説明

研磨装置

【課題】基板研磨中でも研磨定盤の研磨面を最適な状態に保つことができ、研磨面の削れが進んでも研磨面の面形状が変化しないで、且つ基板研磨中に研磨面の温度上昇を抑制し高い研磨レートの研磨が可能で、更に研磨定盤の研磨パッドを交換した後に、研磨パッドを実使用状態に速やかに近づけることができる研磨装置。
【解決手段】研磨定盤10と、基板保持機構12、ドレッサー30を備え、基板保持機構12で保持した研磨対象基板Wを研磨定盤10の研磨面に接触押圧して、研磨する研磨装置であって、ドレッサー30は第1ドレッシング部31と第2ドレッシング部32を備え、第1ドレッシング部31は研磨対象基板Wよりも大きい円形状で、第2ドレッシング部32は第1ドレッシング部31の周りを囲む形状大きさであり、第1ドレッシング部31と第2ドレッシング部32が互いに独立して研磨面に接触できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ(例えばシリコンウエハ)等の研磨対象物を研磨する研磨装置に関し、特に研磨定盤の研磨面の目立てを行うドレッサーに特徴を有する研磨装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの微細化と高集積化が進み、回路の配線間距離が狭くなりつつある。特に0.5μm以下の光リソグラフィの場合は、焦点深度が浅くなるため露光装置の結像面の平坦度を必要とする。この平坦度を実現するために研磨装置による研磨が広く採用されている。
【0003】
この種の研磨装置として、各々独立した回転数で回転する上面に研磨パッドを貼り付けた研磨定盤と研磨対象物である基板を保持する基板保持機構としてトップリングを備え、該研磨定盤の研磨パッドの研磨面にトップリングに保持された基板を接触押圧し、該研磨面に研磨液を供給しつつ該基板の表面を平坦且つ鏡面に研磨する研磨装置がある。この研磨装置において、均一な研磨を得るために、特許文献1に示すように基板の被研磨面の面圧分布を均一にし、均一な研磨を行う研磨装置もある。そして研磨終了後は被研磨基板をトップリング本体から離脱させ、被研磨基板を次の処理、例えば洗浄処理に移している。
【0004】
また、基板の被研磨面を均一に研磨するために、研磨定盤の研磨パッド研磨面の目立て、即ちドレッシングを行う必要がある。このドレッシングのタイミングには2通りあり、一つは基板の研磨中に行うものであり、他は研磨後に行うものがある。基板の研磨中に行う場合は、ドレッサーに取り付けたダイヤモンド粒の脱落により、研磨対象物の研磨面に傷等が発生するのを防止するためダイヤモンド粒の脱落を防止することが重要であり、研磨後に行う場合は目立てのスピードが重要である。一般に、ダイヤモンド粒の脱落を防ぐにはサイズが小さく、角も丸いダイヤモンド粒を電着させたドレッサーを用い、低荷重(低押圧力)で使用する。その為、目立ての速度は遅くなる。
【0005】
研磨定盤の研磨面のドレッシングの理想は研磨中のドレッシングにより研磨中も研磨面を最適な状態に保つことと、研磨面の削れが進んでも研磨面の面形状が変化しないことである。例えば、前者には研磨面のカットレートの低いドレッサーが適しており、後者にはカットレートの高いドレッサーが適している場合などがあり、これらを一つのドレッサーで両立させることは困難である。
【0006】
また、研磨パッドを交換した後には10分程度のドレッシングを行い、更に25枚程度のダミーウエハによるダミー研磨を行う。これは、研磨パッドを実使用状態に近づける為に行っているが、ダミー研磨はダミーウエハの洗浄まで行わなければならない為、装置のダウンタイムが増加する。
【0007】
研磨レートに関しては上記の様に研磨面の目立て状態も重要であるが、研磨中の研磨面の温度も影響する。温度依存の高い研磨プロセスにおいて、例えば温度が高くなると研磨レートが低下する場合、研磨中の温度上昇を抑えることができれば研磨中の研磨レート低下を抑制できる。温度が上昇する研磨面を形成する樹脂製の研磨パッドの剛性が落ちる為、平坦化特性にも悪影響を与える。
【特許文献1】特開2004−188775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明上述の点に鑑みてなされたもので、基板研磨中でも研磨定盤の研磨面を最適な状態に保つことができ、研磨面の削れが進んでも研磨面の面形状が変化しないようにでき、且つ基板研磨中に研磨面の温度上昇を抑制し高い研磨レートの研磨が可能な研磨装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、研磨定盤の研磨パッドを交換した後に、研磨パッドを実使用状態に近づけるための装置のダウンタイムを少なくできる研磨装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、研磨定盤と、該研磨定盤の研磨面の目立てを行うドレッサーを備え、基板保持機構で保持した研磨対象基板を前記研磨定盤の研磨面に接触押圧し、該研磨面と研磨対象基板の相対的運動により該研磨対象基板を研磨する研磨装置であって、前記ドレッサーは第1ドレッシング部と第2ドレッシング部を備え、第1ドレッシング部は研磨対象基板よりも大きい径の円形状で、第2ドレッシング部は前記第1ドレッシング部の周りを囲む形状の大きさであり、該第1ドレッシング部と第2ドレッシング部が互いに独立して前記研磨定盤の研磨面に接触できるようになっていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の研磨装置において、前記第1ドレッシング部と第2ドレッシング部はそれぞれ回転軸を備え、前記第1ドレッシング部の回転軸と第2ドレッシング部の回転軸は同心で且つそれぞれ独立して回転可能に構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の研磨装置において、前記第1ドレッシング部の前記研磨定盤の研磨面のカットレートが、前記第2ドレッシング部のカットレートより小さいことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の研磨装置において、 前記研磨対象基板の研磨中、前記第1ドレッシング部が前記研磨定盤の研磨面の研磨面のドレッシングを行うことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の研磨装置において、前記第1ドレッシング部と第2ドレッシング部が前記研磨定盤の研磨面に対する押圧力をそれぞれ個別に制御できるようになっていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の研磨装置において、前記第1ドレッシング部が、内部に冷却又は加熱媒体が循環する流路を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の研磨装置において、前記流路を循環する冷却又は加熱媒体の温度を調節・制御する温度制御手段を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、研磨定盤と、該研磨定盤の研磨面の目立てを行うドレッサーを備え、基板保持機構で保持した研磨対象基板を前記研磨定盤の研磨面に接触押圧し、該研磨面と研磨対象基板の相対的運動により該研磨対象基板を研磨する研磨装置であって、
前記ドレッサーは、円板状のダミー研磨対象基板を吸着保持する円板状保持部材と、該円板状保持部材の外周部に位置するドレッシング部を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の研磨装置において、前記円板状保持部材と前記ドレッシング部はそれぞれ回転軸を備え、前記円板状保持部材の回転軸と前記ドレッシング部の回転軸はそれぞれ同心で且つ独立して回転可能に構成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の研磨装置において、前記ダミー研磨対象基板を吸着保持する円板状保持部材の内部に冷却又は加熱冷媒が循環する流路を設けたことを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の研磨装置において、前記研磨対象基板の研磨中、前記円板状保持部材に保持されたダミー研磨対象基板を前記研磨定盤の研磨面に接触押圧することを特徴とする。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の研磨装置において、前記研磨定盤の研磨面は、該研磨定盤上面に貼り付けた研磨パッド面であり、前記研磨パッドを貼り替えた直後、前記円板状保持部材に保持されたダミー研磨対象基板と前記ドレッシング部を前記研磨面に押付けることで、該研磨面のブレークインを行うことを特徴とする。
【0022】
請求項13に記載の発明は、請求項8乃至12のいずれか1項に記載の研磨装置において、前記ダミー研磨対象基板に替えてSiCウエハを使用することを特徴とする。
【0023】
請求項14に記載の発明は、請求項8乃至13のいずれか1項に記載の研磨装置において、前記研磨対象基板の研磨中、前記円板状保持部材に吸着されたダミー研磨対象基板を前記研磨定盤の研磨面に接触押圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の発明によれば、第1ドレッシング部は研磨対象基板よりも大きい径の円形状で、第2ドレッシング部は第1ドレッシング部の周りを囲む形状大きさであり、第1ドレッシング部と第2ドレッシング部が互いに独立して研磨定盤の研磨面に接触できるようになっているので、第1ドレッシング部と第2ドレッシング部で異なるタイミングに別々に研磨定盤の研磨面の目立てができる。そのため例えば第1ドレッシング部を粒径の小さいダイヤモンド粒を固着させたカットレートの小さいドレッシング面とし、第2ドレッシング部を粒径の大きい粒を固着させたカットレートの大きいドレッシング面とし、研磨対象基板を研磨中の研磨面のドレッシングに第1ドレッシング部を、研磨終了後の研磨面に第2ドレッシング部を用いる。これにより研磨対象基板が接触する範囲より若干広い研磨面をドレッシング、即ち目立てした直後の研磨面で研磨するので研磨対象基板を高い研磨レートで研磨することができる。また、研磨後は径が大きくカットレートの大きい第2ドレッシング部で研磨面の全面を速やかにドレッシング、即ち目立てする等の使い分けが可能となる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、第1ドレッシング部と第2ドレッシング部はそれぞれ回転軸を備え、第1ドレッシング部の回転軸と第2ドレッシング部の回転軸は同心で且つそれぞれ独立した回転可能な構成としたので、第1ドレッシング部と第2ドレッシング部を上下方向に配置でき研磨定盤の研磨面上の配置スペースが小さく、即ちドレッサーをコンパクトに纏めることができる。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、第1ドレッシング部の研磨定盤の研磨面のカットレートが、第2ドレッシング部のカットレートより小さいので、研磨対象基板の研磨中はカットレートの小さい第1ドレッシング部でドレッシングした直後の研磨面で研磨でき、効率のよい研磨が可能となる。また、研磨終了後はカットレートの大きい第2ドレッシング部で研磨定盤の研磨面全面を速やかにドレッシングすることかできる。
【0027】
請求項4に記載の発明によれば、研磨対象基板の研磨中、第1ドレッシング部が研磨面のドレッシングを行うので、目立て直後の研磨面で研磨対象基板を研磨でき研磨レートの高い研磨が可能となる。
【0028】
請求項5に記載の発明によれば、第1ドレッシング部と第2ドレッシング部が研磨定盤の研磨面に対する押圧力をそれぞれ個別に制御できるようになっているので、第1ドレッシング部と第2ドレッシング部を互いに異なるカットレートでドレッシングすることができる。例えば研磨対象基板の研磨中は第1ドレッシング部で小さい押圧力でドレッシングしながら研磨し、研磨終了後は第2ドレッシング部で大きい押圧力により速やかに全研磨面を研磨することが可能となる。
【0029】
請求項6に記載の発明によれば、第1ドレッシング部が、内部に冷却又は加熱媒体が循環する流路を備えたので、該流路に冷却又は加熱媒体を流すことにより、研磨定盤の研磨面を冷却又は加熱しながらドレッシングすることができ、高い平坦度の目立てと、高い研磨レートの研磨対象基板の研磨が可能となる。
【0030】
請求項7に記載の発明によれば、流路を循環する流体の温度を調節・制御する温度制御手段を設けたので、目立て終了後の研磨面を適温に維持することができ、高い平坦度の目立てと、高い研磨レートの研磨対象基板の研磨が可能となる。
【0031】
請求項8に記載の発明によれば、ドレッサーは、円板状のダミー研磨対象基板を吸着保持する円板状保持部材と、該円板状保持部材の外周部に位置するドレッシング部を備えたので、ダミー研磨対象基板を研磨面に押付けた状態で研磨定盤の研磨面をドレッシング、即ち目立てをすることができ、装置のダウンタイムの短縮することができる。
【0032】
請求項9に記載の発明によれば、円板状保持部材とドレッシング部はそれぞれ回転軸を備え、円板状保持部材の回転軸とドレッシング部の回転軸はそれぞれ同心で且つ独立して回転可能に構成されているので、円板状保持部材とドレッシング部を上下方向に配置でき、研磨定盤の研磨面上の配置スペースが小さくなる。即ちドレッサーをコンパクトに纏めることができる。
【0033】
請求項10に記載の発明によれば、ダミー研磨対象基板を吸着保持する円板状保持部材の内部に冷却又は加熱媒体が循環する流路を設けたので、ダミー研磨対象基板の熱を吸収しその温度上昇を抑制できる。
【0034】
請求項11に記載の発明によれば、研磨対象基板の研磨中、円板状保持部材に保持されたダミー研磨対象基板を研磨定盤の研磨面に接触押圧するので、研磨面が研磨に適正な温度に維持されるから研磨対象基板を高い研磨レートで研磨することが可能となる。
【0035】
請求項12に記載の発明によれば、研磨定盤の研磨面は、該研磨定盤上面に貼り付けた研磨パッド面であり、研磨パッドを貼り替えた直後、円板状保持部材に保持されたダミー研磨対象基板とドレッシング部を研磨面に押付けて研磨面のブレークインを行うので、短時間で研磨パッドの研磨面を実研磨に適した状態にすることが可能となる。
【0036】
請求項13に記載の発明によれば、ダミー研磨対象基板に替えてSiCウエハを使用するので、SiCウエハをダミー研磨対象基板として長時間使用できる。
【0037】
請求項14に記載の発明によれば、研磨対象基板の研磨中、円板状保持部材に吸着されたダミー研磨対象基板を研磨定盤の研磨面に接触押圧するので、研磨面と研磨対象基板の研磨により発生する熱を吸熱して研磨効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1本発明に係る研磨装置の構成例を示す図である。図1において、10は研磨定盤であり、該研磨定盤10の上面に研磨パッド11が貼り付けられている。該研磨定盤10は図示しない回転駆動機構により、矢印Aに示す方向に回転する。
【0039】
12は基板保持機構(トップリング)であり、該基板保持機構12は研磨対象基板(例えばシリコンウエハ)Wを吸着保持する円板状の基板保持部材13を備えている。該基板保持部材13の研磨対象基板Wを吸着する吸着面には内部の空間室14に連通する多数の開口13aが設けられている。そして空間室14をバルブ16を介して真空源15に接続され、バルブ16を開くことにより、研磨対象基板Wは吸着面に吸着保持され、バルブ16を閉じることにより研磨対象基板Wは吸着面から解放されるようになっている。
【0040】
基板保持機構12は回転軸17の下端に自在継手18を介して連結されており、該回転軸17を矢印B方向の回転により、同方向に回転するようになっている。19は回転軸17を回転自在に支持するためのヘッド部材であり、該ヘッド部材19は支持シャフト20に固定されている。21はヘッド部材19に搭載されたエアシリンダーであり、該エアシリンダー21の動作により、ピストン部材22及び回転軸17を介して基板保持機構12を昇降及び研磨対象基板Wを研磨パッド11の研磨面に所定の押圧力(荷重)で接触できるようになっている。なお、23はベアリングである。
【0041】
24はヘッド部材19に搭載された駆動モータであり、該駆動モータ24の回転軸にはタイミングプーリ25が連結され、該タイミングプーリ25と回転軸17の外周に固定されたタイミングプーリ26の間にタイミングベルト27が掛けられている。駆動モータ24を起動することにより、基板保持機構12はタイミングプーリ25、タイミングベルト27、タイミングプーリ26及び回転軸17を介して矢印Bに示すように回転する。そして研磨定盤10の矢印A方向の回転と基板保持機構12の矢印B方向の回転による研磨対象基板Wと研磨パッド11の相対的運動により、研磨対象基板Wを研磨する。なお、28は研磨対象基板Wの基板保持部材13からの飛び出しを防止するためのガイドリングである。
【0042】
支持シャフト20は図示しない回動駆動機構により回動するようになっており、該回動によりヘッド部材19は旋回し、基板保持機構12を所定の研磨対象基板Wを受け渡す基板受渡位置から、研磨定盤10の研磨パッド11上の研磨位置の間を移動できるようになっている。基板保持機構12は前記基板受渡位置で受け取った研磨対象基板Wを吸着保持し、上記ヘッド部材19の旋回動作により、上記研磨位置に移動し、降下し所定の押圧力で研磨パッド11の上面に当接し、上記研磨対象基板Wと研磨パッド11の相対的運動により、研磨対象基板Wを研磨した後、上記基板受渡位置に移動し、研磨終了の研磨対象基板Wを引き渡す。このような動作を繰り返し、研磨対象基板Wを研磨する。
【0043】
30は研磨定盤10の研磨パッド11の研磨面のドレッシング、即ち目立てを行うドレッサーである。ドレッサー30は第1ドレッシング部31と第2ドレッシング部32を備えている。第1ドレッシング部31は研磨対象基板Wの径よりも大きい径の円形状で、その下面に後に詳述するように、研磨パッド11の研磨面をドレッシングするための多数のダイヤモンド粒が固着されたドレッシング面で形成されている。第2ドレッシング部32はその外径が第1ドレッシング部31の外径より大きい円板状であり、下面中央部に第1ドレッシング部31を収容する凹部32aが設けられ、下端に環帯状面が形成され、該環帯状面に後に詳述するように、研磨パッド11の研磨面をドレッシングするための多数のダイヤモンド粒が固着されたドレッシング面が形成されている。
【0044】
第1ドレッシング部31は回転軸33の下端に固定支持され、第2ドレッシング部32は回転軸34の下端に固定支持されている。回転軸33は回転軸34を貫通し、例えばベアリング35、36で回転軸34内を自在に回転できるようになっている。回転軸33はヘッド部材37に回転自在に支持されている。また、回転軸34はヘッド部材38に回転自在に支持されている。39はヘッド部材37に搭載されたエアシリンダーであり、該エアシリンダー39の動作により、ピストン部材40及び回転軸33を介して第1ドレッシング部31を昇降及び研磨パッド11の研磨面に所定の押圧力(荷重)で当接できるようになっている。なお、41はベアリングである。41はヘッド部材38に搭載されたエアシリンダーであり、該エアシリンダー41の動作により、ピストン部材43及び回転軸34を介して第2ドレッシング部32を昇降及び研磨パッド11の研磨面に所定の押圧力(荷重)で当接できるようになっている。なお、44はベアリングである。
【0045】
45はヘッド部材37に搭載された駆動モータであり、該駆動モータ45の回転軸にはタイミングプーリ47が連結され、該タイミングプーリ47と回転軸33の外周に固定されたタイミングプーリ48の間にタイミングベルト49が掛けられている。駆動モータ45を起動することにより、第1ドレッシング部31はタイミングプーリ47、タイミングベルト49、タイミングプーリ48及び回転軸33を介して矢印Cに示すように回転する。50はヘッド部材38に搭載された駆動モータであり、該駆動モータ50の回転軸にはタイミングプーリ51が連結され、該タイミングプーリ51と回転軸34の外周に固定されたタイミングプーリ52の間にタイミングベルト53が掛けられている。駆動モータ50を起動することにより、第2ドレッシング部32はタイミングプーリ51、タイミングベルト53、タイミングプーリ52及び回転軸34を介して矢印Dに示すように回転する。
【0046】
上記のように第1ドレッシング部31と第2ドレッシング部32はそれぞれ回転軸33、回転軸34を備え、回転軸33と回転軸34の軸心が同一(同心)で、それぞれ互いに独立して矢印C、Dに示すように回転するようになっている。また、第1ドレッシング部31と第2ドレッシング部32はそれぞれエアシリンダー39、エアシリンダー42により互いに独立して昇降及び任意の押圧力(荷重)で当接されるようになっている。なお、ヘッド部材37、ヘッド部材38の端部は支持シャフト54に固定され、該支持シャフト54は図示しない回動駆動機構により回動するようになっており、該回動によりヘッド部材37、38は旋回し、第1ドレッシング部31及び第2ドレッシング部32を所定の待機位置から、研磨定盤10の研磨パッド11上のドレッシング位置の間を移動できるようになっている。
【0047】
第1ドレッシング部31は図2に示すように円板状本体31aの下面に、多数のダイヤモンド粒31bを固着層(電着層)31cを形成して固着して構成されたドレッシング面が形成されている。また、円板状本体31aの内部には冷媒を循環させるための流路31dが形成されている。また、回転軸33の内部には該流路31dに冷媒を導く冷媒導入路33aと該流路31dから排出される冷媒が通る冷媒排出路33bが形成されている。冷媒導入路33aに流入した冷媒100(図1参照)は円板状本体31a内の流路31dを流れ、該円板状本体31aを冷却し、冷媒排出路33bを通って排出される。なお、流路31dには冷却のための冷媒ではなく、加熱のための加熱媒体を流すことも可能である。図2(a)第1ドレッシング部31の平面図、図2(b)はA−A断面図、図2(c)はドレッシング面の一部拡大断面図である。
【0048】
第2ドレッシング部32は円板状本体部32bの下面中央部に第1ドレッシング部31を収容する凹部32aが設けられ、該凹部32aの外周に多数のダイヤモンド粒32cを固着層(電着層)32dを形成して固着し、環帯状のドレッシング面が形成された構成である。また、回転軸33の内部には第1ドレッシング部31の回転軸33が貫通する貫通穴34aが設けられている。なお、図3(a)は第2ドレッシング部32の断面図、図3(b)はドレッシング面の一部拡大断面図である。
【0049】
第1ドレッシング部31の下面に固着したダイヤモンド粒31bの粒径は、第2ドレッシング部32の下面に固着したダイヤモンド粒32cの粒径より小さく、また粒の角部はダイヤモンド粒31bの方がダイヤモンド粒32cに比べて丸味を帯びている。これにより、図4(a)に示すように研磨定盤10の回転により矢印A方向に移動する研磨パッド11の上面に矢印C方向に回転する第1ドレッシング部31を当接してドレッシングした際のカットレートは、図4(b)に示すように矢印A方向に移動する研磨パッド11の上面に第2ドレッシング部32を当接してドレッシングした際のカットレートより小さくなっている。図4はドレッサー30で研磨定盤10の研磨パッド11の研磨面をドレッシング(目立て)している場合の状態を示す図で、図4(a)は第1ドレッシング部31でドレッシングしている状態を示す断面図、図4(b)は第2ドレッシング部32でドレッシングしている状態を示す断面図である。
【0050】
上記研磨装置において、支持シャフト54を回動して第1ドレッシング部31のヘッド部材37と、第2ドレッシング部32のヘッド部材38を待機位置から旋回させ、図1に示すように、第1ドレッシング部31と第2ドレッシング部32を研磨定盤10の研磨パッド11の研磨面をドレッシング位置に移動させる。この状態でエアシリンダー39により第1ドレッシング部31を降下させ、矢印C方向に回転する第1ドレッシング部31の下面を矢印A方向に回転する研磨パッド11の研磨面に所定の押圧力で当接させてドレッシングしているのが図4(a)に示す状態であり、第1ドレッシング部31を第2ドレッシング部32の凹部32aに収容し、エアシリンダー41により第2ドレッシング部32を降下させ、矢印D方向に回転する第2ドレッシング部32の下面を矢印A方向に回転する研磨パッド11の研磨面に当接したのが図4(b)に示す状態である。
【0051】
研磨定盤10の研磨パッド11の研磨面のドレッシングのタイミングには、上述のように2通りあり、一つは研磨対象基板Wの研磨中のドレッシングであり、他は研磨終了後のドレッシングである。図4(a)は研磨対象基板Wの研磨中のドレッシングを、図4(b)は研磨終了後のドレッシングを示す。第1ドレッシング部31の径は研磨対象基板Wの径より大きいから、図4(a)の状態でドレッシングを行った場合、研磨パッド11の研磨面における第1ドレッシング部31と研磨対象基板Wの位置関係は、図5に示すようになり、研磨対象基板Wは第1ドレッシング部31でドレッシング(目立て)したドレッシングゾーン101の範囲に位置する。また、第2ドレッシング部32の外径は第1ドレッシング部31の外径より大きいから、研磨対象基板Wの研磨終了後のドレッシングでは、図6に示すように研磨パッド11の全研磨面を迅速にドレッシングできる。
【0052】
上記のように、第1ドレッシング部31の回転軸33と第2ドレッシング部32の回転軸34の軸心を同一とし、それぞれ互いに上昇及び回転できる構成とすることにより、第1ドレッシング部31と第2ドレッシング部32を上下方向に配置でき、ドレッサー30をコンパクトに纏めることができる。
【0053】
図4(a)及び図5に示す研磨対象基板Wの研磨中のドレッシングでは、ドレッシング直後の研磨パッド11の研磨面で研磨対象基板Wで研磨されることになり、しかも第1ドレッシング部31は円板状本体31a内の流路31dを流れる冷媒100で冷却されているから、研磨面の摩擦やドレッシングによる熱は吸収され、研磨面を適温に維持でき、研磨対象基板Wを高い研磨レートで研磨できる。また、この研磨対象基板Wの研磨中のドレッシングにおいては第1ドレッシング部31の押圧力を研磨終了後の第2ドレッシング部32のドレッシングに比べ小さくするので、発熱量が抑えられると同時にドレッシング面からダイヤモンド粒の脱落もない。また、図4(b)及び図6に示す研磨対象基板Wの研磨終了後のドレッシングでは、第2ドレッシング部32のドレッシング面を大きい押圧力で研磨パッド11の研磨面に押し当て、大きなカットレートでドレッシングするので、研磨パッド11の研磨面を迅速に均一にドレッシングすることができる。
【0054】
なお、図示は省略するが、冷媒の温度を調節・制御する温度制御手段を設け、第1ドレッサー部31内の流路31dが流れ、第1ドレッシング部31を冷却又は加熱して、冷媒排出路33bから排出された冷媒を温度制御手段によりその温度を調節・制御して再び冷媒導入路33aから流路31dに流すことにより、研磨パッド11の研磨面の温度を所定の温度に維持することができ、研磨対象基板Wを一定の高い研磨レート研磨できる。
【0055】
図7は本発明に係る研磨装置のドレッサー30の他の構成例を示す図である。本ドレッサー30は、円板状のダミー研磨対象基板DWを吸着保持する円板状保持部材60と該円板状保持部材60の外周部に位置するドレッシング部61を備えた構成である。円板状保持部材60のダミー研磨対象基板DWを吸着する吸着面には内部の空間室62に連通する多数の開口60aが設けられている。該空間室62は円板状保持部材60が固定された回転軸33に設けられた真空経路33c及びバルブ63を介して真空源64に接続されている。バルブ63を開いて真空源64を空間室62に接続することにより、ダミー研磨対象基板DWを円板状保持部材60の吸着面に吸着保持できるようになっており、バルブ63を閉じて真空源64を解除することによりダミー研磨対象基板DWは解放されるようになっている。なお、図7(a)は円板状保持部材60をドレッシング部61から突き出した状態を示す断面図、図7(b)は円板状保持部材60をドレッシング部61の凹部61aに収容した状態を示す断面図である。
【0056】
円板状保持部材60は研磨対象基板Wの径よりも大きい径の円形状で、上記第1ドレッシング部31と同様、内部に冷媒を循環させるための流路60bが形成されている。また、回転軸33の内部には該流路60bに冷媒を導く冷媒導入路33aと該流路60bから排出される冷媒を通す冷媒排出路33bが形成されている。冷媒導入路33aに流入した冷媒100(図1参照)は円板状本体31a内の流路60bを流れ、該円板状保持部材60を冷却し、冷媒排出路33bを通って排出される。なお、図示は省略するが、第1ドレッシング部32と同様、円板状保持部材60内の流路60bを循環する冷媒温度を調節・制御する冷媒温度制御手段を設けることにより、円板状保持部材60の温度を所定の温度に維持することができる。
【0057】
ドレッシング部61は図3に示す第2ドレッシング部32と同じ構成で、下面中央部に円板状保持部材60を収容する凹部61aが設けられ、下端に環帯状面が形成され、該環帯状面に研磨パッド11の研磨面をドレッシングするための多数のダイヤモンド粒が固着されている。なお、円板状保持部材60の上下動及び回転動作は第1ドレッシング部31と同一であるのでその説明は省略する。また、ドレッシング部61の上下動及び回転動作は第2ドレッシング部32と同一であるのでその説明は省略する。円板保持部材60の回転軸33とドレッシング部61の回転軸34はその軸心が同一(同心)で且つそれぞれ独立して昇降及び回転可能に構成されている点も、第1ドレッシング部31の回転軸33と第2ドレッシング部32の回転軸34と同一である。
【0058】
研磨定盤10の研磨パッド11を張替えて該研磨パッド11を立ち上げる場合、図8に示すように、円板状保持部材60の吸着面にダミー半導体基板(例えばシリコンウエハ)DWを吸着し、回転により矢印A方向に移動する研磨パッド11の研磨面(上面)に矢印Dに示すように回転するドレッシング部61の下面、即ち多数のダイヤモンド粒が固着されたドレッシング面に当接し、所定の押圧力(荷重)で押圧して該研磨面をドレッシングすると同時に、円板状保持部材60に吸着保持されたダミー半導体基板DWを研磨パッド11の研磨面に所定の押圧力で押付ける。これにより、研磨装置のダウンタイムを短縮できる。円板状保持部材60は流路60bを流れる冷媒で冷却されるので、ダミー半導体基板DWの摩擦による熱を吸収し、その温度上昇を抑える。なお、ダミー半導体基板DWとしてはシリコンウエハに比較し、耐摩耗性の高いSiCウエハを用いてもよい。
【0059】
また、研磨定盤10の研磨パッド11を張替えて立ち上げた後、図9に示すようにドレッサー30の円板状保持部材60に吸着保持させ、矢印Cに示すように回転するダミー半導体基板(例えばシリコンウエハ)DWを、研磨定盤10の回転により矢印A方向に移動する研磨パッド11の研磨面(上面)に、所定の押圧力(荷重)で押圧して馴らし運転を行う。この場合、円板状保持部材60の流路には冷媒が循環しているから、ダミー半導体基板DWの摩擦熱を吸収し、ダミー半導体基板DWの温度上昇を抑制できる。
【0060】
また、基板保持機構12で保持した研磨対象基板Wの研磨中(図1参照)に、図10に示すように、研磨定盤10の回転により矢印A方向に移動する研磨パッド11の研磨面に、矢印C方向に回転する円板状保持部材60の下面を当接させる(なお、この場合、図示は省略するが円板状保持部材60の下面にダミー半導体基板DWを吸着するための開口60dや空間室62を形成されない)。円板状保持部材60の流路60b内には冷媒が循環しているから、円板状保持部材60は冷却されており、該円板状保持部材60の下面が当接する研磨パッド11の研磨面の熱は吸収される。即ち、図11の円板状保持部材60が接触する領域102の温度上昇が抑えられ、研磨に適する温度に維持できるから、研磨対象基板Wを高い研磨レートで研磨することが可能となる。
【0061】
また、研磨対象基板Wの研磨中、図9に円板状保持部材60に吸着保持したダミー半導体基板DWをパッド11の上面に当接することにより、ダミー半導体着基板DWを介して、その当接面が冷却されることになり、上記と同様、研磨対象基板Wを高い研磨レートで研磨することが可能となる。
【0062】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る研磨装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る研磨装置の第1ドレッシング部の構成例を示す図で、図2(a)は平面図、図2(b)はA−A断面図、図2(c)はドレッシング面の一部拡大断面図である。
【図3】本発明に係る研磨装置の第2ドレッシング部の構成を示す図で、図3(a)は第2ドレッシング部の断面図、図3(b)はドレッシング面の一部拡大断面図である。
【図4】本発明に係る研磨装置のドレッサーを示す図で、図4(a)は第1ドレッシング部でドレッシングしている状態を示す断面図、図4(b)は第2ドレッシング部でドレッシングしている状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る研磨装置の研磨対象基板の研磨中の研磨パッド上面の第1ドレッシング部と研磨対象基板の配置状態を示す図である。
【図6】本発明に係る研磨装置の研磨対象基板の研磨終了の研磨パッド面の第2ドレッシング部と研磨対象基板の配置状態を示す図である。
【図7】本発明に係る研磨装置のドレッサーの構成例を示す図で、図7(a)は円板状保持部材をドレッシング部から突き出した状態を示す断面図、図7(b)は円板状保持部材をドレッシング部の凹部に収容した状態を示す図である。
【図8】本発明に係る研磨装置の研磨パッド立ち上げ時ドレッサーの動作状態を示す断面図である。
【図9】本発明に係る研磨装置の研磨パッドの研磨面の馴らし時のドレッサーの動作状態を示す断面図である。
【図10】本発明に係る研磨装置の研磨対象基板の研磨中のドレッサーの動作状態を示す断面図である。
【図11】本発明に係る研磨装置の研磨対象基板の研磨面の状態を示す平面でである。
【符号の説明】
【0064】
10 研磨定盤
11 研磨パッド
12 基板保持機構(トップリング)
13 基板保持部材
14 空間室
15 真空源
16 バルブ
17 回転軸
18 自在継手
19 ヘッド部材
20 支持シャフト
21 エアシリンダー
22 ピストン部材
23 ベアリング
24 駆動モータ
25 タイミングプーリ
26 タイミングプーリ
27 タイミングベルト
28 ガイドリング
30 ドレッサー
31 第1ドレッシング部
32 第2ドレッシング部
33 回転軸
34 回転軸
35 ベアリング
36 ベアリング
37 ヘッド部材
38 ヘッド部材
39 エアシリンダー
40 ピストン部材
41 ベアリング
42 エアシリンダー
43 ピストン部材
44 ベアリング
45 駆動モータ
47 タイミングプーリ
48 タイミングプーリ
49 タイミングベルト
50 駆動モータ
51 タイミングプーリ
52 タイミングプーリ
53 タイミングベルト
54 支持シャフト
60 円板状保持部材
61 ドレッシング部
62 空間室
63 バルブ
64 真空源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨定盤と、該研磨定盤の研磨面の目立てを行うドレッサーを備え、基板保持機構で保持した研磨対象基板を前記研磨定盤の研磨面に接触押圧し、該研磨面と研磨対象基板の相対的運動により該研磨対象基板を研磨する研磨装置であって、
前記ドレッサーは第1ドレッシング部と第2ドレッシング部を備え、第1ドレッシング部は研磨対象基板よりも大きい径の円形状で、第2ドレッシング部は前記第1ドレッシング部の周りを囲む形状大きさであり、該第1ドレッシング部と第2ドレッシング部が互いに独立して前記研磨定盤の研磨面に接触できるようになっていることを特徴とする研磨装置。
【請求項2】
請求項1に記載の研磨装置において、
前記第1ドレッシング部と第2ドレッシング部はそれぞれ回転軸を備え、前記第1ドレッシング部の回転軸と第2ドレッシング部の回転軸は同心で且つそれぞれ独立して回転可能に構成されていることを特徴とする研磨装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の研磨装置において、
前記第1ドレッシング部の前記研磨定盤の研磨面のカットレートが、前記第2ドレッシング部のカットレートより小さいことを特徴とする研磨装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の研磨装置において、
前記研磨対象基板の研磨中、前記第1ドレッシング部が前記研磨定盤の研磨面の研磨面のドレッシングを行うことを特徴とする研磨装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の研磨装置において、
前記第1ドレッシング部と第2ドレッシング部が前記研磨定盤の研磨面に対する押圧力をそれぞれ個別に制御できるようになっていることを特徴とする研磨装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の研磨装置において、
前記第1ドレッシング部が、内部に冷却又は加熱媒体が循環する流路を備えたことを特徴とする研磨装置。
【請求項7】
請求項6に記載の研磨装置において、
前記流路を循環する冷却又は加熱媒体の温度を調節・制御する温度制御手段を設けたことを特徴とする研磨装置。
【請求項8】
研磨定盤と、該研磨定盤の研磨面の目立てを行うドレッサーを備え、基板保持機構で保持した研磨対象基板を前記研磨定盤の研磨面に接触押圧し、該研磨面と研磨対象基板の相対的運動により該研磨対象基板を研磨する研磨装置であって、
前記ドレッサーは、円板状のダミー研磨対象基板を吸着保持する円板状保持部材と、該円板状保持部材の外周部に位置するドレッシング部を備えたことを特徴とする研磨装置。
【請求項9】
請求項8に記載の研磨装置において、
前記円板状保持部材と前記ドレッシング部はそれぞれ回転軸を備え、前記円板状保持部材の回転軸と前記ドレッシング部の回転軸はそれぞれ同心で且つ独立して回転可能に構成されていることを特徴とする研磨装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の研磨装置において、
前記ダミー研磨対象基板を吸着保持する円板状保持部材の内部に冷却又は加熱媒体が循環する流路を設けたことを特徴とする研磨装置。
【請求項11】
請求項10に記載の研磨装置において、
前記研磨対象基板の研磨中、前記円板状保持部材に保持されたダミー研磨対象基板を前記研磨定盤の研磨面に接触押圧することを特徴とする研磨装置。
【請求項12】
請求項11に記載の研磨装置において、
前記研磨定盤の研磨面は、該研磨定盤上面に貼り付けた研磨パッド面であり、
前記研磨パッドを貼り替えた直後、前記円板状保持部材に保持されたダミー研磨対象基板と前記ドレッシング部を前記研磨面に押付けることで、該研磨面のブレークインを行うことを特徴とする研磨装置。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれか1項に記載の研磨装置において、
前記ダミー研磨対象基板に替えてSiCウエハを使用することを特徴とする研磨装置。
【請求項14】
請求項8乃至13のいずれか1項に記載の研磨装置において、
前記研磨対象基板の研磨中、前記円板状保持部材に吸着されたダミー研磨対象基板を前記研磨定盤の研磨面に接触押圧することを特徴とする研磨装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−144564(P2007−144564A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−342753(P2005−342753)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】