説明

移動シミュレーション装置、および移動シミュレーション装置の動作方法

【課題】従来の地震時などのルート検索技術では、出発点と到着点を指定したルート検索において、結果として通行止めなどの区間を回避した移動ルートがユーザに対して提示されるのみである。そのため、具体的にどの場所が通行止めなどであるのかをユーザが直感的に把握することができない、という課題がある。
【解決手段】以上課題解決のため、本発明は、ユーザ操作に応じて地図上を道沿いなどに任意に移動するマーカに関して、その通過先の道路などの制限情報(通行止めなどを示す情報)を参照する。そして通過先の道路が通過可能であればマーカの移動アニメーションを表示し、通過不可の場合にはマーカの移動を停止させるなどの表示処理を行う地図表示装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通規制(移動体の動き制限)などが視覚的に把握しやすい、ユーザにとって利便性の高い地図情報を提示するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ユーザのPC端末にて閲覧可能な地図データが、インターネットを介したASPの利用やスタンドアロン端末へのインストールなど様々な形態で提供されている。この地図データでは、地名などを入力して目的地の位置を検索したり、出発地と目的地を入力して移動ルートを検索したりすることができる。また特許文献1ではその移動ルート検索において、災害時の通行止めや危険箇所などを示す地点情報を参照し、そのような箇所を避けて移動ルートを検索する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−046919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上記特許文献1に開示された技術では、結果として通行止めなどの区間を回避した移動ルートがユーザに対して提示されるのみである。そのため、地図上でルートのシミュレーションをする際に、具体的にどの通路が通行止めなどで通行が制限されるのかをユーザが直感的に把握することができない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明は、地図上に移動体を示すマーカを表示し、ユーザからの移動方向の指示操作などに応じて、そのマーカをシミュレーション的に通路に沿って移動させる。そして、その通過先の道路などの属性情報(通行止めなどを示す情報)を参照し、通過先の道路が通過可能であればマーカの移動アニメーションを表示する。一方、通過不可の場合にはマーカの移動を停止させるなどの表示処理を行う地図表示装置を提供する。
【0006】
具体的には、地点を示すノードと、地点間を結ぶ移動体用交通路を示すリンクとから構成される地図上で移動体を擬したマーカを利用した移動シミュレーションを行うための装置であって、利用者からマーカの動き指示を受け付ける指示受付部と、移動体の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する保持部と、動き指示と属性情報から得る制御情報とに基づいてマーカの動きを処理する処理部と、マーカの動きを表示するマーカ表示部と、指示受付部にて受付けた指示でマーカが利用をすべきリンクの属性情報を取得して属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する制御情報生成部と、を有する移動シミュレーション装置を提供する。
【0007】
また、マーカの移動が止まった場合などに、例えば「交通事故で通行止め中」や「一方通行」などその理由を表示しユーザに通知する機能をさらに備える移動シミュレーション装置や、通行止めなどの動き制限に関する情報を例えば「午前中は自動車進入禁止」といった具合に時間別に分けて保持し、時間別にマーカの動き制限を実行する移動シミュレーション装置なども提供する。また、これら移動シミュレーション装置にかかる動作方法も提供する。
【0008】
また、上記と同様の機能をクライアントサーバ型のシステムで実現した移動シミュレーションシステムも提供する。具体的には、地点を示すノードと、地点間を結ぶ移動体用交通路を示すリンクと、から構成される地図上で移動体を擬したマーカを利用した前記リンク上の移動シミュレーションを行うための移動シミュレーションシステムであって、端末装置から送信されたマーカの動き指示を受信するサーバ受信部と、移動体の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する保持部と、サーバ受信部にて受信した指示でマーカが利用をすべきリンクの属性情報を取得して属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する制御情報生成部と、前記生成した制御情報を端末装置に返信するサーバ返信部と、有する移動シミュレーションサーバ装置と、利用者からマーカの動き指示を受け付ける指示受付部と、受付けた動き指示を移動シミュレーションサーバ装置に送信する端末送信部と、前記送信した動き指示に応じて移動シミュレーションサーバ装置より返信された制御情報を受信する端末受信部と、動き指示と制御情報とに基づいてマーカの動きを処理する処理部と、マーカの動きを表示するマーカ表示部と、を有する端末装置と、からなる移動シミュレーションシステムを提供する。
【0009】
あるいは、上記と同様の機能を実現する別のクライアントサーバ型システムとして、地点を示すノードと、地点間を結ぶ移動体用交通路を示すリンクと、から構成される地図上で移動体を擬したマーカを利用した前記リンク上の移動シミュレーションを行うための移動シミュレーションシステムであって、移動体の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する保持部と、端末装置から前記属性情報の送信リクエストを受信するリクエスト受信部と、受信した送信リクエストに応じて属性情報を端末装置に送信する属性情報送信部と、を有する移動シミュレーションサーバ装置と、移動シミュレーションサーバ装置に対して属性情報の送信リクエストを行うリクエスト部と、前記リクエストに応じて移動シミュレーションサーバ装置より送信された属性情報を受信する属性情報受信部と、利用者からマーカの動き指示を受け付ける指示受付部と、指示受付部にて受付けた指示でマーカが利用をすべきリンクの属性情報を取得して属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する制御情報生成部と、動き指示と制御情報とに基づいてマーカの動きを処理する処理部と、マーカの動きを表示するマーカ表示部と、を有する端末装置と、からなる移動シミュレーションシステムを提供する。また、これら移動シミュレーションシステムの動作方法も合わせて提供する。
【発明の効果】
【0010】
以上のような構成をとる本発明によって、地図上でのマーカの移動や停止といった動き表示を見て、ユーザは道路などが移動可能か通行止めかなどを直感的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1の移動シミュレーション装置による画面表示の一例を表す概念図
【図2】実施例1の移動シミュレーション装置にて保持されているノードとリンクに関するデータベースの一例を表す図
【図3】実施例1の移動シミュレーション装置における機能ブロックの一例を表す図
【図4】実施例1の移動シミュレーション装置の保持部にて保持されている動き制限データベースの一例を表す概念図
【図5】実施例1の移動シミュレーション装置におけるハードウェア構成の一例を表す概略図
【図6】実施例1の移動シミュレーション装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図7】実施例1の移動シミュレーション装置をネットワーク型で実施した際の処理の流れの一例を表すフローチャート
【図8】実施例2の移動シミュレーション装置による画面表示の一例を表す図
【図9】実施例2の移動シミュレーション装置における機能ブロックの一例を表す図
【図10】実施例2の移動シミュレーション装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図11】実施例3の移動シミュレーション装置における機能ブロックの一例を表す図
【図12】実施例3の移動シミュレーション装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図13】実施例4の移動シミュレーション装置における機能ブロックの一例を表す図
【図14】実施例4の移動シミュレーション装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図15】実施例1の移動シミュレーションシステムにおける機能ブロックの一例を表す図
【図16】実施例1の移動シミュレーションシステムにおける機能ブロック、別の一例を表す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施例1は、主に請求項1、5、6、7、11、12について説明する。また、実施例2は、主に請求項2、8について説明する。また、実施例3は、主に請求項3、9について説明する。また、実施例4は、主に請求項4、10について説明する。
【0013】
≪実施例1≫
<概要>
図1は、本実施例の移動シミュレーション装置による画面表示の一例を表す概念図である。この図1(a)にあるように、ディスプレイには地図画像が表示され、また、その地図中の道路上には自動車を示すマーカαと、ユーザ操作に応じてスクロールするカーソルxが表示されている。そして本実施例の移動シミュレーション装置はマーカαの座標情報とカーソルxのスクロール座標情報を参照して移動ルートをリアルタイムに演算し、当該自動車マーカαが道路に沿って移動するアニメーション表示を行う。このようにしてユーザは、地図に表示された地域を自動車で移動するシミュレーションを実行することができる、という具合である。
【0014】
そして本実施例の移動シミュレーション装置では、上記自動車マーカαの移動シミュレーションにおいて、図1(b)にあるようにカーソルxのスクロール操作によって例えば自動車進入禁止の道路βに進入するよう操作された場合に、自動車マーカαの移動を止めるアニメーション表示を行うことを特徴とする。このようにしてユーザは、移動シミュレーションが実行されているマーカの停止アニメーションなどの視覚的情報から、道路の進入禁止など交通規制に関する情報を直感的に把握することができる。
【0015】
<機能的構成>
ここで、まず本実施例の「移動シミュレーション装置」に関して、従来の移動シミュレーション装置と同様の基本的な機能について以下に説明する。すなわち「移動シミュレーション装置」とは、地点を示すノードと、地点間を結ぶ移動体用交通路を示すリンクと、から構成される地図上で、移動体を擬したマーカを利用した前記リンク上の移動シミュレーションを行うための装置をいう。
【0016】
図2は、この移動シミュレーションのためのノードとリンクに関する情報を保持するデータベースの一例を表す図である。この図にあるように、データベースには、地図上の2つのノードと、当該ノード始点および終点とするリンクとが関連付けて蓄積されている。そして、移動シミュレーションにおいては、現在マーカの位置するノードと、ユーザからの操作入力によって指定される移動先となるノードの識別情報から、図2に示すデータベースを参照される。そしてマーカが通過するリンクが特定され、そのマーカの移動がアニメーション表示される、という具合である。
【0017】
また、地図上に表示される移動体を擬したマーカは、後述するように例えば「人(歩き)」、「自転車」、「バイク」、「普通自動車」、「大型自動車」などのように、その移動体の種別に応じて様々用意されていても良い。そして、移動シミュレーションの際に、ユーザが移動体の種別をGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェイス)などを介して指定することで、その指定された移動体を擬したマーカが表示される、という具合である。また、リンクは移動体が船舶であれば川や水路なども含まれる。
【0018】
そして前述のように、本実施例の移動シミュレーション装置は、そのマーカの進入先のリンクにて通行止めなど何らかの交通規制が実施されている場合に、それが分かるようなアニメーション表示を行う機能を有する点を、従来のものと比較した特徴点とする。そして、その特徴的な機能を実現するため、本実施例の移動シミュレーション装置は図3に示すような機能ブロックを備える。
【0019】
なお、以下に記載する本移動シミュレーション装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェイス、通信用インターフェイス、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザインターフェイス用アプリケーションなどが挙げられる。
【0020】
そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェイスなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。また、この発明は移動シミュレーション装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0021】
そして、この図3にあるように、本実施例の「移動シミュレーション装置」(0300)は、「指示受付部」(0301)と、「保持部」(0302)と、「制御情報生成部」(0303)と、「処理部」(0304)と、「マーカ表示部」(0305)と、を有する。
【0022】
「指示受付部」(0301)は、利用者からマーカの動き指示を受け付ける機能を有し、例えばCPU(中央演算装置)や主メモリ、キーボードやマウス、リモコン、あるいは操作パネルなどのその他入力デバイス、指示受付プログラムなどによって実現することができる。具体的に、例えば矢印キーの押下によってマーカの移動方向が入力された場合、当該指示は現在マーカのいる始点ノードから伸びるリンクのうち、その指示された矢印方向にもっとも近似する方向に伸びるリンクへの進入の動き指示として受け付ける、という具合である。あるいは、マウスにて地図上の任意のノードにカーソルが合わせられクリックされた場合、現在マーカのいるノードから指定されたノードに行くために通過すべきリンクを、例えばリンクの距離情報などを利用して特定する。そして、前記カーソルクリックによる指示を、その特定されたリンクを通過する動き指示として受け付ける、という具合である。
【0023】
「保持部」(0302)は、移動体の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する機能を有し、例えばHDD(ハードディスクドライブ)や不揮発性メモリ、その他の各種記憶装置によって実現することができる。また、「動き制限を示す属性情報」とは、リンクで示される移動体用交通路において実施されている交通規制などに関する情報をいい、例えば、通行禁止/通行可(一方通行を含む)を示す属性情報や、駐車禁止を示す属性情報、踏切手前など一時停止を示す属性情報、速度制限を示す属性情報、バスなどの専用/優先レーンを示す属性情報、右折/左折、転回禁止を示す属性情報、追い越し禁止を示す属性情報、車両横断禁止を示す属性情報、雪道のチェーン規制などを示す属性情報などが挙げられる。また、通行禁止などに関しても、例えば例えば「自動車は通行禁止だが、人と自転車は通行可」という具合に、移動体種別、あるいは移動体の高さ/幅/重量に応じてその属性内容が変わるよう構成しても良い。
【0024】
図4は、この保持部にて保持されている動き制限データベースの一例を表す概念図である。この図にあるように、例えばリンクID:Link001に対して、「大型自動車は進入禁止」の属性情報が関連付けられている。また同じLink001に対して「普通自動車/バイクであれば通行可」の属性情報も関連付けられている、という具合である。したがって、このデータベースを参照することで、例えば大型自動車のマーカがID「Link001」のリンクを通過しようとする際には、通過させずに直前のノードで停止させるなどの処理を行うことができる。
【0025】
また、この保持部に保持されている情報は、例えば「一車線道路における一方通行」など半永久的な動き制限に関する情報のみならず、例えば警察発表の各種情報やVICS情報、災害情報などを定期的に取得するなどして、「事故や災害発生による通行止め」などの一時的な動き制限に関する情報を適宜更新するよう構成すると良い。
【0026】
「制御情報生成部」(0303)は、指示受付部にて受付けた指示でマーカが利用をすべきリンクの属性情報を取得して属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する機能を有し、例えばCPUや主メモリと、制御情報生成プログラムなどによって実現できる。具体的に、例えば、まず入力デバイスを介したユーザ操作によって受け付けた動き指示に応じて通過するリンクを前述のように特定する。つづいてそのリンクIDをキーとして、図4に示すデータベースを検索し、当該リンクの動き制限を示す属性情報を取得する。
【0027】
なお動き制限は、例えば同じ道路であっても「人は通行可」で「自動車は通行禁止」という具合に、移動体の種別に応じて異なった制限が課せられている場合がある。そこで、本実施例の移動シミュレーション装置では、例えば前述のようにGUIを介してその移動体の種別をユーザが入力指定するよう構成すると良い。そして、そこで入力された移動体の種別IDを利用して、さらに図4に示すデータベースを参照し、移動体の種別ごとの動き制限に関する属性情報を特定すると良い。なお、このような機能を実現するための具体的な構成については実施例4にて後述する。もちろん、本実施例の移動シミュレーション装置を例えば普通自動車専用の移動シミュレーション装置とし、保持部に保持する動き制限の属性情報を普通自動車に関するもののみとすることで、上記移動体種別の入力などを省くよう構成しても良い。
【0028】
そして、上記特定された動き制限を示す属性情報に応じて、例えば進入禁止や右左折禁止であれば、マーカが当該リンクへ進入せずに手前のノードで停止するアニメーションが表示されるような制御情報を生成する。あるいは、速度制限を示す属性情報であれば、マーカの移動速度(あるいは地図スクロール速度)を、その速度制限に応じて調整する制御情報を生成する。あるいは10分以上の駐車禁止などの動き制限の属性情報であれば、所定時間以上マーカが停止した場合に強制移動のアニメーション処理(レッカー移動アニメーションなど)を行う制御情報を生成する、という具合である
【0029】
「処理部」(0304)は、動き指示と制御情報とに基づいてマーカの動きを処理する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、マーカの動きアニメーションなどの処理プログラムによって実現することができる。
【0030】
「マーカ表示部」(0305)は、マーカの動きを表示する機能を有し、GPUやVRAM、ディスプレイと、マーカ表示プログラムなどによって実現することができる。このようにして、前記制御情報生成部にて生成された、例えば「マーカの停止アニメーション」を示す制御情報に応じて、処理部がマーカ表示部で表示されるディスプレイ上のマーカの停止アニメーション制御処理などを実行する、という具合である。
【0031】
そしてユーザは、以上のようにリンクの動き制限に応じて表示制御処理がなされるマーカの動きを見て、当該リンクが移動可能か進入禁止か、あるいは速度制限があるのかなどを直感的に把握することができる。
【0032】
<機能的構成(ネットワークシステム)>
なお、上記実施例では、移動シミュレーション装置をユーザのPCなどにインストールした際のスタンドアロン型の構成を例に挙げて説明している。しかし、本発明はもちろんそれに限定されず、同様の機能をクライアントサーバ型などのネットワークシステムとして実現しても良い(あるいはピアツーピア型のネットワークシステムであっても良い。その場合、下記のサーバ装置の構成は、他のクライアントの端末装置にて実現される)。その場合の構成として、例えばクライアント側の端末装置ではユーザからの動き指示の受付と移動シミュレーション結果の表示を担当し、サーバ側の装置で移動シミュレーション結果を示す制御情報の生成処理を担当する構成が挙げられる。
【0033】
図15は、上記構成例の移動シミュレーションシステムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、この移動シミュレーションシステムでは、「移動シミュレーションサーバ装置」(1500)と「端末装置」(1510)と、からなる。そして、「移動シミュレーションサーバ装置」は、「サーバ受信部」(1501)と、「保持部」(1502)と、「制御情報生成部」(1503)と、「サーバ返信部」(1504)とを有する。また、「端末装置」(1510)は、「指示受付部」(1511)と、「端末送信部」(1512)と、「端末受信部」(1513)と、「処理部」(1514)と、「マーカ表示部」(1515)とを有する。
【0034】
そして、上記システムにおける特徴点(前述のスタンドアロン型の移動シミュレーション装置の構成要件との相違点)は、第一に、端末装置で受付けた動き指示をネットワーク網などを介して送受信する構成として、端末装置が「端末送信部」を有し、サーバ装置が「サーバ受信部」を有する点である。そして第二に、動き指示に応じて生成された制御情報を、ネットワーク網などを介して送受信する構成として、サーバ装置が「サーバ返信部」を有し、端末装置が「端末受信部」を有する点である。なお、それ以外の制御情報の生成に係る各種処理や、動き指示と制御情報に応じたマーカの移動アニメーション表示に係る各種処理などについては、前述の移動シミュレーション装置にて記載したとおりであるので、その説明は省略する。
【0035】
また、その他のクライアントサーバ型システムとして、サーバ側の装置ではリンクやノードの情報を含む地図データやそのリンクの属性情報の保持のみを担当し、クライアント側の端末からのリクエストに応じて適宜属性情報を送受信する構成も挙げられる。
【0036】
図16は、上記構成例の移動シミュレーションシステムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、この移動シミュレーションシステムでは、「移動シミュレーションサーバ装置」(1600)と「端末装置」(1610)とからなる。そして、「移動シミュレーションサーバ装置」は、「保持部」(1601)と、「リクエスト受信部」(1602)と、「属性情報送信部」(1603)と、を有する。また、「端末装置」(1610)は、「リクエスト部」(1611)と、「属性情報受信部」(1612)と、「指示受付部」(1613)と、「制御情報生成部」(1614)と、「処理部」(1615)と、「マーカ表示部」(1616)とを有する。
【0037】
そして、上記別のシステムにおける特徴点(前述の移動シミュレーション装置の構成要件との相違点)は、第一に、端末装置とサーバ装置間で、ネットワーク網などを介して属性情報のリクエスト及びリクエストに応じた属性情報を送受信する構成として、端末装置が「リクエスト部」及び「属性情報受信部」を有し、サーバ装置が「リクエスト受信部」と「属性情報送信部」を有する点である。
【0038】
なお、端末装置とサーバ装置の間で行われる属性情報の送信リクエスト及び属性情報の送受信のタイミングについては特別限定せず、様々なタイミングで実行されてよい。例えば、最初の段階で端末装置から属性情報の送信リクエストが出され、それに応じてサーバ装置から全ての属性情報が返信される、というタイミングが挙げられる。この場合、必要な属性情報が最初に全て端末装置側に取得されることになるので、以降端末装置とサーバ装置との間で属性情報送受信のための通信は行われない。そして制御情報生成部では、前述のように動き指示に応じて利用すべきリンクを特定した際に、すでに取得済みの全属性情報から特定リンクに関連付けられた属性情報を取得し、制御情報を生成する、という具合である。
【0039】
あるいは以下のようなタイミングも挙げられる。すなわち一般的に地図画像は縦横サイズが非常に大きな画像データであり、ディスプレイ上に一度に全て表示することは困難である。そのため、クライアントサーバ型の地図データ表示システムでは、ユーザの指定する中心座標情報などに応じて一画面分の一部の地図データのみをサーバ装置から端末装置に送信する。そしてスクロール操作などで地図画像が遷移して新しい地図画像を表示する必要があるときに端末装置がその旨のリクエストを行い、適宜必要分の地図データをサーバ装置から返信する、といった構成をとる。そこで、この一部の地図データ送信のリクエストに合わせて属性情報のリクエストも行い、当該地図データ中に含まれるリンクに関する属性情報のみを送受信する、といったタイミングでリクエストや情報の送受信を実行する構成も挙げられる。
【0040】
この場合、サーバ装置では、端末装置上での地図表示の遷移に応じて新しく地図画像を送信する際に、その地図画像に含まれるリンクの特定する構成、および特定したリンクに関連付けられる属性情報を取得し端末装置に送信する構成などをさらに有すると良い。そして端末装置の制御情報生成部では、その適宜取得される属性情報を利用して制御情報を生成する、という具合である。
【0041】
また、以下のようなさらに別のタイミングも挙げられる。すなわち、受付けた動き指示に応じて端末装置にて利用すべき地図上のリンクを特定する都度、そのリンクに関する属性情報をサーバ装置に問い合わせる、といったタイミングである。この場合、端末装置では制御情報生成部にて前述のように動き指示に応じて利用すべきリンクを特定した際に、その特定したリンクIDを関連付けたリクエストをサーバ装置に対して行う。そしてサーバ装置ではリクエストに含まれるリンクIDをキーとして保持部を参照し、そのリンクに関連付けられた属性情報を端末装置に送信する、という具合である。
【0042】
このようにクライアントサーバ型の移動シミュレーションシステムによっても、前述のスタンドアロン型の移動シミュレーション装置と同様にリンクの動き制限に応じて表示制御処理がなされるマーカの動きを見て、当該リンクが移動可能か進入禁止か、あるいは速度制限があるのかなどを直感的に把握することができる。
【0043】
<ハードウェア構成>
図5は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、移動シミュレーション装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用してマーカの動き表示の制御処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0044】
この図にあるように、移動シミュレーション装置は、制御情報生成部および処理部であり、またその他の各種演算処理を実行する「CPU」(0501)と、「主メモリ」(0502)と、を備えている。また保持部である「HDD」(0503)や、指示受付部である「入力デバイス」(0504)や、マーカ表示部である「VRAM」(0505)と「ディスプレイ」(0506)なども備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0045】
また、「主メモリ」にはプログラムが読み出され、「CPU」は読み出された当該プログラムを参照し、プログラムで示される手順に従い各種演算処理を実行する。また、この「主メモリ」や「HDD」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」の演算処理においては、そのアドレスを特定し格納されているデータにアクセスすることで、データを用いた演算処理を行うことが可能になっている。
【0046】
ここで、例えばGUIを介してユーザから入力された移動体のIDに応じて、マーカとして表示される移動体アイコンが「HDD」より取得される。そしてアイコン画像と地図画像とが「VRAM」に転送され、ディスプレイに地図画像とマーカを示すアイコンが表示される。
【0047】
そして、「入力デバイス」のカーソルのスクロール操作情報などを受付け、そのカーソルのスクロールで指示される座標情報などを「主メモリ」のアドレス1に格納する。すると、「CPU」は指示受付プログラムを解釈し、それに従い、まずマーカアイコンの座標情報とスクロール操作で指示されるカーソルの座標情報から、マーカの移動すべき方向情報を算出する。そして算出したマーカの移動方向情報と、リンク(道路など)の座標情報を比較し、その示す方向が所定値以内で近似するリンクを図2に示すようなデータベースを参照し特定する。そして、特定したリンクのIDを「主メモリ」のアドレス2に格納する。
【0048】
つづいて「CPU」は制御情報生成プログラムを解釈し、それにしたがって前記格納されたリンクID、また「普通自動車」など移動体IDが入力されていればその両IDを検索キーとして、図4に示すようなデータベースを検索する。そして、当該リンクID(及び移動体ID)と関連付けられている動き制限を示す属性情報を取得し、「主メモリ」のアドレス3に格納する。そして、その属性情報に応じて生成すべき制御情報を定めるテーブルデータなどを参照し、例えば属性情報が「進入禁止」であれば、マーカの移動アニメーションを手前のノードで停止させるような表示処理を行う制御情報を生成し、「主メモリ」のアドレス4に格納する。
【0049】
そして「CPU」は処理プログラムおよびマーカ表示プログラムを解釈し、それに従い前記格納された制御情報に基づいて、例えば停止アニメーション表示用の画像データを生成し、「VRAM」に転送する。そしてVRAMに展開された画像データに応じて、「ディスプレイ」では進入禁止のリンクを通過しようとしたマーカの停止アニメーションが表示される、という具合である。
【0050】
なお、上記記載は、スタンドアロン型の移動シミュレーション装置におけるハードウェア構成例について説明したが、前述のように、本発明はクライアントサーバ型のネットワークシステム(移動シミュレーションシステム)として実現することもできる。その場合、特に図示はしないが、サーバ装置と端末装置がその構成要件に合わせてそれぞれ「CPU」、「主メモリ」、「HDD」、「入力デバイス」、「VRAM」、「ディスプレイ」などを有すると良い。そして、さらにネットワーク回線を介して両装置を接続し、リクエストや属性情報、あるいは制御情報を送受信するための「ネットワーク回路」などを両装置が備えていると良い。
【0051】
<処理の流れ>
図6は、本実施例の移動シミュレーション装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0052】
この図にあるように、まず、マウスなどを利用したカーソルのスクロール移動操作などによって、利用者からマーカの動き指示を受け付ける(ステップS0601YES)。すると、前記ステップS0601にて受付けた指示により、例えばマーカの座標情報とカーソルのスクロール座標情報からマーカの移動方向を算出する。そして、その移動方向に近似するリンクをマーカが利用すべきリンクとして特定し、その特定したリンクにおける動き制限を示す属性情報を、図4に示すようなデータベースを参照し取得する(ステップS0602)。つづいて例えば進入禁止の属性情報であれば停止アニメーションを表示するための制御情報を生成するという具合に、取得した属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する(ステップS0603)。そしてステップS0601で受け付けた動き指示とステップS0603にて生成された制御情報とに基づいてマーカの動きを処理し(ステップS0604)、その処理に従ってマーカの動き、例えば移動アニメーションや停止アニメーションなどをディスプレイ上に表示する(ステップS0605)。そして、例えば移動シミュレーション装置の起動終了操作を受付けるなど、処理終了となる(ステップS0606YES)まで、ステップS0601の動き指示の受付以降の処理を繰り返す、という具合である。
【0053】
<処理の流れ(ネットワークシステム)>
なお、本実施例の移動シミュレーション装置は、前述の通り例えばユーザPCなどに組み込まれて図6に示すようにスタンドアロン型の処理で実現されても良いし、あるいはクライアント端末およびサーバ装置にその一部機能がそれぞれ組み込まれてクライアントサーバ型のネットワークシステムで実現されても良い。またクライアントサーバ型の場合、クライアントの端末装置は操作の入力や表示のみを行い、サーバ装置にて動き制限に応じた制御情報の生成などの処理を行うよう構成しても良い。あるいはサーバ装置には地図データや動き制限を示す属性情報などの保持のみを担当させ、クライアント端末側で制御情報の生成やマーカの動き表示処理を行うよう構成しても良い。
【0054】
以下、図7を用いて、後者(サーバ装置が情報の保持のみを担当する)のクライアントサーバ型のネットワークシステムにおける詳細な処理の流れの一例を説明する。この図にあるように、まず、ユーザ操作に応じてクライアント端末から地図表示のHTTPリクエストがサーバ装置に送信される(ステップS0701)。するとサーバ装置では、受信したリクエストに応じて地図データと属性情報のテーブルデータを、自身のデータベースなどを検索して特定する(ステップS0711)。そして特定した地図データを、その地図データ中のリンクに関する属性情報のテーブルデータとともにクライアント端末に返信する(ステップS0712)。
【0055】
なお、このステップS0712にてクライアント端末に返信される属性情報は、前述のように地図上の全てのリンクに関する全属性情報であっても良い。あるいは、端末装置での地図画像の表示遷移に応じて、サーバ装置から適宜新たに表示すべき地図データのみ送信するよう構成されている場合、その新たに表示すべき地図画像に含まれるリンクに関連付けられる属性情報のみを送信するよう構成しても良い。そして後者の場合、図示していないが端末装置から地図リクエストを送信するステップの前に、スクロール操作などによって画像が遷移することで次に表示すべき地図画像の中心座標情報などを取得する。そして、取得した中心座標情報を含む地図リクエストをステップS0701にてサーバ装置に対して送信する。するとサーバ装置ではリクエストに含まれる中心座標情報や端末装置の画面/ブラウザ表示サイズ情報などを利用して、新たに送信すべき地図データをステップS0711にて特定する。そして特定した地図データに含まれるリンクを、データベースなどを参照して特定し、特定したリンクに関連付けられた一部の属性情報のみを取得する。そしてその取得した一部の属性情報を、地図データとともにステップS0712にて端末装置に送信する、といった処理を合わせて行うよう構成すると良い。そして以下に記載するステップS0703にて受付ける動き指示などのユーザ操作に応じて地図画像をスクロール表示するつど、上記処理を繰り返すよう構成すると良い。
【0056】
そして、クライアントの端末装置では、サーバ装置から返信されてきた情報を受信し、その受信した地図データに基づいてディスプレイ上に地図画像とマーカを表示する(ステップS0702)。そして、マウスなどを利用したカーソルのスクロール移動操作などによって、利用者からマーカの動き指示を受け付ける(ステップS0703YES)と、その受付けた指示により、例えばマーカの座標情報とカーソルのスクロール座標情報からマーカの移動方向を算出する。そして、その移動方向に近似するリンクをマーカが利用すべきリンクとして特定し、その特定したリンクにおける動き制限を示す属性情報を、サーバ装置から送信されてきたテーブルデータを参照し取得する(ステップS0704)。つづいて例えば進入禁止の属性情報であれば停止アニメーションを表示するための制御情報を生成するという具合に、取得した属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する(ステップS0705)。そしてステップS0703で受け付けた動き指示とステップS0705にて生成された制御情報とに基づいてマーカの動きを処理し(ステップS0706)、その処理に従ってマーカの動き、例えば移動アニメーションや停止アニメーションなどをディスプレイ上に表示する(ステップS0707)。そして、例えばクライアントの端末装置の起動終了操作を受付けるなど、処理終了となる(ステップS0708YES)まで、ステップS0703の動き指示の受付以降の処理を繰り返す、という具合である。
【0057】
また、クライアントサーバ型のシステムにおける別の処理の流れとしてサーバ装置にて制御情報の生成処理を行うよう構成しても良い。その場合の処理の流れについて、図7に準ずるものとして以下に説明する。まず、端末装置から地図リクエストが送信される(ステップS0701)と、サーバ装置では地図データを検索し(ステップS0711)、特定した地図データを端末装置に返信する(ステップS0712)。ただし、ここで属性情報の取得及び送信は行われない。そして端末装置では地図とマーカを表示する(ステップS0702)。
【0058】
そして、端末装置にて動き指示を受付ける(ステップS0703)と、図7と異なり、受付けた動き指示をサーバ装置に対して送信するステップが実行される。そして図7では端末装置にて実行されるステップS0704(動き指示に応じたリンクの特定と属性情報の取得)とステップS0705(属性情報に応じた制御情報の生成)の処理が、ここでは動き指示を受信した端末装置にて実行される。そして、サーバ装置では、生成した制御情報を端末装置に送信するステップが実行され、端末装置にてその制御情報を受信する。以下、図7と同様に端末装置にて動き指示と制御情報とに基づいてマーカの動きを処理し(ステップS0706)、処理にしたがってマーカの動きを表示する(ステップS0707)、という具合である。
【0059】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の移動シミュレーション装置によって、リンクの動き制限に応じて制御されたマーカの動き表示がなされる。したがって、ユーザはその動き表示を見て、当該リンクが移動可能か進入禁止か、あるいは速度制限があるのかなどを直感的に把握することができる。
【0060】
≪実施例2≫ <概要> 図8は、本実施例の移動シミュレーション装置による画面表示の一例を表す図である。この図にあるように、例えば進入禁止のリンクの手前にあるノードにてマーカの移動を停止した場合、「この道路は現在交通事故発生により普通自動車の進入が禁止です」などの説明が書かれたポップアップウィンドウなどを表示することを特徴とする。このようにしてユーザは、地図上のマーカの動き制限の理由などについてより詳細に知ることができるようになる。
【0061】
<機能的構成>
図9は、本実施例の移動シミュレーション装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように本実施例の「移動シミュレーション装置」(0900)は、実施例1を基本として「指示受付部」(0901)と、「保持部」(0902)と、「制御情報生成部」(0903)と、「処理部」(0904)と、「マーカ表示部」(0905)と、を有する。なお、これらの構成要件の詳細については上記実施例に記載してあるので、その説明は省略する。
【0062】
そして本実施例の移動体シミュレーション装置の特徴点は、「説明情報保持部」(0906)と、「説明情報表示部」(0907)と、を有する点である。
【0063】
「説明情報保持部」(0906)は、属性情報と関連付けた説明情報を保持する機能を有し、例えばHDD(ハードディスクドライブ)や不揮発性メモリ、その他の各種記憶装置によって実現することができる。具体的に、例えば「車両進入禁止」や「通行止め」など、その動き制限の内容や理由などの説明情報が挙げられる。
【0064】
「説明情報表示部」(0907)は、制御情報に基づいてマーカの動きが制限される場合に、その制御情報に関連付けて保持されている説明情報を表示する機能を有し、例えばGPUやVRAM、ディスプレイと、説明情報表示プログラムなどによって実現することができる。このようにして、マーカが停止するなどの動き制限に関する処理が実行された場合に、ユーザに対してその動き制限の内容や理由などを通知することができる。なお、説明情報表示部における表示形態は特別限定せず、例えば前述のポップアップウィンドウによる表示のほか、地図表示画面中に説明情報を表示する領域をレイアウトとして予め用意し、そこに説明情報を表示したり、該当する道路標識アイコンなどを表示したりする形態などが挙げられる。またディスプレイへの表示の替わりに、説明情報を音声出力するよう構成しても良い。
【0065】
<処理の流れ>
図10は、本実施例の移動シミュレーション装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0066】
この図にあるように、まず、マウスなどを利用したカーソルのスクロール移動操作などによって、利用者からマーカの動き指示を受け付ける(ステップS1001YES)。すると、前記ステップS0601にて受付けた指示により、例えばマーカの座標情報とカーソルのスクロール座標情報からマーカの移動方向を算出する。そして、その移動方向に近似するリンクをマーカが利用すべきリンクとして特定し、その特定したリンクにおける動き制限を示す属性情報を、図4に示すようなデータベースを参照し取得する(ステップS1002)。つづいて例えば進入禁止の属性情報であれば停止アニメーションを表示するための制御情報を生成するという具合に、取得した属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する(ステップS1003)。そしてステップS1001で受け付けた動き指示とステップS1003にて生成された制御情報とに基づいてマーカの動きを処理し(ステップS1004)、その処理に従ってマーカの動き、例えば移動アニメーションや停止アニメーションなどをディスプレイ上に表示する(ステップS1005)。また制御情報に基づいてマーカの動きが制限される場合(ステップS1006YES)、その制御情報に関連付けてHDDなどに保持されている説明情報を、ディスプレイ上に例えばポップアップ表示する(ステップS1007)。そして、例えば移動シミュレーション装置の起動終了操作を受付けるなど、処理終了となる(ステップS1008YES)まで、ステップS1001の動き指示の受付以降の処理を繰り返す、という具合である。
【0067】
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の移動シミュレーション装置では、マーカの停止など動き制限の表示処理が行われた場合、その制限理由などの説明が書かれたポップアップウィンドウなどを表示する。したがってユーザは、地図上のマーカの動き制限の理由などについてより詳細に知ることができるようになる。
【0068】
≪実施例3≫
<概要>
例えば「通学路のため、朝7:00から8:30までは車両通行禁止」といった具合に、時間によってその交通規制(動き制限)が異なるような場合がある。そこで、本実施例の移動シミュレーション装置は、このような時間別の動き制限に応じて、地図上マーカの移動表示処理を行う機能をさらに備えることを特徴とする。
【0069】
<機能的構成>
図11は、本実施例の移動シミュレーション装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように本実施例の「移動シミュレーション装置」(1100)は、実施例1を基本として「指示受付部」(1101)と、「保持部」(1102)と、「制御情報生成部」(1103)と、「処理部」(1104)と、「マーカ表示部」(1105)と、を有する。また、実施例2を基本として、図示しない「説明情報保持部」や「説明情報表示部」などを有していても良い。なお、これらの構成要件の詳細については上記実施例に記載してあるので、その説明は省略する。
【0070】
そして本実施例の移動体シミュレーション装置の特徴点は、保持部がさらに「時間別保持手段」(1106)を有する点と、制御情報生成部がさらに「時刻情報取得手段」(1107)と「時間別取得手段」(1108)と、を有する点である。
【0071】
「時間別保持手段」(1106)は、時間別の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する機能を有し、例えばHDD(ハードディスクドライブ)や不揮発性メモリ、その他の各種記憶装置によって実現することができる。具体的には、図4に示すようなデータベースに時間の項目をさらに設け、リンクIDに関連付ける、という具合である。このようにして、例えばリンクID:Link001は、「朝7:00から8:30までは普通/大型自動車、バイクの進入禁止」や、「(工事のため)4月9日から5月8日まで全ての移動体が進入禁止」などの時間別の属性情報を管理することができる。
【0072】
「時刻情報取得手段」(1107)は、時刻情報を取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、内蔵時計や時刻取得プログラムなどによって実現できる。具体的に、時刻情報取得部は内蔵時計やネットワークを介して接続された時計サーバ装置などから現在時刻を取得する方法が挙げられる。
【0073】
また、時刻情報として、例えばリンクの通過予定時刻を取得するよう構成しても良い。具体的には、図2に示すようなデータベースにおいて、リンクごとの距離情報などを関連付けて保持するよう構成する。そしてマーカとして表示される移動体の速度情報を別途データベースから取得し、移動シミュレーションによって当該リンクを通過する際の予想通過時刻をCPUの演算処理によって算出し、取得するという具合である。
【0074】
「時間別取得手段」(1108)は、前記指示と取得した時刻情報とに基づいて属性情報を取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、時間別取得プログラムなどで実現できる。このようにして、取得する時刻情報が現在時刻であれば、現在時刻での動き制限を視覚的に確認することができる。また取得する時刻情報がリンクの通過予想時刻であれば、通過予想時刻での動き制限を視覚的に確認することができる。
【0075】
<処理の流れ>
図12は、本実施例の移動シミュレーション装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0076】
この図にあるように、まず、マウスなどを利用したカーソルのスクロール移動操作などによって、利用者からマーカの動き指示を受け付ける(ステップS1201YES)と、例えば現在時刻などの時刻情報を取得する(ステップS1202)。つづいて前記ステップS1201にて受付けた指示すると、前記ステップS0601にて受付けた指示により、例えばマーカの座標情報とカーソルのスクロール座標情報からマーカの移動方向を算出する。そして、その移動方向に近似するリンクをマーカが利用すべきリンクとして特定し、その特定したリンクにおいて取得した時刻情報で示される時刻における動き制限を示す属性情報を、時間別の動き制限を示すデータベースを参照し取得する(ステップS1203)。つづいて例えば22時以降は進入禁止の属性情報で、取得した時刻が22時42分であれば停止アニメーションを表示するための制御情報を生成するという具合に、取得した属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する(ステップS1204)。そしてステップS1201で受け付けた動き指示とステップS1204にて生成された制御情報とに基づいてマーカの動きを処理し(ステップS1205)、その処理に従ってマーカの動き、例えば移動アニメーションや停止アニメーションなどをディスプレイ上に表示する(ステップS1206)。そして、例えば移動シミュレーション装置の起動終了操作を受付けるなど、処理終了となる(ステップS1207YES)まで、ステップS1201の動き指示の受付以降の処理を繰り返す、という具合である。
【0077】
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の移動シミュレーション装置によって、現在時刻での地図上のマーカの動き制限や、あるいはマーカが移動する際のリンクの通過予想時刻での動き制限など、時間別での動き制限をユーザは視覚的に確認することができる。
【0078】
≪実施例4≫
<概要>
本実施例は上記実施例を基本として、地図上に表示するマーカの種類を、例えば「人(歩き)」、「普通自動車」、「バイク」と言った具合に移動体の種別で指定可能とする。そして地図上のマーカの移動アニメーションなどの表示において、例えば「人は通行可で、自動車は通行禁止」と言った具合に、指定されたマーカの移動体種別に合わせて地図上での動き制限を行う機能をさらに備える移動シミュレーション装置である。
【0079】
<機能的構成>
図13は、本実施例の移動シミュレーション装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように本実施例の「移動シミュレーション装置」(1300)は、実施例1を基本として「指示受付部」(1301)と、「保持部」(1302)と、「制御情報生成部」(1303)と、「処理部」(1304)と、「マーカ表示部」(1305)と、を有する。また、実施例2や3を基本として、図示しない「説明情報保持部」や「説明情報表示部」、あるいは「時間別保持手段」や「時刻情報取得手段」、「時間別取得手段」などを有していても良い。なお、これらの構成要件の詳細については上記実施例に記載してあるので、その説明は省略する。
【0080】
そして本実施例の移動体シミュレーション装置の特徴点は、「種別ID保持部」(1206)と、「移動体種別選択部」(1207)と、をさらに有する点と、保持部が「種別属性情報保持手段」(1208)をさらに有する点である。
【0081】
「種別ID保持部」(1206)は、種別IDを保持する機能を有し、例えばHDDや不揮発性メモリ、その他の各種記憶装置によって実現することができる。また、「種別ID」とは、移動体の種別を示す識別情報をいい、例えば「人(歩き)」、「自転車」、「普通自動車」、「大型自動車」、「バイク」、「船」などを識別する情報が挙げられる。また、交通法上の種別のみならず、移動体の高さや重量の違いによって移動体を区別するための種別IDや、タイヤチェーン装着済み/非装着などの違いによって移動体を区別する種別IDなども挙げられる。
【0082】
「移動体種別選択部」(1207)は、利用者から動き指示を受ける移動体を擬するマーカに対して、保持されている種別IDを関連付ける機能を有し、例えばCPUや主メモリ、移動体種別選択プログラムなどで実現することができる。具体的に、例えばGUIを介してユーザが移動シミュレートを行いたい移動体の種別の選択情報を受付ける。そして、受付けた選択情報で特定される種別IDを地図上に表示するマーカに関連付ける、という具合である。また、その関連付けによって、地図上のマーカの表示画像を、種別IDで識別される移動体の画像となるよう構成しても良い。そして、このように移動体の種別IDをマーカと関連付けることで、本実施例の移動シミュレーション装置は、マーカによって表象される移動体の種別を区別することができ、その種別に応じた移動シミュレーション処理を行うことができるようになる。
【0083】
「種別属性情報保持手段」(1208)は、種別IDと関連付けられた属性情報である種別属性情報を保持する機能を有する。具体的には、例えば「Link001は種別IDが大型自動車は通行不可で、人、バイク、普通自動車は通行可」と言った具合の属性情報を保持している。そして制御情報生成部では、マーカに関連付けられた種別IDを検索キーとしてこの種別属性情報保持手段を検索することで、シミュレートする移動体の種別に応じた種別属性情報を取得する。そして取得した種別属性情報に示される動き制限によってマーカの動きの制限をする制御情報が生成することで、マーカに関連付けられた種別の動き制限に応じた移動シミュレーションを行うことができる。
【0084】
<処理の流れ>
図14は、本実施例の移動シミュレーション装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0085】
この図にあるように、まず、例えばGUIなどを介して受付けた移動体の種別IDを取得し(ステップS1401)、その取得した種別IDを、移動体を擬するマーカに対して関連付ける(ステップS1402)。つづいてマウスなどを利用したカーソルのスクロール移動操作などによって、利用者からマーカの動き指示を受け付ける(ステップS1403YES)。すると、前記ステップS1403にて受付けた指示により、例えばマーカの座標情報とカーソルのスクロール座標情報からマーカの移動方向を算出する。そして、その移動方向に近似するリンクをマーカが利用すべきリンクとして特定し、その特定したリンクにおける移動体の種別ごとの動き制限を示す種別属性情報を、ステップS1402で関連付けられた種別IDを利用して図4に示すようなデータベースを参照し取得する(ステップS1404)。つづいて例えばマーカの種別IDが自動車で、取得した種別属性情報が「自動車進入禁止」であれば、停止アニメーションを表示するための制御情報を生成するという具合に、取得した種別属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する(ステップS1405)。そしてステップS1403で受け付けた動き指示とステップS1405にて生成された制御情報とに基づいてマーカの動きを処理し(ステップS1406)、その処理に従ってマーカの動き、例えば移動アニメーションや停止アニメーションなどをディスプレイ上に表示する(ステップS1407)。そして、例えば移動シミュレーション装置の起動終了操作を受付けるなど、処理終了となる(ステップS1408YES)まで、ステップS1403の動き指示の受付以降の処理を繰り返す、という具合である。
【0086】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の移動シミュレーション装置によって、例えばユーザの選択操作などに応じてマーカによって表象される移動体の種別IDをマーカと関連付けて、その種別に応じたマーカの移動シミュレーション処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0087】
0300 移動体シミュレーション装置
0301 指示受付部
0302 保持部
0303 制御情報生成部
0304 処理部
0305 マーカ表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地点を示すノードと、地点間を結ぶ移動体用交通路を示すリンクと、から構成される地図上で移動体を擬したマーカを利用した前記リンク上の移動シミュレーションを行うための装置であって、
利用者からマーカの動き指示を受け付ける指示受付部と、
移動体の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する保持部と、
指示受付部にて受付けた指示でマーカが利用をすべきリンクの属性情報を取得して属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する制御情報生成部と、
動き指示と制御情報とに基づいてマーカの動きを処理する処理部と、
マーカの動きを表示するマーカ表示部と、
を有する移動シミュレーション装置。
【請求項2】
属性情報と関連付けた説明情報を保持する説明情報保持部と、
制御情報に基づいてマーカの動きが制限される場合に、その制御情報に関連付けて保持されている説明情報を表示する説明情報表示部と、
をさらに有する請求項1に記載の移動シミュレーション装置。
【請求項3】
保持部は、
時間別の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する時間別保持手段を有し、
制御情報生成部は、
時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、
前記指示と取得した時刻情報とに基づいて属性情報を取得する時間別取得手段と、をさらに有する
請求項1または2に記載の移動シミュレーション装置。
【請求項4】
移動体の種別を示す種別IDを保持する種別ID保持部と、
利用者から動き指示を受ける移動体を擬するマーカに対して、保持されている種別IDを関連付ける移動体種別選択部と、
を有すると共に、
前記保持部は、さらに種別IDと関連付けられた属性情報である種別属性情報を保持する種別属性情報保持手段を有し、
制御情報生成部では、種別属性情報に示される動き制限によってマーカの動きの制限をする制御情報が生成される請求項1から3のいずれか一に記載の移動シミュレーション装置。
【請求項5】
地点を示すノードと、地点間を結ぶ移動体用交通路を示すリンクと、から構成される地図上で移動体を擬したマーカを利用した前記リンク上の移動シミュレーションを行うための移動シミュレーションシステムであって、
端末装置から送信されたマーカの動き指示を受信するサーバ受信部と、
移動体の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する保持部と、
サーバ受信部にて受信した指示でマーカが利用をすべきリンクの属性情報を取得して属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記生成した制御情報を端末装置に返信するサーバ返信部と、
を有する移動シミュレーションサーバ装置と、
利用者からマーカの動き指示を受け付ける指示受付部と、
受付けた動き指示を移動シミュレーションサーバ装置に送信する端末送信部と、
前記送信した動き指示に応じて移動シミュレーションサーバ装置より返信された制御情報を受信する端末受信部と、
動き指示と制御情報とに基づいてマーカの動きを処理する処理部と、
マーカの動きを表示するマーカ表示部と、
を有する端末装置と、
からなる移動シミュレーションシステム。
【請求項6】
地点を示すノードと、地点間を結ぶ移動体用交通路を示すリンクと、から構成される地図上で移動体を擬したマーカを利用した前記リンク上の移動シミュレーションを行うための移動シミュレーションシステムであって、
移動体の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する保持部と、
端末装置から前記属性情報の送信リクエストを受信するリクエスト受信部と、
受信した送信リクエストに応じて属性情報を端末装置に送信する属性情報送信部と、
を有する移動シミュレーションサーバ装置と、
移動シミュレーションサーバ装置に対して属性情報の送信リクエストを行うリクエスト部と、
前記リクエストに応じて移動シミュレーションサーバ装置より送信された属性情報を受信する属性情報受信部と、
利用者からマーカの動き指示を受け付ける指示受付部と、
指示受付部にて受付けた指示でマーカが利用をすべきリンクの属性情報を取得して属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する制御情報生成部と、
動き指示と制御情報とに基づいてマーカの動きを処理する処理部と、
マーカの動きを表示するマーカ表示部と、
を有する端末装置と、
からなる移動シミュレーションシステム。
【請求項7】
地点を示すノードと、地点間を結ぶ移動体用交通路を示すリンクと、から構成される地図上で移動体を擬したマーカを利用した前記リンク上の移動シミュレーションを行うため、移動体の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する保持部を有する移動シミュレーション装置の動作方法であって、
利用者からマーカの動き指示を受け付ける指示受付ステップと、
指示受付ステップにて受付けた指示でマーカが利用をすべきリンクの属性情報を取得して属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する制御情報生成ステップと、
動き指示と制御情報とに基づいてマーカの動きを処理する処理ステップと、
マーカの動きを表示するマーカ表示ステップと、
を計算機に実行させる移動シミュレーション装置の動作方法。
【請求項8】
属性情報と関連付けた説明情報を保持する説明情報保持部をさらに有する移動シミュレーション装置の動作方法であって、
制御情報に基づいてマーカの動きが制限される場合に、その制御情報に関連付けて保持されている説明情報を表示する説明情報表示ステップをさら計算機に実行させる請求項7に記載の移動シミュレーション装置の動作方法。
【請求項9】
前記保持部が、時間別の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する時間別保持手段を有する移動シミュレーション装置の動作方法であって、
制御情報生成ステップは、
時刻情報を取得する時刻情報取得ステップと、
前記指示と取得した時刻情報とに基づいて属性情報を取得する時間別取得ステップと、をさらに含む請求項7または8に記載の移動シミュレーション装置の動作方法。
【請求項10】
移動体の種別を示す種別IDを保持する種別ID保持部を有するとともに、前記保持部が、さらに種別IDと関連付けられた属性情報である種別属性情報を保持する種別属性情報保持手段を有する移動シミュレーション装置の動作方法であって、
利用者から動き指示を受ける移動体を擬するマーカに対して、保持されている種別IDを関連付ける移動体種別選択ステップをさらに計算機に実行させ、
制御情報生成ステップにて、種別属性情報に示される動き制限によってマーカの動きの制限をする制御情報が生成される請求項7から9のいずれか一に記載の移動シミュレーション装置の動作方法。
【請求項11】
地点を示すノードと、地点間を結ぶ移動体用交通路を示すリンクと、から構成される地図上で移動体を擬したマーカを利用した前記リンク上の移動シミュレーションを行うため、移動体の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する保持部を有する移動シミュレーションサーバ装置と、端末装置と、からなる移動シミュレーションシステムの動作方法であって、
端末装置から送信されたマーカの動き指示を受信するサーバ受信ステップと、
サーバ受信ステップにて受信した指示でマーカが利用をすべきリンクの属性情報を取得して属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する制御情報生成ステップと、
前記生成した制御情報を端末装置に返信するサーバ返信ステップと、
を移動シミュレーションサーバ装置の計算機に実行させ、
利用者からマーカの動き指示を受け付ける指示受付ステップと、
受付けた動き指示を移動シミュレーションサーバ装置に送信する端末送信ステップと、
前記送信した動き指示に応じて移動シミュレーションサーバ装置より返信された制御情報を受信する端末受信ステップと、
動き指示と制御情報とに基づいてマーカの動きを処理する処理ステップと、
マーカの動きを表示するマーカ表示ステップと、
を端末装置の計算機に実行させる、
移動シミュレーションシステムの動作方法。
【請求項12】
地点を示すノードと、地点間を結ぶ移動体用交通路を示すリンクと、から構成される地図上で移動体を擬したマーカを利用した前記リンク上の移動シミュレーションを行うため、移動体の動き制限を示す属性情報をリンクごとに関連付けて保持する保持部を有する移動シミュレーションサーバ装置と、端末装置と、からなる移動シミュレーションシステムの動作方法であって、
端末装置から前記属性情報の送信リクエストを受信するリクエスト受信ステップと、
受信した送信リクエストに応じて属性情報を端末装置に送信する属性情報送信ステップと、
を移動シミュレーションサーバ装置の計算機に実行させ、
移動シミュレーションサーバ装置に対して属性情報の送信リクエストを行うリクエストステップと、
前記リクエストに応じて移動シミュレーションサーバ装置より送信された属性情報を受信する属性情報受信ステップと、
利用者からマーカの動き指示を受け付ける指示受付ステップと、
指示受付ステップにて受付けた指示でマーカが利用をすべきリンクの属性情報を取得して属性情報に示される動き制限に従ったマーカの動きとなるように制御情報を生成する制御情報生成ステップと、
動き指示と制御情報とに基づいてマーカの動きを処理する処理ステップと、
マーカの動きを表示するマーカ表示ステップと、
を端末装置の計算機に実行させる、
移動シミュレーションシステムの動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−181614(P2010−181614A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24822(P2009−24822)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】