説明

組立用積層体

第一フォーム層、該フォーム層に接した第一補強層、該第一補強層に接して第一補強層について第一フォーム層の反対側に位置した第二フォーム層、該第二フォーム層に接して第二フォーム層について第一補強層の反対側に位置した第二補強層、及び該第二補強層に接した保護層を備える組立用積層体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年7月29日に出願した米国仮出願第60/592,312号の利益を主張する。
【0002】
本発明の一以上の実施態様は、組立用積層体及び該組立用積層体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
組立て式の積層体は、しばしば建設業界において使用されている。該積層体としては、構造保全性と絶縁値とを提供する基層や、雨や紫外線等の環境暴露からの保護を提供する外側層を挙げることができる。該積層体を予め組み立てることができるので、建築材料としての使用は、建築物を組み立てて全体の費用を節約することができる。
【0004】
一の特定の使用においては、予め組み立てられた組立用積層体をレクリエーショナルビークルの外板を組み立てるのに用いることができる。この使用に用いられる積層体を図1に示す。該積層体1には、外側繊維ガラス層2、第一ラワン合板層3、管状アルミニウムフレーム5及び発泡ポリスチレン6を含有する絶縁層4、第二ラワン合板層7、並びに内側表面層8が含まれる。繊維ガラス層2及び第一ラワン層3を外側層9と称することができ、また、絶縁層4、第二ラワン層7及び内側表面層8をまとめて内側層10と称することができる。
【0005】
上記積層体を、レクリエーショナルビークルが典型的には約30´×8´の繊維ガラス板に複数の4´×8´ラワン板を接着することにより製造される場所で、組み立てることができる。そのとき、発泡スチレンが、繊維ガラスと発泡ポリスチレンとの間にラワンを挟むため、該ラワンの反対側に接着され得る。第二ラワン層を、絶縁層(アルミニウム及びポリスチレン)に接着することができ、また、典型的にはビニル材料である内側カバーを第二ラワン層上に接着することができる。最もありふれた作業においては、種々の層を、ホットメルトウレタン接着剤を用いることにより相互に接着することができる。
【0006】
上記特定の組立用積層体の使用は、いくつかの欠点を有し得る。まず、該積層体は、必要以上に重みがあり、その結果、取り付けが困難な場合がある。また、レクリエーショナルビークルの全重量が、積層体の大きな相対重量によって、不必要に増加する場合がある。パネルは、くぼみ、割れ、掻ききずを起こしやすく、また、修理することが困難である。加えて、一般に使用されるラワンは、4´×8´のパネルで供給されるので、継ぎ目が、繊維ガラスのカバーの至る所で見える場合がある。この問題は、必要とあれば厚い繊維ガラスを用いることにより克服し得るが、このことは、積層体の重量及び費用を更に増加させる。
【0007】
従って、組立用積層体、特にレクリエーショナルビークルを組み立てるのに使用される組立用積層体を改良する必要性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一部の実施態様は、第一フォーム層、該フォーム層に接した第一補強層、該第一補強層に接して且つ該第一補強層について第一フォーム層の反対側に位置した第二フォーム層、該第二フォーム層に接して且つ該第二フォーム層について第一補強層の反対側に位置した第二補強層、及び該第二補強層に接した保護層を備える組立用積層体を提供するものである。
【0009】
また、本発明の一部の実施態様は、組立用積層体を含む壁を備えたレクリエーションビークルを提供するものであり、ここで、該積層体が外側層及び内側層を含み、該外側層が保護キャップ、少なくとも一層のフォーム層、該フォーム層と接する第一補強層、第二補強層、及び該第二補強層に接する保護層を含む。
【0010】
本発明の一部の実施態様は、少なくとも一層のフォーム層、該少なくとも一層のフォーム層に接した補強層、及び保護層を備える組立用積層体を含む。
【0011】
また、本発明の一部の実施態様は、外側複合組立用積層体の形成方法を含み、該方法は、フォームを押出す工程と、該フォームをスクリムに接触させて、強化フォームを形成する工程と、該強化フォーム上に熱成形可能な材料を押出す工程とを備える。
【0012】
更に、本発明の一部の実施態様は、組立用積層体の形成方法を提供するものであり、該方法は、キャップ層及び充填剤入り高分子層を共押出しし、二層一体化した積層体を形成する工程と、該二層一体化した積層体上にフォーム層を押出す工程とを備える。
【0013】
また、本発明の一部の実施態様は、組立用積層体の形成方法を提供するものであり、該方法は、フォーム層上にキャップ層及び充填剤入り高分子層を共押出しする工程を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、レクリエーショナルビークルの組立てに使用される従来技術の組立用積層体の断面図である。
【0015】
図2は、本発明の一以上の実施態様に従う組立用積層体の側面の断面図である。
【0016】
図3は、組立用積層体の外側層の一の実施態様の断面図である。
【0017】
図4は、組立用積層体の外側層の一の実施態様の断面図である。
【0018】
図5は、本発明に有用な強化用スクリムの立面図である。
【0019】
図6は、本発明の一以上の実施態様の組立用積層体の断面図である。
【0020】
本発明の一以上の実施態様の組立用積層体を、レクリエーショナルビークルを組み立てるのに使用することができる。一以上の実施態様においては、該組立用積層体をレクリエーショナルビークルの外側シェル又はサイディングに含むことができる。レクリエーショナルビークルの外側シェル又はサイディングは、外側部分と内側部分の両方を含有することができる。一以上の実施態様において、本発明の積層体は、該シェルの外側部分を形成することができる。従って、本発明の組立用積層体を、レクリエーショナルビークル用サイディング又はシェルの構成の内側部分と組み合わせて含むことができる。例えば、図2に示す通り、サイディング又はシェル100は、それ自体を積層体と称することができ、外側部分又は層17及び内側部分又は層13を含む。外側部分17は、保護層12、フォーム層14及び15、並びに補強層16を含む。内側部分13は、フレーム20及び絶縁材22を含有することができる絶縁層18と、内側表面層21を含む。一部の実施態様において、外側部分17は、保護層12、フォーム層14及び15、並びに補強層16を含み、連続工程で製造できる。
【0021】
内側及び外側の用語は、単に部分13及び17を区別するのに用いられる。上記組立用積層体は、レクリエーショナルビークルの外側シェル又はサイディングに関するものであるので、内側及び外側の用語は、ビークルについて部分13及び17の位置決めに関係し得、換言すれば、外側部分17は、レクリエーショナルビークルのサイディングの最外層を形成することができ、また、内側部分13は、レクリエーショナルビークルのシェル又はサイディングの最内層を形成することができる。
【0022】
一の実施態様においては、図2に示す通り、保護層12を第一フォーム層14に隣接して位置することができ、補強層16がフォーム層14及び15と接触していることができ、絶縁層18を保護層12と反対側の第二フォーム層15に隣接して位置することができ、絶縁材22をフレーム20の隙間に位置することができ、内側表面層24をフォーム層15と反対側のフレーム18に隣接して位置することができる。
【0023】
一の実施態様においては、補強層16を、図3及び4に示す通り、外側層17の幅の中心若しくは中間点又はその付近に位置することができる。従って、第一フォーム層14の厚さは、第二フォーム層15及び保護層12の厚さによって変えることができる。例えば、図3に例証するように、第二フォーム層15及び保護層12は同様の厚さを有しており、その結果、補強層16を、第二フォーム層15の表面付近に位置することができ且つ保護層12と接触させることができ、また、該第一フォーム層14が実質的に存在していない。或いは、図4に例証するように、第二フォーム層15は保護層12より実質的に厚くしてもよい。結果として、補強層16を第一フォーム層14と第二フォーム層15の間に位置する場合がある。第二フォーム層15の厚さは、第一フォーム層14及び保護層12の厚さの合計とほぼ等しくすることができる。
【0024】
本発明に係る組立用積層体の他の実施態様を図6に示す。積層体20は、第一フォーム層22、第一補強層24、任意の第二フォーム層26、第二補強層28、及び外側キャップ層30を含む。一以上の実施態様において、第一フォーム層22は第一補強層24に隣接しており、第一補強層24は第二フォーム層26に隣接しており、第二フォーム層26は第二補強層28に隣接しており、第二補強層28は外側キャップ層30に隣接している。一以上の実施態様において、積層体20は、サイディングパネルの外側層又は部分を形成することができる。例えば、図2を参照して、図6の積層体が内側部13に結合され、サイディングパネルを形成することができる。
【0025】
保護層若しくはキャップ層12(又は他の実施態様においてはキャップ層30)は、熱可塑性又は熱硬化性材料を含む。一以上の実施態様において、保護層12は、熱可塑性又は熱硬化性材料の押出物を含み、熱可塑性材料として処理され得る材料について言及する。
【0026】
有用な熱可塑性樹脂としては、制限されないが、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリα-オレフィン、同様にポリスチレン等の他の熱可塑性樹脂、制限されないが、アクリル酸、メタクリル酸、それらの酸のエステル、アクリロニトリル又はそれらの組み合わせの重合体又は共重合体等のアクリル樹脂が挙げられる。
【0027】
一の実施態様において、上記熱可塑性又は熱成形可能な材料としては、ポリα-オレフィン及びアクリル樹脂のポリマーブレンドが挙げられる。それらのブレンドは、ポリαオレフィン約30〜約80重量%、他の実施態様においては約40〜約70重量%、他の実施態様においては約45〜約60重量%、及びアクリル樹脂約70〜20重量%、他の実施態様においては約60〜約30重量%、他の実施態様においては約55〜約40重量%を含有することができる。
【0028】
一の実施態様において、熱可塑性又は熱成形可能な材料としては、グラフト共重合体を含んだ、ポリプロピレン及びアクリル樹脂の共重合体が挙げられる。例えば、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル又はそれらの混合物をグラフトされたイソタクチック-ポリプロピレン主鎖を含有するグラフト共重合体である。一以上の実施態様において、グラフト共重合体は、ポリα-オレフィン約30〜約70重量%及びアクリル樹脂約70〜約30重量%、他の実施態様においては、ポリα-オレフィン約40〜約60重量%及びアクリル樹脂約60〜約40重量%を含有する。有用なグラフト共重合体としては、米国特許第6,617,410号に開示されたものが挙げられ、その全内容が、本願に引用して援用されている。有用なグラフト共重合体としては、商品名Interloy(登録商標)W1095H1(Crompton)で市販されているものが挙げられる。
【0029】
保護層12(又は層30)の厚さは、約150ミル〜約20ミル、他の実施態様においては約100ミル未満、他の実施態様においては約100ミル〜約30ミルとすることができる。
【0030】
一以上の実施態様において、フォーム層14及び15(又は他の実施態様においてフォーム層22及び26)は、強固な独立気泡フォームを含有することができる。一の実施態様においては、該独立気泡フォームの大部分の気泡が、無傷の気泡膜を有している。種々のフォーム層のそれぞれは、同一でもよいし、異なっていてもよい。フォームの嵩密度は、約0.6cm3〜約0.9cm3、他の実施態様においては、約0.70cm3〜約0.85cm3、他の実施態様においては、約0.63cm3〜約0.70cm3とすることができる。該フォームの独立気泡の含有率は、気泡の少なくとも約15%、他の実施態様においては、少なくとも約20%、他の実施態様においては、少なくとも約30%とすることができる。
【0031】
フォーム層14及び15(又は層22及び26)の厚さの合計は、約45ミル〜約85ミル、他の実施態様においては、約50ミル〜約80ミル、他の実施態様においては、約60ミル〜約70ミルとすることができる。
【0032】
フォーム層の気泡材料は、熱可塑性又は熱硬化性重合体とすることができる。適した重合体としては、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、ゴム、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリイソプレン、ウレア-アルデヒド、メラミン-アルデヒド、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエステル、シリケート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリヒダントイン、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン及びポリエチレン等のポリα-オレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート、エポキシ、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、シリコーン及びそれらの混合物が挙げられる。
【0033】
上記フォームの気泡は、絶縁材を含有することができ、該絶縁材はまた、発泡剤と称することもできる。有用な発泡剤としては、(商品名Celogen(登録商標)で市販されている)アゾジカルボンアミド、アルカン、シクロアルカン、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、フルオロカーボン、フッ素化エステル、アルケン、アルキン、希ガス、窒素、二酸化炭素、水及びそれらの混合物が挙げられる。
【0034】
また、上記気泡材料としては、フォーム材料に使用される通常の助剤を挙げることができる。有用な助剤又は添加剤としては、加工助剤、粘度希釈剤、難燃剤、分散剤、可塑剤、酸化防止剤、相溶剤、充填剤、及び顔料が挙げられる。
【0035】
補強層16(又は他の実施態様においては層24及び/又は28)は、スクリム又は補強高分子層を含むことができる。複数の補強層が含まれる場合には、二層以上の補強層が、例えば、図6に示すように、スクリム補強材を含むことができ、また、他の実施態様においては、二層以上の補強層が、高分子層を含むことができ、そして、他の実施態様においては、第一補強層が高分子層を含むことができ、第二補強層がスクリムを含むことができる。一の特定の実施態様においては、図6に示すように、第一補強層24がスクリムを含むことができ、第二補強層28が高分子層を含むことができる。
【0036】
有用なスクリムとしては、織及び非織スクリム、方向性及び非方向性スクリム、並びに直交及び非直交スクリムが挙げられる。有用なスクリムとしては、通常のスクリムを挙げることができ、該スクリムは、縦方向に又はスクリムの長さに沿って配向させた多数の糸や、幅方向に又はスクリムの幅に亘って配向させた多数の糸を含む。これらの糸をそれぞれ縦糸及び横糸と称することができる。
【0037】
制限されないが、繊維性材料、金属及び重合体を含む多くの糸を使用することができる。例えば、該糸としては、制限されるものではないが、繊維ガラス、アルミニウム、又は芳香族ポリアミド重合体(例えば、ケブラー)を挙げることができる。
【0038】
一の実施態様において、上記スクリムは、繊維ガラス糸を含む。繊維ガラス糸は、約150 1/0〜約18 1/0(330デシテックス〜約2640デシテックス)、及び他の実施態様においては約37 1/0(1320デシテックス)で特徴づけられ得る。
【0039】
上記スクリムを、架橋可能なアクリル樹脂、ポリビニルアルコール等の通常の結合剤又は同様な接着剤を用いて、一緒に接着したり、所定の位置に組み込むことができる。また、該スクリムを、制限されないが、ニードルパンチング等の技術を使用することにより、機械的に絡み合わせることができる。更に一の実施態様においては、該スクリムを、製織により所定の位置に組み込むことができる。
【0040】
一の特定の実施態様において、補強層16は、図5に示す通り、繊維ガラスの不織スクリムを含む。スクリム30は、第一面に位置した第一複数糸32を含む。また、スクリム30は、第二面に位置した第二複数糸34、第三面に位置した第三複数糸36、及び第四面に位置した第四複数糸38を含む。第一複数糸32及び第四複数糸38は、積層体の長さに沿って縦方向に伸びる。第二複数糸34及び第三複数糸36は、通常、第一複数糸32に対し角度αで、積層体に亘って横に伸びる。一の実施態様においては、角度αが約20〜約70度であり、他の実施態様においては約40〜約50度である。該糸は、ポリビニルアルコール結合剤等の結合剤を用いて、相互に接着されていることが好ましい。
【0041】
他の実施態様において、補強層は、代替の繊維ガラススクリムを含むことができる。該繊維ガラススクリムは、第一面に位置した第一複数糸、第二面に位置した第二複数糸、及び第三面に位置した第三複数糸を含むことができる。第一複数糸及び第三複数糸は、積層体の長さに沿って縦方向に伸びる。第二複数糸は、通常、第一複数糸に対し角度αで、積層体に亘って横に伸びる。角度αは、通常、約20〜約70度とすることができ、約40〜約45度であることが好ましい。第二複数糸の構成は、十字重ね構造に起因する。特に、複数糸は、層の幅に亘って角度αを形成するためにアコーディオン型に折り畳まれ、最後に層の全体の長さに亘って完全な被覆を達成するために同様の角度で幅に亘って伸ばされる。
【0042】
有用なスクリムとしては、市販されているものが挙げられる。例えば、ガラス繊維スクリムは、商品名STYLE(登録商標)930120(Milliken&Co.; スパータンバーグ, サウスカロライナ州)で市販されており、また、JP Stevens(グリーンビル, サウスカロライナ州)から市販されている。アルミニウムスクリムは、Pfifer Wireアルミニウムスクリーンドアストック(Phifer Wire Products, Inc.;タスカルーサ, アラバマ州)として市販されている。
【0043】
一以上の実施態様において、一層以上の補強層(例えば、補強層16、24又は28)は、スクリムの代わりに高分子層を含むことができる。この補強高分子層を、ASTM D-696により測定された、2.5×10-5未満、他の実施態様においては2.4×10-5未満、他の実施態様においては2.3×10-5未満、及び他の実施態様においては2.1×10-5未満の線膨張率(CLTE)によって特徴づけることができる。
【0044】
高分子補強層24及び/又は28の厚さは、約5〜約100ミル、他の実施態様においては約10〜約70ミル、及び他の実施態様においては約20〜約40ミルとすることができる。
【0045】
一以上の実施態様において、高分子補強層には、高分子材料と、高分子層のCLTEを低減するのに役立つ充填剤とを含むことができる。該充填剤を、充填剤用マトリクスとして作用する高分子材料と共に高分子層の全体にわたって分散させることができる。有用な充填剤としては、炭酸カルシウム、グラファイト、ガラスビーズ、シリカ及びクレー微小球(ナノ複合材料)が挙げられる。高分子層のマトリクスとして作用し得る高分子材料としては、熱可塑性材料を挙げることができる。一以上の実施態様においては、熱可塑性材料をキャップ層(例えば、キャップ層12又は30)に適合することができ、他の実施態様においては、熱可塑性材料をフォーム層(例えば、フォーム層15又はフォーム層22及び26)に適合することもできる。一以上の実施態様において、この適合性には、高分子材料がキャップ層及び/又はフォーム層に接着する能力が含まれる。有用な高分子材料の例としては、ポリプロピレン及びプロピレン系共重合体が挙げられる。有用なプロピレン系共重合体としては、ポリプロピレンと、エチレン又はブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、ヘプテン-1及びオクテン-1等の高級α-オレフィン等のコモノマーとの共重合体が挙げられる。
【0046】
本発明の高分子補強層を形成するのに有用となり得る充填剤入り高分子材料は、市販されている。例えば、充填剤入り高分子は、商品名SEQUEL(登録商標)(Solvay)及びCURVE(登録商標)(Amoco)で市販されている。
【0047】
フレーム20は、木材、金属及び重合体を含む種々の材料から製造され得る。一の実施態様において、該フレームとしては、正方形で内径2インチのアルミニウム箱等の中空アルミニウム管材が挙げられる。
【0048】
絶縁材22を上記フレーム20の隙間に位置することができる。種々の絶縁材は、当技術分野において知られており、本発明を実施するのに使用されることができる。有用な絶縁材としては、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン及び発泡ポリスチレン等の発泡熱可塑性材料が挙げられる。また、ポリウレタンフォーム及びポリイソシアヌレートフォーム等の発泡熱硬化性樹脂を使用することもできる。更に、有用な絶縁材としては、繊維ガラス及びセルロース等の繊維性材料が挙げられる。
【0049】
他の実施態様において、絶縁層18には、フレーム20が含まれない。代わりに、絶縁材22は、フレームの必要性を取り除く強固な材料を含む。例えば、絶縁材としては、強固なポリウレタン又はポリイソシアヌレートのフォームボードを挙げることができる。
【0050】
種々の材料を、内側表面層21を形成するのに使用することができる。当技術分野に知られているように、種々の合成材料は、美学的に見て美しい表面を作り出し、一般に室内で経験される環境要因又はインテリアに対する耐性を任意に提供するのに使用されることができる。例えば、ビニルフィルム又は織物を製造して、美学的に見て美しい外観を有し、一定水準の耐汚染性及び耐摩耗性を提供することができる。内側表面層24を形成するのに使用することができる他の材料又は物質としては、壁紙、壁装材、パネル等のカバーが挙げられる。有用なパネルは、商品名Tambour(登録商標)(National Products, L.L.C., ルイビル, KY)で市販されている。壁装材は、Bolta(登録商標)又はEssex(登録商標)(Omnova Solutions, Inc., フェアローン, OH)等の商品名で市販されている。壁紙は、Arabella SW9RA1807(The Sherwin-Williams Company, クリーブランド, OH)等の種々の商品名で市販されている。
【0051】
一の実施態様においては、外側部分17(例えば、保護層12、フォーム層14及び15、並びに補強層16)を連続工程で作製することができる。一の実施態様において、フォーム層14及び15の気泡材料(例えば、ポリプロピレン)は、押出ダイから押し出され、フォームを形成する。フォームを形成するのに使用され得る押出装置及び押出ダイは、通常のもので、当技術分野においてよく知られている。種々の発泡剤を、上述の通り、使用することができる。フォームは、ダイから出ると同時に発泡するので、発泡するフォームは補強層と接触することができる。一の実施態様においては、スクリムを二つの垂直に位置したダイの間に垂直に与えることができる。次に、フォーム及びスクリムを、外側層の所望の幅に離れて位置する油圧アーム上に取り付けられた、第一ロール、第二ロール、第三ロール及び第四ロール等の一連のロールを通して与えることができる。第三ロール及び第四ロールの間等、フォーム及びスクリム層が接触する下流の位置で、押出ダイをフォーム及びスクリム製品に隣接して位置することができる。保護層12を、通常の押出技術を用いることにより、スクリム及びフォーム製品上に該ダイを通して押し出すことができる。結果として生じる製品は、極めて柔軟であり、250mまで有利に伸ばすことができるロールに巻き取ることができる。また、組立用積層体を約4mまでの幅に有利に製造することができる。
【0052】
一以上の実施態様においては、上記積層体を、キャップ層及び高分子補強層を共押出しすることにより形成することができる。例えば、図6に関して、キャップ層30及び補強層28を共押出しすることができ、ここで、補強層28は、押出し可能な高分子材料(例えば、充填剤入り重合体)を含む。一以上の実施態様において、上記熱成形可能な材料の共押し出しは、複合積層体を形成する。次に、この積層体を、フォームを押し出すことができるプラットフォーム又はベースとして使用することができる。或いは、まず、フォームを形成した後に、補強層及びキャップ層を共押出ししてもよい。
【0053】
外側部分及び内側部分の両方を含むサイディングパネルを製造する際に、該外側部分(例えば、図6の積層体20)は、通常の締結装置又は接着剤を用いることにより、内側部分(例えば、フォーム及び絶縁材)に締め付けられ又は接着され得る。一以上の実施態様においては、外側部分を、湿分硬化性ポリウレタン等の反応性ホットメルト接着剤を用いることにより、内側部分に接着することができる。
【0054】
用いる保護キャップによって、本発明の一部の実施態様は、耐引掻性及びくぼみ抵抗性に有利である。また、一部の実施態様において、組立用積層体は、古典的な加熱溶接によって修理することが著しく容易である。更に、一部の実施態様は、直射日光について色彩堅牢性があり、有利な耐候性を有する。また、一部の実施態様の最終製品は、継ぎ目のないものとすることができる。
【0055】
また、一部の実施態様の組立用厚板は、従来技術において使用された組立用積層体より重量を軽くすることができる。例えば、本発明の一部の実施態様においては、外側層17(即ち、保護層12、フォーム層14及び補強層16)を、より少ない約1.5g/m2〜約0.7g/m2、他の実施態様においては約0.95g/m2〜約0.75g/m2、他の実施態様においては約0.85g/m2の密度を有することにより特徴づけることができる。更に、一部の実施態様においては、外側層17を、約1.5〜約0.7ミル、他の実施態様においては約0.95〜約0.75ミル、他の実施態様においては約0.90〜約0.80ミル、最も好ましくは約0.85ミルの幅を有することにより有利に特徴づけることができる。
【0056】
本発明の一部の実施態様の積層体は、重り付ダーツを2インチの高さから落とした場合に、落下するダーツが約80ポンドに重みを加えられたとき、また、場合によっては該ダーツが約140ポンドに重みを加えられたときに、積層体が水等の液体の漏れを許容しないように落槍衝撃試験を耐え抜くことができる。一部の実施態様において、層12は、耐候性試験の500時間後に目立った色ずれがない。
【0057】
一の特定の実施態様において、本発明の組立用積層体は、ポリプロピレンフォーム層、繊維ガラススクリム補強層、及びポリプロピレン−アクリル樹脂のグラフト共重合体を含む保護キャップを含む。有用なスクリムとしては、商品名Style(登録商標)930120(Milliken&Co.; スパータンバーグ, サウスカロライナ州)で市販されているものが挙げられ、ポリプロピレン−アクリル樹脂のグラフト共重合体は、商品名Interlay(登録商標)W1095H1で市販されている。
【0058】
本発明の組立用積層体は、レクリエーショナルビークルの壁を形成するのに特に有用である。レクリエーショナルビークルは、キャンピングカー、トレーラー、ボート、小型トラックキャンパー及びハイブリッドキャンピングトレーラーを含む。また、本発明の組立用積層体を、トラックトレーラーの外装を作製するのに使用することができる。
【0059】
本発明の範囲及び精神から逸脱しない種々の変更及び変化が、当業者に明らかになる。本発明は、本願において説明する具体例に正当に制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、レクリエーショナルビークルの組立てに使用される従来技術の組立用積層体の断面図である。
【図2】図2は、本発明の一以上の実施態様に従う組立用積層体の側面の断面図である。
【図3】図3は、組立用積層体の外側層の一の実施態様の断面図である。
【図4】図4は、組立用積層体の外側層の一の実施態様の断面図である。
【図5】図5は、本発明に有用な強化用スクリムの立面図である。
【図6】図6は、本発明の一以上の実施態様の組立用積層体の断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 積層体
2 繊維ガラス層
3 ラワン合板層
4 絶縁層
5 フレーム
6 発泡ポリスチレン
7 ラワン合板層
8 内側表面層
9 外側層
10 内側層
12 保護層
13 内側部分又は層
14 フォーム層
15 フォーム層
16 補強層
17 外側部分又は層
18 絶縁層
20 フレーム又は積層体
21 内側表面層
22 絶縁材又は第一フォーム層
24 第二補強層
26 第二フォーム層
28 第二補強層
30 外側キャップ層又はスクリム
32 第一複数糸
34 第二複数糸
36 第三複数糸
38 第四複数糸
100 サイディング又はシェル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一フォーム層;該第一フォーム層と接した第一補強層;該第一補強層に接して且つ該第一補強層について第一フォーム層の反対側に位置した第二フォーム層;該第二フォーム層に接して且つ該第二フォーム層について第一補強層の反対側に位置した第二補強層;及び該第二補強層に接した保護層を備える組立用積層体。
【請求項2】
前記第二補強層が、高分子マトリクス内に分散した充填剤を含む高分子層を含む請求項1に記載の組立用積層体。
【請求項3】
前記高分子層が、2.5×10-5未満の線形熱膨張率を有する請求項2に記載の組立用積層体。
【請求項4】
前記高分子マトリクスが、ポリプロピレン、プロピレン系共重合体又はそれらの混合物を含む請求項3に記載の組立用積層体。
【請求項5】
前記充填剤が、炭酸カルシウム、グラファイト、ガラスビーズ、シリカ及びクレー微小球からなる群から選択される請求項4に記載の組立用積層体。
【請求項6】
前記保護層が、熱成形可能な樹脂を含む請求項1に記載の組立用積層体。
【請求項7】
前記熱成形可能な樹脂が、ポリプロピレン及びアクリル樹脂のグラフト共重合体を含む請求項6に記載の組立用積層体。
【請求項8】
前記グラフト共重合体が、アクリル樹脂約30〜約70重量%及びポリプロピレン約70〜約30重量%を含む請求項7に記載の組立用積層体。
【請求項9】
フレーム及び内側層を含む内側構造と組み合わせた請求項1に記載の組立用積層体。
【請求項10】
組立用積層体を含む壁を備えたレクリエーショナルビークルであって、該積層体が外側層及び内側層を含み、該外側層が保護キャップ、少なくとも一層のフォーム層、該フォーム層と接する第一補強層、第二補強層、及び該第二補強層に接する保護層を含むことを特徴とするレクリエーショナルビークル。
【請求項11】
前記保護キャップが、ポリプロピレン及びアクリル樹脂のグラフト共重合体を含み、前記フォーム層の一層又は二層がポリプロピレンを含み、前記補強層がガラス繊維スクリムを含み、前記内側層がビニル樹脂を含む請求項10に記載のレクリエーショナルビークル。
【請求項12】
前記積層体は、実質的にラワン合板が全くない請求項10に記載のレクリエーショナルビークル。
【請求項13】
前記保護層は、実質的にガラス繊維が全くない請求項1に記載の組立用積層体。
【請求項14】
少なくとも一層のフォーム層;該少なくとも一層のフォーム層に接した補強層;及び保護層を備える組立用積層体。
【請求項15】
保護キャップ層、補強高分子層、及びフォーム層を含む組立用積層体の形成方法であって、キャップ層及び充填剤入り高分子層を共押出しし、二層一体化した積層体を形成する工程と、フォーム層を押出す工程とを備えることを特徴とする組立用積層体の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−508123(P2008−508123A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523862(P2007−523862)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/027079
【国際公開番号】WO2006/015257
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(505387211)ビーエフエス デバーシファイド プロダクツ エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】