説明

磁気膜強化インダクタ

集積磁気膜強化インダクタ及び集積磁気膜強化インダクタの形成方法が開示される。集積磁気膜強化インダクタが、第一部分及び第二部分を有するインダクタ金属部(530)、インダクタ金属部に結合された上端金属部または底金属部(532)、及びインダクタ金属部の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の中か、該一方の上か、該一方に隣接するかのいずれかで配置される分離膜(544)を備える。分離膜が、磁気膜のような磁気材料部(536)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された実施形態は、インダクタ、及びインダクタの形成方法に関する。さらに具体的には、本実施形態は、集積(integrated)磁気膜強化インダクタ、及び集積磁気膜強化インダクタの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インダクタンス(ヘンリーHで測定される)は、通電導体の周囲に形成する磁場によって生じる効果である。導体を流れる電流が、電流に比例して磁束を形成する。この電流の変化が、磁束の変化を生じ、順に、この電流の変化に反対に作用する起電力(EMF)を生じる。インダクタンスは、電流のユニット変化に対して生成されたEMFの一つの指標である。ターン(turn)数、各ループ/ターンの領域、及び周囲に何が巻かれるかが、インダクタンスに影響を及ぼす。例えば、高い透磁率を有する材料の周りに導体を巻きつけることにより、これらのターンをリンクする磁束が増加されることが可能である。
【0003】
インダクタによって蓄えられるエネルギーが、インダクタを通して流れる電流、ひいては磁場を定めるために必要とされる仕事の量に等しい。これが、
【数1】

によって与えられ、ここで、
Lが、インダクタンスであり;及び
Iが、インダクタを流れる電流である。
【0004】
通常、インダクタが、銅ワイヤー等の導電材料のコイルとして構成され、磁性材料のまたは空気のいずれかのコアに巻き付けられる。空気よりも高い透磁率を有するコア材料が、インダクタに近い磁場を限定し、これによって、インダクタンスを増加させる。インダクタが、多くの形状で提供される。例えば、多くの一般的なインダクタが、外側に露出されたワイヤーを備えたフェライトボビンに巻き付けられたエナメル被覆ワイヤーとして構成され、一方、いくつかは、ワイヤーを、フェライト内で完全に囲み、“シールド(shielded)”と呼ばれる。いくつかのインダクタは、インダクタンスの変更を可能にする調節可能なコアを有する。極めて高い周波数をブロックするために使用されることが可能なインダクタが、時には、フェライトシリンダーまたはビーズを貫通するワイヤーを用いて製造される。配線をらせんパターンにレイアウトすることにより、小さなインダクタが、プリント回路基板上に直接的にエッチングされることが可能である。トランジスタを製造するために使用されるものと同じまたは同様なプロセスを使用し、小さな値の(small value)インダクタが、集積回路上に組み込まれることも可能である。これらの場合、一般的に、アルミニウムの相互接続部が、導電材料として使用される。
【0005】
インダクタの係数Qが、以下の式によって得られ、ここで、Rが、その内部電気抵抗である:
【数2】

【0006】
磁気コアを使用することにより、インダクタンスが、同じ量の銅に対して増加され、Qを増加させる。しかしながら、また、コアが、周波数とともに増加する損失を生じる。コア材料のグレードが、周波数バンドへの最良の結果に対して選択される。
【0007】
円筒コイルに対する基本的なインダクタンス式が:
【数3】

であり、ここで、
L = ヘンリー(H)のインダクタンス;
μ0= 空き領域の透磁率=4π×10−7H/m;
μr= コア材料の相対透磁率
N = ターン数
A = コイルの断面積(平方メートル(m));及び
l = コイルの長さ(メートル(m))。
【0008】
インダクタが、アナログ回路及び信号処理に広く使用される。キャパシタ及び他の部品と併用されるインダクタが、特定の信号周波数を強めまたは除去することが可能な同調回路(tuned circuit)を形成するために使用されることが可能である。小さなインダクタ/キャパシタの組み合わせが、ラジオ受信及び放送に使用されることが可能な同調回路を提供する。アナログ/RF及びシステムオンチップ(SOC)用途に対し、インダクタが、基礎的素子となるように必要とされることが可能である。
【0009】
図1及び2が、相互接続部114を介して底金属部112に結合されたインダクタ金属部110を備えた従来型のサーペント型インダクタを示す。図2の断面図に示されるように、キャップ膜120が、層間誘電体(ILD)122上に形成される。インダクタ金属部110が、キャップ膜120上に形成される。一般的に、従来型のインダクタが、分離膜108としての酸化物またはlow−k酸化物及び/またはhigh−kキャップ膜120を使用する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示された実施形態は、インダクタ、及びインダクタの形成方法を対象とする。さらに具体的には、本実施形態が、集積磁気膜強化インダクタ、及び集積磁気膜強化インダクタの形成方法に関する。
【0011】
例えば、説明に役立つ実施形態が、第一部分及び第二部分を有するインダクタ金属部、及びインダクタ金属部の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の中か、該一方の上か、該一方に隣接するかのいずれかで配置される分離膜を含む集積磁気膜強化インダクタを対象とし、分離膜が、磁気材料部を含む。
【0012】
他の実施形態において、インダクタが、基板、該基板上に形成された複数のターンを有するインダクタ金属部、及びインダクタ金属部の一部の中か、該一部の上か、該一部に隣接するかのいずれかに磁気材料部を含むことが可能である。
【0013】
他の実施形態が、集積磁気膜強化インダクタの形成方法を対象とする。この方法が、第一部分及び第二部分を有するインダクタ金属部を堆積し、パターニングするステップ、及び、インダクタ金属部の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の中か、該一方の上か、該一方に隣接するかのいずれかで、磁気材料部を堆積し、パターニングするステップを含むことが可能である。
【0014】
他の実施形態が、集積磁気膜強化インダクタの形成方法を対象とする。この方法が、金属堆積/フォト/エッチングプロセスを使用して底金属部を堆積し、パターニングするステップと、第一金属部上に第一中間層誘電体(ILD)を堆積し、中間層誘電体に化学機械平坦化(CMP)プロセスを実施するステップと、第一中間層誘電体(ILD)上に底部キャップ膜を堆積するステップと、底部キャップ膜上にインダクタ金属部を堆積し、フォト/エッチングプロセスを使用して、インダクタ金属部をパターニングするステップと、インダクタ金属部上に上端キャップ膜を堆積し、上端キャップ膜に化学機械平坦化(CMP)プロセスを実施するステップと、上端キャップ膜にフォト/エッチングプロセスを実施し、インダクタ金属部の第一部分の中か、該第一部分の上か、該第一部分に隣接するかのいずれかにホールを形成するステップと、磁気材料部が、インダクタ金属部の第一部分の中か、該第一部分の上か、該第一部分に隣接するかのいずれかにあるように、上端キャップ膜及びホール上に磁気材料部を堆積し、また上端キャップ膜の上端まで磁気材料部をエッチングするステップと、磁気材料部上に第二中間層誘電体(ILD)を堆積し、第二中間層誘電体(ILD)に化学機械平坦化(CMP)プロセスを実施するステップと、磁気材料部の容易軸に沿ってインダクタの磁場軸を整列させるように、垂直磁気焼きなましを実施するステップと、を含むことが可能である。
【0015】
さらに他の実施形態が、集積磁気膜強化インダクタの形成方法を対象とする。この方法が、デュアルダマシンプロセスを使用し、底金属部を堆積し、パターニングするステップと、第一金属部上に第一中間層誘電体(ILD)を堆積するステップと、第一中間層誘電体(ILD)上に底部キャップ膜を堆積するステップと、底部キャップ膜上に第二中間層誘電体(ILD)を堆積するステップと、フォトリソグラフィ及びエッチング技術を使用し、第二中間層誘電体(ILD)内にトレンチを形成するステップと、少なくともトレンチ上に銅層をめっきし、第二中間層誘電体(ILD)の表面に至るまで銅層を研磨し、インダクタ金属部を形成するステップと、第二中間層誘電体(ILD)及びインダクタ金属部上に上端キャップ膜を堆積し、上端キャップ膜を研磨するステップと、フォトリソグラフィ及びエッチング技術を使用し、上端キャップ膜及び第二中間層誘電体(ILD)内にホールを形成するステップと、少なくともホール上に磁気材料層を堆積するステップと、磁気材料部上に第三中間層誘電体(ILD)を堆積し、第三中間層誘電体(ILD)に化学機械平坦化(CMP)プロセスを実施するステップと、磁気材料部の容易軸に沿ってインダクタの磁場軸を整列させるように、磁気焼きなましを実施するステップと、を含むことが可能である。
【0016】
他の実施形態が、第一部分及び第二部分を有する磁場を生成するための誘導手段と、誘導手段の第一部分及び第二部分の少なくとも一方を磁気的に分離するための分離手段と、を備えたインダクタを対象とし、分離手段が、誘導手段の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の中か、該一方の上か、該一方に隣接するかのいずれかに配置され、分離手段が、磁気材料部を含む。
【0017】
他の実施形態が、インダクタの形成方法を対象とする。この方法が、第一部分及び第二部分を有するインダクタ金属部を形成するステップと、インダクタ金属部の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の中か、該一方の上か、該一方に隣接するかのいずれかに磁気材料部を形成するステップと、を含むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来型のサーペント型のインダクタの上面図である。
【図2】図1の線2Y−2Y’に沿った断面図である。
【図3】サーペント型の磁気膜強化インダクタの上面図である。
【図4】図3の線4Y−4Y’に沿った断面図である。
【図5】環状型磁気膜強化インダクタの上面図である。
【図6】図5の線6Y−6Y’に沿った断面図である。
【図7】インダクタを形成する方法を図示したフロー図である。
【図8】インダクタを形成する方法を図示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付した図面が、実施形態の説明に役立つように表され、単に実施形態の図示のために提供され、その制限のために提供されるものではない。
【0020】
本実施形態の態様が、以下の記載及びこのような実施形態を対象とする関連する図面において開示される。本発明の範囲から逸脱することなく、代替の実施形態が考え出されうる。さらに、関連する詳細を分かりにくくしないように、本実施形態に使用され適用される周知の要素が、詳細に説明されない、または、省略される。
【0021】
本願明細書において、“実施例、事例、または実例として役立つこと”を意味するように、用語“例示的”が使用される。本願明細書において“例示的”に記載される任意の実施形態が、必ずしも、他の実施形態に対して有利なまたは好ましいものとして解釈されない。同様に、用語“実施形態”は、全実施形態が、議論された特徴、利点または操作のモードを含むことを必要としない。
【0022】
本願明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を制限することを意図するものではない。本願明細書に使用されるものとして、その文脈が明確に異なるように示していない限り、単数形“a”,“an”及び“the”が、複数形も含むことを意図する。本願明細書に使用される場合、用語“備える(comprises)”,“備えている(comprising)”,“含む(includes)”及び/または“含んでいる(including)”が、言及された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/または部品の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、部品、及び/またはこれらの群の存在またはこれらの追加を除外するものではないことがさらに理解されるだろう。
【0023】
図2に示されているように、一般的に、従来型のインダクタは、high−kキャップ膜120及び/または分離膜108としてのlow−k酸化物または酸化物を使用する。
【0024】
半導体集積において、開示された実施形態は、磁気膜(例えば、CoFe、CoFeBまたはNiFeのような強磁性膜等)のような磁気材料部が、インダクタのワイヤーの側壁のようなインダクタ金属の表面に隣接して、またはこれに沿って、またはこの中に実装されることが可能であり、インダクタンス値を増加させ及び/またはインダクタの大きさを減少させることを認める。開示された例示的な実施形態によると、垂直方向に沿って磁場を形成するように、複数の磁気膜ストリップが、インダクタワイヤーの側壁内に、該側壁上に、または該側壁に隣接して充填することが可能である。この磁気膜の透磁率が、酸化物または真空の透磁率よりも極めて高い。従って、磁気膜強化インダクタのインダクタンスが、従来型の酸化物充填インダクタのインダクタンスと比較して、著しく増加される。磁気膜ストリップが、小さくかつ薄い大きさとなるように形成されることが可能である。磁気膜ストリップが、高い抵抗率を有することが可能である。本実施形態が、磁気膜ストリップにおける表皮効果(skin effect)及び渦電流効果(eddy current effect)を減少させることが可能である。磁気膜ストリップが、形状異方性となるようにパターンニングされることが可能であり、磁気膜ストリップの長軸(すなわち、容易軸)に沿った磁場を強化させる。磁気膜ストリップが、インダクタス及びQ値を改善するのに役立つことが可能である。ワイヤー金属が、アルミニウムまたは銅または他の高導電性金属であることが可能である。銅または高導電性金属が、さらに、直列抵抗を減らすことによりQ値を増加させるために有効である。例えば、固定インダクタンス値が必要とされる場合、磁気膜強化インダクタの大きさを、アナログ/RFまたはSOC用途において減少させることが可能である。
【0025】
図1−8を参照し、集積磁気膜強化インダクタの例示的な実施形態、集積磁気膜強化インダクタの形成方法が、以下において説明される。
【0026】
半導体集積において、インダクタンス値を増加させ、及び/またはインダクタの大きさを減少させるように、磁気膜のような磁気材料部が、インダクタのワイヤーの側壁内に実装されることが可能である。開示された例示的な実施形態によると、複数の磁気膜ストリップが、垂直方向に沿って磁場を形成するように、インダクタワイヤーの側壁のような、インダクタ金属の表面の中に、該表面上に、または該表面に隣接して充填することが可能である。磁気膜の透磁率が、酸化物または真空の透磁率よりも著しく高い。従って、磁気膜強化インダクタのインダクタンスが、従来型の酸化物充填インダクタのインダクタンスと比較して、著しく増加される。磁気膜ストリップが、小さくかつ薄い大きさとなるように形成されることが可能である。磁気膜ストリップが、高い抵抗率を有することが可能である。本実施形態が、磁気膜ストリップにおける表皮効果及び渦電流効果を減少させることが可能である。磁気膜ストリップが、形状異方性となるようにパターン化されることが可能であり、磁気膜ストリップの長軸(すなわち、容易軸)に沿った磁場を強化させる。磁気膜ストリップが、インダクタス及びQ値を改善するのに役立つことが可能である。ワイヤー金属が、アルミニウムまたは銅または他の高導電性金属であることが可能である。銅または高導電性金属が、さらに、直列抵抗を減らすことによりQ値を増加させるために有効である。例えば、固定インダクタンス値が必要とされる場合、磁気膜強化インダクタの大きさを、アナログ/RFまたはSOC用途において減少させることが可能である。
【0027】
図3及び4に示されているように、例示的な実施形態に従うサーペント型の磁気膜強化インダクタが、ビア相互接続部314によって底金属部312に接続されたサーペント型のインダクタ金属部310を含むことが可能である。他の実施形態において、底金属部312及びビア314を使用することなく、金属部310が、他の回路に結合または接続されることが可能である。開示された実施形態において、磁気膜316のような磁気材料部が、インダクタ金属部310のワイヤーの側壁のような、インダクタ金属部の表面の中に、該表面上に、または該表面に隣接して実装されることが可能であり、インダクタンス値を増加させる及び/またはインダクタの大きさを減少させる。開示された実施形態において、磁気材料部316が、インダクタの端部または最外部のような、インダクタの一部の中に、該一部の上に、または該一部に隣接して実装されることが可能である。さらにまたはあるいは、磁気材料部316が、例えば、ストリップとして、インダクタ金属部310の第一部分とインダクタ金属部310の第二部分との間の1つ以上の空間内に挿入されることが可能である。
【0028】
図4の断面図に示されるように、キャップ膜320が、中間層誘電体(ILD)322上に形成される。インダクタ金属部310が、キャップ膜320上に形成される。開示された実施形態の態様において、磁気膜316が、インダクタ金属部310上に、またはこれに隣接して配置されることが可能である。他の態様において、磁気膜316が、インダクタ金属部310間の空間内に配置されることが可能である。すなわち、磁気膜316を、インダクタ金属部310の部分の間に配置することが可能である。
【0029】
再度、図3及び4を参照すると、インダクタ金属部310(すなわち、インダクタワイヤー)が、SiC若しくはSiNまたは他の分離材料のような分離膜であることが可能なキャップ膜320によって被覆される。キャップ膜320の厚さが、十分な分離マージンを維持するように選択されることが可能である。通常、キャップ膜320が、インダクタ金属部310の第一部分(すなわち、インダクタワイヤー)とインダクタ金属部310の第二部分(例えば、隣接部)との間の全体の空間を充填しなくてよい。インダクタ金属部310の第一及び第二部分の間のキャップ膜320の継ぎ目が、酸化物によって充填されることが可能である。酸化物エッチバック及びフォト/エッチ技術を使用することによって、磁気ストリップを受け入れるように、ホールが、キャップ膜320の側壁内に形成されることが可能である。磁気膜316が、キャップ膜320の側壁内のホール内に堆積されることが可能である。次に、例えば、化学機械平坦化(CMP)プロセスを実施することにより、磁気膜316が、エッチングまたは除去されることが可能である。次に、ILD322及びビア/金属プロセスが、例えば、ビア相互接続部及び金属層を形成するように適用されることが可能である。インダクタが、同じ層の金属ワイヤーによって、または、ビア相互接続部により上端層金属層(すなわち、ワイヤー)及び底部金属層(すなわち、ワイヤー)によって、接続されることが可能である。図3に示されるように、サーペントインダクタが、底部金属ワイヤーによって接続されることが可能である。従って、インダクタの開示された実施形態が、制限された付加的なステップを含む論理プロセスに対して容易に実施されることが可能である。
【0030】
以上のとおり、磁気膜316の透磁率が、酸化物または真空の透磁率よりも極めて高い。従って、磁気膜強化インダクタのインダクタンスが、従来型の酸化物充填インダクタのインダクタンスと比較して、著しく増加される。分離膜としての酸化物の代わりに磁気膜316を使用することによって、透磁率が増加され、磁気膜強化インダクタの大きさを減少させることが可能である。
【0031】
ワイヤー金属が、アルミニウムまたは銅または他の高導電性金属であることが可能である。さらに、直列抵抗を減少させることによりQ値を増加させるために、銅または高導電性材料が有効である。例えば、固定インダクタンス値が必要とされる場合、磁気膜強化インダクタの大きさが、アナログ/RFまたはSOC用途において減少させることが可能である。
【0032】
図5及び6に示されるように、例示的な実施形態に従う環状型磁気膜強化インダクタが、上端金属部538及び底金属部532に結合されたまたは接続された環状型のインダクタ金属部530を含むことが可能である。他の実施形態において、金属部530が、上端金属部538及び/または底金属部532なしで、他の回路に結合または接続されることが可能である。図6の断面図に示されているように、底部キャップ膜540が、中間層誘電体(ILD)542上に形成される。インダクタ金属部530及び誘電体544が、キャップ膜540上に形成される。上端キャップ膜546が、インダクタ金属部530及び誘電体544上に形成される。ビア534が、底金属部532をインダクタ金属部530に結合または接続する。
【0033】
開示された実施形態の態様において、磁気膜316が、インダクタ金属部310上に、またはこれに隣接して配置されることが可能である。他の態様において、磁気膜316が、インダクタ金属部310間の空間内に配置されることが可能である。すなわち、磁気膜316が、インダクタ金属部310の部分の間に配置されることが可能である。
【0034】
開示された実施形態において、磁気膜536のような磁気材料部が、インダクタ金属部530のワイヤーの側壁のようなインダクタ金属部530の表面の中に、該表面上に、または該表面に隣接して、実装されることが可能であり、インダクタンス値を増加させ、及び/またはインダクタの大きさを減少させる。開示された実施形態において、磁気材料536が、インダクタの端部または最外部のようなインダクタの一部の中に、該一部上に、または該一部に隣接して実装されることが可能である。さらに、またはあるいは、磁気材料部536が、例えば、インダクタ金属部530間の1つ以上の空間内にストリップとして挿入されることが可能である。すなわち、このような実施形態において、磁気膜536が、インダクタ金属部530の部分の間に配置されることが可能である。
【0035】
再度、図6を参照すると、インダクタ金属部530(すなわち、インダクタワイヤー)が、キャップ膜546によって被覆され、該キャップ膜546が、SiC若しくはSiNまたは他の分離材料のような分離膜であることが可能である。キャップ膜546の厚さが、十分な分離マージンを維持するように選択されることが可能である。通常、キャップ膜546が、インダクタ金属部530(すなわち、インダクタワイヤー)の第一部分と、インダクタ金属部530の第二部分(すなわち、隣接部)と、の間の全体の空間を充填しなくてもよい。インダクタ金属部530の第一部分と第二部分との間のキャップ膜546の継ぎ目が、酸化物によって充填されることが可能である。例えば、酸化物エッチバック及びフォト/エッチ技術を使用することによって、磁気膜536を受け入れるように、ホールが、キャップ膜546の側壁内に形成されることが可能である。磁気膜536が、キャップ膜546の側壁内のホール内に堆積されることが可能である。次に、例えば、化学機械平坦化(CMP)プロセスを実施することにより、磁気膜536が、エッチングまたは除去される。次に、ILD548及びビア/金属プロセスが、例えば、ビア相互接続部550及び上端金属層を形成するように適用されることが可能である。インダクタが、同じ層の金属ワイヤーによって、または、ビア相互接続部により底部金属層(すなわち、ワイヤー)及び上端層金属層(すなわち、ワイヤー)によって接続されることが可能である。図5に示されるように、環状インダクタが、底部金属ワイヤー532及び上端金属ワイヤー538によって接続されることが可能である。従って、インダクタの開示された実施形態が、制限された付加的なステップを含む論理プロセスに対して容易に実施されることが可能である。
【0036】
分離膜としての酸化物の代わりに磁気膜536を使用することによって、透磁率が増加され、磁気膜強化インダクタの大きさが、アナログ/RFまたはSOC用途において減少させることが可能である。
【0037】
インダクタワイヤーが、アルミニウム若しくは銅または他の高導電性金属であることが可能である。さらに、直列抵抗を減らすことにより、Q値を増加させるために、銅または高導電性金属が有効である。例えば、固定インダクタンス値が必要とされる場合、磁気膜強化インダクタの大きさが、アナログ/RFまたはSOC用途において減少させることが可能である。
【0038】
図4、6、7及び8を参照し、集積磁気膜強化インダクタを形成する例示的な方法が、ここで説明される。
【0039】
図7に図示されるように、集積磁気膜強化インダクタを形成する例示的な方法が、金属堆積/フォト/エッチングプロセスを実施することにより、底金属部312,532のような第一金属部を堆積し、パターン化するステップを含むことが可能である(例えば、702)。次に、中間層誘電体(ILD)322,542が、堆積され、CMPプロセスが適用されることが可能である(例えば、704)。底部キャップ膜320,540が、ILD322,542上に堆積されることが可能である(例えば、706)。例えば、図6において、図示された実施形態において、ビア フォト/エッチング/充填/CMPプロセスが、ビア534を形成するために適用されることが可能である(例えば、708)。例えば、フォト/エッチングプロセスによって、インダクタ金属部310,530が、堆積され、パターン化される(例えば、710)。例えば、図6において、図示された実施形態において、インダクタ金属部310,530が、ビア相互接続部314,534によって、底金属部312,532に結合され、または接続されることが可能である。
【0040】
次に、キャップ/酸化物膜が、堆積され、CMPプロセスが、実施されることが可能である(例えば、712)。フォト/エッチングプロセスが、磁気膜ストリップ用のホールを形成するために適用されることが可能である(例えば、714)。磁気膜316,536のような磁気材料層が、磁気材料部を形成するために堆積されることが可能である。磁気材料部の上端が、キャップ/酸化物膜の上端までエッチバックされ(例えば、716)、磁気材料部が、インダクタ金属部310,530のワイヤーの側壁のようなインダクタ金属部310,530の表面の中に、該表面上に、または該表面に隣接して実装され、及び/またはインダクタ金属310,530の第一部分と、インダクタ金属310,530の第二部分(すなわち、隣接部)と、の間に配置される。ILD膜が、堆積され、CMPプロセスが、実施されることが可能である(例えば、718)。垂直磁気焼きなましが、適用されることが可能である(例えば、720)。一実施形態において、ビアパターニングプロセス(例えば、フォト/エッチングプロセス)が、実施され、例えば、タングステンにより、ビアが、充填されることが可能である。次に、ビア(図示しない)を形成するために、上端表面上のいずれの余分なタングステンを除去するように、CMPプロセスが、実施されることが可能である(例えば、722)。金属膜(図示しない)が、堆積され、例えば、フォト/エッチングプロセスによってパターン化されることが可能であり、上端ビア550との結合または接続を形成する(例えば、724)。
【0041】
他の実施形態において、上端金属層が、図5に図示されたような上端金属部538を形成するように設けられることも可能である。ビア相互接続部550によって、インダクタ金属部530が、上端金属部538に結合されることが可能である。
【0042】
図8は、開示された実施形態に従って集積磁気膜強化インダクタを形成する他の例示的な方法を説明する。この例示的な方法が、デュアルダマシンプロセスを使用するステップ、トレンチをパターニングするステップ及び銅をめっきするステップ、及び、底部金属層上において化学機械平坦化(CMP)プロセスを実施するステップを含むことが可能であり、底金属部312,532を形成する(例えば、802)。次に、中間層誘電体(ILD)322,542が、堆積されることが可能である(例えば、804)。底部キャップ膜320,540が、ILD322,542上に堆積されることが可能である(例えば、806)。一実施形態において、フォト及びエッチングプロセスにより、ビア開口部が、ILD542内に形成されることが可能であり(例えば、808)、ビア534を形成する。ILD膜326,544が、底部キャップ膜320,540上に堆積されることが可能である(例えば、810)。
【0043】
次に、このような方法が、フォトリソグラフィ及びエッチング技術を使用し、金属ワイヤー用のトレンチを形成するステップを含むことが可能である(例えば、812)。この方法が、少なくともトレンチ及びビア上に、銅層をめっきするステップ、及び、次に、例えば、化学機械平坦化(CMP)技術を使用し、ILD326,544の表面に至るまで、銅層を研磨するステップを含むことが可能であり(例えば、814)、インダクタ金属部310,530を形成する。例示的な方法が、酸化物エッチングバックプロセスを含むことが可能である(例えば、816)。上端キャップ/酸化物膜328,546が、ILD326,544及びインダクタ金属部310,530上に堆積されることが可能であり、続いて、例えば、化学機械平坦化(CMP)技術を使用し、研磨する(例えば、818)。
【0044】
フォトリソグラフィ及びエッチング技術を使用し、複数のホールが、上端キャップ膜328,546及びILD膜326,544内に形成されることが可能である(例えば、820)。磁気膜のような磁気材料層が、少なくともエッチングされたホール上に堆積されることが可能であり、次に、上端キャップ膜328,546の表面まで、磁気材料部が、エッチバックされる、または、CMPプロセスが、実施されることが可能であり、磁気材料部316,536を形成する(例えば、822)。
【0045】
次に、ILD膜324,548が、上端キャップ膜328,546及び磁気材料部316,536上に堆積されることが可能であり、例えば、化学機械平坦化(CMP)技術を使用し、研磨される(例えば、824)。垂直磁気焼きなましプロセスが、実施されることが可能であり、磁場を磁気ストリップの容易軸に整列させる(例えば、826)。
【0046】
この方法が、例えば、デュアルダマシンプロセスを使用し、ILD324,548内にビア開口部を形成するステップを含むことが可能であり、インダクタ金属部530を上端金属部538に結合または接続するためのビア550を形成する(例えば、S156)。最後に、金属層が、ILD548上にめっきされ、パターン化されることが可能であり、例えば、デュアルダマシンプロセスを使用し、上端金属部538を形成する(例えば、830)。
【0047】
再度、図7及び8を参照すると、キャップ膜の厚さが、インダクタ金属ワイヤー間の空間を完全にまたは全体的に充填するのに十分ではなく、一方で、同時に、キャップ膜の厚さが、回路操作に対して十分な分離マージンを提供するほど十分に厚いようなキャップ膜(例えば、546)の実施形態が、提供されることが可能である。すなわち、インダクタの隣接するワイヤーの電圧差が小さいため、ブレークダウンを防ぐのに十分に大きくなるように(例えば、ブレークダウンを防ぐためにちょうどの大きさとなるように)、キャップ厚さプロセスウィンドウ(cap thickness process window)が形成されることが可能である。
【0048】
開示された例示的な実施形態によると、酸化物が、キャップ膜の継ぎ目内を充填することが可能であり。また、例えば、ハードマスクとしてのキャップ層を使用することにより、磁気ホールフォトリソグラフィ及びエッチングプロセスが、磁気膜堆積に対して自己整合されることが可能である。一実施形態において、ストリップ内の磁場を強めるために、磁気膜を、形状異方性とすることが可能である。
【0049】
例示的な実施形態によると、上端表面酸化物または磁気膜を除去するために酸化物または磁気膜をエッチバックするプロセスが、上端磁気膜を除去することが可能であり、磁気ストリップを、さらに形状異方性とし、上端ビア接続部用のウィンドウを開口する。
【0050】
開示された例示的な実施形態によると、垂直磁気焼きなましステップ(例えば、826)が、磁気膜ストリップの垂直方向(すなわち、磁気膜ストリップの容易軸)に沿った磁気膜(例えば、316,536)の内側の磁場の位置合わせ及び設定に関する重要な利点を提供することが可能である。開示された実施形態によると、全体のインダクタプロセスが、論理プロセスまたはMRAMプロセスに加えられるまたは部分的に共有されることが可能である。
【0051】
開示された実施形態の特徴に従い、集積磁気膜強化インダクタ、及び集積磁気膜強化インダクタの形成方法が、提供されることが可能である。
【0052】
当然のことながら、例えば、図4−8に図示されたようなインダクタが、携帯電話、ポータブルコンピューター、携帯型パーソナルコミュニケーションシステム(PCS)ユニット、パーソナルデータアシスタント(PDAs)のようなポータブルデータユニット、GPS対応デバイス、ナビゲーションデバイス、セットトップボックス、ミュージックプレーヤー、ビデオプレーヤー、エンターテイメントユニット、計測装置のような固定ロケーションデータユニット、または、データまたはコンピューター命令を記憶または読み出す任意の他のデバイス、またはこれらを任意に組み合わせたものの中に含まれてよい。従って、開示された実施形態が、テスト及び評価のためのオン−チップ回路及びメモリーを含むアクティブ集積回路を含む任意のデバイスに適切に使用されてよい。
【0053】
上記の開示されたデバイス及び方法が、典型的には設計され、コンピューター可読媒体上に保存されたGDSII及びGERBERコンピューターファイル内に設定される。これらのファイルが、順に、ファブリケーションハンドラーに提供され、該ファブリケーションハンドラーが、これらのファイルに基づき、デバイスを製造する。得られた製品が、半導体ウェハーであり、その後、半導体ダイに切断され、半導体チップ内にパッケージングされる。次に、チップが、上記のデバイスに利用される。
【0054】
開示された実施形態が、図示された例示的な構造または方法に制限されず、本願明細書に記載された機能を実施するための任意の手段が、本実施形態に含まれることを当業者は理解するだろう。
【0055】
上述の開示が、説明に役立つ実施形態を示すが、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく、本願明細書において、様々な変更及び修正が、実施可能であることに注目すべきである。本願明細書において開示された実施形態に従い、方法の請求項の機能、ステップ及び/または動作が、任意の特定の順番で実施される必要はない。さらに、開示された実施形態の要素が、単数で記載または主張されうるが、単数への制限が明示的に規定されていない限り、複数も予期されうる。
【符号の説明】
【0056】
310 インダクタ金属部
312 底金属部
314 ビア
316 磁気膜
320 キャップ膜
322,324,326 中間層誘電体(ILD)
328 上端キャップ膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部分及び第二部分を有するインダクタ金属部;並びに
前記インダクタ金属部の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の中か、該一方の上か、該一方に隣接するかのいずれかに配置された分離膜;
を備えたインダクタであって、
前記分離膜が、磁気材料部を含むことを特徴とするインダクタ。
【請求項2】
前記分離膜が、前記インダクタ金属部の第一部分及び第二部分の間に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
【請求項3】
前記分離膜が、前記インダクタ金属部の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の側壁の中か、該側壁の上か、該側壁に隣接するかのいずれかに位置することを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
【請求項4】
前記磁気材料部が、磁気膜であることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
【請求項5】
前記磁気材料部が、形状異方性磁気膜であることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
【請求項6】
前記磁気材料部の厚さが、前記磁気材料部の内側の渦電流及び表皮効果を減少させ、磁場損失を減少させるように選択されることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
【請求項7】
前記インダクタが、サーペント型インダクタであることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
【請求項8】
前記インダクタが、環状型インダクタであることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
【請求項9】
前記インダクタ金属部に結合された上端金属部または底金属部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
【請求項10】
前記インダクタ金属部に結合された回路をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
【請求項11】
少なくとも一つの半導体ダイ内に組み込まれることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
【請求項12】
セットトップボックス、ミュージックプレーヤー、ビデオプレーヤー、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、コミュニケーションデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、固定ロケーションデータユニット、及び前記インダクタが組み込まれるコンピューターにより構成された群から選択された電子デバイスをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
【請求項13】
基板と、
前記基板上に形成された複数のターンを有するインダクタ金属部と、
前記インダクタ金属部の一部の中か、該一部の上か、該一部に隣接するかのいずれかに位置する磁気材料部と、を備えることを特徴とするインダクタ。
【請求項14】
前記磁気材料が、前記インダクタ金属部の複数のターンの隣接する部分間に配置されることを特徴とする請求項13に記載のインダクタ。
【請求項15】
分離膜が、前記インダクタ金属部の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の側壁の中か、該側壁の上か、該側壁に隣接するかのいずれかに位置することを特徴とする請求項13に記載のインダクタ。
【請求項16】
前記磁気材料部が、磁気膜であることを特徴とする請求項13に記載のインダクタ。
【請求項17】
前記磁気材料部が、形状異方性磁気膜であることを特徴とする請求項13に記載のインダクタ。
【請求項18】
前記磁気材料部の厚さが、前記磁気材料部の内側の渦電流及び表皮効果を減少させ、磁場損失を減少させるように選択されることを特徴とする請求項13に記載のインダクタ。
【請求項19】
前記インダクタが、サーペント型インダクタであることを特徴とする請求項13に記載のインダクタ。
【請求項20】
前記インダクタが、環状型インダクタであることを特徴とする請求項13に記載のインダクタ。
【請求項21】
前記インダクタ金属部に結合された上端金属部または底金属部をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載のインダクタ。
【請求項22】
前記インダクタ金属部に結合された回路をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載のインダクタ。
【請求項23】
少なくとも一つの半導体ダイ内に組み込まれることを特徴とする請求項13に記載のインダクタ。
【請求項24】
セットトップボックス、ミュージックプレーヤー、ビデオプレーヤー、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、コミュニケーションデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、固定ロケーションデータユニット、及び前記インダクタが組み込まれるコンピューターにより構成された群から選択された電子デバイスをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載のインダクタ。
【請求項25】
第一部分及び第二部分を有するインダクタ金属部を堆積し、パターニングするステップ;並びに
前記インダクタ金属部の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の中か、該一方の上か、該一方に隣接するかのいずれかに、磁気材料部を堆積し、パターニングするステップ;
を含むことを特徴とするインダクタの形成方法。
【請求項26】
前記インダクタ金属部の第一部分と第二部分との間に、前記磁気材料部が、堆積され、パターニングされることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記インダクタ金属部の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の側壁の中か、該側壁の上か、該側壁に隣接するかのいずれかに、前記磁気材料部が、堆積され、パターニングされることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記磁気材料部が、磁気膜であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記磁気材料部が、形状異方性磁気膜であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記磁気材料部の厚さが、前記磁気材料部の内側の渦電流及び表皮効果を減少させ、磁場損失を減少させるように選択されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記磁気材料部の容易軸に沿って前記インダクタの磁場軸を整列させるように、磁気焼きなましプロセスを実施するステップをさらに含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記インダクタ金属部の第一部分と第二部分との間に、前記磁気材料部を自己整合させるように、ハードマスクとして前記インダクタ金属部上にキャップ層を堆積するステップをさらに含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記インダクタ金属部に結合される底金属部を形成するステップ、及び
前記インダクタ金属部に結合される上端金属部を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項34】
セットトップボックス、ミュージックプレーヤー、ビデオプレーヤー、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、コミュニケーションデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、固定ロケーションデータユニット、及び前記インダクタが組み込まれるコンピューターにより構成された群から選択された電子デバイス内に、前記インダクタが適用されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項35】
金属堆積/フォト/エッチングプロセスを使用して底金属部を堆積し、パターニングするステップと、
第一金属部上に第一中間層誘電体(ILD)を堆積し、前記中間層誘電体に化学機械平坦化(CMP)プロセスを実施するステップと、
前記第一中間層誘電体(ILD)上に底部キャップ膜を堆積するステップと、
前記底部キャップ膜上にインダクタ金属部を堆積し、フォト/エッチングプロセスを使用して、前記インダクタ金属部をパターニングするステップと、
前記インダクタ金属部上に上端キャップ膜を堆積し、前記上端キャップ膜に化学機械平坦化(CMP)プロセスを実施するステップと、
前記上端キャップ膜にフォト/エッチングプロセスを実施し、前記インダクタ金属部の第一部分の中か、該第一部分の上か、該第一部分に隣接するかのいずれかにホールを形成するステップと、
前記磁気材料部が、前記インダクタ金属部の第一部分の中か、該第一部分の上か、該第一部分に隣接するかのいずれかに位置するように、前記上端キャップ膜及び前記ホール上に磁気材料部を堆積し、前記上端キャップ膜の上端まで前記磁気材料部をエッチングするステップと、
前記磁気材料部上に第二中間層誘電体(ILD)を堆積し、前記第二中間層誘電体(ILD)に化学機械平坦化(CMP)プロセスを実施するステップと、
前記磁気材料部の容易軸に沿ってインダクタの磁場軸を整列させるように、垂直磁気焼きなましを実施するステップと、
を含むことを特徴とするインダクタの形成方法。
【請求項36】
前記フォト/エッチングプロセスが、前記インダクタ金属部の第一部分と前記インダクタ金属部の第二部分との間に前記ホールを形成し、
前記磁気材料部が、前記上端キャップ膜上及び前記ホール上に堆積され、前記上端キャップ膜の上端までエッチバックされ、前記磁気材料部が、前記インダクタ金属部の第一部分と第二部分との間にあることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記フォト/エッチングプロセスが、前記インダクタ金属部の第一部分の中か、該第一部分の上か、該第一部分に隣接するかのいずれかに、複数のホールを形成し、
前記磁気材料部が、前記上端キャップ膜上及び前記複数のホール上に堆積され、前記上端キャップ膜の上端までエッチバックされることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記フォト/エッチングプロセスが、前記インダクタ金属部の第一部分と前記インダクタ金属部の第二部分との間に複数のホールを形成し、
前記磁気材料部が、前記上端キャップ膜上及び前記複数のホール上に堆積され、前記上端キャップ膜の上端までエッチバックされ、前記磁気材料部が、前記インダクタ金属部の第一部分と第二部分との間にあることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項39】
フォト/エッチングプロセスを使用し、前記第一中間層誘電体(ILD)内に、第一ビア開口部をパターニングし、前記第一ビア開口部を金属で充填し、前記インダクタ金属部を前記底金属部に結合させる底部ビア相互接続部を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項40】
金属堆積/フォト/エッチングプロセスを使用し、前記第二中間層誘電体(ILD)上に、上端金属部を堆積し、パターニングするステップと、
フォト/エッチングプロセスを使用し、前記第二中間層誘電体(ILD)内に、第二ビア開口部をパターニングし、前記第二ビア開口部を金属で充填し、前記インダクタ金属部を前記上端金属部に結合させる上端ビア相互接続部を形成するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記磁気材料部が、磁気膜であることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記磁気材料部が、形状異方性磁気膜であることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記磁気材料部の厚さが、前記磁気材料部の内側の渦電流及び表皮効果を減少させ、磁場損失を減少させるように選択されることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項44】
セットトップボックス、ミュージックプレーヤー、ビデオプレーヤー、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、コミュニケーションデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、固定ロケーションデータユニット、及び前記インダクタが組み込まれるコンピューターにより構成された群から選択された電子デバイス内に、前記インダクタが適用されることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項45】
デュアルダマシンプロセスを使用し、底金属部を堆積し、パターニングするステップと、
第一金属部上に第一中間層誘電体(ILD)を堆積するステップと、
前記第一中間層誘電体(ILD)上に底部キャップ膜を堆積するステップと、
前記底部キャップ膜上に第二中間層誘電体(ILD)を堆積するステップと、
フォトリソグラフィ及びエッチング技術を使用し、前記第二中間層誘電体(ILD)内にトレンチを形成するステップと、
少なくとも前記トレンチ上に銅層をめっきし、前記第二中間層誘電体(ILD)の表面に至るまで前記銅層を研磨し、インダクタ金属部を形成するステップと、
前記第二中間層誘電体(ILD)及び前記インダクタ金属部上に上端キャップ膜を堆積し、前記上端キャップ膜を研磨するステップと、
フォトリソグラフィ及びエッチング技術を使用し、前記上端キャップ膜及び前記第二中間層誘電体(ILD)内にホールを形成するステップと、
少なくとも前記ホール上に磁気材料部層を堆積するステップと、
磁気材料部上に第三中間層誘電体(ILD)を堆積し、前記第三中間層誘電体(ILD)に化学機械平坦化(CMP)プロセスを実施するステップと、
前記磁気材料部の容易軸に沿ってインダクタの磁場軸を整列させるように、磁気焼きなましを実施するステップと、を含むことを特徴とする集積磁気膜強化インダクタの形成方法。
【請求項46】
フォトリソグラフィ及びエッチング技術を使用し、前記第二中間層誘電体(ILD)内に複数のトレンチを形成するステップと、
少なくとも前記複数のトレンチ上に前記銅層をめっきし、前記第二中間層誘電体(ILD)の表面に至るまで前記銅層を研磨し、前記インダクタ金属部を形成するステップと、
フォトリソグラフィ及びエッチング技術を使用し、前記上端キャップ膜及び前記第二中間層誘電体(ILD)内に複数のホールを形成するステップと、
少なくとも前記複数のホール上に前記磁気材料部層を堆積するステップと、
を含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
フォト/エッチングプロセスを使用し、前記第一中間層誘電体(ILD)内に第一ビア開口部をパターニングし、前記第一ビア開口部を金属で充填し、デュアルダマシンプロセスによって、前記インダクタ金属部を前記底金属部に結合させる底部ビア相互接続部を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項48】
デュアルダマシンプロセスを使用し、前記第三中間層誘電体(ILD)上に上端金属部をめっきし、パターニングするステップと、
フォト/エッチングプロセスを使用し、前記第三中間層誘電体(ILD)内に第二ビア開口部をパターニングし、前記第二ビア開口部を金属で充填し、前記インダクタ金属部を前記上端金属部に結合させる上端ビア相互接続部を形成するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記磁気材料部が、磁気膜であることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項50】
前記磁気材料部が、形状異方性磁気膜であることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項51】
前記磁気材料部の厚さが、前記磁気材料部の内側の渦電流及び表皮効果を減少させ、磁場損失を減少させるように選択されることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項52】
セットトップボックス、ミュージックプレーヤー、ビデオプレーヤー、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、コミュニケーションデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、固定ロケーションデータユニット、及び前記インダクタが組み込まれるコンピューターにより構成された群から選択された電子デバイス内に、前記インダクタが適用されることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項53】
第一部分及び第二部分を有する磁場を生成するための誘導手段、並びに
前記誘導手段の第一部分及び第二部分の少なくとも一方を磁気的に分離するための分離手段、を備え、
前記分離手段が、前記誘導手段の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の中か、該一方の上か、該一方に隣接するかのいずれかに配置され、
前記分離手段が、磁気材料部を含むことを特徴とするインダクタ。
【請求項54】
前記分離手段が、前記誘導手段の第一部分及び第二部分の間に配置されたことを特徴とする請求項53に記載のインダクタ。
【請求項55】
前記分離手段が、前記誘導手段の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の側壁の中か、該側壁の上か、該側壁に隣接するかのいずれかあることを特徴とする請求項53に記載のインダクタ。
【請求項56】
前記磁気材料部が、磁気膜であることを特徴とする請求項53に記載のインダクタ。
【請求項57】
前記磁気材料部が、形状異方性磁気膜であることを特徴とする請求項53に記載のインダクタ。
【請求項58】
前記磁気材料部の厚さが、前記磁気材料部の内側の渦電流及び表皮効果を減少させ、磁場損失を減少させるように選択されることを特徴とする請求項53に記載のインダクタ。
【請求項59】
前記インダクタが、サーペント型インダクタであることを特徴とする請求項53に記載のインダクタ。
【請求項60】
前記インダクタが、環状型インダクタであることを特徴とする請求項53に記載のインダクタ。
【請求項61】
前記誘導手段に結合された前記インダクタを電気的に接続する第一及び第二電極手段をさらに備えることを特徴とする請求項53に記載のインダクタ。
【請求項62】
少なくとも一つの半導体ダイ内に組み込まれることを特徴とする請求項53に記載のインダクタ。
【請求項63】
セットトップボックス、ミュージックプレーヤー、ビデオプレーヤー、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、コミュニケーションデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、固定ロケーションデータユニット、及び前記インダクタが組み込まれるコンピューターにより構成された群から選択された電子デバイスをさらに備えることを特徴とする請求項53に記載のインダクタ。
【請求項64】
第一部分及び第二部分を有するインダクタ金属部を形成するステップ、並びに
前記インダクタ金属部の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の中か、該一方の上か、該一方に隣接するかのいずれかに磁気材料部を形成するステップ、
を含むことを特徴とするインダクタの形成方法。
【請求項65】
前記インダクタ金属部の第一部分と第二部分との間に、前記磁気材料部が、堆積され、パターニングされることを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記インダクタ金属部の第一部分及び第二部分の少なくとも一方の側壁の中か、該側壁の上か、該側壁に隣接するかのいずれかに、前記磁気材料部が、堆積され、パターニングされることを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記磁気材料部が、磁気膜であることを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記磁気材料部が、形状異方性磁気膜であることを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記磁気材料部の厚さが、前記磁気材料部の内側の渦電流及び表皮効果を減少させ、磁場損失を減少させるように選択されることを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項70】
前記磁気材料部の容易軸に沿って前記インダクタの磁場軸を整列させるように、磁気焼きなましプロセスを実施するステップをさらに含むことを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項71】
前記インダクタ金属部の第一部分と第二部分との間に、前記磁気材料部を自己整合させるように、ハードマスクとして前記インダクタ金属部上にキャップ層を堆積するステップをさらに含むことを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項72】
前記インダクタ金属部に結合される底金属部を形成するステップ、及び
前記インダクタ金属部に結合される上端金属部を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項73】
セットトップボックス、ミュージックプレーヤー、ビデオプレーヤー、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、コミュニケーションデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、固定ロケーションデータユニット、及び前記インダクタが組み込まれるコンピューターにより構成された群から選択された電子デバイス内に、前記インダクタが適用されることを特徴とする請求項64に記載の方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−519395(P2012−519395A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553114(P2011−553114)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/026246
【国際公開番号】WO2010/102132
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】