説明

積層伸縮シートの製造方法

【課題】より確実に弾性シートに通気用の孔を形成する積層伸縮シートの製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性繊維を含む少なくとも2枚の不織布の間に熱可塑性の弾性シートを挟んで複合シートを形成する工程と、前記複合シートにおける前記2枚の不織布と弾性シートの重なり部分に複数の接合箇所において振動エネルギーを与えて、前記2枚の不織布と弾性シートとを溶着する超音波接合工程とを備え、超音波接合工程において、前記接合箇所外縁の一部のみにおいて前記弾性シートに通気孔が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層伸縮シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、使い捨てオムツ等に用いられる複合シートにおいて、特にパンツ型オムツのウエスト部分には、該オムツのフィット性を向上させるために、2枚の不織布の間に、熱可塑性の弾性シートが配置された積層伸縮シートを用いたものがある。
【0003】
ここで、前記弾性シートは通気性を有していないので、積層伸縮シートに着用者の着用感の向上とムレ防止のために通気孔を形成する必要がある。そのため、前記弾性シートに針などを用いて通気孔を穿孔する方法が考えられる。しかし、別途、前記穿孔工程が必要になり煩雑である。
【0004】
一方、2枚の不織布の間に弾性シートを挟み込んだ複合シートに対して、超音波接合により、複数の接合箇所においてこれらを互いに接合すると共に通気孔を形成する積層伸縮シートの製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】US6,572,595B1
【発明の開示】
【0005】
前記特許文献1には、超音波ホーンとアンビルとの間に前記複合シートを配置し、前記超音波ホーンによって、超音波振動が付加されることにより、結果として、前記2つの不織布層が互いに接合されるが、しかし、弾性部材のポリマー素材をそれによって捕らえると記載されている。
【0006】
すなわち、前記特許文献1の発明は、前記超音波接合の際に、弾性シートに前記2枚の不織布の接合箇所よりも大きな孔が形成され、この孔を通して不織布同士が接合されると共に、前記孔の一部が積層伸縮シートの通気孔になると解される。
【0007】
しかし、実際に特許文献1の方法を用いて、弾性シートに孔を形成しようとすると、該弾性シートは2枚の不織布の間に挟まれた状態にあるので、超音波振動によって加熱されたとしても、該弾性シート自体は弾性を失うのみで孔の形成が難しい。
【0008】
したがって、本発明の目的は、熱可塑性の弾性シートを用いた積層伸縮シートに、確実に通気用孔を形成し得る積層伸縮シートの製造方法を提供することである。
【0009】
本発明の積層伸縮シートの製造方法は、熱可塑性繊維を含む少なくとも2枚の不織布の間に熱可塑性の弾性シートを挟んで複合シートを形成する工程と、前記複合シートにおける前記2枚の不織布と弾性シートの重なり部分に複数の接合箇所において振動エネルギーを与えて、前記2枚の不織布と弾性シートとを溶着する超音波接合工程とを備え、超音波接合工程において、前記接合箇所外縁の一部のみにおいて前記弾性シートに通気孔が形成される。
【0010】
本発明によれば、前記超音波接合工程において、接合箇所に前記振動エネルギーを与えることにより前記2枚の不織布と弾性シートを溶着すると共に、該接合箇所の外縁の一部を破断することで弾性シートに通気孔を形成するから、別途、通気孔を形成する必要がない。
また、接着剤を用いることなく、超音波接合を用いて不織布と伸縮シートとを接合するので、接着剤によるごわつきなどが生じるおそれがないので、着用感や風合いを損なうことがない。
なお、前記「弾性シート」としては、たとえば、エラスティックフィルムなどからなるフィルム状の弾性シートを用いることができる。
【0011】
本発明において、前記熱可塑性の弾性シートを搬送しながら伸張する工程を更に備え、前記2枚の不織布の間に挟まれた前記弾性シートが伸張状態において前記超音波接合工程が実行されるのが好ましい。
かかる態様によれば、伸張状態の前記弾性シートに前記超音波振動が付与されることにより、該弾性シートにテンションが付加された状態で弾性シートに切断力が付与されるので、より一層確実に弾性シートに通気孔を形成することができる。
【0012】
本発明において、前記複数の接合箇所に対応する複数の突起を有し、前記複合シートを搬送するアンビルと、前記アンビルと協働して前記複合シートに振動エネルギーを与えるホーンとの間で前記溶着工程が行われ、前記各突起は前記ホーンに対面可能で、かつ、平坦な平坦部と、前記平坦部の外周縁に形成されたエッジ部とを備え、前記エッジ部に前記複合シートを介して前記ホーンが間欠的に接触することで前記通気孔が形成されるのが好ましい。
かかる態様によれば、振動エネルギーを与えるホーンが、複合シートを介して前記アンビルのエッジ部に接触することにより、前記エッジ部により弾性シートが断ち切られることで、より一層確実に通気孔を形成することができる。
【0013】
本発明において、前記アンビルは所定の軸線のまわりに回転するドラムの外周に前記突起が形成されており、前記ドラムの回転に伴って前記複合シートが搬送され、前記搬送中に前記複合シートが前記突起とホーンとの間で前記溶着がなされると共に前記通気孔が前記弾性シートに形成されるのが好ましい。
かかる態様によれば、前記回転するドラムの外周に突起を形成することにより、前記ドラムの回転に伴ってホーンに対する突起の接触状態が変化し、そのため、柱状の突起の一部がエッジとして作用するので、前記突起による溶着および通気孔の形成を、容易に実現することができる。
【実施例1】
【0014】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
【0015】
以下、本発明の一実施例が図面にしたがって説明される。
本積層伸縮シートは、種々の用途に用いることができるが、以下の説明では、本積層伸縮シートをオムツに適用した場合について例示して説明する。前記オムツは、着用者の胴を覆う胴部と、着用者の股間を覆う股部とを備えている。前記積層伸縮シートは、前記胴部に用いられる。
【0016】
積層伸縮シートW:
まず、図1に示す切断パネルPが生成される。前記切断パネルPは、着用者の肌面に接するインナーシートとなる第1不織布W1に伸張状態の弾性シートFが重ね合わされた後、切断されたものである。切断パネルPは、切断された第1不織布W1と弾性シート片F1とが、その重なり部分の一部である長手方向Xの両端部の第1接着領域A1,A1において、互いに接着されている。
【0017】
つぎに、連続ウェブからなる第2不織布W2に、前記切断パネルPが所定間隔毎に配置されて複合シートW3部分が形成される。なお、前記切断パネルPは、着用者の肌面に接する面に配置され、その両端部の第2接着領域A2,A2が第2不織布W2に接着される。
【0018】
したがって、前記複合シートW3は、2枚の熱可塑性繊維を含む第1および第2不織布W1,W2の間に、熱可塑性の弾性シート片F1が挟まれた状態となる。該複合シートW3において、弾性シート片F1は、第1および第2接着領域A1,A2において、その両端部P2が不織布W1,W2に接着される。
【0019】
前記複合シートW3の中間部P1の複数の接合箇所Mにおいて、前記超音波接合により、複合シートW3の両面が不織布W1,W2にそれぞれ溶着されて積層伸縮シートWが形成される。
【0020】
前記積層伸縮シートWは、複合シートW3の中間部P1の接合箇所Mにおいて、図2Cに示すように、弾性シート片F1が第1不織布W1および第2不織布W2に接合されていると共に、図2Bに示すように、前記接合箇所Mの外縁Mcの一部Mc1,Mc2には、弾性シート片F1に通気孔H1,H2が形成されている。
【0021】
シール装置1:
つぎに、前記超音波接合に用いるシール装置の一例について説明する。
図3に示すように、シール装置1は、前記複数の接合箇所M(図1)に対応する多数の突起21を有し、複合シートW3を搬送するアンビル20と、前記アンビル20と協働して前記複合シートW3に振動エネルギーを与えるホーン10とを備えている。ホーン10は、平坦な先端面を有する。
【0022】
前記アンビル20は、点Oを含む軸線のまわりに回転するドラム20dの外周に前記突起21が形成されており、複合シートW3は、前記ドラム20dの回転に伴って流れ方向Xに搬送される。前記突起21は、前記ドラム20dにおける図2Cに示す接合箇所Mのパターンに対応する位置に形成されている。
【0023】
図4A,図4Bおよび図4Cにおいては、前記多数の突起21のうち、1つの突起21のみを示す。突起21は、略円柱形に形成されており、ホーン10に対面可能で、かつ、平坦な平坦部21bと、前記略円柱形の平坦部21bの外周縁からなるエッジ部21a,21cとを備えている。
【0024】
製造方法:
まず、図1に示す弾性シートFが搬送されながら、長手方向(流れ方向)Xに伸張される。
一方、前記胴部の一部を形成し、着用者の肌面に接するインナーシートとなる第1不織布W1が搬送される。
【0025】
第1不織布W1の第1接着領域A1には、予め接着剤が塗布され、伸張張状態の弾性シートFが前記第1不織布W1に重ね合わせて配置されることにより、第1接着領域A1(重なりの一部)において、前記弾性シートFと第1不織布W1とが前記接着剤により互いに接着される。
【0026】
前記接着された第1不織布W1および弾性シートFを切断して弾性シート片F1を含む切断パネルPが得られる。
ここで、前記第1接着領域A1は所定の等間隔に設定されており、前記接着後、前記第1接着領域A1部分を長手方向Xに等分するように切断することで、切断パネルPが生成される。そのため、切断パネルPは、切断された第1不織布と弾性シート片F1とが、その重なり部分の一部である長手方向Xの両端部の第1接着領域A1,A1において、互いに接着される。
【0027】
一方、胴部となる連続ウェブからなる第2不織布W2が、該第2不織布W2の長手方向Xに搬送される。
前記伸張された弾性シート片F1の伸張方向を前記長手方向Xに合わせた状態で、前記弾性シート片F1を第2不織布W2上に間欠的に配置する。
ここで、前記第2不織布W2には、予め所定の等間隔に接着剤が塗布され、前記配置の際に、弾性シート片F1における長手方向Xの両端部からなる第2接着領域A2が第2不織布W2に前記接着剤で接着される。
【0028】
前記第2不織布W2に対する切断パネルPの配置により、2枚の不織布W1,W2の間に伸張状態の弾性シート片F1を挟んだ複合シートW3部分が生成される。前記弾性シート片F1は、第1接着領域A1,A1および第2接着領域A2,A2によって、その両端部P2が第1不織布W1および第2不織布W2にそれぞれ接着されると共に、この時点では前記両端部P2の間の中間部P1は未だ両不織布W1,W2に接着されない状態である。
なお、説明を分かり易くするために、第1接着領域A1および第2接着領域A2は、互いに重ならないように図示しているが、2つの接着領域A1,A2は重なってもよい。なお、2つの接着領域A1,A2が重ならない場合、伸縮する領域が狭くなるので、2つの接着領域A1,A2は重なる方が好ましい。前記接着剤としては、たとえばホットメルト樹脂などを用いることができる。
【0029】
その後、前記弾性シート片F1における前記中間部P1と、不織布W1,W2との重なり部分に前記シール装置1によって振動エネルギーが与えられ、前記2枚の不織布W1,W2と伸張状態の弾性シートFとが複数の接合箇所Mにおいて互いに溶着される。前記溶着により、積層伸縮シートWが生成される。
一方、前記溶着時において、図2Aおよび図2Bに示すように、弾性シートFの接合箇所Mの外縁Mcの長手方向Xの両端部分に通気孔H1,H2が形成される。
【0030】
通気孔H1,H2の形成原理:
つぎに、前記通気孔H1,H2の形成原理について、図4A,図4Bおよび図4Cに基づいて説明する。なお、以下の説明では、複合シートW3を1本の実線で省略して図示する共に、1個の前記突起21を例示して説明する。
【0031】
図4Aにおいて、まず、1つの突起21がホーン10に対峙し始めるとドラム20dの曲率により突起21の一部のみが複合シートW3を介してホーン10に接触する。すなわち、振動するホーン10に突起21のエッジ部の外周縁の前方部分(ドラム20dの回転方向の下流側端部)21aが接触することで、図2Aに示す弾性シートFが、当該接触部分において切断されて、伸張状態の弾性シートFにスリットが形成され、弾性シートの張力により、前記スリットが伸張方向(長手方向X)に拡がって第1通気孔H1が形成される。
【0032】
その後、図4Bに示すように、ドラム20dが回転し、振動するホーン10に突起21の平坦部21bが接触し、不織布W1,W2および弾性シートFが互いに超音波溶着される。
【0033】
前記溶着後、図4Cに示すように、ドラム20dが更に回転すると、振動するホーン10に突起21のエッジ部の外周縁の後方部分21cが接触し、同様に、図2Aに示す弾性シートFを当該接触部分において切断することにより、弾性シートFに第2通気孔H2が形成される。
【0034】
したがって、図2Bに示すように、弾性シートFには、不織布W1,W2と互いに溶着される接合箇所Mが形成されると共に、該接合箇所Mの外縁Mcの流れ方向Xの前後のみが切断された切断部Mc1,Mc2によって通気孔H1,H2が形成される。ここで、前述のように、弾性シートFは伸張状態で搬送されているので、エッジ部21a,21cにより切断力が付加されると、容易に切断されると共に、前記エッジ部21a,21cによりスリット状に切断されることで、図2に示すように、通気孔H1,H2は流れ方向Xに若干拡がった状態となる。
その後、前記積層伸縮シートWに図示しない股部が接着され、個々のおむつに切り分けられる。
【0035】
つぎに、図3のドラム20dの直径D1およびホーンの幅D2について考察する。
前述のように、突起21の回転方向の前後がエッジとして作用するためには、ドラム20dの直径D1がある程度以上小さい必要があると共に、ホーン10の幅D2がある程度以上大きくなければならない。
一方、強度上の問題からドラム20dの直径D1はある程度以上大きい必要がある。
【0036】
かかる観点からドラム20dの直径D1は、50mm〜400mm が好ましく、100mm 〜300mm が最も好ましい。また、ホーンの幅D2は、10mm〜40mmが好ましく、15mm〜30mmが最も好ましい。
【0037】
一方、弾性シートFの厚さとしては、20μm 〜 300μmmのフィルム状の薄いものを用いることができ、30μm 〜 200μmmが好ましく、40μm 〜 100μmmが最も好ましい。
フィルムが厚いと経済性および被切断性が低下し、一方、フィルムが薄いと着用感は向上するものの、強度が低下して超音波接合時に破断を生じるおそれがある。
【0038】
このように、振動するホーン10に突起21のエッジ部21a,21cが接触することにより、不織布W1,W2および弾性シートFの接合箇所Mの外縁Mcの一部に通気孔H1,H2が形成される。
したがって、ホットメルト樹脂などからなる接着剤を大幅に削減することができるので、製造コストの低減を図り得る。また、前記接着剤が削減されることにより、積層伸縮シートの風合いの低下を防止することができる。
【0039】
さらに、超音波接合工程において、弾性シートFに通気孔H1,H2が形成されるので、別途、通気孔の加工工程を要しない。
また、ドラム20dにおける突起21の配置を変更することにより、接合箇所Mの配置が変更されることで、積層伸縮シートの伸縮率を所定の値に設定することができる。
また、超音波接合により積層伸縮シートの接合を行うので、熱圧着(ヒートシール)を行う場合に比べ、弾性シートFへの熱によるダメージを少なくすることができる。
【0040】
なお、前記突起21の形状としては、前述の円筒形の他に種々の形状が考えられるが、アンビルとしてドラムを用いない場合には、たとえば、突起21のエッジ部の流れ方向Xの前方および/または後方をホーン10に向って突出させた形状などにする必要がある。
【0041】
接合パターン:
つぎに、弾性シートFの伸縮率と接合パターンの関係について説明する。
図5Aは伸張状態の積層伸縮シートW、図5Bは伸張力を解放して自由長になった状態の積層伸縮シートWを示す。
伸縮方向Xにおいて、接合箇所Mの長さA、非接合部の長さBと、接合時の弾性シートFの伸縮率は、積層伸縮シートWの伸縮率C:C1について下記の(1) 式で表される。
伸縮率=C:C1=A+B:A+B1…(1)
ただし、A=接合箇所Mの長さ
B=非接合部の長さ
B1=自由長になった状態の非接合部の長さ
【0042】
接合箇所Mの配置からなる接合パターンは、前記(1) 式を満足していれば、生産性や装飾性などにおいて自由にデザインすることができる。
たとえば、生産性を重視する場合には、接合箇所Mの長さAを小さくすることにより高速生産が可能となる。
一方、装飾性を重視する場合には、ライン状やカーブ状、ドット状、文字、絵柄など接合箇所Mの配置を変更することにより、積層伸縮シートWに種々のデザインを付与することができる。
【0043】
なお、長手方向(流れ方向)Xにスリットした弾性シートFや、流れ方向Xに交差するように切断された弾性シートFを用いてもよいし、複数本の糸状の弾性シートFを用いてもよい。
さらに、前記接合箇所Mの配置を部分的に変更することにより、積層伸縮シートWの伸縮率をコントロールすることで、機能性の向上を図ってもよい。
【0044】
なお、必ずしも弾性シートFを伸張状態で搬送する必要はなく、複合シートW3の溶着および通気孔H1,H2の形成は弾性シートFが自由長になった状態で行ってもよい。かかる場合には、長手方向Xに伸張可能な不織布W1,W2を用いるのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、たとえば、着用物品などに用いる積層伸縮シートの製造方法に採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施例にかかる積層伸縮シートの製造方法を示す概略斜視図である。
【図2】図2Aは複合伸縮シートの概略断面図、図2Bは弾性シートの概略平面図、図2Cは複合伸縮シートの概略平面図である。
【図3】シール装置を示す概略側面図である。
【図4】積層伸縮シートの製造方法を示す概略側面図である。
【図5】積層伸縮シートの伸張率を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0047】
10:ホーン
20:アンビル
20d:ドラム
21:突起
21a,21c:エッジ部
21b:平坦部
F:弾性シート
H1,H2:通気孔
M:接合箇所
Mc:外縁
W1,W2:不織布
W3:複合シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層伸縮シートの製造方法であって、
熱可塑性繊維を含む少なくとも2枚の不織布の間に熱可塑性の弾性シートを挟んで複合シートを形成する工程と、
前記複合シートにおける前記2枚の不織布と弾性シートの重なり部分に複数の接合箇所において振動エネルギーを与えて、前記2枚の不織布と弾性シートとを溶着する超音波接合工程とを備え、
超音波接合工程において、前記接合箇所外縁の一部のみにおいて前記弾性シートに通気孔が形成される積層伸縮シートの製造方法。
【請求項2】
請求項1において、前記熱可塑性の弾性シートを搬送しながら伸張する工程を更に備え、前記2枚の不織布の間に挟まれた前記弾性シートが伸張状態において前記超音波接合工程が実行される積層伸縮シートの製造方法。
【請求項3】
請求項1もしくは2において、前記複数の接合箇所に対応する複数の突起を有し、前記複合シートを搬送するアンビルと、前記アンビルと協働して前記複合シートに振動エネルギーを与えるホーンとの間で前記溶着工程が行われ、
前記各突起は前記ホーンに対面可能で、かつ、平坦な平坦部と、前記平坦部の外周縁に形成されたエッジ部とを備え、
前記エッジ部に前記複合シートを介して前記ホーンが間欠的に接触することで前記通気孔が形成される積層伸縮シートの製造方法。
【請求項4】
請求項3において、前記アンビルは所定の軸線のまわりに回転するドラムの外周に前記突起が形成されており、
前記ドラムの回転に伴って前記複合シートが搬送され、前記搬送中に前記複合シートが前記突起とホーンとの間で前記溶着がなされると共に前記通気孔が前記弾性シートに形成される積層伸縮シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−260131(P2008−260131A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102328(P2007−102328)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(591040708)株式会社瑞光 (78)
【Fターム(参考)】