説明

窒素含有オルガノポリシロキサンおよび架橋可能な材料中でのその使用

本発明は、窒素ならびに単位(a1)および(a2)から選択された少なくとも1種の単位(a)、場合によっては式(II)、場合によっては式(III)、場合によっては式(IV)、場合によっては式(V)および場合によっては式(VI)を含有する(式の詳細については請求項1に示す)オルガノポリシロキサンに関する。さらに本発明は、前記化合物の製造方法および架橋可能な材料中でのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素含有オルガノポリシロキサン、その製造方法および架橋可能な材料中でのその使用に関する。
【0002】
窒素含有オルガノポリシロキサンはすでに公知である。US-A 2,567,131では、たとえば環式および線状のオリゴマーおよびポリマーが記載されており、この場合、これらは専らSi−C−N−C−Si−O−繰り返し単位から構成されるものである。
【0003】
四級化窒素をシロキサン骨格に含む、ポリ第四級ポリシロキサンの分野については、たとえば、 US-A 4,533,714, US-A 6,730,766またはEP 282 720 Alに示されている。第四級基の製造は、公知方法、たとえば塩化メチルでのアルキル化またはアミンでのエポキシドの変換によって実施される。このような方法では、必要とされるアミノポリシロキサンまたはエポキシポリシロキサンがコスト高で製造されることが問題である。したがって、簡単な構成単位から、第四級ポリシロキサンを製造可能であることが望ましい。前記文献は、架橋可能な基によって、このような基を有するポリマーマトリックスと同様に加硫中に結合される化合物を記載するものではない。特に、これは、加水分解/縮合によって架橋可能なシラン基を有する化合物が該当する。
【0004】
本発明の対象は、式
【化1】

[式中、Rはそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の、SiC−結合の、場合によっては置換された炭化水素基を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の有機基または水素原子を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の有機基または水素原子を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の有機基または水素原子を意味し、
は同一かまたは異なっていてもよく、かつ水素原子又は一価の、場合によっては置換された炭化水素基を表し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の、酸素原子または窒素原子を介して珪素原子と結合した、加水分解可能な有機基を意味し、
nは2または3であり、
aは1〜6の整数、好ましくは1〜3の整数、特に好ましくは1であり、
bは1〜6の整数、好ましくは1〜3の整数、特に好ましくは1であり、かつ、
は同一かまたは異なっていてもよく、かつ1個の有機または無機アニオンを示す]から選択される、少なくとも1種の単位(a)を含有するオルガノポリシロキサンであるが、但し、式(VIII)の単位を含有しないオルガノポリシロキサンである場合には、さらに少なくとも1個の式(II)の単位が存在し、かつ式(I)の単位を含有しないオルガノポリシロキサンである場合には、さらに式(III)および式(IV)の単位から選択された、少なくとも1種の単位が存在する。
【0005】
本発明の範囲内で、オルガノポリシロキサンの概念は、ポリマー、オリゴマーと同様にダイマーのシロキサンも一緒に包含する。
【0006】
基Rの例は、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基;ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基、ヘプチル基、たとえばn−ヘプチル基;オクチル基、例えばn−オクチル基及びイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基;ノニル基、例えばn−ノニル基;デシル基、例えばn−デシル基、ドデシル基、例えばn−ドデシル基;オクタデシル基、たとえばn−オクタデシル基;シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びメチルシクロヘキシル基;アルケニル基、たとえばビニル基、1−プロペニル基および2−プロペニル基;アリール基、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基およびフェナントリル基;アルカリール基、例えばo−、m−、p−トルイル基、キシリル基及びエチルフェニル基;およびアラルキル基、例えばベンジル基、α-及びβ−フェニルエチル基である。
【0007】
置換基Rの例は、メトキシエチル−、エトキシエチル−、(2−エトキシ)エトキシエチル−、3−クロロプロピル−、2−クロロエチル−、クロロメチル−および3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
【0008】
好ましくは、基Rは1〜12個の炭素原子を有する炭化水素基であり、この場合、これらは、場合によってはハロゲン原子、アミノ基、エーテル基、エステル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基または(ポリ)グリコール基で置換されており、その際、(ポリ)グリコール基は、オキシエチレン単位および/またはオキシプロピレン単位から構成されており、特に好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、特にメチル基である。
【0009】
基Rの例は、基Rについて挙げた例ならびに水素原子である。
【0010】
好ましくは、基Rは水素原子ならびに場合によっては置換された炭化水素基、特に好ましくは水素原子および1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、特に水素原子である。
【0011】
基Rの例は、基Rについて挙げた例ならびに水素原子である。
【0012】
好ましくは、Rは水素原子ならびに場合によっては置換された炭化水素基、特に好ましくは水素原子および1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、特に水素原子である。
【0013】
基Rの例は、基Rについて挙げた例ならびに水素原子である。
【0014】
好ましくは、基Rは場合によっては置換された炭化水素基、特に好ましくは1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、特にメチル基である。
【0015】
基Rの例は、基Rについて挙げた例である。
【0016】
好ましくは、基Rは水素原子ならびに1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、その際、水素原子、メチル基またはエチル基が特に好ましく、特に水素原子である。
【0017】
基Rに関する例は、従来公知のすべての加水分解可能な基であり、たとえば、酸素原子または窒素原子を介して珪素原子に結合され、場合によっては置換された炭化水素基である。
【0018】
基Rに関して好ましくは、アルコキシ基、たとえばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、tert−ブトキシ基および2−メトキシエトキシ基、アシルオキシ基、たとえばアセトキシ基、アミノ基、たとえばメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基およびシクロヘキシルアミノ基、アミド基、たとえばN−メチルアセトアミド基およびベンズアミド基、アミノオキシ基、たとえばジエチルアミノオキシ基、オキシモ基、たとえばメチルエチルケトキシモ基およびメチルイソブチロケトキシモ基、およびエノキシ基、たとえば2−プロペンオキシ基、特に好ましくはメトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基、メチルエチルケトキシモ基、メチルイソブチルケトキシモ基、ジメチルアミノ基およびシクロヘキシルアミノ基、特にメトキシ基またはエトキシ基である。
【0019】
アニオンXの例としては、有機アニオン、たとえばカルボキシラートイオン、エノラートイオンおよびスルホナートイオン、ならびに無機アニオン、たとえばハロゲニドイオン、たとえばフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオンおよびヨウ化物イオン、およびスルファートイオンである。
【0020】
好ましくは、アニオンXはカルボキシラートイオン、スルホナートイオンおよびハロゲニドイオンが好ましく、特に好ましくは塩化物イオンおよびアセタートイオンである。
【0021】
好ましくは、nは2である。
【0022】
本発明によるシロキサンは、好ましくは液体であり、かつ好ましくは25℃で、10mPas〜10mPasの粘度を有する。
【0023】
本発明による窒素含有オルガノポリシロキサンは、好ましくは、式(VIII)の単位を含有しない(シロキサン タイプA)ものである場合には、このシロキサンは、式(I)および(II)の単位ならびに場合によっては式(III)〜(VI)の単位を含有するもの、であるか、あるいは、式(VIII)の単位を含有する(シロキサン タイプB)ものである場合には、このシロキサンは、式(VIII)および場合によっては式(I)〜(VI)の単位を含有するもの、であり、その際、式(I)の単位を含有しないタイプBのシロキサンの場合には、少なくとも1個の式(III)および/または式(IV)の単位を有する。
【0024】
本発明によるタイプAのシロキサンの例は、
【化2】

[その際、Meはメチル基である]である。
【0025】
好ましくは、本発明によるタイプAのシロキサンの例は、式
【化3】

[その際、Eは同じかまたは異なっていてもよく、かつRは前記意味を有するか、あるいは、基(R−SiR3−n−を意味し、
oは、同一かまたは異なっていてもよく、かつ0または1〜3000、好ましくは10〜2000の整数を意味し、
qは、0または1〜3000、好ましくは10〜2000の整数であり、
pは、同一かまたは異なっていてもよく、かつ1〜20、好ましくは1〜5、特に好ましくは1の整数を意味し、かつ、
rは1〜20の整数であり、かつ、
R、R、Rおよびnは前記意味を有するが、但し、o+qの合計は1以上、好ましくは10〜2000である]のものである。
【0026】
本発明によるタイプAのシロキサンは、25℃で好ましくは10〜10mPasの粘度を有する。
【0027】
本発明によるタイプBのシロキサンのための例は、
【化4】

【化5】

[式中、Meはメチル基を意味し、かつXは前記意味を有する]である。
【0028】
好ましくは、本発明によるタイプBのシロキサンは、本質的に線状のシロキサン、特に好ましくは、少なくとも1種の式(VIII)の単位、少なくとも1種の式(III)の単位、ならびに場合によっては式(II)、(IV)、(V)および(VI)の単位から成る本質的に線状のシロキサンであり、特に式
【化6】

[式中、Meはメチル基を意味する]のものである。
【0029】
本発明によるタイプBのシロキサンは、好ましくは25℃で、10〜5・10mPasの粘度を有する。
【0030】
本発明によるオルガノポリシロキサンは、架橋可能な材料、特に低モジュールのRTV1−材料を、極めて高粘度のポリマーを別個に製造しなければならないことなしに、製造するために使用することができるといった利点を有する。
【0031】
本発明によるオルガノポリシロキサン タイプBは、持続的な生物制御的(biostatische)性質を有する配合物を可能にするといった利点を有する。
【0032】
本発明よる窒素含有オルガノポリシロキサンは、任意の、珪素化学において知られた方法、たとえば、オルガノ珪素化合物の加水分解および縮合によって製造される。
【0033】
好ましくは、本発明によるシロキサンは、OH−末端ポリジオルガノシロキサンを、式
【化7】

[式中、R、R、R、R、R、X、a、bおよびnは、前記の意味の一つを有する]のオルガノ珪素化合物と反応させることによって製造される。
【0034】
好ましくは、本発明によるタイプAのシロキサンは、OH−末端ポリジオルガノシロキサンを、式(IX)のシランおよび場合によっては(XI)のシランと反応させることによって製造される。
【0035】
本発明によるタイプBのシロキサンは、OH−末端ポリジオルガノシロキサンを、式(X)のシランおよび場合によっては(XI)および場合によっては(XIII)と反応させることによって製造することができる。
【0036】
好ましくは、本発明によるタイプBのシロキサンは、OH−末端ポリジオルガノシロキサンを、式(IX)のシランおよび場合によっては(XI)と反応させ、引き続いて塩基性窒素を四級化することにより製造する。
【0037】
本発明による方法は、好ましくは0〜100℃、特に好ましくは20〜80℃の温度で、かつ好ましくは、周囲雰囲気の圧力で、すなわち約900〜1100hPaで実施される。しかしながら、本発明による方法は、より高いまたは低い圧力によって実施することができる。
【0038】
本発明による方法の場合には、使用されたOH末端ポリジオルガノシロキサン中のOH基と、式(IX)のオルガノ珪素化合物とのモル比は、好ましくは40:1〜1:10である。40:1と、4:1を上回る間のモル比は、計算上、OH過剰のものが存在し、これは、使用されたOH−末端ポリジオルガノシロキサンの一部分のみが、式(IX)のオルガノ珪素化合物と反応して、本発明によるタイプAのシロキサンを生じることができるのと同時に、使用されたOH−末端ポリジオルガノシロキサンの一部分が未反応のままであるものである。同モル比であるか、あるいは、4:1と同じまたはそれを下回り、2:1を上回るまでのモル比は、正味の計算上、OH−末端を有する純粋なタイプAのシロキサンを形成しうるが、その際、一般には、数倍もの変換されたOH−ポリマーと、未反応のOH−ポリマーとの混合物が形成される。2:1を下回り、1:1までのモル比は、オルガノ珪素化合物(IX)から誘導された末端基を有するタイプAのシロキサンを形成する。1:1を下回り、1:10までのモル比は、オルガノ珪素化合物(IX)過剰であり、これによって、なおも未反応の部分が残される。正確に2:1のOH−基とオルガノ珪素化合物(IX)とのモル比の場合には、並はずれて高粘度のタイプAのポリマーが形成され、この場合、これらは少なくとも理論的には末端基を有しないものである。しかしながら、これは好ましくはない。
【0039】
本発明による方法において、式(IX)のオルガノ珪素化合物の他に、さらに式(XI)のシランを使用する場合には、使用されたOH末端ポリジオルガノシロキサンと、式(XI)のシラン中のOH基のモル比は、好ましくは1:1〜1:100、好ましくは1:10〜1:50である。
【0040】
使用されたOH−末端ポリジオルガノシランと、式(IX)のオルガノ珪素化合物および場合によっては他のオルガノ珪素化合物との本発明による反応は、塊状のみならず、さらには溶剤中でも実施することができる。
【0041】
これに関して適した溶剤としては、成分の反応の妨げにならないものが選択される。
【0042】
場合により使用される溶剤に関する例は、トリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン、この場合、これは、25℃で5〜1000mPasの粘度を有するもの、ならびに、約16〜30個の炭素原子を有する炭化水素である。
【0043】
好ましくは本発明による方法は、溶剤の不含下で実施されるが、但し、実施された反応後に分離除去する必要のないものを選択する場合は別である。本発明によるタイプAのシロキサンの簡単な後処理のために、OH末端ポリジオルガノシロキサンを、式(IX)の化合物と、構成成分の存在下で反応させることは有利であってもよく、この場合、これは、連続して、ならびに、架橋可能な混合物を製造するために添加され、たとえば、架橋可能な材料中で可塑化剤として使用される、トリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサンまたは約16〜30固の炭素原子を有する炭化水素である。これらの技術は、特に、極めて高粘度のポリマーを処理しなければならないことを回避する。
【0044】
使用されたOH末端ポリジオルガノシランの、式(IX)のオルガノ珪素化合物および場合によっては他のオルガノ珪素化合物での本発明による反応は、一般には触媒なしで実施され、このことは、極めて有利である。これとは対照的に、式(XI)のシランでの反応の場合には、触媒の使用は有利であり、特に、Rがオルガニルオキシ基である場合には有利である。これらの通常「エンドキャッピング」として示される反応の触媒の種類および使用量は、多数すでに記載されている。
【0045】
本発明による方法において、場合により使用される触媒の例は、ブレンステッド酸またはルイス酸または−塩基、たとえば亜鉛アセチルアセトネート、チタンキレート、酸性のリン酸エステル、アミン、オキシム、酢酸、蟻酸、アンモニウム塩、たとえばジブチルアンモニウムホルメート、水酸化リチウム、フッ化物等である。
【0046】
本発明による方法で使用されるシランは、市販製品であるかもしくは有機化学において慣用の方法により製造可能なものである。
【0047】
本発明による方法は、容易に実施可能であり、かつ窒素含有シロキサンの後処理の間に、直接的にさらなる処理について実施できるといった利点を有する。
【0048】
本発明による方法は、簡単に実施可能であって、窒素含有シロキサンのさらなる使用前に、他の処理のために定められた容器中で、直接的に実施することができるといった利点を有する。
【0049】
したがって、本発明によるオルガノポリシロキサンは、さらに従来のオルガノポリシロキサンに関して使用可能なすべての目的のために使用することができる。特に、架橋可能な材料を製造するために適している。
【0050】
本発明の他の対象は、架橋可能な材料であり、この場合、この材料は、式
【化8】

[式中、Rはそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の、SiC−結合の、場合によっては置換された炭化水素基を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の有機基または水素原子を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の有機基または水素原子を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の有機基または水素原子を意味し、
は同一かまたは異なっていてもよく、かつ水素原子又は一価の、場合によっては置換された炭化水素基を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の、酸素原子または窒素原子を介して珪素原子と結合した、加水分解可能な有機基を意味し、
nは2または3であり、
aは1〜6、好ましくは1〜3、特に好ましくは1の整数であり、
bは1〜6、好ましくは1〜3、特に好ましくは1の整数であり、かつ、
は同一かまたは異なっていてもよく、かつ1個の有機または無機アニオンを示す]から選択された、少なくとも1種の単位(a)を含有する、オルガノポリシロキサン(i)を含有する。
【0051】
好ましくは、本発明にかかる架橋可能な材料は、縮合反応により架橋可能な材料である。
【0052】
特に好ましくは、
(i)窒素含有オルガノポリシロキサン、
場合によっては(ii)架橋剤、
場合によっては(iii)触媒、
場合によっては(iv)充填剤、
場合によっては(v)接着促進剤、
場合によっては、(vi)可塑化剤、安定化剤、抗酸化剤、耐燃剤、光保護剤および顔料を含む群から選択される他の材料、
および場合によっては(vii)架橋可能なポリマー、この場合、これは(i)とは異なるものである、を含有する架橋可能な材料である。
【0053】
これらの本発明による架橋性材料は、1成分系材料であることが好ましい。この1成分系材料を準備するために、それぞれ使用される構成成分を任意の従来公知の方法で、相互に混合することができる。この混合は、好ましくは室温もしくは、構成成分を室温で混合する際に付加的な加熱又は冷却することなしに生ずる温度で、かつ周囲大気、すなわち約900〜1100hPaで実施する。しかし、所望の場合には、この混合をこれより大きい圧力又は小さい圧力で、例えばガスを取り込むことを回避するために低い圧力で実施することもできる。
【0054】
本発明による材料の製造及びその貯蔵は、好ましくは、本質的に水不含の条件下で実施し、この材料の早期の反応を回避する。
【0055】
場合により使用される架橋剤(ii)としては、従来も縮合により架橋可能な材料中に使用されてきた全種の架橋剤を使用することができる。架橋剤(ii)は、好ましくは、オルガニルオキシシランならびにその部分加水分解物、例えばテトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、i−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシランならびにメチル−およびビニルケトキシモシランならびにこれらの部分加水分解物であり、その際、特に好ましくはメチル−及びビニルトリメトキシシランである。
【0056】
本発明による架橋性材料が架橋剤(ii)を含有する場合には、その量は、架橋性材料100質量部に対してそれぞれ好ましくは0.05〜10質量部の量で、特に好ましくは0.2〜5質量部の量である。
【0057】
場合により使用される触媒(iii)としては、当業者に公知の全種の縮合触媒を使用することができる。
【0058】
縮合触媒(iii)の例は、ブチルチタネート及び有機錫化合物、例えばジ−n−ブチル錫ジラウレート及びジ−n−ブチル錫ジアセテートならびに、これらと、架橋剤としてもしくは接着促進剤として挙げたアルコキシシラン、架橋剤もしくは接着促進剤として挙げたアルコキシシラン中のジアルキル錫オキシド溶液との反応生成物であり、その際、好ましくは、テトラエトキシシラン−加水分解物中のジ−n−ブチル錫ジラウレート及びジブチル錫オキシドであり、特に好ましくはテトラエトキシシラン−加水分解物中のジブチル錫オキシドである。
【0059】
本発明による架橋性材料が触媒(iii)を含有する場合には、その量は、架橋剤材料100質量部に対して、それぞれ好ましくは0.01〜3質量部の量で、特に好ましくは0.05〜2質量部の量である。
【0060】
場合により使用される充填剤(iv)としては、従来も縮合により架橋性材料中に使用されてきた全種の充填剤を使用することができる。充填剤の例は、補強充填剤、すなわち少なくとも30m2/gのBET表面積を有する充填剤、例えばカーボンブラック、熱分解法により製造されたシリカ、沈降シリカおよびケイ素−アルミニウム−混合酸化物であり、その際、挙げられた充填剤は疎水化されていてもよく、ならびに非補強充填剤、すなわち30m2/g未満のBET表面積を有する充填剤、例えば石英、クリストバライト、ケイ藻土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、モンモリロナイト、例えばベントナイト、ゼオライト(ケイ酸ナトリウムアルミニウムのような分子ふるいを含む)、金属酸化物、例えば酸化アルミニウムもしくは酸化亜鉛もしくはこれらの混合酸化物、金属水酸化物、例えば水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素からなる粉末、ガラス、炭及びプラスチックの粉末ならびに中空のガラスビーズおよびプラスチックビーズである。
【0061】
好ましくは、充填剤(iv)が、熱分解法シリカまたは炭酸カルシウムまたはこれらの混合物であり、その際、BET表面積は150m/gであり、かつ炭酸カルシウムのBET表面積は1〜40m/gが特に好ましい。
【0062】
本発明による材料が充填剤(iv)を含有している場合には、その量は、架橋性材料100質量部に対してそれぞれ好ましくは1〜50質量部、特に好ましくは2〜30質量部である。
【0063】
場合により使用される接着促進剤(v)としては、従来も縮合により架橋性材料中に使用されてきた全種の接着促進剤使用することができる。接着促進剤(V)の例は、加水分解可能な基およびSiC−結合ビニル−、アクリルオキシ−、メタクリルオキシ−、エポキシ−、酸無水物−、酸−、エステル−またはエステル基ならびにこれらの部分加水分解物および混合加水分解物である。
【0064】
接着促進剤(v)としては、好ましくは3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン及び3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシランを使用し、特に好ましくは3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0065】
本発明による材料が接着促進剤(v)を含有している場合には、その量は、架橋性材料100質量部に対してそれぞれ好ましくは0.01〜5質量部、特に好ましくは0.5〜4質量部である。
【0066】
他の材料(vi)の例は、可塑剤、例えばトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン及び約16〜30個の炭素原子を有する炭化水素、安定化剤、例えば2−エチルヘキシルホスフェート、オクチルホスホン酸、ポリエーテル、酸化防止剤、難燃剤、例えばリン酸エステル、光保護剤及び顔料、例えば二酸化チタン、酸化鉄である。
【0067】
好ましくは、場合により使用される他の材料(Vi)は、可塑剤、例えばトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン及び約16〜30個の炭素原子を有する炭化水素、安定化剤、例えば2−エチルヘキシルホスフェート、オクチルホスホン酸、ポリエーテル、酸化防止剤、難燃剤、例えばリン酸エステル、光保護剤及び顔料、例えば二酸化チタン、酸化鉄であり、その際、可塑剤および安定化剤が特に好ましい。
【0068】
構成成分(vi)を使用する場合には、その量は、この架橋性材料100質量部に対してそれぞれ好ましくは0.01〜30質量部、特に好ましくは0.05〜25質量部である。
【0069】
場合により、本発明による架橋性材料は、架橋性ポリマー(vii)、例えば反応性末端基を有するオルガノポリシロキサンを含有する。かかる架橋性シロキサンの例は、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン及びα,ω−ビス(ジメトキシメチルシリル)末端ポリジメチルシロキサンである。
【0070】
場合により、本発明にかかる架橋性材料中に使用される成分(vii)は、好ましくは、少なくとも1個のOH基か又は1個の加水分解性基を鎖末端上に有するポリジオルガノシランであり、特に好ましくは、少なくとも1個のOH基か又は1個の加水分解性基を鎖末端上に有するポリジメチルシロキサンであり、殊に好ましくは、粘度が100〜500000mPasのα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサンか又はα,ω−ビス(ジメトキシメチルシリル)末端ポリジメチルシロキサンである。
【0071】
好ましくは、本発明にかかる架橋性材料は成分(vii)を含有する。この構成成分は、好ましくは、加工特性、例えば粘度、膜形成時間又はポットライフを調節のために使用する。
【0072】
成分(vii)を使用する場合には、その量は、この架橋性材料100質量部に対してそれぞれ好ましくは1〜50質量部、特に好ましくは2〜25質量部である。
【0073】
本発明による架橋性材料の個々の構成成分は、かかる構成成分の1種類でも、かかる構成成分の少なくとも2種の異なる種類の混合物であってもよい。
【0074】
特に、本発明による材料は、成分(i)の他に、場合により(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)及び(vii)を含有し、更なる構成成分は含有しない。
【0075】
本発明による架橋性材料の製造は、当業者に知られた方法、例えば押出機、混練機、シリンダーミル、ダイナミック又はスタティックミキサを用いて実施する。本発明にかかる材料の製造は、連続的にかまたは不連続的に実施することができる。この製造は連続的に実施することが好ましい。
【0076】
本発明による材料の架橋のためには、好ましくは通常の空気の含水量で十分である。この本発明による材料の架橋は、好ましくは室温で実施する。この架橋は、好ましい場合には室温より高いかまたは低い温度、例えば−5〜15℃または30〜50℃で、例えば通常の空気の含水率を上回る水の濃度を用いて実施することもできる。好ましくは、この架橋は100〜1100hPaの圧力で実施し、特に好ましくは周囲大気の圧力、すなわち約900〜1100hPaで実施する。
【0077】
本発明の他の対象は、本発明による材料の架橋により製造された成形体である。
【0078】
本発明による材料は、容易に製造可能であり、かつ加工に際して取り扱い容易であるといった利点を有する。
【0079】
本発明による材料は、高い貯蔵安定性を有するといった利点を示す。
【0080】
タイプAの本発明によるシロキサンを製造するために使用される本発明による材料は、この材料を用いて、100%の伸びの際の特に低い張力を有する成形体を、極めて高粘度のポリマーを取り扱うことなく製造できるといった利点を有する。
【0081】
タイプAの本発明によるシロキサンを製造するために使用される本発明による材料は、この材料を用いて、100%の伸びの際の特に低い張力を有する成形体を、極めて高粘度の材料を取り扱うことなく製造できるといった他の利点を有する。
【0082】
タイプBの本発明によるシロキサンを製造するために使用される本発明による材料は、この材料を用いて、100%の伸びの際の特に低い張力を有する成形体を製造することができるといった利点を有し、この場合、これはさらに、持続的な生物制御的な性質を有し、これは、成形体が微生物によって破壊されるのを長時間に亘って回避する。
【0083】
以下の実施例において、すべての粘度データは25℃の温度で示す。特に記載がない限り、以下の実施例は、周囲大気の圧力、すなわち約1000hPaで、かつ室温で、すなわち約23℃または反応物を室温で付加的な加熱又は冷却をせずに合する場合に生ずる温度で、かつ約50%の相対空気湿度で実施する。以下に記載する実施例では、部、及び%で示される全ての表示は、他に記載がない限り、質量に対するものである。
【0084】
ショアA硬度はDIN(ドイツ工業規格)53505(制定2000年8月)により測定された。
【0085】
引張強さ、破断点伸び及びモジュラス(100%の伸びの際の応力)をDIN53504(制定1994年5月)により、試験体の形状S2に対して測定した。
【0086】
以下、Meはメチル基を示し、かつViはビニル基を示す。
【0087】
実施例
例1
粘度350000mPasを有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン350g(Wacher-Chemie GmbH, Deutschlandで「Polymer FD 350」の名称で入手可能)および粘度10mPasを有するα,ω−ビス(トリメチルシロキシ)ポリジメチルシロキサン200g(Wacher-Chemie GmbH, Deutschlandで「OeL AK 10」の名称で入手可能)から成る混合物、この場合、これは、38000mPasの混合粘度を示すもの、を、ビス(メトキシジメチルシリルメチル)アミン0.5gと一緒に混合した。これにより、式
【化9】

を有するタイプAのシロキサンと、希釈に役立つα,ω−ビス(トリメチルシロキシ)ポリジメチルシロキサンとの混合物が、272000mPasの混合粘度で形成された。引き続いてこのポリマー混合物に、メチルトリメトキシシラン12.5g、ビニルトリメトキシシラン6.25gおよび錫アセチルアセトネート0.25gを添加した。この混合物を、室温で12時間に亘って放置した。これにより、前記ポリマーから、式
【化10】

のポリマー混合物が形成された。
【0088】
このようにして得られたポリマー混合物に対して、3−アミノプロピルトリエトキシシラン5.5g、メチルトリメトキシシラン−加水分解物5.25g、この場合、これは、1分子当たり平均10個の珪素原子を有するものであり、3−アミノプロピルトリメトキシシラン4.0g、オクチルホスホン酸0.875g、熱分解法シリカ35.0g、この場合、これは、150m/gの比表面積を有するものであり(Wacher-Chemie GmbH, DeutschlandでHDK(R)V15の名称で入手可能)、炭酸カルシウム175g(GEOMIN Erzgebirgische Kalkwerke GmbH, D-09514 Lengefeld で「Saxolith 2HE」の名称で入手可能)および錫触媒2.0g、この場合、これは、4部のテトラエトキシシランと、2.2部のジブチル錫ジアセテートとの反応によって得ることが可能なもの、を添加した。
【0089】
このようにして得られた架橋可能な材料を、防湿容器に充填した。
【0090】
このようにして得られた材料を用いて試験体を製造し、その際、材料は2mmの層厚で、ポリエチレンからなる支持体上に塗布し、引き続いて7日間に亘って、50%の相対的な空気湿分率で、かつ23℃で架橋させた。引き続いてこのプレート状成形体を、DIN53504S2の形状に打ち抜いた。
【0091】
このようにして得られた試験体は、その機械的値について試験した。この結果は表1に示す。
【0092】
比較例1(V1)
例1による試験を繰り返したが、その際、0.5gのビス(メトキシジメチルシリルメチル)アミンを省略した。
【0093】
このようにして得られた材料を用いて、材料を2mmの層厚で、ポリエチレンからなる支持体上に塗布し、引き続いて7日間に亘って、50%の相対空気湿度で、かつ23℃で架橋させた。引き続いてこのプレート状試験体を、DIN53504S2の形状に打ち抜いた。
【0094】
このようにして得られた試験体は、その機械的値について試験した。この結果は表1に示す。
【0095】
例2
粘度80000mPasを有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン350g(Wacher-Chemie GmbH, Deutschlandで「Polymer FD 80」の名称で入手可能)および粘度10mPasを有するα,ω−ビス(トリメチルシロキシ)ポリジメチルシロキサン200g(Wacher-Chemie GmbH, Deutschlandで「Oel AK 10」の名称で入手可能)から成る混合物、この場合、これは、18000mPasの混合粘度を有する、を、ビス−(メトキシジメチルシリルメチル)アミン0.5gと一緒に混合した。これにより、式
【化11】

を有するタイプAのシロキサンと、希釈に役立つα,ω−ビス(トリメチルシロキシ)ポリジメチルシロキサンとの混合物が、89000mPasの混合粘度で形成された。引き続いて、このポリマー混合物に、メチルトリメトキシシラン12.5g、ビニルトリメトキシシラン6.25gおよび錫アセチルアセトネート0.25gを添加した。これらの混合物を、室温で12時間に亘って放置した。これにより、前記ポリマーから、式
【化12】

のポリマー混合物が形成された。
【0096】
このようにして得られたポリマー混合物に対して、3−アミノプロピルトリエトキシシラン5.5g、メチルトリメトキシシラン−加水分解物5.25g、この場合、これは、1分子当たり平均10個の珪素原子を有するものであり、3−アミノプロピルトリメトキシシラン4.0g、オクチルホスホン酸0.875g、熱分解法シリカ35.0g、この場合、これは、150m/gの比表面積を有するものであり(Wacher-Chemie GmbH, DeutschlandでHDK(R)V15の名称で入手可能)、炭酸カルシウム175g、(GEOMIN Erzgebirgische Kalkwerke GmbH, D-09514 Lengefeld で「Saxolith 2HE」の名称で入手可能)および錫触媒2.0g、この場合、これらは、4部のテトラエトキシシランと、2.2部のジブチル錫ジアセテートとの反応によって得ることが可能なもの、を添加した。
【0097】
このようにして得られた架橋可能な材料を、防湿容器中に充填した。
【0098】
このようにして得られた材料を用いて試験体を製造し、その際、材料は2mmの層厚で、ポリエチレンからなる支持体上に塗布し、引き続いて7日間に亘って、50%の相対空気湿度で、かつ23℃で架橋させた。引き続いてこのプレート状試験体を、DIN53504S2の形状に打ち抜いた。
【0099】
このようにして得られた試験体は、その機械的値について試験した。この結果は表1に示す。
【0100】
比較例2(V2)
例2による試験を繰り返したが、その際、0.5gのビス(メトキシジメチルシリルメチル)アミンを省略した。
【0101】
このようにして得られた材料を用いて試験体を製造し、その際、材料は2mmの層厚で、ポリエチレンからなる支持体上に塗布し、引き続いて7日間に亘って、50%の相対空気湿度で、かつ23℃で架橋させた。引き続いて、このプレート状試験体を、DIN53504S2の形状に打ち抜いた。
【0102】
このようにして得られた試験体は、その機械的値について試験した。結果は、第1表に示す。
【0103】
例3
粘度80000mPasを有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン350g(Wacher-Chemie GmbH, Deutschlandで「Polymer FD 350」の名称で入手可能)および粘度10mPasを有するα,ω−ビス(トリメチルシロキシ)ポリジメチルシロキサン200g(Wacher-Chemie GmbH, Deutschlandで「Oel AK 10」の名称で入手可能)から成る混合物、この場合、これらは、18000mPasの混合粘度を示すもの、を、ビス(メトキシジメチルシリルメチル)アミン3.0gと一緒に混合した。これにより、式
【化13】

を有するタイプAのシロキサンと、希釈に役立つα,ω−ビス(トリメチルシロキシ)ポリジメチルシロキサンとの混合物が、10mPasの混合粘度で形成された。引き続いて、このポリマー混合物に、メチルトリメトキシシラン12.5g、ビニルトリメトキシシラン6.25gおよび錫アセチルアセトネート0.25gを添加した。これらの混合物を、室温で12時間に亘って放置した。
【0104】
このようにして得られたポリマー混合物に対して、3−アミノプロピルトリエトキシシラン5.5g、メチルトリメトキシシラン−加水分解物5.25g、この場合、これは、1分子当たり平均10個の珪素原子を有するものであり、3−アミノプロピルトリメトキシシラン4.0g、オクチルホスホン酸0.875g、熱分解法シリカ35.0g、この場合、これは、150m/gの比表面積を有するものであり(Wacher-Chemie GmbH, DeutschlandでHDK(R)V15の名称で入手可能)、炭酸カルシウム175g(GEOMIN Erzgebirgische Kalkwerke GmbH, D-09514 Lengefeld で「Saxolith 2HE」の名称で入手可能)および錫触媒2.0g、この場合、これは、4部のテトラエトキシシランと、2.2部のジブチル錫ジアセテートとの反応によって得ることが可能なもの、を添加した。
【0105】
このようにして得られた架橋可能な材料を、防湿容器中に充填した。
【0106】
このようにして得られた材料を用いて試験体を製造し、その際、材料は2mmの層厚で、ポリエチレンからなる支持体上に塗布し、引き続いて7日間に亘って、50%の相対空気湿度で、かつ23℃で架橋させた。引き続いて、このプレート状試験体を、DIN53504S2の形状に打ち抜いた。
【0107】
このようにして得られた試験体は、その機械的値について試験した。この結果は表1に示す。
【0108】
例4
粘度80000mPasを有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン294g(Wacher-Chemie GmbH, Deutschlandで「Polymer FD 80」の名称で入手可能)および粘度1000mPasを有するα,ω−ビス(トリメチルシロキシ)ポリジメチルシロキサン105g(Wacher-Chemie GmbH, Deutschlandで「Weichmacher 1000」の名称で入手可能)および脂肪族炭化水素混合物61g(TotalFinaElf Deutschland GmbHで「Hydroseal G400H」の名称で入手可能)から成る混合物を、ビス(メトキシジメチルシリルメチル)アミン0.2g、この場合、これは、1.8gの前記脂肪族炭化水素混合物中に溶解したもの、と一緒に混合した。これにより、式
【化14】

を有するタイプAのシロキサンの混合物が形成された。この混合物は、引き続いて、エチルトリアセトキシシラン20.0g、ジ−tert−ブチルジアセトキシシラン1.84gを添加し、かつ5分に亘って混合した。これにより、前記ポリマーから、式
【化15】

のポリマー混合物が形成された。引き続いてさらに熱分解法シリカ42.0g、この場合、これは150m/gの比表面積を有するもの(Wacher-Chemie GmbH, DeutschlandでHDK(R)V15の名称で入手可能)およびジブチル錫アセテート0.052gを添加し、かつ10分に亘って均一に混合した。引き続いて、約100mbarの圧力でさらに15分に亘って混合した。このようにして得られた架橋可能な材料を、防湿容器中に充填した。
【0109】
このようにして得られた材料を用いて試験体を製造し、その際、材料は2mmの層厚で、ポリエチレンからなる支持体上に塗布し、引き続いて7日間に亘って、50%の相対空気湿度で、かつ23℃で架橋させた。引き続いて、このプレート状試験体を、DIN53504S2の形状に打ち抜いた。
【0110】
このようにして得られた試験体は、その機械的値について試験した。この結果は表1に示す。
【0111】
【表1】

【0112】
例5
1−(メトキシジメチルシリル)−N−[(メトキシジメチルシリル)メチル]−N−メチル−メチルアミンのオリゴマー化
1−(メトキシジメチルシリル)−N−[(メトキシジメチルシリル)メチル]−N−メチル−メチルアミン211.9gを予め装入し、かつ+10℃に冷却した。引き続いて、ゆっくりとかつ良好に撹拌しながら、水10.8gを滴加し、その際、反応混合物の温度を約25℃に上昇させた。室温で1時間に亘って撹拌し、かつさらに50℃で1時間に亘って撹拌した。その後に、反応過程において形成されたメタノールならびにすべての易揮発性の構成部分を、蒸留によって50℃で、真空下(p<1ミリバール)で除去した。固体の無色透明なオイル178gが、61mm/sの粘度および4.85mmol/gのアミン含量で得られ、この場合、これはおおよそ以下の組成
【化16】

に相当した。
【0113】
ポリジメチルシロキサンを有する共縮合物
1−(メトキシジメチルシリル)−N−[(メトキシジメチルシリル)メチル]−N−メチル−メチルアミン−オリゴマー118.8gおよび195mm/sの粘度を有し、かつ、26.9mmol/100gのSiOH−含量を有する、ポリジメチルシロキサン2973.2gからなる混合物を、撹拌しながら、80℃の温度に加熱し、かつ、この温度で2時間に亘って保持した。引き続いて、反応過程中で形成されたメタノールならびにすべての易揮発性の構成成分を、蒸留によって、80℃の温度で、真空下(p<10mbar)で除去した。無色の透明なオイルは、1135mm/sの粘度、0.188mmol/gのアミン含量および6.45mmol/100gのSiOH−含量で得られた。
【0114】
共縮合物のN−アルキル化(四級化)
任意のPDMS−アミノシラン−共縮合物3000gを、5lの撹拌装置中に予め装入し、かつ10℃に冷却した。引き続いて、テトラヒドロフラン(THF)600g中のp−トルエンスルホン酸メチルエステル105.5gから成る溶液を添加し、その際、反応混合物を、ゆっくりと室温で加熱した。アルキル化をより完全なものにするために、室温で、1時間に亘って、かつ50℃で、30分に亘って撹拌した。引き続いて、すべての揮発性構成成分を50℃で、蒸留によって真空下で(p<10mbar)除去した。高粘度の、やや黄色のオイルが、1.8・10mPasの粘度で、かつ6.2mmol/100gのSiOH−含量で得られた。
【0115】
化合物
このようにして製造されたポリ第四級ポリシロキサン35g、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン1400g、この場合、これは、80000mPasの粘度を有するものであり、ポリジメチルシロキサン600g、この場合、これは、−OSi(CH−末端基を有し、かつ粘度100mPasを有するものであり、エチルトリアセトキシシラン90gおよび熱分解法親水性シリカ190g、この場合、これは、150m/gの比表面積を有するもの、を、遊星形ミキサ中で、真空下で均一に混合した。引き続いて、ジブチル錫ジアセテート0.5gを添加し、かつさらに5分に亘って均質化した。
【0116】
貯蔵安定性の測定のために、試料を、防湿容器中で、3日間に亘って100℃で放置した。試料の硬化挙動および外観についてはなんら変化が生じず、これは十分な貯蔵安定性および耐黄色化性を証明するものであった
このようにして製造された加硫プレートから、DIN EN ISO846による試料を製造し、かつ方法Bによって記載された基準で試験した。これは全く発育しなかったかまたはわずかにのみ発育した(等級0または1)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、Rはそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の、SiC−結合の、場合によっては置換された炭化水素基を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の有機基または水素原子を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の有機基または水素原子を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の有機基または水素原子を意味し、
は同一かまたは異なっていてもよく、かつ水素原子又は一価の、場合によっては置換された炭化水素基を表し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の、酸素原子または窒素原子を介して珪素原子と結合した、加水分解可能な有機基を意味し、
nは2または3であり、
aは1〜6の整数であり、
bは1〜6の整数であり、かつ、
は同一かまたは異なっていてもよく、かつ1個の有機または無機アニオンを示す]から選択された、少なくとも1種の単位(a)を含有するオルガノポリシロキサン、但し、式(VIII)の単位を含有しないオルガノポリシロキサンである場合には、さらに少なくとも1個の式(II)の単位が存在し、かつ式(I)の単位を含有しないオルガノポリシロキサンである場合には、さらに式(III)および式(IV)の単位から選択された、少なくとも1種の単位が存在するものとする。
【請求項2】
式(VIII)の単位を含有しないものである(シロキサン タイプA)、請求項1に記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項3】
式(VIII)の単位を含有するものである(シロキサン タイプB)、請求項1に記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項4】

【化2】

[式中、Eは、同一かまたは異なっていてもよく、かつRに関して挙げられた意味を有するか、あるいは、基(R−SiR3−n−を意味し、
oは、同一かまたは異なっていてもよく、かつ0または1〜3000の整数を意味し、
qは、0または1〜3000の整数を意味し、
pは、同一かまたは異なっていてもよく、かつ1〜20の整数を意味し、かつ、
rは1〜20の整数であり、かつ、
R、R、Rおよびnは前記意味を有するが、但し、o+qの合計は1以上である]のものである、請求項1または2に記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項5】
25℃で、10〜10mPasの粘度を有する、請求項2または4に記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項6】
式(VIII)の少なくとも1種の単位、式(III)の少なくとも1種の単位ならびに場合によっては式(II)、(IV)、(V)および(VI)の単位から成る、本質的に線状のシロキサンである、請求項1または3に記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項7】
25℃で、10〜10mPasの粘度を有する、請求項3または6に記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項8】

【化3】

[式中、Rはそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の、SiC−結合の、場合によっては置換された炭化水素基を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の有機基または水素原子を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の有機基または水素原子を意味し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の有機基または水素原子を意味し、
は同一かまたは異なっていてもよく、かつ水素原子又は一価の、場合によっては置換された炭化水素基を表し、
はそれぞれ同一かまたは異なっていてもよく、かつ一価の、酸素原子または窒素原子を介して珪素原子と結合した、加水分解可能な有機基を意味し、
nは2または3であり、
aは1〜6の整数であり、
bは1〜6の整数であり、かつ、
は同一かまたは異なっていてもよく、かつ1個の有機または無機アニオンを示す]から選択された少なくとも1種の単位(a)を含有する、オルガノポリシロキサン(i)を含有する、架橋可能な材料。
【請求項9】
(i)窒素含有オルガノポリシロキサン、
場合によっては(ii)架橋剤、
場合によっては(iii)触媒、
場合によっては(iv)充填剤、
場合によっては(v)接着促進剤、
場合によっては、(vi)可塑化剤、安定化剤、抗酸化剤、耐燃剤、光保護剤および顔料を含む群から選択された他の材料、および
場合によっては(vii)架橋可能なポリマー、この場合、これは(i)とは異なるものである、を含有するものである、請求項8に記載の架橋可能な材料。
【請求項10】
請求項8または9に記載の材料を架橋することによって製造された成形体。

【公表番号】特表2008−513589(P2008−513589A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532803(P2007−532803)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/009879
【国際公開番号】WO2006/032396
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】