紙種判別装置、画像形成装置
【課題】特別な紙種判別用のセンサを使用せずに紙種を判別すること。
【解決手段】画像を記録するシートSが搬送され且つ腰の強いシートSに比較して腰の弱いシートSの搬送時間が長くなるように形成された紙種判別用シート搬送路SH2と、紙種判別用シート搬送路SH2にシートSを搬送させるシート搬送装置SH1+SH2+Ra+Rrと、紙種判別用シート搬送路SH2を搬送されるシートSを検出するシートセンサSN1,SN2と、紙種判別用シート搬送路SH2を搬送されたシートSがシートセンサSN2により検出されるまでのシート搬送時間TMaを計測するシート搬送時間計測手段C6と、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMaからシートSの紙種を判別する紙種判別手段C8とを備えたことを特徴とする紙種判別装置または前記紙種判別装置を備えた画像形成装置。
【解決手段】画像を記録するシートSが搬送され且つ腰の強いシートSに比較して腰の弱いシートSの搬送時間が長くなるように形成された紙種判別用シート搬送路SH2と、紙種判別用シート搬送路SH2にシートSを搬送させるシート搬送装置SH1+SH2+Ra+Rrと、紙種判別用シート搬送路SH2を搬送されるシートSを検出するシートセンサSN1,SN2と、紙種判別用シート搬送路SH2を搬送されたシートSがシートセンサSN2により検出されるまでのシート搬送時間TMaを計測するシート搬送時間計測手段C6と、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMaからシートSの紙種を判別する紙種判別手段C8とを備えたことを特徴とする紙種判別装置または前記紙種判別装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像が記録されるシートの紙種を判別する紙種判別装置および前記紙種判別装置を備えた画像形成装置に関し、特に、シート搬送時に紙種を判別する紙種判別装置および前記紙種判別装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機等の画像形成装置では、画像を記録するのに種々のシートが使用されている。前記シートの種類としては、普通紙、光沢紙およびOHPシート等があり、それぞれ光沢性や剛性(腰、紙厚)等が異なる。このため、従来の画像形成装置では、シートの種類に伴って、シートにトナー像を転写させる転写電圧やシートに画像を定着させる定着温度等を最適な印刷条件に変更してシートに画像を記録している。
最適な印刷条件でシートに画像を記録するためにシートの種類を判別する技術としては、次の従来技術(J01),(J02)が公知である。
(J01)特許文献1(特開平10−198174号公報)記載の技術
従来技術(J01)には、用紙を収納したカセット内で普通紙とOHPシートが混入された場合でも、前記カセット内の一番上の用紙種類を判別する技術が記載されている。
(J02)特許文献2(特開2001−247236号公報)記載の技術
従来技術(J02)には、記録媒体の下流端部分の搬送が停止した後、所定時間後に、記録媒体の撓み量をセンサにより検出し、検知された撓み量に基づいて記録媒体の種類を判別する技術が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−198174号公報
【特許文献2】特開2001−247236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(従来技術(J01)の問題点)
前記従来技術(J01)は、用紙が停止した状態で紙種を判別するため高速処理が困難であり、ユーザによる外観観察において明らかに異なる普通紙やOHPシート等の紙種しか判別できないという問題点がある。
(従来技術(J02)の問題点)
前記従来技術(J02)は、用紙が停止した状態から紙種判別を開始するため高速処理が困難であり、記録媒体の撓みを検出する特別なセンサはコスト高になり、記録媒体に撓みを形成するスペースや前記センサの取り付けスペースが必要になるという問題点がある。
【0005】
本発明は前記事情に鑑み、次の記載内容(O01)、(O02)を技術的課題とする。
(O01)特別な紙種判別用のセンサを使用せずに紙種を判別すること。
(O02)紙種の判別を高速で行えるようにすること。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の構成要素には、後述の実施例の構成要素との対応を容易にするため、実施例の構成要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。
なお、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0007】
(第1発明)
前記課題を解決するため、第1発明の紙種判別装置は、次の構成要件(A01)〜(A05)を備えたことを特徴とする。
(A01)画像を記録するシート(S)が搬送される紙種判別用シート搬送路(SH2)であって、剛性の高いシート(S)に比較して剛性の低いシート(S)の搬送時間が長くなるように形成された前記紙種判別用シート搬送路(SH2)、
(A02)前記紙種判別用シート搬送路(SH2)にシート(S)を搬送させるシート搬送装置(SH1+SH2+Ra+Rr)、
(A03)前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送されるシート(S)を検出するシートセンサ(SN1,SN2)、
(A04)前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送されたシート(S)が前記シートセンサ(SN2)により検出されるまでのシート搬送時間(TMa)を計測するシート搬送時間計測手段(C6)、
(A05)前記シート搬送時間計測手段(C6)により計測されたシート搬送時間(TMa)から前記シート(S)の紙種を判別する紙種判別手段(C8)。
【0008】
(第1発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A05)を備えた第1発明の紙種判別装置では、画像を記録するシート(S)が搬送される紙種判別用シート搬送路(SH2)は、剛性の高いシート(S)に比較して剛性の低いシート(S)の搬送時間が長くなる。
シート搬送装置(SH1+SH2+Ra+Rr)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)にシート(S)を搬送する。
シートセンサ(SN1,SN2)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送されるシート(S)を検出する。
シート搬送時間計測手段(C6)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送されたシート(S)が前記シートセンサ(SN2)により検出されるまでのシート搬送時間(TMa)を計測する。
紙種判別手段(C8)は、前記シート搬送時間計測手段(C6)により計測されたシート搬送時間(TMa)から前記シート(S)の紙種を判別する。
【0009】
したがって、前記シートセンサ(SN1,SN2)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送されるシート(S)を検出する一般的なセンサにより構成されているので、紙種判別用の特別なセンサ(例えば、ラインセンサ等)を使用する場合と比較してコストを削減することができる。また、前記シート(S)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送される際に紙種が判別されるので、停止した状態でシート(S)の紙種を判別する場合と比較して紙種判別を高速に行うことができる。紙種判別を高速に行うことにより、画像形成動作を高速化することができる。
前記シート搬送時間(TMa)に応じて、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)に搬送された記録シート(S)の紙種が判別されるので、ユーザが外観観察で判別困難である紙種を容易に判別することができる。
【0010】
(第1発明の形態1)
第1発明の形態1の紙種判別装置は、前記第1発明において次の構成要件(A06)を備えたことを特徴とする。
(A06)シート(S)の搬送方向に沿った搬送方向搬送路とシート面に垂直な垂直方向搬送路とが交互に形成された蛇腹状の前記紙種判別用シート搬送路(SH2)。
(第1発明の形態1の作用)
前記構成要件(A06)を備えた第1発明の形態1の紙種判別装置では、蛇腹状の前記紙種判別用シート搬送路(SH2)は、シート(S)の搬送方向に沿った搬送方向搬送路とシート面に垂直な垂直方向搬送路とが交互に形成されている。したがって、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)は、剛性の高いシート(S)に比較して剛性の低いシート(S)の搬送時間が長くなる。
【0011】
(第1発明の形態2)
第1発明の形態2の紙種判別装置は、前記第1発明または第1発明の形態1において次の構成要件(A07)〜(A09)を備えたことを特徴とする。
(A07)前記紙種判別用シート搬送路(SH2)のシート搬送方向下流端部に設けられた前記シートセンサ(SN2)、
(A08)前記シートセンサ(SN2)の検出信号によりシート先端が前記シートセンサ(SN2)を通過したと判断する搬送時シート検出手段(C5)、
(A09)シート(S)が搬送開始されてから前記搬送時シート検出手段(C5)により検出されるまでのシート搬送時間(TMa)を計測する前記シート搬送時間計測手段(C6)。
【0012】
(第1発明の形態2の作用)
前記構成要件(A07)〜(A09)を備えた第1発明の形態2の紙種判別装置では、前記シートセンサ(SN2)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)のシート搬送方向下流端部に設けられている。
搬送時シート検出手段(C5)は、前記シートセンサ(SN2)の検出信号によりシート先端が前記シートセンサ(SN2)を通過したと判断する。
前記シート搬送時間計測手段(C6)は、シート(S)が搬送開始されてから前記搬送時シート検出手段(C5)により検出されるまでのシート搬送時間(TMa)を計測する。
したがって、前記シート搬送時間(TMa)に応じて、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)に搬送された記録シート(S)の紙種が判別される。このため、ユーザが外観観察で判別困難である紙種を容易に判別することができる。
【0013】
(第1発明の形態3)
第1発明の形態3の紙種判別装置は、前記第1発明または第1発明の形態1もしくは2において次の構成要件(A010)を備えたことを特徴とする。
(A010)前記紙種判別用シート搬送路(SH2)へのシート(S)の搬送が開始されたことを検出するシート搬送開始センサ(SN1)。
(第1発明の形態3の作用)
前記構成要件(A010)を備えた第1発明の形態3の紙種判別装置では、シート搬送開始センサ(SN1)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)へのシート(S)の搬送が開始されたことを検出する。したがって、前記シート搬送時間計測手段(C6)は、前記シート搬送開始センサ(SN1)がシート(S)を検出してから前記搬送時シート検出手段(C5)により検出されるまでの前記シート搬送時間(TMa)を計測することができる。
【0014】
(第2発明)
第2発明の画像形成装置は、次の構成要件(A011)を備えたことを特徴とする。
(A011)前記第1発明または第1発明の形態1ないし3のいずれか記載の紙種判別装置(HS)。
(第2発明の作用)
前記構成要件(A011)を備えた第2発明の画像形成装置では、前記第1発明または第1発明の形態1ないし3のいずれか記載の紙種判別装置(HS)を備えている。したがって、シートセンサ(SN1,SN2)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送されるシート(S)を検出する一般的なセンサにより構成されているので、紙種判別用の特別なセンサ(例えば、ラインセンサ等)を使用する場合と比較してコストを削減することができる。また、前記シート(S)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送される際に紙種が判別されるので、停止した状態でシート(S)の紙種を判別する場合と比較して紙種判別を高速に行うことができる。紙種判別を高速に行うことにより、画像形成動作を高速化することができる。
前記シート搬送時間(TMa)に応じて、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)に搬送された記録シート(S)の紙種が判別されるので、ユーザが外観観察で判別困難である紙種を容易に判別することができる。
【0015】
(第2発明の形態1)
第2発明の形態1の画像形成装置は、前記第2発明において次の構成要件(A012),(A013)を備えたことを特徴とする。
(A012)トナー像をシート(S)に転写する転写装置(Rt)、
(A013)前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じて、前記転写装置(Rt)の転写電圧を所定の電圧に設定する転写電圧設定手段(C9,C9′)。
【0016】
(第2発明の形態1の作用)
前記構成要件(A012),(A013)を備えた第2発明の形態1の画像形成装置では、転写装置(Rt)は、トナー像をシート(S)に転写する。
転写電圧設定手段(C9,C9′)は、前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じて、前記転写装置(Rt)に印加する転写電圧を所定の電圧に設定する。
したがって、前記シート(S)の紙種に応じて、記録シートSにトナー像を転写する転写電圧を設定するため、前記シート(S)に記録する画質を向上させることができる。
【0017】
(第2発明の形態2)
第2発明の形態2の画像形成装置は、前記第2発明または第2発明の形態1において次の構成要件(A014),(A015)を備えたことを特徴とする。
(A014)シート(S)に転写されたトナー像を加熱定着する定着装置(F)、
(A015)前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じて、前記定着装置(F)の定着温度を所定の温度に設定する定着温度設定手段(C10,C10′)。
【0018】
(第2発明の形態2の作用)
前記構成要件(A014),(A015)を備えた第2発明の形態2の画像形成装置では、定着装置(F)は、シート(S)に転写されたトナー像を定着する。
定着温度設定手段(C10,C10′)は、前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じて、前記定着装置(F)の定着温度を所定の温度に設定する。したがって、前記シート(S)に記録する画質を向上させることができる。
【0019】
(第2発明の形態3)
第2発明の形態3の画像形成装置は、前記第2発明または第2発明の形態1もしくは2において次の構成要件(A016),(A017)を備えたことを特徴とする。
(A016)前記定着装置(F)を通過するシート(S)を搬送する定着時シート搬送部材(Fh,Fp)、
(A017)前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じて、前記定着時シート搬送部材(Fh,Fp)のシート搬送速度を所定の速度に設定するトナー像定着時搬送速度設定手段(C11,C11′)。
【0020】
(第2発明の形態3の作用)
前記構成要件(A016),(A017)を備えた第2発明の形態3の画像形成装置では、定着時シート搬送部材(Fh,Fp)は、前記定着装置(F)を通過するシート(S)を搬送する。
トナー像定着時搬送速度設定手段(C11,C11′)は、前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じて、前記定着時シート搬送部材(Fh,Fp)のシート搬送速度を所定の速度に設定する。したがって、前記シート(S)に記録する画質を向上させることができる。
【0021】
(第2発明の形態4)
第2発明の形態4の画像形成装置は、前記第2発明または第2発明の形態1ないし3のいずれかにおいて次の構成要件(A018),(A019)を備えたことを特徴とする。
(A018)画像記録に使用するシート(S)の紙種をユーザが設定可能な紙種設定手段(C12)、
(A019)ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種と異なる旨をユーザに告知する警告手段(C13)。
【0022】
(第2発明の形態4の作用)
前記構成要件(A018),(A019)を備えた第2発明の形態4の画像形成装置では、紙種設定手段(C12)は、画像記録に使用するシート(S)の紙種をユーザが設定することができる。
警告手段(C13)は、ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種と異なる旨をユーザに告知する。
したがって、前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種と異なる紙種用の転写電圧、定着温度および定着時シート搬送速度での画像形成動作を無断で実行することを防止できる。
【0023】
(第2発明の形態5)
第2発明の形態5の画像形成装置は、前記第2発明または第2発明の形態1ないし4のいずれかにおいて次の構成要件(A018),(A020)を備えたことを特徴とする。
(A018)画像記録に使用するシート(S)の紙種をユーザが設定可能な紙種設定手段(C12)、
(A020)ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種を無効にし且つ前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種を有効にするユーザ設定紙種無効化手段(C14)。
【0024】
(第2発明の形態5の作用)
前記構成要件(A018),(A020)を備えた第2発明の形態5の画像形成装置では、紙種設定手段(C12)は、画像記録に使用するシート(S)の紙種をユーザが設定することができる。
ユーザ設定紙種無効化手段(C14)は、ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種を無効にし且つ前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種を有効にする。
したがって、ユーザは、紙種を設定するのが面倒な場合や、紙種設定を忘れた場合でも、前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じた転写電圧、定着温度および定着時シート搬送速度で画像形成動作を実行することができる。
【発明の効果】
【0025】
前述の本発明は、下記の効果(E01),(E02)を奏する。
(E01)特別な紙種判別用のセンサを使用せずに紙種を判別することができる。
(E02)紙種の判別を高速で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【実施例1】
【0027】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の縦断面図である。
図1において、画像形成装置Uは、画像形成装置本体U1、自動原稿搬送装置U2を有している。前記画像形成装置本体U1は、IOT(イメージアウトプットターミナル)、IIT(イメージインプットターミナル、すなわち原稿読取装置)を有している。
前記自動原稿搬送装置U2は、IIT上面のプラテンガラスPG上に支持されている。
前記IOT上面には上方のIITとの間にシート排出トレイTRhが設けられている。
【0028】
図1において、前記自動原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に載置された複数の各原稿Giは順次プラテンガラスPG上の複写位置を通過して原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。前記自動原稿搬送装置U2は、その後端部(−X端部)に設けた左右方向に延びるヒンジ軸(図示せず)により前記プラテンガラスPG上面に対して回動可能であり、原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置く場合に上方に回動される。
前記画像形成装置本体U1は、ユーザがコピースタート等の作動指令信号を入力操作するUI(ユーザインタフェース)を有している。
【0029】
前記透明なプラテンガラスPGの下方には原稿画像を読み取るための露光光学系Aが配置されている。
前記自動原稿搬送装置U2でプラテンガラスPG上面に搬送される原稿Giまたは手動でプラテンガラスPG上に置かれた原稿(図示せず)からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、CCD(固体撮像素子)で電気信号に変換される。
IPS(イメージプロセッシングシステム)は、CCDから入力される電気信号を画像データに変換して一時的に記憶し、前記画像データを所定のタイミングで潜像形成用の画像データとしてレーザ駆動回路DLに出力する。
レーザ駆動回路DLは、入力された画像データに応じてレーザ駆動信号をROS(潜像形成装置)に出力する。なお、前記UI(ユーザインタフェース)、IPSおよびレーザ駆動信号出力装置DLと、後述の現像ロールGa、転写ロールRtにバイアス電圧を印加する電源回路E等の動作はコントローラCにより制御される。
【0030】
図2は図1の画像形成装置プロセスユニット及び定着ユニット部分の要部拡大図である。
図1において、前記ROSの左方には、黒色のトナー像を形成するトナー像形成装置(プロセスユニット、カートリッジユニット)Upが配置されている。潜像形成光学系ROSの図示しないレーザダイオードから出射したレーザビームLは、回転する像保持体(感光体、像保持体)PRに入射する。
図1、図2において、前記トナー像形成装置Upは、矢印方向(図2参照)に回転する感光体ドラムにより構成された前記像保持体PRと、帯電ロール(帯電部材)CRと、現像装置Gと、クリーナCLとを有している。また、前記トナー像形成装置Upはユニット化されており、プロセスユニットUpとして画像形成装置本体U1に着脱可能に構成されている。前記プロセスユニット(トナー像形成装置)Upの着脱は、画像形成装置本体U1の前面に開閉可能に支持されたフロントカバー(図示せず)を開放した状態で行う。
【0031】
図2において、前記像保持体PRの表面は、帯電ロールCRにより一様に帯電された後、潜像書込位置Q1において前記ROSのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。
前記静電潜像が形成された像保持体PR表面は回転移動して現像領域Q2、転写領域(シート転写領域)Q3を順次通過する。
現像装置Gは、現像バイアスが印加される現像ロールGa、現像剤を現像ロールGaに撹拌しながら搬送する現像剤攪拌部材Gb,Gc,Gdを回転可能に支持し且つ現像剤を収容する現像容器Vを有している。そして、現像領域Q2を通過する像保持体PR上の静電潜像を現像ロールGa表面に付着したトナーによりトナー像に現像する。
前記像保持体PR、帯電ロールCR、現像装置G、クリーナCL等がユニット化されたプロセスユニット(カートリッジユニット)Upによって、トナー像形成装置Upが構成されている。
【0032】
図1において、前記転写領域Q3に搬送するための記録シート(シート)Sを収容する複数の給紙トレイTR1〜TR4(第1給紙トレイTR1、第2給紙トレイTR2、第3給紙トレイTR3、第4給紙トレイTR4)は、その左右両側に前後方向(図1で紙面に垂直な方向)に沿って配置された一対のレールRL1,RL1に沿って移動可能に支持されている。
図1において、前記各給紙トレイTR1〜TR4から、ピックアップロールRpにより取出された記録シートSは、リタードロールおよび給紙ロールを有するさばきロールRsにより1枚づつ分離されて、シート搬送路SH1に沿って配置された複数のシート搬送ロールRaにより搬送され、紙種判別用シート搬送路SH2に搬送される。
【0033】
図3は実施例1の画像形成装置の要部拡大図であり、図3Aは紙種判別用シート搬送路に剛性の低い記録シートが搬送されている状態を示す図であり、図3Bは紙種判別用シート搬送路に剛性の高い記録シートが搬送されている状態を示す図である。
図1〜図3において、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSは、前記紙種判別用シート搬送路SH2のシート搬送方向下流端部に配置されたレジロールRrに搬送される。
図3において、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSは、剛性が低いほど蛇腹状(紙面に沿う方向の搬送路である紙面方向搬送路と紙面に垂直な方向である垂直方向反路とが交互に配置された形状)の紙種判別用シート搬送路SH2に沿って搬送(図3A参照)されやすく、剛性が高いほど前記紙種判別用シート搬送路SH2の最短経路を搬送(図3B参照)されやすい。このため、剛性が低い記録シートSほど前記紙種判別用シート搬送路SH2の移動経路が長くなり、剛性が高い記録シートSほど前記紙種判別用シート搬送路SH2の移動経路が短くなる。前記紙種判別用シート搬送路SH2の移動経路が長い記録シートSほど前記レジロールRrに搬送されるまでのシート搬送時間が長くなる。
画像形成装置本体U1の左側(−Y側)に配置された手差トレイTR0から給紙された記録シートSは、手差トレイ用ピックアップロールRbにより手差トレイ用搬送路SH3からレジロールRrに搬送される。
【0034】
図3において、前記紙種判別用シート搬送路SH2のシート搬送方向上流端部には、前記紙種判別用シート搬送路SH2への搬送が開始された記録シートSの先端を検出するシート搬送開始センサ(シートセンサ)SN1が配置されている。前記紙種判別用シート搬送路SH2のシート搬送方向下流端部には、記録シートSの先端が通過したことを検出するレジセンサ(シートセンサ)SN2が配置されている。
前記シート搬送開始センサSN1およびレジセンサSN2は、記録シートSの先端を検出すると、前記コントローラCに検出信号を出力する。
前記シート搬送路SH1、紙種判別用シート搬送路SH2、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置(SH1+SH2+Ra+Rr)が構成されている。
前記シート搬送装置(SH1+SH2+Ra+Rr)、シート搬送開始センサSN1およびレジセンサSN2等により、実施例1の紙種判別装置(HS)が構成されている。
【0035】
図2、図3において、前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、所定のタイミングで前記転写領域Q3に搬送される。図2において、前記転写領域Q3には転写バイアスが印加される転写ロール(転写装置)Rtが配置されている。この転写ロールRtは転写領域Q3において前記像保持体PRに圧接しており、記録シートSが前記転写領域Q3を通過する際、前記転写ロールRtには前記コントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングで転写バイアス(転写電圧)が印加される。このとき、前記像保持体PR上のトナー像は、転写ロールRtにより記録シートSに転写される。
像保持体PR表面のトナー像が転写領域Q3において記録シートSに転写された後、前記像保持体PRは、クリーナCL(図2参照)により表面に付着した残留トナーが回収される。前記クリーナCLにより表面に付着した残留トナーが回収された像保持体PRは、前記帯電ロールCRにより再び帯電される。
【0036】
図1、図2において、前記転写領域Q3において未定着のトナー像が転写された記録シートSは、トナー像が未定着の状態で、前記転写ロールRtの上方に配置された定着装置(定着ユニット)Fに搬送される。
図2において、前記定着装置Fは、互いに圧接して回転する加熱ロール(加熱用定着部材)Fh及び加圧ロール(加圧用定着部材)Fpにより構成される一対の定着部材Fh,Fpを有している。また、前記定着装置Fは、ユニット化されており、定着ユニット(カートリッジユニット)Fとして画像形成装置本体U1に着脱可能に構成されている。
前記未定着トナー像が転写された記録シートSは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとの圧接領域によって形成される定着領域Q4に搬送され、加熱ロールFhと加圧ロールFpによりトナー像が定着される。
【0037】
図1、図2において、定着トナー像が形成された記録シートSは、その後、シートガイドSG1,SG2(図2参照)にガイドされて排紙ロール(標準排出ロール)R1に搬送され、前記排紙ロールR1によりシート排出トレイTRhに排出される。
図1において、前記排紙ロールR1の左方には、オプション装置(シート反転装置)U3の装着時に、画像形成装置本体U1内に装着されるシート反転排出用ガイドSG3(図2参照)およびオプション排出ロールR2(図2参照)が2点鎖線(仮想線)で示されている。
【0038】
図1において画像形成装置本体U1の上部左側面にはオプション装置であるシート反転装置U3が着脱可能に装着されている。記録シートの両面に画像記録を行う場合、片面記録済の記録シートは前記オプション排出ロールR2からシート反転装置U3を通って、表裏反転した状態で前記転写領域Q3に再送される。
前記シート反転排出用ガイドSG3およびオプション排出ロールR2は、オプション装置であるシート反転装置U3を画像形成装置本体U1に装着した場合にのみ使用される部材(オプション排出部材)であり、シート反転装置U3の装着時に画像形成装置本体U1内に装着される。
【0039】
(実施例1の制御部の説明)
図4は実施例1の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図5は実施例1のユーザインタフェースの説明図である。
図4において、前記コントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)やハードディスク、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0040】
(前記コントローラCに接続された信号入力要素)
前記コントローラCは、UI(ユーザインタフェース)、シート搬送開始センサSN1、レジセンサ(シートセンサ)SN2等の信号入力要素からの信号が入力されている。
図5において、前記UIは、表示部UI1、メニューキーUI2、スタートキーUI3、キャンセルキーUI4およびテンキーUI5等を備えており、それらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラCに入力する。
前記シート搬送開始センサSN1は、前記紙種判別用シート搬送路SH2への搬送が開始された記録シートSの先端を検出し、その検出信号をコントローラCに入力する。
前記レジセンサ(シートセンサ)SN2は、記録シートSの先端が通過したことを検出し、その検出信号をコントローラCに入力する。
【0041】
(前記コントローラCに接続された制御要素)
また、コントローラCは、メインモータ駆動回路D1、シート搬送用モータ駆動回路D2、電源回路E、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
前記電源回路Eは現像用電源回路E1や帯電用電源回路E2、転写用電源回路E3、加熱用電源回路E4等を有する。
前記現像用電源回路E1は、前記現像装置Gの現像ロールGaに現像バイアスを印加する。
前記帯電用電源回路E2は、前記帯電ロールCRに帯電バイアスを印加する。
【0042】
前記転写用電源回路E3は、前記転写ロールRtに転写バイアスを印加する。
前記加熱用電源回路E4は、定着装置Fの加熱ロールFhのヒータにヒータ加熱用の電流を供給する。
前記メインモータ駆動回路D1はメインモータM1を介して像保持体PR、現像ロールGa、定着装置F等を回転駆動する。
前記シート搬送用モータ駆動回路D2は、シート搬送用モータM2を介してシート搬送装置SHのピックアップロールRp等を回転駆動する。
【0043】
(前記コントローラCの機能)
前記コントローラCは、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。前記コントローラCの機能(制御手段)を次に説明する。
C1:ジョブ制御手段
ジョブ制御手段C1は、IITにより読み取った原稿Giの画像データに応じて、前記ROS、像保持体PR、転写ロールRt、定着装置F等の動作を制御して、画像記録動作であるジョブ(画像記録動作)を実行する。
【0044】
C2:メインモータ回転制御手段
メインモータ回転制御手段C2は、前記メインモータ駆動回路D1を制御して、像保持体PRや現像ロールGa、定着装置F等の回転駆動を制御する。
C3:電源回路制御手段
電源回路制御手段C3は、現像用電源回路制御手段C3a、帯電用電源回路制御手段C3b、転写用電源回路制御手段C3c、加熱用電源回路制御手段C3dを有し、電源回路Eを制御して画像形成装置Uの各部材への電源供給の制御を行う。
【0045】
C3a:現像用電源回路制御手段
現像用電源回路制御手段C3aは、現像用電源回路E1を制御して現像バイアスを制御する。
C3b:帯電用電源回路制御手段
帯電用電源回路制御手段C3bは、帯電用電源回路E2を制御して帯電バイアスを制御する。
C3c:転写用電源回路制御手段
転写用電源回路制御手段C3cは、転写用電源回路E3を制御して転写バイアスを制御する。
C3d:加熱用電源回路制御手段
加熱用電源回路制御手段C3dは、加熱用電源回路E4を制御して加熱用バイアスを制御する。
【0046】
C4:画面表示手段
画面表示手段C4は、機能設定画面表示手段C4a、登録・変更画面表示手段C4b、紙厚登録・変更画面表示手段C4c、警告画面表示手段C4dを有し、表示部UI1に各画面を表示する。
図6は表示部に表示される画面の説明図であり、図6Aは機能設定画面を示す図、図6Bは登録・変更画面を示す図である。
図7は表示部に表示される画面の説明図であり、図7Aは紙厚登録・変更画面を示す図、図7Bは警告画面を示す図である。
【0047】
C4a:機能設定画面表示手段
機能設定画面表示手段C4aは、電源オン時に機能設定画面(初期画面)51を前記表示部UI1に表示する。
図6Aにおいて、前記機能設定画面51は、コピー機能を選択するための「コピー」アイコン51aと、スキャナー機能を選択するための「スキャナー」アイコン51bと、FAX機能を選択するための「FAX」アイコン51cと、各種設定を登録・変更するための「登録・変更」アイコン51dと、を有する。
C4b:登録・変更画面表示手段
登録・変更画面表示手段C4bは、前記機能設定画面51の「登録・変更」アイコン51dが選択された場合に登録・変更画面52を前記表示部UI1に表示する。
図6Bにおいて、前記登録・変更画面52は、紙厚を登録・変更するためのアイコン52aと、FAXの個別宛先を登録・変更するためのアイコン52bと、グループ宛先を登録・変更するためのアイコン52cと、前記登録・変更画面52を終了させて前記機能設定画面51に戻るための「終了」アイコン52dと、を有する。
【0048】
C4c:紙厚登録・変更画面表示手段
紙厚登録・変更画面表示手段C4cは、前記登録・変更画面52のアイコン52aが選択された場合に紙厚登録・変更画面53を前記表示部UI1に表示する。
図7Aにおいて、前記紙厚登録・変更画面53は、第1給紙トレイTR1に収容する記録シートSの坪量(紙厚)を設定するための第1トレイ紙厚設定ボタン53aと、第2給紙トレイTR2に収容する記録シートSの坪量(紙厚)を設定するための第2トレイ紙厚設定ボタン53bと、第3給紙トレイTR3に収容する記録シートSの坪量(紙厚)を設定するための第3トレイ紙厚設定ボタン53cと、第4給紙トレイTR4に収容する記録シートSの坪量(紙厚)を設定するための第4トレイ紙厚設定ボタン53dと、各給紙トレイTR1〜TR4に設定した紙厚を有効にするためのラジオボタン53eと、各給紙トレイTR1〜TR4に設定した紙厚を無効にするためのラジオボタン53fと、前記紙厚登録・変更画面53で設定した内容をキャンセルして前記登録・変更画面52に戻るための「キャンセル」アイコン53gと、前記紙厚登録・変更画面53で設定した内容を記憶して前記登録・変更画面52に戻るための「OK」アイコン53hと、を有している。
【0049】
図7Aに示すように、前記トレイ紙厚設定ボタン53a〜53dは、設定値を10[g/m2]刻みで大きくするための設定増加ボタン53a1,53b1,53c1,53d1と、設定値を10[g/m2]刻みで小さくするための設定減少ボタン53a2,53b2,53c2,53d2と、を有している。なお、実施例1の画像形成装置Uでは、前記トレイ紙厚設定ボタン53a〜53dは、下限値が60[g/m2]に設定されており、上限値が200[g/m2]に設定されている。
【0050】
C4d:警告画面表示手段
警告画面表示手段C4dは、前記ラジオボタン53eがオンの状態で、各給紙トレイTR1〜TR4のいずれかより給紙された記録シートSの坪量(紙厚)が、前記紙厚登録・変更画面53で設定した給紙トレイTR1〜TR4の紙厚と異なる場合に警告画面54を前記表示部UI1に表示する。
図7Bにおいて、前記警告画面54は、警告メッセージ「設定されている紙厚と検出された紙厚とが異なります。検出された紙厚のパラメータで印刷を継続しますか?」と、給紙された記録シートSのパラメータで印刷を継続するための「YES」アイコン54aと、ジョブ(画像形成動作)を中止して初期画面(機能設定画面)51に戻るための「NO」アイコン54bと、を有する。
【0051】
C5:搬送時シート検出手段
搬送時シート検出手段C5は、前記紙種判別用シート搬送路SH2を通過する記録シートSの先端を前記シート搬送開始センサSN1およびレジセンサ(シートセンサ)SN2が検出する。
C6:シート搬送時間計測手段
シート搬送時間計測手段C6は、計測タイマTMを有している。前記計測タイマTMは、前記シート搬送開始センサSN1が記録シートSの先端を検出してから前記シートセンサSN2が記録シートSの先端を検出するまでのシート搬送時間(計測シート搬送時間)TMaを計測する。
【0052】
C7:紙厚・印刷パラメータ設定値記憶手段
紙厚・印刷パラメータ設定値記憶手段C7は、前記シート搬送時間計測手段C6が計測したシート搬送時間(計測シート搬送時間)TMaに対応して定めた記録シートSの坪量(紙厚)および印刷パラメータ(転写電圧、定着温度およびトナー像定着時搬送速度)の設定値記憶テーブルである紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7aを記憶する。
図8は、実施例1の紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルの説明図である。
図8に示すように、紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7aは、前記シート搬送時間計測手段C6が計測したシート搬送時間に対応して定めた記録シートSの坪量(紙厚)および印刷パラメータ(転写電圧、定着温度およびトナー像定着時搬送速度)の設定値記憶テーブルである。
【0053】
C8:紙種判別手段
紙種判別手段C8は、前記シート搬送時間計測手段C6で計測されたシート搬送時間TMaと、紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7a(図8参照)に基づいて、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSの紙厚を判別する。
C9:転写電圧設定手段
転写電圧設定手段C9は、前記紙種判別手段C8により判別された記録シートSの坪量(紙厚)と、紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7a(図8参照)と、に基づいて、前記転写電圧を所定の電圧に設定する。
例えば、前記紙種判別手段C8により記録シートSの坪量(紙厚)が110[g/m2]であった場合、前記転写電圧を中電圧に設定する。
【0054】
C10:定着温度設定手段
定着温度設定手段C10は、前記紙種判別手段C8により判別された記録シートSの坪量(紙厚)と、紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7a(図8参照)に基づいて、定着温度を所定の値に設定する。
例えば、前記紙種判別手段C8により記録シートSの坪量(紙厚)が110[g/m2]であった場合、前記加熱ロールFhを中温に設定する。
C11:トナー像定着時搬送速度設定手段
トナー像定着時搬送速度設定手段C11は、前記紙種判別手段C8により判別された記録シートSの坪量(紙厚)と紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7a(図8参照)に基づいて、前記定着領域Q4を通過する記録シートSの搬送速度を所定の値に設定する。
例えば、前記紙種判別手段C8により記録シートSの坪量(紙厚)が110[g/m2]であった場合、前記定着時シート搬送部材Fh,Fpの回転速度を高速に設定する。
【0055】
C12:紙種設定手段
紙種設定手段C12は、図7Aに示す前記紙厚登録・変更画面53において、画像記録に使用する記録シートSの紙厚(紙種)を各給紙トレイTR1〜TR4ごとにユーザが設定する。
C13:警告手段
警告手段C13は、前記紙種設定手段C12でユーザが設定した紙厚が、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSの紙厚と異なる場合に、前記警告画面54を前記表示部UI1に表示する。
C14:ユーザ設定紙種無効化手段
ユーザ設定紙種無効化手段C14は、ユーザが設定した紙種(紙厚)と前記紙種判別手段C8により判別された紙種(紙厚)とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種を無効にし且つ前記紙種判別手段C8により判別された紙種を有効にする。ユーザ設定紙種無効化手段C14は、紙厚登録有効・無効判別フラグFL1を有しており、各給紙トレイTR1〜TR4にユーザが設定した紙厚を無効にするためのラジオボタン53f(図7A)参照)が選択状態(図7Aの状態)のときに機能する。前記紙厚登録有効・無効判別フラグFL1=「0」の場合には、前記ラジオボタン53fが選択状態であり、ユーザが設定した各給紙トレイTR1〜TR4の紙厚が無効になる。前記紙厚登録有効・無効判別フラグFL1=「1」の場合には、前記ラジオボタン53fが選択されていない状態(ラジオボタン53eが選択状態)であり、ユーザが設定した各給紙トレイTR1〜TR4の紙厚が有効になる。
【0056】
(フローチャートの説明)
(動作パラメータ設定処理)
図9は実施例1の画像形成装置の動作パラメータ設定処理のフローチャートである。
図9のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は画像形成装置Uの他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図9に示す実施例1の画像形成装置Uの動作パラメータ設定処理は前記画像形成装置Uの電源オンにより開始される。
図9のST1において、表示部UI1に機能設定画面(初期画面)51(図6A参照)を表示する。そして、ST2に移る。
【0057】
ST2において、スタートキーUI3がオンされたか否か判断する。イエス(Y)の場合はST11に移り、ノー(N)の場合はST3に移る。
ST3において、「コピー」アイコン51aが選択されたか否かを判断する。イエス(Y)の場合はST4に移り、ノー(N)の場合はST5に移る。
ST4において、コピー設定処理を実行して、前記ST1に戻る。
ST5において、「スキャナー」アイコン51bが選択されたか否かを判断する。イエス(Y)の場合はST6に移り、ノー(N)の場合はST7に移る。
ST6において、スキャナー設定処理を実行して、前記ST1に戻る。
【0058】
ST7において、「FAX」アイコン51cが選択されたか否かを判断する。イエス(Y)の場合はST8に移り、ノー(N)の場合はST9に移る。
ST8において、FAX設定処理を実行して、前記ST1に戻る。
ST9において、「登録・変更」アイコン51dが選択されたか否かを判断する。イエス(Y)の場合はST10に移り、ノー(N)の場合は前記ST2に戻る。
ST10において、登録・変更設定処理を実行して、前記ST1に戻る。なお、前記登録・変更設定処理については、後述の図11において説明する。
前記ST2でイエス(Y)の場合に移るST11において、紙種判別用シート搬送路SH2へ記録シート(用紙、シート)Sの搬送が開始されたか否かを判別する。すなわち、シート搬送開始センサSN1が前記記録シートSの先端を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST12に移り、ノー(N)の場合は前記ST11を繰り返し実行する。
【0059】
ST12において、計測タイマTMをオンにする。そして、ST13に移る。
ST13において、シートセンサSN2が記録シートSの先端を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST14に移り、ノー(N)の場合は前記ST13を繰り返し実行する。
ST14において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST15に移る。
(1)計測タイマTMをオフにする。
(2)計測タイマTMの計測時間TMaを記憶する。
ST15において、紙厚判別処理を実行して、ST16に移る。なお、前記紙厚判別処理は、前記計測時間TMaを基に前記図8に示す紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7aに記憶された記録シートSの坪量(紙厚)を判別する。例えば、前記計測時間TMaが1020[msec]の場合、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSの坪量(紙厚)は110[g/m2]と判別される。
【0060】
ST16において、紙厚登録有効・無効判別フラグFL1=「1」か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST17に移り、ノー(N)の場合はST22に移る。
ST17において、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSの検出された紙厚が後述の図11において説明する紙厚登録・変更設定処理で記憶されている紙厚と同じか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に移り、ノー(N)の場合はST18に移る。
ST18において、前記表示部UI1に警告画面(図7B参照)54を表示して、ST19に移る。
ST19において、「YES」アイコン54aが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に移り、ノー(N)の場合はST20に移る。
ST20において、「NO」アイコン54bが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST21に移り、ノー(N)の場合は前記ST19に戻る。
ST21において、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSを排出して、前記ST1に戻る。
【0061】
ST22において、次の処理(1)〜(3)を実行して、ST23に移る。
(1)記録シートSの検出された紙厚に対応する転写電圧に設定する。なお、実施例1の転写電圧は、紙厚60〜100[g/m2]の場合は低電圧に設定され、紙厚110〜150[g/m2]の場合は中電圧に設定され、紙厚160〜200[g/m2]の場合は高電圧に設定される。
(2)記録シートSの検出された紙厚に対応する定着温度に設定する。なお、実施例1の定着温度は、紙厚60〜100[g/m2]の場合は低温に設定され、紙厚110〜150[g/m2]の場合は中温に設定され、紙厚160〜200[g/m2]の場合は高温に設定される。
(3)記録シートSの検出された紙厚に対応する定着時搬送速度に設定する。なお、実施例1の定着時搬送速度は、紙厚60〜110[g/m2]の場合は高速に設定され、紙厚110〜200[g/m2]の場合は低速に設定される。
ST23において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合は前記ST1に戻り、ノー(N)の場合は前記ST11に戻る。
【0062】
(登録・変更設定処理)
図10は実施例1の登録・変更設定処理のフローチャートであり、前記図9のST10のサブルーチンである。
図10において、登録・変更設定処理のフローチャートは、前記機能設定画面51において「登録・変更」アイコン51dが選択された時に開始される。
図10のST31において、前記表示部UI1に登録・変更画面52(図6B参照)を表示して、ST32に移る。
ST32において、「終了」アイコン52dが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合は前記図9のST1に戻り、ノー(N)の場合はST33に移る。
ST33において、紙厚を登録・変更するためのアイコン52aが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST34に移り、ノー(N)の場合はST35に移る。
【0063】
ST34において、紙厚登録・変更処理を実行して前記ST31に戻る。なお、前記紙厚登録・変更処理は、後述する図11において説明する。
ST35において、個別宛先を登録・変更するためのアイコン52bが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST36に移り、ノー(N)の場合はST37に移る。
ST36において、個別宛先登録・変更処理を実行して、前記ST31に戻る。
ST37において、グループ宛先を登録・変更するためのアイコン52cが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST38に移り、ノー(N)の場合は前記ST32に戻る。
ST38において、グループ宛先登録・変更処理を実行して、前記ST31に戻る。
【0064】
(紙厚登録・変更設定処理)
図11は実施例1の紙厚登録・変更設定処理のフローチャートであり、前記図10のST34のサブルーチンである。
図11において、紙厚登録・変更設定処理のフローチャートは、前記登録・変更画面52においてアイコン52aが選択された時に開始される。
図11のST51において、前記表示部UI1に紙厚登録・変更画面53(図7A参照)を表示して、ST52に移る。
ST52において、「OK」アイコン53hが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST68に移り、ノー(N)の場合はST53に移る。
ST53において、「キャンセル」アイコン53gが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合は前記図10のST31に戻り、ノー(N)の場合はST54に移る。
ST54において、ラジオボタン53eが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST55に移り、ノー(N)の場合はST57に移る。
【0065】
ST55において、ラジオボタン53eにチェックマークが表示されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合は前記ST52に戻り、ノー(N)の場合はST56に移る。
ST56において、次の処理(1)〜(3)を実行して、前記ST52に戻る。
(1)ラジオボタン53fに表示されているチェックマークを消去する。
(2)ラジオボタン53eにチェックマークを表示する。
(3)紙厚登録有効・無効判別フラグFL1=「1」にする。なお、前記FL1=「1」の場合には、紙厚登録が有効になる。
ST57において、ラジオボタン53fが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST58に移り、ノー(N)の場合はST60に移る。
ST58において、ラジオボタン53fにチェックマークが表示されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合は前記ST52に戻り、ノー(N)の場合はST59に移る。
ST59において、次の処理(1)〜(3)を実行して、前記ST52に戻る。
(1)ラジオボタン53eに表示されているチェックマークを消去する。
(2)ラジオボタン53fにチェックマークを表示する。
(3)紙厚登録有効・無効判別フラグFL1=「0」にする。なお、前記FL1=「0」の場合には、紙厚登録が無効になる。
【0066】
ST60において、第1給紙トレイTR1に収容する記録シートSの紙厚が変更されたか否かを判別する。すなわち、前記紙厚登録・変更画面53(図7A参照)において、第1トレイ紙厚設定ボタン53aが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST61に移り、ノー(N)の場合はST62に移る。
ST61において、前記第1トレイ紙厚設定ボタン53aの入力に応じて表示されている設定値を更新(画像を更新)する。すなわち、前記第1トレイ紙厚設定ボタン53aの設定増加ボタン53a1が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで大きくなり、設定減少ボタン53a2が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで小さくなる。そして、前記ST52に戻る。
【0067】
ST62において、第2給紙トレイTR2に収容する記録シートSの紙厚が変更されたか否かを判別する。すなわち、前記紙厚登録・変更画面53(図7A参照)において、第2トレイ紙厚設定ボタン53bが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST63に移り、ノー(N)の場合はST64に移る。
ST63において、前記第2トレイ紙厚設定ボタン53bの入力に応じて表示されている設定値を更新(画像を更新)する。すなわち、前記第2トレイ紙厚設定ボタン53bの設定増加ボタン53b1が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで大きくなり、設定減少ボタン53b2が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで小さくなる。そして、前記ST52に戻る。
【0068】
ST64において、第3給紙トレイTR3に収容する記録シートSの紙厚が変更されたか否かを判別する。すなわち、前記紙厚登録・変更画面53(図7A参照)において、第3トレイ紙厚設定ボタン53cが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST65に移り、ノー(N)の場合はST66に移る。
ST65において、前記第3トレイ紙厚設定ボタン53cの入力に応じて表示されている設定値を更新(画像を更新)する。すなわち、前記第3トレイ紙厚設定ボタン53cの設定増加ボタン53c1が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで大きくなり、設定減少ボタン53c2が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで小さくなる。そして、前記ST52に戻る。
【0069】
ST66において、第4給紙トレイTR4に収容する記録シートSの紙厚が変更されたか否かを判別する。すなわち、前記紙厚登録・変更画面53(図7A参照)において、第4トレイ紙厚設定ボタン53dが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST67に移り、ノー(N)の場合は前記ST52に戻る。
ST67において、前記第4トレイ紙厚設定ボタン53dの入力に応じて表示されている設定値を更新(画像を更新)する。すなわち、前記第4トレイ紙厚設定ボタン53dの設定増加ボタン53d1が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで大きくなり、設定減少ボタン53d2が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで小さくなる。そして、前記ST52に戻る。
前記ST52でイエス(Y)の場合に移るST68において、入力内容を記録して、前記図10のST34に戻る。
【0070】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた本発明の実施例1の画像形成装置Uでは、各給紙トレイTR1〜TR4から給紙された記録シートSは、紙種判別用シート搬送路SH2を通過してレジロールRrに搬送される。前記紙種判別用シート搬送路SH2を搬送される記録シートSは、シート搬送開始センサSN1がシート先端を検出してからシートセンサSN2がシート先端を検出するまでのシート搬送時間(計測時間)TMaが計測される。前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、所定のタイミングで転写領域Q3に搬送される。
【0071】
前記警告手段C13は、ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段C8により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種と異なる旨をユーザに告知する。したがって、前記紙種判別手段C8により判別された紙厚と異なる紙厚用の転写電圧、定着温度および定着時シート搬送速度での画像形成動作を無断で実行することを防止できる。
また、前記ユーザ設定紙種無効化手段C14は、ユーザが設定した紙厚と前記紙種判別手段C8により判別された紙厚とが異なる場合に、ユーザが設定した紙厚を無効にし且つ前記紙種判別手段C8により判別された紙厚を有効にする。したがって、ユーザが設定した紙厚と異なる紙厚の記録シートSが給紙トレイTR1〜TR4に収容されていた場合、記録シート1枚分の画像形成動作が実行される毎に前記警告画面54(図7B参照)が表示部UI1に表示されることによるジョブ速度の低下を防止することができる。
【0072】
実施例1の画像形成装置Uでは、記録シートSが通過したか否かを判別する一般的なシートセンサSN1,SN2の検出信号を基に紙厚を判別することができるため、特別なセンサ(例えば、ラインセンサ)により紙種を判別する場合(特許文献2等)と比較してコスト上昇を抑えることができる。
実施例1の画像形成装置Uでは、前記シート搬送時間TMaに応じて、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSの紙厚(紙種・坪量)が判別される。したがって、ユーザが外観観察で判別困難である紙種(紙厚)を容易に判別することができる。また、シート搬送時に紙厚を判別することができるため、停止した状態で紙種を判別する場合(特許文献1および2等)と比較してジョブを高速処理化することができる。
前記検出された記録シートSの紙厚に応じて、記録シートSにトナー像を転写する転写電圧、前記トナー像を記録シートSに定着する定着温度、トナー像定着時のシート搬送速度を変更するため、前記記録シートSに記録する画質を向上させることができる。
【実施例2】
【0073】
図12は実施例2の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図である。
図13は実施例2の紙厚記憶テーブルの説明図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図12において、実施例2のコントローラCは、前記実施例1のコントローラCが有する紙厚・印刷パラメータ設定値記憶手段C7、紙種判別手段C8、転写電圧設定手段C9、定着温度設定手段C10およびトナー像定着時搬送速度設定手段C11の換わりに、紙厚・印刷パラメータ設定値記憶手段C7′、紙種判別手段C8′、転写電圧設定手段C9′、定着温度設定手段C10′およびトナー像定着時搬送速度設定手段C11′を有している。
【0074】
(実施例2のコントローラCの機能)
C7′:紙厚・印刷パラメータ設定値記憶手段
紙厚・印刷パラメータ設定値記憶手段C7′は、紙厚記憶手段C7a′と印刷パラメータ設定用演算式記憶手段C7b′とを有しており、記録シートSの坪量(紙厚)や印刷パラメータ(転写電圧、定着温度およびトナー像定着時搬送速度)を設定するためのテーブルや演算式を記憶する。
C7a′:紙厚記憶手段
紙厚記憶手段C7a′は、前記シート搬送時間計測手段C6が計測するシート搬送時間TMaに対して設定された記録シートSの坪量(紙厚)の設定値記憶テーブルである紙厚記憶テーブル(図13参照)を記憶する。
【0075】
C7b′:印刷パラメータ設定用演算式記憶手段
印刷パラメータ設定用演算式記憶手段C7b′は、転写電圧設定用演算式記憶手段C7b1′と、定着温度設定用演算式記憶手段C7b2′と、トナー像定着時搬送速度設定用演算式記憶手段C7b3′と、を有し、印刷パラメータ(転写電圧、定着温度およびトナー像定着時搬送速度)を設定するための演算式を記憶する。
C7b1′:転写電圧設定用演算式記憶手段
転写電圧設定用演算式記憶手段C7b1′は、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]から転写電圧V[v]を計算する転写電圧演算式を記憶する。実施例2の転写電圧設定用演算式記憶手段C7b1′は、転写電圧演算式として、実験により予め導出された下記の演算式(1)を記憶する。
V=−39.29×TMa+42540………(1)
【0076】
C7b2′:定着温度設定用演算式記憶手段
定着温度設定用演算式記憶手段C7b2′は、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]から定着温度T[℃]を計算する定着温度演算式を記憶する。実施例2の定着温度設定用演算式記憶手段C7b2′は、定着温度演算式として、実験により予め導出された下記の演算式(2)を記憶する。
T=−0.214×TMa+378.98………(2)
C7b3′:トナー像定着時搬送速度設定用演算式記憶手段
トナー像定着時搬送速度設定用演算式記憶手段C7b3′は、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]から定着領域Q4を通過する記録シートSの搬送速度S[mm/sec]を計算するトナー像定着時搬送速度演算式を記憶する。実施例2のトナー像定着時搬送速度設定用演算式記憶手段C7b3′は、トナー像定着時搬送速度演算式として、実験により予め導出された下記の演算式(3)を記憶する。
S=0.786×TMa−661………(3)
【0077】
C8′:紙種判別手段
紙種判別手段C8′は、前記シート搬送時間計測手段C6で計測されたシート搬送時間TMaと、図13に示す紙厚記憶テーブルとに基づいて、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSの坪量(紙厚)を判別する。
【0078】
図14は実施例2の画像形成装置の印刷パラメータを設定する演算式の説明図であり、図14Aは紙種判別用シート搬送路を通過する記録シートの搬送速度と転写電圧との関係を示すグラフ、図14Bは紙種判別用シート搬送路を通過する記録シートの搬送速度と定着温度との関係を示すグラフ、図14Cは紙種判別用シート搬送路を通過する記録シートの搬送速度とトナー像定着時のシート搬送速度との関係を示すグラフである。
C9′:転写電圧設定手段
転写電圧設定手段C9′は、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]と前記転写電圧演算式(1)に基づいて、前記転写電圧V[v]を設定する。図14Aにおいて、例えば、前記シート搬送時間TMaが1000[msec]であった場合、前記転写ロールRtに印加する転写電圧Vは3.3[kV]に設定される。
【0079】
C10′:定着温度設定手段
定着温度設定手段C10′は、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]と前記定着温度演算式(2)に基づいて、定着温度T[℃]を設定する。図14Bにおいて、例えば、前記シート搬送時間TMaが1000[msec]であった場合、定着温度Tは165[℃]に設定される。なお、前記定着温度T[℃]は、前記加熱ロールFh内部に設けられたヒータ(図示せず)をオンオフ制御することにより制御される。
C11′:トナー像定着時搬送速度設定手段
トナー像定着時搬送速度設定手段C11′は、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]と前記トナー像定着時搬送速度演算式(3)に基づいて、トナー像定着時搬送速度S[mm/sec]を設定する。図14Cにおいて、例えば、前記シート搬送時間TMaが1000[msec]であった場合、トナー像定着時搬送速度Sは125[mm/sec]に設定される。なお、前記トナー像定着時搬送速度S[mm/sec]は、定着時シート搬送部材Fpを駆動するモータの出力制御により制御される。
【0080】
(実施例2の作用)
実施例2の画像形成装置Uでは、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]と、印刷パラメータ設定用演算式記憶手段C7b′に記憶された演算式(1)〜(3)とにより、印刷パラメータ(転写電圧、定着温度およびトナー像定着時搬送速度)を設定することができる。また、実施例2の画像形成装置Uは、記録シートSが通過したか否かを判別する一般的なシートセンサSN1,SN2の検出信号を基に紙種(紙厚・坪量)を判別することができるため、特別なセンサ(例えば、ラインセンサ)により紙種を判別する場合と比較してコストの上昇を抑えることができる。
その他、実施例2の画像形成装置Uは、前記実施例1の画像形成装置Uと同様の作用効果(ジョブを高速処理化する等)を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0081】
(変更例)
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(H01)実施例1において、モノクロの画像形成装置に限定されず、フルカラーの画像形成装置に本発明を適用することが可能である。また、本発明は、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置にも適用することが可能である。
(H02)実施例1において、紙種判別用シート搬送路(SH2)の形状は蛇腹状に限定されず、シート(S)の剛性の高低によりシート搬送時間(TMa)が異なる形状であればS字状等にすることも可能である。
(H03)実施例1において、前記シートセンサ(SN1,SN2)は、光センサや接触型センサ等の種々のセンサを採用することが可能である。
【0082】
(H04)実施例1において、シート搬送開始センサ(SN1)がシート先端を検出してからシートセンサ(SN2)がシート先端を検出するまでのシート搬送時間(TMa)により紙種を判別したがこれに限定されず、記録シート(S)がピックアップされてからシートセンサ(SN2)に検出されるまでのシート搬送時間により紙種を判別することも可能である。
(H05)実施例1において、紙種設定手段(C12)に記憶させる紙厚の下限値60[g/m2]および上限値200[g/m2]はこれに限定されず、例えば下限値10[g/m2]および上限値300[g/m2]等に設定することも可能である。
【0083】
(H06)実施例2において、印刷パラメータ設定用演算式記憶手段(C7b′)に記憶された演算式(1)〜(3)はこれに限定されず、画像形成装置(U)や紙種判別用シート搬送路(SH2)等の構成に応じて導出された演算式を使用することが可能である。
(H07)実施例1,2において、本発明は普通紙の紙種(紙厚・坪量)に限定されず、OHPシートや光沢紙等の紙種(紙厚・坪量)を判別することも可能である。また、シート搬送時間計測手段C6が計測するシート搬送時間TMaが普通紙やOHPシート、光沢紙等により異なる場合には、複数の給紙トレイ(TR1〜TR4)に普通紙、OHPシートまたは光沢紙等を収容した画像形成装置に本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の縦断面図である。
【図2】図2は図1の画像形成装置プロセスユニット及び定着ユニット部分の要部拡大図である。
【図3】図3は実施例1の画像形成装置の要部拡大図であり、図3Aは紙種判別用シート搬送路に剛性の低い記録シートが搬送されている状態を示す図であり、図3Bは紙種判別用シート搬送路に剛性の高い記録シートが搬送されている状態を示す図である。
【図4】図4は実施例1の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図5】図5は実施例1のユーザインタフェースの説明図である。
【図6】図6は表示部に表示される画面の説明図であり、図6Aは機能設定画面を示す図、図6Bは登録・変更画面を示す図である。
【図7】図7は表示部に表示される画面の説明図であり、図7Aは紙厚登録・変更画面を示す図、図7Bは警告画面を示す図である。
【図8】図8は、実施例1の紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルの説明図である。
【図9】図9は実施例1の画像形成装置の動作パラメータ設定処理のフローチャートである。
【図10】図10は実施例1の登録・変更設定処理のフローチャートであり、前記図9のST10のサブルーチンである。
【図11】図11は実施例1の紙厚登録・変更設定処理のフローチャートであり、前記図10のST34のサブルーチンである。
【図12】図12は実施例2の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図である。
【図13】図13は実施例2の紙厚記憶テーブルの説明図である。
【図14】図14は実施例2の画像形成装置の印刷パラメータを設定する演算式の説明図であり、図14Aは紙種判別用シート搬送路を通過する記録シートの搬送速度と転写電圧との関係を示すグラフ、図14Bは紙種判別用シート搬送路を通過する記録シートの搬送速度と定着温度との関係を示すグラフ、図14Cは紙種判別用シート搬送路を通過する記録シートの搬送速度とトナー像定着時のシート搬送速度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0085】
C5…搬送時シート検出手段、
C6…シート搬送時間計測手段、
C8,C8′…紙種判別手段、
C9,C9′…転写電圧設定手段、
C10,C10′…定着温度設定手段、
C11,C11′…トナー像定着時搬送速度設定手段、
C12…紙種設定手段、
C13…警告手段、
C14…ユーザ設定紙種無効化手段、
F…定着装置、
HS…紙種判別装置、
Rt…転写装置、
Fh,Fp…定着時シート搬送部材、
S…シート、
SN1…シート搬送開始センサ、
SN1,SN2…シートセンサ、
SH1+SH2+Ra+Rr…シート搬送装置、
SH2…紙種判別用シート搬送路
TMa…シート搬送時間。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像が記録されるシートの紙種を判別する紙種判別装置および前記紙種判別装置を備えた画像形成装置に関し、特に、シート搬送時に紙種を判別する紙種判別装置および前記紙種判別装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機等の画像形成装置では、画像を記録するのに種々のシートが使用されている。前記シートの種類としては、普通紙、光沢紙およびOHPシート等があり、それぞれ光沢性や剛性(腰、紙厚)等が異なる。このため、従来の画像形成装置では、シートの種類に伴って、シートにトナー像を転写させる転写電圧やシートに画像を定着させる定着温度等を最適な印刷条件に変更してシートに画像を記録している。
最適な印刷条件でシートに画像を記録するためにシートの種類を判別する技術としては、次の従来技術(J01),(J02)が公知である。
(J01)特許文献1(特開平10−198174号公報)記載の技術
従来技術(J01)には、用紙を収納したカセット内で普通紙とOHPシートが混入された場合でも、前記カセット内の一番上の用紙種類を判別する技術が記載されている。
(J02)特許文献2(特開2001−247236号公報)記載の技術
従来技術(J02)には、記録媒体の下流端部分の搬送が停止した後、所定時間後に、記録媒体の撓み量をセンサにより検出し、検知された撓み量に基づいて記録媒体の種類を判別する技術が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−198174号公報
【特許文献2】特開2001−247236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(従来技術(J01)の問題点)
前記従来技術(J01)は、用紙が停止した状態で紙種を判別するため高速処理が困難であり、ユーザによる外観観察において明らかに異なる普通紙やOHPシート等の紙種しか判別できないという問題点がある。
(従来技術(J02)の問題点)
前記従来技術(J02)は、用紙が停止した状態から紙種判別を開始するため高速処理が困難であり、記録媒体の撓みを検出する特別なセンサはコスト高になり、記録媒体に撓みを形成するスペースや前記センサの取り付けスペースが必要になるという問題点がある。
【0005】
本発明は前記事情に鑑み、次の記載内容(O01)、(O02)を技術的課題とする。
(O01)特別な紙種判別用のセンサを使用せずに紙種を判別すること。
(O02)紙種の判別を高速で行えるようにすること。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の構成要素には、後述の実施例の構成要素との対応を容易にするため、実施例の構成要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。
なお、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0007】
(第1発明)
前記課題を解決するため、第1発明の紙種判別装置は、次の構成要件(A01)〜(A05)を備えたことを特徴とする。
(A01)画像を記録するシート(S)が搬送される紙種判別用シート搬送路(SH2)であって、剛性の高いシート(S)に比較して剛性の低いシート(S)の搬送時間が長くなるように形成された前記紙種判別用シート搬送路(SH2)、
(A02)前記紙種判別用シート搬送路(SH2)にシート(S)を搬送させるシート搬送装置(SH1+SH2+Ra+Rr)、
(A03)前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送されるシート(S)を検出するシートセンサ(SN1,SN2)、
(A04)前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送されたシート(S)が前記シートセンサ(SN2)により検出されるまでのシート搬送時間(TMa)を計測するシート搬送時間計測手段(C6)、
(A05)前記シート搬送時間計測手段(C6)により計測されたシート搬送時間(TMa)から前記シート(S)の紙種を判別する紙種判別手段(C8)。
【0008】
(第1発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A05)を備えた第1発明の紙種判別装置では、画像を記録するシート(S)が搬送される紙種判別用シート搬送路(SH2)は、剛性の高いシート(S)に比較して剛性の低いシート(S)の搬送時間が長くなる。
シート搬送装置(SH1+SH2+Ra+Rr)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)にシート(S)を搬送する。
シートセンサ(SN1,SN2)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送されるシート(S)を検出する。
シート搬送時間計測手段(C6)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送されたシート(S)が前記シートセンサ(SN2)により検出されるまでのシート搬送時間(TMa)を計測する。
紙種判別手段(C8)は、前記シート搬送時間計測手段(C6)により計測されたシート搬送時間(TMa)から前記シート(S)の紙種を判別する。
【0009】
したがって、前記シートセンサ(SN1,SN2)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送されるシート(S)を検出する一般的なセンサにより構成されているので、紙種判別用の特別なセンサ(例えば、ラインセンサ等)を使用する場合と比較してコストを削減することができる。また、前記シート(S)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送される際に紙種が判別されるので、停止した状態でシート(S)の紙種を判別する場合と比較して紙種判別を高速に行うことができる。紙種判別を高速に行うことにより、画像形成動作を高速化することができる。
前記シート搬送時間(TMa)に応じて、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)に搬送された記録シート(S)の紙種が判別されるので、ユーザが外観観察で判別困難である紙種を容易に判別することができる。
【0010】
(第1発明の形態1)
第1発明の形態1の紙種判別装置は、前記第1発明において次の構成要件(A06)を備えたことを特徴とする。
(A06)シート(S)の搬送方向に沿った搬送方向搬送路とシート面に垂直な垂直方向搬送路とが交互に形成された蛇腹状の前記紙種判別用シート搬送路(SH2)。
(第1発明の形態1の作用)
前記構成要件(A06)を備えた第1発明の形態1の紙種判別装置では、蛇腹状の前記紙種判別用シート搬送路(SH2)は、シート(S)の搬送方向に沿った搬送方向搬送路とシート面に垂直な垂直方向搬送路とが交互に形成されている。したがって、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)は、剛性の高いシート(S)に比較して剛性の低いシート(S)の搬送時間が長くなる。
【0011】
(第1発明の形態2)
第1発明の形態2の紙種判別装置は、前記第1発明または第1発明の形態1において次の構成要件(A07)〜(A09)を備えたことを特徴とする。
(A07)前記紙種判別用シート搬送路(SH2)のシート搬送方向下流端部に設けられた前記シートセンサ(SN2)、
(A08)前記シートセンサ(SN2)の検出信号によりシート先端が前記シートセンサ(SN2)を通過したと判断する搬送時シート検出手段(C5)、
(A09)シート(S)が搬送開始されてから前記搬送時シート検出手段(C5)により検出されるまでのシート搬送時間(TMa)を計測する前記シート搬送時間計測手段(C6)。
【0012】
(第1発明の形態2の作用)
前記構成要件(A07)〜(A09)を備えた第1発明の形態2の紙種判別装置では、前記シートセンサ(SN2)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)のシート搬送方向下流端部に設けられている。
搬送時シート検出手段(C5)は、前記シートセンサ(SN2)の検出信号によりシート先端が前記シートセンサ(SN2)を通過したと判断する。
前記シート搬送時間計測手段(C6)は、シート(S)が搬送開始されてから前記搬送時シート検出手段(C5)により検出されるまでのシート搬送時間(TMa)を計測する。
したがって、前記シート搬送時間(TMa)に応じて、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)に搬送された記録シート(S)の紙種が判別される。このため、ユーザが外観観察で判別困難である紙種を容易に判別することができる。
【0013】
(第1発明の形態3)
第1発明の形態3の紙種判別装置は、前記第1発明または第1発明の形態1もしくは2において次の構成要件(A010)を備えたことを特徴とする。
(A010)前記紙種判別用シート搬送路(SH2)へのシート(S)の搬送が開始されたことを検出するシート搬送開始センサ(SN1)。
(第1発明の形態3の作用)
前記構成要件(A010)を備えた第1発明の形態3の紙種判別装置では、シート搬送開始センサ(SN1)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)へのシート(S)の搬送が開始されたことを検出する。したがって、前記シート搬送時間計測手段(C6)は、前記シート搬送開始センサ(SN1)がシート(S)を検出してから前記搬送時シート検出手段(C5)により検出されるまでの前記シート搬送時間(TMa)を計測することができる。
【0014】
(第2発明)
第2発明の画像形成装置は、次の構成要件(A011)を備えたことを特徴とする。
(A011)前記第1発明または第1発明の形態1ないし3のいずれか記載の紙種判別装置(HS)。
(第2発明の作用)
前記構成要件(A011)を備えた第2発明の画像形成装置では、前記第1発明または第1発明の形態1ないし3のいずれか記載の紙種判別装置(HS)を備えている。したがって、シートセンサ(SN1,SN2)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送されるシート(S)を検出する一般的なセンサにより構成されているので、紙種判別用の特別なセンサ(例えば、ラインセンサ等)を使用する場合と比較してコストを削減することができる。また、前記シート(S)は、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)を搬送される際に紙種が判別されるので、停止した状態でシート(S)の紙種を判別する場合と比較して紙種判別を高速に行うことができる。紙種判別を高速に行うことにより、画像形成動作を高速化することができる。
前記シート搬送時間(TMa)に応じて、前記紙種判別用シート搬送路(SH2)に搬送された記録シート(S)の紙種が判別されるので、ユーザが外観観察で判別困難である紙種を容易に判別することができる。
【0015】
(第2発明の形態1)
第2発明の形態1の画像形成装置は、前記第2発明において次の構成要件(A012),(A013)を備えたことを特徴とする。
(A012)トナー像をシート(S)に転写する転写装置(Rt)、
(A013)前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じて、前記転写装置(Rt)の転写電圧を所定の電圧に設定する転写電圧設定手段(C9,C9′)。
【0016】
(第2発明の形態1の作用)
前記構成要件(A012),(A013)を備えた第2発明の形態1の画像形成装置では、転写装置(Rt)は、トナー像をシート(S)に転写する。
転写電圧設定手段(C9,C9′)は、前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じて、前記転写装置(Rt)に印加する転写電圧を所定の電圧に設定する。
したがって、前記シート(S)の紙種に応じて、記録シートSにトナー像を転写する転写電圧を設定するため、前記シート(S)に記録する画質を向上させることができる。
【0017】
(第2発明の形態2)
第2発明の形態2の画像形成装置は、前記第2発明または第2発明の形態1において次の構成要件(A014),(A015)を備えたことを特徴とする。
(A014)シート(S)に転写されたトナー像を加熱定着する定着装置(F)、
(A015)前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じて、前記定着装置(F)の定着温度を所定の温度に設定する定着温度設定手段(C10,C10′)。
【0018】
(第2発明の形態2の作用)
前記構成要件(A014),(A015)を備えた第2発明の形態2の画像形成装置では、定着装置(F)は、シート(S)に転写されたトナー像を定着する。
定着温度設定手段(C10,C10′)は、前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じて、前記定着装置(F)の定着温度を所定の温度に設定する。したがって、前記シート(S)に記録する画質を向上させることができる。
【0019】
(第2発明の形態3)
第2発明の形態3の画像形成装置は、前記第2発明または第2発明の形態1もしくは2において次の構成要件(A016),(A017)を備えたことを特徴とする。
(A016)前記定着装置(F)を通過するシート(S)を搬送する定着時シート搬送部材(Fh,Fp)、
(A017)前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じて、前記定着時シート搬送部材(Fh,Fp)のシート搬送速度を所定の速度に設定するトナー像定着時搬送速度設定手段(C11,C11′)。
【0020】
(第2発明の形態3の作用)
前記構成要件(A016),(A017)を備えた第2発明の形態3の画像形成装置では、定着時シート搬送部材(Fh,Fp)は、前記定着装置(F)を通過するシート(S)を搬送する。
トナー像定着時搬送速度設定手段(C11,C11′)は、前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じて、前記定着時シート搬送部材(Fh,Fp)のシート搬送速度を所定の速度に設定する。したがって、前記シート(S)に記録する画質を向上させることができる。
【0021】
(第2発明の形態4)
第2発明の形態4の画像形成装置は、前記第2発明または第2発明の形態1ないし3のいずれかにおいて次の構成要件(A018),(A019)を備えたことを特徴とする。
(A018)画像記録に使用するシート(S)の紙種をユーザが設定可能な紙種設定手段(C12)、
(A019)ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種と異なる旨をユーザに告知する警告手段(C13)。
【0022】
(第2発明の形態4の作用)
前記構成要件(A018),(A019)を備えた第2発明の形態4の画像形成装置では、紙種設定手段(C12)は、画像記録に使用するシート(S)の紙種をユーザが設定することができる。
警告手段(C13)は、ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種と異なる旨をユーザに告知する。
したがって、前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種と異なる紙種用の転写電圧、定着温度および定着時シート搬送速度での画像形成動作を無断で実行することを防止できる。
【0023】
(第2発明の形態5)
第2発明の形態5の画像形成装置は、前記第2発明または第2発明の形態1ないし4のいずれかにおいて次の構成要件(A018),(A020)を備えたことを特徴とする。
(A018)画像記録に使用するシート(S)の紙種をユーザが設定可能な紙種設定手段(C12)、
(A020)ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種を無効にし且つ前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種を有効にするユーザ設定紙種無効化手段(C14)。
【0024】
(第2発明の形態5の作用)
前記構成要件(A018),(A020)を備えた第2発明の形態5の画像形成装置では、紙種設定手段(C12)は、画像記録に使用するシート(S)の紙種をユーザが設定することができる。
ユーザ設定紙種無効化手段(C14)は、ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種を無効にし且つ前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種を有効にする。
したがって、ユーザは、紙種を設定するのが面倒な場合や、紙種設定を忘れた場合でも、前記紙種判別手段(C8,C8′)により判別された紙種に応じた転写電圧、定着温度および定着時シート搬送速度で画像形成動作を実行することができる。
【発明の効果】
【0025】
前述の本発明は、下記の効果(E01),(E02)を奏する。
(E01)特別な紙種判別用のセンサを使用せずに紙種を判別することができる。
(E02)紙種の判別を高速で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【実施例1】
【0027】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の縦断面図である。
図1において、画像形成装置Uは、画像形成装置本体U1、自動原稿搬送装置U2を有している。前記画像形成装置本体U1は、IOT(イメージアウトプットターミナル)、IIT(イメージインプットターミナル、すなわち原稿読取装置)を有している。
前記自動原稿搬送装置U2は、IIT上面のプラテンガラスPG上に支持されている。
前記IOT上面には上方のIITとの間にシート排出トレイTRhが設けられている。
【0028】
図1において、前記自動原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に載置された複数の各原稿Giは順次プラテンガラスPG上の複写位置を通過して原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。前記自動原稿搬送装置U2は、その後端部(−X端部)に設けた左右方向に延びるヒンジ軸(図示せず)により前記プラテンガラスPG上面に対して回動可能であり、原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置く場合に上方に回動される。
前記画像形成装置本体U1は、ユーザがコピースタート等の作動指令信号を入力操作するUI(ユーザインタフェース)を有している。
【0029】
前記透明なプラテンガラスPGの下方には原稿画像を読み取るための露光光学系Aが配置されている。
前記自動原稿搬送装置U2でプラテンガラスPG上面に搬送される原稿Giまたは手動でプラテンガラスPG上に置かれた原稿(図示せず)からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、CCD(固体撮像素子)で電気信号に変換される。
IPS(イメージプロセッシングシステム)は、CCDから入力される電気信号を画像データに変換して一時的に記憶し、前記画像データを所定のタイミングで潜像形成用の画像データとしてレーザ駆動回路DLに出力する。
レーザ駆動回路DLは、入力された画像データに応じてレーザ駆動信号をROS(潜像形成装置)に出力する。なお、前記UI(ユーザインタフェース)、IPSおよびレーザ駆動信号出力装置DLと、後述の現像ロールGa、転写ロールRtにバイアス電圧を印加する電源回路E等の動作はコントローラCにより制御される。
【0030】
図2は図1の画像形成装置プロセスユニット及び定着ユニット部分の要部拡大図である。
図1において、前記ROSの左方には、黒色のトナー像を形成するトナー像形成装置(プロセスユニット、カートリッジユニット)Upが配置されている。潜像形成光学系ROSの図示しないレーザダイオードから出射したレーザビームLは、回転する像保持体(感光体、像保持体)PRに入射する。
図1、図2において、前記トナー像形成装置Upは、矢印方向(図2参照)に回転する感光体ドラムにより構成された前記像保持体PRと、帯電ロール(帯電部材)CRと、現像装置Gと、クリーナCLとを有している。また、前記トナー像形成装置Upはユニット化されており、プロセスユニットUpとして画像形成装置本体U1に着脱可能に構成されている。前記プロセスユニット(トナー像形成装置)Upの着脱は、画像形成装置本体U1の前面に開閉可能に支持されたフロントカバー(図示せず)を開放した状態で行う。
【0031】
図2において、前記像保持体PRの表面は、帯電ロールCRにより一様に帯電された後、潜像書込位置Q1において前記ROSのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。
前記静電潜像が形成された像保持体PR表面は回転移動して現像領域Q2、転写領域(シート転写領域)Q3を順次通過する。
現像装置Gは、現像バイアスが印加される現像ロールGa、現像剤を現像ロールGaに撹拌しながら搬送する現像剤攪拌部材Gb,Gc,Gdを回転可能に支持し且つ現像剤を収容する現像容器Vを有している。そして、現像領域Q2を通過する像保持体PR上の静電潜像を現像ロールGa表面に付着したトナーによりトナー像に現像する。
前記像保持体PR、帯電ロールCR、現像装置G、クリーナCL等がユニット化されたプロセスユニット(カートリッジユニット)Upによって、トナー像形成装置Upが構成されている。
【0032】
図1において、前記転写領域Q3に搬送するための記録シート(シート)Sを収容する複数の給紙トレイTR1〜TR4(第1給紙トレイTR1、第2給紙トレイTR2、第3給紙トレイTR3、第4給紙トレイTR4)は、その左右両側に前後方向(図1で紙面に垂直な方向)に沿って配置された一対のレールRL1,RL1に沿って移動可能に支持されている。
図1において、前記各給紙トレイTR1〜TR4から、ピックアップロールRpにより取出された記録シートSは、リタードロールおよび給紙ロールを有するさばきロールRsにより1枚づつ分離されて、シート搬送路SH1に沿って配置された複数のシート搬送ロールRaにより搬送され、紙種判別用シート搬送路SH2に搬送される。
【0033】
図3は実施例1の画像形成装置の要部拡大図であり、図3Aは紙種判別用シート搬送路に剛性の低い記録シートが搬送されている状態を示す図であり、図3Bは紙種判別用シート搬送路に剛性の高い記録シートが搬送されている状態を示す図である。
図1〜図3において、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSは、前記紙種判別用シート搬送路SH2のシート搬送方向下流端部に配置されたレジロールRrに搬送される。
図3において、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSは、剛性が低いほど蛇腹状(紙面に沿う方向の搬送路である紙面方向搬送路と紙面に垂直な方向である垂直方向反路とが交互に配置された形状)の紙種判別用シート搬送路SH2に沿って搬送(図3A参照)されやすく、剛性が高いほど前記紙種判別用シート搬送路SH2の最短経路を搬送(図3B参照)されやすい。このため、剛性が低い記録シートSほど前記紙種判別用シート搬送路SH2の移動経路が長くなり、剛性が高い記録シートSほど前記紙種判別用シート搬送路SH2の移動経路が短くなる。前記紙種判別用シート搬送路SH2の移動経路が長い記録シートSほど前記レジロールRrに搬送されるまでのシート搬送時間が長くなる。
画像形成装置本体U1の左側(−Y側)に配置された手差トレイTR0から給紙された記録シートSは、手差トレイ用ピックアップロールRbにより手差トレイ用搬送路SH3からレジロールRrに搬送される。
【0034】
図3において、前記紙種判別用シート搬送路SH2のシート搬送方向上流端部には、前記紙種判別用シート搬送路SH2への搬送が開始された記録シートSの先端を検出するシート搬送開始センサ(シートセンサ)SN1が配置されている。前記紙種判別用シート搬送路SH2のシート搬送方向下流端部には、記録シートSの先端が通過したことを検出するレジセンサ(シートセンサ)SN2が配置されている。
前記シート搬送開始センサSN1およびレジセンサSN2は、記録シートSの先端を検出すると、前記コントローラCに検出信号を出力する。
前記シート搬送路SH1、紙種判別用シート搬送路SH2、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置(SH1+SH2+Ra+Rr)が構成されている。
前記シート搬送装置(SH1+SH2+Ra+Rr)、シート搬送開始センサSN1およびレジセンサSN2等により、実施例1の紙種判別装置(HS)が構成されている。
【0035】
図2、図3において、前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、所定のタイミングで前記転写領域Q3に搬送される。図2において、前記転写領域Q3には転写バイアスが印加される転写ロール(転写装置)Rtが配置されている。この転写ロールRtは転写領域Q3において前記像保持体PRに圧接しており、記録シートSが前記転写領域Q3を通過する際、前記転写ロールRtには前記コントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングで転写バイアス(転写電圧)が印加される。このとき、前記像保持体PR上のトナー像は、転写ロールRtにより記録シートSに転写される。
像保持体PR表面のトナー像が転写領域Q3において記録シートSに転写された後、前記像保持体PRは、クリーナCL(図2参照)により表面に付着した残留トナーが回収される。前記クリーナCLにより表面に付着した残留トナーが回収された像保持体PRは、前記帯電ロールCRにより再び帯電される。
【0036】
図1、図2において、前記転写領域Q3において未定着のトナー像が転写された記録シートSは、トナー像が未定着の状態で、前記転写ロールRtの上方に配置された定着装置(定着ユニット)Fに搬送される。
図2において、前記定着装置Fは、互いに圧接して回転する加熱ロール(加熱用定着部材)Fh及び加圧ロール(加圧用定着部材)Fpにより構成される一対の定着部材Fh,Fpを有している。また、前記定着装置Fは、ユニット化されており、定着ユニット(カートリッジユニット)Fとして画像形成装置本体U1に着脱可能に構成されている。
前記未定着トナー像が転写された記録シートSは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとの圧接領域によって形成される定着領域Q4に搬送され、加熱ロールFhと加圧ロールFpによりトナー像が定着される。
【0037】
図1、図2において、定着トナー像が形成された記録シートSは、その後、シートガイドSG1,SG2(図2参照)にガイドされて排紙ロール(標準排出ロール)R1に搬送され、前記排紙ロールR1によりシート排出トレイTRhに排出される。
図1において、前記排紙ロールR1の左方には、オプション装置(シート反転装置)U3の装着時に、画像形成装置本体U1内に装着されるシート反転排出用ガイドSG3(図2参照)およびオプション排出ロールR2(図2参照)が2点鎖線(仮想線)で示されている。
【0038】
図1において画像形成装置本体U1の上部左側面にはオプション装置であるシート反転装置U3が着脱可能に装着されている。記録シートの両面に画像記録を行う場合、片面記録済の記録シートは前記オプション排出ロールR2からシート反転装置U3を通って、表裏反転した状態で前記転写領域Q3に再送される。
前記シート反転排出用ガイドSG3およびオプション排出ロールR2は、オプション装置であるシート反転装置U3を画像形成装置本体U1に装着した場合にのみ使用される部材(オプション排出部材)であり、シート反転装置U3の装着時に画像形成装置本体U1内に装着される。
【0039】
(実施例1の制御部の説明)
図4は実施例1の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図5は実施例1のユーザインタフェースの説明図である。
図4において、前記コントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)やハードディスク、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0040】
(前記コントローラCに接続された信号入力要素)
前記コントローラCは、UI(ユーザインタフェース)、シート搬送開始センサSN1、レジセンサ(シートセンサ)SN2等の信号入力要素からの信号が入力されている。
図5において、前記UIは、表示部UI1、メニューキーUI2、スタートキーUI3、キャンセルキーUI4およびテンキーUI5等を備えており、それらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラCに入力する。
前記シート搬送開始センサSN1は、前記紙種判別用シート搬送路SH2への搬送が開始された記録シートSの先端を検出し、その検出信号をコントローラCに入力する。
前記レジセンサ(シートセンサ)SN2は、記録シートSの先端が通過したことを検出し、その検出信号をコントローラCに入力する。
【0041】
(前記コントローラCに接続された制御要素)
また、コントローラCは、メインモータ駆動回路D1、シート搬送用モータ駆動回路D2、電源回路E、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
前記電源回路Eは現像用電源回路E1や帯電用電源回路E2、転写用電源回路E3、加熱用電源回路E4等を有する。
前記現像用電源回路E1は、前記現像装置Gの現像ロールGaに現像バイアスを印加する。
前記帯電用電源回路E2は、前記帯電ロールCRに帯電バイアスを印加する。
【0042】
前記転写用電源回路E3は、前記転写ロールRtに転写バイアスを印加する。
前記加熱用電源回路E4は、定着装置Fの加熱ロールFhのヒータにヒータ加熱用の電流を供給する。
前記メインモータ駆動回路D1はメインモータM1を介して像保持体PR、現像ロールGa、定着装置F等を回転駆動する。
前記シート搬送用モータ駆動回路D2は、シート搬送用モータM2を介してシート搬送装置SHのピックアップロールRp等を回転駆動する。
【0043】
(前記コントローラCの機能)
前記コントローラCは、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。前記コントローラCの機能(制御手段)を次に説明する。
C1:ジョブ制御手段
ジョブ制御手段C1は、IITにより読み取った原稿Giの画像データに応じて、前記ROS、像保持体PR、転写ロールRt、定着装置F等の動作を制御して、画像記録動作であるジョブ(画像記録動作)を実行する。
【0044】
C2:メインモータ回転制御手段
メインモータ回転制御手段C2は、前記メインモータ駆動回路D1を制御して、像保持体PRや現像ロールGa、定着装置F等の回転駆動を制御する。
C3:電源回路制御手段
電源回路制御手段C3は、現像用電源回路制御手段C3a、帯電用電源回路制御手段C3b、転写用電源回路制御手段C3c、加熱用電源回路制御手段C3dを有し、電源回路Eを制御して画像形成装置Uの各部材への電源供給の制御を行う。
【0045】
C3a:現像用電源回路制御手段
現像用電源回路制御手段C3aは、現像用電源回路E1を制御して現像バイアスを制御する。
C3b:帯電用電源回路制御手段
帯電用電源回路制御手段C3bは、帯電用電源回路E2を制御して帯電バイアスを制御する。
C3c:転写用電源回路制御手段
転写用電源回路制御手段C3cは、転写用電源回路E3を制御して転写バイアスを制御する。
C3d:加熱用電源回路制御手段
加熱用電源回路制御手段C3dは、加熱用電源回路E4を制御して加熱用バイアスを制御する。
【0046】
C4:画面表示手段
画面表示手段C4は、機能設定画面表示手段C4a、登録・変更画面表示手段C4b、紙厚登録・変更画面表示手段C4c、警告画面表示手段C4dを有し、表示部UI1に各画面を表示する。
図6は表示部に表示される画面の説明図であり、図6Aは機能設定画面を示す図、図6Bは登録・変更画面を示す図である。
図7は表示部に表示される画面の説明図であり、図7Aは紙厚登録・変更画面を示す図、図7Bは警告画面を示す図である。
【0047】
C4a:機能設定画面表示手段
機能設定画面表示手段C4aは、電源オン時に機能設定画面(初期画面)51を前記表示部UI1に表示する。
図6Aにおいて、前記機能設定画面51は、コピー機能を選択するための「コピー」アイコン51aと、スキャナー機能を選択するための「スキャナー」アイコン51bと、FAX機能を選択するための「FAX」アイコン51cと、各種設定を登録・変更するための「登録・変更」アイコン51dと、を有する。
C4b:登録・変更画面表示手段
登録・変更画面表示手段C4bは、前記機能設定画面51の「登録・変更」アイコン51dが選択された場合に登録・変更画面52を前記表示部UI1に表示する。
図6Bにおいて、前記登録・変更画面52は、紙厚を登録・変更するためのアイコン52aと、FAXの個別宛先を登録・変更するためのアイコン52bと、グループ宛先を登録・変更するためのアイコン52cと、前記登録・変更画面52を終了させて前記機能設定画面51に戻るための「終了」アイコン52dと、を有する。
【0048】
C4c:紙厚登録・変更画面表示手段
紙厚登録・変更画面表示手段C4cは、前記登録・変更画面52のアイコン52aが選択された場合に紙厚登録・変更画面53を前記表示部UI1に表示する。
図7Aにおいて、前記紙厚登録・変更画面53は、第1給紙トレイTR1に収容する記録シートSの坪量(紙厚)を設定するための第1トレイ紙厚設定ボタン53aと、第2給紙トレイTR2に収容する記録シートSの坪量(紙厚)を設定するための第2トレイ紙厚設定ボタン53bと、第3給紙トレイTR3に収容する記録シートSの坪量(紙厚)を設定するための第3トレイ紙厚設定ボタン53cと、第4給紙トレイTR4に収容する記録シートSの坪量(紙厚)を設定するための第4トレイ紙厚設定ボタン53dと、各給紙トレイTR1〜TR4に設定した紙厚を有効にするためのラジオボタン53eと、各給紙トレイTR1〜TR4に設定した紙厚を無効にするためのラジオボタン53fと、前記紙厚登録・変更画面53で設定した内容をキャンセルして前記登録・変更画面52に戻るための「キャンセル」アイコン53gと、前記紙厚登録・変更画面53で設定した内容を記憶して前記登録・変更画面52に戻るための「OK」アイコン53hと、を有している。
【0049】
図7Aに示すように、前記トレイ紙厚設定ボタン53a〜53dは、設定値を10[g/m2]刻みで大きくするための設定増加ボタン53a1,53b1,53c1,53d1と、設定値を10[g/m2]刻みで小さくするための設定減少ボタン53a2,53b2,53c2,53d2と、を有している。なお、実施例1の画像形成装置Uでは、前記トレイ紙厚設定ボタン53a〜53dは、下限値が60[g/m2]に設定されており、上限値が200[g/m2]に設定されている。
【0050】
C4d:警告画面表示手段
警告画面表示手段C4dは、前記ラジオボタン53eがオンの状態で、各給紙トレイTR1〜TR4のいずれかより給紙された記録シートSの坪量(紙厚)が、前記紙厚登録・変更画面53で設定した給紙トレイTR1〜TR4の紙厚と異なる場合に警告画面54を前記表示部UI1に表示する。
図7Bにおいて、前記警告画面54は、警告メッセージ「設定されている紙厚と検出された紙厚とが異なります。検出された紙厚のパラメータで印刷を継続しますか?」と、給紙された記録シートSのパラメータで印刷を継続するための「YES」アイコン54aと、ジョブ(画像形成動作)を中止して初期画面(機能設定画面)51に戻るための「NO」アイコン54bと、を有する。
【0051】
C5:搬送時シート検出手段
搬送時シート検出手段C5は、前記紙種判別用シート搬送路SH2を通過する記録シートSの先端を前記シート搬送開始センサSN1およびレジセンサ(シートセンサ)SN2が検出する。
C6:シート搬送時間計測手段
シート搬送時間計測手段C6は、計測タイマTMを有している。前記計測タイマTMは、前記シート搬送開始センサSN1が記録シートSの先端を検出してから前記シートセンサSN2が記録シートSの先端を検出するまでのシート搬送時間(計測シート搬送時間)TMaを計測する。
【0052】
C7:紙厚・印刷パラメータ設定値記憶手段
紙厚・印刷パラメータ設定値記憶手段C7は、前記シート搬送時間計測手段C6が計測したシート搬送時間(計測シート搬送時間)TMaに対応して定めた記録シートSの坪量(紙厚)および印刷パラメータ(転写電圧、定着温度およびトナー像定着時搬送速度)の設定値記憶テーブルである紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7aを記憶する。
図8は、実施例1の紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルの説明図である。
図8に示すように、紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7aは、前記シート搬送時間計測手段C6が計測したシート搬送時間に対応して定めた記録シートSの坪量(紙厚)および印刷パラメータ(転写電圧、定着温度およびトナー像定着時搬送速度)の設定値記憶テーブルである。
【0053】
C8:紙種判別手段
紙種判別手段C8は、前記シート搬送時間計測手段C6で計測されたシート搬送時間TMaと、紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7a(図8参照)に基づいて、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSの紙厚を判別する。
C9:転写電圧設定手段
転写電圧設定手段C9は、前記紙種判別手段C8により判別された記録シートSの坪量(紙厚)と、紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7a(図8参照)と、に基づいて、前記転写電圧を所定の電圧に設定する。
例えば、前記紙種判別手段C8により記録シートSの坪量(紙厚)が110[g/m2]であった場合、前記転写電圧を中電圧に設定する。
【0054】
C10:定着温度設定手段
定着温度設定手段C10は、前記紙種判別手段C8により判別された記録シートSの坪量(紙厚)と、紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7a(図8参照)に基づいて、定着温度を所定の値に設定する。
例えば、前記紙種判別手段C8により記録シートSの坪量(紙厚)が110[g/m2]であった場合、前記加熱ロールFhを中温に設定する。
C11:トナー像定着時搬送速度設定手段
トナー像定着時搬送速度設定手段C11は、前記紙種判別手段C8により判別された記録シートSの坪量(紙厚)と紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7a(図8参照)に基づいて、前記定着領域Q4を通過する記録シートSの搬送速度を所定の値に設定する。
例えば、前記紙種判別手段C8により記録シートSの坪量(紙厚)が110[g/m2]であった場合、前記定着時シート搬送部材Fh,Fpの回転速度を高速に設定する。
【0055】
C12:紙種設定手段
紙種設定手段C12は、図7Aに示す前記紙厚登録・変更画面53において、画像記録に使用する記録シートSの紙厚(紙種)を各給紙トレイTR1〜TR4ごとにユーザが設定する。
C13:警告手段
警告手段C13は、前記紙種設定手段C12でユーザが設定した紙厚が、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSの紙厚と異なる場合に、前記警告画面54を前記表示部UI1に表示する。
C14:ユーザ設定紙種無効化手段
ユーザ設定紙種無効化手段C14は、ユーザが設定した紙種(紙厚)と前記紙種判別手段C8により判別された紙種(紙厚)とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種を無効にし且つ前記紙種判別手段C8により判別された紙種を有効にする。ユーザ設定紙種無効化手段C14は、紙厚登録有効・無効判別フラグFL1を有しており、各給紙トレイTR1〜TR4にユーザが設定した紙厚を無効にするためのラジオボタン53f(図7A)参照)が選択状態(図7Aの状態)のときに機能する。前記紙厚登録有効・無効判別フラグFL1=「0」の場合には、前記ラジオボタン53fが選択状態であり、ユーザが設定した各給紙トレイTR1〜TR4の紙厚が無効になる。前記紙厚登録有効・無効判別フラグFL1=「1」の場合には、前記ラジオボタン53fが選択されていない状態(ラジオボタン53eが選択状態)であり、ユーザが設定した各給紙トレイTR1〜TR4の紙厚が有効になる。
【0056】
(フローチャートの説明)
(動作パラメータ設定処理)
図9は実施例1の画像形成装置の動作パラメータ設定処理のフローチャートである。
図9のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は画像形成装置Uの他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図9に示す実施例1の画像形成装置Uの動作パラメータ設定処理は前記画像形成装置Uの電源オンにより開始される。
図9のST1において、表示部UI1に機能設定画面(初期画面)51(図6A参照)を表示する。そして、ST2に移る。
【0057】
ST2において、スタートキーUI3がオンされたか否か判断する。イエス(Y)の場合はST11に移り、ノー(N)の場合はST3に移る。
ST3において、「コピー」アイコン51aが選択されたか否かを判断する。イエス(Y)の場合はST4に移り、ノー(N)の場合はST5に移る。
ST4において、コピー設定処理を実行して、前記ST1に戻る。
ST5において、「スキャナー」アイコン51bが選択されたか否かを判断する。イエス(Y)の場合はST6に移り、ノー(N)の場合はST7に移る。
ST6において、スキャナー設定処理を実行して、前記ST1に戻る。
【0058】
ST7において、「FAX」アイコン51cが選択されたか否かを判断する。イエス(Y)の場合はST8に移り、ノー(N)の場合はST9に移る。
ST8において、FAX設定処理を実行して、前記ST1に戻る。
ST9において、「登録・変更」アイコン51dが選択されたか否かを判断する。イエス(Y)の場合はST10に移り、ノー(N)の場合は前記ST2に戻る。
ST10において、登録・変更設定処理を実行して、前記ST1に戻る。なお、前記登録・変更設定処理については、後述の図11において説明する。
前記ST2でイエス(Y)の場合に移るST11において、紙種判別用シート搬送路SH2へ記録シート(用紙、シート)Sの搬送が開始されたか否かを判別する。すなわち、シート搬送開始センサSN1が前記記録シートSの先端を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST12に移り、ノー(N)の場合は前記ST11を繰り返し実行する。
【0059】
ST12において、計測タイマTMをオンにする。そして、ST13に移る。
ST13において、シートセンサSN2が記録シートSの先端を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST14に移り、ノー(N)の場合は前記ST13を繰り返し実行する。
ST14において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST15に移る。
(1)計測タイマTMをオフにする。
(2)計測タイマTMの計測時間TMaを記憶する。
ST15において、紙厚判別処理を実行して、ST16に移る。なお、前記紙厚判別処理は、前記計測時間TMaを基に前記図8に示す紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルC7aに記憶された記録シートSの坪量(紙厚)を判別する。例えば、前記計測時間TMaが1020[msec]の場合、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSの坪量(紙厚)は110[g/m2]と判別される。
【0060】
ST16において、紙厚登録有効・無効判別フラグFL1=「1」か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST17に移り、ノー(N)の場合はST22に移る。
ST17において、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSの検出された紙厚が後述の図11において説明する紙厚登録・変更設定処理で記憶されている紙厚と同じか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に移り、ノー(N)の場合はST18に移る。
ST18において、前記表示部UI1に警告画面(図7B参照)54を表示して、ST19に移る。
ST19において、「YES」アイコン54aが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に移り、ノー(N)の場合はST20に移る。
ST20において、「NO」アイコン54bが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST21に移り、ノー(N)の場合は前記ST19に戻る。
ST21において、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSを排出して、前記ST1に戻る。
【0061】
ST22において、次の処理(1)〜(3)を実行して、ST23に移る。
(1)記録シートSの検出された紙厚に対応する転写電圧に設定する。なお、実施例1の転写電圧は、紙厚60〜100[g/m2]の場合は低電圧に設定され、紙厚110〜150[g/m2]の場合は中電圧に設定され、紙厚160〜200[g/m2]の場合は高電圧に設定される。
(2)記録シートSの検出された紙厚に対応する定着温度に設定する。なお、実施例1の定着温度は、紙厚60〜100[g/m2]の場合は低温に設定され、紙厚110〜150[g/m2]の場合は中温に設定され、紙厚160〜200[g/m2]の場合は高温に設定される。
(3)記録シートSの検出された紙厚に対応する定着時搬送速度に設定する。なお、実施例1の定着時搬送速度は、紙厚60〜110[g/m2]の場合は高速に設定され、紙厚110〜200[g/m2]の場合は低速に設定される。
ST23において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合は前記ST1に戻り、ノー(N)の場合は前記ST11に戻る。
【0062】
(登録・変更設定処理)
図10は実施例1の登録・変更設定処理のフローチャートであり、前記図9のST10のサブルーチンである。
図10において、登録・変更設定処理のフローチャートは、前記機能設定画面51において「登録・変更」アイコン51dが選択された時に開始される。
図10のST31において、前記表示部UI1に登録・変更画面52(図6B参照)を表示して、ST32に移る。
ST32において、「終了」アイコン52dが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合は前記図9のST1に戻り、ノー(N)の場合はST33に移る。
ST33において、紙厚を登録・変更するためのアイコン52aが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST34に移り、ノー(N)の場合はST35に移る。
【0063】
ST34において、紙厚登録・変更処理を実行して前記ST31に戻る。なお、前記紙厚登録・変更処理は、後述する図11において説明する。
ST35において、個別宛先を登録・変更するためのアイコン52bが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST36に移り、ノー(N)の場合はST37に移る。
ST36において、個別宛先登録・変更処理を実行して、前記ST31に戻る。
ST37において、グループ宛先を登録・変更するためのアイコン52cが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST38に移り、ノー(N)の場合は前記ST32に戻る。
ST38において、グループ宛先登録・変更処理を実行して、前記ST31に戻る。
【0064】
(紙厚登録・変更設定処理)
図11は実施例1の紙厚登録・変更設定処理のフローチャートであり、前記図10のST34のサブルーチンである。
図11において、紙厚登録・変更設定処理のフローチャートは、前記登録・変更画面52においてアイコン52aが選択された時に開始される。
図11のST51において、前記表示部UI1に紙厚登録・変更画面53(図7A参照)を表示して、ST52に移る。
ST52において、「OK」アイコン53hが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST68に移り、ノー(N)の場合はST53に移る。
ST53において、「キャンセル」アイコン53gが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合は前記図10のST31に戻り、ノー(N)の場合はST54に移る。
ST54において、ラジオボタン53eが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST55に移り、ノー(N)の場合はST57に移る。
【0065】
ST55において、ラジオボタン53eにチェックマークが表示されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合は前記ST52に戻り、ノー(N)の場合はST56に移る。
ST56において、次の処理(1)〜(3)を実行して、前記ST52に戻る。
(1)ラジオボタン53fに表示されているチェックマークを消去する。
(2)ラジオボタン53eにチェックマークを表示する。
(3)紙厚登録有効・無効判別フラグFL1=「1」にする。なお、前記FL1=「1」の場合には、紙厚登録が有効になる。
ST57において、ラジオボタン53fが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST58に移り、ノー(N)の場合はST60に移る。
ST58において、ラジオボタン53fにチェックマークが表示されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合は前記ST52に戻り、ノー(N)の場合はST59に移る。
ST59において、次の処理(1)〜(3)を実行して、前記ST52に戻る。
(1)ラジオボタン53eに表示されているチェックマークを消去する。
(2)ラジオボタン53fにチェックマークを表示する。
(3)紙厚登録有効・無効判別フラグFL1=「0」にする。なお、前記FL1=「0」の場合には、紙厚登録が無効になる。
【0066】
ST60において、第1給紙トレイTR1に収容する記録シートSの紙厚が変更されたか否かを判別する。すなわち、前記紙厚登録・変更画面53(図7A参照)において、第1トレイ紙厚設定ボタン53aが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST61に移り、ノー(N)の場合はST62に移る。
ST61において、前記第1トレイ紙厚設定ボタン53aの入力に応じて表示されている設定値を更新(画像を更新)する。すなわち、前記第1トレイ紙厚設定ボタン53aの設定増加ボタン53a1が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで大きくなり、設定減少ボタン53a2が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで小さくなる。そして、前記ST52に戻る。
【0067】
ST62において、第2給紙トレイTR2に収容する記録シートSの紙厚が変更されたか否かを判別する。すなわち、前記紙厚登録・変更画面53(図7A参照)において、第2トレイ紙厚設定ボタン53bが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST63に移り、ノー(N)の場合はST64に移る。
ST63において、前記第2トレイ紙厚設定ボタン53bの入力に応じて表示されている設定値を更新(画像を更新)する。すなわち、前記第2トレイ紙厚設定ボタン53bの設定増加ボタン53b1が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで大きくなり、設定減少ボタン53b2が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで小さくなる。そして、前記ST52に戻る。
【0068】
ST64において、第3給紙トレイTR3に収容する記録シートSの紙厚が変更されたか否かを判別する。すなわち、前記紙厚登録・変更画面53(図7A参照)において、第3トレイ紙厚設定ボタン53cが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST65に移り、ノー(N)の場合はST66に移る。
ST65において、前記第3トレイ紙厚設定ボタン53cの入力に応じて表示されている設定値を更新(画像を更新)する。すなわち、前記第3トレイ紙厚設定ボタン53cの設定増加ボタン53c1が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで大きくなり、設定減少ボタン53c2が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで小さくなる。そして、前記ST52に戻る。
【0069】
ST66において、第4給紙トレイTR4に収容する記録シートSの紙厚が変更されたか否かを判別する。すなわち、前記紙厚登録・変更画面53(図7A参照)において、第4トレイ紙厚設定ボタン53dが選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST67に移り、ノー(N)の場合は前記ST52に戻る。
ST67において、前記第4トレイ紙厚設定ボタン53dの入力に応じて表示されている設定値を更新(画像を更新)する。すなわち、前記第4トレイ紙厚設定ボタン53dの設定増加ボタン53d1が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで大きくなり、設定減少ボタン53d2が選択されると設定値が10[g/m2]刻みで小さくなる。そして、前記ST52に戻る。
前記ST52でイエス(Y)の場合に移るST68において、入力内容を記録して、前記図10のST34に戻る。
【0070】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた本発明の実施例1の画像形成装置Uでは、各給紙トレイTR1〜TR4から給紙された記録シートSは、紙種判別用シート搬送路SH2を通過してレジロールRrに搬送される。前記紙種判別用シート搬送路SH2を搬送される記録シートSは、シート搬送開始センサSN1がシート先端を検出してからシートセンサSN2がシート先端を検出するまでのシート搬送時間(計測時間)TMaが計測される。前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、所定のタイミングで転写領域Q3に搬送される。
【0071】
前記警告手段C13は、ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段C8により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種と異なる旨をユーザに告知する。したがって、前記紙種判別手段C8により判別された紙厚と異なる紙厚用の転写電圧、定着温度および定着時シート搬送速度での画像形成動作を無断で実行することを防止できる。
また、前記ユーザ設定紙種無効化手段C14は、ユーザが設定した紙厚と前記紙種判別手段C8により判別された紙厚とが異なる場合に、ユーザが設定した紙厚を無効にし且つ前記紙種判別手段C8により判別された紙厚を有効にする。したがって、ユーザが設定した紙厚と異なる紙厚の記録シートSが給紙トレイTR1〜TR4に収容されていた場合、記録シート1枚分の画像形成動作が実行される毎に前記警告画面54(図7B参照)が表示部UI1に表示されることによるジョブ速度の低下を防止することができる。
【0072】
実施例1の画像形成装置Uでは、記録シートSが通過したか否かを判別する一般的なシートセンサSN1,SN2の検出信号を基に紙厚を判別することができるため、特別なセンサ(例えば、ラインセンサ)により紙種を判別する場合(特許文献2等)と比較してコスト上昇を抑えることができる。
実施例1の画像形成装置Uでは、前記シート搬送時間TMaに応じて、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSの紙厚(紙種・坪量)が判別される。したがって、ユーザが外観観察で判別困難である紙種(紙厚)を容易に判別することができる。また、シート搬送時に紙厚を判別することができるため、停止した状態で紙種を判別する場合(特許文献1および2等)と比較してジョブを高速処理化することができる。
前記検出された記録シートSの紙厚に応じて、記録シートSにトナー像を転写する転写電圧、前記トナー像を記録シートSに定着する定着温度、トナー像定着時のシート搬送速度を変更するため、前記記録シートSに記録する画質を向上させることができる。
【実施例2】
【0073】
図12は実施例2の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図である。
図13は実施例2の紙厚記憶テーブルの説明図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図12において、実施例2のコントローラCは、前記実施例1のコントローラCが有する紙厚・印刷パラメータ設定値記憶手段C7、紙種判別手段C8、転写電圧設定手段C9、定着温度設定手段C10およびトナー像定着時搬送速度設定手段C11の換わりに、紙厚・印刷パラメータ設定値記憶手段C7′、紙種判別手段C8′、転写電圧設定手段C9′、定着温度設定手段C10′およびトナー像定着時搬送速度設定手段C11′を有している。
【0074】
(実施例2のコントローラCの機能)
C7′:紙厚・印刷パラメータ設定値記憶手段
紙厚・印刷パラメータ設定値記憶手段C7′は、紙厚記憶手段C7a′と印刷パラメータ設定用演算式記憶手段C7b′とを有しており、記録シートSの坪量(紙厚)や印刷パラメータ(転写電圧、定着温度およびトナー像定着時搬送速度)を設定するためのテーブルや演算式を記憶する。
C7a′:紙厚記憶手段
紙厚記憶手段C7a′は、前記シート搬送時間計測手段C6が計測するシート搬送時間TMaに対して設定された記録シートSの坪量(紙厚)の設定値記憶テーブルである紙厚記憶テーブル(図13参照)を記憶する。
【0075】
C7b′:印刷パラメータ設定用演算式記憶手段
印刷パラメータ設定用演算式記憶手段C7b′は、転写電圧設定用演算式記憶手段C7b1′と、定着温度設定用演算式記憶手段C7b2′と、トナー像定着時搬送速度設定用演算式記憶手段C7b3′と、を有し、印刷パラメータ(転写電圧、定着温度およびトナー像定着時搬送速度)を設定するための演算式を記憶する。
C7b1′:転写電圧設定用演算式記憶手段
転写電圧設定用演算式記憶手段C7b1′は、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]から転写電圧V[v]を計算する転写電圧演算式を記憶する。実施例2の転写電圧設定用演算式記憶手段C7b1′は、転写電圧演算式として、実験により予め導出された下記の演算式(1)を記憶する。
V=−39.29×TMa+42540………(1)
【0076】
C7b2′:定着温度設定用演算式記憶手段
定着温度設定用演算式記憶手段C7b2′は、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]から定着温度T[℃]を計算する定着温度演算式を記憶する。実施例2の定着温度設定用演算式記憶手段C7b2′は、定着温度演算式として、実験により予め導出された下記の演算式(2)を記憶する。
T=−0.214×TMa+378.98………(2)
C7b3′:トナー像定着時搬送速度設定用演算式記憶手段
トナー像定着時搬送速度設定用演算式記憶手段C7b3′は、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]から定着領域Q4を通過する記録シートSの搬送速度S[mm/sec]を計算するトナー像定着時搬送速度演算式を記憶する。実施例2のトナー像定着時搬送速度設定用演算式記憶手段C7b3′は、トナー像定着時搬送速度演算式として、実験により予め導出された下記の演算式(3)を記憶する。
S=0.786×TMa−661………(3)
【0077】
C8′:紙種判別手段
紙種判別手段C8′は、前記シート搬送時間計測手段C6で計測されたシート搬送時間TMaと、図13に示す紙厚記憶テーブルとに基づいて、前記紙種判別用シート搬送路SH2に搬送された記録シートSの坪量(紙厚)を判別する。
【0078】
図14は実施例2の画像形成装置の印刷パラメータを設定する演算式の説明図であり、図14Aは紙種判別用シート搬送路を通過する記録シートの搬送速度と転写電圧との関係を示すグラフ、図14Bは紙種判別用シート搬送路を通過する記録シートの搬送速度と定着温度との関係を示すグラフ、図14Cは紙種判別用シート搬送路を通過する記録シートの搬送速度とトナー像定着時のシート搬送速度との関係を示すグラフである。
C9′:転写電圧設定手段
転写電圧設定手段C9′は、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]と前記転写電圧演算式(1)に基づいて、前記転写電圧V[v]を設定する。図14Aにおいて、例えば、前記シート搬送時間TMaが1000[msec]であった場合、前記転写ロールRtに印加する転写電圧Vは3.3[kV]に設定される。
【0079】
C10′:定着温度設定手段
定着温度設定手段C10′は、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]と前記定着温度演算式(2)に基づいて、定着温度T[℃]を設定する。図14Bにおいて、例えば、前記シート搬送時間TMaが1000[msec]であった場合、定着温度Tは165[℃]に設定される。なお、前記定着温度T[℃]は、前記加熱ロールFh内部に設けられたヒータ(図示せず)をオンオフ制御することにより制御される。
C11′:トナー像定着時搬送速度設定手段
トナー像定着時搬送速度設定手段C11′は、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]と前記トナー像定着時搬送速度演算式(3)に基づいて、トナー像定着時搬送速度S[mm/sec]を設定する。図14Cにおいて、例えば、前記シート搬送時間TMaが1000[msec]であった場合、トナー像定着時搬送速度Sは125[mm/sec]に設定される。なお、前記トナー像定着時搬送速度S[mm/sec]は、定着時シート搬送部材Fpを駆動するモータの出力制御により制御される。
【0080】
(実施例2の作用)
実施例2の画像形成装置Uでは、シート搬送時間計測手段C6により計測されたシート搬送時間TMa[msec]と、印刷パラメータ設定用演算式記憶手段C7b′に記憶された演算式(1)〜(3)とにより、印刷パラメータ(転写電圧、定着温度およびトナー像定着時搬送速度)を設定することができる。また、実施例2の画像形成装置Uは、記録シートSが通過したか否かを判別する一般的なシートセンサSN1,SN2の検出信号を基に紙種(紙厚・坪量)を判別することができるため、特別なセンサ(例えば、ラインセンサ)により紙種を判別する場合と比較してコストの上昇を抑えることができる。
その他、実施例2の画像形成装置Uは、前記実施例1の画像形成装置Uと同様の作用効果(ジョブを高速処理化する等)を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0081】
(変更例)
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(H01)実施例1において、モノクロの画像形成装置に限定されず、フルカラーの画像形成装置に本発明を適用することが可能である。また、本発明は、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置にも適用することが可能である。
(H02)実施例1において、紙種判別用シート搬送路(SH2)の形状は蛇腹状に限定されず、シート(S)の剛性の高低によりシート搬送時間(TMa)が異なる形状であればS字状等にすることも可能である。
(H03)実施例1において、前記シートセンサ(SN1,SN2)は、光センサや接触型センサ等の種々のセンサを採用することが可能である。
【0082】
(H04)実施例1において、シート搬送開始センサ(SN1)がシート先端を検出してからシートセンサ(SN2)がシート先端を検出するまでのシート搬送時間(TMa)により紙種を判別したがこれに限定されず、記録シート(S)がピックアップされてからシートセンサ(SN2)に検出されるまでのシート搬送時間により紙種を判別することも可能である。
(H05)実施例1において、紙種設定手段(C12)に記憶させる紙厚の下限値60[g/m2]および上限値200[g/m2]はこれに限定されず、例えば下限値10[g/m2]および上限値300[g/m2]等に設定することも可能である。
【0083】
(H06)実施例2において、印刷パラメータ設定用演算式記憶手段(C7b′)に記憶された演算式(1)〜(3)はこれに限定されず、画像形成装置(U)や紙種判別用シート搬送路(SH2)等の構成に応じて導出された演算式を使用することが可能である。
(H07)実施例1,2において、本発明は普通紙の紙種(紙厚・坪量)に限定されず、OHPシートや光沢紙等の紙種(紙厚・坪量)を判別することも可能である。また、シート搬送時間計測手段C6が計測するシート搬送時間TMaが普通紙やOHPシート、光沢紙等により異なる場合には、複数の給紙トレイ(TR1〜TR4)に普通紙、OHPシートまたは光沢紙等を収容した画像形成装置に本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の縦断面図である。
【図2】図2は図1の画像形成装置プロセスユニット及び定着ユニット部分の要部拡大図である。
【図3】図3は実施例1の画像形成装置の要部拡大図であり、図3Aは紙種判別用シート搬送路に剛性の低い記録シートが搬送されている状態を示す図であり、図3Bは紙種判別用シート搬送路に剛性の高い記録シートが搬送されている状態を示す図である。
【図4】図4は実施例1の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図5】図5は実施例1のユーザインタフェースの説明図である。
【図6】図6は表示部に表示される画面の説明図であり、図6Aは機能設定画面を示す図、図6Bは登録・変更画面を示す図である。
【図7】図7は表示部に表示される画面の説明図であり、図7Aは紙厚登録・変更画面を示す図、図7Bは警告画面を示す図である。
【図8】図8は、実施例1の紙厚・印刷パラメータ設定値記憶テーブルの説明図である。
【図9】図9は実施例1の画像形成装置の動作パラメータ設定処理のフローチャートである。
【図10】図10は実施例1の登録・変更設定処理のフローチャートであり、前記図9のST10のサブルーチンである。
【図11】図11は実施例1の紙厚登録・変更設定処理のフローチャートであり、前記図10のST34のサブルーチンである。
【図12】図12は実施例2の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図である。
【図13】図13は実施例2の紙厚記憶テーブルの説明図である。
【図14】図14は実施例2の画像形成装置の印刷パラメータを設定する演算式の説明図であり、図14Aは紙種判別用シート搬送路を通過する記録シートの搬送速度と転写電圧との関係を示すグラフ、図14Bは紙種判別用シート搬送路を通過する記録シートの搬送速度と定着温度との関係を示すグラフ、図14Cは紙種判別用シート搬送路を通過する記録シートの搬送速度とトナー像定着時のシート搬送速度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0085】
C5…搬送時シート検出手段、
C6…シート搬送時間計測手段、
C8,C8′…紙種判別手段、
C9,C9′…転写電圧設定手段、
C10,C10′…定着温度設定手段、
C11,C11′…トナー像定着時搬送速度設定手段、
C12…紙種設定手段、
C13…警告手段、
C14…ユーザ設定紙種無効化手段、
F…定着装置、
HS…紙種判別装置、
Rt…転写装置、
Fh,Fp…定着時シート搬送部材、
S…シート、
SN1…シート搬送開始センサ、
SN1,SN2…シートセンサ、
SH1+SH2+Ra+Rr…シート搬送装置、
SH2…紙種判別用シート搬送路
TMa…シート搬送時間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構成要件(A01)〜(A05)を備えたことを特徴とする紙種判別装置、
(A01)画像を記録するシートが搬送される紙種判別用シート搬送路であって、腰の強いシートに比較して腰の弱いシートの搬送時間が長くなるように形成された前記紙種判別用シート搬送路、
(A02)前記紙種判別用シート搬送路にシートを搬送させるシート搬送装置、
(A03)前記紙種判別用シート搬送路を搬送されるシートを検出するシートセンサ、
(A04)前記紙種判別用シート搬送路を搬送されたシートが前記シートセンサにより検出されるまでのシート搬送時間を計測するシート搬送時間計測手段、
(A05)前記シート搬送時間計測手段により計測されたシート搬送時間から前記シートの紙種を判別する紙種判別手段。
【請求項2】
下記の構成要件(A06)を備えたことを特徴とする請求項1記載の紙種判別装置、
(A06)シートの搬送方向に沿った搬送方向搬送路とシート面に垂直な垂直方向搬送路とが交互に形成された蛇腹状の前記紙種判別用シート搬送路。
【請求項3】
下記の構成要件(A07)〜(A09)を備えたことを特徴とする請求項1および2記載の紙種判別装置、
(A07)前記紙種判別用シート搬送路のシート搬送方向下流端部に設けられた前記シートセンサ、
(A08)前記シートセンサの検出信号によりシート先端が前記シートセンサを通過したと判断する搬送時シート検出手段、
(A09)シートが搬送開始されてから前記搬送時シート検出手段により検出されるまでのシート搬送時間を計測する前記シート搬送時間計測手段。
【請求項4】
下記の構成要件(A010)を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の紙種判別装置、
(A010)前記紙種判別用シート搬送路へのシートの搬送が開始されたことを検出するシート搬送開始センサ。
【請求項5】
次の構成要件(A011)を備えたことを特徴とする画像形成装置、
(A011)前記請求項1ないし4のいずれか記載の紙種判別装置。
【請求項6】
下記の構成要件(A012),(A013)を備えたことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置、
(A012)トナー像をシートに転写する転写装置、
(A013)前記紙種判別手段により判別された紙種に応じて、前記転写装置の転写電圧を所定の電圧に設定する転写電圧設定手段。
【請求項7】
下記の構成要件(A014),(A015)を備えたことを特徴とする請求項5または6記載の画像形成装置、
(A014)シートに転写されたトナー像を加熱定着する定着装置、
(A015)前記紙種判別手段により判別された紙種に応じて、前記定着装置の定着温度を所定の温度に設定する定着温度設定手段。
【請求項8】
下記の構成要件(A016),(A017)を備えたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか記載の画像形成装置、
(A016)前記定着装置を通過するシートを搬送する定着時シート搬送部材、
(A017)前記紙種判別手段により判別された紙種に応じて、前記定着時シート搬送部材のシート搬送速度を所定の速度に設定するトナー像定着時搬送速度設定手段。
【請求項9】
下記の構成要件(A018),(A019)を備えたことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか記載の画像形成装置、
(A018)画像記録に使用するシートの紙種をユーザが設定可能な紙種設定手段、
(A019)ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種と異なる旨をユーザに告知する警告手段。
【請求項10】
下記の構成要件(A018),(A020)を備えたことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか記載の画像形成装置、
(A018)画像記録に使用するシートの紙種をユーザが設定可能な紙種設定手段、
(A020)ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種を無効にし且つ前記紙種判別手段により判別された紙種を有効にするユーザ設定紙種無効化手段。
【請求項1】
次の構成要件(A01)〜(A05)を備えたことを特徴とする紙種判別装置、
(A01)画像を記録するシートが搬送される紙種判別用シート搬送路であって、腰の強いシートに比較して腰の弱いシートの搬送時間が長くなるように形成された前記紙種判別用シート搬送路、
(A02)前記紙種判別用シート搬送路にシートを搬送させるシート搬送装置、
(A03)前記紙種判別用シート搬送路を搬送されるシートを検出するシートセンサ、
(A04)前記紙種判別用シート搬送路を搬送されたシートが前記シートセンサにより検出されるまでのシート搬送時間を計測するシート搬送時間計測手段、
(A05)前記シート搬送時間計測手段により計測されたシート搬送時間から前記シートの紙種を判別する紙種判別手段。
【請求項2】
下記の構成要件(A06)を備えたことを特徴とする請求項1記載の紙種判別装置、
(A06)シートの搬送方向に沿った搬送方向搬送路とシート面に垂直な垂直方向搬送路とが交互に形成された蛇腹状の前記紙種判別用シート搬送路。
【請求項3】
下記の構成要件(A07)〜(A09)を備えたことを特徴とする請求項1および2記載の紙種判別装置、
(A07)前記紙種判別用シート搬送路のシート搬送方向下流端部に設けられた前記シートセンサ、
(A08)前記シートセンサの検出信号によりシート先端が前記シートセンサを通過したと判断する搬送時シート検出手段、
(A09)シートが搬送開始されてから前記搬送時シート検出手段により検出されるまでのシート搬送時間を計測する前記シート搬送時間計測手段。
【請求項4】
下記の構成要件(A010)を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の紙種判別装置、
(A010)前記紙種判別用シート搬送路へのシートの搬送が開始されたことを検出するシート搬送開始センサ。
【請求項5】
次の構成要件(A011)を備えたことを特徴とする画像形成装置、
(A011)前記請求項1ないし4のいずれか記載の紙種判別装置。
【請求項6】
下記の構成要件(A012),(A013)を備えたことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置、
(A012)トナー像をシートに転写する転写装置、
(A013)前記紙種判別手段により判別された紙種に応じて、前記転写装置の転写電圧を所定の電圧に設定する転写電圧設定手段。
【請求項7】
下記の構成要件(A014),(A015)を備えたことを特徴とする請求項5または6記載の画像形成装置、
(A014)シートに転写されたトナー像を加熱定着する定着装置、
(A015)前記紙種判別手段により判別された紙種に応じて、前記定着装置の定着温度を所定の温度に設定する定着温度設定手段。
【請求項8】
下記の構成要件(A016),(A017)を備えたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか記載の画像形成装置、
(A016)前記定着装置を通過するシートを搬送する定着時シート搬送部材、
(A017)前記紙種判別手段により判別された紙種に応じて、前記定着時シート搬送部材のシート搬送速度を所定の速度に設定するトナー像定着時搬送速度設定手段。
【請求項9】
下記の構成要件(A018),(A019)を備えたことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか記載の画像形成装置、
(A018)画像記録に使用するシートの紙種をユーザが設定可能な紙種設定手段、
(A019)ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種と異なる旨をユーザに告知する警告手段。
【請求項10】
下記の構成要件(A018),(A020)を備えたことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか記載の画像形成装置、
(A018)画像記録に使用するシートの紙種をユーザが設定可能な紙種設定手段、
(A020)ユーザが設定した紙種と前記紙種判別手段により判別された紙種とが異なる場合に、ユーザが設定した紙種を無効にし且つ前記紙種判別手段により判別された紙種を有効にするユーザ設定紙種無効化手段。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−110827(P2008−110827A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−294127(P2006−294127)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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