説明

磁気センサおよびこの磁気センサを用いたアクチュエータ

【課題】外部磁界が無い場合も含めて、外部磁界の強度や極性を判別することができるより汎用性の高い磁気センサを提供することを目的とする。
【解決手段】磁芯2が挿入された励磁コイルL1と検知コイルL2を具備する磁気センサ1であって、励磁コイルL1には低周波が印加され、検知コイルL2には高周波が印加され、検知コイルL2の磁芯2に鎖交する励磁コイルL1の磁束と外部磁界(永久磁石4)の磁束により、検知コイルL2の磁芯2が周期的に磁気飽和状態と磁気不飽和状態を繰り返すことによって変調された検知コイルL2の両端電圧3に基づいて、外部磁界(永久磁石4)の磁束を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部磁界を検出する磁気センサと、この磁気センサを用いたアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のセンサとして、永久磁石の近接を可飽和磁芯に巻かれたコイルのインダクタンス変化として検出する磁気検出装置が特許文献1に記載されている。
【0003】
この特許文献1に記載の磁気検出装置は、可飽和磁芯と、この可飽和磁芯に巻装されたコイルと、このコイルに交流信号を供給する発信回路と、このコイルにバイアス電流を供給するバイアス電源と、このコイルに発生する交流信号を基準信号と比較する比較回路とを備えている。
【特許文献1】特開昭56−158967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の磁気検出装置は、バイアス電源から正あるいは負の直流電流をコイルに与えることにより、可飽和磁芯に直流バイアス磁界を発生させ、外部磁界に対し飽和特性の中心軸が正あるいは負に移動した特性を得ている。
このため、外部磁界の極性を判別することは比較的容易にできるが、外部磁界が無い場合も含めて、外部磁界の強度までを判別するためには、検知すべき外部磁界の強度に応じてバイアス電源の出力電流値を最適な値に設定する必要あり、センサとして汎用性に欠ける問題があった。
【0005】
また、上記従来の磁気検出装置は、単に物体の有無を検出するために利用する場合には十分であるが、検出可能な範囲が非常に狭いため、センサと検出対象物との高い組み付け精度が要求される問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、外部磁界が無い場合も含めて、外部磁界の強度や極性を判別することができるより汎用性の高い磁気センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成すべく成された本発明は、磁芯が挿入された励磁コイルと検知コイルを具備する磁気センサであって、前記励磁コイルには低周波が印加され、前記検知コイルには高周波が印加され、前記検知コイルの磁芯に鎖交する前記励磁コイルの磁束と外部磁界の磁束により、前記検知コイルの磁芯が周期的に磁気飽和状態と磁気不飽和状態を繰り返すことによって変調された前記検知コイルの両端電圧に基づいて、前記外部磁界の磁束を検出することを特徴とするものである。
【0008】
本発明の磁気センサは、さらなる好ましい特徴として、
「前記検知コイルの両端電圧の振幅の変調率に基づいて、前記外部磁界の磁束を検出すること」、
「前記検知コイルの両端電圧の振幅の変調波と前記励磁コイルに印加される低周波の位相差を検出する手段を有すること」、
「前記励磁コイルの磁芯は軟鉄で、前記検知コイルの磁芯は可飽和磁芯であること」、
を含むものである。
【0009】
また、本発明は、磁気センサを用いたアクチュエータであって、回転軸を有するモータと、複数のギヤを介して伝達される前記モータの駆動力を出力する出力軸と、前記モータの制御を行う制御部とを有し、前記外部磁界は前記出力軸と一体に回転する出力ギヤに設けられ、前記磁気センサは、前記出力ギヤ回転時に前記外部磁界に対向する位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の磁気センサは、さらなる好ましい特徴として、
「電源がオンされた時、前記制御部は、前記モータを駆動して前記出力軸を所定方向に回転させ、前記磁気センサが前記外部磁界を検知すると、前記出力軸の回転位置を初期位置に設定すること」、
を含むものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、検知コイルの磁芯に鎖交する、外部磁界からの所定量の磁束と周期的に変動する励磁コイルからの磁束によって、検知コイルの磁芯が周期的に磁気飽和と磁気不飽和を繰り返すと、検知コイルのインダクタンスが周期的に変動し、検知コイルの出力電圧(両端電圧)の振幅が変調する現象が発生する。
このため、変調率を検出することにより外部磁界からの磁束の強度を検出できると共に、外部磁界の極性によって180度位相が異なる出力信号が得られるため、外部磁界の極性を検出することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
【0013】
まず、本発明の磁気センサ1の基本構成について図1を用いて説明する。
【0014】
本発明の磁気センサ1は、磁芯2が挿入された励磁コイルL1と検知コイルL2を有し、励磁コイルL1には発振器F1と抵抗R1が接続され、検知コイルL2には発振器F2と抵抗R2が接続される。
【0015】
励磁コイルL1には、発振器F1から低周波が印加され、磁芯2を電磁石とすることができるように、好ましくは図2(a)1のような10Hz以上1kHz以下の低周波が印加される。
一方、検知コイルL2には、発振器F2から高周波が印加され、好ましくは図2(a)2のような100kHz以上1MHz以下の高周波が印加される。
なお図2は、横軸が一目盛り0.05secの時間、縦軸は低周波については一目盛り1.0V、高周波については一目盛り0.05Vの電圧を示している。
【0016】
磁芯2としては、高い透磁率を有する材料であれば特に限定されるものではなく、例えばケイ素鋼等の軟鉄、フェライト、センダスト、パーマロイ、アモルファス磁性合金等を用いることができるが、本発明においては励磁コイルL1の磁芯としては残留磁化の小さな軟鉄を用いるのが特に好ましく、励磁コイルL2の磁芯としては透磁率の大きなフェライト等の可飽和磁芯を用いるのが特に好ましい。
【0017】
本発明においては、互いのコイルが干渉しにくいように、励磁コイルL1と検知コイルL2の結合係数は低く設定するのが望ましい。この結合係数は0.4以下が好ましく、より好ましくは0.2以下、特に好ましくは0.1以下である。
【0018】
次に、図1の磁気センサの原理を説明する。
発振器F1と発振器F2を発振すると、検知コイルL2の出力電圧3は、発振器F2の信号と同様に現れる(図2(a)2参照)。これは、励磁コイルL1と検知コイルL2の磁気結合が低く、励磁コイルL1の誘導電圧が検知コイルL2にほとんど現れないためである。
また、このとき検知コイルL2の磁芯2は磁気不飽和状態となっている。
【0019】
次に、励磁コイルL1と検知コイルL2が一体に固定された磁気センサ1に外部磁界として永久磁石4を近づけた場合を考える。図3及び図4は永久磁石4のN極を磁気センサに近づけた状態を示している。ここで、図2、図3及び図4に記載のrは、磁気センサ1と永久磁石4の距離を表している。
【0020】
永久磁石4のN極を徐々に磁気センサに近づけていくと、検知コイルL2の磁芯2に鎖交する永久磁石4からの一定方向の磁束が徐々に増大する。一方、励磁コイルL1には図2(a)1のような正弦波が入力され、磁界が周期的に変動している。ある瞬間における励磁コイルL1の磁界が永久磁石側でS極の磁界になると(図3参照)、永久磁石4の磁束と励磁コイルL1の磁束は同じ向きとなり、磁束が検知コイル内で増大し、検知コイルの磁芯が磁気飽和し始めると検知コイルL2のインダクタンスが減少し、検知コイルの出力電圧3が振幅変調する(図2(b)参照)。
【0021】
また、ある瞬間における励磁コイルL1の磁界が永久磁石側でN極の磁界になると(図4参照)、永久磁石4の磁束と励磁コイルL1の磁束は反対向きとなり、磁束が検知コイルL2内で打ち消しあい、検知コイルL2の磁芯2は磁気飽和せず、検知コイルL2のインダクタンスは変化しないため、検知コイルL2の出力電圧3は永久磁石4が無い場合と同様となる(図2(b)参照)。
【0022】
さらに永久磁石4のN極を磁気センサに近づけていくと、永久磁石4からの磁束が検知コイルL2内でさらに増大し、励磁コイルL1に印加される低周波の1周期内で検知コイルL2の磁芯が磁気飽和する時間が長くなり、検知コイルL2の出力電圧3の変調率が増加していく(図2(c)〜図2(e)参照)。
【0023】
また、さらに永久磁石4のN極を磁気センサに近づけていくと、永久磁石4からの磁束が検知コイルL2内でさらに増大し、励磁コイルL1の磁界が永久磁石側でS極の時は完全に磁気飽和し、励磁コイルL1の磁界が永久磁石側でN極の場合にも検知コイルL2の磁芯2が磁気飽和し始め、検知コイルL2の出力電圧3の変調率が減少に転じる(図2(f)〜図2(i)参照)。
【0024】
そして、さらに永久磁石3のN極を磁気センサに近づけていくと、永久磁石3からの磁束が検知コイルL2内でさらに増大し、励磁コイルL1の磁界が永久磁石側でS極の時もN極の時も完全に磁気飽和し、検知コイルL2の出力電圧3の振幅変調は見られなくなる(図2(j)参照)。
【0025】
このように、検知コイルL2の磁芯に鎖交する、永久磁石4(外部磁界)からの所定量の磁束と発振器F1の周波数に同期して周期的に変動する励磁コイルL1からの磁束によって、検知コイルL2の磁芯が周期的に磁気飽和状態と磁気不飽和状態を繰り返すと、検知コイルL2のインダクタンスが周期的に変動し、抵抗R2と直列に接続した検知コイルL2の出力電圧3の振幅が変調するため、この変調率を検出することにより永久磁石4からの磁束の強度、言い換えれば永久磁石4の近接の有無を含む永久磁石の位置情報を検出することができる。
【0026】
上述の説明では、磁気センサ1に永久磁石4のN極が近接した場合で説明したが、次に磁気センサ1に永久磁石4のS極が近接した場合を考える。
永久磁石4のS極を徐々に磁気センサに近づけていくと、前述のN極を近づけていった場合と反対方向の磁束が徐々に増大する。一方、励磁コイルL1には低周波の正弦波が入力され、磁界が周期的に変動している。ある瞬間における励磁コイルL1の磁界が永久磁石側でS極の磁界になると、永久磁石4の磁束と励磁コイルの磁束は反対向きとなり、磁束が検知コイル内で打ち消しあい、検知コイルの磁芯は磁気飽和せず、検知コイルL2のインダクタンスは変化しないため、検知コイルL2の出力電圧3は永久磁石4が無い場合と同様である。
【0027】
また、ある瞬間における励磁コイルL1の磁界が永久磁石側でN極の磁界になると、永久磁石4の磁束と励磁コイルL1の磁束は同じ向きとなり、磁束が検知コイルL2内で増大し、検知コイルL2の磁芯2が磁気飽和し始めると検知コイルL2のインダクタンスが減少し、検知コイルL2の出力電圧3が振幅変調する。
【0028】
このように、磁気センサ1に永久磁石のN極が近接した場合とS極が近接した場合とでは、検知コイルL2の出力信号の位相が180度異なっているため、励磁コイルL1への入力信号と検知コイルL2の出力信号の位相を比較することにより、外部磁界としての永久磁4石の極性を判別することができる。
【0029】
次に、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
本実施例は、図1の構成を有する磁気センサ1を構成し、永久磁石4の磁気を検出した例である。本実施例の磁気センサ1は、図示しないコイルボビンに線経Φ0.11の線材を励磁コイルL1には100回、検知コイルL2には30回、ソレノイド状に巻回して同軸上に並べ、巻き方向を同じにしている。
【0030】
この励磁コイルL1と検知コイルL2を巻回したコイルボビンには磁芯2が挿入されている。励磁コイルL1の磁芯2には軟鉄が挿入され、検知コイルL2の磁芯2にはフェライトが挿入されており、軟鉄とフェライトは0.05mmの空隙を設けて配置されている。R1=100Ω、R2=3.9Ωとした。また磁芯2を挿入したときのインダクタンスは励磁コイルL1が54.2μH、検知コイルL2が18.1μH、合成インダクタンスL0が76.5μHとなっている。
よって相互インダクタンスMは、
M=(L0−(L1+L2))/2
=2.1
となる。
また、結合係数kは、
k=M/√(L1・L2)
≒0.067
となる。
【0031】
このとき測定機器としてMSO6034A(アジレントテクノロジー(株)商品名)、発振器F1として1946(ウエーブファクトリー(株)商品名)、発振器F2としてLAG−120A(リーダー電子(株)商品名)を使用した。
【0032】
発振器F1の周波数は10Hzとして励磁コイルL1の両端電圧を0.8Vp-pに調整し、発振器F2の周波数は1MHzとして出力電圧を0.2Vp-pに合わせて測定した(図2参照)。
【0033】
次に、図3のように、磁気センサ1の検知コイルL2側に永久磁石4のN極を徐々に近づけた。図2の上の波形は検知コイルL2の出力電圧波形であり、図5は測定結果を纏めたものである。
図5における変調率m(%)は、検知コイルL2の出力信号に現れる最大振幅をA、最小振幅をBとしたとき、
m=((A−B)/(A+B))×100
としている。
【0034】
図5において、永久磁石4と磁極センサ1との距離r=30mmになると、振幅変調が始まり、距離r=18で変調率が最大となり、その後徐々に変調率は小さくなっている。
変調波を復調して有用な信号を得るためには、なるべく変調率が大きいことが要求され、本実施例の磁気センサでは、変調率10%以上のときに有用な信号を得ることができた。
すなわち、本実施例の磁気センサ1は、永久磁石4との距離r=20mm〜15mmのとき、永久磁石4の有無と強度と極性を検出することができる。
【0035】
(実施例2)
励磁コイルL2と検知コイルL1の磁芯2として一体型のフェライトを挿入した以外は、実施例1と同様に磁気センサ1を構成し、永久磁石4の磁気を検出した(図6参照)。
磁芯2を挿入したときのインダクタンスは励磁コイルL1が269.3μH、検知コイルL2が25.5μH、合成インダクタンスL0が358.7μHとなっている。
よって相互インダクタンスMは、
M=(L0−(L1+L2))/2
=31.95
となる。
また、結合係数kは、
k=M/√(L1・L2)
≒0.39
となる。
【0036】
図6の波形は、磁極センサの検知コイル側に永久磁石を近づけたときの検知コイルの出力電圧波形である。図7は、図6の測定結果を纏めたものである。
図7において、磁極センサ1と永久磁石4との距離r=20mmになると、振幅変調が始まり、距離r=16mmまで変調率が大きくなっている。その後、距離r=15mmになると変調率が38.3%と高くなるが波形が歪んでいる。これは励磁コイルL1の磁束が弱く検知コイルL2で正弦波を忠実に再現できないためと考えられる。よって、本実施例では、距離r=16mm〜17mmのときに永久磁石4の有無と強度と極性を検出することができる。
【0037】
このように、実施例1は、永久磁石4の有無と強度と極性を検出することができる範囲はr=15mm〜20mmであり、実施例2ではr=16mm〜17mmとなり、実施例2より検出範囲が広いことがわかった。
【0038】
(実施例3)
図8は、磁気センサ1を用いた実施例1のブロック図である。
図8において、60は、検知コイルL2で発生した振幅変調波を復調する包絡線検波回路である。61は、発振器F1の正弦波と包絡線検波回路60の出力の正弦波との位相比較器である。62はA−D変換器であり、包絡線検波回路60の出力の振幅をデジタル信号に変換して変調率の信号を後述の制御部に出力している。63は制御部であり、A−D変換器62および位相比較器61の情報をもとに、永久磁石4に関する情報を検出する。
【0039】
(応用例)
図9は、実施例3を組み込んだアクチュエータ55の内部構造図である。
図9において、50は、回転軸50aを有するモータであり、51は、複数のギヤを介して伝達されるモータ50の駆動力を出力する出力軸であり、この出力軸51は出力ギヤ52と一体に回転する。永久磁石4は、出力軸51と一体に回転する出力ギヤ52に設けられ、磁気センサ1は、出力ギヤ52の回転時に永久磁石4に対向する位置に図示しない基板上に設けられている。アクチュエータが電源オンされた時、制御部63は、モータ50を駆動して出力軸51を所定の一方向に回転させ、磁気センサ1が出力ギヤ52に取り付けられた永久磁石4の磁界を検出すると、A−D変換器62および位相比較器61の情報をもとに、出力軸51の回転位置を初期位置に設定する。
【0040】
出力軸51の初期位置の設定は、永久磁石4の磁界のピーク値を検出して行うことができる。具体的には、制御部63が磁界の大きさを逐次記憶し、磁界の大きさの増減の変化点を検出すると出力ギヤ52を反転させ、磁界のピーク値で出力軸51を初期位置に設定すれば、出力軸51を初期位置に正確に設定することができる。
【0041】
本例のアクチュエータ55は、例えば車両用の空気調整装置の気流調整弁の駆動源として用いることができる。
一般に車両用の空気調整装置の気流調整弁は、電源オフ時にそのままの位置で停止する。このため、電源オン時に気流調整弁を初期位置に設定し直さないと、所定の開度に調整することができない。
本例のアクチュエータ55をこのような車両用の空気調整装置の気流調整弁の駆動源として用いることにより、電源オン時に上述のように出力軸51を初期位置に正確に設定して、出力軸51で操作される気流調節弁の初期設定を正確に行うことができる。
【0042】
また、本発明の磁気センサ1によれば、検出範囲が広いため、外部磁界(永久磁石4)を取り付けた出力ギヤ52と磁気センサ1との組み立て精度のバラツキを吸収でき、出力軸51の初期位置を確実に検知することができる。
【0043】
さらに、本発明の磁気センサ1によれば、ホール素子に比べて感度のバラツキが非常に小さく、特に車両等に設置されて高温環境下で使用されるアクチュエータに用いた場合、従来のホール素子を磁気センサとして用いたアクチュエータに比べて信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例にかかる磁気センサの基本構成図である。
【図2】本発明の実施例にかかる磁気センサの出力波形である。
【図3】本発明の実施例にかかる磁気センサに永久磁石のN極が近接したときの基本構成図である。
【図4】本発明の実施例にかかる磁気センサに永久磁石のN極が近接したときの基本構成図である。
【図5】本発明の実施例にかかる励磁コイルは鉄芯が挿入、検知コイルはフェライトが挿入されたときの測定結果である。
【図6】図5における磁気センサの出力波形である。
【図7】本発明の実施例にかかる励磁コイルと検知コイルにフェライトが挿入されたときの測定結果を示す。
【図8】本発明の磁気センサを用いた実施例のブロック図である。
【図9】図8の実施例を用いたアクチュエータの内部構造図である。
【符号の説明】
【0045】
1 磁気センサ
2 磁芯
3 出力電圧
4 永久磁石
L1 励磁コイル
L2 検知コイル
r 距離
50 モータ
50a 回転軸
51 出力軸
52 出力ギヤ
55 アクチュエータ
60 包絡線検波回路
61 位相比較器
62 A−D変換器
63 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁芯が挿入された励磁コイルと検知コイルを具備する磁気センサであって、
前記励磁コイルには低周波が印加され、前記検知コイルには高周波が印加され、
前記検知コイルの磁芯に鎖交する前記励磁コイルの磁束と外部磁界の磁束により、前記検知コイルの磁芯が周期的に磁気飽和状態と磁気不飽和状態を繰り返すことによって変調された前記検知コイルの両端電圧に基づいて、前記外部磁界の磁束を検出することを特徴とする磁気センサ。
【請求項2】
前記検知コイルの両端電圧の振幅の変調率に基づいて、前記外部磁界の磁束を検出することを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項3】
前記検知コイルの両端電圧の振幅の変調波と前記励磁コイルに印加される低周波の位相差を検出する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項4】
前記励磁コイルの磁芯は軟鉄で、前記検知コイルの磁芯は可飽和磁芯であることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項5】
前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気センサを用いたアクチュエータであって、
回転軸を有するモータと、複数のギヤを介して伝達される前記モータの駆動力を出力する出力軸と、前記モータの制御を行う制御部とを有し、前記外部磁界は前記出力軸と一体に回転する出力ギヤに設けられ、前記磁気センサは、前記出力ギヤ回転時に前記外部磁界に対向する位置に設けられている、ことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項6】
電源がオンされた時、前記制御部は、前記モータを駆動して前記出力軸を所定方向に回転させ、前記磁気センサが前記外部磁界を検知すると、前記出力軸の回転位置を初期位置に設定する、ことを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−25859(P2010−25859A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189950(P2008−189950)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000220125)東京パーツ工業株式会社 (122)
【Fターム(参考)】