説明

積層床反応器による分解ナフサ・ストリームの多段水素化脱硫

相当量のオレフィンおよび有機結合した硫黄を含むナフサ・ストリームの選択的水素化脱硫方法。ナフサ・ストリームを、第1の水素化脱硫触媒の床を含む第1の反応域を経由して通過させ、次に、得られた生成物ストリームを、第2の水素化脱硫触媒の床を含む第2の反応域を経由して通過させることにより、ナフサ・ストリームが選択的に水素化脱硫される。その第2の水素化脱硫触媒は、第1の水素化脱硫触媒に比べて、低レベルの触媒金属を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相当量のオレフィンおよび有機結合した硫黄を含むナフサ・ストリームの選択的水素化脱硫方法に関する。ナフサ・ストリームを、第1の水素化脱硫触媒床を含む第1の反応域を経由して通過させ、次に、得られた生成物ストリームを、第2の水素化脱硫触媒床を含む第2の反応域を経由して通過させることにより、ナフサ・ストリームが選択的に水素化脱硫される。その第2の水素化脱硫触媒は、第1の水素化脱硫触媒に比べて、低レベルの触媒金属を含む。
【背景技術】
【0002】
自動車ガソリンの硫黄レベルに関する、環境保護によって推し進められる規制圧力により、2004年までに硫黄50wppm未満の自動車ガソリンの製造が普及すると予想されている。以降の年には10wppm未満のレベルが考えられている。一般に、これは分解ナフサの深度脱硫を必要とするだろう。分解ナフサは、流動接触分解操作、水蒸気分解、コーキング、および関連するプロセスから得られるナフサである。かかるナフサは一般に、相当量の硫黄およびオレフィンの両方を含む。分解ナフサの深度脱硫は、望ましくないオレフィンの飽和を伴うオクタン価の過度の損失なしで、硫黄レベルを低減させるための改善された技術を必要とする。
【0003】
水素化脱硫は、精製(refining)および石油化学工業の基本的な水素化処理プロセスの一つである。水素化脱硫により、硫化水素への転化によって、有機結合した硫黄が除去される。水素化脱硫は一般に、非貴金属硫化物の担持および非担持触媒、特にそうしたCo/MoおよびNi/Mo上での水素との反応により達成される。これは通常、製品品質規格を満たすために、または、脱硫したストリームを硫黄に敏感な後続のプロセスに供給するために、かなり厳しい温度および圧力で達成される。
【0004】
流動接触分解ナフサおよびコーカー・ナフサからの分解ナフサなどの、オレフィン性のナフサは、約20重量%を超えるオレフィンを含むことがある。水素化脱硫操作の間に、少なくとも一部のオレフィンが水素添加される。いくつかの自動車燃料用途に対して、オレフィンはハイオクタン成分であるので、一般に、オレフィンに水素添加して、一般にオクタン価の低い飽和化合物にするよりはむしろ、オレフィンをできる限り多く保持することが望ましい。通常の新品の水素化脱硫触媒は、水素添加活性および脱硫活性をともに有する。脱硫に必要とされる通常の条件下で通常のナフサ脱硫触媒を用いた分解ナフサの水素化脱硫では、一般には水素添加によってオレフィンの著しい損失となる。このため、所望の高オクタン価の燃料を製造するために、異性化、ブレンディングその他の追加の精製を必要とする低品位の燃料生成物になる。こうした追加の精製または過程は、最終的なナフサ生成物のコストを著しく増加させる。
【0005】
選択的な触媒および/または工程条件などの各種の技術によってオレフィンの水素添加およびオクタン価の低下を最小にしながら、有機結合した硫黄を除去するための選択的な水素化脱硫が、当技術分野で説明されてきた。例えば、スキャンファイニング(SCANfining)と呼ばれる方法が、エクソンモービル社(ExxonMobil Corporation)により開発された。その方法では、オレフィン性ナフサが、オクタン価の損失がほとんどなく、選択的に脱硫される。特許文献1、特許文献2および特許文献3は、スキャンファイニングの各種の態様を開示している。これらの全ては参照により本願明細書に援用される。著しいオレフィンの飽和およびオクタン価の損失を回避するため、選択的な水素化脱硫方法が開発されたが、かかる方法は、保持されているオレフィンと反応して、リバージョン(reversion)によりメルカプタン硫黄を生成する、HSを遊離する傾向を有する。
【0006】
多くの製油業者は、経済的な目的を最適化するために、入手できる脱硫技術の組合せを考えている。製油業者は、低硫黄自動車ガソリンの目的を満たすための資本投下を最小にしようと努めてきたので、技術供給者は、分解ナフサを、個々の脱硫技術に最もよく適している各種の留分に蒸留することを含む様々な戦略を工夫してきた。かかるシステムの経済的な側面が、単一の処理技術と比較して好適に見える場合がある反面、全体的な精製操作(refinery operation)の複雑さが増大し、成功した自動車ガソリンの製造は、多数の重要な脱硫操作に依存している。オレフィンの飽和、資本投下、および操作上の複雑さを最小にする経済的に競争できる脱硫戦略が、製油業者によって支持される。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,985,136号明細書
【特許文献2】米国特許第6,013,598号明細書
【特許文献3】米国特許第6,126,814号明細書
【非特許文献1】「硫化モリブデンの構造および特性:O2化学吸着の水素化脱硫活性との相関関係(Structure and Properties of Molybdenum Sulfide: Correlation of O2 Chemisorption with Hydrodesulfurization Activity)」(S.J.タウスター(Tauster)ら、ジャーナル・オブ・カタリシス63(Journal of Catalysis 63)、pp515〜519(1980))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、接触分解ナフサおよびコーカー・ナフサなどの分解ナフサの水素化処理コストを低減することになる技術のニーズが当技術分野にある。また、オレフィンの飽和、全硫黄、およびメルカプタン・リバージョンから生じるメルカプタン硫黄を最小にする、より経済的な水素化処理方法のニーズもある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、相当量の有機結合した硫黄およびオレフィンを含む、ナフサ沸点範囲のオレフィン性原料油ストリーム(オレフィン性ナフサ原料油ストリーム)を、相当量のオレフィンを保持しつつ水素化脱硫する方法であって、
a)水素化脱硫条件下で運転される第1の反応域において、水素および第1の水素化脱硫触媒の存在下で、前記原料油ストリームを水素化脱硫して、部分的に脱硫された生成物ストリームを得る工程であって、前記第1の水素化脱硫触媒は、平均細孔径約60〜約200オングストロームで、第VIII族金属酸化物2〜30重量%および第VI族金属酸化物5〜50重量%を含み、前記第1の反応域は、前記原料油ストリームにおける約20〜約99%の所望の全硫黄低減が起こるような水素化脱硫条件で運転されることを特徴とする工程;および
b)水素化脱硫条件下で運転される第2の反応域において、水素および第2の水素化脱硫触媒の存在下で、前記工程a)の部分的に脱硫されたナフサ生成物ストリームを水素化脱硫する工程であって、前記第2の水素化脱硫触媒は、平均細孔径60〜200オングストロームで、第VIII族金属0.1〜27重量%および第VI族金属1〜45重量%を含み、また前記第2の水素化脱硫触媒は、それぞれの金属が、前記第1の水素化脱硫触媒上に存在する量より10〜95%少ない量で存在するような金属充填量、および前記第1の水素化脱硫触媒以上の平均細孔径を有することを特徴とする工程
を含むことを特徴とする水素化脱硫方法が提供される。
【0010】
一実施形態では、第1の反応域における原料脱硫の量が、所望の全硫黄低減の約20〜約95%の範囲にある(この方法で目標量の脱硫に到達するために)。好ましくは、原料脱硫域の量は、所望の全硫黄低減の約20〜約90%、より好ましくは約20〜約75%、更により好ましくは約20〜約60%の範囲にある。
【0011】
好適な実施形態では、原料油ストリームは、約50°F(10℃)〜約450°F(232℃)の範囲で沸騰する。
【0012】
好適な別の実施形態では、水素化脱硫反応条件には、約232℃(450°F)〜約427℃(800°F)の温度、約60〜800psigの圧力、および、1バレルあたり約1000〜6000標準立方フィートの水素処理ガス比が含まれる。
【0013】
好適な更に別の実施形態では、前記第1の水素化脱硫触媒は、約60〜約200オングストロームの平均細孔径を有し、Mo成分が、MoOとして計算して約1〜約10重量%になる量で存在し、Co成分が、CoOとして計算して約0.1〜約5重量%になる量で存在し、Co/Mo原子比が約0.1〜約1になるように、Mo触媒成分、Co触媒成分、および担体成分を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に使用するのに適切な原料油は、一般に約50°(10℃)〜約450°F(232℃)の範囲で沸騰する、オレフィン性ナフサ沸点範囲の製油所ストリームである。本願明細書で用いられる用語「オレフィン性ナフサ・ストリーム」には、少なくとも約5重量%のオレフィン含有量を有するストリームが含まれる。オレフィン性ナフサ・ストリームの限定されない例には、流動接触分解装置ナフサ(FCC接触ナフサまたはキャット・ナフサ(cat naphtha))、水蒸気分解ナフサ、およびコーカー・ナフサが含まれる。ブレンドが、ナフサ・ストリームの全体重量を基準にして、少なくとも約5重量%のオレフィン含有量を有する限り、オレフィン性ナフサと非オレフィン性ナフサのブレンドもまた含まれる。
【0015】
分解ナフサ製油所ストリームには一般に、パラフィン、ナフテン、および芳香族だけでなく、開鎖および環状オレフィン、ジエン、並びにオレフィン性側鎖を有する環式炭化水素などの、不飽和化合物もまた含まれる。オレフィン性ナフサの原料油ストリームは、約60重量%程度の高さ、より典型的には約50重量%程度の高さ、最も典型的には約5〜約40重量%の範囲のオレフィン全体の濃度を含むことがある。オレフィン性ナフサの原料油ストリームはまた、約15重量%までの、しかしより典型的には原料油の合計重量を基準にして、約5重量%未満のジエン濃度を有することがある。オレフィン性ナフサの硫黄含有量は一般に、約50〜約7000wppm、より典型的には約100〜約5000wppm、最も典型的には約200〜約3000wppmの範囲にあるだろう。硫黄は通常、有機結合した硫黄として存在するだろう。すなわち、単純な脂肪族、ナフテン系、および芳香族メルカプタン、スルフィド、ジおよびポリスルフィド、並びにその他類似物などの、硫黄化合物として存在する。他の有機結合した硫黄化合物には、チオフェン、およびその高級同族体、並びに類似物などの複素環式硫黄化合物の一群が含まれる。窒素もまた、約5〜約500wppmの範囲で存在することがある。
【0016】
上記のように、できるだけオレフィンの飽和を少なくして、硫黄を分解ナフサから除去することが強く望まれる。また、できるだけメルカプタン・リバージョンを少なくして、ナフサの有機硫黄種の同量を硫化水素に転化することが強く望まれる。メルカプタン・リバージョンは、水素化脱硫プロセスの間に、硫化水素がオレフィンと反応して、望ましくないアルキルメルカプタンを生成することを意味する。
【0017】
過度のオレフィン飽和またはメルカプタン・リバージョンが起こることなく、予想外に高レベルの硫黄が、オレフィン性ナフサ・ストリームから除去できることが判明した。脱硫される原料油ストリームは一般に、最終的な加熱のための反応器に入る前に、目標の第1の脱硫反応域温度まで予熱される。原料油ストリームを、第1の水素化脱硫域に送り、そこで原料油ストリームを、水素化脱硫条件で、水素含有ガス状ストリームの存在下で、第1の水素化脱硫触媒に接触させる。ナフサ原料油ストリームが予熱されている場合、原料油ストリームを、予熱の前、予熱の間、および/または予熱の後、水素含有処理ストリームと反応させることができる。また、少なくとも一部の水素含有処理ガスを、第1の水素化脱硫反応域の中間の位置で加えることができる。水素含有処理ガス・ストリームは、実質的に純粋な水素を含んでもよく、または、水素含有処理ガス・ストリームは、一般に製油所水素ストリームに見出される他の成分との混合物でもよい。水素含有処理ガス・ストリームが、ほとんど硫化水素を含まない、より好ましくは全く含まないことが好ましい。水素含有ストリームの純度は、少なくとも約50体積%の水素、好ましくは少なくとも約75体積%の水素、より好ましくは最善の結果のために少なくとも約90体積%の水素であるべきである。水素含有ストリームは、実質的に純粋な水素であることが最も好ましい。
【0018】
第1の水素化脱硫域を、選択的な水素化脱硫条件の下で運転することが好ましく、その水素化脱硫条件は、原料油ストリームの有機結合した硫黄種の濃度およびタイプの関数として変化するだろう。「選択的な水素化脱硫」は、水素化脱硫域を、できるだけ高レベルの硫黄除去、およびできるだけ低レベルのオレフィン飽和を達成するような方法で運転することを意味する。水素化脱硫域はまた、できるだけ同量のメルカプタン・リバージョンを回避するように運転される。一般に、第1および第2の水素化脱硫域の両方、並びに任意の後続の水素化脱硫域のための水素化脱硫条件には、約232℃(450°F)〜約427℃(800°F)、好ましくは約260℃(500°F)〜約355℃(671°F)の温度、約60〜800psig、好ましくは約200〜500psigの圧力、1バレルあたり約1000〜6000標準立方フィート(scf/b)、好ましくは約1000〜3000scf/bの水素供給比、および、約260℃(500°F)〜約355℃(671°F)、より好ましくは約1〜約5hr−1の液空間速度が含まれる。
【0019】
この第1の水素化脱硫反応域は、1個もしくはそれ以上の固定層型反応器を含むことができ、その各々は、同じ触媒の1個もしくはそれ以上の触媒床を含むことができる。他のタイプの触媒床を使用することができるが、固定床が好ましい。かかる他のタイプの触媒床には、流動床、懸濁気泡床、懸濁床、および移動床が含まれる。若干のオレフィン飽和が起こる可能性があり、オレフィン飽和および脱硫反応が一般に発熱であるので、反応器の間の中間冷却、または、同じ反応器中の触媒床の間の中間冷却を用いてもよい。水素化脱硫の間に発生した熱の一部を回収してもよい。この熱回収オプションが利用できない場合、冷却水または空気などの冷却ユーティリティーによって、あるいは、水素クエンチ・ストリームを使用することによって、通常の冷却を行ってもよい。このようにして、最適反応温度をより容易に維持することができる。第1の水素化脱硫域を、脱硫の合計目標量のうちの約20〜99%、より好ましくは約20〜約95%が、第1の水素化脱硫域で到達し、脱硫の合計目標量に到達するためのそれ以上の硫黄除去が、第2の水素化脱硫域で起こるような方法で構成し、かつ、そのような水素化脱硫条件下で運転することが好ましい。換言すれば、原料脱硫の合計量を、合計のうちのより大きい部分を第1の水素化脱硫で除去し、合計のうちのより小さい部分を第2の水素化脱硫域で除去するプロセスを目標にする。一実施形態では、第1の水素化脱硫域で除去する部分は、原料脱硫目標の合計量の約20%よりも高い範囲にある。第1の水素化脱硫域で除去する合計原料脱硫目標の割り当ては、議論したように、プロセスの触媒選択および運転条件に依存する。一般に、この割り当ては、合計脱硫目標の約20〜約60%、約75%、約90%、または約99%の範囲にあるだろう。
【0020】
第1および第2の水素化脱硫域の両方に使用するのに適切な水素化処理触媒は、大きい表面積の担体物質、好ましくはアルミナ上に、少なくとも1種の第VIII族金属酸化物、好ましくはFe、Co、およびNiから選択される金属の酸化物、より好ましくはCoおよび/またはNiの酸化物、最も好ましくはCoの酸化物、並びに、少なくとも1種の第VI族金属酸化物、好ましくはMoおよびWから選択される金属の酸化物、より好ましくはMoの酸化物を含む。他の適切な水素化処理触媒には、ゼオライト系触媒、並びに、貴金属がPdおよびPtから選択される貴金属触媒が含まれる。1種以上のタイプの水素化処理触媒を、同じ反応容器内に使用することは、本発明の範囲内である。第1の水素化脱硫触媒の第VIII族金属酸化物は一般に、約2〜約20重量%、好ましくは約4〜約12%の範囲の量で存在する。第VI族金属酸化物は一般に、約5〜約50重量%、好ましくは約10〜約40重量%、より好ましくは約20〜約30重量%の範囲の量で存在するだろう。全ての金属酸化物重量パーセントは、担体に関してのものである。「担体に関して」は、パーセントが担体の重量に基づくことを意味する。例えば、仮に担体が100gの重さならば、20重量%の第VIII族金属酸化物は、20gの第VIII族金属酸化物が担体上にあることを意味することになる。
【0021】
第2の水素化脱硫域で使用する選択的な水素化脱硫触媒の好適な特性は、上記の範囲内の金属充填を有することにより特徴づけられる。しかし、第2の反応域水素化脱硫触媒は、第2の触媒に存在するそれぞれの金属酸化物の重量%が、第1の域水素化脱硫触媒に存在する同じ族の金属酸化物の量より約10〜約95%少なく、好ましくは第2の触媒に存在するそれぞれの金属酸化物の重量%が、第1の触媒のそれより約30〜約90%少なく、最も好ましくは約50〜約85%少ないことで特徴づけられる。例えば、第1の水素化脱硫触媒が、20重量%の第VIII族金属酸化物、および50重量%の第VI族金属酸化物を含む場合、第2の水素化脱硫触媒は、第VIII族金属酸化物が、第1の水素化脱硫触媒上に存在する第VIII族金属酸化物の20重量%より約10〜約95%少ない量で存在し、第VI族金属酸化物が、同様に、第1の水素化脱硫触媒上に存在する第VI族金属酸化物の50重量%より約10〜約95%少ない量で存在するような金属充填を有することになる。更に、第2の水素化脱硫触媒は、第1の水素化脱硫触媒の平均細孔径以上の平均細孔径を有する。
【0022】
第2の水素化脱硫域の好適な触媒はまた、酸素化学吸着テスト(Oxygen Chemisorption Test)で測定して、高度な金属硫化物エッジプレーン領域(edge plane area)を有するだろう。酸素化学吸着テストは、非特許文献1に記載されている。これは、参照により本明細書に援用されるものとする。酸素化学吸着テストは、エッジプレーン領域の測定を含み、酸素のパルスが、キャリヤーガス・ストリームに加えられ、それによって触媒床を速やかに通り抜ける。例えば、酸素化学吸着は、約800〜2,800、好ましくは約1,000〜2,200、より好ましくは約1,200〜2,000μmol酸素/グラムMoOだろう。用語「水素化処理」および「水素化脱硫」は、本願明細書ではしばしば互換性があるように使用される。
【0023】
第2の水素化脱硫域に最も好適な触媒は、以下の特性により特徴づけることができる。(a)触媒の合計重量を基準にして、約1〜25重量%、好ましくは約4〜19重量%、より好ましくは約5〜16重量%のMoO濃度、(b)やはり触媒の合計重量を基準にして、約0.1〜6重量%、好ましくは約0.5〜5.5重量%、より好ましくは約1〜5重量%のCoO濃度、(c)約0.1〜約1.0、好ましくは約0.20〜約0.80、より好ましくは約0.25〜約0.72のCo/Mo原子比、(d)約60〜約200オングストローム、好ましくは約75〜約175オングストローム、より好ましくは約80〜約150オングストロームの平均細孔径、(e)約0.5×10−4〜約3×10−4、好ましくは約0.75×10−4〜約2.5×10−4、より好ましくは1×10−4〜約2×10−4 gMoO/mのMoO表面濃度、および、(f)2.0mm未満、好ましくは約1.6mm未満、より好ましくは約1.4mm未満、最も好ましくは商用の水素化脱硫プロセス装置にとって実用的なものと同程度の小ささの平均粒径直径。
【0024】
本発明の実施において使用される触媒は、担持された触媒であることが好ましい。任意の適切な耐火性の触媒担体物質、好ましくは無機酸化物担体物質を、本発明の触媒用の担体として使用することができる。適切な担体物質の限定されない例には、ゼオライト、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、炭素、ジルコニア、珪藻土、ランタニド酸化物(酸化セリウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化イットリウムおよび酸化プラセオジムを含む)、クロミア、酸化トリウム、ウラニア、ニオビア、タンタラ、酸化スズ、酸化亜鉛およびリン酸アルミニウムが含まれる。アルミナ、シリカ、およびシリカ−アルミナが好ましい。より好ましいのはアルミナである。マグネシアもまた、本発明の高度な金属硫化物エッジプレーン領域を有する触媒用に使用することができる。担体物質はまた、Fe、硫酸塩、シリカ、および、担体物質の調製中に導入される可能性がある様々な金属酸化物などの、小量の汚染物を含み得ることを理解すべきである。これらの汚染物は、担体を調製するために使用する原材料に存在し、担体の合計重量を基準にして、約1重量%未満の量で存在することが好ましい。担体物質が、かかる汚染物を実質的に含まないことがより好ましい。添加物の約0〜5重量%、好ましくは約0.5〜4重量%、より好ましくは約1〜3重量%が、担体中に存在するのは、本発明の一実施形態であり、その添加物は、リン、および金属、または元素周期表の第IA族からの金属酸化物(アルカリ金属)よりなる群から選択される。
【0025】
次の実施例は、本発明を例示するために示され、形はどうであれ限定するものと考えるべきでない。
【実施例】
【0026】
本明細書で使用されるように、触媒Aは、上記第1の水素化脱硫域に存在する触媒を指すこと、および、触媒Bは、上記第2の水素化脱硫域に存在する触媒を指すことを意味する。
【0027】
次の例示的な実施例の全てにおいて、特に明記しない限り、触媒Aの水素化脱硫の相対的な触媒活性(RCA)が100%であるように選び、触媒BのRCAが400%であるように選び、出口圧力は300psigであり、1バレルあたりの処理ガス比が、80%のH純度で2000標準立方フィートである。
【0028】
実施例1
表1のデータは、触媒Bが水素化脱硫触媒であるというモデル予想に基づく。触媒Bの組成を、95オングストロームの平均細孔径を有するアルミナ上で、4.3重量%のMoO、1.2重量%のCoOであるとした。最初の原料油ストリームは、約50°F(10℃)〜約450°F(232℃)の範囲で沸騰するナフサ原料油ストリームであり、700wppmの硫黄を含み、かつ74cg/gの臭素価を有する。この原料油ストリームを、水素化脱硫条件の下で、30wppmの硫黄まで脱硫した。水素化脱硫反応器の条件には、反応器の出口で全圧力300psig、H純度が80:20 v/v H:CHの水素処理ガス比2000scf/bbl、および、液空間速度(LHSV)2.1v/hr/vが含まれる。反応器の平均温度(T)は、熱電対デバイスを使用して反応器の入口温度(TIN)を測定し、およびまた、同じデバイスを使用して反応器の出口温度(TOUT)を測定することにより計算される。次に、TINとTOUTの合計を2で割ることにより、平均温度を計算した。また、走行オクタン価(RON)およびモーター法オクタン価(MON)の両方のオクタン価の損失を決定した。ΔRONとΔMONの合計を2で割ることにより、合計走行オクタン価の損失を計算した。
【0029】
【表1】

【0030】
実施例2
表2のデータは、実施例1のナフサ原料油ストリームの水素化脱硫をモデル化することにより得た。水素化脱硫反応器条件は、原料油ストリームの硫黄および臭素価とともに表2に開示した。表2のデータは、触媒として触媒Aを使用することにより得た。触媒Aは、80オングストロームの平均細孔径を有するアルミナ上で、15.0重量%のMoO、4.0重量%のCoOを含むように選んだ。
【0031】
【表2】

【0032】
実施例3
表3のデータは、実施例1のナフサ原料油ストリームの水素化脱硫をモデル化することにより得た。選択された水素化脱硫反応器条件は、原料油ストリームの硫黄および臭素価とともに表3に開示した。表3のデータは、2段の反応段を利用することにより得た。2段の反応段では、触媒Bを、第1の水素化脱硫触媒として、第1の反応段である上部床に使用し、第2の反応段である底部床にある触媒Aを、第2の水素化脱硫触媒として使用した。
【0033】
【表3】

【0034】
実施例4
表4のデータは、実施例1のナフサ原料油ストリームの水素化脱硫をモデル化することにより得た。水素化脱硫反応器条件は、原料油ストリームの硫黄および臭素価とともに表4に開示した。表4のデータは、2段の反応段を利用することにより得た。2段の反応段では、触媒Aを、第1の水素化脱硫触媒として、第1の反応段である上部床に使用し、第2の反応段である底部床にある触媒Bを、第2の水素化脱硫触媒として使用した。
【0035】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
相当量の有機結合した硫黄およびオレフィンを含む、ナフサ沸点範囲のオレフィン性原料油ストリーム(オレフィン性ナフサ原料油ストリーム)を、相当量のオレフィンを保持しつつ水素化脱硫する方法であって、
a)水素化脱硫条件下で運転される第1の反応域において、水素および第1の水素化脱硫触媒の存在下で、前記原料油ストリームを水素化脱硫して、部分的に脱硫された生成物ストリームを得る工程であって、前記第1の水素化脱硫触媒は、平均細孔径60〜200オングストロームで、第VIII族金属酸化物1〜30重量%および第VI族金属酸化物5〜50重量%を含み、前記第1の反応域は、前記原料油ストリームにおける20〜99%の硫黄低減が、この第1の反応域で起こるような水素化脱硫条件で運転されることを特徴とする工程;および
b)第2の反応域において、前記工程a)の部分的に脱硫された生成物ストリームを水素化脱硫する工程であって、前記第2の反応域は、第VIII族金属0.1〜27重量%および第VI族金属1〜45重量%を含み、平均細孔径60〜200オングストロームの第2の水素化脱硫触媒を含む水素化脱硫条件で運転され、前記第2の水素化脱硫触媒は、それぞれの金属が、前記第1の水素化脱硫触媒上に存在する量より10〜95%少ない量で存在するような金属充填量、および前記第1の水素化脱硫触媒以上の平均細孔径を有することを特徴とする工程
を含むことを特徴とする水素化脱硫方法。
【請求項2】
前記オレフィン性ナフサ原料油ストリームは、全オレフィン含有量が60重量%以下、硫黄含有量が50〜7000wppmであることを特徴とする請求項1に記載の水素化脱硫方法。
【請求項3】
前記第1および第2の反応域は、450〜800°Fの温度、60〜800psigの圧力、1000〜6000scf/bの水素処理ガス比および0.5〜15hr−1の液空間速度で運転されることを特徴とする請求項1に記載の水素化脱硫方法。
【請求項4】
前記第1の触媒および前記第2の触媒は、適切な耐火性担体に担持されていることを特徴とする請求項3に記載の水素化脱硫方法。
【請求項5】
前記第1の反応域の記第1の触媒は、2〜25.0重量%のMoOおよび1〜6.0重量%のCoOを含むことを特徴とする請求項4に記載の水素化脱硫方法。
【請求項6】
前記第2の反応域の前記第2の触媒は、1.0〜10.0重量%のMoOおよび0.1〜5.0重量%のCoOを含むことを特徴とする請求項4に記載の水素化脱硫方法。
【請求項7】
前記第2の水素化脱硫触媒は、60〜200オングストロームの平均細孔径、0.5×10−4〜3.0×10−4 gMoO/mのMoO表面濃度および2.0mm未満の平均粒径を有することを特徴とする請求項5に記載の水素化脱硫方法。
【請求項8】
前記適切な耐火性担体は、ゼオライト、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、炭素、ジルコニア、珪藻土、ランタニド酸化物(酸化セリウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化イットリウムおよび酸化プラセオジムを含む)、クロミア、酸化トリウム、ウラニア、ニオビア、タンタラ、酸化スズ、酸化亜鉛およびリン酸アルミニウムよりなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の水素化脱硫方法。
【請求項9】
前記適切な耐火性担体は、アルミナ、シリカおよびシリカ−アルミナよりなる群から選択されることを特徴とする請求項8に記載の水素化脱硫方法。
【請求項10】
前記適切な耐火性担体は、アルミナであることを特徴とする請求項9に記載の水素化脱硫方法。
【請求項11】
硫黄低減のうちの20〜60%は、前記第1の水素化脱硫域で起こることを特徴とする請求項3に記載の水素化脱硫方法。
【請求項12】
前記第2の触媒のCo/Mo比は、0.1〜1.0であることを特徴とする請求項5に記載の水素化脱硫方法。
【請求項13】
前記オレフィン性ナフサ原料油ストリームを気相で反応させることを特徴とする請求項1に記載の水素化脱硫方法。
【請求項14】
前記第1および第2の水素化脱硫段階の間で中間冷却を行うことを特徴とする請求項13に記載の水素化脱硫方法。
【請求項15】
原料油ストリームを、前記第1の反応域に入る前に、水素化脱硫温度までの温度に予熱することを特徴とする請求項13に記載の水素化脱硫方法。
【請求項16】
前記オレフィン性ナフサ原料油ストリームのジエン濃度は、15重量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の水素化脱硫方法。
【請求項17】
前記第1および第2の水素化脱硫触媒は、リン、アルカリ金属およびアルカリ金属酸化物よりなる群から選択される添加物を1.0〜3.0重量%含むことを特徴とする請求項4に記載の水素化脱硫方法。
【請求項18】
50°F(10℃)〜450°F(232℃)の範囲で沸騰し、相当量の有機結合した硫黄およびオレフィンを含むオレフィン性ナフサ原料油ストリームを、相当量のオレフィンを保持しつつ水素化脱硫する方法であって、
a)前記オレフィン性ナフサ原料油ストリームを予熱する工程;
b)水素化脱硫条件下で運転される第1の反応域において、水素および第1の水素化脱硫触媒の存在下で、前記原料油ストリームを水素化脱硫して、部分的に脱硫された生成物ストリームを得る工程であって、前記第1の水素化脱硫触媒は、平均細孔径60〜200オングストロームで、第VIII族金属酸化物1〜30重量%および第VI族金属酸化物5〜50重量%を含み、前記第1の反応域は、前記原料油ストリームにおける20〜99%の硫黄低減が、この第1の反応域で起こるような水素化脱硫条件で運転されることを特徴とする工程;および
c)第2の反応域において、前記工程b)の部分的に脱硫された生成物ストリームを水素化脱硫する工程であって、前記第2の反応域は、第VIII族金属0.1〜27重量%および第VI族金属1〜45重量%を含み、平均細孔径60〜200オングストロームの第2の水素化脱硫触媒を含む水素化脱硫条件で運転され、前記第2の水素化脱硫触媒は、それぞれの金属が、前記第1の水素化脱硫触媒上に存在する量より10〜95%少ない量で存在するような金属充填量、および前記第1の水素化脱硫触媒以上の平均細孔径を有することを特徴とする工程
を含むことを特徴とする水素化脱硫方法。
【請求項19】
予熱の前、予熱中または予熱の後に、前記オレフィン性ナフサ原料油ストリームを、水素含有ガス状ストリームに接触させることを特徴とする請求項18に記載の水素化脱硫方法。
【請求項20】
前記水素含有ガス状ストリームを、第1の水素化脱硫反応域の中間の位置で加えることを特徴とする請求項18に記載の水素化脱硫方法。
【請求項21】
前記水素含有ガス状ストリームは、少なくとも50体積%の水素を含むことを特徴とする請求項18に記載の水素化脱硫方法。
【請求項22】
前記原料油ストリームは、全オレフィン含有量が60重量%以下、硫黄含有量が50〜7000wppmであることを特徴とする請求項18に記載の水素化脱硫方法。
【請求項23】
前記第1および第2の反応域は、450〜800°Fの温度、60〜800psigの圧力、1000〜6000scf/bの水素処理ガス比および0.5〜15hr−1の液空間速度で運転されることを特徴とする請求項22に記載の水素化脱硫方法。
【請求項24】
前記第1の触媒および前記第2の触媒が、アルミナ担体に担持されていることを特徴とする請求項23に記載の水素化脱硫方法。
【請求項25】
前記第1の反応域の前記第1の触媒は、2〜25.0重量%のMoOおよび1〜6.0重量%のCoOを含み、前記第2の反応域の第2の触媒は、1.0〜10.0重量%のMoOおよび0.1〜5.0重量%のCoOを含むことを特徴とする請求項24に記載の水素化脱硫方法。
【請求項26】
前記第2の水素化脱硫触媒は、60〜200オングストロームの平均細孔径、0.5×10−4〜3.0×10−4 gMoO/mのMoO表面濃度および2.0mm未満の平均粒径を有することを特徴とする請求項25に記載の水素化脱硫方法。
【請求項27】
硫黄低減のうちの20〜60%は、前記第1の水素化脱硫域で起こることを特徴とする請求項26に記載の水素化脱硫方法。
【請求項28】
前記第2の触媒のCo/Mo比は、0.1〜1.0であることを特徴とする請求項27に記載の水素化脱硫方法。
【請求項29】
前記オレフィン性ナフサ原料油ストリームを気相で反応させることを特徴とする請求項18に記載の水素化脱硫方法。
【請求項30】
前記第1および第2の水素化脱硫段階の間で中間冷却を行うことを特徴とする請求項18に記載の水素化脱硫方法。
【請求項31】
原料油ストリームを、前記第1の反応域に入る前に、水素化脱硫温度までの温度に予熱することを特徴とする請求項18に記載の水素化脱硫方法。
【請求項32】
前記オレフィン性ナフサ原料油ストリームのジエン濃度は、15重量%以下であることを特徴とする請求項18に記載の水素化脱硫方法。
【請求項33】
前記第1および第2の水素化脱硫触媒は、リン、アルカリ金属およびアルカリ金属酸化物よりなる群から選択される添加物を1.0〜3.0重量%含むことを特徴とする請求項18に記載の水素化脱硫方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相当量の有機結合した硫黄およびオレフィンを含む、ナフサ沸点範囲のオレフィン性原料油ストリーム(オレフィン性ナフサ原料油ストリーム)を、相当量のオレフィンを保持しつつ水素化脱硫する方法であって、
a)水素化脱硫条件下で運転される第1の反応域において、水素および第1の水素化脱硫触媒の存在下で、前記原料油ストリームを水素化脱硫して、部分的に脱硫された生成物ストリームを得る工程であって、前記第1の水素化脱硫触媒は、平均細孔径60〜200オングストロームで、第VIII族金属酸化物1〜30重量%および第VI族金属酸化物5〜50重量%を含み、前記第1の反応域は、前記原料油ストリームにおける20〜99%の硫黄低減が、この第1の反応域で起こるような水素化脱硫条件で運転されることを特徴とする工程;および
b)第2の反応域において、前記工程a)の部分的に脱硫された生成物ストリームを水素化脱硫する工程であって、前記第2の反応域は、第VIII族金属0.1〜27重量%および第VI族金属1〜45重量%を含み、平均細孔径60〜200オングストロームの第2の水素化脱硫触媒を含む水素化脱硫条件で運転され、前記第2の水素化脱硫触媒は、それぞれの金属が、前記第1の水素化脱硫触媒上に存在する量より10〜95%少ない量で存在するような金属充填量、および前記第1の水素化脱硫触媒以上の平均細孔径を有することを特徴とする工程
を含むことを特徴とする水素化脱硫方法。
【請求項2】
50°F(10℃)〜450°F(232℃)の範囲で沸騰し、相当量の有機結合した硫黄およびオレフィンを含むオレフィン性ナフサ原料油ストリームを、相当量のオレフィンを保持しつつ水素化脱硫する方法であって、
a)前記オレフィン性ナフサ原料油ストリームを予熱する工程;
b)水素化脱硫条件下で運転される第1の反応域において、水素および第1の水素化脱硫触媒の存在下で、前記原料油ストリームを水素化脱硫して、部分的に脱硫された生成物ストリームを得る工程であって、前記第1の水素化脱硫触媒は、平均細孔径60〜200オングストロームで、第VIII族金属酸化物1〜30重量%および第VI族金属酸化物5〜50重量%を含み、前記第1の反応域は、前記原料油ストリームにおける20〜99%の硫黄低減が、この第1の反応域で起こるような水素化脱硫条件で運転されることを特徴とする工程;および
c)第2の反応域において、前記工程b)の部分的に脱硫された生成物ストリームを水素化脱硫する工程であって、前記第2の反応域は、第VIII族金属0.1〜27重量%および第VI族金属1〜45重量%を含み、平均細孔径60〜200オングストロームの第2の水素化脱硫触媒を含む水素化脱硫条件で運転され、前記第2の水素化脱硫触媒は、それぞれの金属が、前記第1の水素化脱硫触媒上に存在する量より10〜95%少ない量で存在するような金属充填量、および前記第1の水素化脱硫触媒以上の平均細孔径を有することを特徴とする工程
を含むことを特徴とする水素化脱硫方法。
【請求項3】
前記オレフィン性ナフサ原料油ストリームは、全オレフィン含有量が60重量%以下、硫黄含有量が50〜7000wppmであることを特徴とする請求項1または2に記載の水素化脱硫方法。
【請求項4】
前記第1および第2の反応域は、450〜800°Fの温度、60〜800psigの圧力、1000〜6000scf/bの水素処理ガス比および0.5〜15hr−1の液空間速度で運転されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水素化脱硫方法。
【請求項5】
前記第1の触媒および前記第2の触媒は、適切な耐火性担体に担持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水素化脱硫方法。
【請求項6】
前記第1の反応域の前記第1の触媒は、2〜25.0重量%のMoOおよび1〜6.0重量%のCoOを含み、前記第2の反応域の第2の触媒は、1.0〜10.0重量%のMoOおよび0.1〜5.0重量%のCoOを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水素化脱硫方法。
【請求項7】
前記第2の水素化脱硫触媒は、60〜200オングストロームの平均細孔径、0.5×10−4〜3.0×10−4 gMoO/mのMoO表面濃度および2.0mm未満の平均粒径を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水素化脱硫方法。
【請求項8】
前記適切な耐火性担体は、ゼオライト、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、炭素、ジルコニア、珪藻土、ランタニド酸化物(酸化セリウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化イットリウムおよび酸化プラセオジムを含む)、クロミア、酸化トリウム、ウラニア、ニオビア、タンタラ、酸化スズ、酸化亜鉛およびリン酸アルミニウムよりなる群から選択されることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の水素化脱硫方法。
【請求項9】
前記適切な耐火性担体は、アルミナ、シリカおよびシリカ−アルミナよりなる群から選択されることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の水素化脱硫方法。
【請求項10】
硫黄低減のうちの20〜60%は、前記第1の水素化脱硫域で起こり、前記第2の触媒のCo/Mo比は、0.1〜1.0であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の水素化脱硫方法。

【公表番号】特表2006−508196(P2006−508196A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−508208(P2004−508208)
【出願日】平成15年5月9日(2003.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2003/014705
【国際公開番号】WO2003/099963
【国際公開日】平成15年12月4日(2003.12.4)
【出願人】(502212589)エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー (7)
【Fターム(参考)】