説明

管理装置、編集装置、記録媒体を含むオーディオデータ管理システム、管理装置、編集装置、記録媒体、方法

【課題】記録媒体に記録されたオーディオデータに対して編集がなされた場合でも、編集がなされたオーディオデータのチェックインを確実に実行する。
【解決手段】半導体メモリカード1に対するチェックアウトが要求されると、オーディオオブジェクト(AOB)を半導体メモリカード1に記録すると共に、Content-IDをこのAOBに割り当てる。編集再生装置2は、半導体メモリカード1に記録されたAOBに対して編集を行い、当該AOBに割り当てていたContent-IDと同一のContent-IDを、編集により得られた1つ以上のAOBに割り当てる。管理装置3は、半導体メモリカード1からのチェックインが要求されれば、半導体メモリカード1に記録されている1つ以上のAOBのうち、履歴に含むContent-IDと同一のContent-IDが割り当てられ全てのAOBを再生不能な状態に設定して、許可回数をインクリメントする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、著作権保護されたオーディオデータであるプロテクトコンテンツを管理する管理装置と、記録媒体と、編集装置とを含むオーディオデータ管理システムに関し、記録媒体に記録されたオーディオデータを編集装置が編集する場合の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SDMI(Secure Digital Music Initiative)の活動により、デジタル化された音楽著作物を取り扱うための様々な著作権保護技術が確立されつつある。SDMIにおいてデジタル音楽著作物は、SDMIプロテクトコンテンツと呼ばれる形式でインターネット上を伝送する。SDMIプロテクトコンテンツとは、第三者による詐取や不法再生を避けるべくプロテクトされた状態にあるオーディオデータであり、上述したオーディオデータ再生管理システムは、かかるSDMIプロテクトコンテンツについての再生管理を行う。SDMIプロテクトコンテンツの形式において、オーディオデータは、SDMIに準拠した機器のみにより再生される。SDMIに準拠していない機器は、SDMIプロテクトコンテンツをコピーすることはおろか再生することすらできない。かかるSDMIプロテクトコンテンツを再生可能な形式に変換する処理をチェックアウトといい、上述したオーディオデータ再生管理システムにおける管理装置がこのチェックアウト処理を行う。即ちこの管理装置は、ネットワーク等からSDMIプロテクトコンテンツを取得した際、チェックアウトを行って再生可能な形式のオーディオデータを得て、固有の識別情報を有する半導体メモリカード等の記録媒体に記録する。再生装置は、この記録媒体に記録されたオーディオデータを再生する。
チェックアウトは、1〜3回等、予め決められた回数(チェックアウト許可回数)だけ可能である。チェックアウト許可回数のチェックアウトが行われれば、管理装置は以降のチェックアウトを禁ずる。それと共に、記録媒体に記録されたオーディオデータについてのチェックインを待ち受ける状態となる。チェックインとは、再生可能な状態に変換されたオーディオデータを、再生不可能な状態に戻すことであり、チェックアウト不可能な状態に設定された後にチェックインを行えば、SDMIプロテクトコンテンツについてのチェックアウト許可回数がインクリメントされることとなる。その結果チェックアウトが可能となる。
チェックインを正当に実施するにあたって、管理装置はこれからチェックインしようとするオーディオデータが、かつてチェックアウトにより記録媒体に記録されたオーディオデータと同一であるかを判定せねばならない。ところが従来には、機器によるチェックアウト処理を管理できるような情報体系は存在せず、記録媒体に記録されたオーディオデータについてのチェックイン処理は、正確に行われない場合がある。このような背景から、既存の記録媒体において識別情報として用いられる情報を利用して、チェックアウト処理を管理することが昨今提案されつつある。既存の識別情報を用いた場合、同一性の判定をどのように行うかについて以下に説明する。チェックアウトにあたって、SDMIプロテクトコンテンツを再生可能なオーディオデータに変換する際、管理装置は、再生可能な状態にあるオーディオデータに、識別情報を割り当てる。この識別情報は、トラックIDと呼ばれるものであり、このトラックIDが割り当てられたオーディオデータは、記録媒体において、トラックという単位で管理されることとなる。そして管理装置がこの記録媒体について固有な識別情報(Media-IDとよぶ)を記録媒体から読み取り、かつてオーディオデータに割り当てたトラックIDと、Media-IDとを組みにして、チェックアウト履歴情報として保持しておく。
その後、記録媒体に記録されたトラックについてのチェックインが命じられれば、管理装置は、その記録媒体におけるMedia-IDと、そのSDMIプロテクトコンテンツにおけるトラックIDとを読み取り、これらの組みが、チェックアウト履歴情報として保持されている組みと一致するか否かを判定する。両者が一致していれば、かつて自機においてチェックアウトを行ったオーディオデータと同一のトラックについて、チェックインが行われたとして、当該トラックを再生不能な状態にしてこのSDMIプロテクトコンテンツについてのチェックアウト許可回数をインクリメントする。両者の組みが一致しなければ、このSDMIプロテクトコンテンツのチェックインは行わない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6052780号明細書
【特許文献2】米国特許第5768387号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したチェックイン処理では、SDMIプロテクトコンテンツと、トラックとの対応関係が一貫していれば、記録媒体にチェックアウトされたトラックをチェックインすることができる。しかしSDMIプロテクトコンテンツとトラックとの対応関係を変更するような編集操作が記録媒体に対して行われた場合には、上記のようなチェックアウト履歴情報との照合ではSDMIプロテクトコンテンツとトラックとの同一性を判定することができない。例えば、記録媒体に記録されているトラックの一部分を新たなトラックに分割しようとする場合、分割により得られた新たなトラックには、新たなトラックIDが付与される。その後、この記録媒体に記録されたトラックについてチェックインしようとすると、元のトラックについてのトラックIDと、Media-IDとの組みと、チェックアウト履歴情報との同一性が判定され、この元のトラックは再生不能な状態に設定される。分割により得られた新たなトラックと、Media-IDとの組みは、チェックアウト履歴情報との同一性が判定されないので、記録媒体に残ったままとなる。トラックの一部分を管理装置に再生不能な状態に設定させることにより、SDMIプロテクトコンテンツのチェックアウト許可回数を不法にインクリメントすることが可能になるので、SDMIプロテクトコンテンツの著作権が不当に害されてしまう。
これらのことから、記録媒体に記録されたトラックに対して編集が行われた場合は、かつてチェックアウトしたものとの同一性を正しく判定できないので、従来のオーディオデータ管理システムは、『記録媒体に対する編集を禁じてチェックインを認める』という仕様、或は『記録媒体に対するチェックインを禁じて編集を認める』という仕様のうち何れか一方の選択が迫られ、ユーザの使い勝手が犠牲にされてしまうことが少なからずあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の目的は、記録媒体に記録されたオーディオデータに対して編集がなされた場合であっても、編集がなされたオーディオデータのチェックインを確実に実行することができるオーディオデータ管理システムを提供することである。
本発明の第2の目的は、管理装置におけるチェックアウト処理というセッションを一意に特定できるような情報体系を有する記録媒体を提供することである。
上記第1の目的を達成するため、本発明に係るオーディオデータ管理システムは、記録媒体と、チェックアウト許可回数を格納しており、第1オーディオオブジェクトと、第1識別情報とを記録媒体に記録して、チェックアウト許可回数をデクリメントするチェックアウト処理と、記録媒体における第1オーディオオブジェクトを再生不能な状態にして、チェックアウト許可回数をインクリメントするチェックイン処理とを行う管理装置と、第2オーディオオブジェクトを得るよう、第1オーディオオブジェクトを編集する装置であり、第1オーディオオブジェクトと共に記録媒体に記録されていた第1識別情報と同一性を有する第2識別情報を、第2オーディオオブジェクトと対応づけて記録媒体に記録する編集装置とを備え、前記管理装置が、前記同一性を有する第2識別情報と対応づけて記録媒体に記録されている第2オーディオオブジェクトに対して、チェックイン処理を実行するオーディオデータ再生管理システムにより達成される。
これにより編集により得られた第2オーディオオブジェクトが未だ記録媒体上に存在しているのに、チェックアウト許可回数がインクリメントされるという現象を防止することができる。
ここで前記編集操作は、第2オーディオオブジェクトを得るよう、第1オーディオオブジェクトを分割する操作であり、前記編集装置は、分割編集により得られた第2オーディオオブジェクトを、第2識別情報と対応づけて記録媒体に記録しても良い。分割により新たに得られた第2オーディオオブジェクトには、第1オーディオオブジェクトと同一性を有する識別情報が割り当てられるので、チェックイン時には、第2オーディオオブジェクトを再生不能な状態に設定することができる。よって分割により得られた第2オーディオオブジェクトが記録媒体に残っているのに、チェックアウト許可回数がインクリメントされるというな不都合を防止することができる。
ここで前記管理装置は更に、記録媒体に第1オーディオオブジェクトが記録されれば、その第1オーディオオブジェクトについてユニークな第1オブジェクトIDを第1オーディオオブジェクトに対応づけて、記録媒体に記録する第1オブジェクトID記録手段を備え、 前記編集装置は更に、記録媒体に記録されている第1オーディオオブジェクトに対して分割編集を行った際、第1オーディオオブジェクトと対応づけて記録されていた第1オブジェクトIDとは異なる第2オブジェクトIDを第2オーディオオブジェクトに対応づけて記録媒体に記録する第2オブジェクトID記録手段を備え、 前記管理装置は、前記第2オブジェクトIDと、前記第2識別情報とが対応づけられている第2オーディオオブジェクトに対して、チェックイン処理を実行しても良い。本オーディオデータ管理システムによれば、オーディオオブジェクトについて固有なオブジェクトIDをコンテンツIDとは別に記録媒体に記録するので、第1オーディオオブジェクトと、分割により新たに得られた第2オーディオオブジェクトとを区別して扱うことができる。よってオーディオオブジェクトを一単位とした再生処理、編集処理を実現することができる。
ここで前記管理装置は、チェックアウト処理時において第1オーディオオブジェクトと共に記録媒体に記録された第1識別情報と、第1オーディオオブジェクトが記録された記録媒体にユニークなメディア情報との組みをチェックアウトの履歴情報として保持しており、履歴情報に含まれるメディア情報と同一のメディア情報が付与された記録媒体に記録されている第2オーディオオブジェクトであって、履歴情報に含まれる第1識別情報と同一性を有する第2識別情報と対応づけて記録されているものに対してチェックイン処理を行ってもよい。本オーディオデータ管理システムによれば、管理装置、編集装置と共に利用される記録媒体が、オーディオデータ管理システムに2以上存在する場合であっても、それら2つ以上の記録媒体に記録されたオーディオオブジェクトを混同することなく、チェックインすることができる。
上記第2の目的は、オーディオオブジェクトを記録媒体に記録するチェックアウト処理を機器が複数行うシステムにおいて、1回のチェックアウト処理により、少なくとも1つのオーディオオブジェクトが記録された記録媒体であって、 前記第1のオーディオオブジェクトと、コンテンツIDとを含む第1のオーディオトラックとが記録されており、前記コンテンツIDは、チェックアウト処理時にオーディオオブジェクトと共に記録された識別情報であり、メディアIDは、記録媒体固有の情報であり、前記メディアIDとコンテンツIDとの組みが、記録媒体と、これに記録されたオーディオオブジェクトとの組みに対応するチェックアウト処理を一意に特定するものにより達成される。本記録媒体では、メディアIDと、記録媒体に記録されたオーディオオブジェクトに対応するコンテンツIDとの組みを用いて管理装置におけるチェックアウト処理を一意に特定するので、かつてのチェックアウト処理により記録媒体に記録されたオーディオトラックに対して正確にチェックイン処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本実施形態に係るオーディオデータ管理システムの構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る編集再生装置2、コンテンツ管理装置3のレイヤモデルを示す図である。
【図3】(a)半導体メモリカード1の格納内容を示す図である。(b) 編集再生装置2の機能的な構成を示す図である。
【図4】コンテンツ管理装置3の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】(a)〜(d)オーディオデータ管理システムの第1動作例を模式的に示す図である。
【図6】(a)〜(c)オーディオデータ管理システムの第1動作例を模式的に示す図である。
【図7】(a)〜(c)オーディオデータ管理システムの第2動作例を模式的に示す図である。
【図8】(a)〜(c)オーディオデータ管理システムの第2動作例を模式的に示す図である。
【図9】SDメモリカード100における物理層の構成を示す図である。
【図10】SDメモリカード100におけるユーザ領域と、プロテクト領域のディレクトリ構成、ファイル構成を示す図である。
【図11】TKIと、AOBファイルと、Title Key Entryとの相互関係を示す図である。
【図12】AOBファイルに収録されている各AOBが連続して再生されることにより、どのような再生内容が再生されるかを示す図である。
【図13】(a)Title Key Entryの内部構成を示す図である。(b)TKIの内部構成を示す図である。
【図14】2つのトラックを1つに統合する場合にTKIがどのように設定されるかを示す図である。
【図15】1つのトラックを2つのトラックに分割する場合を想定した図である。
【図16】第2実施形態に係る編集再生装置2の内部構成を示す図である。
【図17】第2実施形態に係るコンテンツ管理装置3の内部構成を示す図である。
【図18】セキュアR/W部14、セキュアR/W部26の内部構成を示す図である。
【図19】セキュアライト部31の内部構成を示す図である。
【図20】セキュアリード部32の内部構成を示す図である。
【図21】(a)ローカルストレージ20のディレクトリ構成、ファイル構成を示す図である。(b)配信用パッケージ管理テーブルの一例を示す図である。(c)チェックアウト許可回数の一例を示す図である。(d)履歴情報テーブルの一例を示す図である。
【図22】第2実施形態に係るチェックアウト処理の処理内容を示す図である。
【図23】第2実施形態に係るチェックイン処理の処理内容を示す図である。
【図24】第2実施形態に係るオブジェクト分割部12の処理手順を示すフローチャートである。
【図25】第2実施形態に係るコンテンツ管理装置3が、SDMIプロテクトコンテンツを取得する際の動作を模式的に示す図である。
【図26】第2実施形態に係るコンテンツ管理装置3がチェックアウト処理を行った状態の動作を模式的に示す図である。
【図27】チェックアウトによりオーディオトラックが記録されたSDメモリカード100、SDメモリカード200に対して、第2実施形態に係る編集再生装置2が編集を行う場合の動作を模式的に示す図である。
【図28】第2実施形態に係るコンテンツ管理装置3がチェックイン処理を行った状態の動作を模式的に示す図である。
【図29】図25〜図28におけるコンテンツ管理装置3の動作を一図にまとめた模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
以下、オーディオデータ管理システムに係る実施形態について説明する。
本実施形態に係るオーディオデータ管理システムは、SDMIプロテクトコンテンツ(以下単にコンテンツという)をユーザがローカルに利用する環境、いわゆる"ローカルSDMI環境"を構成するものである。コンテンツは国際的にユニークなISRC(International Standard Recording Code)が付与され、暗号化されて取り扱われる。SDMIの詳細については、1999年6月30日に公開された『SDMI Portable Device Specification』を参照されたい。尚、以降の各文には、その文頭に以下のような体系を有する分類番号を付している。
【0008】
{x1-x2} 分類番号の桁数は、その項目の階層的な深さを意味している。x1は、説明に引用している図番である。x2は、x1に示される構成図において、説明の対象となる構成要素についての参照符号を示す。
【0009】
{1-1,2,3}
本実施形態に係るオーディオデータ管理システムの構成を図1に示す。本オーディオデータ管理システムは、再生可能な形式のオーディオデータを記録している半導体メモリカード1と、オーディオデータを編集し、再生する編集再生装置2と、ネットワークを介して配信サーバ4からコンテンツと、権利管理情報との組みである配信用パッケージp1をダウンロードし、権利管理情報に従ってコンテンツのチェックアウト・チェックインを行うコンテンツ管理装置3とを含む。本図における編集再生装置2、コンテンツ管理装置3のレイヤモデルを図2に示す。本図において編集再生装置2は、ハードウェア、アプリケーションプログラムからなり、コンテンツ管理装置3は、ハードウェア、Licensed Compliantモジュール、アプリケーションプログラムからなる。コンテンツ管理装置3がLicensed Compliantモジュールを実装しているのに対し、編集再生装置2はLicensed Compliantモジュールを実装していない。このことは、編集再生装置2とコンテンツ管理装置3との決定的な差違なので注意されたい。Licensed Compliantモジュールは、コンテンツをコンテンツ管理装置3内にダウンロードしてローカルSDMI環境におけるコンテンツの原本として管理する能力や、ローカルユーズのためにこのコンテンツをローカルSDMI環境における他の場所に供給する能力(いわゆるチェックアウト)、ローカルユーズのためにローカルSDMI環境における他の場所に供給されたコンテンツを、コンテンツ管理装置3内における元の場所に格納し直す能力(いわゆるチェックイン)を行うソフトウェアモジュールである。
【0010】
配信用パッケージにおけるSDMIプロテクトコンテンツは、ローカルSDMI環境において再生不可能な状態にある暗号化オーディオデータである。このオーディオデータの暗号化を解除するための暗号鍵は、権利管理情報内に格納される。権利管理情報は、公開鍵暗号化方式により暗号化され、権利管理情報の暗号化は、Licensed Compliantモジュールのみが解除することができ、ローカルSDMI環境においてLicensed Compliantモジュールを具備していない機器(編集再生装置2)は、この権利管理情報から暗号鍵を取り出すことができない。故にローカルSDMI環境においてSDMIプロテクトコンテンツは、再生不可能なオーディオデータとして扱われることとなる(尚、LCMによる権利管理情報の暗号化は、所定の料金を著作権者に支払うことを前提にして解除される。)。
【0011】
{2-1}半導体メモリカード1
半導体メモリカード1は、ローカルSDMI環境において再生可能な状態にある暗号化オーディオデータを記録して持ち運ぶための可搬型の記録媒体(ポータブルメディア)である。半導体メモリカード1において再生可能な形式のオーディオデータは、オーディオオブジェクト(以下、単にAOBという)という単位で扱われる。AOBとは、MP3(MPEG1 Audio Layer3)、Dolby AC-3(Digital audio Compression)、AAC(Advanced Audio Coding)などの音声圧縮Codecによりエンコードされたオーディオデータを固有の暗号鍵にて暗号化することにより得た暗号化オーディオデータである。図3(a)は、半導体メモリカード1の格納内容を示す図である。本図に示すように半導体メモリカード1は、『Media-ID』と呼ばれる固有の識別情報が付与されており、『オーディオオブジェクト』を、これに対応する7バイト長の『暗号鍵』と、これに対応する『再生制御情報』と対応づけて記録している。Media-IDは、8バイト長の識別情報であり、半導体メモリカード1の製造を許されたメーカに固有に付与される1バイト長の製造会社IDと、記録メディアに付与される7バイト長の固有の番号とから構成される。
【0012】
AOBの暗号化を解除するための暗号鍵は、半導体メモリカード1においてLicensed Compliantモジュールを具備していない機器でもアクセスできる領域に記録される。暗号鍵は、かかる機器がアクセスすることができる状態で半導体メモリカード1に記録されるので、ローカルSDMI環境においてオーディオオブジェクトは「再生可能な状態にあるオーディオデータ」として取り扱われることになる。AOBが再生可能であることは、半導体メモリカード1に暗号鍵が記録されていることを根拠としているので、半導体メモリカード1における暗号鍵を、別のデータを用いて上書きすれば、半導体メモリカード1におけるAOBは、再生不能な状態に設定されることとなる。
【0013】
これらAOB、暗号鍵、再生制御情報からなる集合はオーディオトラック(以下単にTrackという)と呼ばれる。編集再生装置2による再生や編集は、Trackを一単位として扱う。Trackには、複数のAOBと、これらに対応する暗号鍵、再生制御情報により構成されるものもある。一方、再生制御情報は、対応するAOBが一個の独立したTrackを構成するか、Trackの前半部分を構成するか、中間部分を構成するか、後半部分を構成するかを示す『属性情報』を含んでいる。AOBには固有の『AOB-ID』が割り当てられる。AOB-IDは、001〜999の番号により表現される。半導体メモリカード1におけるAOBは、このAOB-IDを用いて一意に特定される。このAOB-IDとは別にAOBには、『Content-ID』が付与される。AOBが、コンテンツに対応するオーディオデータであることは上述した通りである。Content-IDは、何れかのコンテンツに対するチェックアウト処理により変換されたAOBを、別のコンテンツに対するチェックアウト処理により変換されたAOBと区別すると共に、同じコンテンツに対する別のチェックアウト処理により変換されたAOBとも区別する識別情報であり、AOB-IDと同じく001〜999の番号により表現される。Media-IDとContent-IDとの組みは、コンテンツ管理装置3によるチェックアウト処理を特定するという役割を有する。更にTrackが半導体メモリカード1に記録される際、各TrackはTrack.IDと呼ばれる固有の識別情報で区別される。本実施形態においてTrack.IDは、"A","B","C","D"・・・というアルファベットで表記するものとし、"A","B","C","D"・・・というTrack.IDで特定されるTrackを"Track.A","Track.B","Track.C","Track.D"・・・と称する。
【0014】
{3-2}編集再生装置2
編集再生装置2は、コンテンツ管理装置3におけるLicensed Compliantモジュールから半導体メモリカード1を介してTrackを受け取って、Trackを再生し、編集する携帯型装置であり、再生機能を持った編集装置である。図3(b)は、編集再生装置2の機能的な構成を示す図であり、本図に示すように編集再生装置2は、ユーザインターフェイス部10、オブジェクト再生部11、オブジェクト分割部12、オブジェクト統合部13から構成される。
【0015】
{3-10}ユーザインターフェイス部10
ユーザインターフェイス部10は、半導体メモリカード1に記録されているTrackの一覧表示を行うディスプレィ、ジョグダイアルや各種キーを備え、操作者に様々な情報を提示し、また操作者から様々な操作を受け付ける。
【0016】
{3-11}オブジェクト再生部11
オブジェクト再生部11は、AOBの再生を要求する旨の操作がユーザインターフェイス部10に対してなされると、AOBと、これに対応する暗号鍵とを取り出して、暗号鍵を用いてAOBを復号しながら、AOBを再生する。一方、特殊再生を要求する旨の操作がユーザインターフェイス部10に対してなされると、再生制御情報を参照しながら、AOBの早送り再生、巻き戻り再生を行うことにより、特殊再生を実現する。
【0017】
{3-12}オブジェクト分割部12
オブジェクト分割部12は、Trackに対して分割編集を行うものである。操作者により分割操作が指示され、ジョグダイアルの操作がなされると、オブジェクト分割部12は編集点を設定する。編集点は、AOB先頭を基準とした相対時刻にて表現される。編集点が設定されれば、編集再生装置2は編集点を境界としてAOBを2つに分割する。かかる分割にあたって、AOBの先頭から編集点前までの前半部分は、元のAOBに割り当てられていたものと同じContent-ID及びAOB-IDを割り当てる。一方、編集点からAOB末尾までの後半部分には、元のAOBに割り当てられていたものと同じContent-IDと、新たなAOB-IDとを割り当てる。後半部分に対応するAOBに新たなAOB-IDを割り当てれば、これに対応する再生制御情報、暗号鍵を生成して半導体メモリカード1に記録する。新たなAOB-IDが割り当てられたAOB、これに対応する再生制御情報、暗号鍵は、半導体メモリカード1において1つのTrackとして管理される。以上により、Trackの分割は、完了したことになる。
【0018】
(12.i)ここで留意すべきは、分割により得られたTrackには、新たなAOB-IDが割り当てられているものの、分割元のAOBと同じContent-IDが割り当てられている点である。前半部分、後半部分のそれぞれに対応するAOBには、別々のAOB-IDが割り当てられているものの、これらに割り当てられているContent-IDは共通のものなので、これらのAOBについてのチェックインが要求された場合、これらのAOBが1つのAOBを分割して得られたものであることをコンテンツ管理装置3は即座に察することができる。
【0019】
{3-13}オブジェクト統合部13
オブジェクト統合部13は、ユーザインターフェイス部10が受け付けた操作者に従って、Trackの統合操作を行う。半導体メモリカード1に2つのAOBが記録されており、これらを1つに統合する操作をユーザインターフェイス部10が受け付ければ、オブジェクト統合部13は、一方のAOBはTrackの前半部分である旨、他方のAOBはTrackの後半部分である旨を示すよう、これらのTrackに含まれる再生制御情報の属性情報を更新する。これにより、独立した2つのTrackは、1つのTrackに統合されることになる。
【0020】
{4-3}コンテンツ管理装置3
コンテンツ管理装置3は、SDMIに準拠したハードウェア、SDMIに準拠したアプリケーションプログラム、これらのインターフェイスとなるLicensed Compliantモジュールを備えるパーソナルコンピュータである。Licensed Compliantモジュールが実装されたコンテンツ管理装置3を機能的な面から表現すると、図4のようなブロック図を用いてコンテンツ管理装置3は構成される。図4に示すように、コンテンツ管理装置3は、ローカルストレージ20、ユーザインターフェイス部21、チェックアウト実行部22、AOB-ID割当部23、Content-ID割当部24、チェックイン実行部25からなる。
【0021】
{4-20}ローカルストレージ20
ローカルストレージ20は、配信用フォーマットを複数格納した内蔵ディスク装置である。配信用フォーマットとは、SDMIプロテクトコンテンツをインターネットなどのネットワーク上で取り扱うときのフォーマットであり、権利管理情報には、コンテンツを暗号化する際に用いた暗号鍵、コンテンツに対応するチェックアウト許可回数等、ユーザによる改竄を防止すべき各種データが格納されている。
【0022】
{4-21}ユーザインターフェイス部21
ユーザインターフェイス部21は、ローカルストレージ20に記録されているコンテンツの一覧表示を行うディスプレィ、キーボードやマウス等のポインティングデバイスを備え、操作者に様々な情報を提示し、また操作者から様々な操作を受け付ける。
【0023】
{4-22}チェックアウト実行部22
チェックアウト実行部22は、ローカルストレージ20に格納されているコンテンツをAOBに変換して半導体メモリカード1に記録する。具体的にいうとチェックアウト実行部22は、半導体メモリカード1がコンテンツ管理装置3に接続され、何れのコンテンツをチェックアウトするかの選択が操作者によりなされれば、チェックアウトすべきコンテンツの再生時間が、所定の時間長を上回るか否かを判定するという判定処理を行う。
【0024】
(22.i)かかる判定処理は、AOBに対応する再生制御情報のサイズを抑制させたいという要望に基づき行われる。以下その理由を説明する。再生制御情報は、対応するAOBを2秒置きに頭出ししてゆく際の複数のエントリー位置を示すタイムマップテーブルを含んでいる。再生時間が短いAOB程、エントリーの数は少なく、再生時間が長いAOB程、エントリーの数は多くなり、タイムマップテーブルのサイズは大きくなる。一方、編集再生装置2は、かかるタイムマップテーブルをメモリに常駐させながら、早送り再生、巻戻し再生を行うので、メモリへの常駐を考えると、タイムマップテーブルのサイズはある程度抑制しておくのが望ましい。
【0025】
(22.ii)これらのことからチェックアウト実行部22は、コンテンツのチェックアウトにあたっては、半導体メモリカード1に記録すべきAOBの再生時間が所定の時間長を上回るか否かを判定し、チェックアウトしようとするコンテンツの再生時間が所定の時間長以下ならば、そのコンテンツに対応するオーディオデータを1つのAOBとして半導体メモリカード1に記録する。チェックアウトしようとするコンテンツの再生時間が所定の時間長を上回るならば、そのコンテンツに対応するオーディオデータを複数のAOBに分割して半導体メモリカード1に記録する。たとえ元のコンテンツの再生時間が所定の時間長を上回っていても、分割により得られたAOBの時間長は所定の時間を下回ることになり、それらAOBに対応するタイムマップテーブルのサイズを抑制することができる。AOBを記録すると、このコンテンツに対応する暗号鍵や再生制御情報も、AOBに対応づけて半導体メモリカード1に記録する。1つのコンテンツが複数のAOBに分割された場合でも、複数のAOBと、それぞれに対応する再生制御情報、暗号鍵は半導体メモリカード1において1つのTrackを構成することとなる。1つのコンテンツが1つのAOBとして記録された場合は勿論のこと、1つのコンテンツが複数のAOBとして記録された場合でも、コンテンツ管理装置3に格納されている1つのコンテンツは、半導体メモリカード1におけるTrackと、1対1に対応することとなる。
【0026】
{4-23}AOB-ID割当部23
AOB-ID割当部23は、コンテンツを1つ又は複数のAOBに分割して記録する際、これから記録されるべきAOBに半導体メモリカード1においてユニークなAOB-IDを割り当てる。その手順の詳細は以下の通りである。先ず初めに、AOB-ID割当部23は、AOB-IDがとるべき001〜999の番号のうち、どの番号が半導体メモリカード1において既に割り当てられているかを調べる。例えば半導体メモリカード1に7つのAOBが記録されていて、これら7つのAOBに001〜007のAOB-IDが割り当てられてる等の半導体メモリカード1における割当状況が、この調査により明らかとなる。そして、未割当の番号008〜999から1つの番号を選んで、これから半導体メモリカード1に記録すべきAOBにAOB-IDとして割り当てる。記録すべきコンテンツが3つのAOBに対応するなら、008〜999から008、009、010というように3つの番号を選んで3つのAOBに割り当てる。001,002,004,006〜010の番号がAOBに既に割り当てられている場合は、003,005,011〜999の未割当番号のうち、003,005,011というように、飛び飛びの番号を3つ選んで3つのAOBに割り当ててもよい。
【0027】
{4-24}Content-ID割当部24
Content-ID割当部24は、コンテンツを1つ又は複数のAOBに分割して記録する際、これから記録されるべきAOBにContent-IDを割り当てる処理を行う。先ず最初にContent-ID割当部24は、AOB-IDの場合と同様、Content-IDがとるべき001〜999の番号のうち、どの番号が半導体メモリカード1において既に割り当てられているかを調べる。例えば001〜005が割り当て済みであり、006〜999が未割当である場合等、チェックアウトしようとする半導体メモリカード1におけるContent-IDの割り当て状況が明らかになる。
【0028】
(24.i)Content-IDの割当状況を知得すれば、Content-ID割当部24は未だAOBに割り当てられていない番号のうち、何れか1つを選んで、これから記録されるべきAOBに割り当てる。006〜999の番号が未割当ならば、これから006の番号をContent-IDとして選んでコンテンツに割り当ててもよい。また002,004,006というように飛び飛びの番号がAOBに割り当て済みであり、003,005,007〜999のように飛び飛びの番号が未割当ならば、003の番号をContent-IDとして選んで割り当ててもよい。しかしこれから記録されるべきAOBが複数であっても、Content-IDとしてこれらのAOBに割り当てるべき番号は1つでよい。このことはContent-IDとAOB-IDとの決定的な差違なので留意すべきである。つまり、1つのコンテンツが複数のAOBに対応する場合であっても、この複数のAOBに、共通のContent-IDを割り当てれば良い。Content-IDを付与した後、コンテンツ管理装置3は半導体メモリカード1からMedia-IDを読み出し、未割当番号からえらんだContent-IDと、Media-IDとの組みを履歴情報としてローカルストレージ20内に格納する。Content-IDをMedia-IDと組みにして保持しておくことで、自身が保持しているコンテンツがどの半導体メモリカード1に記録されているか、また、この半導体メモリカード1において、どのようなContent-IDが付与されているかを知得することができる。
【0029】
(24.ii)以上のContent-IDの割り当てから以下のことが言える。同じコンテンツを同じ半導体メモリカード1に2回チェックアウトする場合を考える。例えば001〜005が割り当て済みであり、あるコンテンツについてのチェックアウトが命じられたとする。この場合、未割当の番号である006を選んで、コンテンツに対応するAOBに割り当てる。その後同じコンテンツについてのチェックアウトが命じられれば、007〜999の空き番号の中から007を選んでこのコンテンツに対応するAOBに割り当てる。1つのコンテンツに対してチェックアウトが2回行われ、1つのコンテンツに対応する2つのAOBが半導体メモリカード1に記録された場合、これら2つのAOBには、それぞれ006、007のContent-IDが付与され、半導体メモリカード1において区別されることになる。
【0030】
{4-25}チェックイン実行部25
チェックイン実行部25は、半導体メモリカード1が接続され、この半導体メモリカード1からのチェックインが命じられると、チェックイン実行部25はこのMedia-IDを読み出すと共に、この半導体メモリカード1に記録されているAOBに割り当てられたContent-IDを読み出す。そして半導体メモリカード1から読み出されたContent-IDと、Media-IDの組みと同一の履歴情報がローカルストレージ20内に格納されているかの検索を行う。同一の組みが存在するなら、その組みに含まれるContent-IDと、同一のContent-IDが割り当てられた全てのAOBを再生不能な状態に設定する。同一のContent-IDが割り当てられたAOBが半導体メモリカード1に複数存在する場合、これら複数のAOBは一律に再生不能な状態に設定されることになる。何故なら、これらのAOBは、半導体メモリカード1において複数に分割されてはいたが、本来は1つのコンテンツに対応するものであり、チェックイン時には、これらのAOBは一括して再生不能な状態に設定すべきだからである。履歴情報に含まれるContent-IDが割り当てられた全てのAOBを半導体メモリカード1から一括して再生不能な状態に設定すれば、チェックイン実行部25はこの履歴情報に対応するコンテンツのチェックアウト許可回数をインクリメントした後、履歴情報を削除する。これによりチェックアウト前の状態に戻り、再度のチェックアウトが可能となる。同一のContent-IDが割り当てられたAOBが編集され、分割されていたり、また他のAOBと統合している場合には、それらを元のAOBに戻した後、再生不能な状態に設定する。
【0031】
コンテンツ管理装置3の内部構成について、一通り説明したところで、コンテンツに付与されるContent-ID、AOB-ID、ISRCを相互に比較する。
半導体メモリカード1における空き番号から割り当てるべき番号が選ばれる点はAOB-IDと、Content-IDとにおいて共通しているといえる。
【0032】
コンテンツを複数のAOBに分割して半導体メモリカード1に記録する場合において、各AOBに割り当てられるAOB-IDはそれぞれ異なるものとなるが、各AOBに割り当てられるContent-IDは共通である。半導体メモリカード1に記録されている1つのAOBを複数のAOBに分割する場合において、分割により得られた各AOBには、それぞれ相異なるAOB-IDが割り当てられる。分割により得られた各AOBには、それぞれ共通のContent-IDが割り当てられる。
【0033】
AOBの分割を経た場合、AOB-IDは、同一性が維持されないのに対して、Content-IDは同一性が維持されるので、同一性の有無においてAOB-IDとContent-IDとは相違する。
一方、Content-IDをISRCと比較すると、AOBの分割時に同一性が維持されているという点は、ISRCも同様である。何故なら、ISRCは、国際的にコンテンツを識別するための識別情報であり、統合、分割がどう行われようと、変動することはないからである。逆にいえば、コンテンツ管理装置3が複数回チェックアウトを行った場合、ISRCは、1回目のチェックアウトにより記録されたAOBについても、2回目のチェックアウトにより記録されたAOBについても同一値となり、単にISRCを参照することのみでは両者を区別できない。一方、1つのコンテンツに対してチェックアウトが2回行われ、1つのコンテンツに対応する2つのAOBが半導体メモリカード1に記録された場合、これら2つのAOBには、それぞれ相異なるContent-IDが付与されることは先に述べた通りである。よってチェックイン実行部25は、半導体メモリカード1からのチェックインが求められた際、一回目のチェックアウトにより半導体メモリカード1に記録されたAOBを再生不能な状態に設定し、二回目のチェックアウトにより半導体メモリカード1に記録されたAOBを半導体メモリカード1に残しておくという制御を実現することができる。
【0034】
以上のことから、Content-IDは、チェックアウトにより半導体メモリカード1に記録されたAOBを一意を特定することができる点という、AOB-ID、ISRCに無い特徴を有していることがわかる。
【0035】
以上のように構成されたオーディオデータ管理システムの第1動作例について図5(a)〜図5(d)、図6(a)〜図6(c)を参照しながら説明する。図5(a)〜図5(d)、図6(a)〜図6(c)は、オーディオデータ管理システムの第1動作例を模式的に示す図である。図5(a)は、初期状態であり、コンテンツと、これのチェックアウト許可回数である001回とを格納している。一方、半導体メモリカード1には、AA1のMedia-IDが付与されている。特に断らないかぎり、1つのコンテンツは1つのAOBに対応するものとする。この状態でコンテンツ管理装置3に格納されたコンテンツのチェックアウトを操作者が命じれば、コンテンツ管理装置3は、図5(b)の(1)に示すように、これから記録すべきAOBにAOB-ID割当部23が001のAOB-IDを割り当てて、Content-ID割当部24が001のContent-IDを割り当てる。このように001のAOB-IDが割り当てられたので、半導体メモリカード1においてこれから記録されるべきAOBは、AOB001として識別される。続いて(2)に示すようにコンテンツをAOBとして半導体メモリカード1に記録する。それと共にAOBに対応する暗号鍵と、AOBに対応する再生制御情報とを半導体メモリカード1に記録する。これにより半導体メモリカード1には『Track.A』が記録されたことになる。
【0036】
続いて(3)に示すようにContent-ID割当部24は、半導体メモリカード1からAA1のMedia-IDを読み取り、AOBに割り当てられた001のContent-IDと対応づけて、履歴情報としてローカルストレージ20内に格納する。最後に(4)に示すように権利管理情報におけるチェックアウト許可回数をデクリメントして、チェックアウト許可回数を000回にしてチェックアウト処理を終える。その後図5(c)の(1)に示すように、半導体メモリカード1はコンテンツ管理装置3からイジェクトされ、編集再生装置2に接続されたとする。
【0037】
図5(d)は、半導体メモリカード1に記録されたAOBが編集再生装置2により分割される様子を示す図である。図5(d)に示すようにオブジェクト分割部12が編集点をAOBに対して設定して、これを2つに分割する。AOBが分割され、新たなAOBが得られれば、
図6(a)の(1)に示すようにこのAOBに未割当のAOB-IDである002を割り当て、図6(a)の(2)に示すように元のAOBと同じContent-IDである001を割り当てる。その後、AOB002についての暗号鍵と、再生制御情報とを生成すれば、半導体メモリカード1に新たな『Track.B』が得られる。
【0038】
図6(b)は、半導体メモリカード1のチェックインが行われる様子を示す図である。(1)に示すように編集により2つのAOBが記録された半導体メモリカード1が再度接続され、チェックインが命じられたものとする。コンテンツ管理装置3のローカルストレージ20には、Media-ID=AA1と、Content-ID=001との組みからなる履歴情報が格納されているので、チェックイン実行部25は(2)(3)(4)に示すように、接続された半導体メモリカード1に付与されたMedia-IDと、AOBにおいて各AOBに割り当てられたContent-IDとを照合して、履歴情報におけるContent-ID=001と同一のContent-IDが割り当てられたAOBが存在するかを判定する。接続された半導体メモリカード1には、Content-ID=001が割り当てられたAOBが2つ存在するので、図6(c)の(1)に示すようにチェックイン実行部25はこれらのAOBを再生不能な状態に設定して、(2)に示すようにMedia-ID=AA1とContent-ID=001との組みを含む履歴情報を削除し、(3)に示すようにチェックアウト許可回数をインクリメントし、チェックアウト許可回数を"001"回とする。以上が第1動作例である。
【0039】
第1動作例と比較して、一歩進んだオーディオデータ管理システムの第2動作例を図7(a)〜図7(c)、図8(a)〜図8(c)を参照しながら説明する。図7(a)〜図7(c)は、オーディオデータ管理システムの動作を簡易に示す図である。図7(a)において、コンテンツと、これのチェックアウト許可回数である"001"回とがコンテンツ管理装置3に格納され、半導体メモリカード1には、AA1のMedia-IDが付与されている点は、図5(a)と同様である。異なるのは半導体メモリカード1には既に、AOBが記録されており、このAOBには001のAOB-IDと、001のContent-IDとが割り当てられている点である。このAOB001は、コンテンツ管理装置3がチェックアウトしたものではない。これは第2動作例特有の前提なので、AOB001はコンテンツ管理装置3によりチェックインされるべきでないことに留意されたい。尚、1つのAOBが1つのコンテンツに対応するという前提は、第1動作例と同様である 図7(a)の(1)に示すように編集再生装置2がコンテンツ管理装置3に接続され、コンテンツのチェックアウトを操作者が命じると、コンテンツ管理装置3は図7(b)の(1)に示すようにAOB-ID割当部23は002のAOB-IDをこれから記録されるべきAOBに割り当て、Content-ID割当部24は002のContent-IDをこれから記録されるべきAOBに割り当てる。その後、(2)に示すようにコンテンツをAOBに変換して半導体メモリカード1に記録する。それと共にAOBに対応する暗号鍵と、AOBに対応する再生制御情報とを半導体メモリカード1に記録する。
【0040】
これにより半導体メモリカード1には『Track.B』が記録されたことになる。続いて(3)に示すようにContent-ID割当部24は、半導体メモリカード1からAA1のMedia-IDを読み取り、AOBに割り当てられた002のContent-IDと対応づけて、履歴情報としてローカルストレージ20に格納する。最後に(4)に示すように権利管理情報におけるチェックアウト許可回数をデクリメントして、チェックアウト許可回数を000回にしてチェックアウト処理を終える。
【0041】
その後、図7(c)の(1)に示すように、半導体メモリカード1はコンテンツ管理装置3からイジェクトされ、編集再生装置2に接続されたとする。その際編集再生装置2におけるオブジェクト分割部12は、AOB002に対して編集点を設定して、このAOB002を2つに分割する。AOBが分割され、新たなAOBが得られれば、このAOBに未割当のAOB-IDである003と、元のAOBと同じContent-IDである002とを(2)に示すように割り当てる。
【0042】
それから、AOB003についての暗号鍵と、再生制御情報とを生成すれば、半導体メモリカード1に新たな『Track.C』が得られる。編集再生装置2におけるオブジェクト統合部13は、図8(a)における(1)に示すようにAOB002を含む『Track.B』を、AOB001を含む『Track.A』に統合する。この際、図8(a)の(2)(3)に示すようにTrackの再生制御情報に含まれる属性情報を更新する。これにより、これらの属性情報は、『Track.Aの先頭部分"Head of Track.A"』、『Track.Aの後半部分"End of Track.A"』を示すようになる。以上の処理を経て、コンテンツ管理装置3により記録されたAOB002と、コンテンツ管理装置3以外の機器により記録されたAOB001とからなる『Track.A』が、半導体メモリカード1に得られたことになる。
【0043】
図8(b)は、半導体メモリカード1のチェックインが行われる様子を示す図である。編集により2つのAOBが記録された半導体メモリカード1が再度コンテンツ管理装置3に接続され、チェックインが命じられたものとする。
【0044】
コンテンツ管理装置3のローカルストレージ20には、Media-ID=AA1と、Content-ID=002との組みからなる履歴情報が格納されているので、チェックイン実行部25は図8(b)(2)に示すように、接続された半導体メモリカード1に付与されたMedia-IDを参照して、履歴情報におけるContent-ID=002と同一のContent-IDが割り当てられたAOBが存在するかを判定する。AOB-ID=003が割り当てられたAOB003は、Content-ID=002が割り当てられているので、このAOB003は、かつてチェックアウトしたものと同一であるとコンテンツ管理装置3は判定する。
【0045】
AOB-ID=002が割り当てられたAOB002は、AOB-ID=001が割り当てられたAOB001と統合されているものの、Content-ID=002が割り当てられているので、このAOB002も、かつてチェックアウトしたものと同一であるとコンテンツ管理装置3は判定する。これら2つのAOBは、かつてチェックアウトにより記録したAOBと同一のものなので、チェックイン実行部25は、図8(c)の(2)に示すようにAOB002を再生不能な状態に設定して、図8(c)の(3)に示すようにMedia-ID=AA1とContent-ID=002との組みを含む履歴情報を削除し、図8(c)の(4)に示すようにコンテンツに対してのチェックアウト許可回数をインクリメントして、"001"回にする。この第2動作例において、Track.BをTrack.Aに統合するという編集操作を行った際、Track.BのTrack.IDは、"B"から"A"に変動したが、Content-IDは変動しなかったことに留意されたい。
【0046】
以上のように本実施形態によれば、チェックアウトにより記録されたAOBが分割され、分割により得られたAOBを他のAOBと統合するような編集を編集再生装置2が行う場合、編集により得られたAOBに、元のAOBと同一のContent-IDを割り当てる。
分割・統合を複雑に繰り返すような編集が編集再生装置2により行われた場合であっても、Content-IDにて同一性を判定することにより、半導体メモリカード1に記録されたAOBがコンテンツ管理装置3に格納されている複数のコンテンツのうちどれに対応するかを容易に知得することができる。よってチェックインが命じられた場合、コンテンツ管理装置3は同一のContent-IDが割り当てられた全てのAOBを再生不能な状態に設定することにより、コンテンツを半導体メモリカード1から抹消してしまうことができる。これによりAOBの一部が未だ半導体メモリカード1上に存在しているのに、チェックアウト許可回数がインクリメントされるという現象を防止することができる。
【0047】
尚、本実施形態においてコンテンツ管理装置3は、コンテンツを電子音楽配信により取得するものとしたが、コンテンツ管理装置3は、いわゆるCDリッピングによりコンテンツを取得しても良い。CDリッピングとは、CD(Compact Disc)に記録されているオーディオデータをエンコード、暗号化することによりコンテンツを得るという手法であり、かかるCDリッピングにより得たコンテンツについては、前述の『SDMI Portable Device Specification』で定義されているように、チェックアウト許可回数を3回に設定しておくのが望ましい。またCDリッピングに限らず、DVD-Auduo等の他のパッケージメディアからコンテンツを作成してもよい。
(実施の形態2)
第2実施形態は、SD-Audio規格に基づくデータ構造にて、Track、AOBを格納し、処理する場合の改良に関する。
第2実施形態における半導体メモリカード1は、図9の物理構成を有するSDメモリカード100であるものとする。
【0048】
図9は、SDメモリカード100における物理層の構成を示す図である。本図に示すように、SDメモリカード100の物理層は、システム領域101、Hidden領域102、プロテクト領域103、AKE処理部104、AKE処理部105、Ks復号化部106、Ks暗号化部107、ユーザデータ領域108からなる。
【0049】
システム領域101は、図3(a)に示したMedia-IDと、Media Key Block(MKB)とを格納した読出専用領域であり、ここに格納されたMKB、Media-IDを書き換えることはできない。SDメモリカード100が、編集再生装置2、コンテンツ管理装置3を初めとする他の機器と接続され、MKBとMedia-IDとが他の機器により読み出された場合、これらを読み出した他の機器が、MKB、Media-IDと、自身が所持しているデバイス鍵Kdとを用いて所定の演算を正しく行えば、他の機器は正しい暗号鍵Kmuを所持することができる。
【0050】
Hidden領域102は、正解値となる暗号鍵Kmu、即ち、他の機器が正常なデバイス鍵Kdを用いて正常な演算を行なった場合、得られるべき暗号鍵Kmuを格納している領域である。
【0051】
プロテクト領域103は、暗号鍵と、Content-IDとを格納する領域である。
Authentication and Key Exchange(AKE)処理部104、AKE処理部105は、機器とSDメモリカード100との間でチャレンジ・レスポンス型の相互認証を行って、相手側の正当性を認証し、相手側が不当であれば処理を中断するが、相手側が正当であれば機器とSDメモリカード100との間で暗号鍵(セッション鍵Ks)を共有する。機器による認証は3つのフェーズ(機器側で乱数を発生させ、得られた乱数をKmuを用いて暗号化して、チャレンジ値AとしてSDメモリカード100に送信するChallenge1フェーズ、SDメモリカード100側でこのチャレンジ値AをSDメモリカード100内のKmuを用いて復号化し、得られた値をレスポンス値Bとして機器に送信するResponse1フェーズ、機器側で保持していたチャレンジ値Aを機器側のKmuで復号化して、SDメモリカード100から送信されたレスポンス値Bと比較するVerify1フェーズ)からなる。
【0052】
SDメモリカード100による認証は3つのフェーズ(SDメモリカード100で乱数を発生させ、得られた乱数をKmuを用いて暗号化して、この値をチャレンジ値Cとして機器に送信するChallenge2フェーズ、機器側においてこのチャレンジ値Cを機器内のKmuを用いて復号化し、得られた値をレスポンス値DとしてSDメモリカード100に送信するResponse2フェーズ、SDメモリカード100側で保持していたチャレンジ値CをSDメモリカード100側のKmuで復号化して、機器から送信されたレスポンス値Dと比較するVerify2フェーズ)からなる。
【0053】
この際、他の機器が不正な暗号鍵Kmuを用いて相互認証を行えば、フェーズVerify1,2において、チャレンジ値Aとレスポンス値Bとの不一致、チャレンジ値Cとレスポンス値Dとの不一致が判定され、相互認証が中断することとなる。逆に相手側の正当性が認証されれば、AKE処理部4、AKE処理部5は、上述したチャレンジ値Aと、チャレンジ値Cとの排他的論理和をとり、これをKmuにて暗号化することにより、セッション鍵Ksを得る。
【0054】
Ks復号化部106は、SDメモリカード100と接続された他の機器から、プロテクト領域103に書き込むべき暗号鍵、Content-IDであって、暗号化されたものが出力された場合、それら暗号鍵、Content-IDがセッション鍵Ksを用いて暗号化されているものとして、セッション鍵Ksを用いることにより復号を行う。そうして復号により得られた暗号鍵、Content-IDが本来の暗号鍵、Content-IDであるとして、プロテクト領域103に書き込む。
【0055】
Ks暗号化部107は、SDメモリカード100と接続された他の機器から、暗号鍵、Content-IDを読み出す旨のコマンドが出力されると、セッション鍵Ksを用いてプロテクト領域103に格納されている暗号鍵、Content-IDを暗号化した後に、そのコマンドを発行した他の機器に出力する。
【0056】
ユーザデータ領域108は、機器の正当性が認証されるか否かに拘らず、当該機器によりアクセスされる領域であり、暗号化されたAOBや再生制御情報が格納される。プロテクト領域103から読み出された暗号鍵が正しい値であれば、ここに格納されている暗号化されたAOBは正しく復号されることとなる。プロテクト領域103に対するデータ読み書きには、Ks復号化部6による復号化と、Ks暗号化部7による暗号化とが伴うので、プロテクト領域103は、SDメモリカード100と接続している機器がAKEプロセスを正しく行った場合のみ、当該機器により正規にアクセスされることとなる。
【0057】
続いて、SDメモリカード100のディレクトリ構成、ファイル構成について説明する。
図10は、SDメモリカード100におけるユーザデータ領域108、プロテクト領域103のディレクトリ構成、ファイル構成を示す図である。本図においてプロテクト領域103、ユーザデータ領域108のそれぞれにSD_Audioディレクトリが設けられ、ユーザ領域のSD_Audioディレクトリには、8つのAOBを格納した8つのAOBファイル(AOB001.SA1、AOB002.SA1、AOB003.SA1、AOB004.SA1・・・・AOB008.SA1)と、SD_AUDIO.TKMとが配置されている。プロテクト領域103のSD_Audioディレクトリには、AOBSA1.KEYが配置されている。AOBファイルのファイル名における"001"〜"008"の番号は、AOB-IDである。AOBSA1.KEYに含まれる8つのTitle Key Entryや、SD_AUDIO.TKMに含まれる8つのTrack Information(TKI)にも、AOB-IDと同じ番号を示す#1,#2,#3,#4・・・・・#8の番号が割り当てられている。各AOBファイルを暗号化する際に用いた暗号鍵"EKey"は、AOB-IDと同一の番号を有する『Title Key Entry』に格納され、AOBを再生するための再生制御情報は、AOB-IDと同一番号を有する『TKI』に存在することとなる。
【0058】

図11は、TKIと、AOBファイルと、Title Key Entryとの相互関係を示す図である。図11の第1段目における四角枠はSD_AUDIO.TKMを示し、第2、第3段目は図10に示した8つのAOBファイルを示す。第1段目は、8つのTKIを示す。各TKIには、TKIを特定する番号"#1","#2","#3","#4"がTKI-IDとして割り当てられている。各TKIは、TKI-IDと同じ番号がAOB-IDとして割り当てられたAOBファイルと対応している。
【0059】
第4段目における8つの枠は、8つのTitle Key Entryを示す。この8つのTitle Key Entryは、5つのEKey(EKey#1、EKey#2、EKey#3、EKey#4、EKey#5)と、5つのContent-ID(001、002、003、004、005)とを収録している。また各Title Key Entryには、Title Key Entryを特定する番号"#1","#2","#3","#4"・・・・・"#7","#8"が付与されている。各Title Key Entryは、同じ番号がAOB-IDとして付与されたAOBファイルと対応している。この点に注意して、図11を参照すれば、TKI#1とTitle Key Entry#1とがAOB001.SA1に対応していて、TKI#2とTitle Key Entry#2とがAOB002.SA1、TKI#3とTitle Key Entry#3とがAOB003.SA1、Title Key Entry#4とTKI#4とがAOB004.SA1に対応していることがわかる(本図における矢印TA1,TA2,TA3,TA4・・・・・・は、各TKIがどのAOBファイルと対応しているかを示し、本図における矢印KA1,KA2,KA3,KA4・・・・・・は、各Title Key EntryがどのAOBファイルと対応しているかを示す。)。
【0060】
図12は、AOBファイルに収録されている各AOBが連続して再生されることにより、どのような再生内容が再生されるかを示す。第1段目は、ユーザデータ領域における8つのAOBファイルを示し、第2段目は、各AOBファイルに収録されている8つのAOBを示す。第3段目は、それぞれのAOBに含まれる有効部分であるAOB_BLOCKを示す。
【0061】
第5段目は、Content.A、Content.B、Content.C、Content.D、Content.Eという5つのコンテンツのそれぞれを示す。第4段目は、第5段目のコンテンツがどのような単位で分割されるかを示し、破線AS1,AS2,AS3・・・・AS7,AS8は、コンテンツの分割部分と、AOB_BLOCKとの対応関係を示す。
【0062】
AOB#4は、30.6分という時間にて再生されるコンテンツ(Content.D)の先頭部分であり、8.4分という再生時間にて再生される。AOB#5、AOB#6に含まれるAOB_BLOCKはContent.Dの中間部分であり、8.4分という再生時間、AOB#7に含まれるAOB_BLOCKは、Content.Dの終端部分であり、5.4分という再生時間にて再生される。このように30.6分という再生時間を有するコンテンツは、(8.4分+8.4分+8.4分+5.4分)という単位で分割され、各AOBに含まれていることがわかる。この図からも理解できるように、AOBファイルに含まれる全てのAOBは、再生時間長が8.4分という時間長以内に収められていることがわかる。
【0063】
続いてTitle Key Entryの内部構成について説明する。図13(a)は、Title Key Entryの内部構成を示す図である。図13(a)の破線h1に示すように、Title Key Entryは、7バイトの暗号鍵『EKEY』、『Availability Flag』、『Content ID』とからなる。
『Availability Flag』は、対応するAOBがSDメモリカード100に記録されており、そのAOBに対応するEKeyがTitle Key Entryに存在する場合、"1"に設定され、そのAOBに対応するEKeyがTitle Key Entryに存在しない場合、"0"に設定されるフラグである。
【0064】
第2実施形態における『Content ID』は、Availability Flagと以下のように併用される。あるTitle Key Entryに対応するAOBファイルが存在する場合、Title Key EntryについてのContent_IDは"001"〜"999"の何れかに設定される。あるTitle Key Entryに対応するAOBファイルが存在しない場合、Title Key EntryについてのContent_IDは"0"と設定される。更にTrackとTKI(AOB)が1対多で対応する場合、AOBに対応するTitle Key EntryにおけるContent_IDが、全て同一の値となる。一方Availability Flagは、TrackとAOBが1対1で対応する場合"1"に設定される。TrackとAOBが1対多で対応する場合、多のTitle Key Entryのうち、唯一のもののAvailability Flagが"1"に設定される。残りのTitle Key EntryのAvailability Flagは"0"に設定される。Content_IDが"0"ではなく、Availability Flagが"0"に設定されていれば、同一のContent_IDを有するAOBが複数存在し得るから、これを手掛かりに同一のContent_IDを有するTitle Key Entryを検出する。そうして1つのContent_IDに対応する複数のAOBを特定するというサーチ処理が可能となる。
【0065】
図13(b)を参照しながらTKIについて説明する。図13(b)を参照すると各TKIは、破線の引き出し線h2に示すように、Track_General_Informatin(TKGI) 、アーティスト名、アルバム名、編曲者名、プロデューサ名等、TKIに固有なテキスト情報が記述されるTrack_Text_Infomation_Data_Area(TKTXTI_DA)、8.4分という再生時間を上限としたタイムサーチテーブル(Track_Time_Serch_Table(TKTMSRT))からなる。
【0066】
TKGIは、破線の矢印h3に示すように、『TKI_ID』『TKIN』『TKI_BLK_ATR』 『TKI_LNK_PTR』『ISRC』『BIT』を含む。
『TKI_ID』には、TKIを一意に識別できるID(本実施形態では2バイトの"A4"というコード)が記述される。
【0067】
『TKIN』には、1から999までの範囲のTKI番号が記述される。
『TKI_BLK_ATR』には、TKIについての属性が記述される。
図11の一例では、それぞれのTKIについてのTKI_BLK_ATRがどのように設定されているかについて説明する。各TKIにおけるTKI_BLK_ATRを参照すれば、TKI#1とAOB001.SA1との組み、TKI#2とAOB002.SA1との組み、TKI#3とAOB003.SA1との組み、TKI#8とAOB008.SA1との組みは、それぞれが独立したTrackに対応しているので、TKI#1、TKI#2、TKI#3、TKI#8のTKI_BLK_ATRは、『Track』と設定されている。TKI#4におけるTKI_BLK_ATRは『Head_of_Track』と設定され、TKI#7におけるTKI_BLK_ATRは『End_of_Track』と、TKI#5、TKI#6は『Midpoint_of_Track』と設定されていることがわかる。このことは、TKI#4と対応関係を有するAOB004.SA1はTrackの先頭部と、TKI#5、TKI#6と対応関係を有するAOB005.SA1及びAOB006.SA1はTrackの中間部と、TKI#7と対応関係を有するAOB007.SA1はTrackの終端部であることを意味する。
【0068】
このTKI_BLK_ATRを設定することにより、複数のTrackのうち、任意の2つを1つのTrackに統合するという統合編集、1つのTrackを複数に分割するという分割編集が容易に行なえることとなる。Trackの統合を行う際の、TKIの更新について説明する。
図14は、2つのTrackを1つに統合する場合にTKIがどのように設定されるかを示す図である。図11において、Track.CとTrack.Eとを1つのTrackに統合するという編集操作を操作者が希望しているものとする。これらTrack.C、Track.Eに対応するAOBがAOB003.SA1、AOB008.SA1に収録されており、それらがTKI#3、TKI#8に対応づけられているので、これらTKI#3及びTKI#8のTKI_BLK_ATRの書き換えが行われる。図14にTKIのTKI_BLK_ATRの書き換え後の状態を示す。図11においてTKI#3、TKI#8のTKI_BLK_ATRはTrack.C,Track.Eと記載されているが、図14では、TKI#3のTKI_BLK_ATRは『Head_of_Track』に書き換えられ、TKI#8のTKI_BLK_ATRは『End_of_Track』に書き換えられている。このように、TKI_BLK_ATRが書き換えられることにより、TKI#3、TKI#8、AOB003.SA1、AOB008.SA1、Title Key Entry#3、Title Key Entry#8は、Track.Cという1つのTrackとして扱われる。この際、AOB003、AOB008に対応するTitle Key Entry#3、Title Key Entry#8には、元のContent-IDであるContent-ID=003、Content-ID=005が格納される。またTitle Key Entry#3、Title Key Entry#8には、元の暗号鍵であるEKey#3,Ekey#5が格納される。
【0069】
Trackの分割を行う際のTKIの更新について説明する。図15は、1つのTrackを2つのTrackに分割する場合を想定した図である。図11において、Track.CをTrack.C−Track.Fという2つのTrackに分割するという編集を操作者が希望しているものとする。この場合、Track.Cを構成するAOB#3を分割して新たなAOBを得る。そして、001〜008の番号が割当済みなので、未割当番号009を分割により得られたAOBに割り当てて、AOB009を得る。その後、このAOB009.SA1に対応するTKI#9と、Title Key Entry#9とを生成して図15の状態となる。Title Key Entry#9には、AOB003に割り当てられていたContent-ID=003と、AOB003の暗号化に用いられたEKey#3とが格納される。
【0070】
『TKI_LNK_PTR』には、当該TKIのリンク先のTKIについてのTKINが記述される。図11において矢印TL4,TL5,TL6に示すように、Track.Dを構成する4つのAOBファイルに対応するTKI#4、TKI#5、TKI#6、TKI#7は、各TKI_LNK_PTRが次のTKIを指示するよう設定されている。
【0071】
『ISRC』には、TKGIにおけるISRC(International Standard Recording Code)が記述される。
『ブロック情報テーブル(BIT)』は、AOBのうち、どの部分を有効部分とするか(AOB_BLOCKとするか)を管理するテーブルである。
【0072】
続いて第2実施形態に係る編集再生装置2、コンテンツ管理装置3の構成について説明する。第2実施形態に係る編集再生装置2、コンテンツ管理装置3の構成を図16、図17に示す。これらが図3(b)、図4に示したものと異なるのは、編集再生装置2にセキュアR/W部14が、コンテンツ管理装置3にセキュアR/W部26がそれぞれ備えられている点である。セキュアR/W部14は、編集再生装置2がSDメモリカード100と接続された際、SDメモリカード100とMKB、Media-IDを用いたAKEプロセスと、セッション鍵Ksを用いたデータの暗号化、復号化を行うものであり、セキュアR/W部26は、コンテンツ管理装置3がSDメモリカード100と接続された際、SDメモリカード100とMKB、Media-IDを用いたAKEプロセスと、セッション鍵Ksを用いたデータの暗号化、復号化とを行うものである。そのため、第2実施形態に係るオブジェクト分割部12、オブジェクト再生部11は、セキュアR/W部14を介したメモリアクセスにより、Title Key Entryの読み書きを実現する。第2実施形態に係るコンテンツ管理装置3も同様であり、チェックアウト実行部22、Content-ID割当部24は、セキュアR/W部26を介したメモリアクセスを行うことにより、Title Key Entryの読み書きを行う。セキュアR/W部14及びセキュアR/W部26は、図18に示す内部構成を有する点において共通している。図18に示すように、セキュアR/W部14、セキュアR/W部26は、セキュアライト部31、セキュアリード部32を備えている。このうちセキュアライト部31は、図19に示す構成を有する。
【0073】
図19に示すようにセキュアライト部31は、MKB処理部41、ID処理部42、AKE処理部43、Kmu暗号化部44、Ks暗号化部45からなる。
【0074】
MKB処理部41は、SDメモリカード100のシステム領域に格納されているMKBと、編集再生装置2、コンテンツ管理装置3の製造メーカーにより付与されたデバイス鍵Kdとを読み出し、これらを用いて所定の演算を行うことにより、56ビットの暗号鍵KmをID処理部42に出力する。
【0075】
ID処理部42は、MKB処理部41から56ビットの暗号鍵Kmが出力されれば、SDメモリカード100のシステム領域からMedia-IDを読み出して、所定の演算を行うことにより、64ビットの演算結果を算出し、そのうち下位56ビットを暗号鍵Kmuとして、AKE処理部43及びKmu暗号化部44に出力する。
【0076】
AKE処理部43は、ID処理部42により算出された暗号鍵Kmuと、SDメモリカード100側の暗号鍵Kmuとを用いたAKEプロセスを行う。その結果として得られた56ビットのセッション鍵KsをKs暗号化部45に出力する。
【0077】
Kmu暗号化部44は、SDメモリカード100に記録すべきTitle Key Entryを、ID処理部42が出力した暗号鍵Kmuを用いて暗号化してKs暗号化部45に出力する。
Ks暗号化部45は、AKE処理部43から出力された56ビットのセッション鍵Ksを用いて、Kmu暗号化部44により暗号化されたTitle Key Entryを更に暗号化して、SDメモリカード100に出力し、プロテクト領域103に書き込ませる。
【0078】
一方セキュアリード部32の内部構成は、図20に示す通りであり、MKB処理部51、ID処理部52、AKE処理部53、Ks復号化部54、Kmu復号化部55からなる。
【0079】
MKB処理部51は、SDメモリカード100が編集再生装置2、コンテンツ管理装置3に接続されると、システム領域101からMKBを読み出し、デバイス鍵Kdを用いて読み出されたMKBに対して所定の演算を行うことにより、56ビットの暗号鍵Kmを得る。
【0080】
ID処理部52は、接続されたSDメモリカード100のシステム領域101からMedia-IDを読み出し、MKB処理部51により算出された暗号鍵Kmと、読み出されたMedia-IDとを用いて所定の演算を行い、64ビットの演算結果を得て、そのうち下位56ビットを暗号鍵Kmuとして、AKE処理部53とKmu復号化部55とに出力する。
【0081】
AKE処理部53は、ID処理部52により出力された暗号鍵Kmuを用いて、SDメモリカード100におけるAKE処理部105とAKEプロセスを行い、その結果である56ビットのセッション鍵KsをKs復号化部54に出力する。
【0082】
Ks復号化部54は、プロテクト領域103に暗号化された状態で格納されているTitle Key Entryを読み出し、AKE処理部53が出力した56ビットのセッション鍵Ksを用いて復号する。そしてその結果をKmu復号化部55に出力する。
【0083】
Kmu復号化部55は、ID処理部52により算出された56ビットの暗号鍵Kmuを用いて、復号化を行い、Title Key Entryを得る。
以上のように、SDメモリカード100のプロテクト領域103に対するアクセスは、セッション鍵Ks、Kmuを用いた暗号化、復号化、AKEプロセスが伴うので、不正な機器によるアクセスは排除され、編集再生装置2、コンテンツ管理装置3のような正当な機器のみにより、正当に読み書きされることとなる。
【0084】
続いてローカルストレージ20におけるディレクトリ構成、ファイル構成について説明する。図21(a)は、ローカルストレージ20のディレクトリ構成、ファイル構成を示す図である。本図に示すようにローカルストレージ20には、一般のアプリケーションプログラムであってもアクセスすることができるユーザ領域と、Licensed Compliantモジュールのみがアクセス可能であり、他のアプリケーションプログラムのアクセスは禁止されるセキュア領域とを備える。ユーザ領域のルートディレクトリは、ダウンロード用のディレクトリであるDownLoadディレクトリィが存在する。このDownLoadディレクトリィは、コンテンツ管理装置3がEMDを介してダウンロードしたコンテンツが格納されるディレクトリであり、ここに『Content.A.pcj』、『Content.B.pcj』、『Content.C.pcj』、『Content.D.pcj』、『Content.E.pcj』という5つのファイルが存在する。これらは、暗号化されたコンテンツと、このコンテンツについての権利管理情報とからなり、権利管理情報内にチェックアウト許可回数やコンテンツについての暗号鍵が格納されることは第1実施形態で述べた通りである。
【0085】
ユーザ領域には、配信用パッケージ管理テーブルが配置される。図21(b)は、配信用パッケージ管理テーブルの一例を示す図である。配信用パッケージ管理テーブルは、配信用パッケージについての『インデックス番号』と、配信用パッケージが格納されているファイルの所在を示す『ファイルパス』と、配信用パッケージに相当するコンテンツのアーティスト名、タイトルを示す『コンテンツ紹介情報』とからなる。ユーザは、この配信用パッケージ管理テーブルを参照することにより、どのコンテンツがどのディレクトリにどのようなファイル名で格納されているかを知ることができる。
【0086】
続いてセキュア領域について説明する。セキュア領域は、課金情報等、ユーザによる改竄を禁ずるべき情報が格納される領域であり、各コンテンツについての履歴情報とからなる履歴情報テーブルはここに格納される。Content.A〜Content.Eについてのチェックアウト許可回数が図21(c)に示すように設定されている場合の履歴情報テーブルの一例を
図21(d)に示す。図21(c)に示すように、Content.A、Content.Bについてのチェックアウト許可回数であるチェックアウト許可回数A,Bがそれぞれ2回と設定されており、チェックアウトが2回可能である場合、履歴情報テーブルにおいて、Content.Aについての履歴情報A、Content.Bについての履歴情報Bは、Media-IDとContent-IDとの組みを2つ含むものとなる。Content.C〜Content.Eについてのチェックアウト許可回数であるチェックアウト許可回数C,D,Eがそれぞれ1回と設定されており、チェックアウトが1回だけ可能である場合、履歴情報テーブルにおいて、Content.C〜Content.Eについての履歴情報C〜Eは、Media-IDとContent-IDとの組みを1つ含むものとなる。
【0087】
上述したようなディレクトリ構成、ファイル構成を有するSDメモリカード100、ローカルストレージ20に対するチェックアウト処理の実現には、図22のフローチャートに示す処理を、ユーザインターフェイス部21、チェックアウト実行部22、AOB-ID割当部23、Content-ID割当部24に実行させればよい。図22のフローチャートを参照しながら、第2実施形態に係るチェックアウト処理、チェックイン処理について説明する。
【0088】
ユーザインターフェイス部21は、コンテンツ管理装置3に対してステップS1においてSDメモリカード100が接続されるのを待ち、ステップS2においてユーザインターフェイス部21は、配信用パッケージ管理テーブルにおけるコンテンツ紹介情報を一覧表示する。コンテンツ紹介情報には、各コンテンツについてのタイトル名やアーティスト名が含まれているので、これらを一覧表示すれば、ユーザはDownLoadディレクトリィにどのようなコンテンツが格納されているかを伺い知ることができる。これらの中から、ユーザインターフェイス部21はステップS3においてチェックアウトすべきコンテンツの指定を受け付ける。チェックアウトすべきコンテンツが指定されれば、ステップS4、ステップS5を繰り返し条件とするループ処理に移行する。本ループ処理は、ステップS3において指定されたコンテンツの全てについて、ステップS6〜ステップS24を繰り返すものである。ステップS6において、チェックアウト実行部22は、配信用パッケージ管理テーブルを参照して、指定されたコンテンツのファイルパスを知得し、配信用パッケージの所在を特定する。ステップS7においてチェックアウト実行部22は、予め配布された公開鍵を用いて配信用パッケージの権利管理情報を復号する。権利管理情報には、チェックアウト許可回数と、暗号鍵とが含まれているので、この復号によりコンテンツについてのチェックアウトがあと何回可能であるかを知ることができる。ステップS8において チェックアウト実行部22は、チェックアウト許可回数は"0"であるか1回以上であるかを判定する。0回ならば、もはやこのコンテンツについてのチェックアウトは不可能なので、ステップS9〜ステップS24をスキップして、次のコンテンツに処理を移す。1回以上ならば、ステップS8からステップS9に移行する。
【0089】
ステップS9においてSDメモリカード100とのAKEプロセスを経て、Content-ID割当部24は、プロテクト領域103のSD_AudioディレクトリにおけるAOBSA1.KEYを参照する。AOBSA1.KEYには、SDメモリカード100に既に記録されているAOBについてのTitle Key Entryが存在しており、Title Key Entryの中にはContent-IDが存在するので、このAOBSA1.KEYのアクセスによりSDメモリカード100におけるContent-IDの割当状況を知ることができる。
【0090】
続いてステップS10においてContent-ID割当部24は、001〜999の番号のうち、既に割り当てられている番号を除く未割当の番号から、記録すべきAOBに割り当てるべきContent-IDを選ぶ。その後ステップS11においてチェックアウト実行部22は、SDメモリカード100からMedia-IDを読み出して、保持しておく。Content-IDとMedia-IDとを取得したので、いよいよAOBの記録を実行する。
【0091】
ステップS12においてチェックアウト実行部22は、コンテンツの先頭から8.4minの部分を1つのAOBとして生成する。コンテンツのうち、8.4min.の部分を1つのAOBとするのは、タイムマップテーブルを含む再生制御情報の規模を抑制する目的にほかならない。続いてステップS13においてAOB-ID割当部23が、ユーザ領域のSD_Audioディレクトリにおけるファイルエントリを参照する。ファイルエントリを参照する理由は、以下の通りである。即ち、AOB-IDは、AOBファイルのファイル名に付与されている。一方、SD_Audioディレクトリに配置された複数ファイルのファイル名は、SD_Audioディレクトリのファイルエントリに列記されている。
【0092】
そうすると、ファイルエントリを参照するだけで、SDメモリカード100においてAOB-IDとして既にAOBに割り当てられている番号が判明する。既にAOBに割り当てられている番号を知得するべく、AOB-ID割当部23はファイルエントリを参照するのである。ステップS14においてAOB-ID割当部23は、001〜999の番号のうち、既に割り当てられている番号を除く未割当番号から、記録すべきAOBに割り当てられるべきAOB-IDを選ぶ。続いてステップS15においてチェックアウト実行部22は、AOB-ID割当部23が選んだAOB-IDをファイル名に含むAOBファイルをオープンして、このAOBファイルにAOBを記録する。その後、チェックアウト実行部22はステップS16においてSD_AUDIO.TKMに含まれる複数のTKIのうち、選んだAOB-IDに対応する順位に存在するTKIを特定し、特定したTKIに、AOBに対応する再生制御情報を格納する。
【0093】
ステップS17においてチェックアウト実行部22は、SDメモリカード100とのAKEプロセスを経て、AOBSA1.KEYのうち選んだAOB-IDに対応するTitle Key Entryに、暗号鍵と、Content-IDとを格納し、ステップS18において同じContent-IDがAOBSA1.KEYに既に存在するかを判定する。存在しない場合ステップS19に移行して対応するTitle Key EntryのAvailability Flagを"1"に、存在する場合ステップS20に移行して、対応するTitle Key EntryのAvailability Flagを"0"に設定する。
【0094】
これにより1つのコンテンツが1つのAOBに対応する場合、又は、1つのコンテンツが複数のAOBに対応していて、そのうち先頭のAOBをSD_Audioディレクトリに記録する場合、それらAOBに対応するTitle Key EntryのAvailability Flagは"1"に設定される。1つのコンテンツが複数のAOBに対応していて、先頭以外のAOBをSD_Audioディレクトリに記録する場合、そのAOBに対応するTitle Key EntryのAvailability Flagは"0"に設定される。
【0095】
Availability Flagの設定を終えれば、ステップS21においてコンテンツに残り部分があるかを判定する。コンテンツの再生時間が8.4min.以内であれば、コンテンツにはもはや残りの部分はなくステップS21はNoとなりステップS23に移行する。8.4min.を上回るなら、未だ残りの部分があるので、ステップS21がNoとなりステップS22に移行する。ステップS22においてチェックアウト実行部22は、コンテンツのうち次の8.4minの部分を1つのAOBとして生成し、その後、ステップS13に移行する。これにより、残り部分に対応するAOBについて新たなAOB-IDが割り当てられ(ステップS13〜ステップS14)、このAOB-IDを含むファイル名のファイルにAOBが格納される(ステップS15)。ステップS21がYesになるまで、ステップS9〜ステップS20の処理が繰り返すと、20分、30分長といった再生時間が長いコンテンツが3つ、4つのAOBとしてSD_Audioディレクトリに記録されることになる。
【0096】
1つのコンテンツに対するAOBが全てSD_Audioディレクトリに記録されれば、ステップS23に移行する。ステップS23においてAOB-ID割当部23は、Media-IDとContent-IDとの組みを履歴情報として記録する。そしてステップS24において権利管理情報におけるチェックアウト許可回数をデクリメントして、権利管理情報を再度暗号化する。以上で、指定されたコンテンツに対応するAOBがSDメモリカード100に記録されたことになり、チェックアウトは終了する。
【0097】
続いてチェックイン処理について説明する。上述したようなディレクトリ構成、ファイル構成を有するSDメモリカード100に対するチェックイン処理の実現には、図23のフローチャートに示す処理を、ユーザインターフェイス部21、チェックイン実行部25に実行させればよい。図23のフローチャートを参照しながら、第2実施形態に係るチェックイン処理について説明する。
【0098】
ステップS30においてチェックイン実行部25は、SDメモリカード100が接続されるのを待つ。接続されれば、ステップS31において、チェックイン実行部25は、SDメモリカード100からMedia-IDを読み出す。ステップS32においてチェックイン実行部25は、ユーザ領域のSD_Audioディレクトリにおけるファイルエントリを参照して、SDメモリカード100における割当済みAOB-IDを特定する。このように割当済みAOB-IDが特定されると、ステップS44では、チェックインすべきAOBについての指定を操作者から受け付ける。その後、ステップS33、ステップS34を繰り返し条件とするループ処理に移行する。このループ処理は、チェックインすべき複数のAOBに割り当てられた割当済みAOB-IDの全てについて、ステップS35〜ステップS37の処理を繰り返せるものである。本実施形態では、SDメモリカード100の割当済みAOB-IDの全てについてステップS33〜ステップS34を繰り返し条件とするものとして説明したが、勿論これに限定されるものではなく、ユーザにチェックイン対象となるTrackを指定させ、指定されたTrackと同一のContent-IDを有するAOBのみチェックイン処理を行っても良い。ステップS35においてチェックイン実行部25は、AOBSA1.KEYに含まれるTitle Key Entryのうち、AOB-IDに対応するもののContent-IDを読み出す。
【0099】
続くステップS36においてチェックイン実行部25は、Content-IDとMedia-IDとの組みに一致する履歴情報が、履歴情報テーブルに存在するか否かを判定する。Content-IDとMedia-IDとの組みに一致する履歴情報が履歴情報テーブルに存在するということは、このAOBがかつてチェックアウトによりSDメモリカード100に記録されたAOBと同一であることを意味する。そのため、同一の履歴情報が存在すればチェックイン実行部25は、ステップS37においてAOB-IDに対応するTitle Key EntryのTitle Keyに、乱数を書き込むことにより、Title Keyを削除する。これにより、AOB-IDに対応するAOBは、もはや再生不能な状態となる。以上の処理は、AOB-IDの全てについて繰り返される。このステップS35〜ステップS37の繰り返しにより、かつてチェックアウトにより記録されたAOBは再生不能な状態に設定されることになる。続いてステップS40において記憶しておいたContent-IDと、Media-IDとの組みを含む履歴情報を、履歴情報テーブルから削除し、ステップS41において予め配布された公開鍵を用いて、記憶しておいた各Content-IDに対応するコンテンツの権利管理情報を復号化する。その後ステップS42において権利管理情報に含まれるチェックアウト許可回数をインクリメントする。ステップS43において記憶しておいた各Content-IDに対応するコンテンツの権利管理情報を暗号化する。これにより、権利管理情報はチェックアウト前の状態に戻り、再度のチェックアウトが可能となる。
【0100】
続いて、第2実施形態に係るオブジェクト分割部12の処理内容について説明する。第2実施形態に係るオブジェクト分割部12は、図24のフローチャートを実現する実行形式プログラムにより実現される。
【0101】
ステップS51において、オブジェクト分割部12は、ユーザインターフェイス部10における液晶ディスプレィに、SDメモリカード100に記録されているTrackの一覧表示を行わせ、分割すべきAOBの選択を受け付ける。分割すべきAOBが選択されれば、ステップS52において 分割元AOBの再生をオブジェクト再生部11に行わせ、オブジェクト分割部12は、ステップS53において編集点の設定を受け付ける状態となる。編集点の設定がなされると、ステップS54において再生中のAOBに対して編集点を設定する。ステップS55において ユーザ領域のSD_Audioディレクトリにおけるファイルエントリを参照して、SDメモリカード100において、分割元のAOBに割り当てられているAOB-IDを検出する。その後ステップS56では、001〜999の番号のうち、既に割り当てられているAOB-IDを除く未割当番号から、分割により得られた新たなAOBに割り当てられるべきAOB-IDを選ぶ。ステップS57においてオブジェクト分割部12は、選んだAOB-IDを含むファイル名を有するAOBファイルをオープンし、ステップS58では、AOBが先頭から編集点までの前半部分のみになるよう分割元のAOBファイルを部分削除を行い、ステップS59では、AOBの編集点から末尾までの後半部分を新たにオープンしたAOBファイルに格納する。ステップS60においてオブジェクト分割部12は、SD_AUDIO.TKMのうち、選んだAOB-IDに対応するTKIに、分割元AOBに対応する再生制御情報をコピーする。ステップS61において SDメモリカード100との相互認証を経て、AOBSA1.KEYのうち選んだAOB-IDに対応するTitle Key Entryに、分割元のAOBに対応する暗号鍵と、Content-IDとをコピーする。ステップS62において 分割元AOBの先頭から編集点までの先頭部分を有効とするよう、分割元AOBについてのBITを更新し、分割により得られた新たなAOBの編集点から末尾までの後半部分を有効とするよう、新たなAOBについてのBITを更新する。
【0102】
第2実施形態に係るオーディオデータ管理システムで、チェックアウト・チェックインが行われる様子を説明する。図25は、初期状態であり、コンテンツ管理装置3はネットワーク又はCDから、Content.A〜Content.Eという5つのコンテンツを取得してローカルストレージ20にContent.A〜Content.Eと、これらのそれぞれに対応する権利管理情報A〜Eとが格納されたものとする。ここで権利管理情報A〜Eに含まれるチェックアウト許可回数A〜Eは、枠w1に示すように設定されているものとする。Content.A〜Content.Bのチェックアウト許可回数A,Bは、2回と設定され、Content.C〜Content.Eについてのチェックアウト許可回数C,D,Eは、1回と設定されているものとする。図25は、Content.A〜Content.Eのチェックアウト許可回数が全て"0回"になるまで、チェックアウトが行われた状態を示す。SDメモリカード100には、図10〜図12、図14に示したものと同様に、Title Key Entry#1〜#8、AOB001〜008、TKI#1〜#8が格納される。
【0103】
これらAOB001〜008、Title Key Entry#1〜#8、TKI#1〜#8は、Track.A,B,C,D,Eという5つのTrackを構成するものであり、これらTrack.A,B,C,D,Eには、枠w2に示すようにContent-ID、AOB-IDが割り当てられている(本図における対応関係の一例は、図10〜図12、図14に準ずる)。一方、SDメモリカード200には、AOB001、002と、これらに対応するTitle Key Entry#1、#2、TKI#1、#2が格納され、枠w3に示すようにContent-ID、AOB-IDが割り当てられている。
【0104】
Content.A、Content.Bについてチェックアウトが2回行われ、Content.C〜Content.Eについてチェックアウトが1回行われたので、枠w4に示すように各コンテンツについてのチェックアウト許可回数は"0回"になっている。一方、ローカルストレージ20には、枠w5内に示されているようにContent.A〜Content.Eのチェックアウトの履歴を示す履歴情報A〜Eが格納される。どのSDメモリカードに、どのようなContent-IDが割り当てられて格納されているかは、履歴情報におけるMedia-ID、Content-IDの組みから明らかとなる。
図27は、チェックアウトによりSDメモリカード100に記録されたTrack.C(AOB003)と、SDメモリカード200に記録されたTrack.B(AOB002)に対して、編集再生装置2が分割編集を行い、新たなTrackが得られる様子を示す図である。図15に示した一例と同様の編集を編集再生装置2が行ったすると、枠w6に示すようにSDメモリカード100には、AOB009を含むTrack.Fが記録され、枠w16に示すようにSDメモリカード200には、AOB003を含むTrack.Cが記録されていることがわかる。編集により得られたAOBには、固有のAOB-ID、TKI-IDが付与されているものの、分割元のAOBと同一のContent-IDが付されている点は、図27に示す通りである。
【0105】
図28は、かかる同一性の判定後のオーディオデータ管理システムを示す図である。同一性が判定されたため、SDメモリカード100におけるTitle Key Entry#1〜#9、SDメモリカード200におけるTitle Key Entry#1〜#3には乱数が書き込まれる。これにより、SDメモリカード100、SDメモリカード200における各AOBは再生不能な状態となる。Content.A〜Content.Eについてのチェックアウト許可回数がインクリメントされて、枠w7に示す通りとなる。一方、Content.A〜Content.Eについての履歴情報も枠w8内に示されているように削除される。以上が第2実施形態に係るオーディオデータ管理システムの動作である(これら一連の動作を一図にまとめると図29のように表現される。)。
以上のように本実施形態によれば、接続された機器の正当性が判明しない限りアクセスされ得ないプロテクト領域103にTitle Key Entryを格納しておくので、Content-IDの改竄を防止することができる。よって、コンテンツの著作権保護に万全の配慮を払いながら、AOBの再生、編集を実現することができる。
【0106】
第1、第2実施形態に開示されるデータ構造、各種処理は、以下の国際公開番号公報に基づくものであり、より詳細な技術事項については、これらを参照されたい。
W0 00/65602号公報 2000年11月2日 W0 00/74054号公報 2000年12月7日 W0 00/74059号公報 2000年12月7日 W0 00/74060号公報 2000年12月7日 また本発明はその要旨を逸脱しない範囲で変更実施することができる。代表的な変更実施の形態として、以下(A)〜(J)のものがある。
(A)第1実施形態及び第2実施形態においてオブジェクト分割部12は、分割編集により得られたAOBに対して、分割元のContent-IDと同一のContent-IDが割り当てたが、分割元のContent-IDと部分的に同一のContent-IDが割り当ててもよい。つまり、完全一致のContent-IDではなく、一部の桁又は一部のビットが同一であり、分割元のAOBについてのContent-IDと少なくとも同一性があるようなContent-IDを、分割により得られた新たなAOBに割り当ててもよい。
また第1実施形態及び第2実施形態においてチェックイン実行部25は、履歴情報に含まれるContent-IDと、同一のContent-IDが割り当てられたAOBに対してチェックインを行ったが、分割元のContent-IDと部分的に同一のContent-IDが割り当てられたAOBに対してチェックインを行ってもよい。つまり、完全一致のContent-IDではなく、一部の桁又は一部のビットが同一であり、分割元のAOBについてのContent-IDと少なくとも同一性があるContent-IDが割り当てられたAOBに対して、チェックインを行ってもよい。つまり、例えば分割元のAOBのContent-IDが"001"なら、下位2桁の数値が同一で、3桁目に特有の数値"8"が付与された"801"を分割により得られたAOBに付与してもよい。また分割元のAOBのContent-IDが"001"なら、4桁目に特有の数値"8"が付与された"8001"を分割により得られたAOBに付与してもよい。
(B)暗号鍵、Content-ID、Media-IDを1つにまとめて半導体メモリカード1に格納しても良い。即ち、10ビットのContent-IDに6ビットのパディングデータ"000000"を付与して2バイトのContent-IDを得て、56ビットの暗号鍵に8ビットのパディングデータ"00000000"して8バイトの暗号鍵を得る。2バイトのContent-IDと、8バイトの暗号鍵とを8バイトのMedia-IDに足し合わせて、18バイトの一つのIDとして、Title Key Entryに格納してもよい。
(C)編集再生装置2は、コンポーネントステレオ、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータで実現されてもよい。また編集装置と、再生装置とを別装置として構成してもよい。コンテンツ管理装置3はパーソナルコンピュータで実現されるとしたが、内蔵記憶装置を持つラジカセ、コンポ、STB(Set Top Box)などで実現されてもよい。
(D)第1実施形態、第2実施形態では、コンテンツ管理装置3において、コンテンツの原本を、配信フォーマットで格納しており、チェックアウトを行う際、コンテンツをAOBに変換して半導体メモリカード1に記録したが、コンテンツ管理装置3は、コンテンツの原本をAOBの状態で格納し、原本たるAOBと、これに対応する暗号鍵(Title Key)と、権利管理情報との組みを対応づけて管理してもよい。
(E)ローカルストレージ20は、超流通形式の配信用フォーマットにて、コンテンツを格納しても良い。またコンテンツはネットワーク経由でローカルSDMI環境に供給されるとしたが、これは衛星放送や携帯電話を用いた配信でローカルSDMI環境に供給されてもよい。更に、DVD-ROM,SDメモリカード等の記録媒体に記録されて供給されてもよい。
(F)10ビットのContent-IDと54ビットの任意IDを合わせて8バイトとして暗号化し、8バイトの暗号化Content-IDとしてもよい。さらに、8バイトのMedia-ID、8バイトの暗号化Content-IDを合わせて16バイトの一つのIDとしてもよい。54ビットで表わされる任意IDには、コンテンツタイプ(オーディオ、イメージ)、Codecタイプ(AAC、MP3)、ベンダーIDなどがある。
(G)10ビットのContent-IDを、54ビットの任意の識別情報を合わせて8バイトとし、暗号化して8バイトの暗号化Content-IDとして、Title Key Entryに格納してもよい。54ビットで表わされる任意の識別情報には、コンテンツタイプ(オーディオ、イメージ)、Codecタイプ(AAC、MP3)、ベンダー名を示す識別情報が含まれる。8バイトの暗号化Content-IDを8バイトのMedia-IDと組み合わせて16バイトの一つのIDとしてTitle Key Entryに格納してもよい。
(H)54ビットのコンテンツ鍵と、10ビットのContent-IDとをハッシュ関数に適用してハッシュ値を得て、ハッシュ値をTitle Key Entryに格納してもよい。ここで用いられるハッシュ関数には例えばSHA-1等が適切である。
(I)第1、第2実施形態では、暗号鍵を半導体メモリカードに記録することにより、Licensed Compliantモジュールを具備していない編集再生装置2がAOBを再生することが可能になったが、コンテンツを再生可能な状態にするために「その他の処理」が必要ならば、チェックアウトにあたってチェックアウト実行部22が、「その他の処理」を行ってよいことはいうまでもない。「その他の処理」の代表的なものとしては、別の暗号鍵を用いた再暗号化処理等がある。
(J)本実施形態において機能ブロックを用いて説明した手順や、フローチャートを参照して説明した手順(図22、図23、図24)を実行形式プログラムにより実現し、これを記録媒体に記録して流通・販売の対象にしても良い。このような記録媒体には、ICカードや光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等があるが、これらに記録された機械語プログラムは汎用コンピュータにインストールされることにより利用に供される。この汎用コンピュータは、インストールした機械語プログラムを逐次実行して、第1、第2実施形態に示した管理装置、編集装置の機能を実現する。
【産業上の利用可能性】
【0107】
著作権保護のためにチェックアウト・チェックインを実現するオーディオデータ管理システムにおいて、チェックアウトにより半導体メモリカード1に記録されたAOBに対する編集が可能となるので、著作権者の利益と、ユーザの利便性との両立が可能となる。よって、コンテンツ管理装置3や編集再生装置の製造に携われるメーカー各社は、著作権の利益と、ユーザの利便性とを両立させた商品価値が高いオーディオデータ管理システムを製品化して、市場に投入することができ、機器製造産業を活性化させることができる。
【0108】
電子音楽配信で配信されたコンテンツに対してチェックアウトを行う場合であっても、本発明のオーディオデータ管理システムを用いた場合は、上述した著作権の利益と、ユーザの利便性との両立は可能なので、本発明のオーディオデータ管理システムは、電子音楽配信の発展に大きく貢献し、コンテンツの配信産業に大きく貢献することができる。
【符号の説明】
【0109】
1 半導体メモリカード
2 編集再生装置
3 コンテンツ管理装置
4 配信サーバ
10 ユーザインターフェイス部
11 オブジェクト再生部
12 オブジェクト分割部
13 オブジェクト結合部
14 セキュアR/W部
20 ローカルストレージ
21 ユーザインターフェイス部
22 チェックアウト実行部
23 AOB-ID割当部
24 Content-ID割当部
25 チェックイン実行部
26 セキュアR/W部
31 セキュアライト部
32 セキュアリード部
41 MKB処理部
42 ID処理部
43 AKE処理部
44 Kmu暗号化部
45 Ks暗号化部
51 MKB処理部
52 ID処理部
53 AKE処理部
55 Kmu復号化部
100 SDメモリカード
101 システム領域
102 Hidden領域
103 プロテクト領域
104 AKE処理部
105 AKE 処理部
106 Ks復号化部
107 Ks 暗号化部
108 ユーザデータ領域
200 SDメモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオデータ再生管理システムであって、
記録媒体と、
チェックアウト許可回数を格納しており、第1暗号化オーディオオブジェクトと、第1識別情報と、第1暗号化オーディオオブジェクトを復号する復号鍵とを記録媒体に記録して、チェックアウト許可回数をデクリメントするチェックアウト処理と、記録媒体における第1暗号化オーディオオブジェクトを再生不能な状態にして、チェックアウト許可回数をインクリメントするチェックイン処理とを行う管理装置と、
第2暗号化オーディオオブジェクトを得るよう、第1暗号化オーディオオブジェクトを編集する装置であり、第1暗号化オーディオオブジェクトと共に記録媒体に記録されていた第1識別情報と同一性を有する第2識別情報を、第2暗号化オーディオオブジェクトと対応づけて記録媒体に記録する編集装置と含み、
前記管理装置は、
前記同一性を有する第2識別情報と対応づけて記録媒体に記録されている第2暗号化オーディオオブジェクトに対して、チェックイン処理を実行し、
前記第1識別情報は、前記チェックアウト処理により記録媒体に記録された第1暗号化オーディオオブジェクトを、別のチェックアウト処理により記録媒体に記録された暗号化オーディオオブジェクトと区別する情報であり、
前記チェックイン処理は、前記復号鍵を乱数により書き換えることにより、第1オーディオオブジェクトを再生不能な状態にする
ことを特徴とするオーディオデータ再生管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2010−225262(P2010−225262A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69206(P2010−69206)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【分割の表示】特願2001−565574(P2001−565574)の分割
【原出願日】平成13年3月9日(2001.3.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】