説明

素材画像配信サーバ、端末及びゲームシステム

【課題】端末間でのゲームの画像の送受信を可能とする素材画像配信サーバ、端末及びゲームシステムを提供する。
【解決手段】端末5に対して通信ネットワーク7を介して接続されたゲーム用の素材画像配信サーバ1は、電子メールのテキスト表示領域に、テキストに代わって配置され端末5での操作により変更可能な複数の素材画像が、集合して形成されたプレイフィールドであるテンプレート60等を、プレイ開始状態で記憶するフィールド記憶部22と、フィールド記憶部22により記憶されたテンプレート60等を、端末5に配信するフィールド配信部12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素材画像配信サーバ、プレイを行う端末及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータや携帯電話機等に代表される電子メールの送受信が行える端末の普及に伴い、メッセージの送受信だけでなく、様々な電子メールの用途が考えられている。例えば、端末装置から作画情報を受信し、作画情報に基づいて画像生成処理を行い、生成した描画情報を他の端末装置に電子メールにより配信可能な画像ファイルとして記憶手段に格納するゲームサーバが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−319030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載のゲームサーバは、端末装置で作成した画像を他の端末に閲覧させるために、作画情報に基づいて生成した描画情報を画像ファイルとして格納するものであった。そのため、ゲームの画像の修正や生成は、端末装置から画像ファイルが格納されているゲームサーバに対して作画情報を送信することで行わなければならなかった。
【0004】
そこで、本発明は、端末間でのゲームの画像の送受信を可能とする素材画像配信サーバ、端末及びゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0006】
請求項1の発明は、端末(5)に対して通信ネットワーク(7)を介して接続されたゲーム用の素材画像配信サーバ(1)であって、電子メールのテキスト表示領域に、テキストに代わって配置され前記端末での操作により変更可能な複数の素材画像が、集合して形成されたプレイフィールド(60,70等)を、プレイ開始状態で記憶するフィールド記憶部(22)と、前記フィールド記憶部により記憶された前記プレイフィールドを、前記端末に配信するフィールド配信部(12)と、を備えること、を特徴とする素材画像配信サーバである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の素材画像配信サーバ(1)において、前記プレイフィールド(60,70等)は、属性情報を有する前記素材画像が所定の位置に配置されて形成されること、を特徴とする素材画像配信サーバである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の素材画像配信サーバ(1)において、前記フィールド配信部(12)は、プレイで使用する他の素材画像を前記プレイフィールド(60,70等)と共に配信すること、を特徴とする素材画像配信サーバである。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の素材画像配信サーバ(1)において、前記フィールド配信部(12)は、電子メールの本文に配置して又はWebページから直接に前記プレイフィールド(60,70等)を配信すること、を特徴とする素材画像配信サーバである。
【0008】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の素材画像配信サーバ(1)から前記プレイフィールド(60,70等)を受信する受信部(52)と、プレイヤが操作する操作部(55)と、前記受信部が受信した前記プレイフィールドを、前記操作部の操作により第1の電子メールのテキスト表示領域に表示し、前記プレイフィールドを形成する前記素材画像を変更する第2の電子メールの編集画面を表示する表示部(54)と、前記表示部に表示された前記第1の電子メールを編集して作成された前記第2の電子メールを、前記プレイヤが指定したプレイを行う他のプレイヤの端末に送信する送信部(53)と、を備えること、を特徴とする端末(5)である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の端末(5)において、前記受信部(52)は、前記他のプレイヤの端末から送信された第1の電子メールを受信し、前記表示部(54)は、前記プレイヤによる前記操作部(55)の操作に応じて、前記第1の電子メールの本文に配置されたプレイフィールドを前記第1の電子メールのテキスト表示領域に表示し、第2の電子メールの編集画面を表示すること、を特徴とする端末である。
請求項7の発明は、請求項5又は6に記載の端末(5)において、前記素材画像配信サーバ(1)から受信した前記プレイフィールド(60,70等)を構成する複数の素材画像のうち属性情報の異なる素材画像を少なくとも1つ記憶する記憶部(51)を備え、前記表示部(54)は、前記プレイヤによる前記操作部(55)の操作に応じて、前記記憶部に記憶された前記属性情報の異なる素材画像を読み出して、前記第2の電子メールの編集画面を表示すること、を特徴とする端末である。
【0009】
請求項8の発明は、複数の端末(5A,5B等)と、前記複数の端末に対して通信ネットワーク(7)を介して接続されたゲーム用の素材画像配信サーバ(1)と、を備えたゲームシステム(100)であって、前記素材画像配信サーバは、電子メールのテキスト表示領域に、テキストに代わって配置され前記端末での操作により変更可能な複数の素材画像が、集合して形成されたプレイフィールド(60,70等)を、プレイ開始状態で記憶するフィールド記憶部(21)と、前記フィールド記憶部により記憶された前記プレイフィールドを、プレイを行う前記複数の端末のうち少なくとも一の端末に配信するフィールド配信部(12)と、を備え、前記一の端末(5A)は、前記素材画像配信サーバから配信された前記プレイフィールドを受信する受信部(52A)と、前記一の端末のプレイヤが操作する操作部(55A)と、前記受信部が受信した前記プレイフィールドを、前記操作部の操作により第1の電子メールのテキスト表示領域に表示し、前記プレイフィールドを形成する前記素材画像を変更する第2の電子メールの編集画面を表示する表示部(54A)と、前記表示部に表示された前記第1の電子メールを編集して作成された第2の電子メールを、前記プレイヤが指定したプレイを行う前記複数の端末のうち前記一の端末を除く他の端末(5B)に送信する送信部(53A)と、を備え、前記他の端末は、前記一の端末から送信された前記第2の電子メールを受信する受信部(52B)と、前記他の端末のプレイヤが操作する操作部(55B)と、前記操作部の操作に応じて、前記受信部が受信した前記第2の電子メールの本文に配置されたプレイフィールドを前記第2の電子メールのテキスト表示領域に表示し、前記プレイフィールドを形成する前記素材画像を変更する第3の電子メールの編集画面を表示する表示部(54B)と、を備えること、を特徴とするゲームシステムである。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、素材画像配信サーバが、電子メールのテキスト領域に配置可能なプレイフィールドを端末に配信する。配信されるプレイフィールドは、複数の素材画像が集合して形成され、プレイ開始状態のものである。よって、端末では、受信したプレイフィールドを用いて即時にプレイを開始することができ、素材画像を用いたプレイを簡易に行うことができる。
【0011】
(2)本発明は、属性情報を有する素材画像が所定の位置に配置されたプレイフィールドを用いることで、端末では、属性情報を有する素材画像を配置してプレイフィールドを形成して、プレイを行うことができる。
(3)本発明は、プレイで使用する他の素材画像をプレイフィールドと共に端末に配信するので、端末では、プレイの途中で使用する素材画像を用いることができ、プレイを円滑に行うことができる。
【0012】
(4)本発明は、プレイフィールドを電子メールの本文に配置して配信するので、例えば、受信した電子メールを引用した転送メールを作成する要領で電子メールにプレイフィールドを配置できるので、端末でのプレイの開始を容易にすることができる。また、Webページから直接プレイフィールドを配信する場合には、端末では、配信されたプレイフィールドを記憶させて、電子メール作成時に取り出して配置することで、端末でのプレイの開始を容易にすることができる。
【0013】
(5)本発明は、端末が受信したプレイ開始状態のプレイフィールドを表示し、電子メールに配置してプレイフィールドを形成する素材画像を変更し、その電子メールを他の端末に送信する。よって、プレイに応じてプレイ開始状態のプレイフィールドの素材画像が変更された電子メールを、他の端末に提供することでプレイを開始できる。
【0014】
(6)本発明は、他の端末から受信したプレイ中のプレイフィールドを、プレイフィールドを形成する素材画像を変更可能な状態として表示するので、受信端末では、プレイフィールドを構成する素材画像を簡易に変更することができる。よって、受信端末で素材画像を変更したプレイフィールドを生成できる。
【0015】
(7)本発明は、プレイで用いる素材画像を記憶し、読み出してプレイフィールドに配置できるので、端末での簡易な操作により、プレイで用いる素材画像を読み出すことができる。よって、プレイヤの手間を抑えてプレイできる環境をプレイヤに提供できる。
(8)本発明は、端末間での電子メールの送受信でプレイできるので、サーバによる素材画像の処理を行わずに、端末で素材画像を変更することで、プレイフィールドを用いたプレイを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、端末間でのゲームの画像の送受信を可能とする素材画像配信サーバ、端末及びゲームシステムを提供するという目的を、端末に対して通信ネットワークを介して接続されたゲーム用の素材画像配信サーバが、電子メールのテキスト表示領域に、テキストに代わって配置され前記端末での操作により変更可能な複数の素材画像が、集合して形成されたプレイフィールドを、プレイ開始状態で記憶するフィールド記憶部と、前記フィールド記憶部により記憶された前記プレイフィールドを、前記端末に配信するフィールド配信部と、を備えることによって実現した。
【0017】
(実施形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、本実施形態に係るゲームシステム100の構成及び機能ブロックを示す図である。ゲームシステム100は、素材画像配信サーバ1と、電子メールサーバ3と、携帯電話機5A,5BやPC(Personal Computer)5C等に代表される端末5とが、それぞれ通信ネットワーク7を介して接続されている。端末5は、電子メール(以下、「メール」ともいう。)の機能を有した端末である。
【0018】
端末5のプレイヤは、通信ネットワーク7を介して接続された他の端末5のプレイヤと、電子メールを利用してゲームを行うことができる。端末5は、素材画像配信サーバ1に記憶された、複数の素材画像が集合して形成されたプレイ開始状態のプレイフィールドであるテンプレートを受信する。そして、端末5は、テンプレートを用いて、一のプレイに合わせてプレイフィールドを形成する素材画像を変更した電子メールを作成し、他の端末5に送信する。プレイ相手である他の端末5のプレイヤは、受信した電子メールを開くことで、相手のプレイにより素材画像が変更されたプレイフィールドの内容を見て、さらに素材画像を変更して、そのプレイフィールドを編集する。このように、複数人のプレイヤが複数の素材画像で形成されたプレイフィールドを順次変更して送受信して、プレイを進行させることができる。なお、以下の説明において、プレイ開始状態のプレイフィールドを特にテンプレートという。
【0019】
素材画像配信サーバ1は、主な構成として、制御部10、記憶部20、受信部30及び送信部40を備える。また、制御部10は、フィールド配信部12及び電子メール作成部16を有する。これら各機能については、後述する。
素材画像配信サーバ1の制御部10は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置であり、当該素材画像配信サーバ1の全体を制御するものである。制御部10は、記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、素材画像配信サーバ1のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
なお、本発明でいうコンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、素材画像配信サーバ1は、制御部10、記憶部20等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0020】
記憶部20は、フィールド記憶部22及び素材画像記憶部24を有する。また、記憶部20は、制御部10と組み合わせてプログラムの実行に使用するメモリを含んでよい。記憶部20を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、半導体記憶装置、磁気ディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等が含まれる。素材画像配信サーバ1と外部接続することができる磁気テープ、CD−ROMとCD−R/WとDVDとを含む光ディスクや、メモリカード等の補助記憶装置も含む概念である。
【0021】
受信部30及び送信部40は、当該素材画像配信サーバ1を、通信ネットワーク7を介して端末5等に接続できるようにするためのネットワーク・アダプタである。受信部30及び送信部40は、モデム、ケーブルモデム及びイーサネット(登録商標)・アダプタを含んでよい。
素材画像配信サーバ1のハードウェアの数に制限はない。必要に応じて、1又は複数で構成してよい。また、必要に応じて電子メールサーバ、Webサーバ、DB(データベース)サーバ、アプリケーションサーバ等の各種サーバを含んで構成してよく、1台のサーバで構成しても、それぞれ別のサーバで構成してもよい。
【0022】
電子メールサーバ3は、電子メールの送受信に用いられるサーバであり、端末5から送信された電子メールの宛先を振り分けて、振り分けられた電子メールを当該電子メールサーバ3内のプレイヤや、他の電子メールサーバや電子メールサーバの機能を有する素材画像配信サーバ1に送信したり、他の電子メールサーバや素材画像配信サーバ1で振り分けられた電子メールを受信し、他のプレイヤの端末5に送信したりする。
【0023】
端末5に含まれる携帯電話機5A及び5Bは、電話や電子メールの機能を有する携帯型の端末である。PC5Cは、電子メールの機能の他、インターネットや文書作成等を行える標準的なパソコン端末である。例えば、携帯電話機5Aは、制御部50A、記憶部51A、受信部52A、送信部53A、表示部54A及び操作部55Aを備える。以下、携帯電話機5Bについて説明する場合には、携帯電話機5Aの関連に付した符号の末尾のAの代わりにBを付す。また、端末の種類を特定しない場合には、携帯電話機5Aの関連に付した符号の末尾のAを表記しないで説明する。
端末5の制御部50は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置であり、当該端末5の全体を制御するものである。制御部50は、記憶部51に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、端末5のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0024】
記憶部51は、プレイフィールドを含む電子メールや、素材画像を記憶し、制御部50と組み合わせてプログラムの実行に使用するメモリを含んでよい。記憶部51を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、半導体記憶装置、磁気ディスク、RAM、ROM等が含まれる。メモリカード等の補助記憶装置も含む概念である。
受信部52及び送信部53は、素材画像配信サーバ1から端末5に対して配信されたテンプレートを受信したり、端末5間でプレイフィールドが配置された電子メールの送受信を行ったりする。
【0025】
表示部54は、プレイヤの操作により電子メールに関する表示や、Webコンテンツに関する表示を行うものである。主に、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。表示部54は、例えば、端末5に直接組み込まれている。
操作部55は、プレイヤによる入力の受け付けを行うものであり、各種キーやボタン等を含んでよい。
【0026】
通信ネットワーク7は、例えば、素材画像配信サーバ1、電子メールサーバ3及び端末5の間の通信を行うためのインターネット等の通信網である。なお、携帯電話機5A,5Bは、携帯電話機5A,5Bに付随のアンテナと基地局(図示せず)との間で電波による無線通信を利用することにより通信を行う。
【0027】
次に、素材画像配信サーバ1の記憶部20に記憶されたフィールド記憶部22及び素材画像記憶部24について図2に基づき説明する。
記憶部20には、テンプレートを記憶するフィールド記憶部22と、プレイに用いる画像(素材画像)を記憶する素材画像記憶部24とを有している。フィールド記憶部22と、素材画像記憶部24とは、各々ゲームの種類ごとに所定の画像を格納する。
【0028】
まず、フィールド記憶部22について説明する。例えば、オセロ(登録商標)ゲームの場合には、プレイ開始状態のオセロゲームのテンプレート60として、盤面(プレイフィールド)の一部分を示す矩形の画像が、縦8列×横8行の計64に並べられたプレイフィールドが、フィールド記憶部22に格納されている。後述するように、電子メールのテキスト表示領域に、テキストに代えて矩形の画像(素材画像)が配置される。各画像は、位置情報とその画像の種類(属性情報)とを有する。以下、便宜上「(縦方向の位置X、横方向の位置Y、画像の種類)」として各画像を表記する。位置情報は、図中右上を基準(座標(1,1))として、左方向に行くほどXの値が、また下方向に行くほどYの値が大きな値で示される。また、画像の種類は、何も石が乗っていない矩形の画像を「N」、中央部分に石「○」が乗っている矩形の画像を「W」、中央部分に石「●」が乗っている矩形の画像を「B」で示して3種類の画像を区別する。図2の例では、一番右上の画像611は(1,1,N)として表される。その左隣の画像621は、(2,1,N)として表される。また、テンプレート60の中央部分には、プレイ開始状態では石「○」と石「●」とが乗っている矩形の画像が対角上に2つずつ配置されるので、画像644,画像645,画像654,画像655は、それぞれ(4,4,B)、(4,5,W)、(5,4,W)、(5,5,B)として表される。この4つ以外の場所には、画像の種類が全て何も石が乗っていない矩形の画像「N」である。
【0029】
また、将棋ゲームの場合には、プレイ開始状態の将棋ゲームのテンプレート70として、盤面(プレイフィールド)の一部分を示す縦9列×横9行の計81の矩形の画像を並べたプレイフィールドが、フィールド記憶部22に格納されている。
【0030】
次に、素材画像記憶部24について説明する。例えば、オセロゲームの場合には、上述のように、何も石が乗っていない矩形の画像61、中央部分に石「○」が乗っている矩形の画像62、及び中央部分に石「●」が乗っている矩形の画像63の3つの画像によりプレイを行うので、その3つの画像を素材画像記憶部24に格納する。
また、将棋ゲームの場合には、将棋ゲームのテンプレート70に示される画像以外の「ときん」等のプレイの途中で変更して使用するコマの画像71から画像76を格納する。
【0031】
このように、素材画像記憶部24には、少なくともプレイで使用し、テンプレートに含まれない画像を記憶する。よって、素材画像記憶部24に記憶されたプレイで使用する他の素材画像をプレイフィールドと共に端末5に配信でき、端末5では、プレイの途中で使用する素材画像を用いることができ、プレイを円滑に行うことができる。なお、オセロゲームの説明では、素材画像記憶部24にテンプレート60に含む画像61から画像63を記憶しているものとしたが、テンプレート60に含む画像を端末5でコピー&ペーストすることでプレイを継続できるので、素材画像記憶部24に何も記憶しないこととしてもよい。また、将棋ゲームの説明では、素材画像記憶部24にテンプレート70に含まない画像71から画像76を記憶しているものとしたが、テンプレート70に含む画像を素材画像記憶部24に記憶してもよい。
【0032】
次に、素材画像配信サーバ1での処理について説明する。
図3は、本実施形態に係る素材画像配信サーバ1での配信処理のフローチャートである。
まず、ステップS1では、制御部10は、受信部30を介して端末5からテンプレートの配信要求の電子メールを受信したか否かを判断する。テンプレートの配信要求の電子メールを受信した場合(ステップS1:YES)には、制御部10は、処理をステップS2に移す。他方、テンプレートの配信要求の電子メールを受信していない場合(ステップS1:NO)には、制御部10は、処理をステップS3に移す。
【0033】
ステップS2では、電子メール作成部16は、所定のゲームのテンプレートを記憶部20のフィールド記憶部22から取り出し、電子メールにテンプレートを配置して、テンプレートを配置した電子メールを作成する。なお、その際に、素材画像記憶部24に記憶された画像をテンプレートと同様に配信可能とするよう、電子メールに配置する。そして、フィールド配信部12は、作成した電子メールを、依頼元の端末5に送信部40を介して送信し、本処理を終了する。このように、テンプレートを電子メールの本文に配置して配信するので、例えば、受信した電子メールを引用した転送メールを作成する要領で電子メールにプレイフィールドを配置できるので、端末5でのプレイの開始を容易にすることができる。
【0034】
ステップS3では、制御部10は、受信部30を介して端末5からWebページを用いたテンプレートのダウンロード要求を受信したか否かを判断する。テンプレートのダウンロード要求を受信した場合(ステップS3:YES)には、制御部10は、処理をステップS4に移す。他方、テンプレートのダウンロード要求を受信していない場合(ステップS3:NO)は、制御部10は、テンプレートの配信をすることなく、本処理を終了する。
【0035】
ステップS4では、制御部10は、所定のゲームのテンプレートを記憶部20のフィールド記憶部22から取り出す。なお、その際に、素材画像記憶部24に記憶された画像をテンプレートと同様に配信可能とするよう、記憶部20から取り出す。そして、フィールド配信部12は、記憶部20から取り出したテンプレートとプレイで用いる画像とを、送信部40を介して依頼元の端末5にダウンロードし、本処理を終了する。このように、Webページから直接プレイフィールドを配信することで、端末5では、配信されたテンプレートとプレイで用いる画像とを記憶することができ、電子メール作成時にテンプレートを取り出して配置することで、端末5でのプレイの開始を容易にすることができる。
【0036】
図4は、本実施形態に係る電子メールによるテンプレート配信時の端末5での画面例を示す図である。
図4(a)は、携帯電話機5Aにおいて、プレイ開始状態のオセロゲームのテンプレート60を受信するため、素材画像配信サーバ1に送信する電子メールを示す。プレイヤが操作部55A(図1参照)を操作することで、図4(a)には、表示部54Aに新規メール作成画面が表示された様子が示されている。そして、アドレス部80には、素材画像配信サーバ1のオセロゲームのテンプレート配信用のメールアドレスである、「tmp_othello@〜」が、プレイヤにより入力されている。素材画像配信サーバ1に送信する電子メールは、アドレス部80以外の項目を記載しない空メールでよい。
【0037】
図4(b)は、図4(a)の電子メールを送信した後に、携帯電話機5Aが受信した電子メールを示す。送信元アドレス部81により、図4(a)の送信先のオセロゲームのテンプレート配信用のメールアドレスから受信したものであることが示されている。また、本文部82には、オセロゲームのテンプレート60が表示されている。
このように、テンプレートを配信する電子メールを、素材画像配信サーバ1の所定のメールに送信することで、プレイ開始状態のプレイフィールドであるテンプレートを受信できるので、プレイヤは、この受信した電子メールを用いて簡易にプレイを開始することができる。なお、受信したテンプレートやプレイで用いる画像は、記憶部51に記憶しておくとよい。
【0038】
次に、端末5でのプレイ方法について説明する。ここでは、2つの携帯電話機5A及び5Bを用いたオセロゲームのプレイを例に説明する。
図5は、本実施形態に係る端末5でのプレイ処理のフローチャートである。
図6は、本実施形態に係る端末5での画面例を示す図である。
まず、図5のステップS11では、制御部50Aは、電子メールにテンプレートを配置した新規メールを作成する。次に、ステップS12では、制御部50Aは、宛先を携帯電話機Bのメールアドレスに更新する。そして、ステップS13では、制御部50Aは、プレイヤによる操作部55Aの操作により、プレイフィールドを編集する。
【0039】
ここで、図6を用いて、上述の処理について具体的に説明する。
図6(a)及び(b)は、プレイ開始後の第1手をプレイヤが指定した場合の例を示す。携帯電話機5Aの表示部54Aには、上述の図4(b)に示すテンプレートが配置された電子メールから、操作部55Aによる転送メールを作成する操作のみで簡易に作成された新規メール(ゲームメールの転送メール)が表示されている。アドレス部90には、対戦プレイヤの携帯電話機5Bのメールアドレスである「yyyy@〜」が入力されている。また、本文部91には、オセロゲームのプレイフィールドが表示され、画像653には、中央部分に石「●」が乗っている矩形の画像を配置している。この配置は、画像655の中央部分に石「●」が乗っている矩形の画像をコピーし、画像653の当初の何も石が乗っていない矩形の画像を一旦削除した後に、コピーした中央部分に石「●」が乗っている矩形の画像を貼り付けることで配置できる。一連の処理により、画像653は(5,3,N)から(5,3,B)に変更された。なお、中央部分に石「●」が乗っている矩形の画像は、プレイフィールド上の画像をコピーするのではなく、記憶部51Aに記憶された画像の中から選択してもよい。
【0040】
図6(b)は、その後、プレイヤにより画像654を変更した場合を示す。石を示す画像の変更は、プレイヤによる操作部55の操作によって行う。そのため、実際のボードゲームでプレイヤが「○」の石を、「●」の石に変更するように、画像655の中央部分に石「●」が乗っている矩形の画像をコピーして画像654の中央部分に石「○」が乗っている矩形の画像を削除した後に、コピーした中央部分に石「●」が乗っている矩形の画像を貼り付ける操作を行う。このようにすることで、プレイヤに、実際の盤面で石を動かしているかのように感じさせることができる。
【0041】
図5に戻って、ステップS14では、制御部50Aは、送信部53Aを介して編集したプレイフィールドが配置された電子メールを、携帯電話機5Bに送信する。
携帯電話機5Bでは、ステップS31において、制御部50Bは、携帯電話機5Aから送信された電子メールを、受信部52Bを介して受信する。
次に、ステップS32では、制御部50Bは、ゲームを終了するか否かを判断する。ゲームの終了とは、最後までプレイが進んだ場合の他に、手詰まりの場合や、プレイヤがプレイを放棄する場合をいう。そして、ゲームを終了するか否かは、プレイヤによる操作部55Bからの操作により判断できる。ゲームを終了する場合(ステップS32:YES)には、制御部50Bは、本処理を終了する。他方、ゲームを終了しない場合(ステップS32:NO)には、制御部50Bは、処理をステップS33に移す。
【0042】
ステップS33では、制御部50Bは、プレイヤによる操作部55Bの操作により、返信メールを作成する。そして、ステップS34では、制御部50Bは、プレイヤによる操作部55Bからの操作によりプレイフィールドを編集する。
【0043】
ここで、再度図6を用いて、上述の処理について具体的に説明する。
図6(c)は、携帯電話機5Aから送信され、携帯電話機5Bで受信した電子メールを示す。表示部54Bには、図6(b)に示す携帯電話機5Aで作成された電子メールと同様の内容が示されている。また、送信元アドレス部93には、携帯電話機5Aのメールアドレスが示されている。ここで、プレイヤによる操作部55Bからの操作により、図6(d)に示すように返信メールが作成され、アドレス部94に、送信元アドレス部93で示されたメールアドレスが入力された状態となる。また、本文部95には、図6(c)と同様のプレイフィールドが示される。よって、プレイヤは、図5のステップS13と同様に、自プレイで使用する画像62を用いてプレイフィールドを編集して、次のプレイをすることができる。
【0044】
図5に戻って、ステップS35では、制御部50Bは、送信部53Bを介して、編集したプレイフィールドが配置された電子メールを携帯電話機5Aに送信する。
携帯電話機5Aでは、ステップS15において、制御部50Aは、携帯電話機5Bから送信された電子メールを、受信部52Aを介して受信する。
次に、ステップS16では、制御部50Aは、ゲームを終了するか否かを判断する。ゲームを終了する場合(ステップS16:YES)には、制御部50Aは、本処理を終了する。他方、ゲームを終了しない場合(ステップS16:NO)には、制御部50Aは、処理をステップS17に移す。
ステップS17では、制御部50Aは、上述のステップS33と同様に返信メールを作成する。次に、ステップS18では、制御部50Aは、上述のステップS34と同様にプレイフィールドを編集する。その後、制御部50Aは、処理をステップS14に移し、電子メールを送信する。その後、両プレイヤは、携帯電話機5Aと携帯電話機5Bとによるプレイを、どちらかでプレイ終了となるまで継続して行う。
【0045】
上述の端末5の処理により、端末5の電子メールの機能のみを用いて、ゲームのコマ(石)として画像を用いたプレイを行うことができる。なお、電子メールの本文に、画像の他にテキストを記述した場合には、電子メールの伝言機能と共にプレイフィールドを送信できるため、プレイヤ同士の円滑なコミュニケーションを補助することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0047】
(変形形態)
本実施形態では、オセロゲーム及び将棋ゲームを例に説明した。しかし、これに限らず、パズルゲームや対戦ゲーム等の他の素材画像を用いる様々なゲームに適用できる。
また、本実施形態では、2台の携帯電話機を例に説明した。しかし、これに限らず、他の端末であってもよい。また、3台以上の端末を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態に係るゲームシステムの構成及び機能ブロックを示す図である。
【図2】本実施形態に係るフィールド記憶部及び素材画像記憶部を示す図である。
【図3】本実施形態に係る素材画像配信サーバでの配信処理のフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る電子メールによるテンプレート配信時の端末での画面例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る端末でのプレイ処理のフローチャートである。
【図6】本実施形態に係る端末での画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 素材画像配信サーバ
5 端末
5A,5B 携帯電話機
7 通信ネットワーク
10,50,50A,50B 制御部
12 フィールド配信部
20,51,51A 記憶部
22 フィールド記憶部
24 素材画像記憶部
30,52,52A,52B 受信部
40,53,53A,53B 送信部
54,54A,54B 表示部
55,55A,55B 操作部
60,70 テンプレート
100 ゲームシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に対して通信ネットワークを介して接続されたゲーム用の素材画像配信サーバであって、
電子メールのテキスト表示領域に、テキストに代わって配置され前記端末での操作により変更可能な複数の素材画像が、集合して形成されたプレイフィールドを、プレイ開始状態で記憶するフィールド記憶部と、
前記フィールド記憶部により記憶された前記プレイフィールドを、前記端末に配信するフィールド配信部と、を備えること、
を特徴とする素材画像配信サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の素材画像配信サーバにおいて、
前記プレイフィールドは、属性情報を有する前記素材画像が所定の位置に配置されて形成されること、
を特徴とする素材画像配信サーバ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の素材画像配信サーバにおいて、
前記フィールド配信部は、プレイで使用する他の素材画像を前記プレイフィールドと共に配信すること、
を特徴とする素材画像配信サーバ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の素材画像配信サーバにおいて、
前記フィールド配信部は、電子メールの本文に配置して又はWebページから直接に前記プレイフィールドを配信すること、
を特徴とする素材画像配信サーバ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の素材画像配信サーバから前記プレイフィールドを受信する受信部と、
プレイヤが操作する操作部と、
前記受信部が受信した前記プレイフィールドを、前記操作部の操作により第1の電子メールのテキスト表示領域に表示し、前記プレイフィールドを形成する前記素材画像を変更する第2の電子メールの編集画面を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記第1の電子メールを編集して作成された前記第2の電子メールを、前記プレイヤが指定したプレイを行う他のプレイヤの端末に送信する送信部と、を備えること、
を特徴とする端末。
【請求項6】
請求項5に記載の端末において、
前記受信部は、前記他のプレイヤの端末から送信された第1の電子メールを受信し、
前記表示部は、前記プレイヤによる前記操作部の操作に応じて、前記第1の電子メールの本文に配置されたプレイフィールドを前記第1の電子メールのテキスト表示領域に表示し、第2の電子メールの編集画面を表示すること、
を特徴とする端末。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の端末において、
前記素材画像配信サーバから受信した前記プレイフィールドを構成する複数の素材画像のうち属性情報の異なる素材画像を少なくとも1つ記憶する記憶部を備え、
前記表示部は、前記プレイヤによる前記操作部の操作に応じて、前記記憶部に記憶された前記属性情報の異なる素材画像を読み出して、前記第2の電子メールの編集画面を表示すること、
を特徴とする端末。
【請求項8】
複数の端末と、前記複数の端末に対して通信ネットワークを介して接続されたゲーム用の素材画像配信サーバと、を備えたゲームシステムであって、
前記素材画像配信サーバは、
電子メールのテキスト表示領域に、テキストに代わって配置され前記端末での操作により変更可能な複数の素材画像が、集合して形成されたプレイフィールドを、プレイ開始状態で記憶するフィールド記憶部と、
前記フィールド記憶部により記憶された前記プレイフィールドを、プレイを行う前記複数の端末のうち少なくとも一の端末に配信するフィールド配信部と、を備え、
前記一の端末は、
前記素材画像配信サーバから配信された前記プレイフィールドを受信する受信部と、
前記一の端末のプレイヤが操作する操作部と、
前記受信部が受信した前記プレイフィールドを、前記操作部の操作により第1の電子メールのテキスト表示領域に表示し、前記プレイフィールドを形成する前記素材画像を変更する第2の電子メールの編集画面を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記第1の電子メールを編集して作成された第2の電子メールを、前記プレイヤが指定したプレイを行う前記複数の端末のうち前記一の端末を除く他の端末に送信する送信部と、を備え、
前記他の端末は、
前記一の端末から送信された前記第2の電子メールを受信する受信部と、
前記他の端末のプレイヤが操作する操作部と、
前記操作部の操作に応じて、前記受信部が受信した前記第2の電子メールの本文に配置されたプレイフィールドを前記第2の電子メールのテキスト表示領域に表示し、前記プレイフィールドを形成する前記素材画像を変更する第3の電子メールの編集画面を表示する表示部と、を備えること、
を特徴とするゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−195416(P2009−195416A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39307(P2008−39307)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】