説明

粒子フィルター再生中のPAH排出の最小限化

本発明によれば、粒子フィルターを備えるディーゼル自動車の排気ガス系からの多環式芳香族炭化水素(PAH)の排出を、最小限にするか又は防止することができる。粒子フィルターの再生中に、多環式芳香族炭化水素(PAH)は、初めに吸着層に固定され、その場で、高温分解される。好ましくは、分解生成物はその後、酸化工程において除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子フィルターの再生又はこれに必要とされる円滑手段中に粒子フィルターからの、予想されるPAH(PAH=多環式芳香族炭化水素)の排出を最小限にするか、又は防止する方法、及びこの方法を実行するのに好適な触媒配置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、低消費量ディーゼルエンジンは、COの削減を助成する車両の駆動システムとして必要不可欠なものであり、欧州における将来市場の重要なシェア(>60%)を占めると考えられている。しかしながら、ディーゼルエンジンの、作動原理により発生する酸化窒素及びすす粒子の大量の排出物質は欠点であり、また、エンジン設計対策は別にして、このような大量の排出物質は、高価な排気ガスの後処理でしか防止することができない。脱NOシステム及び粒子フィルターシステムが近年開発されており、一部では既に連続生産されている。これらのシステムはコストがかさみ、また、自動車の二次排出物質のリスクを決して増大させることはない。
【0003】
排気ガスターボチャージャーシステムと直接噴射を備える現代のディーゼルエンジンの利点は、低速領域においても燃料消費量が小さく、トルクが大きいことである。最終的な顧客によって評価されるこれらの利点は、近年、欧州における市場シェアにおいて明らかに拡大している。既に幾つかの国では、50%の水準を超えている。欧州では、2005年に、平均して50%の市場シェアが予想されている。
【0004】
例えば、二段過給、混合物の改善された処理、及び燃焼の非常に正確な制御、並びに特に、操作のダイナミック方式の最適化等のエンジンを最適化するのに依然として利用可能な全ての対策にもかかわらず、複雑な排気ガスの処理を、数年以内にディーゼル自動車から完全に省くことは期待できない。
【0005】
すすに加えて、それらの上に堆積する多環式芳香族炭化水素(いわゆるPAH)並びに硫酸塩、エンジン磨耗及びオイル添加剤による水及び金属酸化物が、ディーゼル燃料の燃焼中に形成される。現在使用されている酸化触媒は、可燃性ガス状成分(CO及びCH)に加えて、堆積する炭化水素(いわゆるSOF)の大部分を変換するため、粒子の排出におけるわずかな削減(<30質量%)に寄与する。現在、従来の触媒技術によって、非常に複雑な粒子を化学的に完全に除去することはできない。捕集粒子(すす粒子)の存在下での高い信頼性のある唯一の方法というのは、好適なフィルターエレメントを用いて捕集粒子をフィルター処理し、その後フィルターエレメントを燃焼(再生)することに見い出されている。
【0006】
すす粒子及びそれらの上に堆積する付加物をフィルター処理するための様々なフィルター技術が開発されている。以下の一般的な構造形態が知られている。
【0007】
ハニカムフィルター(セラミックセルフィルター)は、押出プロセスを用いて、コージライト、炭化ケイ素(RSiC)、ムライト又は他のセラミック材料から製造されている。これらのフィルターを用いて、排気ガスフロー(流れ)をフィルター壁に通過させ、その結果、すす粒子がフィルター処理により除去され、すすの層が形成され、これにより、確定的な排気ガスの逆圧が経時的に起こる。
【0008】
キャンドルフィルターはセラミック繊維から製造され、このセラミック繊維は、フィルターキャンドルを形成するように巻きつけられている。フィルターは、酸化ケイ素又は酸化アルミニウムから成り、フィルター処理を改善するように特別に加工されている。フィルターキャンドルを貫流する間、粒子は繊維間に付着力及び衝突により堆積し、原則(いわゆる、ディープベッドフィルター)として、すすの層は形成されない。
【0009】
焼結金属フィルターに関して、金属繊維が互いに焼結して、フィルタープレートを形成する。フィルタープレートを貫流させる間、すす粒子はフィルタープレートの表面(表面フィルター)上に堆積する。
【0010】
フォームフィルターに関して、発泡体は酸化アルミニウム又は炭化ケイ素(SiC)から製造され、排気ガスをこの発泡体に貫流させると、すす粒子はその構造内に堆積する。フィルター効率は孔径により制御することができるが、一般的に、自動車分野における要求としては不十分である。
【0011】
堆積したすすは、フィルター設計に関係なく、連続的に又は周期的に除去されなければならない。このため、フィルターの温度は、一般的に、捕集された炭素粒子の信頼性が高く、迅速な燃焼を可能にする値にまで一時的に上げられる。
【0012】
すす粒子の効率的な燃焼に関して、620℃を超える温度が要求され、この効率的な燃焼は、全負荷運転(例えば、トレーラー荷重での上り坂移動時)におけるディーゼル排気ガス自体においては達成されにくい。したがって、再生条件を設定するために、さらなるエネルギーが供給される必要があり、不連続荷重及び再生のプロセスが一般的に付随する。必要なエネルギーの供給に関する様々な可能性(例えば、燃料の後注入及びその後のOxicatにおける発熱反応、電気ヒーター又は他のイグニッション補助の使用、(燃料)バーナーの使用、並びに、すすが主にOラジカルを用いた酸化によって再生される非熱的プラズマ(NTP)プロセスの使用)が存在する。
【0013】
対応するプロセス及び装置が従来技術に記載されている。特許文献1は、部分的に特にフィルター材料の編物で充填されている、ガス吸気口とガス排気口とが連結し、かつ、中空体を含む容器を備えるディーゼル内燃機関において、すす粒子の排出量を削減する装置を開示しており、触媒添加剤は内燃機関の燃料の上流に供給され、フィルター材料は、複数の編まれたセラミック束を有し、このセラミック束は、一端から巻かれたセラミック微細糸で編まれたでチューブあり、これは、耐熱ワイヤによって通され、チューブの粗い網目幅は特定の大きさを有し、耐熱ワイヤは編物のそれぞれ個別の網目を通る。
【0014】
特許文献2は、粒子収集フィルターを備える排気ガス排出制御システムを開示しており、この制御システムにおいて、フィルターは、再生ガスフローの上流に位置するフィルター部分及び下流に位置するフィルター部分に少なくとも1つの触媒を有しており、また、燃料を含有するこの再生ガスを用いて再生され、制御システムは、フィルターをいつ再生する必要があるかを決定する手段を備えている。このフィルターの場合、制御システムは、温度を制御することにより、再生ガスフローの下流に位置するフィルター部分でのみ粒子の燃焼を達成し、フィルターを再生する必要がある場合、再生ガスにおける燃料の燃焼が、下流に位置するフィルター部分でのみ達成される粒子燃焼制御手段と;上流に位置するフィルター部分の触媒下で、燃料が再生ガス中で燃焼することにより、下流に位置するフィルター部分における粒子の燃焼を、再生ガスフローの上流に位置するフィルター部分へ伝播させる燃焼伝播制御手段とを備えている。
【0015】
ディーゼルすすにより生じる健康上のリスクは、上記の堆積物に起因すると認識されており、特に、多環式芳香族炭化水素(PAH)、及びこれらの中でも、ニトロPAHに加えて、ナフタレン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、ピレン、ベンズ(a)アントラセン、クリセン、ベンゾ(b)フルオランテン、ベンゾ(f)フルオランテン、ベンズ(a)ピレン、ジベンズ(ah)アントラセン、ベンゾ(ghi)ペリレン及びインデノピレンからなる群からのPAHが、特に危険であると分類される。
【0016】
粒子フィルターの再生中には、上述のように、620℃を越える温度にまで、温度を上げなければならない。エンジン及びまた排気ガスシステム全体の大きい熱容量のために、この温度は、相当な時間的遅延を伴ってでしかフィルター全体に到達せず、このため結果的に、フィルターはゆっくり加熱される。
【0017】
ここで、PAHの燃焼温度に最初から到達させることができないために、他の付加物(例えばSOF)に加えて、PAHは主にすす粒子から時期尚早に脱着され、排気ガスフローによって排気ガスシステムから排出されるというリスクがある。そのため、フィルター効果は、健康に有害な物質の効果的なフィルター処理に対して逆効果となる場合がある。
【特許文献1】国際公開第WO96/24755号
【特許文献2】欧州特許第0,703,352号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
それゆえ、本発明の基礎を構成する目的は、排気ガスシステムからのPAHの排出を最小限にするか、又は防止する触媒、並びに方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、この目的は、粒子フィルターを用いてディーゼル作動エンジンの排出物質を削減する方法であって、粒子フィルターの再生中に、多環式芳香族炭化水素(PAH)を、初めに吸着層に固定し、その場で、(時間的遅延を伴って)高温分解する方法で達成される。このように得られるPAHの分解生成物は、容易に、既知の構造種の酸化触媒を用いて破壊することができる。
【0020】
本発明による方法は、予想されるPAH排出を明らかに低減させ、それによって、ディーゼル粒子フィルターの再生におけるいずれかの健康上のリスクを削減し、また、エンジンを円滑にするプロセスにおいて、排気ガス温度の所望の上昇をもたらす。また、本方法は、高い適応性が顕著であり、このため、全ての従来のフィルターシステムに適用することができる。この場合、本発明による方法が硫黄に対する高い非感受性を有しており、品質の低い燃料を有する国々で使用しても安全であるため、さらに有益である。
【0021】
本発明によれば、すす粒子からのPAHの堆積後、PAHは、フィルター材中の好適な吸着層中に又は個別のブリック上に固定され、その後、排気ガスフローによって環境に入り込むおそれはない。フィルターにおける時間的遅延を伴う温度上昇により、PAHは、低分子量の容易に破壊される化合物に変換(主に分解)される。
【0022】
例えば、天然系の(すなわち、自然界で分解され得る)吸着層は、本発明による方法で使用することができると考えられる。この場合、好ましい吸着層は、変性粘土鉱物、特にスメクタイト群の変性粘土鉱物である。モンモリロナイト、すなわちベントナイトの主成分が、これらの鉱物の最も重要な代表物質である。しかしながら、より高価な合成代表物質であるメソ多孔質分子篩(例えばM41S)又は疎水性で温度の影響をあまり受けないゼオライトもこの用途のために考えられる。
【0023】
本発明による好ましい方法において、吸着は、無機吸着剤及び触媒、好ましくは変性粘土鉱物、特に好ましくはスメクタイト群、又はM41Sに関連するシリケートの変性粘土鉱物からなる吸着層上で行われる。
【0024】
ベントナイトという用語は、火山灰の風化によって形成される泥質岩を表わす。ベントナイトの性質は、粘土鉱物であるモンモリロナイトによって決定される。ベントナイトを特に傑出させ、ベントナイトを有益にするものは、柱引プロセス(pillaring process)、すなわちシリケート層構造の意図した膨張を起こす、ベントナイトの優れた能力である。モンモリロナイトは、フィロシリケートの群に属するアルミニウムハイドロシリケート(層状シリケート)である。モンモリロナイトは、(複八面体の)層状シリケートの群の主要な代表物質であり、スメクタイトとも呼ばれている。実際には、ベントナイト、スメクタイト及びモンモリロナイトは、膨潤可能な多層シリケートの別名として用いられる。さらに、ベントナイトは、石英、長石、マイカ等の付随する鉱物を含み得る。
【0025】
モンモリロナイト結晶は、約15〜20の基本層から構成される。結晶化の水に加えて、格子(四価のアルミニウム)の負の過剰電荷を補正する交換性カチオンが、これらの層の間に位置している。交換性カチオンは格子と疎結合し、他のカチオンで、又は正に帯電する有機分子(例えば、アルキルアンモニウム塩)でも置き換えることができる。ベントナイト又はモンモリロナイトは、イオンの交換、及び一般的に高い極性の有機粒子を包含するという著しい性能を有する。モンモリロナイトの比表面積は、柱引状態(pillared state)において、最大800m/gに達することができる。実際にはわずか300〜400m/gしか達成されないことが多く、これは主に構造欠陥によるものである。
【0026】
以下のベントナイトが有名である。スメクタイト群が、中間層においてCa2+又はMg2+イオンでほとんど排他的に覆われているカルシウムベントナイト;スメクタイト群が、中間層においてNa2+イオンで優先的に覆われているが、Ca2+又はMg2+又はNHイオンもまた異なる量で存在し得るナトリウムベントナイト(天然ベントナイト);中間層の本来のカチオンコーティングが、アルカリ活性によりNaイオンを介して交換される活性型ベントナイト、又は本来のカルシウムベントナイト;スメクタイト群が、大きい表面積を生み出す特別なプロセスにおいて、酸と共同して部分的に溶解される酸性活性型ベントナイト;中間層のカチオンが、極性有機分子(例えば、四級アンモニウム化合物)と交換されるオルガノベントナイト。ベントナイトはまた、この疎水化の結果、極性液体中で膨潤可能である。
【0027】
特定の変性粘土鉱物、特にスメクタイト群の変性粘土鉱物及びこのようなモンモリロナイトの変性粘土鉱物は、すすから脱着できるPAHの吸着/包含に非常に好適であることが分かった。一方、変性粘土鉱物は、温度を上げることで、捕集されたPAHを効率的に分解することができる。この場合、本発明による方法は好ましくは、低分子量で、それゆえ容易に分解可能な(Oxicat)化合物が、分解プロセスの生成物となるように実施される。本発明の観点から、触媒による分解が、2〜6個の炭素原子を有するHC(O)部(fraction) (鎖長)を選択的に形成することを特徴とする方法が好ましい。
【0028】
上述の変性粘土鉱物に代えて、又は補足的に、M41S等の、酸性ゼオライト及び他のテクトシリケート(固体酸)をPAH用の吸着剤として使用することもできる。
【0029】
活性化された疎水性ゼオライトはMFI構造を有しており、ZSM−5等のZSMゼオライトが好ましい。これらは、総体的な一般式[Na(HO)16][AlSi96−n192]−MFI(n<27)を有する。一方、活性を増大させる変性は、ナトリウムイオンを完全に又は部分的にHに交換して酸性ゼオライトを得るか、又は、ゼオライトは、金属を添加することによって変性することもできる。吸着層として使用することができるゼオライトとしては、特に酸性、金属変性(Cu、Fe)であることから酸化活性なゼオライトが挙げられ、高価で(排出すると)毒性のある貴金属の使用が必要なくなる。
【0030】
メソ多孔質で非晶質のシリケート及びアルミノシリケートMCM−41材料も、吸着層として好ましい。M41S材料の群に属する六方晶MCM−41相は、直径が2nm〜10nmの範囲のメソ多孔を有しており、また、1,000m/gを超える比表面積を有する。
【0031】
本発明による特に好ましい方法では、分解プロセスによって形成されるH(O)C部は、排気ガスフローによって環境には出ないが、酸化して水及び二酸化炭素を形成する。本発明の方法によれば、分解されたHC部が、さらなる工程において酸化コーティング全体に向かい、好ましい。
【0032】
本発明による好ましい方法は、2つの工程(その後の分解を伴う吸着、並びに生成物の酸化)が、触媒により実施されることを特徴とする。このため、PAHは、初めに吸着され、次に分解され、その後、分解生成物が酸化触媒全体に誘導される。本発明による好ましい方法において、2つの工程は、1つの触媒によるマルチブリックシステム又はゾーンコーティングとして示される。
【0033】
さらに本発明は、排気ガス浄化法を行うディーゼル粒子フィルター(DPF)に関する。このようなDPFは少なくとも1つの成分を有しており、PAHを効果的に捕集し、かつ、好適な方法でその後温度を上げることにより、これらを化学的に変換することができる。このため、触媒による分解及び任意のその後の酸化は、構造部分において適切に行われる。
【0034】
本発明による方法を実施するための、本発明によるディーゼル粒子フィルター(DPF)は、ゼオライト及び/又はメソ多孔質及び/又は柱状粘土鉱物からなる吸着層を少なくとも有することを特徴とする。
【0035】
この場合、吸着させ、かつ、分解する材料を、(例えば、ガス排気口ダクトをコーティングすることによって)粒子フィルター内部に直接配置させることができる。しかしながら、選択される材料の温度安定性の欠如により、直接配置させることができないのであれば、吸着させ、かつ、分解する材料を、別々に配置する付加的な触媒ブリック中に含有することもできる。
【0036】
吸着及びその後の分解のためのコーティングのタイプが、担体に沿った特定の配置で適用される、高セル密度基材を用いたフィルター/触媒設計も使用することができる。ゾーン技術を用いる触媒設計が特に好適であり、さらに吸着、分解するコーティングが、触媒吸気口上に適用され、また局部的にさらに酸化させるコーティングが触媒排気口に向けて適用される。しかしながら、原則的に、担体上の触媒の分布(別個のゾーン、マルチブリックシステム又はゾーン配置)に関する限定は何もない。触媒的に活性な化合物が、炭化水素を分解する触媒、特に無機担体、好ましくは変性粘土鉱物、特に好ましくはスメクタイト群の変性粘土鉱物のベースとして使用される場合、形成される炭化水素の酸化のための担体にコーティングを適用するだけで、ゾーン配置を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明を改善するさらなる手段を、本発明の3つの特定の実施形態の説明と共に図面に基づいて、以下に詳細に示す。
【0038】
図1によれば、本発明による方法を実施するディーゼル粒子フィルター1aは、流入する排気ガス2側に吸着層4を有し、ディーゼル粒子フィルター1aから流出する排気ガス3側に酸化コーティング5が設けられている。したがって、全ての排気ガスは、初めにディーゼル粒子フィルター1aの吸着層4、及びその後、酸化コーティング5を貫流する。
【0039】
図2によれば、ディーゼル粒子フィルター1bには、複合コーティングが装着され、その内部で吸着層4’と酸化コーティング5’とが組み合わされて、流入する排気ガス2と流出する排気ガス3との間に配置されている。
【0040】
図3によれば、吸着層4’’が触媒吸気口で流入する排気ガス2側に設けられ、また酸化コーティング5’’が触媒排気口で流出する排気ガス3側に設けられるように、本発明によるコーティングを、ディーゼル粒子フィルター1cの長手方向に沿う特定の配列で適用する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1の実施形態におけるディーゼル粒子フィルターの概略図である。
【図2】第2の実施形態におけるディーゼル粒子フィルターの概略図である。
【図3】第3の実施形態におけるディーゼル粒子フィルターの概略図である。
【符号の説明】
【0042】
1a: ディーゼル粒子フィルター
1b: ディーゼル粒子フィルター
1c: ディーゼル粒子フィルター
2 : 流入する排気ガス
3 : 流出する排気ガス
4 : 吸着層
4’: 吸着層
4’’: 吸着層
5 : 酸化コーティング
5’: 酸化コーティング
5’’: 酸化コーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子フィルター(1a、1b、1c)を用いてディーゼル作動エンジンの排出物質を削減する方法であって、前記粒子フィルター(1a、1b、1c)の再生中、初めに多環式芳香族炭化水素(PAH)を吸着層(4、4’、4’’)に固定し、その場で、高温分解することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記吸着が、無機触媒、好ましくは変性粘土鉱物、特に好ましくはスメクタイト群の変性粘土鉱物からなる吸着層(4、4’、4’’)上で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記吸着が、酸性ゼオライト触媒(固体酸)からなる吸着層(4、4’、4’’)上で行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
分解されたHC部が、さらなる工程において、酸化コーティング(5、5’、5’’)全体に誘導される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記工程が、1つの触媒によるマルチブリックシステム又はゾーンコーティングとして示される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ゼオライト及び/又はメソ多孔質及び/又は柱状粘土鉱物からなる吸着層(4、4’、4’’)を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法を実施するためのディーゼル粒子フィルター(DPF)。
【請求項7】
前記吸着及びその後の分解のための前記コーティングを、担体に沿う特定の配置に、又は担体に対して横方向で適用する、高セル密度基材を用いた触媒設計である、請求項6に記載のディーゼル粒子フィルター。
【請求項8】
さらに吸着させ、かつ、分解するコーティング(4、4’、4’’)を、流入する排気ガス(2)の領域内で触媒吸気口に適用し、また、さらに酸化させるコーティング(5、5’、5’’)を、流出する排気ガス(3)の領域内で触媒排気口に向けて局部的に適用する、ゾーン技法を用いた触媒設計である、請求項6に記載のディーゼル粒子フィルター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−538192(P2007−538192A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517055(P2007−517055)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005284
【国際公開番号】WO2005/113953
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(506425295)ジーエム グローバル テクノロジー オペレーションズ,インク. (22)
【出願人】(506313970)
【Fターム(参考)】