説明

空気中に存在し、または堆積した、痕跡量の低分子量化合物の検出

空気中にある、または堆積した、痕跡量の低分子量化合物の検出。
空気中にある、または堆積した、痕跡量の低分子量化合物、例えば麻薬または爆薬、を検出する機構および方法であって、帯電したコレクタ表面(該コレクタ表面は、該コレクタ表面の電荷と反対の電荷で空気中にある粒子をイオン化するイオナイザに接続されている)、所望により使用する空気攪拌手段、採集された材料を該コレクタ表面から抽出するための抽出手段、および該抽出された、採集された材料から該化合物を化学的および/または生物化学的に検出する装置を備えてなる機構および方法を開示する。さらに、該コレクタが、該装置の本体から伸びており、好ましくは取り外し可能な、帯電させることができる採集表面を備えており、所望により、装置の空気をイオン化する部分もイオナイザ/コレクタ装置の本体から、該伸びているコレクタアームと共に、またはそれとは別に、延長されている、変形されたイオナイザ/コレクタ装置を開示する。この装置は、バッテリー駆動および持ち運び可能であり、税関、空港警備および警察による、例えば麻薬または爆薬の検出に、あるいは地雷の検出に使用するのに好適である。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、空気中にある、または堆積した、痕跡量の低分子量化合物の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
負に帯電した金属表面から電子を放出することにより、空気中でイオンを発生させる、空気イオン化装置が使用されている。次いで、負に帯電した粒子が、装置の正に帯電した表面上に集められ、集められた粒子、例えば細菌、かび、真菌類、および特に煙粒子、が、例えば国際特許第WO97/50160号明細書に記載されているように廃棄されている。
【0003】
国際特許第WO02/35209号明細書では、帯電した粒子、例えばかび胞子、細菌、ウイルス、塵、花粉、煙、植物断片、真菌胞子、アレルゲン、および動物から出る粒子、をイオナイザを使用して集め、続いてこの目的に確立した粒子分析装置、例えば走査電子顕微鏡、中で分析する装置が開示されている。
発明の説明
【発明の開示】
【0004】
本発明は、空気中にある、または堆積した、痕跡量の低分子量化合物を検出する機構および方法に関する。
【0005】
本発明は、一態様で、空気中にある、または堆積した、痕跡量の低分子量化合物を検出する機構であって、帯電したコレクタ表面(該コレクタ表面は、該コレクタ表面の電荷と反対の電荷で空気中にある粒子をイオン化するイオナイザに接続されている)、所望により使用する空気攪拌手段、採集された材料を該コレクタ表面から抽出するための抽出手段、および該抽出された、採集された材料から該化合物を化学的および/または生物化学的に検出する装置を備えてなる機構に関する。
【0006】
該機構の一実施態様では、該帯電したコレクタ表面が正に帯電しており、該空気攪拌手段が、近くの表面を機械的にたたくこと(taping)、加圧空気およびファンから選択され、抽出手段が蒸発および凝縮手段および/または液体で洗浄して分析用の液体試料を形成する洗浄手段から選択され、該液体試料から該化合物を化学的および/または生物化学的に検出する該装置が、質量分光法(MS)、脱着MS、ガスクロマトグラフィー(GC)、GC−MS、液体クロマトグラフィー(LC)、UV、免疫化学、バイオセルを備えた圧電微量天秤、および表面プラズモン共鳴(SPR)から選択される。
【0007】
該機構の他の実施態様では、低分子量化合物が、麻薬、例えばコカイン、ヘロイン、アンフェタミン、メタアンフェタミン、テトラヒドロカンナビノール(THC)、およびメチレンジオキシ−N−メタアンフェタミン(エクスタシー)、および爆薬、例えばトリニトロトルエン(TNT)、ジニトロトルエン(DNT)、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリニトロ−1,3,5−トリアジン(RDX)、オクタヒドロ−1,3,5,7−テトラニトロ−1,3,5,7−テトラジン(HMX)、ペンタエリトリトールテトラニトレート(PETN)、およびニトログリセリン(NG)、からなる群から選択される。
【0008】
本発明の別の態様は、空気中にある、または堆積した、痕跡量の低分子量化合物を検出する方法であって、帯電したコレクタ表面(該コレクタ表面は、該コレクタ表面の電荷と反対の電荷で空気中にある粒子をイオン化するイオナイザに接続されている)で空気から粒子を採集すること、所望により、場合により堆積した低分子量化合物の近くにある空気を攪拌すること、採集した材料をコレクタ表面から抽出すること、および抽出した材料を化学的および/または生物化学的方法により分析することを含んでなる、方法に関する。
【0009】
本方法の一実施態様では、帯電したコレクタ表面は正に帯電しており、空気の攪拌は、近くの表面を機械的にたたくこと、加圧空気の流れ、またはファンにより行い、採集した材料のコレクタ表面からの抽出は、蒸発および凝縮および/または分析用の液体試料を形成する液体洗浄から選択され、該液体試料からの該化合物の化学的および/または生物化学的な検出は、質量分光法(MS)、脱着MS、ガスクロマトグラフィー(GC)、GC−MS、液体クロマトグラフィー(LC)、UV、免疫化学、バイオセルを備えた圧電微量天秤、および表面プラズモン共鳴(SPR)から選択される。
【0010】
本方法の別の実施態様では、化合物が、麻薬、例えばコカイン、ヘロイン、アンフェタミン、メタアンフェタミン、テトラヒドロカンナビノール(THC)、およびメチレンジオキシ−N−メタアンフェタミン(エクスタシー)、および爆薬、例えばトリニトロトルエン(TNT)、ジニトロトルエン(DNT)、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリニトロ−1,3,5−トリアジン(RDX)、オクタヒドロ−1,3,5,7−テトラニトロ−1,3,5,7−テトラジン(HMX)、ペンタエリトリトールテトラニトレート(PETN)、およびニトログリセリン(NG)、からなる群から選択される。
【0011】
「化合物」の語に関連する用語「低分子量」は、問題とする化合物の分子量が1000以下であることを意味する。
【0012】
堆積した問題とする低分子量化合物の、疑われる、または調査している区域または供給源の近くにある空気を、イオナイザでイオン化し、空気中にある帯電した粒子を、帯電した粒子と反対の電荷を有する採集表面上に採集する。
【0013】
次いで、採集表面を、加熱して問題の化合物を蒸発させ、続いて凝縮させる、および/または液体で抽出し、分析用の液体試料を形成する。
【0014】
好ましい実施態様では、粒子を採集すべき空気に、例えば近くの表面を機械的にたたくことまたは加圧空気またはファンによる、ある種の攪拌により乱流を起こす。この攪拌は、堆積した粒子の空気中への移動を促進する。
【0015】
本発明は、変形したイオナイザ/コレクタ装置にも関連し、該コレクタは、該装置の本体から伸びており、好ましくは取り外し可能な、帯電させることができる採集表面を備えている。電気は、例えばバッテリーにより、イオナイザ/コレクタ装置に供給される。バッテリーにより駆動されるイオナイザ/コレクタ装置は持ち運び可能であり、あらゆる種類の用途に容易に使用できる。
【0016】
そこで、本発明のさらに別の態様は、帯電したコレクタ表面を備えてなるイオナイザ装置(該コレクタ表面は、該コレクタ表面の電荷と反対の電荷で空気中にある粒子をイオン化するイオナイザユニットに接続されている)であって、該コレクタ表面が、絶縁された導電性の撓み性アームにより、イオナイザの本体から延長されているイオナイザ装置に関する。
【0017】
イオナイザ装置の一実施態様では、空気中にある粒子をイオン化するイオナイザユニットが、絶縁された導電性の撓み性アームによりイオナイザの本体から延長されている。
【0018】
別の実施態様では、撓み性アームがイオナイザから取り外し可能である。
【0019】
さらに別の実施態様では、コレクタ表面が導電性の撓み性アームから取り外し可能である。
【0020】
従って、装置の空気をイオン化する部分もイオナイザ/コレクタ装置の本体から、該伸びているコレクタアームと共に、またはそれとは別に、延長されている。
【0021】
本発明の変形イオナイザ/コレクタ装置は、閉鎖された、またはほとんど閉鎖された小室から試料採取し、イオナイザ/コレクタ装置全体のために空間を設ける必要なく、該延長部を該小室中に置く場合に、特に有用である。そのような小室の例は、自動車、貨物およびコンテナであるが、これらに限定するものではない。
【0022】
本発明は、麻薬、例えばコカイン、ヘロイン、アンフェタミン、メタアンフェタミン、テトラヒドロカンナビノール(THC)、およびメチレンジオキシ−N−メタアンフェタミン(エクスタシー)、および爆薬、例えばトリニトロトルエン(TNT)、ジニトロトルエン(DNT)、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリニトロ−1,3,5−トリアジン(RDX)、オクタヒドロ−1,3,5,7−テトラニトロ−1,3,5,7−テトラジン(HMX)、ペンタエリトリトールテトラニトレート(PETN)、およびニトログリセリン(NG)、の検出に特に重要である。
【0023】
従って、本発明は、税関、空港警備、および警察による麻薬または爆薬検出、あるいは地雷検出に使用できる。
【0024】
問題の低分子量化合物を例えば密着により含む、採集した粒子、例えば粉塵粒子および/または空気湿分の滴、を含む液体試料は、化学的および/または生物化学的方法、例えば質量分光法(MS)、脱着MS、ガスクロマトグラフィー(GC)、GC−MS、液体クロマトグラフィー(LC)、UV、免疫化学、バイオセルを備えた圧電気微量天秤、および表面プラズモン共鳴(SPR)、等により、問題とする化合物の存在を定性的および/または定量的に測定することができる。採集された粒子は、恐らく均質な爆薬または均質な麻薬の粒子である。
【0025】
好ましい実施態様では、問題とする化合物は、洗浄液の中に抽出および溶解させてから、分析する。
【0026】
本明細書に記載する引用特許出願の開示は、すべてここに参考として含める。
【0027】
下記の実験および図1〜9を含む添付の図面により、本発明をさらに説明する。
【0028】
イオナイザ/コレクタ装置を使用し、自動車から痕跡量のコカインを試料採取
背景
この試験の目的は、イオナイザを、実質的に国際特許第WO02/35209号明細書に開示されている装置であるコレクタと共に使用することにより、痕跡量の薬物を採集できるか、否かを決定することである。自動車を少量のコカインで汚染し、1〜10日後に、空気から採集した痕跡量を化学的および/または生物化学的分析にかけた。
【0029】
実験
材料
自動車(トヨタカムリ)を、コカイン2mgを後部座席に塗りつけて汚染し、続いて3種類の異なった試料採取方法および化学的および/または生物化学的分析を使用して検出した。
1.空気試料採取用のフィルターを備えたBiosensD採集ユニット(試料採取時間60秒間)[主として、我々の同時係属特許出願第PCT/SE03/00319号明細書に開示されているフィルターを備えた真空掃除機]
2.イオン化/採集ユニット(国際特許第WO02/35209号明細書に開示されているが、正に帯電したコレクタ手段の延長部により変形、図1参照)(試料採取時間15〜60秒間)。このイオン化/採集ユニットを自動車の中央、前部座席間に配置し、空気から粒子の試料採取を行った(図2参照)。
3.自動車中で、白色フィルターで表面を拭き取る。窓および平らな「プラスチック」表面を10秒間拭き取った。
【0030】
試料採取および分析
我々は、上記3種類の試料採取技術を使用し、1時間後および1週間後に自動車の試料採取を行った。フィルターおよびイオナイザ/コレクタを使用して採集した材料を、標準的なBIOSENS検出計器、すなわち我々の同時係属スエーデン特許出願第0201877−8号明細書に詳細に説明されている、標的化合物に対して特異的な抗体で活性化したフロースルーセルを備えた圧電微量天秤、を使用して分析した。フィルターを熱脱着し、実質的に我々の同時係属出願第PCT/SE02/02098号明細書に開示されているコールドフィンガー上に凝縮させることにより、フィルターを分析した。コールドフィンガーをBIOSENS計器中で抽出するのと同じように、イオナイザの正に帯電したコレクタ延長アームの金属チップ上に集めた材料を、金属チップを取り外し、抽出装置(浴)中に直接入れることにより、抽出した。
【0031】
結果および考察
コカイン粉末を堆積させた後、1週間後に大量のコカインが検出された。試料採取の前に自動車中の後部座席上で布地をたたく必要があることは重要である。たたく手順無しに試料採取を行うと、僅かな応答しか検出されなかった。
【0032】
試料採取/分析実験から得た結果を表1および図3に示す。
表1 コカイン汚染された自動車の試料採取および分析から得た応答

堆積後の時間 試料採取技術 試料採取時間 応答(Hz)
60分 フィルター 1分 75
60分 イオナイザ 1分 >100
20時間 フィルター 30秒 35
20時間 イオナイザ 30秒 50
100時間 イオナイザ 30秒 >100
1週間 (1)フィルター 30秒 30−40
1週間 (2)イオナイザ 30−40
1週間 「拭き取り」 10秒 10−40
(フィルター2個)
【0033】
イオナイザ/コレクタ装置を使用する、痕跡量のコカインおよびエクスタシーの試料採取
背景
この試験の目的は、イオナイザを上記のコレクタと共に使用することにより、薬物を採集する新規な技術を試験することである。
【0034】
実験
材料
フィルターに金被覆し、製造した金属チップを介してイオナイザ上の正のコレクタに堅く接触させて配置した(図1参照)。
【0035】
イオナイザ上の正電極に接続した金属チップを使用し、複数の試料採取実験を行った(採集面積0.5cm)。図1参照。
【0036】
試料採取実験
2個の木箱(箱Iおよび箱II、図4参照)(容積120および100リットル)を使用して複数の実験を行った。これらの箱に10mgのコカインまたはエクスタシー(10mg)を、箱容積中に吹き込むことにより、装填した。
【0037】
装填してから60分後、BiosensD試料採取ユニット(フィルター)(100リットル/秒、3分間)を使用して試料採取を行った。さらに60分後、金被覆したフィルターを取り付けたイオナイザを使用し、第二試料を採集した(4分)。第三および第四の試料採取を、イオナイザ装置のコレクタに接続した金属チップを使用して行った(試料採取時間4分)。
【0038】
上記の箱Iから最初の2回の試料採取(フィルター試料採取)で得たフィルターをBiosensD計器で脱着し(脱着パラメータは、エクスタシーに対して最適化した、210℃、15秒間)、PBS100マイクロリットルを使用して抽出し、続いて活性化したエクスタシーセルおよび活性化したコカインセル中にループ注入することにより、分析した。
【0039】
イオナイザを使用する試料採取実験では、金属チップを、分析前の脱着を行わずに、各実験前にMAB(それぞれコカインおよびエクスタシーに特異的なモノクローナル抗体)で活性化したバイオセルに入る流体の流れの中に試料をループ注入することにより、PBS100マイクロリットルで直接抽出した。
【0040】
木箱IおよびIIにおける実験(図3参照)
これらの箱に、上記のようにコカイン10ngまたはエクスタシー10mgを装填した。
【0041】
24時間後、イオナイザ/金属チップコレクタを使用して箱中のコカインを集めた。イオナイザ部分およびコレクタ金属チップの両方は、箱中、表面から約2cm、15秒間〜2分間移動していたか、または箱中に1分間静止して配置した。金属チップを緩衝液約100マイクロリットルで抽出し、活性化したバイオセルに導入した。
【0042】
布地からの試料採取
コカインをメタノール中に溶解させ、続いて15cmx15cmの区域をこのメタノール溶液で含浸させることにより、事務所の椅子をコカイン2mgで汚染させた。試料採取実験はすべて、3時間後に、イオナイザ/金属チップコレクタおよび従来のフィルターを使用して行った。試料採取手順の前に、汚染された区域を私の指で数秒間「引っ掻き」、たたいた。試料採取時間は15秒間〜3分間であった。
【0043】
結果および考察
箱I. この箱にはエクスタシー(10mg)を付けた。我々は、すべての試料採取実験でエクスタシーを発見した。金属チップを備えたイオナイザを使用する試料採取から得たエクスタシーの量は、従来のフィルター(BiosensD試料採取装置)およびイオナイザ/金被覆フィルターを使用する他の2種類の試料採取よりも優れていた。従来のBiosensD装置および金フィルターを有するイオナイザを使用する試料採取は、ほぼ同じ応答(7Hz)を示した。金属チップからの応答は、1時間後および1週間後の両方で約30〜40Hzを示した。箱の外側にある清浄な金属チップ(ブランク)のブランク分析は、応答を全く示さなかった。これらの結果は、それぞれ図5、6、7および8に示す。
【0044】
箱IIでコカイン10mgを使用する複数の個別実験を、装填手順から24時間後に行った。イオナイザ上のコレクタチップを抽出し、それぞれコカイン、ヘロイン、エクスタシーおよびアンフェタミンに対して敏感なバイオセルを取り付けたBiosensD計器中で分析した。コカインセルは常に非常に高い応答(30〜150Hz)を示し、チップ上に非常に大量のコカインがあることを示唆していた。ヘロイン、エクスタシーまたはアンフェタミンに対して活性化したバイオセルからは何の応答も検出されなかった。コカインセルからの結果を図9に示す。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、コレクタ金属チップを備えたイオナイザである。
【図2】図2は、自動車中に置いた本発明のイオナイザである。
【図3】図3は、イオナイザ実験における試料のバイオセルから得た典型的な応答である。
【図4】図4は、「試料採取実験で使用する木箱(箱I、120リットル)」である。
【図5】図5は、従来のBiosensD試料採取ユニットを使用する試料採取から得た結果である。
【図6】図6は、イオナイザの正コレクタに接続された金被覆されたフィルターを使用する試料採取から得た結果である。
【図7】図7は、金属チップを使用する試料採取から得た結果である。
【図8】図8は、1週間後に金属チップを使用する試料採取から得た結果である。図に示すように、閉鎖された体積(箱)から2回の試料採取を連続的に行った。環境からの試料採取(僅かに汚染されている?)も行った。
【図9】図9は、100リットル箱中で24時間後に金属チップを使用して行ったコカインの試料採取から得た結果である。(コカイン10mgを閉鎖された100リットル箱中に吹き込んだ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中に存在し、または堆積した、低分子量化合物の痕跡量を検出する機構であって、
帯電したコレクタ表面と、
前記コレクタ表面が、前記コレクタ表面の電荷と反対の電荷で空気中に存在する粒子をイオン化するイオナイザに接続されてなり、
所望の空気攪拌手段と、
採集された材料を前記コレクタ表面から抽出するための抽出手段と、及び
前記抽出された採集材料から前記化合物を化学的および/または生物化学的に検出する装置とを備えてなる、機構。
【請求項2】
前記帯電したコレクタ表面が正に帯電しており、
前記空気攪拌手段が、近くの表面を機械的に叩く手段、加圧空気およびファンから選択されてなり、
前記抽出手段が、蒸発手段、および凝縮手段、および/または液体で洗浄して分析用の液体試料を形成する洗浄手段から選択されてなり、
前記液体試料から前記化合物を化学的および/または生物化学的に検出する前記装置が、質量分光法(MS)、脱着MS、ガスクロマトグラフィー(GC)、GC−MS、液体クロマトグラフィー(LC)、UV、免疫化学、バイオセルを備えた圧電微量天秤、および表面プラズモン共鳴(SPR)から選択されてなる、請求項1に記載の機構。
【請求項3】
前記低分子量化合物が、麻薬、例えばコカイン、ヘロイン、アンフェタミン、メタアンフェタミン、テトラヒドロカンナビノール(THC)、およびメチレンジオキシ−N−メタアンフェタミン(エクスタシー)、および爆薬、例えばトリニトロトルエン(TNT)、ジニトロトルエン(DNT)、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリニトロ−1,3,5−トリアジン(RDX)、オクタヒドロ−1,3,5,7−テトラニトロ−1,3,5,7−テトラジン(HMX)、ペンタエリトリトールテトラニトレート(PETN)、およびニトログリセリン(NG)からなる群から選択される、請求項1または2に記載の機構。
【請求項4】
空気中に存在する、または堆積した、痕跡量の低分子量化合物を検出する方法であって 帯電したコレクタ表面で空気から粒子を採集し、
前記コレクタ表面は、前記コレクタ表面の電荷と反対の電荷で空気中にある粒子をイオン化するイオナイザに接続されてなり、
必要に応じて、可能な限り堆積した低分子量化合物の近辺の空気を攪拌し、
前記採集した材料を前記コレクタ表面から抽出し、及び
前記抽出した材料を化学的および/または生物化学的方法により分析することを含んでなる、方法。
【請求項5】
前記帯電したコレクタ表面が正に帯電しており、
前記空気の攪拌が、近くの表面を機械的に叩く手段、加圧空気の流れ、又はファンにより行われ、
前記採集した材料の前記コレクタ表面からの前記抽出が、蒸発、および凝縮、および/または液体で洗浄して分析用の液体試料を形成する洗浄により行われ、
前記液体試料から前記化合物の化学的および/または生物化学的な検出が、質量分光法(MS)、脱着MS、ガスクロマトグラフィー(GC)、GC−MS、液体クロマトグラフィー(LC)、UV、免疫化学、バイオセルを備えた圧電微量天秤、および表面プラズモン共鳴(SPR)から選択されてなるものである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記低分子量化合物が、麻薬、例えばコカイン、ヘロイン、アンフェタミン、メタアンフェタミン、テトラヒドロカンナビノール(THC)、およびメチレンジオキシ−N−メタアンフェタミン(エクスタシー)、および爆薬、例えばトリニトロトルエン(TNT)、ジニトロトルエン(DNT)、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリニトロ−1,3,5−トリアジン(RDX)、オクタヒドロ−1,3,5,7−テトラニトロ−1,3,5,7−テトラジン(HMX)、ペンタエリトリトールテトラニトレート(PETN)、およびニトログリセリン(NG)からなる群から選択される、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記コレクタ表面の電荷と反対の電荷で空気中にある粒子をイオン化するイオナイザユニットに接続されている、帯電したコレクタ表面を備えてなり、
前記コレクタ表面が、絶縁された導電性の撓み性アームにより、前記イオナイザの本体から延長されてなる、イオナイザ装置。
【請求項8】
前記空気中にある粒子をイオン化するイオナイザユニットが、絶縁された導電性の撓み性アームにより、前記イオナイザの本体から延長されてなる、請求項7に記載のイオナイザ装置。
【請求項9】
前記撓み性アームが、前記イオナイザから取り外し可能なものである、請求項7または8に記載のイオナイザ装置。
【請求項10】
前記コレクタ表面が、前記導電性の撓み性アームから取り外し可能なものである、請求項7〜9のいずれか一項に記載のイオナイザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−515619(P2007−515619A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532197(P2006−532197)
【出願日】平成16年5月18日(2004.5.18)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000767
【国際公開番号】WO2004/104559
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(504193631)バイオセンサー、アプリケーションズ、スエーデン、アクチボラグ (3)
【氏名又は名称原語表記】BIOSENSOR APPLICATIONS SWEDEN AB
【Fターム(参考)】