説明

端子装置、電気装置および電気機器

【課題】回路基板同士の電気接続を容易に行える端子装置、この端子装置を備えて回路基板の配設が簡素化される電気装置およびこの電気装置を具備する電気機器を提供する。
【解決手段】電気装置1は、少なくとも一端部に電極パターンが形成され、少なくとも一面に回路部品8,13が実装された複数個の回路基板2,3と、回路基板2,3の電極パターンが形成された端部側2b,3aが両面側の挿入開口にそれぞれ挿入された端子装置4と、長尺形の筒状に形成され、端子装置4および端子装置4に連結された回路基板2,3を収容しているケース5と、ケース5の両端側の端面にそれぞれ取り付けられ、端子装置4との間で回路基板2,3を支持する一対の端部材6,6を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、端子装置、この端子装置を用いる電気装置およびこの電気装置を具備する電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器において、負荷は、電気装置により駆動、制御されている。この電気装置は、回路基板(プリント基板)に回路部品などを実装して構成されている。そして、電気装置には、複数の回路基板を用いて構成されているものがある。これは、例えば、はんだ槽の大きさにより1枚の回路基板を使用できなかったり、放熱を要する回路部品と放熱をさほど要しない回路部品とをそれぞれ金属製基板および樹脂製基板に実装したり、また、例えばインバータの小形化を図るために回路部品を多層基板および単層基板に分けて実装したりすることによる。
【0003】
そして、複数の回路基板同士の電気接続は、回路基板に設けた端子台やコネクタ同士の接続またはジャンパー線などにより行っている。また、電気的接続に係る接続構造体を用いているものがある(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−21532号公報(第10頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回路基板に端子台やコネクタなどを設けると、それらの回路基板での実装スペースが必要であり、電気機器の高さ寸法が大きくなる部分があるので、電気機器の小形化や薄形化に影響しやすい。また、ジャンパー線や接続構造体による回路基板同士の電気接続は、その接続に手間を要し、作業時間を要するという欠点を有する。さらに、複数の回路基板は、ケースなどの筐体に個別に支持されるので、回路基板の配設が複雑化するという欠点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の電気装置は、回路基板、端子装置、ケース、端部材および固定手段を有して構成される。
【0007】
回路基板は、少なくとも一端部に電極パターンが形成されている。そして、負荷を駆動、制御する電気回路を形成する回路部品が少なくとも一面側に実装されている。
【0008】
端子装置は、端子部材、導電部材および係止部を有して構成される。
【0009】
端子部材は、導電部材を収納するものであり、電気絶縁性の樹脂からなり、正対する両面側にそれぞれ挿入開口が形成されている。この挿入開口に回路基板の電極パターンが形成されている端部が挿入される。
【0010】
導電部材は、端子部材の挿入開口に挿入される回路基板の端部に形成された電極パターンを挟持して電気接続し、回路基板の電極パターン同士を電気接続する。
【0011】
係止部は、端子部材に設けられており、端子部材の挿入開口に回路基板が挿入されたときに、当該回路基板の端子部材の挿入開口に挿入される端部側に設けられた被係止部に係止して、端子部材に回路基板を連結させる。
【0012】
ケースは、長尺形の筒状に形成されている。そして、端子装置および端子装置の両端側に連結された回路基板を収容する。
【0013】
一対の端部材は、ケースの両端側の端面にそれぞれ取り付けられ、端子装置との間で回路基板を支持する。
【0014】
固定手段は、ケースに収容された端子装置を固定する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態の電気装置は、端子装置がその両面側の回路基板同士を電気接続するとともに一対の端部材との間で回路基板を支持するので、コネクタやジャンパー線などによる回路基板同士の電気接続を省略することができて、互いに種類、厚さ、形状や大きさなどの異なる回路基板同士を容易に電気接続することができるとともに、各回路基板の支持構造を簡素化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1を示す電気装置の概略側断面図である。
【図2】同じく、回路基板の概略斜視図である。
【図3】同じく、端子装置を示し、(a)は概略正面図、(b)は概略側断面図である。
【図4】同じく、ケースの概略斜視図である。
【図5】同じく、端部材を示し、(a)は概略背面図、(b)は概略側断面図である。
【図6】本発明の実施例2を示す電気機器のブロック図である。
【図7】本発明の実施例3を示す照明器具の一部切り欠き概略正面図である。
【図8】同じく、照明器具の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明の実施例1を示す電気装置1は、図1ないし図5に示すように構成される。図1において、電気装置1は、回路基板2,3、端子装置4、ケース5、一対の端部材6,6および固定手段としてのねじ7を有して構成されている。
【0019】
回路基板2は、金属板例えばアルミニウム(Al)板からなり、図2に示すように、略長方形である長尺形に形成されている。そして、一面2cには、図示しない絶縁層を介して負荷を駆動させる電気回路を形成する多数の回路部品8が実装されている。各回路部品8は、図示しない銅箔からなる配線パターンにより電気接続されている。回路基板2の長手方向の一端側2aおよび他端側2bは、中央部よりも幾分幅小に形成されている。
【0020】
回路基板2は、電界効果トランジスタなどの発熱量が大きく、放熱が必要な回路部品8が実装される。これにより、熱伝導率が比較的大きい金属板例えばアルミニウム(Al)板を用いている。
【0021】
そして、回路基板2は、一面2cであって、長手方向の一端側2aの端部に銅箔からなる入力端子9が幅方向に3個形成されている。この3個の入力端子9のうち、2個の入力端子9a,9bは、交流電源入力用の端子であり、1個の入力端子9cは、アース用の端子となっている。入力端子9a,9bには、電源コード10(図1に示す。)の電源線がそれぞれはんだ付けされ、入力端子9cには、電源コード10のアース線がはんだ付けされている。
【0022】
また、一面2cであって、長手方向の他端側2bの端部には、銅箔からなる接続電極パターン11が幅方向に4列形成されている。接続電極パターン11は、端子装置4により挟持される挟持部分に形成されるものである。
【0023】
また、回路基板2の他端側2bの側部には、被係止部としての半円形の嵌合切欠12,12が形成されている。この嵌合切欠12,12には、後述する端子装置4の係止部が嵌合して係止される。
【0024】
回路基板3は、合成樹脂例えばガラスエポキシ材からなり、回路基板2とほぼ同形状に形成されている。そして、一面3cには、負荷を駆動させる電気回路を形成する多数の回路部品13が実装されている。各回路部品13は、図示しない銅箔からなる配線パターンにより電気接続されている。回路基板3の長手方向の一端側3aおよび他端側3bは、中央部よりも幾分幅小に形成されている。
【0025】
回路基板3は、発熱量が小さく、放熱がさほど必要でない回路部品13が実装される。したがって、熱伝導率が比較的小さくてもよい合成樹脂例えばガラスエポキシ材を用いている。
【0026】
そして、回路基板3は、一面3cであって、長手方向の一端側3aの端部に、銅箔からなる入力電極パターン14が幅方向に4列形成されている。入力電極パターン14は、端子装置4により挟持される挟持部分に形成されるものである。入力電極パターン14a〜14dは、端子装置4により回路基板2の接続電極パターン11a〜11dにそれぞれ電気接続される。
【0027】
また、一面3cであって、長手方向の他端側3bの端部に銅箔からなる出力端子15が幅方向に3個形成されている。この3個の出力端子15のうち、2個の出力端子15a,15bは、負荷への電力出力用の端子であり、1個の出力端子15cは、アース用の端子となっている。出力端子15a,15bには、出力コード16(図1に示す。)の出力線がそれぞれはんだ付けされ、出力端子15cには、出力コード16のアース線がはんだ付けされている。
【0028】
また、回路基板3の一端側3aの側部には、被係止部としての半円形の嵌合切欠17,17が形成されている。この嵌合切欠17,17には、端子装置4の係止部が嵌合して係止きれる。
【0029】
なお、回路基板2の入力端子9および回路基板3の出力端子15は、それぞれ電極パターンで形成してもよい。また、回路基板2の接続電極パターン11および回路基板3の入力電極パターン14は、それぞれ4個に形成しているが、電気装置1の電気回路を回路基板2,3により形成するように、回路基板2に実装された回路部品8および配線パターンによる電気回路と、回路基板3に実装された回路部品13および配線パターンによる電気回路とを電気接続するように設けていればよい。
【0030】
また、回路基板2は、一面2cの反対側の他面(裏面)にも回路部品8を実装していてもよく、回路基板3は、同様に、一面3cの反対側の他面(裏面)にも回路部品13を実装していてもよい。回路部品8,13は、面実装形が好ましく、ディスクリート部品の場合には、高さ寸法を抑えるために、その長手方向が一面2c,3cと略平行となるように実装されるのが好ましい。
【0031】
なお、回路基板2は、金属板例えばアルミニウム(Al)板で形成し、回路基板3は、合成樹脂例えばガラスエポキシ材で形成しているが、回路基板3も回路基板2と同一の金属板で形成してもよい。また、回路基板2,3は、それらの幅方向および長手方向の寸法がそれぞれ異なっていてもよく、また、それらの厚さが互いに異なっていてもよい。
【0032】
図1において、回路基板2,3は、端子装置4により連結される。すなわち、回路基板2の接続電極パターン11が形成されている他端側2bの端部および回路基板3の入力電極パターン14が形成されている一端側3aの端部が端子装置4に電気的かつ機械的に接続される。端子装置4は、図3に示すように、端子部材18、導電部材19,19および係止部20,21を有して形成されている。
【0033】
端子部材18は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂からなり、内部空間22を有する略直方体形状に形成されている。例えば、長方形状の筒体に導電部材19,19等を嵌め込んだ後に、筒体の両側開口部に端子部材18の側面18f,18fとなる側板18G,18Gを張り合わせて形成している。端子部材18は、樹脂製であるので、電気絶縁性を有する。
【0034】
そして、端子部材18は、正対する両面側である前面18aおよび背面18bにそれぞれスリット状の挿入開口23,23が形成されている。挿入開口23,23は、回路基板2の他端側2bの端部および回路基板3の一端側3aの端部のいずれも挿入できる大きさに形成されている。挿入開口23,23は、互いに正対するとともに、端子部材18の上面18cおよび下面18dの中間位置に形成されている。
【0035】
導電部材19,19は、回路基板2に形成される接続電極パターン11および回路基板3に形成される入力電極パターン14のそれぞれの幅に対応した所定幅を有する銅板からなり、連結部24により正対するように連結されているとともに、接続電極パターン11および入力電極パターン14のそれぞれの4個に対応して4組設けられている。また、導電部材19,19は、端子部材18の上面18aおよび下面18bのそれぞれの反対側の内面18eに固着された直方体形状の固定部材25,25にそれぞれ図示しない固定手段により固定されている。こうして、4組の導電部材19,19は、端子部材18内に収容されている。
【0036】
そして、導電部材19,19の挿入開口23,23側は、弾性変形可能であって自己鎖錠端子として機能するように、その先端が内側に向いたカール状に形成されている。導電部材19,19は、端子部材18の前面18a側の挿入開口23に挿入された回路基板2の他端側2bの端部を挟持して、この挟持部分に形成されている接続電極パターン11に電気接続する。また、導電部材19,19は、端子部材18の背面18b側の挿入開口23に挿入された回路基板3の一端側3aの端部を挟持して、この挟持部分に形成されている入力電極パターン14に電気接続する。こうして、導電部材19,19は、端子部材18の正対する両面18a,18b側の回路基板2,3同士を電気接続する。
【0037】
端子部材18の両側面18f,18fの前面18a側には、上面18cおよび下面18dの中間位置において、回路基板2の被係止部としての嵌合切欠12,12に嵌合して係止される係止部としての凸部20,20が形成されている。また、端子部材18の両側面18f,18fの背面18b側には、上面18cおよび下面18dの中間位置において、回路基板3の被係止部としての嵌合切欠17,17に嵌合して係止される係止部としての凸部21,21が形成されている。
【0038】
凸部20,20および凸部21,21は、側面18f,18fの外面側から端子部材18の内部空間22側に突出して設けられている。そして、凸部20,20は、挿入開口23に挿入された回路基板2に当接したときに側面18f,18fの外面側に弾性変形し、嵌合切欠12,12に嵌合して回路基板2を係止する。
【0039】
また、凸部21,21は、挿入開口23に挿入された回路基板3に当接したときに側面17f,17fの外面側に弾性変形し、嵌合切欠17,17に嵌合して回路基板3を係止する。こうして、凸部20,20および凸部21,21は、端子部材18に回路基板2,3を連結する。これにより、端子装置4と回路基板2,3とは、機械的にも接続され、容易に取り外れなくなる。
【0040】
また、端子部材18の上面18cおよび下面18dには、端子部材18の幅方向および長手方向のそれぞれの中間位置において、固定手段としてのねじ7が螺着されるねじ孔26,26が形成されている。ねじ孔26,26は、上面18cおよび下面18dから端子部材18の内部空間22に到達しない深さに形成されている。端子装置4は、ねじ孔26,26に螺着されるねじ7により、ケース5に固定される。ねじ孔26,26は、ねじ7とともに、端子装置4をケース5に固定する固定手段を構成する。
【0041】
図4において、ケース5は、金属例えばアルミニウム(Al)により形成され、端子装置4および端子装置4に連結された回路基板2,3を収容可能に長尺形であって長方形の筒状に形成されている。そして、上面5aおよび下面5bにそれぞれ挿通孔27が形成されている。挿通孔27は、ケース5の幅方向の中心線上であって、長手方向の例えば中心位置に形成されている。また、長手方向の両端側5c,5dのそれぞれの端面5e,5eには、ねじ孔28が複数個形成されている。
【0042】
ケース5は、その両端側5c,5dの開口29,29から端子装置4および回路基板2,3が挿入され、図1に示すように、端子装置4および回路基板2,3を収容している。そして、ねじ7を上面5aおよび下面5bから挿通孔27を介して端子装置4のねじ孔26に螺着し、端子装置4をケース5に固定している。
【0043】
なお、ねじ7の頭部が上面5aおよび下面5bから突出しないように、ねじ7に皿ねじを用い、挿通孔27を皿孔に形成してもよい。
【0044】
そして、ケース5の両端側5c,5dのそれぞれの端面5e,5eには、一対の端部材6,6が取り付けられている。一対の端部材6,6は、端子装置4との間で回路基板2,3を支持している。一対の端部材6,6は、例えば鉄板を用いて形成され、図5に示すように、平板30、固定板31および板ばね32を有して形成されている。
【0045】
平板30は、ケース5の両端側5c,5dの開口29,29を閉塞する長方形に形成され、周縁部にケース5のねじ孔28に対応する挿通孔33が設けられている。そして、幅方向の中心側であって上端側に図示しない孔が形成されていて、この孔にブッシング34が装着されている。
【0046】
固定板31は、回路基板2の一端側2aの端部および回路基板3の他端側3bの端部の幅とほぼ同等の幅寸法を有する断面L形に形成され、平板30に溶接等により取り付けられている。また、板ばね32は、固定板31と同寸法の幅を有し、平板30に溶接等により固定された固定部35と、断面略く字形の可動部36とに形成されている。
【0047】
端子装置4および端子装置4に連結された回路基板2,3は、ケース5の開口29からケース5内に挿入される。このとき、回路基板2の他端側2aおよび回路基板3の他端側3bを指などにより支持するとよい。そして、端子装置4をねじ7によりケース5に固定した後、例えば回路基板2の電源コード10をブッシング34に挿通させ、回路基板2の一端側2aの端部を一方の端部材6の固定板31および板ばね32の隙間に挿入し、固定板31および板ばね32に挟持させる。そして、平板30の挿通孔33からケース5のねじ孔28に、図1に示すように、ねじ37を螺着して、一方の端部材6をケース5に固定する。これにより、回路基板2は、端子装置4および一方の端部材6により支持される。
【0048】
同様に、回路基板3の出力コード16をブッシング34に挿通させ、回路基板3の他端側3bの端部を他方の端部材6の固定板31および板ばね32の隙間に挿入し、固定板31および板ばね32に挟持させる。そして、平板30の挿通孔33からケース5のねじ孔28に、ねじ37を螺着して、他方の端部材6をケース5に固定する。これにより、回路基板3は、端子装置4および他方の端部材6により支持される。こうして、電気装置1が組み立てられて形成される。
【0049】
次に、本発明の実施例1の作用について述べる。
【0050】
図1において、端子装置4は、回路基板2に実装された回路部品8による電気回路と、回路基板3に実装された回路部品13による電気回路とを電気接続し、電気装置1の電気回路を形成させる。
【0051】
そして、電源コード10の電源線に交流電源が投入されると、回路基板2,3の回路部品8,13が動作し、回路部品8,13等により形成された電気回路が所定の電力を回路基板3の出力端子15に出力する。この出力は、出力コード16の出力線を介して負荷に供給され、負荷が駆動する。
【0052】
本実施形態の電気装置1は、端子部材18の両面18a,18b側の回路基板2,3同士を電気接続するとともに、端子部材18に回路基板2,3を連結する係止部としての凸部20,21を有する端子装置4と、端子装置4との間で回路基板2,3を支持する一対の端部材6,6とを具備するので、コネクタやジャンパー線などによる回路基板2,3同士の電気接続を省略することができて、互いに種類の異なる回路基板2,3同士を容易に電気接続することができるとともに、回路基板2,3の支持構造や配設を簡素化することができる。これにより、電気装置1の小形化や薄形化を図ることが可能であり、電気装置1を安価にすることが可能であるという効果を有する。
【0053】
なお、電気装置1は、回路基板2,3を連結したが、さらに端子装置4を用いて別の回路基板を接続するように、回路基板3の両端側3a,3bに電極パターンを形成するようにしてもよい。また、回路基板2,3は、互いに厚さ、形状や大きさなどが異なっていてもよい。
【0054】
また、端子装置4に形成される係止部は、凸部20,21でなく係止片に、回路基板2,3に形成される被係止部は、嵌合切欠12,17でなく、孔(開口)に形成されてもよい。
【実施例2】
【0055】
図6は、本発明の実施例2を示す電気機器のブロック図である。なお、図1と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0056】
図6に示す電気機器38は、例えば建物や地下廊の壁面に設置される送風装置であり、図1に示す電気装置1、負荷39および電気機器本体40を有して構成されている。
【0057】
電気装置1は、温度センサや湿度センサなどのセンサ装置41に接続され、電気機器38の周囲温度や湿度に応じて、負荷39への電力供給を調整する。負荷39は、複数個のファンによって構成され、電気装置1により駆動される。すなわち、電気装置1の出力に応じて、ファンが回転または停止し、ファンの回転数が変化される。
【0058】
電気機器本体40は、送風口を有する箱状に形成され、電気装置1、負荷39およびセンサ装置41を配設して、壁面に固定されている。
【0059】
本実施形態の電気機器38は、電気装置1を安価に形成可能であるので、安価な電気機器38を提供可能であるという効果を有する。また、電気装置1が薄形に形成可能であるので、電気機器本体40を薄形に形成することができて、壁面に設置されているときの外観が向上するとともに、障害物や干渉物になり難いという効果を有する。
【0060】
なお、電気機器は、本実施形態の電気機器38に限定されるものではなく、本発明の電気装置、この電気装置により駆動される負荷および当該電気装置および前記負荷を配設している電気機器本体を具備していればよいものである。
【実施例3】
【0061】
図7および図8は、本発明の実施例3を示し、図7は照明器具の一部切り欠き概略正面図、図8は照明器具の概略側面図である。なお、図1と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0062】
図7において、電気機器としての照明器具42は、天井面などに直付けされる直付け照明器具であり、電気機器本体としての器具本体43と、この器具本体43に取り付けられた光源ユニット44に形成されている。器具本体43および光源ユニット44は、それぞれ長方形の箱状に形成されている。器具本体43は、その長手方向の大きさが光源ユニット44とほぼ同等に形成されているが、その短手方向の大きさは、図8に示すように、光源ユニット44よりも小さく形成されている。光源ユニット44は、器具本体43の一端側43aであって光源ユニット44の長手方向の両端側44a,44bにおいて、複数個のねじ45により器具本体43に取り付けられている。
【0063】
図7において、光源ユニット44は、負荷としての発光ダイオード46を格子状に多数配設している。発光ダイオード46は、可視光を放射するように形成されている。そして、光源ユニット44は、その開口側44cに透光性カバー47を配設している。発光ダイオード46から放射された可視光は、透光性カバー47を透過して床面側に放射される。すなわち、発光ダイオード46は、床面側に可視光を放射可能に配設されている。
【0064】
器具本体43は、その内部に図1に示す電気装置1を収容している。電気装置1は、発光ダイオード46を点灯する点灯装置に形成されている。
【0065】
本実施形態の照明器具42は、薄形化されるとともに安価に形成可能な電気装置1が器具本体43に収容されているので、全体を薄形化することが可能であるとともに安価にすることが可能であるという効果を有する。
【0066】
なお、本実施形態の照明器具は、直付け形照明器具に限らず、吊り下げ形照明器具や埋込形照明器具などに構成されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1…電気装置、 2,3…回路基板、 4…端子装置、 5…ケース、 6,6…一対の端部材、 7…固定手段としてのねじ、 18…端子部材、 19,19…導電部材、 20,21…係止部としての凸部、 38…電気機器、 39…負荷、 40…電気機器本体、 42…電気機器としての照明器具、 43…電気機器本体としての器具本体、 46…負荷としての発光ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正対する両面側にそれぞれ回路基板が挿入される挿入開口が形成された樹脂製の端子部材と;
前記挿入開口に挿入される回路基板の端部に形成された電極パターンを狭持して電気接続し、端子部材の前記両面側の回路基板同士を電気接続するように端子部材内に収容された導電部材と;
端子部材に設けられ、前記挿入開口に前記回路基板が挿入されたときに前記回路基板の端部側に設けられた被係止部に係止して端子部材に前記回路基板を連結する係止部と;
を具備していることを特徴とする端子装置。
【請求項2】
少なくとも一端部に電極パターンが形成され、少なくとも一面に回路部品が実装された複数個の回路基板と;
この回路基板の電極パターンが形成された端部側が前記両面側の挿入開口にそれぞれ挿入された請求項1記載の端子装置と;
長尺形の筒状に形成され、前記端子装置および前記端子装置に連結された前記回路基板を収容しているケースと;
このケースの両端側の端面にそれぞれ取り付けられ、前記端子装置との間で前記回路基板を支持する一対の端部材と;
前記端子装置を前記ケースに固定している固定手段と;
を具備していることを特徴とする電気装置。
【請求項3】
請求項2記載の電気装置と;
この電気装置により駆動される負荷と;
前記電気装置および前記負荷を配設している電気機器本体と;
を具備していることを特徴とする電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−33446(P2012−33446A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174303(P2010−174303)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】