説明

突起付長尺体測定方法

【課題】突起付長尺体の外径寸法と谷径寸法及び突起高さ寸法を容易かつ迅速に測定可能な突起付長尺体測定方法を提供する。
【解決手段】多数の突起11を有する突起付長尺体10を軸心L0 方向に走行させ、その長尺体10の軸心L0 を含む一縦断面Sを挟んで反射型二次元変位第1センサ1と反射型二次元変位第2センサ2とを対面状に配設して、第1センサ1によって上記長尺体10の上記一縦断面Sの一方側における第1狭小範囲内を測定すると共に第2センサ2によって長尺体10の一縦断面Sの他方側における第2狭小範囲を測定して、長尺体10の外径寸法と谷径寸法と突起高さ寸法とを演算手段により演算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、突起付長尺体測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線ケーブル等の横断面円形状長尺体を測定する方法は、特許文献1記載のように、投光器と受光器とを長尺体を挟んで対面状に配設して測定する方法があった。また、成形不良による突起等を測定する際は、特許文献2記載のように、突起付長尺体の外周を軸心廻りに囲むように、投光器と受光器を配設して測定する方法があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−288724号公報
【特許文献2】特開平9−115359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、低風圧電線等のように、意図的に多数の突起を全周に成形した長尺体では、投光器からの光が突起に当たり、多数の突起の頂部を包絡する仮想円の直径(以下、外径と呼ぶ)寸法は測定できるものの、非突起成形部(基本円周面部)の直径(以下、谷径と呼ぶ)寸法や、突起の高さ寸法は測定できず、完成品を薄くスライスして投影機によって測定していた。そのため、測定に、多大な時間と労力が費やされてしまうといった問題があった。さらに、測定結果を製造管理(生産ライン)に反映させるまで時間がかかってしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、突起付長尺体の外径寸法と谷径寸法及び突起高さ寸法を容易かつ迅速に測定可能な突起付長尺体測定方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の突起付長尺体測定方法は、多数の突起を有する突起付長尺体を軸心方向に走行させ、該長尺体の該軸心を含む一縦断面を挟んで反射型二次元変位第1センサと反射型二次元変位第2センサとを対面状に配設して、上記第1センサによって上記長尺体の上記一縦断面の一方側における第1狭小範囲内を測定すると共に上記第2センサによって上記長尺体の上記一縦断面の他方側における第2狭小範囲を測定して、上記長尺体の外径寸法と谷径寸法と突起高さ寸法とを演算手段により演算する方法である。
【0007】
また、上記第1狭小範囲と上記第2狭小範囲を上記長尺体の上記軸心の振れに追随するように位置補正して測定する方法である。
【0008】
また、上記第1センサによって上記第1狭小範囲内の上記突起の頂部までの第1半径寸法を測定すると共に、上記第2センサによって上記第2狭小範囲内の上記突起の頂部までの第2半径寸法を測定して、上記第1半径寸法と上記第2半径寸法との和を求めて上記外径寸法を演算し、上記第1センサによって上記第1狭小範囲内の非突起成形部までの第1谷半径寸法を測定すると共に、上記第2センサによって上記第2狭小範囲内の非突起成形部までの第2谷半径寸法を測定して、上記第1谷半径寸法と上記第2谷半径寸法との和を求めて、上記谷径寸法を演算し、さらに、上記第1半径寸法と上記第1谷半径寸法との差を求めて、又は/及び、上記第2半径寸法と上記第2谷半径寸法との差を求めて、上記突起高さ寸法を演算する方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の突起付長尺体測定方法によれば、突起付長尺体の外径寸法と谷径寸法と突起高さ寸法を迅速かつ高精度に測定できる。軸心方向に走行するような製造中の突起付長尺体を測定し、押出成形機や突起成形機の調整・制御が迅速におこなえ、製造管理を容易にすると共に品質を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の一形態を示す要部斜視図である。
【図2】本発明の実施の一形態を示す要部平面図である。
【図3】本発明の実施の一形態を示す横断面図である。
【図4】本発明の実施の一形態を示す横断面図である。
【図5】突起付長尺体製造装置の簡略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1は本発明の突起付長尺体測定方法の実施の一形態を示す要部斜視図であり、図2はその要部平面図である。
本発明の測定方法は、低風圧電線等の多数の突起11を有する突起付長尺体10を測定する方法である。突起付長尺体10(以下、長尺体10とも言う)のラジアル外方に、反射型二次元変位第1センサ1と反射型二次元変位第2センサ2とを配設している。第1センサ1と第2センサ2とを、長尺体10の軸心L0 を含む一縦断面Sを挟んで対面状に配設している。
【0012】
第1・2センサ1,2は、帯状レーザー光を照射する投光部と、反射光を受ける受光部と、を有している。帯状のレーザー光の幅方向を、軸心L0 と直交させ、かつ、図2に示すように平面視でレーザー光が一縦断面Sに所定の角度をもって照射させている。
帯状のレーザー光が測定すべき対象物(長尺体10)に当り、拡散反射した反射光から対象物の位置や形状の変化を読みとって(検出して)変位や形状を、センサからの距離方向(Z軸方向)と幅方向(Y軸方向)の二次元で測定するセンサである。
【0013】
以下、図3と図4に基づいて突起付長尺体10の各部の寸法の測定方法を説明すると、まず、外径寸法D、谷径寸法Di 、突起高さ寸法h等の寸法及び形状が(理想的に)設定されたマスターワークMを、予め準備して、このマスターワークMを、図3に示す横断面図のように、第1センサ1の帯状のレーザー光が照射され測定が可能な(幅方向の)第1測定可能範囲Q1 内、及び、第2センサ2の帯状のレーザー光が照射され、測定が可能な(幅方向の)第2測定可能範囲Q2 内に、設置する。
【0014】
第1センサ1によって一縦断面Sの一方側における第1測定可能範囲Q1 内のレーザー光の幅方向で少なくとも1つの突起11の頂部を測定可能な範囲を、第1狭小範囲E1 とし、その第1狭小範囲E1 内に在るマスターワークMの一部分(突起11及び/又は非突起成形部12)を測定する。
第2センサ2も同様に、他方側における第2測定可能範囲Q2 内の第2狭小範囲E2 に在るマスターワークMの一部分を測定する。
【0015】
つまり、第1センサ1によって第1狭小範囲E1 内に在る突起11の頂部までの第1半径寸法R1 を測定すると共に、上記第2センサ2によって第2狭小範囲E2 内に在る突起11の頂部までの第2半径寸法R2 を測定する。
【0016】
また、図4に示すように、第1センサ1によって第1狭小範囲E1 内の非突起成形部12までの第1谷半径寸法Ri1を測定すると共に、第2センサ2によって第2狭小範囲E2 内の非突起成形部12までの第2谷半径寸法Ri2を測定する。
【0017】
ところで、マスターワークMをZ軸方向に動かせば、第1半径寸法R1 、第2半径寸法R2 、第1谷半径寸法Ri1、第2谷半径寸法Ri2、が変動する。その変動の補正方法は、次のように行なう。つまり、第1半径寸法をR1 、第2半径寸法をR2 、第1谷半径寸法をRi1、第2谷半径寸法をRi2、外径寸法をD、谷径寸法をDi 、とすると、上述のようにマスターワークMの外径寸法D及び谷径寸法Di が既知であるので、R1 +R2 =D、Ri1+Ri2=Di として、(後述の)制御部39(の演算手段37)に予め入力しておく。
なお、マスターワークMとしては、突起付の長尺体10の外径寸法Dと同じ外径寸法としたストレート状(突起の無い)丸棒を使用しても良い。この場合、ストレート状丸棒から成るマスターワークMを用いて、第1半径寸法R1 と第2半径寸法R2 のピークを求め、次に、第1谷半径寸法Ri1と第2谷半径寸法Ri2のボトムを求め、設定調整する。このときの突起高さ寸法は約0mmとなる。要するに、ストレート状丸棒といえども、第1・第2測定可能範囲Q1 ,Q2 、及び、第1・第2狭小範囲E1 ,E2 において、表面粗さとしての微小凹凸が存在するため、ピークとボトムを求めることが可能である。(なお、既述の突起付のマスターワークMにあっては、この微小凹凸が十分に大きい場合に相当すると、言える。)
【0018】
次に(共用して示した)図3に於て、第1センサ1の帯状のレーザー光が照射されている第1測定可能範囲Q1 内、及び、第2センサ2の帯状のレーザー光が照射されている第2測定可能範囲Q2 内に、長尺体10を走行させる。
【0019】
上記第1狭小範囲E1 を通過する長尺体10の一部分を第1センサ1によって測定する。第2センサ2も同様に、他方側における第2測定可能範囲Q2 内の第2狭小範囲E2 を、通過する長尺体10の一部分を測定する。
【0020】
このように、走行中の長尺体10について、第1センサ1によって第1狭小範囲E1 内を通過する突起11の頂部までの第1半径寸法R1 を測定すると共に、上記第2センサ2によって第2狭小範囲E2 内を通過する突起11の頂部までの第2半径寸法R2 を測定する。その際に、長尺体10が、Z軸方向にα動いたとすると、(R1 +α)+(R2 −α)=R1 +R2 となり、Z軸方向の移動があったとしても、R1 、R2 単独の値と違い、その和であるR1 +R2 の値を正確に外径寸法Dとして測定できる。
【0021】
また、(共用して示した)図4に於て、第1センサ1によって第1狭小範囲E1 内の非突起成形部12までの第1谷半径寸法Ri1を測定すると共に、第2センサ2によって第2狭小範囲E2 内の非突起成形部12までの第2谷半径寸法Ri2を測定する。その際に、長尺体10が、Z軸方向にα動いたとすると、(Ri1+α)+(Ri2−α)=Ri1+Ri2となり、Z軸方向の移動があったとしても、Ri1、Ri2単独の値と違い、その和であるRi1+Ri2の値を正確に谷径寸法Di として測定できる。
【0022】
つまり、第1半径寸法R1 と第2半径寸法R2 との和を求めて外径寸法Dを演算する。第1谷半径寸法Ri1と第2谷半径寸法Ri2との和を求めて、谷径寸法Di を演算(測定)する。第1半径寸法R1 と第1谷半径寸法Ri1との差を求めて、又は/及び、第2半径寸法R2 と第2谷半径寸法Ri2との差を求めて、突起高さ寸法hを演算(測定)する。
【0023】
なお、本発明に於て、外径寸法Dとは、多数の突起11の頂部を包絡する仮想円の直径寸法と定義する。谷径寸法Di とは、非突起成形部(ベースの外周面部)12の直径と定義する。
【0024】
また、第1狭小範囲E1 と第2狭小範囲E2 を、上記一縦断面Sに沿った方向の長尺体10の軸心L0 の振れに、対応して、追随するように設定している。
第1・2センサ1,2のレーザー光の幅方向と平行な(一致する)長尺体10の一端側の半径位置を基準位置Pとして検出し、基準位置Pから第1・2狭小範囲E1 ,E2 の幅方向中心位置が、常に所定の第1・2幅方向寸法Y1 ,Y2 となるように追随させ測定している。
【0025】
例えば、第1・2狭小範囲E1 ,E2 の幅方向の中心位置が、突起付長尺体10の軸心L0 の幅方向の位置と対応(一致)するように追随させ測定する。
なお、レーザー光の幅方向の外径寸法Dを測定して、軸心L0 (中心)の幅方向の位置を求め、第1・2狭小範囲E1 ,E2 の幅方向の中心位置を、その求めた軸心L0 の幅方向位置に追随させても良い。また、測定開始前に、正規の形状(設計仕様)に形成されたマスターワークMを用いて、第1・2狭小範囲E1 ,E2 の幅方向中心位置が、(マスターワークMの)基準位置Pから所定の第1・2幅方向寸法Y1 ,Y2 となるように設定し、その後測定を開始するのが望ましい。
【0026】
本発明の測定方法は、例えば、図5に示す簡略構成図のような突起付長尺体10の製造装置(生産ライン)に用いられる。なお、図5に於て、突起11は図示省略する。
製造装置は、溶融樹脂を押出して長尺物を成形する押出成形機30と、長尺物の外周面に押圧して突起付長尺体10を形成する複数のエンボス加工用のロール32を有する突起成形機と、突起付長尺体(長尺体)10を巻き取る巻取機31と、上述の第1センサ1及び第2センサ2を具備する測定部38と、を備えている。
【0027】
39は、演算手段37を有する制御部を示す。また、押出成形機30の電動モータ等の駆動機M1 と、巻取機31の電動モータ等の駆動機M2 と、ロール32の押圧力及び位置を調整するエアシリンダー等のアクチュエータ33(突起成形機)と、は演算処理(測定処理)及び指令出力処理可能な制御部39に電気的に接続されている。
また、制御部39は、第1・2センサ1,2と、第1・2センサ1,2の測定結果を表示する映像モニタ等の表示部35と、第1・2センサ1,2の設定操作が可能な操作ボタンを有する操作手段34と、が電気的に接続されている。
なお、長尺体10の形状を安定硬化させる冷却手段は、走行方向で、測定部38の上流(手前)側及び下流(後方)側のいずれに設けるも自由である。
【0028】
ここで、長尺体10は、図1乃至図4に示したように、軸心L0 と平行方向に列設した多数の円錐台状の突起11から成る突起列が、複数本円周方向に等間隔に形成され、さらに、隣り合う突起列の突起11が千鳥状と成るように形成されるものである。
【0029】
測定部38(第1センサ1と第2センサ2との間)を長尺体10が走行すると、軸心L0 がレーザー光の幅方向(Y軸方向)に振れる場合があるが、第1・2狭小範囲E1 ,E2 の中心が第1・2幅方向寸法Y1 ,Y2 を維持するように位置補正し、その補正された第1・2狭小範囲E1 ,E2 内を通過する突起11や非突起成形部12を対象として測定する。言い換えると、第1・2狭小範囲E1 ,E2 を、第1長尺体10の所定の突起列について追随させ、その所定の突起列の突起11の頂部や突起11と突起11の間の非突起成形部12を測定する。
【0030】
第1センサ1によって第1半径寸法R1 及び第1谷半径寸法Ri1と突起高さ寸法hを測定する。第2センサ2によって第2半径寸法R2 及び第2谷半径寸法Ri2と突起高さ寸法を測定する。そして、第1センサ1及び第2センサ2の共働きによって外径寸法D、谷径寸法Di を測定(演算)する。
【0031】
つまり、第1センサ1が検出したデータ信号をもとに制御部39が第1半径寸法R1 及び第1谷半径寸法Ri1を演算(測定)すると共に、第2センサ1が検出したデータ信号をもとに制御部39が第2半径寸法R2 及び第2谷半径寸法Ri2を演算(測定)する。
さらに、制御部39は、第1半径寸法R1 と第2半径寸法R2 との和を求めて外径寸法Dを演算(測定)すると共に、第1谷半径寸法Ri1と第2谷半径寸法Ri2との和を求めて谷径寸法Di を演算(測定)する。また、第1半径寸法R1 と第1谷半径寸法Ri1との差を求めて、又は/及び、第2半径寸法R2 と第2谷半径寸法Ri2との差を求めて、突起高さ寸法hを演算する。
【0032】
また、制御部39は、第1・2センサ部1 ,2による測定結果(第1半径寸法R1 、第1谷半径寸法Ri1、第2半径寸法R2 、第2谷半径寸法Ri2)にもとづいて、演算手段37にて外径寸法D、谷径寸法Di 、突起高さ寸法hを、演算して求め、さらに、その演算した各寸法D,Di ,hをもとに制御指令信号を出力して、即座に、駆動機M1 と駆動機M2 とアクチュエータ33とを制御する。
【0033】
測定結果を反映させて、押圧成形機30による樹脂材料の供給、ロール32の押圧力、巻取機31の回転数、突起付長尺体10の走行速度、等を調整して、突起付長尺体10を所定の寸法(外径寸法D、谷径寸法Di 、突起高さ寸法h)に高精度に制御しつつ製造する。
【0034】
なお、本発明は、設計変更可能であって、突起11の大きさに比較して第1・2狭小範囲E1 ,E2 の幅寸法を比較的大きくすることにより、同一横断面で、第1・2狭小範囲E1 ,E2 内にある突起11の頂部と非突起成形部12を測定対象とし、第1半径寸法R1 、第1谷半径寸法Ri1、第2半径寸法R2 、第2谷半径寸法Ri2、外径寸法D、谷径寸法Di 、突起高さ寸法hを(同一横断面に於て)測定しても良い。
また、製造ライン内で用いず、オフライン(生産ライン外)で用いても良い。
また、図示省略するが、円錘状、多角形錐状、多角形錐台状、楕(長)円錘状、楕(長)円錘台状、直線状等の突起を有する電線等の長尺体を測定するも自由である。
また、上述した第1・第2センサ1,2に対して長尺体10の軸心L0 廻りの位相角度を90度ずらした位置に、別の第1センサ及び別の第2センサを設けて、上述の第1・第2センサ1,2で測定すると共に、上述の第1・第2センサ1,2で測定した以外の(位相角度が90度異なる位置の)長尺体10の外径寸法D、谷径寸法Di 、突起高さ寸法hを測定するも良い。
【0035】
以上のように、本発明は、多数の突起11を有する突起付長尺体10を軸心L0 方向に走行させ、長尺体10の軸心L0 を含む一縦断面Sを挟んで反射型二次元変位第1センサ1と反射型二次元変位第2センサ2とを対面状に配設して、第1センサ1によって長尺体10の一縦断面Sの一方側における第1狭小範囲E1 内を測定すると共に第2センサ2によって長尺体10の一縦断面Sの他方側における第2狭小範囲E2 を測定して、長尺体10の外径寸法Dと谷径寸法Di と突起高さ寸法hとを演算手段37により演算するので、突起付長尺体10の外径寸法Dと谷径寸法Di と突起高さ寸法hを迅速かつ容易に測定できる。軸心L0 方向に走行するような製造中の長尺体10を測定し、押出成形機30や突起成形機等の生産ラインの調整が迅速におこなえ、製造管理を容易にすると共に品質を向上できる。センサを多数設けず測定部38(測定装置)を小型・簡略化できる。必要以上の測定対象位置を測定せず、測定結果が迅速に得られると共に、過剰なデータの蓄積を軽減できる。
【0036】
また、第1狭小範囲E1 と第2狭小範囲E2 を長尺体10の軸心L0 の振れに追随するように位置補正して測定するので、長尺体10が成形や巻取りによって振れても確実に高精度に測定できる。
【0037】
また、第1センサ1によって第1狭小範囲E1 内の突起11の頂部までの第1半径寸法R1 を測定すると共に、第2センサ2によって第2狭小範囲E2 内の突起11の頂部までの第2半径寸法R2 を測定して、第1半径寸法R1 と第2半径寸法R2 との和を求めて外径寸法Dを演算し、第1センサ1によって第1狭小範囲E1 内の非突起成形部12までの第1谷半径寸法Ri1を測定すると共に、第2センサ2によって第2狭小範囲E2 内の非突起成形部12までの第2谷半径寸法Ri2を測定して、第1谷半径寸法Ri1と第2谷半径寸法Ri2との和を求めて、谷径寸法Di を演算し、さらに、第1半径寸法R1 と第1谷半径寸法Ri1との差を求めて、又は/及び、第2半径寸法R2 と第2谷半径寸法Ri2との差を求めて、突起高さ寸法hを演算するので、突起付長尺体10の第1半径寸法R1 、第1谷半径寸法Ri1、第2半径寸法R2 、第2谷半径寸法Ri2、外径寸法D、谷径寸法Di 、突起高さ寸法hを迅速かつ容易に測定できる。狭い(僅かな)対象位置を測定するだけで、外径寸法D、谷径寸法Di 、突起高さ寸法hを得ることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 第1センサ
2 第2センサ
10 長尺体
11 突起
12 非突起成形部
D 外径寸法
i 谷径寸法
1 第1狭小範囲
2 第2狭小範囲
h 突起高さ寸法
0 軸心
1 第1半径寸法
2 第2半径寸法
i1 第1谷半径寸法
i2 第2谷半径寸法
S 一縦断面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の突起(11)を有する突起付長尺体(10)を軸心(L0 )方向に走行させ、該長尺体(10)の該軸心(L0 )を含む一縦断面(S)を挟んで反射型二次元変位第1センサ(1)と反射型二次元変位第2センサ(2)とを対面状に配設して、
上記第1センサ(1)によって上記長尺体(10)の上記一縦断面(S)の一方側における第1狭小範囲(E1 )内を測定すると共に上記第2センサ(2)によって上記長尺体(10)の上記一縦断面(S)の他方側における第2狭小範囲(E2 )を測定して、上記長尺体(10)の外径寸法(D)と谷径寸法(Di )と突起高さ寸法(h)とを演算手段(37)により演算することを特徴とする突起付長尺体測定方法。
【請求項2】
上記第1狭小範囲(E1 )と上記第2狭小範囲(E2 )を上記長尺体(10)の上記軸心(L0 )の振れに追随するように位置補正して測定する請求項1記載の突起付長尺体測定方法。
【請求項3】
上記第1センサ(1)によって上記第1狭小範囲(E1 )内の上記突起(11)の頂部までの第1半径寸法(R1 )を測定すると共に、上記第2センサ(2)によって上記第2狭小範囲(E2 )内の上記突起(11)の頂部までの第2半径寸法(R2 )を測定して、上記第1半径寸法(R1 )と上記第2半径寸法(R2 )との和を求めて上記外径寸法(D)を演算し、
上記第1センサ(1)によって上記第1狭小範囲(E1 )内の非突起成形部(12)までの第1谷半径寸法(Ri1) を測定すると共に、上記第2センサ(2)によって上記第2狭小範囲(E2 )内の非突起成形部(12)までの第2谷半径寸法(Ri2)を測定して、上記第1谷半径寸法(Ri1) と上記第2谷半径寸法(Ri2)との和を求めて、上記谷径寸法(Di )を演算し、
さらに、上記第1半径寸法(R1 )と上記第1谷半径寸法(Ri1) との差を求めて、又は/及び、上記第2半径寸法(R2 )と上記第2谷半径寸法(Ri2)との差を求めて、上記突起高さ寸法(h)を演算する請求項1又は2記載の突起付長尺体測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−169404(P2010−169404A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9578(P2009−9578)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【Fターム(参考)】