管敷設用シーティング装置の運転方法およびシーティング装置
本発明は、請求項1および7の前段部分による、管敷設用シーティング装置の運転方法と、かかるシーティング装置とに関する。本発明の目的は、このような方法と装置とによって敷設の自動化を高めること、および、装置を、それに対する損傷が避けられるように運転できるようにすることにある。この目的を実現するため、カッティングスリーブに取り付けられる作動シリンダおよびシーティング内部に配置される作動シリンダの前進に必要な前進力もしくは油圧圧力を、各作動シリンダの搭載位置と関連付けて測定かつ記録し、左右のシーティング側の間において圧力を比較する。非対称性が所定の許容範囲外に出た場合には、シーティング装置の前進の動きを自動的に停止するか、あるいは、補正制御を自動的に実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1および7の前段部分による、管敷設用シーティング装置の運転方法ならびにシーティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の方法および装置は下水管の敷設に用いられるが、他の種類の管にも適用される。古い施工方法においては、作業は開放坑において行われる。これは、例えば、開発される施工領域において、数メートル深さの相応のトレンチを掘削機で掘削しなければならないことを意味している。トレンチは上部に向かって拡幅するように漏斗形状に形成され、側面の傾斜は下層土壌の状態およびそれから生じる自然勾配によって定まる。全般的には、全深さ3mにおいて、幅が8mを超える可能性があるトレンチが構設される。このような敷設法は、技術用語で、開放坑における敷設と呼称される。
【0003】
この理由から、作業を半開放坑で行うことも知られる。この場合は、坑の側面部は「シーティングパネル」で固定される。これによって大幅に狭いトレンチが構設される。
【0004】
さらに、狭いトレンチ、場合によっては敷設される管の直径よりも狭いトレンチをシーティングパネルで保全して構設し、トレンチの下で、駆動ジャッキによって管をシーティングパネルで保全した領域の下側において土壌中に圧入することが知られる。この最後の場合には、また管を完全に接合して前進させる際にも、当然、「出発ピット」内において、定置の圧入ステーションのみが用いられ、そこで、各前進ストロークごとに新しい管が挿入される。
【0005】
1つの古い方法がDE26 03 565 C2から知られる。この場合、駆動ジャッキおよび掘進工具は基礎ピット、すなわち「出発ピット」内に置かれる。ここで、駆動ジャッキは、発生する巨大な力のために油圧で駆動される。ジャッキと、圧力補償リングと、またスライドレールおよび圧力補償装置とは、この出発ピット内に組み込まれ、従って、全ジャッキ配置はそこの定置位置に搭載される。さらに、掘進工具は上記のカッティングシューに従って前方に押し込まれる。このようなカッティングストロークが敷設されるべき導管の長さに達すると、駆動ジャッキは反対方向に戻され、導管が上から駆動ジャッキとカッティングシューとの間に降ろされる。その後、駆動ジャッキは再度伸張され、その過程で、挿入された導管およびカッティングシューが前方に動かされる。さらに別の導管長さだけ進行すると、駆動ジャッキは再度引き戻され、敷設されるべき次の導管が上から挿入される。上記のように、蓄積する排出土壌は、表面において、掘削装置、一般的には掘削機によって除去される。
【0006】
経験によれば、すでに敷設された管部分が100〜200mの距離になると、駆動ジャッキは増大するばかりの全管長を送り込まなければならないので、その敷設済みの管部分に巨大な滑り摩擦力が発生する。可能最大敷設長さには、この100〜200mの後到達する。また、それぞれ最後に敷設された導管は、敷設済みの全導管を前方に押し込む有効力を支持しなければならないので巨大な圧縮負荷を受ける。基本的に、すべての導管の製造者が、これを可能にするような強度を許容しているわけではない。
【0007】
さらに、DE42 41 856から、駆動ジャッキが同伴して動く方式、正確に言えば、次の管部分または導管を前方に押し込むために、最後に敷設された管を駆動ジャッキ用の当接台として使用するような方式が知られる。
【0008】
原理的には、この場合も同様に、管の軸方向に巨大な力が掛かるという欠点が生じる。
【0009】
この欠点を除去するために、DE101 30 777 A1によれば、カッティングヘッドおよびシーティングの両者を、敷設およびシーティング装置によって敷設方向に動かすことができる方法および装置が提供される。シーティングは、カッティングヘッドと全く同様にカットしながら、敷設された管と共に前進する。この場合、シーティングパネルは、前方に移動し得るだけでなく、すなわち土壌中に切り込み得るだけでなく、静止時には拡げることができる。その結果、管の前進に必要な当接力が、一部はシーティングパネルに、一部は後方に埋め戻されかつ圧縮される土壌に配分され、前記当接力の小さな割合のみが敷設済みの管部分に配分される。この場合は、他の先行技術と違って、敷設済み管に負荷される応力は大幅に低くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、それ自体としてすでに有利である前項の先行技術に基づいて、敷設を高度に自動化し得るように、かつ同時に装置の損傷を避けて装置を運転し得るように、この前項の方式の方法および装置を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、この方式の方法において請求項1の特徴を備えることによって達成される。
【0012】
本発明による方法のさらに有利な形態が従属請求項2〜6の方法に規定される。
【0013】
この方式の装置に関しては、本発明の目的は、請求項7の特徴を備えることによって本発明に従って達成される。
【0014】
これに関するさらに有利な形態は、装置に関する残りの従属請求項に規定される。
【0015】
方法に関する本発明の要点は、カッティングシューに取り付けられる作動シリンダおよびシーティング内部に配置される作動シリンダの、前進に必要な送り込み力または油圧圧力を測定して、各作動シリンダの搭載位置に関連付けて記録し、左手のシーティング側と右手のシーティング側との間において圧力を比較すること、および、非対称性が所定の許容範囲外に出た場合には、シーティング装置の前進の動きを自動的に停止するか、あるいは、カッティングシュージャッキの制御および/またはシーティングの前進の制御に自動介入するか、あるいは、補正制御を自動的に発動することにある。
【0016】
すなわち、カッティングシューとシーティングとの制御の動きは常に互いに適合している。カッティングシューおよびシーティングは、確かに分離してそれぞれ個別に制御されるが、同時に、両者共、1つの同じ目的の方向に制御される。カッティングシューは、前進中確かにシーティングと一緒に移動するが、両者は互いに独立に動くのである。この結果、誤操作または土壌の密度の変化によって、カッティングシューの動きとシーティングの動きとの間に差異が生じる可能性がある。本発明による方法においては、この差異は、直ちに、測定される位置信号における差異を正確に作り出す。これが検知されると、制御システムが直ちに制御の修正によって操作されるか、あるいは極端な場合に、差異がもはや修正できなければ、シーティング装置が自動的に停止される。
【0017】
別の有利な形態においては、土壌の密度の非対称性を、前進中に油圧圧力の測定値と変位の測定値との相関関係によって決定する方策が採られる。これによって、結果的に最適化される操作力を、カッティングシューおよびシーティングのそれぞれの作動シリンダに対して決定しかつ修正することができる。
【0018】
さらに別の形態においては、シーティングの内側において、後続管の輪郭を基礎面上にカットするカッティングシューを、シーティングと一緒に、かつまたそれとは独立に制御することができる方策が用いられる。
【0019】
シーティングの前進側の突先におけるセンサによって、横方向に延びる障害物を、シーティング装置から所定の距離において検知することが可能であり、その位置に達するとシーティング装置は自動停止される。
【0020】
互いに上下に配設される2つの管を、次の手順、すなわち、下側の管を、押圧および押し込み板と圧縮板との間の空間に、前以て敷設済みの管があればその管に当てがうように差し込み、次に、上側の管を、最初の管の上に直接、前以て敷設済みの上側の管があればその管に当てがうように差し込み、次いで最初に、埋め戻される土壌を下側の管の周りに下部圧縮板を用いて押し込み、続いて土壌を上側に敷設された管の周りおよび上部に上部圧縮板によって押し込む、という手順によって敷設する形態が非常に有利である。同様に、2つの管を横に並べて敷設することも可能である。この場合は、2つの管が、横に並ぶ形で挿入され、続いてそれぞれ押圧および押し込み板と圧縮板との共通のストロークにおいて考慮される。
【0021】
この場合、油圧の制御力/制御圧力の監視を実施することが特に有利である。この監視は、引き続き実行される可能性のあるカッティング工程を地質学的な状況に応じて評価するためのものであり、過負荷の場合に自動的な補正制御または装置の停止を発動させるよう意図されている。この場合、本発明によるシリンダ配置は、シーティング装置に塑性変形が生じる前に、非常に大きな力を加えることができるように構成されているという事実がある。シリンダをパネルのブラケットに取り付ける代わりに、本発明に従ってシリンダをシーティングパネル内に組み込むことによって、非常に大きな前進力を、当然同時に前進させられるべきシーティングに加えることができる。溶接されたブラケットにシリンダを固定すると、シーティングパネルに平行な所要の送り込み力に対して垂直な力も、力を発生させる間に、この送り込み力に加えて生じることになる。本発明によるシーティングパネル内への組み込みによって、この曲げの力は完全に排除され、従って、巨大な押し込み力が付加されても、どの箇所にも曲げ破壊の危険性が生じることはもはやなくなる。
【0022】
押し込まれるべきシーティングパネルにより大きな力を付加し得るという事実、従って、カッティング工程および敷設工程をより堅固な高密度の土壌においても遂行し得るという事実によって、材料の限界負荷能力が遵守されること、あるいはそれを問題なく自己制御的に自動的に遵守し得ることが特に重要である。この機能的組み合わせにおいて、岩盤片または土壌密度の突然の増大による高密度障害物が、特に力または圧力の非対称性に関して、本発明に従って上記のように監視されるシリンダ圧力によって検知されると、過負荷になる前に自動停止が発動されるか、あるいは、可能であれば自動補正制御の介入が行われる。
【0023】
この場合、敷設区間に沿って土壌密度が逓増すると、当然非対称的な圧力増大でなく対称的な圧力増大が容易に生じるが、この敷設区間に沿う土壌密度の逓増を明らかにし得るという事実のみが重要であるのではない。この場合も自動停止は発動される。しかし、むしろ、本発明による敷設およびシーティング装置が、シーティングパネルの右手側よりも左手側においてより硬くかつより高密度な土壌中を貫通して動く場合の方がなお一層重要である。管輪郭の半分、すなわち管の底部側の輪郭をカットするカッティングシューも、土壌条件の違いから異なる負荷に曝され、その結果、その上のシーティングとは異なる力を受けることがある。このような場合には、敷設およびシーティング装置とカッティングシュージャッキおよびシーティング間の連結部品とに異常に高い曲げの力が生じ、この曲げの力は、リンク構造のシーティング装置と連結部品との静力学に高い応力を負荷することになり、場合によってはそれらを損傷する可能性がある。本発明による方法および装置によって、このような非対称性が自動的に検知され、装置は停止されるか、あるいは自動的な補正制御がスタートし、それ以後、自動停止の後は、非対称性が再度、所定のまたは予め定め得る許容範囲内に入るまで、注意深い手動操作のみを実行することができる。
【0024】
さらに別の形態は、機械的な限界負荷を自動的に考慮しながら、本発明が目指す自動前進工程を支援するような詳細に関する。
【0025】
このため、別の有利な形態においては、シーティングに対するカッティングシュージャッキの可動性がロックされる。ロック後は、カッティングシュージャッキはシーティングと一緒に動かされる。この操作方式によって、全シーティングがカッティングシュージャッキと共に動かされる。多くの操作選択肢において、カッティングシュージャッキおよびシーティングを個別に前進させ得ることが有利である。例えば、前以て伸張されたカッティングシュージャッキが、シーティングの送り込みによって引き込まれると、このシーティングは、カッティングシュージャッキへの固定部分を介して、その動きすなわちカッティングシューの行程に不可避的に追随しなければならない。シーティングが前進させられ、カッティングシュージャッキがシーティングに追随する場合も、カッティングシュージャッキは、連結部品を介して同様に不可避的にシーティングに追随しなければならない。カッティングシューそのものを追加的に制御すれば、これによる影響は受けない。
【0026】
カッティングシュージャッキが、図のZ方向に伸張することによって、押圧力を、カッティングシューの突先および/またはシーティングと、押圧および押し込み板を介して前以て敷設済みの管があればその管とに伝達し、しかし同時にまた、圧縮板の作動シリンダに対する当接台および安定化部材として作用することも有利である。シーティングにロックされている間は、カッティングシュージャッキの力は、全装置の前進の動きに対して作用する。
【0027】
シーティングが、カッティングシュージャッキからロック解除されると、前進の力はY方向に作用し、カッティングシューのみを土壌中に押し込む。
【0028】
構造的には、すなわち装置に関しては、本発明の要点は、カッティングシューに取り付けられる作動シリンダおよびシーティング内部に配置される作動シリンダの、前進に必要な送り込み力または油圧圧力をセンサによって測定して、各作動シリンダの搭載位置に関連付けて制御装置内部に電子的に記録し、左手のシーティング側と右手のシーティング側との間においてその圧力を比較することと、非対称性が所定の許容範囲外に出た場合には、シーティング装置の前進の動きを自動的に停止するか、あるいは、この前進の動きの補正制御を自動的に発動することとにある。
【0029】
装置は、前進中に、土壌の密度の非対称性を油圧圧力の測定値と変位の測定値との相関関係によって制御システムの内部で計算し、その変位の測定値は、光センサ、抵抗センサまたは音響センサによって得るように構成される。
【0030】
別の有利な形態は、敷設済みの管部分に対する、前進中の部分当接用の少なくとも1つの油圧作動可能な押圧および押し込み板を、シーティング装置の内側に配置し、この押圧および押し込み板を、シーティング内部の作動シリンダによってシーティング装置の内側で前後に動かすことができるという形態である。
【0031】
適切な排水または水の通路のために、カッティングシューの内部に開口可能な分割仕切り壁を組み込む方策が用意される。これは、例えば、新しい管路施設を稼働中の下水管と交差させてそれと交換しなければならない場合に有利である。分割仕切り壁を開くことによって、カッティングシューおよびカッティングシュージャッキを通して廃水を導くことが可能になり、敷設済みの新しい管を通して排水することができる。これによって、水を遮断したり汲み上げたりする必要はなくなる。
【0032】
同様に、押し込み/圧縮板の内部に開口可能な分割仕切り壁を組み込むことができる。
【0033】
別の有利な形態においては、作動シリンダの少なくともいくつかをシーティング装置のシーティングパネル壁内部に組み込むように配置する方策が採られる。しかし、この場合、シーティングを動かすすべての作動シリンダと、また圧縮板および押し込み板を動かすすべての作動シリンダとは、シーティングパネルの内部に組み込まれる。従って、管を挿入する区間部分におけるシーティング構成の内側には、障害物となる作動シリンダは全く存在しない。カッティングシューの領域、すなわちカッティングシュージャッキの領域においてのみ、シーティングの内側に作動シリンダが配置される。しかし、この作動シリンダは、管を挿入するべき区間部分の外側に位置しており、そのため障害にはならない。
【0034】
さらに別の形態においては、シーティングパネル壁を、互いに関節接合方式で連結される複数のシーティングパネルから構成し、その個々のシーティングパネルを、組み込まれた作動シリンダによって監視かつ制御しながら動かすことができる方策が採られる。
【0035】
特に有利な形態においては、シーティングパネルに、潤滑剤計量装置によって坑/土壌とシーティングパネル外壁との間に潤滑剤を導入するための注入開口を設け、その潤滑剤計量装置が、前進に必要な作動シリンダの決定された制御圧力に応じて、潤滑剤を計量しながらその注入開口を通して供給する方式が定められる。この場合、前進が困難になる時点を制御システム内部で検知することができる。これは、油圧出力の増大が測定された時に自動的に検知される。しかし、前進に必要な出力の増大が許容範囲内に留まっていれば、シーティングパネルの注入開口を少なくとも自動的に作動させて、潤滑剤または粘土粉末を程度に応じて計量し、注入する。すなわち、前進が難しくなると、より多くの潤滑剤を計量し、前進が再度容易になると計量する潤滑剤を少なくする。従って、潤滑剤の計量は、圧力/変位相関関係の測定から決定されるエネルギーの消費に直接関連している。これは、坑においてシーティングが強く挟扼されるためにシーティング装置があまりに早く停止する前に、制御システムが、潤滑剤の増量注入によって摩擦力を低減するよう自動的に試みるからである。この操作も、前記の制御ユニットによって完全自動で行うことができる。
【0036】
この場合、装置または請求項1〜5の方法において、潤滑剤としての粘土粉末の使用の優れた有用性が実際に確認されている。この潤滑剤は、前進に必要な当接力がそれによって継続的に低下するので、シーティングの送り込みとの関連において特に有利である。
【0037】
上記に述べた特に有利な形態は、シーティング送り込み用シリンダのシーティングパネル壁内への組み込みである。これは、直ちに多くの重要な利点をもたらす。第1に、シーティングパネル間の内部空間幅を、先行技術とは対照的に顕著に拡大する。先行技術においては、これらのシリンダがシーティング内の敷設空間内部に配置されるかあるいは突き出ており、管の挿入作業の障害になる。
【0038】
先行技術による装置においては、挿入する管を、シリンダ部を通過して導くために、シーティングを対応して拡幅しなければならない。しかし、本発明による装置においては、空間幅を敷設管の直径にまで最小化することができる。その結果、本発明による装置は周知の型式の装置よりも幅が狭くなる。本発明による装置の幅が著しく狭いことから、結果的に移動するべき土壌量も少なくなる。土壌の移動量が少ないことは、エネルギー消費が少なく、所要時間も短くなり、従ってコストが低下することを意味している。
【0039】
油圧シリンダをシーティングまたはシーティング装置の壁内に組み込んで配置することによって、シリンダは高度に保護されることになり、その結果、故障する可能性が低下し、挿入管によって損傷されることはもはやなくなる。さらに、それぞれのシーティングパネルに対するシリンダの当接台が壁内に組み込まれ、その結果、この支持台が破壊する危険性はなくなる。さらに加えて、油圧シリンダはその当接台を直接シーティングパネル内部に有するので、その当接台に傾斜力またはレバー力が掛かることはない。このため、より高い油圧力を導入することが可能になり、シーティング装置を硬質の下層土壌中でより効率的に動かすことができる。また、より高い油圧力によって、シーティング装置を一層速やかに移動させることができる。同時にこの場合、組立据付も迅速に行うことができ、従って管の敷設がコスト的にさらに有利になる。
【0040】
さらに、1つの有利な形態は、排水手段の接続用開口を、シーティングパネルおよび/またはカッティングシューおよび/またはシーティング基礎に設ける方式である。これは、同様に付加シーティングパネルにも適用される。他の独立のポンプでは汲み出すことができない表面水または地下水をこの開口から排出することができる。
【0041】
シリンダ圧力を介して下層土壌中の抵抗または変化する抵抗を測定することができるという本発明による方法間の有利な相互作用をもここで活用することができる。このセンサ運転モードと組み合わせた組み込み型式の油圧シリンダ構造によって、圧力測定が、特に下層土壌および土壌の密度検知に特に適したものになる。これは、曲げモーメントが結果を歪める可能性があるブラケット当接台をシリンダ用として使用しないからである。力がシーティングパネルに直接作用するために、対応する摩擦力の差異をシーティング突先において直接測定し、その結果を考慮することができる。
【0042】
圧力限界を超えると、装置が自動的に停止するか、あるいは自動運転から手動操作に切り替わるという事実に加えて、この点に関連して、カッティング工程中、シーティング装置を方向制御することも可能である。カッティングシューの方向制御はこれまでにも知られているが、リンク構造のシーティングの操縦性は新規であり、カッティングシューのみの方向制御とはとにかく本質的に完全に異なる。シーティングとカッティングシューとのカッティングの動きは、相関的に常に相互に比較される。すなわち、区間範囲からの逸脱が生じると、その逸脱を補償もしくは補正し、あるいは装置を停止するように、作動シリンダが直ちに自動的に作動する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
装置を図に示しており、以下これを詳説する。
【0044】
図1は、最も重要な構成要素を平面図において、すなわち上からシーティング装置の内側を見た図を示している。互いに関節接合方式で連結される中空体のシーティングパネル11が両側面に延びている。油圧作動シリンダ1、4、6が、この中空体シーティングパネル11の内部に組み込まれて配置される。すなわち、これらの作動シリンダは、シーティングパネル壁の内部で作動するのであって、周知の配置のようにシーティングパネルによって形成されるシーティング装置の内側の空間内で作動するのではない。シーティングパネル壁内部への組み込みによって、シーティングパネルによって形成される全空間を、管の挿入と、圧縮板および押し込み板の移動とに対して障害なく使用することができる。どの作動シリンダも、またはその保持ブラケットもその空間を妨害しない。その結果、シーティングの内側空間を、非常に縮小して、敷設される管の寸法にきわめて近い大きさに構成することが可能になる。従って、大幅に少ない土壌量を移動すればよいだけとなり、敷設工事が周知の施工法よりも迅速になる。
【0045】
さらに、作動シリンダをシーティングパネルの内部に組み込むことによって、力を、傾斜モーメントを発生させることなく、従って最適な形で導入することが可能になる。カッティングシュー12の制御シリンダ2およびカッティングシュージャッキ14の油圧シリンダ3のみは、カッティングシュー12およびカッティングシュージャッキの内部に配置される。
【0046】
押し込み板5および圧縮板8は、内張りされたシーティングパネル11の間に配置される。この押し込み板5および圧縮板8は組み込まれた作動シリンダによって動かされる。押し込み板5は組み込みシリンダ4によって駆動され、圧縮板8は作動シリンダ6によって駆動される。これらのシリンダは、作動と同時に伸張し、シーティングをセグメントとして前方に押し込むか、あるいは、圧縮板8を、後方の土壌に当接する形で後方の土壌に押し付け、同時にその土壌を圧縮し、シーティングの前進に寄与する力の成分を加える。当接力の別の分割された成分が、敷設済みの管への押し付けによって生成される。カッティングシューによるカッティング操作の間―この間に敷設されるべき管の外径のみがカットされる―においても、力に関して分配された支持作用が、管および土壌において有効に機能する。カッティング操作中には、シーティングパネルをトレンチ内で拡げることによって、別の支持機能を有効に作り出すことができる。
【0047】
カッティングシューはY方向、すなわち前進方向に動かされる。しかし、カッティングシュージャッキ14、すなわちその作動シリンダ3は後退する、すなわち、図示のZ方向に動く。
【0048】
圧縮板8は敷設済みの管10のX方向に動かされ、そこに埋め戻された土壌を圧縮する。すなわち、カッティングシュー12によって、またカッティング先端のシーティングパネルによって生成された掘削材料が除去されて後方に埋め戻される。従って、シーティング装置はファスナーのように土壌中を移動する。
【0049】
先端のシーティングパネルの先端エッジにはシーティング突先アーマ13が装着される。さらに、このシーティング突先アーマには、カッティングシュー12のみではなくシーティングそのものも土壌中に進入するように、すなわちトレンチ部分がカットされるように斜角が設けられる。
【0050】
シーティング装置の内側では、平面図において、管が挿入される部分にシーティング基礎16を見ることができる。このシーティング基礎16は、敷設される管を受け入れる基礎側の管の半殻を形成する。
【0051】
さらに、カッティングシュー12には、また押圧および押し込み板5にも、それぞれ、蓄積する水を通過させるために開口し得る分割仕切り壁7および15が設けられ、そのためシーティング装置には水圧が掛からない。
【0052】
圧縮板の背後には、いわば「後方の後続シーティングパネル」が単なるシーティング板として配備されており、これが圧縮チャンバを形成する。
【0053】
図2は、本発明によるシーティング装置の側面図を示す。基礎面上においては、シーティングパネル11の下側で、シーティング基礎16が、シーティング装置の部分区間のみ、コンクリート管10のほぼ半分の高さだけ下方に半殻として突き出ていることが分かる。前端区間において突き出ているのは、カッティングシュー12の底部部分である。この部分は低部領域の土壌を掘進する。シーティングパネルの領域では、シーティングパネルが同じ作業を行う。カッティングシュージャッキ14の部分も同様に見ることができる。カッティングシュー自体は、制御シリンダ2によって方向制御することができる。シーティングパネルに組み込まれた作動シリンダ4および6の領域においては、それらを透視し得る形に示しているので、これらの作動シリンダの位置が分かる。
【0054】
先端領域においては、シーティングパネル11にアーマ13が取り付けられ、このアーマ13が、シーティングの前進中、シーティングを土壌中に切り込むためのシーティング先端エッジの抵抗力と硬さとを維持し、この先端エッジを保護する。このアーマ13は、工程中カッティングエッジとして機能する。
【0055】
図3は、カッティングシュー12およびそれを取り囲む先端シーティングパネル11のみの詳細を示す。シーティングの突先、すなわちシーティング突先アーマのすぐ後に、小さな制御シリンダ1が設けられ、それによって、前進中にシーティングの突先をも方向制御することができる。蓄積する水を後方に導くことができる、カッティングシュー12の分割仕切り壁7も同様に示されている。
【0056】
図4は、シーティングを垂直方向に変形させる可能性を示す。このため、付加シーティングパネル27が図2のシーティングパネルの上に載せられる。この付加シーティングパネル27は、同様に、組み込み作動シリンダ25、24および22と、さらに、同じく上方に伸張された付加圧縮板21および付加押し込み板23を作動させるためのシーティングパネル内組み込み作動シリンダとを含んでいる。
【0057】
本発明による構造の上方への拡張によって、トレンチをより深くした管の敷設、あるいは2つの配管ラインを同時に上下に敷設し得る管の敷設を実現することができる。2つの配管ライン敷設のための個別要素の時系列的な作動については前記のとおりである。
【0058】
図5は、ある深さ寸法を実現しなければならない場合に必要になる別の取り外し可能な付加パネル29示す。この別の付加パネル29は作動シリンダを全く含んでいないが、追加的な補強材28によって安定化される。
【0059】
図6は、図1の符号8で示す部材部分におけるシーティング装置の断面を示す。符号8は、図1のシーティング基礎16の後部に配置される圧縮板である。
【0060】
図6のこの例においては、図5の側面図に見られるような付加シーティングパネル27を備えたシーティング装置が選択されている。この結果、圧縮板8の上部に、別の圧縮板、つまり「付加圧縮板」21が設けられる。圧縮板8の底部は敷設管10の管の輪郭上に位置している。この付加圧縮板21は、シーティングパネル11、27内に組み込まれる作動シリンダによって駆動され、後方に埋め戻される土壌を圧縮する。埋め戻されるこの土壌は、同時に、全体としての前進に対する部分的な当接台としての役割も果たす。
【0061】
この場合も、付加シーティングパネル29が同様に見られるが、このパネル29は、例えば障害物を支持するために必要になるものである。油圧で前進するシーティングが障害物の下を通り抜ける前に、付加シーティングパネルを取り外し、障害物通過後再度取り付ける。
【0062】
図7は、押圧および押し込み板5の領域におけるシーティング装置の断面を示す。この押圧および押し込み板は、上記に見ることができかつ記述したように、シーティング内にガイドされ、その中に懸架されており、同様に、シーティングパネルおよび付加シーティングパネル内に組み込まれた作動シリンダによって動かされる。この押圧および押し込み板は5、その低部領域に、敷設される管用の貫通開口15を有する。この場合、カッティングシューがその前方に位置しているので、押圧および押し込み板においては管の全輪郭が閉じられている。
【0063】
図8は、押圧および押し込み板の前方に位置する前端シーティングパネル領域の相対的な可動性を示す。
【0064】
図9は、2つの配管ラインの同時敷設の状況を、作業中のシーティング装置のスナップショットで示す。この図では、2つの配管ラインを非常に正確に、しかも相互に十分な垂直距離をもって敷設し得ることに注目することが重要である。従って、敷設済みの管は、一方がもう一方の管の頂部に直接載るのではなく、一定の距離だけ離れて位置しており、土壌中に安全に埋め込まれる。
【0065】
図10は、2つの管を横に並べて敷設する場合の圧縮板の正面図を示す。この場合、2つの管を横に並べて敷設する場合には、共通の圧縮ストロークのみが必要になることが明らかになる。これに関して、図11は、2つの管を横に並べて敷設する場合の対応する押圧および押し込み板の正面図を示すが、この場合も、ただ1つの共通の作動ストロークが必要になる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】装置(シーティング装置)の平面図を示す。
【図2】図1の側面図を示す。
【図3】カッティングヘッドの平面図を示す。
【図4】付加シーティング装置の側面図を示す。
【図5】付加シーティング装置を示す。
【図6】圧縮板の正面図を示す。
【図7】押し込み板の正面図を示す。
【図8】別の部分側面図を示す。
【図9】2つの管を上下に敷設する場合の側面図を示す。
【図10】2つの管を横に並べて敷設する場合の圧縮板の正面図を示す。
【図11】2つの管を横に並べて敷設する場合の押圧および押し込み板の正面図を示す。
【符号の説明】
【0067】
1 シーティング制御用組み込み作動シリンダ
2 カッティングシューの制御シリンダ
3 カッティングシュージャッキ用油圧シリンダ
4 押し込みおよび押圧板作動用組み込み作動シリンダ
5 押圧および押し込み板
6 圧縮板作動用組み込み作動シリンダ
7 カッティングシュー分割仕切り壁
8 圧縮板
9 圧縮チャンバのシーティング板
10 敷設済みのコンクリート管
11 中空体のシーティングパネル
12 カッティングシュー
13 シーティング突先アーマ
14 カッティングシュージャッキ
15 押圧および押し込み板の分割仕切り壁
16 シーティング基礎
17 土壌圧縮方向 X
18 前進方向 Y
19 カッティングシュージャッキの伸張方向 Z
注記:方向X、YおよびZは、この場合デカルト直交座標系の方向ではなく、図面に示す方向である。
20 付加圧縮チャンバのシーティング板
21 付加圧縮板
22 付加圧縮板用作動シリンダ
23 付加シーティングパネルの押圧および押し込み板
24 付加シーティングパネルの押圧および押し込み板作動用作動シリンダ
25 付加シーティングパネルのシーティング制御用作動シリンダ
26 付加シーティングのシーティング突先アーマ
27 付加シーティングパネル
28 シーティング補強材
29 取り外し可能付加パネル
30 土壌
31 第2敷設配管ライン
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1および7の前段部分による、管敷設用シーティング装置の運転方法ならびにシーティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の方法および装置は下水管の敷設に用いられるが、他の種類の管にも適用される。古い施工方法においては、作業は開放坑において行われる。これは、例えば、開発される施工領域において、数メートル深さの相応のトレンチを掘削機で掘削しなければならないことを意味している。トレンチは上部に向かって拡幅するように漏斗形状に形成され、側面の傾斜は下層土壌の状態およびそれから生じる自然勾配によって定まる。全般的には、全深さ3mにおいて、幅が8mを超える可能性があるトレンチが構設される。このような敷設法は、技術用語で、開放坑における敷設と呼称される。
【0003】
この理由から、作業を半開放坑で行うことも知られる。この場合は、坑の側面部は「シーティングパネル」で固定される。これによって大幅に狭いトレンチが構設される。
【0004】
さらに、狭いトレンチ、場合によっては敷設される管の直径よりも狭いトレンチをシーティングパネルで保全して構設し、トレンチの下で、駆動ジャッキによって管をシーティングパネルで保全した領域の下側において土壌中に圧入することが知られる。この最後の場合には、また管を完全に接合して前進させる際にも、当然、「出発ピット」内において、定置の圧入ステーションのみが用いられ、そこで、各前進ストロークごとに新しい管が挿入される。
【0005】
1つの古い方法がDE26 03 565 C2から知られる。この場合、駆動ジャッキおよび掘進工具は基礎ピット、すなわち「出発ピット」内に置かれる。ここで、駆動ジャッキは、発生する巨大な力のために油圧で駆動される。ジャッキと、圧力補償リングと、またスライドレールおよび圧力補償装置とは、この出発ピット内に組み込まれ、従って、全ジャッキ配置はそこの定置位置に搭載される。さらに、掘進工具は上記のカッティングシューに従って前方に押し込まれる。このようなカッティングストロークが敷設されるべき導管の長さに達すると、駆動ジャッキは反対方向に戻され、導管が上から駆動ジャッキとカッティングシューとの間に降ろされる。その後、駆動ジャッキは再度伸張され、その過程で、挿入された導管およびカッティングシューが前方に動かされる。さらに別の導管長さだけ進行すると、駆動ジャッキは再度引き戻され、敷設されるべき次の導管が上から挿入される。上記のように、蓄積する排出土壌は、表面において、掘削装置、一般的には掘削機によって除去される。
【0006】
経験によれば、すでに敷設された管部分が100〜200mの距離になると、駆動ジャッキは増大するばかりの全管長を送り込まなければならないので、その敷設済みの管部分に巨大な滑り摩擦力が発生する。可能最大敷設長さには、この100〜200mの後到達する。また、それぞれ最後に敷設された導管は、敷設済みの全導管を前方に押し込む有効力を支持しなければならないので巨大な圧縮負荷を受ける。基本的に、すべての導管の製造者が、これを可能にするような強度を許容しているわけではない。
【0007】
さらに、DE42 41 856から、駆動ジャッキが同伴して動く方式、正確に言えば、次の管部分または導管を前方に押し込むために、最後に敷設された管を駆動ジャッキ用の当接台として使用するような方式が知られる。
【0008】
原理的には、この場合も同様に、管の軸方向に巨大な力が掛かるという欠点が生じる。
【0009】
この欠点を除去するために、DE101 30 777 A1によれば、カッティングヘッドおよびシーティングの両者を、敷設およびシーティング装置によって敷設方向に動かすことができる方法および装置が提供される。シーティングは、カッティングヘッドと全く同様にカットしながら、敷設された管と共に前進する。この場合、シーティングパネルは、前方に移動し得るだけでなく、すなわち土壌中に切り込み得るだけでなく、静止時には拡げることができる。その結果、管の前進に必要な当接力が、一部はシーティングパネルに、一部は後方に埋め戻されかつ圧縮される土壌に配分され、前記当接力の小さな割合のみが敷設済みの管部分に配分される。この場合は、他の先行技術と違って、敷設済み管に負荷される応力は大幅に低くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、それ自体としてすでに有利である前項の先行技術に基づいて、敷設を高度に自動化し得るように、かつ同時に装置の損傷を避けて装置を運転し得るように、この前項の方式の方法および装置を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、この方式の方法において請求項1の特徴を備えることによって達成される。
【0012】
本発明による方法のさらに有利な形態が従属請求項2〜6の方法に規定される。
【0013】
この方式の装置に関しては、本発明の目的は、請求項7の特徴を備えることによって本発明に従って達成される。
【0014】
これに関するさらに有利な形態は、装置に関する残りの従属請求項に規定される。
【0015】
方法に関する本発明の要点は、カッティングシューに取り付けられる作動シリンダおよびシーティング内部に配置される作動シリンダの、前進に必要な送り込み力または油圧圧力を測定して、各作動シリンダの搭載位置に関連付けて記録し、左手のシーティング側と右手のシーティング側との間において圧力を比較すること、および、非対称性が所定の許容範囲外に出た場合には、シーティング装置の前進の動きを自動的に停止するか、あるいは、カッティングシュージャッキの制御および/またはシーティングの前進の制御に自動介入するか、あるいは、補正制御を自動的に発動することにある。
【0016】
すなわち、カッティングシューとシーティングとの制御の動きは常に互いに適合している。カッティングシューおよびシーティングは、確かに分離してそれぞれ個別に制御されるが、同時に、両者共、1つの同じ目的の方向に制御される。カッティングシューは、前進中確かにシーティングと一緒に移動するが、両者は互いに独立に動くのである。この結果、誤操作または土壌の密度の変化によって、カッティングシューの動きとシーティングの動きとの間に差異が生じる可能性がある。本発明による方法においては、この差異は、直ちに、測定される位置信号における差異を正確に作り出す。これが検知されると、制御システムが直ちに制御の修正によって操作されるか、あるいは極端な場合に、差異がもはや修正できなければ、シーティング装置が自動的に停止される。
【0017】
別の有利な形態においては、土壌の密度の非対称性を、前進中に油圧圧力の測定値と変位の測定値との相関関係によって決定する方策が採られる。これによって、結果的に最適化される操作力を、カッティングシューおよびシーティングのそれぞれの作動シリンダに対して決定しかつ修正することができる。
【0018】
さらに別の形態においては、シーティングの内側において、後続管の輪郭を基礎面上にカットするカッティングシューを、シーティングと一緒に、かつまたそれとは独立に制御することができる方策が用いられる。
【0019】
シーティングの前進側の突先におけるセンサによって、横方向に延びる障害物を、シーティング装置から所定の距離において検知することが可能であり、その位置に達するとシーティング装置は自動停止される。
【0020】
互いに上下に配設される2つの管を、次の手順、すなわち、下側の管を、押圧および押し込み板と圧縮板との間の空間に、前以て敷設済みの管があればその管に当てがうように差し込み、次に、上側の管を、最初の管の上に直接、前以て敷設済みの上側の管があればその管に当てがうように差し込み、次いで最初に、埋め戻される土壌を下側の管の周りに下部圧縮板を用いて押し込み、続いて土壌を上側に敷設された管の周りおよび上部に上部圧縮板によって押し込む、という手順によって敷設する形態が非常に有利である。同様に、2つの管を横に並べて敷設することも可能である。この場合は、2つの管が、横に並ぶ形で挿入され、続いてそれぞれ押圧および押し込み板と圧縮板との共通のストロークにおいて考慮される。
【0021】
この場合、油圧の制御力/制御圧力の監視を実施することが特に有利である。この監視は、引き続き実行される可能性のあるカッティング工程を地質学的な状況に応じて評価するためのものであり、過負荷の場合に自動的な補正制御または装置の停止を発動させるよう意図されている。この場合、本発明によるシリンダ配置は、シーティング装置に塑性変形が生じる前に、非常に大きな力を加えることができるように構成されているという事実がある。シリンダをパネルのブラケットに取り付ける代わりに、本発明に従ってシリンダをシーティングパネル内に組み込むことによって、非常に大きな前進力を、当然同時に前進させられるべきシーティングに加えることができる。溶接されたブラケットにシリンダを固定すると、シーティングパネルに平行な所要の送り込み力に対して垂直な力も、力を発生させる間に、この送り込み力に加えて生じることになる。本発明によるシーティングパネル内への組み込みによって、この曲げの力は完全に排除され、従って、巨大な押し込み力が付加されても、どの箇所にも曲げ破壊の危険性が生じることはもはやなくなる。
【0022】
押し込まれるべきシーティングパネルにより大きな力を付加し得るという事実、従って、カッティング工程および敷設工程をより堅固な高密度の土壌においても遂行し得るという事実によって、材料の限界負荷能力が遵守されること、あるいはそれを問題なく自己制御的に自動的に遵守し得ることが特に重要である。この機能的組み合わせにおいて、岩盤片または土壌密度の突然の増大による高密度障害物が、特に力または圧力の非対称性に関して、本発明に従って上記のように監視されるシリンダ圧力によって検知されると、過負荷になる前に自動停止が発動されるか、あるいは、可能であれば自動補正制御の介入が行われる。
【0023】
この場合、敷設区間に沿って土壌密度が逓増すると、当然非対称的な圧力増大でなく対称的な圧力増大が容易に生じるが、この敷設区間に沿う土壌密度の逓増を明らかにし得るという事実のみが重要であるのではない。この場合も自動停止は発動される。しかし、むしろ、本発明による敷設およびシーティング装置が、シーティングパネルの右手側よりも左手側においてより硬くかつより高密度な土壌中を貫通して動く場合の方がなお一層重要である。管輪郭の半分、すなわち管の底部側の輪郭をカットするカッティングシューも、土壌条件の違いから異なる負荷に曝され、その結果、その上のシーティングとは異なる力を受けることがある。このような場合には、敷設およびシーティング装置とカッティングシュージャッキおよびシーティング間の連結部品とに異常に高い曲げの力が生じ、この曲げの力は、リンク構造のシーティング装置と連結部品との静力学に高い応力を負荷することになり、場合によってはそれらを損傷する可能性がある。本発明による方法および装置によって、このような非対称性が自動的に検知され、装置は停止されるか、あるいは自動的な補正制御がスタートし、それ以後、自動停止の後は、非対称性が再度、所定のまたは予め定め得る許容範囲内に入るまで、注意深い手動操作のみを実行することができる。
【0024】
さらに別の形態は、機械的な限界負荷を自動的に考慮しながら、本発明が目指す自動前進工程を支援するような詳細に関する。
【0025】
このため、別の有利な形態においては、シーティングに対するカッティングシュージャッキの可動性がロックされる。ロック後は、カッティングシュージャッキはシーティングと一緒に動かされる。この操作方式によって、全シーティングがカッティングシュージャッキと共に動かされる。多くの操作選択肢において、カッティングシュージャッキおよびシーティングを個別に前進させ得ることが有利である。例えば、前以て伸張されたカッティングシュージャッキが、シーティングの送り込みによって引き込まれると、このシーティングは、カッティングシュージャッキへの固定部分を介して、その動きすなわちカッティングシューの行程に不可避的に追随しなければならない。シーティングが前進させられ、カッティングシュージャッキがシーティングに追随する場合も、カッティングシュージャッキは、連結部品を介して同様に不可避的にシーティングに追随しなければならない。カッティングシューそのものを追加的に制御すれば、これによる影響は受けない。
【0026】
カッティングシュージャッキが、図のZ方向に伸張することによって、押圧力を、カッティングシューの突先および/またはシーティングと、押圧および押し込み板を介して前以て敷設済みの管があればその管とに伝達し、しかし同時にまた、圧縮板の作動シリンダに対する当接台および安定化部材として作用することも有利である。シーティングにロックされている間は、カッティングシュージャッキの力は、全装置の前進の動きに対して作用する。
【0027】
シーティングが、カッティングシュージャッキからロック解除されると、前進の力はY方向に作用し、カッティングシューのみを土壌中に押し込む。
【0028】
構造的には、すなわち装置に関しては、本発明の要点は、カッティングシューに取り付けられる作動シリンダおよびシーティング内部に配置される作動シリンダの、前進に必要な送り込み力または油圧圧力をセンサによって測定して、各作動シリンダの搭載位置に関連付けて制御装置内部に電子的に記録し、左手のシーティング側と右手のシーティング側との間においてその圧力を比較することと、非対称性が所定の許容範囲外に出た場合には、シーティング装置の前進の動きを自動的に停止するか、あるいは、この前進の動きの補正制御を自動的に発動することとにある。
【0029】
装置は、前進中に、土壌の密度の非対称性を油圧圧力の測定値と変位の測定値との相関関係によって制御システムの内部で計算し、その変位の測定値は、光センサ、抵抗センサまたは音響センサによって得るように構成される。
【0030】
別の有利な形態は、敷設済みの管部分に対する、前進中の部分当接用の少なくとも1つの油圧作動可能な押圧および押し込み板を、シーティング装置の内側に配置し、この押圧および押し込み板を、シーティング内部の作動シリンダによってシーティング装置の内側で前後に動かすことができるという形態である。
【0031】
適切な排水または水の通路のために、カッティングシューの内部に開口可能な分割仕切り壁を組み込む方策が用意される。これは、例えば、新しい管路施設を稼働中の下水管と交差させてそれと交換しなければならない場合に有利である。分割仕切り壁を開くことによって、カッティングシューおよびカッティングシュージャッキを通して廃水を導くことが可能になり、敷設済みの新しい管を通して排水することができる。これによって、水を遮断したり汲み上げたりする必要はなくなる。
【0032】
同様に、押し込み/圧縮板の内部に開口可能な分割仕切り壁を組み込むことができる。
【0033】
別の有利な形態においては、作動シリンダの少なくともいくつかをシーティング装置のシーティングパネル壁内部に組み込むように配置する方策が採られる。しかし、この場合、シーティングを動かすすべての作動シリンダと、また圧縮板および押し込み板を動かすすべての作動シリンダとは、シーティングパネルの内部に組み込まれる。従って、管を挿入する区間部分におけるシーティング構成の内側には、障害物となる作動シリンダは全く存在しない。カッティングシューの領域、すなわちカッティングシュージャッキの領域においてのみ、シーティングの内側に作動シリンダが配置される。しかし、この作動シリンダは、管を挿入するべき区間部分の外側に位置しており、そのため障害にはならない。
【0034】
さらに別の形態においては、シーティングパネル壁を、互いに関節接合方式で連結される複数のシーティングパネルから構成し、その個々のシーティングパネルを、組み込まれた作動シリンダによって監視かつ制御しながら動かすことができる方策が採られる。
【0035】
特に有利な形態においては、シーティングパネルに、潤滑剤計量装置によって坑/土壌とシーティングパネル外壁との間に潤滑剤を導入するための注入開口を設け、その潤滑剤計量装置が、前進に必要な作動シリンダの決定された制御圧力に応じて、潤滑剤を計量しながらその注入開口を通して供給する方式が定められる。この場合、前進が困難になる時点を制御システム内部で検知することができる。これは、油圧出力の増大が測定された時に自動的に検知される。しかし、前進に必要な出力の増大が許容範囲内に留まっていれば、シーティングパネルの注入開口を少なくとも自動的に作動させて、潤滑剤または粘土粉末を程度に応じて計量し、注入する。すなわち、前進が難しくなると、より多くの潤滑剤を計量し、前進が再度容易になると計量する潤滑剤を少なくする。従って、潤滑剤の計量は、圧力/変位相関関係の測定から決定されるエネルギーの消費に直接関連している。これは、坑においてシーティングが強く挟扼されるためにシーティング装置があまりに早く停止する前に、制御システムが、潤滑剤の増量注入によって摩擦力を低減するよう自動的に試みるからである。この操作も、前記の制御ユニットによって完全自動で行うことができる。
【0036】
この場合、装置または請求項1〜5の方法において、潤滑剤としての粘土粉末の使用の優れた有用性が実際に確認されている。この潤滑剤は、前進に必要な当接力がそれによって継続的に低下するので、シーティングの送り込みとの関連において特に有利である。
【0037】
上記に述べた特に有利な形態は、シーティング送り込み用シリンダのシーティングパネル壁内への組み込みである。これは、直ちに多くの重要な利点をもたらす。第1に、シーティングパネル間の内部空間幅を、先行技術とは対照的に顕著に拡大する。先行技術においては、これらのシリンダがシーティング内の敷設空間内部に配置されるかあるいは突き出ており、管の挿入作業の障害になる。
【0038】
先行技術による装置においては、挿入する管を、シリンダ部を通過して導くために、シーティングを対応して拡幅しなければならない。しかし、本発明による装置においては、空間幅を敷設管の直径にまで最小化することができる。その結果、本発明による装置は周知の型式の装置よりも幅が狭くなる。本発明による装置の幅が著しく狭いことから、結果的に移動するべき土壌量も少なくなる。土壌の移動量が少ないことは、エネルギー消費が少なく、所要時間も短くなり、従ってコストが低下することを意味している。
【0039】
油圧シリンダをシーティングまたはシーティング装置の壁内に組み込んで配置することによって、シリンダは高度に保護されることになり、その結果、故障する可能性が低下し、挿入管によって損傷されることはもはやなくなる。さらに、それぞれのシーティングパネルに対するシリンダの当接台が壁内に組み込まれ、その結果、この支持台が破壊する危険性はなくなる。さらに加えて、油圧シリンダはその当接台を直接シーティングパネル内部に有するので、その当接台に傾斜力またはレバー力が掛かることはない。このため、より高い油圧力を導入することが可能になり、シーティング装置を硬質の下層土壌中でより効率的に動かすことができる。また、より高い油圧力によって、シーティング装置を一層速やかに移動させることができる。同時にこの場合、組立据付も迅速に行うことができ、従って管の敷設がコスト的にさらに有利になる。
【0040】
さらに、1つの有利な形態は、排水手段の接続用開口を、シーティングパネルおよび/またはカッティングシューおよび/またはシーティング基礎に設ける方式である。これは、同様に付加シーティングパネルにも適用される。他の独立のポンプでは汲み出すことができない表面水または地下水をこの開口から排出することができる。
【0041】
シリンダ圧力を介して下層土壌中の抵抗または変化する抵抗を測定することができるという本発明による方法間の有利な相互作用をもここで活用することができる。このセンサ運転モードと組み合わせた組み込み型式の油圧シリンダ構造によって、圧力測定が、特に下層土壌および土壌の密度検知に特に適したものになる。これは、曲げモーメントが結果を歪める可能性があるブラケット当接台をシリンダ用として使用しないからである。力がシーティングパネルに直接作用するために、対応する摩擦力の差異をシーティング突先において直接測定し、その結果を考慮することができる。
【0042】
圧力限界を超えると、装置が自動的に停止するか、あるいは自動運転から手動操作に切り替わるという事実に加えて、この点に関連して、カッティング工程中、シーティング装置を方向制御することも可能である。カッティングシューの方向制御はこれまでにも知られているが、リンク構造のシーティングの操縦性は新規であり、カッティングシューのみの方向制御とはとにかく本質的に完全に異なる。シーティングとカッティングシューとのカッティングの動きは、相関的に常に相互に比較される。すなわち、区間範囲からの逸脱が生じると、その逸脱を補償もしくは補正し、あるいは装置を停止するように、作動シリンダが直ちに自動的に作動する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
装置を図に示しており、以下これを詳説する。
【0044】
図1は、最も重要な構成要素を平面図において、すなわち上からシーティング装置の内側を見た図を示している。互いに関節接合方式で連結される中空体のシーティングパネル11が両側面に延びている。油圧作動シリンダ1、4、6が、この中空体シーティングパネル11の内部に組み込まれて配置される。すなわち、これらの作動シリンダは、シーティングパネル壁の内部で作動するのであって、周知の配置のようにシーティングパネルによって形成されるシーティング装置の内側の空間内で作動するのではない。シーティングパネル壁内部への組み込みによって、シーティングパネルによって形成される全空間を、管の挿入と、圧縮板および押し込み板の移動とに対して障害なく使用することができる。どの作動シリンダも、またはその保持ブラケットもその空間を妨害しない。その結果、シーティングの内側空間を、非常に縮小して、敷設される管の寸法にきわめて近い大きさに構成することが可能になる。従って、大幅に少ない土壌量を移動すればよいだけとなり、敷設工事が周知の施工法よりも迅速になる。
【0045】
さらに、作動シリンダをシーティングパネルの内部に組み込むことによって、力を、傾斜モーメントを発生させることなく、従って最適な形で導入することが可能になる。カッティングシュー12の制御シリンダ2およびカッティングシュージャッキ14の油圧シリンダ3のみは、カッティングシュー12およびカッティングシュージャッキの内部に配置される。
【0046】
押し込み板5および圧縮板8は、内張りされたシーティングパネル11の間に配置される。この押し込み板5および圧縮板8は組み込まれた作動シリンダによって動かされる。押し込み板5は組み込みシリンダ4によって駆動され、圧縮板8は作動シリンダ6によって駆動される。これらのシリンダは、作動と同時に伸張し、シーティングをセグメントとして前方に押し込むか、あるいは、圧縮板8を、後方の土壌に当接する形で後方の土壌に押し付け、同時にその土壌を圧縮し、シーティングの前進に寄与する力の成分を加える。当接力の別の分割された成分が、敷設済みの管への押し付けによって生成される。カッティングシューによるカッティング操作の間―この間に敷設されるべき管の外径のみがカットされる―においても、力に関して分配された支持作用が、管および土壌において有効に機能する。カッティング操作中には、シーティングパネルをトレンチ内で拡げることによって、別の支持機能を有効に作り出すことができる。
【0047】
カッティングシューはY方向、すなわち前進方向に動かされる。しかし、カッティングシュージャッキ14、すなわちその作動シリンダ3は後退する、すなわち、図示のZ方向に動く。
【0048】
圧縮板8は敷設済みの管10のX方向に動かされ、そこに埋め戻された土壌を圧縮する。すなわち、カッティングシュー12によって、またカッティング先端のシーティングパネルによって生成された掘削材料が除去されて後方に埋め戻される。従って、シーティング装置はファスナーのように土壌中を移動する。
【0049】
先端のシーティングパネルの先端エッジにはシーティング突先アーマ13が装着される。さらに、このシーティング突先アーマには、カッティングシュー12のみではなくシーティングそのものも土壌中に進入するように、すなわちトレンチ部分がカットされるように斜角が設けられる。
【0050】
シーティング装置の内側では、平面図において、管が挿入される部分にシーティング基礎16を見ることができる。このシーティング基礎16は、敷設される管を受け入れる基礎側の管の半殻を形成する。
【0051】
さらに、カッティングシュー12には、また押圧および押し込み板5にも、それぞれ、蓄積する水を通過させるために開口し得る分割仕切り壁7および15が設けられ、そのためシーティング装置には水圧が掛からない。
【0052】
圧縮板の背後には、いわば「後方の後続シーティングパネル」が単なるシーティング板として配備されており、これが圧縮チャンバを形成する。
【0053】
図2は、本発明によるシーティング装置の側面図を示す。基礎面上においては、シーティングパネル11の下側で、シーティング基礎16が、シーティング装置の部分区間のみ、コンクリート管10のほぼ半分の高さだけ下方に半殻として突き出ていることが分かる。前端区間において突き出ているのは、カッティングシュー12の底部部分である。この部分は低部領域の土壌を掘進する。シーティングパネルの領域では、シーティングパネルが同じ作業を行う。カッティングシュージャッキ14の部分も同様に見ることができる。カッティングシュー自体は、制御シリンダ2によって方向制御することができる。シーティングパネルに組み込まれた作動シリンダ4および6の領域においては、それらを透視し得る形に示しているので、これらの作動シリンダの位置が分かる。
【0054】
先端領域においては、シーティングパネル11にアーマ13が取り付けられ、このアーマ13が、シーティングの前進中、シーティングを土壌中に切り込むためのシーティング先端エッジの抵抗力と硬さとを維持し、この先端エッジを保護する。このアーマ13は、工程中カッティングエッジとして機能する。
【0055】
図3は、カッティングシュー12およびそれを取り囲む先端シーティングパネル11のみの詳細を示す。シーティングの突先、すなわちシーティング突先アーマのすぐ後に、小さな制御シリンダ1が設けられ、それによって、前進中にシーティングの突先をも方向制御することができる。蓄積する水を後方に導くことができる、カッティングシュー12の分割仕切り壁7も同様に示されている。
【0056】
図4は、シーティングを垂直方向に変形させる可能性を示す。このため、付加シーティングパネル27が図2のシーティングパネルの上に載せられる。この付加シーティングパネル27は、同様に、組み込み作動シリンダ25、24および22と、さらに、同じく上方に伸張された付加圧縮板21および付加押し込み板23を作動させるためのシーティングパネル内組み込み作動シリンダとを含んでいる。
【0057】
本発明による構造の上方への拡張によって、トレンチをより深くした管の敷設、あるいは2つの配管ラインを同時に上下に敷設し得る管の敷設を実現することができる。2つの配管ライン敷設のための個別要素の時系列的な作動については前記のとおりである。
【0058】
図5は、ある深さ寸法を実現しなければならない場合に必要になる別の取り外し可能な付加パネル29示す。この別の付加パネル29は作動シリンダを全く含んでいないが、追加的な補強材28によって安定化される。
【0059】
図6は、図1の符号8で示す部材部分におけるシーティング装置の断面を示す。符号8は、図1のシーティング基礎16の後部に配置される圧縮板である。
【0060】
図6のこの例においては、図5の側面図に見られるような付加シーティングパネル27を備えたシーティング装置が選択されている。この結果、圧縮板8の上部に、別の圧縮板、つまり「付加圧縮板」21が設けられる。圧縮板8の底部は敷設管10の管の輪郭上に位置している。この付加圧縮板21は、シーティングパネル11、27内に組み込まれる作動シリンダによって駆動され、後方に埋め戻される土壌を圧縮する。埋め戻されるこの土壌は、同時に、全体としての前進に対する部分的な当接台としての役割も果たす。
【0061】
この場合も、付加シーティングパネル29が同様に見られるが、このパネル29は、例えば障害物を支持するために必要になるものである。油圧で前進するシーティングが障害物の下を通り抜ける前に、付加シーティングパネルを取り外し、障害物通過後再度取り付ける。
【0062】
図7は、押圧および押し込み板5の領域におけるシーティング装置の断面を示す。この押圧および押し込み板は、上記に見ることができかつ記述したように、シーティング内にガイドされ、その中に懸架されており、同様に、シーティングパネルおよび付加シーティングパネル内に組み込まれた作動シリンダによって動かされる。この押圧および押し込み板は5、その低部領域に、敷設される管用の貫通開口15を有する。この場合、カッティングシューがその前方に位置しているので、押圧および押し込み板においては管の全輪郭が閉じられている。
【0063】
図8は、押圧および押し込み板の前方に位置する前端シーティングパネル領域の相対的な可動性を示す。
【0064】
図9は、2つの配管ラインの同時敷設の状況を、作業中のシーティング装置のスナップショットで示す。この図では、2つの配管ラインを非常に正確に、しかも相互に十分な垂直距離をもって敷設し得ることに注目することが重要である。従って、敷設済みの管は、一方がもう一方の管の頂部に直接載るのではなく、一定の距離だけ離れて位置しており、土壌中に安全に埋め込まれる。
【0065】
図10は、2つの管を横に並べて敷設する場合の圧縮板の正面図を示す。この場合、2つの管を横に並べて敷設する場合には、共通の圧縮ストロークのみが必要になることが明らかになる。これに関して、図11は、2つの管を横に並べて敷設する場合の対応する押圧および押し込み板の正面図を示すが、この場合も、ただ1つの共通の作動ストロークが必要になる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】装置(シーティング装置)の平面図を示す。
【図2】図1の側面図を示す。
【図3】カッティングヘッドの平面図を示す。
【図4】付加シーティング装置の側面図を示す。
【図5】付加シーティング装置を示す。
【図6】圧縮板の正面図を示す。
【図7】押し込み板の正面図を示す。
【図8】別の部分側面図を示す。
【図9】2つの管を上下に敷設する場合の側面図を示す。
【図10】2つの管を横に並べて敷設する場合の圧縮板の正面図を示す。
【図11】2つの管を横に並べて敷設する場合の押圧および押し込み板の正面図を示す。
【符号の説明】
【0067】
1 シーティング制御用組み込み作動シリンダ
2 カッティングシューの制御シリンダ
3 カッティングシュージャッキ用油圧シリンダ
4 押し込みおよび押圧板作動用組み込み作動シリンダ
5 押圧および押し込み板
6 圧縮板作動用組み込み作動シリンダ
7 カッティングシュー分割仕切り壁
8 圧縮板
9 圧縮チャンバのシーティング板
10 敷設済みのコンクリート管
11 中空体のシーティングパネル
12 カッティングシュー
13 シーティング突先アーマ
14 カッティングシュージャッキ
15 押圧および押し込み板の分割仕切り壁
16 シーティング基礎
17 土壌圧縮方向 X
18 前進方向 Y
19 カッティングシュージャッキの伸張方向 Z
注記:方向X、YおよびZは、この場合デカルト直交座標系の方向ではなく、図面に示す方向である。
20 付加圧縮チャンバのシーティング板
21 付加圧縮板
22 付加圧縮板用作動シリンダ
23 付加シーティングパネルの押圧および押し込み板
24 付加シーティングパネルの押圧および押し込み板作動用作動シリンダ
25 付加シーティングパネルのシーティング制御用作動シリンダ
26 付加シーティングのシーティング突先アーマ
27 付加シーティングパネル
28 シーティング補強材
29 取り外し可能付加パネル
30 土壌
31 第2敷設配管ライン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同伴するシーティングと組み込まれた駆動ジャッキとを用いた、導管、特に下水管を土壌中に敷設する方法であって、該方法においては、前進させられるシーティングによって敷設坑が土壌中に掘進され、管は順次挿入され、該坑は該シーティングの後部で埋め戻される方法において、カッティングシューに取り付けられる作動シリンダおよび該シーティング内部に配置される作動シリンダの、該前進に必要な送り込み力または油圧圧力を測定して、各作動シリンダの搭載位置に関連付けて記録し、左手のシーティング側と右手のシーティング側との間において該圧力を比較すること、および、非対称性が所定の許容範囲外に出た場合には、シーティング装置の前進の動きを自動的に停止するか、あるいは、補正制御を自動的に発動することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記前進中に、土壌の密度の非対称性を油圧圧力の測定値と変位の測定値との相関関係によって決定し、これによって、前記カッティングシューおよび前記シーティングのそれぞれの作動シリンダに対して、結果的に最適化される操作力を決定しかつ修正することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シーティングの内側において、後続管の輪郭を基礎面上にカットするカッティングシューを、該シーティングと一緒に、かつまたそれとは独立に制御することができることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
横方向に延びる障害物を、前記シーティングの前進側の突先におけるセンサによって、前記シーティング装置から所定の距離において検知することが可能であり、その結果その位置が決定された場合には、該位置に達すると該シーティング装置を直ちに自動停止することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
互いに上下に配設される2つの管を、次の手順、すなわち、下側の管を、押圧および押し込み板と圧縮板との間の空間に、前以て敷設済みの管があればその管に当てがうように差し込み、次に、上側の管を、該最初の管の上に直接、前以て敷設済みの上側の管があればその管に当てがうように差し込み、次いで最初に、埋め戻される土壌を該下側の管の周りに下部圧縮板を用いて押し込み、続いて土壌を該上側に敷設された管の周りおよび上部に上部圧縮板によって押し込む、という手順によって敷設することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
横に並べて配設する2つの管を、前記シーティング装置、従って敷設ピットに相前後してあるいは同時に差し込み、次いで、圧縮板の共通のストロークにおいて、敷設された管の上に土壌を押し込む、という手順によって敷設することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
同伴するシーティングと組み込まれた駆動ジャッキとを備えた、導管、特に下水管を土壌中に敷設する装置であって、該装置においては、前進させられるシーティングによって、敷設坑が該シーティング装置によって土壌中に掘進され、管は順次挿入され、該坑は該シーティングの後部で直ちに埋め戻される装置において、カッティングシュー(12)に取り付けられる作動シリンダおよび該シーティング内部に配置される作動シリンダ(1、3、4、6、22、24、25)の、該前進に必要な送り込み力または油圧圧力をセンサによって測定して、各作動シリンダの搭載位置に関連付けて制御装置内部に電子的に記録し、左手のシーティング側と右手のシーティング側との間において該圧力を比較すること、および、非対称性が所定の許容範囲外に出た場合には、該シーティング装置の前進の動きを自動的に停止するか、あるいは、補正制御を自動的に発動することを特徴とする装置。
【請求項8】
前記前進中に、土壌の密度の非対称性を油圧圧力の測定値と変位の測定値との相関関係によって前記制御システムの内部で計算し、該変位の測定値は、光学センサ、抵抗センサまたは音響センサによって得ることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前進中の当接支持用の少なくとも1つの押し込み/圧縮板(8、21)を、前記シーティング装置の内側に配置し、該押し込み/圧縮板(8、21)は該シーティング装置の内側で、そこに配備される作動シリンダ(6、22)によって前後に動かすことができることを特徴とする請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
敷設済みの管部分に対する、前進中の部分的な当接支持用の少なくとも1つの油圧作動可能な押圧および押し込み板(5、23)を、前記シーティング装置の内側に配置し、該押圧および押し込み板(5、23)は前記シーティング内部の作動シリンダ(4、24)によって前後に動かすことができることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
開口可能な分割仕切り壁(7)が、前記カッティングシュー(12)の内部に組み込まれることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項12】
開口可能な分割仕切り壁(15)が、前記押し込み/圧縮板(8、21)の内部に同様に組み込まれることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記作動シリンダの少なくともいくつかが、シーティング装置内のシーティングパネル壁内部もしくはシーティングパネル(11)内部に組み込まれるように配置されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項14】
前記シーティングパネル壁が、互いに関節接合方式で連結される複数のシーティングパネル(11)から構成されること、および、個々の該シーティングパネル(11)を、前記組み込み作動シリンダ(1、4、6、22、24、25)によって監視かつ制御しながら動かすことができること、を特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記シーティングパネル(11)および/または前記カッティングシュー(12)および/または前記シーティング基礎(16)に、水の排出手段を接続するための開口が設けられることを特徴とする請求項11および12に記載の装置。
【請求項16】
前記シーティングパネル(11)に、潤滑剤計量装置によって坑/土壌とシーティングパネル外壁との間に潤滑剤を導入するための注入開口が設けられ、該潤滑剤計量装置が、前進に必要な前記作動シリンダの決定された制御圧力に応じて、該潤滑剤を計量しながら該注入開口を通して供給することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項17】
それぞれ請求項1〜6の方法または請求項7〜16の装置における潤滑剤としての粘土粉末の使用。
【請求項1】
同伴するシーティングと組み込まれた駆動ジャッキとを用いた、導管、特に下水管を土壌中に敷設する方法であって、該方法においては、前進させられるシーティングによって敷設坑が土壌中に掘進され、管は順次挿入され、該坑は該シーティングの後部で埋め戻される方法において、カッティングシューに取り付けられる作動シリンダおよび該シーティング内部に配置される作動シリンダの、該前進に必要な送り込み力または油圧圧力を測定して、各作動シリンダの搭載位置に関連付けて記録し、左手のシーティング側と右手のシーティング側との間において該圧力を比較すること、および、非対称性が所定の許容範囲外に出た場合には、シーティング装置の前進の動きを自動的に停止するか、あるいは、補正制御を自動的に発動することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記前進中に、土壌の密度の非対称性を油圧圧力の測定値と変位の測定値との相関関係によって決定し、これによって、前記カッティングシューおよび前記シーティングのそれぞれの作動シリンダに対して、結果的に最適化される操作力を決定しかつ修正することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シーティングの内側において、後続管の輪郭を基礎面上にカットするカッティングシューを、該シーティングと一緒に、かつまたそれとは独立に制御することができることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
横方向に延びる障害物を、前記シーティングの前進側の突先におけるセンサによって、前記シーティング装置から所定の距離において検知することが可能であり、その結果その位置が決定された場合には、該位置に達すると該シーティング装置を直ちに自動停止することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
互いに上下に配設される2つの管を、次の手順、すなわち、下側の管を、押圧および押し込み板と圧縮板との間の空間に、前以て敷設済みの管があればその管に当てがうように差し込み、次に、上側の管を、該最初の管の上に直接、前以て敷設済みの上側の管があればその管に当てがうように差し込み、次いで最初に、埋め戻される土壌を該下側の管の周りに下部圧縮板を用いて押し込み、続いて土壌を該上側に敷設された管の周りおよび上部に上部圧縮板によって押し込む、という手順によって敷設することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
横に並べて配設する2つの管を、前記シーティング装置、従って敷設ピットに相前後してあるいは同時に差し込み、次いで、圧縮板の共通のストロークにおいて、敷設された管の上に土壌を押し込む、という手順によって敷設することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
同伴するシーティングと組み込まれた駆動ジャッキとを備えた、導管、特に下水管を土壌中に敷設する装置であって、該装置においては、前進させられるシーティングによって、敷設坑が該シーティング装置によって土壌中に掘進され、管は順次挿入され、該坑は該シーティングの後部で直ちに埋め戻される装置において、カッティングシュー(12)に取り付けられる作動シリンダおよび該シーティング内部に配置される作動シリンダ(1、3、4、6、22、24、25)の、該前進に必要な送り込み力または油圧圧力をセンサによって測定して、各作動シリンダの搭載位置に関連付けて制御装置内部に電子的に記録し、左手のシーティング側と右手のシーティング側との間において該圧力を比較すること、および、非対称性が所定の許容範囲外に出た場合には、該シーティング装置の前進の動きを自動的に停止するか、あるいは、補正制御を自動的に発動することを特徴とする装置。
【請求項8】
前記前進中に、土壌の密度の非対称性を油圧圧力の測定値と変位の測定値との相関関係によって前記制御システムの内部で計算し、該変位の測定値は、光学センサ、抵抗センサまたは音響センサによって得ることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前進中の当接支持用の少なくとも1つの押し込み/圧縮板(8、21)を、前記シーティング装置の内側に配置し、該押し込み/圧縮板(8、21)は該シーティング装置の内側で、そこに配備される作動シリンダ(6、22)によって前後に動かすことができることを特徴とする請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
敷設済みの管部分に対する、前進中の部分的な当接支持用の少なくとも1つの油圧作動可能な押圧および押し込み板(5、23)を、前記シーティング装置の内側に配置し、該押圧および押し込み板(5、23)は前記シーティング内部の作動シリンダ(4、24)によって前後に動かすことができることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
開口可能な分割仕切り壁(7)が、前記カッティングシュー(12)の内部に組み込まれることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項12】
開口可能な分割仕切り壁(15)が、前記押し込み/圧縮板(8、21)の内部に同様に組み込まれることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記作動シリンダの少なくともいくつかが、シーティング装置内のシーティングパネル壁内部もしくはシーティングパネル(11)内部に組み込まれるように配置されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項14】
前記シーティングパネル壁が、互いに関節接合方式で連結される複数のシーティングパネル(11)から構成されること、および、個々の該シーティングパネル(11)を、前記組み込み作動シリンダ(1、4、6、22、24、25)によって監視かつ制御しながら動かすことができること、を特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記シーティングパネル(11)および/または前記カッティングシュー(12)および/または前記シーティング基礎(16)に、水の排出手段を接続するための開口が設けられることを特徴とする請求項11および12に記載の装置。
【請求項16】
前記シーティングパネル(11)に、潤滑剤計量装置によって坑/土壌とシーティングパネル外壁との間に潤滑剤を導入するための注入開口が設けられ、該潤滑剤計量装置が、前進に必要な前記作動シリンダの決定された制御圧力に応じて、該潤滑剤を計量しながら該注入開口を通して供給することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項17】
それぞれ請求項1〜6の方法または請求項7〜16の装置における潤滑剤としての粘土粉末の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−517184(P2008−517184A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536003(P2007−536003)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011543
【国際公開番号】WO2006/042563
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(507121356)パイプトレイン インターナショナル リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】PIPETRAIN INTERNATIONAL LTD.
【出願人】(307038311)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011543
【国際公開番号】WO2006/042563
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(507121356)パイプトレイン インターナショナル リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】PIPETRAIN INTERNATIONAL LTD.
【出願人】(307038311)
【Fターム(参考)】
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