精密な帯状ヒーターエレメント
【課題】作動温度においても均一に放熱し、応力のないヒーターエレメントを提供する。
【解決手段】本発明のヒーターエレメントは、連続的な平面状の帯状体と、複数の取り付け要素と、を備える。連続的な帯状体の第1の端部から第2の端部までの経路は、曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクルを備え、各繰り返しのサイクルは、複数の第1の直線状の部分と、複数の第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を備える。第1の直線状の部分の長さは、第2の直線状の部分の長さよりも長く、曲がりくねった経路のうちの1つのサイクルの角度の合計は、360度よりも大きい。このヒーターエレメントは、例えば半導体処理装置用のヒーター組立体に組み込むことができる。
【解決手段】本発明のヒーターエレメントは、連続的な平面状の帯状体と、複数の取り付け要素と、を備える。連続的な帯状体の第1の端部から第2の端部までの経路は、曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクルを備え、各繰り返しのサイクルは、複数の第1の直線状の部分と、複数の第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を備える。第1の直線状の部分の長さは、第2の直線状の部分の長さよりも長く、曲がりくねった経路のうちの1つのサイクルの角度の合計は、360度よりも大きい。このヒーターエレメントは、例えば半導体処理装置用のヒーター組立体に組み込むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒーターエレメントに関する。本発明は、特に、炉用、例えば半導体処理炉用の、帯状ヒーターエレメントに関し、直線状の部分と丸みをつけた部分とを有する曲がりくねった経路を備え、熱延びと収縮とを吸収するのに有利である。
【背景技術】
【0002】
以下の背景技術に関する記載において、特定の構造や方法が参照されている。しかし、以下の引用は、これらの構造や方法が先行技術であるという告白として解釈されてはならない。出願人は、そのような構造や方法が先行技術としての資格を有さないことを証明する権利を留保する。
【0003】
従来のヒーターエレメントは、通常、様々な設計と形状のワイヤー又は板金で形成されている。しかし、ワイヤー製のパターン化された要素は、通常、これを取り囲む媒体、例えば絶縁体に、埋め込まれるか又は半埋め込みにされるために、作動温度が制限されている。更に、ワイヤー製のパターン化された要素は、一般的に、精密に成形されておらず、高度に労働集約的であって、質量に対する表面積比が中程度で、その結果、熱しやすく冷めやすい。矩形パターンが主体の板金製ヒーターエレメントでは、不均一性に悩まされ、一方、連続的にカーブしたパターンの板金製ヒーターエレメントでは、大きな応力を生じ易く、ヒーターエレメントが作動温度で膨張する場合、両方の影響がより顕著になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作動温度においても均一に放熱し、応力の発生しないヒーターエレメントは、有利である。このようなヒーターエレメントを炉に備えることができれば、物品の処理を改善することができる。このようなヒーターエレメントは、例えば、半導体ウエハの処理用の半導体処理炉に適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
典型的なヒーターエレメントは、連続的な平面状の帯状体を備え、この連続的な帯状体の第1の端部から第2の端部までが、曲がりくねって、複数の繰り返しのサイクルを備え、各繰り返しのサイクルが、複数の第1の直線状の部分と、複数の第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を備え、第1の直線状の部分の長さが、第2の直線状の部分の長さよりも長く、曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計が、360度よりも大きい。
【0006】
本発明のヒーター組立体の典型的な実施形態では、複数の取り付け要素によって絶縁体用基板に対して間隔をあけて取り付けられるヒーターエレメントを、備えている。
【0007】
ヒーター組立体の製造方法の典型的な実施形態は、電気抵抗合金から、放熱面と複数の取り付け要素とを有する連続的な平面状の帯状体を備えるヒーターエレメント本体を形成する工程と、連続的な平面状の帯状体に関して、平面から複数の取り付け要素を曲げ成形する工程と、複数の取り付け要素を、取り付け要素の上に一体化されたスペーサーが基板に接触するまで、基板に挿入する工程と、を備え、第1の端部から第2の端部への連続的な帯状体の経路は、曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクルを有し、各繰り返しのサイクルは、複数の平行でない第1の直線状の部分と、第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を有し、第1の直線状の部分の長さは、第2の直線状の部分の長さよりも長く、曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計は、360度よりも大きい。
【0008】
ヒーター組立体の製造方法の別の典型的な実施形態は、電気抵抗合金から、放熱面を有する連続的な平面状の帯状体を備えるヒーターエレメント本体を形成する工程と、複数の取り付け要素を、連続的な平面状の帯状体の上に一体的に形成された開口部を通して、取り付け要素に関するスペーサーが基板に接触するまで、基板に挿入する工程と、を備え、第1の端部から第2の端部への連続的な帯状体の経路は、曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクルを有し、各繰り返しのサイクルは、複数の平行でない第1の直線状の部分と、第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を有し、第1の直線状の部分の長さは、第2の直線状の部分の長さよりも長く、曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計は、360度よりも大きい。
【0009】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明とは、典型例であり、説明用の記載であって、請求項の発明を更に説明するものと、理解すべきである。
【0010】
以下の詳細な説明は、添付の図面と関連して読むことができ、添付の図面の中で、類似の符号は、類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、ヒーターエレメントの実施形態の略図の平面図である。
【図2】図2は、ヒーターエレメントの更なる実施形態の略図の平面図である。
【図3A】図3Aと図3Bは、ヒーター組立体の典型的な実施形態の、2つの異なった分解斜視図を示す。
【図3B】図3Aと図3Bは、ヒーター組立体の典型的な実施形態の、2つの異なった分解斜視図を示す。
【図4A】図4Aと図4Bは、ヒーター組立体の別の典型的な実施形態の、2つの異なった分解斜視図を示す。
【図4B】図4Aと図4Bは、ヒーター組立体の別の典型的な実施形態の、2つの異なった分解斜視図を示す。
【図5A】図5A〜図5Cは、ヒーターエレメントの典型的な実施形態の一部を示し、取り付け要素の第1の実施形態を含んでいる。
【図5B】図5A〜図5Cは、ヒーターエレメントの典型的な実施形態の一部を示し、取り付け要素の第1の実施形態を含んでいる。
【図5C】図5A〜図5Cは、ヒーターエレメントの典型的な実施形態の一部を示し、取り付け要素の第1の実施形態を含んでいる。
【図6】図6は、ヒーターエレメントの別の典型的な実施形態の一部を示し、取り付け要素の第2の実施形態を含んでいる。
【図7A】図7A〜図7Dは、平面図であり、ヒーターエレメントの様々な実施形態を示し、ヒーターエレメントは、一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素の組み合わせを備えている。
【図7B】図7A〜図7Dは、平面図であり、ヒーターエレメントの様々な実施形態を示し、ヒーターエレメントは、一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素の組み合わせを備えている。
【図7C】図7A〜図7Dは、平面図であり、ヒーターエレメントの様々な実施形態を示し、ヒーターエレメントは、一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素の組み合わせを備えている。
【図7D】図7A〜図7Dは、平面図であり、ヒーターエレメントの様々な実施形態を示し、ヒーターエレメントは、一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素の組み合わせを備えている。
【図8】図8は,一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素の組み合わせを備えているヒーター組立体の実施形態の分解斜視図である。
【図9A】図9Aと図9Bは、図1に示すヒーターエレメントの実施形態の、モデル化された温度分布を示す図であり、図9Aは、取り付け要素の第1の実施形態を示し、図9Bは、取り付け要素の第2の実施形態を示している。
【図9B】図9Aと図9Bは、図1に示すヒーターエレメントの実施形態の、モデル化された温度分布を示す図であり、図9Aは、取り付け要素の第1の実施形態を示し、図9Bは、取り付け要素の第2の実施形態を示している。
【図10】図10は、図2に示すヒーターエレメントの実施形態の、モデル化された温度分布を示す図である。
【図11】図11は、先行技術のヒーターエレメントの、モデル化された温度分布を示す図である。
【図12A】図12Aと図12Bは、複数のヒーターエレメントを備えるヒーター組立体の、典型的な実施形態の、2つの異なる斜視図を示している。
【図12B】図12Aと図12Bは、複数のヒーターエレメントを備えるヒーター組立体の、典型的な実施形態の、2つの異なる斜視図を示している。
【図13A】図13A〜図13Eは、ヒーターエレメント取り付けの実施例を示す。
【図13B】図13A〜図13Eは、ヒーターエレメント取り付けの実施例を示す。
【図13C】図13A〜図13Eは、ヒーターエレメント取り付けの実施例を示す。
【図13D】図13A〜図13Eは、ヒーターエレメント取り付けの実施例を示す。
【図13E】図13A〜図13Eは、ヒーターエレメント取り付けの実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ヒーターエレメント10の実施形態は、連続的な平面状の帯状体12と、複数の取り付け要素14と、を備える。帯状体12の第1の端部16から第2の端部18までの連続的な経路は、曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクル20を備える。各繰り返しのサイクル20は、複数の平行でない第1の直線状の部分22と、複数の第2の直線状の部分24と、複数の丸みをつけた部分26と、を備える。曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計は、360度よりも大きい。
【0013】
ヒーターエレメント10は、普通、第1の平面内で延び、第1の平面内に含まれる、放熱面30を有する。この平面内において、複数の第1の直線状の部分22は、ヒーターエレメント10の第1の端部34からヒーターエレメント10の第2の端部36に向かって方向付けられた軸32に対し、普通、直角方向に配置されており、例えば、軸32に対して直角プラスマイナス15度以内に配置されている。複数の第2の直線状の部分24は、軸32に対して、普通、長手方向に配置され、例えば、軸32に対して、平行プラスマイナス15度以内に配置されている。一実施形態において、どの2つの連続的な第1の直線状の部分も、普通、プラスマイナス15度以内、又はプラスマイナス5度以内の平行ではなく、どの2つの連続的な第2の直線状の部分も、普通、プラスマイナス15度以内、又はプラスマイナス5度以内の平行である。或いは、どの2つの連続的な第1の直線状の部分22も、厳密に非平行であり、又は、どの2つの連続的な第2の直線状の部分24も、厳密に平行である。軸32は、従来どおり、X軸方向に向けられている。
【0014】
一実施形態において、曲がりくねった経路の1つのサイクル20は、2つの第1の直線状の部分22と、2つの第2の直線状の部分24と、4つの丸みをつけた部分26と、を備える。1つのサイクル20は、2つの丸い突出部38を備える。各々の丸い突出部38は、2つの丸みをつけた部分26と、1つの第2の直線状の部分24と、を備える。1つの第2の直線状の部分24は、2つの丸みをつけた部分26を分離している。
【0015】
丸みをつけた部分は、どんな形状でもとることができる。図1は、ヒーターエレメント10の実施形態の略図であり、平面図である。図1に示された実施形態のサイクル20は、丸みをつけた部分26と第1の直線状の部分22とのインターフェース40から、丸みをつけた部分26と第2の直線状の部分24とのインターフェース42まで連続的に丸みをつけられた、丸みをつけた部分26を備える。この形態では、サイクル20は、軸32に関して擬似正弦曲線であり、プラス方向の領域(中心線の軸32に対するy軸方向のプラスに向かう方向)と、マイナス方向の領域(中心線の軸32に対するy軸方向のマイナスに向かう方向)との両方を備えている。図2は、平面図であり、ヒーターエレメント10の別の実施形態の略図である。図2に示される実施形態のサイクル20は、丸みをつけた部分26と第1の直線状の部分22とのインターフェース40から、丸みをつけた部分26と第2の直線状の部分24とのインターフェース42まで、直線状の部分と連続的に丸みをつけられた部分との両方を有する、丸みをつけた部分26を備える。この形態では、サイクル20は、軸32に関して、擬似矩形であり、丸い突出部34の経路方向の変化が矩形から外れており、プラス方向の領域とマイナス方向の領域との両方を備えている。
【0016】
ヒーターエレメント10の、擬似正弦曲線と擬似矩形の形状の両者における丸みをつけた部分26は、内側半径r1と外側半径R2とを有す。各丸みをつけた部分26は、丸みをつけた部分26の、長さLrにわたる曲がりくねった経路の方向の、角度変化を示す関係角度αを有す。個々の丸みをつけた部分24に関して、丸みをつけた部分の典型的な実施形態は、90度と135度の間の角度αを有し、すなわち、90度<α<135度であり、或いは、90度と100度の間、すなわち、90度<α<100度である。
【0017】
実施形態において、1つの丸い突出部38の角度αの角度合計βは、180度よりも大きく、180度よりも大きくて約200度までであることが好ましく、185度から約190度までであることが更に好ましい。例えば、丸い突出部38の角度合計βは、次の式で表される。
【数1】
ここで、n=丸い突出部の丸みをつけた部分の数、である。各サイクルは、2つの丸い突出部を有するので、曲がりくねった経路の1つのサイクルに関する角度αの合計は、360度よりも大きく、360度よりも大きく約400度までが好ましく、約370から約380度が更に好ましい。
【0018】
180度よりも大きい角度合計βは、丸い突出部38に隣接する2つの第1の直線状の部分22が非平行である結果である。このような非平行の関係は、図1と図2に見ることができる。丸い突出部38の内側の面に向かって、丸い突出部38に隣接する2つの第1の直線状の部分22は、距離D1によって分離されており、距離D1は、同じ2つの第1の直線状の部分22を連続的なプラス方向か又はマイナス方向の部分において丸い突出部38の間の開口部46の口44の近くで分離している距離D2よりも、大きい。D1は、第1の直線状の部分22の第1の端部で測られ、D2は、第1の直線状の部分22の第2の端部で測られる。
【0019】
ヒーターエレメント10の曲がりくねった経路は、平面状のヒーターエレメント10のセンターラインにあるライン50として示すことができる。図1と2は、図示した実施形態中に、ライン50の位置を示している。このライン50は、曲がりくねった経路の距離を計るのに用いることができ、丸みをつけた部分26の角度αと、第1の直線状の部分22の長さL1と、第2の直線状の部分24の長さL2と、丸みをつけた部分26の長さLrと、を計るのに用いることができる。第1の直線状の部分22の長さL1は、第2の直線状の部分24の長さL2よりも長い。
【0020】
放熱のエネルギー放散の均一性は、均一な断面と表面積を有する均質な伝導体の方が大きいことを、当業者ならば理解できるであろう。従って、曲がった部分の長さに対して直線状の部分の長さの比率を最大にすることが、好ましい。下記の関係が、高い均一性と、高い充填率(放熱板の表面エネルギーに対する基板の表面エネルギーの比率)と、を生み出し、放熱部の応力を最小にするということが、実験的に結論付けられた。更にこの関係は、過渡的な状況の間、及び、ヒーターエレメントの有効寿命にわたって、膨張を吸収し、制御する。
【0021】
実施形態において、1つのサイクルの第1の直線状の部分22の長さと、第2の直線状の部分24の長さと、丸みをつけた部分26の長さは、下記の関係を満たす。
【数2】
ここで、L1,Aは、初めの第1の直線状の部分22の長さL1であり、L1,Bは、2番目の第1の直線状の部分22の長さL1であり、L2,Aは、初めの第2の直線状の部分24の長さL2であり、L2,Bは、2番目の第2の直線状の部分24の長さL2であり、Lr,aは、初めの丸みをつけた部分26の長さLrであり、Lr,bは、2番目の丸みをつけた部分26の長さLrである。また、上記の関係は、2.2よりも大きく、2.2よりも大きくて10.0未満までであるか又は5.0未満までである。この関係は、丸みをつけた部分の長さに対する、直線状の部分の長さの比率を意味する。放熱面の均一な幅に対しては、この関係は、丸みをつけた部分に対する直線状の部分の表面積の比率でもある。適切な幅の一例は、8mmである。長さは、放熱経路の中央で測られ、すなわち、ライン50に沿って測られる。
【0022】
図3A〜図3Bと図4A〜図4Bは、ヒーター組立体の2つの典型的な実施形態の2つの異なる分解斜視図である。ヒーター組立体100は、ヒーターエレメント10と絶縁体102とを備える。絶縁体102は、適切な絶縁体であれば何でもよい。一実施形態において、絶縁体102は、アルミナ表面層106を有する絶縁体基板104を備える。他の適切な絶縁体102は、絶縁体材料、望ましくはアルミナ表面層と混合されたセラミック繊維裏板層を有するセラミック繊維複合物、で形成された基板を備える。ヒーターエレメント10は、本明細書、例えば図1と図2のいずれかに開示し記載する、適切なヒーターエレメントとすることができる。図3A〜図3B、図4A〜図4B、図8に示すように、ヒーターエレメントは、図1に示すような擬似正弦曲線である。
【0023】
ヒーターエレメント10は、複数の取り付け要素14を備える。取り付け要素14は、曲がりくねった経路に沿った複数の場所で、連続的な帯状体12の複数の周辺60から延びる。取り付け要素は、適切な箇所ならどこに配置してもよい。図1〜図4に示すような実施形態において、取り付け要素14は、経路の横方向最大位置に近くの、すなわち丸い突出部38のプラス方向の又はマイナス方向の部分の最大位置又はその近くの、経路の内側縁部の上にある。或いは、取り付け要素14は、経路の横方向最大位置に近くの、すなわち丸い突出部38のプラス方向の又はマイナス方向の部分の最大位置又はその近くの、経路の外側縁部の上にある。或いは、取り付け要素14は、連続的な帯状体の交互の周辺端部の上にあり、経路の横方向最大位置に近く、すなわち丸い突出部38のプラス方向の又はマイナス方向の部分の最大位置又はその近く、であることが好ましい。
【0024】
図3A〜図3Bと図5A〜図5Cに示すように、複数の取り付け要素14は、連続的な帯状体12と一体的に形成することができ、第2の平面内で、連続的な帯状体12の周辺60から延びることができる。
【0025】
第1の実施形態において、取り付け要素14は、ベース端部62と、末端部64と、を有し、ベース端部62に、一体化されたスペーサー66を備える。一体化されたスペーサー66がベース端部62から延びる長さは、ヒーターエレメント10が基板102に取り付けられる場合の、連続的な帯状体12に対する離間距離を形成する。ワッシャー68又は他の平面体は、一体化されたスペーサー66が絶縁体102の中に埋め込まれるのを防止するために、任意に備えることができる。図5Aは、一体的に形成された取り付け要素14を示しており、取り付け要素14は、連続的な帯状体12の平面から約90度の角度で延びている。図5Bでは、ワッシャー68が、取り付け要素14の上に置かれ、ワッシャー68は、一体化されたスペーサー66が絶縁体102の中に埋め込まれるのを防止するように機能する。スペーサー66とワッシャー68が姿勢を形成するために絶縁体102の表面と接触するまで、図5Cは、スペーサー66とワッシャー68が絶縁体102の表面に接触して離間距離Doとなるまで、ヒーター組立体100の末端部64が絶縁体102に入り込んでいる、完全に組み立ったヒーター組立体100の一部を示している。一体化された取り付け手段は、帯状体のパターンの横方向の寸法に関して、ほぼ平らな形状に取り付けられると、有利である。
【0026】
図4A〜図4Bと図6に示すように、複数の取り付け要素14は、連続的な帯状体12の上に一体的に形成された開口部70と、ピン72を含む延長組立体と、スペーサー74と、を備える、分離した要素とすることができる。連続的な帯状体12を、絶縁体102に取り付けるために、ピン72は、開口部70に作動可能に配置され、第2の平面内で延びる。ピン72はまた、スペーサー74を所定の位置に固定し、ヒーターエレメント10と絶縁体102との間の離間距離を与える。別のワッシャー76は、絶縁体102の反対側に、任意に配置され、支持や固定を与える。取り付け要素14が分離した要素である場合には、取り付け要素14は、セラミック製と、金属製と、又は複合構造と、を組み込むことができる。適切なスペーサーのもう1つの例は、ヒーターエレメントと基板との間の所望の離間距離に等しい長さのチューブである。分離した要素を有する取り付け要素は、ヒーターエレメントのパターンの横方向の寸法に関してカーブした形状の場合に、取り付けが有利である。
【0027】
第2の平面は、放熱面30が広がり放熱面30が含まれる第1の平面とは、異なる。例えば、第1の平面は、XY平面に一致するように配置され、第2の平面は、YZ平面又はXZ平面に一致するように配置される。座標は、右側の、3次元のデカルト座標系である。
【0028】
更なる実施形態において、一体化された取り付け要素、例えば図1に示す取り付け要素14と、分離した要素からなる取り付け要素、例えば図4A〜図4Bに示す取り付け要素14と、の組み合わせは、同じヒーターエレメント10の上で利用することができる。このような場合、一体化された取り付け要素は、ヒーターエレメントを所望の位置に保持するのに利用され、一方、分離した要素である取り付け要素は、一旦ヒーターエレメントが絶縁体に取り付けられた後に、追加して、絶縁体に取り付けることができる。一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素との組み合わせは、平らでない取り付けに対して有利である。
【0029】
図7A〜図7Dは、平面図であり、一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素との組み合わせを備える、ヒーターエレメント10の様々な実施形態を示す。図7A〜図7Dは、据え付けのために取り付け要素を曲げる前の、取り付け要素を示す。従って、図7Aでは、一体化された取り付け要素14は、丸い突出部の外側周辺端部から突き出し、図7Bでは、一体化された取り付け要素14は、第1の直線状の部分の外側周辺端部から突き出し、図7Cでは、一体化された取り付け要素14は、第2の直線状の部分の外側周辺端部から突き出し、図7Dでは、一体化された取り付け要素14は、第2の直線状の部分の内側周辺端部から突き出す。図7A〜図7Dはまた、一体化された取り付け要素の配置の様々な形態を示す。すなわち、図7Aと図7Bの中では、一体化された取り付け要素14は、ヒーターエレメントの軸32とほぼ平行に配置され、図7Cと図7Dの中では、一体化された取り付け要素14は、ヒーターエレメントの軸32とほぼ直角方向に配置されている。
【0030】
図8は、例えば、図7A〜図7Dのうちの1つで示され記載されたヒーターエレメント10のような、一体化された取り付け要素と取り付け要素が分離した要素である取り付け要素との組み合わせを備える、ヒーター組立体100の別の典型的な実施形態の分解斜視図である。
【0031】
ヒーターエレメント10は、ヒーターエレメント10の第1の端部34又は第2の端部36に、電力端子110を備える。別の実施形態においては、電力端子は、第1の端部又は第2の端部以外の場所に配置される。電力端子は、例えば半導体処理炉の電気回路に接続される。例えば、図3、4、6は、適切な電力端子110の例を示している。ヒーターエレメントは、電流を通すことによって加熱される。開示された実施形態において、電流は、直結された交流電源から流されるが、連結された直流電源や誘導結合された電源等の、別の手段と電源から流すこともできる。
【0032】
ヒーターエレメント10は、適切な材料であればどんな材料からでも形成することができる。例えば、実施形態において、ヒーターエレメント10は、電気抵抗合金から形成され、鉄、クロム、アルミニウム合金から形成されることが好ましい。他の適切な電気抵抗合金は、ニッケルクロム、又はセラミック合金、例えば非ケイ化モリブデン、又はシリコンカーバイド、を含む。電気抵抗合金は、例えば、金属板からヒーターエレメント本体を切り出す工程、ヒーターエレメント本体を鋳造する工程、ヒーターエレメント本体を機械加工する工程、ヒーターエレメント本体を押し出し成形、プレス加工、打ち抜き加工、又は被覆加工する工程、又は、これらの組み合わせによって、ヒーターエレメント本体に形成される。
【0033】
開示されたヒーターエレメントとヒーター組立体の実施形態は、単独であっても組み合わせであっても、様々な利益を提供する。例えば、擬似正弦曲線と擬似矩形のパターンは、非常に均一な表面温度を与える均一な幅を有する直線状の部分を備える。図9A〜図9B、図10は、擬似正弦曲線パターン(図9Aと図9B)と、擬似矩形パターン(図10)の両方の、温度特性を示している。図9Aの実施形態と図9Bの実施形態との間の異なる取り付け要素に注意されたい。比較のために、主として曲がった部分から成る従来の設計の温度特性を、図11に示す。全ての温度特性は、以下のパラメータでの温度特性モデルから得られた。すなわち、電流100A、炉の温度1000°Cである。
【0034】
擬似正弦曲線パターンでは、放熱面に沿った最高温度と最低温度との差(△T)は、図9Aでは約8°Cであり、図9Bでは約7°Cである。温度変化率は△T/Tmaxで表わされ、図9Aでは0.79%であり、図9Bでは0.69%である。図10の擬似矩形パターンについての同一パラメータに対する数値は、△Tが約33°Cであり、△T/Tmaxが3.09%である。これに対して、主として曲がった部分から成る従来の設計のこれらのパラメータに対する数値(図11)は、△Tが約21°Cであり、△T/Tmaxが2%である。これらの図からわかるように、温度は、擬似正弦曲線パターン(図9A〜図9B)に対して最も均一である。擬似矩形パターンの温度均一性(図10)は、主として曲がった部分から成る従来の設計(図11)よりも均一でないが、擬似矩形パターンは熱膨張の吸収がより優れているので、擬似矩形パターンは、依然として従来の設計より有利である。
【0035】
本明細書に開示されたヒーターエレメントは、炉、例えば処理半導体用の炉、に組み込むことができる。そのような応用では、複数のヒーターエレメントは、一列又は領域に配置され、温度調節回路で加熱を制御される。図12Aと図12Bは、一列又は領域に配置された複数のヒーターエレメントを備えるヒーター組立体の、典型的な実施形態の2つの異なる斜視図を示す。
【0036】
図13A〜図13Eは、ヒーターエレメントの据え付けを示す。図13Aは、互い違いにしたヒーターエレメント10を円周方向に配置した、典型的な円筒状の据え付け200を示し、すなわち、ヒーターエレメントの軸は、円筒の軸に対して平行ではない。互い違いにしたヒーターエレメント10は、ヒーターエレメントの端部が見える場所で、例えば場所202で、よりはっきりと見ることができる。互い違いにしたことは、ヒーターエレメントの端子の端部位置を、ヒーター組立体内部でヒーター表面を横切る位置に配置することによって、ヒーターエレメントの端子の端部の放熱面の隙間に起因する不均一性を最小にすることができる。互い違いにした部分のサイズは、適用形態と所望の結果によって、もっと小さくしたり大きくしたりすることができる。更に、2つ以上の半円形のヒーターエレメントを使うのではなく、1つのヒーターエレメントを、1回以上円周周りに巻いて利用することができる。図13Bは、別の典型的な円筒状の据え付け204を示し、互い違いにしていないヒーターエレメント10を、円周方向に配置しており、すなわち、ヒーターエレメントの軸は、円筒の軸と平行ではない。図13Cは、ヒーターエレメント10を軸方向に配置した半円筒状の据え付け206の実施形態を示し、すなわち、ヒーターエレメントの軸は、円筒の軸と平行である。図13Dは、ヒーターエレメント10を円周方向に配置した半円筒状の据え付け208の実施形態を示し、すなわち、ヒーターエレメントの軸は、円筒の軸と平行ではない。図13Eは、ヒーターエレメント10を、異なる方向に配置された隣接する平面セクション212a、212b、212cの上に配置した、平面を傾斜させて据え付ける実施形態を示す。例えば、第1の平面セクション212aの中のヒーターエレメント10の軸は、第2の平面セクション212bの中のヒーターエレメント10の軸に対して、平行でないように、或いは、直角方向に、することができる。平面を傾斜させた据え付け210は、例えば、円筒のように、また、半円筒状に、利用することができる。これらの据え付けは、単に説明のための例示であり、どんな据え付け配置をしても、所望の加熱と温度特性とを得ることができる。
【0037】
丸みをつけた部分の半径は、温度均一性を最大にして、応力を最小にするように、サイズを決定される。主として曲がった部分を備える従来の設計と比較した場合、内側半径は特に応力が小さくなっている。更に、表面温度の均一性は、角部に小さな半径か又は全く半径を有さない矩形パターンからなる従来の設計に対して、大きく改善されている。
【0038】
本明細書に開示されたヒーターエレメントは、充填係数として知られている表面の負荷係数が高い。すなわち、擬似矩形及び擬似正弦曲線のヒーターエレメントは、主として曲がった部分から成る従来の設計よりも、放熱面の面積が大きい。この理由は、少なくとも1つの理由は、1つのサイクルの角度の合計が360度よりも大きいからである。これは、平行でない第1の直線状の部分が、平行な部分より長くなり、従って、放熱面を増加させるからである。更に、距離D2が距離D1に対して最小にされていることは、第1の直線状の部分22の長さ(L2)を収容するのに有効である。この構成は、温度均一性を増加させ丸い突出部38の応力を低下させつつ充填係数を大きくする効果がある。全作動面積の典型的な表面負荷の一例は、放熱負荷の約145%である。
【0039】
本明細書に開示されたヒーターエレメントは、熱膨張効果のコントロールに寄与する。ヒーターエレメントを形成している材料は、加熱されると、材料の熱膨張係数に比例して膨張する。この膨張は、加熱される部分に関連して変化しうる箇所を有する放熱面のために、ヒーターエレメントを歪め、曲げる(従って、温度特性を、不均一にする)。極端な状況においては、歪むことと曲がることとは、短絡した場合に起こり得る。本明細書に開示されたヒーターエレメントは、熱膨張の影響をコントロールし、最小にする。例えば、第1の直線状の部分の非平行な配置は、横方向の熱膨張の箇所を、長手方向に導き、従って、加熱される部分に関する配置を維持し、均一な温度特性を維持する。別の例においては、パターンの縁部は、横方向軸に沿ってカーブさせたり、曲げたりすることができ、熱膨張を絶縁体基板の方向に導き、ヒーターエレメントの配置を、隣接する物体、例えば更なる回路に、短絡の可能性を減じつつ、より接近できるようにする。
【0040】
離間距離を備えた取り付け手段の利用もまた、性能の向上に寄与することができる。曲がりくねった経路の長さに沿って支持位置を交互に配置することは、ヒーターエレメントの熱膨張を、支持部間のヒーターエレメントのひねり又はねじれの動きを起こさせ、単純な平面的な動きを起こさせない。
【0041】
本明細書に開示されたヒーターエレメントは、自由放熱である。すなわち、取り付け要素は、ヒーターエレメントの絶縁体基板に対する離間距離を設けている。この構造は、例えば、ヒーターエレメントの表面に接触する基板を加熱するために余分のエネルギーを使用してこれを補償することなく、全ての面から熱を均一に放散させることができる。従って、この自由放熱ヒーターエレメントは、放熱体の作動温度を低くすることができる。更に、このようなヒーターエレメントは、従来のヒーターエレメントと同じ基板電力密度に対して、より長い寿命を有し、或いは、同等の寿命に対して、より高い電力密度で作動することができる。
【0042】
開示された実施形態は、従って、小さい質量と大きい表面積をともに備えた、高性能のヒーターエレメントを提供する。開示されたパターンは、製造及び組立のプロセスにおいて高度な自動化を可能にし、また、精密な形状を可能にし、均一な加熱と変わらぬ性能とを与えるものである。
【0043】
ヒーターエレメントの様々な変形が可能である。例えば、ヒーターエレメントは異なる厚み、例えば、約0.5mmから約10mmの間の厚みとすることができる。また、例えば、ヒーターエレメントは、異なる幅とすることができ、直線状の部分の幅に基づいて、例えば、約5mm又はそれ以上の幅とすることができる。これらの幅と厚みの変化は、形状の基本的な特徴、すなわち非平行な第1の直線状の部分とこれに続く直線的な全体のパターンが維持される限り、適宜採用することができる。
【0044】
図面の形状は、ほぼ平面的な構成の実施形態を開示しているが、当業者であれば、開示された形状が、曲面、例えば円筒又は半円筒に適用できることを、理解するであろう。分離した取り付け手段を採用する変形例は、特に放熱体を曲面に沿うように適切に形成することができ、分離した取り付け手段によって所望の場所に取り付けることができる。曲面の構成はまた、放熱体要素を、曲面の軸方向に沿って配置するか、又は、一連の平面パネルをつなげて所望の曲がった形状に近似的に沿わせることによって、構成することができる。
【0045】
以上、好ましい実施形態に関連して記載したが、当業者であれば、特に記載がなくても、追加、削除、修正、置換を、添付の請求項に定義した発明の精神および範囲から逸脱することなく行い得ることを、理解するであろう。
【符号の説明】
【0046】
10 ヒーターエレメント
12 帯状体
14 取り付け要素
16 第1の端部
18 第2の端部
20 繰り返しのサイクル
24 第2の直線状の部分
26 丸みをつけた部分
38 丸い突出部
66 スペーサー
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒーターエレメントに関する。本発明は、特に、炉用、例えば半導体処理炉用の、帯状ヒーターエレメントに関し、直線状の部分と丸みをつけた部分とを有する曲がりくねった経路を備え、熱延びと収縮とを吸収するのに有利である。
【背景技術】
【0002】
以下の背景技術に関する記載において、特定の構造や方法が参照されている。しかし、以下の引用は、これらの構造や方法が先行技術であるという告白として解釈されてはならない。出願人は、そのような構造や方法が先行技術としての資格を有さないことを証明する権利を留保する。
【0003】
従来のヒーターエレメントは、通常、様々な設計と形状のワイヤー又は板金で形成されている。しかし、ワイヤー製のパターン化された要素は、通常、これを取り囲む媒体、例えば絶縁体に、埋め込まれるか又は半埋め込みにされるために、作動温度が制限されている。更に、ワイヤー製のパターン化された要素は、一般的に、精密に成形されておらず、高度に労働集約的であって、質量に対する表面積比が中程度で、その結果、熱しやすく冷めやすい。矩形パターンが主体の板金製ヒーターエレメントでは、不均一性に悩まされ、一方、連続的にカーブしたパターンの板金製ヒーターエレメントでは、大きな応力を生じ易く、ヒーターエレメントが作動温度で膨張する場合、両方の影響がより顕著になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作動温度においても均一に放熱し、応力の発生しないヒーターエレメントは、有利である。このようなヒーターエレメントを炉に備えることができれば、物品の処理を改善することができる。このようなヒーターエレメントは、例えば、半導体ウエハの処理用の半導体処理炉に適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
典型的なヒーターエレメントは、連続的な平面状の帯状体を備え、この連続的な帯状体の第1の端部から第2の端部までが、曲がりくねって、複数の繰り返しのサイクルを備え、各繰り返しのサイクルが、複数の第1の直線状の部分と、複数の第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を備え、第1の直線状の部分の長さが、第2の直線状の部分の長さよりも長く、曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計が、360度よりも大きい。
【0006】
本発明のヒーター組立体の典型的な実施形態では、複数の取り付け要素によって絶縁体用基板に対して間隔をあけて取り付けられるヒーターエレメントを、備えている。
【0007】
ヒーター組立体の製造方法の典型的な実施形態は、電気抵抗合金から、放熱面と複数の取り付け要素とを有する連続的な平面状の帯状体を備えるヒーターエレメント本体を形成する工程と、連続的な平面状の帯状体に関して、平面から複数の取り付け要素を曲げ成形する工程と、複数の取り付け要素を、取り付け要素の上に一体化されたスペーサーが基板に接触するまで、基板に挿入する工程と、を備え、第1の端部から第2の端部への連続的な帯状体の経路は、曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクルを有し、各繰り返しのサイクルは、複数の平行でない第1の直線状の部分と、第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を有し、第1の直線状の部分の長さは、第2の直線状の部分の長さよりも長く、曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計は、360度よりも大きい。
【0008】
ヒーター組立体の製造方法の別の典型的な実施形態は、電気抵抗合金から、放熱面を有する連続的な平面状の帯状体を備えるヒーターエレメント本体を形成する工程と、複数の取り付け要素を、連続的な平面状の帯状体の上に一体的に形成された開口部を通して、取り付け要素に関するスペーサーが基板に接触するまで、基板に挿入する工程と、を備え、第1の端部から第2の端部への連続的な帯状体の経路は、曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクルを有し、各繰り返しのサイクルは、複数の平行でない第1の直線状の部分と、第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を有し、第1の直線状の部分の長さは、第2の直線状の部分の長さよりも長く、曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計は、360度よりも大きい。
【0009】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明とは、典型例であり、説明用の記載であって、請求項の発明を更に説明するものと、理解すべきである。
【0010】
以下の詳細な説明は、添付の図面と関連して読むことができ、添付の図面の中で、類似の符号は、類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、ヒーターエレメントの実施形態の略図の平面図である。
【図2】図2は、ヒーターエレメントの更なる実施形態の略図の平面図である。
【図3A】図3Aと図3Bは、ヒーター組立体の典型的な実施形態の、2つの異なった分解斜視図を示す。
【図3B】図3Aと図3Bは、ヒーター組立体の典型的な実施形態の、2つの異なった分解斜視図を示す。
【図4A】図4Aと図4Bは、ヒーター組立体の別の典型的な実施形態の、2つの異なった分解斜視図を示す。
【図4B】図4Aと図4Bは、ヒーター組立体の別の典型的な実施形態の、2つの異なった分解斜視図を示す。
【図5A】図5A〜図5Cは、ヒーターエレメントの典型的な実施形態の一部を示し、取り付け要素の第1の実施形態を含んでいる。
【図5B】図5A〜図5Cは、ヒーターエレメントの典型的な実施形態の一部を示し、取り付け要素の第1の実施形態を含んでいる。
【図5C】図5A〜図5Cは、ヒーターエレメントの典型的な実施形態の一部を示し、取り付け要素の第1の実施形態を含んでいる。
【図6】図6は、ヒーターエレメントの別の典型的な実施形態の一部を示し、取り付け要素の第2の実施形態を含んでいる。
【図7A】図7A〜図7Dは、平面図であり、ヒーターエレメントの様々な実施形態を示し、ヒーターエレメントは、一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素の組み合わせを備えている。
【図7B】図7A〜図7Dは、平面図であり、ヒーターエレメントの様々な実施形態を示し、ヒーターエレメントは、一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素の組み合わせを備えている。
【図7C】図7A〜図7Dは、平面図であり、ヒーターエレメントの様々な実施形態を示し、ヒーターエレメントは、一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素の組み合わせを備えている。
【図7D】図7A〜図7Dは、平面図であり、ヒーターエレメントの様々な実施形態を示し、ヒーターエレメントは、一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素の組み合わせを備えている。
【図8】図8は,一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素の組み合わせを備えているヒーター組立体の実施形態の分解斜視図である。
【図9A】図9Aと図9Bは、図1に示すヒーターエレメントの実施形態の、モデル化された温度分布を示す図であり、図9Aは、取り付け要素の第1の実施形態を示し、図9Bは、取り付け要素の第2の実施形態を示している。
【図9B】図9Aと図9Bは、図1に示すヒーターエレメントの実施形態の、モデル化された温度分布を示す図であり、図9Aは、取り付け要素の第1の実施形態を示し、図9Bは、取り付け要素の第2の実施形態を示している。
【図10】図10は、図2に示すヒーターエレメントの実施形態の、モデル化された温度分布を示す図である。
【図11】図11は、先行技術のヒーターエレメントの、モデル化された温度分布を示す図である。
【図12A】図12Aと図12Bは、複数のヒーターエレメントを備えるヒーター組立体の、典型的な実施形態の、2つの異なる斜視図を示している。
【図12B】図12Aと図12Bは、複数のヒーターエレメントを備えるヒーター組立体の、典型的な実施形態の、2つの異なる斜視図を示している。
【図13A】図13A〜図13Eは、ヒーターエレメント取り付けの実施例を示す。
【図13B】図13A〜図13Eは、ヒーターエレメント取り付けの実施例を示す。
【図13C】図13A〜図13Eは、ヒーターエレメント取り付けの実施例を示す。
【図13D】図13A〜図13Eは、ヒーターエレメント取り付けの実施例を示す。
【図13E】図13A〜図13Eは、ヒーターエレメント取り付けの実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ヒーターエレメント10の実施形態は、連続的な平面状の帯状体12と、複数の取り付け要素14と、を備える。帯状体12の第1の端部16から第2の端部18までの連続的な経路は、曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクル20を備える。各繰り返しのサイクル20は、複数の平行でない第1の直線状の部分22と、複数の第2の直線状の部分24と、複数の丸みをつけた部分26と、を備える。曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計は、360度よりも大きい。
【0013】
ヒーターエレメント10は、普通、第1の平面内で延び、第1の平面内に含まれる、放熱面30を有する。この平面内において、複数の第1の直線状の部分22は、ヒーターエレメント10の第1の端部34からヒーターエレメント10の第2の端部36に向かって方向付けられた軸32に対し、普通、直角方向に配置されており、例えば、軸32に対して直角プラスマイナス15度以内に配置されている。複数の第2の直線状の部分24は、軸32に対して、普通、長手方向に配置され、例えば、軸32に対して、平行プラスマイナス15度以内に配置されている。一実施形態において、どの2つの連続的な第1の直線状の部分も、普通、プラスマイナス15度以内、又はプラスマイナス5度以内の平行ではなく、どの2つの連続的な第2の直線状の部分も、普通、プラスマイナス15度以内、又はプラスマイナス5度以内の平行である。或いは、どの2つの連続的な第1の直線状の部分22も、厳密に非平行であり、又は、どの2つの連続的な第2の直線状の部分24も、厳密に平行である。軸32は、従来どおり、X軸方向に向けられている。
【0014】
一実施形態において、曲がりくねった経路の1つのサイクル20は、2つの第1の直線状の部分22と、2つの第2の直線状の部分24と、4つの丸みをつけた部分26と、を備える。1つのサイクル20は、2つの丸い突出部38を備える。各々の丸い突出部38は、2つの丸みをつけた部分26と、1つの第2の直線状の部分24と、を備える。1つの第2の直線状の部分24は、2つの丸みをつけた部分26を分離している。
【0015】
丸みをつけた部分は、どんな形状でもとることができる。図1は、ヒーターエレメント10の実施形態の略図であり、平面図である。図1に示された実施形態のサイクル20は、丸みをつけた部分26と第1の直線状の部分22とのインターフェース40から、丸みをつけた部分26と第2の直線状の部分24とのインターフェース42まで連続的に丸みをつけられた、丸みをつけた部分26を備える。この形態では、サイクル20は、軸32に関して擬似正弦曲線であり、プラス方向の領域(中心線の軸32に対するy軸方向のプラスに向かう方向)と、マイナス方向の領域(中心線の軸32に対するy軸方向のマイナスに向かう方向)との両方を備えている。図2は、平面図であり、ヒーターエレメント10の別の実施形態の略図である。図2に示される実施形態のサイクル20は、丸みをつけた部分26と第1の直線状の部分22とのインターフェース40から、丸みをつけた部分26と第2の直線状の部分24とのインターフェース42まで、直線状の部分と連続的に丸みをつけられた部分との両方を有する、丸みをつけた部分26を備える。この形態では、サイクル20は、軸32に関して、擬似矩形であり、丸い突出部34の経路方向の変化が矩形から外れており、プラス方向の領域とマイナス方向の領域との両方を備えている。
【0016】
ヒーターエレメント10の、擬似正弦曲線と擬似矩形の形状の両者における丸みをつけた部分26は、内側半径r1と外側半径R2とを有す。各丸みをつけた部分26は、丸みをつけた部分26の、長さLrにわたる曲がりくねった経路の方向の、角度変化を示す関係角度αを有す。個々の丸みをつけた部分24に関して、丸みをつけた部分の典型的な実施形態は、90度と135度の間の角度αを有し、すなわち、90度<α<135度であり、或いは、90度と100度の間、すなわち、90度<α<100度である。
【0017】
実施形態において、1つの丸い突出部38の角度αの角度合計βは、180度よりも大きく、180度よりも大きくて約200度までであることが好ましく、185度から約190度までであることが更に好ましい。例えば、丸い突出部38の角度合計βは、次の式で表される。
【数1】
ここで、n=丸い突出部の丸みをつけた部分の数、である。各サイクルは、2つの丸い突出部を有するので、曲がりくねった経路の1つのサイクルに関する角度αの合計は、360度よりも大きく、360度よりも大きく約400度までが好ましく、約370から約380度が更に好ましい。
【0018】
180度よりも大きい角度合計βは、丸い突出部38に隣接する2つの第1の直線状の部分22が非平行である結果である。このような非平行の関係は、図1と図2に見ることができる。丸い突出部38の内側の面に向かって、丸い突出部38に隣接する2つの第1の直線状の部分22は、距離D1によって分離されており、距離D1は、同じ2つの第1の直線状の部分22を連続的なプラス方向か又はマイナス方向の部分において丸い突出部38の間の開口部46の口44の近くで分離している距離D2よりも、大きい。D1は、第1の直線状の部分22の第1の端部で測られ、D2は、第1の直線状の部分22の第2の端部で測られる。
【0019】
ヒーターエレメント10の曲がりくねった経路は、平面状のヒーターエレメント10のセンターラインにあるライン50として示すことができる。図1と2は、図示した実施形態中に、ライン50の位置を示している。このライン50は、曲がりくねった経路の距離を計るのに用いることができ、丸みをつけた部分26の角度αと、第1の直線状の部分22の長さL1と、第2の直線状の部分24の長さL2と、丸みをつけた部分26の長さLrと、を計るのに用いることができる。第1の直線状の部分22の長さL1は、第2の直線状の部分24の長さL2よりも長い。
【0020】
放熱のエネルギー放散の均一性は、均一な断面と表面積を有する均質な伝導体の方が大きいことを、当業者ならば理解できるであろう。従って、曲がった部分の長さに対して直線状の部分の長さの比率を最大にすることが、好ましい。下記の関係が、高い均一性と、高い充填率(放熱板の表面エネルギーに対する基板の表面エネルギーの比率)と、を生み出し、放熱部の応力を最小にするということが、実験的に結論付けられた。更にこの関係は、過渡的な状況の間、及び、ヒーターエレメントの有効寿命にわたって、膨張を吸収し、制御する。
【0021】
実施形態において、1つのサイクルの第1の直線状の部分22の長さと、第2の直線状の部分24の長さと、丸みをつけた部分26の長さは、下記の関係を満たす。
【数2】
ここで、L1,Aは、初めの第1の直線状の部分22の長さL1であり、L1,Bは、2番目の第1の直線状の部分22の長さL1であり、L2,Aは、初めの第2の直線状の部分24の長さL2であり、L2,Bは、2番目の第2の直線状の部分24の長さL2であり、Lr,aは、初めの丸みをつけた部分26の長さLrであり、Lr,bは、2番目の丸みをつけた部分26の長さLrである。また、上記の関係は、2.2よりも大きく、2.2よりも大きくて10.0未満までであるか又は5.0未満までである。この関係は、丸みをつけた部分の長さに対する、直線状の部分の長さの比率を意味する。放熱面の均一な幅に対しては、この関係は、丸みをつけた部分に対する直線状の部分の表面積の比率でもある。適切な幅の一例は、8mmである。長さは、放熱経路の中央で測られ、すなわち、ライン50に沿って測られる。
【0022】
図3A〜図3Bと図4A〜図4Bは、ヒーター組立体の2つの典型的な実施形態の2つの異なる分解斜視図である。ヒーター組立体100は、ヒーターエレメント10と絶縁体102とを備える。絶縁体102は、適切な絶縁体であれば何でもよい。一実施形態において、絶縁体102は、アルミナ表面層106を有する絶縁体基板104を備える。他の適切な絶縁体102は、絶縁体材料、望ましくはアルミナ表面層と混合されたセラミック繊維裏板層を有するセラミック繊維複合物、で形成された基板を備える。ヒーターエレメント10は、本明細書、例えば図1と図2のいずれかに開示し記載する、適切なヒーターエレメントとすることができる。図3A〜図3B、図4A〜図4B、図8に示すように、ヒーターエレメントは、図1に示すような擬似正弦曲線である。
【0023】
ヒーターエレメント10は、複数の取り付け要素14を備える。取り付け要素14は、曲がりくねった経路に沿った複数の場所で、連続的な帯状体12の複数の周辺60から延びる。取り付け要素は、適切な箇所ならどこに配置してもよい。図1〜図4に示すような実施形態において、取り付け要素14は、経路の横方向最大位置に近くの、すなわち丸い突出部38のプラス方向の又はマイナス方向の部分の最大位置又はその近くの、経路の内側縁部の上にある。或いは、取り付け要素14は、経路の横方向最大位置に近くの、すなわち丸い突出部38のプラス方向の又はマイナス方向の部分の最大位置又はその近くの、経路の外側縁部の上にある。或いは、取り付け要素14は、連続的な帯状体の交互の周辺端部の上にあり、経路の横方向最大位置に近く、すなわち丸い突出部38のプラス方向の又はマイナス方向の部分の最大位置又はその近く、であることが好ましい。
【0024】
図3A〜図3Bと図5A〜図5Cに示すように、複数の取り付け要素14は、連続的な帯状体12と一体的に形成することができ、第2の平面内で、連続的な帯状体12の周辺60から延びることができる。
【0025】
第1の実施形態において、取り付け要素14は、ベース端部62と、末端部64と、を有し、ベース端部62に、一体化されたスペーサー66を備える。一体化されたスペーサー66がベース端部62から延びる長さは、ヒーターエレメント10が基板102に取り付けられる場合の、連続的な帯状体12に対する離間距離を形成する。ワッシャー68又は他の平面体は、一体化されたスペーサー66が絶縁体102の中に埋め込まれるのを防止するために、任意に備えることができる。図5Aは、一体的に形成された取り付け要素14を示しており、取り付け要素14は、連続的な帯状体12の平面から約90度の角度で延びている。図5Bでは、ワッシャー68が、取り付け要素14の上に置かれ、ワッシャー68は、一体化されたスペーサー66が絶縁体102の中に埋め込まれるのを防止するように機能する。スペーサー66とワッシャー68が姿勢を形成するために絶縁体102の表面と接触するまで、図5Cは、スペーサー66とワッシャー68が絶縁体102の表面に接触して離間距離Doとなるまで、ヒーター組立体100の末端部64が絶縁体102に入り込んでいる、完全に組み立ったヒーター組立体100の一部を示している。一体化された取り付け手段は、帯状体のパターンの横方向の寸法に関して、ほぼ平らな形状に取り付けられると、有利である。
【0026】
図4A〜図4Bと図6に示すように、複数の取り付け要素14は、連続的な帯状体12の上に一体的に形成された開口部70と、ピン72を含む延長組立体と、スペーサー74と、を備える、分離した要素とすることができる。連続的な帯状体12を、絶縁体102に取り付けるために、ピン72は、開口部70に作動可能に配置され、第2の平面内で延びる。ピン72はまた、スペーサー74を所定の位置に固定し、ヒーターエレメント10と絶縁体102との間の離間距離を与える。別のワッシャー76は、絶縁体102の反対側に、任意に配置され、支持や固定を与える。取り付け要素14が分離した要素である場合には、取り付け要素14は、セラミック製と、金属製と、又は複合構造と、を組み込むことができる。適切なスペーサーのもう1つの例は、ヒーターエレメントと基板との間の所望の離間距離に等しい長さのチューブである。分離した要素を有する取り付け要素は、ヒーターエレメントのパターンの横方向の寸法に関してカーブした形状の場合に、取り付けが有利である。
【0027】
第2の平面は、放熱面30が広がり放熱面30が含まれる第1の平面とは、異なる。例えば、第1の平面は、XY平面に一致するように配置され、第2の平面は、YZ平面又はXZ平面に一致するように配置される。座標は、右側の、3次元のデカルト座標系である。
【0028】
更なる実施形態において、一体化された取り付け要素、例えば図1に示す取り付け要素14と、分離した要素からなる取り付け要素、例えば図4A〜図4Bに示す取り付け要素14と、の組み合わせは、同じヒーターエレメント10の上で利用することができる。このような場合、一体化された取り付け要素は、ヒーターエレメントを所望の位置に保持するのに利用され、一方、分離した要素である取り付け要素は、一旦ヒーターエレメントが絶縁体に取り付けられた後に、追加して、絶縁体に取り付けることができる。一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素との組み合わせは、平らでない取り付けに対して有利である。
【0029】
図7A〜図7Dは、平面図であり、一体化された取り付け要素と分離した要素である取り付け要素との組み合わせを備える、ヒーターエレメント10の様々な実施形態を示す。図7A〜図7Dは、据え付けのために取り付け要素を曲げる前の、取り付け要素を示す。従って、図7Aでは、一体化された取り付け要素14は、丸い突出部の外側周辺端部から突き出し、図7Bでは、一体化された取り付け要素14は、第1の直線状の部分の外側周辺端部から突き出し、図7Cでは、一体化された取り付け要素14は、第2の直線状の部分の外側周辺端部から突き出し、図7Dでは、一体化された取り付け要素14は、第2の直線状の部分の内側周辺端部から突き出す。図7A〜図7Dはまた、一体化された取り付け要素の配置の様々な形態を示す。すなわち、図7Aと図7Bの中では、一体化された取り付け要素14は、ヒーターエレメントの軸32とほぼ平行に配置され、図7Cと図7Dの中では、一体化された取り付け要素14は、ヒーターエレメントの軸32とほぼ直角方向に配置されている。
【0030】
図8は、例えば、図7A〜図7Dのうちの1つで示され記載されたヒーターエレメント10のような、一体化された取り付け要素と取り付け要素が分離した要素である取り付け要素との組み合わせを備える、ヒーター組立体100の別の典型的な実施形態の分解斜視図である。
【0031】
ヒーターエレメント10は、ヒーターエレメント10の第1の端部34又は第2の端部36に、電力端子110を備える。別の実施形態においては、電力端子は、第1の端部又は第2の端部以外の場所に配置される。電力端子は、例えば半導体処理炉の電気回路に接続される。例えば、図3、4、6は、適切な電力端子110の例を示している。ヒーターエレメントは、電流を通すことによって加熱される。開示された実施形態において、電流は、直結された交流電源から流されるが、連結された直流電源や誘導結合された電源等の、別の手段と電源から流すこともできる。
【0032】
ヒーターエレメント10は、適切な材料であればどんな材料からでも形成することができる。例えば、実施形態において、ヒーターエレメント10は、電気抵抗合金から形成され、鉄、クロム、アルミニウム合金から形成されることが好ましい。他の適切な電気抵抗合金は、ニッケルクロム、又はセラミック合金、例えば非ケイ化モリブデン、又はシリコンカーバイド、を含む。電気抵抗合金は、例えば、金属板からヒーターエレメント本体を切り出す工程、ヒーターエレメント本体を鋳造する工程、ヒーターエレメント本体を機械加工する工程、ヒーターエレメント本体を押し出し成形、プレス加工、打ち抜き加工、又は被覆加工する工程、又は、これらの組み合わせによって、ヒーターエレメント本体に形成される。
【0033】
開示されたヒーターエレメントとヒーター組立体の実施形態は、単独であっても組み合わせであっても、様々な利益を提供する。例えば、擬似正弦曲線と擬似矩形のパターンは、非常に均一な表面温度を与える均一な幅を有する直線状の部分を備える。図9A〜図9B、図10は、擬似正弦曲線パターン(図9Aと図9B)と、擬似矩形パターン(図10)の両方の、温度特性を示している。図9Aの実施形態と図9Bの実施形態との間の異なる取り付け要素に注意されたい。比較のために、主として曲がった部分から成る従来の設計の温度特性を、図11に示す。全ての温度特性は、以下のパラメータでの温度特性モデルから得られた。すなわち、電流100A、炉の温度1000°Cである。
【0034】
擬似正弦曲線パターンでは、放熱面に沿った最高温度と最低温度との差(△T)は、図9Aでは約8°Cであり、図9Bでは約7°Cである。温度変化率は△T/Tmaxで表わされ、図9Aでは0.79%であり、図9Bでは0.69%である。図10の擬似矩形パターンについての同一パラメータに対する数値は、△Tが約33°Cであり、△T/Tmaxが3.09%である。これに対して、主として曲がった部分から成る従来の設計のこれらのパラメータに対する数値(図11)は、△Tが約21°Cであり、△T/Tmaxが2%である。これらの図からわかるように、温度は、擬似正弦曲線パターン(図9A〜図9B)に対して最も均一である。擬似矩形パターンの温度均一性(図10)は、主として曲がった部分から成る従来の設計(図11)よりも均一でないが、擬似矩形パターンは熱膨張の吸収がより優れているので、擬似矩形パターンは、依然として従来の設計より有利である。
【0035】
本明細書に開示されたヒーターエレメントは、炉、例えば処理半導体用の炉、に組み込むことができる。そのような応用では、複数のヒーターエレメントは、一列又は領域に配置され、温度調節回路で加熱を制御される。図12Aと図12Bは、一列又は領域に配置された複数のヒーターエレメントを備えるヒーター組立体の、典型的な実施形態の2つの異なる斜視図を示す。
【0036】
図13A〜図13Eは、ヒーターエレメントの据え付けを示す。図13Aは、互い違いにしたヒーターエレメント10を円周方向に配置した、典型的な円筒状の据え付け200を示し、すなわち、ヒーターエレメントの軸は、円筒の軸に対して平行ではない。互い違いにしたヒーターエレメント10は、ヒーターエレメントの端部が見える場所で、例えば場所202で、よりはっきりと見ることができる。互い違いにしたことは、ヒーターエレメントの端子の端部位置を、ヒーター組立体内部でヒーター表面を横切る位置に配置することによって、ヒーターエレメントの端子の端部の放熱面の隙間に起因する不均一性を最小にすることができる。互い違いにした部分のサイズは、適用形態と所望の結果によって、もっと小さくしたり大きくしたりすることができる。更に、2つ以上の半円形のヒーターエレメントを使うのではなく、1つのヒーターエレメントを、1回以上円周周りに巻いて利用することができる。図13Bは、別の典型的な円筒状の据え付け204を示し、互い違いにしていないヒーターエレメント10を、円周方向に配置しており、すなわち、ヒーターエレメントの軸は、円筒の軸と平行ではない。図13Cは、ヒーターエレメント10を軸方向に配置した半円筒状の据え付け206の実施形態を示し、すなわち、ヒーターエレメントの軸は、円筒の軸と平行である。図13Dは、ヒーターエレメント10を円周方向に配置した半円筒状の据え付け208の実施形態を示し、すなわち、ヒーターエレメントの軸は、円筒の軸と平行ではない。図13Eは、ヒーターエレメント10を、異なる方向に配置された隣接する平面セクション212a、212b、212cの上に配置した、平面を傾斜させて据え付ける実施形態を示す。例えば、第1の平面セクション212aの中のヒーターエレメント10の軸は、第2の平面セクション212bの中のヒーターエレメント10の軸に対して、平行でないように、或いは、直角方向に、することができる。平面を傾斜させた据え付け210は、例えば、円筒のように、また、半円筒状に、利用することができる。これらの据え付けは、単に説明のための例示であり、どんな据え付け配置をしても、所望の加熱と温度特性とを得ることができる。
【0037】
丸みをつけた部分の半径は、温度均一性を最大にして、応力を最小にするように、サイズを決定される。主として曲がった部分を備える従来の設計と比較した場合、内側半径は特に応力が小さくなっている。更に、表面温度の均一性は、角部に小さな半径か又は全く半径を有さない矩形パターンからなる従来の設計に対して、大きく改善されている。
【0038】
本明細書に開示されたヒーターエレメントは、充填係数として知られている表面の負荷係数が高い。すなわち、擬似矩形及び擬似正弦曲線のヒーターエレメントは、主として曲がった部分から成る従来の設計よりも、放熱面の面積が大きい。この理由は、少なくとも1つの理由は、1つのサイクルの角度の合計が360度よりも大きいからである。これは、平行でない第1の直線状の部分が、平行な部分より長くなり、従って、放熱面を増加させるからである。更に、距離D2が距離D1に対して最小にされていることは、第1の直線状の部分22の長さ(L2)を収容するのに有効である。この構成は、温度均一性を増加させ丸い突出部38の応力を低下させつつ充填係数を大きくする効果がある。全作動面積の典型的な表面負荷の一例は、放熱負荷の約145%である。
【0039】
本明細書に開示されたヒーターエレメントは、熱膨張効果のコントロールに寄与する。ヒーターエレメントを形成している材料は、加熱されると、材料の熱膨張係数に比例して膨張する。この膨張は、加熱される部分に関連して変化しうる箇所を有する放熱面のために、ヒーターエレメントを歪め、曲げる(従って、温度特性を、不均一にする)。極端な状況においては、歪むことと曲がることとは、短絡した場合に起こり得る。本明細書に開示されたヒーターエレメントは、熱膨張の影響をコントロールし、最小にする。例えば、第1の直線状の部分の非平行な配置は、横方向の熱膨張の箇所を、長手方向に導き、従って、加熱される部分に関する配置を維持し、均一な温度特性を維持する。別の例においては、パターンの縁部は、横方向軸に沿ってカーブさせたり、曲げたりすることができ、熱膨張を絶縁体基板の方向に導き、ヒーターエレメントの配置を、隣接する物体、例えば更なる回路に、短絡の可能性を減じつつ、より接近できるようにする。
【0040】
離間距離を備えた取り付け手段の利用もまた、性能の向上に寄与することができる。曲がりくねった経路の長さに沿って支持位置を交互に配置することは、ヒーターエレメントの熱膨張を、支持部間のヒーターエレメントのひねり又はねじれの動きを起こさせ、単純な平面的な動きを起こさせない。
【0041】
本明細書に開示されたヒーターエレメントは、自由放熱である。すなわち、取り付け要素は、ヒーターエレメントの絶縁体基板に対する離間距離を設けている。この構造は、例えば、ヒーターエレメントの表面に接触する基板を加熱するために余分のエネルギーを使用してこれを補償することなく、全ての面から熱を均一に放散させることができる。従って、この自由放熱ヒーターエレメントは、放熱体の作動温度を低くすることができる。更に、このようなヒーターエレメントは、従来のヒーターエレメントと同じ基板電力密度に対して、より長い寿命を有し、或いは、同等の寿命に対して、より高い電力密度で作動することができる。
【0042】
開示された実施形態は、従って、小さい質量と大きい表面積をともに備えた、高性能のヒーターエレメントを提供する。開示されたパターンは、製造及び組立のプロセスにおいて高度な自動化を可能にし、また、精密な形状を可能にし、均一な加熱と変わらぬ性能とを与えるものである。
【0043】
ヒーターエレメントの様々な変形が可能である。例えば、ヒーターエレメントは異なる厚み、例えば、約0.5mmから約10mmの間の厚みとすることができる。また、例えば、ヒーターエレメントは、異なる幅とすることができ、直線状の部分の幅に基づいて、例えば、約5mm又はそれ以上の幅とすることができる。これらの幅と厚みの変化は、形状の基本的な特徴、すなわち非平行な第1の直線状の部分とこれに続く直線的な全体のパターンが維持される限り、適宜採用することができる。
【0044】
図面の形状は、ほぼ平面的な構成の実施形態を開示しているが、当業者であれば、開示された形状が、曲面、例えば円筒又は半円筒に適用できることを、理解するであろう。分離した取り付け手段を採用する変形例は、特に放熱体を曲面に沿うように適切に形成することができ、分離した取り付け手段によって所望の場所に取り付けることができる。曲面の構成はまた、放熱体要素を、曲面の軸方向に沿って配置するか、又は、一連の平面パネルをつなげて所望の曲がった形状に近似的に沿わせることによって、構成することができる。
【0045】
以上、好ましい実施形態に関連して記載したが、当業者であれば、特に記載がなくても、追加、削除、修正、置換を、添付の請求項に定義した発明の精神および範囲から逸脱することなく行い得ることを、理解するであろう。
【符号の説明】
【0046】
10 ヒーターエレメント
12 帯状体
14 取り付け要素
16 第1の端部
18 第2の端部
20 繰り返しのサイクル
24 第2の直線状の部分
26 丸みをつけた部分
38 丸い突出部
66 スペーサー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的な平面状の帯状体を備えるヒーターエレメントであって、
前記連続的な帯状体の第1の端部から第2の端部までの経路が曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクルを有し、各繰り返しのサイクルが、複数の第1の直線状の部分と、複数の第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を備え、前記第1の直線状の部分の長さが、前記第2の直線状の部分の長さよりも長く、前記曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計が、360度よりも大きい、
ヒーターエレメント。
【請求項2】
前記複数の第1の直線状の部分が、第2のグループに対して非平行な第1のグループを備える、請求項1に記載のヒーターエレメント。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のヒーターエレメントであって、
前記複数の第1の直線状の部分が、ヒーターエレメントの第1の端部からヒーターエレメントの第2の端部に向かって方向付けられた軸に対し、直角方向に配置され、前記複数の第2の直線状の部分が、前記軸に対して、長手方向に配置されている、
ヒーターエレメント。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のヒーターエレメントであって、
前記複数の第2の直線状の部分が、ヒーターエレメントの第1の端部からヒーターエレメントの第2の端部に向かって方向付けられた軸に対し、長手方向に配置され、どの2つの第2の直線状の部分も、互いに平行である、
ヒーターエレメント。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のヒーターエレメントであって、
2つの丸みをつけた部分と1つの第2の直線状の部分とが、1つの丸い突出部を形成し、前記1つのサイクルが、2つの丸い突出部を有し、1つの第2の直線状の部分が、2つの丸みをつけた部分を分離している、
ヒーターエレメント。
【請求項6】
請求項5に記載のヒーターエレメントであって、
1つの丸い突出部の角度の合計が、180度よりも大きく、180度よりも大きくて約200度までが好ましく、約185度から約190度までであることが更に好ましい、ヒーターエレメント。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のヒーターエレメントであって、丸みをつけた部分の角度が、90度と135度の間であり、90度と100度の間であることが好ましい、ヒーターエレメント。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のヒーターエレメントであって、1つのサイクルの、2つの第1の直線状の部分の長さと、1つの第2の直線状の部分の長さの合計の、2つの丸みをつけた部分の長さの合計に対する比率が、2.0よりも大きく、2.2よりも大きいことが好ましい、ヒーターエレメント。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のヒーターエレメントであって、複数の取り付け要素を備え、前記複数の取り付け要素が、前記曲がりくねった経路に沿った複数の場所で、前記連続的な帯状体の周辺から延びる、ヒーターエレメント。
【請求項10】
請求項9に記載のヒーターエレメントであって、前記曲がりくねった経路が、波状の経路であり、前記複数の場所が、前記波状の経路の内側縁部上にあり、前記波状の経路の横方向最大の位置に近接している、ヒーターエレメント。
【請求項11】
請求項9に記載のヒーターエレメントであって、前記曲がりくねった経路が、波状の経路であり、前記複数の場所が、前記波状の経路の外側縁部上にあり、前記波状の経路の横方向最大の位置に近接している、ヒーターエレメント。
【請求項12】
請求項9に記載のヒーターエレメントであって、前記複数の取り付け手段の連続した位置が、前記連続的な帯状体の交互の周辺端部の上にある、ヒーターエレメント。
【請求項13】
請求項9に記載のヒーターエレメントであって、前記連続的な平面状の帯状の放熱面が、ヒーターエレメントの中で広がり、第1の平面に備えられ、前記複数の取り付け要素が、前記連続的な帯状体と一体的に形成され、前記連続的な帯状体の周辺から第2の平面内に延び、前記第2の平面が、前記第1の平面とは異なる平面である、ヒーターエレメント。
【請求項14】
請求項13に記載のヒーターエレメントであって、前記取り付け要素が、ベース端部と、末端部と、を備え、更に、前記ヒーターエレメントが、前記ベース端部に、一体化されたスペーサーを備える、ヒーターエレメント。
【請求項15】
請求項14に記載のヒーターエレメントであって、前記ヒーターエレメントが基板に取り付けられる場合に、前記ベース端部から延びる前記一体化されたスペーサーの長さが、前記ヒーターエレメントの離間距離を形成する、ヒーターエレメント。
【請求項16】
請求項9に記載のヒーターエレメントであって、
前記連続的な平面状の帯状体の放熱面が、第1の平面の中で広がり、第1の平面に備えられ、前記複数の取り付け要素が、前記連続的な帯状体の上に一体的に形成された開口部と、ピンとスペーサーを含む延長組立体と、を備え、前記ピンが、第2の平面内で延びるために前記開口部内に可動に配置され、前記第2の平面が、第1の平面とは異なる平面である、ヒーターエレメント。
【請求項17】
請求項3に記載のヒーターエレメントであって、前記曲がりくねった経路が、前記軸に対して、擬似正弦曲線である、ヒーターエレメント。
【請求項18】
請求項3に記載のヒーターエレメントであって、前記曲がりくねった経路が、前記軸に対して、擬似矩形である、ヒーターエレメント。
【請求項19】
請求項1に記載のヒーターエレメントであって、前記ヒーターエレメントが、電気抵抗合金製であり、鉄、クロム、アルミニウム合金製であることが好ましい、ヒーターエレメント。
【請求項20】
請求項1に記載のヒーターエレメントであって、前記ヒーターエレメントの第1の端部又は第2の端部に電力端子を備える、ヒーターエレメント。
【請求項21】
ヒーター組立体であって、
絶縁体基板と、
請求項1から20のいずれか1項に記載のヒーターエレメントと、
を備え、
前記ヒーターエレメントが、複数の取り付け要素によって絶縁体基板に対して間隔をあけて取り付けられている、
ヒーター組立体。
【請求項22】
請求項21に記載のヒーター組立体であって、前記絶縁体基板が、絶縁体材料で形成され、前記絶縁体材料が、アルミナ製の表面層と、混合セラミック製の繊維の裏板層と、を備えるセラミック繊維の複合物であることが好ましい、ヒーター組立体。
【請求項23】
ヒーター組立体を製造する方法であって、前記方法が、
電気抵抗合金から、放熱面と複数の取り付け要素とを有する連続的な平面状の帯状体を備えるヒーターエレメント本体を形成する工程と、
前記連続的な平面状の帯状体に関して、平面から前記複数の取り付け要素を曲げ成形する工程と、
前記複数の取り付け要素を、前記取り付け要素の上に一体化されたスペーサーが基板に接触するまで、基板に挿入する工程と、
を備え、
第1の端部から第2の端部への連続的な帯状体の経路は、曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクルを有し、各繰り返しのサイクルは、複数の平行でない第1の直線状の部分と、第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を有し、
第1の直線状の部分の長さは、第2の直線状の部分の長さよりも長く、曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計は、360度よりも大きい、
方法。
【請求項24】
ヒーター組立体を製造する方法であって、前記方法が、
電気抵抗合金から、放熱面を有する連続的な平面状の帯状体を備えるヒーターエレメント本体を形成する工程と、
複数の取り付け要素を、前記連続的な平面状の帯状体の上に一体化されて形成された開口部を通して、前記取り付け要素に関するスペーサーが基板に接触するまで、基板に挿入する工程と、
を備え、
第1の端部から第2の端部への連続的な帯状体の経路は、曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクルを有し、各繰り返しのサイクルは、複数の平行でない第1の直線状の部分と、第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を有し、
第1の直線状の部分の長さは、第2の直線状の部分の長さよりも長く、曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計は、360度よりも大きい、
方法。
【請求項25】
前記ヒーターエレメントに電源を取り付ける工程を更に備える、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項1】
連続的な平面状の帯状体を備えるヒーターエレメントであって、
前記連続的な帯状体の第1の端部から第2の端部までの経路が曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクルを有し、各繰り返しのサイクルが、複数の第1の直線状の部分と、複数の第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を備え、前記第1の直線状の部分の長さが、前記第2の直線状の部分の長さよりも長く、前記曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計が、360度よりも大きい、
ヒーターエレメント。
【請求項2】
前記複数の第1の直線状の部分が、第2のグループに対して非平行な第1のグループを備える、請求項1に記載のヒーターエレメント。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のヒーターエレメントであって、
前記複数の第1の直線状の部分が、ヒーターエレメントの第1の端部からヒーターエレメントの第2の端部に向かって方向付けられた軸に対し、直角方向に配置され、前記複数の第2の直線状の部分が、前記軸に対して、長手方向に配置されている、
ヒーターエレメント。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のヒーターエレメントであって、
前記複数の第2の直線状の部分が、ヒーターエレメントの第1の端部からヒーターエレメントの第2の端部に向かって方向付けられた軸に対し、長手方向に配置され、どの2つの第2の直線状の部分も、互いに平行である、
ヒーターエレメント。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のヒーターエレメントであって、
2つの丸みをつけた部分と1つの第2の直線状の部分とが、1つの丸い突出部を形成し、前記1つのサイクルが、2つの丸い突出部を有し、1つの第2の直線状の部分が、2つの丸みをつけた部分を分離している、
ヒーターエレメント。
【請求項6】
請求項5に記載のヒーターエレメントであって、
1つの丸い突出部の角度の合計が、180度よりも大きく、180度よりも大きくて約200度までが好ましく、約185度から約190度までであることが更に好ましい、ヒーターエレメント。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のヒーターエレメントであって、丸みをつけた部分の角度が、90度と135度の間であり、90度と100度の間であることが好ましい、ヒーターエレメント。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のヒーターエレメントであって、1つのサイクルの、2つの第1の直線状の部分の長さと、1つの第2の直線状の部分の長さの合計の、2つの丸みをつけた部分の長さの合計に対する比率が、2.0よりも大きく、2.2よりも大きいことが好ましい、ヒーターエレメント。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のヒーターエレメントであって、複数の取り付け要素を備え、前記複数の取り付け要素が、前記曲がりくねった経路に沿った複数の場所で、前記連続的な帯状体の周辺から延びる、ヒーターエレメント。
【請求項10】
請求項9に記載のヒーターエレメントであって、前記曲がりくねった経路が、波状の経路であり、前記複数の場所が、前記波状の経路の内側縁部上にあり、前記波状の経路の横方向最大の位置に近接している、ヒーターエレメント。
【請求項11】
請求項9に記載のヒーターエレメントであって、前記曲がりくねった経路が、波状の経路であり、前記複数の場所が、前記波状の経路の外側縁部上にあり、前記波状の経路の横方向最大の位置に近接している、ヒーターエレメント。
【請求項12】
請求項9に記載のヒーターエレメントであって、前記複数の取り付け手段の連続した位置が、前記連続的な帯状体の交互の周辺端部の上にある、ヒーターエレメント。
【請求項13】
請求項9に記載のヒーターエレメントであって、前記連続的な平面状の帯状の放熱面が、ヒーターエレメントの中で広がり、第1の平面に備えられ、前記複数の取り付け要素が、前記連続的な帯状体と一体的に形成され、前記連続的な帯状体の周辺から第2の平面内に延び、前記第2の平面が、前記第1の平面とは異なる平面である、ヒーターエレメント。
【請求項14】
請求項13に記載のヒーターエレメントであって、前記取り付け要素が、ベース端部と、末端部と、を備え、更に、前記ヒーターエレメントが、前記ベース端部に、一体化されたスペーサーを備える、ヒーターエレメント。
【請求項15】
請求項14に記載のヒーターエレメントであって、前記ヒーターエレメントが基板に取り付けられる場合に、前記ベース端部から延びる前記一体化されたスペーサーの長さが、前記ヒーターエレメントの離間距離を形成する、ヒーターエレメント。
【請求項16】
請求項9に記載のヒーターエレメントであって、
前記連続的な平面状の帯状体の放熱面が、第1の平面の中で広がり、第1の平面に備えられ、前記複数の取り付け要素が、前記連続的な帯状体の上に一体的に形成された開口部と、ピンとスペーサーを含む延長組立体と、を備え、前記ピンが、第2の平面内で延びるために前記開口部内に可動に配置され、前記第2の平面が、第1の平面とは異なる平面である、ヒーターエレメント。
【請求項17】
請求項3に記載のヒーターエレメントであって、前記曲がりくねった経路が、前記軸に対して、擬似正弦曲線である、ヒーターエレメント。
【請求項18】
請求項3に記載のヒーターエレメントであって、前記曲がりくねった経路が、前記軸に対して、擬似矩形である、ヒーターエレメント。
【請求項19】
請求項1に記載のヒーターエレメントであって、前記ヒーターエレメントが、電気抵抗合金製であり、鉄、クロム、アルミニウム合金製であることが好ましい、ヒーターエレメント。
【請求項20】
請求項1に記載のヒーターエレメントであって、前記ヒーターエレメントの第1の端部又は第2の端部に電力端子を備える、ヒーターエレメント。
【請求項21】
ヒーター組立体であって、
絶縁体基板と、
請求項1から20のいずれか1項に記載のヒーターエレメントと、
を備え、
前記ヒーターエレメントが、複数の取り付け要素によって絶縁体基板に対して間隔をあけて取り付けられている、
ヒーター組立体。
【請求項22】
請求項21に記載のヒーター組立体であって、前記絶縁体基板が、絶縁体材料で形成され、前記絶縁体材料が、アルミナ製の表面層と、混合セラミック製の繊維の裏板層と、を備えるセラミック繊維の複合物であることが好ましい、ヒーター組立体。
【請求項23】
ヒーター組立体を製造する方法であって、前記方法が、
電気抵抗合金から、放熱面と複数の取り付け要素とを有する連続的な平面状の帯状体を備えるヒーターエレメント本体を形成する工程と、
前記連続的な平面状の帯状体に関して、平面から前記複数の取り付け要素を曲げ成形する工程と、
前記複数の取り付け要素を、前記取り付け要素の上に一体化されたスペーサーが基板に接触するまで、基板に挿入する工程と、
を備え、
第1の端部から第2の端部への連続的な帯状体の経路は、曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクルを有し、各繰り返しのサイクルは、複数の平行でない第1の直線状の部分と、第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を有し、
第1の直線状の部分の長さは、第2の直線状の部分の長さよりも長く、曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計は、360度よりも大きい、
方法。
【請求項24】
ヒーター組立体を製造する方法であって、前記方法が、
電気抵抗合金から、放熱面を有する連続的な平面状の帯状体を備えるヒーターエレメント本体を形成する工程と、
複数の取り付け要素を、前記連続的な平面状の帯状体の上に一体化されて形成された開口部を通して、前記取り付け要素に関するスペーサーが基板に接触するまで、基板に挿入する工程と、
を備え、
第1の端部から第2の端部への連続的な帯状体の経路は、曲がりくねっており、複数の繰り返しのサイクルを有し、各繰り返しのサイクルは、複数の平行でない第1の直線状の部分と、第2の直線状の部分と、複数の丸みをつけた部分と、を有し、
第1の直線状の部分の長さは、第2の直線状の部分の長さよりも長く、曲がりくねった経路の1つのサイクルの角度の合計は、360度よりも大きい、
方法。
【請求項25】
前記ヒーターエレメントに電源を取り付ける工程を更に備える、請求項23又は24に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−238658(P2010−238658A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−24452(P2010−24452)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(503459604)エムアールエル インダストリーズ,インコーポレイティド (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24452(P2010−24452)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(503459604)エムアールエル インダストリーズ,インコーポレイティド (10)
【Fターム(参考)】
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