説明

素子搭載用基板、携帯機器、および素子搭載用基板の製造方法

【課題】垂直実装用の素子搭載用基板における外部接続用端子の高密度化を図る技術を提供する。
【解決手段】素子搭載用基板100は、垂直実装用の素子搭載用基板であって、第1〜第4絶縁樹脂層116,122,128,134と、各絶縁樹脂層の主表面上に設けられた第1〜第6配線層112,114,118,124,130,136と、第1〜第4絶縁樹脂層116,122,128,134のそれぞれを貫通し、第1〜第6配線層112,114,118,124,130,136のいずれかと電気的に接続され、素子搭載用基板100の側端面104において露出して外部接続用端子106として機能するビア導体120,126,132,138と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素子搭載用基板、携帯機器、および素子搭載用基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、垂直実装用の素子搭載用基板が知られている。この素子搭載用基板は、プリント基板に対して、素子搭載用基板の主表面とプリント基板の主表面とが直交する姿勢で搭載される。特許文献1には、コア部材と、コア部材の一方の主表面から側端面を経由して他方の主表面に延在する配線とを備えた垂直実装用の素子搭載用基板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−40870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電子機器の小型化、高機能化に伴い、電子機器に使用される半導体装置のさらなる小型化、高密度化が求められている。このような要求に応えるべく、垂直実装用の素子搭載用基板についても、外部の電極端子と電気的に接続するための端子(以下、適宜この端子を外部接続用端子と称する)をより狭い領域に多数形成すること、すなわち、外部接続用端子の高密度化が求められている。これに対し、上述した従来の垂直実装用の素子搭載用基板では、外部接続用端子の高密度化を図る上で改善の余地があった。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、垂直実装用の素子搭載用基板における外部接続用端子の高密度化を図る技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、素子搭載用基板である。当該素子搭載用基板は、垂直実装用の素子搭載用基板であって、絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層の一方の主表面上に設けられた配線層と、絶縁樹脂層を貫通し、配線層と電気的に接続され、素子搭載用基板の側端面において露出して外部の電極端子と電気的に接続するための端子として機能するビア導体と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この態様によれば、垂直実装用の素子搭載用基板における外部接続用端子の高密度化を図ることができる。
【0008】
上記態様において、絶縁樹脂層が複数積層され、素子搭載用基板の延在方向に並ぶ複数の端子からなる端子列を複数有してもよい。
【0009】
上記態様において、隣接する2つの端子列のうち一方の端子列に含まれる各端子は、他方の端子列に含まれる各端子と素子搭載用基板の延在方向にずれてもよい。
【0010】
また、上記いずれかの態様において、絶縁樹脂層が複数積層され、端子は、隣接する絶縁樹脂層のそれぞれに配置されて絶縁樹脂層の積層方向で重なる複数のビア導体で構成されてもよい。また、上記いずれかの態様において、端子の表面上に設けられためっき層をさらに備え、めっき層は、側端面から突出してもよい。また、上記いずれかの態様において、最外層の絶縁樹脂層の主表面上に設けられた保護層をさらに備え、保護層は、側端面において、最外層の絶縁樹脂層と少なくとも一部が重なる端子に対応する領域に延在してもよい。
【0011】
本発明の他の態様は携帯機器である。当該携帯機器は、上述したいずれかの態様の素子搭載用基板と、素子搭載用基板の一方の主表面側に搭載された半導体素子と、を備えた半導体モジュールを搭載したことを特徴とする。
【0012】
本発明のさらに他の態様は素子搭載用基板の製造方法である。当該素子搭載用基板の製造方法は、絶縁樹脂層の素子搭載用基板形成領域およびダイシングライン用領域をまたぐ領域に絶縁樹脂層を貫通するビアホールを形成する工程と、ビアホール内にビア導体を形成する工程と、絶縁樹脂層の一方の主表面上に金属層を積層し、当該金属層を選択的に除去してビア導体と電気的に接続された配線層を形成して、ダイシングライン用領域で連結された複数の素子搭載用基板を形成する工程と、ダイシングライン用領域に沿って絶縁樹脂層をダイシングして、複数の素子搭載用基板を個片化するとともに、素子搭載用基板形成領域およびダイシングライン用領域をまたぐ領域に形成されたビア導体を切断面に露出させて外部の電極端子と接続するための端子を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
上記態様におけるビアホールを形成する工程において、隣接する2つの素子搭載用基板形成領域とその間のダイシングライン用領域とをまたぐ領域にビアホールを形成し、端子を形成する工程において、絶縁樹脂層をダイシングして、隣接する2つの素子搭載用基板形成領域の一方とダイシングライン用領域の切断面、および他方とダイシングライン用領域の切断面にビア導体を露出させて端子を形成してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、垂直実装用の素子搭載用基板における外部接続用端子の高密度化を図る技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1に係る垂直実装用の素子搭載用基板を含む半導体モジュールの構成を示す概略斜視図である。
【図2】図2(A)は、図1および図2(C)におけるA−A線に沿った概略断面図であり、図2(B)は、図1および図2(C)におけるB−B線に沿った概略断面図であり、図2(C)は、実施形態1に係る素子搭載用基板を含む半導体モジュールを図1の矢印C方向から見たときの概略側端面図であり、図2(D)は、外部接続用端子近傍の概略断面図である。
【図3】図3(A)〜図3(C)は、実施形態1に係る素子搭載用基板および半導体モジュールの製造方法を示す工程断面図である。
【図4】図4(A)〜図4(C)は、実施形態1に係る素子搭載用基板および半導体モジュールの製造方法を示す工程断面図である。
【図5】絶縁樹脂層の素子搭載用基板形成領域およびダイシングライン用領域とビアホールとの位置関係を説明するための模式図である。
【図6】図6(A)〜図6(C)は、実施形態1に係る素子搭載用基板および半導体モジュールの製造方法を示す工程断面図である。
【図7】図7(A)〜図7(C)は、実施形態1に係る素子搭載用基板および半導体モジュールの製造方法を示す工程断面図である。
【図8】変形例1に係る素子搭載用基板の製造方法における絶縁樹脂層の素子搭載用基板形成領域およびダイシングライン用領域とビアホールとの位置関係を説明するための模式図である。
【図9】変形例2に係る素子搭載用基板の製造方法における絶縁樹脂層の素子搭載用基板形成領域およびダイシングライン用領域とビアホールとの位置関係を説明するための模式図である。
【図10】実施形態2に係る携帯電話の構成を示す図である。
【図11】携帯電話の部分断面図である。
【図12】他の変形例に係る素子搭載用基板を備えた半導体モジュールの構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0017】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る垂直実装用の素子搭載用基板を含む半導体モジュールの構成を示す概略斜視図である。図1に示すように、半導体モジュール1は、素子搭載用基板100と、素子搭載用基板100の一方の主表面102上に搭載された半導体素子402a,404a、および複数の電子部品406aを備える。半導体素子402a,404aは、例えば集積回路(IC)、大規模集積回路(LSI)などの半導体チップである。電子部品406aは、例えばコンデンサ、抵抗、インダクタ等の受動素子である。素子搭載用基板100は、その主表面と搭載対象である他の基板の主表面とが略直交するように配置されて他の基板に搭載される、垂直実装用の素子搭載用基板であって、その主表面102と略直交する側端面104に外部接続用端子106を有する。本実施形態では、後述する素子搭載用基板300が前記「他の基板」に該当する。
【0018】
半導体モジュール1は、素子搭載用基板100の側端面104が他の半導体モジュール3における素子搭載用基板300の一方の主表面302と対向するように配置されて、半導体モジュール3に対して垂直に実装される。半導体モジュール3は、主表面302上に搭載された半導体素子402b,404b、および複数の電子部品406bを備える。素子搭載用基板100の側端面104に設けられた外部接続用端子106は、はんだボールや異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)樹脂(いずれも図示せず)等を介して、素子搭載用基板300の主表面302に設けられた外部接続用端子306と電気的に接続される。なお、半導体モジュール3の構成は、外部接続用端子306の配置が異なることを除いて半導体モジュール1と同様である。
【0019】
本実施形態では、半導体モジュール1,3の半導体素子402a,402bは3軸加速度センサであり、半導体素子404a,404bは半導体素子402a,402bから加速度信号を受信して、手振れ補正情報を生成するための処理回路ICである。半導体モジュール1,3は、互いに略垂直に接続されることで6軸センシングモジュールを構成している。半導体モジュール1,3からなる6軸センシングモジュールは、手振れ補正機能を有する、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話搭載のカメラなどの撮像装置に搭載される。具体的には、6軸センシングモジュールは、素子搭載用基板300の他方の主表面側に形成された外部接続用端子(図示せず)が撮像装置のプリント基板上に電気的に接続され、これにより撮像装置に搭載される。
【0020】
図2(A)は、図1および図2(C)におけるA−A線に沿った概略断面図であり、図2(B)は、図1および図2(C)におけるB−B線に沿った概略断面図であり、図2(C)は、実施形態1に係る素子搭載用基板を含む半導体モジュールを図1の矢印C方向から見たときの概略側端面図であり、図2(D)は、外部接続用端子近傍の概略断面図である。
【0021】
図2(A)および図2(B)に示すように、素子搭載用基板100は、基材110と、第1〜第4絶縁樹脂層116,122,128,134と、第1〜第6配線層112,114,118,124,130,136と、保護層140,142とを備える。
【0022】
基材110は、絶縁性のコア基材であり、例えば、BTレジン等のメラミン誘導体、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、PPE樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドビスマレイミド等の熱硬化性樹脂で形成することができる。基材110の厚さは、例えば約50μm〜約500μmであり、好ましくは200μmである。
【0023】
基材110の一方の主表面上には、所定パターンの第1配線層112が設けられている。また、基材110の他方の主表面上には、所定パターンの第2配線層114が設けられている。第1配線層112および第2配線層114は、例えば銅(Cu)からなり、その厚さは、例えば約10μm〜約30μmである。
【0024】
基材110の所定位置には、基材110を貫通するビア導体111が設けられている。ビア導体111により、第1配線層112と第2配線層114とが電気的に接続されている。ビア導体111は、例えば銅めっきにより形成される。ビア導体111の平均直径は、例えば約50μmφ〜約200μmφである。
【0025】
第1配線層112が設けられている側の、基材110の主表面上には、第1配線層112を覆うようにして第1絶縁樹脂層116が設けられている。第1絶縁樹脂層116の基材110と反対側の主表面上には、所定パターンの第3配線層118が設けられている。第1絶縁樹脂層116の所定位置には、第1絶縁樹脂層116を貫通するビア導体120が設けられており、ビア導体120により第1配線層112と第3配線層118とが電気的に接続されている。
【0026】
第3配線層118が設けられている側の、第1絶縁樹脂層116の主表面上には、第3配線層118を覆うようにして第2絶縁樹脂層122が設けられている。第1絶縁樹脂層116と反対側の、第2絶縁樹脂層122の主表面上には、所定パターンの第4配線層124が設けられている。第2絶縁樹脂層122の所定位置には、第2絶縁樹脂層122を貫通するビア導体126が設けられており、ビア導体126により第3配線層118と第4配線層124とが電気的に接続されている。
【0027】
第2配線層114が設けられている側の、基材110の主表面上には、第2配線層114を覆うようにして第3絶縁樹脂層128が設けられている。基材110と反対側の、第3絶縁樹脂層128の主表面上には、所定パターンの第5配線層130が設けられている。第3絶縁樹脂層128の所定位置には、第3絶縁樹脂層128を貫通するビア導体132が設けられており、ビア導体132により第2配線層114と第5配線層130とが電気的に接続されている。
【0028】
第5配線層130が設けられている側の、第3絶縁樹脂層128の主表面上には、第5配線層130を覆うようにして第4絶縁樹脂層134が設けられている。第3絶縁樹脂層128と反対側の、第4絶縁樹脂層134の主表面上には、所定パターンの第6配線層136が設けられている。第4絶縁樹脂層134の所定位置には、第4絶縁樹脂層134を貫通するビア導体138が設けられており、ビア導体138により第5配線層130と第6配線層136とが電気的に接続されている。
【0029】
第1絶縁樹脂層116、第2絶縁樹脂層122、第3絶縁樹脂層128、および第4絶縁樹脂層134は、基材110と同一の材料で形成することができる。第1〜第4絶縁樹脂層116,122,128,134の厚さは、例えばそれぞれ約30μm〜約100μmである。第3配線層118、第4配線層124、第5配線層130、および第6配線層136は、第1配線層112および第2配線層114と同一の材料で形成することができる。第3〜第6配線層118,124,130,136の厚さは、例えば約10μm〜約30μmである。ビア導体120,126,132,138は、ビア導体111と同一の材料で形成することができる。ビア導体120,126,132,138の平均直径は、例えば約50μmφ〜約200μmφである。
【0030】
最外層の第2絶縁樹脂層122における第4配線層124が設けられている側の主表面上には、保護層140が設けられている。保護層140は、例えばフォトソルダーレジストで形成され、保護層140によって第4配線層124の酸化などが防止される。保護層140は、素子搭載用基板100の側端面104において、最外層の第2絶縁樹脂層122と一部が重なる外部接続用端子106に対応する領域に延在している。したがって、この外部接続用端子106は、素子搭載用基板100の厚さ方向で全体が保護層140と重なっている。すなわち、素子搭載用基板100の平面視で、この外部接続用端子106は、全体が保護層140と重なっている。そのため、外部接続用端子106は、素子搭載用基板100の側端面104から主表面102までは延びていない。
【0031】
また、保護層140は、半導体素子402a,404aの搭載領域に開口部140a,140bを有する。保護層140の開口部140a,140bからは第4配線層124の電極パッド(ランド領域)が露出している。電極パッドは、第4配線層124の引き回された先の端部に設けられている。開口部140aから露出する第4配線層124の電極パッドには、はんだボール5を介して半導体素子402aの素子電極(図示せず)が接続されている。開口部140bから露出する第4配線層124の電極パッドには、半導体素子404aの素子電極(図示せず)が金線7によりワイヤボンディング接続されている。
【0032】
最外層の第4絶縁樹脂層134における第6配線層136が設けられている側の主表面上には、保護層142が設けられている。保護層142は、例えばフォトソルダーレジストで形成され、保護層142によって第6配線層136の酸化などが防止される。保護層142は、第4絶縁樹脂層134の全面を覆っている。したがって、最外層の第4絶縁樹脂層134と一部が重なる外部接続用端子106は、素子搭載用基板100の厚さ方向で全体が保護層142と重なっており、そのため外部接続用端子106は、素子搭載用基板100の側端面104から主表面102と反対側の主表面までは延びていない。保護層140,142の厚さは、例えば約20μm〜約50μmである。
【0033】
図2(C)に示すように、素子搭載用基板100の側端面104において、ビア導体120,126,132,138が露出している。側端面104において露出するビア導体120,126,132,138は、外部の電極端子と電気的に接続するための端子として機能する。本実施形態では、側端面104において露出するビア導体120,126,132,138は、それぞれ外部接続用端子106の一部を形成しており、素子搭載用基板300の外部接続用端子306と電気的に接続される。
【0034】
このように、絶縁樹脂層を貫通し、配線層と電気的に接続されたビア導体の一部を側端面104において露出させて外部接続用端子として機能させた場合には、コア部材の一方の主表面から側端面を経由して他方の主表面に配線を延在させた従来の構造に比べて、素子搭載用基板100の厚さ方向における外部接続用端子の延在範囲を小さくすることができる。そのため、例えばはんだボールを介して外部接続用端子106と素子搭載用基板300の外部接続用端子306とを接続する場合に、従来の構造に比べてはんだボールの直径を小さくすることができる。これにより、素子搭載用基板100の延在方向(素子搭載用基板100の主表面に平行な方向)における外部接続用端子106間の間隔を小さくすること、すなわち、外部接続用端子106間の挟ピッチ化を図ることができる。そして、その結果、外部接続用端子106の高密度化を図ることができる。
【0035】
また、本実施形態に係る素子搭載用基板100は、絶縁樹脂層が複数積層され、素子搭載用基板100の延在方向に並ぶ複数の外部接続用端子106からなる端子列を複数有する。具体的には、素子搭載用基板100は、基材110、および第1〜第4絶縁樹脂層116,122,128,134を含む複数の絶縁樹脂層が積層された構造を有する。そして、素子搭載用基板100は、ビア導体120とビア導体126とで構成される外部接続用端子106aが複数並んだ端子列と、ビア導体132とビア導体138とで構成される外部接続用端子106bが複数並んだ端子列とを有する(以下、適宜、外部接続用端子106aおよび外部接続用端子106bを総称して外部接続用端子106と称する)。2つの端子列は、素子搭載用基板100の厚さ方向に並んで配置されている。
【0036】
本実施形態の素子搭載用基板100は、外部接続用端子が基板の側端面上で一方の主表面側から他方の主表面側にかけて線状に設けられた構造とは異なり、外部接続用端子106が側端面104上に点状に設けられた構造である。そのため、上述したように素子搭載用基板100の延在方向に並ぶ複数の外部接続用端子106からなる端子列を、素子搭載用基板100の厚さ方向に複数配列することができる。その結果、側端面104における外部接続用端子106の数を増やすことができるため、外部接続用端子106の高密度化を図ることができる。
【0037】
また、隣接する2つの端子列のうち一方の端子列に含まれる各外部接続用端子106aは、他方の端子列に含まれる各外部接続用端子106bと素子搭載用基板100の延在方向にずれている。すなわち、外部接続用端子106aと外部接続用端子106bとが千鳥状に配置されている。これにより、例えば2つの外部接続用端子106a上に搭載された2つのはんだボールの隙間に、外部接続用端子106b上に搭載されたはんだボールを配置することができる。したがって、外部接続用端子106aと外部接続用端子106bとを、素子搭載用基板100の延在方向位置を一致させて配置する場合に比べて、素子搭載用基板100の厚さ方向の外部接続用端子106間距離を短くすることができる。その結果、側端面104における外部接続用端子106の高密度化を図ることができる。
【0038】
また、本実施形態に係る素子搭載用基板100では、第1絶縁樹脂層116に配置されたビア導体120と、第1絶縁樹脂層116に隣接する第2絶縁樹脂層122に配置されたビア導体126とが絶縁樹脂層の積層方向(素子搭載用基板100の厚さ方向)で重なっている。そして、ビア導体120およびビア導体126が第3配線層118を介して連結されて外部接続用端子106aが形成されている。同様に、第3絶縁樹脂層128に配置されたビア導体132と第4絶縁樹脂層134に配置された第5配線層130とが絶縁樹脂層の積層方向で重なり、両者が第5配線層130を介して連結されて外部接続用端子106bが形成されている。すなわち、外部接続用端子106は、隣接する絶縁樹脂層のそれぞれに配置されて絶縁樹脂層の積層方向で重なる複数のビア導体で構成されている。これにより、外部接続用端子106の面積を大きくすることができ、その結果、素子搭載用基板100の外部接続用端子における電気抵抗を小さくすることができる。
【0039】
ビア導体120とビア導体126とで形成される外部接続用端子106aの一部は、第1配線層112、第3配線層118、および第4配線層124により引き回されて、はんだボール5を介して半導体素子402aの素子電極と電気的に接続されている(図2(A)参照)。また、ビア導体132とビア導体138とで形成される外部接続用端子106bの一部は、第2配線層114、第1配線層112、第3配線層118、および第4配線層124により引き回されて、金線7を介して半導体素子404aの素子電極と電気的に接続されている(図2(B)参照)。
【0040】
図2(D)に示すように、外部接続用端子106の表面上には、側端面104から突出するめっき層150が設けられていてもよい。めっき層150は、例えばNi/Au層などである。外部接続用端子106の表面上に側端面104から突出するめっき層150を設けることで、素子搭載用基板100の外部接続用端子106と素子搭載用基板300の外部接続用端子306とをより確実に接続することができる。後述する製造工程に起因して側端面104および外部接続用端子106の表面は面一であるため、外部接続用端子106の表面上に形成しためっき層150は側端面104から突出することになる。また、外部接続用端子106の表面は平坦であるため、その表面上に形成しためっき層150の表面もまた平坦になる。なお、本実施形態では、第1〜第6配線層112,114,118,124,130,136の一部も側端面104において露出しているため、外部接続用端子106にめっき層150を設けた場合、配線層の当該露出部分もめっきされる。めっき層150としてNi/Au層を形成する場合、Ni層の厚さは例えば約3μm〜約15μmであり、Au層の厚さは例えば約0.01μm〜約0.5μmである。
【0041】
また、素子搭載用基板100の側端面104に、素子搭載用基板100に搭載された半導体素子、電子部品のいずれとも接続されないダミー端子を設け、素子搭載用基板300側にも側端面104に設けたダミー端子に対応するダミー端子を設けて、これらのダミー端子同士を接続してもよい。これによれば、素子搭載用基板100と素子搭載用基板300とをより強固に固定することができ、その結果、半導体モジュール1と半導体モジュール3との接続信頼性を高めることができる。
【0042】
(素子搭載用基板および半導体モジュールの製造方法)
実施形態1に係る素子搭載用基板100を含む半導体モジュール1の製造方法について、図3(A)〜図7(C)を参照して説明する。図3(A)〜図3(C)、図4(A)〜図4(C)、図6(A)〜図6(C)、および図7(A)〜図7(C)は、実施形態1に係る素子搭載用基板および半導体モジュールの製造方法を示す工程断面図である。図5は、絶縁樹脂層の素子搭載用基板形成領域およびダイシングライン用領域とビアホールとの位置関係を説明するための模式図である。なお、図3(A)〜図3(C)、図4(A)〜図4(C)、図6(A)〜図6(C)、および図7(A)〜図7(C)に示す断面は、図1および図2(C)におけるA−A線に沿った断面と同一位置の断面である。
【0043】
まず、図3(A)に示すように、一方の主表面上に金属層としての銅箔212が、他方の主表面上に金属層としての銅箔214が貼り付けられた基材110を準備する。この基材110には、素子搭載用基板形成領域Eとダイシングライン用領域Dとがマトリクス状に配置されている(図5参照)。
【0044】
次に、図3(B)に示すように、ドリル加工、レーザ加工などの掘削加工により、基材110および銅箔212,214の所定領域にビアホール211を形成する。
【0045】
次に、図3(C)に示すように、無電解めっき法および電解めっき法により、ビアホール211に銅を充填してビア導体111を形成する。これにともない、基材110の主表面に設けられた銅箔212,214が厚膜化される。なお、銅箔212,214が厚膜化された状態の図示は省略する。また、ビア導体111と銅箔212,214との境界部分は模式的に示している。
【0046】
次に、図4(A)に示すように、周知のフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて銅箔212を選択的に除去し、基材110の一方の主表面上に所定パターンの第1配線層112を形成する。同様に、銅箔214を選択的に除去して基材110の他方の主表面上に第2配線層114を形成する。
【0047】
次に、図4(B)に示すように、基材110の第1配線層112が形成された側の主表面上に、銅箔218が積層された第1絶縁樹脂層116を積層する。また、基材110の第2配線層114が形成された側の主表面上に、銅箔230が積層された第3絶縁樹脂層128を積層する。
【0048】
次に、図4(C)に示すように、レーザを打つ箇所に予めエッチングを施して当該箇所の銅箔218を除去した後、例えばレーザ加工により、第1絶縁樹脂層116の所定領域にビアホール220を形成する。このとき、図5に示すように、ビアホール220の一部は、第1絶縁樹脂層116の素子搭載用基板形成領域Eおよびダイシングライン用領域Dをまたぐ領域に形成される。なお、図5では、ビアホール220のうち、素子搭載用基板形成領域Eおよびダイシングライン用領域Dをまたぐ領域に形成されるビアホール220のみを図示している。同様にして、第3絶縁樹脂層128の、素子搭載用基板形成領域Eおよびダイシングライン用領域Dをまたぐ領域を含む所定領域にビアホール232が形成される。本実施形態では、各素子搭載用基板100の1つの側端面に外部接続用端子106が形成されるようにビアホール220が形成されている。また、図5において記号Aで示すように、本実施形態の製造方法では、各素子搭載用基板100に形成される配線パターンの上下左右方向が互いに一致するように、各素子搭載用基板形成領域Eに素子搭載用基板100が形成される。図5の記号Aは、素子搭載用基板100に形成される配線パターンを模式的に示している。
【0049】
次に、図6(A)に示すように、無電解めっき法および電解めっき法により、ビアホール220に銅を充填してビア導体120を形成する。同様にしてビアホール232に銅を充填してビア導体132を形成する。なお、銅箔218,230が厚膜化された状態の図示は省略する。また、ビア導体120と銅箔218との境界部分およびビア導体132と銅箔230との境界部分は模式的に示している。
【0050】
次に、図6(B)に示すように、周知のフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて銅箔218を選択的に除去して、所定パターンの第3配線層118を形成する。同様にして、第3絶縁樹脂層128の主表面上に第5配線層130を形成する。
【0051】
次に、図6(C)に示すように、図4(B)〜図6(B)で説明した工程が繰り返されて、第1絶縁樹脂層116の主表面上に、第2絶縁樹脂層122、ビア導体126、および第4配線層124が形成される。また、同様にして、第3絶縁樹脂層128の主表面上に、第4絶縁樹脂層134、ビア導体138、および第6配線層136が形成される。
【0052】
次に、図7(A)に示すように、第2絶縁樹脂層122の主表面上にフォトソルダーレジストを積層し、周知のフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて、第4配線層124の電極パッドを露出させる開口部140aを有する保護層140を形成する。また、第4絶縁樹脂層134の主表面上にフォトソルダーレジストを積層して保護層142を形成する。以上の工程により、ダイシングライン用領域Dで連結された複数の素子搭載用基板100が形成される。
【0053】
次に、図7(B)に示すように、開口部140aから露出する第4配線層124の電極パッドにはんだボール5を搭載する。そして、はんだボール5上に半導体素子402aを搭載し、リフロー工程によりはんだボール5を溶融して、第4配線層124の電極パッドと半導体素子402aの素子電極とをはんだボール5を介して接合する。これにより、ダイシングライン用領域Dで連結された複数の半導体モジュール1が形成される。なお、図示は省略するが、保護層140には開口部140bが形成され、開口部140bから露出する第4配線層124の電極パッドに金線7を介して半導体素子404aが接合される。
【0054】
次に、図7(C)に示すように、従来公知のダイシング装置(図示せず)を用いて、まずビア導体120,126と重なるダイシングライン用領域D(図5で上下方向に延びるダイシングライン用領域)に沿って基材110および第1〜第4絶縁樹脂層116,122,128,134をダイシングする。次に、残ったダイシングライン用領域D’(図5で左右方向に延びるダイシングライン用領域)に沿って基材110および第1〜第4絶縁樹脂層116,122,128,134をダイシングする。これにより、複数の素子搭載用基板100あるいは半導体モジュール1を個片化する。また、このダイシングによって、素子搭載用基板形成領域Eおよびダイシングライン用領域Dをまたぐ領域に形成されたビア導体120,126を切断面に露出させて、外部接続用端子106aを形成する。なお、図示は省略するがビア導体132,138も切断面に露出されて、外部接続用端子106bが形成される。以上の工程により、個片化された複数の半導体モジュール1が形成される。
【0055】
なお、外部接続用端子106の表面上にめっき層150を設ける場合は、ダイシングライン用領域Dに沿ったダイシングの後に、めっき層150の形成処理が実施される。そして、その後にダイシングライン用領域D’に沿ったダイシングが実施される。
【0056】
以上説明したように、実施形態1に係る垂直実装用の素子搭載用基板100は、第1〜第4絶縁樹脂層116,122,128,134のそれぞれを貫通し、第1〜第6配線層112,114,118,124,130,136のそれぞれと電気的に接続され、素子搭載用基板100の側端面104において露出して外部接続用端子106として機能するビア導体120,126,132,138を備える。これにより、コア部材の一方の主表面から側端面を経由して他方の主表面に配線を延在させた従来の構造に比べて、素子搭載用基板100の厚さ方向における外部接続用端子の延在範囲を小さくすることができる。そのため、垂直実装用の素子搭載用基板100の側端面104における外部接続用端子106の高密度化を図ることができる。
【0057】
また、本実施形態では、第1〜第4絶縁樹脂層116,122,128,134の素子搭載用基板形成領域Eおよびダイシングライン用領域Dをまたぐ領域にビア導体120,126,132,138を形成し、複数の素子搭載用基板100を個片化するためのダイシングによって外部接続用端子106を形成している。そのため、素子搭載用基板100の側端面104に簡単に外部接続用端子106を形成することができる。
【0058】
(変形例1)
図8は、変形例1に係る素子搭載用基板の製造方法における絶縁樹脂層の素子搭載用基板形成領域およびダイシングライン用領域とビアホールとの位置関係を説明するための模式図である。
【0059】
図8に示すように、実施形態1の変形例1では、第1絶縁樹脂層116にビアホール220を形成する際に、隣接する2つの素子搭載用基板形成領域Eとその間のダイシングライン用領域Dとをまたぐ領域にビアホール220を形成する。この場合、図8において記号Aで示すように、ビアホール220を共用する2つの素子搭載用基板形成領域Eに形成される各素子搭載用基板100は、その配線パターンの上下左右方向が互いに逆方向になる。
【0060】
そして、ダイシングライン用領域Dに沿って基材110および第1〜第4絶縁樹脂層116,122,128,134をダイシングして、隣接する2つの素子搭載用基板形成領域Eの一方とダイシングライン用領域Dの切断面、および隣接する2つの素子搭載用基板形成領域Eの他方とダイシングライン用領域Dの切断面にビア導体120,126,132,138を露出させて外部接続用端子106を形成する。
【0061】
本変形例によれば、実施形態1の製造方法と比べて、同数の素子搭載用基板100を製造する際に必要なダイシングライン用領域Dの本数を減らすことができる。したがって、素子搭載用基板100の製造工程におけるダイシング回数を減らすことができる。よって、素子搭載用基板100の製造工程を簡略化することができる。なお、本変形例は、図8に示す場合のように、特にダイシングライン用領域Dの幅を細くすることができる場合に好適に採用することができる。
【0062】
(変形例2)
図9は、変形例2に係る素子搭載用基板の製造方法における絶縁樹脂層の素子搭載用基板形成領域およびダイシングライン用領域とビアホールとの位置関係を説明するための模式図である。
【0063】
図9に示すように、実施形態1の変形例2では、各素子搭載用基板形成領域Eの2辺にビアホール220が形成される。したがって、各素子搭載用基板100の2つの側端面に外部接続用端子106が形成される。なお、外部接続用端子106は、素子搭載用基板100の3つの側端面、あるいは全ての側端面に形成することもできる。
【0064】
本変形例によれば、複数の素子搭載用基板がより複雑に組み合わされた複合モジュールを形成することが可能になる。例えば、素子搭載用基板100の第1側端面の外部接続用端子106を第1の基板の主表面に接合し、素子搭載用基板100の第1側端面と対向する第2側端面の外部接続用端子106を第2の基板の主表面に接合して、第1の基板と第2の基板とが素子搭載用基板100を挟んで平行に並んだモジュール構造を形成することができる。
【0065】
(実施形態2)
次に、上述の実施形態1に係る素子搭載用基板100を有する半導体モジュール1を備えた携帯機器について説明する。なお、携帯機器として携帯電話に搭載する例を示すが、たとえば、個人用携帯情報端末(PDA)、デジタルビデオカメラ(DVC)、及びデジタルスチルカメラ(DSC)といった電子機器であってもよい。
【0066】
図10は実施形態2に係る携帯電話の構成を示す図である。携帯電話1111は、第1の筐体1112と第2の筐体1114が可動部1120によって連結される構造になっている。第1の筐体1112と第2の筐体1114は可動部1120を軸として回動可能である。第1の筐体1112には文字や画像等の情報を表示する表示部1118やスピーカ部1124が設けられている。第2の筐体1114には操作用ボタンなどの操作部1122やマイク部1126が設けられている。実施形態1に係る素子搭載用基板100を有する半導体モジュール1はこうした携帯電話1111の内部に搭載されている。
【0067】
図11は図10に示した携帯電話の部分断面図(第1の筐体1112の断面図)である。実施形態1に係る素子搭載用基板100を有する半導体モジュール1は、ACFを介して半導体モジュール3に搭載されている。半導体モジュール3は、はんだボール308を介してプリント基板1128に搭載されている。これにより、半導体モジュール1,3は、プリント基板1128を介して表示部1118などと電気的に接続されている。
【0068】
実施形態1に係る素子搭載用基板100によれば、外部接続用端子106の高密度化を図ることが可能であるため、携帯電話1111の小型化を図ることができる。
【0069】
本発明は、上述の実施形態や変形例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等のさらなる変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれ得るものである。
【0070】
上述した垂直実装用の素子搭載用基板100は、上述した撮像装置に用いられるカメラモジュールに搭載可能である。カメラモジュールは、所定領域に開口部を備えたカメラモジュール用素子搭載用基板と、垂直実装用の素子搭載用基板100とを有する。カメラモジュール用素子搭載用基板の一方の主表面には、CMOS型イメージセンサ等の受光素子が搭載されている。この受光素子は、マトリクス状に形成されたフォトダイオードを有する。各フォトダイオードは、受光量に応じて光を電荷量に光電変換し、画素信号として出力する。受光素子は、その受光領域がカメラモジュール用素子搭載用基板の他方の主表面側から見て開口部と重なる位置に設けられる。
【0071】
カメラモジュール用素子搭載用基板の他方の主表面上には、開口部を塞ぐように光学フィルタが設けられ、光学フィルタにより赤外線などの特定波長の光が遮断される。また、他方の主表面上には、開口部への入光を妨げないようにして素子搭載用基板100が垂直実装される。素子搭載用基板100の主表面102には、ドライバIC、コンデンサ、抵抗等が搭載される。ドライバICは、受光素子の露光タイミング、画素信号の出力タイミング等を制御する機能を有する。さらに、カメラモジュール用素子搭載用基板の他方の主表面上には、レンズが取り付けられた鏡筒が設置される。カメラモジュール用素子搭載用基板に素子搭載用基板100を垂直実装し、従来カメラモジュール用素子搭載用基板の他方の主表面上に搭載していたドライバIC等を素子搭載用基板100に搭載させることで、カメラモジュールの垂直方向の空間を有効利用しつつ水平方向の大きさを小さくすることができる。よって、カメラモジュールの小型化を図ることができる。
【0072】
上述の実施形態1において、素子搭載用基板100は、基材110と第1〜第4絶縁樹脂層116,122,128,134とが積層された構造であるが、絶縁樹脂層の積層数は特に限定されない。例えば、素子搭載用基板100は、絶縁樹脂層としての基材110一層のみからなっていてもよい。この場合、基材110を貫通するビア導体111が側端面104において露出して外部接続用端子106として機能する。
【0073】
外部接続用端子106は、図12に示すような形状であってもよい。図12は、他の変形例に係る外部接続用端子の形状を説明するための概略断面図である。すなわち、図12に示すように、ビア導体120は第3配線層118側から第1配線層112側に向けて直径が徐々に小さくなり、ビア導体126は第3配線層118側から第4配線層124側に向けて直径が徐々に小さくなっている。そのため、ビア導体120とビア導体126とで構成される外部接続用端子106aは、その輪郭が略菱形状となる。この場合、例えば半導体モジュール1と半導体モジュール3との接合にはんだボールを用いる際に、はんだボールを外部接続用端子106a上に安定的に配置することができる。直径が絶縁樹脂層の一方の主表面側から他方の主表面側にかけて徐々に小さくなる形状を有するビア導体は、絶縁樹脂層の一方の主表面側から照射したレーザー光が絶縁樹脂層内を進行する過程で徐々に減衰することを利用して形成することができる。あるいは、このようなビア導体は、金属箔のエッチング処理で形成することができる。したがって、図12に示す外部接続用端子106aは、絶縁樹脂層のレーザ加工、または金属箔のエッチング処理、あるいは両者の組み合わせで形成することができる。
【符号の説明】
【0074】
D ダイシングライン用領域、 E 素子搭載用基板形成領域、 100 素子搭載用基板、 104 側端面、 106,106a,106b 外部接続用端子、 110 基材、 111,120,126,132,138 ビア導体、 112 第1配線層、 114 第2配線層、 116 第1絶縁樹脂層、 118 第3配線層、 122 第2絶縁樹脂層、 124 第4配線層、 128 第3絶縁樹脂層、 130 第5配線層、 134 第4絶縁樹脂層、 136 第6配線層、 140 保護層、 142 保護層、 402a,402b,404a,404b 半導体素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直実装用の素子搭載用基板であって、
絶縁樹脂層と、
前記絶縁樹脂層の一方の主表面上に設けられた配線層と、
前記絶縁樹脂層を貫通し、前記配線層と電気的に接続され、素子搭載用基板の側端面において露出して外部の電極端子と電気的に接続するための端子として機能するビア導体と、
を備えたことを特徴とする素子搭載用基板。
【請求項2】
前記絶縁樹脂層が複数積層され、
素子搭載用基板の延在方向に並ぶ複数の前記端子からなる端子列を複数有する請求項1に記載の素子搭載用基板。
【請求項3】
隣接する2つの前記端子列のうち一方の端子列に含まれる各端子は、他方の端子列に含まれる各端子と素子搭載用基板の延在方向にずれている請求項2に記載の素子搭載用基板。
【請求項4】
前記絶縁樹脂層が複数積層され、
前記端子は、隣接する前記絶縁樹脂層のそれぞれに配置されて絶縁樹脂層の積層方向で重なる複数のビア導体で構成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の素子搭載用基板。
【請求項5】
前記端子の表面上に設けられためっき層をさらに備え、
前記めっき層は、前記側端面から突出している請求項1乃至4のいずれか1項に記載の素子搭載用基板。
【請求項6】
最外層の絶縁樹脂層の主表面上に設けられた保護層をさらに備え、
前記保護層は、前記側端面において、最外層の絶縁樹脂層と少なくとも一部が重なる前記端子に対応する領域に延在している請求項1乃至5のいずれか1項に記載の素子搭載用基板。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の素子搭載用基板と、
前記素子搭載用基板の一方の主表面側に搭載された半導体素子と、
を備えた半導体モジュールを搭載したことを特徴とする携帯機器。
【請求項8】
絶縁樹脂層の素子搭載用基板形成領域およびダイシングライン用領域をまたぐ領域に絶縁樹脂層を貫通するビアホールを形成する工程と、
前記ビアホール内にビア導体を形成する工程と、
前記絶縁樹脂層の一方の主表面上に金属層を積層し、当該金属層を選択的に除去して前記ビア導体と電気的に接続された配線層を形成して、ダイシングライン用領域で連結された複数の素子搭載用基板を形成する工程と、
ダイシングライン用領域に沿って前記絶縁樹脂層をダイシングして、複数の素子搭載用基板を個片化するとともに、素子搭載用基板形成領域およびダイシングライン用領域をまたぐ領域に形成された前記ビア導体を切断面に露出させて外部の電極端子と接続するための端子を形成する工程と、
を含むことを特徴とする素子搭載用基板の製造方法。
【請求項9】
前記ビアホールを形成する工程において、隣接する2つの素子搭載用基板形成領域とその間のダイシングライン用領域とをまたぐ領域にビアホールを形成し、
前記端子を形成する工程において、前記絶縁樹脂層をダイシングして、隣接する2つの素子搭載用基板形成領域の一方と前記ダイシングライン用領域の切断面、および他方と前記ダイシングライン用領域の切断面に前記ビア導体を露出させて前記端子を形成する請求項8に記載の素子搭載用基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−142376(P2012−142376A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293122(P2010−293122)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】