説明

粉粒体搬送装置

【課題】粉粒体を移送排出する移送排出筒装置の伸縮自在の移動用移送筒の先端部へ左右両側へ回動自在な排穀口を有する排出筒を設け、排穀口から排出先端部までの距離を検出する距離検出装置を設けて、排出筒の回動移動を制御しようとするものである。
【解決手段】粉粒体を移送排出する移送排出筒装置6の移動用移送筒13の移送終端部へ排穀口14aを有して左右両側へ回動自在な排出筒14を設け、該排出筒14の左右両側へ排穀口14aから排出先端部までの距離を検出する距離検出装置6aを設けた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
粉粒体を移送する移送排出筒装置の固定用移送筒の外周へ伸縮自在に移動用移送筒を設け、この移動用移送筒の移送終端部へ粉粒体を排出す排穀口を有する排出筒を左右へ回動自在に設けると共に、この排出筒の左右両側に排穀口から排出先端部までの距離を検出する距離検出装置設けた技術である。
【背景技術】
【0002】
特開2003−79230号公報で示す如く、グレンタンク内の穀粒を機外への排出は、このグレンタンク内から、後側へ設けた揚穀筒内へ供給され、この揚穀筒から穀粒搬送オーガへ供給されて、移送され、穀粒は穀粒排出口から機外へ排出される。この穀粒排出口は、穀粒搬送方向に対して、円周方向に回転自在に設け、穀粒を排出する排出位置により、穀粒排出口を円周方向へ回動させ、真下、又は移動させた位置から穀粒を機外へ排出する。この機外への穀粒の排出は、トラック等へ載置した穀粒貯留タンク等へ直接排出したり、又は、大きな大穀粒受袋を穀粒搬送オーガへ装着して排出する。
【0003】
穀粒を排出する穀粒排出口から穀粒排出先端部までの距離を検出する距離検出装置等は有しない構成である。
【特許文献1】特開2003−79230号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
穀粒搬送オーガの穀粒を機外へ排出する穀粒排出口は、穀粒を排出する位置により、この穀粒排出口を円周方向へ回動させて、真下、又は真下以外の左右両側の所定角度上方へ傾斜させる。このときには、穀粒排出オーガ全体を回動させることにより、重量が重く回動操作が困難であったり、又、構成が複雑になり、コストアップになることがあった。
【0005】
更に、前記穀粒搬送オーガの回動の回動速度が一定であり、穀粒排出作業開始前段での穀粒排出位置の位置合わせが困難であったり、穀粒排出先端部までの距離を検出することができないことにより、排出口が穀粒受部に位置しているか判定できないことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
このために、この発明は、請求項1に記載の発明においては、粉粒体を移送する移送排出筒装置(6)の一部を構成する固定用移送筒(8)外周部へ挿入して伸縮自在な移動用移送筒(13)と、該移動用移送筒(13)の移送終端部側に粉粒体を排出する排穀口(14a)を有して、左右両側へ回動自在な排出筒(14)等とを設けた構成において、前記排出筒(14)の左右両側に排穀口(14a)から排出先端部までの距離を検出する距離検出装置(6a)を設けたことを特徴とする粉粒体搬送装置としたものである。
【0007】
穀粒貯留タンク内へ貯留した粉粒体や穀粒を機外への排出作業であると、この穀粒貯留タンクから後側へ設けた縦移送筒内へ引継ぎされ、この縦移送筒から移送排出筒装置(6)の固定用移送筒(8)へ引継ぎされ、この固定用移送筒(8)からこの固定用移送筒(8)の外周部へ挿入し、長手方向へ伸縮自在な移動用移送筒(13)へ引継ぎされ、この移動用移送筒(13)を経て移送終端部の円周方向へ左右に回動自在に設けた排出筒(14)の排穀口(14a)から穀粒を機外へ排出する。
【0008】
前記移動用移送筒(13)の移送終端部に設けた排出筒(14)の左右両側に排穀口(14a)から排出先端部までの距離を検出する距離検出装置(6a)を設けている。排出筒(14)を左側、又は右側へ回動移動させたときには、この排出筒(14)の排出先の位置が、例えば、穀粒を受ける穀粒受容具である穀粒運搬用の貯留箱、又は穀粒受用の大穀粒受袋内へ位置しているかを、距離検出装置(6a)により、検出して判定できることにより、穀粒を受けるこれら貯留箱、又は受袋外へ穀粒を排出することを防止できる。
【0009】
請求項2に記載の発明においては、前記排出筒(14)の左右両側に設けた距離検出装置(6a)から距離検出の応答がない側へは、排出筒(14)を回動移動制御しない制御装置(21f)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の粉粒体搬送装置としたものである。
【0010】
前記排出筒(14)の左右両側へ設けた距離検出装置(6a)から距離検出結果が制御装置(21f)へ入力されず、応答がないときに、この応答が入力されない側へは、排出筒(14)を制御装置(21f)により、回動移動制御が行われない構成である。排出筒(14)が穀粒を受ける貯留箱、又は大穀粒受袋より、外れる位置へ操作した時(誤操作した時)は、排出筒(14)は、回動移動が行われないことにより、これら穀粒を受ける貯留箱、又は大穀粒受袋より、穀粒のこぼれを防止することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明においては、前記排出筒(14)の左右両側に設けた距離検出装置(6a)から距離検出の応答が一方側、又は両方側からないときには、移送排出筒装置(6)を「始動」−「停止」操作する排出クラッチ装置(26c)を「切」操作して穀粒の移送排出を中断、又は停止制御する制御装置(21f)を設けたことを特徴とする請求項1、請求項2に記載の粉粒体搬送装置としたものである。
【0012】
前記排出筒(14)の左右両側に設けた距離検出装置(6a)から距離検出結果が制御装置(21f)へ入力されず、応答が一方側、又は両方共からないときには、穀粒を移送する移送排出筒装置(6)を「始動」−「停止」操作する排出クラッチ装置(26c)が制御装置(21f)で「切」操作制御されて、穀粒の移送排出が中断、又は停止制御され、穀粒は排出されない。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明においては、粉粒体である穀粒を、移送排出する移送排出筒装置(6)の移動用移送筒(13)の移送終端部に設け、左右両側へ回動自在な排出筒(14)の左右両側には、この排出筒(14)の排穀口(14a)から排出される排出先端部までの距離を検出する距離検出装置(6a)を設けたことにより、排出筒(14)を回動移動させた時に、排出筒(14)の排穀口(14a)の先端部から穀粒を受ける穀粒受容具内へ位置しているか否かが検出されて、判定できることにより、排出する穀粒は、穀粒受容具からこぼれることを防止できる。
【0014】
請求項2に記載の発明においては、前記排出筒(14)の左右両側へ設けた距離検出装置(6a)から距離検出の応答がない側へは、排出筒(14)を制御装置(21f)で回動移動制御しないことにより、排出筒(14)が穀粒受容具内から外れるような操作をした時(誤操作した時)であっても、穀粒を穀粒受容具外へこぼれることを防止できる。
【0015】
請求項3に記載の発明においては、前記排出筒(14)の左右両側へ設けた距離検出装置(6a)から距離検出の応答が一方側、又は両方側からないときには、移送排出する移送排出筒装置(6)を「始動」−「停止」操作する排出クラッチ装置(26c)を制御装置(21f)で「切」操作制御し、穀粒の移送排出を中断、又は停止制御しすべく設けたことにより、穀粒排出作業中に排出筒(14)の排穀口(14a)が穀粒受容具内から外れるような操作をした時(誤操作した時)であっても、穀粒が穀粒受容具外へのこぼれを最小限に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の粉粒体排出装置をコンバインに利用した一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行車台2の上側には、脱穀機4、及び穀粒貯留タンク4c等を載置すると共に、この穀粒貯留タンク4c内貯留物はコンバイン1のときは、粉粒体である穀粒を、移送排出する縦移送筒5の上部には、この穀粒を搬送する搬送装置である移送排出筒装置6を設け、この移送排出筒装置6は固定移送螺旋7を軸支内装した固定用移送筒8と、この固定用移送筒8の外周部へ挿入して長手方向へ伸縮移動装置9aで伸張移動、及び短縮移動自在な移動用移送筒13と、先端部へ円周方向へ回動自在に回動装置17で回動させて、穀粒を機外へ排出する排穀口14aを有する排出筒14を設けた構成である。これら移動用移送筒13と、排出筒14とには、軸支内装した伸縮移動自在な移動螺旋軸9の前後端部へ軸支した前・後移動移送螺旋11,10と、この前・後移動移送螺旋11,10間で、移動螺旋軸9へ伸縮自在に軸支した複数個の中移動移送螺旋12とを設けた構成である。これら移送排出筒装置6の固定用移送筒8と、移動用移送筒13と、排出筒14と、回動装置17と、距離検出装置6a等とを主に図示して説明すると共に、各種制御を主に説明する。
【0017】
まず、前記コンバイン1の構成について説明する。
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図10で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ22aを張設した走行装置22を配設し、走行車台2の上側面には、脱穀機4を載置した構成である。走行車台2の前方部の刈取機3で立毛穀稈を刈り取りして後方上部へ移送し、脱穀機4のフィードチェン4aと挟持杆4bとで引継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済みの穀粒は、揚穀筒4jで揚送されて、脱穀機4の右横側に配設し、前後方向へタンク移送螺旋4dを底部へ軸支内装した穀粒貯留タンク4c内へ供給され、一時貯留される。
【0018】
前記走行車台2の前方部には、図10で示すように、如く立毛穀稈を分離するナローガイド19a、及び各分草体19bと、立毛穀稈を引起す各引起装置19cと、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置20の各掻込装置20aと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置19dと、刈取りされた穀稈を挟持移送して脱穀機4のフィードチェン4aと挟持杆4bとへ受渡しする穀稈掻込移送装置20の根元・穂先移送装置20b・20c等からなる刈取機3を設けている。該刈取機3は、油圧駆動による伸縮シリンダ19eにより、土壌面に対して昇降する構成である。
【0019】
前記刈取機4の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆23aの上端部に設ける支持パイプ杆23bを走行車台2の上側面に設けた支持装置23cで回動自在に支持させている。伸縮シリンダ19eを作動させると、支持杆23aと共に、刈取機3が上下に回動する構成である。
【0020】
前記穀稈掻込移送装置20の穀稈移送経路中には、刈取られて移送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機4へ穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ3aを設けている。
【0021】
前記穀粒貯留タンク4c側の前部には、図10で示すように、コンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置21aと、操縦席21bとを設け、この操縦席21bの下側にエンジン21cを載置すると共に、後方部には穀粒貯留タンク4cを配設する。
【0022】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用のミッションケース24内の伝動機構24aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出する車速センサ24bを設けている。
【0023】
前記穀粒貯留タンク4cの底部には、図10で示すように、貯留穀粒を後方へ移送するタンク移送螺旋4dを前後方向に軸支して設けると共に、後方へ移送される穀粒を引継ぎして方向を変換する継手ケース5bを、穀粒貯留タンク4cの後側板の外側面へ装着する。この継手ケース5bの上側には、縦移送螺旋5aを内装軸支した縦移送筒5を略垂直姿勢で回動操作可能に設け、穀粒貯留タンク4c内の穀粒を引継ぎ揚送する構成である。
【0024】
図1、図2及び図11〜図13で示すように、前記縦移送筒5の上端部に、穀粒を機外へ排出する移送排出筒装置6を設ける。
前記移送排出筒装置6は、固定移送螺旋7を内装軸支した固定用移送筒8と、この固定用移送筒8の外周部へ挿入して、伸縮移動自在な移動用移送筒13と先端部の排出筒14と、これら移動用移送筒13と排出筒14へ内装して伸縮移動自在な移動螺旋軸9へ軸支した前・後・中移動移送螺旋11,10,12と、移動用移送筒13とを伸張、及び短縮させる伸縮移動装置9aと、正逆回転する移動用モータ9bとを固定用移送筒8の外周上側部へ設けた構成である。伸縮移動装置9aの外側に外カバー9cを装着する。
【0025】
前記コンバイン1で収穫作業時には、穀粒体である穀粒を、穀粒貯留タンク4c内へ貯留し、この穀粒を機外へ移送排出する移送排出筒装置6の固定用移送筒8の外周部には、図11〜図13で示すように、移動用移送筒13を、固定用移送筒8の外周上側部へ設けた移動用モータ9bの正回転、又は逆回転駆動により、伸張移動、及び短縮移動自在に挿入して設ける。
【0026】
前記移送排出筒装置6の固定用移送筒8は、図14、及び図15で示すように、後支持メタル27と、縦移送筒5の上端部に設けた引継メタル5cとで装着して設ける。この固定用移送筒8に内装する固定移送螺旋7は、固定螺旋軸7aの外周部に、固定螺旋プレート7bを固着して設けた構成である。固定螺旋軸7aの内径部は丸孔に形成すると共に、移送終端部の内径部には、丸孔より小径で後述する移動螺旋軸9が挿入されて摺動移動する内径部に六角孔を形成した補助軸7cを軸支して設けた構成である。固定用移送筒8の外周部には、詳細後述するローラ装置28のローラ28bの側面部を受けて、このローラ28bを直線状に移動させ、移動用移送筒13を直線状に移動すべく所定間隔に、各レール8aを設ける。
【0027】
前記固定用移送筒8の移送終端部には、図14、及び図15で示すように、後支持メタル27の外周の外ボス27a部を、固定用移送筒8の外周部から突出させて固着して設けると共に、後支持メタル27の内径部には、補助軸7cを軸支して設けている。固定移送螺旋7の固定螺旋軸7aの移送終端部の内径部は、補助軸7cの移送始端の外径部で軸支すると共に、移送始端部の外径部は、引継メタル5cの内側部に設けた受メタル5dで軸支する。7dは受ブッシュであり、移動螺旋軸9を軸支した構成である。
【0028】
前記移動用移送筒13は、図14、及び図15で示すように、固定用移送筒8の外周部より突出した後支持メタル27の外周の外ボス27a部と、固定用移送筒8の外周部に設けた外メタル27bとの外周部へ移動自在で収縮自在に嵌め合せした構成である。移動用移送筒13の前端部には、穀粒を機外へ排出する排穀口14aを下部側へ設けた排出筒14を、円周方向へ回動自在に軸支する。
【0029】
前記移動用移送筒13と、排出筒14とには、図11〜図13で示すように、移動螺旋軸9を後支持メタル27と、排出筒14に設けた前支持メタル16とにより内装軸支する。
【0030】
前記移動螺旋軸9の移送始端部と、移送終端部とには、図11〜図13で示すように、後移動移送螺旋10と、前移動移送螺旋11とを軸支して、ボルト等により、固定して設ける。
【0031】
前記後移動移送螺旋10は、図11〜図13、及び図16で示すように、後固定ボス10aへ支持板10bを固着し、この支持板10bと、後固定ボス10aとに移動螺旋プレート10cを固着して設ける。又、支持板10bには、結合部10dを設け、この結合部10dと、隣接した中移動移送螺旋12の移動螺旋プレート12cに設けた一方側の結合部12dとを係合させる。後固定ボス10aの内径部は、補助軸7cの移送終端部の外径部へ挿入して、ボルト等により、装着する。
【0032】
前記前移動移送螺旋11は、図11〜図13、及び図16で示すように、前固定ボス11aへ支持板11bを固着して設け、この支持板11bと、前固定ボス11aとに移動螺旋プレート11cを固着して設ける。又、支持板11bには、結合部11dを設け、この結合部11dと、隣接した中移動移送螺旋12の移動螺旋プレート12cに設けた一方側の結合部12dとを係合させる。前固定ボス11aの内径部は、移動螺旋軸9の移送終端部へ六角の外径部へ挿入して、ボルト等により、装着する。
【0033】
前記中移動移送螺旋12は、図11〜図13、及び図16〜図18で示すように、中移動ボス12aと、径大ボス12bと、両端部に結合部12dを有する移動螺旋プレート12cとを、一体に樹脂材等で成形する。
【0034】
前記中移動移送螺旋12は、図18で示すように、移動用移送筒13の移動螺旋軸9の前後両端部に装着した前・後移動移送螺旋11,10間に、複数個の中移動移送螺旋12を移動螺旋軸9へ伸縮移動自在に軸支して設ける。隣接する各中移動移送螺旋12が最伸張状態になると、各移動螺旋プレート12cに設けた各結合部12dが、互に係合状態になる構成であり、所定長さ以上は伸張しない構成である。
【0035】
前記移動用移送筒13と、排出筒14との伸縮移動は、移動用モータ9bの正逆回転の始動操作により、伸縮移動する構成である。この伸縮移動に伴なって、移動螺旋軸9と、各中移動移送螺旋12とが同時に伸縮移動する構成である。
【0036】
前記移動用移送筒13の移送始端部の外周部には、図14で示すように、複数個のローラ装置28を設ける。このローラ装置28のローラ受具28aを移動用移送筒13の移送始端部へ装着すると共に、このローラ受具28aの断面形状コ字形状部には、ローラピン28cでローラ28bを回転自在に軸支して設け、この各ローラ28bの外周部が固定用移送筒8の外周部へ当接して、回転しながら移動用移送筒13と同時に伸張移動案内、又は短縮移動案内する構成である。
【0037】
前記移送排出筒装置6の固定用移送筒7と、移動用移送筒13と、排出筒14との上下回動は、図19、及び図20で示すように、縦移送筒5の上端部に設けた引継ぎメタル5cを、左右にニ分割した構成として、一方側を上下回動自在に接続して構成する。他方側の固定部には、上下モータ29で上下回転駆動する回動具29aと、固定用移送筒8に設けた取付具30の取付板30aとを、接続具29bで接続すると共に、取付具30に設けた各上取付板31aと、縦移送筒5に設けた各下取付板31bとの間にガスダンパー31を設ける。
【0038】
前記上下モータ29の正回転、又は逆回転駆動により、回動具29aが回動されて、接続具29b、及び取付具30等を介して、固定用移送筒8と、移動用移送筒13と、排出筒14等とが上昇移動、又は下降移動制御される構成である。これら上昇、又は下降移動制御に伴ない、各ガスダンパー31も上昇、又は下降移動制御される構成であり、この各ガスダンパー31はアシスト用として使用する。
【0039】
前記縦移送筒5の旋回構成は、図10で示すように、この縦移送筒5に、旋回モータ32を設けると共に、この旋回モータ32の下側に旋回具32aを設け、旋回モータ32の正回転、又は逆回転駆動により、旋回具32aが左回転駆動、又は右回転駆動され、縦移送筒5が継手ケース5bの上側部より、左旋回、又は右旋回して、固定用移送筒8と移動用移送筒13と排出筒14等とが左旋回、又は右旋回する構成である。
【0040】
前記移送排出筒装置6の移動用移送筒13の移送終端部側には、図21で示すように、所定の大きさの開口部13aを設けると共に、開口部13aの前側の移送終端部には、円形で筒状の外蓋13bの取付用のフランジ部を外側へ向けて固着し、穀粒の溜りを防止する。この外蓋13bには、各支持板16aをボルト、及びナット等で装着して設け、この内側の支持板16aには、複数個のクッション体16bを介して、前支持メタル16をボルト、及びナット等により、装着する。この前支持メタル16で移動螺旋軸9の移送終端部を回転自在に軸支した構成である。
【0041】
前記移送排出筒装置6の移動用移送筒13の移送終端部の開口部13aへ設けた排出筒14は、図1、図2、図7、及び図8で示すように、下端部に排穀口14aを有し、この排出筒14の前外側面へ設けた回動装置17の回動用モータ14bの正回転、又は逆回転駆動により、移動用移送筒13の円周方向の左側、又は右側へ回動自在に軸支して設ける。排出筒14の排穀口14aは、真上向き、又は真下向きへ回動移動すると共に、任意に停止可能な構成である。
【0042】
前記移送排出筒装置6の固定用移送筒8の外周部へ移動用移送筒13を挿入して長手方向へ伸張、又は短縮移動自在に設ける。この移動用移送筒13の移送終端部には、穀粒を機外へ排出する排穀口14aを有する排出筒14を、円周方向の左側、又は右側へ回動移動自在に設ける。これにより、穀粒を長手方向の任意の所定位置へ容易に排出することができる。又、トラック等の荷台へ排出するときは、排出筒14の排穀口14aを回動移動させることにより、トラックの荷台へ均等に穀粒を排出することができる。
【0043】
前記移送排出筒装置6の移動用移送筒13の移送終端部に、排出筒14を回動自在に設けたことにより、次に収穫する圃場へ移動時、又は路上走行時に、排出筒14の排穀口14aを上方へ回動移動させることにより、移送排出筒装置6の移動用移送筒13内へ残っている穀粒は、上方へ回動移動された排出筒14の天井部(ロ)へ貯留されて、穀粒は機外へ落下することを防止できる構成である。これにより、穀粒のロス発生を防止することができる。
【0044】
前記排出筒14は、図7、及び図8で示すように、左右両側を一体に形成した左右側板14dの前後両側に前・後側板14e,14fを固着して設けて、略箱形状に形成した構成である。左右側板14dの上部の天井部(ロ)は、円形状(半円形状)に形成し、この天井部(ロ)と、排穀口14aが形成される下端部(ハ)との間は、略垂直に形成し、左右方向の巾と上下方向の巾とを同じ巾にして設けた構成である。左右側板14d、及び前・後側板14e,14fの下端部(ハ)位置に排穀口14aを設ける。
【0045】
前記排出筒14の下端部には、弾性材のゴム材、又は樹脂材等よりなる四面の各飛散防止板14hをボルト、及びナット等で装着し、下端部(ハ)位置に排穀口14aを設ける。飛散防止板14hをゴム板、又は樹脂材で形成することにより、収納時に他部分へ当接したときであっても、変形を防止できる。
【0046】
前記移送排出筒装置6の移動用移送筒13の移送終端部に設けて、穀粒を機外へ排出する排穀口14aを有する排出筒14の左右両側には、図1、及び図2で示すように、例えば、超音波方式の距離検出装置6aを設けている。この距離検出装置6aにより、排出筒14の排穀口14aの下端部位置から排出される穀粒の排出先端部位置までの距離を検出して、この検出距離値を操作装置21aへ内装した制御装置21fへ入力する構成である。
【0047】
前記排出筒14の後側板14fの孔部と、移動用移送筒13の外周部とには、図7で示すように、ゴム材、又は樹脂材等よりなる後受具8b(シール)を設ける。移動用移送筒13の前端部の外蓋13bには、支持軸16cを固着して設け、この支持軸16cで外回転支持パイプ16eを軸支し、この外回転支持パイプ16eの外周部へ軸支した軸受具(ベアリング)16fと、後受具8bとにより、排出筒14を回動移動自在に軸支する。又、軸受具16fは、メタル16mへ内装する。このメタル16mの前後方向中央部を、排出筒14の前側板14e部へ位置させて設ける。後受具8bは、後側板14fの孔部、及び移動用移送筒13の外周部のいずれにも接着しない。メタル16m、及び軸受具16fは、共にC型止め輪等により、抜け止めを施す。
【0048】
前記移送排出筒装置6の先端部に設けた排出筒14の前側には、この排出筒14を回動させる回動装置17を、図7、及び図8で示すように、設ける。この回動装置17の回動用モータ14bは、移送排出筒装置6の外形形状部内で、排出筒14の前側板14eの前側へ固着した補強板17aへボルト、及びナット等により、装着する。回動用モータ14bには、モータギャー17bを軸支する。
【0049】
図7、及び図8で示すように、前記排出筒14を回動させる回動装置17の回動支点部16dは、二重構造に形成する。移動用移送筒13の外蓋13bの内側面には、支持軸16cを固着する。又、この外蓋13bの内側へ設けた前支持メタル16を支持する支持板16aには、支持軸16cの頭部を挿入する挿入用孔を設ける。この支持軸16cの外周部には、外回転支持パイプ16eを挿入して軸支する。回動支点部16dは、支持軸16cと、外回転支持パイプ16eとにより、二重構造に形成する。
【0050】
前記排出筒14を回動移動させる回動装置17の回動支点部16dを、支持軸16cと外回転支持パイプ16eとにより、二重構造に形成したことにより、この排出筒14の組立、及び分解が容易である。又、排出筒14の回動がスムーズである。
【0051】
前記回動装置17の回動支点部16dの支持軸16cで軸支する外回転支持パイプ16eは、排出筒14の前側板14eの中央部へ位置させて設けた軸受具16fで軸支する。図7で示すように、回動支点部16dは、軸受具16f部と外回転支持パイプ16eの先端部に設けた前回動ギャー17f部との二箇所で固定支持する。
【0052】
前記回動支点部16dは、軸受具16f部と、外回転支持パイプ16eの前回動ギャー17f部との前後二箇所で軸支したことにより、二重構造となる。これにより、支持軸16cの強度アップを図ることができる。
【0053】
前記外回転支持パイプ16eの外周部は、小判形、又は四角形状に形成し、この外周部に、後回動ギャー17cを設け、この後回動ギャー17cと回動用モータ14bのモータギャー17bとを噛み合わせる。後回動ギャー17cの前後両側には、摩擦方式の各ブレーキ板17dを各々軸支して設け、この各ブレーキ板17dの前後両側に、ブレーキ押え板17hを各々軸支して設ける。前側のこのブレーキ押え板17hの前側には、複数個の皿バネ17eを軸支して設ける。この皿バネ17eの前側には、前回動ギャー17fを軸支して設ける。この前回動ギャー17fの前側には、ダブルにナット16jを螺合して、ブレーキ板17dのブレーキ圧力を調節できると共に、抜け止めを施す。支持軸16cの前端部には、ナット16hを螺合して、抜け止めを施す。外回転支持パイプ16eへ軸支した各部品17c,17d,17e,17f,17h等は、この外回転支持パイプ16eと同時に回転するが、独立して回転駆動されない構成である。
【0054】
前記外回転支持パイプ16eには、図7で示すように、摩擦方式のブレーキ板17dを軸支し、回動支点部16dの外回転支持パイプ16eを、軸受具16fで軸支する。
前記外回転支持パイプ16eには、摩擦方式のブレーキ板17dを軸支し、外回転支持パイプ16eは、軸受具16fで軸支したことにより、この軸受具16fに変えて、ブッシュ等を使用すると、グリースを塗布する必要があり、次のような不具合を解消するものもある。即ち、気温が上昇すると、グリースがとけて、ブレーキ板17d部へ流れて、ブレーキがきかなくなることがあったが、このような不具合を解消することができる。
【0055】
図7、及び図8で示すように、前記排出筒14の前側板14eの上部に支持メタル18aを装着し、この支持メタル18aの支持軸18bに外形形状がおおぎ形状のギャー18cを回転自在に軸支し、このギャー18cと、前回動ギャー17fとを噛合させた構成である。回動用モータ14bの正逆回転駆動により、モータギャー17b、後回動ギャー17c、前回動ギャー17f、及びギャー18c等が正逆回転駆動し、これら各種ギャー17b,17c,17f,18c等の正逆回転駆動より、排出筒14が左、又は右回動し、排穀口14aが上部へ移動した後に停止する構成である。又、回動用モータ14bの正逆回転駆動により、排出筒14は元の位置へ戻り、排穀口14aは元の下部位置へ戻った後に、停止する構成である。又、任意の位置においても停止可能な構成である。
【0056】
前記排出筒14の回動位置を検出する。ポテンションメータ15へ軸支したギャー18cと、このギャー18cに噛合する前回動ギャー17fと、回動用モータ14bのモータギャー17bと、このモータギャー17bと噛合する後回動ギャー17cとは、回動装置17の外回転支持パイプ16eへ軸支して設ける。
【0057】
前記移送排出筒装置6の移動用移送筒13の移送終端に、穀粒を機外へ排出する排出筒14を回動自在に設け、この排出筒14の前側板14eと補強板17aとに、ボルト、及びナット等により、排出筒14を回動させる回動装置17の回動用モータ14bを装着して設ける。この回動用モータ14bは、図7で示すように、移送排出筒装置6の移動用移送筒13と排出筒14とへ回転自在に軸支内装して、穀粒を移送排出する移動螺旋軸9の軸芯(ニ)よりも、下側へ配設する。
【0058】
前記移送排出筒装置6の移動用移送筒13の移送終端部には、穀粒を機外へ排出する回動装置17の回動用モータ14bよって回動自在な排穀口14aを有する排出筒14を設け、この排出筒14へ設けた回動用モータ14bを、移動螺旋軸9の軸芯(ニ)よりも下側へ設けたことにより、軸芯(ニ)よりも上側へ配設する構成に比較して、排出筒14をコンパクトにすることができると共に、軽量化を図ることができる。
【0059】
前記排出筒14の一方側である前側板14eの外側面には、図7で示すように、回動用モータ14bをボルト、及びナット等により、装着して設けると共に、他方側である後側板14fの外側面には、排出筒14内での穀粒の詰りを検出する「ON」−「OFF」スイッチ方式の詰りセンサ15dをボルト、及びナット等により、装着して設ける。
【0060】
前記詰りセンサ15dが排出筒14内へ穀粒が詰り、この穀粒の詰りにより押されて「ON」になると、この「ON」が操作装置21aへ設けた制御装置21fへ入力される構成である。この入力に基づいて、図9で示すように、エンジン21cのエンジンプーリ21dと、タンク移送螺旋4dへ軸支したタンクプーリ4eとへ掛け渡したベルト21eを「入」する排出クラッチ装置26cがテンションモータ26aで「入」されて、穀粒は排出される。又、「切」により、穀粒の移送排出経路が停止する。
【0061】
前記排出筒14の一方側である前側板14eの外側面にこの排出筒14を回動させる回動装置17の回動用モータ14bを設けると共に、他方側である後側板14fの外側面に排出筒14内での穀粒の詰りを検出する詰りセンサ15dを設けたことにより、回動用モータ14bと、移動用移送筒13の前端部とが当接することがない。又、他方側の後側板14fの外側面へ詰りセンサ15dを設けたことにより、排出筒14の回動移動時の回動バランスが良好になる。更に、詰りセンサ15dで穀粒移送の後側へ配設したことにより、移動用移送筒13から排出筒14内へ穀粒を排出したときに、詰まりセンサ15dへの穀粒の当接の減少を図ることができる。
【0062】
又、前記回動用モータ14bを移動螺旋軸9の軸心(ニ)に対して下側へ設け、ポテンションメータ15を軸心(ニ)に対して上側へ設け、回動用モータ14bとポテンションメータ15とを上下の対向位置へ位置させる。
【0063】
前記移動螺旋軸9の軸心(ニ)に対して、回動用モータ14bを下側へ、ポテンションメータ15を上側へ位置させて設けたことにより、排出筒14をコンパクトにすることができる。又、上下に配設したことで、この排出筒14の回動時のバランスが良好になる。
【0064】
又、前記排出筒14へ設けた回動用モータ14bとポテンションメータ15とを、移動螺旋軸9の軸心(ニ)に対して上下に対向位置へ位置させて配設すると共に、回動用モータ14bと詰りセンサ15dとを、排出筒14の排穀口14aに対して前後の対向位置へ位置させて配設する。
【0065】
これにより、前記排出筒14をコンパクトに形成することができる。又、排出筒14の前後方向、及び上下方向のバランスが良好になる。更に、回動時の回動バランスを良好にすることができる。
【0066】
又、前記回動用モータ14bのモータギャー17bと、排出筒14の回動位置を検出するポテンションメータ15のギャー18cとへ噛合して回転駆動する後回動ギャー17cと前回動ギャー17fとの両者を、回動装置17の外支持パイプ16eへ軸支して設けたことにより、カウンタギャー等を有しないことにより、バックラッシュが少なくなり、これにより誤差が小さくなり、ポテンションメータ15の検出精度が向上する。これに伴って検出する制御も向上する。
【0067】
前記排出筒14の前側板14eへ設けた回動装置17、及び回動用モータ14b等を覆うモータ用カバー14cは、図7、及び図8で示すように、排出筒14の前側板14eへ着脱自在に設ける。
【0068】
前記モータ用カバー14cは、図7、及び図8で示すように、後側部を開口した箱形状に形成し、前側面の内側部と回動用モータ14bとは、所定隙間(最小限)を設けて略垂直状に形成して、前後方向の全巾(L1)を狭巾に形成する。
【0069】
更に、前記モータ用カバー14cは、前外側へ山形状に突出させた突出部14mを設け、この突出部14mの内側面と、支持軸16cの先端部へ螺合したナット16hとは、所定隙間(最小限)を有する構成である。このモータ用カバー14cは、排出筒14と同時に回動する。
【0070】
前記支持軸16cの前端部へ螺合したナット16h部と前外側へ山形状に突出させた突出部14mに入りこませることにより、このモータ用カバー14cをコンパクトにすることができる。又、排出穀粒を受ける大穀粒受袋を、排出筒14へ容易に着脱させることができる。
【0071】
前記モータ用カバー14cの左右方向の上部全巾(L2)と、下部全巾(L3)とは、図8で示すように、略同じ巾に形成すると共に、移動用移送筒13の外径(D)より、所定巾広く形成して設ける。
【0072】
これにより、これら排出筒14と、モータ用カバー14cとがコンパクトになる。又、排出穀粒を受ける大穀粒受袋の着脱が容易となる。
前記排出筒14の上側面とモータ用カバー14cの上側面部とには、図7、及び図8で示すように、排出筒14の前側へ設けた回動用モータ14bと操作装置21aとを接続するハーネス15aとを覆うハーネスカバー15bを着脱自在に設ける。
【0073】
前記ハーネスカバー15bは、図8で示すように、左右方向に所定巾で、又、上下方向に所定高さで略コ字形状に形成する。このハーネスカバー15bは、排出筒14の上側面へ略L字形状の取付板14nを固着して設けた構成であり、この取付板14nの左右両外側面へ重合させてボルト、及びナット等により、装着する。又、このハーネスカバー15bの前端部は、後方上部から前方下部へ所定角度(θ)で傾斜する傾斜面15cを形成する。
【0074】
前記排出筒14の上側面部と、モータ用カバー14cの上側面部とには、排出筒14を回動させる回動用モータ14bのハーネス15aを覆うハーネスカバー15bを設け、又、前端部には、前方下部へ傾斜する所定角度(θ)の傾斜面15cを設けたことにより、排出穀粒を受ける大穀粒受袋を、排出筒14部への着脱が容易である。
【0075】
前記モータ用カバー14cの天井部には、図22、及び図23で示すように、長方形状の開口孔14jを設ける。回動用モータ14bへ設けたハーネス15aは、モータ用カバー14cの天井部の開口孔14jを経て、このハーネスカバー15b内を通り、操作装置21aへ接続する。又、回動用モータ14bから前カプラ34aの間は、通常のハーネス15aであり、後カプラ34bからハーネスカバー14cの後端部までの間のハーネス15aは、スプリング状に形成して、伸縮する構成とし、排出筒14の回動に対して、ハーネス15aはスプリング状部で伸縮させる構成である。このハーネス15aは、ハーネスカバー15bの後側で、移動用移送筒13の外周上側面部へクランプ34cによって装着する。
【0076】
これにより、前記ハーネス15aを通す開口孔14jを設けても、ハーネスカバー14cで覆われることにより、外観形状の低下を防止できる。又、ハーネス15aの一部をスプリング状にしたことにより、排出筒14を回動させても、このハーネス15aが、スプリング状部で伸縮することにより、回動移動時に問題の発生を防止することができる。
【0077】
前記回動用モータ14bのハーネス15aは、図22、及び図23で示すように、ポテンションメータ15を取付ける支持メタル18aの左右両側の取付部の一方側を介してハーネスカバー15b内へ挿入して設ける。又、支持メタル18aは、移動用移送筒13の外蓋13bへ設けた支持軸16cの中心よりも上部へ配設する。
【0078】
これにより、前記回動用モータ14bのハーネス15aは、排出筒14の回動移動の軸心より、上部へ配設することができる。
前記前回動ギャー17fは、図7で示すように、皿バネ17e前側へ軸支して設け、回動装置17の回動支点部16dの前後方向の全巾を狭くした構成である。
【0079】
これにより、前記モータ用カバー14cの前後方向の全巾を狭く形成することができ、このために、排出筒14と、モータ用カバー14cとの両者の全巾が狭くなり、穀粒を受ける大穀粒受袋の交換が容易になる。
【0080】
前記モータ用カバー14cと、ハーネスカバー15bとを取り外し、支持軸16cの前外側端部へ螺合したナット16hを取り外すことにより、排出筒14と回動装置17の回動支点部16d等とよりなる排出筒14の部分組立品として、取り外し可能である。
【0081】
これにより、分解工数の低減を図ることができる。又、各ギャー17b,17c,17f,18cは噛合状態で分解されることにより、ポテンションメータ15と、各ギャー17b,17c,17f,18cとの関係位置が変わることがない。
【0082】
前記回動用モータ14bとポテンションメータ15とは、図7、及び図8で示すように、排出筒14の一方側である前側板14eの外側面へボルト、及びナット等により、装着して設けると共に、これの前側には、着脱自在にモータ用カバー14cをボルト、及びナット等により、排出筒14へ装着する。
【0083】
前記回動用モータ14b、及びポテンションメータ15の取付調整を行うときには、モータ用カバー14cを取り外した後に、これら回動用モータ14bとポテンションメータ15との取付用のボルト、及びナットをゆるめて、取付位置の調整を行う構成である。
【0084】
これにより、前記回動用モータ14bと、ポテンションメータ15とは、同じ取付面である排出筒14の前側板14eの外側面へ設けると共に、これらの回動用モータ14bと、ポテンションメータ15の外側へ設けたモータ用カバー14cを取り外すことにより、両者の取付位置を容易にすることができる。
【0085】
前記排出筒14の前側面の外側へ設けたモータ用カバー14cの底面部は、図7で示すように、前方上部から後方下部へ向けて、下り傾斜状態に形成して設ける。
これにより、前記排出筒14の排穀口14aから機外へ排出される穀粒を穀粒受袋で受けるときに、この穀粒受袋を排出筒14への装着、及び取り外しを行うときに、穀粒受袋の緑がモータ用カバー14cへ引っ掛かることがなく、スムーズに穀粒受袋の交換ができる。
【0086】
前記排出筒14の上側部へ設けたハーネスカバー15bの後端部は、図7、及び図8で示すように、モータ用カバー14c、及びハーネスカバー15b等内へ回動用モータ14bから発生した熱気がこもることを防止して、熱を逃すために、開口部15eを形成する。
【0087】
これにより、前記回動用モータ14bの冷却を効率的に行うことができる。
前記移送排出筒装置6の移動用移送筒13へ設けた外蓋13bの外側面部には、図24で示すように、チューブストッパ35aを設けると共に、排出筒14の前側板14eの内側面には、左・右ストッパ35b,35cを、回動用モータ14bの上部左右両側の取付部近傍へ設ける。これら左・右ストッパ35b,35cがチューブストッパ35aへ当接する構成である。この当接により、排出筒14の回動移動時のオーバーランを防止し、ポテンションメータ15の支持軸18bへ軸支したギャー18cと、外回動支持パイプ16eへ軸支した前回動ギャー17fとの噛合の外れを防止する。
【0088】
これにより、前記ポテンションメータ15に不具合が発生したときであっても、排出筒14の回動移動のオーバーランを防止することができる。又、ギャー17fと、ギャー18cとの噛合の外れを防止する。
【0089】
前記排出筒14の後側板14fに設けた詰りセンサ15dのハーネス15fは、図25、及び図26で示すように、排出筒14の横側面に沿って上方へ向け、更に、移動用移送筒13の外径上側面へ配策し、適宜位置をクランプ34cで固定して支持させる。又、この詰りセンサ15dには、センサカバーを設けない構成である。
【0090】
これにより、穀粒受袋を交換するときに、前記詰まりセンサ15dのハーネス15fに穀粒受袋が引掛かることを防止できる。又、このハーネス15fを横方向へ平行状から上下の縦方向へ配策したことにより、このハーネス15fへ無理な曲がりがなくなり、破損を防止することができる。又、センサカバーを廃止してコンパクトにできる。図7で示すように、自動調心方式の軸受具16fを使用した構成である。
【0091】
このように、自動調心方式の軸受具16fを使用したことにより、支持軸16c、又は外回動支持パイプ16eが多少傾いたときであっても、排出筒14をスムーズに回動させることができ、回動用モータ14bへ掛かる過負荷を防止することができる。
【0092】
図27、及び図28で示すように、前記操作装置21aの表面板21hの外側面には、移送排出筒装置6と排出筒14等とを操作する各種レバーと、スイッチ等とを設ける。
前記エンジン21cの回転動力を、穀粒移送排出経路へ回転駆動動力の入力を「入」−「切」操作して、穀粒の排出を開始するときに操作する、図27で示すように、排出スイッチ25aを設け、この排出スイッチ25aの「ON」−「OFF」により、ランプ25bが点灯、点滅、消灯する構成である。
【0093】
又、前記移送排出筒装置6(表示用マークはオーガと表示している。)を上昇、下降、左旋回、右旋回をさせるときに操作する操作スイッチレバー26eと、排出筒14の左回動、右回動、及び移送排出筒装置6の移動用移送筒13の伸張と短縮させるときに操作する回動スイッチレバー26fとを設けている。
【0094】
更に、前記移送排出筒装置6の移動用移送筒13の伸張位置(張出位置)を設定するダイヤル方式の位置をセットダイヤル26bと、移送排出筒装置6を自動で旋回、伸張(張出)、短縮(収納)を行せるときに個別に操作する自動伸縮スイッチ25dと、移送排出筒装置6を緊急停止させるときに操作する緊急停止スイッチ25e等を設ける。
【0095】
前記移動用移送筒13を、長手方向へ伸張、又は短縮移動させるときの操作と、この移動用移送筒13の移送終端部に設けた排出筒14を円周方向の左側、又は右側へ回動させるときの操作とは、図27、及び図28で示すように、操作装置21a表面板21hより、突出させて設けた一本の回動スイッチレバー26fの操作により、これら両者が始動制御される構成である。
【0096】
前記回動スイッチレバー26fの操作により、「ON」−「OFF」方式のスイッチ(図示せず)が「ON」され、この「ON」が操作装置21aへ内装した制御装置21fへ入力され、この入力に基づいて、この制御装置21fにより、移動用モータ9b、及び回動用モータ14bが始動制御され、移動用移送筒13、及び排出筒14等が作動制御される構成である。
【0097】
穀粒を機外へ移送排出する移送排出筒装置6の移動用移送筒13の長手方向への伸張、又は短縮移動操作と、排出筒14の円周方向の左側、又は右側へ移動操作とは、一体の回動スイッチレバー26fの操作で行うことにより、操作が簡単であり、操作性の向上を図ることができる。又、コスト低減を図ることができる。
【0098】
前記操作レバースイッチ26eと、回動スイッチレバー26fとは、図27で示すように、操作装置21aの表面板21hから突出させて、前後方向へ略45度の角度で、前方方向へ所定間隔(h)をおいて配設する。これにより、操作スイッチレバー26eと、回動スイッチレバー26fとは、いずれか一方を操作しても、他方へ作業者の手が当接することがなく、このために、操作が容易である。又、操作装置21aの表面板21hをコンパクトにすることができる。
【0099】
前記操作装置21aの表面板21hには、穀粒を機外へ移送排出する排出作業を開始するときに操作する「ON」−「OFF」スイッチ方式の排出スイッチ25aを、図27で示すように、設けると共に、穀粒の排出作業を停止するときには、この排出スイッチ25aか、又は緊急停止スイッチ25eかいずれか一方を、「OFF」操作により、穀粒の排出作業が停止できる構成である。
【0100】
穀粒の排出作業を停止させるときには、排出スイッチ25aか、緊急停止スイッチ25eかのいずれか一方を、「OFF」操作する構成とし、通常使用する排出スイッチ25aと、緊急時に操作しやすい緊急停止スイッチ25eとの二系統にすることにより、操作性が向上を図ることができる。
【0101】
前記エンジン21cの回転動力は、図9で示すように、このエンジン21cへ軸支したエンジンプーリ21dと、タンク移送螺旋4dへ軸支したタンクプーリ4eとにベルト21eを掛け渡して伝動する構成である。このベルト21eには排出クラッチ装置26cをテンションモータ26aのモータ軸26dへ軸支して設ける。
【0102】
前記排出スイッチ25aの「ON」操作により、排出クラッチ装置26cが、テンションモータ26aで回動されて「入」状態となり、ベルト21cが張状態に作動し、エンジン21cの回転動力がタンク移送螺旋4dへ入力され、このタンク移送螺旋4d、移送排出筒装置6の各螺旋5a,7、及び移動螺旋軸9等の穀粒を機外へ排出する排出経路の部品が回転駆動される構成である。又、排出スイッチ25aの「OFF」操作により、エンジン21cの回転駆動は、入力されなくなる。
【0103】
図27で示すように、前記排出クラッチ装置26cを、「入」−「切」操作は、手動操作方式の排出クラッチレバー26hを、操作装置21aへ設けている。又、この排出クラッチレバー26hの「切」側には、「ON」−「OFF」スイッチ方式の排出スイッチ26jを設けている。この排出スイッチ26jが「OFF」に操作制御されると、この「OFF」制御に伴い、排出筒14の排穀口14aは、下方へ回動移動制御される構成である。又、この下方への回動移動は、手動回動速度より、速い速度で下方へ回動移動制御される構成である。
【0104】
これにより、前記排出クラッチレバー26hの「入」操作により、排出スイッチ26jが「OFF」になり、排出筒14の排穀口14aが下方向きに回動移動制御されることにより、排出筒14が上方向きのままで穀粒が移送されて、この排出筒14内へ穀粒が溜り、穀粒の詰りが発生するが、これを防止できる。又、穀粒が排出筒14部へ移送されるまでに、この排出筒14は下方へ回動移動制御されることにより、穀粒の詰りを防止できる。
【0105】
手動方式の前記排出クラッチレバー26hを、操作装置21aへ設けている。又、この排出クラッチレバー26hの「入」側には、図27で示すように、「ON」−「OFF」スイッチ方式の排出スイッチ26jを設けている。この排出スイッチ26jが「ON」に操作制御されると、この「ON」制御に伴い、排出筒14の排穀口14aは、下方へ回動移動制御される構成である。又、この下方への回動移動は、手動回動速度より、速い速度で下方へ回動移動制御される構成である。
【0106】
これにより、前記排出クラッチレバー26hの「入」操作により、排出スイッチ26jが「ON」になり、排出筒14の排穀口14aが下方向きに回動移動制御されることにより、排出筒14が上方向きのままで穀粒が移送されて、この排出筒14内へ穀粒が溜り、穀粒の詰りが発生するが、これを防止できる。又、穀粒が排出筒14部へ移送されるまでに、この排出筒14は下方へ回動移動制御されることにより、穀粒の詰りを防止できる。
【0107】
前記移送排出筒装置6の固定用移送筒8の前方部の所定位置を支持するオーガ受装置33の全高を高くして、従来は排出筒14部が所定角度で上方へ位置すべく、前方の先端部を高所位置とし、後方基部を低所位置として、所定角度に傾斜させて設けた構成であったが、これをこの排出筒14部が回動移動する構成としたことにより、図10で示すように、前後方向に略水平状態に支持させるべくオーガ受装置33の受主柱33aの全高を低くして、この受主柱33aの上端部には、受ガイド33bを設け、この受ガイド33bで略水平状態に支持させる。又、これら固定用移送筒8と移動用移送筒13の地上高を低くしたことにより、コンバイン1の収納スペースを低くすることができる。
【0108】
前記穀粒移送排出筒装置6の固定用移送筒8、及び移動用移送筒13は、最下端位置を略水平状態に下降制御されることにより、操作が簡単である。又、コンバイン1の収納スペースを低くすることができる。
【0109】
前記オーガ受装置33は、図10で示すように、如く上下方向へ受主柱33aを、従来の如く調節方式でなく固定方式とし、排出筒14の排穀口14aを収穫作業時には、上方へ回動移動させることができる構成としたことにより、地上面より、排出筒14の最下面までの高さは、従来の排出筒14と同じ地上高を得ることができる。
【0110】
前記固定用移送筒8に長手方向へ伸縮自在な移動用移送筒13を挿入して設けている。図29で示すように、圃場から水路を経て、農道上のトラックの荷台へコンバイン1の穀粒貯留タンク4c内へ貯留した貯留穀粒を排出するときには、図27で示す操作装置21aの操作スイッチレバー26eと、自動伸縮スイッチ25dと位置セットダイヤル26bとを操作して、トラックの荷台の上側の所定位置へ移動用移送筒13の前端部へ設けた排出筒14を位置させる。
【0111】
又、その後に前記回動スイッチレバー26fを操作して、排出筒14の排穀口14aを真下へ回動させる。更に、その後に排出スイッチ25aを操作して、排出作業を開始する。
【0112】
排出作業が終了すると、前記排出筒14の排穀口14aを、図29で示すように、回動スイッチレバー26fを操作して、排出筒14の排穀口14aを上向きに回動させる構成である。
【0113】
図30で示すように、前記排出筒14の排穀口14aからトラックの荷台へ穀粒を均等に排出させるときは、図27で示す回動スイッチレバー26fを左側、又は右側へ回動させて均等に穀粒をトラックの荷台へ排出される。
【0114】
図30で示すように、前記移送排出筒装置6を収納位置へ操作するときには、自動伸縮スイッチ25dを収納側へ操作することにより、自動収納されると共に、排出筒14の排穀口14aが上方へ回動する構成である。
【0115】
次に、前記移送排出筒装置6の各部を制御するが、この各部の制御を主に説明する。
前記移送排出筒装置6の移動用移送筒13の排出筒14の左右両側へ図1、及び図2で示すように、設けた超音波方式の距離検出装置6aが、図3〜図5で示すように、例えば、図1の示すよう、排出作業中に排出筒14の排穀口14aから排出される穀粒を、例えば、貯留箱であるトラックの荷台へ排出中であると、左右両側の距離検出装置6aで排出中の穀粒の上端部面位置から、各距離検出装置6a,6aの下端部位置までの間の両距離値が検出されて、この両検出距離値が操作装置21aの制御装置21fへ入力される。これら両者の入力値により、排出筒14は、穀粒を排出する所定の適性位置にあるとこの制御装置21fで判定制御する構成である。
【0116】
又、図4、及び図5で示すように、一方側の左側、又は右側へ排出筒14を回動移動操作したいときには、各距離検出装置6a,6aの一方側からは、検出距離値が制御装置21fへ入力されるが、他方側からは、検出距離値がこの制御装置21fが入力されず、応答がないときには、これら図4、及び図5に示すように、排出筒14は、穀粒を排出するに不適当な位置へ回動移動されていると制御装置21fで判定制御する構成である。
【0117】
穀粒を移送排出する前記移送排出筒装置6の移動用移送筒13の移送終端部に設け、左右両側へ回動自在の排出筒14の左右両側には、この排出筒14の排穀口14aから排出される排出先端部までの距離を検出する各距離検出装置6aを設けたことにより、排出筒14を回動移動させた時に、排出筒14の排穀口14aの先端部が穀粒を受ける、例えば、トラックの荷台へ位置しているか否かが検出されて、判定できることにより、排出する穀粒は、荷台からこぼれることを防止できる。
【0118】
前記排出筒14の左右両側へ設けた各距離検出装置6aのいずれか一方側から検出した検出距離値が、操作装置21aへ内装した制御装置21fへ入力されない状態で応答がないときには、この検出距離値が入力されずに応答がない側へは、図7、及び図8で示すように、排出筒14の回動用モータ14bを制御装置21fで始動制御せずに、この排出筒14を回動移動制御しない構成である。
【0119】
前記排出筒14の左右両側へ設けた距離検出装置6aのいずれか一方側から距離検出値が制御装置21fへ入力されずに応答がないときには、入力されずに応答がない側へは、排出筒14を制御装置21fで回動制御しないことにより、排出筒14が、例えば、トラックの荷台からさらに外れるような操作をした時(誤操作した時)であっても、穀粒をトラックの荷台へこぼれることを防止できる。このために、穀粒のロスの減少を図ることができる。
【0120】
前記排出筒14の左右両側に設けた各距離検出装置6aのいずれか一方側、又は両方側から検出した検出距離値が、操作装置21aの内装した制御装置21fへ入力されない状態で応答がないときには、移送排出筒装置6を「始動」−「停止」操作する排出クラッチ装置26cを制御装置21fで「切」操作し、エンジン21cの回転動力が、移送排出筒装置6へ入力されない状態に操作制御して、穀粒の移送排出を制御装置21fにより、中断、又は停止制御する構成である。
【0121】
前記排出筒14の左右両側に設けた各距離検出装置6aから検出距離値が制御装置21fへ入力されずに応答が一方側、又は両方側からないときには、穀粒を移送排出する移送排出筒装置6を「始動」−「停止」操作する排出クラッチ装置26cを制御装置21fで「切」操作制御され、穀粒の移送排出を中断、又は停止制御すべく設けたことにより、穀粒排出作業中に排出筒14の排穀口14aが、例えば、トラックの荷台から外れるような操作した時(誤操作した時)であっても、穀粒が荷台外へのこぼれを最小限に防止できる。このために、穀粒のロスの減少を図ることができる。
【0122】
図1、及び図2で示すように、前記排出筒14の左右両側へ設けた各距離検出装置6aのいずれか一方側から検出の応答がない側への排出筒14の回動移動制御を行わない構成とすると共に、所定角度移動の応答のある側へのこの排出筒14を回動移動制御を行う構成である。
【0123】
これにより、上記の記載のように制御することにより、前記排出筒14を、トラックの荷台の内側へ回動移動させることで、荷台の外側への穀粒のこぼれを確実に防止することができる。
【0124】
前記排出筒14の左右両側へ設けた各距離検出装置6aが検出する検出値により、操作装置21aへ内装した制御装置21fで排出筒14の自動移動制御により、手動操作を優先する手動優先回路を、制御装置21fへ内装し、CPU21jを設けた構成である。
【0125】
これにより、手動優先回路を設けたことにより、危険時の緊急回避や前記距離検出装置6aの誤検出時の手動操作が可能になる。
前記排出筒14の左右両側に設けた各距離検出装置6aのいずれか一方側から検出の応答がないときには、移送排出筒装置6を「始動」−「停止」操作する排出クラッチ装置26cを「切」操作制御し、穀粒排出を中断、又は不可として、応答のある側へ排出筒14を回動移動制御し、両方の各距離検出装置6aから応答がある位置で排出筒14の回動移動を停止制御し、穀粒排出を再開始、又は実施開始する構成である。
【0126】
これにより、上記に記載の制御とすることにより、トラックの荷台の外側へ穀粒のこぼれを防止できる。又、自動的に荷台内へ移動制御し、穀粒の排出を再開始することで省力化ができる。
【0127】
前記排出筒14の左右両側へ設けた各距離検出装置6aの検出値により、排出筒14の排穀口14aとの距離が、図6で示すように、所定値以下を検出したときには、穀粒排出を中断せずに、この排穀口14aとの距離を所定値以上を保持すべく図19で示す上下モータ29、及びガスダンパ31等により、移送排出筒装置6を基部に回動中心として、移送終端部側を上昇制御する。又、この移送排出筒装置6が上限上昇位置にあるときには、穀粒の排出を中断すべく排出クラッチ装置26を「切」操作制御する構成である。
【0128】
これにより、上記に記載の制御とすることにより、前記排出筒14の排穀口14a位置との距離を所定値以上に保つことができて、穀粒の詰りを防止できる。又、手動による操作が不要であり、省力化ができる。
【0129】
前記移送排出筒装置6の固定用移送筒8の外周部へ挿入して、伸縮移動自在な移動用移送筒13は、図32〜図35で示すように、前移動用移送筒36と後移動用移送筒37とに、前後に二分割した構成とし、これら前・後移動用移送筒36,37には、各接続具38を設け、ボルト、及びナット等によって、装着して、一体に形成した構成である。
【0130】
前記後移動用移送筒37は、上後移動用移送筒37aと、下後移動用移送筒37bとに上下に二分割にしている。これら上後・下後移動用移送筒37a,37bは、図35で示すように、鉄板材により、半円形状に形成すると共に、この半円形の左右両側部に各フランヂ37cを設け、上後・下後移動用移送筒37a,37bの左右両側部で上下の各フランヂ37c部を前後方向に複数個のボルト、及びナット等により、装着して一体に形成して、筒体とした構成である。
【0131】
又、前記移動用移送筒13の後移動用移送筒37の前後方向の全長(L4)は、これら前・後移動用移送筒36,37が伸縮移動する伸張量(L5)より、長くして設けた構成である。
【0132】
更に、図36〜図38で示すように、前記後移動用移送筒37の下後移動用移送筒37bを取り外し、後支持メタル27のベアリングの内側へ内装した補助軸7cへ挿入して、軸支した後移動螺旋軸10の後固定ボス10aをボルトにより装着した、このボルトをゆるめることにより、後移動用移送筒37と前移動用移送筒36と排出筒14と、これらに、内装軸支した移動螺旋軸9と、この移動螺旋軸9へ軸支した前・後・中移動移送螺旋11,10,12とを、一体で分解取り外しができる構成である。
【0133】
前記移動用移送筒13を前・後移動用移送筒36,37に前後に二分割すると共に、この後移動用移送筒37は、上後・下後移動用移送筒37a,37bに上下に二分割し、下後移動用移送筒37bをボルト、及びナット等により、着脱自在に設けて、取り外しすることにより、内部の残穀粒の取り出し、及び清掃が容易である。又、後移動用移送筒37の全長(L4)を伸張量(L5)より、長くしたことにより、必ず、各移動移送螺旋11,10,12部を露出させることができる。更に、伸縮移動部全体を取り外しができることにより、分解、及びメンテナンス性が向上する。
【0134】
図32、及び図33で示すように、前記下後移動用移送筒37bを取り外したときであっても、固定用移送筒8に伸縮移動装置9aが装着状態のままであることにより、各移動移送螺旋11,10,12の露出部を伸縮させることができる。又、これら各移動移送螺旋11,10,12と固定用移送筒8の移送終端部とが露出するように前・後移動用移送筒36,37に分割した構成である。
【0135】
これにより、前記各移動移送螺旋11,10,12の露出部を拡大、又は縮小できることにより、清掃のスペースを大きくすることができる。又、固定用移送筒8の移送終端部へ設けたダストシール8cのチェックが容易である。
【0136】
図35、及び図39で示すように、下後移動用移送筒37bの外周の下側部へズヒ等により、装着して設けた各ローラ装置28は、ローラ受具28aと、ローラ部のローラ(バンコランベアリング)28bと、ローラカラー28dと、ローラピン28とを、一体で着脱自在である。ローラ(バンコランベアリング)28bは、容易にローラ受具28aから取り外し可能に設けている。又、上側のローラ装置28は、通常のローラ28bを使用し、下側の二個のローラ装置28を取り外して移動用移送筒13の先端部を上下に振動させることにより、がたを増加させることができる構成である。
【0137】
これにより、下側の各ローラ装置28の取り外しが容易である。又、ダストシール8cへ溜った塵埃の除去が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】距離検出装置の取付部の正面図
【図2】距離検出装置の取付部の側面図
【図3】距離検出装置の取付部の作用正面図
【図4】距離検出装置の取付部の作用正面図
【図5】距離検出装置の取付部の作用正面図
【図6】距離検出装置の取付部の作用正面図
【図7】排出筒部の拡大側断面図
【図8】排出筒部の拡大正断面図
【図9】排出クラッチ装置部の平面図
【図10】コンバインの左側全体側面図
【図11】移送排出筒装置部の最短縮時の拡大側断面図
【図12】移送排出筒装置部の伸張途中時の拡大側断面図
【図13】移送排出筒装置部の最伸張時の拡大側断面図
【図14】固定用移送筒と、移動用移送筒との拡大側断面図
【図15】図14のA−A断面図
【図16】前・中・後移動移送螺旋の拡大側面斜視図
【図17】中移動移送螺旋部の拡大側面図
【図18】中移動移送螺旋の拡大側面斜視図
【図19】移送排出筒装置の昇降回動部の拡大側面図
【図20】移送排出筒装置の昇降回動部の拡大平面図
【図21】移動用移送筒の移送終端部の拡大側面図
【図22】ハーネス配設部の拡大側断面図
【図23】ハーネス配設部の拡大正断面図
【図24】排出筒のストッパ部の拡大作用正面図
【図25】詰りセンサのワイヤの配策部の拡大正断面図
【図26】詰りセンサのワイヤの配策部の拡大側断面図
【図27】操作装置部の拡大平面図
【図28】操作装置部の一部の拡大側面図
【図29】移送排出筒装置の作用側面斜視図
【図30】排出筒の作用正面図
【図31】移送排出筒装置の収納時の作用側面図
【図32】他の実施例を示す図で、移送排出筒装置部の一部断面した側面図
【図33】他の実施例を示す図で、移送排出筒装置部の側面図
【図34】他の実施例を示す図で、移送排出筒装置部の側断面図
【図35】他の実施例を示す図で、ローラ装置部の拡大正断面図
【図36】他の実施例を示す図で、後移動用移送筒部の拡大側面図
【図37】他の実施例を示す図で、図36のB−B断面図
【図38】他の実施例を示す図で、移動用移送筒部の側面図
【図39】他の実施例を示す図で、ローラ装置部の拡大側面斜視図
【符号の説明】
【0139】
6 移送排出筒装置
6a 距離検出装置
8 固定用移送筒
13 移動用移送筒
14 排出筒
14a 排穀口
21f 制御装置
26c 排出クラッチ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を移送する移送排出筒装置(6)の一部を構成する固定用移送筒(8)外周部へ挿入して伸縮自在な移動用移送筒(13)と、該移動用移送筒(13)の移送終端部側に粉粒体を排出する排穀口(14a)を有して、左右両側へ回動自在な排出筒(14)等とを設けた構成において、前記排出筒(14)の左右両側に排穀口(14a)から排出先端部までの距離を検出する距離検出装置(6a)を設けたことを特徴とする粉粒体搬送装置。
【請求項2】
前記排出筒(14)の左右両側に設けた距離検出装置(6a)から距離検出の応答がない側へは、排出筒(14)を回動移動制御しない制御装置(21f)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の粉粒体搬送装置。
【請求項3】
前記排出筒(14)の左右両側に設けた距離検出装置(6a)から距離検出の応答が一方側、又は両方側からないときには、移送排出筒装置(6)を「始動」−「停止」操作する排出クラッチ装置(26c)を「切」操作して穀粒の移送排出を中断、又は停止制御する制御装置(21f)を設けたことを特徴とする請求項1、請求項2に記載の粉粒体搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2007−6781(P2007−6781A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−191811(P2005−191811)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】