の量の水と、
エマルションの総重量に対して約0.5%から約3wt%の量のアルカリ金属の水酸化物と、
を有することを特徴とするエマルション。
【請求項27】
デンプン複合体を更に有し、前記デンプン複合体は、デンプン、ならびに、ホウ酸化合物およびモリブデン化合物からなる群から選択される複合剤を含むことを特徴とする請求項26記載のエマルション。
【請求項28】
(a)スラリーと水の総重量に対して、約5wt%から約50wt%の木部繊維、約5wt%から約50wt%の石膏、約1wt%から約3wt%の請求項27記載のエマルションを含むスラリーを混合する工程と、
(b)マットを形成するために、真空網にスラリーを分散する工程と、
(c)工程(b)のマットを部分的に乾燥させる工程と、
(d)連続する真空ベルトローラーを通して、工程(c)のマットを圧縮する工程と、
(e)圧縮された工程(d)のマットを炉内で乾燥させる工程と、
を有することを特徴とする石膏木部繊維製品の製造方法。
【請求項29】
ろうエマルションは、
少なくとも120°Fの融点を有し、エマルションの総重量に対して約30wt%から約45wt%の量の第1のろうと、
エマルションの総重量に対して約3から約5wt%の量のケン化性のろうと、
エマルションの総重量に対して約0.5から約5wt%の量の界面活性剤の組み合わせと、
エマルションの総重量に対して約5から約10wt%の量のアルキルフェノールと、
エマルションの総重量に対して約0.25%から約5wt%の量のポリナフタレンスルホン酸と、
エマルションの総重量に対して約45から約65wt%の量の水と、
エマルションの総重量に対して約0.5%から約3wt%の量のアルカリ金属の水酸化物と、
を有することを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記ろうエマルションは、デンプン、ならびに、ホウ酸化合物およびモリブデン化合物からなる群から選択される複合剤を含むデンプン複合体を更に有することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
請求項28記載の方法によって製造されることを特徴とする壁板。
【請求項32】
請求項29記載の方法によって製造されることを特徴とする壁板。
【請求項33】
請求項30記載の方法によって製造されることを特徴とする壁板。
【請求項34】
請求項28記載の方法によって製造されることを特徴とする外装。
【請求項35】
請求項29記載の方法によって製造されることを特徴とする外装。
【請求項36】
請求項30記載の方法によって製造されることを特徴とする外装。
【請求項37】
(a)木部繊維と、
(b)石膏と、
(c)ろうエマルションと、
を有することを特徴とする石膏木部繊維製品。
【請求項38】
前記ろうエマルションは、
少なくとも120°Fの融点を有し、エマルションの総重量に対して約30wt%から約45wt%の量の第1のろうと、
エマルションの総重量に対して約3から約5wt%の量のケン化性のろうと、
エマルションの総重量に対して約0.5から約5wt%の量の界面活性剤の組み合わせと、
エマルションの総重量に対して約0.5から約10wt%の量のアルキルフェノールと、
エマルションの総重量に対して約0.25%から約5wt%の量のポリナフタレンスルホン酸と、
エマルションの総重量に対して約45から約65wt%の量の水と、
エマルションの総重量に対して約0.5%から約3wt%の量のアルカリ金属の水酸化物と、
を有することを特徴とする請求項37記載の石膏木部繊維製品。
【請求項39】
前記ろうエマルションは、デンプンを更に有することを特徴とする請求項38記載の石膏木部繊維製品。
【請求項40】
前記ろうエマルションは、デンプン、ならびに、ホウ酸化合物およびモリブデン化合物からなる群から選択される複合剤を含むデンプン複合体を更に有することを特徴とする請求項38記載の石膏木部繊維製品。
【請求項41】
前記木部繊維は、硬材原料、軟材原料、および、これらの混合物から選択されることを特徴とする請求項37記載の石膏木部繊維製品。
【請求項42】
前記木部繊維は、硬材原料、軟材原料、および、これらの混合物から選択されることを特徴とする請求項38記載の石膏木部繊維製品。
【請求項43】
(a)木部繊維と、
(b)石膏と、
(c)デンプン、ならびに、ホウ酸化合物およびモリブデン化合物からなる群から選択される複合剤を含むデンプン複合体を有するろうエマルションと、
を有することを特徴とする石膏木部繊維製品。
【請求項44】
前記木部繊維は、硬材原料、軟材原料、および、これらの混合物から選択されることを特徴とする請求項43記載の石膏木部繊維製品。


【公表番号】特表2006−512473(P2006−512473A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508513(P2005−508513)
【出願日】平成15年6月5日(2003.6.5)
【国際出願番号】PCT/US2003/017786
【国際公開番号】WO2004/061042
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(596174400)ヘキソン スペシャルティ ケミカルズ インコーポレーテッド (20)
【住所又は居所原語表記】180 East Broad Street,Columbus,Ohio 43215,United States of America
【Fターム(参考)】