説明

経路探索システム及び経路探索方法のプログラム

【課題】運転者が意図した経路を探索することができ、経路を探索するための操作を簡素化することができるようにする。
【解決手段】媒体を装着するための装着部と、前記媒体が装着部に装着されているかどうかを判断する媒体装着判定処理手段と、前記媒体が装着部に装着されているかどうかによって運転者の意図を判定する意図判定処理手段と、運転者の意図に基づいて経路を探索する探索処理手段とを有する。媒体が装着部に装着されているかどうかによって運転者の意図が判定され、運転者の意図に基づいて経路が探索されるので、運転者が意図した経路を探索することができるとともに、経路を探索するための操作を簡素化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路探索システム及び経路探索方法のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、例えば、GPS(グローバルポジショニングシステム)によって車両の現在の位置、すなわち、現在地が検出されるとともに、ジャイロセンサによって検出された車両の回転角速度、すなわち、旋回角に基づいて、車両の方位、すなわち、自車方位が検出され、データ記録部から地図データが読み出され、表示部に地図画面が形成され、該地図画面に、現在地を表す自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位が表示されるようになっている。したがって、操作者である運転者は、前記地図画面に表示された自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0003】
また、運転者が目的地を入力し、探索条件を設定すると、該探索条件に基づいて現在地で表される出発地から目的地までの経路が探索される。そして、探索された経路、すなわち、探索経路は前記地図画面に自車位置と共に表示される。したがって、運転者は表示された探索経路に沿って車両を走行させることができる。
【0004】
ところで、高速道路、有料道路等の道路、すなわち、高速・有料道等においてETC(有料道路自動料金収受)システムが配設されている場合、ETC装置を搭載した車両が入口又は出口に配設されたゲートを通過する際に、料金が自動的に収受されるようになっている。そして、運転者は、高速・有料道等を利用する意図がある場合には、ETC装置にETCカードを挿入して車両を走行させ、高速・有料道等を利用する意図がない場合には、ETC装置にETCカードを挿入することなく車両を走行させる。ところが、ETC装置にETCカードが挿入されていなくても、ナビゲーション装置において所定の目的地までの経路を探索すると、探索経路に高速・有料道等が含まれる可能性があり、運転者が意図しない経路が探索されてしまう。
【0005】
そこで、経路を探索するに当たり、所定の操作をすることによって、運転者にETCシステムを利用する意図がない場合と、ETCシステムを利用する意図がある場合とで設定を切り換えるようにした車載用経路案内装置が提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−303522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、運転者が所定の操作部を操作することによってETCシステムを利用するかしないかの設定を切り換える必要があるので、操作が煩わしくなってしまう。
【0007】
本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、運転者が意図した経路を探索することができ、経路を探索するための操作を簡素化することができる経路探索システム及び経路探索方法のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の経路探索システムにおいては、媒体を装着するための装着部と、前記媒体が装着部に装着されているかどうかを判断する媒体装着判定処理手段と、前記媒体が装着部に装着されているかどうかによって運転者の意図を判定する意図判定処理手段と、運転者の意図に基づいて経路を探索する探索処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、媒体が装着部に装着されているかどうかによって運転者の意図が判定され、運転者の意図に基づいて経路が探索されるので、運転者が意図した経路を探索することができるとともに、経路を探索するための操作を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示すブロック図である。
【0012】
図1において、14は情報端末、例えば、車両に搭載された第1の車載装置としてのナビゲーション装置であり、該ナビゲーション装置14は、現在地を検出する現在地検出部としてのGPSセンサ15、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部16、各種のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能し、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、自車方位を検出する方位検出部としての方位センサ18、図示されないカード類を装着するための装着部30、操作者である運転者が操作することによって所定の入力を行うための第1の入力部としての操作部34、図示されない画面に表示された画像によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第1の出力部としての表示部35、音声によって所定の入力を行うための第2の入力部としての音声入力部36、音声によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第2の出力部としての音声出力部37、及び通信端末として機能する送受信部としての通信部38を備え、前記ナビゲーション処理部17に、前記GPSセンサ15、データ記録部16、方位センサ18、装着部30、操作部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。また、前記ナビゲーション処理部17には、車両に搭載された第2の車載装置としてのETC装置40、及び車速検出部としての車速センサ39も接続される。
【0013】
前記GPSセンサ15は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在地を検出し、併せて時刻を検出する。本実施の形態においては、現在地検出部としてGPSセンサ15が使用されるが、該GPSセンサ15に代えて図示されない距離センサ、ステアリングセンサ、高度計等を単独で、又は組み合わせて使用することもできる。また、前記方位センサ18としてジャイロセンサ、地磁気センサ等を使用することができる。
【0014】
前記データ記録部16は、地図データファイルから成る地図データベース、統計データファイルから成る統計データベース、走行履歴データファイルから成る走行履歴データベース等が形成され、前記地図データベースに地図データが、統計データファイルに統計データが、走行履歴データファイルに走行履歴データが記録される。なお、前記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するためのデータも記録される。また、前記地図データには、交差点に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、道路リンク及び道路種別に関する道路データ、探索用に加工された探索データ、施設に関する施設データ等が含まれる。
【0015】
前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行う制御装置としてのCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用される第1の記録媒体としてのRAM32、制御用のプログラムのほか、経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録された第2の記録媒体としてのROM33、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される第3の記録媒体としての図示されないフラッシュメモリを備える。なお、前記制御装置として、CPU31に代えてMPU等を使用することもできる。
【0016】
また、前記データ記録部16は、前記各種のデータを記録するために、第4の記録媒体として、ハードディスク、CD、DVD、光ディスク等の図示されないディスクを備えるほかに、各種のデータを読み出したり、書き込んだりするための読出・書込ヘッド等の図示されないヘッドを備える。なお、前記データ記録部16に第5の記録媒体としてのメモリカード等を使用することができる。
【0017】
ところで、前記ROM33に各種のプログラムを記録し、前記データ記録部16に各種のデータを記録することができるが、プログラム、データ等をディスク等に記録することもできる。この場合、ディスク等から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに書き込むことができる。したがって、ディスク等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。また、車両に搭載された図示されない自動変速機の制御を行うために自動変速機制御装置が搭載されている場合には、該自動変速機制御装置の制御用のプログラム、データ等も前記ディスク等に記録することができる。さらに、通信部38を介して前記プログラム、データ等を受信し、フラッシュメモリに書き込むこともできる。
【0018】
前記装着部30には、無線カード、メモリカード、HDDカード、クレジットカード等の各種のカード類を挿脱することができるようになっていて、そのために、所定の数のスロットが形成される。そして、該スロットに、例えば、無線カードが挿入されると、該無線カードの機能に従ってホットスポットとの間で通信を行うことができ、前記メモリカード又はHDDカードが挿入されると、メモリカード又はHDDカードに所定の情報、データ等を書き込んだり、メモリカード又はHDDカードから所定の情報、データ等を読み出したりすることができ、クレジットカードが挿入されると、該クレジットカードを使用することができる提携の施設の情報を読み出すことができる。なお、前記各カード類は、必要に応じて、各カード類を認証するための所有者の情報を記録したり、各カード類を使用した履歴情報等を記録したりするための記録部を備える。また、前記各カード類は、挿脱に伴って、運転者の意図を伝達するための媒体として機能し、前記メモリカード、HDDカード等によって記録カードが構成される。なお、前記各カード類に代えて、スティック状の装着体を使用し、運転者の意図を伝達するための媒体として機能させることもできる。
【0019】
前記操作部34は、運転者が操作することによって、走行開始時の現在地を修正したり、出発地及び目的地を入力したり、通過点を入力したり、通信部38を作動させたりするためのものであり、前記操作部34として、表示部35とは独立に配設されたキーボード、マウス等を使用することができる。また、前記操作部34として、前記表示部35に形成された画面に画像で表示された各種のキー、スイッチ、ボタン等の画像操作部をタッチ又はクリックすることによって、所定の入力操作を行うことができるようにしたタッチパネルを使用することができる。
【0020】
前記表示部35としてはディスプレイを使用することができる。そして、表示部35に形成された各種の画面に、現在地を表す自車位置、地図、探索経路、該探索経1に沿った案内情報、交通情報等を表示したり、探索経路における次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向を表示したりすることができるだけでなく、前記画像操作部、操作部34、音声入力部36等の操作案内、操作メニュー、キーの案内等を表示したり、FM多重放送の番組等を表示したりすることができる。
【0021】
また、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部37から、前記探索経路、案内情報、交通情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。
【0022】
前記通信部38は、第1の情報提供者としてのVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の図示されない道路交通情報センタから送信された各種の情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するためのビーコンレシーバ、FM放送局を介してFM多重放送として受信するためのFM受信機等を備える。そして、前記ビーコンレシーバによって、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等の交通情報を受信したり、前記FM受信機によって交通情報のほかに、ニュース、天気予報等の一般情報をFM多重情報として受信したりすることができる。なお、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0023】
また、通信部38は、第2の情報提供者としての情報センタ51から交通情報、一般情報等の各種の情報を受信することもできる。そのために、前記通信部38と情報センタ51の通信部57とはネットワーク43を介して接続される。該ネットワーク43として、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信回線網等を使用することができる。そして、前記ナビゲーション装置14、ETC装置40、道路交通情報センタ、情報センタ51、ネットワーク43等によってナビゲーションシステムが構成される。
【0024】
前記ETC装置40は、該ETC装置40の全体の制御を行う制御装置としてのCPU41、該CPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用される第6の記録媒体としてのRAM42、制御用のプログラムのほか、高速・有料道における料金の収受を行う図示されない管理センタとの間で通信等を行うための各種のプログラムが記録された第7の記録媒体としてのROM43、図示されないETCカードを装着するための装着部44、及び前記管理センタとの間、及びナビゲーション処理部17との間で通信を行う通信部45を備える。なお、前記制御装置として、CPU41に代えてMPU等を使用することもできる。
【0025】
そして、前記ETC装置40に、ETCカードを挿脱するためのスロットが形成され、前記ETCカードは、該ETCカードを認証するための所有者の情報、並びにETC装置40及び車両を特定するためのETC装置40及び車両の情報を記録したり、ETCカードを使用した履歴情報等を記録したりするための記録部を備える。そして、前記ETCカードは、挿脱に伴って、運転者の意図を伝達するための媒体として機能する。なお、ETCカードに代えて、スティック状の装着体を使用し、運転者の意図を伝達するための媒体として機能させることもできる。そして、前記装着部44のスロットにETCカードが挿入されると、高速・有料道の入口又は出口に配設されたゲートを車両が通過するのに伴って、料金が自動的に収受される。
【0026】
また、前記情報センタ51は、サーバ53、該サーバ53に接続された通信部57及び情報記録部としてのデータベース(DB)58等を備え、前記サーバ53は、制御装置としてのCPU54、RAM55、ROM56等を備え、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。また、前記データベース58に前記データ記録部16に記録された各種のデータと同様のデータを記録することができる。前記CPU54に代えてMPU等を使用することができる。
【0027】
なお、前記ナビゲーション処理部17及びサーバ53のほかに、CPU31、41、56をコンピュータとして機能させたり、CPU31、41、56、ナビゲーション処理部17及びサーバ53を組み合わせてコンピュータとして機能させたりすることができる。
【0028】
次に、前記構成のナビゲーションシステムの基本動作について説明する。
【0029】
まず、運転者によって前記操作部34が操作され、ナビゲーション装置14が起動されると、該ナビゲーション装置14において、CPU31の図示されないナビ初期化処理手段は、ナビ初期化処理を行い、GPSセンサ15によって検出された現在地、及び方位センサ18によって検出された自車方位を読み込むとともに、各種のデータを初期化する。なお、前記CPU31の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、読み込まれた現在地の軌跡、及び周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、現在地がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行うことによって、現在地を特定する。
【0030】
このとき、ETC装置40において、CPU41の図示されないETC初期化処理手段は、ETC初期化処理を行い、通信部45を立ち上げる。続いて、CPU41の図示されない挿入判定処理手段は、挿入判定処理を行い、装着部44の状態を読み込み、前記スロットにETCカードが挿入されたかどうかを判断し、前記スロットにETCカードが挿入された場合、CPU41の図示されない認証処理手段は、認証処理を行い、ETCカードの認証を行う。
【0031】
続いて、CPU31の図示されない第1の情報取得処理手段は、第1の情報取得処理を行い、前記地図データをデータ記録部16から読み出して取得するか、又は通信部38を介して情報センタ51等から受信して取得する。なお、情報センタ51から取得する場合、前記第1の情報取得処理手段は、受信した地図データをフラッシュメモリ等にダウンロードする。また、地図データを通信部38を介して取得する際にプログラムを併せて取得することもできる。
【0032】
そして、前記CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部35に地図画面を形成し、該地図画面に自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位を表示する。したがって、運転者は、表示された前記自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0033】
また、運転者が操作部34を操作して目的地を入力すると、CPU31の図示されない目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。なお、必要に応じて出発地を入力し、設定することもできる。また、あらかじめ所定の地点を登録しておき、登録された地点を目的地として設定することができる。
【0034】
そして、目的地が設定されると、CPU31の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記現在地、目的地等を読み込み、現在地、目的地、地図データ、各カード類の装着状態等に基づいて、現在地で表される出発地から目的地までの経路を探索する。
【0035】
そして、前記CPU31の図示されない経路案内処理手段は、経路案内処理を行い、探索経路に従って運転者に経路案内を行う。そのために、前記経路案内処理手段の経路表示処理手段は、経路表示処理を行い、前記探索経路を構成する経路データを読み込み、該経路データに従って、前記地図画面に探索経路を表示する。
【0036】
なお、必要に応じて、前記経路案内処理手段の音声出力処理手段は、音声出力処理を行い、音声出力部37から探索経路を音声で出力して経路案内を行う。
【0037】
ところで、前述されたように、前記ナビゲーション装置14は、前記通信部38を介して、道路交通情報センタから直接に、又は情報センタ51を介して間接的に交通情報、一般情報等を受信することができるようになっている。そのために、前記CPU31の図示されない第2の情報取得処理手段は、第2の情報取得処理を行い、前記交通情報、一般情報等を付加情報として受信して取得する。
【0038】
前記道路交通情報センタ等から受信する交通情報は、情報の種別を表す情報種別データ、メッシュとしての2次メッシュを特定するための2次メッシュX、Yデータ、道路リンクLiを特定し、かつ、上り/下りの別を表すリンク番号データ、該リンク番号データに対応させて提供される情報の内容を表すリンク情報を含み、該リンク情報は、例えば、前記道路リンクLiの始点から渋滞の先頭までの距離を表す渋滞先頭データ、渋滞度VJi(i=1、2、…、N)を表す渋滞度データ、渋滞区間を前記渋滞の先頭から渋滞の末尾までの渋滞長(距離)によって表す渋滞長データ等から成る。なお、前記渋滞度VJiは、渋滞の度合いを表す渋滞指標として使用され、渋滞、混雑及び非渋滞の別で表される。
【0039】
このようにして交通情報が取得されると、CPU31の図示されない交通情報表示処理手段は、交通情報表示処理を行い、例えば、取得された交通情報の渋滞情報として前記渋滞度VJi等に基づいて、渋滞状況を表す交通状況指標としての渋滞矢印、渋滞帯等を作成し、該渋滞矢印、渋滞帯等を前記地図画面上の道路に沿って表示するようにしている。
【0040】
したがって、運転者は、車両を走行させる予定の経路、探索経路等における渋滞状況を知ることができる。なお、前記渋滞度VJiに応じて前記渋滞矢印、渋滞帯等の色が、赤、橙(だいだい)、青等にされ、例えば、渋滞である場合に赤に、混雑である場合に橙に、非渋滞である場合に青にされる。
【0041】
次に、前記経路探索処理手段の動作について説明する。
【0042】
図2は本発明の第1の実施の形態における経路探索処理手段の動作を示すフローチャート、図3は本発明の第1の実施の形態における経路探索処理の第1の形態を示す図、図4は本発明の第1の実施の形態における経路探索処理の第2の形態を示す図、図5は本発明の第1の実施の形態における経路探索処理の第3の形態を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態における経路探索処理の第4の形態を示す図である。
【0043】
まず、前記経路探索処理手段の媒体装着判定処理手段は、媒体装着判定処理を行い、ETCカードがETC装置40(図1)に装着されているかどうかを、ETCカードが装着部44のスロットにあらかじめ挿入されているかどうかによって判断し、装着部44のスロットにあらかじめ挿入されている場合、経路探索処理手段の媒体認証判定処理手段は、媒体認証判定処理を行い、ETC装置40において既にETCカードの認証が行われたかどうかを判断する。そして、既にETCカードの認証が行われた場合、経路探索処理手段の意図判定処理手段は、意図判定処理を行い、ETCカードが挿入されていることによる運転者の意図を判定し、運転者が有料・高速道を利用しようとしていると判断する。そして、経路探索処理手段のコスト変更処理手段は、コスト変更処理を行い、経路探索処理においてコストの計算の対象となる道路種別である有料・高速道のコストを低くする。なお、道路種別には、有料・高速道のほかに国道、県道等の一般道があり、コスト変更処理手段は、有料・高速道のコストを低くする代わりに他の道路種別の道路である一般道のコストを高くすることができる。また、前記経路探索処理において、前記有料・高速道は、運転者の意図する探索対象施設を構成する。
【0044】
なお、本実施の形態において、前記探索対象施設は、経路探索処理が行われる際に探索の対象となる有料・高速道等の道路を意味するが、経路探索処理が行われる際に探索の対象となるものとして、道路のほかに道路リンク、施設、地点、座標等をも意味する。
【0045】
続いて、経路探索処理手段の探索処理手段は、探索処理を行い、コスト変更処理手段によって変更されたコストに従って経路を探索する。
【0046】
このように、ETCカードが装着部44のスロットにあらかじめ挿入されている場合、図3に示されるように、探索処理が行われるのに伴って、一般道r1を通り、インターチエンジICから有料・高速道hwに入る探索経路Rt(破線で示される。)が設定される。なお、図3において、Prは自車位置、r2は一般道、m1〜m3は渋滞帯である。
【0047】
一方、ETCカードがあらかじめ挿入されていない場合、前記意図判定処理手段は、ETCカードが挿入されていないこと(未挿入)による運転者の意図を判定し、運転者が有料・高速道を利用しようとしていないと判断する。そして、探索処理手段は、変更されないままのコストに従って経路を探索する。
【0048】
このように、ETCカードが装着部44のスロットにあらかじめ挿入されていない場合、図4に示されるように、探索処理が行われるのに伴って、一般道r1を通る探索経路Rt(破線で示される。)が設定される。
【0049】
続いて、車両の走行に伴って、前記媒体装着判定処理手段は、ETCカードが装着されているかどうかを、ETCカードの状態の遷移があるかどうかによって判断する。
【0050】
ETCカードの状態の遷移があり、ETCカードが装着部44のスロットから抜き取られ、挿入から未挿入へ遷移した場合、前記意図判定処理手段は、ETCカードが抜き取られたことによる運転者の意図を判定し、運転者が有料・高速道を利用しようとしていないと判断する。そして、経路探索処理手段の通知処理手段は、通知処理を行い、地図画面に「ETCカードが抜き取られました。ETCカードが利用できる施設を避けて探索を行います。」のメッセージを表示することによって経路の再探索が行われることを運転者に通知する。続いて、前記コスト変更処理手段は、有料・高速道のコストを元に戻し、前記探索処理手段は、コスト変更処理手段によって変更されたコストに従って経路を探索する。
【0051】
このように、ETCカードが装着部44のスロットから抜き取られた場合、図5に示されるように、地図画面に前記メッセージが表示された後、探索処理が行われるのに伴って、一般道r1を通る探索経路Rtが設定される。
【0052】
また、ETCカードの状態の遷移があり、ETCカードが装着部44のスロットに挿入され、未挿入から挿入へ遷移した場合、前記媒体認証判定処理手段は、ETC装置40においてETCカードの認証が行われたかどうかを判断する。そして、ETCカードの認証が行われた場合、前記意図判定処理手段は、ETCカードが挿入されていることによる運転者の意図を判定し、運転者が有料・高速道を利用しようとしていると判断する。続いて、前記通知処理手段は、地図画面に「ETCカードが挿入されました。ETCカードが利用できる施設を優先に探索を行います。」のメッセージを表示することによって経路の再探索が行われることを運転者に通知する。そして、前記コスト変更処理手段は、有料・高速道のコストを低くし、前記探索処理手段は、コスト変更処理手段によって変更されたコストに従って経路を探索する。
【0053】
このように、ETCカードが新たに装着部44のスロットに挿入された場合、図6に示されるように、地図画面に前記メッセージが表示された後、探索処理が行われるのに伴って、一般道r1を通り、インターチエンジICから有料・高速道hwに入る探索経路Rtが設定される。
【0054】
このように、ETCカードの挿脱に伴って、運転者の意図が自動的に判定され、判定結果に基づいて経路が探索されるようになっているので、運転者が意図した経路を探索することができるとともに、経路を探索するための操作を簡素化することができる。
【0055】
なお、有料・高速道において、出口専用のETCゲートを備えたインターチエンジ、又は入口専用のETCゲートを備えたインターチエンジがある場合、ETCカードの挿入に伴って、前記ETCゲートを備えた各インターチエンジを対象にして経路を探索することができる。
【0056】
次に、図2のフローチャートについて説明する。
ステップS1 ETCカードが挿入されているかどうかを判断する。ETCカードが挿入されている場合はステップS2に、挿入されていない場合はステップS4に進む。
ステップS2 ETCカードの認証が行われたかどうかを判断する。ETCカードの認証が行われた場合はステップS3に、行われていない場合はステップS4に進む。
ステップS3 有料・高速道のコストを低くする。
ステップS4 探索処理を行う。
ステップS5 ETCカードの状態の遷移があるかどうかを判断する。ETCカードの状態が挿入から未挿入へ遷移した場合はステップS8に、ETCカードの状態が未挿入から挿入へ遷移した場合はステップS6に進み、ETCカードの状態の遷移が無い場合は処理を終了する。
ステップS6 ETCカードの認証が行われたかどうかを判断する。ETCカードの認証が行われた場合はステップS7に進み、行われていない場合はステップS4に戻る。
ステップS7 有料・高速道のコストを低くし、ステップS4に戻る。
ステップS8 有料・高速道のコストを元に戻し、ステップS4に戻る。
【0057】
ところで、前記実施の形態においては、ETCカードを装着部44のスロットに挿入するのに伴って、有料・高速道のコストを低くし、ETCカードを装着部44のスロットから抜き取るのに伴って、有料・高速道のコストが元に戻されるようになっているが、ETCカードを装着部44のスロットに挿入したり、装着部44のスロットから抜き取るのに伴って、目的地を変更することができる。次に、ETCカードの挿脱に伴って目的地を変更することができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0058】
図7は本発明の第2の実施の形態における経路探索処理手段の動作を示すフローチャートである。
【0059】
この場合、まず、前記媒体装着判定処理手段は、ETC装置40(図1)において、ETCカードが装着部44のスロットにあらかじめ挿入されているかどうかを判断し、装着部44のスロットにあらかじめ挿入されている場合、前記媒体認証判定処理手段は、ETC装置40において既にETCカードの認証が行われたかどうかを判断する。そして、既にETCカードの認証が行われた場合、前記意図判定処理手段は、ETCカードが挿入されていることによる運転者の意図を判定し、運転者が、ETCカードを使用することができる施設を利用しようとしていると判断する。そして、経路探索処理手段の目的地変更処理手段は、経路探索処理において経路を探索する際の対象となる目的地を、目的地設定処理において既に設定された目的地(以下「設定済み目的地」という。)と類似する施設で、かつ、ETCカードを使用することができる施設に変更する。なお、設定済み目的地と類似する施設とは、前記設定済み目的地と同じジャンルに属し、設定済み目的地から所定の距離の範囲内にある施設である。すなわち、例えば、設定済み目的地が所定の駐車場である場合、前記目的地変更処理手段は、目的地をETCカードを使用することができる駐車場に変更する。この場合、前記経路探索処理において、前記ETCカードを使用することができる施設は、運転者の意図する探索対象施設を構成する。
【0060】
続いて、前記探索処理手段は、目的地変更処理手段によって変更された目的地までの経路を探索する。
【0061】
一方、ETCカードがあらかじめ挿入されていない場合、前記意図判定処理手段は、ETCカードが挿入されていないことによる運転者の意図を判定し、運転者がETCカードを使用することができる施設を利用しようとしていないと判断する。そして、探索処理手段は、変更されないままの目的地に従って経路を探索する。
【0062】
続いて、前記媒体装着判定処理手段は、ETCカードの状態の遷移があるかどうかを判断する。
【0063】
ETCカードの状態の遷移があり、ETCカードが装着部44のスロットから抜き取られ、挿入から未挿入へ遷移した場合、前記意図判定処理手段は、ETCカードが抜き取られたことによる運転者の意図を判定し、運転者がETCカードを使用することができる施設を利用しようとしていないと判断する。そして、前記通知処理手段は、地図画面に図5と同様のメッセージを表示することによって経路の再探索が行われることを運転者に通知する。続いて、前記目的地変更処理手段は、目的地を変更して元に戻し、前記探索処理手段は、目的地変更処理手段によって変更された目的地までの経路を探索する。
【0064】
また、ETCカードの状態の遷移があり、ETCカードが装着部44のスロットに挿入され、未挿入から挿入へ遷移した場合、前記媒体認証判定処理手段は、ETC装置40においてETCカードの認証が行われたかどうかを判断する。そして、ETCカードの認証が行われた場合、前記意図判定処理手段は、ETCカードが挿入されていることによる運転者の意図を判定し、運転者がETCカードを使用することができる施設を利用しようとしていると判断する。続いて、前記通知処理手段は、地図画面に図6と同様のメッセージを表示することによって経路の再探索が行われることを運転者に通知する。続いて、前記目的地変更処理手段は、目的地を変更し、前記探索処理手段は、目的地変更処理手段によって変更された目的地までの経路を探索する。
【0065】
このように、ETCカードの挿脱に伴って、運転者の意図が自動的に判定され、判定結果に基づいて目的地が変更され、経路が探索されるようになっているので、運転者が意図した経路を探索することができるとともに、経路を探索するための操作を簡素化することができる。
【0066】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 ETCカードが挿入されているかどうかを判断する。ETCカードが挿入されている場合はステップS12に、挿入されていない場合はステップS14に進む。
ステップS12 ETCカードの認証が行われたかどうかを判断する。ETCカードの認証が行われた場合はステップS13に、行われていない場合はステップS14に進む。
ステップS13 目的地変更処理を行う。
ステップS14 探索処理を行う。
ステップS15 ETCカードの状態の遷移があるかどうかを判断する。ETCカードの状態が挿入から未挿入へ遷移した場合はステップS18に、ETCカードの状態が未挿入から挿入へ遷移した場合はステップS16に進み、ETCカードの状態の遷移が無い場合は処理を終了する。
ステップS16 ETCカードの認証が行われたかどうかを判断する。ETCカードの認証が行われた場合はステップS17に進み、行われていない場合はステップS14に戻る。
ステップS17 目的地変更処理を行い、ステップS14に戻る。
ステップS18 目的地変更処理を行い、ステップS14に戻る。
【0067】
前記各実施の形態においては、ETCカードの挿脱に伴って、運転者の意図を判定し、経路を探索する際のコストを変更したり、目的地を変更したりするようになっているが、各カード類の装着部30への挿脱に伴って、運転者の意図を判定し、経路を探索する際のコストを変更したり、目的地を変更したりすることができる。
【0068】
例えば、無線カードが前記装着部30のスロットに挿入されたときに、無線カードを使用して通信を行うことができる領域、すなわち、ホットスポットによる無線LANの領域内の、例えば、道路、道路リンク、施設、地点、座標等の運転者の意図する探索対象施設のコストを低くしたり、メモリカード又はHDDカードが装着部30のスロットに挿入されたときに、メモリカード又はHDDカードに記録された、例えば、道路、道路リンク、施設、地点、座標等の運転者の意図する探索対象施設のコストを低くしたり、目的地を、メモリカード又はHDDカードに記録された、例えば、施設、地点等の運転者の意図する探索対象施設に変更したり、クレジットカードが装着部30のスロットに挿入されたときに、目的地を、クレジットカードを使用することができる、例えば、提携の施設等の運転者の意図する探索対象施設に変更したりすることができる。
【0069】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における経路探索処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態における経路探索処理の第1の形態を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における経路探索処理の第2の形態を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における経路探索処理の第3の形態を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における経路探索処理の第4の形態を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における経路探索処理手段の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
14 ナビゲーション装置
17 ナビゲーション処理部
30、44 装着部
31、41、54 CPU
40 ETC装置
43 ネットワーク
51 情報センタ
53 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を装着するための装着部と、前記媒体が装着部に装着されているかどうかを判断する媒体装着判定処理手段と、前記媒体が装着部に装着されているかどうかによって運転者の意図を判定する意図判定処理手段と、運転者の意図に基づいて経路を探索する探索処理手段とを有することを特徴とする経路探索システム。
【請求項2】
運転者の意図する探索対象施設のコストを変更するコスト変更処理手段を有するとともに、前記探索処理手段は、変更されたコストに基づいて経路を探索する請求項1に記載の経路探索システム。
【請求項3】
前記媒体はETCカードであり、前記コスト変更処理手段は、前記ETCカードが装着部に装着されているときに、有料・高速道のコストを低くする請求項2に記載の経路探索システム。
【請求項4】
前記媒体は無線カードであり、前記コスト変更処理手段は、前記無線カードが装着部に装着されているときに、無線カードを使用して通信を行うことができる領域内の探索対象施設のコストを低くする請求項2に記載の経路探索システム。
【請求項5】
前記媒体は記録カードであり、前記コスト変更処理手段は、前記記録カードが装着部に装着されているときに、記録カードに記録された探索対象施設のコストを低くする請求項2に記載の経路探索システム。
【請求項6】
目的地を、運転者の意図する探索対象施設に変更する目的地変更処理手段を有するとともに、前記探索処理手段は、変更された目的地に基づいて経路を探索する請求項1に記載の経路探索システム。
【請求項7】
前記媒体はETCカードであり、前記目的地変更処理手段は、前記ETCカードが装着部に装着されているときに、目的地を、ETCカードを使用することができる探索対象施設に変更する請求項6に記載の経路探索システム。
【請求項8】
前記媒体は記録カードであり、前記目的地変更処理手段は、前記記録カードが装着部に装着されているときに、目的地を、記録カードに記録された探索対象施設に変更する請求項6に記載の経路探索システム。
【請求項9】
前記媒体はクレジットカードであり、前記目的地変更処理手段は、前記クレジットカードが装着部に装着されているときに、目的地を、クレジットカードを使用することができる探索対象施設に変更する請求項6に記載の経路探索システム。
【請求項10】
コンピュータを、媒体が装着部に装着されているかどうかを判断する媒体装着判定処理手段、前記媒体が装着部に装着されているかどうかによって運転者の意図を判定する意図判定処理手段、及び運転者の意図に基づいて経路を探索する探索処理手段として機能させることを特徴とする経路探索方法のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−145361(P2006−145361A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−335335(P2004−335335)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】