説明

細胞移動阻害組成物および方法ならびに癌治療用組成物

癌を有する個人の治療方法を提供する。該方法には、細胞移動阻害剤および化学療法薬を該個人に投与して、癌細胞の移動を阻害することを含めることができる。細胞移動を阻害すると細胞分裂を増加させることができる。このようにして、細胞移動阻害剤および化学療法薬の組合せは、細胞分裂を増加させることによって、化学療法薬単独と比較して増大した効果を発揮することができる。該細胞移動阻害剤には、本明細書で記載した阻害剤のいずれかを含めることができる。たとえば、該細胞移動阻害剤は、分子量約700未満の有機分子、モノクローナル抗体または天然産物であってよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、細胞移動阻害組成物および細胞移動阻害方法ならびに癌治療用組成物に関する。ある実施形態は、細胞移動を阻害する組成物の同定方法および化学療法剤と共に相乗作用を有する組成物の同定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生細胞の移動異常は、多くのヒト疾患の根底にある原因である。癌、心臓疾患、動脈硬化、創傷治癒、関節炎およびいくつかの自己免疫疾患はいずれも、細胞運動を混乱させる要素を共有している。この変化は、細胞運動を促進するか、または不十分にすることが可能である。
【0003】
細胞運動の異常が原因の疾患の中で、癌は合衆国における死因の第2位である。1990年以来、約1600万人が癌と診断され、500万の命が癌で失われた。合衆国では4人に1人が癌で亡くなっていることになる。アメリカ癌学会は、2002年には新たに1220100件が癌と診断され、552200人のアメリカ人、1日に1500人を上回る人が癌で亡くなると推定している。これらの概算には非侵襲性癌は排除されており、基底細胞癌および扁平上皮癌は含まれていない。実際に、皮膚癌はその他のいずれの器官の癌よりも一般的で、今年基底細胞および扁平上皮細胞の皮膚癌と診断される症例は1300万件を上回ることが予測される。合衆国における癌のための財政費用は1年当たり1000億ドルを超える。
【0004】
癌において細胞移動(浸潤および転移)は重要な役割を果たすことが認識されているが、細胞移動に対する化学物質の影響をスクリーニングする技術がなく、細胞移動についてはほとんど未調査のままである。細胞移動の研究方法の例には、たとえば、ボイデン・チャンバーアッセイおよびScratch Woundアッセイが含まれる。ボイデン・チャンバーアッセイには一般的に、膜の片側に細胞を入れることが必要である。膜の孔径は調べる細胞の直径よりも小さい。細胞を該膜の片側に入れた後、容器を一定時間インキュベートする。細胞移動は、一定時間後膜のもう一方の側に存在する細胞の数を測定することによって評価することができる。Scratch Woundアッセイは一般的に、コンフルエントな単層細胞を引っ掻いて、それによって単層に「傷」を作り出す。細胞移動は、周辺の細胞による傷の修復をモニターすることによって評価することができる。もう1つの移動アッセイは、Chemicon International Inc.、テメキュラ、カリフォルニアから市販されている。このアッセイには一般的に、挿入膜の底部の移動性細胞の分離が関与する。分離した細胞を溶解して、細胞の核酸に結合したときに蛍光を示す色素を使用して検出する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、細胞移動を調べる前記方法にはいくつかの欠点がある。たとえば、細胞移動を調べるこれらの方法は扱いにくく、高価で、比較的大量の試薬が必要で、感受性が悪く、再現が困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は細胞移動を阻害する化学物質の同定方法に関する。一実施形態では、該方法には基質上の予め決定した位置に癌細胞を沈着させ、該癌細胞を基質上で化学物質によって処理することを含めることができる。たとえば、該方法には、細胞の誘導沈殿法を使用して癌細胞を沈着させ、該癌細胞を沈着後化学物質で処理することを含めることができる。該方法には、化学物質のライブラリーから選択した化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度および未処理癌細胞の細胞移動速度を測定することを含めることができる。化学物質の該ライブラリーには、分子量約700未満の有機分子を含めることができる。さらに、該ライブラリーの化学物質はすべて、有機分子を含むことができる。他の実施形態では、化学物質の該ライブラリーには、モノクローナル抗体および/または天然産物を含めることができる。細胞移動速度の測定には、癌細胞が癌細胞試料のほぼ中心から放射状に移動する距離を測定することを含めることができる。一実施形態では、該方法にはまた、化学物質で処理した癌細胞および未処理対照試料中の癌細胞の他の特性の測定を含めることができる。
【0007】
処理した癌細胞の細胞移動速度が未処理癌細胞より遅ければ、該方法には異なる用量の化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度を測定することを含めることができる。用量が増加するにつれて細胞移動速度が減少するならば、該方法にはまた、該化学物質を細胞移動速度阻害化学物質と同定することを含めることができる。他の実施形態では、該方法にはまた、該化学物質と化学療法薬との組合せが癌細胞の殺滅に相乗効果を示すかどうかを測定することを含めることができる。
【0008】
他の実施形態では、該方法には、該ライブラリーから選択した様々な化学物質で処理した癌細胞の複数試料の細胞移動速度を測定することを含めることができる。このような方法にはまた、少なくとも未処理対照試料の細胞移動速度よりも遅い細胞移動速度の1種または複数の化学物質を選択することを含めることができる。さらに、該方法には、異なる用量の選択した化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度を測定することを含めることができる。異なる用量の選択した化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度が用量を増加させるにつれて減少するならば、該方法にはさらに、1種または複数の選択した化学物質を細胞移動阻害化学物質と同定することを含めることができる。
【0009】
他の実施形態は、細胞移動を改変する化学物質の同定方法に関する。該方法には、該化学物質で処理した細胞の細胞移動速度および未処理細胞の細胞移動速度を測定することを含めることができる。該処理細胞が該未処理細胞とは異なる細胞移動速度であるならば、該方法には異なる用量の化学物質で処理した細胞の細胞移動速度を測定することを含めることができる。該細胞移動速度が用量に依存して変化するならば、該方法にはまた、該化学物質を細胞移動速度改変化学物質と同定することが含まれる。
【0010】
細胞移動阻害方法の一実施形態には、一般式
【0011】
【化1】

を有する細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含めることができる。
【0012】
該化学物質は、分子量が約700未満の有機分子であってよい。前記一般式において、nは1または2であってよい。R1はメチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、tert−ブチル、アセトキシ、フェニル、ビフェニル−4−イル、4−ヨード−フェニルおよび4−ペンチル−フェノキシカルボニルメチルから成る群から選択してよい。R2は、水素、4−アセチル−アミノ、4−(2−シアノ−エチル)−フェニル、4−プロペニル−フェニル、4−ペンチル−フェニル、4−ブロモ−フェニル、4−クロロ−フェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、4−アセチル−フェニル、4−ヒドロキシ−フェニル、4−エトキシ−フェニル、4−オクチルオキシ−フェニル、2,3−ジシアノ−4−ヘキシルオキシ−フェニル、4−ブトキシ−2,3−ジクロロ−フェニル、4−ペンタノイル−フェニル、4−シアノ−フェニル、ビフェニル−4−イル、4’−メチル−ビフェニル−4−イル、4’−シアノ−ビフェニル−4−イル、2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチル、2−(4’−ブロモ−ビフェニル−4−イル)−2−オキソ−エチル、4−シクロヘキサンカルボニルオキシ−フェニルおよび4−安息香酸エチルエステルから成る群から選択してよい。細胞移動阻害を示した化学物質の一実施形態は、4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸である。
【0013】
細胞移動阻害方法の他の実施形態には、一般式
【0014】
【化2】

を有する細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含めることができる。
【0015】
この化学物質はまた、分子量が約700未満の有機分子であってよい。R1は、水素、メチル、メトキシ、ブロモ、アミノ、2−ヒドロキシ−エチルアミノおよび3−ヒドロキシ−プロピルアミノから成る群から選択される。R2は、水素およびアセチルアミノから成る群から選択される。一実施形態では、R1またはR2は水素であってよい。他の実施形態では、R1およびR2は非環式基であってよい。他の実施形態では、R1およびR2はニトロ基であってはならない。細胞移動阻害を示した化学物質の一実施形態は、4−メチル−3−ニトロ−安息香酸である。
【0016】
細胞移動阻害方法の他の実施形態には、一般式
【0017】
【化3】

を有し、分子量が約700未満の有機分子であってよい細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含めることができる。R1はフェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、4−フルオロ−フェニルおよび4−メトキシ−フェニルから成る群から選択してよい。R2は、4−(2,2−ジシアノ−1−シクロプロピル−ビニル)およびジシアノから成る群から選択してよい。R3は、4−クロロフェニル、フェニルおよびシクロプロピルから成る群から選択してよい。細胞移動阻害を示す化学物質の一実施形態は、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである。細胞移動阻害を示す化学物質の他の実施形態は、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである。
【0018】
細胞移動阻害方法のさらに他の実施形態には、一般式
【0019】
【化4】

を有し、分子量約700未満の有機分子であってよい細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含めることができる。R1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert−ブチル、イソブチル、フェニル、ベンジル、ビフェニル−4−イル、2−メチル−フェニル、4メチル−フェニル、4−tert−ブチル−フェニル、2−ブロモ−フェニル、3−ブロモ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、2−クロロ−フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロ−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、3−ヨード−フェニル、4−アセチル−フェニル、−2−ホルミル−フェニル、2−カルボキシフェニル、3−カルボキシ−フェニル、2−メトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5ジメトキシ−フェニル、3,4,5−トリメトキシ−フェニル、4−エトキシ−フェニル、3,4,5−トリエトキシ−フェニル、4−ブトキシ−フェニル、4フェノキシメチル、4−フェノキシ−フェニル、4−クロロ−フェノキシメチル、2−ニトロ−フェニル、3−ニトロ−フェニル、4−ニトロ−フェニル、3,5ジニトロ−フェニル、2−メチル−3−ニトロ−フェニル、2−クロロ−4−ニトロ−フェニル、4−クロロ−3−ニトロ−フェニル、2−カルボキシ−5−ニトロ−フェニル、4−ベンゾイル−フェニル、4−シアノ−フェニル、ナフタレン−1−イル、3−メトキシ−ナフタレン−2−イル、テトラヒドロ−フラン−2−イル、5−ブロモフラン−2−イル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、3−カルボキシ−ピラジン−2−イル、2−フェニル−キノリン−4−イル、チオフェン−2−イル、フェニルフェニルスルファニル−メチル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、3−(2,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル、8−アリル−2−オキソ−2H−クロメン−3−イル、4メチル−ピペラジン−1−イルメチル、5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イルメチル、4−ブロモ−5−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−1−イルメチル、4−クロロ−5−メチル−3−トリフルオロメチル−4H−ピラゾール−1−イル−メチル、5−メチル−3−ニトロ−ピラゾール−1−イルメチル、3,5−ジメチル−4−ニトロ−ピラゾール−1−イルメチル、4−ブロモ−5−メチル−3−ニトロ−ピラゾール−1−イルメチル、3−ニトロ[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル、4−ニトロ−イミダゾール−1−イルメチル、5,7−ジフェニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル、6−ブロモ−1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、3,6−ジブロモ−1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−(4−エトキシ−フェニル)−7−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、3−ブロモ−5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−(4−ブロモ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラミジン−2−イル、5−(4−フルオロ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラミジン−2−イル、3−ブロモ−5−チオフェン−2−イル−7トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、3−クロロ−5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−フラン−2−イル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−チオフェン−2−イル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5a]ピリミジン−2−イル、3−クロロ−6−フルオロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル、4−メチル−3−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル、2−クロロ−5−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル、5−ジエチルスルファモイル−フェニル、4−ジプロピルスルファモイルフェニル、4−フェニル−1H−テトラゾール−5−イルスルファニルメチル、ベンゾ[4,5]チアゾロ[2,3−c][1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル、3−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、4−ブロモ−5−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、4クロロ−5−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、および2,4−ジクロロ−5−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニルから成る群から選択してよい。
【0020】
2は、水素、メチル、tert−ブチルおよび1,1−ジメチル−プロピルから成る群から選択してよい。R3は、水素およびメチルから成る群から選択してよい。細胞移動阻害を示した化学物質の一実施形態は、N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−ヨード−ベンズアミドである。
【0021】
他の実施形態では、細胞移動の阻害方法には、一般式
【0022】
【化5】

を有し、分子量が約700未満の有機分子であってよい細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含めることができる。R1は、4−ブロモ−ベンゾイルアミノ、(アダマンタン−2−イル−ヒドロキシ−メチル)−アミノおよびフェニルアミノから成る群から選択してよい。R2は、ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、p−クロロ−フェニル、p−メチル−フェニル、フェニルおよびp−メトキシ−フェニルから成る群から選択してよい。R3は、水素、2−プロペニルおよびフェニルから成る群から選択してよい。R4は、水素およびメチルから成る群から選択してよい。一実施形態では、該化学物質は[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル]−フェニル−アミンである。
【0023】
他の実施形態は、本明細書で記載した細胞移動阻害剤のいずれか1種を含む医薬組成物に関する。該医薬組成物はまた、化学療法薬を含む。該化学療法薬には、アルキル化剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗剤、微小管阻害剤、紡錘細管阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ホルモン剤、生物剤および顆粒球コロニー刺激因子が含まれるが、それだけに限定されない。一実施形態では、該医薬組成物には、本明細書で記載した複数の細胞移動阻害剤および/または複数の前記化学療法薬を含めることができる。該医薬組成物にはまた、薬剤として許容される担体を含めることができる。
【0024】
一実施形態では、該阻害剤は4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸で、該化学療法薬は1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレアである。他の実施形態では、該阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸で、該化学療法薬は1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレアである。他の実施形態では、該阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸で、該化学療法薬はパクリタキセルである。医薬組成物の他の実施形態には、細胞移動阻害剤1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルおよび化学療法薬ゲムシタビンが含まれる。医薬組成物の他の実施形態には、細胞移動阻害剤1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルおよびゲムシタビンが含まれる。
【0025】
他の実施形態は、癌を有する個人の治療方法に関する。該方法には、細胞移動阻害剤および化学療法薬を該個人に投与して癌細胞の移動を阻害することが含まれる。細胞移動を阻害することによって、細胞分裂を促進することができる。このように、該細胞移動阻害剤および該化学療法薬の組合せは、細胞分裂を増加させることによって該化学療法薬単独と比較して増大した効果を発揮することができる。該細胞移動阻害剤には、本明細書で記載した阻害剤のいずれかを含めてよい。たとえば、該細胞移動阻害剤は、分子量が約700未満の有機分子であってよい。
【0026】
他の実施形態は、癌を有する個人の治療方法に関する。該方法には、細胞移動阻害剤および化学療法薬を該個人に投与することを含めることができる。該細胞移動阻害剤は、本明細書で記載した細胞移動阻害剤のいずれか1種であってよい。該化学療法薬は、本明細書で説明した化学療法薬のいずれか1種であってよい。さらに、該方法には、複数の細胞移動阻害剤および/または複数の化学療法薬を該個人に投与することを含めることができる。該細胞移動阻害剤および該化学療法薬は、当業界で公知の任意の方法(すなわち、経口的、静脈内など)を使用して投与してよい。
【0027】
他の実施形態は、癌を有する個人の治療の同定方法に関する。該方法には、該個人の癌の組織培養を確立することを含めることができる。該方法にはまた、該組織培養に基づいて該癌の細胞移動阻害剤を同定することを含めることができる。さらに、該方法には、細胞移動阻害剤と組み合わせて効果を発揮する化学療法薬を同定することを含めることができる。他の実施形態では、該方法には、該細胞移動阻害剤および該化学療法薬を該個人に投与することを含めることができる。
【0028】
異常な細胞移動に少なくとも部分的に関与し得る疾患の治療方法もまた提供する。該疾患は、自己免疫疾患または心臓血管疾患であってよいが、それだけに限定されない。該方法には、該疾患を有する個人に細胞移動阻害剤を投与することによって疾患の異常な細胞移動を改変することを含めることができる。該細胞移動阻害剤には、本明細書で記載した細胞移動阻害剤のいずれかを含めることができる。該方法にはまた、医薬品を該個人に投与することによって該疾患を治療することを含めることができる。該医薬品には、前述したような疾患の治療に適切な任意の医薬品を含めることができる。
【0029】
本明細書で記載した化合物はアリール化剤である。したがって、アリール化剤であるその他の比較的小さな有機分子もまた、細胞移動を阻害することができる。細胞移動の阻害方法の一実施形態には、アリール化剤である細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含めることができる。他の実施形態は、少なくとも1種はアリール化剤である1種または複数の細胞移動阻害剤および1種または複数の化学療法薬を含む医薬組成物に関する。該化学療法薬には、当業界で公知の任意の化学療法薬を含めることができる。該医薬組成物にはまた、薬剤として許容される担体を含めることができる。他の実施形態は、アリール化剤である細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含む、癌を有する個人の治療方法に関する。該方法は、本明細書で説明したように実施することができる。
【0030】
他の実施形態では、モノクローナル抗体および天然産物などのその他の化合物もまた、細胞移動を阻害することができる。細胞移動阻害方法の一実施形態には、モノクローナル抗体または天然産物である細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含めることができる。他の実施形態は、少なくとも1種がモノクローナル抗体または天然産物である1種または複数の細胞移動阻害剤および1種または複数の化学療法薬を含む医薬組成物に関する。該化学療法薬には、当業界で公知の任意の化学療法薬を含めることができる。該医薬組成物にはまた、薬剤として許容される担体を含めることができる。他の実施形態は、モノクローナル抗体または天然産物である細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含む、癌を有する個人の治療方法に関する。該方法は、本明細書で説明したように実施することができる。
【0031】
本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を参照にすると明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は様々な改変および変更形態を受け入れることができるが、その特定の実施形態を図面の実施例によって示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、この図面およびそれらの詳細な説明は本明細書を開示した特定の形態に限定するものではなく、反対に、本発明は添付した請求の範囲によって定義された本発明の精神および範囲内にある改変、同等物および代替物すべてを含むことを理解されたい。
【0033】
さて、図面に目を向けると、図1は細胞の誘導沈殿装置の底部透過図を示している。該装置には、マニホールド10が含まれる。マニホールド10の側面の長さは、細胞を沈着させる基材よりも大きい。マニホールド10は、ステンレススチールなどの中実な材料の塊から形成することができる。該材料は、比較的低い温度を該マニホールドによって維持できるような熱吸収体であってよい。該マニホールドにはチャンネル12が含まれる。該チャンネルは市販のテフロン(登録商標)保護スライドのために形成されている。該チャンネルは該マニホールドを予め決定された間隔で区切るように配置されている。図1には10個のチャンネルが示されているが、該マニホールドには任意の数のこのようなチャンネルを含めることができることを理解されたい。たとえば、該マニホールドは、8×12の2次元チャンネルアレイに配置された96個のチャンネルを含めてよい。図1aは、96チャンネルマニホールドの一部の上面透過図を示し、図1bは96チャンネルマニホールドの下面透過図を示す。図1aおよび1bで示したマニホールドは本明細書で説明したように設計することができる。該チャンネルの半径は約1.0mmであり、長さは該マニホールドの高さに等しくすることができる。該マニホールド全体の高さは2.5cm未満で、表面張力によって生理学的液体がチャンネルの上まで満たされる理論的限界距離である。該マニホールドの高さは1.25cmが好ましい。
【0034】
図2は、基材14に組み合わせた図1の細胞の誘導沈殿装置の断面図である。該基材は顕微鏡スライドである。図2に示したように、該マニホールドを該基材に組み合わせたとき、チャンネル12は、マニホールドの上面から基材14の上面より少し上まで達する。チャンネル12の底部16は、各チャンネルが他のチャンネルから隔離されるようにマニホールドの底面から突き出している。底部16は、該チャンネルの最低外側辺近位に斜角面を含む。斜角面18は、該チャンネルの出口近位の毛管引力を減少させる。
【0035】
マニホールド10は、該マニホールドの2個の底辺から横に突き出したツメ20によって基材14と組み合わされる。該突き出したツメは、マニホールドを切削することによって形成する。図1に示したように、該マニホールドはまた、該マニホールドの第3の底辺に形成した突き出したツメ22を含む。該突き出したツメを使用して該マニホールドを該スライド上に配置し、マニホールドが基材上で2つの側面方向にずれるのを防ぐ。該装置はさらに、本明細書で完全に示すように参考として援用したBerensの米国特許第5998160号に記載されたように構成することができる。適切な細胞沈殿マニホールドの一例がCreative Scientific Methods,Inc.、フェニックス、アリゾナから市販されている。
【0036】
細胞の誘導沈殿装置を使用して、基材の予め決定した位置に細胞を沈着させることができる。前述したマニホールドおよび基材を加圧滅菌バッグに入れて保存し、約1時間加圧蒸気滅菌して該マニホールドを滅菌することができる。次に、試験を実施するまで該マニホールドを約4℃で保存することができる。図3は、基材14の上部概略図である。沈着の前に、細胞を沈着させる基材14の表面を実施する実験に応じて処理する。たとえば、表面コーティング剤約20μlを各ウェルに添加して、約37℃で約1時間インキュベートする。細胞を沈着する直前に、基材上のテフロン加工したウェル24を試験する細胞に適した培養培地になじませる。培地約50μlを各ウェルに入れる。図2に示したように、突き出したツメ20および22が該マニホールドを該基材に固定するように4℃に予備冷却したマニホールド10を基材に組み合わせる。少量の培地(すなわち、約1μl)をマニホールドの各チャンネルから吸引して、チャンネル内の泡を除去する。
【0037】
当業界で公知の任意の方法によって培地から細胞を収集する。細胞濃度は、約2000細胞/μlに調節する。適切な細胞濃度は、細胞の種類に応じて変更することができる。該細胞を約1μlの量で各チャンネルに沈着させる。該基材上に沈着した細胞数は、研究する細胞の物理特性に応じて変化する。たとえば、約500個から約3000個の細胞を各位置に沈着させる。マニホールド、基材および細胞を、一定期間、たとえば、約30分間静かに放置する。この間に、該細胞は沈殿する。沈殿とは一般的に、重力によって懸濁物中のより重い物体が系の最低部分に沈む過程として定義される。本明細書では、沈殿とは、細胞が重力によってマニホールド内のチャンネルに充填された培地の直立した円柱を沈む過程を意味する。細胞の損傷を防ぐために重力より大きい力をかけてはならない。
【0038】
マニホールド、基材および細胞を、温度および雰囲気を制御した組織培養用インキュベーターに数時間から一晩移し、細胞を基材表面上に接着させる。インキュベーターの適切な条件は、約37℃、二酸化炭素(CO2)約37%および湿気のある空気である。該細胞は該チャンネル底部の決められた位置に沈殿する。したがって、該マニホールドを基材から取り外すと、図3に示したように、該細胞は基材の予め決定された位置に細胞のディスク26として沈着する。このような細胞の沈殿にはさらに、Berensによって記載された方法のその他の任意の段階を含めることができる。該細胞を接着させ、該マニホールドを取り外した後で、各ウェル中の細胞に適切な溶液を再度供給することができる。
【0039】
該細胞の誘導沈殿装置は、細胞移動の研究にいくつかの利点をもたらす。たとえば、生細胞は、細胞の生存力および機能を完全に維持したままで基材の予め決定された領域に沈着させることができる。多くの様々な種類の細胞はまた容易に基材に沈着し、それによって細胞移動の研究が非常に容易になる。さらに、該装置を使用して、比較的少量で細胞移動に対する化学物質の効果を決定することができる。さらに、たとえば倒立顕微鏡を使用して、細胞移動時の該化学物質の細胞移動に対する効果を調べることができる。さらに、予め決定した、限定された位置に細胞を沈着させて、該細胞の一連の動きのビデオ顕微鏡分析を使用することができる。したがって、前述の細胞の誘導沈殿装置によって、細胞レベルおよび遺伝子発現レベル両方の分析で細胞移動を詳細な研究が可能となり、それによって医学研究の分野に新しい、未開拓の機会が広がる。さらに、該細胞の誘導沈殿装置を使用して得られた結果は、前記で詳細に説明したボイデン・チャンバーアッセイおよびScratch Woundアッセイなどのその他の方法に匹敵する。
【0040】
本明細書で説明した方法および系を使用して、様々な種類の癌細胞の細胞移動阻害を調べることができる。様々な種類の癌には、神経膠腫(脳腫瘍)、乳癌、脳に転移のある乳癌、肺/気管支癌、脳に転移のある肺癌、メラノーマ(皮膚癌)、脳に転移のあるメラノーマ、その他の中枢神経系癌、膵臓癌、胃癌、肝癌、結腸/直腸癌、子宮頚癌、子宮体癌、卵巣癌、前立腺癌、膀胱癌、口腔/咽頭癌、食道癌、白血病および非ホジキンリンパ腫が含まれるが、それだけに限定はされない。
【0041】
時間経過後の細胞移動は、時間経過後個々の細胞の位置をモニターするか、または時間経過後細胞円周の半径を測定するかによってモニターすることができる。細胞円周の半径の測定には、該円の外縁に対して全体的に垂直な方向に移動する周辺細胞を検出して、移動細胞の外縁を決定することを含めることができる。該周辺細胞は予め決定された領域内にコンフルエントな単層として沈着し得るので、該細胞は容易に検出される。時間の関数として該半径を測定するために、低倍率光学装置を使用して、該細胞によって占有される全領域を表すことができる。このような測定を行うためには、時間が経過すると細胞が占有する領域が増大するので、該細胞の最初の領域は、低倍率光学装置の視野よりも小さくしなくてはならない。あるいは、沈着した細胞試料内で細胞を計数し、特徴付けることができるように、数字などの識別を個々の細胞に割り当てることができる。たとえば、高倍率対物レンズを使用して、個々の細胞を確認、計数または特徴付けることができる。個々の細胞をモニターすることによって、細胞の最初の領域は限定されない。
【0042】
一実施形態では、細胞移動阻害を測定するキットもまた提供する。該キットには、細胞の誘導沈殿装置、癌細胞、およびライブラリーの1種または複数の化学物質を含めることができる。該装置は、該癌細胞が基材上の予め決定された位置に沈着できるように設計することができる。該装置はさらに、本明細書で説明したように設計することができる。該癌細胞には、本明細書で記載した癌細胞のいずれかまたは当業界で公知の任意の癌細胞を含めることができる。該1種または複数の化学物質には、分子量約700未満の有機分子、モノクローナル抗体および/または天然産物を含めることができる。該癌細胞は、基材上で1種または複数の化学物質で処理することができ、該癌細胞の細胞移動速度を該基材上で測定することができる。該キットはまた、1種または複数の化学物質および化学療法薬を組み合わせることによって、癌細胞の相乗的殺滅を評価するために使用することができる。1種または複数の化学療法薬を該キットに含めることができ、該化学療法薬には本明細書で説明したか、または当業界で公知の任意の化学療法薬を含めることができる。
【0043】
図4は、細胞移動を阻害する化学物質の同定方法の一実施形態を示した流れ図である。該方法には、段階28に示したように、癌細胞を基材上の予め決定した位置に沈着させることを含めることができる。細胞移動実験に適した細胞量は、培地約25μl中約2000個から約3000個であってよい。該癌細胞には、神経膠腫癌細胞、メラノーマ癌細胞、乳癌細胞、膵臓癌細胞、肺癌細胞、または本明細書で記載した任意のその他の種類の癌の細胞を含めることができる。さらに、該細胞には、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を含めることができる。これらの細胞は、潜在的血管形成阻害剤の検出および血管内皮再狭窄阻害剤の検出のためのモデル系である。これらの細胞は、たとえば、Cell Applications,Inc.、サンディエゴ、カリフォルニアから市販されている。癌細胞の沈着は、細胞の誘導沈殿および前述の装置を使用して実施することができる。
【0044】
該方法にはまた、段階30で示したように沈殿後基材上の癌細胞を化学物質のライブラリーから選択された1化学物質で処理することを含めることができる。該癌細胞を処理するために使用する化学物質の量は、ピコグラムからナノグラムまで変化させてよい。化学物質の該ライブラリーは、新規または市販の化学物質のリストから無作為に選択してよい。化学物質の該ライブラリーには、分子量約700未満の有機分子を含めることができる。化学物質の該ライブラリーには、分子量約500未満の有機分子を含めることができる。一実施形態では、該ライブラリーの化学物質はすべて有機分子を含んでいてよい。しかし、本明細書で説明した方法を使用して、任意の分子量の当業界で公知の任意の分子で処理した癌細胞の細胞移動速度を測定することができることを理解されたい。たとえば、化学物質の該ライブラリーには、モノクローナル抗体および/または天然産物を含めることができる。本明細書では、「天然産物」とは、天然に見いだすことができるか、または天然に見いだされた化学物質から半合成法を使用して形成することができる任意の化学物質を意味するために使用される。該ライブラリーの化学物質は、処理および対照細胞の両方に無毒な分子である。
【0045】
段階32で示したように、該方法には、化学物質のライブラリーから選択した化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度および未処理癌細胞の細胞移動速度を測定することを含めることができる。該細胞移動速度の測定は、該癌細胞の試料のほぼ中心から放射状に癌細胞が移動する距離を測定することによって実施することができる。たとえば、該癌細胞の測定には、前述のように時間経過後円周細胞の半径を測定することを含めることができる。移動速度は、前述のように測定し、μm/日の単位で表すことができる。該方法にはまた、化学物質で処理した癌細胞および未処理対照試料の癌細胞の他の特性を測定することを含めることができる。他の特性には、たとえば、走化性、走触性、走電性、化学向性および/またはケモキネシスを含めることができる。
【0046】
段階34に示したように、該方法には、処理癌細胞の細胞移動速度が未処理癌細胞よりも遅いかどうかを測定することを含めることができる。処理癌細胞の細胞移動速度が未処理癌細胞よりも遅ければ、該方法には、段階36に示したように、様々な用量の該化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度を測定することを含めることができる。異なる用量で処理した細胞株試料を使用して、用量応答曲線を作成することができる。さらに、該方法には、段階38に示したように、用量が増加するにつれて該細胞移動速度が減少するならば、該化学物質を細胞移動阻害化学物質として同定することが含まれる。該処理癌細胞の細胞移動速度が未処理癌細胞よりも遅くなければ、該方法には段階40で示したように該ライブラリーから異なる化学物質を選択し、該異なる化学物質について少なくとも段階28〜34を繰り返すことを含めることができる。
【0047】
前述の細胞の誘導沈殿装置によって比較的低費用で細胞移動のハイスループットスクリーニングが行うことができるので、このような方法はまた、化学物質のライブラリーから選択した複数の化学物質で容易に実施することができる。たとえば、前述のように、細胞を基材上の予め決定した複数の位置に沈着させることができる。さらに、癌細胞の様々な試料を該ライブラリーから選択した様々な化学物質で処理することができ、各試料の細胞移動速度を測定することができる。該癌細胞の未処理試料の細胞移動速度もまた、測定することができる。該細胞移動速度を使用して、該化学物質が細胞移動を阻害する相対的能力を比較することができる。少なくとも未処理対照試料の癌細胞よりも細胞移動速度が遅い1種または複数の異なる化学物質を選択することができる。様々な化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度もまた比較することができる。たとえば、癌細胞の全試料の平均細胞移動速度を決定し、該平均よりも予め決定した値だけ遅い細胞移動速度の試料を選択することができる。任意のその他の比較もまた使用して、潜在的細胞移動阻害剤として化学物質を選択することができる。該方法にはまた、様々な用量の選択した化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度を測定することを含めることができる。さらに、該方法には、用量が増加するにつれて癌細胞の細胞移動速度が減少するならば、1種または複数の選択した化学物質を細胞移動阻害化学物質として同定することを含めることができる。
【0048】
本明細書で説明した方法はすべて、癌細胞またはその他の移動性細胞の移動に対する化学物質の効果を調べるために使用することができる。たとえば、細胞移動を改変する化学物質の同定方法には、化学物質で処理した細胞の細胞移動および未処理細胞の細胞移動速度を測定することを含めることができる。該方法にはまた、処理した細胞の細胞移動速度が未処理細胞と異なるならば、異なる用量の化学物質で処理した細胞の細胞移動速度を測定することを含めることができる。さらに、該方法には、該細胞移動速度が用量に応じて変化するならば、細胞移動を改変する化学物質として該化学物質を同定することを含めることができる。このようにして、本明細書で説明した方法はまた、創傷治癒のために使用することができる。細胞移動を改変する化学物質はまた、細胞移動を増大させる化学物質を同定するために使用することができる。細胞移動を増大させる化学物質を使用して、疾患の少なくとも一部が細胞移動異常に関係する疾患を治療することができる。このような疾患の例には、自己免疫疾患および心臓血管疾患を含めることができるが、それだけには限定されない。
【0049】
細胞移動阻害剤として同定した化学物質の一実施形態は、一般式
【0050】
【化6】

を有する。
該化学物質は、分子量が約700未満の有機分子である。前記一般式では、nは1または2である。R1は、メチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、tert−ブチル、アセトキシ、フェニル、ビフェニル−4−イル、4−ヨード−フェニルおよび4−ペンチル−フェノキシカルボニルメチルから成る群から選択される。R2は、水素、4−アセチル−アミノ、4−(2−シアノ−エチル)−フェニル、4−プロペニル−フェニル、4−ペンチル−フェニル、4−ブロモ−フェニル、4−クロロ−フェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、4−アセチル−フェニル、4−ヒドロキシ−フェニル、4−エトキシ−フェニル、4−オクチルオキシ−フェニル、2,3−ジシアノ−4−ヘキシルオキシ−フェニル、4−ブトキシ−2,3−ジクロロ−フェニル、4−ペンタノイル−フェニル、4−シアノ−フェニル、ビフェニル−4−イル、4’−メチル−ビフェニル−4−イル、4’−シアノ−ビフェニル−4−イル、2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチル、2−(4’−ブロモ−ビフェニル−4−イル)−2−オキソ−エチル、4−シクロヘキサンカルボニルオキシ−フェニルおよび4−安息香酸エチルエステルから成る群から選択される。細胞移動阻害を示す化学物質の一実施形態は、4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸である。前記一般式を有する化学物質は、細胞膠腫癌細胞などの様々な種類の癌細胞の細胞移動を阻害することができる。
【0051】
細胞移動を阻害することができる前記一般式を有する化学物質の他の実施例には、
1)4−プロピル−シクロヘキサンカルボン酸、
2)4−アセトキシ−シクロヘキサンカルボン酸、
3)4−ペンチル−シクロヘキサンカルボン酸、
4)4−フェニル−シクロヘキサンカルボン酸、
5)シクロヘキサンカルボン酸4−アセチル−フェニルエステル、
6)4−メチル−シクロヘキサンカルボン酸4−クロロ−フェニルエステル、
7)4’−ブチル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸、
8)4−ビフェニル−4−イル−シクロヘキサンカルボン酸、
9)4’−ペンチル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸、
10)4−ブチル−シクロヘキサンカルボン酸4−シアノ−フェニルエステル、
11)4−ペンチル−シクロヘキサンカルボン酸4−ヒドロキシ−フェニルエステル、
12)4−メチル−シクロヘキサンカルボン酸4−ペンタノイル−フェニルエステル、
13)4−メチル−シクロヘキサンカルボン酸4’−メチル−ビフェニル−4−イルエステル、
14)4−ブチル−シクロヘキサンカルボン酸4−アセチルアミノ−フェニルエステル、
15)4−ヘキシル−シクロヘキサンカルボン酸4−プロペニル−フェニルエステル、
16)4−(4−ヨード−フェニル)−シクロヘキサンカルボン酸、
17)4−ヘキシル−シクロヘキサンカルボン酸4−エトキシ−フェニルエステル、
18)4−ブチル−シクロヘキサンカルボン酸ビフェニル−4−イルエステル、
19)4−tert−ブチル−シクロヘキサンカルボン酸4−ブロモ−フェニルエステル、
20)4−ヘキシル−シクロヘキサンカルボン酸4−(2−シアノ−エチル)−フェニルエステル、
21)4−tert−ブチル−シクロヘキサンカルボン酸4’−メチル−ビフェニル−4−イルエステル、
22)4−(4−ヘキシル−シクロヘキサンカルボニルオキシ)−安息香酸エチルエステル、
23)4−ブチル−シクロヘキサンカルボン酸4’−シアノ−ビフェニル−4−イルエステル、
24)4−ペンチル−シクロヘキサンカルボン酸4’−シアノ−ビフェニル−4−イルエステル、
25)4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸3−クロロ−4−フルオロ−フェニルエステル、
26)4−ブチル−シクロヘキサンカルボン酸2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチルエステル、
27)4’−ペンチル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸3−クロロ−4−フルオロ−フェニルエステル、
28)4−ヘキシル−シクロヘキサンカルボン酸4−オクチルオキシ−フェニルエステル、
29)4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチルエステル、
30)4−ヘキシル−シクロヘキサンカルボン酸2,3−ジシアノ−4−ヘプチルオキシ−フェニルエステル、
31)4−ブチル−シクロヘキサンカルボン酸2−(4’−ブロモ−ビフェニル−4−イル)−2−オキソ−エチルエステル、
32)シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ビス−(4−ペンチル−フェニル)エステル、
33)4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸2,3−ジシアノ−4−ヘキシルオキシ−フェニルエステル、および
34)4’−ペンチル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸4−ブトキシ−2,3−ジクロロ−フェニルエステル
が含まれるが、それだけに限定されない。
【0052】
細胞移動阻害剤として同定した化学物質の他の実施形態は、一般式
【0053】
【化7】

を有する。
この化学物質はまた、分子量約700未満の有機分子である。R1は、水素、メチル、メトキシ、ブロモ、アミノ、2−ヒドロキシ−エチルアミノおよび3−ヒドロキシ−プロピルアミノから成る群から選択される。R2は、水素およびアセチルアミノから成る群から選択される。一実施形態では、R1またはR2は水素である。他の実施形態では、R1およびR2は非環式基である。他の実施形態では、R1およびR2はニトロ基ではない。細胞移動阻害を示した化学物質の一実施形態は、4−メチル−3−ニトロ−安息香酸である。前記一般式の化学物質は、乳癌細胞、メラノーマ癌細胞および肺癌細胞などの様々な種類の癌細胞の細胞移動を阻害することができる。
【0054】
細胞移動阻害を示すことができる前記一般式の化学物質の他の例は、
1)4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−3−ニトロ−安息香酸、
2)4−クロロ−3−ニトロ−安息香酸、
3)2−アセチルアミノ−5−ニトロ−安息香酸、
4)3−ニトロ−安息香酸、
5)4−(3−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−3ニトロ−安息香酸、
6)2−アミノ−5−ニトロ−安息香酸、
7)4−アミノ−3−ニトロ−安息香酸、
8)4−メトキシ−3−ニトロ−安息香酸、および
9)4−ブロモ−3−ニトロ−安息香酸
が含まれるがそれだけに限定はされない。
【0055】
細胞移動阻害剤として同定された科学物質の他の実施形態は、一般式
【0056】
【化8】

を有し、分子量が約700未満の有機分子である。R1は、フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、4−フルオロ−フェニルおよび4−メトキシ−フェニルから成る群から選択される。R2は、4−(2,2−ジシアノ−1−シクロプロピル−ビニル)およびジシアノから成る群から選択される。R3は、4−クロロフェニル、フェニルおよびシクロプロピルから成る群から選択される。細胞移動阻害を示した化学物質の一実施形態は、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである。細胞移動阻害を示した化学物質の他の実施形態は、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである。前記一般式を有する化学物質は、膵臓癌細胞などの様々な種類の癌細胞の細胞移動を阻害することができる。
【0057】
細胞移動阻害を示すことができる前記一般式を有する化学物質の他の実施形態には、
1)2−{[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−フェニル−1,2,3,3a−テトラヒドロ−ピロロ[1,2−a]キノリン−3−イル]−シクロプロピル−メチレン}−マロノニトリル、
2)1−ベンゾイル−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリル、
3)2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−1−シクロプロパンカルボニル−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリル、および
4)1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(4−フルオロ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリル
が含まれるが、これだけに限定されない。
【0058】
細胞移動阻害剤として同定された化学物質のさらに他の実施形態は、一般式
【0059】
【化9】

を有し、分子量約700未満の有機分子である。R1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert−ブチル、イソブチル、フェニル、ベンジル、ビフェニル−4−イル、2−メチル−フェニル、4メチル−フェニル、4−tert−ブチル−フェニル、2−ブロモ−フェニル、3−ブロモ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、2−クロロ−フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロ−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、3−ヨード−フェニル、4−アセチル−フェニル、−2−ホルミル−フェニル、2−カルボキシフェニル、3−カルボキシ−フェニル、2−メトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5ジメトキシ−フェニル、3,4,5−トリメトキシ−フェニル、4−エトキシ−フェニル、3,4,5−トリエトキシ−フェニル、4−ブトキシ−フェニル、4フェノキシメチル、4−フェノキシ−フェニル、4−クロロ−フェノキシメチル、2−ニトロ−フェニル、3−ニトロ−フェニル、4−ニトロ−フェニル、3,5ジニトロ−フェニル、2−メチル−3−ニトロ−フェニル、2−クロロ−4−ニトロ−フェニル、4−クロロ−3−ニトロ−フェニル、2−カルボキシ−5−ニトロ−フェニル、4−ベンゾイル−フェニル、4−シアノ−フェニル、ナフタレン−1−イル、3−メトキシ−ナフタレン−2−イル、テトラヒドロ−フラン−2−イル、5−ブロモフラン−2−イル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、3−カルボキシ−ピラジン−2−イル、2−フェニル−キノリン−4−イル、チオフェン−2−イル、フェニルフェニルスルファニル−メチル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、3−(2,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル、8−アリル−2−オキソ−2H−クロメン−3−イル、4メチル−ピペラジン−1−イルメチル、5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イルメチル、4−ブロモ−5−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−1−イルメチル、4−クロロ−5−メチル−3−トリフルオロメチル−4H−ピラゾール−1−イル−メチル、5−メチル−3−ニトロ−ピラゾール−1−イルメチル、3,5−ジメチル−4−ニトロ−ピラゾール−1−イルメチル、4−ブロモ−5−メチル−3−ニトロ−ピラゾール−1−イルメチル、3−ニトロ[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル、4−ニトロ−イミダゾール−1−イルメチル、5,7−ジフェニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル、6−ブロモ−1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、3,6−ジブロモ−1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−(4−エトキシ−フェニル)−7−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、3−ブロモ−5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−(4−ブロモ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラミジン−2−イル、5−(4−フルオロ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラミジン−2−イル、3−ブロモ−5−チオフェン−2−イル−7トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、3−クロロ−5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−フラン−2−イル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−チオフェン−2−イル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5a]ピリミジン−2−イル、3−クロロ−6−フルオロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル、4−メチル−3−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル、2−クロロ−5−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル、5−ジエチルスルファモイル−フェニル、4−ジプロピルスルファモイルフェニル、4−フェニル−1H−テトラゾール−5−イルスルファニルメチル、ベンゾ[4,5]チアゾロ[2,3−c][1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル、3−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、4−ブロモ−5−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、4クロロ−5−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、および2,4−ジクロロ−5−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニルから成る群から選択される。
【0060】
2は、水素、メチル、tert−ブチルおよび1,1−ジメチル−プロピルから成る群から選択される。R3は、水素およびメチルから成る群から選択される。細胞移動阻害を示した化学物質の一実施形態は、N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−ヨード−ベンズアミドである。
【0061】
細胞移動阻害を示すことができる前記一般式を有する化学物質の他の実施例には、
1)N−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−フタラミン酸、
2)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ブチルアミド、
3)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−ニトロ−ベンズアミド、
4)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3,5−ジニトロ−ベンズアミド、
5)3−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イルカルバモイル)−ピラジン−2−カルボン酸、
6)2,4−ジクロロ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
7)3−メトキシ−ナフタレン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)アミド、
8)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−フルオロ−ベンズアミド、
9)ビフェニル−4−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
10)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4−ピペリジン−1−スルホニル)−ベンズアミド、
11)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4−ジプロピルスルファモイル−ベンズアミド、
12)チオフェン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
13)4−ベンゾイル−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
14)4−クロロ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−ニトロ−ベンズアミド、
15)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−メチル−3−ニトロ−ベンズアミド、
16)4−アセチル−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
17)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4−メチル−3−(ピペリジン−1−スルホニル)ベンズアミド、
18)2,4−ジクロロ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−(モルホリン−4−スルホニル)ベンズアミド、
19)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンズアミド、
20)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド、
21)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−ジエチルスルホモイル−ベンズアミド、
22)5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
23)3−ブロモ−5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
24)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−(5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル)−アセトアミド、
25)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−(3−ニトロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−アセトアミド、
26)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−(4−ニトロ−イミダゾール−1−イル)−アセトアミド、
27)2−クロロ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4−ニトロ−ベンズアミド、
28)5−ブロモ−フラン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
29)2−クロロ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4−ニトロ−ベンズアミド、
30)2−クロロ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ニコチンアミド、
31)2,4−ジクロロ−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
32)N−(6−tert−ブチル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−フェニル−2−フェニルスルファニル−アセトアミド、
33)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−(1−フェニル−1H−テトラゾール−5−イルスルファニル)アセトアミド、
34)2−クロロ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−5−(ピペリジン−1−スルホニル)ベンズアミド、
35)6−ブロモ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
36)3,6−ジブロモ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
37)4−tert−ブチル−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
38)3−クロロ−6−フルオロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
39)ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
40)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4−(2,4−ジクロロ−フェノキシ)−ブチルアミド、
41)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−アセトアミド、
42)2−フェニル−キノリン−4−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
43)ペンタン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
44)3−クロロ−5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
45)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−フルオロ−ベンズアミド、
46)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3,4,5−トリエトキシ−ベンズアミド、
47)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アセトアミド、
48)2−ブロモ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
49)2−クロロ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
50)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4−ニトロ−ベンズアミド、
51)8−アリル−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
52)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド、
53)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4−メチル−ベンズアミド、
54)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−メトキシ−ベンズアミド、
55)3−ブロモ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
56)4−tert−ブチル−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
57)ナフタレン−1−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
58)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−フェノキシ−ベンズアミド、
59)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−フェニル−アセトアミド、
60)4−ブトキシ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
61)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4−モルホリン−4−スルホニル)−ベンズアミド、
62)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−メトキシ−ベンズアミド、
63)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−ニトロ−ベンズアミド、
64)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−メチル−ブチルアミド、
65)2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボニトリル、
66)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
67)4−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イルカルバモイル)−酪酸、
68)4−ブロモ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
69)4−クロロ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
70)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−(3,5−ジメチル−4−ニトロ−ピラゾール−1−イル)アセトアミド、
71)2−(4−ブロモ−5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル)−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アセトアミド、
72)5−(4−フルオロ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
73)5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(6−tert−ブチル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
74)5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
75)3−ブロモ−5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
76)5−フラン−2−イル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
77)5−フラン−2−イル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
78)3−ブロモ−5−チオフェン−2−イル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
79)5−チオフェン−2−イル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(6−tert−ブチル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
80)N−(6−tert−ブチル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−(5−メチル−3−ニトロ−ピラゾール−1−イル)−アセトアミド、
81)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−(5−メチル−3−ニトロ−ピラゾール−1−イル)アセトアミド、
82)2−(4−ブロモ−5−メチル−3−ニトロ−ピラゾール−1−イル)−N−(6−tert−ブチル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アセトアミド、
83)2−(4−ブロモ−5−メチル−3−ニトロ−ピラゾール−1−イル)−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アセトアミド、
84)N−(6−tert−ブチル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−(3,5−ジメチル−4−ニトロ−ピラゾール−1−イル)−アセトアミド、
85)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−(3,5−ジメチル−4−ニトロ−ピラゾール−1−イル)アセトアミド、
86)2−(4−ブロモ−5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル)−N−(6−tert−ブチル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アセトアミド、
87)2−(4−ブロモ−5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル)−N−(3−シアノ−6−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アセトアミド、
88)N−(6−tert−ブチル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−(5−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−1−イル)−アセトアミド、
89)5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(6−tert−ブチル−3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
90)5−(4−ブロモ−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
91)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−メチル−ベンズアミド、
92)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド、
93)4−クロロ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−(モルホリン−4−スルホニル)ベンズアミド、
94)4−ブロモ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−(モルホリン−4−スルホニルベンズアミド)、
95)4−シアノ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
96)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3,4−ジメトキシ−ベンズアミド、
97)2−(ベンゾ[4,5]チアゾロ[2,3−c][1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アセトアミド、
98)テトラヒドロ−フラン−2−カルボン酸[3−シアノ−6−(1,1−ジメチル−プロピル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−アミド、
99)2,5−ジクロロ−N−[3−シアノ−6−(1,1−ジメチル−プロピル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]ベンズアミド、
100)5−(4−エトキシ−フェニル)−7−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
101)N−(3−シアノ−6−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−(5−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−1−イル)−アセトアミド、
102)5,7−ジフェニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アミド、
103)2−(4−クロロ−5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル)−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アセトアミド、
104)3−クロロ−N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ベンズアミド、
105)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−ニトロ−フタラミン酸、
106)N−(3−シアノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−プロピオンアミド、
107)N−(3−シアノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド、
108)N−(3−シアノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−ニトロ−ベンズアミド、
109)N−(3−シアノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4−エトキシ−ベンズアミド、
110)N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3,5−ジメトキシ−ベンズアミド、
111)N−(3−シアノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド、
112)N−(3−シアノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−トリフルオロメチル−ベンズアミド、
113)2−(4−クロロ−フェノキシ)−N−(3−シアノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−アセトアミド、および
114)N−(3−シアノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−フェノキシ−アセトアミド
が含まれるが、それだけには限定されない。
【0062】
他の実施形態では、細胞移動阻害剤として同定された化学物質は、一般式
【0063】
【化10】

を有し、分子量約700未満の有機分子である。R1は、4−ブロモ−ベンゾイルアミノ、(アダマンタン−2−イル−ヒドロキシ−メチル)−アミノおよびフェニルアミノから成る群から選択される。R2は、ジヒドロキシ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、p−クロロ−フェニル、p−メチル−フェニル、フェニルおよびp−メトキシ−フェニルから成る群から選択される。R3は、水素、2−プロペニルおよびフェニルから成る群から選択される。R4は、水素およびメチルから成る群から選択される。一実施形態では、該化学物質は、[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル]−フェニル−アミンである。
【0064】
細胞移動阻害を示すことができる前記一般式を有する化学物質の他の例には、
1)N−[4−アリル−5−(4−クロロ−フェニル)−6−メチル−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル]−3−ブロモ−ベンズアミド、
2)アダマンタン−1−イル−(4−アリル−5−p−トリル−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イルアミノ)−メタノール、
3)N−(4−アリル−5−フェニル−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル)−4−ブロモ−ベンズアミド、
4)N−[4−アリル−5−(4−クロロ−フェニル)−6−メチル−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル]−4−ブロモ−ベンズアミド、
5)[5−(4−メトキシ−フェニル)−4−フェニル−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル]−フェニル−アミン、
6)N−[4−アリル−5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル]−3−ブロモ−ベンズアミド、および
7)N−(4−アリル−5−フェニル−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル)−3−ブロモ−ベンズアミド
が含まれるが、それだけに限定されない。
【0065】
本明細書で記載した化合物は、アリール化剤である。したがって、アリール化剤であるその他の比較的小さな有機分子もまた細胞移動を阻害することができる。細胞移動を阻害する方法の一実施形態には、アリール化剤である1種または複数の細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含めることができる。他の実施形態では、モノクローナル抗体などのその他の化合物もまた、細胞移動を阻害することができる。このような一実施形態では、細胞移動を阻害する方法には、モノクローナル抗体である1種または複数の細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含めることができる。
【0066】
前述の化学物質はすべて市販されている。たとえば、該化学物質はNanoscale Combinatorial Synthesis,Inc.、メンローパーク、カリフォルニアから市販されている。
【0067】
本明細書で説明した方法はまた、血管形成を阻害する化合物を同定するために使用することができる。血管形成阻害には、新血管の発達を抑えることが関係する。癌腫瘍は、新血管の形成を誘導して、腫瘍の栄養学的要求に応え、したがって腫瘍増殖を起こすことができる。このようにして、腫瘍は新血管を発達させることによって増殖し、拡大していく。血管形成はまた、転移に関係する。たとえば、血管密度の高い腫瘍は一般的により転移しやすく、好ましくない結果をもたらしやすい。さらに、血管形成および転移には、マトリックス分解酵素が必要で、これは血管および腫瘍浸潤中に周囲組織(細胞外マトリックス)を分解する酵素である。したがって、血管形成を阻害することによって、体のその他の部分への腫瘍の増殖および拡大を阻害することができる。
【0068】
血管形成阻害剤として同定された化学物質の一実施形態は、一般式
【0069】
【化11】

を有し、R1、R2およびR3にはこの一般式について本明細書で記載した基が含まれる。
【0070】
血管形成阻害剤として同定された化学物質の一実施形態は、一般式
【0071】
【化12】

を有し、R1、R2およびR3にはこの一般式について本明細書で記載した基が含まれる。
【0072】
血管形成阻害剤として同定された化学物質の一実施形態は、一般式
【0073】
【化13】

を有し、R1、R2、R3およびR4にはこの一般式について本明細書で記載した基が含まれる。
【0074】
一実施形態では、図4の段階42で示したように、前述の方法には、細胞移動阻害を示す化学物質と化学療法薬の組合せが相乗的に癌細胞を殺滅するかどうかを決定することを含めることができる。化学物質と化学療法薬の組合せの相乗性の測定は、以下の方法によって実施することができる。当業界で公知の任意の方法を使用して単層の癌細胞を収集することができる。前述のような96ウェルプレートを移動誘導基質でコーティングする。ウェル当たり約200μl量、またはウェル当たり約1000個の細胞を各ウェルに等分する。プレートの周囲のウェルは細胞用には使用しないが、プレートの湿度を調節するために滅菌水を満たす。該細胞は、数時間または一晩プレートを静置することによって沈殿させウェルに接着させることができる。該細胞に一定期間(すなわち、約3、4または5日間)化学療法薬と組み合わせて細胞移動阻害化学物質を投与して処理する。処理後、該細胞をアラマーブルー(約10%量/量、または200μl中20μl)でインキュベートする。細胞を約37℃で約4時間インキュベートする。細胞をインキュベートする時間の長さは、試験する細胞の種類に応じて変化させることができる。該プレートは、約530nmで励起して、約590nmで発光測定するマイクロプレートリーダー蛍光計で読み取ることができる。この結果は、薬剤処理の関数としての吸光度(細胞数)の変化に基づいている。図4aは、癌細胞を様々な化学物質で処理し、一定期間移動させる96ウェルプレートの1例の上面図である。図4aで示したように、各ウェルで測定した吸光度は、薬剤処理に応じて変化する。細胞希釈プレートを測定して標準曲線を作成すべきである。データは、吸光度測定値すべてからブランクを差し引くことによって分析する。平均値は対照ウェルに対する処理ウェルの平均それぞれの部分吸光度として報告する。繰り返し測定を行って、統計学的試験を実施することができる。
【0075】
化学物質と化学療法薬の組合せの相乗性の測定はまた、重度免疫複合不全(scid)マウスヒト腫瘍モデルにおいて、化学療法薬および細胞移動阻害剤の増殖阻害効果を評価することによって実施することができる。このような測定には、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)による免疫グロブリン(Ig)産生についてのマウスのスクリーニングが含まれる。数匹のマウスに、生理食塩水に溶かした癌細胞を皮下(SC)注射によって注射する。確立された腫瘍を有するマウスを選択し、対照群、化学療法薬単独で処理した群、細胞移動阻害剤単独で処理した群および化学療法薬と細胞移動阻害剤の様々な組合せで処理した1個または複数の群を含む群によって分類する。少なくとも化学療法薬で処理したことを示す群には、化学療法薬または化学療法薬希釈物を処理1日目に腹腔内(IP、腹腔内部)注射する。いくつかの癌モデルにおいて、これらの群にはまた、化学療法薬または化学療法薬希釈物を隔日(1日おき)約5回(1日おきに5回)注射することができる。少なくとも該細胞移動阻害剤で処理することを示した群には、細胞移動阻害剤または細胞移動阻害剤希釈液をIP注射によって1日おきに5回注射する。腫瘍増殖は、実験中週約2回測定し、腫瘍の量を以下の式を使用して概算することができる。[(幅)2×奥行き]/2。実験開始前、その後は毒性の徴候を調べるために週1回マウスの体重を測定する。
【0076】
前述の方法を使用して、浸潤抑制剤および転移抑制剤を同定することができる。言い換えると、該方法を使用して、体内の1個の元の部位から他の1個または複数の部位へ疾患が移行するのを抑える化学物質を同定することができる。さらに、化学療法薬は転移癌治療の標準的治療方法であるが、近年入手可能な化学療法薬にはいくつかの制限がある。たとえば、癌細胞が移動するとき、細胞は細胞プロセスをほとんど受けず、著しく細胞分裂を減少させる。このような細胞分裂の減少によって、癌細胞は分割細胞を攻撃して殺滅する化学療法薬に対して比較的に非感受性になる。したがって、細胞移動の阻害は、細胞死および化学療法薬に対する感受性の増大を誘導することができる。
【0077】
したがって、細胞移動阻害は、最初に細胞移動を阻害し、次に化学療法薬で治療し、場合によっては照射することに基づく癌治療の一部として使用することができる。このようにして、癌を有する個人を治療する方法の一実施形態には、細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与して癌細胞の移動を阻害することが含まれる。該細胞移動阻害剤には、本明細書で記載した細胞移動阻害剤のいずれかを含めることができる。たとえば、該細胞移動阻害剤には、分子量約700未満の有機分子、モノクローナル抗体または天然産物を含めることができる。細胞移動を阻害すると、ほとんどの化学療法薬の標的である細胞分裂を増大させることを含む多くの細胞プロセスが開始する。したがって、該細胞移動阻害剤と該化学療法薬を組み合わせると、細胞分裂が増大するため、該化学療法薬単独と比較して効果が増大する。
【0078】
さらに、癌治療のために細胞移動阻害剤と組み合わせて使用する化学療法薬の量および、場合によって照射量は、癌を治療するために単独で使用する化学療法薬の量または照射量よりも少なくてよい。さらに、癌治療のために使用する化学療法薬の量または照射量を減少させると、癌用の化学療法薬または照射で施療された個人が経験し得る副作用は減少するだろう。化学療法薬の副作用の例には、好中球減少、血小板減少、貧血、感染症、発熱性好中球減少、敗血症による死、敗血症以外による死、急性過敏症、体液貯留、神経感覚、筋痛、皮膚病、無力症、下痢、口内炎が含まれるが、これだけに限定されない。細胞移動阻害剤と化学療法薬の組合せの適切な用量は、当業界で公知の任意の方法によって決定することができる。たとえば、細胞移動阻害剤と化学療法薬を使用した動物実験の結果を使用して、ヒトの臨床試験、最終的には治療に適切な用量を決定することができる。
【0079】
医薬組成物の一実施形態には、本明細書で記載した細胞移動阻害剤のいずれかおよび化学療法薬が含まれる。該医薬組成物にはまた、複数の本明細書で記載した細胞移動阻害剤および/または複数の化学療法薬を含めることができる。該医薬組成物にはまた、薬剤として許容される担体が含まれる。該担体には、該細胞移動阻害剤、該化学療法薬および該組成物のその他の任意成分に適合する任意の公知の薬剤として許容される担体を含めることができる。該担体はまた、受容者に害を及ぼしてはならない。該医薬組成物が当業界で公知の任意の方法(すなわち、経口的、静脈内など)で個人に投与できるように、該医薬組成物を形成することができる。
【0080】
他の実施形態は、少なくとも1つはアリール化剤である1種または複数の細胞移動阻害剤および1種または複数の化学療法薬を含む医薬組成物に関する。該化学療法薬には、当業界で公知の任意の化学療法薬を含めることができる。該医薬組成物にはまた、前述のような薬剤として許容される担体を含めることができる。
【0081】
本明細書で記載した細胞移動阻害剤のいずれかと組み合わせることができる適切な化学療法薬の例には、アルキル化剤、抗腫瘍剤、代謝拮抗薬、抗新生物薬、微小管阻害剤、紡錘細管阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ホルモン剤、生物剤および顆粒球コロニー刺激因子が含まれるが、それだけに限定されない。適切な化学療法薬にはまた、当業界で公知のその他任意の化学療法薬または最近承認された化学療法薬および場合によっては照射を含めることができる。一実施形態では、医薬組成物には、細胞移動阻害剤4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸および化学療法薬1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレア(BCNU)が含まれる。一実施形態では、医薬組成物には、細胞移動阻害剤4−メチル−3−ニトロ−安息香酸およびBCNUまたはパクリタキセルが含まれる。医薬組成物の他の実施形態には、細胞移動阻害剤1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルおよびゲムシタビンが含まれる。医薬組成物の他の実施形態には、細胞移動阻害剤1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルおよびゲムシタビンが含まれる。
【0082】
本明細書では、化学療法薬とは一般的に細胞毒性剤のことである。細胞毒性剤は一般的に、正常細胞から悪性細胞を区別する特性に基づいて選択的に毒性を示す。細胞毒性剤は一般的にまた、細胞死、細胞増殖阻害および細胞分化などの抗新生物効果を示す。Haskell CM.Cancer Treatment.4版、1995;32。細胞周期における細胞毒性の機会は一般的に、G2期後または細胞分裂期、G1期または(染色体を複製する)s期に生じる。それぞれの種類の化学療法薬には、数種の細胞毒性剤が含まれ、細胞を殺滅するために異なる機構を有する。
【0083】
アルキル化剤にはいくつかの種類がある。たとえば、アルキル化剤には、ナイトロジェンマスタード(すなわち、シクロホスファミド、メルファラン)、アリジジン(たとえば、チオテパ)、アルキルアルコンスルホネート(すなわち、ブスルファン)、ニトロソウレア(すなわち、カルマスティン)、普通型アルキル化剤(すなわち、プロカルバジン)および白金化合物(すなわち、カルボプラチン、シスプラチン)が含まれる。市販のアルキル化剤の例には、たとえば、パラプラチン(登録商標)注射薬(カルボプラチン)およびプラチノール(登録商標)−AQ注射薬(シスプラチン)が含まれ、いずれもBristol Myers Squibb Oncology/Immunology Division/A Bristol Myers Squibb Company、プリンストン、ニュージャージーから市販されている。アルキル化剤は一般的に、グアニンのアルキル化およびDNA複製/RNAへの転写の妨害によって細胞毒性を引き起こす多機能性化合物である。アルキル化剤は、細胞周期に非特異的である。Gerson SL.Current Cancer Therapeutics.3版、1998;1。
【0084】
抗腫瘍抗生物質には、アントラサイクリン(すなわち、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン)、アントラセンジオン(すなわち、ミトキサントロン)、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダクチノマイシンおよびプリカマイシンが含まれる。Blum RH.Current Cancer Therapeutics.3版、1998;37〜40。市販の抗腫瘍抗生物質の例には、Sequus Pharmaceuticals、メンローパーク、カリフォルニアから市販されているドキシル(登録商標)が含まれる。抗腫瘍抗生物質は一般的に、DNAに直接結合し、それによってらせんをほどくか切断し、DNAおよびRNA合成を損なわせる多機能剤である。抗腫瘍抗生物質はまた、遊離基形成、重要な金属のキレート化およびトポイソメラーゼIIの阻害などのその他の細胞毒性機構を備えることができる。Blum RH.Current Cancer Therapeutics.3版、1998;35、37。
【0085】
代謝拮抗薬の種類には、アンチホール(すなわち、メソトレキセート)、プリン類縁体(すなわち、チオグアニン、ペントスタチンおよびクラドリビン)およびピリミジン類縁体(すなわち、フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン)が含まれる。Chiao J、et al.Current Cancer Therapeutics.3版、1998;50〜66。代謝拮抗薬は一般的に重要なDNA/RNA複製分子において代謝物を置換し、それによって機能を弱め、重要な酵素の触媒部位において代謝物と拮抗し、かつ/または重要な酵素の調節部位において代謝物と拮抗することによって細胞毒性を引き起こす。Haskell CM.Current Cancer Therapeutics.3版、1998;36。市販の代謝拮抗薬の例には、Eli Lilly and Company、インディアナポリス、インディアナから市販されているGemzar(登録商標)が含まれる。
【0086】
紡錘細管阻害剤には、ビンカアルカロイド(すなわち、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン)およびタキサンが含まれる。Agarwala SS.Current Cancer Therapeutics.3版、1998、105〜122。トポイソメラーゼ阻害剤には、ポドフィロトキシン誘導体(すなわち、エトポシド、テニポシド)およびカンプトテシン誘導体(すなわち、トポテカン、イリノテカン)が含まれる。Agarwala SS.Current Cancer Therapeutics.3版、1998、105。
【0087】
ホルモン剤の部類には、付加型(すなわち、エストロゲン、プロゲスティン、アンドロゲン)、切除型(すなわち、卵巣切除、睾丸切除)、競合型(すなわち抗エストロゲン、抗プロゲスティン、抗アンドロゲン)および阻害型(すなわち、アロマターゼ阻害剤、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH)類縁体)が含まれる。Kiang DT.Current Cancer Therapeutics.3版、1998;88〜90。ホルモン剤は一般的に、核または細胞質受容体に対するホルモンの活性を変更し、その後細胞機能におけるmRNA合成および/または蛋白質合成の変化を誘導することによって細胞毒性を引き起こす。Haskell CM.Cancer Treatment.3版、1995;31〜51。ホルモン剤の例には、進行した乳癌および子宮内膜癌用のメゲストロール酢酸塩、乳癌用のタモキシフェンおよびメラノーマなどのその他の癌用の組合せ、前立腺癌においてアンドロゲンを遮断するためのフルタミドと組み合わせたLH−RH作用薬、およびホジキン病、非ホジキンリンパ腫、骨髄腫および急性リンパ芽球性白血病用の併用療法の一部としてのプレドニゾンが含まれる。プレドニゾンはまた、乳癌および前立腺癌の対症療法として使用することができる。Kian DT.Current Cancer Therapeutics.3版、1998;88〜104およびHaskell CM.Cancer Treatment.4版、1995;85〜165。市販のホルモン剤の例には、AstraZeneca Pharmaceuticals、L.P.、ウィルミントン、デェラウェアから市販されているNolvadex(登録商標)(タモキシフェン)が含まれる。ホルモン治療は乳癌、前立腺癌および子宮内膜癌などのホルモン依存性癌の対症療法のために使用されることが多い。ホルモン治療は、より毒性のある化学療法および放射線療法よりも好ましいことが多い。
【0088】
その他の細胞毒性剤には、サイトカイン(すなわち、インターロイキン−2、インターフェロンアルファ、コロニー形成刺激因子)、免疫調節試薬(すなわち、カルメット−ゲラン桿菌、レバミソール)およびオクタペプチド(すなわち、オクトレオチド)などの生物剤が含まれる。Baar J、et al.Curret Cancer Therapeutics.3版、1998;67〜76。さらに、細胞毒性剤には、顆粒球コロニー刺激因子(G−SCF)が含まれる。G−SCFは、通常単核食作用、内皮細胞、繊維芽細胞および好中球によって産生される。G−SCFは、循環する血液好中球の数を調節するように作用し、好中球減少を改善し、骨髄抑制治療を受けている充実性腫瘍患者の感染症を減少させる。Baar J、et al.Curret Cancer Therapeutics.3版、1998;71〜72。
【0089】
微小管阻害剤は一般的に、微小管の集合を促進することよって細胞毒性を引き起こし、脱重合を阻害することによって微小管を安定化させる。微小管阻害剤の例には、Bristol Myers SquibbからTaxol(登録商標)として市販されているパクリタキセルおよびAventis Pharmaceuticals Products Inc.、ブリッジウォーター、ニュージャージーからタキソテール(登録商標)として市販されているドセタキセルが含まれる。
【0090】
癌を有する個人を治療する方法もまた提供する。一実施形態では、癌を有する個人の治療には、細胞移動阻害剤および化学療法薬を該個人に投与することが含まれる。該細胞移動阻害剤には、本明細書で記載した細胞移動阻害剤のいずれかが含まれ、該化学療法薬には、本明細書で記載した、または当業界で公知の任意の化学療法薬が含まれてよい。さらに、該細胞移動阻害剤および化学療法薬を前述のように設計することができる医薬組成物に入れて投与することができる。他の実施形態は、アリール化剤である細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含む癌を有する個人の治療方法に関する。該方法は、本明細書で説明したように実施することができる。
【0091】
本明細書で説明した方法を使用して治療できる癌の種類には、神経膠腫(脳腫瘍)、乳癌、脳に転移のある乳癌、肺/気管支癌、脳に転移のある肺癌、メラノーマ(皮膚癌)、脳に転移のあるメラノーマ、その他の中枢神経系癌、膵臓癌、胃癌、肝癌、結腸/直腸癌、子宮頚癌、子宮体癌、卵巣癌、前立腺癌、膀胱癌、口腔/咽頭癌、食道癌、白血病および非ホジキンリンパ腫が含まれるが、それだけに限定されない。
【0092】
少なくとも部分的に細胞移動異常に関与する疾患の治療方法もまた提供する。該疾患には、自己免疫疾患および心臓血管疾患が含まれるが、それだけに限定されない。該方法には、該疾患を有する個人に細胞移動阻害剤を投与することによって疾患の異常な細胞移動を改変することが含まれる。該細胞移動阻害剤には、本明細書で記載した細胞移動阻害剤のいずれかを含めることができる。該方法にはまた、薬剤を個人に投与することによって該疾患を治療することが含まれる。該薬剤には、該疾患の治療に適した任意の薬剤を含めることができる。
【0093】
図5は、癌を有する個人の治療の同定方法を示した流れ図である。図44に示したように、該方法には、該個人の癌の組織培養を確立することが含まれる。該組織培養は、当業界で公知の方法を使用して確立することができる。該方法にはまた、段階46に示したように、組織培養に基づいた癌用の細胞移動阻害剤の同定が含まれる。前述の方法を使用して、比較的短時間で潜在的細胞移動阻害剤を大量にスクリーニングすることができる。したがって、組織培養から得られた細胞の細胞移動速度は、いくつかの潜在的細胞移動阻害剤で測定することができる。個人の治療に適した細胞移動阻害剤は、スクリーニングした化学物質から選択することができ、場合によっては用量応答曲線を作成することができる。さらに、該方法には、段階48に示したように、細胞移動阻害剤と組み合わせて効果を発揮する化学療法薬の同定を含めることができる。このような同定は、同定した細胞移動阻害剤および本明細書で記載したいくつかの化学療法薬で処理した組織培養から得られた細胞のハイスループットスクリーニングを使用して実施することができる。該化学療法薬には、本明細書で記載した化学療法薬のいずれかを含めることができる。段階50で示したように、該方法には、前述のように該細胞移動阻害剤および該化学療法薬を該個人に投与することを含めることができる。
【実施例1】
【0094】
細胞移動阻害のための化学物質ライブラリーのスクリーニング
図6は、ライブラリーから選択した化学物質および癌細胞を使用したスクリーニング実験の結果を示した図である。該スクリーニング実験は、前述のように実施した。この実験で使用した癌細胞は、神経膠腫癌細胞である。癌細胞の細胞移動は、該ライブラリーから選択した化学物質の存在下で測定した。該細胞移動は、前述のように測定し、y軸にμm/日の単位で示した。該試料はx軸状に示し、該化学物質または未処理対照試料はウェル番号によって示した。図6に示したように、ライブラリーの複数の化学物質をスクリーニングしたところ、いくつかの化学物質が癌細胞の未処理対照試料および処理ウェルのほとんどと比較して移動の著しい減少を示した。たとえば、1、8、58および66で標識したウェルの化学物質は、未処理およびその他の処理試料と比較して著しい移動の減少を示した。
【実施例2】
【0095】
細胞移動阻害剤に対する神経膠腫細胞の用量応答曲線
図7は、単位μMで表した4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸の関数として細胞移動速度を単位μm/日で示したグラフである。該化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度は未処理癌細胞よりも遅かったので、該化学物質をライブラリーの複数の化学物質から選択した。したがって、神経膠腫癌細胞のいくつかの試料を様々な濃度の化学物質で処理した。該神経膠腫癌細胞株はSF767である。4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸の濃度は、0.000μMから2.00μMまで変化させた。該癌細胞の各試料の細胞移動速度は、前述のように測定した。図7に示した用量応答曲線は測定結果を示す。図7で示したように、細胞移動速度は0.000μMの濃度でのほぼ450μm/日から、2.00μMの濃度での約50μm/日まで減少した。したがって、4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸を神経膠腫癌細胞移動阻害化学物質として同定した。
【実施例3】
【0096】
細胞移動阻害剤と化学療法薬の相乗性
図8は、単位μg/mlで表した化学療法薬および細胞移動阻害剤と組み合わせた化学療法薬の濃度の関数として癌細胞の殺滅%を死細胞%の単位で示した棒グラフである。該神経膠腫細胞株は、前述したSF767である。化学療法薬は、Bristol Myers Squibbから市販されている最近承認された化学療法薬1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレア(BCNU)である。該細胞移動阻害剤は、4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸である。BCNUおよびBCNUと4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸の組合せを使用した神経膠腫癌細胞の殺滅は、最初の処理から5日目に測定した。図8で示したように、BCNUと4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸の組合せは、BCNU単独よりも高い殺滅割合を示す。したがって、BCNUと4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸の組合せは、相乗的な神経膠腫癌細胞の殺滅を示す。さらに、BCNUと4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸の組合せを使用した神経膠腫癌細胞の殺滅は、低濃度のBCNUで、BCNU単独よりも著しく高い。BCNUと4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸を組み合わせた医薬組成物自体は、BCNUは含むが4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸は含まない医薬組成物よりもBCNUの濃度は低くてよい。
【実施例4】
【0097】
細胞移動阻害剤に対する乳癌細胞の用量応答曲線
図9は、単位μMで表した4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の関数として細胞移動速度を単位μm/日で示した図である。該化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度は未処理癌細胞よりも遅かったので、該化学物質をライブラリーの複数の化学物質から選択した。したがって、乳癌細胞のいくつかの試料を様々な濃度の化学物質で処理した。乳癌細胞株はMDA−MB−231で、ヒト、白人系、乳房腺癌が特徴の細胞株である。このような細胞株は、いくつかの細胞株一覧および研究室、たとえばCAMR Centre for Applied Microbiology and Research、Salisbury、Wiltshire、Instituto Nazionale per la Ricerca Sul Cancro、GenovaおよびDip.Scienze Biomediche ed Oncologia Umana、Torioから入手可能である。4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の濃度は、0.000μMから2.00μMまで変化させた。該癌細胞の各試料の細胞移動速度は、前述のように測定した。図9に示した用量応答曲線は測定結果を示す。図9で示したように、細胞移動速度は0.000μMの濃度でのほぼ350μm/日から、2.00μMの濃度での約75μm/日まで減少した。したがって、4−メチル−3−ニトロ−安息香酸を乳癌細胞移動阻害化学物質として同定した。
【実施例5】
【0098】
細胞移動阻害剤と化学療法薬の相乗性
図10は、単位μg/mlで表した化学療法薬および細胞移動阻害剤と組み合わせた化学療法薬の濃度の関数として癌細胞の殺滅%を死細胞%の単位で示した棒グラフである。乳癌細胞株は、前述したMDA−MB−231である。該化学療法薬は、BCNUである。該細胞移動阻害剤は、4−メチル−3−ニトロ−安息香酸で、図ではIATIとして標識した。BCNUおよびBCNUと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の組合せを使用した乳癌細胞の殺滅は、最初の処理から4日目に測定した。図10で示したように、BCNUと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の組合せは、BCNU単独よりも高い殺滅割合を示す。したがって、BCNUと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の組合せは、相乗的な乳癌細胞の殺滅を示す。さらに、BCNUと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の組合せを使用した乳癌細胞の殺滅は、低濃度のBCNUでBCNU単独よりも著しく高い。BCNUと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸を組み合わせた医薬組成物自体は、BCNUは含むが4−メチル−3−ニトロ−安息香酸は含まない医薬組成物よりもBCNUの濃度は低くてよい。
【実施例6】
【0099】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を含む医薬組成物を使用した腫瘍増殖阻害
図11は、日の単位で表した様々な医薬組成物注射後の時間の関数として平均腫瘍体積をmm3の単位で示した図である。scidマウスヒト乳癌腫瘍モデルを使用して様々な組成物で処理した細胞株MDA−MB−231の癌細胞を評価した。該様々な医薬組成物には、細胞移動阻害剤単独、化学療法薬単独、および細胞移動阻害剤と化学療法薬の様々な組合せが含まれる。該細胞移動阻害剤は、4−メチル−3−ニトロ−安息香酸で、図ではIATIとして標識した。化学療法薬は、Bristol Myers Squibb Oncology/Immunology Division/A Bristol Myers Squibb Company、プリンストン、ニュージャージーから市販されている最近承認された化学療法薬、タキソールである。
【0100】
実験は前述のように実施した。40匹のメスのscidマウスの免疫グロブリン産生をELISAによってスクリーニングした。40匹のscidマウスにSC注射によってマトリゲルに溶かした10×106MDA−MB−231乳癌細胞を注射した。腫瘍(約60mm3から約100mm3)が確立した40匹のマウスを選択して、6日目に分類した。処理群の動物それぞれに、医薬組成物の1つを6日目から1日おきに5回IP注射した。対照動物、または未処理動物には、DMSO溶液および生理食塩水を注射した。処理動物には、生理食塩水および4−メチル−3−ニトロ−安息香酸30mg/kg、DMSOおよびタキソール10mg/kg、タキソール15mg/kgおよび4−メチル−3−ニトロ−安息香酸30mg/kgの組合せ、またはタキソール10mg/kgおよび4−メチル−3−ニトロ−安息香酸50mg/kgの組合せを注射した。
【0101】
図11に示したように、100日後、対照動物の平均腫瘍体積は約2500mm3であった。タキソール単独または4−メチル−3−ニトロ−安息香酸単独で処理した動物の平均腫瘍体積は1000mm3をわずかに下回った。対照的に、タキソール10mg/kgおよび4−メチル−3−ニトロ−安息香酸50mg/kgの組合せを注射した動物の平均腫瘍体積は約600mm3未満で、一方タキソール15mg/kgおよび4−メチル−3−ニトロ−安息香酸30mg/kgの組合せを注射した動物の平均腫瘍体積は約300mm3未満であった。したがって、タキソールと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の組合せは、乳癌腫瘍増殖に有意な相乗阻害作用を示す。さらに、医薬組成物中のタキソールおよび4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の濃度を変更して、平均腫瘍増殖を変化させることができる。
【0102】
図12は、%の単位で表した前記の実験で使用したマウスの生存割合を細胞注射後の日数の関数として示した図である。図12に示したように、タキソール15mg/kgおよび4−メチル−3−ニトロ−安息香酸30mg/kgの組合せで処理したマウスは、実験期間を通して最高の生存割合を示した。さらに、注射後100日経っても、これらのマウスの60%以上がまだ生きていた。さらに、タキソール10mg/kgおよび4−メチル−3−ニトロ−安息香酸50mg/kgの組合せまたはタキソール単独で処理したマウスは、4−メチル−3−ニトロ−安息香酸単独で処理したマウスおよび対照マウスよりも良い生存割合を示した。表1は、前記研究で使用したマウスの処理100日後の生存率をまとめた表である。
【0103】
【表1】

【実施例7】
【0104】
細胞移動阻害剤に対するメラノーマ癌細胞の用量応答曲線
図13は、単位μMで表した4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の関数として細胞移動速度を単位μm/日で示した図である。該化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度は未処理癌細胞よりも遅かったので、この化学物質をライブラリーの複数の化学物質から選択した。したがって、メラノーマ細胞のいくつかの試料を様々な濃度の該化学物質で処理した。該メラノーマ癌細胞は、WM1791Cである。4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の濃度は、0.000μMから0.025μMまで変化させた。該癌細胞の各試料の細胞移動速度を測定した。図13に示した用量応答曲線は、測定結果を示す。図13で示したように、細胞移動速度は0.000μMの濃度での300μm/日を上回る速度から、0.025μMの濃度での約50μm/日未満まで減少した。したがって、4−メチル−3−ニトロ−安息香酸をメラノーマ細胞移動阻害化学物質として同定した。
【実施例8】
【0105】
細胞移動阻害剤と化学療法薬の相乗性
図14は、単位μg/mlで表した化学療法薬および細胞移動阻害剤と組み合わせた化学療法薬の濃度の関数として癌細胞の殺滅%を死細胞%の単位で示した棒グラフである。メラノーマ癌細胞は、WM1791Cである。該化学療法薬は、BCNUである。該細胞移動阻害剤は、4−メチル−3−ニトロ−安息香酸である。BCNUおよびBCNUと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の組合せを使用したメラノーマ細胞の殺滅は、最初の処理から4日目に測定した。図14で示したように、BCNUと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の組合せは、BCNU単独よりも高い殺滅割合を示す。したがって、BCNUと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の組合せは、相乗的なメラノーマ癌細胞の殺滅を示す。さらに、BCNUと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の組合せを使用したメラノーマ細胞の殺滅は、BCNUの濃度が減少するにつれて増加する。BCNUと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸を組み合わせた医薬組成物自体は、BCNUは含むが4−メチル−3−ニトロ−安息香酸は含まない医薬組成物よりもBCNUの濃度は低くてよい。
【実施例9】
【0106】
細胞移動阻害剤および化学療法剤を含む医薬組成物を使用した腫瘍増殖阻害
図15は、日の単位で表した様々な医薬組成物注射後の時間の関数として平均腫瘍体積をmm3の単位で示した図である。このメラノーマ癌のin vitro動物モデルには、様々な医薬組成物ならびにDMSOおよび生理食塩水の対照組成物で細胞株WMI1791−C(UACC1791Cとも称する)の癌細胞を処理することが含まれる。様々な該医薬組成物には、細胞移動阻害剤単独、化学療法薬単独、および細胞移動阻害剤と化学療法薬の様々な組合せが含まれる。該細胞移動阻害剤は、4−メチル−3−ニトロ−安息香酸で、図ではIATIとして標識する。化学療法薬は、BCNUである。
【0107】
該研究で使用した動物はscidマウスで、該実験は前述のように実施した。40匹のscidマウスの免疫グロブリン(Ig)産生をELISAによってスクリーニングした。40匹のマウスにSC注射によって生理食塩水に溶かした10×106WMI1791Cメラノーマ癌細胞を接種した。腫瘍の確立した動物を55日目に分類した。別の群の動物を4−メチル−3−ニトロ−安息香酸50mg/kgおよび生理食塩水、BCNU20mg/kgおよびDMSO、BCNU15mg/kgおよび4−メチル−3−ニトロ−安息香酸50mg/kgの組合せ、またはBCUN20mg/kgおよび4−メチル−3−ニトロ−安息香酸30mg/kgの組合せで処理した。少なくともBCNUによる処理を指定した動物それぞれにはBCNUまたはBCNU希釈物を55日目にIP注射した。少なくとも4−メチル−3−ニトロ−安息香酸による処理を指定した動物には該細胞移動阻害剤または該細胞移動阻害剤希釈物を1日おきに5回IP注射した。腫瘍増殖を測定し、前述のように腫瘍体積を概算した。実験開始前および週に1回、毒性の徴候を調査するためにマウスの体重もまた測定した。
【0108】
図15で示したように、80日経っても、BCUNと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の組合せのいずれか1つを注射した動物の腫瘍は約250mm3未満であったが、その他の動物の腫瘍は400mm3を上回っていた。したがって、BCUNと4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の組合せはメラノーマ癌腫瘍増殖の相乗的阻害を示す。
【実施例10】
【0109】
肺癌細胞の細胞移動阻害
図16は、肺癌細胞の未処理試料および肺癌細胞の処理試料の細胞移動速度をμm/日の単位で示した棒グラフである。該肺癌細胞株は、MV522である。対照試料は未処理癌細胞である。該処理試料は、化学物質のライブラリーから選択した式4−メチル−3−ニトロ−安息香酸を有する化学物質で処理した。図16で示したように、4−メチル−3−ニトロ−安息香酸で処理した肺癌細胞は、未処理対照試料と比較して著しい移動の抑制を示した。したがって、4−メチル−3−ニトロ−安息香酸を細胞移動阻害化学物質として同定した。
【実施例11】
【0110】
膵臓癌細胞の細胞移動阻害
図17は、膵臓癌細胞の未処理試料および膵臓癌細胞の処理試料の細胞移動速度をμm/日の単位で示した棒グラフである。該膵臓癌細胞株は、MiaPaCa−2である。対照試料は未処理癌細胞である。該処理試料は、ライブラリーから選択した式1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルを有する化学物質で処理した。図17で示したように、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルで処理した膵臓癌細胞は、未処理対照試料と比較して著しい移動の抑制を示した。したがって、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルは細胞移動阻害化学物質として同定した。
【実施例12】
【0111】
膵臓癌細胞の細胞移動阻害
図18は、膵臓癌細胞の未処理試料および膵臓癌細胞の様々な処理試料の細胞移動速度をμm/日の単位で示した棒グラフである。該膵臓癌細胞株は、MiaPaCa−2である。対照試料は未処理癌細胞である。試料300は、式1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルを有する化学物質で処理した。試料A、B、CおよびDは試料300を処理するために使用した化学物質とは実質的に異なる式を有する化学物質で処理した。図18で示したように、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルで処理した膵臓癌細胞は、未処理対照試料およびその他の処理試料と比較して著しい移動の抑制を示した。したがって、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルを細胞移動阻害化学物質として同定した。
【実施例13】
【0112】
細胞移動阻害剤に対する膵臓癌細胞の用量応答曲線
図19は、μMの単位で表したいくつかの異なる化学物質の濃度の関数として、細胞移動速度をμm/日の単位で表した示した図である。NS20494は、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルで処理した膵臓細胞の細胞移動速度を示す。該化学物質で処理した膵臓癌細胞の細胞移動速度は未処理細胞および前述のその他の化学物質で処理した癌細胞のその他数種の試料よりも遅いので、この化学物質をライブラリーの複数の化学物質から選択した。
【0113】
さらに、この化学物質に類似した式を有する化学物質は、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルの細胞移動阻害に基づいて選択した。NS20493は、2−{[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−フェニル−1,2,3,3a−テトラヒドロ−ピロロ[1,2−a]キノリン−3−イル]−シクロプロピル−メチレン}−マロノニトリルで処理した膵臓細胞の細胞移動速度を示す。NS20495は、1−ベンゾイル−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルで処理した膵臓細胞の細胞移動速度を示す。NS30437は、2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−1−シクロプロパンカルボニル−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルで処理した膵臓細胞の細胞移動速度を示す。NS30715は、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(4−フルオロ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルで処理した膵臓細胞の細胞移動速度を示す。NS30716は、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルで処理した膵臓細胞の細胞移動速度を示す。
【0114】
膵臓癌細胞のいくつかの試料を様々な濃度の各化学物質で処理した。該膵臓癌細胞株は、MiaPaCa−2である。該化学物質の濃度は、0μMから5μMまで変化させた。該癌細胞の各試料の細胞移動速度を測定した。図19で示したように、該細胞移動速度は、各化学物質の濃度0.000μMでの約500μm/日から、各化学物質の濃度5.00μMでの約400μM/日未満、およびいくつかの化学物質では濃度5.00μMでの約200μM/日まで減少した。したがって、これらの化学物質は、膵臓癌細胞移動阻害化学物質として同定した。
【実施例14】
【0115】
血管形成阻害0
図20は、HUVEC細胞の未処理試料およびHUVEC細胞の処理試料の細胞移動速度をμm/日で示した棒グラフである。対照試料は未処理癌細胞である。処理試料は、化学物質のライブラリーから選択した3種類の異なる化学物質で処理した。処理試料は、300、301および302と標識する。300で標識した試料は、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルで処理した。301で標識した試料は、N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−ヨード−ベンズアミドで処理した。302で標識した試料は、[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ−[1,4]ジオキシン−6−イル)−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル]−フェニル−アミンで処理した。図20で示したように、前記化学物質のそれぞれで処理したHUVEC細胞が示した移動は、未処理対照試料と比較して著しく減少した。したがって、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリル、N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−ヨード−ベンズアミドおよび[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ−[1,4]ジオキシン−6−イル)−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル]−フェニル−アミンを血管形成阻害化学物質として同定した。
【実施例15】
【0116】
正常な繊維芽細胞への細胞移動阻害剤の効果
図21は、正常な繊維芽細胞について様々な細胞移動阻害剤で処理した細胞および未処理細胞の対照試料の細胞移動速度をmM/日の単位で示した棒グラフである。100で識別した化学物質は、4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸である。200で識別した化学物質は、4−メチル−3−ニトロ−安息香酸である。300で識別した化学物質は、1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである。301で識別した化学物質は、N−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−ヨード−ベンズアミドである。302で識別した化学物質は、[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ−[1,4]ジオキシン−6−イル)−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル]−フェニル−アミンである。図21で示したように、細胞移動阻害剤それぞれは、正常な繊維芽細胞の細胞移動に本質的に影響を及ぼさない。
【実施例16】
【0117】
細胞移動阻害剤および化学療法薬の相乗性
図22は、化学療法薬単独または様々な細胞移動阻害剤と組み合わせた化学療法薬の関数として様々な癌細胞の殺滅%を死細胞%の単位で示した棒グラフである。膵臓癌細胞株は、MutJおよびBxpc.3である。このような癌細胞株は、米国菌培養収集所、マナッサス、バージニア、European Collection of Cell Cultures(CAMR Centre for Applied Microbiology and Research)Salisbury、Wiltshire、イギリスおよびInterlab Cell Line Collection(Instituto Nazionale per la Ricerca sul Cancro)、ジェノバ、イタリアなどの細胞収集所から入手することができる。該化学療法薬はゲムシタビンで、Eli Lilly and Company、インディアナポリス、インディアナからGemzar(登録商標)として市販されている。該細胞移動阻害剤は、NS20494として標識した1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリル、およびNS30716として標識した1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである。グラフ下のプラスおよびマイナスは、異なる試料を処理するために使用した化学物質を示す。たとえば、x軸の左から右へ、MutJの最初の試料はゲムシタビンのみで処理したもの、MutJの2番目の試料はゲムシタビンとNS20494の組合せで処理したものである。細胞移動阻害剤含有処理における細胞移動阻害剤の濃度は5μMであった。
【0118】
図22で示したデータは、MTSアッセイ法によって得た。このアッセイは、増殖中の生細胞の数を決定するための比色法または化学的感受性アッセイである。このようなアッセイ法は、Promega Corporation、マジソン、ウィスコンシンからCellTiter96(登録商標)AQueousNon−Radioactive Cell Proliferation Assayとして市販されている。このアッセイには、テトラゾリウム化合物、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム、内部塩(MTS)および電子結合試薬、フェナジンメト硫酸塩(PMS)が含まれる。MTSは、細胞によって組織培養培地に可溶性のホルマザンに生体還元される。ホルマザンの490nmにおける吸収度はさらに処理することなく96ウェルアッセイプレートから直接測定することができ、培養中の生細胞の数に直接比例している。
【0119】
所望する数の細胞を5%牛胎児血清(FCM)、1%L−グルタミン(非必須アミノ酸)および1%ペニシリン−ストレプトマイシン(Pen−Strep)を入れたRoswell Park Memorial Institute(RPMI)培地を含有する溶液0.10mlに入れて96ウェル平底マイクロタイタープレートに沈着させた。該プレートは、BD Biosciences(Becton、Dickinson and Company)、フランクリンレークス、ニュージャージーからFalcon(商標)353072BD Falcon Clear 96ウェルマイクロテストプレートとして市販されている。該プレートは平底で、蒸発を抑える蓋がついており、増殖領域は0.32cm2で、ウェルの量は370μlである。該プレートは、表面の化学特性を均一にするために真空ガスプラズマ処理した組織培養用ポリスチレンで形成されている。シンチレーションカウンターを使用して細胞を計数した。たとえば、各試料がウェル当たり約8226個(8226/S)または約4000個の細胞、光学密度40倍当たり約8226個(8226/DOX40)またはウェル当たり約5000個を含むように該細胞を沈着させ、計数した。10×薬剤希釈液0.01mlを各ウェルに添加し、10×とは、保存溶液を元の100×保存溶液から10倍希釈したことを示す。培地0.01mlもまた、対照ウェルに添加した。該プレートを37℃、5%CO2、湿潤インキュベーターで4日間インキュベートした。
【0120】
MTSは、PromegaからCellTiter96(登録商標)MTS Powderとして市販されている。MTSは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に2mg/mlの濃度で溶解し、−20℃で保存した。PMSは、Sigma−Aldrich Coporation、セントルイス、ミズーリーから市販されている。濃度0.92mg/mlのPMSのPBS溶液を調製し、−20℃で保存した。MTSおよびPMSを37℃の水浴で使用前に約10分間融解した。MTSおよびPMSをウェルに添加する直前に20:1の比(すなわち、MTS2mlおよびPMS100μl)で混合した。MTS/PMS混合物20μlを各ウェルに添加した。該プレートを37℃、5%CO2、湿潤インキュベーターで3時間から4時間インキュベートした。分光マイクロプレートリーダーを使用して490nmの吸光度を記録した。さらに、吸光度を後で記録するならば、10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)25μlを各ウェルに添加して反応を停止することができる。該SDS処理プレートは、湿潤室において室温で18時間まで遮光することができる。吸光度は前述のように記録することができる。
【0121】
図22に示したように、ゲムシタビンおよびNS20494またはNS30716の組合せは、それぞれの細胞株についてゲムシタビンより高い殺滅率を示す。したがって、ゲムシタビンおよびNS20494またはNS30716の組合せは、膵臓癌細胞の相乗的殺滅を示す。ゲムシタビンおよびNS20494またはNS30716を組み合わせた医薬組成物自体はゲムシタビン単独よりも高い効果を有することができる。
【0122】
この開示の恩恵を受ける当業者は、細胞移動を改変する組成物および細胞移動を阻害することによって癌を治療する方法を本発明は提供すると考えられることを理解するであろう。本発明の様々な形態のさらなる変更および他の実施形態は、この説明を見れば当業者には明らかであろう。したがって、この説明は例示するのみで、本発明を実施する一般的方法を当業者に教示するためのものである。本明細書で示して説明した本発明の形態は、現在好ましい実施形態と見なされることを理解されたい。本発明のこの説明の恩恵を得た後で当業者に明らかであるように、要素および材料は本明細書で例示し説明したものと交換することが可能で、部分および方法は逆にすることができ、本発明のある種の特性は独立して使用することができる。請求の範囲で記載した本発明の精神および範囲を逸脱することなく、本明細書で記載した要素に変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】細胞の誘導沈殿装置の下面透視図である。
【図1a】96チャンネルマニホールドの一部の上面透視図である。
【図1b】該96チャンネルマニホールドの一部の下面透視図である。
【図2】基材に組み合わせた細胞の誘導沈殿装置の断面図である。
【図3】細胞を沈着させる基材の部分上面図である。
【図4】細胞移動を阻害する化学物質の同定方法の一実施形態を示す流れ図である。
【図4a】癌細胞を異なる化学物質で処理し、一定期間移動させる96ウェルプレートの一例の上部平面図である。
【図5】癌を有する個人の治療を同定する方法の一実施形態を示す流れ図である。
【図6】ライブラリーから選択した化学物質および癌細胞を使用したスクリーニング実験の結果を示した図である。
【図7】4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸の濃度の関数として神経膠腫癌細胞の細胞移動速度を示した図である。
【図8】BCNUおよび4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸と組み合わせたBCNUの濃度の関数として神経膠腫癌細胞の殺滅%を示した棒グラフである。
【図9】4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の濃度の関数として乳癌細胞の細胞移動速度を示した図である。
【図10】BCNUおよび4−メチル−3−ニトロ−安息香酸と組み合わせたBCNUの濃度の関数として乳癌細胞の殺滅%を示した棒グラフである。
【図11】様々な医薬組成物を細胞に注射した後の時間の関数として乳癌腫瘍の平均腫瘍体積を示した図である。
【図12】細胞注射後の日数の時間の関数として図11の実験で使用したマウスの生存割合を示した図である。
【図13】4−メチル−3−ニトロ−安息香酸の濃度の関数としてメラノーマ癌細胞の細胞移動速度を示した図である。
【図14】BCNUおよび4−メチル−3−ニトロ−安息香酸と組み合わせたBCNUの濃度の関数としてメラノーマ癌細胞の殺滅%を示した棒グラフである。
【図15】様々な医薬組成物を細胞に注射した後の日数の時間の関数としてメラノーマ腫瘍の平均腫瘍体積を示した図である。
【図16】肺癌細胞の未処理試料および肺癌細胞の処理試料の細胞移動速度を示した棒グラフである。
【図17】膵臓癌細胞の未処理試料および膵臓癌細胞の処理試料の細胞移動速度を示した棒グラフである。
【図18】膵臓癌細胞の未処理試料および膵臓癌細胞の様々な処理試料の細胞移動速度を示した棒グラフである。
【図19】いくつかの異なる化学物質の濃度の関数として膵臓癌細胞の細胞移動速度を示した図である。
【図20】HUVECの未処理試料およびHUVEC細胞の処理試料の細胞移動速度を示した棒グラフである。
【図21】正常繊維芽細胞で、様々な細胞移動阻害剤で処理した細胞および未処理細胞の対照試料の細胞移動速度を示した棒グラフである。
【図22】化学療法薬単独および異なる細胞移動阻害剤との組合せの関数として異なる癌細胞の殺滅%を示した棒グラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞の誘導沈殿を使用して癌細胞を基材に沈着させ、
化学物質のライブラリーから選択した化学物質で前記癌細胞を処理し、
前記処理癌細胞の細胞移動速度および未処理癌細胞の細胞移動速度を測定し、
前記処理癌細胞の細胞移動速度が前記未処理癌細胞よりも遅ければ、様々な用量の前記化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度を測定し、かつ
前記用量が増加するにつれて前記細胞移動速度が減少するならば、前記化学物質を細胞移動阻害化学物質として同定することを含む細胞移動を阻害する化学物質の同定方法。
【請求項2】
前記ライブラリーから選択した様々な化学物質で処理した前記癌細胞の複数試料の細胞移動速度を測定し、少なくとも前記未処理対照試料の前記癌細胞よりも細胞移動速度が遅い様々な前記化学物質の1種または複数を選択し、様々な用量の前記選択した化学物質で処理した癌細胞の細胞移動速度を測定し、前記用量が増加するにつれて前記様々な用量の1種または複数の選択した化学物質で処理した前記癌細胞の前記細胞移動速度が減少するならば、1種または複数の前記選択した化学物質を細胞移動阻害化学物質として同定することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記沈着には前記癌細胞を前記基材上の予め決定した位置に沈着することが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記細胞移動速度の測定には前記癌細胞の試料のほぼ中心から放射状に癌細胞が移動する距離を測定することが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
化学物質の前記ライブラリーは有機分子を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
化学物質の前記ライブラリーは分子量約700未満の有機分子を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ライブラリーの化学物質はすべて有機分子を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
化学物質の前記ライブラリーはモノクローナル抗体を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
化学物質の前記ライブラリーは天然産物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記化学物質で処理した前記癌細胞および前記未処理対照試料の前記癌細胞の他の特性を測定することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記化学物質と化学療法薬の組合せが前記癌細胞の相乗的殺滅を示すかどうかを測定することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
細胞の誘導沈殿を使用して細胞を基材に沈着させ、
前記細胞を前記化学物質で処理し、
前記処理細胞の細胞移動速度および未処理細胞の細胞移動速度を測定し、
前記処理細胞が前記未処理細胞と異なる細胞移動速度であれば、様々な用量の前記化学物質で処理した細胞の細胞移動速度を測定し、かつ
前記細胞移動速度が前記用量に応じて変化するならば、前記化学物質を細胞移動改変化学物質として同定することを含む細胞移動を改変する化学物質の同定方法。
【請求項13】
細胞の誘導沈殿装置、
癌細胞(前記癌細胞が基質上の予め決定された位置に沈着できるように前記装置が設計されている)、および
ライブラリーから選択された1種または複数の化学物質(前記1種または複数の化学物質は分子量約700未満の有機分子、モノクローナル抗体または天然産物を含む)を含み、前記癌細胞を前記基材上の1種または複数の化学物質で処理することができ、前記癌細胞の細胞移動速度は前記基材上で測定することができるキット。
【請求項14】
一般式
【化1】

の細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含み、前記阻害剤が分子量約700未満の有機分子を含む細胞移動の阻害方法。
【請求項15】
nは1または2である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
1はメチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、tert−ブチル、アセトキシ、フェニル、ビフェニル−4−イル、4−ヨード−フェニルおよび4−ペンチル−フェノキシカルボニルメチルから成る群から選択された請求項14に記載の方法。
【請求項17】
2は、水素、4−アセチル−アミノ、4−(2−シアノ−エチル)−フェニル、4−プロペニル−フェニル、4−ペンチル−フェニル、4−ブロモ−フェニル、4−クロロ−フェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、4−アセチル−フェニル、4−ヒドロキシ−フェニル、4−エトキシ−フェニル、4−オクチルオキシ−フェニル、2,3−ジシアノ−4−ヘキシルオキシ−フェニル、4−ブトキシ−2,3−ジクロロ−フェニル、4−ペンタノイル−フェニル、4−シアノ−フェニル、ビフェニル−4−イル、4’−メチル−ビフェニル−4−イル、4’−シアノ−ビフェニル−4−イル、2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチル、2−(4’−ブロモ−ビフェニル−4−イル)−2−オキソ−エチル、4−シクロヘキサンカルボニルオキシ−フェニルおよび4−安息香酸エチルエステルから成る群から選択された請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記阻害剤は、4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸である請求項14に記載の方法。
【請求項19】
一般式、
【化2】

の細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含み、前記阻害剤は分子量約700未満の有機分子を含む細胞移動の阻害方法。
【請求項20】
1は水素、メチル、メトキシ、ブロモ、アミノ、2−ヒドロキシ−エチルアミノおよび3−ヒドロキシ−プロピルアミノから成る群から選択された請求項19に記載の方法。
【請求項21】
2は、水素およびアセチルアミノから成る群から選択された請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸である請求項19に記載の方法。
【請求項23】
1またはR2は水素である請求項19に記載の方法。
【請求項24】
1およびR2は非環式基である請求項19に記載の方法。
【請求項25】
1およびR2はニトロ基ではない請求項19に記載の方法。
【請求項26】
一般式、
【化3】

の細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含み、前記阻害剤は分子量約700未満の有機分子を含む細胞移動の阻害方法。
【請求項27】
1はフェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、4−フルオロ−フェニルおよび4−メトキシ−フェニルから成る群から選択された請求項26に記載の方法。
【請求項28】
2は4−(2,2−ジシアノ−1−シクロプロピル−ビニル)およびジシアノから成る群から選択された請求項26に記載の方法。
【請求項29】
3は4−クロロフェニル、フェニルおよびシクロプロピルから成る群から選択された請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記阻害剤は1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである請求項26に記載の方法。
【請求項31】
一般式、
【化4】

の細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含み、前記阻害剤は分子量約700未満の有機分子を含む細胞移動の阻害方法。
【請求項32】
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert−ブチル、イソブチル、フェニル、ベンジル、ビフェニル−4−イル、2−メチル−フェニル、4メチル−フェニル、4−tert−ブチル−フェニル、2−ブロモ−フェニル、3−ブロモ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、2−クロロ−フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロ−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、3−ヨード−フェニル、4−アセチル−フェニル、−2−ホルミル−フェニル、2−カルボキシフェニル、3−カルボキシ−フェニル、2−メトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5ジメトキシ−フェニル、3,4,5−トリメトキシ−フェニル、4−エトキシ−フェニル、3,4,5−トリエトキシ−フェニル、4−ブトキシ−フェニル、4フェノキシメチル、4−フェノキシ−フェニル、4−クロロ−フェノキシメチル、2−ニトロ−フェニル、3−ニトロ−フェニル、4−ニトロ−フェニル、3,5ジニトロ−フェニル、2−メチル−3−ニトロ−フェニル、2−クロロ−4−ニトロ−フェニル、4−クロロ−3−ニトロ−フェニル、2−カルボキシ−5−ニトロ−フェニル、4−ベンゾイル−フェニル、4−シアノ−フェニル、ナフタレン−1−イル、3−メトキシ−ナフタレン−2−イル、テトラヒドロ−フラン−2−イル、5−ブロモフラン−2−イル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、3−カルボキシ−ピラジン−2−イル、2−フェニル−キノリン−4−イル、チオフェン−2−イル、フェニルフェニルスルファニル−メチル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、3−(2,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル、8−アリル−2−オキソ−2H−クロメン−3−イル、4メチル−ピペラジン−1−イルメチル、5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イルメチル、4−ブロモ−5−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−1−イルメチル、4−クロロ−5−メチル−3−トリフルオロメチル−4H−ピラゾール−1−イル−メチル、5−メチル−3−ニトロ−ピラゾール−1−イルメチル、3,5−ジメチル−4−ニトロ−ピラゾール−1−イルメチル、4−ブロモ−5−メチル−3−ニトロ−ピラゾール−1−イルメチル、3−ニトロ[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル、4−ニトロ−イミダゾール−1−イルメチル、5,7−ジフェニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル、6−ブロモ−1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、3,6−ジブロモ−1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−(4−エトキシ−フェニル)−7−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、3−ブロモ−5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−(4−ブロモ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラミジン−2−イル、5−(4−フルオロ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラミジン−2−イル、3−ブロモ−5−チオフェン−2−イル−7トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、3−クロロ−5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−フラン−2−イル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−チオフェン−2−イル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5a]ピリミジン−2−イル、3−クロロ−6−フルオロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル、4−メチル−3−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル、2−クロロ−5−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル、5−ジエチルスルファモイル−フェニル、4−ジプロピルスルファモイルフェニル、4−フェニル−1H−テトラゾール−5−イルスルファニルメチル、ベンゾ[4,5]チアゾロ[2,3−c][1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル、3−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、4−ブロモ−5−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、4クロロ−5−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、および2,4−ジクロロ−5−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニルから成る群から選択された請求項31に記載の方法。
【請求項33】
2は、水素、メチル、tert−ブチルおよび1,1−ジメチル−プロピルから成る群から選択された請求項31に記載の方法。
【請求項34】
3は水素およびメチルから成る群から選択された請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記阻害剤はN−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−ヨード−ベンズアミドである請求項31に記載の方法。
【請求項36】
一般式、
【化5】

の細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含み、前記阻害剤は分子量約700未満の有機分子を含む細胞移動の阻害方法。
【請求項37】
1は4−ブロモ−ベンゾイルアミノ、(アダマンタン−2−イル−ヒドロキシ−メチル)−アミノおよびフェニルアミノから成る群から選択された請求項36に記載の方法。
【請求項38】
2はジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、p−クロロ−フェニル、p−メチル−フェニル、フェニルおよびp−メトキシ−フェニルから成る群から選択された請求項36に記載の方法。
【請求項39】
3は水素、2−プロピルおよびフェニルから成る群から選択された請求項36に記載の方法。
【請求項40】
4は水素およびメチルから成る群から選択された請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記阻害剤は[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル]−フェニル−アミンである請求項36に記載の方法。
【請求項42】
一般式、
【化6】

の細胞移動阻害剤および化学療法薬を含む医薬組成物。
【請求項43】
nは1または2である請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
1はメチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、tert−ブチル、アセトキシ、フェニル、ビフェニル−4−イル、4−ヨード−フェニルおよび4−ペンチル−フェノキシカルボニルメチルから成る群から選択された請求項42に記載の組成物。
【請求項45】
2は、水素、4−アセチル−アミノ、4−(2−シアノ−エチル)−フェニル、4−プロペニル−フェニル、4−ペンチル−フェニル、4−ブロモ−フェニル、4−クロロ−フェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、4−アセチル−フェニル、4−ヒドロキシ−フェニル、4−エトキシ−フェニル、4−オクチルオキシ−フェニル、2,3−ジシアノ−4−ヘキシルオキシ−フェニル、4−ブトキシ−2,3−ジクロロ−フェニル、4−ペンタノイル−フェニル、4−シアノ−フェニル、ビフェニル−4−イル、4’−メチル−ビフェニル−4−イル、4’−シアノ−ビフェニル−4−イル、2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチル、2−(4’−ブロモ−ビフェニル−4−イル)2−オキソ−エチル、4−シクロヘキサンカルボニルオキシ−フェニルおよび4−安息香酸エチルエステルから成る群から選択された請求項42に記載の組成物。
【請求項46】
前記阻害剤は4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸である請求項42に記載の組成物。
【請求項47】
前記阻害剤は4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸であり、前記化学療法薬は1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレアである請求項42に記載の組成物。
【請求項48】
前記化学療法薬は、アルキル化剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗薬、微小管阻害剤、紡錘細管阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ホルモン剤、生物剤および顆粒球コロニー刺激因子から成る群から選択された請求項42に記載の組成物。
【請求項49】
一般式、
【化7】

の細胞移動阻害剤および化学療法薬を含む医薬組成物。
【請求項50】
1は水素、メチル、メトキシ、ブロモ、アミノ、2−ヒドロキシ−エチルアミノおよび3−ヒドロキシ−プロピルアミノから成る群から選択された請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
2は、水素およびアセチルアミノから成る群から選択された請求項49に記載の組成物。
【請求項52】
前記阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸である請求項49に記載の組成物。
【請求項53】
1またはR2は水素である請求項49に記載の組成物。
【請求項54】
1およびR2は非環式基である請求項49に記載の組成物。
【請求項55】
1およびR2はニトロ基ではない請求項49に記載の組成物。
【請求項56】
前記阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸であり、前記化学療法薬は1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレアである請求項49に記載の組成物。
【請求項57】
前記阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸であり、前記化学療法薬はパクリタキセルである請求項49に記載の組成物。
【請求項58】
前記化学療法薬はアルキル化剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗薬、微小管阻害剤、紡錘細管阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ホルモン剤、生物剤および顆粒球コロニー刺激因子から成る群から選択された請求項49に記載の組成物。
【請求項59】
一般式、
【化8】

の細胞移動阻害剤および化学療法薬を含む医薬組成物。
【請求項60】
1はフェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、4−フルオロ−フェニルおよび4−メトキシ−フェニルから成る群から選択された請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
2は4−(2,2−ジシアノ−1−シクロプロピル−ビニル)およびジシアノから成る群から選択された請求項59に記載の組成物。
【請求項62】
3は4−クロロフェニル、フェニルおよびシクロプロピルから成る群から選択された請求項59に記載の組成物。
【請求項63】
前記阻害剤は1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである請求項59に記載の組成物。
【請求項64】
前記化学療法薬はアルキル化剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗薬、微小管阻害剤、紡錘細管阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ホルモン剤、生物剤および顆粒球コロニー刺激因子から成る群から選択された請求項59に記載の組成物。
【請求項65】
一般式、
【化9】

の細胞移動阻害剤および化学療法薬を含む医薬組成物。
【請求項66】
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert−ブチル、イソブチル、フェニル、ベンジル、ビフェニル−4−イル、2−メチル−フェニル、4メチル−フェニル、4−tert−ブチル−フェニル、2−ブロモ−フェニル、3−ブロモ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、2−クロロ−フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロ−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、3−ヨード−フェニル、4−アセチル−フェニル、−2−ホルミル−フェニル、2−カルボキシフェニル、3−カルボキシ−フェニル、2−メトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5ジメトキシ−フェニル、3,4,5−トリメトキシ−フェニル、4−エトキシ−フェニル、3,4,5−トリエトキシ−フェニル、4−ブトキシ−フェニル、4フェノキシメチル、4−フェノキシ−フェニル、4−クロロ−フェノキシメチル、2−ニトロ−フェニル、3−ニトロ−フェニル、4−ニトロ−フェニル、3,5ジニトロ−フェニル、2−メチル−3−ニトロ−フェニル、2−クロロ−4−ニトロ−フェニル、4−クロロ−3−ニトロ−フェニル、2−カルボキシ−5−ニトロ−フェニル、4−ベンゾイル−フェニル、4−シアノ−フェニル、ナフタレン−1−イル、3−メトキシ−ナフタレン−2−イル、テトラヒドロ−フラン−2−イル、5−ブロモフラン−2−イル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、3−カルボキシ−ピラジン−2−イル、2−フェニル−キノリン−4−イル、チオフェン−2−イル、フェニルフェニルスルファニル−メチル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、3−(2,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル、8−アリル−2−オキソ−2H−クロメン−3−イル、4メチル−ピペラジン−1−イルメチル、5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イルメチル、4−ブロモ−5−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−1−イルメチル、4−クロロ−5−メチル−3−トリフルオロメチル−4H−ピラゾール−1−イル−メチル、5−メチル−3−ニトロ−ピラゾール−1−イルメチル、3,5−ジメチル−4−ニトロ−ピラゾール−1−イルメチル、4−ブロモ−5−メチル−3−ニトロ−ピラゾール−1−イルメチル、3−ニトロ[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル、4−ニトロ−イミダゾール−1−イルメチル、5,7−ジフェニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル、6−ブロモ−1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、3,6−ジブロモ−1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−(4−エトキシ−フェニル)−7−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、3−ブロモ−5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−(4−ブロモ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラミジン−2−イル、5−(4−フルオロ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピラミジン−2−イル、3−ブロモ−5−チオフェン−2−イル−7トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、3−クロロ−5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−フラン−2−イル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル、5−チオフェン−2−イル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5a]ピリミジン−2−イル、3−クロロ−6−フルオロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル、4−メチル−3−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル、2−クロロ−5−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル、5−ジエチルスルファモイル−フェニル、4−ジプロピルスルファモイルフェニル、4−フェニル−1H−テトラゾール−5−イルスルファニルメチル、ベンゾ[4,5]チアゾロ[2,3−c][1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル、3−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、4−ブロモ−5−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、4クロロ−5−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル、および2,4−ジクロロ−5−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニルから成る群から選択された請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
2は、水素、メチル、tert−ブチルおよび1,1−ジメチル−プロピルから成る群から選択された請求項65に記載の組成物。
【請求項68】
3は水素およびメチルから成る群から選択された請求項65に記載の組成物。
【請求項69】
前記阻害剤はN−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−ヨード−ベンズアミドである請求項65に記載の組成物。
【請求項70】
前記化学療法薬はアルキル化剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗薬、微小管阻害剤、紡錘細管阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ホルモン剤、生物剤および顆粒球コロニー刺激因子から成る群から選択された請求項65に記載の組成物。
【請求項71】
一般式、
【化10】

の細胞移動阻害剤および化学療法薬を含む医薬組成物。
【請求項72】
1は4−ブロモ−ベンゾイルアミノ、(アダマンタン−2−イル−ヒドロキシ−メチル)−アミノおよびフェニルアミノから成る群から選択された請求項71に記載の組成物。
【請求項73】
2はジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、p−クロロ−フェニル、p−メチル−フェニル、フェニルおよびp−メトキシ−フェニルから成る群から選択された請求項71に記載の組成物。
【請求項74】
3は水素、2−プロピルおよびフェニルから成る群から選択された請求項71に記載の組成物。
【請求項75】
4は水素およびメチルから成る群から選択された請求項71に記載の組成物。
【請求項76】
前記阻害剤は[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル]−フェニル−アミンである請求項71に記載の組成物。
【請求項77】
前記化学療法薬はアルキル化剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗薬、微小管阻害剤、紡錘細管阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ホルモン剤、生物剤および顆粒球コロニー刺激因子から成る群から選択された請求項71に記載の組成物。
【請求項78】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与して癌細胞の移動を阻害することを含み、細胞移動を阻害することによって細胞分裂を増加させ、前記細胞移動阻害剤および前記化学療法薬の組合せは細胞分裂を増加させることによって前記化学療法薬単独と比較して効果が増大する、癌を有する個人の治療方法。
【請求項79】
前記細胞移動阻害剤は分子量約700未満の有機分子を含む請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記細胞移動阻害剤はモノクローナル抗体を含む請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記細胞移動阻害剤は天然産物を含む請求項78に記載の方法。
【請求項82】
一般式、
【化11】

の細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含む癌を有する個人の治療方法。
【請求項83】
一般式、
【化12】

の細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含む癌を有する個人の治療方法。
【請求項84】
一般式、
【化13】

の細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含む癌を有する個人の治療方法。
【請求項85】
一般式、
【化14】

の細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含む癌を有する個人の治療方法。
【請求項86】
一般式、
【化15】

の細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含む癌を有する個人の治療方法。
【請求項87】
個人の癌の組織培養を確立し、
前記組織培養に基づいて癌の細胞移動阻害剤を同定し、かつ
前記細胞移動阻害剤と組み合わせて有効な化学療法薬を同定することを含む癌を有する個人の治療の同定方法。
【請求項88】
前記細胞移動阻害剤および前記化学療法薬を前記個人に投与することをさらに含む請求項87に記載の方法。
【請求項89】
疾患が少なくとも部分的に異常な細胞移動に関与する疾患の治療方法であって、
前記疾患を有する個人に細胞移動阻害剤を投与
することによって前記異常な細胞移動を改変し、かつ
医薬品を前記個人に投与することによって前記疾患を治療することを含む治療方法。
【請求項90】
前記疾患には自己免疫疾患が含まれる請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記疾患には心臓血管疾患が含まれる請求項89に記載の方法。
【請求項92】
細胞移動阻害剤で細胞を処理することを含み、前記阻害剤は分子量約700未満の有機分子であり、前記阻害剤はアリール化剤である細胞移動の阻害方法。
【請求項93】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を含み、前記細胞移動阻害剤はアリール化剤である医薬組成物。
【請求項94】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含み、前記細胞移動阻害剤はアリール化剤である癌を有する個人の治療方法。
【請求項95】
細胞移動阻害剤で神経膠腫癌細胞を治療することを含み、前記阻害剤は4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸である神経膠腫癌細胞移動の阻害方法。
【請求項96】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を含み、前記細胞移動阻害剤は4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸であり、前記化学療法薬は1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレアであり、神経膠腫癌細胞の相乗的殺滅を示す医薬組成物。
【請求項97】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含み、前記細胞移動阻害剤は4’−プロピル−ビシクロヘキシル−4−カルボン酸であり、前記化学療法薬は1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレアである脳癌を有する個人の治療方法。
【請求項98】
細胞移動阻害剤で乳癌細胞を治療することを含み、前記阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸である乳癌細胞移動の阻害方法。
【請求項99】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を含み、前記細胞移動阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸であり、前記化学療法薬は1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレアであり、乳癌細胞の相乗的殺滅を示す医薬組成物。
【請求項100】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を投与することを含み、前記細胞移動阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸であり、前記化学療法薬は1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレアである乳癌を有する個人の治療方法。
【請求項101】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を含み、前記細胞移動阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸であり、前記化学療法薬はパクリタキシルであり、乳癌細胞の相乗的殺滅を示す医薬組成物。
【請求項102】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含み、前記細胞移動阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸であり、前記化学療法薬はパクリタキシルである乳癌を有する個人の治療方法。
【請求項103】
細胞移動阻害剤でメラノーマ癌細胞を治療することを含み、前記阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸であるメラノーマ癌細胞移動の阻害方法。
【請求項104】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を含み、前記細胞移動阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸であり、前記化学療法薬は1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレアであり、メラノーマ癌細胞の相乗的殺滅を示す医薬組成物。
【請求項105】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含み、前記細胞移動阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸であり、前記化学療法薬は1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレアであるメラノーマ癌を有する個人の治療方法。
【請求項106】
肺癌細胞を細胞移動阻害剤で処理することを含み、前記阻害剤は4−メチル−3−ニトロ−安息香酸である肺癌細胞移動の阻害方法。
【請求項107】
膵臓癌細胞を細胞移動阻害剤で処理することを含み、前記阻害剤は1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである膵臓癌細胞移動の阻害方法。
【請求項108】
膵臓癌細胞を細胞移動阻害剤で処理することを含み、前記阻害剤は2−{[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−フェニル−1,2,3,3a−テトラヒドロ−ピロロ[1,2−a]キノリン−3−イル]−シクロプロピル−メチレン}−マロノニトリルである膵臓癌細胞移動の阻害方法。
【請求項109】
膵臓癌細胞を細胞移動阻害剤で処理することを含み、前記阻害剤は1−ベンゾイル−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである膵臓癌細胞移動の阻害方法。
【請求項110】
膵臓癌細胞を細胞移動阻害剤で処理することを含み、前記阻害剤は2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−1−シクロプロパンカルボニル−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである膵臓癌細胞移動の阻害方法。
【請求項111】
膵臓癌細胞を細胞移動阻害剤で処理することを含み、前記阻害剤は1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(4−フルオロ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである膵臓癌細胞移動の阻害方法。
【請求項112】
膵臓癌細胞を細胞移動阻害剤で処理することを含み、前記阻害剤は1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである膵臓癌細胞移動の阻害方法。
【請求項113】
細胞を血管形成阻害剤で処理することを含み、前記阻害剤は1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルである血管形成の阻害方法。
【請求項114】
細胞を血管形成阻害剤で処理することを含み、前記阻害剤はN−(3−シアノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−ヨード−ベンズアミドである血管形成の阻害方法。
【請求項115】
細胞を血管形成阻害剤で処理することを含み、前記阻害剤は[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−4H−[1,3,4]チアジアジン−2−イル]−フェニル−アミンである血管形成の阻害方法。
【請求項116】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を含み、前記細胞移動阻害剤は1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルであり、前記化学療法薬はゲムシタビンであり、膵臓癌細胞の相乗的殺滅を示す医薬組成物。
【請求項117】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含み、前記細胞移動阻害剤は1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルであり、前記化学療法薬はゲムシタビンである膵臓癌を有する個人の治療方法。
【請求項118】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を含み、前記細胞移動阻害剤は1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルであり、前記化学療法薬はゲムシタビンであり、膵臓癌細胞の相乗的殺滅を示す医薬組成物。
【請求項119】
細胞移動阻害剤および化学療法薬を個人に投与することを含み、前記細胞移動阻害剤は1−(4−クロロ−ベンゾイル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−1,2−ジヒドロ−3aH−ピロロ[1,2−a]キノリン−3,3−ジカルボニトリルであり、前記化学療法薬はゲムシタビンである膵臓癌を有する個人の治療方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2006−505246(P2006−505246A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−510395(P2004−510395)
【出願日】平成15年6月2日(2003.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2003/017399
【国際公開番号】WO2003/102153
【国際公開日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【出願人】(504448900)アボリックス・ファーマスーティカルズ (1)
【Fターム(参考)】