糖尿病治療用のオクタヒドロキノリジン
本発明は,糖尿病およびその合併症の治療または予防,高脂血症の治療または予防,糖尿病性脂質異常症の治療,メタボリック・シンドロームの治療または予防,代謝機能不全に関連する疾患の治療,肥満または肥満関連疾患の治療のための新規オクタヒドロキノリジンに関する。本発明はまた,ヒトまたは動物において上述の疾患または症候群の治療または予防を改善することを目的として,これらの化合物を単独でまたは他の薬剤または化合物との組み合わせで含む医薬組成物を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は,糖尿病およびその合併症の治療または予防,高脂血症の治療または予防,糖尿病性脂質異常症の治療,メタボリック・シンドロームの治療または予防,代謝機能不全に関連する疾患の治療,肥満または肥満関連疾患の治療のための新規なオクタヒドロキノリジンに関する。本発明はまた,ヒトおよび動物における上述の疾患または症候群の改善された治療または予防を目的として,これらの化合物を単独でまたは他の薬剤または化合物との組み合わせで含む医薬組成物およびキットを含む。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
糖尿病は,高血糖およびグルコース代謝の乱れを特徴とする慢性疾患である。高血糖は,グルコース低下ホルモンであるインスリンの欠乏か,またはインスリンの効果に対する末梢組織の耐性とこれを補償する不適当なレベルのインスリン分泌の結果として生ずる。糖尿病には2つの主要な型,すなわち,1型糖尿病と2型糖尿病とがある。1型糖尿病は,膵臓のインスリン産生β細胞の永続的な破壊をもたらす自己免疫疾患である。通常は,1型糖尿病は,青年期に現れ,インスリンを外部から注射して治療しないかぎり生命の危険がある。2型糖尿病は,発症時に主として末梢インスリン耐性,相対的インスリン欠損,および軽度の高血糖症を特徴とする代謝性疾患である。1型糖尿病に対して,2型糖尿病は診断されるまで長い間気がつかない場合がある。2型糖尿病のリスク因子としては,肥満,年齢,2型糖尿病をもつ一等親血縁者,妊娠糖尿病の病歴,高血圧および高トリグリセリド血症が挙げられる。インスリン耐性および2型糖尿病を推進させる最も一般的な因子はライフスタイルであり,主なリスク因子は肥満である。2型糖尿病をもつ患者の約90%は過剰体重ないし肥満である。脂肪の質量の増加,特に過剰の腹部脂肪はインスリン耐性を引き起こす。インスリン耐性は,膵臓β細胞にインスリンを産生するようより強く要求し,そして,肝臓の疲労のために年齢とともにインスリン産生が減少し,糖尿病の明らかな発症につながる。先進国においては,2型糖尿病はすべての糖尿病の約90%を占める。参考文献:Report of World Health Organisation:Definition and diagnosis of diabetes mellitus and intermediate hyperglycemia.WHO/IDF consultation,WHO,Geneva,2006。
【0003】
世界中で糖尿病は増大しつつある健康上の負担である。これは世界で最も一般的な疾患の1つであり,先進国では主な死因である。現在のところ,糖尿病を有する人の数が最も多いと見積もられている3つの国は,インド,中国および米国である。糖尿病を有する人の数はすでに非常に多いが,この数は驚くべき速度で増加し続けている。糖尿病の世界有病率は,2000年から2030年で倍増すると予測される(2000年には2.8%,2030には最低4.4%)。糖尿病をもつ人の総数は,2000年に1億7100万人から2030年に少なくとも3億6600万人に増加すると推定されており,中東,アフリカおよびインドの発展途上国において最も高い相対的増加が予測されている。おそらくは環境リスク因子の変化のため,1型糖尿病についても顕著な増加があるが,"糖尿病の蔓延"は,主として2型糖尿病の患者数の増加によって促進されている。これは人口の増加,加齢,都市化,および肥満および運動不足の増加に起因する。世界の一部では,脂肪と蛋白質の多い食事等などの急速な文化的および社会的変化に伴って,過剰体重(肥満度指数:Body Mass Index,BMI>25)および肥満(BMI>30)が増加して蔓延している。この蔓延によるヒトのコストおよび経済学的コストは膨大である。体重に関連した糖尿病および糖尿病に伴う心臓血管疾患の有病率の上昇は今世紀の最も重要な公衆衛生上の懸念であると予測されており,これは莫大な経済的負担につながる。現在のところ,糖尿病の年間の直接ヘルスケアコストは少なくとも1530億〜2860億ドルと見積もられている。そのような発展にかんがみて,効果的な介入,例えば食事および行動の変化,ならびに薬学的なアプローチ等が大いに必要とされている。参考文献:Zimmet P,Alberti KG M M,Shaw J:Global and societal implications of the diabetes epidemic.Nature 414,782−787,2001;Wild S,Roglic G,Green A,Sicree R,King H:Global prevalence of diabetes,estimates for the year 2000 and projections for 2030.Diabetes Care 27,1047−1053,2004。
【0004】
確立された治療計画により,糖尿病患者は短期間はほぼ正常な生活を送ることができるが,長期間にわたるこの疾病の存在は,組織,特に神経および血管の重症の傷害につながる。その結果生ずる後期の糖尿病の合併症には,冠動脈および末梢血管の疾患,脳血管疾患,糖尿病性ニューロパシー,糖尿病足,ネフロパシーおよび網膜症がある。これは障害の比率の累積および死亡率の増加を引き起こす。事実上すべての先進社会では,糖尿病は失明,腎不全および下肢切断の主な原因にランクされ,糖尿病ケアに費やされる金額の約半分が合併症の管理のコストになる。糖尿病から合併症につながるメカニズムは完全には理解されていないが,多くの研究から,血糖値の早期の厳密な管理をめざした強力な治療により合併症の発症率および重篤度が低下することが明確に確認されている。初期の強い介入は初期コストを上昇させるが,合併症から生ずる長期のヒトおよび経済コストは低下する。これは,ライフスタイルへの初期の介入のみならず,初期の薬物療法および正常値に近い血糖値の意欲的な目的レベルについても,その論理的根拠を明らかにする。その結果,血中グルコースのコントロールをさらに改善し最適化することに貢献する新規の医薬または医薬の組み合わせはいずれも,後の合併症を予防する有益なツールであり,糖尿病の医学的および経済的負担を低減させる。参考文献:DCCT Research Group:The effect of intensive treatment of diabetes on the development and progression of long−term complications insulin−dependent diabetes mellitus,N Engl J Med 329,977−986,1993;UK Prospective Diabetes Study (UKPDS) Group:Intensive blood−glucose control with sulphonylureas or insulin compared with conventional treatment and risk of complications in patients with type 2 diabetes (UKPDS 33).Lancet 352,837−853,1998.UK Prospective Diabetes Study Group,UKPDS:Effect of intensive blood−glucose control with metformin on complications in overweight patients with type 2 diabetes (UKPDS 34).Lancet 352,854−65,1998。
【0005】
1型および2型糖尿病の両方とも,医学的に証明された治癒法はなく,したがって,治療の主な目標は,合併症の罹患率とそれによる死亡率を低下させることである。これは,グルコースの長期コントロールのための有益な読み出しパラメータとしてHbA1cを用いて高血糖症を有効に治療することにより達成することができる。1型糖尿病においては,外因性インスリンを用いる治療が必須であり,したがって,血中グルコースコントロールの改善は,主としてより洗練されたインスリン注射治療計画により達成される。2型糖尿病は慢性の進行性の疾患であり,その病態生理学は,1型糖尿病の場合よりも患者ごとに著しく異なる。2型糖尿病の予防,診断スクリーニングおよび治療の戦略が様々であることを示唆する。治療およびその結果を最適化するためには,ライフスタイルの管理に加えて,血圧コントロール,心臓血管リスクからの保護および糖尿病性合併症スクリーニングおよび医薬品が必要とされている。このような状況において,2型糖尿病の治療には種々の経口薬剤が利用可能である。これらの薬剤は異なる作用メカニズムで血中グルコースに影響を与える。International Diabetes Foundationの2型糖尿病の世界的ガイドラインにしたがえば,推奨される治療は次のとおりである:インスリン感作剤ビグアニドメトホルミンは2型糖尿病の経口治療の第1選択薬である。この主要な作用は,肝臓におけるグルコース生産を低下させることにより血糖症を低下させることである。メトホルミンでは血中グルコース濃度を十分にコントロールすることができない場合には,スルホニルウレアおよび/またはPPARγアゴニストを加えるべきである。スルホニルウレアはインスリン分泌を促進するが,PPARγアゴニスト(チアゾリジンジオン)はインスリンに対する筋肉,脂肪および肝臓の感受性を高める。さらに選択可能な治療法は,α−グルコシダーゼ阻害剤であるエクセナチド,グリニドまたはプラムリンチドである。α−グルコシダーゼ阻害剤は,小腸における多糖類の消化速度を低下させ,このことにより腸からのグルコース吸収が遅くなり,食後の血漿グルコース濃度が低下する。グリニドはスルホニルウレアと同様にインスリン分泌を促進するが,半減期がより短い。エキセナチド(グルカゴン様ペプチド1アゴニスト)はグルコース媒介性インスリン分泌を強化し,プラムリンチド(アミリンアゴニスト)は胃の空腹化を遅らせ,グルカゴン産生を阻害する。薬剤およびライフスタイルによる介入では,血糖値コントロールを維持することができないため,病気の進行の後期ではインスリン療法が必要である。参考文献:International Diabetes Foundation,Clinical Guidelines Task Force:Global guideline for type 2 diabetes,2005.www.idf.org/webdata/docs/IDF%20GGT2D.pdf;Nathan DM,Buse JB,Davidson MB,Heine RJ,Holman RR,Sherwin R,Zinman B:Management of hyperglycemia in type 2 diabetes:a consensus algorithm for the initiation and adjustment of therapy:a consensus statement from the American Diabetes Association and the European Association for the Study of Diabetes.Diabetes Care 29,1963−1972,2006。
【0006】
病態生理学は患者の間で様々であるが,2型糖尿病は時間とともに血糖症が悪化する進行性の疾患である。4名の患者のうちほぼ3名では,単剤療法では目標血糖値に到達することができないため,大部分の患者では長期間では2以上の療法が必要であり,ほとんどの場合には,異なる作用メカニズムの薬剤の組み合わせによる治療が最も成功する。いずれにしても,多数の薬剤をいくつかの組み合わせても,ほとんどの個々の患者については最適なヘルスケア状態を与える血糖値のレベルを達成しこれを維持することができず,このことは,新たなより優れた薬剤がなお必要とされていることを強調する。血糖値コントロールにおける治療標的に関して。多くのグルコース低下剤は,満足できない性能は別として,有害な効果の懸念のため処方が制限されている。2型糖尿病の第1選択の経口療法として推奨されているメトフォルミンは,比較的よく許容される。メトフォルミンの最も一般的な有害な効果は胃腸の問題であるが,メトフォルミンはまた,非常にまれではあるが非常に危険な有害な効果として乳酸アシドーシスと関連づけられている。胃腸の問題は,2型糖尿病の別の種類の薬剤についてはるかに一般的である。グルコシダーゼ阻害剤であるエキセナチドまたはプラムリンチドを服用している患者の少なくとも3分の1は胃腸の副作用に苦しめられており,これはしばしば治療の中止の原因となる。スルホニルウレアおよびグリニドについては胃腸の影響は問題がないが,これらの薬剤はインスリン分泌を誘導することにより作用し,極端な場合には生命を脅かす可能性のある低血糖症のリスクをもつ。さらに,チアゾリジンジオンは,望ましいインスリン感作の作用メカニズムをもつため,最初は大きな期待を持たれたが,体液貯留を誘発することが明らかになり,最近では,心筋梗塞が増加し,心臓血管疾患により死亡するリスクが増加することが疑われている。したがって,治療目標に到達する効力が満足できるものではないこと,問題のある有害な効果が頻繁に生ずること,および多くの場合にコストが高いことが,2型糖尿病の現在の薬剤治療の選択肢における未解決の問題点である。2型糖尿病の驚くべき流行の観点から,利用可能な薬学的ツールを考慮すると,より優れた治療指数を有する,すなわち改善された効力と有害な効果との関係を有する新たな薬剤が緊急に必要であることが明らかである。参考文献:Nathan DM,Buse JB,Davidson MB,Heine RJ,Holman RR,Sherwin R,Zinman B:Management of hyperglycemia in type 2 diabetes:a consensus algorithm for the initiation and adjustment of therapy:a consensus statement from the American Diabetes Association and the European Association for the Study of Diabetes.Diabetes Care 29,1963−1972,2006;Nissen SE,Wolski K:Effect of rosiglitazone on the risk of myocardial infarction and death from cardiovascular causes.N Engl J Med 356,2457−2471,2007。
【0007】
新規グルコース低下剤の探索においては,初期の前臨床試験および特性決定は,通常は糖尿病状態に似た代謝変位を有する齧歯類系統の研究に基づいて行う。そのような動物においては,食事性血糖症およびグルコース溶液の投与後の血糖値の増加を測定するグルコース耐性試験(GTT)によりグルコースホメオスタシスを負荷する。GTTにおいては,グルコースは静脈内(IVGTT),腹腔内(IPGTT)または経口(OGTT)で投与することができ,後者が最も生理学的なアプローチである。2型糖尿病のモデルとしてしばしば用いられる齧歯類としては,そのような血糖症の増加が遺伝的欠陥によるもの,食事介入によるものまたは毒性の薬剤の投与によるものがある。それぞれの特定のアプローチは利点および制限を有する。一般に用いられる遺伝的モデルは,過食および重度の肥満を引き起こす遺伝子欠陥を有するラットおよびマウス(例えば,ZDFラット,db/dbマウス)である。これらの動物においては,非常に重症のインスリン耐性が高血糖症の発症の推進力であり,したがって,これらはインスリン感作により作用するいくつかの薬剤に対して非常に応答性である。これは2型糖尿病をもつ非常に肥満した患者の状況をよく模倣するが,インスリン耐性が優位であるため,インスリン感作とは異なるメカニズムにより作用する薬剤のグルコース低下作用をそのようなモデルで示すことは困難である。広く用いられている他のモデルは,適切に投与されれば相対的インスリン欠乏を引き起こす,インスリン産生細胞を破壊する薬剤(ストレプトゾトシン,アロキサン)を注射した齧歯類である。しかし,このモデルは2型糖尿病の重要な特徴である原発性インスリン耐性の要素がない。食餌モデル,特に脂肪含量の非常に高い餌(高脂肪食,HFD)を与えた動物は,一般に過剰体重患者に多く見られる2型糖尿病の病因をよりよくシミュレートする。代謝異常の程度は限定されているため,これらのモデルは2型糖尿病の進行の初期段階でのみ類似している。HFDにより誘発されるグルコースホメオスタシスの異常の程度に相違がある株があり,例えばC57/BLマウスは他の株よりHFD誘発性代謝異常により敏感である。異常の程度および特性はまた,食事組成により調節することができる。通常,HFDは,約60%(カロリーの)の脂肪含有量を有し,脂肪を多く取りすぎるヒトに匹敵する割合で炭水化物および蛋白質を含む。別のHFDはほぼ完全に炭水化物を含まないものであり,より短期間でより重症の代謝結果につながるという利点を有するが,肥満患者の状況の模倣はあまり適切ではない。参考文献:Surwit RS,Kuhn CM,Cochrane C,McCubbin JA,Feinglos MN:Diet−induced type II diabetes in C57BL/6J mice.Diabetes 37,1163−1167,1988;Winzell MS,Ahren B:The high−fat diet−fed mouse:a model for studying mechanisms and treatment of impaired glucose tolerance and type 2 diabetes.Diabetes 53 (Suppl 3),S215−219,2004 Burcelin R,Crivelli V,Dacosta A,Roy−Tirelli A,Thorens B:Heterogeneous metabolic adaptation of C57BL/6J mice to high−fat diet.Am J Physiol 282,E834−E842,2002。
【0008】
まとめると,従来技術の抗糖尿病治療の上述の欠点を克服するために用いることができる化合物,化合物の組み合わせおよび治療法がなお求められている。本発明は,これらの,ならびに他の重要な目標に関する。
【0009】
驚くべきことに,本発明の範囲内において,新規置換オクタヒドロキノリジンを上述した治療分野において薬剤として治療に用いることは,その特徴的な化学的性質,特にその置換パターンによって異なりうる。すなわち,骨格フレームワークにおいては化学的に類似するが,構造において特定の変化を有することにより,種々のオクタヒドロキノリジン誘導体の薬学的有用性に劇的な変化がもたらされる。これには,限定されないが,立体化学に関する構造変化,骨格上の置換基の配置およびその空間的特性,置換基の酸性/塩基性の特性,特定の位置における芳香族または非芳香族基の組み込み,オクタヒドロキノリジン骨格に結合している種々の置換基の位置およびコンフォメーション上の柔軟性が挙げられる。
【0010】
先に公開されているオクタヒドロキノリジン[WO2007/050802 A (Adolor Corp [US],Dolle Roland E [US],Le Bourdonnec Bertrand [US],3 May 2007);Kubo H.et al.,Biol.Pharm.Bull.23(9),1114−1117 (2000)]と比較して,本発明の新規化合物は,動物モデルにおいて証明されるように,糖尿病および上述の疾患の治療に向けられた実質的に優れた生物学的活性を示す。有益性としては,例えば,優れた用量活性相関,および/または薬理学的プロファイル,またはネズミ糖尿病モデルにおいて急性毒性が全くないかまたは有意に低下すること,および/または,齧歯類または非齧歯類動物モデルにおける望ましくない有害な効果プロファイルが全くないかまたは有意に低下することが挙げられる。動物モデルにおいて有害な効果を示す化合物は,通常は臨床開発から除外され,ヒトにおいて糖尿病および関連する疾患の治療に用いるのに適していない。
【0011】
本発明において開示される化合物は,糖尿病および関連する疾患の新規な治療または予防を可能とする。特に,糖尿病治療においてこれまでに例のないその特定の作用モードのため,本発明の化合物は,従来技術の抗糖尿病治療の治療上の有益性を著しく妨げる副作用のない治療上の優位性を有する。これには,限定されないが,下記が含まれる:これまでに知られている副作用,例えば,グルコシダーゼ阻害剤またはエクセナチド等のグルカゴン様ペプチド1(GLP−1)模倣体を治療に用いる経過中に観察される腸の副作用;インスリンおよび/またはスルホニルウレア等のインスリン分泌剤の使用に関して報告されている生命を脅かす低血糖症;ビグニアドで治療している患者に生ずるかもしれない危険な乳酸アシドーシス;ジペプチジルペプチダーゼIVの阻害により作用する慣用の薬剤,例えばグリプチンによる望ましくない胃腸または免疫調節副作用。
【0012】
したがって,本発明に開示される化合物は,上述の治療用途において,予測されなかった実質的な進歩を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の概要
本発明は,一般に,置換オクタヒドロキノリジン誘導体,これらの化合物を含む医薬組成物,およびこれらを医薬に用いる方法に関する。
【0014】
1つの態様においては,本発明は,式I:
【化1】
式中,
R1=C1−C6アルキル,フェニル,置換フェニル
R2=H,C1−C6アルキル,アルキル−シクロアルキル
R3=(R31)k ここで,k=0,1,2,3,R31=H,F,Cl,Br,CF3,C1−C6アルキル;または
R3=(R32)k ここで,k=4,5,R32=H,F
X=カルボニル,R9,CR4CN,CHR5,CH(COH(CH3)2),CR4(OR6),CR6(OR4),CR6ベンジルオキシ,CR6(2−メトキシエトキシ),CR6[(2−メトキシエトキシ)メトキシ],CR6[(2−メトキシエトキシ)エトキシ],CR4(CO)OR4,CR4(CO)N(R4)2,CR4(CO)R5,CR4(CO)R4,CR4(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(OR4)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(Oトリメチルシリル)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ
ここで,k=1,2,3,4;m=0,1;n=0,1,2,3
Y=CR4R6,1,1−シクロペンチル,1,1−シクロヘキシル,
Z=R5,R6,R7,R8,CN,(CO)OR6,(CO)R4,OR6,OR7,O(CO)R5,(CO)R5,(CO)R8,O(CH2)2or3R5,O(CH2)2or3R6,O(CH2)2or3R7,O(CH2)2or3R8,O(CH2)2or3OR6,O(CH2)2or3OR7,NR4(CO)OR6,NR4(CO)R5,NR4(CH2)2or3R,NR4(CH2)2or3R6,NR4(CH2)2or3R7,NR4(CH2)2or3R8,NR4(CH2)2or3OR6,NR4(CH2)2or3OR7
ここで,
R4=H,C1−C6アルキル
R5=
【化2】
R6=H,C1−C6アルキル,イソプロピル,イソブチル,secブチル,t−ブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,シクロペンチルメチレン,シクロヘキシルメチレン
R7=フェニル,モノフルオロフェニル,ジフルオロフェニル,トリフルオロフェニル,トリフルオロメチルフェニル,クロロフェニル,ジクロロフェニル,モノフルオロ−モノクロロフェニル,ジフルオロ−モノクロロフェニル,モノフルオロ−モノメチルフェニル,メチルフェニル,ジメチルフェニル
R8=
【化3】
R81=互いに独立して,(F,Cl,CF3,C1−C6アルキル)0,1マタハ2
R9=
【化4】
の化合物に関する。
【0015】
別の態様においては,本発明は,式II:
【化5】
式中,
R1=メチル,フェニル
R2=H,メチル
R3=H,F,Cl,CF3,ジフルオロ,トリフルオロ,ジクロロ,モノフルオロ−モノクロロ,メチル,ジメチル,モノフルオロ−モノメチル
X=カルボニル,R9,CR4CN,CHR5,CH(COH(CH3)2),CR4(OR6),CR6(OR4),CR6ベンジルオキシ,CR6(2−メトキシエトキシ),CR6[(2−メトキシエトキシ)メトキシ],CR6[(2−メトキシエトキシ)エトキシ],CR4(CO)OR4,CR4(CO)N(R4)2,CR4(CO)R5,CR4(CO)R4,CR4(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(OR4)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(Oトリメチルシリル)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ
ここで,k=1,2,3;m=0,1;n=0,1,2,
Y=CR4R6,1,1−シクロペンチル,1,1−シクロヘキシル,
Z=R5,R6,R7,R8,CN,(CO)OR6,(CO)R4,OR6,(CO)R5,(CO)R8,NR4(CO)R5
ここで,
R4=H,C1−C6アルキル
R5=
【化6】
R6=H,C1−C6アルキル,イソプロピル,イソブチル,secブチル,t−ブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,
R7=フェニル,モノフルオロフェニル,ジフルオロフェニル,トリフルオロフェニル,トリフルオロメチルフェニル,クロロフェニル,ジクロロフェニル,モノフルオロ−モノクロロフェニル,ジフルオロ−モノクロロフェニル,モノフルオロ−モノメチルフェニル,メチルフェニル,ジメチルフェニル
R8=
【化7】
R9=
【化8】
の化合物に関する。
【0016】
さらに別の態様においては,本発明は,表I(図1から29)に列挙される式IおよびIIの化合物に関する。
【0017】
さらに別の態様は,より好ましい態様を含む。より好ましい態様は,表1(図1から29)にアスタリスク(*)を付して記載され,次の生成物番号(PN)を有する化合物である:29,79,83,111,131,135,139,143,147,156,158,160,162,166,168,190,194,224,230,249,287,320。
【0018】
本発明のさらに別の観点は,式IまたはIIの化合物を薬剤物質として含む医薬組成物である。
【0019】
本発明のさらに別の観点は,糖尿病の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用である。
【0020】
本発明のさらに別の観点は,高脂血症の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用である。
【0021】
本発明のさらに別の観点は,糖尿病性脂質異常症の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用である。
【0022】
本発明のさらに別の観点は,メタボリック・シンドロームの治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用である。
【0023】
本発明のさらに別の観点は,肥満の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用である。
【0024】
本発明のさらに別の観点は,代謝機能不全に関連する疾病の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図2】図2は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図3】図3は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図4】図4は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図5】図5は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図6】図6は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図7】図7は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図8】図8は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図9】図9は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図10】図10は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図11】図11は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図12】図12は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図13】図13は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図14】図14は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図15】図15は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図16】図16は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図17】図17は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図18】図18は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図19】図19は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図20】図20は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図21】図21は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図22】図22は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図23】図23は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図24】図24は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図25】図25は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図26】図26は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図27】図27は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図28】図28は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図29】図29は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図30】図30は、本発明の化合物の抗糖尿病効果を示す。
【図31】図31は、本発明の化合物の抗糖尿病効果を示す。
【図32】図32は、本発明の化合物の抗糖尿病効果を示す。
【図33】図33は、本発明の化合物の抗糖尿病効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
式IおよびIIの化合物の説明
本発明は一般に,置換されたオクタヒドロキノリジン化合物,これらの化合物を含む医薬組成物,およびこれらを医薬として使用する方法に関する。
【0027】
本明細書において用いる場合,"立体異性体"との用語は,同一の化学組成を有するが,原子または基の立体の配置が異なる化合物を意味する。本明細書において用いる場合,"部分立体異性体“との用語は,2またはそれ以上のキラル中心を有し,キラル中心の少なくとも1つは規定された立体化学を有する立体異性体を意味する。特に記載しないかぎり,立体異性体の混合物は,立体異性体および/または部分立体異性体を異なる相対的量で含むことができ,これはラセミ体であってもよく,それ自体光学的に富化されていてもよい。
【0028】
薬学的に許容しうる塩としては,限定されないが,例えば,非毒性の無機または有機酸から形成される親化合物の慣用の塩または4級アンモニウム塩が挙げられ,これは,例えば,慣用の無機酸(例えば,塩酸,臭化水素酸,リン酸,硝酸,スルファミン酸,硫酸)から,または有機酸(例えば,アスコルビン酸,酒石酸,クエン酸,マレイン酸,ヒドロキシマレイン酸,フマル酸,シュウ酸,酢酸,プロピオン酸,コハク酸,トルエンスルホン酸,メタンスルホン酸,エタンジスルホン酸,ステアリン酸,パルミチン酸,グリコール酸,乳酸,リンゴ酸,フェニル酢酸,スルファニル酸,グルタミン酸,安息香酸,サリチル酸,2−アセトキシ安息香酸,イソチオール酸(isothioilic))から,当該技術分野において知られる方法により製造することができる。
【0029】
"有効量“との用語は,本明細書に記載される物質の,特定の疾病,疾患,または副作用の症状,例えば,限定されないが,糖尿病にともなう病的状態を予防または治療するのに治療上有効でありうる量を意味する。
【0030】
本明細書において用いる場合,"薬学的に許容しうる"との用語は,適切な医学的判断の範囲内で,動物およびヒトの組織と接触させるのに適しており,過剰な刺激,毒性,アレルギー反応,または他の合併症または合理的なリスク便益比と釣り合う問題点のない化合物,組成物,物質,および/または製剤を表す。この用語は特に獣医学的な使用も包含する。
【0031】
本明細書において用いる場合,"単位投与量"との用語は,特定の個体の治療のための単一の用量として適合された,物理学的に分離された単位を意味する。各単位は,所望の治療効果を生ずるよう計算された,予め決定された量の本発明の活性物質を適切な薬学的担体とともに含むことができる。本発明の単位投与量形は,達成すべき特定の治療効果(単数または複数),活性化合物(単数または複数)の独特の特性,およびそのような活性化合物(単数または複数)を配合する技術分野に固有の制限により決定することができる。
【0032】
本明細書において用いる場合,"治療"または"治療する"との用語には,限定されないが,阻止的(例えば予防的),治癒的または苦痛緩和治療が含まれる。本明細書において用いる場合,"患者"との用語は,動物,例えば哺乳動物,好ましくはヒトを意味する。
【0033】
本発明の化合物は,純粋な化学物質として投与してもよいが,活性成分を,有効量の1またはそれ以上の本発明の化合物,好ましくは1またはそれ以上の本明細書に記載される式IまたはIIの化合物を,1またはそれ以上の薬学的に許容しうる,すなわち,組成物の他の成分と適合性であり,その受容者に対して有害ではない担体とともに含む医薬組成物として提供することが好ましい。
【0034】
本発明の化合物は,医学の分野でよく確立されている標準的な手法のいずれかにより,有効量で投与することができる。本発明の方法において用いられる化合物は,活性成分(単数または複数)を患者の身体の作用関連部位(単数または複数)に接触させる結果をもたらす任意の手段で投与することができる。化合物は,医薬品と併用して用いるのに利用可能な任意の標準的な手段により,個々の治療剤として,または治療および/または予防剤との組み合わせとして,投与することができる。例えば,これらは医薬組成物中の唯一の活性成分として投与してもよく,あるいは,他の治療上活性な成分との組み合わせで用いてもよく,またはある量の薬学的に許容しうる担体とともに用いてもよく,これは溶解性,化学的性質,投与経路または標的とする療法による有効な治療に有益な他の手段により決定することができる。
【0035】
予防または治療に最も適した本発明の化合物の投与量は,用いられる特定の化合物,投与の形態,および治療中の特定の患者の生理学的特徴により様々であろう。一般に,最初はより少ない投与量を用い,必要であれば,それぞれの状況において所望の効果が得られるまで少しずつ増量することができる。一般に,経口投与は非経口投与より多い投与量を必要とするであろう。本発明の物質の適切な投与量は本明細書の開示を参照すれば,一般的ガイダンスにより当業者が容易に確かめることができるが,例えば,典型的には,本発明の化合物,すなわち,本明細書に記載される式IまたはIIの化合物の1日投与量は,約0.001から約500mg/kg患者体重の範囲(および範囲およびその中の特定の投与量のすべての組み合わせおよび準組み合わせ)であることができる.好ましくは,1日投与量は,約0.01から約250mg/kg患者体重の本発明の化合物,好ましくは式IまたはIIの化合物でありうる。
【0036】
製造方法
特に記載しないかぎり,以下の材料および溶媒を用いた:HPLC:アセトニトリル(ACN)LC−MS等級(Fisher ScientificまたはFluka);水,LC−MS等級(Fisher ScientificまたはFluka);ギ酸,puriss.p.a.等級(LC−MS用溶出液添加剤,Fluka);化学反応用乾燥溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),puriss.,absolute等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.01%,≧99.8%(GC)(Fluka);ジエチルエーテル(DEE),puriss.等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.005%,≧99.8%(GC)(Fluka);テトラヒドロフラン(THF),puriss.,absolute等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.005%,≧99.5%(GC)(Fluka);1,2−ジメトキシエタン(DME),puriss.等級,モレキュラーシーブ乾燥(Fluka);ジクロロメタン(DCM),puriss.等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.005%(Fluka);メタノール(MeOH),puriss.等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.01%(Fluka);アセトニトリル,puriss.等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.01%(Fluka);エチルアセテート,puriss.等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.005%(Fluka)。
【0037】
特に記載しないかぎり,抽出および/またはカラムクロマトグラフィー用には以下の材料および溶媒を用いた:石油エーテル(PE):bp:40−60°C,Bakerreinst等級(Baker);エチルアセテート(EtOAc),メタノール(MeOH),ジエチルエーテル(Et2O):GPR Rectapur等級(VWR Prolabo);シクロヘキサン(CyclH):Normapur(VWR Prolabo);ジクロロメタン(CH2Cl2):合成用(Merck Darmstadt)またはGPR Rectapur等級(VWR Prolabo);トルエン(Tol):Baker analyzed等級(Baker)またはNormapur等級(VWR Prolabo);エタノール(EtOH):無水,99.9%(Australco)
特に記載しないかぎり,化学反応用には以下の材料および溶媒を用いた:3−クロロピロピオンアルデヒドジエチルアセタール,tech.等級,≧90%(GC)(Fluka);1−メチルベンジルシアニド,96%(Aldrich);水素化ナトリウム(NaH),ミネラルオイル中60%分散物(Aldrich);水素化リチウムアルミニウム(LAH),試薬等級,95%,粉体(Aldrich);硫酸(H2SO4),95−97%,Baker analyzed等級(Baker;水道水で使用濃度に希釈);水酸化ナトリウム(NaOH),Baker analyzed等級(Baker);3−ブテン−2−オン(メチルビニルケトン),99%(Aldrich);塩酸(HCl),37−38%,Baker analyzed等級(Baker;水道水で使用濃度に希釈);無水炭酸カリウム,purump.a.等級,≧99,0%(Fluka);炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)(Fluka);酒石酸カリウムナトリウム四水和物,purump.a.等級,≧99.8%(Fluka);メチルリチウム(MeLi)溶液,purum等級,約1M,クメン/THF中(Aldrich);ヨードメタン(MeI),purum等級,≧99.0%(GC)(Fluka),塩化ベンジル(BnCl),puriss.等級,≧99.5%(GC)(Fluka);硫酸ナトリウム(Na2SO4),p.a.,ACS,ISO等級,無水(Roth);無水硫酸マグネシウム(MgSO4),puriss.p.a.等級,乾燥剤,≧98%(KT)(Fluka);塩化アンモニウム(NH4Cl),purump.a.等級,≧99%(Fluka);炭酸ナトリウム(NaCO3),purum等級,≧98.0%(T)(Fluka);ニンヒドリン,97%(Aldrich);塩化2−メチル−2−フェニルプロピルマグネシウム溶液,ジエチルエーテル中0.5M(Aldrich);塩化イソブチルマグネシウム溶液,ジエチルエーテル中2.0M(Aldrich);臭化(1,3−ジオキサン−2−イルエチル)マグネシウム溶液,テトラヒドロフラン中0.5M(Aldrich);塩化2−メトキシエトキシメチル(MEMCl),technical等級(Aldrich);トリエチルアミン(TEA),puriss.p.a.等級,≧99.5%(GC)(Aldrich);ジフェニルアセトニトリル,98%(Aldrich);ピペリジン,puriss.,p.a.等級,≧99%(GC/T)(Fluka);シアノ水素化ホウ素ナトリウム,purum等級,≧95%(RT)(Fluka);水酸化アンモニウム溶液,purum等級,約28%,水中(Fluka);エチレングリコール,無水,99,8%(Aldrich);1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン,95%(Aldrich);p−トルエンスルホニル−メチルイソシアニド,purum等級,≧98%(HPLC)(Fluka);(2−ブロモエチル)メチルエーテル,95%(Aldrich);4−フルオロフェニルアセトニトリル,99%(Aldrich);3−アミノ−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール(フルオロケム);4−クロロアセトフェノン,97%(Aldrich);3−アミノ−1,2,4−トリアゾール,purum等級,≧95%(NT)(Fluka);水素化ホウ素ナトリウム,purump.a.等級,≧96%(ガス容積)(Fluka);tert−ブチルリチウム,1,7M溶液,ペンタン中(Aldrich);リチウムジイソプロピルアミド,1,8M溶液,THF/ヘプタン/エチルベンゼン中(Aldrich);3−アミノ−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾール,(Ukr Org Synthesis Ltd.);2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール,purum等級,≧98%(GC)(Fluka);オルトギ酸トリエチルpurum等級,≧98%(GC)(Fluka);p−トルエンスルホン酸一水和物(Aldrich);カリウムtert−ブトキシド,試薬等級,95%(Aldrich);氷酢酸,99−100%,Baker analyzed等級(Baker);ピリジニウムクロロクロメート(PCC),98%(Aldrich);塩化フェネチルマグネシウム,1.0M溶液,THF中(Aldrich);塩化シクロヘキシルマグネシウム,2.0M溶液,ジエチルエーテル中(Aldrich);2−ブロモプロパン,purum等級,≧99%(GC)(Fluka);塩化アセチル,puriss.p.a.等級,≧99%(T)(Fluka);無水酢酸,puriss.p.a.等級,≧99%(NT)(Fluka);モルホリン,puriss.p.a.等級,≧99%(GC)(Fluka);塩化ベンジルマグネシウム,2.0M溶液,THF中(Aldrich);1−メチルピペラジンpurum等級,≧99%(GC)(Fluka);5−アミノテトラゾール,97%(Aldrich);塩化ナトリウム(NaCl),purump.a.等級,≧99,5%(AT)(Fluka);ジシンナマルアセトン,98%(Aldrich);ジエチルアミン,≧99,5%(Aldrich);2−アミノピリジン,purum等級,≧98%(NT)(Fluka);塩化1−ピロリジンカルボニル,97%(Aldrich);ピロリジン,purum等級,≧98%(GC)(Fluka);1−ブロモ−2−シクロヘキシルエタン,98%(Aldrich);臭化シクロペンチル,99%(GC)(Aldrich);塩化ジメチルカルバミル,98%(GC,T)(Fluka);アセトン,Baker analyzed等級(Baker);N−メチルアニリン,purum等級,>98%(GC)(Fluka);シクロヘキサンメチルアミン,98%(Aldrich);水素,5.0(Messer Schweiz AG);臭化メチルマグネシウム,3.0M溶液,ジエチルエーテル中(Aldrich);水素化ジイソブチルアルミニウム,1.0M溶液,ジクロロメタン中(Aldrich);クロロトリメチルシラン,puriss.等級,≧99%(Fluka);マグネシウム,グリニヤール反応等級(Fluka);臭化シクロペンチル99%(Aldrich);2−アミノピリミジン97%(Aldrich);2−アミノベンズイミダゾール,technical等級,≧97%(Fluka);シクロペンチルアミン99%(Aldrich);2−アミノチアゾール97%(Aldrich);1,3−オキサゾール−2−アミン(bionet Key Organics LTd.);2,5−ジメチルピロール98%(Aldrich);活性炭素担持パラジウム(Pd/C),puriss.等級,10%(Pd)(Fluka);三臭化ホウ素溶液,purum等級,約1M,ジクロロメタン中(Fluka);O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)97%(Aldrich);水酸化カリウム(KOH),purump.a.等級,≧85%,ペレット(Fluka);パラホルムアルデヒド,purum等級,≧95%(Fluka);トリフェニルホスフィン,purum等級,≧95%(Sigma−Aldrich);ジエチルアゾジカルボキシレート溶液(DEAD),purum等級,約40%,トルエン中(Aldrich)。
【0038】
特に記載しないかぎり,反応混合物は,シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(CC)(シリカゲル60,0.06−0.2mm,RothまたはMerck;Davisil LC60A60−200μ,Grace Davison)により一般的方法にしたがって精製した。CC方法Aにおいては,CH2Cl2/MeOHの勾配を用いる。CC方法Bにおいては,PE/EtOAcの勾配を用いる。CC方法Cにおいては,PE/1%TEAを含むEtOAcの勾配を用いる。CC方法Dにおいては,CyclH/1%TEAを含むEtOAcの勾配を用いる,CC方法Eにおいては,CH2Cl2/0.1%NH4OHを含むMeOH(28%水性溶液)の勾配を用いる。CC方法Fにおいては,CyclH/EtOAcの勾配を用いる。CC方法Gにおいては,Tol/1%TEAを含むEtOAcの勾配を用いる。溶出物は,薄層クロマトグラフィー(TLC)により調べ,単一スポットの生成物または明確な立体異性体の混合物として統合し,減圧下で蒸発乾固(浴温度20−40℃);TLCプレート:TLCシリカゲル60F254ガラスプレート,20x20cm Multiformat,5x10cmのスコア付き(Merck),またはGrace ResolvシリカTLCプレート,有機結合物質をもつ硬質層,254nm蛍光指示薬,20x20cmスコア付きプレート(Grace Davison);UVおよび/またはニンヒドリン溶液染色により検出(0.2g,100mlエタノール中,加熱)。
【0039】
特に記載しないかぎり,反応生成物はHPLC/MSまたはMS直接注入により同定および/または特性決定した。HPLC/MS:装置:SCL−10AVP,コントローラ;DGU−20A5,脱気装置,FCV−10ALVP,低圧勾配混合ユニット,LC−10ADVPポンプ,SIL10AP,500μlシリンジおよび400μl注入ループ付きオートサンプラー,SPD−M10AVP,PDA検出器,LCMS2010AMS検出器(Shimadzu);Smart Mix,勾配ミキサー,350μl混合チャンバ(Knauer);N2LCMS1,窒素発生器(Claind);E2M28,2段階回転真空ポンプ(Edwards);ソフトウエア:Lab Solutions−LCM Solution Ver.3.41(Shimadzu);サンプル調製:サンプルを秤量し,アセトニトリルに溶解し,アセトニトリル/水(0.1%ギ酸を含む)=9:1中0.5−0.05mg/mlの濃度で最終容量1mlに希釈した。注入容量は,0.5μgのサンプルを注入するよう調節した(1−10μl)。溶媒:溶媒A:0.1%ギ酸を含む水,溶媒B:0.1%ギ酸を含むアセトニトリル。MS直接注入:装置:LCMS2010AMS検出器(Shimadzu);N2LCMS1,窒素発生機(Claind);E2M28,二段回転真空ポンプ(Edwards);ソフトウエア:Lab Solutions−LCM Solution Ver.3.41(Shimadzu);サンプル調製:サンプルを秤量し,0.1%ギ酸を含むアセトニトリル/水に溶解し,1ppmの濃度に希釈した。サンプルは連続的にMSに注入した(直接注入モード)。
【0040】
反応生成物および立体異性体は,HPLC/MSにより注入後の相対的保持時間(分)(RTT)を用いて,または下記の実施例に記載の方法を適用したMS直接注入により特性決定した。検出されたイオンは,ベースピーク(100%)に対するパーセント強度で表す。HPLC/MS方法A:カラム:Synergi 4μ Fusion−RP80A150x2.0mm,Security Guard Cartridge Fusion−RP4x2.0mm(Phenomenex Inc.);流速:0.5ml/分間;直線勾配(%Aは100%との差異):10%Bで開始,10分間で50%Bまで,次に2分間で100%Bまで,次に100%Bで10分間保持,次に3分間で10%Bまで,次に10%Bで10分間の平衡化;合計運転時間:35分間;PDA検出器:波長:190−600nm,サンプリング速度:1.56Hz,MS検出器:イオン化モード:ESIポジティブ,質量範囲:150−500±0.5m/z;スキャン速度:500amu/sec;検出器電圧:1.25kV;ヒートブロック温度:200℃;CDL温度:250℃;噴霧ガス流:1.5L/分;乾燥ガス圧:0.1MPa。方法B:カラム:Synergi 4μ Polar−RP80A150x2.0mm,Security Guard Cartridge Polar−RP4x2.0mm(Phenomenex Inc.);流速:0.5ml/分間;直線勾配(%Aは100%との差異):10%Bで開始,10分間で50%Bまで,次に2分間で100%Bまで,次に100%Bで10分間維持,次に3分間で10%Bまで,次に10%Bで10分間平衡化;合計運転時間:35分間;PDA検出器:波長:190−600nm,サンプリング速度:1.56Hz,MS検出器:イオン化モード:ESIポジティブ,質量範囲:100または150−500または600±0.5m/z;スキャン速度:500amu/sec;検出器電圧:1.25kV;ヒートブロック温度:200℃;CDL温度:250℃;噴霧ガス流:1.5L/分間;乾燥ガス圧:0.1MPa。MS直接注入:MS検出器:10μl/分で連続的に注入,イオン化モード:ESIポジティブ,質量範囲:150−700±0.5m/z;スキャン速度:500amu/sec;検出器電圧:1.3−1.5kV;ヒートブロック温度:200℃;CDL温度:250℃;噴霧ガス流:1.5L/分間;乾燥ガス圧:0.1MPa。
【0041】
特に記載しないかぎり,RTは室温または周囲温度を表し,これは典型的には20から25℃である。
【実施例】
【0042】
実施例1:Frank D.King,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,447−453(1986)の方法にしたがう,生成物No.1および2の製造
乾燥DMF(100ml)および水素化ナトリウム60%(4.1g,0.17mol)の懸濁液に,70℃で乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で,メチルフェニルアセトニトリル(10ml,0.075mol)を加えた。70℃で1時間撹拌した後,3−クロロプロピオンアルデヒドジエチルアセタール(13.2g,0.079mol)を滴加した。70℃で1時間撹拌し,室温に冷却した後,反応混合物を1Lの氷水に注加した。生成物をEt2O(3x200ml)で抽出した。合わせたEt2O抽出物をNa2SO4を通して濾過し,真空下で蒸発乾固させて,約19.1gの粗生成物を取得し,これを直接次の工程で用いた。乾燥THF(115ml)およびLAH(2.43g,0.065mol)の懸濁液に,乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で,氷水で冷却しながら濃硫酸(1.6ml,0.03mol)を滴加した。0℃で1時間撹拌した後,乾燥THF(19ml)中の前工程からの粗生成物の溶液(19.1g,0.073mol)を滴加し,反応混合物を室温で5時間撹拌した。0℃に冷却した後,1MNaOH(11.3ml)を加え,形成された沈殿物を吸引濾過により除去し,Et2Oを用いて沈殿物を洗浄した。濾液を真空下で蒸発乾固させて,約16gの粗生成物を取得し,これを65mlEt2Oに溶解した。メチルビニルケトン(6.1ml,0.073mol)を加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を350mlの2.5MHClに滴加した。分液漏斗で相を分離し,水性相を取りだして,2時間還流した。角氷を加えた後,混合物を固体炭酸ナトリウムで中和し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し,溶媒を真空下で除去して乾固させた。粗生成物(11.2g)をCC方法Bにより精製して,1(2.9g)および2(5.1g)を得た。
HPLC/MS方法A:1:RTT=2.7[ms:262.1(M+H3O+),244.1(35%,M+H+)];2:RTT=3.6[ms:262.1(M+H3O+),244.1(25%,M+H+)]
【0043】
実施例2:生成物3,4,302,303,312および313の製造
それぞれ乾燥DEEに溶解した生成物1,2,149,150,296または297を,乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で室温で,乾燥DEE中の1当量のLAHの撹拌懸濁液にゆっくり加えた。2時間後,反応混合物を水でクエンチし,NaOHでアルカリ性にし,Et2Oで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ3,4,302,303,312または313を得た。
HPLC/MS方法A:3:立体異性体I:RTT=2.9[ms:246.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=3.4[ms:246.1(M+H+)];4:立体異性体I:RTT=3.9[ms:246.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=4.6[ms:246.1(M+H+)];HPLC/MS方法B:303:立体異性体I:RTT=8.9[ms:260.2(M+H+)],立体異性体II:RTT=9.1[ms:260.2(M+H+)];313:RTT=10.7[ms:302.3(M+H+)]
【0044】
実施例3:生成物5,6,17〜20,45〜52の製造
生成物3,4,9〜12,27〜30,39〜42をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,2当量のNaHを加え,反応混合物を室温で45分間撹拌した。1.2〜5当量のMeIを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ5,6,17〜20,45〜52を得た。生成物5,6,17〜20をそれぞれCC方法Bにより精製し,精製物47および49をそれぞれCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:5:立体異性体I:RTT=4.6[ms:260.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=6.2[ms:260.1(M+H+)];6:立体異性体I:RTT=7.1[ms:260.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=8.4[ms:260.1(M+H+)];17:RTT=6.0[ms:274.1(M+H+),242.1(4%,M+H+−MeOH)];18:RTT=7.7[ms:274.2(M+H+)];19:RTT=7.3[ms:274.1(M+H+),242.2(8%,M+H+−MeOH)];20:RTT=8.9[ms:274.1(M+H+)];49:RTT=10.9[ms:316.2(M+H+)];HPLC/MS方法B:47:RTT=12.2[ms:374.3(M+H+)]
【0045】
実施例4:生成物7,8,21〜24の製造
生成物3,4,9〜12をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,2当量のNaHを加え,反応混合物を室温で45分間撹拌した。1.2〜5当量のBnClを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,7,8,21〜24を得た。生成物7,8,21〜24をそれぞれCC方法Bにより精製した。
HPLC/MS方法A:7:立体異性体I:RTT=10.7[ms:336.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=11.4[ms:336.1(M+H+)];8:立体異性体I:RTT=11.4[ms:336.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=12.2[ms:336.1(M+H+)];21:RTT=11.3[ms:350.2(M+H+),242.1(4%,M+H+−BnOH)];22:RTT=11.8[ms:350.2(M+H+)];23:RTT=11.6[ms:350.1(M+H+),242.1(3%,M+H+−BnOH)];24:RTT=12.3[ms:350.1(M+H+)]
【0046】
実施例5:生成物9〜12,198,202および203の製造
生成物1,2,197,149または150をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DEEに溶解し,−70℃に冷却した。2当量のMeLiを加え,−70℃で撹拌せずに1時間放置した。1時間かけて室温まで暖めた後,反応混合物を水性NH4Cl溶液で加水分解し,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ9および10,11および12,198,202または203を得た。生成物9〜12,198,203をそれぞれCC方法Aにより精製した。
HPLC/MS方法A:9:RTT=3.3[ms:260.1(M+H+),242.1(4%,M+H+−H2O)];10:RTT=4.5[ms:260.1(M+H+)];11:RTT=5.1[ms:260.1(M+H+),242.1(2%,M+H+−H2O)];12:RTT=5.6[ms:260.1(M+H+)];203:RTT=6.5[ms:274.2(M+H+)];MS直接注入:198:[ms:322.3(M+H+)]
【0047】
実施例6:生成物13〜16,177および178の製造
生成物1または2,149または150をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,2当量の塩化ベンジルマグネシウム溶液を加え,室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ13および14,15および16,177または178を得た。生成物13〜16および178をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:13:RTT=10.1[ms:336.3(M+H+)];14:RTT=9.7[ms:336.3(M+H+),318.3(8%,M+H+−H2O)];15:RTT=10.2[ms:336.3(M+H+)];16:RTT=10.6[ms:336.3(M+H+),318.3(8%,M+H+−H2O)];HPLC/MS方法B:178:RTT=13.0[ms:350.3(M+H+)]
【0048】
実施例7:生成物25および26の製造
生成物3または4をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,2当量のNaHを加え,反応混合物を室温で45分間撹拌した。1.2〜5当量のMEMClを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ25または26を得た。生成物25および26をCC方法Cにより精製した。
HPLC/MS方法A:25:立体異性体I:RTT=7.8[ms:334.2(M+H+)],立体異性体II:RTT=8.5[ms:334.1(M+H+)];26:立体異性体I:RTT=8.7[ms:334.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=9.5[ms:334.1(M+H+)]
【0049】
実施例8:生成物27〜30,155,156,183,184,189および190の製造
生成物1または2,149〜154をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,1.2当量の臭化(1,3−ジオキサン−2−イルエチル)マグネシウム溶液を加え,反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,27および28,29および30,155,156,183,184,189および190を得た。生成物27〜30をCC方法Bにより精製し,精製物155,156,184および190をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:27:RTT=8.3[ms:360.1(M+H+)];28:RTT=7.8[ms:360.1(M+H+),342.2(3%,M+H+−H2O)];30:RTT=9.0[ms:360.2(M+H+),342.2(4%,M+H+−H2O)];155:RTT=9.0[ms:374.1(M+H+)];156:RTT=9.0[ms:374.1(M+H+)];HPLC/MS方法B:29:RTT=10.6[ms:360.3(M+H+)];184:RTT=12.2[ms:408.3,410.2(37%)(M+H+)];190:RTT=11.3[ms:392.3(M+H+)]
【0050】
実施例9:生成物31〜34の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,1.2当量の塩化4−メチルベンジルマグネシウム溶液を加え,反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ31および32または33および34を得た。
HPLC/MS方法A:31:RTT=11.0[ms:350.3(M+H+)];32:RTT=10.6[ms:350.3(M+H+),332.3(9%,M+H+−H2O)];33:RTT=11.1[ms:350.3(M+H+)];34:RTT=11.4[ms:350.3(M+H+),332.3(8%,M+H+−H2O)]
【0051】
実施例10:生成物35〜38の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,1.2当量の塩化2−メチル−2−フェニルプロピルマグネシウム溶液を加え,反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ35および36または37および38を得た。生成物35〜38をCC方法Bにより精製した。
HPLC/MS方法A:35:RTT=11.9[ms:378.2(M+H+)];36:RTT=11.8[ms:378.2(M+H+),360.2(7%,M+H+−H2O)];37:RTT=12.1[ms:378.2(M+H+)];38:RTT=12.3[ms:378.2(M+H+),360.2(6%,M+H+−H2O)]
【0052】
実施例11:生成物39〜42の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,1.2当量の塩化イソブチルマグネシウム溶液を加え,反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ39および40または41および42を得た。生成物39〜41をCC方法Bにより精製した。
HPLC/MS方法A:39:RTT=9.7[ms:302.2(M+H+)];40:RTT=9.2[ms:302.2(M+H+),284.1(8%,M+H+−H2O)];41:RTT=9.9[ms:302.2(M+H+)];42:RTT=10.3[ms:302.2(M+H+),284.2(11%,M+H+−H2O)]
【0053】
実施例12:生成物43および44の製造
生成物3または4をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,2当量のNaHを加え,反応混合物を室温で45分間撹拌した。1.2〜5当量の(2−ブロモエチル)メチルエーテルを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ43または44を得た。生成物44をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:44:立体異性体I:RTT=7.3[ms:304.2(M+H+)],立体異性体II:RTT=8.4[ms:304.2(M+H+)]
【0054】
実施例13:生成物53〜56の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DEEに溶解し,−70℃に冷却した。2当量のtert−BuLiを加え,反応混合物を−70℃で撹拌せずに1時間放置した。1時間かけて室温に暖めた後,反応混合物を水性NH4Cl溶液で加水分解し,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ53および54または55および56を得た。
HPLC/MS方法A:55:RTT=9.2[ms:302.2(M+H+)];56:RTT=9.9[ms:302.2(M+H+),284.1(4%,M+H+−H2O)]
【0055】
実施例14:生成物57〜60の製造
生成物9〜12をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,3当量のNaHを加え,反応混合物を室温で45分間撹拌した。5当量の(2−ブロモエチル)メチルエーテルを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,57〜60を得た。生成物60をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:60:RTT=9.3[ms:318.2(M+H+)]
【0056】
実施例15:生成物61〜64,208および209の製造
生成物,9〜12,3または4をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,3当量のNaHを加え,反応混合物を室温で45分間撹拌した。5当量の1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタンを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ61〜64,208または209を得た。生成物64および209をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:64:RTT=9.6[ms:362.2(M+H+)];209:立体異性体I:RTT=8.6[ms:348.1(M+H+),370.1(13%,(M+Na+)],立体異性体II:RTT=9.2[ms:348.1(M+H+)]
【0057】
実施例16:生成物65〜68の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,1.2当量の塩化フェニルエチルマグネシウム溶液を加え,反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ65および66または67および68を得た。生成物65および67をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:65:RTT=11.0[ms:350.1(M+H+)];66:RTT=10.8[ms:350.1(M+H+),332.1(3%,M+H+−H2O)];67:RTT=11.1[ms:350.1(M+H+)];68:RTT=11.4[ms:350.1(M+H+),332.1(4%,M+H+−H2O)]
【0058】
実施例17:生成物69〜72の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,1.2当量の塩化シクロヘキシルマグネシウム溶液を加え,反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ69および70または71および72を得た。生成物71をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:69:RTT=10.6[ms:328.2(M+H+)];70:RTT=10.1[ms:328.2(M+H+),310.2(12%,M+H+−H2O)];71:RTT=10.5[ms:328.2(M+H+)];72:RTT=10.9[ms:328.2(M+H+),310.2(12%,M+H+−H2O)]
【0059】
実施例18:生成物73〜76の製造
2当量の臭化シクロヘキシルエチルを乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥THFに溶解し,2当量のtert−BuLiを加え,−70℃で撹拌せずに30分間放置した。乾燥THFに溶解した生成物1または2をそれぞれ加え,−70℃で撹拌せずに1時間放置した。1時間かけて室温まで暖めた後,反応混合物を水性NH4Cl溶液で加水分解し,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ73および74または75および76を得た。生成物75をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:76:RTT=12.6[ms:356.2(M+H+),338.2(3%,M+H+−H2O)];HPLC/MS方法B:73:RTT=15.0[ms:356.3(M+H+)];74:RTT=14.6[ms:356.3(M+H+),338.3(7%,M+H+−H2O)];75:RTT=14.8[ms:356.3(M+H+)]
【0060】
実施例19:生成物77〜80,125〜128,157,158,185,186,191,192の製造
生成物27〜30,45〜48,155,156,183,184,189または190をそれぞれ5%水性HCl溶液に溶解し,室温で一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し,固体炭酸ナトリウムでアルカリ性とし(pH11),CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ77〜80,125〜128,157,158,185,186,191または192を得た。
HPLC/MS方法B:79:RTT=10.1[ms:302.3(M+H+)];127:RTT=10.8[ms:316.2(M+H+),334.3(26%,M+H3O+)];158:RTT=10.6[ms:316.3(M+H+)];192:RTT=10.9[ms:334.3(M+H+)]
【0061】
実施例20:生成物81〜84,159,160,187,188の製造
生成物77〜80,157,158,185または186をそれぞれメタノールに溶解し,2当量のモルホリンおよび2当量の酢酸を加えた。1時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ81〜84,159,160,187または188を得た。生成物81〜84,159,160および188をCC方法Eで精製して,81〜84,159,160,187または188を純粋な生成物として得た。
HPLC/MS方法A:83:RTT=5.1[ms:187.3(M+2H+),207.7(17%,M+ACN+2H+),373.2(69%,M+H+)];HPLC/MS方法B:81:RTT=3.8[ms:187.2(M+2H+),207.9(53%,M+ACN+2H+),373.3(93%,M+H+)];82:RTT=3.0[ms:187.3(M+2H+),207.7(36%,M+ACN+2H+),373.3(73%,M+H+)];84:RTT=4.1[ms:187.2(94%,M+2H+),207.7(56%,M+ACN+2H+),373.3(M+H+)];159:RTT=4.4[ms:194.3(M+2H+),214.8(38%,M+ACN+2H+),387.4(66%,M+H+)];160:RTT=5.3[ms:194.3(38%,M+2H+),214.8(39%,M+ACN+2H+),387.3(M+H+)];188:RTT=8.7[ms:211.3(59%,M+2H+);231.8(63%,M+ACN+2H+);421.4,423.4(34%)(M+H+)]
【0062】
実施例21:生成物85〜88の製造
生成物77〜80をそれぞれメタノールに溶解し,2当量のピペリジンおよび2当量の酢酸を加えた。1時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ85〜88を得た。生成物87をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:87:RTT=7.1[ms:186.2(M+2H+),206.9(31%,M+ACN+2H+),371.4(94%,M+H+)]
【0063】
実施例22:生成物89〜92の製造
生成物77〜80をそれぞれメタノールに溶解し,2当量のジエチルアミンおよび2当量の酢酸を加えた。1時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ89〜92を得た。生成物91をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:91:RTT=6.1[ms:180.2(M+2H+),200.8(24%,M+ACN+2H+),359.3(60%,M+H+)]
【0064】
実施例23:生成物93〜96,161および162の製造
生成物77〜80,157または158をそれぞれメタノールに溶解し,1.3当量のN−メチルアニリンおよび1.3当量の酢酸を加えた。1時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ93〜96,161または162を得た。生成物95および162をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法A:95:RTT=7.7[ms:197.3(M+2H+),217.8(26%,M+ACN+2H+),393.2(68%,M+H+)];HPLC/MS方法B:162:RTT=10.0[ms:204.3(M+2H+),224.8(66%,M+ACN+2H+),407.3(99%,M+H+)]
【0065】
実施例24:生成物97〜100の製造
生成物1または2をそれぞれメタノールに溶解し,1.3当量のシクロヘキシルメチルアミンおよび1.3当量の酢酸を加えた。1時間後,3当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ97および98または99および100を得た。生成物99および100をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:99:RTT=8.8[ms:171.2(3%,M+2H+),191.9(51%,M+ACN+2H+),341.3(M+H+)];100:RTT=9.0[ms:171.3(6%,M+2H+),191.7(83%,M+ACN+2H+),341.3(M+H+)]
【0066】
実施例25:生成物101〜104の製造
モルホリンをCH2Cl2に溶解し,無水酢酸を氷水で冷却しながら滴加した。室温で一晩撹拌した後,反応混合物を蒸留水で1回,15%HCl溶液で1回,最後に飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,4−アセチルモルホリンを取得し,これはさらなる変換用に十分な純度であった。
1.6当量の4−アセチルモルホリンを乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥THFに溶解し,−78℃に冷却した。1.9当量のLDA溶液を加え,−78℃で20分間維持した。生成物1または2をそれぞれ乾燥THFに溶解し,−78℃で反応混合物に加えた。反応混合物を室温まで暖め,室温で1時間維持した。−78℃に冷却した後,2当量のLAHを加え,室温まで暖め,一晩撹拌した。5当量の酒石酸カリウムナトリウム四水和物を加え,沈殿物を濾別し,濾液を真空下で蒸発乾固させて,それぞれ101および102または103および104を得た。生成物103および104をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:103:RTT=4.3[ms:180.2(87%,M+2H+),200.9(53%,M+ACN+2H+),359.2(M+H+)];104:RTT=3.2[ms:180.3(M+2H+),200.8(29%,M+ACN+2H+),359.2(92%,M+H+)]
【0067】
実施例26:生成物105〜108,248,249の製造
生成物77〜80,157または158をそれぞれアセトンに溶解した。10当量のPCCを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させた後,残渣を水とCH2Cl2との間に分配し,有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させた。残渣を1%のTEAを含むCyclH/EtOAc(1:1)の混合物に再溶解し,酸化アルミニウムで濾過して,それぞれ105〜108,248または249を得た。
HPLC/MS方法B:107:RTT=10.6[ms:300.1(M+H+)];249:RTT=10.4[ms:314.3(M+H+)]
【0068】
実施例27:生成物109〜112,129〜132,242および243の製造
生成物77〜80,125〜128,157または158をそれぞれメタノールに溶解し,0℃に冷却し,10当量の水素化ホウ素ナトリウムを加えた。室温で2時間後,反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ109〜112,129〜132,242または243を得た。
HPLC/MS方法B:109:RTT=8.4[ms:304.2(M+H+)];111:RTT=9.0[ms:304.2(M+H+)];131:RTT=10.4[ms:318.2(M+H+)];243:RTT=9.3[ms:318.3(M+H+)]
【0069】
実施例28:生成物113〜116の製造
生成物109〜112をそれぞれ乾燥DMFに溶解kし,3当量の水素化ナトリウムを撹拌しながら加えた。45分後,1.1当量の塩化1−ピロリジンカルボニルを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を蒸留水でクエンチし,水性相をEt2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ113〜116を得た。生成物113および115をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:113:RTT=11.9[ms:401.2(M+H+)];115:RTT=12.2[ms:401.2(M+H+)]
【0070】
実施例29:生成物117〜120の製造
生成物109〜112をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,3当量の水素化ナトリウムを撹拌しながら加えた。45分後,1.1当量の塩化N,N−ジメチルカルバミルを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を蒸留水でクエンチし,水性相をEt2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ117〜120を得た。生成物119をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:119:RTT=11.4[ms:375.2(M+H+)]
【0071】
実施例30:生成物121〜124,272および273の製造
生成物77〜80,157または158をそれぞれDMF/AcOH=9:1に溶解し,10当量の2−アミノピリジンを加え,反応混合物を95℃で2時間加熱した。室温に冷却した後,10当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させた。粗生成物を乾燥DEEに溶解し,3当量のLAHを加え,反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ121〜124,272または273を得た。生成物123および273をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:123:RTT=8.4[ms:190.8(M+2H+),211.4(59%,M+ACN+2H+),380.3(40%,M+H+)];273:RTT=8.3[ms:197.8(M+2H+),218.2(27%,M+ACN+2H+),394.3(82%,M+H+)]
【0072】
実施例31:生成物133〜136の製造
生成物125〜128をそれぞれメタノールに溶解し,10当量の5−アミノテトラゾールおよび5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ133〜136を得た。生成物135をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:135:RTT=10.8[ms:385.3(M+H+)]
【0073】
実施例32:生成物137〜140の製造
生成物125〜128をそれぞれメタノールに溶解し,10当量の3−アミノ−1,2,4−トリアゾールおよび10当量の酢酸を加えた。2時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ137〜140を得た。生成物139をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:139:RTT=8.9[ms:192.7(91%,M+2H+),213.2(M+ACN+2H+),384.3(88%,M+H+)]
【0074】
実施例33:生成物141〜144,268および269の製造
生成物109〜112,242または243をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,40当量のNaHを加え,室温で30分間撹拌した。臭化シクロペンチルを加えてDMF:臭化シクロペンチル=1:1とし,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ141〜144,268または269を得た。生成物143をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:143:RTT=13.1[ms:372.3(M+H+)];269:RTT=13.5[ms:386.4(M+H+)]
【0075】
実施例34:生成物145〜148,270および271の製造
生成物109〜112,242または243をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,40当量のNaHを加え,室温で30分間撹拌した。2−ブロモプロパンを加えてDMF:2−ブロモ−プロパン=1:1とし,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ145〜148,270または271を得た。生成物147および271をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:147:RTT=11.8[ms:346.3(M+H+)];271:RTT=12.1[ms:360.3(M+H+)]
【0076】
実施例35:Frank D.King,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,447−453(1986)の方法にしたがう生成物149および150の製造
無水塩化水素ガスを冷却しながら触媒量のジシンナマルアセトンを含む3−ブテン−2−オンに通した。反応混合物が赤色に変化した後,形成された4−クロロ−2−ブタノンを蒸留により精製した(bp:62℃,92mbar)。4−クロロ−2−ブタノンをCH2Cl2に溶解し,1当量の2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール,1当量のオルトギ酸トリエチルおよび触媒量のp−トルエンスルホン酸を加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し,飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相を無水炭酸カリウムで乾燥し,濾過し,真空下で濃縮した。形成された2−(2−クロロエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを蒸留により精製した(bp:86−90℃,22mbar)。
【0077】
メチルフェニルアセトニトリルを,70℃で乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DMFおよび2.3当量のNaHの懸濁液に加えた。70℃で1時間撹拌した後,1.2当量の2−(2−クロロエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを滴加した。70℃で3時間撹拌し,室温まで冷却した後,反応混合物を1Lの氷水に注加した。生成物をEt2Oで抽出し,有機相をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,粗生成物を取得し,これを直接次の工程で用いた。乾燥不活性雰囲気下で,乾燥DEEおよび1.5当量のLAHの冷却懸濁液(5℃)に,乾燥DEEに溶解した前工程からの粗生成物を滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,これを氷水で冷却し,さらなるガスの発生が認められなくなるまで水を滴加した。形成された沈殿物を濾過し,濾液をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,粗アミンを取得し,これをEt2Oに溶解した。1当量の3−ブテン−2−オンを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を2.5MHCl溶液に滴加した。相を分離し,水性相を取り出し,4時間還流した。角氷を加えた後,混合物を固体炭酸ナトリウムで中和し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し,溶媒を真空下で蒸発乾固させて,149および150を得た。生成物149および150をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:149:RTT=8.6[ms:258.3(M+H+),276.2(3%,M+H3O+)];150:RTT=9.2[ms:258.3(M+H+),276.3(3%,M+H3O+)]
【0078】
実施例36:Frank D.King,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,447−453(1986)の方法にしたがう生成物151および152の製造
無水塩化水素ガスを,触媒量のジシンナムアセトンを含む3−ブテン−2−オンに冷却しながらバブリングした。反応混合物が赤色に変わった後,形成された4−クロロ−2−ブタノンを蒸留により精製した(bp:62℃,92mbar)。4−クロロ−2−ブタノンをCH2Cl2に溶解し,1当量の2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール,1当量のオルトギ酸トリエチルおよび触媒量のp−トルエンスルホン酸を加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し,飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相を無水炭酸カリウムで乾燥し,濾過し,真空下で濃縮した。形成された2−(2−クロロエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを蒸留により精製した(bp:86−90℃,22mbar)。
【0079】
4−クロロアセトフェノンを乾燥DMEに溶解し,無水エタノール(触媒量)および1.3当量のp−トルエンスルホニルメチルイソシアニドを加えた。撹拌し冷却しながら,2当量のカリウム−tert−ブトキシドを4回に分けて加えた。室温で一晩撹拌した後,反応混合物を濾過し,濾液を真空下で濃縮した。濃縮した反応混合物を酸化アルミニウムを通して濾過し,PEで抽出した。濾液を真空下で蒸発乾固させて,所望の2−(4−クロロフェニル)プロパンニトリルを得た。
【0080】
2−(4−クロロフェニル)プロパンニトリルを乾燥DMFおよび2.3当量のNaHの懸濁液に70℃で乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で加えた。70℃で1時間撹拌した後,1.2当量の2−(2−クロロエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを滴加した。70℃で3時間撹拌し,室温に冷却した後,反応混合物を1Lの氷水に注加した。生成物をEt2Oで抽出し,有機相をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,粗生成物を取得し,これを直接次の工程で用いた。乾燥DEEおよび1.5当量のLAHの冷却した懸濁液(5℃)に,乾燥した不活性雰囲気下で,乾燥DEEに溶解した前工程からの粗生成物を滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,氷水で冷却し,ガスの発生が認められなくなるまで水を滴加した。形成した沈殿物を濾別し,濾液をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,粗アミンを取得し,これをCC方法Eにより精製した。前工程からの精製したアミンをEt2Oに溶解し,1当量の3−ブテン−2−オンを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を2.5MHCl溶液に滴加した。相を分離し,水性相を取り出し,4時間還流した。角氷を加えた後,混合物を固体炭酸ナトリウムで中和し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し,溶媒を真空下で蒸発乾固させて,151および152を得た。生成物151および152をCC方法Fにより精製した。
HPLC/MS方法B:151:RTT=10.7[ms:292.2,294.2(42%)(M+H+);310.2(9%,M+H3O+)];152:RTT=11.1[ms:292.2,294.2(37%)(M+H+);310.2(4%,M+H3O+)]
【0081】
実施例37:Frank D.King,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,447−453(1986)の方法にしたがう生成物153および154の製造
無水塩化水素ガスを,冷却しながら触媒量のジシンナマルアセトンを含む3−ブテン−2−オンに通した。反応混合物が赤色に変化した後,形成された4−クロロ−2−ブタノンを蒸留により精製した(bp:62℃,92mbar)。4−クロロ−2−ブタノンをCH2Cl2に溶解し,1当量の2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール,1当量のオルトギ酸トリエチルおよび触媒量のp−トルエンスルホン酸を加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し,飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相を無水炭酸カリウムで乾燥し,濾過し,真空下で濃縮した。形成された2−(2−クロロエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを蒸留により精製した(bp:86−90℃,22mbar)。
【0082】
p−フルオロベンジルシアニドを,70℃で乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DMFおよび1.03当量のNaHの懸濁液に加えた。80℃で1時間撹拌した後,1.1当量の2−(2−クロロエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを滴加した。80℃で1.5時間撹拌した後,反応混合物を70℃に冷却し,1.03当量の水素化ナトリウムを加え,混合物を70℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し,5当量のMeIを滴加した。反応混合物を35℃で2時間撹拌した後,反応混合物を1Lの氷水に注加した。生成物をEt2Oで抽出し,有機相をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,粗生成物を取得し,これを直接次の工程で用いた。乾燥DEEおよび1.5当量のLAHの冷却した懸濁液(5℃)に,乾燥した不活性雰囲気下で,乾燥DEEに溶解した前工程からの粗生成物を滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,氷水で冷却し,ガスの形成が認められなくなるまで水を滴加した。形成した沈殿物を濾別し,濾液をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,粗アミンを取得し,これをCC方法Eにより精製した。前工程からの精製したアミンをEt2Oに溶解し,0.5当量の3−ブテン−2−オンを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を2.5MHCl溶液に滴加した。相を分離し,水性相を取り出し,2.5時間還流した。角氷を加えた後,混合物を固体炭酸ナトリウムで中和し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し,溶媒を真空下で除去して乾固して,153および154を得た。生成物153および154をCC方法Fにより精製した。
HPLC/MS方法B:153:RTT=9.2[ms:276.2(M+H+)];154:RTT=9.5[ms:276.2(M+H+)]
【0083】
実施例38:生成物163および164の製造
生成物157または158をそれぞれメタノールに溶解し,2当量のN−メチルピペラジンおよび2当量の酢酸を加えた。1時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ163または164を得た。生成物164をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:164:RTT=2.6[ms:200.8(63%M+2H+),221.3(37%,M+ACN+2H+),400.3(M+H+)]
【0084】
実施例39:生成物165,166,193および194の製造
生成物157,158,191または192をそれぞれDMF/AcOH=9:1に溶解し,10当量の3−アミノ−1,2,4−トリアゾールを加え,反応混合物を95℃で2時間加熱した。室温に冷却した後,10当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を50℃で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ165,166,193または194を得た。生成物166および194をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:166:RTT=7.3[ms:192.8(10%,M+2H+),213.3(36%,M+ACN+2H+),366.2(9%,M+H+−H2O),384.2(M+H+)];194:RTT=7.9[ms:201.7(63%,M+2H+),222.3(83%,M+ACN+2H+),384.3(3%,M+H+−H2O),402.3(M+H+)]
【0085】
実施例40:生成物167および168の製造
生成物157または158をそれぞれDMF/AcOH=9:1に溶解し,10当量の5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−トリアゾール−3−アミンを加え,反応混合物を95℃で2時間加熱した。室温に冷却した後,10当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を50℃で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ167または168を得た。生成物168をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:168:RTT=11.7[ms:452.3(M+H+)]
【0086】
実施例41:生成物169および170の製造
モルホリンをCH2Cl2に溶解し,氷水で冷却しながら無水酢酸を滴加した。室温で一晩撹拌した後,反応混合物を蒸留水で1回,15%HCl溶液で1回,最後に飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,4−アセチルモルホリンを取得し,これはさらなる変換用に十分な純度であった。
【0087】
1.6当量の4−アセチルモルホリンを乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥THFに溶解し,−78℃に冷却した。1.9当量のLDA溶液を加え,−78℃で20分間維持した。生成物149または150をそれぞれ乾燥THFに溶解し,−78℃で反応混合物に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後,反応混合物を水性NH4Cl溶液で加水分解し,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ169または170を得た。生成物170をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:170:RTT=10.5[ms:387.2(M+H+)]
【0088】
実施例42:生成物171および172の製造
生成物169または170をそれぞれ乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)で乾燥THFに溶解し,−78℃に冷却した。2当量のLAHを−78℃で加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。5当量の酒石酸カリウムナトリウム四水和物を加え,沈殿物を濾別し,濾液を真空下で蒸発乾固させて,それぞれ171または172を得た。生成物172をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:172:RTT=4.7[ms:187.2(96%,M+2H+),207.9(18%,M+CAN+2H+),373.2(M+H+)]
【0089】
実施例43:生成物173および174の製造
ピロリジンをCH2Cl2に溶解し,1当量のTEAを加えた。氷水で冷却しながら1.2当量の塩化アセチルを滴加し,室温で一晩撹拌した後,反応混合物を飽和Na2CO3溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,N−アセチルピロリジンをさらなる変換に十分な純度で得た。
【0090】
10当量のN−アセチルピロリジンを乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥THFに溶解し,−70℃に冷却した。10当量のLDA溶液を加え,−70℃で1時間保持した。生成物149または150をそれぞれ乾燥THFに溶解し,−70℃で反応混合物に加え,これを−70℃で一晩保持した。室温まで暖めた後,反応混合物を水性NH4Cl溶液で加水分解し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ173または174を得た。生成物174をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:174:RTT=11.1[ms:371.3(M+H+)]
【0091】
実施例44:生成物175および176の製造
生成物173または174をそれぞれ乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)で乾燥THFに溶解し,0℃に冷却した。2当量のLAHを0℃で加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。5当量の酒石酸カリウムナトリウム四水和物を加え,沈殿物を濾別し,濾液を真空下で蒸発乾固させて,それぞれ175または176,を得た。
HPLC/MS方法B:176:RTT=5.1[ms:179.3(M+2H+),199.7(16%,M+CAN+2H+),357.3(42%,M+H+)]
【0092】
実施例45:生成物179〜182の製造
生成物149または150をそれぞれ乾燥DMEに溶解し,エタノール(触媒量)および1.3当量のp−トルエンスルホニルメチルイソシアニドを加えた。撹拌し冷却しながら4当量のカリウム−tert−ブトキシドを少しずつ加えた。室温で一晩撹拌した後,反応混合物を水で希釈し,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ179および180または181および182を得た。生成物181および182をCC方法Fにより精製した。
HPLC/MS方法B:181:RTT=9.9[ms:269.2(M+H+)];182:RTT=10.3[ms:269.3(M+H+)]
【0093】
実施例46:生成物195および196の製造
生成物157または158をそれぞれDMF/AcOH=9:1に溶解し,10当量の5−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−アミンを加え,反応混合物を50℃で5時間加熱した。室温に冷却した後,10当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和Na2CO3溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ195または196を得た。生成物196をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:196:RTT=7.5[ms:199.8(M+2H+),220.4(42%,M+ACN+2H+),380.3(3%,M+H+−H2O),398.3(59%,M+H+)]
【0094】
実施例47:Frank D.King,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,447−453(1986)にしたがう197の製造
乾燥DMFおよび2.3当量のNAHの懸濁液に,70℃で乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下でジフェニルアセトニトリルを加えた。70℃で1時間撹拌した後,1.05当量の3−クロロプロピオン−アルデヒドジエチルアセタールを滴加した。70℃で1時間撹拌し,室温に冷却した後,反応混合物を氷水に注加した。生成物をEt2Oで抽出し,有機相をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させた。粗生成物を直接次の工程で用いた。
【0095】
乾燥THF中の0.9当量のLAHの懸濁液に,乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で0.4当量の濃H2SO4を滴加した。0℃で1時間撹拌した後,乾燥THF中の前工程からの粗生成物の溶液を滴加し,反応混合物を室温で5時間撹拌した。0℃に冷却した後,1MNaOH溶液を加え,形成された沈殿物を吸引濾過により除去し,Et2Oを用いて沈殿物を洗浄した。濾液を真空下で蒸発乾固させて,粗アミンを取得し,これをEt2Oに溶解した。1当量の3−ブテン−2−オンを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を2.5MHCl溶液に滴加し,水性相を2時間還流した。角氷を加えた後,混合物をNa2CO3で中和し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し,溶媒を真空下で蒸発乾固させて,197を取得し,これをCC方法Bにより精製した。
MS直接注入:197:[ms:324.2(M+H3O+),306.2(60%,M+H+)]
【0096】
実施例48:生成物199の製造
生成物197をメタノールに溶解し,2当量のピペリジンおよび2当量の酢酸を加えた。1時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,199を取得し,これをCC方法Dにより精製した。
MS直接注入:199:[ms:375.3(M+H+)]
【0097】
実施例49:生成物200および201の製造
生成物3または4をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,5当量のNaHを加え,室温で45分間撹拌した。5当量の臭化イソブチルを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ200または201を得た。生成物201をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:201:立体異性体I:RTT=10.8[ms:302.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=11.9[ms:302.2(M+H+)]
【0098】
実施例50:生成物204〜207の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥エタン−1,2−ジオールに溶解し,濃H2SO4(2%)を加え,反応混合物を室温で3日間撹拌した。反応混合物を水で希釈し,Na2CO3で中和し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ204および206または205および207を得た。生成物205および207をCC方法Cにより精製した。
HPLC/MS方法A:205:RTT=8.1[ms:288.1(M+H+)];207:RTT=5.1[ms:350.1(M+H+),288.1(78%,M−HOCH2CH2OH+H+),372.1(8%,(M+Na+)]
【0099】
実施例51:生成物210〜213の製造
生成物179〜182を乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下でそれぞれ乾燥THFに溶解し,−78℃に冷却した。5当量のDIBAL−H溶液を加え,混合物を−78℃で一晩保持した。反応混合物を1.2MHCl溶液に注加し,室温で15分間撹拌した。反応混合物をNa2CO3でアルカリ性にし,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ210〜213を得た。生成物212をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:212:RTT=9.3[ms:290.3(M+H3O+),272.3(37%,M+H+)]
【0100】
実施例52:生成物214〜217の製造
生成物179〜182をそれぞれ乾燥THFに溶解し,乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で,乾燥THFおよび1.5当量のLAHの冷却懸濁液(5℃)に滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,氷水で冷却し,ガスの形成が認められなくなるまで水を滴加した。形成された沈殿物を濾別し,濾液をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ214〜217を得た。生成物216をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:216:RTT=3.7[ms:157.8(15%M+ACN+2H+),273.3(M+H+)]
【0101】
実施例53:生成物218〜221,236および237の製造
生成物210〜213,234または235をそれぞれメタノールに溶解し,7当量の3−アミノ−1,2,4−トリアゾールおよび7当量の酢酸を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,8当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加えた。室温で4時間撹拌した後,反応混合物を飽和NaHCO3溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ218〜221,236または237を得た。生成物220および237をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:220:RTT=8.0[ms:170.8(23%,M+2H+),191.3(M+ACN+2H+),340.3(77%,M+H+)];237:RTT=9.2[ms:199.8(63%,M+2H+),220.4(M+ACN+2H+),398.4(62%,M+H+)]
【0102】
実施例54:生成物222〜225,276および277の製造
生成物125〜128,234または235をそれぞれメタノールに溶解し,10当量の2−アミノ−チアゾール,5当量の酢酸およびMgSO4を加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した後,1.5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを室温で加えた。室温で7時間撹拌した後,反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性にし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ222〜225,276または277を得た。生成物224をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:224:RTT=9.5[ms:200.9(M+2H+),221.4(70%,M+ACN+2H+),400.3(40%,M+H+)];277:RTT=9.7[ms:207.9(M+2H+),228.4(55%,M+ACN+2H+),414.3(31%,M+H+)]
【0103】
実施例55:生成物226および227の製造
生成物157または158をそれぞれメタノールに溶解し,2当量のシクロペンチルアミンおよび2当量の酢酸を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性にし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ226または227を得た。生成物227をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:227:RTT=8.1[ms:193.4(M+2H+),213.9(99%,M+ACN+2H+),385.4(47%,M+H+)]
【0104】
実施例56:生成物228〜231,274および275の製造
生成物125〜128,234または235をそれぞれメタノールに溶解し,5当量の2−アミノ−ピリミジン,5当量の酢酸およびMgSO4を加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した後,1.5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを室温で加えた。室温で7時間撹拌した後,反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ228〜231,274または275を得た。生成物230をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:230:RTT=11.0[ms:198.3(51%,M+2H+),218.9(M+ACN+2H+),395.3(51%,M+H+)];275:RTT=11.3[ms:205.4(46%,M+2H+),225.9(M+ACN+2H+),409.4(59%,M+H+)]
【0105】
実施例57:生成物232および233の製造
生成物155または156をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,4当量のNaHを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。10当量のMeIを加え,反応混合物を4時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ232または233を得た。生成物233をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:233:RTT=12.6[ms:388.4(M+H+)]
【0106】
実施例58:生成物234および235の製造
生成物232または233をそれぞれ5%水性HCl溶液に溶解し,90℃で4時間撹拌した。室温に冷却した後,反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性にし(pH11),CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ234または235を得た。
HPLC/MS方法B:235:RTT=11.2[ms:330.3(M+H+),348.3(40%,M+H3O+)]
【0107】
実施例59:生成物238および239の製造
乾燥THF中の1.5当量の乾燥エチルアセテートの撹拌溶液に,1.5当量のLDA溶液を乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で−77℃で滴加した。−77℃で1時間撹拌した後,この反応混合物を−77℃で乾燥THF中のそれぞれ生成物149または150の冷却溶液に加えた。反応混合物を−77℃で1時間撹拌し,飽和NH4Cl溶液でクエンチし,室温まで暖めた。混合物をEt2Oで抽出し,有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ238または239を得た。生成物239をCC方法Gにより精製した。
HPLC/MS方法B:239:RTT=11.4[ms:346.3(M+H+)]
【0108】
実施例60:生成物240および241の製造
乾燥THF中の5当量の乾燥アセトニトリルの撹拌溶液に,5当量のLDA溶液を乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で−77℃で滴加した,−77℃で1時間撹拌した後,この反応混合物を−77℃で乾燥THF中のそれぞれ生成物149または150の冷却溶液に加えた。反応混合物を−77℃で1時間撹拌し,飽和NH4Cl溶液でクエンチした後,RTまで暖めた。反応混合物をEt2Oで抽出し,有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ240または241を得た。生成物241をCC方法Gにより精製した。
HPLC/MS方法B:241:RTT=9.8[ms:299.3(M+H+)]
【0109】
実施例61:生成物244〜247の製造
生成物210〜213をそれぞれメタノールに溶解し,7当量の5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−トリアゾール−3−アミンおよび7当量の酢酸を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,8当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加えた。室温で4時間撹拌した後,反応混合物を飽和NaHCO3溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ244〜247を得た。生成物246をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:246:RTT=12.3[ms:408.3(M+H+)]
【0110】
実施例62:生成物250〜253の製造
生成物125〜128をそれぞれメタノールに溶解し,10当量の2−アミノオキサゾール,5当量の酢酸およびMgSO4を加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した後,1.5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを室温で加えた。室温で7時間撹拌した後,反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ250〜253を得た。
HPLC/MS方法B:252:RTT=9.4[ms:192.9(M+2H+),213.4(89%,M+ACN+2H+),384.3(75%,M+H+)]
【0111】
実施例63:生成物254〜257の製造
生成物125〜128をそれぞれメタノールに溶解し,10当量の2−アミノベンズイミダゾール,5当量の酢酸およびMgSO4を加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した後,1.5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを室温で加えた。室温で7時間撹拌した後,反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ254〜257を得た。
HPLC/MS方法B:256:RTT=10.6[ms:217.2(M+2H+),237.9(35%,M+ACN+2H+),433.4(55%,M+H+)]
【0112】
実施例64:生成物258〜261の製造
生成物125〜128をそれぞれ1,2ジクロロエタンに溶解し,5当量の2,5−ジメチルピロール,5当量の酢酸およびMgSO4を加えた。反応混合物を70℃で一晩撹拌した後,1.5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを室温で加えた。室温で4時間撹拌した後,反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ258〜261を得た。
HPLC/MS方法B:260:RTT=15.4[ms:395.3(M+H+)]
【0113】
実施例65:生成物262〜265の製造
生成物214〜217をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,2当量のTEAを加えた。室温で5分間撹拌した後,1.3当量の塩化1−ピロリジンカルボニルを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ262〜265を得た。生成物264をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:264:RTT=11.3[ms:370.4(M+H+),392.3(5%,M+Na+)]
【0114】
実施例66:生成物266および267の製造
生成物242または243をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,10当量のNaHを加え,室温で1時間撹拌した。5当量のMeIを加え,反応混合物を3時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ266または267を得た。
HPLC/MS方法B:267:RTT=12.2[ms:346.3(M+H+)]
【0115】
実施例67:生成物278および279の製造
生成物242または243をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,2.5当量のNaHを加え,室温で1時間撹拌した。1当量のMeIを加え,反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ278または279を得た。生成物279をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:279:RTT=10.6[ms:332.3(M+H+)]
【0116】
実施例68:生成物280および281の製造
乾燥THF中の3当量のLAHの冷却した(0℃)懸濁液に,乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で,THF中の1.5当量のH2SO4を加え,0℃で1時間撹拌した。それぞれ乾燥THFに溶解した生成物238または239を0℃で加えた。室温で一晩撹拌した後,3当量の酒石酸カリウムナトリウム四水和物を反応混合物に加え,沈殿物を濾別し,濾液を真空下で蒸発乾固させて,それぞれ280または281を得た。HPLC/MS方法B:281:RTT=9.1[ms:304.2(M+H+)]
【0117】
実施例69:生成物282および283の製造
生成物238または239をそれぞれTHFに溶解し,メタノール/水に溶解した水酸化カリウムを加え,反応混合物を室温で2日間撹拌した。有機溶媒を真空下で除去した。水性相を6NHCl溶液で中和し,溶媒を凍結乾燥により除去して,それぞれ282または283を塩酸塩として得た。
HPLC/MS方法B:283:RTT=9.1[ms:318.2(M+H+)]
【0118】
実施例70:生成物284および285の製造
生成物282または283をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DMFに溶解し,5当量のTEA,10当量の3−アミノ−1,2,4−トリアゾールおよび10当量のTBTUを加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,0℃で飽和NaHCO3溶液でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ284または285を得た。
HPLC/MS方法B:285:RTT=10.1[ms:384.2(M+H+)]
【0119】
実施例71:生成物286および287の製造
生成物236または237をそれぞれ乾燥DCMに溶解し,16当量の三臭化ホウ素溶液を−78℃で加えた。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した後,撹拌した15%Na2CO3溶液に滴加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させた。粗生成物をメタノールに溶解し,10%Pd/Cを加え,反応混合物を水素雰囲気下で一晩撹拌した。触媒を濾過した後,有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ286または287を得た。生成物287をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:287:RTT=9.3[ms:184.9(74%,M+2H+),205.4(M+ACN+2H+),368.3(71%,M+H+)]
【0120】
実施例72:生成物288,289,292および293の製造
生成物296,297,294または295をそれぞれメタノールに溶解し,10当量のモルホリンおよび10当量の酢酸を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で1週間撹拌した。反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ288,289,292または293を得た。生成物289をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:289:RTT=異性体I:7.5[ms:186.3(M+2H+),206.8(81%,M+ACN+2H+),371.3(87%,M+H+)];異性体II:8.0[ms:186.3(M+2H+),206.9(88%,M+ACN+2H+),371.3(78%,M+H+)];293:RTT=5.6[ms:194.3(M+2H+),214.8(26%,M+ACN+2H+),387.3(92%,M+H+)]
【0121】
実施例73:生成物290および310または291および311の製造
生成物294または295をそれぞれメタノールに溶解し,10当量の3−アミノ−1,2,4−トリアゾールおよび10当量の酢酸を加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で2週間撹拌した。反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ290および310または291および311を得た。
HPLC/MS方法B:291:RTT=6.4[ms:192.8(25%,M+2H+),213.2(34%,M+ACN+2H+),384.3(M+H+)];311:RTT=9.7[ms:318.2(M+H+)]
【0122】
実施例74:生成物294および296または295および297の製造
生成物240または241をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DEEに溶解し,7当量の臭化メチルマグネシウム溶液を室温で加えた。反応混合物を一晩撹拌した後,1%水性ギ酸溶液を加えて酸性にし,20分間撹拌した。NaHCO3を加えて混合物をアルカリ性とし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させた。粗生成物をメタノールに溶解し,10%Pd/Cを加え,反応混合物を水素雰囲気下で一晩撹拌した。触媒を濾過した後,濾液を真空下で蒸発乾固させて,それぞれ294および296または295および297を得た。生成物295をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:295:RTT=10.2[ms:316.3(M+H+)],297:RTT=11.3[ms:300.3(M+H+)]
【0123】
実施例75:生成物298〜301の製造
生成物238〜241をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DMFに溶解し,30当量のマグネシウム薄片および50当量の塩化トリメチルシリルを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。1%TEAを含む水を加えて反応混合物をクエンチし,Et2Oで抽出した。有機相をブラインおよび水で洗浄した後,MgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ298〜301を得た。生成物299および301をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:299:RTT=15.9[ms:418.3(M+H+)],301:RTT=15.1[ms:371.3(M+H+)]
【0124】
実施例76:生成物304および305の製造
生成物238または239をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DEEに溶解し,4当量の臭化メチルマグネシウム溶液を室温で加えた。反応混合物を3時間撹拌した後,NH4Cl溶液でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ304または305を得た。
HPLC/MS方法B:305:RTT=10.5[ms:332.3(M+H+)]
【0125】
実施例77:生成物306〜309の製造
生成物179〜182をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DEEに溶解し,5当量の臭化メチルマグネシウム溶液を室温で加えた。反応混合物を一晩撹拌した後,0.1MHCl溶液に滴加し,10分間撹拌した。Na2CO3を加えて混合物をアルカリ性とし,Et2O出抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させた。粗生成物を乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DEEに溶解し,5当量の臭化メチルマグネシウム溶液を加え,反応混合物を2.5時間加熱還流した。反応混合物を飽和NH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ306〜309を得た。生成物308をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:308:RTT=10.6[ms:302.3(M+H+)]
【0126】
実施例78:生成物314〜317の製造
生成物179〜182をそれぞれ37%HClに溶解し,一晩還流した。反応混合物を水で希釈し,凍結乾燥して,314〜317を塩酸塩として得た。
HPLC/MS方法B:316:RTT=10.2[ms:288.3(M+H+)]
【0127】
実施例79:生成物318〜321の製造
生成物109〜112をそれぞれトルエンに溶解し,4%濃H2SO4を加え,反応混合物を50℃で2時間撹拌した。反応混合物を水に注加し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ318および319または320および321を得た。生成物320および321をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:318:RTT=11.0[ms:286.2(M+H+)];319:RTT=10.1[ms:286.3(M+H+)];320:RTT=11.6[ms:286.2(M+H+)];321:RTT=11.0[ms:286.2(M+H+)]
【0128】
実施例80:生成物322および323の製造
生成物248または249をそれぞれ10%KOHを含むメタノールに溶解した。反応混合物を2時間撹拌して,それぞれ322または323を得た。
HPLC/MS方法B:323:RTT=9.8[ms:332.3(M+H+)]
【0129】
実施例81:生成物324および325の製造
生成物242または243をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥THFに溶解し,1.5当量のトリフェニルホスフィンおよび1.5当量のDEADを加え,反応混合物を室温で1時間撹拌して,それぞれ324または325を得た。
HPLC/MS方法B:325:RTT=12.3[ms:300.3(M+H+)]
【0130】
実施例82:生成物326および327の製造
生成物165または166をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DMFに溶解し,0℃に冷却した。混合物を撹拌しながら,パラホルムアルデヒド(240当量)の熱分解により生成したホルムアルデヒドガスの穏やかな流れをテフロン(登録商標)チューブを通してバブリングした。反応混合物を一晩撹拌した後,38当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ326または327を得た。
HPLC/MS方法B:327:RTT=9.0[ms:199.8(M+2H+),220.4(75%,M+ACN+2H+),398.3(72%,M+H+)]
【0131】
生物学的方法
下記に示され,表2(図30〜33)に挙げられるすべての動物実験は,オーストラリア法および医薬品動物ケアの安全性試験実施基準の原則にしたがって行った。表2に示されるデータは,例えば,the Medical University of Vienna(Austria)の飼育設備またはCharles River Lab.(USA)から入手できる市販の雄マウスを用いて取得した。週齢7−30の雄マウスを用い,実験前の規定された絶食期間を除き,餌および水は自由に摂取可能とした。マウスは,室温で,12h/12hの明暗サイクルで維持した。マウスは経口グルコース耐性試験の前に8−12時間絶食させた。
【0132】
式IまたはIIの化合物の抗糖尿病効果は,一般医に知られる方法と同様にして,マウスの経口グルコース耐性試験により評価した。各マウスは,表2に示されるようにして,式IまたはIIの化合物の強制経口投与または腹腔内注入により処置した。各試験においては,式IまたはIIの化合物を含まないベヒクルで処置した対照群を平行して試験した。次に,T=0分においてグルコース溶液(1−3g/kgの特定量)を強制経口投与した。式IまたはIIの化合物を投与する直前,グルコースを投与する直前,および場合によりT=30分および/またはT=90分および/またはT=150分において,尾部先端穿刺により血液を採取した。血糖値は,ヒト糖尿病において一般に用いられるポータブル血糖計を用いて測定した。
【0133】
各動物について,T分における,T=0分に測定したレベルを超える増分血糖値を計算した。処置群およびベヒクル群について,増分の平均値を比較した(典型的な群サイズ;n=6−10匹マウス)。ベヒクルに対する,式IまたはIIの生成物により誘導されたパーセント低下を,グルコース低下活性の読み出しパラメータとした。表2に示されるように,1の効果は,所定の時点T分における,ベヒクル群に対する15−30%の増分血糖値の低下を意味し,2の効果は,所定の時点T=分における,ベヒクル群に対する30%を超える増分血糖値の低下を意味する。差異の統計学的有意性は,標準的な方法論,例えば,対応のない両側スチューデントT検定により評価した。p<0.05を統計学的に有意とした。
【0134】
生物学的試験のためには,式IまたはIIの生成物を−2%酢酸を含む0.5%カルボキシメチルセルロースに溶解または懸濁した。ベヒクル群には1−2%酢酸を含む同じ量の0.5%カルボキシメチルセルロース溶液を与えた。
【0135】
マウスは,示されるように,標準的な研究用飼料(kg/kg:<10%粗脂肪)または高脂肪飼料1(HFD1;エネルギー含有量:72%脂肪,<1%炭水化物)で恒久的に維持した。高脂肪食のマウスを用いる実験は,予めHFD1で5−6週間飼育した後に行った。
【0136】
生成物の抗糖尿病効果は,マウスでのグルコース耐性試験により評価し,表2に示される。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は,糖尿病およびその合併症の治療または予防,高脂血症の治療または予防,糖尿病性脂質異常症の治療,メタボリック・シンドロームの治療または予防,代謝機能不全に関連する疾患の治療,肥満または肥満関連疾患の治療のための新規なオクタヒドロキノリジンに関する。本発明はまた,ヒトおよび動物における上述の疾患または症候群の改善された治療または予防を目的として,これらの化合物を単独でまたは他の薬剤または化合物との組み合わせで含む医薬組成物およびキットを含む。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
糖尿病は,高血糖およびグルコース代謝の乱れを特徴とする慢性疾患である。高血糖は,グルコース低下ホルモンであるインスリンの欠乏か,またはインスリンの効果に対する末梢組織の耐性とこれを補償する不適当なレベルのインスリン分泌の結果として生ずる。糖尿病には2つの主要な型,すなわち,1型糖尿病と2型糖尿病とがある。1型糖尿病は,膵臓のインスリン産生β細胞の永続的な破壊をもたらす自己免疫疾患である。通常は,1型糖尿病は,青年期に現れ,インスリンを外部から注射して治療しないかぎり生命の危険がある。2型糖尿病は,発症時に主として末梢インスリン耐性,相対的インスリン欠損,および軽度の高血糖症を特徴とする代謝性疾患である。1型糖尿病に対して,2型糖尿病は診断されるまで長い間気がつかない場合がある。2型糖尿病のリスク因子としては,肥満,年齢,2型糖尿病をもつ一等親血縁者,妊娠糖尿病の病歴,高血圧および高トリグリセリド血症が挙げられる。インスリン耐性および2型糖尿病を推進させる最も一般的な因子はライフスタイルであり,主なリスク因子は肥満である。2型糖尿病をもつ患者の約90%は過剰体重ないし肥満である。脂肪の質量の増加,特に過剰の腹部脂肪はインスリン耐性を引き起こす。インスリン耐性は,膵臓β細胞にインスリンを産生するようより強く要求し,そして,肝臓の疲労のために年齢とともにインスリン産生が減少し,糖尿病の明らかな発症につながる。先進国においては,2型糖尿病はすべての糖尿病の約90%を占める。参考文献:Report of World Health Organisation:Definition and diagnosis of diabetes mellitus and intermediate hyperglycemia.WHO/IDF consultation,WHO,Geneva,2006。
【0003】
世界中で糖尿病は増大しつつある健康上の負担である。これは世界で最も一般的な疾患の1つであり,先進国では主な死因である。現在のところ,糖尿病を有する人の数が最も多いと見積もられている3つの国は,インド,中国および米国である。糖尿病を有する人の数はすでに非常に多いが,この数は驚くべき速度で増加し続けている。糖尿病の世界有病率は,2000年から2030年で倍増すると予測される(2000年には2.8%,2030には最低4.4%)。糖尿病をもつ人の総数は,2000年に1億7100万人から2030年に少なくとも3億6600万人に増加すると推定されており,中東,アフリカおよびインドの発展途上国において最も高い相対的増加が予測されている。おそらくは環境リスク因子の変化のため,1型糖尿病についても顕著な増加があるが,"糖尿病の蔓延"は,主として2型糖尿病の患者数の増加によって促進されている。これは人口の増加,加齢,都市化,および肥満および運動不足の増加に起因する。世界の一部では,脂肪と蛋白質の多い食事等などの急速な文化的および社会的変化に伴って,過剰体重(肥満度指数:Body Mass Index,BMI>25)および肥満(BMI>30)が増加して蔓延している。この蔓延によるヒトのコストおよび経済学的コストは膨大である。体重に関連した糖尿病および糖尿病に伴う心臓血管疾患の有病率の上昇は今世紀の最も重要な公衆衛生上の懸念であると予測されており,これは莫大な経済的負担につながる。現在のところ,糖尿病の年間の直接ヘルスケアコストは少なくとも1530億〜2860億ドルと見積もられている。そのような発展にかんがみて,効果的な介入,例えば食事および行動の変化,ならびに薬学的なアプローチ等が大いに必要とされている。参考文献:Zimmet P,Alberti KG M M,Shaw J:Global and societal implications of the diabetes epidemic.Nature 414,782−787,2001;Wild S,Roglic G,Green A,Sicree R,King H:Global prevalence of diabetes,estimates for the year 2000 and projections for 2030.Diabetes Care 27,1047−1053,2004。
【0004】
確立された治療計画により,糖尿病患者は短期間はほぼ正常な生活を送ることができるが,長期間にわたるこの疾病の存在は,組織,特に神経および血管の重症の傷害につながる。その結果生ずる後期の糖尿病の合併症には,冠動脈および末梢血管の疾患,脳血管疾患,糖尿病性ニューロパシー,糖尿病足,ネフロパシーおよび網膜症がある。これは障害の比率の累積および死亡率の増加を引き起こす。事実上すべての先進社会では,糖尿病は失明,腎不全および下肢切断の主な原因にランクされ,糖尿病ケアに費やされる金額の約半分が合併症の管理のコストになる。糖尿病から合併症につながるメカニズムは完全には理解されていないが,多くの研究から,血糖値の早期の厳密な管理をめざした強力な治療により合併症の発症率および重篤度が低下することが明確に確認されている。初期の強い介入は初期コストを上昇させるが,合併症から生ずる長期のヒトおよび経済コストは低下する。これは,ライフスタイルへの初期の介入のみならず,初期の薬物療法および正常値に近い血糖値の意欲的な目的レベルについても,その論理的根拠を明らかにする。その結果,血中グルコースのコントロールをさらに改善し最適化することに貢献する新規の医薬または医薬の組み合わせはいずれも,後の合併症を予防する有益なツールであり,糖尿病の医学的および経済的負担を低減させる。参考文献:DCCT Research Group:The effect of intensive treatment of diabetes on the development and progression of long−term complications insulin−dependent diabetes mellitus,N Engl J Med 329,977−986,1993;UK Prospective Diabetes Study (UKPDS) Group:Intensive blood−glucose control with sulphonylureas or insulin compared with conventional treatment and risk of complications in patients with type 2 diabetes (UKPDS 33).Lancet 352,837−853,1998.UK Prospective Diabetes Study Group,UKPDS:Effect of intensive blood−glucose control with metformin on complications in overweight patients with type 2 diabetes (UKPDS 34).Lancet 352,854−65,1998。
【0005】
1型および2型糖尿病の両方とも,医学的に証明された治癒法はなく,したがって,治療の主な目標は,合併症の罹患率とそれによる死亡率を低下させることである。これは,グルコースの長期コントロールのための有益な読み出しパラメータとしてHbA1cを用いて高血糖症を有効に治療することにより達成することができる。1型糖尿病においては,外因性インスリンを用いる治療が必須であり,したがって,血中グルコースコントロールの改善は,主としてより洗練されたインスリン注射治療計画により達成される。2型糖尿病は慢性の進行性の疾患であり,その病態生理学は,1型糖尿病の場合よりも患者ごとに著しく異なる。2型糖尿病の予防,診断スクリーニングおよび治療の戦略が様々であることを示唆する。治療およびその結果を最適化するためには,ライフスタイルの管理に加えて,血圧コントロール,心臓血管リスクからの保護および糖尿病性合併症スクリーニングおよび医薬品が必要とされている。このような状況において,2型糖尿病の治療には種々の経口薬剤が利用可能である。これらの薬剤は異なる作用メカニズムで血中グルコースに影響を与える。International Diabetes Foundationの2型糖尿病の世界的ガイドラインにしたがえば,推奨される治療は次のとおりである:インスリン感作剤ビグアニドメトホルミンは2型糖尿病の経口治療の第1選択薬である。この主要な作用は,肝臓におけるグルコース生産を低下させることにより血糖症を低下させることである。メトホルミンでは血中グルコース濃度を十分にコントロールすることができない場合には,スルホニルウレアおよび/またはPPARγアゴニストを加えるべきである。スルホニルウレアはインスリン分泌を促進するが,PPARγアゴニスト(チアゾリジンジオン)はインスリンに対する筋肉,脂肪および肝臓の感受性を高める。さらに選択可能な治療法は,α−グルコシダーゼ阻害剤であるエクセナチド,グリニドまたはプラムリンチドである。α−グルコシダーゼ阻害剤は,小腸における多糖類の消化速度を低下させ,このことにより腸からのグルコース吸収が遅くなり,食後の血漿グルコース濃度が低下する。グリニドはスルホニルウレアと同様にインスリン分泌を促進するが,半減期がより短い。エキセナチド(グルカゴン様ペプチド1アゴニスト)はグルコース媒介性インスリン分泌を強化し,プラムリンチド(アミリンアゴニスト)は胃の空腹化を遅らせ,グルカゴン産生を阻害する。薬剤およびライフスタイルによる介入では,血糖値コントロールを維持することができないため,病気の進行の後期ではインスリン療法が必要である。参考文献:International Diabetes Foundation,Clinical Guidelines Task Force:Global guideline for type 2 diabetes,2005.www.idf.org/webdata/docs/IDF%20GGT2D.pdf;Nathan DM,Buse JB,Davidson MB,Heine RJ,Holman RR,Sherwin R,Zinman B:Management of hyperglycemia in type 2 diabetes:a consensus algorithm for the initiation and adjustment of therapy:a consensus statement from the American Diabetes Association and the European Association for the Study of Diabetes.Diabetes Care 29,1963−1972,2006。
【0006】
病態生理学は患者の間で様々であるが,2型糖尿病は時間とともに血糖症が悪化する進行性の疾患である。4名の患者のうちほぼ3名では,単剤療法では目標血糖値に到達することができないため,大部分の患者では長期間では2以上の療法が必要であり,ほとんどの場合には,異なる作用メカニズムの薬剤の組み合わせによる治療が最も成功する。いずれにしても,多数の薬剤をいくつかの組み合わせても,ほとんどの個々の患者については最適なヘルスケア状態を与える血糖値のレベルを達成しこれを維持することができず,このことは,新たなより優れた薬剤がなお必要とされていることを強調する。血糖値コントロールにおける治療標的に関して。多くのグルコース低下剤は,満足できない性能は別として,有害な効果の懸念のため処方が制限されている。2型糖尿病の第1選択の経口療法として推奨されているメトフォルミンは,比較的よく許容される。メトフォルミンの最も一般的な有害な効果は胃腸の問題であるが,メトフォルミンはまた,非常にまれではあるが非常に危険な有害な効果として乳酸アシドーシスと関連づけられている。胃腸の問題は,2型糖尿病の別の種類の薬剤についてはるかに一般的である。グルコシダーゼ阻害剤であるエキセナチドまたはプラムリンチドを服用している患者の少なくとも3分の1は胃腸の副作用に苦しめられており,これはしばしば治療の中止の原因となる。スルホニルウレアおよびグリニドについては胃腸の影響は問題がないが,これらの薬剤はインスリン分泌を誘導することにより作用し,極端な場合には生命を脅かす可能性のある低血糖症のリスクをもつ。さらに,チアゾリジンジオンは,望ましいインスリン感作の作用メカニズムをもつため,最初は大きな期待を持たれたが,体液貯留を誘発することが明らかになり,最近では,心筋梗塞が増加し,心臓血管疾患により死亡するリスクが増加することが疑われている。したがって,治療目標に到達する効力が満足できるものではないこと,問題のある有害な効果が頻繁に生ずること,および多くの場合にコストが高いことが,2型糖尿病の現在の薬剤治療の選択肢における未解決の問題点である。2型糖尿病の驚くべき流行の観点から,利用可能な薬学的ツールを考慮すると,より優れた治療指数を有する,すなわち改善された効力と有害な効果との関係を有する新たな薬剤が緊急に必要であることが明らかである。参考文献:Nathan DM,Buse JB,Davidson MB,Heine RJ,Holman RR,Sherwin R,Zinman B:Management of hyperglycemia in type 2 diabetes:a consensus algorithm for the initiation and adjustment of therapy:a consensus statement from the American Diabetes Association and the European Association for the Study of Diabetes.Diabetes Care 29,1963−1972,2006;Nissen SE,Wolski K:Effect of rosiglitazone on the risk of myocardial infarction and death from cardiovascular causes.N Engl J Med 356,2457−2471,2007。
【0007】
新規グルコース低下剤の探索においては,初期の前臨床試験および特性決定は,通常は糖尿病状態に似た代謝変位を有する齧歯類系統の研究に基づいて行う。そのような動物においては,食事性血糖症およびグルコース溶液の投与後の血糖値の増加を測定するグルコース耐性試験(GTT)によりグルコースホメオスタシスを負荷する。GTTにおいては,グルコースは静脈内(IVGTT),腹腔内(IPGTT)または経口(OGTT)で投与することができ,後者が最も生理学的なアプローチである。2型糖尿病のモデルとしてしばしば用いられる齧歯類としては,そのような血糖症の増加が遺伝的欠陥によるもの,食事介入によるものまたは毒性の薬剤の投与によるものがある。それぞれの特定のアプローチは利点および制限を有する。一般に用いられる遺伝的モデルは,過食および重度の肥満を引き起こす遺伝子欠陥を有するラットおよびマウス(例えば,ZDFラット,db/dbマウス)である。これらの動物においては,非常に重症のインスリン耐性が高血糖症の発症の推進力であり,したがって,これらはインスリン感作により作用するいくつかの薬剤に対して非常に応答性である。これは2型糖尿病をもつ非常に肥満した患者の状況をよく模倣するが,インスリン耐性が優位であるため,インスリン感作とは異なるメカニズムにより作用する薬剤のグルコース低下作用をそのようなモデルで示すことは困難である。広く用いられている他のモデルは,適切に投与されれば相対的インスリン欠乏を引き起こす,インスリン産生細胞を破壊する薬剤(ストレプトゾトシン,アロキサン)を注射した齧歯類である。しかし,このモデルは2型糖尿病の重要な特徴である原発性インスリン耐性の要素がない。食餌モデル,特に脂肪含量の非常に高い餌(高脂肪食,HFD)を与えた動物は,一般に過剰体重患者に多く見られる2型糖尿病の病因をよりよくシミュレートする。代謝異常の程度は限定されているため,これらのモデルは2型糖尿病の進行の初期段階でのみ類似している。HFDにより誘発されるグルコースホメオスタシスの異常の程度に相違がある株があり,例えばC57/BLマウスは他の株よりHFD誘発性代謝異常により敏感である。異常の程度および特性はまた,食事組成により調節することができる。通常,HFDは,約60%(カロリーの)の脂肪含有量を有し,脂肪を多く取りすぎるヒトに匹敵する割合で炭水化物および蛋白質を含む。別のHFDはほぼ完全に炭水化物を含まないものであり,より短期間でより重症の代謝結果につながるという利点を有するが,肥満患者の状況の模倣はあまり適切ではない。参考文献:Surwit RS,Kuhn CM,Cochrane C,McCubbin JA,Feinglos MN:Diet−induced type II diabetes in C57BL/6J mice.Diabetes 37,1163−1167,1988;Winzell MS,Ahren B:The high−fat diet−fed mouse:a model for studying mechanisms and treatment of impaired glucose tolerance and type 2 diabetes.Diabetes 53 (Suppl 3),S215−219,2004 Burcelin R,Crivelli V,Dacosta A,Roy−Tirelli A,Thorens B:Heterogeneous metabolic adaptation of C57BL/6J mice to high−fat diet.Am J Physiol 282,E834−E842,2002。
【0008】
まとめると,従来技術の抗糖尿病治療の上述の欠点を克服するために用いることができる化合物,化合物の組み合わせおよび治療法がなお求められている。本発明は,これらの,ならびに他の重要な目標に関する。
【0009】
驚くべきことに,本発明の範囲内において,新規置換オクタヒドロキノリジンを上述した治療分野において薬剤として治療に用いることは,その特徴的な化学的性質,特にその置換パターンによって異なりうる。すなわち,骨格フレームワークにおいては化学的に類似するが,構造において特定の変化を有することにより,種々のオクタヒドロキノリジン誘導体の薬学的有用性に劇的な変化がもたらされる。これには,限定されないが,立体化学に関する構造変化,骨格上の置換基の配置およびその空間的特性,置換基の酸性/塩基性の特性,特定の位置における芳香族または非芳香族基の組み込み,オクタヒドロキノリジン骨格に結合している種々の置換基の位置およびコンフォメーション上の柔軟性が挙げられる。
【0010】
先に公開されているオクタヒドロキノリジン[WO2007/050802 A (Adolor Corp [US],Dolle Roland E [US],Le Bourdonnec Bertrand [US],3 May 2007);Kubo H.et al.,Biol.Pharm.Bull.23(9),1114−1117 (2000)]と比較して,本発明の新規化合物は,動物モデルにおいて証明されるように,糖尿病および上述の疾患の治療に向けられた実質的に優れた生物学的活性を示す。有益性としては,例えば,優れた用量活性相関,および/または薬理学的プロファイル,またはネズミ糖尿病モデルにおいて急性毒性が全くないかまたは有意に低下すること,および/または,齧歯類または非齧歯類動物モデルにおける望ましくない有害な効果プロファイルが全くないかまたは有意に低下することが挙げられる。動物モデルにおいて有害な効果を示す化合物は,通常は臨床開発から除外され,ヒトにおいて糖尿病および関連する疾患の治療に用いるのに適していない。
【0011】
本発明において開示される化合物は,糖尿病および関連する疾患の新規な治療または予防を可能とする。特に,糖尿病治療においてこれまでに例のないその特定の作用モードのため,本発明の化合物は,従来技術の抗糖尿病治療の治療上の有益性を著しく妨げる副作用のない治療上の優位性を有する。これには,限定されないが,下記が含まれる:これまでに知られている副作用,例えば,グルコシダーゼ阻害剤またはエクセナチド等のグルカゴン様ペプチド1(GLP−1)模倣体を治療に用いる経過中に観察される腸の副作用;インスリンおよび/またはスルホニルウレア等のインスリン分泌剤の使用に関して報告されている生命を脅かす低血糖症;ビグニアドで治療している患者に生ずるかもしれない危険な乳酸アシドーシス;ジペプチジルペプチダーゼIVの阻害により作用する慣用の薬剤,例えばグリプチンによる望ましくない胃腸または免疫調節副作用。
【0012】
したがって,本発明に開示される化合物は,上述の治療用途において,予測されなかった実質的な進歩を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の概要
本発明は,一般に,置換オクタヒドロキノリジン誘導体,これらの化合物を含む医薬組成物,およびこれらを医薬に用いる方法に関する。
【0014】
1つの態様においては,本発明は,式I:
【化1】
式中,
R1=C1−C6アルキル,フェニル,置換フェニル
R2=H,C1−C6アルキル,アルキル−シクロアルキル
R3=(R31)k ここで,k=0,1,2,3,R31=H,F,Cl,Br,CF3,C1−C6アルキル;または
R3=(R32)k ここで,k=4,5,R32=H,F
X=カルボニル,R9,CR4CN,CHR5,CH(COH(CH3)2),CR4(OR6),CR6(OR4),CR6ベンジルオキシ,CR6(2−メトキシエトキシ),CR6[(2−メトキシエトキシ)メトキシ],CR6[(2−メトキシエトキシ)エトキシ],CR4(CO)OR4,CR4(CO)N(R4)2,CR4(CO)R5,CR4(CO)R4,CR4(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(OR4)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(Oトリメチルシリル)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ
ここで,k=1,2,3,4;m=0,1;n=0,1,2,3
Y=CR4R6,1,1−シクロペンチル,1,1−シクロヘキシル,
Z=R5,R6,R7,R8,CN,(CO)OR6,(CO)R4,OR6,OR7,O(CO)R5,(CO)R5,(CO)R8,O(CH2)2or3R5,O(CH2)2or3R6,O(CH2)2or3R7,O(CH2)2or3R8,O(CH2)2or3OR6,O(CH2)2or3OR7,NR4(CO)OR6,NR4(CO)R5,NR4(CH2)2or3R,NR4(CH2)2or3R6,NR4(CH2)2or3R7,NR4(CH2)2or3R8,NR4(CH2)2or3OR6,NR4(CH2)2or3OR7
ここで,
R4=H,C1−C6アルキル
R5=
【化2】
R6=H,C1−C6アルキル,イソプロピル,イソブチル,secブチル,t−ブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,シクロペンチルメチレン,シクロヘキシルメチレン
R7=フェニル,モノフルオロフェニル,ジフルオロフェニル,トリフルオロフェニル,トリフルオロメチルフェニル,クロロフェニル,ジクロロフェニル,モノフルオロ−モノクロロフェニル,ジフルオロ−モノクロロフェニル,モノフルオロ−モノメチルフェニル,メチルフェニル,ジメチルフェニル
R8=
【化3】
R81=互いに独立して,(F,Cl,CF3,C1−C6アルキル)0,1マタハ2
R9=
【化4】
の化合物に関する。
【0015】
別の態様においては,本発明は,式II:
【化5】
式中,
R1=メチル,フェニル
R2=H,メチル
R3=H,F,Cl,CF3,ジフルオロ,トリフルオロ,ジクロロ,モノフルオロ−モノクロロ,メチル,ジメチル,モノフルオロ−モノメチル
X=カルボニル,R9,CR4CN,CHR5,CH(COH(CH3)2),CR4(OR6),CR6(OR4),CR6ベンジルオキシ,CR6(2−メトキシエトキシ),CR6[(2−メトキシエトキシ)メトキシ],CR6[(2−メトキシエトキシ)エトキシ],CR4(CO)OR4,CR4(CO)N(R4)2,CR4(CO)R5,CR4(CO)R4,CR4(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(OR4)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(Oトリメチルシリル)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ
ここで,k=1,2,3;m=0,1;n=0,1,2,
Y=CR4R6,1,1−シクロペンチル,1,1−シクロヘキシル,
Z=R5,R6,R7,R8,CN,(CO)OR6,(CO)R4,OR6,(CO)R5,(CO)R8,NR4(CO)R5
ここで,
R4=H,C1−C6アルキル
R5=
【化6】
R6=H,C1−C6アルキル,イソプロピル,イソブチル,secブチル,t−ブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,
R7=フェニル,モノフルオロフェニル,ジフルオロフェニル,トリフルオロフェニル,トリフルオロメチルフェニル,クロロフェニル,ジクロロフェニル,モノフルオロ−モノクロロフェニル,ジフルオロ−モノクロロフェニル,モノフルオロ−モノメチルフェニル,メチルフェニル,ジメチルフェニル
R8=
【化7】
R9=
【化8】
の化合物に関する。
【0016】
さらに別の態様においては,本発明は,表I(図1から29)に列挙される式IおよびIIの化合物に関する。
【0017】
さらに別の態様は,より好ましい態様を含む。より好ましい態様は,表1(図1から29)にアスタリスク(*)を付して記載され,次の生成物番号(PN)を有する化合物である:29,79,83,111,131,135,139,143,147,156,158,160,162,166,168,190,194,224,230,249,287,320。
【0018】
本発明のさらに別の観点は,式IまたはIIの化合物を薬剤物質として含む医薬組成物である。
【0019】
本発明のさらに別の観点は,糖尿病の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用である。
【0020】
本発明のさらに別の観点は,高脂血症の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用である。
【0021】
本発明のさらに別の観点は,糖尿病性脂質異常症の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用である。
【0022】
本発明のさらに別の観点は,メタボリック・シンドロームの治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用である。
【0023】
本発明のさらに別の観点は,肥満の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用である。
【0024】
本発明のさらに別の観点は,代謝機能不全に関連する疾病の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図2】図2は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図3】図3は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図4】図4は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図5】図5は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図6】図6は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図7】図7は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図8】図8は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図9】図9は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図10】図10は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図11】図11は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図12】図12は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図13】図13は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図14】図14は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図15】図15は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図16】図16は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図17】図17は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図18】図18は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図19】図19は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図20】図20は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図21】図21は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図22】図22は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図23】図23は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図24】図24は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図25】図25は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図26】図26は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図27】図27は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図28】図28は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図29】図29は、本発明の好ましい化合物の例を示す。
【図30】図30は、本発明の化合物の抗糖尿病効果を示す。
【図31】図31は、本発明の化合物の抗糖尿病効果を示す。
【図32】図32は、本発明の化合物の抗糖尿病効果を示す。
【図33】図33は、本発明の化合物の抗糖尿病効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
式IおよびIIの化合物の説明
本発明は一般に,置換されたオクタヒドロキノリジン化合物,これらの化合物を含む医薬組成物,およびこれらを医薬として使用する方法に関する。
【0027】
本明細書において用いる場合,"立体異性体"との用語は,同一の化学組成を有するが,原子または基の立体の配置が異なる化合物を意味する。本明細書において用いる場合,"部分立体異性体“との用語は,2またはそれ以上のキラル中心を有し,キラル中心の少なくとも1つは規定された立体化学を有する立体異性体を意味する。特に記載しないかぎり,立体異性体の混合物は,立体異性体および/または部分立体異性体を異なる相対的量で含むことができ,これはラセミ体であってもよく,それ自体光学的に富化されていてもよい。
【0028】
薬学的に許容しうる塩としては,限定されないが,例えば,非毒性の無機または有機酸から形成される親化合物の慣用の塩または4級アンモニウム塩が挙げられ,これは,例えば,慣用の無機酸(例えば,塩酸,臭化水素酸,リン酸,硝酸,スルファミン酸,硫酸)から,または有機酸(例えば,アスコルビン酸,酒石酸,クエン酸,マレイン酸,ヒドロキシマレイン酸,フマル酸,シュウ酸,酢酸,プロピオン酸,コハク酸,トルエンスルホン酸,メタンスルホン酸,エタンジスルホン酸,ステアリン酸,パルミチン酸,グリコール酸,乳酸,リンゴ酸,フェニル酢酸,スルファニル酸,グルタミン酸,安息香酸,サリチル酸,2−アセトキシ安息香酸,イソチオール酸(isothioilic))から,当該技術分野において知られる方法により製造することができる。
【0029】
"有効量“との用語は,本明細書に記載される物質の,特定の疾病,疾患,または副作用の症状,例えば,限定されないが,糖尿病にともなう病的状態を予防または治療するのに治療上有効でありうる量を意味する。
【0030】
本明細書において用いる場合,"薬学的に許容しうる"との用語は,適切な医学的判断の範囲内で,動物およびヒトの組織と接触させるのに適しており,過剰な刺激,毒性,アレルギー反応,または他の合併症または合理的なリスク便益比と釣り合う問題点のない化合物,組成物,物質,および/または製剤を表す。この用語は特に獣医学的な使用も包含する。
【0031】
本明細書において用いる場合,"単位投与量"との用語は,特定の個体の治療のための単一の用量として適合された,物理学的に分離された単位を意味する。各単位は,所望の治療効果を生ずるよう計算された,予め決定された量の本発明の活性物質を適切な薬学的担体とともに含むことができる。本発明の単位投与量形は,達成すべき特定の治療効果(単数または複数),活性化合物(単数または複数)の独特の特性,およびそのような活性化合物(単数または複数)を配合する技術分野に固有の制限により決定することができる。
【0032】
本明細書において用いる場合,"治療"または"治療する"との用語には,限定されないが,阻止的(例えば予防的),治癒的または苦痛緩和治療が含まれる。本明細書において用いる場合,"患者"との用語は,動物,例えば哺乳動物,好ましくはヒトを意味する。
【0033】
本発明の化合物は,純粋な化学物質として投与してもよいが,活性成分を,有効量の1またはそれ以上の本発明の化合物,好ましくは1またはそれ以上の本明細書に記載される式IまたはIIの化合物を,1またはそれ以上の薬学的に許容しうる,すなわち,組成物の他の成分と適合性であり,その受容者に対して有害ではない担体とともに含む医薬組成物として提供することが好ましい。
【0034】
本発明の化合物は,医学の分野でよく確立されている標準的な手法のいずれかにより,有効量で投与することができる。本発明の方法において用いられる化合物は,活性成分(単数または複数)を患者の身体の作用関連部位(単数または複数)に接触させる結果をもたらす任意の手段で投与することができる。化合物は,医薬品と併用して用いるのに利用可能な任意の標準的な手段により,個々の治療剤として,または治療および/または予防剤との組み合わせとして,投与することができる。例えば,これらは医薬組成物中の唯一の活性成分として投与してもよく,あるいは,他の治療上活性な成分との組み合わせで用いてもよく,またはある量の薬学的に許容しうる担体とともに用いてもよく,これは溶解性,化学的性質,投与経路または標的とする療法による有効な治療に有益な他の手段により決定することができる。
【0035】
予防または治療に最も適した本発明の化合物の投与量は,用いられる特定の化合物,投与の形態,および治療中の特定の患者の生理学的特徴により様々であろう。一般に,最初はより少ない投与量を用い,必要であれば,それぞれの状況において所望の効果が得られるまで少しずつ増量することができる。一般に,経口投与は非経口投与より多い投与量を必要とするであろう。本発明の物質の適切な投与量は本明細書の開示を参照すれば,一般的ガイダンスにより当業者が容易に確かめることができるが,例えば,典型的には,本発明の化合物,すなわち,本明細書に記載される式IまたはIIの化合物の1日投与量は,約0.001から約500mg/kg患者体重の範囲(および範囲およびその中の特定の投与量のすべての組み合わせおよび準組み合わせ)であることができる.好ましくは,1日投与量は,約0.01から約250mg/kg患者体重の本発明の化合物,好ましくは式IまたはIIの化合物でありうる。
【0036】
製造方法
特に記載しないかぎり,以下の材料および溶媒を用いた:HPLC:アセトニトリル(ACN)LC−MS等級(Fisher ScientificまたはFluka);水,LC−MS等級(Fisher ScientificまたはFluka);ギ酸,puriss.p.a.等級(LC−MS用溶出液添加剤,Fluka);化学反応用乾燥溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),puriss.,absolute等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.01%,≧99.8%(GC)(Fluka);ジエチルエーテル(DEE),puriss.等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.005%,≧99.8%(GC)(Fluka);テトラヒドロフラン(THF),puriss.,absolute等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.005%,≧99.5%(GC)(Fluka);1,2−ジメトキシエタン(DME),puriss.等級,モレキュラーシーブ乾燥(Fluka);ジクロロメタン(DCM),puriss.等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.005%(Fluka);メタノール(MeOH),puriss.等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.01%(Fluka);アセトニトリル,puriss.等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.01%(Fluka);エチルアセテート,puriss.等級,モレキュラーシーブ乾燥,H2O≦0.005%(Fluka)。
【0037】
特に記載しないかぎり,抽出および/またはカラムクロマトグラフィー用には以下の材料および溶媒を用いた:石油エーテル(PE):bp:40−60°C,Bakerreinst等級(Baker);エチルアセテート(EtOAc),メタノール(MeOH),ジエチルエーテル(Et2O):GPR Rectapur等級(VWR Prolabo);シクロヘキサン(CyclH):Normapur(VWR Prolabo);ジクロロメタン(CH2Cl2):合成用(Merck Darmstadt)またはGPR Rectapur等級(VWR Prolabo);トルエン(Tol):Baker analyzed等級(Baker)またはNormapur等級(VWR Prolabo);エタノール(EtOH):無水,99.9%(Australco)
特に記載しないかぎり,化学反応用には以下の材料および溶媒を用いた:3−クロロピロピオンアルデヒドジエチルアセタール,tech.等級,≧90%(GC)(Fluka);1−メチルベンジルシアニド,96%(Aldrich);水素化ナトリウム(NaH),ミネラルオイル中60%分散物(Aldrich);水素化リチウムアルミニウム(LAH),試薬等級,95%,粉体(Aldrich);硫酸(H2SO4),95−97%,Baker analyzed等級(Baker;水道水で使用濃度に希釈);水酸化ナトリウム(NaOH),Baker analyzed等級(Baker);3−ブテン−2−オン(メチルビニルケトン),99%(Aldrich);塩酸(HCl),37−38%,Baker analyzed等級(Baker;水道水で使用濃度に希釈);無水炭酸カリウム,purump.a.等級,≧99,0%(Fluka);炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)(Fluka);酒石酸カリウムナトリウム四水和物,purump.a.等級,≧99.8%(Fluka);メチルリチウム(MeLi)溶液,purum等級,約1M,クメン/THF中(Aldrich);ヨードメタン(MeI),purum等級,≧99.0%(GC)(Fluka),塩化ベンジル(BnCl),puriss.等級,≧99.5%(GC)(Fluka);硫酸ナトリウム(Na2SO4),p.a.,ACS,ISO等級,無水(Roth);無水硫酸マグネシウム(MgSO4),puriss.p.a.等級,乾燥剤,≧98%(KT)(Fluka);塩化アンモニウム(NH4Cl),purump.a.等級,≧99%(Fluka);炭酸ナトリウム(NaCO3),purum等級,≧98.0%(T)(Fluka);ニンヒドリン,97%(Aldrich);塩化2−メチル−2−フェニルプロピルマグネシウム溶液,ジエチルエーテル中0.5M(Aldrich);塩化イソブチルマグネシウム溶液,ジエチルエーテル中2.0M(Aldrich);臭化(1,3−ジオキサン−2−イルエチル)マグネシウム溶液,テトラヒドロフラン中0.5M(Aldrich);塩化2−メトキシエトキシメチル(MEMCl),technical等級(Aldrich);トリエチルアミン(TEA),puriss.p.a.等級,≧99.5%(GC)(Aldrich);ジフェニルアセトニトリル,98%(Aldrich);ピペリジン,puriss.,p.a.等級,≧99%(GC/T)(Fluka);シアノ水素化ホウ素ナトリウム,purum等級,≧95%(RT)(Fluka);水酸化アンモニウム溶液,purum等級,約28%,水中(Fluka);エチレングリコール,無水,99,8%(Aldrich);1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン,95%(Aldrich);p−トルエンスルホニル−メチルイソシアニド,purum等級,≧98%(HPLC)(Fluka);(2−ブロモエチル)メチルエーテル,95%(Aldrich);4−フルオロフェニルアセトニトリル,99%(Aldrich);3−アミノ−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール(フルオロケム);4−クロロアセトフェノン,97%(Aldrich);3−アミノ−1,2,4−トリアゾール,purum等級,≧95%(NT)(Fluka);水素化ホウ素ナトリウム,purump.a.等級,≧96%(ガス容積)(Fluka);tert−ブチルリチウム,1,7M溶液,ペンタン中(Aldrich);リチウムジイソプロピルアミド,1,8M溶液,THF/ヘプタン/エチルベンゼン中(Aldrich);3−アミノ−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾール,(Ukr Org Synthesis Ltd.);2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール,purum等級,≧98%(GC)(Fluka);オルトギ酸トリエチルpurum等級,≧98%(GC)(Fluka);p−トルエンスルホン酸一水和物(Aldrich);カリウムtert−ブトキシド,試薬等級,95%(Aldrich);氷酢酸,99−100%,Baker analyzed等級(Baker);ピリジニウムクロロクロメート(PCC),98%(Aldrich);塩化フェネチルマグネシウム,1.0M溶液,THF中(Aldrich);塩化シクロヘキシルマグネシウム,2.0M溶液,ジエチルエーテル中(Aldrich);2−ブロモプロパン,purum等級,≧99%(GC)(Fluka);塩化アセチル,puriss.p.a.等級,≧99%(T)(Fluka);無水酢酸,puriss.p.a.等級,≧99%(NT)(Fluka);モルホリン,puriss.p.a.等級,≧99%(GC)(Fluka);塩化ベンジルマグネシウム,2.0M溶液,THF中(Aldrich);1−メチルピペラジンpurum等級,≧99%(GC)(Fluka);5−アミノテトラゾール,97%(Aldrich);塩化ナトリウム(NaCl),purump.a.等級,≧99,5%(AT)(Fluka);ジシンナマルアセトン,98%(Aldrich);ジエチルアミン,≧99,5%(Aldrich);2−アミノピリジン,purum等級,≧98%(NT)(Fluka);塩化1−ピロリジンカルボニル,97%(Aldrich);ピロリジン,purum等級,≧98%(GC)(Fluka);1−ブロモ−2−シクロヘキシルエタン,98%(Aldrich);臭化シクロペンチル,99%(GC)(Aldrich);塩化ジメチルカルバミル,98%(GC,T)(Fluka);アセトン,Baker analyzed等級(Baker);N−メチルアニリン,purum等級,>98%(GC)(Fluka);シクロヘキサンメチルアミン,98%(Aldrich);水素,5.0(Messer Schweiz AG);臭化メチルマグネシウム,3.0M溶液,ジエチルエーテル中(Aldrich);水素化ジイソブチルアルミニウム,1.0M溶液,ジクロロメタン中(Aldrich);クロロトリメチルシラン,puriss.等級,≧99%(Fluka);マグネシウム,グリニヤール反応等級(Fluka);臭化シクロペンチル99%(Aldrich);2−アミノピリミジン97%(Aldrich);2−アミノベンズイミダゾール,technical等級,≧97%(Fluka);シクロペンチルアミン99%(Aldrich);2−アミノチアゾール97%(Aldrich);1,3−オキサゾール−2−アミン(bionet Key Organics LTd.);2,5−ジメチルピロール98%(Aldrich);活性炭素担持パラジウム(Pd/C),puriss.等級,10%(Pd)(Fluka);三臭化ホウ素溶液,purum等級,約1M,ジクロロメタン中(Fluka);O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)97%(Aldrich);水酸化カリウム(KOH),purump.a.等級,≧85%,ペレット(Fluka);パラホルムアルデヒド,purum等級,≧95%(Fluka);トリフェニルホスフィン,purum等級,≧95%(Sigma−Aldrich);ジエチルアゾジカルボキシレート溶液(DEAD),purum等級,約40%,トルエン中(Aldrich)。
【0038】
特に記載しないかぎり,反応混合物は,シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(CC)(シリカゲル60,0.06−0.2mm,RothまたはMerck;Davisil LC60A60−200μ,Grace Davison)により一般的方法にしたがって精製した。CC方法Aにおいては,CH2Cl2/MeOHの勾配を用いる。CC方法Bにおいては,PE/EtOAcの勾配を用いる。CC方法Cにおいては,PE/1%TEAを含むEtOAcの勾配を用いる。CC方法Dにおいては,CyclH/1%TEAを含むEtOAcの勾配を用いる,CC方法Eにおいては,CH2Cl2/0.1%NH4OHを含むMeOH(28%水性溶液)の勾配を用いる。CC方法Fにおいては,CyclH/EtOAcの勾配を用いる。CC方法Gにおいては,Tol/1%TEAを含むEtOAcの勾配を用いる。溶出物は,薄層クロマトグラフィー(TLC)により調べ,単一スポットの生成物または明確な立体異性体の混合物として統合し,減圧下で蒸発乾固(浴温度20−40℃);TLCプレート:TLCシリカゲル60F254ガラスプレート,20x20cm Multiformat,5x10cmのスコア付き(Merck),またはGrace ResolvシリカTLCプレート,有機結合物質をもつ硬質層,254nm蛍光指示薬,20x20cmスコア付きプレート(Grace Davison);UVおよび/またはニンヒドリン溶液染色により検出(0.2g,100mlエタノール中,加熱)。
【0039】
特に記載しないかぎり,反応生成物はHPLC/MSまたはMS直接注入により同定および/または特性決定した。HPLC/MS:装置:SCL−10AVP,コントローラ;DGU−20A5,脱気装置,FCV−10ALVP,低圧勾配混合ユニット,LC−10ADVPポンプ,SIL10AP,500μlシリンジおよび400μl注入ループ付きオートサンプラー,SPD−M10AVP,PDA検出器,LCMS2010AMS検出器(Shimadzu);Smart Mix,勾配ミキサー,350μl混合チャンバ(Knauer);N2LCMS1,窒素発生器(Claind);E2M28,2段階回転真空ポンプ(Edwards);ソフトウエア:Lab Solutions−LCM Solution Ver.3.41(Shimadzu);サンプル調製:サンプルを秤量し,アセトニトリルに溶解し,アセトニトリル/水(0.1%ギ酸を含む)=9:1中0.5−0.05mg/mlの濃度で最終容量1mlに希釈した。注入容量は,0.5μgのサンプルを注入するよう調節した(1−10μl)。溶媒:溶媒A:0.1%ギ酸を含む水,溶媒B:0.1%ギ酸を含むアセトニトリル。MS直接注入:装置:LCMS2010AMS検出器(Shimadzu);N2LCMS1,窒素発生機(Claind);E2M28,二段回転真空ポンプ(Edwards);ソフトウエア:Lab Solutions−LCM Solution Ver.3.41(Shimadzu);サンプル調製:サンプルを秤量し,0.1%ギ酸を含むアセトニトリル/水に溶解し,1ppmの濃度に希釈した。サンプルは連続的にMSに注入した(直接注入モード)。
【0040】
反応生成物および立体異性体は,HPLC/MSにより注入後の相対的保持時間(分)(RTT)を用いて,または下記の実施例に記載の方法を適用したMS直接注入により特性決定した。検出されたイオンは,ベースピーク(100%)に対するパーセント強度で表す。HPLC/MS方法A:カラム:Synergi 4μ Fusion−RP80A150x2.0mm,Security Guard Cartridge Fusion−RP4x2.0mm(Phenomenex Inc.);流速:0.5ml/分間;直線勾配(%Aは100%との差異):10%Bで開始,10分間で50%Bまで,次に2分間で100%Bまで,次に100%Bで10分間保持,次に3分間で10%Bまで,次に10%Bで10分間の平衡化;合計運転時間:35分間;PDA検出器:波長:190−600nm,サンプリング速度:1.56Hz,MS検出器:イオン化モード:ESIポジティブ,質量範囲:150−500±0.5m/z;スキャン速度:500amu/sec;検出器電圧:1.25kV;ヒートブロック温度:200℃;CDL温度:250℃;噴霧ガス流:1.5L/分;乾燥ガス圧:0.1MPa。方法B:カラム:Synergi 4μ Polar−RP80A150x2.0mm,Security Guard Cartridge Polar−RP4x2.0mm(Phenomenex Inc.);流速:0.5ml/分間;直線勾配(%Aは100%との差異):10%Bで開始,10分間で50%Bまで,次に2分間で100%Bまで,次に100%Bで10分間維持,次に3分間で10%Bまで,次に10%Bで10分間平衡化;合計運転時間:35分間;PDA検出器:波長:190−600nm,サンプリング速度:1.56Hz,MS検出器:イオン化モード:ESIポジティブ,質量範囲:100または150−500または600±0.5m/z;スキャン速度:500amu/sec;検出器電圧:1.25kV;ヒートブロック温度:200℃;CDL温度:250℃;噴霧ガス流:1.5L/分間;乾燥ガス圧:0.1MPa。MS直接注入:MS検出器:10μl/分で連続的に注入,イオン化モード:ESIポジティブ,質量範囲:150−700±0.5m/z;スキャン速度:500amu/sec;検出器電圧:1.3−1.5kV;ヒートブロック温度:200℃;CDL温度:250℃;噴霧ガス流:1.5L/分間;乾燥ガス圧:0.1MPa。
【0041】
特に記載しないかぎり,RTは室温または周囲温度を表し,これは典型的には20から25℃である。
【実施例】
【0042】
実施例1:Frank D.King,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,447−453(1986)の方法にしたがう,生成物No.1および2の製造
乾燥DMF(100ml)および水素化ナトリウム60%(4.1g,0.17mol)の懸濁液に,70℃で乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で,メチルフェニルアセトニトリル(10ml,0.075mol)を加えた。70℃で1時間撹拌した後,3−クロロプロピオンアルデヒドジエチルアセタール(13.2g,0.079mol)を滴加した。70℃で1時間撹拌し,室温に冷却した後,反応混合物を1Lの氷水に注加した。生成物をEt2O(3x200ml)で抽出した。合わせたEt2O抽出物をNa2SO4を通して濾過し,真空下で蒸発乾固させて,約19.1gの粗生成物を取得し,これを直接次の工程で用いた。乾燥THF(115ml)およびLAH(2.43g,0.065mol)の懸濁液に,乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で,氷水で冷却しながら濃硫酸(1.6ml,0.03mol)を滴加した。0℃で1時間撹拌した後,乾燥THF(19ml)中の前工程からの粗生成物の溶液(19.1g,0.073mol)を滴加し,反応混合物を室温で5時間撹拌した。0℃に冷却した後,1MNaOH(11.3ml)を加え,形成された沈殿物を吸引濾過により除去し,Et2Oを用いて沈殿物を洗浄した。濾液を真空下で蒸発乾固させて,約16gの粗生成物を取得し,これを65mlEt2Oに溶解した。メチルビニルケトン(6.1ml,0.073mol)を加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を350mlの2.5MHClに滴加した。分液漏斗で相を分離し,水性相を取りだして,2時間還流した。角氷を加えた後,混合物を固体炭酸ナトリウムで中和し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し,溶媒を真空下で除去して乾固させた。粗生成物(11.2g)をCC方法Bにより精製して,1(2.9g)および2(5.1g)を得た。
HPLC/MS方法A:1:RTT=2.7[ms:262.1(M+H3O+),244.1(35%,M+H+)];2:RTT=3.6[ms:262.1(M+H3O+),244.1(25%,M+H+)]
【0043】
実施例2:生成物3,4,302,303,312および313の製造
それぞれ乾燥DEEに溶解した生成物1,2,149,150,296または297を,乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で室温で,乾燥DEE中の1当量のLAHの撹拌懸濁液にゆっくり加えた。2時間後,反応混合物を水でクエンチし,NaOHでアルカリ性にし,Et2Oで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ3,4,302,303,312または313を得た。
HPLC/MS方法A:3:立体異性体I:RTT=2.9[ms:246.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=3.4[ms:246.1(M+H+)];4:立体異性体I:RTT=3.9[ms:246.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=4.6[ms:246.1(M+H+)];HPLC/MS方法B:303:立体異性体I:RTT=8.9[ms:260.2(M+H+)],立体異性体II:RTT=9.1[ms:260.2(M+H+)];313:RTT=10.7[ms:302.3(M+H+)]
【0044】
実施例3:生成物5,6,17〜20,45〜52の製造
生成物3,4,9〜12,27〜30,39〜42をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,2当量のNaHを加え,反応混合物を室温で45分間撹拌した。1.2〜5当量のMeIを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ5,6,17〜20,45〜52を得た。生成物5,6,17〜20をそれぞれCC方法Bにより精製し,精製物47および49をそれぞれCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:5:立体異性体I:RTT=4.6[ms:260.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=6.2[ms:260.1(M+H+)];6:立体異性体I:RTT=7.1[ms:260.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=8.4[ms:260.1(M+H+)];17:RTT=6.0[ms:274.1(M+H+),242.1(4%,M+H+−MeOH)];18:RTT=7.7[ms:274.2(M+H+)];19:RTT=7.3[ms:274.1(M+H+),242.2(8%,M+H+−MeOH)];20:RTT=8.9[ms:274.1(M+H+)];49:RTT=10.9[ms:316.2(M+H+)];HPLC/MS方法B:47:RTT=12.2[ms:374.3(M+H+)]
【0045】
実施例4:生成物7,8,21〜24の製造
生成物3,4,9〜12をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,2当量のNaHを加え,反応混合物を室温で45分間撹拌した。1.2〜5当量のBnClを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,7,8,21〜24を得た。生成物7,8,21〜24をそれぞれCC方法Bにより精製した。
HPLC/MS方法A:7:立体異性体I:RTT=10.7[ms:336.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=11.4[ms:336.1(M+H+)];8:立体異性体I:RTT=11.4[ms:336.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=12.2[ms:336.1(M+H+)];21:RTT=11.3[ms:350.2(M+H+),242.1(4%,M+H+−BnOH)];22:RTT=11.8[ms:350.2(M+H+)];23:RTT=11.6[ms:350.1(M+H+),242.1(3%,M+H+−BnOH)];24:RTT=12.3[ms:350.1(M+H+)]
【0046】
実施例5:生成物9〜12,198,202および203の製造
生成物1,2,197,149または150をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DEEに溶解し,−70℃に冷却した。2当量のMeLiを加え,−70℃で撹拌せずに1時間放置した。1時間かけて室温まで暖めた後,反応混合物を水性NH4Cl溶液で加水分解し,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ9および10,11および12,198,202または203を得た。生成物9〜12,198,203をそれぞれCC方法Aにより精製した。
HPLC/MS方法A:9:RTT=3.3[ms:260.1(M+H+),242.1(4%,M+H+−H2O)];10:RTT=4.5[ms:260.1(M+H+)];11:RTT=5.1[ms:260.1(M+H+),242.1(2%,M+H+−H2O)];12:RTT=5.6[ms:260.1(M+H+)];203:RTT=6.5[ms:274.2(M+H+)];MS直接注入:198:[ms:322.3(M+H+)]
【0047】
実施例6:生成物13〜16,177および178の製造
生成物1または2,149または150をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,2当量の塩化ベンジルマグネシウム溶液を加え,室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ13および14,15および16,177または178を得た。生成物13〜16および178をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:13:RTT=10.1[ms:336.3(M+H+)];14:RTT=9.7[ms:336.3(M+H+),318.3(8%,M+H+−H2O)];15:RTT=10.2[ms:336.3(M+H+)];16:RTT=10.6[ms:336.3(M+H+),318.3(8%,M+H+−H2O)];HPLC/MS方法B:178:RTT=13.0[ms:350.3(M+H+)]
【0048】
実施例7:生成物25および26の製造
生成物3または4をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,2当量のNaHを加え,反応混合物を室温で45分間撹拌した。1.2〜5当量のMEMClを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ25または26を得た。生成物25および26をCC方法Cにより精製した。
HPLC/MS方法A:25:立体異性体I:RTT=7.8[ms:334.2(M+H+)],立体異性体II:RTT=8.5[ms:334.1(M+H+)];26:立体異性体I:RTT=8.7[ms:334.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=9.5[ms:334.1(M+H+)]
【0049】
実施例8:生成物27〜30,155,156,183,184,189および190の製造
生成物1または2,149〜154をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,1.2当量の臭化(1,3−ジオキサン−2−イルエチル)マグネシウム溶液を加え,反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,27および28,29および30,155,156,183,184,189および190を得た。生成物27〜30をCC方法Bにより精製し,精製物155,156,184および190をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:27:RTT=8.3[ms:360.1(M+H+)];28:RTT=7.8[ms:360.1(M+H+),342.2(3%,M+H+−H2O)];30:RTT=9.0[ms:360.2(M+H+),342.2(4%,M+H+−H2O)];155:RTT=9.0[ms:374.1(M+H+)];156:RTT=9.0[ms:374.1(M+H+)];HPLC/MS方法B:29:RTT=10.6[ms:360.3(M+H+)];184:RTT=12.2[ms:408.3,410.2(37%)(M+H+)];190:RTT=11.3[ms:392.3(M+H+)]
【0050】
実施例9:生成物31〜34の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,1.2当量の塩化4−メチルベンジルマグネシウム溶液を加え,反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ31および32または33および34を得た。
HPLC/MS方法A:31:RTT=11.0[ms:350.3(M+H+)];32:RTT=10.6[ms:350.3(M+H+),332.3(9%,M+H+−H2O)];33:RTT=11.1[ms:350.3(M+H+)];34:RTT=11.4[ms:350.3(M+H+),332.3(8%,M+H+−H2O)]
【0051】
実施例10:生成物35〜38の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,1.2当量の塩化2−メチル−2−フェニルプロピルマグネシウム溶液を加え,反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ35および36または37および38を得た。生成物35〜38をCC方法Bにより精製した。
HPLC/MS方法A:35:RTT=11.9[ms:378.2(M+H+)];36:RTT=11.8[ms:378.2(M+H+),360.2(7%,M+H+−H2O)];37:RTT=12.1[ms:378.2(M+H+)];38:RTT=12.3[ms:378.2(M+H+),360.2(6%,M+H+−H2O)]
【0052】
実施例11:生成物39〜42の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,1.2当量の塩化イソブチルマグネシウム溶液を加え,反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ39および40または41および42を得た。生成物39〜41をCC方法Bにより精製した。
HPLC/MS方法A:39:RTT=9.7[ms:302.2(M+H+)];40:RTT=9.2[ms:302.2(M+H+),284.1(8%,M+H+−H2O)];41:RTT=9.9[ms:302.2(M+H+)];42:RTT=10.3[ms:302.2(M+H+),284.2(11%,M+H+−H2O)]
【0053】
実施例12:生成物43および44の製造
生成物3または4をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,2当量のNaHを加え,反応混合物を室温で45分間撹拌した。1.2〜5当量の(2−ブロモエチル)メチルエーテルを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ43または44を得た。生成物44をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:44:立体異性体I:RTT=7.3[ms:304.2(M+H+)],立体異性体II:RTT=8.4[ms:304.2(M+H+)]
【0054】
実施例13:生成物53〜56の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DEEに溶解し,−70℃に冷却した。2当量のtert−BuLiを加え,反応混合物を−70℃で撹拌せずに1時間放置した。1時間かけて室温に暖めた後,反応混合物を水性NH4Cl溶液で加水分解し,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ53および54または55および56を得た。
HPLC/MS方法A:55:RTT=9.2[ms:302.2(M+H+)];56:RTT=9.9[ms:302.2(M+H+),284.1(4%,M+H+−H2O)]
【0055】
実施例14:生成物57〜60の製造
生成物9〜12をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,3当量のNaHを加え,反応混合物を室温で45分間撹拌した。5当量の(2−ブロモエチル)メチルエーテルを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,57〜60を得た。生成物60をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:60:RTT=9.3[ms:318.2(M+H+)]
【0056】
実施例15:生成物61〜64,208および209の製造
生成物,9〜12,3または4をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,3当量のNaHを加え,反応混合物を室温で45分間撹拌した。5当量の1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタンを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ61〜64,208または209を得た。生成物64および209をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:64:RTT=9.6[ms:362.2(M+H+)];209:立体異性体I:RTT=8.6[ms:348.1(M+H+),370.1(13%,(M+Na+)],立体異性体II:RTT=9.2[ms:348.1(M+H+)]
【0057】
実施例16:生成物65〜68の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,1.2当量の塩化フェニルエチルマグネシウム溶液を加え,反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ65および66または67および68を得た。生成物65および67をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:65:RTT=11.0[ms:350.1(M+H+)];66:RTT=10.8[ms:350.1(M+H+),332.1(3%,M+H+−H2O)];67:RTT=11.1[ms:350.1(M+H+)];68:RTT=11.4[ms:350.1(M+H+),332.1(4%,M+H+−H2O)]
【0058】
実施例17:生成物69〜72の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥DEEに溶解し,1.2当量の塩化シクロヘキシルマグネシウム溶液を加え,反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ69および70または71および72を得た。生成物71をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:69:RTT=10.6[ms:328.2(M+H+)];70:RTT=10.1[ms:328.2(M+H+),310.2(12%,M+H+−H2O)];71:RTT=10.5[ms:328.2(M+H+)];72:RTT=10.9[ms:328.2(M+H+),310.2(12%,M+H+−H2O)]
【0059】
実施例18:生成物73〜76の製造
2当量の臭化シクロヘキシルエチルを乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥THFに溶解し,2当量のtert−BuLiを加え,−70℃で撹拌せずに30分間放置した。乾燥THFに溶解した生成物1または2をそれぞれ加え,−70℃で撹拌せずに1時間放置した。1時間かけて室温まで暖めた後,反応混合物を水性NH4Cl溶液で加水分解し,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ73および74または75および76を得た。生成物75をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:76:RTT=12.6[ms:356.2(M+H+),338.2(3%,M+H+−H2O)];HPLC/MS方法B:73:RTT=15.0[ms:356.3(M+H+)];74:RTT=14.6[ms:356.3(M+H+),338.3(7%,M+H+−H2O)];75:RTT=14.8[ms:356.3(M+H+)]
【0060】
実施例19:生成物77〜80,125〜128,157,158,185,186,191,192の製造
生成物27〜30,45〜48,155,156,183,184,189または190をそれぞれ5%水性HCl溶液に溶解し,室温で一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し,固体炭酸ナトリウムでアルカリ性とし(pH11),CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ77〜80,125〜128,157,158,185,186,191または192を得た。
HPLC/MS方法B:79:RTT=10.1[ms:302.3(M+H+)];127:RTT=10.8[ms:316.2(M+H+),334.3(26%,M+H3O+)];158:RTT=10.6[ms:316.3(M+H+)];192:RTT=10.9[ms:334.3(M+H+)]
【0061】
実施例20:生成物81〜84,159,160,187,188の製造
生成物77〜80,157,158,185または186をそれぞれメタノールに溶解し,2当量のモルホリンおよび2当量の酢酸を加えた。1時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ81〜84,159,160,187または188を得た。生成物81〜84,159,160および188をCC方法Eで精製して,81〜84,159,160,187または188を純粋な生成物として得た。
HPLC/MS方法A:83:RTT=5.1[ms:187.3(M+2H+),207.7(17%,M+ACN+2H+),373.2(69%,M+H+)];HPLC/MS方法B:81:RTT=3.8[ms:187.2(M+2H+),207.9(53%,M+ACN+2H+),373.3(93%,M+H+)];82:RTT=3.0[ms:187.3(M+2H+),207.7(36%,M+ACN+2H+),373.3(73%,M+H+)];84:RTT=4.1[ms:187.2(94%,M+2H+),207.7(56%,M+ACN+2H+),373.3(M+H+)];159:RTT=4.4[ms:194.3(M+2H+),214.8(38%,M+ACN+2H+),387.4(66%,M+H+)];160:RTT=5.3[ms:194.3(38%,M+2H+),214.8(39%,M+ACN+2H+),387.3(M+H+)];188:RTT=8.7[ms:211.3(59%,M+2H+);231.8(63%,M+ACN+2H+);421.4,423.4(34%)(M+H+)]
【0062】
実施例21:生成物85〜88の製造
生成物77〜80をそれぞれメタノールに溶解し,2当量のピペリジンおよび2当量の酢酸を加えた。1時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ85〜88を得た。生成物87をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:87:RTT=7.1[ms:186.2(M+2H+),206.9(31%,M+ACN+2H+),371.4(94%,M+H+)]
【0063】
実施例22:生成物89〜92の製造
生成物77〜80をそれぞれメタノールに溶解し,2当量のジエチルアミンおよび2当量の酢酸を加えた。1時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ89〜92を得た。生成物91をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:91:RTT=6.1[ms:180.2(M+2H+),200.8(24%,M+ACN+2H+),359.3(60%,M+H+)]
【0064】
実施例23:生成物93〜96,161および162の製造
生成物77〜80,157または158をそれぞれメタノールに溶解し,1.3当量のN−メチルアニリンおよび1.3当量の酢酸を加えた。1時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ93〜96,161または162を得た。生成物95および162をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法A:95:RTT=7.7[ms:197.3(M+2H+),217.8(26%,M+ACN+2H+),393.2(68%,M+H+)];HPLC/MS方法B:162:RTT=10.0[ms:204.3(M+2H+),224.8(66%,M+ACN+2H+),407.3(99%,M+H+)]
【0065】
実施例24:生成物97〜100の製造
生成物1または2をそれぞれメタノールに溶解し,1.3当量のシクロヘキシルメチルアミンおよび1.3当量の酢酸を加えた。1時間後,3当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ97および98または99および100を得た。生成物99および100をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:99:RTT=8.8[ms:171.2(3%,M+2H+),191.9(51%,M+ACN+2H+),341.3(M+H+)];100:RTT=9.0[ms:171.3(6%,M+2H+),191.7(83%,M+ACN+2H+),341.3(M+H+)]
【0066】
実施例25:生成物101〜104の製造
モルホリンをCH2Cl2に溶解し,無水酢酸を氷水で冷却しながら滴加した。室温で一晩撹拌した後,反応混合物を蒸留水で1回,15%HCl溶液で1回,最後に飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,4−アセチルモルホリンを取得し,これはさらなる変換用に十分な純度であった。
1.6当量の4−アセチルモルホリンを乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥THFに溶解し,−78℃に冷却した。1.9当量のLDA溶液を加え,−78℃で20分間維持した。生成物1または2をそれぞれ乾燥THFに溶解し,−78℃で反応混合物に加えた。反応混合物を室温まで暖め,室温で1時間維持した。−78℃に冷却した後,2当量のLAHを加え,室温まで暖め,一晩撹拌した。5当量の酒石酸カリウムナトリウム四水和物を加え,沈殿物を濾別し,濾液を真空下で蒸発乾固させて,それぞれ101および102または103および104を得た。生成物103および104をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:103:RTT=4.3[ms:180.2(87%,M+2H+),200.9(53%,M+ACN+2H+),359.2(M+H+)];104:RTT=3.2[ms:180.3(M+2H+),200.8(29%,M+ACN+2H+),359.2(92%,M+H+)]
【0067】
実施例26:生成物105〜108,248,249の製造
生成物77〜80,157または158をそれぞれアセトンに溶解した。10当量のPCCを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させた後,残渣を水とCH2Cl2との間に分配し,有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させた。残渣を1%のTEAを含むCyclH/EtOAc(1:1)の混合物に再溶解し,酸化アルミニウムで濾過して,それぞれ105〜108,248または249を得た。
HPLC/MS方法B:107:RTT=10.6[ms:300.1(M+H+)];249:RTT=10.4[ms:314.3(M+H+)]
【0068】
実施例27:生成物109〜112,129〜132,242および243の製造
生成物77〜80,125〜128,157または158をそれぞれメタノールに溶解し,0℃に冷却し,10当量の水素化ホウ素ナトリウムを加えた。室温で2時間後,反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ109〜112,129〜132,242または243を得た。
HPLC/MS方法B:109:RTT=8.4[ms:304.2(M+H+)];111:RTT=9.0[ms:304.2(M+H+)];131:RTT=10.4[ms:318.2(M+H+)];243:RTT=9.3[ms:318.3(M+H+)]
【0069】
実施例28:生成物113〜116の製造
生成物109〜112をそれぞれ乾燥DMFに溶解kし,3当量の水素化ナトリウムを撹拌しながら加えた。45分後,1.1当量の塩化1−ピロリジンカルボニルを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を蒸留水でクエンチし,水性相をEt2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ113〜116を得た。生成物113および115をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:113:RTT=11.9[ms:401.2(M+H+)];115:RTT=12.2[ms:401.2(M+H+)]
【0070】
実施例29:生成物117〜120の製造
生成物109〜112をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,3当量の水素化ナトリウムを撹拌しながら加えた。45分後,1.1当量の塩化N,N−ジメチルカルバミルを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を蒸留水でクエンチし,水性相をEt2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ117〜120を得た。生成物119をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:119:RTT=11.4[ms:375.2(M+H+)]
【0071】
実施例30:生成物121〜124,272および273の製造
生成物77〜80,157または158をそれぞれDMF/AcOH=9:1に溶解し,10当量の2−アミノピリジンを加え,反応混合物を95℃で2時間加熱した。室温に冷却した後,10当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させた。粗生成物を乾燥DEEに溶解し,3当量のLAHを加え,反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ121〜124,272または273を得た。生成物123および273をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:123:RTT=8.4[ms:190.8(M+2H+),211.4(59%,M+ACN+2H+),380.3(40%,M+H+)];273:RTT=8.3[ms:197.8(M+2H+),218.2(27%,M+ACN+2H+),394.3(82%,M+H+)]
【0072】
実施例31:生成物133〜136の製造
生成物125〜128をそれぞれメタノールに溶解し,10当量の5−アミノテトラゾールおよび5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ133〜136を得た。生成物135をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:135:RTT=10.8[ms:385.3(M+H+)]
【0073】
実施例32:生成物137〜140の製造
生成物125〜128をそれぞれメタノールに溶解し,10当量の3−アミノ−1,2,4−トリアゾールおよび10当量の酢酸を加えた。2時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ137〜140を得た。生成物139をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:139:RTT=8.9[ms:192.7(91%,M+2H+),213.2(M+ACN+2H+),384.3(88%,M+H+)]
【0074】
実施例33:生成物141〜144,268および269の製造
生成物109〜112,242または243をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,40当量のNaHを加え,室温で30分間撹拌した。臭化シクロペンチルを加えてDMF:臭化シクロペンチル=1:1とし,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ141〜144,268または269を得た。生成物143をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:143:RTT=13.1[ms:372.3(M+H+)];269:RTT=13.5[ms:386.4(M+H+)]
【0075】
実施例34:生成物145〜148,270および271の製造
生成物109〜112,242または243をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,40当量のNaHを加え,室温で30分間撹拌した。2−ブロモプロパンを加えてDMF:2−ブロモ−プロパン=1:1とし,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ145〜148,270または271を得た。生成物147および271をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:147:RTT=11.8[ms:346.3(M+H+)];271:RTT=12.1[ms:360.3(M+H+)]
【0076】
実施例35:Frank D.King,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,447−453(1986)の方法にしたがう生成物149および150の製造
無水塩化水素ガスを冷却しながら触媒量のジシンナマルアセトンを含む3−ブテン−2−オンに通した。反応混合物が赤色に変化した後,形成された4−クロロ−2−ブタノンを蒸留により精製した(bp:62℃,92mbar)。4−クロロ−2−ブタノンをCH2Cl2に溶解し,1当量の2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール,1当量のオルトギ酸トリエチルおよび触媒量のp−トルエンスルホン酸を加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し,飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相を無水炭酸カリウムで乾燥し,濾過し,真空下で濃縮した。形成された2−(2−クロロエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを蒸留により精製した(bp:86−90℃,22mbar)。
【0077】
メチルフェニルアセトニトリルを,70℃で乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DMFおよび2.3当量のNaHの懸濁液に加えた。70℃で1時間撹拌した後,1.2当量の2−(2−クロロエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを滴加した。70℃で3時間撹拌し,室温まで冷却した後,反応混合物を1Lの氷水に注加した。生成物をEt2Oで抽出し,有機相をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,粗生成物を取得し,これを直接次の工程で用いた。乾燥不活性雰囲気下で,乾燥DEEおよび1.5当量のLAHの冷却懸濁液(5℃)に,乾燥DEEに溶解した前工程からの粗生成物を滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,これを氷水で冷却し,さらなるガスの発生が認められなくなるまで水を滴加した。形成された沈殿物を濾過し,濾液をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,粗アミンを取得し,これをEt2Oに溶解した。1当量の3−ブテン−2−オンを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を2.5MHCl溶液に滴加した。相を分離し,水性相を取り出し,4時間還流した。角氷を加えた後,混合物を固体炭酸ナトリウムで中和し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し,溶媒を真空下で蒸発乾固させて,149および150を得た。生成物149および150をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:149:RTT=8.6[ms:258.3(M+H+),276.2(3%,M+H3O+)];150:RTT=9.2[ms:258.3(M+H+),276.3(3%,M+H3O+)]
【0078】
実施例36:Frank D.King,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,447−453(1986)の方法にしたがう生成物151および152の製造
無水塩化水素ガスを,触媒量のジシンナムアセトンを含む3−ブテン−2−オンに冷却しながらバブリングした。反応混合物が赤色に変わった後,形成された4−クロロ−2−ブタノンを蒸留により精製した(bp:62℃,92mbar)。4−クロロ−2−ブタノンをCH2Cl2に溶解し,1当量の2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール,1当量のオルトギ酸トリエチルおよび触媒量のp−トルエンスルホン酸を加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し,飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相を無水炭酸カリウムで乾燥し,濾過し,真空下で濃縮した。形成された2−(2−クロロエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを蒸留により精製した(bp:86−90℃,22mbar)。
【0079】
4−クロロアセトフェノンを乾燥DMEに溶解し,無水エタノール(触媒量)および1.3当量のp−トルエンスルホニルメチルイソシアニドを加えた。撹拌し冷却しながら,2当量のカリウム−tert−ブトキシドを4回に分けて加えた。室温で一晩撹拌した後,反応混合物を濾過し,濾液を真空下で濃縮した。濃縮した反応混合物を酸化アルミニウムを通して濾過し,PEで抽出した。濾液を真空下で蒸発乾固させて,所望の2−(4−クロロフェニル)プロパンニトリルを得た。
【0080】
2−(4−クロロフェニル)プロパンニトリルを乾燥DMFおよび2.3当量のNaHの懸濁液に70℃で乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で加えた。70℃で1時間撹拌した後,1.2当量の2−(2−クロロエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを滴加した。70℃で3時間撹拌し,室温に冷却した後,反応混合物を1Lの氷水に注加した。生成物をEt2Oで抽出し,有機相をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,粗生成物を取得し,これを直接次の工程で用いた。乾燥DEEおよび1.5当量のLAHの冷却した懸濁液(5℃)に,乾燥した不活性雰囲気下で,乾燥DEEに溶解した前工程からの粗生成物を滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,氷水で冷却し,ガスの発生が認められなくなるまで水を滴加した。形成した沈殿物を濾別し,濾液をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,粗アミンを取得し,これをCC方法Eにより精製した。前工程からの精製したアミンをEt2Oに溶解し,1当量の3−ブテン−2−オンを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を2.5MHCl溶液に滴加した。相を分離し,水性相を取り出し,4時間還流した。角氷を加えた後,混合物を固体炭酸ナトリウムで中和し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し,溶媒を真空下で蒸発乾固させて,151および152を得た。生成物151および152をCC方法Fにより精製した。
HPLC/MS方法B:151:RTT=10.7[ms:292.2,294.2(42%)(M+H+);310.2(9%,M+H3O+)];152:RTT=11.1[ms:292.2,294.2(37%)(M+H+);310.2(4%,M+H3O+)]
【0081】
実施例37:Frank D.King,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,447−453(1986)の方法にしたがう生成物153および154の製造
無水塩化水素ガスを,冷却しながら触媒量のジシンナマルアセトンを含む3−ブテン−2−オンに通した。反応混合物が赤色に変化した後,形成された4−クロロ−2−ブタノンを蒸留により精製した(bp:62℃,92mbar)。4−クロロ−2−ブタノンをCH2Cl2に溶解し,1当量の2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール,1当量のオルトギ酸トリエチルおよび触媒量のp−トルエンスルホン酸を加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し,飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相を無水炭酸カリウムで乾燥し,濾過し,真空下で濃縮した。形成された2−(2−クロロエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを蒸留により精製した(bp:86−90℃,22mbar)。
【0082】
p−フルオロベンジルシアニドを,70℃で乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DMFおよび1.03当量のNaHの懸濁液に加えた。80℃で1時間撹拌した後,1.1当量の2−(2−クロロエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを滴加した。80℃で1.5時間撹拌した後,反応混合物を70℃に冷却し,1.03当量の水素化ナトリウムを加え,混合物を70℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し,5当量のMeIを滴加した。反応混合物を35℃で2時間撹拌した後,反応混合物を1Lの氷水に注加した。生成物をEt2Oで抽出し,有機相をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,粗生成物を取得し,これを直接次の工程で用いた。乾燥DEEおよび1.5当量のLAHの冷却した懸濁液(5℃)に,乾燥した不活性雰囲気下で,乾燥DEEに溶解した前工程からの粗生成物を滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,氷水で冷却し,ガスの形成が認められなくなるまで水を滴加した。形成した沈殿物を濾別し,濾液をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,粗アミンを取得し,これをCC方法Eにより精製した。前工程からの精製したアミンをEt2Oに溶解し,0.5当量の3−ブテン−2−オンを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を2.5MHCl溶液に滴加した。相を分離し,水性相を取り出し,2.5時間還流した。角氷を加えた後,混合物を固体炭酸ナトリウムで中和し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し,溶媒を真空下で除去して乾固して,153および154を得た。生成物153および154をCC方法Fにより精製した。
HPLC/MS方法B:153:RTT=9.2[ms:276.2(M+H+)];154:RTT=9.5[ms:276.2(M+H+)]
【0083】
実施例38:生成物163および164の製造
生成物157または158をそれぞれメタノールに溶解し,2当量のN−メチルピペラジンおよび2当量の酢酸を加えた。1時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ163または164を得た。生成物164をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:164:RTT=2.6[ms:200.8(63%M+2H+),221.3(37%,M+ACN+2H+),400.3(M+H+)]
【0084】
実施例39:生成物165,166,193および194の製造
生成物157,158,191または192をそれぞれDMF/AcOH=9:1に溶解し,10当量の3−アミノ−1,2,4−トリアゾールを加え,反応混合物を95℃で2時間加熱した。室温に冷却した後,10当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を50℃で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ165,166,193または194を得た。生成物166および194をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:166:RTT=7.3[ms:192.8(10%,M+2H+),213.3(36%,M+ACN+2H+),366.2(9%,M+H+−H2O),384.2(M+H+)];194:RTT=7.9[ms:201.7(63%,M+2H+),222.3(83%,M+ACN+2H+),384.3(3%,M+H+−H2O),402.3(M+H+)]
【0085】
実施例40:生成物167および168の製造
生成物157または158をそれぞれDMF/AcOH=9:1に溶解し,10当量の5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−トリアゾール−3−アミンを加え,反応混合物を95℃で2時間加熱した。室温に冷却した後,10当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を50℃で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ167または168を得た。生成物168をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:168:RTT=11.7[ms:452.3(M+H+)]
【0086】
実施例41:生成物169および170の製造
モルホリンをCH2Cl2に溶解し,氷水で冷却しながら無水酢酸を滴加した。室温で一晩撹拌した後,反応混合物を蒸留水で1回,15%HCl溶液で1回,最後に飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,4−アセチルモルホリンを取得し,これはさらなる変換用に十分な純度であった。
【0087】
1.6当量の4−アセチルモルホリンを乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥THFに溶解し,−78℃に冷却した。1.9当量のLDA溶液を加え,−78℃で20分間維持した。生成物149または150をそれぞれ乾燥THFに溶解し,−78℃で反応混合物に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後,反応混合物を水性NH4Cl溶液で加水分解し,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ169または170を得た。生成物170をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:170:RTT=10.5[ms:387.2(M+H+)]
【0088】
実施例42:生成物171および172の製造
生成物169または170をそれぞれ乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)で乾燥THFに溶解し,−78℃に冷却した。2当量のLAHを−78℃で加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。5当量の酒石酸カリウムナトリウム四水和物を加え,沈殿物を濾別し,濾液を真空下で蒸発乾固させて,それぞれ171または172を得た。生成物172をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:172:RTT=4.7[ms:187.2(96%,M+2H+),207.9(18%,M+CAN+2H+),373.2(M+H+)]
【0089】
実施例43:生成物173および174の製造
ピロリジンをCH2Cl2に溶解し,1当量のTEAを加えた。氷水で冷却しながら1.2当量の塩化アセチルを滴加し,室温で一晩撹拌した後,反応混合物を飽和Na2CO3溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,N−アセチルピロリジンをさらなる変換に十分な純度で得た。
【0090】
10当量のN−アセチルピロリジンを乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥THFに溶解し,−70℃に冷却した。10当量のLDA溶液を加え,−70℃で1時間保持した。生成物149または150をそれぞれ乾燥THFに溶解し,−70℃で反応混合物に加え,これを−70℃で一晩保持した。室温まで暖めた後,反応混合物を水性NH4Cl溶液で加水分解し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ173または174を得た。生成物174をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:174:RTT=11.1[ms:371.3(M+H+)]
【0091】
実施例44:生成物175および176の製造
生成物173または174をそれぞれ乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)で乾燥THFに溶解し,0℃に冷却した。2当量のLAHを0℃で加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。5当量の酒石酸カリウムナトリウム四水和物を加え,沈殿物を濾別し,濾液を真空下で蒸発乾固させて,それぞれ175または176,を得た。
HPLC/MS方法B:176:RTT=5.1[ms:179.3(M+2H+),199.7(16%,M+CAN+2H+),357.3(42%,M+H+)]
【0092】
実施例45:生成物179〜182の製造
生成物149または150をそれぞれ乾燥DMEに溶解し,エタノール(触媒量)および1.3当量のp−トルエンスルホニルメチルイソシアニドを加えた。撹拌し冷却しながら4当量のカリウム−tert−ブトキシドを少しずつ加えた。室温で一晩撹拌した後,反応混合物を水で希釈し,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ179および180または181および182を得た。生成物181および182をCC方法Fにより精製した。
HPLC/MS方法B:181:RTT=9.9[ms:269.2(M+H+)];182:RTT=10.3[ms:269.3(M+H+)]
【0093】
実施例46:生成物195および196の製造
生成物157または158をそれぞれDMF/AcOH=9:1に溶解し,10当量の5−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−アミンを加え,反応混合物を50℃で5時間加熱した。室温に冷却した後,10当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和Na2CO3溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ195または196を得た。生成物196をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:196:RTT=7.5[ms:199.8(M+2H+),220.4(42%,M+ACN+2H+),380.3(3%,M+H+−H2O),398.3(59%,M+H+)]
【0094】
実施例47:Frank D.King,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,447−453(1986)にしたがう197の製造
乾燥DMFおよび2.3当量のNAHの懸濁液に,70℃で乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下でジフェニルアセトニトリルを加えた。70℃で1時間撹拌した後,1.05当量の3−クロロプロピオン−アルデヒドジエチルアセタールを滴加した。70℃で1時間撹拌し,室温に冷却した後,反応混合物を氷水に注加した。生成物をEt2Oで抽出し,有機相をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させた。粗生成物を直接次の工程で用いた。
【0095】
乾燥THF中の0.9当量のLAHの懸濁液に,乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で0.4当量の濃H2SO4を滴加した。0℃で1時間撹拌した後,乾燥THF中の前工程からの粗生成物の溶液を滴加し,反応混合物を室温で5時間撹拌した。0℃に冷却した後,1MNaOH溶液を加え,形成された沈殿物を吸引濾過により除去し,Et2Oを用いて沈殿物を洗浄した。濾液を真空下で蒸発乾固させて,粗アミンを取得し,これをEt2Oに溶解した。1当量の3−ブテン−2−オンを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を2.5MHCl溶液に滴加し,水性相を2時間還流した。角氷を加えた後,混合物をNa2CO3で中和し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し,溶媒を真空下で蒸発乾固させて,197を取得し,これをCC方法Bにより精製した。
MS直接注入:197:[ms:324.2(M+H3O+),306.2(60%,M+H+)]
【0096】
実施例48:生成物199の製造
生成物197をメタノールに溶解し,2当量のピペリジンおよび2当量の酢酸を加えた。1時間後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,199を取得し,これをCC方法Dにより精製した。
MS直接注入:199:[ms:375.3(M+H+)]
【0097】
実施例49:生成物200および201の製造
生成物3または4をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,5当量のNaHを加え,室温で45分間撹拌した。5当量の臭化イソブチルを加え,反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ200または201を得た。生成物201をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法A:201:立体異性体I:RTT=10.8[ms:302.1(M+H+)],立体異性体II:RTT=11.9[ms:302.2(M+H+)]
【0098】
実施例50:生成物204〜207の製造
生成物1または2をそれぞれ乾燥エタン−1,2−ジオールに溶解し,濃H2SO4(2%)を加え,反応混合物を室温で3日間撹拌した。反応混合物を水で希釈し,Na2CO3で中和し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ204および206または205および207を得た。生成物205および207をCC方法Cにより精製した。
HPLC/MS方法A:205:RTT=8.1[ms:288.1(M+H+)];207:RTT=5.1[ms:350.1(M+H+),288.1(78%,M−HOCH2CH2OH+H+),372.1(8%,(M+Na+)]
【0099】
実施例51:生成物210〜213の製造
生成物179〜182を乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下でそれぞれ乾燥THFに溶解し,−78℃に冷却した。5当量のDIBAL−H溶液を加え,混合物を−78℃で一晩保持した。反応混合物を1.2MHCl溶液に注加し,室温で15分間撹拌した。反応混合物をNa2CO3でアルカリ性にし,Et2Oで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ210〜213を得た。生成物212をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:212:RTT=9.3[ms:290.3(M+H3O+),272.3(37%,M+H+)]
【0100】
実施例52:生成物214〜217の製造
生成物179〜182をそれぞれ乾燥THFに溶解し,乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で,乾燥THFおよび1.5当量のLAHの冷却懸濁液(5℃)に滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,氷水で冷却し,ガスの形成が認められなくなるまで水を滴加した。形成された沈殿物を濾別し,濾液をNa2SO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ214〜217を得た。生成物216をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:216:RTT=3.7[ms:157.8(15%M+ACN+2H+),273.3(M+H+)]
【0101】
実施例53:生成物218〜221,236および237の製造
生成物210〜213,234または235をそれぞれメタノールに溶解し,7当量の3−アミノ−1,2,4−トリアゾールおよび7当量の酢酸を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,8当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加えた。室温で4時間撹拌した後,反応混合物を飽和NaHCO3溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ218〜221,236または237を得た。生成物220および237をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:220:RTT=8.0[ms:170.8(23%,M+2H+),191.3(M+ACN+2H+),340.3(77%,M+H+)];237:RTT=9.2[ms:199.8(63%,M+2H+),220.4(M+ACN+2H+),398.4(62%,M+H+)]
【0102】
実施例54:生成物222〜225,276および277の製造
生成物125〜128,234または235をそれぞれメタノールに溶解し,10当量の2−アミノ−チアゾール,5当量の酢酸およびMgSO4を加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した後,1.5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを室温で加えた。室温で7時間撹拌した後,反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性にし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ222〜225,276または277を得た。生成物224をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:224:RTT=9.5[ms:200.9(M+2H+),221.4(70%,M+ACN+2H+),400.3(40%,M+H+)];277:RTT=9.7[ms:207.9(M+2H+),228.4(55%,M+ACN+2H+),414.3(31%,M+H+)]
【0103】
実施例55:生成物226および227の製造
生成物157または158をそれぞれメタノールに溶解し,2当量のシクロペンチルアミンおよび2当量の酢酸を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性にし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ226または227を得た。生成物227をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:227:RTT=8.1[ms:193.4(M+2H+),213.9(99%,M+ACN+2H+),385.4(47%,M+H+)]
【0104】
実施例56:生成物228〜231,274および275の製造
生成物125〜128,234または235をそれぞれメタノールに溶解し,5当量の2−アミノ−ピリミジン,5当量の酢酸およびMgSO4を加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した後,1.5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを室温で加えた。室温で7時間撹拌した後,反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ228〜231,274または275を得た。生成物230をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:230:RTT=11.0[ms:198.3(51%,M+2H+),218.9(M+ACN+2H+),395.3(51%,M+H+)];275:RTT=11.3[ms:205.4(46%,M+2H+),225.9(M+ACN+2H+),409.4(59%,M+H+)]
【0105】
実施例57:生成物232および233の製造
生成物155または156をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,4当量のNaHを加え,反応混合物を室温で2時間撹拌した。10当量のMeIを加え,反応混合物を4時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ232または233を得た。生成物233をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:233:RTT=12.6[ms:388.4(M+H+)]
【0106】
実施例58:生成物234および235の製造
生成物232または233をそれぞれ5%水性HCl溶液に溶解し,90℃で4時間撹拌した。室温に冷却した後,反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性にし(pH11),CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ234または235を得た。
HPLC/MS方法B:235:RTT=11.2[ms:330.3(M+H+),348.3(40%,M+H3O+)]
【0107】
実施例59:生成物238および239の製造
乾燥THF中の1.5当量の乾燥エチルアセテートの撹拌溶液に,1.5当量のLDA溶液を乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で−77℃で滴加した。−77℃で1時間撹拌した後,この反応混合物を−77℃で乾燥THF中のそれぞれ生成物149または150の冷却溶液に加えた。反応混合物を−77℃で1時間撹拌し,飽和NH4Cl溶液でクエンチし,室温まで暖めた。混合物をEt2Oで抽出し,有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ238または239を得た。生成物239をCC方法Gにより精製した。
HPLC/MS方法B:239:RTT=11.4[ms:346.3(M+H+)]
【0108】
実施例60:生成物240および241の製造
乾燥THF中の5当量の乾燥アセトニトリルの撹拌溶液に,5当量のLDA溶液を乾燥した不活性雰囲気(アルゴン)下で−77℃で滴加した,−77℃で1時間撹拌した後,この反応混合物を−77℃で乾燥THF中のそれぞれ生成物149または150の冷却溶液に加えた。反応混合物を−77℃で1時間撹拌し,飽和NH4Cl溶液でクエンチした後,RTまで暖めた。反応混合物をEt2Oで抽出し,有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ240または241を得た。生成物241をCC方法Gにより精製した。
HPLC/MS方法B:241:RTT=9.8[ms:299.3(M+H+)]
【0109】
実施例61:生成物244〜247の製造
生成物210〜213をそれぞれメタノールに溶解し,7当量の5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−トリアゾール−3−アミンおよび7当量の酢酸を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,8当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加えた。室温で4時間撹拌した後,反応混合物を飽和NaHCO3溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ244〜247を得た。生成物246をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:246:RTT=12.3[ms:408.3(M+H+)]
【0110】
実施例62:生成物250〜253の製造
生成物125〜128をそれぞれメタノールに溶解し,10当量の2−アミノオキサゾール,5当量の酢酸およびMgSO4を加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した後,1.5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを室温で加えた。室温で7時間撹拌した後,反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ250〜253を得た。
HPLC/MS方法B:252:RTT=9.4[ms:192.9(M+2H+),213.4(89%,M+ACN+2H+),384.3(75%,M+H+)]
【0111】
実施例63:生成物254〜257の製造
生成物125〜128をそれぞれメタノールに溶解し,10当量の2−アミノベンズイミダゾール,5当量の酢酸およびMgSO4を加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した後,1.5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを室温で加えた。室温で7時間撹拌した後,反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ254〜257を得た。
HPLC/MS方法B:256:RTT=10.6[ms:217.2(M+2H+),237.9(35%,M+ACN+2H+),433.4(55%,M+H+)]
【0112】
実施例64:生成物258〜261の製造
生成物125〜128をそれぞれ1,2ジクロロエタンに溶解し,5当量の2,5−ジメチルピロール,5当量の酢酸およびMgSO4を加えた。反応混合物を70℃で一晩撹拌した後,1.5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを室温で加えた。室温で4時間撹拌した後,反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ258〜261を得た。
HPLC/MS方法B:260:RTT=15.4[ms:395.3(M+H+)]
【0113】
実施例65:生成物262〜265の製造
生成物214〜217をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,2当量のTEAを加えた。室温で5分間撹拌した後,1.3当量の塩化1−ピロリジンカルボニルを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ262〜265を得た。生成物264をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:264:RTT=11.3[ms:370.4(M+H+),392.3(5%,M+Na+)]
【0114】
実施例66:生成物266および267の製造
生成物242または243をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,10当量のNaHを加え,室温で1時間撹拌した。5当量のMeIを加え,反応混合物を3時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ266または267を得た。
HPLC/MS方法B:267:RTT=12.2[ms:346.3(M+H+)]
【0115】
実施例67:生成物278および279の製造
生成物242または243をそれぞれ乾燥DMFに溶解し,2.5当量のNaHを加え,室温で1時間撹拌した。1当量のMeIを加え,反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ278または279を得た。生成物279をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:279:RTT=10.6[ms:332.3(M+H+)]
【0116】
実施例68:生成物280および281の製造
乾燥THF中の3当量のLAHの冷却した(0℃)懸濁液に,乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で,THF中の1.5当量のH2SO4を加え,0℃で1時間撹拌した。それぞれ乾燥THFに溶解した生成物238または239を0℃で加えた。室温で一晩撹拌した後,3当量の酒石酸カリウムナトリウム四水和物を反応混合物に加え,沈殿物を濾別し,濾液を真空下で蒸発乾固させて,それぞれ280または281を得た。HPLC/MS方法B:281:RTT=9.1[ms:304.2(M+H+)]
【0117】
実施例69:生成物282および283の製造
生成物238または239をそれぞれTHFに溶解し,メタノール/水に溶解した水酸化カリウムを加え,反応混合物を室温で2日間撹拌した。有機溶媒を真空下で除去した。水性相を6NHCl溶液で中和し,溶媒を凍結乾燥により除去して,それぞれ282または283を塩酸塩として得た。
HPLC/MS方法B:283:RTT=9.1[ms:318.2(M+H+)]
【0118】
実施例70:生成物284および285の製造
生成物282または283をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DMFに溶解し,5当量のTEA,10当量の3−アミノ−1,2,4−トリアゾールおよび10当量のTBTUを加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した後,0℃で飽和NaHCO3溶液でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ284または285を得た。
HPLC/MS方法B:285:RTT=10.1[ms:384.2(M+H+)]
【0119】
実施例71:生成物286および287の製造
生成物236または237をそれぞれ乾燥DCMに溶解し,16当量の三臭化ホウ素溶液を−78℃で加えた。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した後,撹拌した15%Na2CO3溶液に滴加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させた。粗生成物をメタノールに溶解し,10%Pd/Cを加え,反応混合物を水素雰囲気下で一晩撹拌した。触媒を濾過した後,有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ286または287を得た。生成物287をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:287:RTT=9.3[ms:184.9(74%,M+2H+),205.4(M+ACN+2H+),368.3(71%,M+H+)]
【0120】
実施例72:生成物288,289,292および293の製造
生成物296,297,294または295をそれぞれメタノールに溶解し,10当量のモルホリンおよび10当量の酢酸を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で1週間撹拌した。反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ288,289,292または293を得た。生成物289をCC方法Eにより精製した。
HPLC/MS方法B:289:RTT=異性体I:7.5[ms:186.3(M+2H+),206.8(81%,M+ACN+2H+),371.3(87%,M+H+)];異性体II:8.0[ms:186.3(M+2H+),206.9(88%,M+ACN+2H+),371.3(78%,M+H+)];293:RTT=5.6[ms:194.3(M+2H+),214.8(26%,M+ACN+2H+),387.3(92%,M+H+)]
【0121】
実施例73:生成物290および310または291および311の製造
生成物294または295をそれぞれメタノールに溶解し,10当量の3−アミノ−1,2,4−トリアゾールおよび10当量の酢酸を加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した後,4当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を室温で2週間撹拌した。反応混合物を水で希釈し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ290および310または291および311を得た。
HPLC/MS方法B:291:RTT=6.4[ms:192.8(25%,M+2H+),213.2(34%,M+ACN+2H+),384.3(M+H+)];311:RTT=9.7[ms:318.2(M+H+)]
【0122】
実施例74:生成物294および296または295および297の製造
生成物240または241をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DEEに溶解し,7当量の臭化メチルマグネシウム溶液を室温で加えた。反応混合物を一晩撹拌した後,1%水性ギ酸溶液を加えて酸性にし,20分間撹拌した。NaHCO3を加えて混合物をアルカリ性とし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させた。粗生成物をメタノールに溶解し,10%Pd/Cを加え,反応混合物を水素雰囲気下で一晩撹拌した。触媒を濾過した後,濾液を真空下で蒸発乾固させて,それぞれ294および296または295および297を得た。生成物295をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:295:RTT=10.2[ms:316.3(M+H+)],297:RTT=11.3[ms:300.3(M+H+)]
【0123】
実施例75:生成物298〜301の製造
生成物238〜241をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DMFに溶解し,30当量のマグネシウム薄片および50当量の塩化トリメチルシリルを加え,反応混合物を室温で一晩撹拌した。1%TEAを含む水を加えて反応混合物をクエンチし,Et2Oで抽出した。有機相をブラインおよび水で洗浄した後,MgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ298〜301を得た。生成物299および301をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:299:RTT=15.9[ms:418.3(M+H+)],301:RTT=15.1[ms:371.3(M+H+)]
【0124】
実施例76:生成物304および305の製造
生成物238または239をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DEEに溶解し,4当量の臭化メチルマグネシウム溶液を室温で加えた。反応混合物を3時間撹拌した後,NH4Cl溶液でクエンチし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ304または305を得た。
HPLC/MS方法B:305:RTT=10.5[ms:332.3(M+H+)]
【0125】
実施例77:生成物306〜309の製造
生成物179〜182をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DEEに溶解し,5当量の臭化メチルマグネシウム溶液を室温で加えた。反応混合物を一晩撹拌した後,0.1MHCl溶液に滴加し,10分間撹拌した。Na2CO3を加えて混合物をアルカリ性とし,Et2O出抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させた。粗生成物を乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DEEに溶解し,5当量の臭化メチルマグネシウム溶液を加え,反応混合物を2.5時間加熱還流した。反応混合物を飽和NH4Cl溶液でクエンチし,Et2Oで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ306〜309を得た。生成物308をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:308:RTT=10.6[ms:302.3(M+H+)]
【0126】
実施例78:生成物314〜317の製造
生成物179〜182をそれぞれ37%HClに溶解し,一晩還流した。反応混合物を水で希釈し,凍結乾燥して,314〜317を塩酸塩として得た。
HPLC/MS方法B:316:RTT=10.2[ms:288.3(M+H+)]
【0127】
実施例79:生成物318〜321の製造
生成物109〜112をそれぞれトルエンに溶解し,4%濃H2SO4を加え,反応混合物を50℃で2時間撹拌した。反応混合物を水に注加し,Na2CO3でアルカリ性とし,CH2Cl2で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ318および319または320および321を得た。生成物320および321をCC方法Dにより精製した。
HPLC/MS方法B:318:RTT=11.0[ms:286.2(M+H+)];319:RTT=10.1[ms:286.3(M+H+)];320:RTT=11.6[ms:286.2(M+H+)];321:RTT=11.0[ms:286.2(M+H+)]
【0128】
実施例80:生成物322および323の製造
生成物248または249をそれぞれ10%KOHを含むメタノールに溶解した。反応混合物を2時間撹拌して,それぞれ322または323を得た。
HPLC/MS方法B:323:RTT=9.8[ms:332.3(M+H+)]
【0129】
実施例81:生成物324および325の製造
生成物242または243をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥THFに溶解し,1.5当量のトリフェニルホスフィンおよび1.5当量のDEADを加え,反応混合物を室温で1時間撹拌して,それぞれ324または325を得た。
HPLC/MS方法B:325:RTT=12.3[ms:300.3(M+H+)]
【0130】
実施例82:生成物326および327の製造
生成物165または166をそれぞれ乾燥不活性雰囲気(アルゴン)下で乾燥DMFに溶解し,0℃に冷却した。混合物を撹拌しながら,パラホルムアルデヒド(240当量)の熱分解により生成したホルムアルデヒドガスの穏やかな流れをテフロン(登録商標)チューブを通してバブリングした。反応混合物を一晩撹拌した後,38当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え,反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3溶液に注加し,CH2Cl2で抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し,濾過し,真空下で蒸発乾固させて,それぞれ326または327を得た。
HPLC/MS方法B:327:RTT=9.0[ms:199.8(M+2H+),220.4(75%,M+ACN+2H+),398.3(72%,M+H+)]
【0131】
生物学的方法
下記に示され,表2(図30〜33)に挙げられるすべての動物実験は,オーストラリア法および医薬品動物ケアの安全性試験実施基準の原則にしたがって行った。表2に示されるデータは,例えば,the Medical University of Vienna(Austria)の飼育設備またはCharles River Lab.(USA)から入手できる市販の雄マウスを用いて取得した。週齢7−30の雄マウスを用い,実験前の規定された絶食期間を除き,餌および水は自由に摂取可能とした。マウスは,室温で,12h/12hの明暗サイクルで維持した。マウスは経口グルコース耐性試験の前に8−12時間絶食させた。
【0132】
式IまたはIIの化合物の抗糖尿病効果は,一般医に知られる方法と同様にして,マウスの経口グルコース耐性試験により評価した。各マウスは,表2に示されるようにして,式IまたはIIの化合物の強制経口投与または腹腔内注入により処置した。各試験においては,式IまたはIIの化合物を含まないベヒクルで処置した対照群を平行して試験した。次に,T=0分においてグルコース溶液(1−3g/kgの特定量)を強制経口投与した。式IまたはIIの化合物を投与する直前,グルコースを投与する直前,および場合によりT=30分および/またはT=90分および/またはT=150分において,尾部先端穿刺により血液を採取した。血糖値は,ヒト糖尿病において一般に用いられるポータブル血糖計を用いて測定した。
【0133】
各動物について,T分における,T=0分に測定したレベルを超える増分血糖値を計算した。処置群およびベヒクル群について,増分の平均値を比較した(典型的な群サイズ;n=6−10匹マウス)。ベヒクルに対する,式IまたはIIの生成物により誘導されたパーセント低下を,グルコース低下活性の読み出しパラメータとした。表2に示されるように,1の効果は,所定の時点T分における,ベヒクル群に対する15−30%の増分血糖値の低下を意味し,2の効果は,所定の時点T=分における,ベヒクル群に対する30%を超える増分血糖値の低下を意味する。差異の統計学的有意性は,標準的な方法論,例えば,対応のない両側スチューデントT検定により評価した。p<0.05を統計学的に有意とした。
【0134】
生物学的試験のためには,式IまたはIIの生成物を−2%酢酸を含む0.5%カルボキシメチルセルロースに溶解または懸濁した。ベヒクル群には1−2%酢酸を含む同じ量の0.5%カルボキシメチルセルロース溶液を与えた。
【0135】
マウスは,示されるように,標準的な研究用飼料(kg/kg:<10%粗脂肪)または高脂肪飼料1(HFD1;エネルギー含有量:72%脂肪,<1%炭水化物)で恒久的に維持した。高脂肪食のマウスを用いる実験は,予めHFD1で5−6週間飼育した後に行った。
【0136】
生成物の抗糖尿病効果は,マウスでのグルコース耐性試験により評価し,表2に示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化9】
式中,
R1=C1−C6アルキル,フェニル,置換フェニル
R2=H,C1−C6アルキル,アルキル−シクロアルキル
R3=(R31)k
ここで,k=0,1,2,3
R31=H,F,Cl,Br,CF3,C1−C6アルキル,(R32)k
ここで,k=4,5
R32=H,F
X=カルボニル,R9,CR4CN,CHR5,CH(COH(CH3)2),CR4(OR6),CR6(OR4),CR6ベンジルオキシ,CR6(2−メトキシエトキシ),CR6[(2−メトキシエトキシ)メトキシ],CR6[(2−メトキシエトキシ)エトキシ],CR4(CO)OR4,CR4(CO)N(R4)2,CR4(CO)R5,CR4(CO)R4,CR4(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(OR4)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,
C(Oトリメチルシリル)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ
ここで,k=1,2,3,4;m=0,1;n=0,1,2,3
Y=CR4R6,1,1−シクロペンチル,1,1−シクロヘキシル,
Z=R5,R6,R7,R8,CN,(CO)OR6,(CO)R4,OR6,OR7,O(CO)R5,(CO)R5,(CO)R8,O(CH2)2マタハ3R5,O(CH2)2マタハ3R6,O(CH2)2マタハ3R7,O(CH2)2マタハ3R8,O(CH2)2マタハ3OR6,O(CH2)2マタハ3OR7,NR4(CO)OR6,NR4(CO)R5,NR4(CH2)2マタハ3R,NR4(CH2)2マタハ3R6,NR4(CH2)2マタハ3R7,NR4(CH2)2マタハ3R8,NR4(CH2)2マタハ3OR6,NR4(CH2)2マタハ3OR7
ここで,
R4=H,C1−C6アルキル
R5=
【化10】
R6=H,C1−C6アルキル,イソプロピル,イソブチル,secブチル,t−ブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,シクロペンチルメチレン,シクロヘキシルメチレン
R7=フェニル,モノフルオロフェニル,ジフルオロフェニル,トリフルオロフェニル,トリフルオロメチルフェニル,クロロフェニル,ジクロロフェニル,モノフルオロ−モノクロロフェニル,ジフルオロ−モノクロロフェニル,モノフルオロ−モノメチルフェニル,メチル−フェニル,ジメチルフェニル
R8=
【化11】
R81=互いに独立して(F,Cl,CF3,C1−C6アルキル)0,1マタハ2
R9=
【化12】
の化合物。
【請求項2】
式II:
【化13】
式中,
R1=メチル,フェニル
R2=H,メチル
R3=H,F,Cl,CF3,ジフルオロ,トリフルオロ,ジクロロ,モノフルオロ−モノクロロ,メチル,ジメチル,モノフルオロ−モノメチル
X=カルボニル,R9,CR4CN,CHR5,CH(COH(CH3)2),CR4(OR6),CR6(OR4),CR6ベンジルオキシ,CR6(2−メトキシエトキシ),CR6[(2−メトキシエトキシ)メトキシ],CR6[(2−メトキシエトキシ)エトキシ],CR4(CO)OR4,CR4(CO)N(R4)2,CR4(CO)R5,CR4(CO)R4,CR4(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(OR4)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(Oトリメチルシリル)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ
ここで,k=1,2,3;m=0,1;n=0,1,2,
Y=CR4R6,1,1−シクロペンチル,1,1−シクロヘキシル,
Z=R5,R6,R7,R8,CN,(CO)OR6,(CO)R4,OR6,(CO)R5,(CO)R8,NR4(CO)R5
ここで,
R4=H,C1−C6アルキル
R5=
【化14】
R6=H,C1−C6アルキル,イソプロピル,イソブチル,secブチル,t−ブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,
R7=フェニル,モノフルオロフェニル,ジフルオロフェニル,トリフルオロフェニル,トリフルオロメチルフェニル,クロロフェニル,ジクロロフェニル,モノフルオロ−モノクロロフェニル,ジフルオロ−モノクロロフェニル,モノフルオロ−モノメチルフェニル,メチルフェニル,ジメチルフェニル
R8=
【化15】
R9=
【化16】
の請求項1記載の化合物。
【請求項3】
表1(図1〜29)にアスタリスク(*)を付して記載され,下記の生成物番号(PN):29,79,83,111,131,135,139,143,147,156,158,160,162,166,168,190,194,224,230,249,287,320:
【化17】
【化18】
【化19】
を有する化合物。
【請求項4】
式IまたはIIの化合物を薬剤物質として含む医薬組成物。
【請求項5】
糖尿病の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用。
【請求項6】
高脂血症の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用。
【請求項7】
糖尿病性脂質異常症の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用。
【請求項8】
メタボリック・シンドロームの治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用。
【請求項9】
肥満の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用。
【請求項10】
代謝機能不全に関連する疾病の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用。
【請求項1】
式I:
【化9】
式中,
R1=C1−C6アルキル,フェニル,置換フェニル
R2=H,C1−C6アルキル,アルキル−シクロアルキル
R3=(R31)k
ここで,k=0,1,2,3
R31=H,F,Cl,Br,CF3,C1−C6アルキル,(R32)k
ここで,k=4,5
R32=H,F
X=カルボニル,R9,CR4CN,CHR5,CH(COH(CH3)2),CR4(OR6),CR6(OR4),CR6ベンジルオキシ,CR6(2−メトキシエトキシ),CR6[(2−メトキシエトキシ)メトキシ],CR6[(2−メトキシエトキシ)エトキシ],CR4(CO)OR4,CR4(CO)N(R4)2,CR4(CO)R5,CR4(CO)R4,CR4(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(OR4)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,
C(Oトリメチルシリル)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ
ここで,k=1,2,3,4;m=0,1;n=0,1,2,3
Y=CR4R6,1,1−シクロペンチル,1,1−シクロヘキシル,
Z=R5,R6,R7,R8,CN,(CO)OR6,(CO)R4,OR6,OR7,O(CO)R5,(CO)R5,(CO)R8,O(CH2)2マタハ3R5,O(CH2)2マタハ3R6,O(CH2)2マタハ3R7,O(CH2)2マタハ3R8,O(CH2)2マタハ3OR6,O(CH2)2マタハ3OR7,NR4(CO)OR6,NR4(CO)R5,NR4(CH2)2マタハ3R,NR4(CH2)2マタハ3R6,NR4(CH2)2マタハ3R7,NR4(CH2)2マタハ3R8,NR4(CH2)2マタハ3OR6,NR4(CH2)2マタハ3OR7
ここで,
R4=H,C1−C6アルキル
R5=
【化10】
R6=H,C1−C6アルキル,イソプロピル,イソブチル,secブチル,t−ブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,シクロペンチルメチレン,シクロヘキシルメチレン
R7=フェニル,モノフルオロフェニル,ジフルオロフェニル,トリフルオロフェニル,トリフルオロメチルフェニル,クロロフェニル,ジクロロフェニル,モノフルオロ−モノクロロフェニル,ジフルオロ−モノクロロフェニル,モノフルオロ−モノメチルフェニル,メチル−フェニル,ジメチルフェニル
R8=
【化11】
R81=互いに独立して(F,Cl,CF3,C1−C6アルキル)0,1マタハ2
R9=
【化12】
の化合物。
【請求項2】
式II:
【化13】
式中,
R1=メチル,フェニル
R2=H,メチル
R3=H,F,Cl,CF3,ジフルオロ,トリフルオロ,ジクロロ,モノフルオロ−モノクロロ,メチル,ジメチル,モノフルオロ−モノメチル
X=カルボニル,R9,CR4CN,CHR5,CH(COH(CH3)2),CR4(OR6),CR6(OR4),CR6ベンジルオキシ,CR6(2−メトキシエトキシ),CR6[(2−メトキシエトキシ)メトキシ],CR6[(2−メトキシエトキシ)エトキシ],CR4(CO)OR4,CR4(CO)N(R4)2,CR4(CO)R5,CR4(CO)R4,CR4(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(OR4)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ,C(Oトリメチルシリル)(CH2)k(Y)m(CH2)nZ
ここで,k=1,2,3;m=0,1;n=0,1,2,
Y=CR4R6,1,1−シクロペンチル,1,1−シクロヘキシル,
Z=R5,R6,R7,R8,CN,(CO)OR6,(CO)R4,OR6,(CO)R5,(CO)R8,NR4(CO)R5
ここで,
R4=H,C1−C6アルキル
R5=
【化14】
R6=H,C1−C6アルキル,イソプロピル,イソブチル,secブチル,t−ブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,
R7=フェニル,モノフルオロフェニル,ジフルオロフェニル,トリフルオロフェニル,トリフルオロメチルフェニル,クロロフェニル,ジクロロフェニル,モノフルオロ−モノクロロフェニル,ジフルオロ−モノクロロフェニル,モノフルオロ−モノメチルフェニル,メチルフェニル,ジメチルフェニル
R8=
【化15】
R9=
【化16】
の請求項1記載の化合物。
【請求項3】
表1(図1〜29)にアスタリスク(*)を付して記載され,下記の生成物番号(PN):29,79,83,111,131,135,139,143,147,156,158,160,162,166,168,190,194,224,230,249,287,320:
【化17】
【化18】
【化19】
を有する化合物。
【請求項4】
式IまたはIIの化合物を薬剤物質として含む医薬組成物。
【請求項5】
糖尿病の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用。
【請求項6】
高脂血症の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用。
【請求項7】
糖尿病性脂質異常症の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用。
【請求項8】
メタボリック・シンドロームの治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用。
【請求項9】
肥満の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用。
【請求項10】
代謝機能不全に関連する疾病の治療または予防用の医薬組成物を製造するための,請求項1〜3のいずれかに記載の式IまたはIIの化合物の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公表番号】特表2011−506485(P2011−506485A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538265(P2010−538265)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【国際出願番号】PCT/AT2008/000458
【国際公開番号】WO2009/076693
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(510163927)55 ファルマ ドラッグ ディスカバリー アンド ディベロップメント アーゲー (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【国際出願番号】PCT/AT2008/000458
【国際公開番号】WO2009/076693
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(510163927)55 ファルマ ドラッグ ディスカバリー アンド ディベロップメント アーゲー (2)
【Fターム(参考)】
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