筐体構造、及び携帯機器
【課題】筐体を横方向に開く際に、開放操作が片手で簡単にし易くする。
【解決手段】第1筐体1と、第2筐体2と、第1筐体1と第2筐体2とを重ねて折り畳んだ状態から第1軸(41)を中心に縦方向へ開閉可能に連結するとともに、第1軸(41)と軸線が交差する第2軸(42)を中心に横方向へ回転可能に連結する2軸ヒンジ(4)と、を備える筐体構造であって、第1筐体1と第2筐体2とを折り畳んだ状態でロック状態に保持するロック機構(5)と、ロック機構(5)によるロック状態を解除して第1筐体1と第2筐体2とを離間させる操作部6と、を備える。具体的には、第1筐体1と第2筐体2を折り畳んだ状態で、一方の筐体2に操作部6が組み込まれて露出している。そして、第1筐体1と第2筐体2を縦方向に開放した場合には、他方の筐体1により操作部6が覆い隠される。
【解決手段】第1筐体1と、第2筐体2と、第1筐体1と第2筐体2とを重ねて折り畳んだ状態から第1軸(41)を中心に縦方向へ開閉可能に連結するとともに、第1軸(41)と軸線が交差する第2軸(42)を中心に横方向へ回転可能に連結する2軸ヒンジ(4)と、を備える筐体構造であって、第1筐体1と第2筐体2とを折り畳んだ状態でロック状態に保持するロック機構(5)と、ロック機構(5)によるロック状態を解除して第1筐体1と第2筐体2とを離間させる操作部6と、を備える。具体的には、第1筐体1と第2筐体2を折り畳んだ状態で、一方の筐体2に操作部6が組み込まれて露出している。そして、第1筐体1と第2筐体2を縦方向に開放した場合には、他方の筐体1により操作部6が覆い隠される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1筐体と第2筐体とを重ねて折り畳んだ状態から第1軸を中心に縦方向へ開閉可能に連結するとともに、第1軸と軸線が交差する第2軸を中心に横方向へ回転可能に連結する2軸ヒンジを備える筐体構造と、その筐体構造を備える携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末のヒンジ機構として、折り畳んだ状態から横方向に開放することを規制するロック部を設けてあり、そのロック状態は解除ボタンを操作することで解除されるヒンジ機構が特許文献1に開示されている。
また、第1筐体と第2筐体の折り畳んだ状態を保持するヒンジ機構で、操作部材の操作によって、その折り畳んだ状態の保持を開放するとともに筐体を所定角度までバネの力により縦方向に開くようにしたヒンジ機構が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007 −113686号公報
【特許文献2】特開2008 −115919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献2のヒンジ機構は、筐体を横方向に開くことができず、特許文献1のヒンジ機構は、筐体を横方向に開く際に、筐体の開放が片手で簡単に行えず、開放操作がし難かった。
【0005】
本発明の課題は、筐体を横方向に開く際に、開放操作が片手で簡単にし易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体と第2筐体とを重ねて折り畳んだ状態から第1軸を中心に縦方向へ開閉可能に連結するとともに、前記第1軸と軸線が交差する第2軸を中心に横方向へ回転可能に連結する2軸ヒンジと、を備える筐体構造であって、前記第1筐体と第2筐体とを折り畳んだ状態でロック状態に保持するロック機構と、前記ロック機構によるロック状態を解除して前記第1筐体と第2筐体とを離間させる操作部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の筐体構造であって、前記第1筐体と第2筐体を前記折り畳んだ状態で、一方の筐体に前記操作部が組み込まれて露出していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の筐体構造であって、前記第1筐体と第2筐体を前記縦方向に開放した場合には、他方の筐体により前記操作部が覆い隠されることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記操作部は、前記第1軸の側方に配置されることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記操作部の押し込み操作により、他方の筐体が押し上げられることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項2から5のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記操作部及びロック機構は、ピン部材または板状部材により形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記第1筐体1は入力部を備え、前記第2筐体は表示部を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の筐体構造を備える携帯機器を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、筐体を横方向に開く際に、開放操作が片手で簡単にし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成を示すもので、携帯電話を折り畳んだ状態を示した斜視図である。
【図2】図1の矢印A部の拡大図である。
【図3】図2の内部機構を示した透視図である。
【図4】図3のロック機構及び操作部を断面で示して2軸ヒンジを示した透視図である。
【図5】図1の矢印B-B線に沿った断面図である。
【図6】図1の携帯電話を縦方向に開放した状態を示した図である。
【図7】図6の矢印C部の拡大図である。
【図8】図1の操作部を押した状態を示した図である。
【図9】図8の状態から携帯電話を横方向に開放した状態を示した図である。
【図10】図3の操作部を押した状態を示した図である。
【図11】図5の操作部を押した状態を示した図である。
【図12】図11に続いて筐体が押し開かれる状態を示した図である。
【図13】図12に続いて操作部をさらに押した状態を示した図である。
【図14】図13に続いて操作部を完全に押し込んでロックが解除される状態を示した図である。
【図15】図14に続いて筐体の間に指を入れる隙間が形成される状態を示した図である。
【図16】実施形態2を示すもので、ロック機構及び操作部を露出して示して2軸ヒンジを示した透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成として携帯電話を折り畳んだ状態を示したもので、図2はその矢印A部を拡大したもの、図3はその内部機構を透視して示したもの、図4はそのロック機構及び操作部を断面で示して2軸ヒンジを示したものである。図中、1は第1筐体、2は第2筐体、3はヒンジケース、4は2軸ヒンジ、5はロック機構、6は操作部である。
【0017】
図示のように、第1筐体1と第2筐体2はヒンジケース3で覆われた2軸ヒンジ4を介して結合されている。第1筐体1には図示しないキー入力部が設けられ、第2筐体2には図示しない表示部が設けられている。そして、第2の筐体2のヒンジケース3側の一側部内にロック機構5が組み込まれ、そのロック機構5の延長線上に位置する操作部6がヒンジケース3の一側部に組み込まれている。
【0018】
2軸ヒンジ4は、図4に示すように、第1軸である一対のヒンジ軸41と第2軸である回転支軸42とで構成されている。一対のヒンジ軸41は、第1筐体1に一体に設けたヒンジボス13の左右にそれぞれ回転自在に組み付けられている。ヒンジケース3の操作部6と反対側部内において、一方のヒンジ軸41とブラケット43を介して連結された回転支軸42は、第2筐体2に回転自在に組み付けられている。
【0019】
こうして第1筐体1と第2筐体2は、ヒンジ軸41を中心として縦方向に折り畳み可能(開閉可能)に組み付けられていて、第2筐体2は第1筐体1及びヒンジケース3に対し回転支軸42を中心として横方向に回転可能に組み付けられている。なお、図示例において、ヒンジ軸41と回転支軸42は互いの軸線が直交しているが、軸線は直交に限らず交差していればよく、いわゆる立体交差も含まれる。
【0020】
ロック機構5は、図4に示すように、第2筐体2のヒンジケース3側の一側部内に移動自在に組み込まれたピン部材によるストッパー51と、このストッパー51を第2筐体2の端面から突出する方向に付勢するコイル状のスプリング52とから構成される。そして、ストッパー51の第2筐体2から突出する先端には斜め下向きの傾斜面53が形成されている。なお、ストッパー51は第2筐体2の開口内に抜け止め構造をもって組み込まれている。
【0021】
また、第2筐体2の開口より下部には、斜め下向きの傾斜面23が形成されている。
【0022】
操作部6は、図4に示すように、ロック機構5の延長線上に位置してヒンジケース3の一側部内に移動自在に組み込まれて外部に露出したピン部材によるプッシュボタン61と、このプッシュボタン61を外部へ露出する方向に付勢するコイル状のスプリング62とから構成される。そして、プッシュボタン61のヒンジケース3の端面から第2筐体2側に突出する先端には、ストッパー51先端の斜め下向きの傾斜面53と合致する斜め上向きの傾斜面63が形成されている。なお、プッシュボタン61はほぼ半部がヒンジケース3内に抜け止め構造をもって組み込まれている。
【0023】
図5は図1の矢印B-B線に沿った断面を示したもので、ロック機構5により第1筐体1と第2筐体2とを折り畳んだ状態に保持するロック状態となっている。すなわち、図示のように、ストッパー51がスプリング52による付勢でヒンジケース3の開口内に係合して、第1筐体1と第2筐体2とを折り畳んだロック状態に保持されており、第1筐体1に対する前記回転支軸42を中心とする横方向への開放操作は阻止される。
【0024】
図6は第1筐体1と第2筐体2を前記ヒンジ軸41を中心として縦方向に開放した状態を示したものである。このように縦方向の開放状態において、プッシュボタン61のヒンジケース3からの露出部は、図7に拡大して示したように、第1筐体1の端部上に重ねられて覆い隠されているため、プッシュボタン61を押すことができない。
【0025】
図8はプッシュボタン61を押した状態を示したもので、折り畳み状態において、プッシュボタン61を押すと、図示のように、第1筐体1に対し前記回転支軸42を中心として第2筐体2が横方向に若干開放動作し、すなわち、第1筐体1と第2筐体2の前記回転支軸42と反対側の側部間に隙間が生じる。従って、その隙間に指を入れて開放操作することで、図9に示すように、第1筐体1と第2筐体2を横方向に開放状態にすることができる。
【0026】
図10及び図11はプッシュボタン61を押した状態を示したもので、プッシュボタン61を押すと、その斜め上向きの傾斜面63に斜め下向きの傾斜面53が当接するストッパー51が押し込まれると同時に押し上げられる方向の力が加わる。
【0027】
図12は続いて筐体1・2が押し開かれる状態を示したもので、プッシュボタン61をさらに押し込むことで、傾斜面63・53を介してストッパー51がさらに押し込まれるとともに押し上げられ、同時に、プッシュボタン61の傾斜面63が第2筐体2の開口下部の斜め下向きの傾斜面23にも当接し、傾斜面63・23を介して第2筐体2が押し開かれ始める。
【0028】
図13は続いてプッシュボタン61をさらに押した状態を示したもので、プッシュボタン61をさらに押し込むことで、傾斜面63・53を介してストッパー51がさらに押し込まれ・押し上げられるとともに、傾斜面63・23を介して第2筐体2がさらに押し開かれ、同時に、ストッパー51がヒンジケース3の開口から抜け出る地点に達する。
【0029】
図14は続いてプッシュボタン61を完全に押し込んでロックが解除される状態を示したもので、プッシュボタン61を完全に押し込むことで、ストッパー51がヒンジケース3の開口から抜け出してロックが解除される。同時に、プッシュボタン61先端の傾斜面63がストッパー51先端の傾斜面53から外れ、スプリング52の付勢によりストッパー51が第2筐体2の開口から突出する。そして、傾斜面63・23を介して第2筐体2がさらに押し開かれる。
【0030】
図15は続いて筐体1・2の間に指を入れる隙間が形成される状態を示したもので、第2筐体2が押し開かれて第1筐体1との間に指を入れる隙間が生じ、この時点でプッシュボタン61から指を離すと、スプリング62の付勢によりプッシュボタン61が後退する。従って、その隙間に指を入れて開放操作することで、図9に示したように、第1筐体1と第2筐体2を横方向に開放状態にすることができる。
【0031】
以上、実施形態の2軸ヒンジ4を備える携帯電話によれば、第1筐体1と第2筐体2とを折り畳んだ状態でロック状態に保持するロック機構5と、そのロック機構5によるロック状態を解除して第1筐体1と第2筐体2とを離間させる操作部6と、を備え、すなわち、ピン部材によるストッパー51及びスプリング52と、同じくピン部材によるプッシュボタン61及びスプリング62とを備えているので、特に、2軸ヒンジ4の回転支軸42を中心として筐体1・2を横方向に開く際に、片手で簡単に開放操作することができる。
【0032】
しかも、操作部6は、第2筐体2に設けられ、2軸ヒンジ4のヒンジ軸41の側方に露出したプッシュボタン61なので、横方向の開放操作が容易にできるものとなっている。
【0033】
(実施形態2)
図16は実施形態2を示すもので、前述した実施形態1と同様、1は第1筐体、13はヒンジボス、2は第2筐体、23は斜め下向きの傾斜面、3はヒンジケース、4は2軸ヒンジ、41は第1軸(ヒンジ軸)、42は第2軸(回転支軸)、5はロック機構、51はストッパー、52はスプリング、53は斜め下向きの傾斜面、6は操作部、61はプッシュボタン、62はスプリング、63は斜め上向きの傾斜面である。
【0034】
実施形態2は、ロック機構5において、図示のように、板状部材によるストッパー51とするとともに、操作部6においても、図示のように、板状部材によるプッシュボタン61としたものである。
【0035】
このように、板状部材によるストッパー51及びプッシュボタン61としても、前述した実施形態1と同様の作用効果が得られる。
【0036】
(変形例)
なお、以上の実施形態においては、携帯電話としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラ、PDA、ノートパソコン、ウェアラブルパソコン、電卓、電子辞書などの2軸ヒンジを備える携帯機器全てに用いることができる。
また、操作部は第1軸の中心方向に設けてもよい。
【0037】
さらに、縦方向に開放した場合に操作部を操作できないように、操作部をロックする機構を設けてもよい。
また、ロック機構の構成や操作部の構成も任意であり、その他、筐体の形状や操作部の形状やスプリングの種類など具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
1 第1筐体
13 ヒンジボス
2 第2筐体
23 傾斜面
3 ヒンジケース
4 2軸ヒンジ
41 第1軸
42 第2軸
5 ロック機構
51 ストッパー
52 スプリング
53 傾斜面
6 操作部
61 プッシュボタン
62 スプリング
63 傾斜面
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1筐体と第2筐体とを重ねて折り畳んだ状態から第1軸を中心に縦方向へ開閉可能に連結するとともに、第1軸と軸線が交差する第2軸を中心に横方向へ回転可能に連結する2軸ヒンジを備える筐体構造と、その筐体構造を備える携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末のヒンジ機構として、折り畳んだ状態から横方向に開放することを規制するロック部を設けてあり、そのロック状態は解除ボタンを操作することで解除されるヒンジ機構が特許文献1に開示されている。
また、第1筐体と第2筐体の折り畳んだ状態を保持するヒンジ機構で、操作部材の操作によって、その折り畳んだ状態の保持を開放するとともに筐体を所定角度までバネの力により縦方向に開くようにしたヒンジ機構が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007 −113686号公報
【特許文献2】特開2008 −115919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献2のヒンジ機構は、筐体を横方向に開くことができず、特許文献1のヒンジ機構は、筐体を横方向に開く際に、筐体の開放が片手で簡単に行えず、開放操作がし難かった。
【0005】
本発明の課題は、筐体を横方向に開く際に、開放操作が片手で簡単にし易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体と第2筐体とを重ねて折り畳んだ状態から第1軸を中心に縦方向へ開閉可能に連結するとともに、前記第1軸と軸線が交差する第2軸を中心に横方向へ回転可能に連結する2軸ヒンジと、を備える筐体構造であって、前記第1筐体と第2筐体とを折り畳んだ状態でロック状態に保持するロック機構と、前記ロック機構によるロック状態を解除して前記第1筐体と第2筐体とを離間させる操作部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の筐体構造であって、前記第1筐体と第2筐体を前記折り畳んだ状態で、一方の筐体に前記操作部が組み込まれて露出していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の筐体構造であって、前記第1筐体と第2筐体を前記縦方向に開放した場合には、他方の筐体により前記操作部が覆い隠されることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記操作部は、前記第1軸の側方に配置されることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記操作部の押し込み操作により、他方の筐体が押し上げられることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項2から5のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記操作部及びロック機構は、ピン部材または板状部材により形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記第1筐体1は入力部を備え、前記第2筐体は表示部を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の筐体構造を備える携帯機器を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、筐体を横方向に開く際に、開放操作が片手で簡単にし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成を示すもので、携帯電話を折り畳んだ状態を示した斜視図である。
【図2】図1の矢印A部の拡大図である。
【図3】図2の内部機構を示した透視図である。
【図4】図3のロック機構及び操作部を断面で示して2軸ヒンジを示した透視図である。
【図5】図1の矢印B-B線に沿った断面図である。
【図6】図1の携帯電話を縦方向に開放した状態を示した図である。
【図7】図6の矢印C部の拡大図である。
【図8】図1の操作部を押した状態を示した図である。
【図9】図8の状態から携帯電話を横方向に開放した状態を示した図である。
【図10】図3の操作部を押した状態を示した図である。
【図11】図5の操作部を押した状態を示した図である。
【図12】図11に続いて筐体が押し開かれる状態を示した図である。
【図13】図12に続いて操作部をさらに押した状態を示した図である。
【図14】図13に続いて操作部を完全に押し込んでロックが解除される状態を示した図である。
【図15】図14に続いて筐体の間に指を入れる隙間が形成される状態を示した図である。
【図16】実施形態2を示すもので、ロック機構及び操作部を露出して示して2軸ヒンジを示した透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成として携帯電話を折り畳んだ状態を示したもので、図2はその矢印A部を拡大したもの、図3はその内部機構を透視して示したもの、図4はそのロック機構及び操作部を断面で示して2軸ヒンジを示したものである。図中、1は第1筐体、2は第2筐体、3はヒンジケース、4は2軸ヒンジ、5はロック機構、6は操作部である。
【0017】
図示のように、第1筐体1と第2筐体2はヒンジケース3で覆われた2軸ヒンジ4を介して結合されている。第1筐体1には図示しないキー入力部が設けられ、第2筐体2には図示しない表示部が設けられている。そして、第2の筐体2のヒンジケース3側の一側部内にロック機構5が組み込まれ、そのロック機構5の延長線上に位置する操作部6がヒンジケース3の一側部に組み込まれている。
【0018】
2軸ヒンジ4は、図4に示すように、第1軸である一対のヒンジ軸41と第2軸である回転支軸42とで構成されている。一対のヒンジ軸41は、第1筐体1に一体に設けたヒンジボス13の左右にそれぞれ回転自在に組み付けられている。ヒンジケース3の操作部6と反対側部内において、一方のヒンジ軸41とブラケット43を介して連結された回転支軸42は、第2筐体2に回転自在に組み付けられている。
【0019】
こうして第1筐体1と第2筐体2は、ヒンジ軸41を中心として縦方向に折り畳み可能(開閉可能)に組み付けられていて、第2筐体2は第1筐体1及びヒンジケース3に対し回転支軸42を中心として横方向に回転可能に組み付けられている。なお、図示例において、ヒンジ軸41と回転支軸42は互いの軸線が直交しているが、軸線は直交に限らず交差していればよく、いわゆる立体交差も含まれる。
【0020】
ロック機構5は、図4に示すように、第2筐体2のヒンジケース3側の一側部内に移動自在に組み込まれたピン部材によるストッパー51と、このストッパー51を第2筐体2の端面から突出する方向に付勢するコイル状のスプリング52とから構成される。そして、ストッパー51の第2筐体2から突出する先端には斜め下向きの傾斜面53が形成されている。なお、ストッパー51は第2筐体2の開口内に抜け止め構造をもって組み込まれている。
【0021】
また、第2筐体2の開口より下部には、斜め下向きの傾斜面23が形成されている。
【0022】
操作部6は、図4に示すように、ロック機構5の延長線上に位置してヒンジケース3の一側部内に移動自在に組み込まれて外部に露出したピン部材によるプッシュボタン61と、このプッシュボタン61を外部へ露出する方向に付勢するコイル状のスプリング62とから構成される。そして、プッシュボタン61のヒンジケース3の端面から第2筐体2側に突出する先端には、ストッパー51先端の斜め下向きの傾斜面53と合致する斜め上向きの傾斜面63が形成されている。なお、プッシュボタン61はほぼ半部がヒンジケース3内に抜け止め構造をもって組み込まれている。
【0023】
図5は図1の矢印B-B線に沿った断面を示したもので、ロック機構5により第1筐体1と第2筐体2とを折り畳んだ状態に保持するロック状態となっている。すなわち、図示のように、ストッパー51がスプリング52による付勢でヒンジケース3の開口内に係合して、第1筐体1と第2筐体2とを折り畳んだロック状態に保持されており、第1筐体1に対する前記回転支軸42を中心とする横方向への開放操作は阻止される。
【0024】
図6は第1筐体1と第2筐体2を前記ヒンジ軸41を中心として縦方向に開放した状態を示したものである。このように縦方向の開放状態において、プッシュボタン61のヒンジケース3からの露出部は、図7に拡大して示したように、第1筐体1の端部上に重ねられて覆い隠されているため、プッシュボタン61を押すことができない。
【0025】
図8はプッシュボタン61を押した状態を示したもので、折り畳み状態において、プッシュボタン61を押すと、図示のように、第1筐体1に対し前記回転支軸42を中心として第2筐体2が横方向に若干開放動作し、すなわち、第1筐体1と第2筐体2の前記回転支軸42と反対側の側部間に隙間が生じる。従って、その隙間に指を入れて開放操作することで、図9に示すように、第1筐体1と第2筐体2を横方向に開放状態にすることができる。
【0026】
図10及び図11はプッシュボタン61を押した状態を示したもので、プッシュボタン61を押すと、その斜め上向きの傾斜面63に斜め下向きの傾斜面53が当接するストッパー51が押し込まれると同時に押し上げられる方向の力が加わる。
【0027】
図12は続いて筐体1・2が押し開かれる状態を示したもので、プッシュボタン61をさらに押し込むことで、傾斜面63・53を介してストッパー51がさらに押し込まれるとともに押し上げられ、同時に、プッシュボタン61の傾斜面63が第2筐体2の開口下部の斜め下向きの傾斜面23にも当接し、傾斜面63・23を介して第2筐体2が押し開かれ始める。
【0028】
図13は続いてプッシュボタン61をさらに押した状態を示したもので、プッシュボタン61をさらに押し込むことで、傾斜面63・53を介してストッパー51がさらに押し込まれ・押し上げられるとともに、傾斜面63・23を介して第2筐体2がさらに押し開かれ、同時に、ストッパー51がヒンジケース3の開口から抜け出る地点に達する。
【0029】
図14は続いてプッシュボタン61を完全に押し込んでロックが解除される状態を示したもので、プッシュボタン61を完全に押し込むことで、ストッパー51がヒンジケース3の開口から抜け出してロックが解除される。同時に、プッシュボタン61先端の傾斜面63がストッパー51先端の傾斜面53から外れ、スプリング52の付勢によりストッパー51が第2筐体2の開口から突出する。そして、傾斜面63・23を介して第2筐体2がさらに押し開かれる。
【0030】
図15は続いて筐体1・2の間に指を入れる隙間が形成される状態を示したもので、第2筐体2が押し開かれて第1筐体1との間に指を入れる隙間が生じ、この時点でプッシュボタン61から指を離すと、スプリング62の付勢によりプッシュボタン61が後退する。従って、その隙間に指を入れて開放操作することで、図9に示したように、第1筐体1と第2筐体2を横方向に開放状態にすることができる。
【0031】
以上、実施形態の2軸ヒンジ4を備える携帯電話によれば、第1筐体1と第2筐体2とを折り畳んだ状態でロック状態に保持するロック機構5と、そのロック機構5によるロック状態を解除して第1筐体1と第2筐体2とを離間させる操作部6と、を備え、すなわち、ピン部材によるストッパー51及びスプリング52と、同じくピン部材によるプッシュボタン61及びスプリング62とを備えているので、特に、2軸ヒンジ4の回転支軸42を中心として筐体1・2を横方向に開く際に、片手で簡単に開放操作することができる。
【0032】
しかも、操作部6は、第2筐体2に設けられ、2軸ヒンジ4のヒンジ軸41の側方に露出したプッシュボタン61なので、横方向の開放操作が容易にできるものとなっている。
【0033】
(実施形態2)
図16は実施形態2を示すもので、前述した実施形態1と同様、1は第1筐体、13はヒンジボス、2は第2筐体、23は斜め下向きの傾斜面、3はヒンジケース、4は2軸ヒンジ、41は第1軸(ヒンジ軸)、42は第2軸(回転支軸)、5はロック機構、51はストッパー、52はスプリング、53は斜め下向きの傾斜面、6は操作部、61はプッシュボタン、62はスプリング、63は斜め上向きの傾斜面である。
【0034】
実施形態2は、ロック機構5において、図示のように、板状部材によるストッパー51とするとともに、操作部6においても、図示のように、板状部材によるプッシュボタン61としたものである。
【0035】
このように、板状部材によるストッパー51及びプッシュボタン61としても、前述した実施形態1と同様の作用効果が得られる。
【0036】
(変形例)
なお、以上の実施形態においては、携帯電話としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラ、PDA、ノートパソコン、ウェアラブルパソコン、電卓、電子辞書などの2軸ヒンジを備える携帯機器全てに用いることができる。
また、操作部は第1軸の中心方向に設けてもよい。
【0037】
さらに、縦方向に開放した場合に操作部を操作できないように、操作部をロックする機構を設けてもよい。
また、ロック機構の構成や操作部の構成も任意であり、その他、筐体の形状や操作部の形状やスプリングの種類など具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
1 第1筐体
13 ヒンジボス
2 第2筐体
23 傾斜面
3 ヒンジケース
4 2軸ヒンジ
41 第1軸
42 第2軸
5 ロック機構
51 ストッパー
52 スプリング
53 傾斜面
6 操作部
61 プッシュボタン
62 スプリング
63 傾斜面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体と第2筐体とを重ねて折り畳んだ状態から第1軸を中心に縦方向へ開閉可能に連結するとともに、前記第1軸と軸線が交差する第2軸を中心に横方向へ回転可能に連結する2軸ヒンジと、を備える筐体構造であって、
前記第1筐体と第2筐体とを折り畳んだ状態でロック状態に保持するロック機構と、
前記ロック機構によるロック状態を解除して前記第1筐体と第2筐体とを離間させる操作部と、を備えることを特徴とする筐体構造。
【請求項2】
前記第1筐体と第2筐体を前記折り畳んだ状態で、一方の筐体に前記操作部が組み込まれて露出していることを特徴とする請求項1に記載の筐体構造。
【請求項3】
前記第1筐体と第2筐体を前記縦方向に開放した場合には、他方の筐体により前記操作部が覆い隠されることを特徴とする請求項2に記載の筐体構造。
【請求項4】
前記操作部は、前記第1軸の側方に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項5】
前記操作部の押し込み操作により、他方の筐体が押し上げられることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項6】
前記操作部及びロック機構は、ピン部材または板状部材により形成されることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項7】
前記第1筐体1は入力部を備え、前記第2筐体は表示部を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の筐体構造を備えることを特徴とする携帯機器。
【請求項1】
第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体と第2筐体とを重ねて折り畳んだ状態から第1軸を中心に縦方向へ開閉可能に連結するとともに、前記第1軸と軸線が交差する第2軸を中心に横方向へ回転可能に連結する2軸ヒンジと、を備える筐体構造であって、
前記第1筐体と第2筐体とを折り畳んだ状態でロック状態に保持するロック機構と、
前記ロック機構によるロック状態を解除して前記第1筐体と第2筐体とを離間させる操作部と、を備えることを特徴とする筐体構造。
【請求項2】
前記第1筐体と第2筐体を前記折り畳んだ状態で、一方の筐体に前記操作部が組み込まれて露出していることを特徴とする請求項1に記載の筐体構造。
【請求項3】
前記第1筐体と第2筐体を前記縦方向に開放した場合には、他方の筐体により前記操作部が覆い隠されることを特徴とする請求項2に記載の筐体構造。
【請求項4】
前記操作部は、前記第1軸の側方に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項5】
前記操作部の押し込み操作により、他方の筐体が押し上げられることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項6】
前記操作部及びロック機構は、ピン部材または板状部材により形成されることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項7】
前記第1筐体1は入力部を備え、前記第2筐体は表示部を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の筐体構造を備えることを特徴とする携帯機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−190338(P2010−190338A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36294(P2009−36294)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】
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