説明

端末装置

【課題】 本発明は、上方から誤って飲み物等をこぼしたとしても、操作性が劣化することがないと共に、スイッチ部等に悪影響を与えることがない端末装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の端末装置1は、多方向入力部材10が、内部に多方向の入力が可能な多方向入力部と、この多方向入力部を入力操作可能な操作部とを有し、複数のスイッチ部4上には、スイッチ部4を押圧操作して入力操作可能な複数のキートップ部7を一体形成した弾性部材からなるシート部材5が配設され、このシート部材5には、多方向入力部材10を収納して位置決め可能な位置決め部8がキートップ部7に隣接する位置に所定深さで掘り込みされていると共に、位置決め部8の周囲が壁部9で囲まれて、位置決め部8の底部に底壁8aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置に係わり、例えば複数のキートップを一体形成したシート部材を有する端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の端末装置を特許文献1に基づいて説明すると、図4示すように、従来の端末装置51を例えば携帯電話機等で説明すると、最下部には下ケース(図示せず)が配設され、この下ケース上に回路基板52が載置されている。
前記回路基板52には、上面に複数のスイッチ部53と、下面に4個のホール素子54、及びIC等の複数の電子部品が実装されている。
また、回路基板52上には、薄板状のシート部材55が配設され、このシート部材55には、複数のスイッチ部53と対向する位置に複数のキートップ部56が所定高さで一体形成されて、複数のスイッチ部53を押圧操作可能になっている。
【0003】
また、シート部材55には、平坦状で所定広さの操作部材載置部57が形成され、この操作部材載置部57上に操作部材ユニット58が載置されるようになっている。
前記操作部材ユニット58は、円形状の操作部58aと、この操作部58aから外側に延びる弾性バネ部58bとを有し、弾性バネ部58bが支持部材59に支持されて、シート部材55の操作部材載置部58に載置されている。
そして、操作部材ユニット58は、操作部58aに水平方向の荷重を加えると、操作部載置部57上を摺動して水平方向に所定量移動可能になっている。
前記操作部58aの内部には、永久磁石(図示せず)が収納されており、操作する前の操作部材ユニット58は、操作部58a内の永久磁石から回路基板52の裏面に配設した4個のホール素子54までが等距離となった初期状態で動きが停止している。
【0004】
また、シート部材55上には、上ケース60が配設され、この上ケース60には、シート部材55の複数のキートップ部56が挿通して露出する第1孔60aと、操作部材ユニット58の操作部58aが挿通して露出する第2孔60bとが貫通形成されている。前記第2孔60bの大きさは、第2孔60bから露出する操作部58aが水平方向に所定量移動可能な寸法に形成されている。
そして、上ケース60と下ケース(図示せず)とによって、回路基板52とシート部材55とが挟持されて、携帯電話機等の端末装置51が組立てられている。
【0005】
このように組立てられた従来の端末装置51の操作は、例えばドームバネ(図示せず)が配設されたスイッチ部53に、上ケース60から露出するキートップ部56を押圧操作すると、スイッチ部53に配設した例えばドームバネ(図示せず)が反転して、スイッチ部53が入力され、端末装置51の液晶等からなる表示部(図示せず)上に文字、或いは数字等が入力されるようになっている。また、操作部材ユニット58を水平方向に水平移動させると、操作部58a内部の永久磁石(図示せず)と4個ホール素子58aとの相対的位置関係が変化し、それぞれのホール素子58aの出力電圧が変動する。このことで、端末装置51の液晶等からなる表示部(図示せず)上のカーソルやポインタが移動するようになっている。
また、操作部58aに加えていた水平荷重を解除すると、操作部材ユニット58が初期状態に自動復帰するようになっている。
【特許文献1】特開2005−107672号公報
【特許文献2】特開平08−115630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述したような従来の端末装置51は、操作部材ユニット58が操作部材載置部57上を摺動するようになっているので、操作部材ユニット58上から操作者が誤って飲み物等をこぼすと、こぼした飲み物が平坦状の操作部材載置部57上に溜まって、操作部58内の永久磁石が錆びるおそれがあった。
そして、永久磁石に錆びが発生すると、操作部材ユニット58を水平方向に摺動操作する時の操作性が悪くなる問題があった。
また、従来の端末装置51は、キートップ56上から飲み物等をこぼした場合も、シート部材55と上ケース60との間の毛細管現象等によって、操作部材載置部57上まで流れるおそれがあった。
また、毛細管現象等によって、飲み物等がシート部材55の端部まで流れると、シート部材55の端部から下部の回路基板52側に流れて、スイッチ部53に悪影響を与えるおそれがある。
また、従来の端末装置51は、操作部材ユニット58と対向する側の回路基板52の裏面に4個のホール素子54を配設しているので、厚さが厚くなる問題があった。
本発明は、前述したような課題を解決するためになされたもので、上方から誤って飲み物等をこぼしたとしても、操作性が劣化することがないと共に、スイッチ部等に悪影響を与えることがない端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための第1の手段として本発明の端末装置は、回路基板上にそれぞれ独立して入力操作可能に配設した複数のスイッチ部と、このスイッチ部に隣接して配設した多方向入力部材とを備え、前記多方向入力部材は、内部に多方向の入力が可能で防水された多方向入力部と、この多方向入力部を入力操作可能な操作部とを有し、前記複数のスイッチ部上には、前記スイッチ部を押圧して前記入力操作可能な複数のキートップ部を一体形成した弾性部材からなるシート部材が配設され、前記シート部材には、前記多方向入力部材を収納して位置決め可能な位置決め部が所定深さで掘り込みされていると共に、前記位置決め部の周囲が所定厚さの壁部で囲まれて、前記位置決め部の底部に底壁が形成されていることを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第2の手段として、前記シート部材上には、前記キートップ部と前記多方向入力部材の前記操作部とのそれぞれの操作面を露出させる上ケースが配設され、前記多方向入力部材には、前記多方向入力部からの入力信号を外部に出力するための回路パターンを形成した薄板状のフレキシブル基板が引出し形成され、前記壁部には、前記フレキシブル基板を挟み込み可能なスリット部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の端末装置。
また、前記課題を解決するための第3の手段として、前記多方向入力部材は、外周部から外側に突出する取付脚が形成され、前記シート部材の前記位置決め部には、前記取付脚が位置して位置決め可能な位置決め凹部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記課題を解決するための第4の手段として、前記上ケースと対向する側に下ケースが配設され、前記上ケースと前記下ケースとで前記シート部材と前記回路基板とが圧接挟持されると、前記壁部が弾性変形して前記フレキシブル基板を挟み込んだ状態の前記スリット部が遮蔽されることを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第5の手段として、前記壁部は、前記スリット部を形成した部分の幅寸法が、その他の部分より幅広に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の端末装置の多方向入力部材は、内部に多方向の入力が可能で防水された多方向入力部と、この多方向入力部を入力操作可能な操作部とを有し、複数のスイッチ部上には、スイッチ部を押圧して入力操作可能な複数のキートップ部を一体形成した弾性部材からなるシート部材が配設され、シート部材には、多方向入力部材を収納して位置決め可能な位置決め部が所定深さで掘り込みされていると共に、位置決め部の周囲が所定厚さの壁部で囲まれて、前記位置決め部の底部が底壁で覆われているので、シート部材及び回路基板を下ケースと上ケースとで圧接挟持することで、シート部材が上ケースに密着すると共に、位置決め部に位置させた多方向入力部材の固定板が底壁を圧接する。そのために、上方から飲み物等を誤ってこぼしたとしても、この飲み物がシート部材の下部に流れることがなく、スイッチ部が劣化すことがない。
また、シート部材上には、キートップ部と多方向入力部材の操作部とのそれぞれの操作面を露出させる上ケースが配設され、多方向入力部材には、多方向入力部からの入力信号を外部に出力するための回路パターンを形成した薄板状のフレキシブル基板が引出し形成され、壁部には、フレキシブル基板を挟み込み可能なスリット部が設けられているので、フレキシブル基板をスリット部から引出しできると共に、壁部を圧接するとスリット部が弾性変形して防水構造とすることができる。
また、多方向入力部材は、外周部から外側に突出する取付脚が形成され、シート部材の位置決め部には、取付脚が位置して位置決め可能な位置決め凹部が形成されているので、多方向入力部材は、取付脚を位置決め凹部に圧入等で位置させることで確実に位置決めすることができる。
【0010】
また、上ケースと対向する側に下ケースが配設され、上ケースと下ケースとでシート部材と回路基板とが圧接挟持されると、壁部が弾性変形してフレキシブル基板を挟み込んだ状態のスリット部が遮蔽されるので、スリット部を、Sらに確実に防水することができる。
また、壁部は、スリット部を形成した部分の幅寸法が、その他の部分より幅広に形成されているので、確実にスリット部を弾性変形させて高性能な防水構造を備えた端末装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の端末装置を図面に基づいて説明する。図1は本発明の端末装置の分解斜視図であり、図2は本発明に係わる上ケースにシート部材を組み込んだ断面斜視図であり、図3は本発明の端末装置の要部断面図である。
まず、本発明の端末装置1を図1〜図3に基づいて説明すると、最下部に樹脂材料等からなる下ケース2が配設され、この下ケース2には、所定高さで突出する支持突部2aが形成され、この支持突部2a上に、所定厚さでエポキシ樹脂等からなる回路基板3が載置されている。
【0012】
また、回路基板3の上面には、所定の間隔を有して上下に対向する接点部4a、4aをスイッチ部4が互いに隣り合って形成されたメンブレンスイッチ5が配設されている。前記メンブレンスイッチ5は、下部シート5aと上部シート5bとの間にスペーサ5cが配設され、このスペーサ5cの開口部分に接点部4a、4aが位置している。
また、メンブレンスイッチ5は、回路基板3に形成した孔(図示せず)、または突起(図示せず)により、位置決め部が構成され、この位置決め部によって、回路基板の所定位置にメンブレンスイッチ5が位置決めされるようになっている。
【0013】
また、メンブレンスイッチ5を含む回路基板3上には、部分的に薄肉に形成されたシート部材6が配設されている。このシート部材6には、シリコンゴム等の弾性を有する材料からなり、メンブレンスイッチ5の複数のスイッチ部4と対向する位置に複数のキートップ部7が厚肉に形成され、表面の操作面に、数字、或いはアルファベット等の文字が印刷形成されている。
また、キートップ部7の下面には、スイッチ部4の接点部4aと対向する位置に押圧凸部7bが突出形成され、この押圧凸部7bによって、接点部4aが形成された部分の上部シート5cが押圧されて、上下の接点部4a、4aが電気的に接してスイッチ部4がONして入力操作されるようになっている。
【0014】
また、シート部材6には、複数のキートップ部7に隣接する位置に、後述する多方向入力部材10を収納して位置決め可能な位置決め部8が所定深さで掘り込みされている。前記位置決め部8には、90度間隔の4方向の位置に位置決め凹部8aが形成されている。
前記4箇所の位置決め凹部8aに、後述する多方向入力部材10の取付脚13aが圧入等されて、多方向入力部材10が位置決めされて動きが規制されるようになっている。
【0015】
また、位置決め凹部8aを含む位置決め部8の底部には、薄板状の底壁8bが形成され、この底壁8bが回路基板3上に位置するようになっている。
前記底壁8bの所定位置には、貫通孔8cが形成され、この貫通孔8cが対向する部分の回路基板3側にも貫通孔(図示せず)が形成されている。そのために、位置決め部8に位置させた後述する多方向入力部材10を入力操作したときに、圧縮された空気が外部に逃がすことができる。
【0016】
また、シート部材6は、位置決め部8の周囲が所定厚さの壁部9で囲まれており、この壁部9には、後述する多方向入力部材10のフレキシブル基板14を挟み込み可能なフレキシブル基板14の厚さ寸法より幅広のスリット部9aが形成されている。
前記壁部9は、スリット部9aを形成した部分の幅寸法Aが、その他の部分の幅寸法Bより幅広に形成されている。
また、シート部材6の位置決め部8には、多方向の入力操作が可能な多方向入力部材10が挿入されて位置決めされるようになっている。前記多方向入力部材10は、図1に示すように、中心部に第1操作部11と、この第1操作部11の外側に第1操作部11を囲むように環状の第2操作部12とを有し、第1、第2操作部11、12には、上面が操作面11a、12aになっている。
また、第2操作部12は、外周部にツバ部12bが形成されている。前記第1、第2操作部11、12は、下部に配設したドーム状の板バネ(図示せず)によって、所定高さの上昇位置に支持されている。
【0017】
また、多方向入力部材10は、板バネの下部にメンブレンスイッチ(図示せず)が配設され、このメンブレンスイッチ及び板バネが固定板13に載置されている。前記固定板13は金属からなり、板バネ及びメンブレンスイッチがカシメ等により固定板13に固定されている。
そして、第1、第2操作部11、12の操作面11a、12aを押圧操作することで、メンブレンスイッチの複数のスイッチ部が入力操作されるようになっている。
【0018】
また、固定板13には、90度間隔の個所から外側に突出して所定の幅寸法の取付脚13aが形成され、この取付脚13aが、シート部材6の位置決め部8の位置決め凹部8aに圧入、或いは挿入することで、多方向入力部材10の動きが規制されるようになっている。
また、多方向入力部材10は、内部のメンブレンスイッチに接続された薄板状のフレキシブル基板14が引出し形成され、このフレキシブル基板14には、回路パターン(図示せず)が形成されたパターン形成部14aと、このパターン形成部14aの先端に端子部14bとが形成されている。
【0019】
前記多方向入力部材10は、フレキシブル基板14を壁部9のスリット部9aに差し込んで端子部14bをスリット部9aから引出すことで、パターン形成部14aがスリット部9aに挟み込まれる。
そして、位置決め部8に多方向入力部材10を挿入して位置決めした状態のシート部材6の上方には、樹脂材料からなる上ケース15が配設されている。
前記上ケース15には、シート部材6の複数のキートップ部7が挿通可能な第1挿通孔15aと、多方向入力部材10の第2操作部12の操作面12aが挿通可能な第2挿通孔15bとが貫通形成されている。
【0020】
また、上ケース15の下面側で第2挿通孔15bの周囲には、図2に示すように断面が下駄状で円形状の押圧部15cが下方に突出形成されている。
前記押圧部15cは、内経寸法が多方向入力部材10の第2操作部12のツバ部12bの径寸法より大きな寸法で形成され、位置決め凹部8aに位置させた取付脚13aを底壁8bに押圧可能な突出寸法に形成されている。
また、図3に示す回路基板3の下面には、実装等により取付けられたIC等の電子部品(図示せず)が位置する隙間部16が形成されている。そして、隙間部16に搭載した電気備品によって、メンブレンスイッチ5及び多方向入力部材10の入力による各種信号を検知し、それぞれの信号に対応した処理が行われるようになっている。
【0021】
このような構成の本発明の端末装置1の組立ては、下ケース2上に回路基板3を載置すると共に、回路基板3の上面にメンブレンスイッチ5を載置すると位置決め部によってメンブレンスイッチ5が所定位置に位置決めされる。
次に、シート部材6の位置決め部8の位置決め凹部8aに、多方向入力部材10の取付脚13aを圧入等で位置決め前に、フレキシブル基板14をスリット部9aに差し込んで端子部14bを、キートップ部7の下面側に引出す。
このことにより、フレキシブル基板14のパターン形成部14aがスリット部9aに挟持される。その後、位置決め凹部8aに取付脚13aを圧入等して多方向入力部材10が位置決めされてシート部材6に仮止めされる。
【0022】
次に、多方向入力部材10を仮止めしたシート部材6の上から、上ケース15を被せると、押圧部15cが取付脚13aを押圧して多方向入力部材10が底壁8bに押圧されて密着する。
また、同時に、シート部材6の上面が上ケース15の下面に密着する。すると、シート部材6のキートップ部7が上ケース15の第1挿通孔15aから挿通して、操作面7aが挿通孔15aから露出する。
また、同時に第2挿通孔15bからは、多方向入力部材10の第1、第2操作部11、12が挿通して、それぞれの操作面11a、12aが第2挿通孔15bから露出する。
【0023】
そして、シート部材6を密着させた状態の上ケース15を、メンブレンスイッチ5を取付けた状態の回路基板3上に位置させて、上ケース15及び下ケース2を所定の圧力で互いに圧接することで、上ケース15及び下ケース2がスナップ係止されて、本発明の端末装置1が組立てられている。
このように組立てられた本発明の端末装置1は、キートップ部7の押圧凸部7bが、メンブレンスイッチ5スイッチ部4上に位置するようになっている。また、多方向入力部材10は固定板13の取付脚13aが上ケース15の押圧部15cの押圧されて、底壁8bが回路基板3に圧接される、このことで、多方向入力部材10の下面がシート部材6の底壁8bに喰い込むようになっている。
【0024】
また、同時に、壁部9が回路基板3に押圧されて、スリット部9aが弾性変形してフレキシブル基板14のパターン形成部14aが圧接挟持されて、スリット部9aが遮蔽される。
そのために、本発明の端末装置1は、キートップ部7、または多方向入力部材10上から操作者が誤って飲み物等をこぼしたとしても、こぼした飲み物は、上ケース15の第1挿通孔15b、或いは位置決め部8に留まって、下部のIC等の電子部品が実装された回路基板3側に流れ出すことがない。
また、本発明の端末装置1は、多方向入力部材10の内部にメンブレンスイッチ(図示せず)が組込まれて、従来の端末装置51より薄型にできる。
【0025】
このように組立てられた本発明の端末装置1の操作は、上ケース15から露出するキートップ部7を押圧すると、メンブレンスイッチ5のスイッチ部4が入力される。また、多方向入力部材10の第1、第2操作部11、12を押圧することで多方向の入力が行えると共に、板バネが反転してクリック感触が得られるようになっている。
前記スイッチ部4の入力、或いは多方向入力部材10による多方向の入力によって、液晶等からなる表示部(図示せず)上のカーソルやポインタを移動させたり、所望の文字等を入力できるようになっている。
【0026】
尚、本発明の実施の形態におけるスイッチ部4を、互いに対向させた接点部4a、4aを有するメンブレンスイッチ5で説明したが、メンブレンスイッチに限定されることはなく、タクトスイッチ或いは静電容量式のスイッチ等でも良い。
即ち、複数のスイッチ部4は、回路基板3上にそれぞれ独立して入力操作可能なものであれば良い。
【0027】
また、多方向入力部材10を、2つの第1、第2操作部11、12を備えたもので説明したが、1つの操作部でも良い。
即ち、多方向入力部材10は、内部に多方向の入力が可能な多方向入力部と、この多方向入力部を入力操作可能な操作部とを有するものであれば良い。
また、上ケース15の下面に密着させるシート部材6の表面を部分的に波目、或いはリブ等の形状にすることで、シート部材6を更に確実に回路基板3に圧接でき、スリット部9aの防水性を向上させることができる。
また、下ケース2と上ケース15とをスナップ係止することで説明したが、ネジ止め等でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の端末装置の分解斜視図である。
【図2】本発明に係わる上ケースにシート部材を組み込んだ断面斜視図である。
【図3】本発明の端末装置の要部断面図である。
【図4】従来の端末装置を説明する分解斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1 本発明端末装置
2 下ケース
2a 支持突部
3 回路基板
4 スイッチ部
4a 接点部
5 メンブレンスイッチ
6 シート部材
7 キートップ部
7a 操作面
7b 押圧凸部
8 位置決め部
8a 位置決め凹部
8b 底壁
8c 貫通孔
9 壁部
9a スリット部
10 多方向入力部材
11 第1操作部
11a 操作面
12 第2操作部
12a 操作面
12b ツバ部
13 固定板
13a 取付脚
14 フレキシブル基板
14a パターン形成部
14b 端子部
15 上ケース
15a 第1挿通孔
15b 第2挿通孔
15c 押圧部
16 隙間部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板上にそれぞれ独立して入力操作可能に配設した複数のスイッチ部と、このスイッチ部に隣接して配設した多方向入力部材とを備え、前記多方向入力部材は、内部に多方向の入力が可能で防水された多方向入力部と、この多方向入力部を入力操作可能な操作部とを有し、
前記複数のスイッチ部上には、前記スイッチ部を押圧して前記入力操作可能な複数のキートップ部を一体形成した弾性部材からなるシート部材が配設され、前記シート部材には、前記多方向入力部材を収納して位置決め可能な位置決め部が所定深さで掘り込みされていると共に、前記位置決め部の周囲が所定厚さの壁部で囲まれて、前記位置決め部の底部に底壁が形成されていることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記シート部材上には、前記キートップ部と前記多方向入力部材の前記操作部とのそれぞれの操作面を露出させる上ケースが配設され、前記多方向入力部材には、前記多方向入力部からの入力信号を外部に出力するための回路パターンを形成した薄板状のフレキシブル基板が引出し形成され、前記壁部には、前記フレキシブル基板を挟み込み可能なスリット部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記多方向入力部材は、外周部から外側に突出する取付脚が形成され、前記シート部材の前記位置決め部には、前記取付脚が位置して位置決め可能な位置決め凹部が形成されていることを特徴とする請求項1、または2記載の端末装置。
【請求項4】
前記上ケースと対向する側に下ケースが配設され、前記上ケースと前記下ケースとで前記シート部材と前記回路基板とが圧接挟持されると、前記壁部が弾性変形して前記フレキシブル基板を挟み込んだ状態の前記スリット部が遮蔽されることを特徴とする請求項2、または3記載の端末装置。
【請求項5】
前記壁部は、前記スリット部を形成した部分の幅寸法が、その他の部分より幅広に形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−250289(P2007−250289A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−70258(P2006−70258)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】