説明

箱詰め装置及び箱詰め方法

【課題】物品群の保持への床の開閉動作の影響を排除することによって、箱詰め作業のトラブルを抑制する箱詰め装置及び箱詰め方法を提供する。
【解決手段】物品を整列させてなる物品群を整列方向から挟圧する挟圧ステップS3と、挟圧された物品群が載っている床を開放する開放ステップS7と、挟圧された前記物品群の上面に吸引ヘッドを接触させて物品群の上面を吸引して保持する保持ステップS4と、開放ステップS7後に吸引ヘッドを降下させることによって床の下方の外装箱に物品群を押し込む押し込みステップS8と、を有する、箱詰め方法であって、開放ステップS7の前に吸引ヘッドを物品群が床から離れる程度上昇させた状態とする上昇ステップS5を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばポテトチップ、豆、飴、スープ、洗剤などの内容物が袋詰めまたは箱詰めされた物品からなる物品群を、段ボールケースまたはダース箱などの外装箱の内部に収容する箱詰め装置に関する。さらに詳しくは、物品を整列させてなる物品群を、該物品群の下方の外装箱に押し込むことによって、外装箱の内部に物品を収容する箱詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物品を整列させてなる物品群を整列方向から挟圧する挟圧装置と、前記挟圧された物品群が載っている床を開放する開閉装置と、前記挟圧された前記物品群の上面に吸引ヘッドを接触させて前記物品群の上面を吸引して保持し、かつ、前記床が開放された状態において前記吸引ヘッドを降下させることによって前記床の下方の外装箱に前記物品群を押し込む吸引装置とを有する箱詰め装置が開示されている。
【特許文献1】特許第3708185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の箱詰め装置では、床の開放動作によって物品群の下端が摩擦力を受ける。そして、場合によっては、物品群が崩壊し、箱詰め作業を中断せざるをえないというトラブルが発生してしまうので、改善の余地があった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、物品群の保持への床の開閉動作の影響を排除することによって、箱詰め作業のトラブルを抑制する箱詰め装置及び箱詰め方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、第1の本発明の箱詰め装置は、物品を整列させてなる物品群を整列方向から挟圧する挟圧装置と、
前記挟圧された物品群が載っている床を開放する開閉装置と、
前記挟圧された前記物品群の上面に吸引ヘッドを接触させて前記物品群の上面を吸引して保持し、かつ、前記床が開放された状態において前記吸引ヘッドを降下させることによって前記床の下方の外装箱に前記物品群を押し込む吸引装置と、
前記開閉装置、前記挟圧装置及び前記吸引装置を制御する制御装置と、を有する箱詰め装置であって、
前記制御装置は、前記吸引装置を制御して、前記床の開放動作の前に前記吸引ヘッドを前記物品群が前記床から離れる程度上昇させた状態とする。
【0006】
このように構成すると、吸引装置の制御によって床の開閉動作の前に物品群を床から離すので、物品群の保持への床の開閉動作の影響を排除することができる。すなわち、箱詰め作業のトラブルを抑制することができる。
【0007】
第2の本発明の箱詰め装置は、前記床の上方において前記床の上面と平行に検出用光路が通るように配設された遮光型検出器を有し、
前記制御装置は、前記保持後前記開放前において、前記遮光型検出器を制御して、前記検出用光路の遮光を検出するとよい。
このように構成すると、遮光型検出器の配設によって、床の開閉動作前に物品群と床との接触の有無を検知することができるので、物品群の保持への床の開閉動作の影響を確実に回避することができる。
【0008】
第3の本発明の箱詰め方法は、挟圧装置が、物品を整列させてなる物品群を整列方向から挟圧する挟圧ステップと、
開閉装置が、前記挟圧された物品群が載っている床を開放する開放ステップと、
吸引装置が、前記挟圧された前記物品群の上面に吸引ヘッドを接触させて前記物品群の上面を吸引して保持する保持ステップと、
前記開放ステップ後に前記吸引装置が前記吸引ヘッドを降下させることによって前記床の下方の外装箱に前記物品群を押し込む押し込みステップと、を有する、箱詰め方法であって、
前記吸引装置が、前記開放ステップの前に前記吸引ヘッドを前記物品群が前記床から離れる程度上昇させた状態とする。
【0009】
このように構成すると、上昇ステップによって床の開閉動作の前に物品群を床から離すので、物品群の保持への床の開閉動作の影響を排除することができる。すなわち、箱詰め作業のトラブルを抑制することができる。
【0010】
第4の本発明の箱詰め方法は、前記上昇ステップ後前記開放ステップ前において、遮光型検出器が、前記床の上方において前記床の上面と平行に配設された検出用光路の遮光を検出する検出ステップを有するとよい。
【0011】
このように構成すると、検出ステップによって、床の開閉動作前に物品群と床との接触の有無を検知することができるので、物品群の保持への床の開閉動作の影響を確実に回避することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明の箱詰め装置及び箱詰め方法は、物品群の保持への床の開閉動作の影響を排除することによって、箱詰め作業のトラブルを抑制するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態の箱詰め装置の概略を示す側面図である。図2は、図1の箱詰め装置の概略を示す上面図である。なお、説明の都合上、図1においては止め部材17の支持体17Aを省略し、図2においては吸引装置14及び外装箱搬送コンベア80の一部を省略している。
【0015】
図3は、図1の箱詰め装置の要部の概略を示す斜視図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施形態の箱詰め装置100は、整列コンベア6と、押出装置7と、挟圧装置8と、開閉装置13と、吸引装置14と、外装箱Cを搬送する外装箱搬送コンベア80と、外装箱搬送コンベア80から外装箱Cを昇降させる外装箱昇降装置15と、遮光型検出器2A,3A,4A,5A、2B,3B,4B,5Bと、これら装置6,7,8,13,l4,80,15、2A〜5Bの動作を制御する制御装置30と、これら構成要素6,7,8,13,l4,80,15、30、2A〜5B、17、19を所定の位置関係に配設する枠体1と、を有している。
【0017】
図2及び図3に示すように、整列コンベア6は、無端軌道(コンベア)16を横切るようにして無端軌道16面上に直立する一群の仕切板10によって仕切板10間の無端軌道16上に物品を収容できる収容部11が複数連なって形成されている。本実施形態では、仕切板10は5枚が一群となっている。したがって、4つの収容部11が一群となって形成されている。
【0018】
図2及び図3に示すように、無端軌道16は、4本の環状ベルトが一対のスプロケット(sprocket)16Eによって支持されている。4本の環状ベルトは2本ずつに分かれて第1ベルト群16A及び第2ベルト群16Bを構成している。第1ベルト群16A及び第2ベルト群16Bにはそれぞれ、仕切板10が1連又は2連以上装着されている。仕切板10は結合具10Aによって第1ベルト群16A及び第2ベルト群16Bに装着されている。第1ベルト群16Aは、一方のスプロケット16Eに軸体16Fによって連結された一方の駆動装置16Cによって回転駆動されるように構成されている。第2ベルト群16Bは、他方のスプロケット16Eに軸体16Fによって連結された他方の駆動装置16Dによって回転駆動されるように構成されている。これによって、第1ベルト群16A及び第2ベルト群16Bの駆動装置は互いに異なるので、第1ベルト群16A及び第2ベルト群16Bを互いに独立して循環駆動することができる。つまり、一方のベルト群が暫時停止を繰り返しながら収容部11に物品Wを受け入れる動作と、他方のベルト群が整列位置Tにおいて停止して収容部11から物品Wを押し出す動作とを同時に行うことができる。
【0019】
駆動装置16C,16Dには公知のアクチュエータ(actuator)を用いることができる。
【0020】
図2に示すように、軸体16Fは、その両端が枠体1に軸回転自在に支持されて配設されている。より精確には、軸体16Fの一端は駆動装置16C,16Dに接続され、駆動装置16C,16Dが枠体1に配設されている。
【0021】
図2及び図3に示すように、押出装置7は、整列コンベア6の整列位置Tに整列した一群の仕切板10同士の間から複数の物品Wを仕切板10に沿って押して、すなわち図3に示す押出方向Xに向かって押して、物品Wからなる物品群を形成するように構成されている。
【0022】
ここで、整列位置Tは、無端軌道16上の位置であって、一連の収容部11が整列する位置をいう。すなわち、無端軌道16が直線状となり、一連の仕切板10が垂直に並立する位置を言う。
【0023】
本実施形態では、図1及び図2に示すように、押出装置7は、駆動装置7Bによって押出部材7Aがレール部材7Cに案内されて押出方向Xに進退駆動されるように構成されている。押出部材7Aは、整列位置Tにおける一連の仕切板10と抵触しないように細隙12が形成されている。駆動装置7Bには公知のアクチュエータを用いることができる。レール部材7Cは、押出方向Xに沿って延びるようにして枠体1に支持されて配設されている。
【0024】
また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、整列位置Tの押出方向Xの両脇に案内部材19が配設されている。これによって、押出部材7Aによって押し出された物品Wが一群の物品群となって押出方向Xに進むよう案内される。
【0025】
挟圧装置8は、押出装置7によって押し出された物品群を物品Wの整列方向から挟圧するように構成されている。本実施形態では、図2及び図3に示すように、挟圧装置8は、押出方向Xに直交する方向において互いに対向する一対の板状の挟圧部材8Dと、それぞれの挟圧部材8Dの背面から該背面の垂直方向に延びている軸体8Aと、軸体8Aを軸方向に進退自在に支持する軸受け部材8Cと、軸体8Aを軸方向に進退駆動する駆動装置8Bと、を有している。軸体8Aの進出によって物品群が一対の挟圧部材8D間に挟圧されるので、物品群の物品W同士を密着させることができる。なお、駆動装置8Bには公知のアクチュエータを用いることができる。駆動装置8Bは枠体1に配設されている。軸受け部材8Cは、枠体1の一部である梁1A,1Bに配設されている。
【0026】
また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、整列位置Tの押出方向Xの突き当たりには、止め部材17が押出部材7Aに対向して配設されている。これによって、押出部材7Aによって押し出された物品Wの散乱を防止することができる。止め部材17は支持体17Aによって支持されている。支持体17Aは枠体1に配設されている。
【0027】
さらに、図1乃至図3に示すように、押出部材7Aの押し出し端近傍の上方には、押さえ装置18が配設されている。押さえ装置18は、押さえ部材18Aと、押さえ部材18Aを上下方向に揺動する駆動装置18Bと、を有している。この揺動によって、押出部材7Aの進退動作時における押出部材7Aとの抵触を回避することができ、かつ、押し出された物品群の上部側面を押さえることによって、物品群の散乱を防止することができる。駆動装置18Bには公知のアクチュエータを用いることができる。駆動装置18Bは枠体1に配設されている。なお、押さえ装置18は、押さえ部材18Aが駆動装置18Bによって上下方向に進退自在に構成されていてもよい。
【0028】
これら止め部材17及び押さえ装置18によって物品Wの散乱を防止することができるので、挟圧装置8による物品群の挟圧を円滑に行うことができる。
【0029】
図1乃至図3に示すように、開閉装置13は、挟圧装置8によって挟圧された物品群の床を開閉するように構成されている。本実施形態では、開閉装置13は、一対の板状の床部材13Aと、一対の床部材13Aを進退駆動する駆動装置13Bとを有している。この一対の床部材13Aが物品群を支持する床を構成する。床部材13Aは、水平方向に延びて、端面同士が接触及び離間するようにして枠体1に進退自在に支持されている。本実施形態では、床部材13Aは、その縁部が枠体1に配設された複数のローラ13Cに支持されている。これによって、床部材13Aが後退駆動されると、開口部が形成され、吸引装置14の吸引ヘッド14Fが床部材13Aの下方の外装箱Cまで、物品群を押し込むことができる。駆動装置13Bには公知のアクチュエータを用いることができる。駆動装置13Bは枠体1に配設されている。
【0030】
ここで本発明の箱詰め装置100の特徴の一つである、遮光型検出器について説明する。
【0031】
図1乃至図3に示すように、遮光型検出器は、床部材13A上に配設された4対の投光器2A,3A,4A,5A及び受光器2B,3B,4B,5Bを有している。
【0032】
図4は、遮光型検出器の構成及び配設の概略を示す平面図である。
【0033】
遮光型検出器は、物品群の物品Wによって検出用光路L2,L3,L4,L5の少なくとも1本が遮断されることによって、検出信号を発信するように構成されている。ここでは、4つの光透過型のセンサが並列されて構成されている。つまり、検出用光路L2,L3,L4,L5の両端に対向して一対の投光器2A,3A,4A,5A及び受光器2B,3B,4B,5Bを有して構成されている。
【0034】
また、一対の投光器2A,3A,4A,5A及び受光器2B,3B,4B,5Bは、検出用光路L2,L3,L4,L5が物品群の形成位置において床部材13A上数mm乃至10mm程度の高さを床部材13Aと平行に延びるように配設されている。ここで、案内部材19及び挟圧部材8Dの下端は、検出用光路L2,L3,L4,L5を遮断しないように構成されている。本実施形態では、案内部材19及び挟圧部材8Dの下端が床部材13Aから約15mm離れて配設されている。また、枠体1の一部である一対の梁1A,1Bが、床部材13Aの上方であって、かつ図4に示すように、一対の案内部材19及び一対の挟圧部材8Dを間にしてそれらの両側に押出方向Xに沿って延びるように構成されている。投光器2A,4A及び受光器3B,5Bは、梁1Aの内側側面に配設され、投光器3A,5A及び受光器2B,4Bは、梁1Bの内側側面に配設されている。
【0035】
図3に示すように、吸引装置14は、挟圧装置8によって挟圧された物品群の上面に吸引ヘッド14Fを接触させて物品群の上面を吸引することによって物品群を保持し、吸引ヘッド14Fを降下させて床部材13Aの下方の外装箱Cに物品群を押し込むように構成されている。つまり、図1及び図2に示すように、吸引装置14は、ブロア、排気ポンプのような吸気装置14Hと、吸気装置14Hの吸気口に一端が連結された吸気管14Eと、吸気管14Eの途中に配設された弁14Gと、垂直方向に延びてその上端に吸気管14Eの他端が連結された中空軸体14Aと、中空軸体14Aの上部に接合された昇降部材14Cと、昇降部材14Cが昇降自在に装着されている昇降タワー14Dと、昇降タワー14Dを駆動する駆動装置14Bと、中空軸体14Aの下端がその上面に接合された吸引ヘッド14Fと、を有している。
【0036】
図5は、吸引ヘッドと中空軸体との接合構造の概略を示す断面図(a)及び吸引ヘッドの下面図(b)である。
【0037】
図5(a)に示すように、吸引ヘッド14Fは、中空の略直方体の本体50を有し、本体50の上面には貫通孔54が形成されている。中空軸体14Aの下端が、この貫通孔54に中空軸体14Aの中空部が連通するようにして吸引ヘッド14Fの上面に接合されている。ここでは、複数のボルト52が貫通孔54の周囲から上方に延びるようにして本体50に植設されている。また、リブ60が中空軸体14Aの下端に形成されている。ボルト52がリブ60に形成されたボルト孔に挿通されて、ナット53によって貫通孔54の周囲の本体50にリブ60が接合されている。
【0038】
また、図5(a)及び(b)に示すように、本体50の下面には、2本の吸引口51が形成されている。吸引口51は、物品群の物品Wの整列方向に沿って延びる細隙状に形成されている。これによって、吸引口51は物品群を構成する全ての物品Wの上面に接触することができるので、物品群の全ての物品Wを吸引することができる。なお、吸引口51の形状は、吸引口51は物品群を構成する全ての物品Wの上面に接触することができる形状であればよい。例えば、吸引口51が蛇行する一本の細隙や多数の円孔であっても、本体50の下面が格子状であってもよい。
【0039】
以上のような吸気装置14の構成によって、押し込み方向Zに吸引ヘッド14Fを降下及び上昇させることができ、吸気装置14Hによって吸気ヘッド14Fの吸引口51より空気を吸引することができ、かつ弁14Gによって吸気装置14Hの吸引力を遮断することができる。
【0040】
なお、吸気管14Eは、装着された吸気装置14Hによる管内の減圧状態においても管路が閉塞せず、かつ、中空軸体14Aの昇降動作に追従可能な柔軟性を有する合成樹脂のような弾性材料から構成されている。これによって、吸引装置14は、昇降動作においても、吸気ヘッド14Fにおける吸引力を維持することができるので、吸引ヘッド14Fに吸い付けた物品群を脱漏することなく、外装箱Cに押し込むことができる。
【0041】
図1及び図3に示すように、外装箱搬送コンベア80は、並列する多数の駆動ローラによって段ボール箱のような外装箱Cを水平方向に搬送するように構成されている。外装箱搬送コンベア80は、床部材13Aの下方を通るように配設されている。
【0042】
図1及び図3に示すように、外装箱昇降装置15は、床部材13Aの下方の位置において、外装箱搬送コンベア80上の外装箱Cを、床部材13Aに近づくように持ち上げるように構成されている。本実施形態では、外装箱昇降装置15は、外装箱Cが載置される台部材15Aと、台部材15Aが昇降自在に装着されている昇降タワー15Cと、昇降タワー15Cを駆動する駆動装置15Bと、を有している。台部材15Aは、外装箱搬送コンベア80の駆動ローラの列間に埋没可能な櫛状の形状を有している。つまり、台部材15Aは外装箱搬送コンベア80を下端位置として昇降自在に配設されている。
【0043】
また、図示しないが、外装箱搬送コンベア80は台部材15Aの上の位置において外装箱Cの移動を阻止して外装箱Cを暫時停止させるストッパーを有している。
【0044】
このような外装箱昇降装置15及び外装箱搬送コンベア80の構成によって、外装箱Cを台部材15Aに搬入することができ、外装箱Cをストッパーにて停止させた状態で外装箱Cの下方から台部材15Aを上昇させることによって外装箱Cを床部材13Aの下方において持ち上げることができ、台部材15Aを並列する駆動ローラ同士の隙間まで下降させることによって物品Wを収容した外装箱Cを外装箱搬送コンベア80上に戻すことができ、かつ物品Wを収容した外装箱Cを台部材15Aから搬出させることができる。
【0045】
なお、駆動装置15Bには公知のアクチュエータを用いることができる。ストッパーには外装箱Cの搬送方向前方に進退するゲート棒や外装箱Cの両側を挟圧する一対の挟圧板を用いることができる。
【0046】
制御装置30は、箱詰め装置100の動作を制御するように構成されている。
【0047】
また、制御装置30は、注意情報を発信する表示部30Aを有している。例えば、表示部30Aは警報器あるいは表示灯が好適である。警報器は音を利用して作業者の注意を喚起することができる。表示灯は光を利用して作業者の注意を喚起することができる。
【0048】
枠体1は、配設されたこれら構成要素6,7,8,13,l4,80,15、30、17,19,2A〜5Bが、相互に所要の位置関係となるように構成されている。ここで、所要の位置関係とは、本発明の箱詰め装置の箱詰め動作の実施に要する位置関係をいう。
【0049】
次に、箱詰め装置100の動作を説明する。これらの動作は、制御装置30が箱詰め装置100の各装置6,7,8,13,l4,80,15を制御することによって行う。
【0050】
また、本実施形態では、箱詰め装置100の周囲には、物品を供給する供給コンベア200が所定の位置に配設されている。本実施形態では、図3に示すように、供給コンベア200に載置されて搬送されてきた物品Wは供給コンベア200の出口端200Aから送出される。出口端200Aは収容位置Rに対向するように配設されている。これによって、出口端200Aから落下する物品Wは、収容位置Rに暫時待機する仕切板10上に案内されて収容部11に収容される。供給コンベア200としてはベルトコンベアやローラコンベアが用いられる。
【0051】
図6は、本発明の箱詰め装置の箱詰め動作を示すフロー図である。
【0052】
ステップ(整列ステップ)S1において、供給コンベア200より整列コンベア6に供給された物品Wは、整列コンベア6によって整列位置Tまで運ばれて、整列位置Tにおいて整列させられる。
【0053】
次に、ステップ(形成ステップ)S2において、整列位置Tにおいて整列した物品Wは、押出装置7によって整列コンベア6から仕切板10の板面に沿って押出方向Xに押し出される。そして一群の物品Wが床部材13A上において、止め部材17,押さえ部材18A、一対の挟圧部材8Dに側方を囲まれて、物品群が形成される。なお、物品Wを押し出した後、押出部材7Aは、押し出し動作前の位置まで後退する。
【0054】
次に、ステップ(挟圧ステップ)S3において、物品群を挟圧する。
【0055】
図7は、挟圧ステップにおける箱詰め装置の要部の概略を示す側面図である。
【0056】
図7に示すように、物品群は床部材13A上において一対の挟圧部材8Dによって物品W同士を密着させるように挟圧される。
【0057】
次に、ステップ(保持ステップ)S4において、物品群を保持する。
【0058】
図8は、保持ステップにおける箱詰め装置の要部の概略を示す側面図である。
【0059】
図8に示すように、挟圧された物品群の上面に吸引ヘッド14Fを降下して接触させて弁14Gを開き、吸引口51に物品群を構成する全ての物品Wの上面を吸い付ける。これによって物品群が吸引ヘッド14Fに保持される。なお、挟圧ステップS3によって物品W同士が密着しているので、吸引口51は物品Wの上面によって覆われる。つまり、挟圧ステップS3によって物品Wの吸引力を高めることができる。
【0060】
次に、ステップ(上昇ステップ)S5において、吸引ヘッド14Fを物品群の物品Wの下端が床部材13Aから離れる程度上昇させた状態とする。
【0061】
図9は、上昇ステップ及び検出ステップにおける箱詰め装置の要部の概略を示す側面図である。
【0062】
図9に示すように、吸引ヘッド14Fを上昇させると、吸引ヘッド14Fの吸引力が挟圧部材8Dとの間の摩擦力より勝るので、物品群両端の物品Wも脱落することなく、物品群両端の物品Wは挟圧部材8D表面上を滑る。これによって、物品群全体が床部材13Aから離れる程度上昇させることができる。
【0063】
次に、ステップ(検出ステップ)S6において、検出用光路L2,L3,L4,L5の遮光の有無を遮光型検出器2A〜5Bが検出する。
【0064】
検出用光路L2,L3,L4,L5の少なくとも1本が遮光されて検出信号が有る場合には、箱詰め作業を中断する。この場合、制御装置30は、検出信号を取得すると、箱詰め装置100の箱詰め動作を停止させると共に、表示部30Aを表示させ、作業員の注意を喚起し、作業員が物品群の状態を確認し、異状を解消して、箱詰め装置100の動作を再開させる。
【0065】
検出用光路L2,L3,L4,L5の遮光がなく検出信号がない場合には、ステップS7(開放ステップ)に進む。
【0066】
図10は、開放ステップにおける箱詰め装置の要部の概略を示す側面図である。
【0067】
図10に示すように、開閉装置13によって、床部材13Aが撤去されて、物品群の床が開放される。ここでは、端面同士が接触している一対の床部材13Aが離隔する方向に水平移動する。なお、床部材13Aが動作中において、上昇ステップS4を維持する。
【0068】
次に、ステップ(押し込みステップ)S8において、吸引装置14が、吸引ヘッド14Fを降下させることによって、外装箱Cに物品群を押し込む。
【0069】
図11は、押し込みステップにおける箱詰め装置の要部の概略を示す側面図である。
【0070】
図11に示すように、外装箱Cは、台部材15Aに載置された状態で床部材13Aの下方に接近するように持ち上げられている。したがって、ステップS7によって物品群の床が開放されると、物品群の下方に外装箱Cが上方に開口した状態で出現することになる。そして、吸引ヘッド14Fの下降によって、物品群は外装箱C内に押し込まれる。この際、物品群両端の物品Wは挟圧部材8D表面上を滑り抜ける。
【0071】
ステップS8によって箱詰め動作は終了する。箱詰め動作終了後、制御装置30は、箱詰め装置100を元の状態に復帰させる。
【0072】
すなわち、吸引装置14は、弁14Gを閉止して吸引ヘッド14Fへの物品Wの吸い付きを解除した後、吸引ヘッド14Fを物品群の形成位置の上方にまで上昇させる。吸引ヘッド14Fの上昇後、開閉装置13は、床部材13Aの端面同士が接合するように一対の床部材13Aを水平移動して閉じる。これによって、物品群の形成位置の床が構成される。外装箱昇降装置15は、台部材15Aを外装箱搬送コンベア80の駆動ローラ間まで下降して、物品群を収容した外装箱Cを外装箱搬送コンベア80上に戻す。外装箱搬送コンベア80は物品群を収容した外装箱Cを箱詰め装置100から搬出し、かつ空箱の外装箱Cを台部材15A上まで搬入する。
【0073】
そして、箱詰め動作が新たに繰り返される。
【0074】
以上のようにして、本実施形態の箱詰め装置100は、吸引装置14の制御によって床の開閉動作の前に物品群を床から離すので、物品群の保持への床の開閉動作の影響を排除することができる。すなわち、箱詰め作業のトラブルを抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態の箱詰め装置100は、遮光型検出器の配設によって、床の開閉動作前に物品群と床との接触の有無を検知することができるので、物品群の保持への床の開閉動作の影響を確実に回避することができる。
【0076】
一方、本発明の箱詰め方法S1〜S8は、上昇ステップS5によって開放ステップS7の前に物品群を床から離すので、物品群の保持への床の開閉動作の影響を排除することができる。すなわち、箱詰め作業のトラブルを抑制することができる。
【0077】
また、本発明の箱詰め方法S1〜S8は、検出ステップS6によって、床の開閉動作前に物品群と床との接触の有無を検知することができるので、物品群の保持への床の開閉動作の影響を確実に回避することができる。
【0078】
なお、上述した実施形態は一例であり、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0079】
例えば、遮光型検出装置は、光反射形のセンサを用いて構成することもできる。つまり、一対の投光器2A,3A,4A,5Aの代わりに投受光器を配設し、受光器2B,3B,4B,5Bの代わりに反射体を配設してもよい。
【0080】
また、本実施形態の遮光型検出器は、4本の検出用光路L2,L3,L4,L5を構成しているが、検出用光路は4本に限られるものではない。検出用光路L4,L5を省略して検出用光路L2,L3のみによっても本発明を実施することができる。すなわち、投光器4A,5A及び受光器4B,5Bを省略して投光器2A,3A及び受光器2B,3Bのみとしても本発明を実施することができる。
【0081】
さらに、外装箱搬送コンベア80及び外装箱昇降装置15は、床部材13Aの下方に外装箱Cを順次配置するための装置であるので、これら装置を省略してもよい。この場合、台部材15Aを固定して、作業員の人力によって外装箱Cの出し入れを行う。
【0082】
さらに、整列コンベア6及び押出装置7を省略してその他の方法によって物品群を形成することもできる。すなわち、整列ステップS1及び形成ステップS2をその他の方法によって行うこともできる。例えば、作業員の人力によって物品Wを床部材13Aの上に整列させて物品群を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、物品群の保持への床の開閉動作の影響を排除することによって、箱詰め作業のトラブルを抑制することができる箱詰め装置及び箱詰め方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態の箱詰め装置の概略を示す側面図である。
【図2】図1の箱詰め装置の概略を示す上面図である。
【図3】図1の箱詰め装置の要部の概略を示す斜視図である。
【図4】遮光型検出器の構成及び配設の概略を示す平面図である。
【図5】吸引ヘッドと中空軸体との接合構造の概略を示す断面図(a)及び吸引ヘッドの下面図(b)である。
【図6】本発明の箱詰め装置の箱詰め動作を示すフロー図である。
【図7】挟圧ステップにおける箱詰め装置の要部の概略を示す側面図である。
【図8】保持ステップにおける箱詰め装置の要部の概略を示す側面図である。
【図9】上昇ステップ及び検出ステップにおける箱詰め装置の要部の概略を示す側面図である。
【図10】開放ステップにおける箱詰め装置の要部の概略を示す側面図である。
【図11】押し込みステップにおける箱詰め装置の要部の概略を示す側面図である。
【符号の説明】
【0085】
1 枠体
1A、1B 梁
2A,3A,4A,5A 投光器
2B、3B,4B,5B 受光器
6 整列コンベア
7 押出装置
7A 押出部材
7B 駆動装置
7C レール部材
8 挟圧装置
8A 軸体
8B 駆動装置
8C 軸受け部材
8D 挟圧部材
10 仕切板
10A 結合具
11 収容部
12 細隙
13 開閉装置
13A 床部材
13B 駆動装置
13C ローラ
14 吸引装置
14A 中空軸体
14B 駆動装置
14C 昇降部材
14D 昇降タワー
14E 吸気管
14F 吸引ヘッド
14G 弁
14H 吸気装置
15 外装箱昇降装置
15A 台部材
15B 駆動装置
15C 昇降タワー
16 無端軌道
16A 第1ベルト群
16B 第2ベルト群
16C 第1駆動装置
16D 第2駆動装置
16E スプロケット
16F 軸体
17 止め部材
17A 支持体
18 押さえ装置
18A 押さえ部材
18B 駆動装置
19 案内部材
30 制御装置
30A 表示部
50 本体
51 吸引口
52 ボルト
53 ナット
54 貫通孔
60 リブ
100 箱詰め装置
200 供給コンベア
200A 出口端
80 外装箱搬送コンベア
C 外装箱
L2、L3、L4、L5 検出器光路
S1〜S8 ステップ
T 整列位置
W 物品
X 押出方向
Z 押し込み方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を整列させてなる物品群を整列方向から挟圧する挟圧装置と、
前記挟圧された物品群が載っている床を開放する開閉装置と、
前記挟圧された前記物品群の上面に吸引ヘッドを接触させて前記物品群の上面を吸引して保持し、かつ、前記床が開放された状態において前記吸引ヘッドを降下させることによって前記床の下方の外装箱に前記物品群を押し込む吸引装置と、
前記開閉装置、前記挟圧装置及び前記吸引装置を制御する制御装置と、を有する箱詰め装置であって、
前記制御装置は、前記吸引装置を制御して、前記床の開放動作の前に前記吸引ヘッドを前記物品群が前記床から離れる程度上昇させた状態とする、箱詰め装置。
【請求項2】
前記床の上方において前記床の上面と平行に検出用光路が通るように配設された遮光型検出器を有し、
前記制御装置は、前記保持後前記開放前において、前記遮光型検出器を制御して、前記検出用光路の遮光を検出する、請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項3】
挟圧装置が、物品を整列させてなる物品群を整列方向から挟圧する挟圧ステップと、
開閉装置が、前記挟圧された物品群が載っている床を開放する開放ステップと、
吸引装置が、前記挟圧された前記物品群の上面に吸引ヘッドを接触させて前記物品群の上面を吸引して保持する保持ステップと、
前記開放ステップ後に前記吸引装置が前記吸引ヘッドを降下させることによって前記床の下方の外装箱に前記物品群を押し込む押し込みステップと、を有する、箱詰め方法であって、
前記吸引装置が、前記開放ステップの前に前記吸引ヘッドを前記物品群が前記床から離れる程度上昇させた状態とする、上昇ステップを有する箱詰め方法。
【請求項4】
前記上昇ステップ後前記開放ステップ前において、遮光型検出器が、前記床の上方において前記床の上面と平行に配設された検出用光路の遮光を検出する検出ステップを有する、請求項3に記載の箱詰め方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−62967(P2008−62967A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−242433(P2006−242433)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】