説明

紙受け装置

【課題】印刷済みの用紙をU字状態を維持しつつ落下させる方法では、剛性の高い用紙を使用する場合、落下途中で横幅ガイド間に用紙が引っ掛かかり、積載不良の原因となる。
【解決手段】U字状に曲げられた状態で落下する印刷済み用紙Pを受け取って、上下方向に上記用紙Pの積層体Aを形成する紙受け装置3において、横ジョガー動作制御及び引掛り防止制御を実行する。横ジョガー動作制御は、積層体Aの左右位置を揃えるために、落下する用紙Pの発生に応じて所定時間の間、第1横幅ガイド150、160を、横基準位置P50、P60を含む第1横変動幅VS1、VS1の範囲内で、第1周波数f1で往復運動させる。引掛り防止制御は、第2横幅ガイド250、260への用紙Pの引掛りを防止するために、常に、第2横幅ガイド250、260を、横基準位置P50、P60を含む第2横変動幅VS2、VS2の範囲内で、第2周波数f2で振動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機本体から排出される多量の印刷用紙を、綺麗に揃えて積載する紙受け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷機本体から排出される多量の用紙を、揃えて積載する紙受け装置がある。紙受け装置は、紙受け台上に、横幅より狭い間隔で一対の横幅ガイドを配置している。印刷機本体の用紙排出側の端部にはU字形成幅ガイド機構が配置されており、印刷済みの用紙は、横幅方向(用紙排出方向と直角方向)の両端が高くなるU字状に形成された後、紙受け装置に供給される。U字状の用紙は一対の横幅ガイド間を落下するので、U字状態に維持された状態で落下し、紙受け台上に積載される(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−35247号公報
【特許文献2】特開2004−83221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
U字状態で排出される印刷済みの用紙を、単に、一対の横幅ガイド間でU字状態を維持しつつ落下させる方法では、用紙の種類によって、特に、硬くて腰の強い(剛性の高い)用紙を使用する場合、落下途中で横幅ガイド間に用紙が引っ掛かかり、後続の用紙が次々とその上に積載され、積載不良の原因となることがある。
【0005】
(発明の目的)
本発明は、印刷用紙の種類に関係無く、印刷機本体からU字状態で排出される印刷済みの用紙を、U字状態に維持しつつ、横幅ガイドに引っ掛かることなく、紙受け台上に整然とU字状に積載できる紙受け装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明は、所定の前後方向から見てU字状に曲げられた状態で落下する印刷済み用紙を受け取って、上下方向に上記用紙の積層体を形成する、紙受け装置において、上記紙受け装置が、上記用紙を載置するための紙受け台と、上記紙受け台の上方で互いに上記前後方向に対して直交する左右方向に対向して配置され、少なくとも一方が上記左右方向に沿って移動可能である、一対の横幅ガイドと、上記移動可能な横幅ガイドを上記左右方向で移動させる、横駆動装置と、上記前後方向から見られた上記用紙が描く曲線の長さに相当する、上記用紙の横幅の情報を取得する、横幅情報取得部と、上記横駆動装置を制御する、制御部と、新たな上記用紙が上記紙受け台に向けて落下したという情報を取得する、落下情報取得部と、基準横調整幅、第1横変動幅、上記第1横変動幅よりも小さな第2横変動幅、第1周波数、及び上記第1周波数より大きな第2周波数、を記憶する、記憶部と、を備えており、上記制御部は、上記一対の横幅ガイド間の間隔が上記横幅よりも上記基準横調整幅だけ小さな間隔となるように、上記移動可能な横幅ガイドを横基準位置に移動させると共に、横ジョガー動作制御及び引掛り防止制御を実行するものであり、上記横ジョガー動作制御は、積層された上記用紙の左右位置を揃えるために、上記新たな用紙の落下に応じて所定時間の間、上記移動可能な横幅ガイドを、上記横基準位置を含む上記第1横変動幅の範囲内で、上記第1周波数で往復運動させる、制御であり、上記引掛り防止制御は、上記横幅ガイドへの上記用紙の引掛りを防止するために、横ジョガー動作制御の実行中を除いて、上記移動可能な横幅ガイドを、上記横基準位置を含む上記第2横変動幅の範囲内で、上記第2周波数で振動させる、制御である。
【0007】
第2発明は、所定の前後方向から見てU字状に曲げられた状態で落下する印刷済み用紙を受け取って、上下方向に上記用紙の積層体を形成する、紙受け装置において、上記紙受け装置が、上記用紙を載置するための紙受け台と、上記紙受け台の上方で互いに上記前後方向に対して直交する左右方向に対向して配置され、少なくとも一方が上記左右方向に沿って移動可能である、一対の第1横幅ガイドと、上記紙受け台の上方で互いに上記左右方向に対向して配置され、少なくとも一方が上記左右方向に沿って移動可能である、一対の第2横幅ガイドと、上記移動可能な第1横幅ガイドを上記左右方向で移動させる、第1横駆動装置と、上記移動可能な第2横幅ガイドを上記左右方向で移動させる、第2横駆動装置と、記前後方向から見られた上記用紙が描く曲線の長さに相当する、上記用紙の横幅の情報を取得する、横幅情報取得部と、上記第1横駆動装置及び上記第2横駆動装置を制御する、制御部と、新たな上記用紙が上記紙受け台に向けて落下したという情報を取得する、落下情報取得部と、基準横調整幅、第1横変動幅、上記第1横変動幅よりも小さな第2横変動幅、第1周波数、及び上記第1周波数より大きな第2周波数、を記憶する、記憶部と、を備えており、上記制御部は、上記一対の第1横幅ガイド間の間隔及び上記一対の第2横幅ガイド間の間隔が上記横幅よりも上記基準横調整幅だけ小さな間隔となるように、上記移動可能な第1及び第2横幅ガイドを横基準位置に移動させると共に、横ジョガー動作制御及び引掛り防止制御を実行するものであり、上記横ジョガー動作制御は、積層された上記用紙の左右位置を揃えるために、上記新たな用紙の落下に応じて所定時間の間、上記移動可能な第1横幅ガイドを、上記横基準位置を含む上記第1横変動幅の範囲内で、上記第1周波数で往復運動させる、制御であり、上記引掛り防止制御は、上記第2横幅ガイドへの上記用紙の引掛りを防止するために、常に、上記移動可能な第2横幅ガイドを、上記横基準位置を含む上記第2横変動幅の範囲内で、上記第2周波数で振動させる、制御である。
【0008】
第1発明及び第2発明は、次の構成(a)(b)(c)を採用することが好ましい。
【0009】
(a)上記紙受け装置が、上記基準横調整幅、上記第1横変動幅、上記第2横変動幅、上記第1周波数、及び上記第2周波数の少なくとも1つを変更する変更指令を取得する、変更指令取得部を備えており、上記制御部は、上記変更指令に基づいて、記憶部に記憶されている、上記基準横調整幅、上記第1横変動幅、上記第2横変動幅、上記第1周波数、及び上記第2周波数を、変更する。
【0010】
(b)上記紙受け装置が、更に、上記用紙の種類の情報を取得する種類情報取得部を、備えており、上記基準横調整幅、上記第1横変動幅、上記第2横変動幅、上記第1周波数、及び上記第2周波数が、異なる上記種類毎及び/又は異なる上記横幅毎に、設定されている。
【0011】
(c)上記紙受け装置が、更に、上記紙受け台の上方で互いに上記前後方向に対向して配置され、少なくとも一方が上記前後方向に沿って移動可能である、一対の縦幅ガイドと、上記移動可能な縦幅ガイドを上記前後方向で移動させる、縦駆動装置と、上記用紙の上記前後方向における長さである縦幅の情報を取得する、縦幅情報取得部と、を備えており、上記記憶部が、基準縦調整幅、第1縦変動幅、第3周波数、を記憶しており、上記制御部が、上記縦駆動装置を制御するものであり、上記制御部は、上記一対の縦幅ガイド間の間隔が上記縦幅よりも上記基準縦調整幅だけ小さな間隔となるように、上記移動可能な縦幅ガイドを縦基準位置に移動させると共に、縦ジョガー動作制御を実行するものであり、縦ジョガー動作制御は、積層された上記用紙の前後位置を揃えるために、上記新たな用紙の落下に応じて所定時間の間、上記移動可能な縦幅ガイドを、上記縦基準位置を含む上記第1縦変動幅の範囲内で、上記第3周波数で往復運動させる、制御である。
【発明の効果】
【0012】
第1発明によれば、横ジョガー動作制御によって、積層体を左右方向で揃えることができる。また、引掛り防止制御によって、一対の横幅ガイドが振動するので、用紙が一対の横幅ガイド間に引っ掛かることなく、確実に落下する。このため、落下が中断された用紙によって、後続の用紙の落下が止められることがない。したがって、用紙の積層における不良を防止できる。
【0013】
第2発明によれば、横ジョガー動作制御によって、積層体を左右方向で揃えることができる。また、引掛り防止制御によって、一対の第2横幅ガイドが振動するので、用紙が一対の第2横幅ガイド間に引っ掛かることなく、確実に落下する。このため、落下が中断された用紙によって、後続の用紙の落下が止められることがない。したがって、用紙の積層における不良を防止できる。さらに、独立した二組の左右一対のガイド、すなわち第1横幅ガイド及び第2横幅ガイドが存在するので、横ジョガー動作制御と引掛り防止制御とを独立に設定できる。
【0014】
更に、構成(a)によれば、基準横調整幅、第1横変動幅、第2横変動幅、第1周波数、及び第2周波数を変更できる。このため、用紙の横幅や用紙の種類に応じて、用紙の引っ掛かりを適切に防止できると共に、積層体を左右方向に適切に揃えることができる。
【0015】
更に、構成(b)によれば、基準横調整幅、第1横変動幅、第2横変動幅、第1周波数、及び第2周波数が、用紙の横幅及び/又は用紙の種類毎に設定されている。このため、横幅及び種類を特定するだけで、横幅及び種類に適した横ジョガー動作及び引掛り防止制御を実行できる。
【0016】
更に、構成(c)によれば、縦ジョガー動作制御によって、積層体を前後方向で揃えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態の紙受け装置を備えた孔版印刷機を示す側面図である。
【図2】第1実施形態の紙受け装置を備えた孔版印刷機を示す平面図である。
【図3】孔版機本体のU字形成幅ガイド機構を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態の紙受け装置を示す平面図である。
【図5】第1実施形態の紙受け装置を示す正面図である。
【図6】第1実施形態の紙受け装置を示す側面図である。
【図7】第1実施形態の紙受け装置を示す正面図である。
【図8】第1実施形態の紙受け装置を示す側面図である。
【図9】第2実施形態の紙受け装置を示す正面図である。
【図10】第3実施形態の紙受け装置を示す正面図である。
【図11】第4実施形態の紙受け装置を示す正面図である。
【図12】第5実施形態の紙受け装置を備えた孔版印刷機を示す斜視図である。
【図13】第5実施形態の紙受け装置を示す斜視図である。
【図14】第5実施形態における幅ガイドの駆動機構を示す斜視図である。
【図15】第5実施形態における第1横幅ガイドの駆動機構を示す斜視図である。
【図16】第5実施形態における第1横幅ガイドの駆動機構を示す斜視図である。
【図17】第5実施形態の紙受け装置を示す正面図である。
【図18】第5実施形態の紙受け装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(孔版印刷機の全体の概要)
図1は孔版印刷機の側面図であり、図2は孔版印刷機の平面図である。図1、図2において、説明の都合上、用紙供給側(図面の左側)を「後方」と称し、用紙搬送側、すなわち用紙排出側(図面の右側)を「前方」と称し、また、前方から見た左右方向を、印刷機及び用紙Pの左右方向として、以下説明する。
【0019】
図1において、孔版印刷機は、印刷機本体1、給紙装置2、紙受け装置3、画像読取装置4、及び操作パネル120、を備えている。印刷機本体1を基準として、後側に給紙装置2が設けられ、前側に紙受け装置3が設けられ、上側に画像読取装置4が設けられている。操作パネル120は、画像読取装置4の左側に設けられている。
【0020】
給紙装置2は、床面に設置された基台15と、該基台15上に支持された給紙ユニット16と、から構成されている。該給紙ユニット16は、昇降可能な給紙台17、左右一対の横幅ガイド13、エア吸着式給紙機構18及び捌き板19と、用紙サイズセンサ24と、を備えている。給紙ユニット16は、給紙台17上に積載されている印刷用紙Pを、上から一枚ずつ印刷機本体1の搬送装置9へと供給する。用紙サイズセンサ24は、給紙台17上の用紙Pの横幅WS及び縦幅WLを検出する。
【0021】
印刷機本体1内には、前後方向の概ね中間部に印刷ユニット5が設けられ、該印刷ユニット5の後上方には製版装置6が設けられ、印刷ユニット5の前上方には排版装置7が設けられ、給紙装置2と印刷ユニット5との間には、搬送装置9及びタイミングローラ26が設けられ、印刷ユニット5と紙受け装置3との間には排紙装置8が設けられている。
【0022】
印刷ユニット5は、インク供給ローラ10が内接すると共に矢印R方向に回転駆動する印刷用版胴11と、該印刷用版胴11に下方から当接自在に対向する上下方向移動可能な押圧ローラ12と、から構成され、印刷用版胴11と押圧ローラ12との間で印刷用紙Pの上面に印刷するようになっている。
【0023】
排紙装置8は、エア吸引式ベルト搬送機構27と、該エア吸引式ベルト搬送機構27の前部に配置されたU字形成幅ガイド機構28と、用紙通過センサ29と、を備えている。エア吸引式ベルト搬送機構27は、左右方向で複数列の排紙ベルト30と、吸引ボックス31と、吸引ファン32と、から構成されており、吸引ファン32の空気吸引作用により、印刷用紙Pを排紙ベルト30上に吸着し、搬送方向Fに搬送するようになっている。用紙通過センサ29は、U字形成幅ガイド機構28を通過する用紙の有無を検出する。
【0024】
紙受け装置3は、紙受け台40と、該紙受け台40に設けられたU字状態保持部材49と、紙受け台40の上方で左右方向の両側に配置された一対の横幅ガイド50,60と、紙受け台40の上方で前後方向の両側に配置された縦幅ガイド70、80と、を備えている。
【0025】
操作パネル120は、表示出力部121と、操作入力部122と、を備えている。表示出力部121は、ディスプレイである。操作入力部122は、キー及びダイヤルで構成されている。ユーザは操作入力部122を介して孔版印刷機に、種々の設定値や印字指令を、入力できる。
【0026】
図2において、給紙装置2上の左右の横幅ガイド13間の中心線を符号O1で示し、印刷機本体1内の印刷版胴11の左右幅の中心線を符号O2で示し、前述のように紙受け装置2の左右のU字状保持部材49間の中心線を符号O3で示し、また、用紙Pの横幅の中心線を符号OPで示している。孔版印刷機における中心線O1,O2,O3は、同一直線上に揃っている。特に、用紙Pの左右中心線OPが孔版印刷機における中心線O1,O2,O3と一致するように、用紙Pが搬送される。
【0027】
用紙Pは矩形であり、縦幅WLと横幅WSとを有している。給紙装置2内において、用紙Pは、平らな状態に保たれている。用紙Pの縦幅WLは、用紙Pが搬送される方向を基準として、定義されている。つまり、縦幅WLは給紙装置2の前後方向における用紙Pの長さであり、横幅WSは給紙装置2の左右方向における用紙Pの長さである。なお、横幅WSが縦幅WLよりも長くてもよい。
【0028】
給紙装置2において、左右の横幅ガイド13間の間隔はD0である。間隔D0は、用紙Pの横幅WSに一致する。つまり、横幅ガイド13間の用紙Pは、平らな状態に保たれている。用紙Pは、U字形成幅ガイド機構28に到達するまで、平らな状態で搬送される。一方、用紙Pは、U字形成幅ガイド機構28において、幅方向で撓ませられて、正面視U字状に曲げられる。以下、用紙Pについて、前後方向より見てU字状に曲げられた状態を、「U字状態」と称する。紙受け装置3において、左右の横幅ガイド50、60間の間隔はD1である。間隔D1は、間隔D0より小さい。つまり、横幅ガイド50、60間の用紙Pは、U字状態に保たれている。U字形成幅ガイド機構28及び紙受け装置3について、以下で詳しく説明する。
【0029】
図3は排紙装置8のU字形成幅ガイド機構28の一例を示している。U字形成幅ガイド機構28は、排紙ベルト31の上面(用紙搬送面)に沿って配置された左右一対の持ち上げ幅ガイド部33と、各持ち上げ幅ガイド部33の左右方向の両側にそれぞれ立設された左右一対の絞り込み幅ガイド部34と、から構成されている。この絞り込み幅ガイド部34は省略することができる。
【0030】
持ち上げ幅ガイド部33は、三角錐状に形成されており、側方から見て、排紙ベルト21の上面に略一致する高さの後端33aから前方に向けて所定角度をもって高くなり、側端側前端33bが最も高くなっている。また、前方から見て、中央側前端33cから側端側前端33bに向かって高くなっている。さらに、持ち上げ幅ガイド部33は、上方から見て、前方に向かって左右幅が広がるように形成されている。
【0031】
このため、用紙PがU字形成幅ガイド機構28を通過するときに、用紙Pの中央部分が吸引ベルト31に吸引された状態で、用紙Pの左右端部が、持ち上げ幅ガイド部33により徐々に持ち上げられる。したがって、用紙Pの全体が上向きのU字状に変形された状態で、用紙PがU字形成幅ガイド機構28から前方(F)に排出される。用紙Pは、U字形成幅ガイド機構28を通過することによって、前後方向から見てU字状となるように、曲げられる。
【0032】
用紙Pは、U字形成幅ガイド機構28を通過した後、U字状である。このため、U字状に曲げられた状態の用紙Pの横幅は、平らな状態にある用紙Pの横幅WSとは、相違する。以下、横幅WSは、平らな状態(一平面内にある状態)における用紙Pの左右方向における長さを指す。別の表現をすると、平らな状態の横幅WSは、前後方向から見られたU字状の用紙Pが描く曲線の長さに相当する。
【0033】
(第1実施形態の構成)
図4は、第1実施形態の紙受け装置3の正面図である。第1実施形態の紙受け装置3は、紙受け台タイプである。紙受け台タイプは、水平方向に移動可能な幅ガイド50、60、及び70が、紙受け台40に支持されているタイプの紙受け装置を意味する。紙受け台タイプでは、紙受け台40の上下位置は固定されている。つまり、紙受け台40は、移動可能な幅ガイド50、60、及び70に対して、上下方向に移動しない。このため、用紙Pは、幅ガイド50、60、及び70の上下幅の範囲内に、積層できる。
【0034】
紙受け装置3は、概略的には、次のようにして、紙受け台40上に用紙Pを積層する。孔版機本体1(U字形成幅ガイド機構28)から排出された用紙Pは、紙受け台40の上方から落下を開始し、その後、左右一対の横幅ガイド50、60及び前後一対の縦幅ガイド70、80の間を通過して、紙受け台40及びU字状態保持部材49の上面に到達する。用紙Pが次々に落下すると、紙受け台40及びU字状態保持部材49の上に、用紙Pの積層体Aが形成される。
【0035】
紙受け装置3は、移動可能な横幅ガイド50、60を、それぞれ左右方向で移動させる横駆動装置として、駆動モータ51、61と、伝動機構52、62と、を備えている。また、紙受け装置3は、移動可能な縦幅ガイド70を、前後方向で移動させる縦駆動装置として、駆動モータ71と伝動機構72とを備えている。また、紙受け装置3は、制御部301と、記憶部302と、接続機器303と、を備えている。
【0036】
左右方向の横幅ガイド50,60は、紙受け台40の上面に対して略垂直姿勢に立設される共に、左右方向に移動可能となっており、それぞれ伝動機構52、62を介して駆動モータ51、61に連結されており、個別に左右方向に移動できるようになっている。
【0037】
前後方向の縦幅ガイド70,80は、紙受け台40の上面に対して略垂直姿勢に立設される。縦幅ガイド80は固定されているが、縦幅ガイド70は前後方向に移動可能となっている。縦幅ガイド70は、伝動機構72を介して駆動モータ71に連結されており、前後方向に移動できるようになっている。
【0038】
制御部301は、駆動モータ51、61、及び71を制御することによって、横幅ガイド50、60及び縦幅ガイド70の位置を独立に制御できる。特に、制御部301は、用紙Pの横幅WS及び縦幅sLと新たな用紙Pの落下の発生とに基づいて、幅ガイド50、60、及び70の位置を制御する。
【0039】
記憶部302は、基準横調整幅AS0、第1横調整幅AS1、第2横調整幅AS2、第1横変動幅VS1、第2横変動幅VS2、基準縦調整幅AL0、第1縦調整幅AL1、第1縦変動幅VL1、第1周波数f1、第2周波数f2、及び第3周波数f3、を記憶する。これらの値は、移動可能な幅ガイド50、60、及び70の制御において用いられる設定値である。
【0040】
上記設定値は、次の構成により、変更可能である。ユーザは、操作入力部22を操作することによって、設定値の変更指令を入力できる。変更指令は、少なくとも1つの設定値を変更するための指令である。入力された変更指令は、制御部100及び接続機器303を介して、制御部301に送信される。制御部301は、変更指令に基づいて、記憶部302に記憶されている各設定値を変更する。ここで、接続機器303が、紙受け装置3内において、全設定値の少なくとも1つを変更する変更指令を取得する「変更指令取得部」に相当する。
【0041】
また、記憶部302は、複数の設定値セットを記憶することができる。各設定値セットは、一組の全設定値の集合であり、基準横調整幅AS0、第1横調整幅AS1、第2横調整幅AS2、第1横変動幅VS1、第2横変動幅VS2、基準縦調整幅AL0、第1縦調整幅AL1、第1縦変動幅VL1、第1周波数f1、第2周波数f2、及び第3周波数f3よりなっている。また、各設定値セットは、異なる種類及び/又は異なる横幅毎に、設定されている。種類は、剛性の点で相違する用紙Pの種類を意味しており、用紙Pの厚み及び材質の違いを指している。ユーザは、操作入力部22を操作することによって、設定値セットの指定指令を入力できる。指定指令は、幅ガイド50、60、46の制御において使用する設定値セットを特定するための指令である。入力された指定指令は、制御部100及び接続機器303を介して、制御部301に送信される。制御部301は、指定指令に基づいて、次の制御において使用する設定値セットを特定する。指定指令は、用紙Pの横幅WS及び種類の情報を含んでいる。ここで、接続機器303が、紙受け装置3内において、用紙Pの種類の情報を取得する「種類情報取得部」に相当する。
【0042】
制御部301は、次の構成により、新たな用紙Pが紙受け台40に向けて落下したという情報を取得できる。上述したように、用紙通過センサ29は、U字形成幅ガイド機構28を通過する用紙Pを検出できる。ここで、用紙センサ29が用紙Pを検出したことは、紙受け台40に向けて新たに落下する用紙Pが発生したことを意味する。用紙通過センサ29による検出信号は、制御部100及び接続機器303を介して、制御部301に送信される。ここで、接続機器303が、紙受け装置3内において、新たな用紙Pが紙受け台40に向けて落下したという情報を取得する「落下情報取得部」に相当する。なお、落下情報取得部は、紙受け装置3内において、新たな用紙Pの落下を検出できるセンサとすることができる。この場合、センサは、紙受け装置3における用紙Pの落下経路上に配置される。
【0043】
制御部301は、次の構成により、用紙Pの横幅WS及び縦幅WLの情報を取得できる。紙受け装置3に供給される用紙Pは、給紙装置2から供給され、孔版機本体1において印刷処理が実行された用紙である。上述したように、用紙サイズセンサ24は、給紙装置2内の用紙Pの横幅WS及びWLを検出できる。用紙通過センサ29による検出信号は、制御部100及び接続機器303を介して、制御部301に送信される。ここで、接続機器303が、紙受け装置3内において、用紙Pの横幅の情報を取得する「横幅情報取得部」と、縦幅WLの情報を取得する「縦幅情報取得部」と、に相当する。
【0044】
U字状態保持部材49は、中心線O3に対して左右対称に配置されると共に、前後方向に間隔を空けて配置されている。U字状態保持部材49は、上記中心線O3から左右方向の外方に向かって高くなる三角形状に形成されている。
【0045】
図5において、各U字状態保持部材49は、左右方向で中心O3側の端部が、紙受け台40に、回動軸49aを介して回動自在に支持されている。各U字状態保持部材49は、回動軸49a回りに回動することにより、紙受け台40の上面に対する傾斜角度θ1を変更できるようになっている。すなわち、剛性の高い厚紙等を積載する場合は傾斜角θ1を小さくし、剛性の低い薄い紙等を積載する場合には傾斜角度紙θ1を大きく設定できるようになっている。
【0046】
(第1実施形態の作動)
孔版印刷機の作動に伴って紙受け装置3も作動される。具体的には、次のような手順が実行される。まず、ユーザが操作パネル120の操作を介して孔版機本体1の制御部100に印字指令を入力する。このとき、ユーザは、定型A4サイズ横など、印字対象の用紙Pのサイズ及び向きも入力する。サイズ及び向きは、横幅WS及び縦幅WLを意味する。このため、制御部100は、印字指令において指定された用紙Pについて、横幅WS及び縦幅WLを特定できる。また、制御部100は、給紙装置2の給紙台17上の用紙Pのサイズ及び向きを、用紙サイズセンサ24を用いて、検出できる。制御部100は、サイズ及び向きの点で、印字指令において指定された用紙Pと給紙台17上の用紙Pとが同一であるか否かを確認する。
【0047】
指定された用紙Pと給紙台17上の用紙Pとが同一であれば、制御部100は、印字処理を開始する。また、制御部100は、確認された用紙Pの横幅WS及び縦幅WLを、制御部301に送信する。
【0048】
印字処理が開始されると、給紙装置2は用紙Pを印刷機本体1に供給する。用紙Pは印刷機本体1で印刷された後、紙受け装置3に供給される。印字指令が複数枚の印字処理を指令している場合、1枚の印字処理が終了すると、次の1枚の印字処理が開始される。
【0049】
紙受け装置3に供給される用紙Pは、U字形成幅ガイド機構28を通過するので、前後方向から見てU字状に曲げられた状態で、紙受け装置3に落下する。U字状の用紙Pは、U字形成幅ガイド機構28を通過した後に、左右の幅ガイド50、60間且つ前後の幅ガイド70、80間の上方に到達する。その後、下方に落下する。
【0050】
一方、制御部301は、印字処理の開始に伴って、印字済み用紙Pが紙受け装置3に供給される前に、用紙Pに合わせて、左右の横幅ガイド50、60間の間隔と、前後の縦幅ガイド70、80間の間隔と、を調整する。
【0051】
図5に示されるように、制御部301は、左右の横幅ガイド50、60間の間隔が基準間隔D1となるように、横幅ガイド50、60をそれぞれ横基準位置P50、P60に移動させる。ここで、横幅ガイド50、60の位置は、正確には、横幅ガイド50のガイド面50a及び横幅ガイド60のガイド面60aの位置を指している。ガイド面50a、60aは、横幅ガイド50、60において、用紙Pが接触する鉛直面である。基準間隔D1は、取得された横幅WSよりも基準横調整幅AS0だけ小さな間隔である(D1=WS−AS0)。つまり、横幅ガイド50、60間の間隔が、横幅WSよりも少し小さくなる。このため、横幅ガイド50、60間を落下する用紙Pが、U字状に保たれる。
【0052】
図6に示されるように、制御部301は、前後の縦幅ガイド70、80間の間隔が縦幅WLとなるように、縦幅ガイド70を縦基準位置P70に移動させる。縦幅ガイド70、80の位置も、正確には、縦幅ガイド70のガイド面70a及び縦幅ガイド60のガイド面80aの位置を指している。
【0053】
図5において、制御部301は、印字処理の実行中、引掛り防止制御を実行する。引掛り防止制御は、横幅ガイド50、60への用紙Pの引掛りを防止するための制御である。
【0054】
引掛り防止制御において、制御部301は、横幅ガイド50、60を、横基準位置P50、P60を含む第2横変動幅VS2の範囲内で、第2周波数f2で振動させる。
【0055】
図5において、横幅ガイド50における第2横変動幅VS2は、横基準位置P50と外側位置P502aとを両端として設定されている。横幅ガイド60における第2横変動幅VS2は、横基準位置P60と外側位置P602aとを両端として設定されている。外側位置P502aは横基準位置P50の左側に位置し、外側位置P602aは横基準位置P50の右側に位置している。また、第2横変動幅VS2は、図示の便宜上、比較的大きな幅で記載されている。しかし、第2横変動幅VS2は、例えば0.5mm程度である。したがって、第2横変動幅VS2は、少なくとも10数センチ程度はある基準間隔D1と比べると、かなり小さな幅である。また、第2周波数f2は、例えば20Hz(回/秒)である。このとき、横幅ガイド50、60は、1秒間に第2横変動幅VS2の範囲内を20回往復する。
【0056】
また、制御部301は、印字処理の実行中において用紙Pが紙送り装置3に供給される度に、横ジョガー動作制御及び縦ジョガー動作制御を実行する。横ジョガー動作制御及び縦ジョガー動作制御は、それぞれ、積層体Aの左右位置及び前後位置を揃えるための制御である。
【0057】
横ジョガー動作制御において、制御部301は、落下する用紙Pの発生に応じて所定時間の間、横幅ガイド50、60を、横基準位置P50、P60を含む第1横変動幅VS1の範囲内で、第1周波数f1で往復運動させる。
【0058】
図5において、横幅ガイド50の移動範囲は、横基準位置P50と外側位置P501aとを両端とする第1横変動幅VS1である。横幅ガイド60の移動範囲は、横基準位置P60と外側位置P601aとを両端とする第1横変動幅VS1である。外側位置P501aは横基準位置P50の左側に位置し、外側位置P601aは横基準位置P50の右側に位置している。また、第1横変動幅VS1は、横幅WSの外側にも広がっている。第1横変動幅VS1が横幅WSの外側にも広がっている場合、瞬間的に、用紙Pを抑えるための横幅ガイド50、60が、横幅WS以上に広がることになる。このため、第1横変動幅VS1は、横幅WSの内側にのみ設定されてもよい。また、第1横変動幅VS1は、第2横変動幅VS2よりは、十分に大きな幅である。
【0059】
縦ジョガー動作制御において、制御部301は、落下する用紙Pの発生に応じて所定時間の間、縦幅ガイド70を、縦基準位置P70を含む第1縦変動幅VL1の範囲内で、第3周波数f3で往復運動させる。
【0060】
図6において、縦幅ガイド70の移動範囲は、縦基準位置P70と外側位置P701aとを両端とする第1縦変動幅VL1である。外側位置P701aは、縦基準位置P70の前側に位置している。
【0061】
横ジョガー動作制御及び縦ジョガー動作制御は、積層体Aに一枚新たな用紙Pが追加される度に実行できれば良い。このため、ジョガー動作制御の実行開始タイミングは、前回の用紙Pの落下の発生時点と、次回の用紙Pの落下の発生時点との間であれば、任意のタイミングにできる。
【0062】
横ジョガー動作制御及び縦ジョガー動作制御における幅ガイド50、60、及び70が往復運動する回数は、例えば、1回である。この回数は、2回以上であっても良い。また、ジョガー動作制御の実行終了後には、幅ガイド50、60、及び70は、必ず、初期位置(P50、P60、P70)に復帰する。
【0063】
横幅ガイド50、60は、横ジョガー動作制御及び引掛り防止制御において共有されている。このため、横ジョガー動作制御の実行時間及び実行タイミングが、引掛り防止制御の実行時間及び実行タイミングに干渉しうる。そこで、横ジョガー動作制御の実行時間は、前回の落下時点から今回の落下時点までの時間幅よりも必ず短くなるように、設定されている。このようにして、引掛り防止制御の実行時間が確保されている。このため、正確には、引掛り防止制御は、印字処理の実行中において横ジョガー動作制御の実行中を除いて、実行される。また、横ジョガー動作制御と引掛り防止制御との性質の違いのため、第2横変動幅VS2は第1横変動幅VS1よりも小さく、第2周波数f2は第1周波数f1よりも大きい。
【0064】
印刷機本体1において全ての印字処理が終了して所定時間が経過すると、制御部301は引掛り防止制御を終了させる。
【0065】
記憶部302が複数の設定値セットを記憶している場合、ユーザが横幅WS及び用紙Pの種類を指定すれば、指定された横幅WS及び用紙Pの種類に応じて、対応する設定値セットが自動的に選択される。そして、当該設定値セットに含まれる設定値(AS0、AS1、AS2、VS1、VS2、AL0、AL1、VL1、f1、f2、及びf3)に基づいて、横ジョガー動作制御と引掛り防止制御が実行される。ここで、横幅WSは、ユーザが印字指令を入力する際に、必然的に特定される。ユーザが用紙Pの種類に対応した制御を紙受け装置3に行わせたい場合、ユーザは、印字指令の入力時に、用紙Pの種類も入力する必要がある。
【0066】
また、ユーザは、各設定値(AS0、AS1、AS2、VS1、VS2、AL0、AL1、VL1、f1、f2、及びf3)を、設定値の変更指令を入力することによって、任意に変更できる。したがって、ユーザは、例えば用紙の種類の違いによる用紙の撓みにくさなどに応じて、1又は複数の設定値を適宜変更できる。
【0067】
用紙Pの種類が通常と異なる場合として、用紙Pが厚紙である場合がある。この場合、用紙Pの剛性が通常よりも高いので、ジョガー動作において、より強い力を、積層体Aに加えることができる。厚紙に応じた横ジョガー動作として、例えば、ジョガー動作における横幅ガイド50、60の移動範囲が変更される。
【0068】
図7には、横ジョガー動作において、横幅ガイド50、60が横基準位置P50、P60の内側にも移動する場合を示している。横幅ガイド50の移動範囲は、内側位置P501bと外側位置P501aとを両端とする第1横変動幅VS1である。内側位置P501bは、横基準位置P50よりも第1横調整幅AS1だけ内側にある位置である。同じく、横幅ガイド60の移動範囲は、内側位置P601bと外側位置P601aとを両端とする第1横変動幅VS1である。内側位置P601bは、横基準位置P60よりも第1横調整幅AS1だけ内側にある位置である。つまり、図7における横幅ガイド50、60の移動範囲は、図5における横幅ガイド50、60の移動範囲よりも、全体として内側に設定されている。なお、図5における横幅ガイド50、60の移動範囲は、AS1=0の場合である。
【0069】
設定値の変更によって、引掛り防止制御における横幅ガイド50、50の移動範囲や、縦ジョガー動作における縦幅ガイド70の移動範囲も変更できる。
【0070】
図7において、引掛り防止制御における横幅ガイド50の移動範囲は、内側位置P502bと外側位置P502aとを両端とする第1横変動幅VS2である。内側位置P502bは、横基準位置P50よりも第2横調整幅AS2だけ内側にある位置である。同じく、引掛り防止制御における横幅ガイド60の移動範囲は、内側位置P602bと外側位置P602aとを両端とする第2横変動幅VS2である。内側位置P602bは、横基準位置P60よりも第2横調整幅AS2だけ内側にある位置である。AS2=0のとき、内側位置P502b、P602bが、それぞれ、横基準位置P50、P60に等しい。
【0071】
図8において、縦ジョガー動作における縦幅ガイド70の移動範囲は、内側位置P701bと外側位置P701aとを両端とする第1縦変動幅VL1である。内側位置P701bは、縦基準位置P70よりも第1縦調整幅AL1だけ内側にある位置である。AL1=0のとき、内側位置P701bが縦基準位置P70に等しい。
【0072】
(第1実施形態の作用、効果)
第1実施形態では、横ジョガー動作制御によって、積層体Aを左右方向で揃えることができる。また、引掛り防止制御によって、一対の横幅ガイド50、60が振動するので、用紙Pが一対の横幅ガイド50、60間に引っ掛かることなく、確実に落下する。このため、落下が中断された用紙Pによって、後続の用紙Pの落下が止められることがない。したがって、用紙Pの積層における不良を防止できる。
【0073】
第1実施形態では、設定値(AS0、VS1、VS2、AL0、VL1、f1、f2、及びf3)を変更できる。このため、用紙Pの横幅WSや用紙Pの種類に応じて、用紙Pの引っ掛かりを適切に防止できると共に、積層体Aを左右方向に適切に揃えることができる。
【0074】
第1実施形態では、設定値(AS0、VS1、VS2、AL0、VL1、f1、f2、及びf3)が、用紙Pの横幅WS及び/又は用紙Pの種類毎に設定されている。このため、横幅WS及び種類を特定するだけで、横幅WS及び種類に適した横幅及び種類に適したジョガー動作及び引掛り防止制御を実行できる。
【0075】
第1実施形態では、更に、縦ジョガー動作制御によって、積層体Aを前後方向で揃えることができる。
【0076】
(第2実施形態)
第2実施形態の紙受け装置3は、横幅ガイド50、60の形状の点で、第1実施形態と相違する。その他の点では、第2実施形態と第2実施形態とは、同一である。
【0077】
図9に示すように、左右の横幅ガイド50,60は、それぞれ、下ガイド面50a、60aと、上ガイド面50b、60bと、を有している。上ガイド面50b、60bは、左右方向において、下ガイド面50a、60aの内側(中心線O3側)にある。用紙Pは、下ガイド面50a、60a上端から紙受け台40の上面までの範囲内に積層できる。
【0078】
第2実施形態の横幅ガイド50、60において、位置制御の対象部位は、下ガイド面50a、60aの位置である。第2実施形態において、下ガイド面50a、60a間の間隔及び下ガイド面50a、60aの位置が、第1実施形態と同様に制御される。
【0079】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態の紙受け装置3を示す正面図である。第3実施形態の紙受け装置3は、天板タイプである。天板タイプは、移動可能な幅ガイド50、60、及び70が、紙受け台40の上方に配置されている天板90に支持されているタイプの紙受け装置を意味する。ここで、天板90の上下位置は、固定されている。天板タイプでは、紙受け台40の上下位置が変更可能である。つまり、紙受け台40は、移動可能な幅ガイド50、60、及び70に対して、上下方向に移動する。このため、用紙Pは、幅ガイド50、60、及び70の上下幅を越えた範囲内に、積層できる。積層体Aの高さが、幅ガイド50、60、及び70の上下幅を越えたとき、幅ガイド50、60、及び70は、積層体Aの上部のみを水平方向で規制している。
【0080】
第3実施形態の紙受け装置3は、天板90の存在と、天板90が幅ガイド50、60、46を支持する点と、紙受け台40が上下に移動する点とにおいて、第1実施形態の紙受け装置3と相違する。その他の点では、第3実施形態と第1実施形態とは、同一である。
【0081】
第3実施形態の紙受け装置3は、紙受け台40(積層体Aの高さ)を制御するために、駆動モータ41と、伝動機構42と、レベルセンサ43と、を備えている。紙受け台40は、伝動機構42を介して、駆動モータ41に連結されている。また、レベルセンサ43は、天板90の底面から所定距離Hだけ下方における積層体Aの有無を検出する。レベルセンサ43が積層体Aを検出すると、制御部301は、紙受け台40が所定幅だけ下降するように、駆動モータ41を制御する。このようにして、積層体Aが高くなるにつれて、紙受け台40が下降し、積層体Aと天板90の底面との距離が常に所定距離H以上に保たれる。
【0082】
(第3実施形態の作用、効果)
第3実施形態は、紙受け台40の上下移動の制御のためにレベルセンサ43が設けられているが、引掛り防止制御によって、横幅ガイド50、60間における用紙Pの引っ掛かりが防止されている。ここで、レベルセンサ43が引っ掛かった用紙Pを検出すると、それに応じて紙受け台40が下降しても、レベルセンサ43による検出状態が継続する。このような場合、紙受け台40が下降し続けたり、検出状態の継続をジャム検出とみなした制御部100が印字処理を中断する。第3実施形態では、レベルセンサ43が引っ掛かった用紙Pを検出することが防止されているので、紙受け台40が下降し続ける不具合や印字処理が中断される不具合が発生しない。
【0083】
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態の紙受け装置3を示す正面図である。第4実施形態の紙受け装置3は、横幅ガイド50、60の形状を除いて、第3実施形態と同じである。第4実施形態の横幅ガイド50、60の形状は、第2実施形態の横幅ガイド50、60の形状と同じである。
【0084】
(第5実施形態の構成)
図12は、第5実施形態の紙受け装置3を備えた孔版印刷機を示す斜視図である。第5実施形態の紙受け装置3も、天板タイプである。以下、第5実施形態と第1実施形態との間で同一の部品及び部分には、同一の符号が付されている。
【0085】
特に、第5実施形態の紙受け装置3は、横幅ガイドにおける相違点を除いて、第3実施形態の紙受け装置3と同一である。第3実施形態の紙受け装置3は一組の横幅ガイド(50及び60の組)を備えているが、第5実施形態の紙受け装置3は、二組の横幅ガイド(150及び160の組と、250及び260の組)を備えている。
【0086】
図13に示すように、第5実施形態の紙受け装置3は、左右一対の第1横幅ガイド150、160と、左右一対の第2横幅ガイド250、260と、を備えている。4つの横幅ガイド150、160、250、及び260は、それぞれ、水平方向で移動可能に構成されている。なお、第1横幅ガイド150、160は横ジョガー動作制御において用いられ、第2横幅ガイド250、260は引掛り防止制御において用いられる。
【0087】
図14に示すように、第5実施形態の紙受け装置3は、幅ガイド150、160、250、及び260を制御するために、駆動モータ151、161、251、及び261と、伝動機構152、162、252、及び262と、を備えている。制御部301は、駆動モータ151、161、251、及び261を制御することによって、幅ガイド150、160、250、及び260の位置を独立に制御できる。幅ガイド150、160、250、及び260の位置は、正確には、幅ガイド150、160、250、及び260のガイド面150a、160a、250a、及び260aの位置を指す。
【0088】
図15は、第5実施形態における第1横幅ガイド160の駆動機構を示す斜視図である。伝動機構162は、横ガイドレール163を用いた直動案内機構と、ベルト伝動機構164と、ベルト式減速機構165と、を備えている。第1横幅ガイド160は、直動案内機構によって、天板90に対して、左右方向で移動自在に支持されている。駆動モータ161の動力は、ベルト式減速機構165で減速された後、ベルト伝動機構164に伝達されて、第1横幅ガイド160を左右方向に移動させる。
【0089】
図16は、第5実施形態における第2横幅ガイド260の駆動機構を示す斜視図である。伝動機構262は、横ガイドレール263を用いた直動案内機構と、ベルト伝動機構264と、ベルト式減速機構265と、を備えている。第2横幅ガイド260は、直動案内機構によって、天板90に対して、左右方向で移動自在に支持されている。駆動モータ261の動力は、ベルト式減速機構265で減速された後、ベルト伝動機構264に伝達されて、第2横幅ガイド260を左右方向に移動させる。
【0090】
図17に示すように、第2横幅ガイド250、260は、それぞれ、下ガイド面250a、260aと、上ガイド面250b、260bと、を有している。上ガイド面250b、260bは、左右方向において、下ガイド面250a、260aの内側(中心線O3側)にある。また、第1横幅ガイド150、160のガイド面150a、160aは、第2横幅ガイド250、260のガイド面250b、260bよりも下側にある。ガイド面150a、160a、250a、250b、260a、及び260bは、いずれも、用紙Pが接触する面であって、鉛直面である。
【0091】
(第5実施形態の作動)
孔版機本体1及び給紙装置2における作動は、第5実施形態と第1実施形態とで同一である。したがって以下では、主として、第5実施形態における紙受け装置3の作動を説明する。
【0092】
孔版機本体1の制御部100は、ユーザによって入力された印字指令に基づいて、印字対象の用紙Pの横幅WS及び縦幅WLを、特定している。このため、制御部100は、印字対象の用紙Pの横幅WS及び縦幅WLを、接続機器303を介して制御部301に送信する。
【0093】
制御部301は、印字処理の開始に伴って、印字済み用紙Pが紙受け装置3に供給される前に、用紙Pに合わせて、左右の第1横幅ガイド150、160間の間隔と、左右の第
2横幅ガイド250、260間の間隔と、前後の縦幅ガイド70、80間の間隔と、を調整する。
【0094】
図17に示されるように、制御部301は、左右のガイド面150a、160a間の間隔が基準間隔D1となるように、第1横幅ガイド150、160をそれぞれ横基準位置P50、P60に移動させる。また、制御部301は、左右の下ガイド面250a、260a間の間隔が基準間隔D1となるように、第2横幅ガイド250、260をそれぞれ横基準位置P50、P60に移動させる。
【0095】
図8と同様に、制御部301は、前後のガイド面70a、80a間の間隔が縦幅WLとなるように、縦幅ガイド70を縦基準位置P70に移動させる。
【0096】
図17において、制御部301は、印字処理の実行中、引掛り防止制御を実行する。引掛り防止制御は、第2横幅ガイド250、260への用紙Pの引掛りを防止するための制御である。引掛り防止制御において、制御部301は、第2横幅ガイド250、260を、横基準位置P50、P60を含む第2横変動幅VS2の範囲内で、第2周波数f2で振動させる。
【0097】
また、制御部301は、印字処理の実行中において用紙Pが紙送り装置3に供給される度に、横ジョガー動作制御及び縦ジョガー動作制御を実行する。横ジョガー動作制御及び縦ジョガー動作制御は、それぞれ、積層体Aの左右位置及び前後位置を揃えるための制御である。横ジョガー動作制御において、制御部301は、落下する用紙Pの発生に応じて所定時間の間、第1横幅ガイド150、160を、横基準位置P50、P60を含む第1横変動幅VS1の範囲内で、第1周波数f1で往復運動させる。同様に、縦ジョガー動作制御において、制御部301は、落下する用紙Pの発生に応じて所定時間の間、縦幅ガイド70を、縦基準位置P70を含む第1縦変動幅VL1の範囲内で、第3周波数f3で往復運動させる。
【0098】
第5実施形態では、第1横幅ガイド150、160が横ジョガー動作制御を担当し、第2横幅ガイド250、260が引掛り防止制御を担当する。このため、横ジョガー動作制御の実行時間及び実行タイミングが、引掛り防止制御の実行時間及び実行タイミングに、決して干渉しない。したがって、横ジョガー動作制御に実行中に、引掛り防止制御が実行されても問題がない。
【0099】
印刷機本体1において全ての印字処理が終了して所定時間が経過すると、制御部301は引掛り防止制御を終了させる。
【0100】
第5実施形態においても、設定値の変更によって、ジョガー動作制御及び引掛り防止制御における幅ガイド150、160、250、260、及び70の移動範囲を、変更できる。
【0101】
図18には、厚紙に適した横ジョガー動作制御における第1横幅ガイド150、160の移動範囲を示している。図18における横幅ガイド150、160の移動範囲は、図17における横幅ガイド50、60の移動範囲よりも、全体として内側に設定されている。
【0102】
(第5実施形態の作用、効果)
第5実施形態では、横ジョガー動作制御によって、積層体Aを左右方向で揃えることができる。また、引掛り防止制御によって、一対の第2横幅ガイド250、260が振動するので、用紙Pが一対の第2横幅ガイド250、260間に引っ掛かることなく、確実に落下する。このため、落下が中断された用紙Pによって、後続の用紙Pの落下が止められることがない。したがって、用紙Pの積層における不良を防止できる。さらに、独立した二組の左右一対のガイド、すなわち第1横幅ガイド150、160及び第2横幅ガイド250、260、が存在するので、横ジョガー動作制御と引掛り防止制御とを独立に設定できる。
【符号の説明】
【0103】
1 孔版機本体
2 給紙装置
3 紙受け装置
41 紙受け台
50、60 横幅ガイド
51、61 駆動モータ(横駆動装置の一部)
52、62 伝動機構(横駆動装置の一部)
71 駆動モータ(縦駆動装置の一部)
72 伝動機構(縦駆動装置の一部)
150、160 第1横幅ガイド
250、260 第2横幅ガイド
301 制御部
302 記憶部
303 接続機器(横幅情報取得部、落下情報取得部、変更指令取得部)
AS0 基準横調整幅
AS1 第1横調整幅
AS2 第2横調整幅
VS1 第1横変動幅
VS2 第2横変動幅
AL0 基準縦調整幅
AL1 第1縦調整幅
AL2 第2縦調整幅
VL1 第2縦変動幅
VL2 第2縦変動幅
WS 横幅
WL 縦幅
f1 第1周波数
f2 第2周波数
f3 第3周波数
P50、P60 横基準位置
P70 縦基準位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の前後方向から見てU字状に曲げられた状態で落下する印刷済み用紙を受け取って、上下方向に上記用紙の積層体を形成する、紙受け装置において、
上記紙受け装置が、
上記用紙を載置するための紙受け台と、
上記紙受け台の上方で互いに上記前後方向に対して直交する左右方向に対向して配置され、少なくとも一方が上記左右方向に沿って移動可能である、一対の横幅ガイドと、
上記移動可能な横幅ガイドを上記左右方向で移動させる、横駆動装置と、
上記前後方向から見られた上記用紙が描く曲線の長さに相当する、上記用紙の横幅の情報を取得する、横幅情報取得部と、
上記横駆動装置を制御する、制御部と、
新たな上記用紙が上記紙受け台に向けて落下したという情報を取得する、落下情報取得部と、
基準横調整幅、第1横変動幅、上記第1横変動幅よりも小さな第2横変動幅、第1周波数、及び上記第1周波数より大きな第2周波数、を記憶する、記憶部と、
を備えており、
上記制御部は、上記一対の横幅ガイド間の間隔が上記横幅よりも上記基準横調整幅だけ小さな間隔となるように、上記移動可能な横幅ガイドを横基準位置に移動させると共に、横ジョガー動作制御及び引掛り防止制御を実行するものであり、
上記横ジョガー動作制御は、積層された上記用紙の左右位置を揃えるために、上記新たな用紙の落下に応じて所定時間の間、上記移動可能な横幅ガイドを、上記横基準位置を含む上記第1横変動幅の範囲内で、上記第1周波数で往復運動させる、制御であり、
上記引掛り防止制御は、上記横幅ガイドへの上記用紙の引掛りを防止するために、横ジョガー動作制御の実行中を除いて、上記移動可能な横幅ガイドを、上記横基準位置を含む上記第2横変動幅の範囲内で、上記第2周波数で振動させる、制御である、
ことを特徴とする、紙受け装置。
【請求項2】
所定の前後方向から見てU字状に曲げられた状態で落下する印刷済み用紙を受け取って、上下方向に上記用紙の積層体を形成する、紙受け装置において、
上記紙受け装置が、
上記用紙を載置するための紙受け台と、
上記紙受け台の上方で互いに上記前後方向に対して直交する左右方向に対向して配置され、少なくとも一方が上記左右方向に沿って移動可能である、一対の第1横幅ガイドと、
上記紙受け台の上方で互いに上記左右方向に対向して配置され、少なくとも一方が上記左右方向に沿って移動可能である、一対の第2横幅ガイドと、
上記移動可能な第1横幅ガイドを上記左右方向で移動させる、第1横駆動装置と、
上記移動可能な第2横幅ガイドを上記左右方向で移動させる、第2横駆動装置と、
上記前後方向から見られた上記用紙が描く曲線の長さに相当する、上記用紙の横幅の情報を取得する、横幅情報取得部と、
上記第1横駆動装置及び上記第2横駆動装置を制御する、制御部と、
新たな上記用紙が上記紙受け台に向けて落下したという情報を取得する、落下情報取得部と、
基準横調整幅、第1横変動幅、上記第1横変動幅よりも小さな第2横変動幅、第1周波数、及び上記第1周波数より大きな第2周波数、を記憶する、記憶部と、
を備えており、
上記制御部は、上記一対の第1横幅ガイド間の間隔及び上記一対の第2横幅ガイド間の間隔が上記横幅よりも上記基準横調整幅だけ小さな間隔となるように、上記移動可能な第1及び第2横幅ガイドを横基準位置に移動させると共に、横ジョガー動作制御及び引掛り防止制御を実行するものであり、
上記横ジョガー動作制御は、積層された上記用紙の左右位置を揃えるために、上記新たな用紙の落下に応じて所定時間の間、上記移動可能な第1横幅ガイドを、上記横基準位置を含む上記第1横変動幅の範囲内で、上記第1周波数で往復運動させる、制御であり、
上記引掛り防止制御は、上記第2横幅ガイドへの上記用紙の引掛りを防止するために、常に、上記移動可能な第2横幅ガイドを、上記横基準位置を含む上記第2横変動幅の範囲内で、上記第2周波数で振動させる、制御である、
ことを特徴とする、紙受け装置。
【請求項3】
上記紙受け装置が、上記基準横調整幅、上記第1横変動幅、上記第2横変動幅、上記第1周波数、及び上記第2周波数の少なくとも1つを変更する変更指令を取得する、変更指令取得部を備えており、
上記制御部は、上記変更指令に基づいて、記憶部に記憶されている、上記基準横調整幅、上記第1横変動幅、上記第2横変動幅、上記第1周波数、及び上記第2周波数を、変更する、
請求項1又は請求項2に記載の、紙受け装置。
【請求項4】
上記紙受け装置が、更に、上記用紙の種類の情報を取得する種類情報取得部を、備えており、
上記基準横調整幅、上記第1横変動幅、上記第2横変動幅、上記第1周波数、及び上記第2周波数が、異なる上記種類毎及び/又は異なる上記横幅毎に、設定されている、
請求項1から3のいずれか1つに記載の、紙受け装置。
【請求項5】
上記紙受け装置が、更に、
上記紙受け台の上方で互いに上記前後方向に対向して配置され、少なくとも一方が上記前後方向に沿って移動可能である、一対の縦幅ガイドと、
上記移動可能な縦幅ガイドを上記前後方向で移動させる、縦駆動装置と、
上記用紙の上記前後方向における長さである縦幅の情報を取得する、縦幅情報取得部と、
を備えており、
上記記憶部が、基準縦調整幅、第1縦変動幅、第3周波数、を記憶しており、
上記制御部が、上記縦駆動装置を制御するものであり、
上記制御部は、上記一対の縦幅ガイド間の間隔が上記縦幅よりも上記基準縦調整幅だけ小さな間隔となるように、上記移動可能な縦幅ガイドを縦基準位置に移動させると共に、縦ジョガー動作制御を実行するものであり、
縦ジョガー動作制御は、積層された上記用紙の前後位置を揃えるために、上記新たな用紙の落下に応じて所定時間の間、上記移動可能な縦幅ガイドを、上記縦基準位置を含む上記第1縦変動幅の範囲内で、上記第3周波数で往復運動させる、制御である、
請求項1から4のいずれか1つに記載の、紙受け装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2010−184775(P2010−184775A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29960(P2009−29960)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(390002129)デュプロ精工株式会社 (351)
【Fターム(参考)】