説明

粘着フィルム切出装置、配線接続装置、粘着フィルム切出方法、配線接続方法及び平面表示装置の製造方法

【課題】正確な寸法及び形状の中抜きACF片を切り出す。
【解決手段】中抜きACF片34aをACFテープ54から切り出す際に、カッタ清掃部58によって予め刃先が清浄化され、粘着性のACF屑が取り除かれた一対のカッタ56,56によってACF34を切断する。主制御部は、撮影部65から送られてきたACFテープ54の剥離痕画像を、参照画像パターンと照合して、ACF片34bの良否判定を行い、良品と判定したACF片34bのみをTPC33に貼着させ、TPC33をACF片34bを介してTPC33を外部接続端子部32に圧着する。このため、中抜きACF片34aが不完全に切り出されたとしても、接続不良等の不具合を引き起こすことがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粘着フィルム切出装置、配線接続装置、粘着フィルム切出方法、配線接続方法及び平面表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プラズマディスプレイパネル(以下、PDP(Plasma Display Panel)ともいう)を主要部として含むプラズマ表示装置は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶表示装置等に比べて、ちらつきがなく、表示コントラスト比が大きく、薄型大画面化が可能であり、応答速度が速い等の利点を有し、近年、情報処理機器のディスプレイとして利用されている。
このプラズマ表示装置は、放電により発生した紫外線を蛍光体に照射することによって可視光を取り出して表示を行うディスプレイであり、動作方式により、電極が誘電体で被覆されて間接的に交流放電の状態で動作させるAC型のものと、電極が放電空間に露出されて直流放電の状態で動作させるDC型のものとに略大別され、特にAC型のものは、比較的簡単な構造で上述したような大画面化が容易に実現できるので、広く用いられている。
このようなAC型のプラズマ表示装置の主要部を構成するプラズマディスプレイパネルは、ガラス等の透明材料からなる前面基板と背面基板とが対向するように配置されて、両基板間にプラズマを発生させる放電ガス空間が形成されて概略構成されている。
【0003】
また、AC型のプラズマ表示装置のなかで、プラズマディスプレイパネルにおいて、放電セル(以下、セルともいう)を形成する上述したような一対の基板のうちの一方の基板である前面基板の内面に、水平方向に沿って平行に走査電極と維持電極(共通電極)とからなる行電極を配置すると共に、他方の基板である背面基板の内面に、上記行電極と直交するように垂直方向に沿ってデータ電極(アドレス電極)からなる列電極を配置した3電極面放電型の構成のものは、前面基板において行われる面放電時に発生する高エネルギのイオンによる影響を抑えることができるので、長寿命化が図れるため、最も広く採用されている。
【0004】
この3電極面放電型のAC型のプラズマ表示装置は、背面基板のデータ電極と前面基板の走査電極との間で表示(発光)すべき放電セルを選択する書込放電を行い、次に、前面基板の走査電極と維持電極との間で選択したセルの面放電による維持放電(表示放電)を行うように構成されている。
また、このようなプラズマディスプレイパネルにおいては、背面基板の内面に赤色、緑色、及び青色の各蛍光体層を配置するとともに、前面基板の内面の上記各蛍光体層にそれぞれ対向する位置に赤色、緑色、及び青色の各カラーフィルタ層を配置するように構成されている。セル内の放電によって発生する紫外線により、これらの各色の蛍光体が発光して、多色発光が可能となる。
上記プラズマ表示装置の主要部を構成するプラズマディスプレイパネル1は、図1に示すように、前面基板2と、背面基板3とが互いに対向するように配置され、前面基板2と背面基板3との間に放電ガス空間4が形成されて概略構成されている。
【0005】
前面基板2は、ガラス等の透明材料からなる前面ガラス基板5と、前面ガラス基板5の内面に行方向に沿って互いに平行に形成された酸化錫やITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極6a,7a及び透明電極6a,7aの一部に積層されそれぞれ抵抗値を小さくするためのAl,Cu、Ag等からなるバス電極6b,7bを有する走査電極6及び維持電極7と、走査電極6及び維持電極7を被覆するPbO(酸化鉛)のような低融点ガラス等からなる透明誘電体層8と、動作中に発生する放電から透明誘電体層8を保護するために、二次電子放出係数が大きく、耐スパッタ性に優れたMgO(酸化マグネシウム)等からなる保護膜9とを備えてなっている。
【0006】
また、背面基板3は、ガラス等の透明材料からなる背面ガラス基板11と、背面ガラス基板11の内面に列方向に沿って互いに平行に形成されたAl,Cu、Ag等からなるアドレス電極12と、アドレス電極12を被覆する白色誘電体層13と、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Xe(キセノン)等の放電用ガスが単独で又は混合されて充填され上記放電ガス空間4を確保するとともに個々の放電セルを区切るために垂直方向に沿って形成された低融点ガラス等からなる隔壁14と、隔壁14によって画成される放電セルの底部や側部に配置され放電用ガスの放電により発生する紫外線を可視光に変換する赤色、緑色、及び青色の各蛍光体層に塗り分けられた蛍光体層15とを備えてなっている。
ここで、蛍光体材料のうち、赤色蛍光体としては、(Y,Gd)BO:Eu、(Y,Gd)BO:Eu、緑色蛍光体としては、ZnSiO:Mn、青色蛍光体としては、BaMgAl10O17:Euが用いられる。
【0007】
プラズマディスプレイパネル1は、前面基板2と背面基板3とを、100μm程度のギャップを隔てて互いに対向した状態で、電極対の延長方向(行方向)とアドレス電極12の延長方向(列方向)とが互いに直交するように、かつ、両基板間に放電ガス空間4が形成されるように、貼り合わせて配置し、その周縁部を、封止剤としての例えば、低融点ガラスからなるフリットガラスをによって気密封着して製造される。
すなわち、背面基板3の周縁部に、フリットガラスを塗布した後、前面基板2と背面基板3とを貼り合わせた状態で、低融点ガラスが軟化する300℃〜500℃の温度で加熱する焼成処理を施し、フリットガラスを溶かして、前面基板2と背面基板3とを接合して封着しパネル状とする。ここで、隔壁14によって放電セルが画成されている。
【0008】
この後、前面基板2及び背面基板3が組み合されたプラズマディスプレイパネル1の周縁部に形成された外部接続端子部に、可撓性印刷回路としてのTCP(Tape Carrier Package)やFPC(Flexible Printed Circuit)を、異方性導電フィルム(以下、ACF(Anisotropic Conductive Film)ともいう。)を介して圧着することによって接続して、プラズマディスプレイパネル1に駆動回路を接続するための配線接続工程を実施する(例えば、特許文献1等参照。)。
ACFは、粘着性の合成樹脂層中に多数の金属微粒子が分散配置されてなり、圧着によって、圧着方向(厚さ方向)に沿って導電性を示し、長さ方向に沿っては、例えば、端子接続部位間で電気的絶縁性を示す。
配線接続工程では、専用の配線接続装置を用いて、まず、ACFから中抜きACF片を切り出して、例えばTCPの寸法に適合した所定の長さのACF片を得て、このACF片を、TCPに貼り付け、ACF片が貼り付けられたTCPを、プラズマディスプレイパネル1の外部接続端子部に配置して、基板とTCPとを、高温状態の上側圧着ヘッドと、下側圧着ヘッドとによって、両側から挟み付けるようにして、被押圧部位を所定の圧力で、一定時間加圧して、TCPの圧着を行う。
【0009】
このような配線接続装置(圧着装置)は、中抜きACF片を切り出して、中抜きACF片を切り出して得られたACF片を、例えばTCPに貼り付けるためのACF貼付機構と、プラズマディスプレイパネル1の外部接続端子部にACF片を介してTCPの端子を圧着によって接続する端子圧着機構とを備えている。
ACF貼付機構17は、図2に示すように、担体としてのベースフィルム(セパレータ)18にACF19が貼り合わされてなるACF重合テープ(以下、単に、ACFテープともいう)21から中抜きACF片19aを切り出して、ベースフィルム18上のACF片19bを例えばTCPに貼り付けるために用いられ、エジェクタに接続され吸着によってACFテープ21を保持するACF保持部22と、一対のカッタ23,23からなるハーフカッタ部24と、カッタ23,23によって切断された(ハーフカットされた)中抜きACF片19aを取り出すための中抜押圧体25を有するACF中抜き部26とを備えてなっている。
端子圧着機構は、例えば、プラズマディスプレイパネル1を水平な状態で支持する基板ステージと、プラズマディスプレイパネル1の外部接続端子部に重なられた例えばTCPの端部をTCPが配置された側から加熱・加圧するためのヒータを有する上側圧着ヘッドと、上側圧着ヘッドにプラズマディスプレイパネル1を介して対向配置され、外部接続端子部が形成された側から加圧する下側圧着ヘッドと、上側圧着ヘッド及び下側圧着ヘッドを鉛直方向に沿って移動させるためのヘッドアクチュエータとを備えてなっている。
【特許文献1】特開平8−146450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする問題点は、上記従来技術では、正確な寸法及び形状の中抜きACF片を切り出せないことがあるという点である。
すなわち、例えば、粘着性のACF屑がカッタの刃先に偶発的に付着して、この状態のまま、中抜きACF片の切り出しを行おうとすると、端部にめくれ等を生じて切断が不完全となり、中抜き時に完全に抜取りが行えなかったり、端子同士の接続に用いるACF片の長さが足りなかったりする不具合が発生する。
【0011】
また、カッタを、長期間使用することによって、カッタの刃先の磨耗が進み、切断が不完全となってしまう。
このため、不正確な寸法及び形状のACF片を用いて、例えばTCPとプラズマディスプレイパネルとの端子同士を本圧着して接続してしまうと、接続不良等のために、接続信頼性が悪化し、プラズマ表示装置の通電点灯時に表示不具合が発生し、歩留まりが悪化してしまう。
この発明が解決しようとする課題としては、上記のような従来のACF貼付機構を備えた配線接続装置を用いようとする場合に発生する問題点が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、上記粘着フィルムの一部を切り出すための粘着フィルム切出装置に係り、上記基体フィルムの裏面側を保持する保持手段と、上記粘着フィルムに切り込む切断刃を有し、上記保持手段によって上記基体フィルムが保持されている状態で、上記粘着フィルムにその表面側から上記切断刃が切り込むことによって、上記粘着フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断手段と、上記切断手段によって切断されて得られた上記所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を上記基体フィルムから剥離させて取り出す剥離手段と、上記切断刃の刃先を清掃する清掃手段とを備えてなることを特徴としている。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、上記粘着フィルムの一部を切り出すための粘着フィルム切出装置に係り、上記基体フィルムの裏面側を保持する保持手段と、上記粘着フィルムに切り込む切断刃を有し、上記保持手段によって上記基体フィルムが保持されている状態で、上記粘着フィルムにその表面側から上記切断刃が切り込むことによって、上記粘着フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断手段と、上記切断手段によって切断されて得られた上記所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を上記基体フィルムから剥離させて取り出す剥離手段と、上記基体フィルムの上記剥離手段によって上記粘着フィルム片が取り出された剥離痕又は剥離された上記粘着フィルム片を撮影するための撮影手段と、上記撮影手段によって撮影された上記剥離痕又は上記粘着フィルム片の画像と、良品パターン及び不良品パターンを含む参照画像パターンとを比較して、上記粘着フィルム片が剥離された上記粘着フィルム、又は剥離された上記粘着フィルム片の良否判定を行う良否判定手段とを備えてなることを特徴としている。
【0014】
また、請求項11記載の発明は、パネルとプリント配線板とを重ねて、上記パネルの主表面であって、上記プリント配線板と対向する面の周端縁に沿って設けられた第1の接続端子と、上記プリント配線板の主表面であって、上記パネルと対向する面の周端縁に沿って設けられた第2の接続端子とを、絶縁性の合成樹脂層中に導電性微粒子が分散配置されてなり、厚さ方向に圧着されることによって、厚さ方向に沿って導電性を示す異方性導電フィルムを介して圧着して電気接続するための配線接続装置に係り、請求項1乃至10のいずれか1に記載の粘着フィルム切出装置を備え、上記粘着フィルム切出装置を用いて上記粘着フィルム片としての上記異方性導電フィルム片が切り出された上記異方性導電フィルム、又は切り出された上記異方性導電フィルム片を介して、上記第1の接続端子と上記第2の接続端子との圧着が行われることを特徴としている。
【0015】
また、請求項12記載の発明は、表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、上記粘着フィルムの一部を切り出すための粘着フィルム切出方法に係り、上記粘着フィルムに切り込む切断刃を用いて、保持手段によって上記基体フィルムが保持されている状態で、上記粘着フィルムにその表面側から上記切断刃が切り込むことによって、上記粘着フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断ステップと、上記切断ステップで切断されて得られた上記所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を上記基体フィルムから剥離させて取り出す剥離ステップと、上記切断刃の刃先を清掃する清掃ステップとを含むことを特徴としている。
【0016】
また、請求項13記載の発明は、表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、上記粘着フィルムの一部を切り出すための粘着フィルム切出方法に係り、上記粘着フィルムに切り込む切断刃を用いて、上記保持手段によって上記基体フィルムが保持されている状態で、上記粘着フィルムにその表面側から上記切断刃が切り込むことによって、上記粘着フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断ステップと、上記切断ステップで切断されて得られた上記所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を上記基体フィルムから剥離させて取り出す剥離ステップと、上記基体フィルムの上記剥離ステップで上記粘着フィルム片が取り出された剥離痕又は剥離された上記粘着フィルム片を撮影するための撮影ステップと、上記撮影ステップで撮影された上記剥離痕又は上記粘着フィルム片の画像と、良品パターン及び不良品パターンを含む参照画像パターンとを比較して、上記粘着フィルム片が剥離された上記粘着フィルム、又は剥離された上記粘着フィルム片の良否判定を行う良否判定ステップとを含むことを特徴としている。
【0017】
また、請求項22記載の発明は、パネルとプリント配線板とを重ねて、上記パネルの主表面であって、上記プリント配線板と対向する面の周端縁に沿って設けられた第1の接続端子と、上記プリント配線板の主表面であって、上記パネルと対向する面の周端縁に沿って設けられた第2の接続端子とを、絶縁性の合成樹脂層中に導電性微粒子が分散配置されてなり、厚さ方向に圧着されることによって、厚さ方向に沿って導電性を示す異方性導電フィルムを介して圧着して電気接続するための配線接続方法に係り、請求項12乃至21のいずれか1に記載の粘着フィルム切出方法を含み、上記粘着フィルム切出方法を実施して上記粘着フィルム片としての上記異方性導電フィルム片が切り出された上記異方性導電フィルム、又は切り出された上記異方性導電フィルム片を介して、上記第1の接続端子と上記第2の接続端子との圧着を行うことを特徴としている。
【0018】
また、請求項25記載の発明は、第1の基板及び第2の基板が封止層を介して互いに対向配置されてなり、画像を表示する平面表示パネルに、プリント配線板を接続して上記平面表示パネルの駆動回路と接続する平面表示装置の製造方法に係り、請求項22、23又は24記載の配線接続方法によって、上記パネルとしての上記平面表示パネルに上記プリント配線板を接続することを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
第1の実施形態の粘着フィルム切出装置は、表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、粘着フィルムの一部を切り出すための粘着フィルム切出装置であって、基体フィルムの裏面側を保持する保持手段と、粘着フィルムに切り込む切断刃を有し、保持手段によって基体フィルムが保持されている状態で、粘着フィルムにその表面側から切断刃が切り込むことによって、粘着フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断手段と、切断手段によって切断されて得られた所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を基体フィルムから剥離させて取り出す剥離手段と、切断刃の刃先を清掃する清掃手段とを備えてなっている。
【0020】
また、この実施形態の粘着フィルム切出方法は、表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、粘着フィルムの一部を切り出すための粘着フィルム切出方法であって、粘着フィルムに切り込む切断刃を用いて、保持手段によって基体フィルムが保持されている状態で、粘着フィルムにその表面側から切断刃が切り込むことによって、粘着フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断ステップと、切断ステップで切断されて得られた所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を基体フィルムから剥離させて取り出す剥離ステップと、切断刃の刃先を清掃する清掃ステップとを含んでいる。
【0021】
この粘着フィルム切出装置を用いて、粘着フィルム切出方法を実施することによって、所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を切り出す際に、清掃手段によって予め刃先が清浄化され、例えば、前回切断時に付着した粘着性の粘着フィルム屑が取り除かれた切断刃によって粘着フィルムを切断するので、切断が不完全となることなく、正確な寸法及び形状の粘着フィルム片を切り出すことができる。
【0022】
第2の実施形態の粘着フィルム切出装置は、表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、粘着フィルムの一部を切り出すための粘着フィルム切出装置であって、基体フィルムの裏面側を保持する保持手段と、粘着フィルムに切り込む切断刃を有し、保持手段によって基体フィルムが保持されている状態で、粘着フィルムにその表面側から切断刃が切り込むことによって、粘着フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断手段と、切断手段によって切断されて得られた所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を基体フィルムから剥離させて取り出す剥離手段と、基体フィルムの剥離手段によって粘着フィルム片が取り出された剥離痕又は剥離された粘着フィルム片を撮影するための撮影手段と、撮影手段によって撮影された剥離痕又は粘着フィルム片の画像と、良品パターン及び不良品パターンを含む参照画像パターンとを比較して、粘着フィルム片が剥離された粘着フィルム、又は剥離された粘着フィルム片の良否判定を行う良否判定手段とを備えてなっている。
【0023】
また、この実施形態の粘着フィルム切出方法は、表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、粘着フィルムの一部を切り出すための粘着フィルム切出方法であって、粘着フィルムに切り込む切断刃を用いて、保持手段によって基体フィルムが保持されている状態で、粘着フィルムにその表面側から切断刃が切り込むことによって、粘着フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断ステップと、切断ステップで切断されて得られた所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を基体フィルムから剥離させて取り出す剥離ステップと、基体フィルムの剥離ステップで粘着フィルム片が取り出された剥離痕又は剥離された粘着フィルム片を撮影するための撮影ステップと、撮影ステップで撮影された剥離痕又は粘着フィルム片の画像と、良品パターン及び不良品パターンを含む参照画像パターンとを比較して、粘着フィルム片が剥離された粘着フィルム、又は剥離された粘着フィルム片の良否判定を行う良否判定ステップとを含んでいる。
【0024】
この粘着フィルム切出装置を用いて、粘着フィルム切出方法を実施することによって、良否判定手段は、撮影手段から送られてきた剥離痕又は粘着フィルム片の画像を、良品パターンと不良品パターンとを含む参照画像パターンと比較して、粘着フィルム片が切り出された粘着フィルム、又は粘着フィルム片の良否判定を行うので、粘着フィルム片が不完全に切り出されたとしても、粘着フィルム又は粘着フィルム片が不良品と判定された場合には、例えば棄却することによって、粘着フィルム又は粘着フィルム片を用いた製品に不具合を発生させることがない。
【0025】
第3の実施形態の配線接続装置は、パネルとプリント配線板とを重ねて、パネルの主表面であって、プリント配線板と対向する面の周端縁に沿って設けられた第1の接続端子と、プリント配線板の主表面であって、パネルと対向する面の周端縁に沿って設けられた第2の接続端子とを、絶縁性の合成樹脂層中に導電性微粒子が分散配置されてなり、厚さ方向に圧着されることによって、厚さ方向に沿って導電性を示す異方性導電フィルムを介して圧着して電気接続するための配線接続装置であって、表面側に異方性導電フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、異方性導電フィルムの一部を切り出すための異方性導電フィルム切出装置を備え、異方性導電フィルム切出装置は、基体フィルムの裏面側を保持する保持手段と、異方性導電フィルムに切り込む切断刃を有し、保持手段によって基体フィルムが保持されている状態で、異方性導電フィルムにその表面側から切断刃が切り込むことによって、異方性導電フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断手段と、切断手段によって切断されて得られた所定の寸法及び形状の異方性導電フィルム片を基体フィルムから剥離させて取り出す剥離手段と、切断刃の刃先を清掃する清掃手段とを有してなっている。
【0026】
また、この実施形態の配線接続工程は、パネルとプリント配線板とを重ねて、パネルの主表面であって、プリント配線板と対向する面の周端縁に沿って設けられた第1の接続端子と、プリント配線板の主表面であって、パネルと対向する面の周端縁に沿って設けられた第2の接続端子とを、絶縁性の合成樹脂層中に導電性微粒子が分散配置されてなり、厚さ方向に圧着されることによって、厚さ方向に沿って導電性を示す異方性導電フィルムを介して圧着して電気接続するための配線接続方法であって、表面側に異方性導電フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、異方性導電フィルムの一部を切り出すための異方性導電フィルム切出方法を含み、異方性導電フィルム切出方法は、異方性導電フィルムに切り込む切断刃を用いて、保持手段によって基体フィルムが保持されている状態で、異方性導電フィルムにその表面側から切断刃が切り込むことによって、異方性導電フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断ステップと、切断ステップで切断されて得られた所定の寸法及び形状の異方性導電フィルム片を基体フィルムから剥離させて取り出す剥離ステップと、切断刃の刃先を清掃する清掃ステップとを含んでいる。
【0027】
この配線接続装置を用いて、配線接続工程を実施することによって、所定の寸法及び形状の異方性導電フィルム片を切り出す際に、清掃手段によって予め刃先が清浄化され、例えば、前回切断時に付着した粘着性の異方性導電フィルム屑が取り除かれた切断刃によって異方性導電フィルムを切断するので、切断が不完全となることなく、正確な寸法及び形状の異方性導電フィルム片を切り出すことができる。
【0028】
第4の実施形態の配線接続装置は、パネルとプリント配線板とを重ねて、パネルの主表面であって、プリント配線板と対向する面の周端縁に沿って設けられた第1の接続端子と、プリント配線板の主表面であって、パネルと対向する面の周端縁に沿って設けられた第2の接続端子とを、絶縁性の合成樹脂層中に導電性微粒子が分散配置されてなり、厚さ方向に圧着されることによって、厚さ方向に沿って導電性を示す異方性導電フィルムを介して圧着して電気接続するための配線接続装置であって、表面側に異方性導電フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、異方性導電フィルムの一部を切り出すための異方性導電フィルム切出装置を備え、異方性導電フィルム切出装置は、基体フィルムの裏面側を保持する保持手段と、異方性導電フィルムに切り込む切断刃を有し、保持手段によって基体フィルムが保持されている状態で、異方性導電フィルムにその表面側から切断刃が切り込むことによって、異方性導電フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断手段と、切断手段によって切断されて得られた所定の寸法及び形状の異方性導電フィルム片を基体フィルムから剥離させて取り出す剥離手段と、基体フィルムの剥離手段によって異方性導電フィルム片が取り出された剥離痕又は剥離された異方性導電フィルム片を撮影するための撮影手段と、撮影手段によって撮影された剥離痕又は異方性導電フィルム片の画像と、良品パターン及び不良品パターンを含む参照画像パターンとを比較して、異方性導電フィルム片が剥離された異方性導電フィルム、又は剥離された異方性導電フィルム片の良否判定を行う良否判定手段とを備えてなっている。
【0029】
また、この実施形態の配線接続方法は、パネルとプリント配線板とを重ねて、パネルの主表面であって、プリント配線板と対向する面の周端縁に沿って設けられた第1の接続端子と、プリント配線板の主表面であって、パネルと対向する面の周端縁に沿って設けられた第2の接続端子とを、絶縁性の合成樹脂層中に導電性微粒子が分散配置されてなり、厚さ方向に圧着されることによって、厚さ方向に沿って導電性を示す異方性導電フィルムを介して圧着して電気接続するための配線接続方法であって、表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された異方性導電フィルムから、異方性導電フィルムの一部を切り出すための異方性導電フィルム切出方法を含み、異方性導電フィルム切出方法は、異方性導電フィルムに切り込む切断刃を用いて、保持手段によって基体フィルムが保持されている状態で、異方性導電フィルムにその表面側から切断刃が切り込むことによって、異方性導電フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断ステップと、切断ステップで切断されて得られた所定の寸法及び形状の異方性導電フィルム片を基体フィルムから剥離させて取り出す剥離ステップと、基体フィルムの剥離ステップで異方性導電フィルム片が取り出された剥離痕又は剥離された異方性導電フィルム片を撮影するための撮影ステップと、撮影ステップで撮影された剥離痕又は異方性導電フィルム片の画像と、良品パターン及び不良品パターンを含む参照画像パターンとを比較して、異方性導電フィルム片が剥離された異方性導電フィルム、又は剥離された異方性導電フィルム片の良否判定を行う良否判定ステップとを含んでいる。
【0030】
この配線接続装置を用いて、配線接続工程を実施することによって、良否判定手段は、撮影手段から送られてきた剥離痕又は異方性導電フィルム片の画像を、良品パターンと不良品パターンとを含む参照画像パターンと比較して、異方性導電フィルム片が切り出された異方性導電フィルム、又は異方性導電フィルム片の良否判定を行うので、異方性導電フィルム片が不完全に切り出されたとしても、異方性導電フィルム又は異方性導電フィルム片をプリント配線板のパネルに対する接続に用いることがないため、接続不良等の不具合を引き起こすことがなく、接続信頼性を向上させ、歩留まりを向上させることができる。
【実施例1】
【0031】
図3は、この発明の実施形態における第1の実施例に係るプラズマディスプレイパネルにACFを介してTCPが接続された配線接続構造を説明するための分解斜視図、図4は、同プラズマディスプレイパネルの構成を示す斜視図、図5は、TCP付きの同プラズマディスプレイパネルの製造方法を説明するための工程図、図6は、同プラズマディスプレイパネルにACFを介してTCPを接続する配線接続工程で用いられる配線接続装置のACF貼付機構の構成を説明するための説明図、図7は、同配線接続装置の端子圧着機構の構成を説明するための説明図、図8は、同配線接続装置の構成を説明するためのブロック図、図9は、同ACF貼付機構のハーフカッタ部及びカッタ清掃部の構成を説明するための説明図、図10は、同配線接続装置のコントローラの記憶部に記憶された参照画像パターンの一例を示す図であって、同図(a)は、同参照画像パターンのうち、良品パターンを示す図、同図(b)は、同参照画像パターンのうち、不良品パターンを示す図、また、図11は、同配線接続工程の端子圧着工程を説明するための説明図である。
【0032】
この例のプラズマディスプレイパネル28を備えたプラズマ表示装置の製造方法では、図3及び図4に示すように、プラズマディスプレイパネル28の前面基板29及び背面基板31の周縁部に形成された外部接続端部32に、例えばTCP33を、ACF片34bを介して電極端子32aと電極端子33aとが接触するように圧着して、プラズマディスプレイパネル28をその駆動回路と接続するための配線接続工程において、外部接続端子部32にTCP33を圧着する端子圧着工程に先立って、図6に示すように、所定の長さの中抜きACF片34aを切り出して、ベースフィルム53上のACF片34bをTCP33に貼り付けるACF貼付工程を実行する。
【0033】
プラズマディスプレイパネル28の製造方法から説明する。まず、図4に示すように、前面ガラス基板36の内面に水平方向Hに沿って平行に透明電極37a,38aを形成する(ステップSA11(図5))。
次に、抵抗値を小さくするためのバス電極37b,38を水平方向に沿って透明電極37a,38aの上に(図4においては下面側に)形成する(ステップSA12)。すなわち、電極材料として銀を選択する場合は、銀粉体とガラスフリットと有機バインダとからなる銀ペーストを、スクリーン印刷等によってパターニングし、この後、銀ペーストを焼成処理して、有機バインダの焼失とガラスフリットの軟化を行い、バス電極パターンを前面ガラス基板36に固着させてバス電極37b,38bを形成する。
【0034】
こうして、透明電極37a,38a及びバス電極37b,38bとから走査電極37及び維持電極38が形成される。
次に、走査電極37及び維持電極38を被覆する透明誘電体層39を形成する(ステップSA13)。すなわち、ガラスフリットと有機バインダとからなるガラスペーストを、スクリーン印刷やテーブルコータ等によって形成し、この後、ガラスペーストを焼成処理して、有機バインダの焼失とガラスフリットの軟化を行い、透明誘電体層パターンを前面ガラス基板36に固着させて透明誘電体層39を形成する。
次に、透明誘電体層39を放電から保護するための保護膜41を形成する(ステップSA14)。こうして、前面基板29が完成する。
【0035】
一方、図4に示すように、背面基板31を製造するために、背面ガラス基板42の上面に垂直方向に沿って平行にアドレス電極43を形成する(ステップSB11(図5))。
すなわち、電極材料として銀を選択する場合は、銀粉体とガラスフリットと有機バインダとからなる銀ペーストを、スクリーン印刷等によってパターニングし、この後、銀ペーストを焼成処理して、有機バインダの焼失とガラスフリットの軟化を行い、アドレス電極パターンを背面ガラス基板42に固着させてアドレス電極43を形成する。
【0036】
次に、アドレス電極43を被覆する白色誘電体層44を形成する(ステップSB12)。すなわち、ガラスフリットと有機バインダとからなるガラスペーストを、スクリーン印刷やテーブルコータ等によって形成し、この後、ガラスペーストを焼成処理して、有機バインダの焼失とガラスフリットの軟化を行い、白色誘電体層パターンを背面ガラス基板42に固着させて白色誘電体層44を形成する。
【0037】
次に、白色誘電体層44上に、電荷の移動を制限し、誤灯を防止するために、放電セルを画成するストライプ状の隔壁45を形成する(ステップSB13)。すなわち、ガラスフリットと有機バインダとからなるガラスペーストを、白色誘電体層44上にリバースコート法やスリットコート法等によって、一様に塗布した後、レジストをパターニングし、サンドブラスト法等によってレジストの開口箇所を切削し、この後、ガラスペーストを焼成処理して、有機バインダの焼失とガラスフリットの軟化を行い、隔壁パターンを白色誘電体層44に固着させて隔壁45を形成する。
【0038】
次に、隔壁45,45間に蛍光体層46を形成する(ステップSB14)。蛍光体層46は、赤色、緑色、及び青色の蛍光体層46r,46g,46bからなっている。
次に、背面ガラス基板42の周縁部に、封止剤を塗布し、これを焼成して、背面基板31を完成させる(ステップSB15)。
【0039】
次に、前面基板29と背面基板31とを100μm程度のギャップを隔てて互いに対向した状態で、電極対の延長方向(行方向)とアドレス電極43の延長方向(列方向)とが互いに直交するように、かつ、両基板間に放電ガス空間が形成されるように、貼り合わせて配置し(ステップSC16(図5))、その周縁部を、例えば、フリットガラスからなる封止剤によって気密封着する(ステップSC17)。
すなわち、背面基板31の周縁部に封止剤を塗布した後、前面基板29と背面基板31とを貼り合わせた状態で焼成処理を施し、フリットガラスを溶かして、前面基板29と背面基板31を接合してパネル状とする。ここで、隔壁45によって放電セルが画成されている。
【0040】
次に、こうして封着が完了したパネル状の前面基板29及び背面基板31を加熱炉内に導入するとともに、通気管を介して、前面基板29と背面基板31との間に形成された放電ガス空間と接続して、放電ガス空間内の排気を行いながら、真空加熱を行い、放電ガス空間に例えばHe(ヘリウム)やNe(ネオン)、Xe(キセノン)を含む混合希ガスからなる放電ガスを所定の圧力で導入して充填した後、通気管を過熱によってチップオンし、開口端部を閉塞する(ステップSC18)。このようにして、放電ガス空間内に放電ガスが充填される。
次に、放電セル内で放電を発生させて、一定時間継続させることで、放電を安定化させる。
このようにして、放電ガス空間内に放電ガスが充填されて、プラズマディスプレイパネル28が完成する。
【0041】
次に、ACF貼付工程(ステップSC19)及び端子圧着工程(ステップSC20)を含む配線接続工程を、図6乃至図8に示すように、専用の配線接続装置48を用いて行う。
この配線接続装置48は、同図に示すように、例えばTCP33にACF片34bを貼り付けるためのACF貼付機構49と、プラズマディスプレイパネル28の外部接続端子部32にACF片34bを介してTCP33の端子を圧着によって接続する端子圧着機構51と、構成各部を制御するコントローラ52とを備えてなっている。
【0042】
ACF貼付機構49は、基体としてのベースフィルム(セパレータ)53にACF34が貼り合わされてなるACFテープ(ACF重合テープ)54から中抜きACF片34aを切り出して、ベースフィルム53上のACF片34bを、例えばTCP33に貼り付けるために用いられ、図6、図8及び図9に示すように、エジェクタ(不図示)に接続され吸着によってACFテープ54を保持するACF保持部55と、所定の回転軸の周りに回転可能なように配置された4対のカッタ56からなるハーフカッタ部57と、カッタ56の刃先が差し込まれる差込部58aにカッタ56の刃先を清掃するためのブラシが配置されたカッタ清掃部58と、カッタ56によって切断された(ハーフカットされた)中抜きACF片34aに押し当てられて中抜きACF片34aをベースフィルム53から剥離させるための中抜押圧体59を有するACF中抜き部61と、ハーフカッタ部57を鉛直方向に沿って変位させるカッタ押圧駆動部62と、ハーフカッタ部57を略90°の角度間隔で回転変位させるカッタ回転駆動部63と、中抜押圧体59を鉛直方向に沿って変位させる押圧体駆動部64と、ACFテープ54のACF中抜き部61によって中抜きACF片34aが取り出された剥離痕(中抜き状態)を撮影するための撮影カメラを有する撮影部65とを備えてなっている。
【0043】
ACFテープ54は、ベースフィルム53と、ベースフィルム53に貼り合された粘着性の所定の厚さ(例えば、略30μm)のACF34とを有し、ACF34は、合成樹脂からなる接着層中に金属微粒子が分散配置されてなり、圧着によって、圧着方向(厚さ方向)に沿って導電性を示し、長さ方向に沿っては、例えば、端子接続部位間で電気的絶縁性を維持する。
ACFテープ54は、ACF保持部55によって直線状に保持された状態で、中抜きACF片34aが所望の長さに切り出され、ベースフィルム53上のACF片34bが例えばTCP33の端子とプラズマディスプレイパネル28の端子との接続のために用いられる。
【0044】
ACF保持部55は、下面に平面状の吸着面67aが形成された略直方体状の保持体67と、保持体67内に配置されたエアーノズルとを有し、吸着面67aに形成された多数の微小な吸着用孔を経由してエジェクタに到る吸気経路に沿って吸気が行われることによってACFテープ54の吸着が行われる。
ACFテープ54は、エアーノズルによるエアー吸着オンのときに保持状態とされて、ハーフカットが施され、エアー吸着オフ(吸着破壊)のときに保持解除状態(フリー状態)とされる。
なお、ACFテープ54は、1対のカッタ56,56がACF54を押圧して押し切る際に、吸着面67aに押し付けられ、保持体67によって押えられる。
【0045】
ハーフカッタ部57は、図6及び図9に示すように、所定の回転軸の周りに、略90°の角度間隔で回転可能なように配置された4対の金属製のカッタ56,56,…を有すると共に、いずれか1対のカッタ56,56がACF保持部67によって保持されたACFテープ54の真下に配置された状態で、ACFテープ54へ向けて所定量鉛直方向に沿って変位して、ACFテープ54の厚さのうちACF34の厚さ分だけ部分的に切断して(カッタ56の刃先を略30μmの深さまで押し込んでハーフカットして)、ACF34を押し切った後に、元の位置(待機位置)まで戻るように駆動される。
また、各対のカッタ56,56は、カッタ56,56間の離隔は、切り出す中抜きACF片34aの長さに対応した距離(例えば、7mm)に設定されている。この例では、ハーフカット処理毎に回転して、清掃済の状態のカッタ56,56が用いられる。
所定の幅のACFテープ54から、一対のカッタ56,56によって、中抜きACF片34aが所定の長さ(例えば、7mm)に切断されることによって、所望の寸法及び形状(例えば、矩形状)のACF片34bが得られる。
【0046】
カッタ清掃部58は、図6及び図9に示すように、ハーフカッタ部57の後方側に配置され、待機位置におけるカッタ56,56,…の回転運動によって、内部の差込み部58aにカッタ56,56が差し込まれ、エタノール等の洗浄液に浸されたブラシがカッタ56,56の刃先を擦って、粘着性のACF屑等を除去する。
ACF中抜き部61は、中抜押圧体59がACFテープ54の真下に配置された状態で、ACFテープ54へ向けて所定量鉛直方向に沿って変位して、所定の長さにハーフカットされた中抜きACF片34aに接触して中抜押圧体59の接触面に中抜きACF片34aが粘着した後、中抜きACF片34aを剥離して元の位置まで戻るように駆動される。
ACF中抜き部61は、ACFテープ54の移送経路に沿って、ハーフカッタ部57の配置位置と、撮影部65の撮影カメラの配置位置との中間位置に配置されている。
【0047】
カッタ押圧駆動部63は、例えば、ステッピングモータと、ステッピングモータのシャフトに軸を同じくして取り着けられステッピングモータによって回転駆動されるねじ軸及びねじ軸と螺合し、ハーフカッタ部57に固定されたナットからなるボールねじとを有してなっている。
押圧体駆動部64は、例えば、ステッピングモータと、ステッピングモータのシャフトに軸を同じくして取り着けられステッピングモータによって回転駆動されるねじ軸及びねじ軸と螺合し、中抜押圧体59に固定されたナットからなるボールねじとを有してなっている。
【0048】
ACFテープ54は、ハーフカット直後、エアーノズルによるエアー吸着がオフとされて、保持解除状態とされて、次のハーフカットのために、水平面に沿って一定量移送される。
すなわち、ACFテープ54は、ACFテープ54の移送経路に沿って、所定量(ハーフカッタ部57の一対のカッタ56,56の対称面と中抜押圧体59の接触面の中心との水平距離、及び中抜押圧体59の接触面の中心と撮影部65の撮影カメラの光軸との間の水平距離)変位する。
【0049】
端子圧着機構51は、図7及び図8に示すように、前面基板29及び背面基板31が組み合されてなるプラズマディスプレイパネル28を、弾性体からなる吸着パッドMaと、長さの調整が可能な保持ピンMbとを介して、水平な状態で支持する基板ステージ68と、プラズマディスプレイパネル28の外部接続端子部32に重ねられたTCP33を上方から加熱・加圧するためのヒータを有する上側圧着ヘッド69と、上側圧着ヘッド69にプラズマディスプレイパネル28を介して対向配置され、上側圧着ヘッド69によるプラズマディスプレイパネル28の背面基板31の端子32aが形成された面に対向する面を押圧するための下側圧着ヘッド71と、基板ステージ68を水平面に沿って移動させるステージ移動部72と、上側圧着ヘッド69を鉛直方向に沿って移動させるためのヘッドアクチュエータ73と、下側圧着ヘッド71を鉛直方向に沿って移動させるためのヘッドアクチュエータ74とを備えてなっている。
上側圧着ヘッド69及び下側圧着ヘッド71は、共に加熱・加圧するためのヒータを有している。この例では、接続箇所側(図7では上側)の一方の圧着ヘッドを所定の温度まで昇温し、他方の圧着ヘッドを常温のままとする。
また、上側圧着ヘッド69及び下側圧着ヘッド71は、合成樹脂又はゴム等の弾性体からなっている。
【0050】
ステージ移動部72は、プラズマディスプレイパネル28が載置された基板ステージ68を、例えば、上側圧着ヘッド69及び下側圧着ヘッド71の幅方向(両ヘッド間にプラズマディスプレイパネル28が配置された場合の電極端子の幅方向)に沿って移動させる縦方向移動部と、縦方向移動部を、上記幅方向に直交する上側圧着ヘッド69及び下側圧着ヘッド71の厚さ方向(両ヘッド間にプラズマディスプレイパネル28が配置された場合の電極端子の長さ方向)に沿って移動させる横方向移動部とを有してなっている。
【0051】
ステージ移動部72の縦方向移動部は、ステッピングモータと、ステッピングモータのシャフトに軸を同じくして取り着けられステッピングモータによって回転駆動されるねじ軸、及びねじ軸と螺合し、基板ステージ68に固定されたナットからなるボールねじと、基板ステージ68をねじ軸の軸方向に沿って案内する案内部とを有している。
横方向移動部は、縦方向移動部を支持する支持体と、ステッピングモータと、ステッピングモータのシャフトに軸を同じくして取り着けられステッピングモータによって回転駆動されるねじ軸、及びねじ軸と螺合し、支持体に固定されたナットからなるボールねじと、支持体をねじ軸の軸方向に沿って案内する案内部とを有している。
【0052】
ステージ移動部72は、配線接続工程を実施する際に、基板ステージ68を、プラズマディスプレイパネル28の周縁部の被加圧領域が上側圧着ヘッド69及び下側圧着ヘッド71との間に配置されるように移動させる共に、端子圧着工程を実施する際に、基板ステージ68を、プラズマディスプレイパネル28の周縁部のTCP33が圧着される部位が形成された側壁面に沿って(上記幅方向に沿って)、上側圧着ヘッド69及び下側圧着ヘッド71による加圧動作に連動して間欠的に直線的に移動させる。
ヘッドアクチュエータ73,74は、共に、エアシリンダと、上昇用及び下降用のエアを導入するための電磁弁とを有し、それぞれ、上側圧着ヘッド69及び下側圧着ヘッド71を、鉛直方向に沿って移動させる。
【0053】
コントローラ52は、図8に示すように、CPU(中央処理装置)等を有してなる主制御部76と、主制御部76が実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部77と、操作部78と、表示部79と、カッタ押圧駆動部62、カッタ回転駆動部63、押圧体駆動部64及びステージ移動部72を構成するステッピングモータを制御駆動するためのモータ駆動部81と、ヘッドアクチュエータ73,74を構成する電磁弁を制御する電磁弁制御部82と、上側圧着ヘッド69及び下側圧着ヘッド71を構成するヒータを制御するヒータ制御部とを備えたコンピュータ等の情報処理装置によって構成されている。
【0054】
主制御部76は、記憶部77に記憶された各種処理プログラムを実行し、記憶部77に確保された各種レジスタやフラグを用いて、構成各部を制御し、ACF切出良否判定処理や、モータ駆動制御処理等を実行する。
主制御部76は、モータ駆動部81を介して、カッタ押圧駆動部62を構成するステッピングモータを制御して、いずれか1対のカッタ56,56がACF保持部55によって保持されたACFテープ54の真下に配置された状態で、ACFテープ54へ向けてカッタ56,56を所定量鉛直方向に沿って変位させて、ACFテープ54の厚さのうちACF34の厚さ分だけ部分的に切断し(ハーフカットする)、切断後、元の位置まで戻るように、ハーフカッタ部57を駆動させる。
【0055】
また、主制御部76は、モータ駆動部81を介して、カッタ回転駆動部63を構成するステッピングモータを制御して、所定の回転軸の周りに、略90°の角度間隔でハーフカッタ部57を回転させ、カッタ清掃部58の差込み部58aにカッタを差し込ませて、カッタ56,56の刃先の清掃を行わせる。
また、主制御部76は、モータ駆動部を介して、押圧体駆動部63を構成するステッピングモータを制御して、中抜押圧体59がACFテープ54の真下に配置された状態で、ACFテープ54へ向けて所定量鉛直方向に沿って変位して、所定の長さにハーフカットされた中抜きACF片34aに接触して中抜押圧体59の接触面に中抜きACF片34aを粘着させ、中抜きACF片34aを剥離して元の位置まで戻るように、ACF中抜き部61を駆動する。
【0056】
また、主制御部76は、ACF切出良否判定処理で、撮影部65から送られてきたACFテープ54の剥離痕画像を、記憶部77に記憶された多数の良品パターンPa(図10(a)参照)と不良品パターンPb(図10(b)参照)とを含む参照画像パターンと照合して、ACF片34bの良否判定を行う。主制御部76は、対象のACF片34bを良品と判定すると、このACF片34bをTPC33に粘着させ、対象のACF片34bを不良品と判定すると、このACF片34bを棄却させる。
この例では、主制御部76は、ACF片34bが粘着されたTPC33を、上側圧着ヘッドと下側圧着ヘッドとの間に挟み込んで、所定の押圧力及び所定の温度で一定時間加熱・加圧するように、対応する電磁弁制御部やヒータ制御部を制御する。これによって、ACF片34bのTPC33への貼付けを行う。
次に、ACF片34bが貼り付けられたTPC33をプラズマディスプレイパネル28の端子に貼着し、上側圧着ヘッドと下側圧着ヘッドとを用いて、仮圧着を行う。
ここで、各上側圧着ヘッド及び下側圧着ヘッドは、本圧着で用いる上側圧着ヘッド69及び下側圧着ヘッド71とは、別のものを用いる。
【0057】
また、主制御部76は、下側圧着ヘッド71が、下方からプラズマディスプレイパネル28の周縁部を押圧し、下側圧着ヘッド71が、プラズマディスプレイパネル28を所定の押込量で押えた状態で、プラズマディスプレイパネル28の外部接続端子部32にACF片34bを介して仮圧着されたTPC33に対して、上方から上側圧着ヘッド69を所定の押圧力及び所定の温度で一定時間加熱・加圧するように、電磁弁制御部82やヒータ制御部を制御する。これによって、ACF片34bを介してTPC33を外部接続端子部32に本圧着する。
【0058】
また、主制御部76は、プラズマディスプレイパネル28の周縁部に複数のTCP33,33,…を接続する場合に、モータ駆動部81を介して、ステージ移動部72を制御し、基板ステージ68を、プラズマディスプレイパネル28の周縁部のTCP33が圧着される領域が形成された側壁面に沿って、上側圧着ヘッド69及び下側圧着ヘッド71による加圧動作に連動して間欠的に直線的に移動させる。
【0059】
記憶部77は、内部記憶装置と、外部記憶装置とからなり、主制御部76が実行するACF切出良否判定処理や、モータ駆動制御処理プログラム等の各種処理プログラム等が記憶されたプログラム記憶領域と、各種設定情報等の各種情報が記憶される情報記憶領域とを有している。
【0060】
内部記憶装置は、ROMやRAM等の半導体メモリからなる。外部記憶装置は、FD(フレキシブル・ディスク)が装着されるFDドライバ、HD(ハード・ディスク)が装着されるHDドライバ、MO(光磁気)ディスクが装着されるMOディスクドライバ、あるいはCD(コンパクト・ディスク)−ROM、CD−R(Recordable)、CD−RW(ReWritable)やDVD(デジタル・ビデオ・ディスク)−ROM、DVD−R、DVD−RW等が装着されるCD/DVDドライバ等からなる。
また、操作部78は、キーボードやマウス等からなる。表示部79は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、あるいはプラズマディスプレイなどからなる。
【0061】
配線接続工程では、ACF貼付工程を実行する。まず、AFC切出工程を実行する。
主制御部76は、モータ駆動部81を介して、カッタ押圧駆動部62を構成するステッピングモータを制御して、図6に示すように、いずれか1対のカッタ56,56がACF保持部55によって保持されたACFテープ54の真下に配置された状態で、ACFテープ54へ向けてカッタ56,56を所定量鉛直方向に沿って変位させて、ACFテープ54の厚さのうちACF34の厚さ分だけ部分的に切断し(ハーフカットする)、切断後、元の位置まで戻るように、ハーフカッタ部57を駆動させる。
【0062】
次に、主制御部76は、モータ駆動部81を介して、カッタ回転駆動部63を構成するステッピングモータを制御して、図9に示すように、所定の回転軸の周りに、ハーフカッタ部57を略90°回転させ、カッタ清掃部58の差込み部58aにカッタを差し込ませて、使用直後のカッタ56,56の刃先の清掃を行わせると同時に、既に刃先の清掃が完了したカッタ56,56をACFテープ54の真下に配置させる。
【0063】
一方、ACFテープ54は、ハーフカット直後、エアーノズルによるエアー吸着がオフとされて、保持解除状態とされて、次のハーフカットのために、水平面に沿って一定量移送される。
次に、主制御部76は、モータ駆動部を介して、押圧体駆動部63を構成するステッピングモータを制御して、中抜押圧体59がACFテープ54の真下に配置された状態で、ACFテープ54へ向けて所定量鉛直方向に沿って変位して、所定の長さにハーフカットされた中抜きACF片34aに接触して中抜押圧体59の接触面に中抜きACF片34aを粘着させ、中抜きACF片34aを剥離して元の位置まで戻るように、ACF中抜き部61を駆動する。
【0064】
なお、ACF中抜き部61の駆動と同時に、ハーフカッタ部57の駆動によるハーフカットも実施され、中抜きACF片34aの剥離と同時に、ACFテープ54が、水平方向へ所定量変位し、ACF中抜き部61によって中抜きACF片34aが剥離された箇所が撮影部65の撮影カメラの直上に配置され、撮影カメラから主制御部76へACFテープ54の剥離痕画像が送られる。
次に、主制御部76は、ACF切出良否判定処理で、撮影部65から送られてきたACFテープ54の剥離痕画像を、記憶部77に記憶された多数の良品パターンPaと不良品パターンPbとを含む参照画像パターンと照合して、ACF片34bの良否判定を行う。主制御部76は、対象のACF片34bを良品と判定すると、このACF片34bをTPC33に粘着させ、対象のACF片34bを不良品と判定すると、このACF片34bを棄却させる。良品と判定されたACF片34bは、例えば、その長さは、対応するTPC33の寸法に適合している。
この例では、主制御部76は、ACF片34bが粘着されたTPC33を、上側圧着ヘッドと下側圧着ヘッドとの間に挟み込んで、所定の押圧力及び所定の温度で一定時間加熱・加圧するように、対応する電磁弁制御部やヒータ制御部を制御する。これによって、ACF片34bのTPC33への貼付けを行う。
【0065】
次に、ACF片34bが貼り付けられたTPC33をプラズマディスプレイパネル28の端子に貼着し、上側圧着ヘッドと下側圧着ヘッドとを用いて、仮圧着を行う。
次に、TPC33の端子とプラズマディスプレイパネル28の端子との本圧着を行う。
プラズマディスプレイパネル28を、図7に示すように、基板ステージ68上に、吸着パッドMaと、保持ピンMbとを介して載置し、保持ピンMbの高さ等を調整して、プラズマディスプレイパネル28の反りを矯正する。
この状態で、主制御部76は、モータ駆動部81を介して、ステージ移動部72を制御し、プラズマディスプレイパネル28を、図11に示すように、その端部のTPC33を接続する外部接続端子部32が、上側圧着ヘッド69の押圧面69aと、押圧面69aに対向配置された下側圧着ヘッド71の押圧面71aとの間に配置されるように、移動させる。
【0066】
主制御部76は、下側圧着ヘッド71が、所定の押込量上方からプラズマディスプレイパネル28の周縁部に押し込まれ、下側圧着ヘッド71が、プラズマディスプレイパネル28を下方から押えた状態で、プラズマディスプレイパネル28の外部接続端子部32にACF片34bを介して仮圧着(仮止め)されたTPC33に対して、上方から上側圧着ヘッド69を所定の押圧力及び所定の温度で一定時間加熱・加圧するように、電磁弁制御部82やヒータ制御部を制御する。
次に、主制御部76は、モータ駆動部81を介して、ステージ移動部72を制御し、基板ステージ68を、プラズマディスプレイパネル28の周縁部のTCP33が圧着される部位が形成された側壁面に沿って、上側圧着ヘッド69及び下側圧着ヘッド71による加圧動作に連動して間欠的に直線的に移動させて、プラズマディスプレイパネル28の周縁部に複数のTCP33,33,…が接続されるように制御する。
【0067】
このように、この例の構成によれば、プラズマディスプレイパネル28の前面基板29及び背面基板31の周縁部に形成された外部接続端子部32に例えばTCP33を、ACF片34bを介して圧着して駆動回路と接続するための配線接続工程において、所定の長さの中抜きACF片34aをACFテープ54から切り出す際に、カッタ清掃部58によって予め刃先が清浄化され、例えば、前回切断時に付着した粘着性のACF屑が取り除かれた一対のカッタ56,56によってACF34を切断するので、切断が不完全となることなく、正確な寸法及び形状の中抜きACF片34aを切り出すことができる。
【0068】
また、主制御部76は、ACF切出良否判定処理で、撮影部65から送られてきたACFテープ54の剥離痕画像を、記憶部77に記憶された多数の良品パターンPaと不良品パターンPbとを含む参照画像パターンと照合して、中抜きACF片34aが切り出されたベースフィルム53上のACF34bの良否判定を行い、良品と判定したACF34bのみをTPC33に貼着させ、TPC33をACF34bを介してTPC33を外部接続端子部32に圧着するので、中抜きACF片34aが不完全に切り出されたとしても、不良なACF片34bをTPC33の外部接続端子部32に対する接続に用いることがないため、接続不良等の不具合を引き起こすことがなく、接続信頼性を向上させ、歩留まりを向上させることができる。
【0069】
また、ハーフカッタ部57は、複数対(例えば、4対)のカッタを備えているので、複数対のカッタを回転させて、例えば順に用いることによって、過度の使用によるカッタの刃先の磨耗の進行を抑えて、ハーフカッタ部57自体の長寿命化を図って交換頻度を低減することができ、保守作業を簡素化することができる。
また、ハーフカッタ部57は、所定の回転軸の周りに、略90°の角度間隔で回転可能なように配置された4対のカッタ56,56,…を有し、カッタ56,56,…の回転運動によって、カッタ清掃部58の内部の差込み部58aにカッタ56,56が差し込まれ、エタノール等の洗浄液に浸されたブラシがカッタ56,56の刃先を擦って、粘着性のACF屑等を除去するので、簡単に、かつ、カッタ56,56の入替えと同時に自動的に清掃を行うことができる。
【実施例2】
【0070】
図12は、この発明の実施形態における第2の実施例に係るプラズマ表示装置の製造方法によって製造されたプラズマ表示装置の構成を示すブロック図である。
この例のプラズマ表示装置84は、図12に示すように、モジュール構造を有するものとして設計されており、具体的には、アナログインタフェース(以下、IFという)85とPDPモジュール86とから構成されている。
【0071】
アナログIF85は、同図に示すように、クロマ・デコーダを有するY/C分離回路87と、A/D変換回路88と、PLL回路を有する同期信号制御回路89と、画像フォーマット変換回路91と、逆γ(ガンマ)変換回路92と、システムコントロール回路93と、PLE制御回路94とから構成されている。
概略的には、アナログIF85は、受信したアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換した後、このデジタル映像信号をPDPモジュール86に供給する。例えば、テレビチューナから発信されたアナログ映像信号は、Y/C分離回路87において、RGBの各色の輝度信号に分解された後、A/D変換回路88において、デジタル映像信号に変換される。
【0072】
この後、PDPモジュール86の画素構成と映像信号の画素構成とが異なる場合には、画像フォーマット変換回路91において、必要な画像フォーマットの変換が行われる。PDPの入力信号に対する表示輝度の特性は線形的に比例するが、通常の映像信号は、CRTの特性に合わせて、予め補正されている(γ変換されている)。
このため、A/D変換回路88において、映像信号のA/D変換を行った後、逆γ変換回路92において、映像信号に対して逆γ変換を施し、線形特性に復元されたデジタル映像信号を生成する。このデジタル映像信号は、RGB映像信号としてPDPモジュール86に出力される。
【0073】
アナログ映像信号には、A/D変換用のサンプリングクロック及びデータクロック信号が含まれていないため、同期信号制御回路89に内蔵されているPLL回路がアナログ映像信号と同時に供給される水平同期信号を基準として、サンプリングクロック及びデータクロック信号を生成し、PDPモジュール86に出力する。
アナログIF85のPLE制御回路81は輝度制御を行う。具体的には、平均輝度レベルが所定値以下である場合には、表示輝度を上昇させ、平均輝度レベルが所定値を超える場合には、表示輝度を低下させる。
【0074】
システムコントロール回路93は、各種制御信号をPDPモジュール86に出力する。PDPモジュール86は、さらに、デジタル信号処理・制御回路95と、パネル部96と、D/Dコンバータを内蔵するモジュール内電源回路97とから構成されている。
デジタル信号処理・制御回路95は、入力IF信号処理回路98と、フレームメモリ99と、メモリ制御回路101と、ドライバ制御回路102とから構成されている。
例えば、入力IF信号処理回路98に入力された映像信号の平均輝度レベルは、入力IF信号処理回路98内の入力信号平均輝度レベル演算回路(不図示)によって計算され、例えば、5ビットデータとして出力される。また、PLE制御回路94は、平均輝度レベルに応じてPLE制御データを設定し、入力IF信号処理回路98内の輝度レベル制御回路(不図示)に入力する。
【0075】
パネル部96は、PDP28と、走査電極を駆動する走査ドライバ103と、データ電極を駆動するデータドライバ104と、PDP28及び走査ドライバ103にパルス電圧を供給する高圧パルス回路105と、高圧パルス回路105からの余剰電力を回収する電力回収回路106とから構成されている。
PDP28は、例えば1365個×768個に配列された画素を有するものとして構成されている。PDP28は、走査ドライバ103が走査電極を制御し、データドライバ104がデータ電極を制御することにより、これらの画素のうちの所定の画素の点灯又は非点灯が制御され、所望の表示が行われる。
なお、ロジック用電源がデジタル信号処理・制御回路95及びパネル部96にロジック用電源を供給している。さらに、モジュール内電源回路97は、表示電源から直流電力を供給され、この直流電力の電圧を所定の電圧に変換した後、パネル部96に供給している。
【0076】
次に、図12を参照して、この例のプラズマ表示装置84の製造方法について概略的に説明する。
まず、PDP28と、走査ドライバ103と、データドライバ104と、高圧パルス回路105と、電力回収回路106とを一基板上に配置し、パネル部96を形成する。さらに、パネル部96とは別個にデジタル信号処理・制御回路95を形成する。
このようにして形成されたパネル部96及びデジタル信号処理・制御回路95を一つのモジュールとして組み立て、PDPモジュール86を形成する。さらに、PDPモジュール86とは別個にアナログIF85を形成する。
このように、PDPモジュール86とは別個にアナログIF85を形成した後、双方を電気的に接続することによって、プラズマ表示装置84が完成する。
【0077】
このように、プラズマ表示装置84をモジュール化することによって、プラズマ表示装置84を構成する他の構成部品とは別個に独立にプラズマ表示装置84を製造することが可能となり、例えば、プラズマ表示装置84が故障した場合には、PDPモジュール86毎交換することによって、補修の簡素化及び迅速化を図ることができる。
【0078】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述した実施形態では、プラズマディスプレイパネルの製造に適用する場合について述べたが、プラズマディスプレイパネルを製造する場合以外に、例えば、液晶ディスプレイパネルを製造する際にも適用することができる。また、ディスプレイパネルに限らず、一般に基板の周縁部に設けられた接続端子に、可撓性印刷回路としてのFPCやTPCを圧着によって接続する場合に適用することができる。
また、ACFに限らず、一般に基体フィルムに粘着フィルムが重合された重合フィルムから粘着フィルムの一部を切り出す際に適用することができる。
【0079】
また、剥離したACF片の方を、TCPの端子とプラズマディスプレイパネルの端子との接続のために用いるようにしても良い。
また、カッタは、4対に限らず、例えば、2対でも、3対でも5対以上としても良い。また、ハーフカッタ部は、複数設けるようにしても良い。
また、1度切断する毎に回転させて清掃する場合について述べたが、所定回数切断した後に回転させるようにしても良いし、検査(良否判定)結果に応じて連続使用回数を変更するようにしても良い。また、カッタの刃先を研磨する手段を付加するようにしても良い。
【0080】
また、中抜きされた後のACFを撮影する場合について述べたが、中抜きしたACF片を撮影して、中抜きされたACFの良否判定を行うようにしても良い。
また、良否判定を行う場合に、撮影カメラで撮影した画像に基づいて、自動判定しても良いし、作業員が表示された画像を見て、良否判定を行っても良い。ここで、明らかに良否判定できる場合以外は、作業員が良否判定を行うようにしても良い。
また、ハーフカッタ部のアクチュエータとして、ボールねじ及びモータを用いる場合について述べたが、動力源としては、モータに限らず、エア等の一般に流体圧を用いることができ、エアシリンダや、例えば、油圧シリンダを用いても良い。
【0081】
また、ハーフカッタ部の一対のカッタの離隔は、変更可能なように構成しても良い。
また、上下両側に配置した圧着ヘッドにヒータを設けなくても、一方のみとしても良い。
また、例えば、断面楔形状の一対のカッタを用いる場合に限らず、ACFを、例えば、枠状の刃体で押し切って、ACFの厚さ分のみ部分的に穿孔し、その幅がテープの幅よりも小さい矩形状に、切り出すようにしても良い。
また、回転運動によってカッタを切り換えるのに代えて、ハーフカッタ部の複数対のカッタを直線状に配置し、水平面上をACFテープの移送方向に直交する方向に沿った直線運動によって、使用するカッタを切り換えるようにしても良い。
また、カッタ切換えのためのハーフカッタ部の回転駆動と、カッタ清掃のためのハーフカッタ部の回転駆動を別々の回転駆動手段を用いて行うようにしても良い。
また、コントローラは、ACF貼付機構と端子圧着機構とで共通としても良いし、別々に設けても良い。
【0082】
また、第1の実施例で、圧着時に、必ずしも両方向から押圧しなくても一方を固定して単に受け台としても良い。
また、ヘッドアクチュエータによって圧着ヘッドを鉛直方向に沿って駆動する場合について述べたが、圧着ヘッドを固定して基板ステージを鉛直方向に沿って変位させるようにしても良い。
【0083】
また、ヘッドアクチュエータでは、動力源として、エアに限らず、一般に流体圧を用いることができ、エアシリンダに代えて、例えば、油圧シリンダを用いても良い。また、ヘッドアクチュエータによる水平方向駆動は、タイミングベルトを介してモータによって行っても良いし、ボールねじを用いて駆動させても良い。
また、ステージ移動部に、プラズマディスプレイパネルを、例えば、90°の角度間隔で回転させる機構を付加するようにしても良い。
また、上側圧着ヘッドと下側圧着ヘッドとの位置関係は逆としても良いし、また、下側圧着ヘッドも加熱するようにしても良い。
【0084】
上記実施形態の第1の実施例の配線接続装置を用いて、配線接続工程を実施することによって、所定の寸法及び形状の中抜きACF片を切り出す際に、カッタ清掃部によって予め刃先が清浄化され、例えば、前回切断時に付着した粘着性のACF屑が取り除かれたカッタによってACFを切断するので、切断が不完全となることなく、正確な寸法及び形状の中抜きACF片を切り出すことができる。
また、主制御部は、撮影部から送られてきた剥離痕の画像を、良品パターンと不良品パターンとを含む参照画像パターンと比較して、中抜きACF片が切り出されたベースフィルム上のACF片の良否判定を行うので、中抜きACF片が不完全に切り出されたとしても、不良なACF片をTCPのプラズマディスプレイパネルに対する接続に用いることがないため、接続不良等の不具合を引き起こすことがなく、接続信頼性を向上させ、歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】従来技術を説明するための説明図であって、プラズマディスプレイパネルの構成を説明するための説明図である。
【図2】従来技術を説明するための説明図であって、従来のAFC貼付方法を説明するための説明図である。
【図3】この発明の実施形態における第1の実施例に係るプラズマディスプレイパネルにACFを介してTCPが接続された配線接続構造を説明するための分解斜視図である。
【図4】同プラズマディスプレイパネルの構成を示す斜視図である。
【図5】TCP付きの同プラズマディスプレイパネルの製造方法を説明するための工程図である。
【図6】同プラズマディスプレイパネルにACFを介してTCPを接続する配線接続工程で用いられる配線接続装置のACF貼付機構の構成を説明するための説明図である。
【図7】同配線接続装置の端子圧着機構の構成を説明するための説明図である。
【図8】同配線接続装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図9】同ACF貼付機構のハーフカッタ部及びカッタ清掃部の構成を説明するための説明図である。
【図10】同配線接続装置のコントローラの記憶部に記憶された参照画像パターンの一例を示す図であって、同図(a)は、同参照画像パターンのうち、良品パターンを示す図、同図(b)は、同参照画像パターンのうち、不良品パターンを示す図である。
【図11】同配線接続工程の端子圧着工程を説明するための説明図である。
【図12】この発明の実施形態における第2の実施例に係るプラズマ表示装置の製造方法によって製造されたプラズマ表示装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0086】
28 プラズマディスプレイパネル(パネル、平面表示パネル)
29 前面基板(第1の基板又は第2の基板)
31 背面基板(第2の基板又は第1の基板)
33 TCP(プリント配線板)
34 ACF(粘着フィルム)
34a 中抜きACF片(ACF片)
48 配線接続装置
49 ACF貼付機構(粘着フィルム切出装置)
53 ベースフィルム(基体フィルム)
55 ACF保持部(保持手段)
56 カッタ(切断刃)
57 ハーフカッタ部(切断手段)
58 カッタ清掃部(清掃手段)
58a 差込み部(切断刃差込み部)
61 ACF中抜き部(剥離手段)
62 カッタ押圧駆動部(押込駆動手段)
63 カッタ回転駆動部(切換駆動手段、回転駆動手段)
65 撮影部(撮影手段)
67 保持体
67a 吸着面
76 主制御部(良否判定手段)
84 プラズマ表示装置(平面表示装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、前記粘着フィルムの一部を切り出すための粘着フィルム切出装置であって、
前記基体フィルムの裏面側を保持する保持手段と、前記粘着フィルムに切り込む切断刃を有し、前記保持手段によって前記基体フィルムが保持されている状態で、前記粘着フィルムにその表面側から前記切断刃が切り込むことによって、前記粘着フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断手段と、前記切断手段によって切断されて得られた前記所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を前記基体フィルムから剥離させて取り出す剥離手段と、前記切断刃の刃先を清掃する清掃手段とを備えてなる
ことを特徴とする粘着フィルム切出装置。
【請求項2】
表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、前記粘着フィルムの一部を切り出すための粘着フィルム切出装置であって、
前記基体フィルムの裏面側を保持する保持手段と、前記粘着フィルムに切り込む切断刃を有し、前記保持手段によって前記基体フィルムが保持されている状態で、前記粘着フィルムにその表面側から前記切断刃が切り込むことによって、前記粘着フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断手段と、前記切断手段によって切断されて得られた前記所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を前記基体フィルムから剥離させて取り出す剥離手段と、前記基体フィルムの前記剥離手段によって前記粘着フィルム片が取り出された剥離痕又は剥離された前記粘着フィルム片を撮影するための撮影手段と、前記撮影手段によって撮影された前記剥離痕又は前記粘着フィルム片の画像と、良品パターン及び不良品パターンを含む参照画像パターンとを比較して、前記粘着フィルム片が剥離された前記粘着フィルム、又は剥離された前記粘着フィルム片の良否判定を行う良否判定手段とを備えてなる
ことを特徴とする粘着フィルム切出装置。
【請求項3】
前記切断手段は、切換可能なように配置された複数又は複数対の切断刃を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着フィルム切出装置。
【請求項4】
前記複数又は複数対の切断刃のうち、所定の切断刃が、前記粘着フィルムに対して切断可能な位置に配置されるように前記切断手段を駆動する切換駆動手段と、前記所定の切断刃の先端が少なくとも前記粘着フィルムと前記基体フィルムとの境界まで押し込まれるように前記切断手段を駆動する押込駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項3記載の粘着フィルム切出装置。
【請求項5】
前記切断手段は、所定の回転軸の周りに回転可能なように配置された複数又は複数対の切断刃を有してなり、
前記切換駆動手段は、前記切断手段を前記回転軸の周りに回転変位させる回転駆動手段を有し、前記切断手段を回転させて、前記切断刃の切換えを行うことを特徴とする請求項4記載の粘着フィルム切出装置。
【請求項6】
前記清掃手段は、前記切断刃の刃先が差し込まれ、前記刃先を擦るブラシが設けられた切断刃差込み部を有することを特徴とする請求項1記載の粘着フィルム切出装置。
【請求項7】
前記切断手段は、所定の回転軸の周りに回転可能なように配置された複数又は複数対の切断刃を有してなり、
前記清掃手段は、前記切断手段を前記回転軸の周りに回転させる回転駆動手段を有し、前記回転駆動手段によって前記切断刃が回転して、前記切断刃差込み部に差し込まれることによって、前記ブラシが前記切断刃の刃先を擦って清掃を行うことを特徴とする請求項6記載の粘着フィルム切出装置。
【請求項8】
前記切断手段は、前記基体フィルム及び前記粘着フィルムの長尺方向に沿って所定の離隔を保って配置された断面略楔形状又は略鑿形状の一対の切断刃を有してなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の粘着フィルム切出装置。
【請求項9】
前記保持手段は、平面状の吸着面が形成された略直方体状の保持体を有し、前記吸着面に形成された複数の吸着用孔を経由して吸気経路に沿って吸気が行われることによって、前記基体フィルムの前記粘着フィルムとの境界面に対向する被吸着面が吸着され、前記基体フィルムは、前記切断刃が前記粘着フィルムを押し切る際に、前記被吸着面が前記吸着面に押し付けられて、前記保持体によって押えられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の粘着フィルム切出装置。
【請求項10】
前記粘着フィルムは、絶縁性の合成樹脂層中に導電性微粒子が分散配置されてなり、厚さ方向に圧着されることによって、厚さ方向に沿って導電性を示す異方性導電フィルムからなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1記載の粘着フィルム切出装置。
【請求項11】
パネルとプリント配線板とを重ねて、前記パネルの主表面であって、前記プリント配線板と対向する面の周端縁に沿って設けられた第1の接続端子と、前記プリント配線板の主表面であって、前記パネルと対向する面の周端縁に沿って設けられた第2の接続端子とを、絶縁性の合成樹脂層中に導電性微粒子が分散配置されてなり、厚さ方向に圧着されることによって、厚さ方向に沿って導電性を示す異方性導電フィルムを介して圧着して電気接続するための配線接続装置であって、
請求項1乃至10のいずれか1に記載の粘着フィルム切出装置を備え、前記粘着フィルム切出装置を用いて前記粘着フィルム片としての前記異方性導電フィルム片が切り出された前記異方性導電フィルム、又は切り出された前記異方性導電フィルム片を介して、前記第1の接続端子と前記第2の接続端子との圧着が行われることを特徴とする配線接続装置。
【請求項12】
表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、前記粘着フィルムの一部を切り出すための粘着フィルム切出方法であって、
前記粘着フィルムに切り込む切断刃を用いて、保持手段によって前記基体フィルムが保持されている状態で、前記粘着フィルムにその表面側から前記切断刃が切り込むことによって、前記粘着フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断ステップと、前記切断ステップで切断されて得られた前記所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を前記基体フィルムから剥離させて取り出す剥離ステップと、前記切断刃の刃先を清掃する清掃ステップとを含む
ことを特徴とする粘着フィルム切出方法。
【請求項13】
表面側に粘着フィルムが剥離可能に貼着された基体フィルムから、前記粘着フィルムの一部を切り出すための粘着フィルム切出方法であって、
前記粘着フィルムに切り込む切断刃を用いて、前記保持手段によって前記基体フィルムが保持されている状態で、前記粘着フィルムにその表面側から前記切断刃が切り込むことによって、前記粘着フィルムを所定の寸法及び形状に切断する切断ステップと、前記切断ステップで切断されて得られた前記所定の寸法及び形状の粘着フィルム片を前記基体フィルムから剥離させて取り出す剥離ステップと、前記基体フィルムの前記剥離ステップで前記粘着フィルム片が取り出された剥離痕又は剥離された前記粘着フィルム片を撮影するための撮影ステップと、前記撮影ステップで撮影された前記剥離痕又は前記粘着フィルム片の画像と、良品パターン及び不良品パターンを含む参照画像パターンとを比較して、前記粘着フィルム片が剥離された前記粘着フィルム、又は剥離された前記粘着フィルム片の良否判定を行う良否判定ステップとを含む
ことを特徴とする粘着フィルム切出方法。
【請求項14】
前記切断ステップでは、切換可能なように配置された複数又は複数対の切断刃を有する切断手段を用いることを特徴とする請求項12又は13記載の粘着フィルム切出方法。
【請求項15】
前記複数又は複数対の切断刃のうち、所定の切断刃が、前記粘着フィルムに対して切断可能な位置に配置されるように前記切断手段を駆動する切換駆動ステップと、前記所定の切断刃の先端が少なくとも前記粘着フィルムと前記基体フィルムとの境界まで押し込まれるように前記切断手段を駆動する押込駆動ステップとを含むことを特徴とする請求項14記載の粘着フィルム切出方法。
【請求項16】
前記切断手段は、所定の回転軸の周りに回転可能なように配置された複数又は複数対の切断刃を有してなり、
前記切換駆動ステップは、前記切断手段を前記回転軸の周りに回転変位させる回転駆動ステップを含み、前記切断手段を回転させて、前記切断刃の切換えを行うことを特徴とする請求項15記載の粘着フィルム切出方法。
【請求項17】
前記清掃ステップでは、ブラシを有する切断刃差込み部に、前記切断刃の刃先を差し込み、前記ブラシによって前記刃先を擦ることを特徴とする請求項12記載の粘着フィルム切出方法。
【請求項18】
前記切断手段は、所定の回転軸の周りに回転可能なように配置された複数又は複数対の切断刃を有してなり、
前記清掃ステップは、前記切断手段を前記回転軸の周りに回転させる回転駆動ステップを含み、前記回転駆動ステップで、前記切断刃を回転させて、前記切断刃差込み部に差し込むことによって、前記ブラシが前記切断刃の刃先を擦って清掃を行うことを特徴とする請求項17記載の粘着フィルム切出方法。
【請求項19】
前記切断ステップでは、前記基体フィルム及び前記粘着フィルムの長尺方向に沿って所定の離隔を保って配置された断面略楔形状又は略鑿形状の一対の切断刃を用いることを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1に記載の粘着フィルム切出方法。
【請求項20】
平面状の吸着面が形成された略直方体状の保持体を用い、前記吸着面に形成された複数の吸着用孔を経由して吸気経路に沿って吸気を行うことによって、前記基体フィルムの前記粘着フィルムとの境界面に対向する被吸着面を吸着し、前記切断刃が前記粘着フィルムを押し切る際に、前記被吸着面が前記吸着面に押し付けられて、前記保持体が前記基体フィルムを押えることを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1に記載の粘着フィルム切出方法。
【請求項21】
前記粘着フィルムは、絶縁性の合成樹脂層中に導電性微粒子が分散配置されてなり、厚さ方向に圧着されることによって、厚さ方向に沿って導電性を示す異方性導電フィルムからなることを特徴とする請求項12乃至20のいずれか1記載の粘着フィルム切出方法。
【請求項22】
パネルとプリント配線板とを重ねて、前記パネルの主表面であって、前記プリント配線板と対向する面の周端縁に沿って設けられた第1の接続端子と、前記プリント配線板の主表面であって、前記パネルと対向する面の周端縁に沿って設けられた第2の接続端子とを、絶縁性の合成樹脂層中に導電性微粒子が分散配置されてなり、厚さ方向に圧着されることによって、厚さ方向に沿って導電性を示す異方性導電フィルムを介して圧着して電気接続するための配線接続方法であって、
請求項12乃至21のいずれか1に記載の粘着フィルム切出方法を含み、前記粘着フィルム切出方法を実施して前記粘着フィルム片としての前記異方性導電フィルム片が切り出された前記異方性導電フィルム、又は切り出された前記異方性導電フィルム片を介して、前記第1の接続端子と前記第2の接続端子との圧着を行うことを特徴とする配線接続方法。
【請求項23】
前記パネルは、第1の基板及び第2の基板が封止層を介して互いに対向配置されてなり、画像を表示する平面表示パネルであり、かつ、前記プリント配線板は、可撓性印刷回路であることを特徴とする請求項22記載の配線接続方法。
【請求項24】
前記平面表示パネルは、プラズマディスプレイパネルからなることを特徴とする請求項23記載の配線接続方法。
【請求項25】
第1の基板及び第2の基板が封止層を介して互いに対向配置されてなり、画像を表示する平面表示パネルに、プリント配線板を接続して前記平面表示パネルの駆動回路と接続する平面表示装置の製造方法であって、
請求項22、23又は24記載の配線接続方法によって、前記パネルとしての前記平面表示パネルに前記プリント配線板を接続することを特徴とする平面表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−30085(P2007−30085A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214869(P2005−214869)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000232151)パイオニアプラズマディスプレイ株式会社 (27)
【Fターム(参考)】