説明

端末装置、通信システム及び位置の測定方法

【課題】移動端末が所要数のGPS衛星を捕捉できず、かつ移動端末が基地局との通信可能圏内にない状態下にあっても、移動端末に自機の位置の測位を可能にする。
【解決手段】移動端末T1は、GPS衛星S1〜S3から受信したGPS信号に基づいて自機の位置を測定する第1測位手段12と、基地局BSから受信した基地局情報に基づいて自機の位置を測定する第2測位手段13と、第1測位手段12及び第2測位手段13による測位の可否を判定する判定手段11と、第1測位手段12及び第2測位手段13のいずれも測位ができないと判定されたときに他の移動端末T10〜T12に対してその端末位置情報を要求する端末位置情報要求手段14と、他の移動端末T10〜T12からの端末位置情報を受信する端末位置情報受信手段15と、受信される前記端末位置情報に基づいて自機の位置を測定する第3測位手段16と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自機の位置を測定する端末装置、端末装置が自機の位置を測定する通信システムおよび端末装置における位置の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、全地球測位システム(GPS: Global Positioning System)による測位機能を備える移動端末が利用可能である。
また、基地局の住所等のデータを含む基地局情報を基地局から受信し、基地局情報と電波の到達範囲とから自機の位置を測定する移動端末が利用可能である。
【0003】
なお、音源装置が、外部の測位手段からの測位情報を取得する手段と、自己の位置を算出する手段と、自己の位置を重畳して所定強度の音波として水中に照射する音源とを備え、水中位置検出装置が、照射された音波を取得する手段と、取得した音波に重畳された音源装置の位置を得る処理と、音波の強度に基づいて音源装置までの距離を得る処理とを行うことで、複数の音源装置の位置および複数の音源装置までの距離を取得する手段と、取得した複数の音源装置の位置および複数の音源装置までの距離に基づいて所定の測位処理を行うことで自己の位置を取得する手段と、を備える水中位置検出システムが開示されている。
【0004】
また、移動端末装置が、GPS受信部が使用できない場合には、基地局の電波を受信し、その電界強度を測定するとともに基地局識別情報を抽出し、これらをサービスセンタに送信し、サービスセンタが、基地局識別情報に対応する基地局の設置位置を獲得し、この獲得した設置位置とその測定電界強度に基づいて移動端末装置の現在位置を算出し、かつその現在位置に対応する地図を地図データベースから獲得し、その現在位置の地図を移動端末装置に送信するシステムが開示されている。
【0005】
また、被探索端末をトランシーバモードにして特定の音響またはコードの識別信号を適宜の時間パタ−ンで送信させ、その電波の識別信号を手掛かりに方向探知機で左右方向を確かめつつ被探索端末に接近して捕捉することが開示されている。
【0006】
また、携帯電話機が基地局との交信によってその位置を捕捉可能な行動エリア内にあるときには、相対的に消費電力の少ない基地局との交信動作によってその所在位置を検出し、基地局との交信によって行動エリアを逸脱した蓋然性が高いと弁別されたときにはGPSを利用した測位によって高精度で位置を捕捉し、行動エリア逸脱の旨の通報および/またはその位置を表す情報を、予定した通報先に送信することが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2006−275920号公報
【特許文献2】特開2000−348297号公報
【特許文献3】特開平9−331571号公報
【特許文献4】特開2007−134760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の技術では、移動端末が所要数のGPS衛星を捕捉できず、かつ移動端末が基地局との通信可能圏内にない状態下では、移動端末は自機の位置を測位することができなかった。
上記事情に鑑み、開示の装置、システム及び方法は、移動端末が所要数のGPS衛星を捕捉できず、かつ移動端末が基地局との通信可能圏内にない状態下にあっても、移動端末に自機の位置の測位を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ある実施例の形態による端末装置は、GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて自機の位置を測定する第1測位手段と、基地局から受信した基地局情報に基づいて自機の位置を測定する第2測位手段と、第1測位手段及び第2測位手段による測位の可否を判定する判定手段と、第1測位手段及び第2測位手段のいずれも測位ができないと判定されたときに他の移動端末に対してその端末位置情報を要求する端末位置情報要求を送信する端末位置情報要求手段と、他の移動端末からの端末位置情報を受信する端末位置情報受信手段と、受信される前記端末位置情報に基づいて自機の位置を測定する第3測位手段と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
開示の装置、システム及び方法によれば、移動端末がGPSによる測位及び基地局情報による測位をできない状態下にあっても、他の移動端末から得た位置情報によって移動端末が自機の位置を測定することが可能となる。このため移動端末が測位できるエリアが拡大される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付する図面を参照して実施例を説明する。図1は、開示の通信システムの構成図である。通信システム1は、複数の移動端末T1、T10〜T12と、これら移動端末T1、T10〜T12と無線通信を行うために設けられた基地局BSとを備える。
【0012】
後述するように、移動端末T1、T10〜T12は、GPS衛星S1〜S3からのGPS信号を受信してGPSによる測位を行うGPS測位機能を有する。図示の破線にて示された領域Aは、GPSによる測位が可能なエリアの例を示しており、本例では、移動端末T10〜T12はGPSによる測位が可能なエリアAに存在しており、移動端末T1は、GPSによる測位が可能なエリアAの外にある。また移動端末T1、T10〜T12は、基地局BSを経由せずに移動端末T1、T10〜T12同士の間で直接通信を行う直接通信機能を有する。移動端末T1、T10〜T12は、直接通信機能として、たとえばPHS(Personal Handy-phone System)に採用されていたトランシーバモードと同様の通信機能を有してよい。
【0013】
図2は、移動端末T1のハードウエア構成の例を示す構成図である。他の移動端末T10〜T12も同様のハードウエア構成を有していてよい。
移動端末T1は、制御部2と、記憶部3と、無線通信部4と、GPS機能部5と、入力部6と、表示部7を備える。
【0014】
制御部2は、移動端末T1の動作を制御する。本実施例において、制御部2は、CPUやMPUなどのデータプロセッサを備え、記憶部3に格納された制御プログラムを実行することによって、移動端末T1の動作を制御し、後述する測位処理を実行する。また制御部2は、この測位処理により得られた位置情報を利用するアプリケーションプログラムを実行する。
【0015】
記憶部3には、上述した制御プログラムやアプリケーションプログラムが格納される。また記憶部3には、これらプログラムの実行に必要なデータが格納され、プログラムの実行の際に生成される一時的なデータが保存される。
【0016】
無線通信部4は、移動端末T1と基地局BSとの間の無線通信機能を提供する。また、無線通信部4は、移動端末T1及びT10〜T12における相互間の直接通信機能を提供する。この直接通信機能は、たとえばPHS(Personal Handy-phone System)に採用されていたトランシーバモードと同様の通信機能であってよい。
【0017】
GPS機能部5は、GPS衛星S1〜S3から受信したGPS信号に基づいて移動端末T1の位置を測定するGPS測位機能を提供する。
【0018】
入力部6は、移動端末T1に対するユーザからの入力を受け付ける。たとえば移動端末T1が携帯電話であるとき、入力部6はたとえばキー操作部であり、移動端末T1による通信先の電話番号やメールアドレスの入力のために使用され、また制御部2により実行されるアプリケーションプログラムへ操作の入力へ使用される。
【0019】
表示部7は、ユーザへ表示データを表示するための、液晶画面等の表示デバイスである。表示部7は、たとえば、移動端末T1による測位処理の結果得られた位置情報を利用するアプリケーションプログラムのユーザインタフェースを表示したり、また、該位置情報を表示するために使用される。
【0020】
図3は、図2に示す移動端末T1の機能ブロックの第1例を示す機能ブロック図である。記憶部3に格納された制御プログラムを制御部2が実行することによって、図3に示す各機能が実行される。移動端末T1は、測位処理制御部11と、第1測位部12と、第2測位部13と、端末位置情報要求部14と、端末位置情報受信部15と、第3測位部16と、端末位置情報要求受信部17と、端末位置情報送信部18と、スイッチ20と、スイッチ21を備える。
【0021】
本実施例では、制御部2によるソフトウエア処理によって図3に示す各機能ブロックの機能が実行される。これら各機能ブロックを、専用のハードウエア回路によって実現されてもよい。すなわち、上記の測位処理制御部11と、第1測位部12と、第2測位部13と、端末位置情報要求部14と、端末位置情報受信部15と、第3測位部16と、端末位置情報要求受信部17と、端末位置情報送信部18と、スイッチ20と、スイッチ21、並びに後述する端末位置情報記憶部19及びスイッチ22の一部及び全部は、それぞれ専用のハードウエア回路によって実現されてもよい。
【0022】
測位処理制御部11は、移動端末T1の位置情報を利用するアプリケーションプログラムから、測位実行命令を受信して、以下に説明する測位処理を制御する。測位処理制御部11は、特許請求の範囲に記載される判定手段及び端末位置情報要求可否判定手段に対応する。
【0023】
第1測位部12は、GPS機能部5にて受信したGPS信号に基づいて移動端末T1の位置を測定する。測定される移動端末T1の位置情報は、たとえば緯度情報及び経度情報でよい。第2測位部13は、無線通信部4にて受信した基地局BSからの基地局情報と電波の到達範囲に基づいて移動端末T1の位置を測定する。第2測位部13が行う測位処理を、以下「基地局情報に基づく測位」と示すことがある。
【0024】
測位処理制御部11は、図2に示すGPS機能部5から与えられる信号にしたがって、GPS機能による測位が可能であるか否かを判定する。測位処理制御部11は、たとえばGPS機能部5がGPS測位のために必要な数のGPS衛星が捕捉しているか否かによって、GPS機能による測位が可能であるか否かを判定する。GPS機能による測位が可能である場合には、測位処理制御部11は、GPS測位部である第1測位部12に測位処理を実行させる。このとき測位処理制御部11は、スイッチ21を制御することによって、第1測位部12による測定結果を、出力すべき位置情報として選択する。
【0025】
GPS機能による測位ができないとき、測位処理制御部11は、無線通信部4から与えられる信号にしたがって、基地局情報に基づく測位が可能であるか否かを判定する。測位処理制御部11は、たとえば、移動端末T1が少なくとも1つの基地局BSの通信可能圏内にあるか否かによって、基地局情報に基づく測位が可能であるか否かを判定する。
【0026】
基地局情報に基づく測位が可能である場合には、測位処理制御部11は、第2測位部13に測位処理を実行させる。測位処理制御部11は、スイッチ20及び21を制御することによって、第2測位部13による測定結果を、出力すべき位置情報として選択する。
【0027】
端末位置情報要求部14は、他の移動端末T10〜T12へ、それぞれ各自の位置情報である端末位置情報の送信を要求する端末位置情報要求メッセージを送信する。端末位置情報受信部15は、端末位置情報要求メッセージに返答する応答メッセージとして、他の移動端末T10〜T12から送信される端末位置情報を受信する。端末位置情報要求メッセージ及び端末位置情報は、無線通信部4により提供される、移動端末T1及びT10〜T12相互間の直接通信機能によって送受信される。
【0028】
また、端末位置情報受信部15は、端末位置情報を受信したときに無線通信部4によって測定された受信電波強度を、無線通信部4から取得する。第3測位部16は、他の移動端末T10〜T12から受信した端末位置情報と、それぞれの移動端末からの受信電波強度に基づいて移動端末T1の位置を測定する。第3測位部16による位置の測定方法については後述する。
【0029】
測位処理制御部11は、GPS機能による測位及び基地局情報に基づく測位ができないときに、端末位置情報要求部14に、端末位置情報要求メッセージの送信処理を実行させる。その結果、端末位置情報要求メッセージの応答として他の移動端末T10〜T12からの端末位置情報が、端末位置情報受信部15において受信される。第3測位部16は、他の移動端末T10〜T12から受信した端末位置情報と、それぞれの端末からの受信電波強度に基づいて移動端末T1の位置を測定する。測位処理制御部11は、スイッチ20及び21を制御することによって、第3測位部16による測定結果を、出力すべき位置情報として選択する。
【0030】
移動端末T1から端末位置情報要求メッセージを受信した他の移動端末T10〜T12は、端末位置情報要求受信部17において端末位置情報要求メッセージを受信する。端末位置情報要求受信部17は、測位処理制御部11へ端末位置情報要求メッセージを受信したことを通知する。
【0031】
端末位置情報要求メッセージが受信されたことを通知された測位処理制御部11は、アプリケーションプログラムから測位実行命令を受信した場合と同様に、第1測位部12及び第2測位部13による測位を実行する。
【0032】
移動端末T1から端末位置情報要求メッセージを受信したときに、第1測位部12及び第2測位部13による測位ができない場合には、端末位置情報要求メッセージの送信処理を端末位置情報要求部14に実行させるように、測位処理制御部11を構成してもよい。移動端末T1から端末位置情報要求メッセージを受信した移動端末においても、端末位置情報要求メッセージの送信することによって、この移動端末の第3測位部16でも、他の移動端末からの端末位置情報と受信電波強度に基づいて自機の測位が可能となる。
【0033】
端末位置情報送信部18は、アプリケーションプログラムから測位実行命令を受信した場合と同様に第1測位部12、第2測位部13及び第3測位部16のいずれかによって測定されかつスイッチ20及び21によって選択された位置情報を、送信する。
【0034】
後述するとおり、端末位置情報要求メッセージは有効期間に対応する情報を含んでいてよい。たとえば移動端末T10が移動端末T1から端末位置情報要求メッセージを受信したところ、第1測位部12及び第2測位部13による測位ができず、端末位置情報要求メッセージを送信する場合を想定する。移動端末T10の測位処理制御部11は、移動端末T1から受信した端末位置情報要求メッセージに含まれる有効期間に対応する情報に基づいて、移動端末T10が端末位置情報要求メッセージを送信してよいか否かを判定する。このように端末位置情報要求メッセージに有効期間を設定することにより、端末位置情報要求メッセージを受信した移動端末が次々と連鎖的に端末位置情報要求メッセージを送信して端末位置情報要求メッセージが過剰に連鎖する不都合が回避される。
【0035】
スイッチ20は、測位処理制御部11からの選択信号にしたがって、第2測位部13から出力され入力I1として与えられた位置情報と、第3測位部16から出力され入力I2として与えられた位置情報のうち一方を出力O1として出力する。スイッチ21は、測位処理制御部11からの選択信号にしたがって、第1測位部12から出力され入力I3として与えられた位置情報と、スイッチ20の出力O1として出力され入力I4として入力された位置情報のうち一方を出力O2として出力される。スイッチ21から出力される位置情報は、測位実行命令に対する応答としてアプリケーション及び端末位置情報送信部18に提供される。
【0036】
図4は、開示の位置測定方法のフローチャートである。ステップS10において測位処理制御部11は、制御部2により実行されるアプリケーションプログラムから、測位実行命令を受信する。ステップS11において測位処理制御部11は、GPS機能による測位が可能であるか否かを判定する。測位処理制御部11は、たとえば図2に示すGPS機能部5がGPS測位のために必要な数のGPS衛星を捕捉しているか否かによって、GPS機能による測位が可能であるか否かを判定する。
【0037】
ステップS11における判定においてGPS機能による測位が可能である場合には処理はステップS12へ移行し、GPS機能による測位ができない場合には処理はステップS13へ移行する。ステップS12において測位処理制御部11は、第1測位部12に測位処理を実行させる。その後に処理はステップS19へ移行する。ステップS19において測位処理制御部11は、スイッチ21を制御することにより第1測位部12から出力され入力I3として入力される位置情報を、アプリケーションプログラムへの応答として選択する。その後処理は終了する。
【0038】
ステップS13において測位処理制御部11は、基地局情報に基づく測位による測位が可能であるか否かを判定する。測位処理制御部11は、たとえば、移動端末T1が少なくとも1つの基地局BSの通信可能圏内にあるか否かによって、基地局情報に基づく測位が可能であるか否かを判定する。
【0039】
ステップS13における判定において基地局情報に基づく測位が可能である場合には処理はステップS14へ移行し、基地局情報に基づく測位ができない場合には処理はステップS15へ移行する。ステップS14において測位処理制御部11は、第2測位部13に測位処理を実行させる。その後に処理はステップS19へ移行する。ステップS19において測位処理制御部11は、スイッチ20を制御することにより第2測位部13から出力され入力I1として入力される位置情報をスイッチ20の出力O1として選択する。また、スイッチ21を制御することによりスイッチ20から出力され入力I4として入力される位置情報を、アプリケーションプログラムへの応答として選択する。その後処理は終了する。
【0040】
ステップS15において測位処理制御部11は、端末位置情報要求部14に、端末位置情報要求メッセージの送信処理を実行させる。端末位置情報要求部14は、無線通信部4により提供される、移動端末間の直接通信機能によって端末位置情報要求メッセージを送信する。
【0041】
図5は、端末位置情報要求メッセージを受信したときの移動端末の動作の第1例を示すフローチャートである。ステップS20において端末位置情報要求受信部17は、端末位置情報要求メッセージを受信する。端末位置情報要求受信部17は、測位処理制御部11へ端末位置情報要求メッセージを受信したことを通知する。
【0042】
ステップS21において測位処理制御部11は、ステップS11と同様にGPS機能による測位が可能であるか否かを判定する。GPS機能による測位が可能である場合には処理はステップS22へ移行し、GPS機能による測位ができない場合には処理はステップS24へ移行する。
【0043】
ステップS22において測位処理制御部11は、第1測位部12に測位処理を実行させる。ステップS23において測位処理制御部11は、スイッチ21を制御することにより第1測位部12から出力され入力I3として入力される位置情報を、端末位置情報送信部18へ入力する。端末位置情報送信部18は、入力された位置情報を自機の位置を示す端末位置情報として送信する。端末位置情報送信部18が送信する端末位置情報は、無線通信部4により提供される移動端末間の直接通信機能によって送受信される。その後処理は終了する。
【0044】
ステップS24において測位処理制御部11は、基地局情報に基づく測位による測位が可能であるか否かを判定する。基地局情報に基づく測位による測位が可能である場合には処理はステップS25へ移行し、基地局情報に基づく測位ができない場合には処理はステップS27へ移行する。
【0045】
ステップS25において測位処理制御部11は、第2測位部13に測位処理を実行させる。ステップS26において測位処理制御部11は、スイッチ20を制御することにより第2測位部13から出力され入力I1として入力される位置情報をスイッチ20の出力O1として選択する。また、スイッチ21を制御することによりスイッチ20から出力され入力I4として入力される位置情報を、端末位置情報送信部18へ入力する。端末位置情報送信部18は、入力された位置情報を自機の位置を示す端末位置情報として送信する。その後処理は終了する。
【0046】
ステップS27において測位処理制御部11は、第3測位部16による測位処理を行う前に、第3測位部16による測位処理に必要な他の移動端末の端末位置情報を要求するための端末位置情報要求メッセージを送信してよいか否かを判定する。
【0047】
他の移動端末から端末位置情報要求メッセージを受信した移動端末の測位処理制御部11が、端末位置情報要求メッセージを送信してよいか否かを判定するために、端末位置情報要求メッセージは、その有効期間に関する情報を含む。図6の(A)は、端末位置情報要求メッセージのフォーマットの第1例を示す図である。
【0048】
端末位置情報要求メッセージは、所定のデータ交換方法によって移動端末間でデータを送受信するために必要な情報を含んだヘッダと、本メッセージが端末位置情報要求メッセージであることを特定する識別情報CODEと、時間情報TIMEを含む。
【0049】
時間情報TIMEは、たとえば端末位置情報要求メッセージの有効期間が満了する時刻を示す情報としてよい。現時刻が時間情報TIMEにより示される時刻を経過していないとき、ステップS27において測位処理制御部11は、端末位置情報要求メッセージを送信してよいと判定する。現時刻が時間情報TIMEにより示される時刻を経過しているとき、ステップS27において測位処理制御部11は、端末位置情報要求メッセージを送信できないと判定する。
【0050】
また、たとえば時間情報TIMEは、他の移動端末から端末位置情報要求メッセージを受信しないで端末位置情報要求メッセージを送信する移動端末、すなわち、図4に示すステップS15において端末位置情報要求メッセージを送信する移動端末が、端末位置情報要求メッセージを送信した送信時刻を示す情報であってよい。この場合、時間情報TIMEにより示される送信時刻に所定の有効期間長を加えた時刻が過ぎていないとき、ステップS27において測位処理制御部11は、端末位置情報要求メッセージを送信してよいと判定する。時間情報TIMEにより示される送信時刻に有効期間長を加えた時刻が過ぎているとき、ステップS27において測位処理制御部11は、端末位置情報要求メッセージを送信できないと判定する。
【0051】
図6の(B)は、端末位置情報要求メッセージのフォーマットの第2例を示す図である。端末位置情報要求メッセージは、ヘッダと、識別情報CODEと、残り送信可能回数に対応する有効期間値TTL(Time To Live)を含む。ステップS27において測位処理制御部11は、TTLが0より大きいとき端末位置情報要求メッセージを送信してよいと判定する。ステップS27において測位処理制御部11は、TTLが0以下であるとき端末位置情報要求メッセージを送信できないと判定する。
【0052】
ステップS27において端末位置情報要求メッセージを送信してよいか否かを判定することによって、ある移動端末における測位処理のために端末位置情報要求メッセージが送信されたとき、この送信時刻からある期間が経過した後には、この測位処理のための端末位置情報要求メッセージが送信されなくなる。このため、端末位置情報要求メッセージを受信した移動端末が次々と連鎖的に端末位置情報要求メッセージを送信することによる端末位置情報要求メッセージの過剰な連鎖が防止される。
【0053】
ステップS27において端末位置情報要求メッセージを送信してよいと判定されたとき処理はS28へ移行し、端末位置情報要求メッセージを送信できないと判定されたとき、処理が終了する。
【0054】
ステップS28において、測位処理制御部11は、端末位置情報要求部14に、端末位置情報要求メッセージの送信処理を実行させる。図6の(A)に示すように端末位置情報要求メッセージが時間情報TIMEを含むときは、端末位置情報要求部14は、ステップS20にて受信した端末位置情報要求メッセージに含まれていた時間情報TIMEと同一の時間情報TIMEを、送信する端末位置情報要求メッセージに含める。
【0055】
図6の(A)に示すように端末位置情報要求メッセージが有効期間値TTLを含むときは、端末位置情報要求部14は、ステップS20にて受信した端末位置情報要求メッセージに含まれていた有効期間値TTLから所定ステップ数を減じた有効期間値TTLを、送信する端末位置情報要求メッセージに含める。
【0056】
ステップS29において端末位置情報受信部15は、他の移動端末から送信される端末位置情報を受信する。ステップS30において端末位置情報受信部15は、ステップS29において端末位置情報を受信したときに無線通信部4によって測定された受信電波強度を、無線通信部4から取得する。
【0057】
ステップS31において第3測位部16は、ステップS29において受信した各移動端末の端末位置情報と、ステップS30において取得した、それぞれの移動端末からの受信電波強度に基づいて、自機の位置を測定する。第3測位部16による位置の測定方法については後述する。
【0058】
ステップS32において測位処理制御部11は、スイッチ20を制御することにより第3測位部16から出力され入力I2として入力される位置情報をスイッチ20の出力O1として選択する。また、スイッチ21を制御することによりスイッチ20から出力され入力I4として入力される位置情報を、端末位置情報送信部18へ入力する。端末位置情報送信部18は、入力された位置情報を自機の位置を示す端末位置情報として送信する。その後処理は終了する。
【0059】
図4を参照する。ステップS16において端末位置情報受信部15は、図5に示すステップS23、S26又はS32において他の移動端末の端末位置情報送信部18から送信される端末位置情報を受信する。ステップS17において端末位置情報受信部15は、ステップS16において端末位置情報を受信したときに無線通信部4によって測定された受信電波強度を、無線通信部4から取得する。
【0060】
ステップS18において第3測位部16は、ステップS16において受信した各移動端末の端末位置情報と、ステップS17において取得した、それぞれの移動端末からの受信電波強度に基づいて自機の位置を測定する。第3測位部16による位置の測定方法については後述する。
【0061】
ステップS19において測位処理制御部11は、スイッチ20を制御することにより第3測位部16から出力され入力I2として入力される位置情報をスイッチ20の出力O1として選択する。また、スイッチ21を制御することによりスイッチ20から出力され入力I4として入力される位置情報を、アプリケーションプログラムへの応答として選択する。その後処理は終了する。
【0062】
図7は、図4に示すステップS18及び図5に示すステップS31における第3測位部16の処理の例を説明するフローチャートである。ステップS40において第3測位部16は、端末位置情報受信部15にて受信した端末位置情報の数が3個以上であるか否かを判定する。受信した端末位置情報の数が3個以上であるとき処理はステップS41に移行し、2個以下であるとき処理はステップS42へ移行する。
【0063】
ステップS41において第3測位部16は、端末位置情報受信部15にて受信した端末位置情報と、これら端末位置情報を受信した信号強度に基づいて、自機の位置を決定する。自機の位置を算出する計算方法としてたとえば三角法を使用してよい。その後処理は終了する。
【0064】
ステップS42において第3測位部16は、端末位置情報受信部15にて受信した端末位置情報の数が2個であるか1個であるかを判定する。受信した端末位置情報の数が2個であるとき処理はステップS43に移行し、1個以下であるとき処理はステップS44へ移行する。
【0065】
ステップS43において第3測位部16は、受信した2個の端末位置情報のうちのいずれかを、所定の優先度判断基準にしたがって、自機の位置として決定する。たとえば第3測位部16は、受信時の信号強度がより強い端末位置情報を自機の位置として選択する。その後処理は終了する。ステップS44において第3測位部16は、受信した1個の端末位置情報を自機の位置として決定する。その後処理は終了する。
【0066】
本実施例により、移動端末がGPSによる測位及び基地局情報による測位をできない状態下にあっても、他の移動端末から得た位置情報によって移動端末が自機の位置を測定することが可能となる。このため移動端末が測位できるエリアが拡大される。
【0067】
また、端末位置情報要求メッセージを受信した他の移動端末が、GPSによる測位及び基地局情報による測位をできないとき、この他の移動端末もまた端末位置情報要求メッセージを送信してさらに他の移動端末からの端末位置情報に基づいて測位することによって、移動端末が測位できるエリアがさらに拡大される。
【0068】
図8は、図2に示す移動端末T1の機能ブロックの第2例を示す機能ブロック図である。記憶部3に格納された制御プログラムを制御部2が実行することによって、図8に示す各機能が実行される。移動端末T1は、図3に示す構成と同様の構成を有しており、図3に示す構成要素と同様の構成要素には図3で使用した参照符号と同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。移動端末T1は、端末位置情報記憶部19と、スイッチ22とさらに備える。
【0069】
端末位置情報記憶部19には、スイッチ21から出力された最新の位置情報が格納される。スイッチ22は、測位処理制御部11の制御にしたがって、スイッチ21から出力され入力I5として入力される位置情報および端末位置情報記憶部19から読み出され入力I6として入力される位置情報のうちの一方を、出力O3として出力する。
【0070】
図9は、図8に示す移動端末が端末位置情報要求メッセージを受信した際の動作例を示すフローチャートである。ステップS50において端末位置情報要求受信部17は、端末位置情報要求メッセージを受信する。端末位置情報要求受信部17は、測位処理制御部11へ端末位置情報要求メッセージを受信したことを通知する。
【0071】
ステップS51において測位処理制御部11は、ステップS21と同様にGPS機能による測位が可能であるか否かを判定する。GPS機能による測位が可能である場合には処理はステップS52へ移行し、GPS機能による測位ができない場合には処理はステップS54へ移行する。
【0072】
ステップS52及びS53において、ステップS22及びS23と同様に、第1測位部12による測位処理が実行され、端末位置情報送信部18によって端末位置情報が送信される。このとき測位処理制御部11は、スイッチ22を制御することによりスイッチ21から出力され入力I5として入力される位置情報をスイッチ22の出力O3として選択することによって、第1測位部12により測定された位置情報を端末位置情報送信部18に入力する。その後処理は終了する。
【0073】
ステップS54において測位処理制御部11は、基地局情報に基づく測位による測位が可能であるか否かを判定する。基地局情報に基づく測位による測位が可能である場合には処理はステップS55へ移行し、基地局情報に基づく測位ができない場合には処理はステップS57へ移行する。
【0074】
ステップS55及びS56において、ステップS25及びS26と同様に、第2測位部13による測位処理が実行され、端末位置情報送信部18によって端末位置情報が送信される。スイッチ22を制御することによりスイッチ21から出力され入力I5として入力される位置情報をスイッチ22の出力O3として選択することによって、第2測位部13により測定された位置情報を端末位置情報送信部18に入力する。その後処理は終了する。
【0075】
ステップS57において、測位処理制御部11は、スイッチ22を制御することにより、端末位置情報記憶部19から読み出され入力I6として入力される位置情報を端末位置情報送信部18に入力する。端末位置情報送信部18は、入力された位置情報を自機の位置を示す端末位置情報として送信する。その後処理は終了する。
【0076】
本実施例により、端末位置情報要求メッセージを受信した他の移動端末は、GPSによる測位及び基地局情報による測位をできなくても、端末位置情報要求メッセージへの応答として、端末位置情報を送信することができる。
【0077】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0078】
(付記1)
GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて自機の位置を測定する第1測位手段と、
基地局から受信した基地局情報に基づいて自機の位置を測定する第2測位手段と、
前記第1測位手段及び第2測位手段による測位の可否を判定する判定手段と、
前記第1測位手段及び第2測位手段のいずれも測位ができないと判定されたときに、他の移動端末に対して、該他の移動端末の端末位置情報を要求する端末位置情報要求を送信する端末位置情報要求手段と、
前記他の移動端末からの端末位置情報を受信する端末位置情報受信手段と、
受信される前記端末位置情報に基づいて自機の位置を測定する第3測位手段と、
を備える端末装置。
【0079】
(付記2)
前記他の移動端末として動作する付記1の端末装置であって、
前記端末位置情報要求を受信する端末位置情報要求受信手段と、
前記第1測位手段及び第2測位手段のいずれかにより得られた自機の位置情報を前記端末位置情報として送信する端末位置情報送信手段と、
をさらに備える端末装置。
【0080】
(付記3)
前記端末位置情報要求手段は、前記第1及び第2測位手段のいずれによっても前記端末位置情報として送信すべき自機の位置情報を測定できないとき、端末位置情報要求を送信する、付記2に記載の端末装置。
【0081】
(付記4)
前記端末位置情報要求は、有効期間に対応する情報を含み、
前記端末装置は、受信された前記端末位置情報要求に含まれる有効期間に対応する前記情報に基づいて、端末位置情報要求を送信するか否かを判定する端末位置情報要求可否判定手段を備える付記3に記載の端末装置。
【0082】
(付記5)
複数の移動端末及び基地局を備える通信システムであって、
いずれかの前記移動端末は、
GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて自機の位置を測定する第1測位手段と、
基地局から受信した基地局情報に基づいて自機の位置を測定する第2測位手段と、
前記第1測位手段及び第2測位手段による測位の可否を判定する判定手段と、
前記第1測位手段及び第2測位手段のいずれも測位ができないと判定されたときに、前記通信システム内の他の前記移動端末に対して、該他の移動端末の端末位置情報を要求する端末位置情報要求を送信する端末位置情報要求手段と、
1つ以上の前記他の移動端末からの端末位置情報を受信する端末位置情報受信手段と、
受信される1つ以上の前記端末位置情報に基づいて自機の位置を測定する第3測位手段と、
を備え、
前記他の移動端末は、
前記いずれかの移動端末から前記端末位置情報要求を受信する端末位置情報要求受信手段と、
自機の位置情報を前記端末位置情報として前記いずれかの移動端末へ送信する端末位置情報送信手段と、
を備える通信システム。
【0083】
(付記6)
前記他の移動端末もまた、前記第1測位手段及び前記第2測位手段を備え、
前記端末位置情報送信手段は、前記第1測位手段及び第1測位手段のいずれかにより得られた自機の位置情報を前記端末位置情報として送信する付記5に記載の通信システム。
【0084】
(付記7)
前記他の移動端末もまた、前記判定手段、前記端末位置情報要求手段、前記端末位置情報受信手段及び前記第3測位手段を備え、
前記端末位置情報要求手段は、前記第1及び第2測位手段のいずれによっても前記端末位置情報として送信すべき自機の位置情報を測定できないとき、前記端末位置情報要求を送信する、付記6に記載の通信システム。
【0085】
(付記8)
前記端末位置情報要求は、有効期間に対応する情報を含み、
前記他の移動端末は、受信された前記端末位置情報要求に含まれる有効期間に対応する前記情報に基づいて、前記端末位置情報要求を送信するか否かを判定する端末位置情報要求可否判定手段を備える付記7に記載の通信システム。
【0086】
(付記9)
GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて自機の位置を測定する第1測位手段と、基地局から受信した基地局情報に基づいて自機の位置を測定する第2測位手段と、を備える端末装置における該端末装置の位置の測定方法であって、
前記端末装置において前記第1測位手段及び第2測位手段による測位の可否を判定し、
前記第1測位手段及び第2測位手段のいずれも測位ができないと判定されたときに、前記端末装置が、他の移動端末に対して、該他の移動端末の端末位置情報を要求する端末位置情報要求を送信し、
前記端末装置が、前記他の移動端末からの端末位置情報を受信し、
受信される前記端末位置情報に基づいて、前記端末装置が自機の位置を測定する、端末装置の位置の測定方法。
【0087】
(付記10)
前記他の移動端末もまた前記第1測位手段及び第2測位手段を有し、
前記他の移動端末が、前記端末位置情報要求を受信し、
前記他の移動端末が、前記第1測位手段及び第2測位手段のいずれかにより得られた自機の位置情報を前記端末位置情報として送信する、付記9に記載の端末装置の位置の測定方法。
【0088】
(付記11)
前記他の移動端末は、前記第1及び第2測位手段のいずれによっても前記端末位置情報として送信すべき自機の位置情報を測定できないとき、前記端末位置情報要求を送信する、付記10に記載の端末装置の位置の測定方法。
【0089】
(付記12)
前記端末位置情報要求は、有効期間に対応する情報を含み、
前記他の移動端末は、受信された前記端末位置情報要求に含まれる有効期間に対応する前記情報に基づいて、前記端末位置情報要求を送信するか否かを判定する付記11に記載の端末装置の位置の測定方法。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】開示の通信システムの構成図である。
【図2】開示の移動端末のハードウエア構成の例を示す構成図である。
【図3】図2に示す移動端末の機能ブロックの第1例を示す機能ブロック図である。
【図4】開示の位置測定方法のフローチャートである。
【図5】端末位置情報要求メッセージを受信した移動端末の動作の第1例を示すフローチャートである。
【図6】(A)及び(B)は端末位置情報要求メッセージのフォーマットの第1例及び第2例を示す図である。
【図7】第3測位部の処理の例を説明するフローチャートである。
【図8】図2に示す移動端末の機能ブロックの第2例を示す機能ブロック図である。
【図9】端末位置情報要求メッセージを受信した移動端末の動作の第2例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
1 通信システム
BS 基地局
S1〜S3 GPS衛星
T1、T10〜T12 移動端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて自機の位置を測定する第1測位手段と、
基地局から受信した基地局情報に基づいて自機の位置を測定する第2測位手段と、
前記第1測位手段及び第2測位手段による測位の可否を判定する判定手段と、
前記第1測位手段及び第2測位手段のいずれも測位ができないと判定されたときに、他の移動端末に対して、該他の移動端末の端末位置情報を要求する端末位置情報要求を送信する端末位置情報要求手段と、
前記他の移動端末からの端末位置情報を受信する端末位置情報受信手段と、
受信される前記端末位置情報に基づいて自機の位置を測定する第3測位手段と、
を備える端末装置。
【請求項2】
前記他の移動端末として動作する請求項1の端末装置であって、
前記端末位置情報要求を受信する端末位置情報要求受信手段と、
前記第1測位手段及び第2測位手段のいずれかにより得られた自機の位置情報を前記端末位置情報として送信する端末位置情報送信手段と、
をさらに備える端末装置。
【請求項3】
前記端末位置情報要求手段は、前記第1及び第2測位手段のいずれによっても前記端末位置情報として送信すべき自機の位置情報を測定できないとき、前記端末位置情報要求を送信する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
複数の移動端末及び基地局を備える通信システムであって、
いずれかの前記移動端末は、
GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて自機の位置を測定する第1測位手段と、
基地局から受信した基地局情報に基づいて自機の位置を測定する第2測位手段と、
前記第1測位手段及び第2測位手段による測位の可否を判定する判定手段と、
前記第1測位手段及び第2測位手段のいずれも測位ができないと判定されたときに、前記通信システム内の他の前記移動端末に対して、該他の移動端末の端末位置情報を要求する端末位置情報要求を送信する端末位置情報要求手段と、
1つ以上の前記他の移動端末からの端末位置情報を受信する端末位置情報受信手段と、
受信される1つ以上の前記端末位置情報に基づいて自機の位置を測定する第3測位手段と、
を備え、
前記他の移動端末は、
前記いずれかの移動端末から前記端末位置情報要求を受信する端末位置情報要求受信手段と、
自機の位置情報を前記端末位置情報として前記いずれかの移動端末へ送信する端末位置情報送信手段と、
を備える通信システム。
【請求項5】
GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて自機の位置を測定する第1測位手段と、基地局から受信した基地局情報に基づいて自機の位置を測定する第2測位手段と、を備える端末装置における該端末装置の位置の測定方法であって、
前記端末装置において前記第1測位手段及び第2測位手段による測位の可否を判定し、
前記第1測位手段及び第2測位手段のいずれも測位ができないと判定されたときに、前記端末装置が、他の移動端末に対して、該他の移動端末の端末位置情報を要求する端末位置情報要求を送信し、
前記端末装置が、前記他の移動端末からの端末位置情報を受信し、
受信される前記端末位置情報に基づいて、前記端末装置が自機の位置を測定する、端末装置の位置の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−66163(P2010−66163A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233767(P2008−233767)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】