説明

粘着シート

【課題】
より小型化された電子部品をダイシングする場合にも、ダイシング後の電子部品の精度が落ちず、また熱を加えるだけで自然剥離することができる電子部品用の粘着シートを提供する。
【解決手段】
基材フィルム上に熱膨張性粒子と粘着剤とからなる熱膨張性粘着層を有する粘着シートであって、
前記基材フィルムは、熱収縮性フィルム、接着層、非熱収縮性フィルムをこの順に有し、前記熱膨張性粘着層は、厚みが2μm以上、20μm未満であり、かつ前記基材フィルムの前記非熱収縮性フィルムの接着層を有していない方の面に形成されてなり、
前記接着層は厚みが0.5μm〜10μm、15℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×105以上、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×103以上であり、かつtanδ極大温度が5℃以上であることを特徴とする粘着シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイシング時に電子部品を仮固定するための粘着シートに関し、特に、小型化した電子部品を仮固定するための粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハ、セラミックコンデンサなどの電子部品を製造する工程において、ダイシング時に当該電子部品を仮固定するために、再剥離性の粘着シートを使用することが広く知られている。このような粘着シートとしては、基材フィルム上に電離放射線硬化型粘着剤からなる粘着層(以下、電離放射線硬化型粘着層という)を設けた粘着シートが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このような粘着シートは、ダイシング後に電離放射線を照射して粘着層を硬化させることにより粘着性を低下させ、簡単に粘着シートを剥離できるものである。このような粘着シートは、電離放射線を照射させただけでは粘着性はなくなっても自然に剥離することはないため、基材フィルムとして熱収縮性フィルムを含む構成とし、熱を加えることにより基材フィルムを収縮させて電子部品から自然に剥離できるようにしている。しかしながら、このような粘着シートは、電離放射線を照射した後、熱を加えるものであり、工程が煩雑なものとなる。また、2つの設備が必要であり経済性がよくない。
【0004】
また、ダイシング後の粘着シートの剥離作業を簡略化できるものとして、基材フィルム上に熱膨張性粒子を含有する粘着層(以下、熱膨張性粘着層という)を有する粘着シートが提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
このような粘着シートは、ダイシング後に熱を加えて、熱膨張性粒子を膨張させることにより電子部品に接着する面積が小さくなり自然に剥離できるようにしている。このような粘着シートの熱膨張性粘着層は、電子部品との初期の接着性、および加熱後剥離をする際の凝集破壊による糊残りで被着体(電子部品)を汚染しないようにする観点から、通常20μm〜100μm程度の厚みを有するものである。そして熱膨張性粒子は、熱膨張後、粘着層から突出しなければならないという観点から、体積膨張率は5倍〜10倍以上である。熱膨張前の熱膨張性粒子の大きさは、熱膨張性粘着層の厚みによって異なってくるが、厚みが上記範囲の場合は、平均粒子径で10μm〜17μm程度である。
【0006】
ところで、近年、これらの電子部品は、1.0mm×0.5mm以下のサイズのものなど小型化の要望が一層高まっているが、上記特許文献2のような粘着シートをこのような電子部品に用いるとダイシング時の圧力によって、熱膨張性粘着層が動きダイシング後の電子部品の精度が悪くなり歩留まりが低下するという不都合が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−64131号公報(請求項1)
【特許文献2】特開2003−160765号公報(請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明者らは、このダイシング時の圧力によって、熱膨張性粘着層が動き、ダイシング後の電子部品の精度が悪くなり歩留まりが低下する問題について鋭意研究したところ、熱膨張性粘着層の厚みを薄くすることによって解決できること見出した。ところが、単純に熱膨張性粘着層の厚みを薄くし、熱膨張性粒子の大きさを小さいものにすると、電子部品から自然に剥離しにくいものとなってしまった。
【0009】
このような現象が生じる理由は必ずしも明らかではないが、本発明で用いられる熱膨張性粒子の大きさは従来の熱膨張性粒子よりも小さいものであり、加熱後の体積膨張率が同じ程度である場合、加熱後、熱膨張性粒子の熱膨張性粘着層から突出する部分が小さくなる(高さが低くなる)ため、電子部品との接着面積を小さくしにくいことに起因するものと考えられる。
【0010】
一方、上述したように特許文献1は、粘着シートの基材フィルムをめくり上げるために、基材フィルムとして熱収縮性フィルムを含む構成のものを用いている。このような特許文献1の粘着シートは、電離放射線の照射によって電離放射線硬化型粘着層の粘着力(タック性)はなくなっているため、このような粘着層に用いる基材フィルムとしては十分であるが、本発明の基材フィルムとして用いた場合、本発明を構成する熱膨張性粘着層は熱膨張性粒子の大きさが小さいため、加熱後も若干の粘着力(タック性)を有しているため、自然剥離するまでには至らなかった。
【0011】
そこで、本発明は、より小型化された電子部品をダイシングする場合にも、ダイシング後の電子部品の精度が落ちず、また熱を加えるだけで自然剥離することができる電子部品用の粘着シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の粘着シートは、基材フィルム上に熱膨張性粒子と粘着剤とからなる熱膨張性粘着層を有する粘着シートであって、前記基材フィルムは、熱収縮性フィルム、接着層、非熱収縮性フィルムをこの順に有し、前記熱膨張性粘着層は、厚みが2μm以上、20μm未満であり、かつ前記基材フィルムの前記非熱収縮性フィルムの接着層を有していない方の面に形成されてなり、前記接着層は厚みが0.5μm〜10μm、15℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×105以上、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×103以上であり、かつtanδ極大温度が5℃以上であることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明の粘着シートは、前記基材フィルムと熱膨張性粘着層との間に粘着層を有することを特徴とするものである。さらに好ましくは、前記粘着層の厚みは1μm以上、20μm未満である。
【0014】
なお、本発明でいう貯蔵弾性率(G’)は、粘弾性体にひずみを与えた時のエネルギーの貯蔵分(弾性成分)に関係し、損失弾性率(G’’)はそのエネルギーの熱などによる損失分(粘性成分)と関係する。これらは動的粘弾性を測定することで求められる。動的粘弾性とは、正弦的変化を持つ規則的な振動を与えた時に現れる粘弾性挙動のことである。
【0015】
また、tanδとは、損失弾性率の貯蔵弾性率に対する比で、損失弾性率/貯蔵弾性率で表した値である。tanδ極大温度とは、tanδが極大値をとるときの温度(℃)である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の粘着シートによれば、より小型化された電子部品をダイシングする場合にも熱膨張性粘着層の厚みが薄いため、ダイシング時の圧力によって生じる粘着シートの熱膨張性粘着層の動きを少なくしダイシング後の電子部品の精度が落ちるのを防止することができる。また熱を加えるだけで自然剥離するため、ダイシングされた電子部品を損傷させることがない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の粘着シートは、基材フィルム上に熱膨張性粒子と粘着剤とからなる熱膨張性粘着層を有する粘着シートであって、前記基材フィルムは、熱収縮性フィルム、接着層、非熱収縮性フィルムをこの順に有し、前記熱膨張性粘着層は、厚みが2μm以上、20μm未満であり、かつ前記基材フィルムの前記非熱収縮性フィルムの接着層を有していない方の面に形成されてなり、前記接着層は厚みが0.5μm〜10μm、15℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×105以上、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×103以上であり、かつtanδ極大温度が5℃以上である。以下、各構成要素の実施の形態について説明する。
【0018】
まず基材フィルムについて説明する。基材フィルムは、ダイシング後に熱を加えた際に、熱膨張性粘着層が電子部品から自然剥離するようにするための支持体として用いられる。このような基材フィルムは、熱収縮性フィルム、接着層、非熱収縮性フィルムをこの順に有するものである。
【0019】
熱収縮性フィルムは、基材フィルムにおいて、熱が加わった際に収縮することにより後述する非熱収縮性フィルムを引っ張り、電子部品から熱膨張性粘着層ごとめくり上げるために用いられる。このような熱収縮性フィルムは、少なくとも1軸方向に収縮性を有するフィルムであればよい。熱収縮性フィルムは、1軸方向のみに収縮性を有していてもよいし、1軸方向に主たる収縮性を有し、該方向とは異なる方向(例えば、該方向に対して直交する方向)に副次的な収縮性を有していてもよい。熱収縮性フィルムは単層であってもよく、2層以上からなる複層であってもよい。
【0020】
熱収縮性フィルムの主収縮方向の熱収縮率は、120℃において、10〜90%である。熱収縮性フィルム層を構成する熱収縮性フィルムの主収縮方向以外の方向の熱収縮率は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。熱収縮性フィルムの熱収縮性は、例えば押出機により押し出されたフィルムに延伸処理を施すことにより付与することができる。
【0021】
このような熱収縮性フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリノルボルネン、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル等から選択される1種又は2種以上の樹脂からなる1軸延伸フィルムがあげられる。なかでも、後述する接着層の接着層塗工液の塗工作業性等に優れる点で、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリノルボルネン等のポリオレフィン系樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂を含む)、ポリウレタン系樹脂からなる1軸延伸フィルムが好ましい。
【0022】
熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されず、後述する非熱収縮性フィルムとのバランスから適宜選択すればよいが、5μm〜300μmとするのが好ましく、さらには10μm〜100μmとするのが好ましい。熱収縮性フィルムの厚みが厚すぎると、ダイシング後の電子部品の精度が落ち、また、厚みが薄すぎると、加熱後自然剥離することができなくなる傾向にある。
【0023】
また、熱収縮性フィルムの表面は、隣接する層との密着性を高めたり、粘着シートの貼着の有無を識別するため、公知の表面処理、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、遠紫外線照射処理、サンドブラスト処理、クロム酸処理、アルカリ処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的処理、下引き易接着層、着色層の形成等のコーティング処理が施されていてもよい。
【0024】
接着層は、基材フィルムにおいて、熱収縮性フィルムと非熱収縮性フィルムとを接着させるために設けられる。このような接着層は、加熱し熱収縮性フィルムが収縮する際に凝集破壊を起こさず熱収縮性フィルムに非熱収縮性フィルムを追従させることができるものでなければならない。
【0025】
このような接着剤としては、例えばアクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系等の接着剤があげられ、15℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×105以上、好ましくは2.00×105以上であり、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×103以上、好ましくは1.00×104以上であり、かつtanδ極大温度が5℃以上、好ましくは10℃以上である。このように、接着層は15℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×105以上、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×103以上であり、かつtanδ極大温度が5℃以上の場合に、ダイシング後、熱を加えるだけで被着体である電子部品から自然剥離することができる。
【0026】
すなわち、接着層の15℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×105より低いと、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×103以上であっても、tanδ極大温度が5℃以上であっても、加熱時に熱収縮性フィルムのみが収縮して、熱収縮性フィルムと接着層との間で剥離してしまい、熱膨張性粘着層ごとめくり上げることができない。
【0027】
また、接着層の100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×103より低いと、15℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×105以上であっても、tanδ極大温度は5℃以上であっても、加熱時に熱収縮性フィルムのみが収縮して、熱収縮性フィルムと接着層との間で剥離してしまい、熱膨張性粘着層ごとめくり上げることができない。
【0028】
また、接着層のtanδ極大温度が5℃より小さい場合、15℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×105以上であっても、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×103以上であっても、加熱時に熱収縮性フィルムのみが収縮して、熱収縮性フィルムと接着層との間で剥離してしまい、熱膨張性粘着層ごとめくり上げることができない。
【0029】
したがって、本発明に用いられる基材フィルムを構成する熱収縮性フィルムと非熱収縮性フィルムとを接着させるための接着層は、15℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×105以上、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×103以上であり、かつtanδ極大温度が5℃以上でなければならない。
【0030】
また、接着層の厚みは、接着剤の種類によって異なってくるが、0.5μm〜10μm、好ましくは2μm〜10μmでなければならない。接着層の厚みを0.5μm以上とすることにより、熱収縮性フィルムと非熱収縮性フィルムとを接着させることができ、10μm以下とすることにより、加熱時に良好に電子部品から自然剥離することができる。接着層の厚みを厚くしすぎると、加熱時に熱収縮性フィルムが収縮した際に、接着層および非熱収縮性フィルムが熱収縮性フィルムに追従できず電子部品から熱膨張性粘着層ごとめくり上げられなくなっていく傾向があるためである。
【0031】
非熱収縮性フィルムは、基材フィルムにおいて、加熱により熱収縮性フィルムが収縮する際に、熱膨張性粘着層中の熱膨張性粒子が熱膨張しきる前に、熱収縮性フィルムが収縮し始めることにより、被着体である電子部品に熱膨張性粘着層が糊残りするのを防止するために、熱収縮性フィルムと熱膨張性粘着層との間に用いられる。このように熱収縮性フィルムと熱膨張性粘着層との間に非熱収縮性フィルムが設けられることにより、電子部品に熱膨張性粘着層が糊残りすることなく、基材フィルムを熱膨張性粘着層ごとめくり上げることができる。このような非熱収縮性フィルムの熱収縮率は、120℃において10%未満である。
【0032】
このような非熱収縮性フィルムとしては、例えばポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、アクリル、ポリ塩化ビニル、ノルボルネン化合物などのプラスチックフィルムがあげられる。また、重合体構成単位としてカルボキシル基を有する化合物を含む重合体フィルムあるいはこれと汎用重合体フィルムとの積層体を用いることもできる。
【0033】
非熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、薄すぎると取り扱い性が悪く、厚すぎると加熱時に熱収縮性フィルムが収縮した際に熱収縮性フィルムに追従できず電子部品から熱膨張性粘着層ごとめくり上げられなくなるという観点から、2μm〜300μm、さらには、10μm〜125μmとするのが好ましい。また、非熱収縮性フィルムの表面は、隣接する層との密着性を高めたり、粘着シートの貼着の有無を識別するため、上述した熱収縮性フィルムと同様の表面処理が施されていてもよい。
【0034】
本発明で用いる熱収縮性フィルムと非熱収縮性フィルムとの違いは、その熱収縮率が異なる点にある。たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムを製造する際に、その製造条件等を適宜設定することにより、熱収縮率の異なる二種のポリエチレンテレフタレートフィルムを製造することが可能である。
【0035】
次に熱膨張性粘着層について説明する。熱膨張性粘着層は、粘着性を付与するための粘着剤、及び熱膨張性を付与するための熱膨張性粒子(マイクロカプセル)を含んでいる。このため熱膨張性粘着層は、熱が加わった際に熱膨張粒子が発泡及び/又は膨張することにより電子部品に接着する面積が少なくなり、基材フィルムとともに熱膨張性粘着層ごとめくり上げられやすくすることができる。
【0036】
粘着剤は、加熱時に熱膨張性粒子の発泡及び/又は膨張を可及的に拘束しないようなものが好ましい。このような粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、これらの粘着剤に融点が約200℃以下の熱溶融性樹脂を配合したクリ−プ特性改良型粘着剤などの公知の粘着剤を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0037】
粘着剤は、粘着性成分(ベースポリマー)のほかに、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート、アルキルエーテル化メラミン化合物など)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
【0038】
次に、熱膨張性粒子としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微粒子であればよい。前記殻は、熱溶融性物質や熱膨張により破壊する物質で形成される場合が多い。前記殻を形成する物質として、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱膨張性微小球は、慣用の方法、例えば、コアセルベーション法、界面重合法などにより製造できる。なお、熱膨張性微小球には、例えば、マイクロスフェア[商品名、松本油脂製薬社製]などの市販品もある。
【0039】
加熱処理により粘着層の接着力を効率よく低下させるため、体積膨張率が5倍以上、なかでも7倍以上、特に10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有する熱膨張性微小球が好ましい。
【0040】
熱膨張性粒子の配合量は、粘着層の膨張倍率や接着力の低下性などに応じて適宜設定しうるが、通常は熱膨張性粘着層を形成する粘着剤100重量部に対して、例えば1〜150重量部、好ましくは10〜130重量部、さらに好ましくは20〜100重量部である。
【0041】
熱膨張性粒子の大きさは、熱膨張性粘着層の厚みによって異なってくるので一概にいえないが、初期(熱を加える前の状態)の粘着性を得るという観点及び加熱後、電子部品から良好な剥離性を得るという観点から、平均粒子径が下限として1.5μm以上、さらには4μm以上が好ましく、上限として15μm未満、さらには10μm未満とすることが好ましい。また、熱膨張性粒子の平均粒子径は、熱膨張性粘着層の厚みの60〜90%、さらには70〜80%であることが好ましい。
【0042】
熱膨張性粘着層の厚みは、下限として2μm以上、好ましくは5μm以上であり、上限として20μm未満、好ましくは15μm未満である。厚みが厚すぎると、ダイシング時の圧力によって、熱膨張性粘着層が動き、ダイシング後の電子部品の精度が悪くなり歩留まりが低下する。一方、厚みが薄すぎると、初期の粘着性が低すぎる可能性がある。また、熱膨張性粘着層の厚みが薄すぎると、添加する熱膨張性粒子も過度に小さいものとなり、熱膨張性粘着層の加熱後の変形度が小さく、粘着力(タック性)が低下しにくくなる傾向がある。
【0043】
また、本発明の粘着シートは、取り扱い性を向上させるため、熱膨張性粘着層の表面にセパレータを設けることが好ましい。このようなセパレータとしては、特に限定されないが、例えばポリエチレンラミネート紙や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体等のプラスチックフィルムや、前記プラスチックフィルムの一方の面に離型処理を施したものなどがあげられる。
【0044】
セパレータの厚みは、特に限定されないが、一般には、10μm〜250μm、好ましくは20μm〜125μmのものが使用される。
【0045】
また、本発明の粘着シートは、上述した基材フィルムと熱膨張性粘着層との間に粘着層を有するものであっても良い。粘着層を有することにより基材フィルム(非熱収縮性フィルム)と熱膨張性粘着層との接着性を向上させることができる。
【0046】
このような粘着層に用いる粘着剤としては、特に限定されず上述した熱膨張性粘着層と同様の粘着剤を用いることができる。
【0047】
粘着層の厚みとしては、下限として1μm以上、好ましくは3μm以上であり、上限として20μm未満、好ましくは10μm未満である。厚みが厚すぎると、上述した熱膨張性粘着層と同様に、ダイシング時の圧力によって、粘着層が動き、ダイシング後の電子部品の精度が悪くなり歩留まりが低下する。また厚みが薄すぎると、基材フィルム(非熱収縮性フィルム)との接着性を向上させる効果が得られにくい。
【0048】
以上のような本発明の粘着シートを製造する方法としては、例えば、上述した熱膨張性粒子、粘着剤及び必要に応じて希釈溶媒や添加剤を混合して熱膨張性粘着層塗布液とし、従来公知のコーティング方法、例えば、バーコーター、ダイコーター、ブレードコーター、スピンコーター、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、スプレー、スクリーン印刷などによって上述した非熱収縮性基材上に塗布した後、必要に応じて乾燥させ上述したセパレータと貼り合せる。
【0049】
次に、上記の非熱収縮性フィルムのもう一方の面に、上述した接着剤及び必要に応じて希釈溶媒や添加剤を混合して接着層塗布液とし、上記と同様の従来公知のコーティング方法によって塗布した後、必要に応じて乾燥させ、上述した熱収縮性フィルムと貼り合せて必要に応じてエイジング(例えば23℃、7日間)することにより、本発明の粘着シートを得ることができる。
【0050】
また、例えば、上述した非熱収縮性フィルムの一方の面に、上記と同様にして接着層を形成し、得られた接着層の表面と上述した熱収縮性フィルムと貼り合せて基材フィルムを作製する。
【0051】
次に、上述したセパレータ上に上記と同様にして熱膨張性粘着層を形成し、次いで、上述した粘着剤及び必要に応じて希釈溶媒や添加剤を混合して粘着層塗布液を作製して、当該熱膨張性粘着層の上に塗布、乾燥させ、熱膨張性粘着層の上に粘着層を形成する。得られた粘着層の表面と上記で作製した基材フィルムの非熱収縮性フィルムと貼り合せ、上記と同様にしてエイジングすることにより、本発明の粘着シートを得ることができる。
【0052】
なお、以上の説明では、本発明の粘着シートの製造方法の一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばセパレータ上に熱膨張性粘着層、(粘着層、)非熱収縮性フィルム、接着層を順に形成し、熱収縮性フィルムと貼り合せることにより作製してもよい。また、例えばまず基材フィルムを作製し、次いで基材フィルムの非熱収縮性フィルム上に(粘着層)、熱膨張性粘着層を順に形成しセパレータと貼り合せて作製してもよい。
【0053】
以上、本発明の粘着シートによれば、より小型化された電子部品をダイシングする場合にも熱膨張性粘着層の厚みが薄いため、ダイシング時の圧力によって生じる粘着シートの粘着層の動きを少なくし、ダイシング後の電子部品の精度が落ちるのを防止することができる。また熱を加えるだけで自然剥離するため、ダイシングされた電子部品を損傷させることがない。
【実施例】
【0054】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本実施例において「部」、「%」は、特に示さない限り重量基準である。
【0055】
[実施例1]
非熱収縮性フィルム(120℃における熱収縮率10%未満、厚み50μm、ポリエチレンナフタレートフィルム、コスモシャインA4300:東洋紡績社)の一方の面に、下記処方の接着層塗布液をバーコーター法により塗布、乾燥させて、厚み5μmの接着層を形成し、熱収縮性フィルム(120℃における熱収縮率70%以上、厚み30μm、ポリエチレンナフタレートフィルム、スペースクリーンS7053:東洋紡績社)と貼り合せて実施例1の基材フィルムを作製した。
【0056】
次に、セパレータA(厚み25μm、ポリエチレンナフタレートフィルム、MRF:三菱化学ポリエステルフィルム社)の離型処理面に、下記処方の粘着層塗布液をダイコーター法により塗布、乾燥させて、厚み10μmの粘着層を形成し、実施例1の基材フィルムの非熱収縮性フィルムと貼り合せた後、セパレータAを剥離した。
【0057】
次に、セパレータB(セパレータAと同じ)の離型処理面に、下記処方の熱膨張性粘着層塗布液をダイコーター法により塗布、乾燥させて、厚み10μmの熱膨張性粘着層を形成し、上記の基材フィルム上にある粘着層と貼り合せ、40℃の環境で、3日間キュアリングすることにより、実施例1の粘着シートを得た。
【0058】
なお、接着剤は、15℃における貯蔵弾性率(G’)は1.29×106、100℃における貯蔵弾性率(G’)が5.71×105、tanδ極大温度は34℃であった。
【0059】
<実施例1の接着層塗布液の処方>
・ポリウレタン系接着剤(固形分50%) 100部
(タケラックA971:三井化学社)
・架橋剤(ポリイソシアネート、固形分60%) 9.7部
(タケネートD110N:三井化学社)
・トルエン 57部
・メチルエチルケトン 57部
【0060】
<粘着層塗布液の処方>
・アクリル系粘着剤(固形分37%) 100部
(オリバインBPS5296:東洋インキ製造社)
・架橋剤(ポリイソシアネート、固形分37.5%) 0.5部
(オリバインBXX4773:東洋インキ製造社)
・酢酸エチル 108部
【0061】
<熱膨張性粘着層塗布液の処方>
・熱膨張性粒子(平均粒子径6〜9μm) 30部
(体積膨張率約30倍)
(エクスパンセル551DU-20:日本フィライト社)
・アクリル系粘着剤(固形分37%) 100部
(オリバインBPS5296:東洋インキ製造社)
・架橋剤(ポリイソシアネート、固形分37.5%) 1部
(オリバインBXX4773:東洋インキ製造社)
・酢酸エチル 108部
【0062】
[実施例2]
実施例1の接着層を厚み2μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の粘着シートを作製した。
【0063】
[実施例3]
実施例1の接着層を厚み10μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の粘着シートを作製した。
【0064】
[実施例4]
実施例1の接着層塗布液を下記処方に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の粘着シートを作製した。なお、接着剤は、15℃における貯蔵弾性率(G’)は2.94×105、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.87×104、tanδ極大温度は101℃であった。
【0065】
<実施例4の接着層塗布液の処方>
・ポリエステル系接着剤(固形分100%) 10部
(エリーテルUE3500:ユニチカ社)
・架橋剤(ポリイソシアネート、固形分60%) 0.27部
(タケネートD110N:三井化学社)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
【0066】
[比較例1]
実施例1の接着層を厚み100μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の粘着シートを作製した。
【0067】
[比較例2]
実施例1の接着層を厚み0.1μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の粘着シートを作製した。
【0068】
[比較例3]
実施例1の熱膨張性粘着層塗布液の熱膨張性粒子を、平均粒子径10〜20μm、体積膨張率約20倍の熱膨張性粒子(F50D:松本油脂製薬社)に変更し、熱膨張性粘着層の厚みを45μmに変更した。また、粘着層の厚みを30μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の粘着シートを作製した。
【0069】
[比較例4]
実施例1の接着層塗布液を下記処方に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の粘着シートを作製した。なお、接着剤は、15℃における貯蔵弾性率(G’)は2.11×105、100℃における貯蔵弾性率(G’)が4.41×102、tanδ極大温度は64℃であった。
【0070】
<比較例4の接着層塗布液の処方>
・ポリエステル系接着剤(固形分100%) 10部
(エリーテルUE3400:ユニチカ社)
・架橋剤(ポリイソシアネート、固形分60%) 0.23部
(タケネートD110N:三井化学社)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
【0071】
[比較例5]
実施例1の接着層塗布液を下記処方に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例5の粘着シートを作製した。なお、接着剤は、15℃における貯蔵弾性率(G’)は9.41×104、100℃における貯蔵弾性率(G’)が3.25×104、tanδ極大温度は−25℃以下であった。
【0072】
<比較例5の接着層塗布液の処方>
・アクリル系接着剤(固形分40%) 100部
(ニッセツKP2500:日本カーバイド工業社)
・架橋剤(ポリイソシアネート、固形分99%) 0.25部
(CK103:日本カーバイド工業社)
・メチルエチルケトン 15部
【0073】
[比較例6]
実施例1の接着層塗布液を下記処方に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例6の粘着シートを作製した。なお、接着剤は、15℃における貯蔵弾性率(G’)は5.11×104、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.02×103、tanδ極大温度は47℃であった。
【0074】
<比較例6の接着層塗布液の処方>
・ポリエステル系接着剤(固形分100%) 10部
(エリーテルUE3220:ユニチカ社)
・架橋剤(ポリイソシアネート、固形分60%) 0.2部
(タケネートD110N:三井化学社)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
【0075】
次に、これらの実施例及び比較例の粘着シートについて、加熱後の自然剥離性、ダイシング後の電子部品の寸法精度について評価した。また、実施例1、実施例4、比較例4〜6の基材フィルムについて、非熱収縮性フィルムと熱収縮性フィルムとの接着力を測定した。評価結果を表1に示す。
【0076】
実施例及び比較例の粘着シートからそれぞれセパレータBを剥離し、熱膨張性粘着層を露出させ、その上に焼成後のグリーンシートを貼着固定して、粘着シートの基材フィルム(非熱収縮性フィルム+接着層+熱収縮性フィルム)を分断しないように回転刃で1.0mm×0.5mmの大きさにダイシングした。次いで、120℃で15分の加熱処理を行った。
【0077】
(1)加熱後の自然剥離性
加熱後の自然剥離性の評価は、加熱処理後、自然に剥離したものを「○」、熱収縮性フィルムと接着層との間で剥離して、熱収縮性フィルムのみ収縮したものを「×」、熱収縮性フィルムと接着層との間で剥離はしないが、基材フィルムを熱膨張性粘着層ごとめくり上げることができなかったものを「××」とした。
【0078】
(2)ダイシング後の電子部品の寸法精度
ダイシング後の電子部品の寸法精度の評価は、ダイシング時に焼成後のグリーンシートが位置ずれを生じなかったものを「○」、位置ずれを生じたものを「×」とした。
【0079】
(3)接着力
実施例1、実施例4、比較例4〜6の基材フィルムについて、JIS Z0237:2000に準じて、テンシロン万能引張試験機(テンシロンHTM-100:オリエンテック社)を用いて、熱収縮性フィルム側から180°剥離試験を行なった。試験片は幅25mmとした。
【0080】
【表1】

【0081】
表1より、実施例の粘着シートは、基材フィルム上に熱膨張性粒子と粘着剤とからなる熱膨張性粘着層を有する粘着シートであり、熱膨張性粘着層の厚みが10μmと比較的薄いものであったにもかかわらず、基材フィルムが熱収縮性フィルム、接着層、非熱収縮性フィルムをこの順に有し、接着層は厚みが0.5μm〜10μm、15℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×105以上、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×103以上であり、かつtanδ極大温度が5℃以上であったため、加熱時に、焼成後のグリーンシートから自然剥離するものとなった。また、粘着シートの熱膨張性粘着層が薄いものであったため、ダイシング時に焼成後のグリーンシートは位置ずれを生じず、ダイシング後の焼成後のグリーンシートの寸法精度は良好なものとなった。
【0082】
一方、比較例1の粘着シートは、接着層の厚みが100μmと厚いものであったため、加熱時に熱収縮性フィルムが収縮した際に、接着層および非熱収縮性フィルムが熱収縮性フィルムに追従できず焼成後のグリーンシートから熱膨張性粘着層ごとめくり上げられないものとなった。
【0083】
また、比較例2の粘着シートは、接着層の厚みが0.1μmと薄いものであったため、熱収縮性フィルムと非熱収縮性フィルムとの接着性が弱く、加熱時に熱収縮性フィルムのみが収縮して、熱収縮性フィルムと接着層との間で剥離してしまい、焼成後のグリーンシートから熱膨張性粘着層ごとめくり上げることができないものとなった。
【0084】
また、比較例3の粘着シートは、熱膨張性粘着層の厚みが厚く、加熱時に熱膨張性粒子が熱膨張性粘着層から大きく突出し、焼成後のグリーンシートから良好に自然剥離できるものとなったが、ダイシング時の圧力によって熱膨張性粘着層が動き、ダイシング時に焼成後のグリーンシートは位置ずれを生じたため、ダイシング後の焼成後のグリーンシートの精度は低下したものとなった。
【0085】
また、比較例4の粘着シートは、接着層が15℃における貯蔵弾性率(G’)及びtanδ極大温度が特定の範囲のものであったが、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×103よりも低いものであったため、加熱時に熱収縮性フィルムのみが収縮して、熱収縮性フィルムと接着層との間で剥離してしまい、焼成後のグリーンシートから熱膨張性粘着層ごとめくり上げることができないものとなった。
【0086】
また、比較例5の粘着シートは、接着層が100℃における貯蔵弾性率(G’)が特定の範囲のものであったが、15℃における貯蔵弾性率(G’)が低く、tanδ極大温度が低いものであったため、加熱時に熱収縮性フィルムのみが収縮して、熱収縮性フィルムと接着層との間で剥離してしまい、焼成後のグリーンシートから熱膨張性粘着層ごとめくり上げることができないものとなった。
【0087】
また、比較例6の粘着シートは、接着層が100℃における貯蔵弾性率(G’)及びtanδ極大温度が特定の範囲のものであったが、15℃における貯蔵弾性率(G’)が低いものであったため、加熱時に熱収縮性フィルムのみが収縮して、熱収縮性フィルムと接着層との間で剥離してしまい、焼成後のグリーンシートから熱膨張性粘着層ごとめくり上げることができないものとなった。
【0088】
また、比較例4〜6で作製した基材フィルムの非熱収縮性フィルムと熱収縮性フィルムの接着力は、実施例1及び4のものよりも強いものであったが、加熱時に熱収縮性フィルムのみが収縮して、熱収縮性フィルムと接着層との間で剥離してしまい、熱膨張性粘着層ごとめくり上げることができないものとなった。このことからも加熱時に焼成後のグリーンシートから粘着シートを自然剥離させるためには、基材フィルムである非熱収縮性フィルムと熱収縮性フィルムとの間に介在する接着層は15℃における貯蔵弾性率(G’)、100℃における貯蔵弾性率(G’)及びtanδ極大温度を特定の範囲のものとする必要があることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルム上に熱膨張性粒子と粘着剤とからなる熱膨張性粘着層を有する粘着シートであって、
前記基材フィルムは、熱収縮性フィルム、接着層、非熱収縮性フィルムをこの順に有し、前記熱膨張性粘着層は、厚みが2μm以上、20μm未満であり、かつ前記基材フィルムの前記非熱収縮性フィルムの接着層を有していない方の面に形成されてなり、
前記接着層は厚みが0.5μm〜10μm、15℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×105以上、100℃における貯蔵弾性率(G’)が1.00×103以上であり、かつtanδ極大温度が5℃以上であることを特徴とする粘着シート。
【請求項2】
前記基材フィルムと熱膨張性粘着層との間に粘着層を有することを特徴とする請求項1記載の粘着シート。
【請求項3】
前記粘着層の厚みは1μm以上、20μm未満であることを特徴とする請求項2記載の粘着シート。

【公開番号】特開2010−254789(P2010−254789A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105762(P2009−105762)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000125978)株式会社きもと (167)
【Fターム(参考)】