説明

移動体通信システム、無線装置、通信制御方法及びプログラム

【課題】通常の運用状態でない待機状態において、消費電力の低減を解決する移動体通信システムを提供する。
【解決手段】無線装置3は、移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行するユーザ信号処理部20と、無線制御装置1から送信される制御信号を処理するインタフェース部11と、を備えている。無線制御装置1は、無線装置3に待機信号を含む制御信号を送信して無線装置3を運用状態から待機状態に遷移させる待機設定手段と、無線装置3に再開信号を含む制御信号を送信して無線装置3を待機状態から運用状態に遷移させる再開設定手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信システム、無線装置、通信制御方法及びプログラムに関し、更に詳しくは、遠隔操作によって運用停止及び運用再開が可能な移動体通信システム、無線装置、通信制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機に代表される移動体無線端末は、最寄りの基地局装置を介して他の移動体無線端末との間で通信を行っている。近年、光網を含む通信設備の発達により、基地局装置を構成する無線制御装置(REC:Radio Equipment Controller)と無線装置(RE:Radio Equipment)を分離した基地局装置が普及している。無線制御装置と分離された無線装置は、鉄塔の上、商業施設のデパート等の屋上、駅の屋根、トンネルの中等、屋内外を問わず設置することができる。無線制御装置は、通常、光ファイバケーブル等の通信ケーブルで接続された無線装置の運用を制御する。
【0003】
無線装置は、一日中動作が可能なように、電源が常時供給されている場合がほとんどである。ところが、設置場所によっては、無線装置がほとんど使用されない時間帯がある。例えば、商業地区や駅などは、営業が終了した深夜などの時間帯では、無線装置がほとんど使用されない。このような無線装置に限らず、一般に、ほとんど使用されない時間帯の電気機器においては、通常の運用状態から待機状態(スタンバイ状態)に移行させて、消費電力を低減する対策が採られている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、スタンバイ状態での消費電力を削減するデータ処理装置が開示されている。特許文献1のデータ処理装置は、通常の運用状態において電源を供給するシステム電源と、スタンバイ状態において電源を供給するスタンバイ電源とを備えている。システム電源は、CPU(Central Processing Unit)等に電源を供給する。スタンバイ電源は、サブマイコン等に電源を供給する。サブマイコンは、電源ボタンやリモコンの操作、又は、外部からのデータ受信に応答して、スタンバイ状態から通常の運用状態に遷移するために、システム電源を作動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−042428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載のデータ処理装置では、スタンバイ状態においてサブマイコン等に電源が供給されている。しかしながら、サブマイコンは、コンピュータであり、その内部にCPU、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する。CPUは、ROMに予め記憶されている制御プログラムを読み出してRAMにストアして実行し、電源ボタンやリモコンの操作、外部からのデータ受信の監視を常時行っている。すなわち、サブマイコンは、制御プログラムに従ってデータ処理装置全体を制御するために多くの電力を消費する。
【0007】
したがって、上記特許文献1においては、データ処理装置が通常の運用状態でないスタンバイ状態の場合でもサブマイコンによって多くの電力が常時消費されるという課題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、通常の運用状態でない待機状態の場合に、消費電力の低減を解決する移動体通信システムを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、通常の運用状態でない待機状態の場合に、消費電力の低減を解決する無線装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、通常の運用状態でない待機状態の場合に、消費電力の低減を解決する通信制御方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、通常の運用状態でない待機状態の場合に、消費電力の低減を解決するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る移動体通信システムは、無線制御装置及び無線装置を備え、
前記無線装置は、
移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行するユーザ信号処理手段と、
前記無線制御装置から送信される制御信号を処理する制御信号処理手段と、を備え、
前記無線制御装置は、
前記無線装置に待機信号を含む制御信号を送信して前記制御信号処理手段によって前記ユーザ信号処理手段を前記運用状態から待機状態に遷移させる待機設定手段と、
前記無線装置に再開信号を含む制御信号を送信して前記制御信号処理手段によって前記ユーザ信号処理手段を前記待機状態から前記運用状態に遷移させる再開設定手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0013】
上述の目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る無線装置は、移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行するユーザ信号処理手段と、
無線制御装置から受信する制御信号に含まれている待機信号によって前記ユーザ信号処理手段を前記運用状態から待機状態に遷移させ、制御信号に含まれている再開信号によって前記ユーザ信号処理手段を前記待機状態から前記運用状態に遷移させる制御信号処理手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0014】
上述の目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る通信制御方法は、無線装置が、移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行し、当該移動体端末同士のユーザ信号の送受信を待機状態において停止し、
無線制御装置が、前記無線装置に待機信号を含む制御信号を送信して前記無線装置を前記運用状態から前記待機状態に遷移させ、前記無線装置に再開信号を含む制御信号を送信して前記無線装置を前記待機状態から前記運用状態に遷移させる、
ことを特徴とする。
【0015】
上述の目的を達成するために、本発明の第4の観点に係るプログラムは、移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行するユーザ信号処理手段及び無線制御装置から送信される制御信号を処理する制御信号処理手段を有する無線装置に対して制御信号を送信する無線制御装置が有するコンピュータに、
前記無線装置に待機信号を含む制御信号を送信して前記制御信号処理手段によって前記ユーザ信号処理手段を前記運用状態から待機状態に遷移させる第1のステップと、
前記無線装置に再開信号を含む制御信号を送信して前記制御信号処理手段によって前記ユーザ信号処理手段を前記待機状態から前記運用状態に遷移させる第2のステップと、を実行させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通常の運用状態でない待機状態の場合に、消費電力の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態における移動体通信システムの概略を示す図である。
【図2】図1の無線装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の移動体通信システムにおける通信プロトコルの概要を示す図である。
【図4】図1の無線制御装置及び無線装置によって実行されるシステムの接続手順を示すフローチャートである。
【図5】図2の無線装置におけるインタフェース部及びスイッチ付き電源部の内部構成を示す一部の回路図である。
【図6】図1の無線制御装置による通信制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る移動体通信システムについて、図1乃至図6を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態における移動体通信システム100の概略を示す図である。図1において、無線制御装置1及び無線装置3は、協働して基地局装置を構成する。無線制御装置1は、光ファイバケーブル2によって無線装置3と接続されている。無線装置3は、通常の運用状態においては、無線制御装置1との間で音声、文字、画像等のデータからなるユーザ信号及び制御信号の送受信を実行する。さらに、無線装置3は、運用状態においては、付属のアンテナ4を介して、無線エリア内の移動体無線端末である携帯電話機5との間で音声、文字、画像等のユーザ信号の通信処理を実行する。
【0019】
図2は、図1の無線装置3の構成を示すブロック図である。図2において、無線装置3は、インタフェース部11、制御部12(制御手段)、ベースバンド処理部13(ベースバンド処理手段)、周波数変換部14(周波数変換手段)、送受信増幅部15(送受信増幅手段)、リセット部16、スイッチ付き電源部17(電源手段)、及び電源部18を備えている。
【0020】
電源部18は、運用状態又は運用停止中の待機状態にかかわらず、インタフェース部11及びリセット部16に対して常に電源19aを供給する。インタフェース部11は、運用状態又は待機状態にかかわらず、無線制御装置1との間で制御信号の送受信を行う。
【0021】
上述したように、無線装置3は、光ファイバケーブル2によって接続された無線制御装置1と協働してユーザ信号及び制御信号の送受信を実行する。このため、無線装置3のインタフェース部11は、光信号と電気信号の相互変換を行う光−電気変換部(図示せず)を備えている。インタフェース部11は、光−電気変換部によって光ファイバケーブル2を介して無線制御装置1から送信された光信号のユーザ信号及び制御信号を受信して電気信号に変換する。また、インタフェース部11は、携帯電話機5から受信してベースバンド処理部13等によって処理された電気信号のユーザ信号を、光−電気変換部によって光信号に変換して無線制御装置1に送信する。この場合の通信プロトコルとしては、CPRI:(Common Public Radio Interface)やOBSAI:(Open Base Station Architecture Initiative)がある。本実施形態においては、CPRIに準拠した通信プロトコルを用いる。
【0022】
次に、CPRIプロトコルについて説明する。OSIの7レイヤ(Layer 1〜Layer 7)のモデルにおいては、最下位の物理レイヤから最上位のアプリケーションレイヤまでの各レイヤのプロトコルが定義されている。図3は、物理レイヤ(Layer 1)及びデータリンクレイヤ(Layer 2)のCPRIプロトコルの概要を示す図である。物理レイヤにおいては、電気的伝送特性(Electric Transmission)、光伝送特性(Optical Transmission)、データを時分割した時分割多重(Time Division Multiplexing)などが定義される。データリンクレイヤにおいては、ユーザ間のデータを示すユーザプレーン(User Plane)、制御用及び管理用の情報を示す制御・管理情報プレーン(C&M: Control & Management Plane)、互いに直交する位相の2つのデータを示すユーザプレーンデータ(IQ Data)、ベンダー(ユーザ)が独自に仕様を決定するベンダー特有領域(Vendor Specific)、物理レイヤの回線情報を示すインバンド・プロトコル(L1 Inband Protocol)、伝送路をすべてのユーザが共有するバス構造のEthernet(登録商標)、データ送受信の同期信号(SYNC)、高能率・高信頼性の伝送手順(HDLC)などが定義される。
【0023】
次に、無線制御装置1と無線装置3との間のCPRIプロトコルに準拠した通信手順ついて説明する。図4は、その通信手順を示すフローチャートである。システムの最初の起動時において、まず、物理レイヤ(L1: Layer 1)の同期及び通信速度を設定する(ステップS1)。次に、サポートするプロトコルのバージョンを決定する(ステップS2)。次に、制御・管理情報(C&M)を送受信する速度を決定する(ステップS3)。そして、制御・管理情報(C&M)を確立する(ステップS4)。この後は、運用状態に遷移して制御信号及びユーザ信号の送受信を実行する(ステップS5)。
【0024】
図3に示したCPRIプロトコルにおいて、インバンド・プロトコルの中には、無線制御装置1から無線装置3のリセット制御ができるようにするための信号がある。これはネットワークレイヤ(Layer 3)の高い状態で不具合があった場合でもリセット制御ができるようにするためのものである。
【0025】
図2に示したインタフェース部11は、リセット信号を処理するリセット制御を行う。さらに、ベンダー特有領域においてリセット制御を行うことができる。また、上述したように、ベンダー特有領域はベンダーが独自に仕様を決定できる。したがって、運用状態から待機状態に遷移するための待機信号の仕様、及び待機状態から運用状態に遷移するための再開信号の仕様を決定することができる。これにより、上述したように、インタフェース部11は、ベンダー特有領域の仕様に基づいて、待機信号及び再開信号の処理を実行する。
【0026】
次に、図2に示した無線装置3における各部の機能について説明する。まず、運用状態における無線装置3の各部の機能について説明する。図1の無線制御装置1は、設置後に起動され又は例えば保守点検後に再起動されると、無線装置3に対してリセット信号を含む制御信号を送信する。制御信号に含まれるリセット信号は、通常、符号化されたデジタル信号である。同様に、制御信号に含まれる後述する待機信号及び再開信号も、通常、符号化されたデジタル信号である。
【0027】
無線装置3のインタフェース部11は、無線制御装置1から受信した制御信号に含まれているリセット信号を抽出する。インタフェース部11は、抽出したリセット信号に対して復号化処理等の信号処理を行って、スイッチ付き電源部17及びリセット部16にそのリセット信号を入力する。
【0028】
スイッチ付き電源部17は、インタフェース部11から入力されたリセット信号によってスイッチがオフからオンに変化して、制御部12、ベースバンド処理部13、周波数変換部14、及び送受信増幅部15に電源19bを供給する。
【0029】
インタフェース部11は、運用状態又は待機状態にかかわらず、無線制御装置1から送信される制御信号に含まれる上述のリセット信号の他に、待機信号及び再開信号を抽出する。さらに、インタフェース部11は、運用状態においては、無線制御装置1との間でユーザ信号の送受信を行う。
【0030】
ベースバンド処理部13は、インタフェース部11を経由して無線制御装置1から送信されるデジタルのユーザ信号をアナログのユーザ信号に変換して、周波数変換部14に入力する。さらに、ベースバンド処理部13は、周波数変換部14から入力されるアナログのユーザ信号をデジタルのユーザ信号に変換して、インタフェース部11経由で無線制御装置1に送信する。
【0031】
周波数変換部14は、ベースバンド処理部13から入力される低周波のアナログのユーザ信号を高周波の無線信号に変換(変調)して、送受信増幅部15に入力する。さらに、周波数変換部14は、送受信増幅部15から入力される無線信号をアナログのユーザ信号に変換(復調)してベースバンド処理部13に入力する。
【0032】
送受信増幅部15は、周波数変換部14から入力される無線信号を増幅して、アンテナ4を介して図1の携帯電話機5に送信する。さらに、送受信増幅部15は、携帯電話機5から受信した無線信号を増幅して、周波数変換部14に入力する。
【0033】
制御部12は、ベースバンド処理部13、周波数変換部14、及び送受信増幅部15の信号処理を統括して制御すると共に、無線制御装置1との間の制御・管理情報の確立を行う。
【0034】
リセット部16は、インタフェース部11から入力されたリセット信号によって、制御部12、ベースバンド処理部13、周波数変換部14、及び送受信増幅部15をリセットして、それぞれを初期状態に設定する。したがって、リセット部16は、インタフェース部11から入力されたリセット信号をこれらの構成要素に出力して、これらの構成要素をリセットするに十分な出力容量を持っていればよいので、極めて簡単なバッファ回路で構成することができる。
【0035】
次に、待機状態における各部の機能について説明する。図1の無線制御装置1は、設置場所に固有の条件によって無線装置3がほとんど使用されない場合には、待機信号を有する制御信号をその無線装置3に送信する。例えば、無線制御装置1は、商業地区又は駅に設置された無線装置3がほとんど使用されない深夜の時間帯には、待機信号を含む制御信号をその無線装置3に送信する。
【0036】
無線装置3のインタフェース部11は、無線制御装置1から送信された制御信号に含まれる待機信号を抽出する。インタフェース部11は、抽出した待機信号に対して復号化処理等の信号処理を行って、スイッチ付き電源部17にその待機信号を入力する。
【0037】
スイッチ付き電源部17は、インタフェース部11から入力された待機信号によってスイッチがオンからオフに変化して、制御部12、ベースバンド処理部13、周波数変換部14、及び送受信増幅部15に対する電源19bの供給を停止する。したがって、待機信号が送信された後は、インタフェース部11及びリセット部16だけが電源部18からの電源19aの供給を受けて動作する。
【0038】
次に、待機状態から通常の運用状態に遷移する場合における各部の機能について説明する。図1の無線制御装置1は、待機状態が終了したと判定したときは、再開信号を含む制御信号を無線装置3に送信する。例えば、無線装置3が設置されている商業地区又は駅が営業時間になったときは、無線制御装置1は、待機状態が終了したと判定して、再開信号を含む制御信号を無線装置3に送信する。
【0039】
無線装置3のインタフェース部11は、無線制御装置1から受信した制御信号に含まれている再開信号を抽出する。インタフェース部11は、抽出した再開信号に対して復号化等の信号処理を行って、スイッチ付き電源部17にその再開信号を入力する。
【0040】
スイッチ付き電源部17は、インタフェース部11から入力された再開信号によってスイッチがオフからオンに変化して、制御部12、ベースバンド処理部13、周波数変換部14、及び送受信増幅部15に対して電源19bを供給する。したがって、無線装置3は待機状態から運用状態に遷移する。この後は、無線装置3は、無線エリア内の携帯電話機5との間で音声、文字、画像等の通信処理を実行する。なお、図2において、制御部12、ベースバンド処理部13、周波数変換部14、及び送受信増幅部15をユーザ信号処理部20(ユーザ信号処理手段)と称する。
【0041】
次に、図2のインタフェース部11及びスイッチ付き電源部17の内部構成の一例について説明する。図5は、無線装置1におけるインタフェース部11及びスイッチ付き電源部17の内部構成を示す一部の回路図である。もっとも、インタフェース部11は、上述したように、ベンダー特有領域の仕様に基づいて、待機信号及び再開信号の処理を実行する。したがって、図5の回路は、本発明を容易に理解するために掲げた例示に過ぎない。すなわち、インタフェース部11の内部構成としては、ハードウェア構成に限定されることなく、ソフトウェアのアルゴリズムを含め、様々な構成のバリエーションが可能である。種々のソフトウェア又はハードウェアにおいても、インタフェース部11における待機信号及び再開信号の処理については、以下に説明する図5の回路の動作によって表される。
【0042】
図5において、信号抽出回路111、オア回路112、及びDタイプのフリップフロップ回路113は、インタフェース部11の内部の回路である。スイッチ171は、スイッチ付き電源17の内部のスイッチである。
【0043】
信号抽出回路111は、無線制御装置1から送信される制御信号11aに含まれているリセット信号、待機信号、再開信号を抽出する。上述したように、リセット信号、待機信号、及び再開信号は、通常、符号化されたデジタル信号である。これらの信号の先頭部分には、例えば、特異なプリアンブル信号が付加されている。
【0044】
信号抽出回路111は、制御信号の中からプリアンブル信号を検出して、リセット信号、待機信号、及び再開信号を抽出する。さらに、信号抽出回路111は、抽出したリセット信号、待機信号、及び再開信号を復号化して、ある時間長(それぞれが異なる時間長でも同じ時間長でもよい)のパルス信号のリセット信号11b、待機信号11c、及び再開信号11dに変換する復号化回路を有する。この場合は、ハイレベル(プラス)のパルス信号に変換する。例えば、信号抽出回路111は、僅かな消費電力で動作が可能なシリアル/パラレル変換回路及びゲート回路によって構成される。ただし、僅かな電力で動作が可能な回路であれば、このような構成に限定されない。
【0045】
オア回路112は、リセット信号11b又は再開信号11dのいずれかのパルス信号をフリップフロップ回路113のトリガ端子CKに入力する。また、信号抽出回路111は、待機信号11cのパルス信号をフリップフロップ回路113のクリア端子CLに入力する。
【0046】
フリップフロップ回路113は、データ端子Dがスイッチ付き電源部17の内部で、運用状態又は待機状態にかかわらず、常時発生される電圧Vccに接続されている。したがって、フリップフロップ回路113は、トリガ端子CKに与えられるパルス信号によって出力端子Qがハイレベルに変化する。また、フリップフロップ回路113は、クリア端子CLに与えられるパルス信号によって出力端子Qがローレベルに変化する。
【0047】
スイッチ付き電源部17のスイッチ171は、例えば、半導体のアナログスイッチで構成されている。スイッチ171の入力端子171aと出力端子171bとは、制御端子171cがハイレベルのときに短絡(スイッチ171がオン)となり、制御端子171cがローレベルのときに開放(スイッチ171がオフ)となる。
【0048】
図5に示すように、フリップフロップ回路113の出力端子Qは、スイッチ付き電源部17のスイッチ171の制御端子171cに接続されている。したがって、無線制御装置1から送信される制御信号にリセット信号又は再開信号が含まれているときには、信号抽出回路111から出力されるリセット信号11b又は再開信号11dによって、スイッチ171がオンとなる。この結果、スイッチ付き電源部17の内部で発生される電圧Vccが、電源19bとして、図2の制御部12、ベースバンド処理部13、周波数変換部14、及び送受信増幅部15に供給される。これにより、無線装置3は、ユーザ信号の送受信を実行する運用状態に遷移する。
【0049】
これに対して、無線制御装置1から送信される制御信号に待機信号が含まれているときには、信号抽出回路111から出力される待機信号11cによって、スイッチ171がオフとなる。この結果、スイッチ付き電源部17の内部で発生される電圧Vccは、図2の制御部12、ベースバンド処理部13、周波数変換部14、及び送受信増幅部15に供給されなくなる。これにより、無線装置3は、運用状態から待機状態に遷移して、ユーザ信号の送受信を停止するので、無線装置1の消費電力が大幅に低減する。
【0050】
次に、無線制御装置1が無線装置3を制御する方法について説明する。図6は、図1の無線制御装置1による通信制御方法を示すフローチャートである。ここでは、商業地区又は駅等のように、ある一定の営業時間に移動体通信システム100が使用される条件を例に採って説明する。しかしながら、他の条件の場合も同様の通信制御方法を適用することができる。
【0051】
図1には示していないが、無線制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)、EEPROM(Electric Erasable Programmable Read Only Memory)等のプログラムメモリ、RAM(Random Access Memory)等のワークメモリを有するマイクロプロセッサ等からなるコンピュータを備えている。プログラムメモリのプログラムは、予め記憶されているが、稼働後にメモリチップ等の記録媒体を介してインストールすることも可能である。さらに、プログラムメモリのプログラムは、通信回線を介してインストールされること及び変更されることも可能である。
【0052】
無線制御装置1の電源が投入されて起動すると、CPUは、プログラムメモリのプログラムに従って、ワークメモリのレジスタをクリアするなどの初期設定を行い(ステップS11)、無線制御装置1全体を制御する。
【0053】
ステップS11の初期設定の後、CPUは、無線装置3が動作中であるか否かを判定する(ステップS12)。無線装置3が動作中でない場合には(ステップS12;NO)、光ファイバケーブル2を介して、無線装置3にリセット信号を送信する(ステップS13)。この結果、図5の信号抽出回路111から出力されるリセット信号11bのパルス信号が、オア回路112を経てフリップフロップ回路113のトリガ端子CKに入力される。したがって、フリップフロップ回路113の出力端子Qがハイレベルになる。このため、電源部17のスイッチ171の制御端子171cがハイレベルになり、短絡されたスイッチ171を経た電源19bが図2の制御部12、ベースバンド処理部13、周波数変換部14、及び送受信増幅部15に供給される。これにより、無線装置3は、ユーザ信号の送受信を実行する運用状態に遷移する。
【0054】
ステップS13においてリセット信号を送信した後、又は、無線装置3が動作中である場合には(ステップS12;YES)、CPUは、移動体通信システム100の地区の営業時間が終了したか否かを判定する(ステップS14)。
【0055】
営業時間が終了していない場合には(ステップS14;NO)、CPUは、ユーザ信号の送受信処理を実行する(ステップS15)。すなわち、図1に示した携帯電話機5と他の携帯電話機(図示せず)との間の音声、文字、画像等のデータからなるユーザ信号の送受信を実行する。
【0056】
営業時間が終了したときは(ステップS14;YES)、CPUは、無線装置3に待機信号を送信する(ステップS16)。この結果、図5の信号抽出回路111から出力される待機信号11cのパルス信号が、フリップフロップ回路113のクリア端子CLに入力される。したがって、フリップフロップ回路113の出力端子Qがローレベルになる。このため、電源部17のスイッチ171の制御端子171cがローレベルになり、スイッチ171が開放されて、図2の制御部12、ベースバンド処理部13、周波数変換部14、及び送受信増幅部15にそれまで供給されていた電源19bが停止される。これにより、無線装置3は、ユーザ信号の送受信を停止する待機状態に遷移する。
【0057】
ステップS16において待機信号を送信した後、CPUは、営業時間が開始したか否かを判別する(ステップS17)。営業時間が開始していない場合には(ステップS17;NO)、CPUは、他の処理を実行する(ステップS18)。他の処理としては、例えば、無線制御装置1自体及び無線装置3の電源の監視、その他の異常監視、光ファイバケーブル2を含む回線の点検等がある。
【0058】
他の処理を実行した後、CPUは、ステップS17に移行して、営業時間が開始したか否かを判別する処理を継続する。営業時間が開始していない限り(ステップS17;NO)、CPUは、ステップS17の判別処理及びステップS18のその他の処理のループを繰り返す。
【0059】
営業時間が開始したときは(ステップS17;YES)、CPUは、無線装置3に再開信号を送信する(ステップS19)。この結果、図5の信号抽出回路111から出力される再開信号11dのパルス信号が、オア回路112を経てフリップフロップ回路113のトリガ端子CKに入力される。したがって、フリップフロップ回路113の出力端子Qが再びハイレベルになる。このため、電源部17のスイッチ171の制御端子171cがハイレベルになり、再び短絡されたスイッチ171を経た電源19bが図2の制御部12、ベースバンド処理部13、周波数変換部14、及び送受信増幅部15に供給される。これにより、待機状態であった無線装置3は、ユーザ信号の送受信を実行する運用状態に遷移する。
【0060】
ステップS19において再開信号を送信した後は、CPUは、ステップS14に移行して、営業時間が終了したか否かを判定する処理を継続する。営業時間が終了しない限り(ステップS14;NO)、CPUは、ステップS14の判別処理及びステップS15のユーザ信号の送受信処理のループを繰り返す。
【0061】
以上のように、上記実施形態の移動体通信システム100において、無線装置3は、移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行するユーザ信号処理部20と、無線制御装置1から送信される制御信号を処理するインタフェース部11と、を備えている。無線制御装置1は、無線装置3に待機信号を含む制御信号を送信して無線装置3を運用状態から待機状態に遷移させる待機設定手段(図5のステップS14、S16に相当)と、無線装置3に再開信号を含む制御信号を送信して無線装置3を待機状態から運用状態に遷移させる再開設定手段(図5のステップS17、S19に相当)と、を備えている。したがって、待機状態においては、電力を多く消費するユーザ信号処理部20の動作を停止して、運用状態に遷移するための必要最小限の制御信号だけを受信して処理するので、無線装置3全体の消費電力を大幅に低減することができる。
【0062】
この場合において、ユーザ信号処理部20は、符号化されたベースバンド信号とアナログ信号とを相互に変換処理するベースバンド処理部13、低周波のアナログ信号と高周波の無線信号とを相互に周波数変換処理する周波数変換部14、送受信する無線信号を増幅処理する送受信増幅部15、及びベースバンド処理部13、周波数変換部14、及び送受信増幅部15の各処理を統括して制御する制御部12を備えている。また、インタフェース部11は、スイッチ171を有する電源部17を制御して、待機信号によってユーザ信号処理部20に対する電源の供給を停止し、再開信号によってユーザ信号処理部20に対して電源を供給する電源制御手段(例えば、図5の信号抽出回路111、オア回路112、及びフリップフロップ回路113に相当)を備えている。したがって、待機状態においては、電力をより多く消費する制御部12の動作を停止して、運用状態に遷移するための必要最小限の制御信号だけを受信して処理するので、待機状態における無線装置3全体の消費電力をより大幅に低減することができる。
【0063】
この場合において、無線装置3のインタフェース部11は、CPRIプロトコルに準拠したベンダー特有領域の仕様に基づいて、待機信号及び再開信号の処理を実行する。したがって、消費電力を大幅に低減するために、無線装置3の設置場所に最適な仕様を独自に決定することができる。
【0064】
この場合において、無線装置3のインタフェース部11のハードウェアは、無線制御装置1から送信される制御信号11aに含まれる待機信号11c及び再開信号11dを抽出する信号抽出回路111と、信号抽出回路111によって抽出された待機信号11c又は再開信号11dにより、電源部17のスイッチ171をオフ又はオンに制御する論理回路と、を備えている。したがって、消費電力が極めて少ない簡単な回路構成によって、待機状態の無線装置3を運用状態に遷移させることができるので、待機状態における無線装置3全体の消費電力をより大幅に低減することができる。さらに、広く使用され信頼性の高い回路を利用することで、開発時間の短縮、開発コスト及び製品コストの低減、集積回路化による小型・軽量及び高い信頼性を図ることができる。
【0065】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0066】
(付記1)
無線制御装置及び無線装置を備え、
前記無線装置は、
移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行するユーザ信号処理手段と、
前記無線制御装置から送信される制御信号を処理する制御信号処理手段と、を備え、
前記無線制御装置は、
前記無線装置に待機信号を含む制御信号を送信して前記制御信号処理手段によって前記ユーザ信号処理手段を前記運用状態から待機状態に遷移させる待機設定手段と、
前記無線装置に再開信号を含む制御信号を送信して前記制御信号処理手段によって前記ユーザ信号処理手段を前記待機状態から前記運用状態に遷移させる再開設定手段と、を備える、
ことを特徴とする移動体通信システム。
【0067】
(付記2)
前記ユーザ信号処理手段は、符号化されたベースバンド信号とアナログ信号とを相互に変換処理するベースバンド処理手段、低周波のアナログ信号と高周波の無線信号とを相互に周波数変換処理する周波数変換手段、送受信する無線信号を増幅処理する送受信増幅手段、及び当該ベースバンド処理手段、周波数変換手段、及び送受信増幅手段の各処理を統括して制御する制御手段、を備え、
前記制御信号処理手段は、スイッチを有する電源手段を制御して、待機信号によって前記ユーザ信号処理手段に対する電源の供給を停止し、再開信号によって前記ユーザ信号処理手段に対して電源を供給する電源制御手段を備える、
ことを特徴とする付記1に記載の移動体通信システム。
【0068】
(付記3)
移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行するユーザ信号処理手段と、
無線制御装置から受信する制御信号に含まれている待機信号によって前記ユーザ信号処理手段を前記運用状態から待機状態に遷移させ、制御信号に含まれている再開信号によって前記ユーザ信号処理手段を前記待機状態から前記運用状態に遷移させる制御信号処理手段と、を備える、
ことを特徴とする無線装置。
【0069】
(付記4)
前記ユーザ信号処理手段は、符号化されたベースバンド信号とアナログ信号とを相互に変換処理するベースバンド処理手段、低周波のアナログ信号と高周波の無線信号とを相互に周波数変換処理する周波数変換手段、送受信する無線信号を増幅処理する送受信増幅手段、及び当該ベースバンド処理手段、周波数変換手段、及び送受信増幅手段の各処理を統括して制御する制御手段、を備え、
前記制御信号処理手段は、スイッチを有する電源手段を制御して、待機信号によって前記ユーザ信号処理手段に対する電源の供給を停止し、再開信号によって前記ユーザ信号処理手段に対して電源を供給する電源制御手段を備える、
ことを特徴とする付記3に記載の無線装置。
【0070】
(付記5)
前記電源制御手段は、CPRIプロトコルに準拠したベンダー特有領域の仕様に基づいて、待機信号及び再開信号の処理を実行する、
ことを特徴とする付記4に記載の無線装置。
【0071】
(付記6)
前記電源制御手段は、制御信号に含まれる待機信号及び再開信号を抽出する信号抽出回路と、前記信号抽出回路によって抽出される待機信号又は再開信号によって前記電源手段の前記スイッチをオフ又はオンに制御する論理回路と、を備える、
ことを特徴とする付記4又は5に記載の無線装置。
【0072】
(付記7)
無線装置が、移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行し、当該移動体端末同士のユーザ信号の送受信を待機状態において停止し、
無線制御装置が、前記無線装置に待機信号を含む制御信号を送信して前記無線装置を前記運用状態から前記待機状態に遷移させ、前記無線装置に再開信号を含む制御信号を送信して前記無線装置を前記待機状態から前記運用状態に遷移させる、
ことを特徴とする通信制御方法。
【0073】
(付記8)
移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行するユーザ信号処理手段及び無線制御装置から送信される制御信号を処理する制御信号処理手段を有する無線装置に対して制御信号を送信する無線制御装置が有するコンピュータに、
前記無線装置に待機信号を含む制御信号を送信して前記制御信号処理手段によって前記ユーザ信号処理手段を前記運用状態から待機状態に遷移させる第1のステップと、
前記無線装置に再開信号を含む制御信号を送信して前記制御信号処理手段によって前記ユーザ信号処理手段を前記待機状態から前記運用状態に遷移させる第2のステップと、を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【0074】
(付記9)
通信回線を介して前記無線制御装置にインストールされ及び変更される、
ことを特徴とする付記8に記載のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の移動体通信システム、無線装置、通信制御方法及びプログラムによれば、無線装置が、鉄塔の上、商業施設のデパート等の屋上、駅の屋根、トンネルの中等、屋内外を問わず設置されて使用するのに適している。
【符号の説明】
【0076】
1 無線制御装置
2 光ファイバケーブル
3 無線装置
5 携帯電話機
11 インタフェース部
12 制御部
13 ベースバンド処理部
14 周波数変換部
15 送受信増幅部
16 リセット部
17 スイッチ付き電源部
18 電源部
19a 電源
19b 電源
20 ユーザ信号処理部
100 移動体通信システム
111 信号抽出回路
112 オア回路
113 フリップフロップ回路
171 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線制御装置及び無線装置を備え、
前記無線装置は、
移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行するユーザ信号処理手段と、
前記無線制御装置から送信される制御信号を処理する制御信号処理手段と、を備え、
前記無線制御装置は、
前記無線装置に待機信号を含む制御信号を送信して前記制御信号処理手段によって前記ユーザ信号処理手段を前記運用状態から待機状態に遷移させる待機設定手段と、
前記無線装置に再開信号を含む制御信号を送信して前記制御信号処理手段によって前記ユーザ信号処理手段を前記待機状態から前記運用状態に遷移させる再開設定手段と、を備える、
ことを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
前記ユーザ信号処理手段は、符号化されたベースバンド信号とアナログ信号とを相互に変換処理するベースバンド処理手段、低周波のアナログ信号と高周波の無線信号とを相互に周波数変換処理する周波数変換手段、送受信する無線信号を増幅処理する送受信増幅手段、及び当該ベースバンド処理手段、周波数変換手段、及び送受信増幅手段の各処理を統括して制御する制御手段、を備え、
前記制御信号処理手段は、スイッチを有する電源手段を制御して、待機信号によって前記ユーザ信号処理手段に対する電源の供給を停止し、再開信号によって前記ユーザ信号処理手段に対して電源を供給する電源制御手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体通信システム。
【請求項3】
移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行するユーザ信号処理手段と、
無線制御装置から受信する制御信号に含まれている待機信号によって前記ユーザ信号処理手段を前記運用状態から待機状態に遷移させ、制御信号に含まれている再開信号によって前記ユーザ信号処理手段を前記待機状態から前記運用状態に遷移させる制御信号処理手段と、を備える、
ことを特徴とする無線装置。
【請求項4】
前記ユーザ信号処理手段は、符号化されたベースバンド信号とアナログ信号とを相互に変換処理するベースバンド処理手段、低周波のアナログ信号と高周波の無線信号とを相互に周波数変換処理する周波数変換手段、送受信する無線信号を増幅処理する送受信増幅手段、及び当該ベースバンド処理手段、周波数変換手段、及び送受信増幅手段の各処理を統括して制御する制御手段、を備え、
前記制御信号処理手段は、スイッチを有する電源手段を制御して、待機信号によって前記ユーザ信号処理手段に対する電源の供給を停止し、再開信号によって前記ユーザ信号処理手段に対して電源を供給する電源制御手段を備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の無線装置。
【請求項5】
前記電源制御手段は、CPRIプロトコルに準拠したベンダー特有領域の仕様に基づいて、待機信号及び再開信号の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項4に記載の無線装置。
【請求項6】
前記電源制御手段は、制御信号に含まれる待機信号及び再開信号を抽出する信号抽出回路と、前記信号抽出回路によって抽出される待機信号又は再開信号によって前記電源手段の前記スイッチをオフ又はオンに制御する論理回路と、を備える、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の無線装置。
【請求項7】
無線装置が、移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行し、当該移動体端末同士のユーザ信号の送受信を待機状態において停止し、
無線制御装置が、前記無線装置に待機信号を含む制御信号を送信して前記無線装置を前記運用状態から前記待機状態に遷移させ、前記無線装置に再開信号を含む制御信号を送信して前記無線装置を前記待機状態から前記運用状態に遷移させる、
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項8】
移動体端末同士のユーザ信号の送受信を運用状態において実行するユーザ信号処理手段及び無線制御装置から送信される制御信号を処理する制御信号処理手段を有する無線装置に対して制御信号を送信する無線制御装置が有するコンピュータに、
前記無線装置に待機信号を含む制御信号を送信して前記制御信号処理手段によって前記ユーザ信号処理手段を前記運用状態から待機状態に遷移させる第1のステップと、
前記無線装置に再開信号を含む制御信号を送信して前記制御信号処理手段によって前記ユーザ信号処理手段を前記待機状態から前記運用状態に遷移させる第2のステップと、を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
通信回線を介して前記無線制御装置にインストールされ及び変更される、
ことを特徴とする請求項8に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−186657(P2012−186657A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48328(P2011−48328)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】