説明

結腸および胃の腺癌の処置に使用のための3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体

本発明は、式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩、式(I)の化合物の溶媒和物またはその塩の、結腸直腸または胃腺癌の処置のための使用に関する。
【化55】


式中、RおよびRは明細書中に定義され、そしてRは2または3個のアルコキシ基で置換されたフェニルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結腸直腸および胃の腺癌の処置のための3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
癌は、工業化国において最も頻繁な死因の一つであり、そして胃腸癌は中でも最も普通の癌のタイプである。しかしながら利用し得る原因療法は未だにない。結腸直腸癌の標準的療法は、基本的には一次的外科切除と、そして5−フルオロウラシル(5−FU)、リユコボリン、カペシタビン、イリノテカン、ベバシズマブ、セツキシマブおよびオキシプラチンのような剤を含む補助的細胞毒化学療法からなっている。根本的外科手術は治癒的胃癌治療の標準形を代表し、そして5−FU、リューコビシン、ドセタキセル、シスプラチンのような化学療法剤による処置およびしばしば同時の放射線療法を一般に伴う。これらの方法は患者のクオーリティ・オブ・ライフを非常に損なうので、療法の進歩に強い関心がある。特に癌処理の高度の細胞選択性の達成と、そして急速に分裂する癌細胞に突然変異が蓄積することによってしばしば発生する薬剤抵抗性の発現のような逃避メカニズムに注目が集中している。
【0003】
タンパクキナーゼはそのような改善治療計画のための標的分子の興味あるクラスである。これらのタンパクは、すべてのプロセスが癌の増殖および進行に関係している、細胞増殖、運動および死滅のコントロールに関係する細胞経路の大部分を調節することが知られている。事実チロシンキナーゼは主に成長因子受容体として作用する。タンパクキナーゼの脱調節は病気、特に癌の頻繁な原因である。トラスツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、リツキシマブおよびベバシズマブのような、そしてイマチニブ、ゲフィチニブ、エアロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブのような小分子を含んでいる、モノクローナル抗体を含むある種のタンパクキナーゼ阻害剤は、癌の処置のために有用である。
【0004】
抗癌剤の開発においてしばしば注目される生理学的プロセスは、損傷した、異常な、感染した、古いまたは余分な細胞を取り除く細胞死の制御された形であるアポプトシスである。特に、胃腸粘膜のような粘膜組織は、ホメオスタシスが主としてアポプトシスによって保たれている急速な上皮細胞入れ替えによって特徴付けられる。癌発達のコースにおいて細胞がアポプトシスを受ける能力は通常減少し、すなわち癌細胞がアポプトシス信号を全くまたは少ししか受付けなくなる。癌細胞においてアポプトシスの容易性を促進するかまたはアポプトシスを誘発する剤(プロアポプトチック剤)は、それ故結腸直腸または胃の腺癌を含む、癌の予防および/または治療に有用であり得る。事実、癌を処置する時、細胞外環境へ細胞中味および断片を放出し、そのため炎症および他の副作用を促進することを含む、不潔な壊死性細胞死へ導く癌細胞の激しい破壊を避けるのが望ましい。それ故害がより少ないプログラムされた細胞死(アポプトシス)を誘発することが好ましい。この生理学的プロセスは、周囲の組織中にトキシンまたはプロ炎症物質を放出することなく、規則正しい自己破壊へ導く。それ故、プロアポプトチック剤の適用は、投与量(およびそのため全身副作用)と、壊死性細胞死による二次的効果の両方の減少を許容するであろう、癌細胞のより非傷害的除去を達成するための、または癌細胞の慣用の処置に対する感受性を増大させるための魅力ある手段である。
【0005】
腫瘍を形成する癌の成長および転移にとって必須の一つの前提条件は、既存の毛細管内皮細胞からの新しい血管の形成を含むプロセスである脈管形成である。一定のサイズ、一般に約3mmに達した時、癌細胞のクラスターのさらなる成長は、細胞に酸素および他の必須栄養源を供給し、そして多分それらの代謝廃棄物を除去する脈管形成に完全に依存するようになる。確立された腫瘍から分裂する細胞は血管に入り、そして遠隔部位へ運ばれ、そこで二次腫瘍(転移)を開始する。腫瘍細胞は、プロ脈管形成因子、例えば、VEGF,FGF2,PDGFおよびインターロイキンの過発現により、しかし阻害因子、例えばトロンボスポンジンのダウンレギュレーションによっても脈管形成を促進し得る。一般に、これは高い微小脈管密度と、特に攻撃的挙動および高い転移傾向を有する腫瘍で特に顕著である。
【0006】
ヨハネスグーテンベルク大学マインツにおいて開発された小分子化合物のクラスである、モグンチノンは、腫瘍および脈管ターゲティング性質を持っている3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体を含んでいる。
【0007】
WO2006/061212は、脈管形成阻害剤である3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体を記載し、そして脈管形成および/または脈管機能不全の制御のためのそれらの使用を提案している。
【0008】
白血病の処置および予防のためのタンパクキナーゼFTL3に対して阻害効果を示す3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体がWO2009/071620に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体の新しい用途を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、いくつかの3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体はある種のタンパクキナーゼを選択的に阻害し、そして効果的な脈管形成阻害剤であるばかりでなく、アポプトシスを促進または誘発することにより、および/または細胞生存率を減らすことによって結腸および胃の癌細胞に直接作用し、そしてそのため胃および結腸直腸腺癌の処置のために有用であることが判明した。
【0011】
本発明は、式(I)の化合物、その生理学的に許容し得るその塩、または式(I)の化合物の溶媒和物またはその塩の結腸直腸または胃の腺癌の処置における使用に関する。
【化1】

式中、
は、H、C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキルまたはフェニル;
は2または3個のC−C−アルコキシ基で置換されたフェニル基;
は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニル、OH,ハロゲン、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキル−R10、O,NおよびSから独立に選ばれた1または2個のヘテロ原子を含んでいる環原子5または6のヘテロアリール、またはO,NおよびSから独立に選ばれた1または2個のヘテロ原子を含んでいる環原子5または6のヘテロサイクリルから独立に選ばれた1、2または3個の置換基を持つことができるインドリルまたはアザインドリルであり;ここでR10
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、
c)ジ−C−C−アルキルアミノ、
d)ヒドロキシ、
e)C−C−アルコキシ、
f)1個の窒素ヘテロ原子と、任意にO,NおよびSから独立に選ばれた1個または2個の追加のヘテロ原子を含んでいる環原子5個または6個を有する飽和ヘテロサイクリルであって、窒素原子を介してC−C−アルキル基へ結合し、そして1,2,3または4個のC−C−アルキル置換基を担持し得るヘテロサイクリル、
g)フェノキシ、
h)ベンジルオキシ、
i)R11COR12−、
j)NR1212CO−、
k)C−C−アルキル−NHCONH−、
l)C−C−アルキル−NHCOO−、
m)C−C−アルキル−OCONH−、
n)R12−OSOO−、
o)R11−SOO−、
p)R12−OSO−、
q)R11−SO−、
r)(R12O)P(O)O−、
s)(R12O)P(O)−、および
t)(R12O)R11P(O)O−、
であり、
11はC−C−アルキルであり、そしてR12はC−C−アルキルである。
【0012】
このように本発明は、結腸直腸または胃の腺癌の処置に使用のための式(I)の化合物、その生理学的に許容し得る塩または溶媒和物に関する。特に本発明は、結腸直腸または胃の腺癌の処置のための医薬の製造における、ここに規定した式(I)の化合物、その生理学的に許容し得る塩または溶媒和物の使用に関する。
【0013】
本発明はまた、ここに規定した式(I)の一以上の化合物、その生理学的に許容し得る塩または溶媒和物の、結腸直腸または胃の腺癌の処置に治療上有効な量を対象へ投与することを含む、対象の結腸直腸または胃の腺癌を処置する方法にも関する。
【0014】
さらに本発明は、さらなる化学療法剤の投与を含む、ここに規定した式(I)の一種以上の化合物、その生理学的に許容し得る塩または溶媒和物の結腸直腸または胃の腺癌の処置における使用に関する。
【0015】
術語「腺癌」は、腺細胞の上皮細胞、例えば胃および結腸直腸粘膜を起源とする腫瘍(すなわち悪性腫瘍)を形成する、または腫瘍細胞が認知し得る腺構造を形成する癌を指称する。悪性腫瘍は細胞増殖が制御不能で、そしてこの理由のため進行性壊死および潰瘍化が特徴である組織の新しい成長である。加えて、悪性腫瘍は周囲の組織に侵入し、そして転移性であり、離れた器官に同様な腫瘍の成長を開始させる。
【0016】
胃腺癌は胃癌等の95%を占め、大部分の悪性度は多要因病因を持つ。硝酸エステル誘導体、ビタミン欠乏、アルコールおよび煙草の消費およびヘリコバクター・ピロリの感染が胃癌発生のためのリスク要因として議論されている。結腸直腸腺癌は結腸直腸癌の大部分を占め、そして西洋において増加しつつある頻度を示している。低繊維、高脂肪および赤肉のような食物要因、遺伝子素因および遺伝子病、例えば潰瘍性結腸炎またはクローン病が結腸直腸癌発生のリスクを増加されることが示唆されている。結腸癌はゆっくり成長する組織のポリーブ状または環状塊として最も多く出現する。
【0017】
ここで使用する術語「処置」は、障害の発生を防止し、またはその病理を変えるために実施され、そして一以上の薬学的活性剤の投与を含む介入を意味する。このように、「処置」は治療的処置と、予防的処置を指称する。治療的処置は、癌成長の部分的または完全阻害と、癌細胞、すなわち癌を構成し、または発生する細胞の部分的または完全破壊を目的として実施される。予防的処置は、リスクにある対象によって臨床的に明白な癌の始まり全体を防止し、そしてリスクにある対象において臨床的に明白な段階の始まりを防止することを目的とする。それはプレ悪性細胞の悪性細胞への発達の防止を含み、そして発達する癌のリスクにある対象の予防的処置を含んでいる。
【0018】
ここで使用する処置目的の「対象」は、哺乳類動物、好ましくは、ヒトを含み、対象はどのような形でも胃または結腸直腸腺癌を持っているか持っているかもしれない、または前記癌を発生するリスクにある対象である。
【0019】
ここで使用する術語「リスクにある」は、年齢、性別、体重等のような当業者に良く知られた基本的な医学的ファクターによって定義された参照グループの大部分よりも、高い、好ましくは有意に高い胃または結腸直腸腺癌の発達のリスクを持っていることを指す。対象は発癌作用、例えばイオン化放射線または化学的突然変異源、前記癌発生の遺伝子素因等へ曝露によりそのようなリスクにあり得る。
【0020】
特定具体例によれば、処置される対象は、式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物の投与なしでは、慣用の処置、例えば外科手術、放射線または化学療法から利益を受けられないであろう。術語「利益を受ける」とは、上で記載した処置の目的の達成を意味する。
【0021】
特定の一具体例において、本発明は難治性胃または結腸直腸腺癌の処置に関する。ここで使用する術語「難治性」とは、外科手術、化学療法および/または放射線療法のような現在利用可能な処置で処置される癌のうち、その処置が、例えば該処置に不十分にしか応答せず、そのため追加の効果的処置を必要とする対象を処置するには臨床的に不適切である癌を指す。そのような癌は抵抗性癌とも呼ばれ、特に慣用の化学療法剤に対する癌細胞の抵抗性、好ましくは多剤抵抗性(MDR)表現型を指す。そのような抵抗性は化学療法剤の低下した有効性として示される。すなわち癌が誘導される組織の細胞を殺滅または分裂を止めるのに必要とする投与量が抵抗性細胞に対し有意に低い程度しか影響しない。術語「MDR」は、種々のタイプの化学療法剤を排泄することができるタンパク、酵素による薬物不活性化、薬物への減少した細胞浸透性、変化した薬物結合部位および/または癌細胞が薬物の効果を補償することができる代替代謝経路による、減少した薬物流失を含むメカニズムによって得られる多数の異なる薬物に対する抵抗性を指す。術語「難治性」は、処置へ応答するが、しかし副作用、再発、抵抗性の発生等を蒙る対象を指すこともできる。種々の具体例において、「難治性」は、少なくとも癌細胞の少なくとも一部の有意な部分が殺滅されないか、またはそれらの細胞分裂は停止されないことを意味する(最小残存病MRDとも呼ばれる)。胃または結腸直腸腺癌が、「難治性」かそうでないかはそのような文脈においてこの分野で受入れられた「難治性」の意味を使用し、癌細胞の処置の有効性を評価するためのこの分野において既知の方法により、インビボまたはインビトロで決定することができる。
【0022】
特定具体例において、本発明は、式(I)の1種以上の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物の投与と、慣用の方法または慣用方法の組み合わせによる細胞死の刺激とを含む、胃または結腸癌の処置(併用療法)に関する。
【0023】
慣用方法は、好ましくは外科手術、照射、例えば、外部照射または放射性化合物の投与、および例が以下に与えられている、抗新生物剤、多剤抵抗性逆転剤、生物学的応答モディファイヤー、およびそれらの組み合わせを含んでいる、本発明の化合物以外の一以上の化学療法剤による処置よりなる群から選ばれる。このように、本発明は現在の単剤療法または現在の併用療法養生法より良好な治療プロファイルを提供する処置養生法またはプロトコールを包含する。付加的な活性および治療比が和より大きい相乗的組み合わせも本発明に包含される。
【0024】
本発明に包含される併用療法は、式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物の投与、または慣用治療法単独に比較して、改良された全体療法を提供する。好ましくは、そのような組み合わせは、望まないまたは悪効果を減らすか避ける。このようにいくつかの具体例において、既存のまたは実験的癌療法の投与を減らすか、または少ない回数投与することができる。これは患者のコンプライアンスを増大し、治療を改善し、そして望まないまたは悪効果を減らす。
【0025】
好適な抗新生物剤は、DNAの完全性および合成に影響する化合物、例えば、トポイソメラーゼI阻害剤;アルキル化剤;インターカレーティング剤またはDNA結合抗生物質;タキサンのような抗有系分裂剤;ビンカアルカロイドまたはコルヒチン誘導体;タンパクキナーゼ阻害剤、細胞膜受容体および可溶性デコイ受容体のような標的化癌療法のための化合物;細胞代謝に影響する化合物、例えばファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、プリンまたピリミジンアナログを含む群から選ぶことができる。
【0026】
抗新生物剤の例は、アフリベルセプト、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エトポシド、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イフオスファミド、イリノテカン、ロムスチン、メクロレサミン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトキサントロン、ペントスタチン、プロカルバジン、6−チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、レチノイン酸、オキサリプラチン、シスープラチン、カルボプラチン、5−FU(5−フルオロウラシル)、テニポシド、アマサクリン、ドセタキセル、パクリタキセル、ビノレルビン、ボルテゾミブ、クロファラビン、カペシタビン、アクチノマイシンD、エピルビシン、ビンデシン、メトトレキセート、チオグアニン(6−チオグアニン)、チピファニブである。
【0027】
タンパクキナーゼ阻害剤である抗新生物剤の例は、イマチニブ、エルロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ、テムシロリムス、エベロリムス、ラパマイシン、ボスチニブ、プゾパニズ、アキシチニブ、ネラチニブ、バタラニブ、パゾバニブ、ミドスタウリンおよびエンザスタウリンを含む。
【0028】
抗体である抗新生物剤の例は、トラスツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、ベバシズマブ、マパツムマブ、コナツムマブ、レキサツムマブ等を含む。
【0029】
多剤抵抗モディファイヤーの例は、P−糖タンパクによって仲介される抗腫瘍薬の流出の強力な阻害剤である、PSC833である。
【0030】
好適な生物学的応答モディファイヤーは、モノクローナル抗体、およびインターフェロン、インターロイキンおよびコロニー刺激因子、例えばリツキサン、CMA−676,組換えインターフェロンα、インターロイキン−2、インターロイキン−3、エリスロポエチン、エポエチン、G−CSF,GM−CSF,フィルグラスチム、サルグラモスチンおよびトロンボポイエチンのようなサイトカインよりなる群から選ぶことができる。
【0031】
特定の具体例によれば、さらなる化学療法剤は、トポイソメラーゼI阻害剤、そして特にPommier,Y.(2006),Nature Reviews Cancer6:789−802に記載されているようなカムプトセシンおよびその誘導体である。トポイソメラーゼI阻害剤の例は、イリノテカン(特にイリノテカン塩酸塩)、トポテカン(特にトポテカン塩酸塩)、ルビテカン、エキサテカン(特にエキサテカンメシレート)、ハルトテカン、ギアテカン、プロセカン、カレニテシン、ベロテカン(特にベロテカン塩酸塩)、シラテカンまたはジフロモテカンおよびその塩を含む。
【0032】
さらなる具体例において、式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または誘導体はプロアポプトシス効果を示す。すなわち、例えば胃または結腸直腸腺癌である癌細胞のインビトロまたはインビボでのアポプトシスの容易性を促進または誘発する。このように本発明は、前記プロアポプトシス効果を含んでいる胃または結腸直腸腺癌の処置のための式(I)の化合物の使用に関する。
【0033】
ここで使用する術語「アポプトシスの誘発」は、式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または誘導体で処置された細胞の、前記化合物、生理学的に許容し得るその塩または誘導体で処置されなかったが、同じ条件で処置された細胞と比較したアポプトシス率の有意な増加を意味する。
術語「促進」は、ここでは式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または誘導体と、一以上のさらなる剤で処置された細胞の、式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または誘導体で処置されなかったが、さらなる剤を含んでいる同じ条件で処置された細胞と比較したアポプトシス率の有意な増加を意味する。
【0034】
もし使用が、細胞のアポプトシスを受入れる自然の能力を部分的または全く失った細胞のこの能力の回復、もっと好ましくはこの能力を完全に失った癌細胞のアポプトシスを受入れる自然の能力の回復、もっと好ましくは壊死性細胞死の傾向、例えば免疫学的、生理学的、化学的、物理学的または放射線誘発ストレスまたは損傷への反応で壊死性細胞死の傾向を示す癌細胞の回復のための使用であれば特に好ましい。
【0035】
好適な化合物は、式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または誘導体の各自によるアポプトシスの細胞容易性をテストし、そして所望の活性を持っている化合物を同定することを含む、高スループットスクリーニング(HTS)操作のような良く知られたインビトロ操作によって式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または誘導体の中から同定することができる。スクリーニングの高レベルにおいて、特に胃または結腸直腸癌の癌細胞のアポプトシスの容易性を促進またはアポプトシスを誘発するための好適性を当業者に既知の動物モデルを使用してインビトロで研究することができる。
【0036】
本発明によれば、処置を必要とする対象の胃または結腸直腸癌の処置は、対象へ式(I)の化合物、または生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物の治療上有効量を投与することを含む。術語「治療上有効」とは、処置のコースにおいて上で定義した処置の目的を達成するのに要する剤の量を指す。
【0037】
式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物は、本発明の使用における活性成分としてそれらが使用される時、標準的な薬剤投与形態に組み入れることができる。これは上で記載した組み合わせに適用される他の化学療法剤をも含む。本発明に従った使用のため、式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物と、そしてさらなる化学療法剤は一つの薬剤に処方することができる。本発明は、同時に投与することができる前記成分の別々の処方をさらに企図し、それにより異なる投与形態およびルートさえも適用できる。そのような同時投与のほかに、本発明の使用は、含まれる薬物の所望の血漿レベルが、この処置のため組み合わされる個々の薬物が同時に投与されなくても処置される対象において維持される投与スケジュールを企図する。
【0038】
本発明の化合物および組み合わせは、全身また局所、経口また非経口適用において投与することができる。この目的のため、当業者には既知の好適な薬剤補助剤、希釈剤およびアジュバントが製剤に添加され、それらは例えば水、ゼラチン、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ガム、ポリアルキレングリコール等を含む。これら製剤は固形、例えば錠剤、カプセル、または液体形、例えば溶液、懸濁液またはエマルジョンの形を採用することができる。添加することができる補助剤およびアジュバンドは、保存剤、抗酸化剤、抗微生物剤および他の安定剤、湿潤・乳化および懸濁剤、抗ケーキング剤、矯味料および着色料、圧縮性改良組成物または活性成分の遅延、持続性または制御放出を創出する剤、および製剤の浸透圧を変更するまたはバッファーとして作用する塩類を含む。変動する半減期を有する特に異なる薬物の比較的均一な投与を達成するための制御放出形を含むこれらすべての処方の考案と創出は当業者の技量範囲である。
【0039】
式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物、または上で規定した組み合わせの治療上有効量は、前記対象へ全身投与することができ、ここで全身投与は、(1)動脈内、皮内また経皮(皮下を含む)のための、そして最も普通には筋肉内また静脈内送達のための、または送達のためのデポとして役立つ、水溶液、エマルジョンまたは懸濁液のような適当な液体形にある前記化合物を含んでいる薬剤組成物を適当な体組織または体腔中に注射または注入すること、(2)固体の式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物が、分散している、または液体の式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物の球または分離したセルが多分捕捉されている、遅延、持続性、および/または制御放出送達のための、適当な固体形にある前記化合物を、例えば生両立性および生分解性のマトリックス中に含んでいる薬剤組成物の適当な体組織または体腔中への配置、または(3)経皮送達のための適当な固体または液体形中の、例えば経皮パッチまたは皮下インプラント中の前記化合物を含んでいる薬剤組成物の摂取または投与を含む。
【0040】
規定した式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物の治療上有効量は、前記対象へ局所的に投与することもできる。この局所投与は、(1)前記化合物の局所部位への遅延放出、制御放出および/または持続性放出を提供する成分を含んでいる、または組成物が前記化合物の貯蔵を提供し、そしてその後その遅延、持続性および/または制御放出を提供するための前記式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物を適当な液体形で含んでいる薬剤組成物の局所部位中への注射または注入、または(2)送達のための固体インプラントとして役立つための適当な固体形にある前記化合物を含んでおり、任意に前記化合物の局所部位への遅延、持続性および/または制御放出を提供する薬剤組成物の配置を含む。
【0041】
ここに記載した投与形態は、投与形態から活性成分の制御、持続性および/または遅延放出を提供するように処方することができる。好ましい全身投与のための経口投与形態は、固体、錠剤、カプセル、カプレット等のような服用し得る経口組成物と、液体、例えば溶液、懸濁液、エマルジョン等である。
【0042】
注射は、式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物を含んでいる薬剤組成物で実施することができ、ここで薬剤組成物は、遅延放出、制御放出、または持続性放出形である。組成物のこれらの処方は固体、半固体、ゲルまたは他の液体/固体組み合わせであることができ、侵食されるマトリックスまたは一連のコーティングが式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物のあらかじめ定めた速度またはもし望むならば可変速度での連続的放出を提供するために使用される。術語「延長放出」および「長時間作用」等がこれら処方を記載するために使用される。これらすべては、マトリックス中に含まれている式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物の遅いおよび/または均一な分配を得るため、種々の生侵食性ポリマー、例えば種々のセルロース系ポリマーおよび天然物質、例えばコーンスターチおよびステアリン酸マグネシウムの組み合わせを使用する。
【0043】
式(I)の化合物の治療的に有効量は、処置すべき哺乳類へ、前記哺乳類の体表面mあたり1日あたりのミリグラム数で表した量、mg/m/日において投与される。ここで使用される「1日当り」とは、特定の投与形が毎日処理される対象へ投与されることを必然的に要するものと解釈してはならない。「1日当り」とは、投与される有効化合物の投与量を測定するための全体の単位の一部として使用される、最小の便利なしかし随意の時間セグメントの指示に過ぎない。適用ルートおよび他の詳細に応じて、1日毎の投与量は、規則的間隔で後で投与するためのいくつかの分割投与量に分割することができ、または持続性または制御放出を使用する時、いくつかの毎日投与量を一つのデポ投与量に合同することができる。投与量、すなわち式(I)の化合物の治療上有効量は、通常約0.2mg/m/日ないし約2000mg/m/日、好ましくは約0.5mg/m/日ないし約1500mg/m/日、もつと好ましくは約1.0mg/m/日ないし約1000mg/m/日の範囲であろう。式(I)の化合物と、抗癌剤のようなさらなる化学療法剤との組み合わせの場合、投与は同時でよく、例えば合剤として与えるか、または別々または逐次的に与えることができる。式(I)の化合物の投与量は通常上で与えたように投与されるが、さらなる化学療法剤の投与量は、約0.2mg/m/日ないし約2000mg/m/日、好ましくは、約0.5mg/m/日ないし約1500mg/m/日、もっと好ましくは、約1.0mg/m/日ないし約1000mg/m/日の範囲であろう。投与量決定のため、それぞれの腫瘍タイプのための、または個々の対象に見出される吸収、代謝および排泄特性の個別性を考慮すべきであろう。
【0044】
当業者は、好ましい投与ルートおよび対応する投与形態と量を決定するばかりでなく、投与養生法、すなわち投与頻度をも決定する必要がある。一般に選択は1日1回投与と1日2回投与の間であり、そして前者は一層速いそして目立った療法を提供し、後者はより目立たないが持続性の療法を提供するであろう。当業者は本発明による処置は任意の非薬理学的処置と組み合わせることができることを評価するであろう。
【0045】
本発明に従い、適当な外側カートンと、記載した式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物の適当な投与形態を収容した内部容器と、そして前記カートンまたは容器に付属して、読者に前記成分は胃または結腸直腸癌の状態にある対象へ投与する時、その状態を緩和、消失、活溌に処置、逆転または防止することを言葉で伝える指示書および情報材料を含んでいる、胃または結腸直腸癌処置のための商業的使用に適した包装の提供をも企図する。好ましい具体例においては、前記のカートンおよび容器を含む包装は、対象の処置のための、特に前記指示書および情報材料を含んでいる医薬品の販売および使用に関する法令上の要求を満たすであろう。
【0046】
診断目的のため、例えば個々の胃または結腸直腸成育の式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩または溶媒和物による処置に対する感受性を決定するため、インビトロ試験を実施することが便利であることが判明した。例えば対象から得た適切なサンプルを化合物および/または組成物の種々の濃度へ服させ、そして一以上の適当なアッセイで分析した効果を観察することができる。アポプトシス、増殖の阻害、生存率の減少等は、当業者に良く知られた多数の方法によってインビトロで測定することができる。このようにして得たデータは前記個々の胃または結腸直腸腺癌の処置のための有利な投与量および適用ルートを理論的に決定するための基礎として役立ち得る。
【0047】
術語「アルキル」、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」等は、1ないし6個および好ましくは1ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルまたはアルキレン基を含む。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルである。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシである。アルキレン基の例は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン等である。ハロゲンはF,Cl,BrおよびI,好ましくは、FおよびClを意味する。
【0048】
ヘテロアリールは、O,NおよびSから独立に選ばれた1個または2個のヘテロ原子を持っている5員または6員の芳香環を意味する。ヘテロアリールの例は、チェニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピリジルまたはピリミジルである。
【0049】
ヘテロサイクリルは、O,NまたはSから独立に選ばれた1個または2個のヘテロ原子を持っている5員または6員の飽和または不飽和非芳香環を意味する。ヘテロサイクリルの例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、モリホリニル、ピペラジニルである。特定具体例においてヘテロサイクリルは、ピペリジニル、モリホリニルおよびピペラジニルである。もしヘテロサイクリルが置換されているならば、置換基が炭素原子または付加的窒素原子上にあることができる。置換ヘテロサイクリルの例は、4−メチルピペラジニルまたは2,2,6,6−テトラメチルピペリジンである。
【0050】
ヘテロサイクリルの例は、ピリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、モリホリニル、チオモルホニルおよびピペラジニルである。特定の具体例において、ヘテロサイクリルは4−メチルピペラジニルまたは2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルである。
【0051】
式Iの化合物の生理学的に許容し得る塩は、塩酸、硫酸またはリン酸のような無機酸との付加塩または酢酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、アミグダリン酸、アスコルビン酸、フマル酸、グルコン酸のようなカルボキシル酸、またはメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびトルエンスルホン酸のようなスルホン酸との有機酸付加塩を含む。
【0052】
本発明の一具体例によれば、式(I)の化合物の使用に関し、ここでRは、
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

から選ばれ、
はH、C−C−アルキルまたはフェニルであり;
はH、C−C−アルキル、またはフェニルであり、そして
はH、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、OH、ハロゲン、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、O,NまたはSから独立に選ばれた1個または2個のヘテロ原子を含んでいる環原子5個または6個のヘテロアリール、またはO,NまたはSから独立に選ばれた1個または2個のヘテロ原子を含んでいる環原子5個または6個のヘテロサイクリルである。
【0053】
さらなる具体例によれば、本発明はRが3個のC−C−アルコキシ基で置換されたフェニル基であり、そしてRは、
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

から選ばれ、ここで
はHまたはC−C−アルキル、
はC−C―アルキル−R10であって、R10
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、
c)ジ−C−C−アルキルアミノ、
d)ヒドロキシ、
e)C−C−アルコキシ、
f)1個の窒素ヘテロ原子と、任意にO,NおよびSから独立に選ばれた1個または2個の追加のヘテロ原子を含んでいる5または6個の環原子を有する飽和ヘテロサイクリルであって、窒素原子を介してC−C−アルキル基へ結合し、そして1,2,3または4個のC−C−アルキル置換基を担持し得る飽和ヘテロサイクリル;
g)フェノキシ、
h)ベンジルオキシ、
i)R11CONR12−、
j)NR1212CO−、
k)C−C−アルキル−NHCONH−、
l)C−C−アルキル−NHCOO−、
m)C−C−アルキル−OCONH−、
n)R12−OSOO−、
o)R11SOO−、
p)R12−OSO−、
q)R11SO−、
r)(R12O)P(O)O−、
s)(R12O)P(O)−、および
t)(R12O)R11P(O)O−、
から選ばれ;
はH、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、OHまたはハロゲンであり;そして
11およびR12はC−C−アルキルである。
【0054】
さらなる特定の具体例によれば、本発明はRが式
【化12】

を持つ式(I)の化合物の使用に関する。式中、R,RおよびRはC−C−アルコキシである。
【0055】
一具体例によれば、本発明は式(Ia)の化合物の使用に関する。
【化13】

式中、Rは請求項1の定義と同じであり、R,RおよびRはC−C−アルコキシであり、そしてR,RおよびRは請求項2または3の定義と同じである。
【0056】
さらなる特定の具体例によれば、本発明はR,RおよびRがHであり、Rがハロゲンである式(I)の化合物の使用に関する。
【0057】
さらなる一具体例によれば、本発明は式(Ib)の化合物の使用に関する。
【化14】

式中、Rは請求項1の定義と同じであり、R,RおよびRはC−C−アルコキシであり、そしてR,RおよびRは請求項2または3の定義と同じである。
【0058】
さらなる一具体例によれば、本発明は式(Ic)の化合物の使用に関する。
【化15】

式中、Rは請求項1の定義と同じであり、R,RおよびRはC−C−アルコキシであり、そしてR,RおよびRは請求項2または3の定義と同じである。
【0059】
さらなる一具体例によれば、本発明は式(Id)の化合物の使用に関する。
【化16】

式中、Rは請求項1の定義と同じであり、R,RおよびRはC−C−アルコキシであり、そしてR,RおよびRは請求項2または3の定義と同じである。
【0060】
さらなる一具体例によれば、本発明は式(Ie)の化合物の使用に関する。
【化17】

式中、Rは請求項1の定義と同じであり、R,RおよびRはC−C−アルコキシであり、そしてR,RおよびRは請求項2または3の定義と同じである。
【0061】
さらなる一具体例によれば、R,RおよびRはHである。
【0062】
さらなる一具体例によれば、R10
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、
c)ジ−C−C―アルキルアミノ、
d)ヒドロキシ、
e)C−C−アルコキシ、および
f)1個の窒素ヘテロ原子と、任意にO,NおよびSから独立に選ばれた1個または2個の追加のヘテロ原子を含んでいる環原子5個または6個の飽和ヘテロサイクリルであって、窒素原子を介してC−C−アルキル基へ結合し、そして炭素原子または窒素原子上に追加のC−C−アルキル置換基を持つことができるヘテロサイクリル、
から選ばれる。
【0063】
さらなる一具体例によれば、R10は、
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、
c)ジ−C−C−アルキルアミノ、
d)ヒドロキシ、および
e)C−C−アルコキシ
から選ばれる。
【0064】
さらなる一具体例によれば、R10は、
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、および
c)ジ−C−C−アルキルアミノ
から選ばれる。
【0065】
さらなる一具体例によれば、R10は、
d)ヒドロキシ、および
e)C−C−アルコキシ
から選ばれる。
【0066】
さらなる一具体例によれば、R10は、
f)1個の窒素ヘテロ原子と、任意にO,NおよびSから独立に選ばれた1個または2個の追加のヘテロ原子を含んでいる環原子5個または6個の飽和ヘテロサイクリルであって、窒素原子を介してC−C−アルキル基へ結合し、そして炭素原子または窒素原子において追加のC−C−アルキル置換基を持つことができるヘテロサイクリル、
である。
【0067】
さらなる一具体例によれば、R10は、
g)フェノキシ、および
h)ベンジルオキシ
から選ばれる。
【0068】
さらなる一具体例によれば、R10は、
i)R11CONR12−、および
j)NR1212CO−
から選ばれる。
【0069】
さらなる一具体例によれば、R10は、
k)C−C−アルキル−NHCONH−、
l)C−C−アルキル−NHCOO−、および
m)C−C−アルキル−OCONH−
から選ばれる。
【0070】
さらなる一具体例によれば、R10は、
n)R12−OSOO−、
o)R11SOO−、
p)R12−OSO−、および
q)R11SO
から選ばれる。
【0071】
さらなる一具体例によれば、R10は、
r)(R12O)P(O)O−、
s)(R12O)P(O)−、および
t)(R12O)R11P(O)O−
から選ばれる。
【0072】
式(I)の特定化合物は表1の化合物を含む。
【表1】



【0073】
本発明のさらなる具体例は、式(I)の化合物の上で規定したさらなる化学療法剤との組み合わせに関する。
【0074】
本発明の化合物は、公知の方法に従って、例えばWO02/38561,EP328026,WO03/095452,WO03/103663およびWO2006/061212に開示された方法に従って製造することができる。本発明の目的のため、Tetrahedron Letters(1999)40:1109−1112に報告されている修飾された操作が特に効率的であることが証明された。この操作は以下の反応系列によって示すことができる。
【化18】

【0075】
インドールグリオキシルエステルが、強塩基の存在下不活性溶媒中フェニルアセタミド誘導体とワンポット反応において反応させられる。好ましくは、テトラヒドロフランまたはジオキサンのようなエーテルが不活性溶媒として使用される。塩基として例えばカリウムt−ブトキサイドを使用することができる。反応の間生成する水は、例えば分子ふるいの使用によって除去される。
【0076】
出発物質として使用されるフェニルアセタミドは、酸クロライドへ変換され、そしてアンモニアで加水分解される対応する酢酸から容易に得られる。インドールグリオキシルエステル(R=メチル、エチル)は、対応するインドール誘導体のメチルまたはエチルオキサリルクロライドによるフリーデルクラフト型アシル化によって合成された。Tetrahedron 1999,55(43),12577−12594参照。
【0077】
対応するアザインドールグリオキシルエステルは、J.Org.Chem.2002,67,6226−6227に報告されている方法に従うか、またはアルミニウムクロライドの存在下フリーデルクラフトアシル化によって製造することができる。Organic Letters(2000)vol.2,no.10,1485−1487参照。4−および6−アザインドール出発化合物は、2−クロロ−3−ニトロピリジンまたは3−ニトロ−4−クロロピリジンをビニルマグネシウムブロマイドと反応させ、7−クロロ置換4−または6−アザインドールを得ることによって製造することができる。クロロ置換分は次に接触水素化によって除去される。この反応はJ.Org.Chem.67,2345−2347(2002),およびJ.Heterocycl.Chem.29,359−363(1992)に記載されているように実施される。
【0078】
4−アザインドール出発化合物は、Org.Biomol.Chem.3,20,3701−3706(2005)に開示された操作に従って合成することもできる。
【0079】
5−および7−アザインドール出発化合物は、2−または4−アミノピリジンをジ−t−ブチル−ジ−カーボネートと反応させて2−または4−t−ブトシキカルボニルアミノピリジンとし、これをt−ブチルリチウムの存在下ヨウ化メチルおよびジメチルホルムアミドと反応させることによって製造することができる。得られた生成物は次に強酸と反応させ、5−または7−アザインドールを得る。この反応はSynthesis 7,877−882(1996)に記載されている。
【0080】
本発明の使用、方法および組成物をさらに示すため、以下のパラグラフにおいて前記方法の実施に採用することができる典型的操作の特定的実施例が提供される。しかしながら、前記実施例は例証目的のみを意図し、本発明の限定として受け取ってはならない。この目的で特許請求の範囲が付属している。
【実施例】
【0081】
3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体製造の一般的操作
ここでA,B,CおよびDと称する化合物およびそれらの製造はWO2006/061212に記載されている。化合物EないしPは以下の実施例に従って製造される。
【0082】
赤外スペクトルは、Thermo Nicolet Avatar 330FT−IR分光光度計上で記録された。1H(300MHz,デジタル解像度0.3768Hz)および13C(75MHz,デジタル解像度1.1299Hz)NMRはBruker AC300上に記録され、そしてデータは以下のように報告される。外部標準としてMeSiからの化学的シフトppm、多重およびカップリング定数(Hz)。EI−質量スペクトルはVarian MAT44S(80eV)上に、そしてFD−質量スペクトルはFinnegan MAT7(5kV)上に記録された。明確性のみのため、FD−質量スペクトルに対しては最高測定信号が与えられる。元素分析はHaereus CHN急速、Carlo Erba機器1106で実施された。燃焼分析は特記しない限り計算値と±0.4と一致した。融点/分解温度はDr.Tottoliに従ったBuchi装置上で決定され、補正しなかった。適切な場合、テスト化合物のためのカラムクロマトグラフィ−はメルクシリカゲル(0.015−0.040mm)と共にMPLC−システムB−680(Buchi)を用いて実施された。反応の進行はメルクシリカゲル60F−254プレートで実施される薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニターされた。必要な場合、反応は4オングストローム分子ふるいを用いて窒素雰囲気中で実施された。すべての試薬および溶媒は商業ソースから取得し、そして受取った状態で使用された。
【0083】
実施例E
3−(4−アザインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロロ−2,5−ジオン
【化19】

【0084】
(a)ジメチル−2−(3−ニトピリジン−2−イル)マロネート
【化20】

Cash et al.(Org. Biomol.Chem.2005,3,3701−3706)の修飾操作を用いた。2−クロロ−3−ニトロピリジン(2g,12.5mmmol)を窒素下乾燥DMF20ml中のNaH(0.5g,12.5mmol,60% NaH鉱油の混合物)の撹拌懸濁液へ加えた。マロン酸ジメチルエステル(1.43ml,1.65g,12.5mmol)を注意深く滴下した。室温で5時間撹拌した後、溶液を水で希釈した。ジエチルエーテルを加えた後、DMFを除去するため混合物を飽和NaCl溶液で4回洗った。有機相をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)によって精製した。ジメチル−2−(3−ニトロピリジン−2−イル)マロネードが淡褐色オイル(1.4g,5.5mmol,44%)として得られた。H−NMR(300MHz,CDCl)8.83(pdd, J=1.3Hz,J=4.7Hz,1H,H−6);8.49(pdd,J=1.3Hz,J=8.3Hz,1H,H−4);7.54(ppd,J=4.7Hz,J=8.3Hz,1H,H−5);5.56(s,1H,CH);3.83(s,6H,OCH
【0085】
(b)2−メチル−3−ニトロピリジン
【化21】

Cash et al.(Org. Biomol.Chem.2005,3,3701−3706)の修飾操作を使用した。ジメチル−2−(3−ニトロピリジン−2−イル)マロネート(1.4g,5.5mmol)を6M HCl 70ml中に溶解し、8時間還流した。飽和NaCO溶液で中和後、溶液をジクロロメタンで3回抽出した。合併した有機相をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、バルブチューブ蒸留(0.35ミリバール,70−80℃)によって精製した。2−メチル−3−ニトロピリジン(0.7g,5.1mmol,92%)が淡黄色オイルとして得られた。H−NMR(300MHz,CDCl)8.72(pdd, J=1.2Hz,J=4.7Hz,1H,H−6);8.27(ppd,J=1.2Hz,J=8.2Hz,Hz,1H,H−4);7.35(pdd,J=4.7Hz,J=8.2Hz,1H,H−5);2.86(s,3H,CH
【0086】
(c)(E)−N,N−ジメチル−2−(3−ニトロピリジン−2−イル)エテンアミン
【化22】

Cash et al.(Org. Biomol.Chem.2005,3,3701−3706)の修飾操作を使用した。2−メチル−3−ニトロピリジン(0.7g,5.1mmol)を乾燥DMF15mlに溶かし、窒素下撹拌した。ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)(1.35ml,1.22g,10.2mmol)を滴下した。反応物を90℃へ40時間加熱した。約15分後濃い赤色が出現した。溶媒を蒸発後、(E)−N,N−ジメチル−2−(3−ニトロピリジン−2−イル)エテンアミンが赤色オイル(0.16g,0.8mmol,73%)として得られた。このものはさらに精製することなく使用できる。H−NMR(300MHz,CDCl)8.40(ppd, J=1.7Hz,J=4.4Hz,1H,H−6);8.16(ppd,J=1.7Hz,J=8.3Hz,Hz,1H,H−4);8.04(d,AX=12.5Hz,1H,H−8);6.76(d,J=4.4Hz,J=8.3Hz,1H,H−5);6.15(d,AX=12.5Hz,1H,H−7);3.01(s,6H,CH
【0087】
(d)4−アザインドール
【化23】

Cash et al.(Org. Biomol.Chem.2005,3,3701−3706)の修飾操作を使用した。メタノール中の8.8%ギ酸の混合物10mlを注意深く加える前に、10%Pd/Cの0.2gを窒素でフラッシュした。赤色オイルとして得られた粗製(E)−N,N−ジメチル−2−(3−ニトロピリジン−2−イル)エテンアミン(0.69g,3.6mmol)をメタノール中の8.8%ギ酸の混合物10mlに溶解し、反応へ加えた。赤色が完全に消えるまで反応物を4時間撹拌した。Pd触媒をセライト(登録商標)を通して濾過することによって除去し、濾液を濃縮した一夜撹拌後、生成物、4−アザインドール(0.21g,1.8mmol,71%)が晶出した。H−NMR(300MHz,CDCl)9.00(bs,1H,NH);8.48(ppd, J=1Hz,J=4.6Hz,1H,H−5);7.70(pdd,J=1Hz,J=8.2Hz,1H,H−7);7.48(pt,J=2.9Hz,1H,H−2);7.12(ppd,J=4.6Hz,J=8.2Hz,1H,H−6);6.76(m,1H,H−3)
【0088】
(e)2−(4−アザインドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル
【化24】

塩化アルミニウム(3.1g,23mmol)と、4−アザインドール(0.38g,4,6mmol)とを100ml乾燥ジクロロメタン中窒素雰囲気下室温で撹拌した。30分後エトキザリルクロライド(2.5ml,3.0g,23mmol)を滴下した。反応混合物を一夜撹拌し、次にエタノール/氷で注意深く加水分解した。ジクロロメタンを添加後、有機相を分離し、NaHCO溶液で洗い、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。一夜静置後、2−(4−アザインドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(0.5g,2.3mmol,50%)が淡黄色粉末として結晶化した。H−NMR(300MHz,CDCl)12.21(bs,1H,NH);8.58(s,1H,H−2);8.49(ppd, J=4.6Hz,J=1.3Hz,1H,H−5);7.93(ppd,J=8.2Hz,J=1.3Hz,1H,H−7);7.27(ppd,J=8.2Hz,J=4.6Hz,1H,H−6);4.37(q,J=7.1Hz,2H,CH);1.31(t,J=7.1Hz,3H,CH
【0089】
(f)2−[1−(t−ブトキシカルボニル)−4−アザインドール−3−イル]−2−オキソ酢酸エチル
【化25】

ジクロロメタン10ml中の2−(4−アザインドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチルの撹拌溶液へジ−t−ブチルジカーボネート(0.48g,2.2mmol)と触媒量のDMAPを添加した。2時間後溶媒を蒸発し、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し、2−[1−(t−ブトキシカルボニル)−4−アザインドール−3−イル]−2−オキソ酢酸エチル(0.6g,1.9mmol,86%)を淡黄色結晶として得た。H−NMR(300MHz,CDCl)8.86(s,1H,H−2);8.72(pdd,J=1.4Hz,J=4.7Hz,1H,H−5);8.42(ppd,J=1.4Hz,J=8.4Hz,1H,H−7);7.32(ppd,J=4.7Hz,J=8.4Hz,1H,H−6);4.45(q,J=7.1Hz,2H,CH);1.70(s,9H,C(CH);1.43(t,J=7.1Hz,3H,CH
【0090】
(g)3−(4−アザインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン
分子ふるい(4オングストローム)15gを含有する乾燥THF中の3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(0.38g,1.7mmol)と、2−[1−(t−ブトキシカルボニル)−4−アザインドール−3−イル]−2−オキソ酢酸エチル(0.54g,1.7mmol)の撹拌溶液を窒素下0℃へ冷却した。この温度において10M t−BuOK(3.7ml,3.62mmol)を隔膜を通って添加し、混合物が室温へ昇温するのを許容した。一夜撹拌後、反応物を再び0℃へ冷却し、飽和NHCl溶液で反応停止した。残渣を濾過し、酢酸エチルで抽出し、合併した有機層をNaSO上で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:エタノール=9:1)によって精製した。3−(4−アザインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミドが黄色結晶(0.17g,0.45mmol,26%)として得られた。mp274−275℃;IR[cm−1]=3338,2946,1716;EI−MS m/z(相対強度)=380.75(1.37%,M);379.79(25.54%),378.79(71.14%);H−NMR(300MHz,DMSO)11.98(bs,1H,アザインドール−NH);11.14(bs,1H イミド−NH);8.12(ppd,J=1.0Hz,J=4.6Hz,1H,H−5);8.04(pd,J=2.7Hz,1H,H−2);7.83(pdd,J=1.0Hz,J=8.2Hz,1H,H−7);7.09(pdd,J=4.6Hz,J=8.2Hz,1H,H−6);6.87(s,2H,Ar−H);3.62(s,3H,OCH);3.32(s,6H,OCH
【0091】
N−1置換インドール−3−グリオキシル酸エチルの調製のための一般的操作1
Faulet al.,J.of Organic Chemistry 1998,63,6,1961−1973およびZhang et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2004,14,12,3245−3250の修飾操作が使用された。インドール−3−グリオキシル酸エチルと、CCOまたはKCO(1.3当量)と、そして対応する脂肪族ブロモーまたはクロモー置換剤のDMF中の撹拌懸濁液を窒素下75〜80℃へ8時間加熱した。反応物を室温へ冷却し、酢酸エチル(40ml)で希釈し、セライト(登録商標)上で濾過した。混合物を水(4×40ml)で洗った。有機相をNaSO上で乾燥し、濃縮し、カラムフロマトグラフィーにより精製した。
【0092】
3−フェニル−4−インドリルマレイミドの調製のための一般的操作2
Peifer et al.,WO2006/061212およびJ.Med.Chem.2006,49,4,1271−1281の操作を3−フェニル−4−インドリルマレイミドを製造するために用いた。
【0093】
実施例F
3−(1−[2−アンモニオエチル]−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミドクロライド
【化26】

2−ブロモエチルカルバミン酸t−ブチルエステルの製造のため、Wescott et al.,J.Org.Chem.2003,68,26,10058−10066の修飾した方法が使用された。水80ml中のNaHCO(24.4mmol;2.0g)の溶液と、水50ml中のジ−t−ブチルジカーボネート(24.4mmol;5.33g)とが、クロロホルム100ml中の2−ブロモエチルアンモニウムブロマイド(24.4mmol;5.0g)の撹拌懸濁液へ添加された。反応は5時間還流させた。室温へ冷却後、有機相を分離し、そして水相をクロロホルムで抽出した。合併した有機層はNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製された。2−ブロモエチルカルバミン酸t−ブチルエステル(6.86mmol;28.2%)が無色オイルとして得られた。H−NMR(300MHz,CDCl)4.98(bs,1H,NH);3.52(dd,J=5.3Hz,J=11.0Hz,2H,CHN);3.44(t,J=5.3Hz,2H;CHBr);1.43(s,9H,C(CH
【0094】
次に上の生成物(6.68mmol,1.54g),2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(6.68mmol,1.45g),およびCsCO(9.82mmol,3.20g)を用いて、一般的操作1が追従された。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:ジエチルアミン=5:4:1)によって達成され、2−(1−{2−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(4.54mmol,68%)が白色結晶として得られた。mp114−115℃;IR[cm−1]=3357,2977,1727,1686,1638,1518;EI−MS(m/z)=360(7.59%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.44(m,1H,インドール−H);8.34(s,1H,インドール−H);7.42(m,1H,インドール−H);7.35(m,1H,インドール−H);4.63(bs,1H,NH);4.37(m,4H,OCHCH,インドール−CH);3.54(q,J=6.2Hz,2H,CH−N);1.43(t,3H,J=7.1Hz,OCHCH);1.43(s,9H,C(CH
【0095】
次に2−(1−{2−[t−ブトキシカルボニル]アミノ]エチル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(2mmol,0.77g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(1.8mmol,0.41g)と、1M t−BuOK(6mmol,6ml)を使用して、一般的操作2が追従された。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=4:6)によって達成され、3−(1−{2−[t−ブトキシカルボニル]アミノ]エチル}−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(0.8mmol,43%)がオレンジ色結晶として得られた。mp 97−98℃;IR[cm−1]=3330,2987,1698;EI−MSm/z(相対強度)=521(91.98%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)7.92(s,1H,インドール−H);7.36(m.1H,インドール−H);7.35(bs,1H,イミド−NH);7.17(t,J=7.2Hz,1H,インドール−H);6.86(t,J=7.2Hz,1H,インドール−H);6.78(s,2H,2×Ar−H);6.46(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.63(bs,1H,NH);4.36(t,J=5.78Hz,2H,インドール−CH);3.86(s,3H,OCH);3.55(m,2H,CHN);3.49(s,6H,2×OCH);1.44(s,9H,C(CH
【0096】
エタノール50mlおよび2.3Mエタノール性HCl(3.42mmol,1.5ml)中の3−(1−{2−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(0.8mmol,0.4g)の撹拌溶液を80℃へ3時間過熱した。沈澱を濾過し、エタノールで洗い、赤色結晶として標題化合物(0.66mmol,86%)を得た。mp=277.1℃;IR[cm−1]3151,2977,1698;FD−MSm/z(相対強度)=423.5(1.2%,M),H−NMR(300MHz,CDCl)11.12(bs,1H,イミド−NH);8.14(bs,3H,NH);8.10(s,1H,インドール−H);7.63(d,J=8.2Hz,1H,インドール−H);7.18(t,J=7.3Hz,1H,インドール−H);6.82(t,J=7.3Hz,1H,インドール−H);6.73(s,2H,2×Ar−H);6.38(d,J=8.2Hz,1H,インドール−H);4.55(t,J=6.6Hz,2H,インドール−CH);3.66(s,3H,OCH);3.38(s,6H,2×OCH);3.25(m,2H,CHN);元素分析C2324ClN;計算値C,60.33;H,5.28;N,9.18;実験値C,60,36;H,5.29;N,9.09
【0097】
実施例G
3−(1−[3−アンモニオプロピル]−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミドクロライド
【化27】

実施例Fと同じ操作を用いてt−ブチル−(3−ブロモプロピル)カーバメート(7.14mmol,78%)を合成した。H−NMR(300MHz,CDCl)4.73(bs,1H,NH);3.41(t,J=6.5Hz,2H,CHBr);3.24(m,2H,CHN);2.02(quint,J=6.5Hz,2H,CHCHCH);1.41(s,9H,C(CH
【0098】
次に上の生成物(7.14mmol,1.7g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(4.6mmol,1.0g)と、CCO(9.21mmol,3.0g)を使用して一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)によって達成され、2−(1−{3−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(5.3mmol,74%)が淡黄色結晶として得られた。mp89−90℃;IR[cm−1]=3392,2977,2936,1727,1698,1619,1515;EI−MSm/z(相対強度)=374(8.9%,M);
H−NMR(300MHz,CDCl)8.45(m,2H,インドール−H);7.35(m,3H,インドール−H);4.63(bs,1H,NH);4.41(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.24(t,J=7.1Hz,2H,インドール−CH);3.18(q,J=6.1Hz,2H,CHN);2.09(m,2H,CHCHCH),1.44(s,9H,C(CH));1,43(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH
【0099】
次に2−(1−{3−[t−ブトキシカルボニル]アミノ]プロピル}−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(6.8mmol,2.5g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(6.8mmol,1.5g)と、1M t−BuOK(14.4mmol,14.4ml)を使用し、一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)によって達成された。3−(1−{3−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(2.5mmol,36.8%)がオレンジ色結晶として得られた。mp178−179℃;IR[cm−1]=3408、1714,1689,1613,1515;FD−MSm/z(相対強度)=535.5(100%);H−NMR(300MHz,CDCl)7.95(s,1H,インドール−H);7.60(bs,1H,イミド−NH);7.32(d,J=8.2Hz,1H,インドール−H);7.16(t,J=7.2Hz,1H,インドール−H);6.85(t,J=7.2Hz,1H,インドール−H);6.79(s,2H,2×Ar−H);6.47(d,J=8.2Hz,1H,インドール−H);4.65(bs,1H,NH);4.26(t,J=7.10Hz,2H,インドール−CH);3.85(s、3H,OCH);3.49(s、6H,2×OCH);3.16(m,2H,CHN);2.11(m,2H,CHCHCH);1.44(s,9H,C(CH
【0100】
エタノール150mlおよび2.3Mエタノール性HCl(11.25mmol,4.9ml)中の3−(1−{3−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}−(1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(2.5mmol,1.32g)の撹拌溶液を80℃に3時間加熱した。沈澱を濾過し、エタノールで洗い、標題化合物をオレンジ色結晶として得た。mp274−275℃;IR[cm−1=3145,2958,1761,1708,1597,1499;EI−MSm/z(相対強度)=438(5.6%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)11.11(s,1H,イミド−NH);8.07(s,1H,インドール−H);7.96(bs,3H,NH);7.62(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);7.16(t,J=7.7Hz,1H,インドール−H);6.80(t,J=7.7Hz,1H,インドール−H);6.72(s,2H,2×Ar−H);6.36(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.42(t,J=6.7Hz,2H,インドール−CH);3.65(s,3H,OCH);3.36(s,6H,2×OCH);2.75(dd,2H,J=6.7Hz,J=12.3Hz,CHN);2.07(m,2H,CHCHCH):元素分析C2426ClNに対する計算値C,61.08;H,5.55;N,8.90;実験値C,60.96;H,5.35;N,8.88
【0101】
実施例H
3−(1−[2−ヒドロキシエチル]−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化28】

Galka et al.,J.Lab.Comp.Rad.2005,48,11,797−809の修飾操作を使用した。2−ブロモエタノール(6.6mmol,0.83g=0.47ml)と、t−ブチルジメチルシリルクロライド(6.6mmol,1.0g)と、イミダゾール(7.3mmol,0.5g)の混合物を窒素雰囲気下室温で3時間撹拌した。水を加えて反応を止め、ジエチルエーテルで抽出した。有機相をNaSO上で乾燥し、濃縮した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)によって達成され、(2−ブロモエトキシ)(t−ブチル)ジメチルシラン(6.4mmol,96%)を得た。H−NMR(300MHz,CDCl)3.91(t,J=6.5Hz,2H,OCH);3.41(t,J=6.5Hz,2H,CHBr);0.93(s,9H,C(CH);0.11(s,6H,2×CH
【0102】
上の生成物(6.4mmol,1.53g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(5.99mmol,1.3g)と、CsCO(8.1mmol,2.63g)を用いて一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=7:3)によって達成し、淡黄色オイルとして2−(1−{2−[{1−(t−ブチル)−1,1−ジメチルシリル}オキシ}−エチル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(4.37mmol,73%)を得た。IR[cm−1]=2958,2923,2857,1736,1635,1514,1461;EI−MSm/z(相対強度)375(6.0%、M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.45(m,1H,インドール−H);8.42(s,1H,インドール−H);7.37(m,3H,インドール−H);4.41(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.29(t,J=5.1Hz,2H,インドール−CHCHO);3.95(t,J=5.1Hz,2H,インドール−CHCHO);1,43(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH);0.80(s,9H,C(CH);−0.17(s,6H,2×CH
【0103】
2−(1−{2−[{1−(t−ブチル)1,1−ジメチルシリル}オキシ]エチル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(1.8mmol,0.69g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(1.6mmol,0.36g)と、1M t−BuOK(6mmol,6ml)を用いて一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=7:3)によって達成され、3−(1−{2−[{1−(t−ブチル)1,1−ジメチルシリル}オキシ]エチル}−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)マレイミド(0.7mmol,39%)をオレンジ色オイルとして得た。IR[cm−1]=3186,2980,2930,2879,1692;EI−MSm/z(相対強度)=536(68%、M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.06(s,1H,インドール−H);7.34(d,J=8.1Hz,2H,インドール−H);7.29(bs,1H,イミド−NH);7.15(t,J=7.5Hz,1H,インドール−H);6.84(t,J=7.5Hz,1H,インドール−H);6.77(s,2H,Ar−H);6.42(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.31(t,J=5.2Hz,2H,インドール−CHCHO);3.98(t,J=5.2Hz,2H,インドール−CHCHO);3.86(s,3H,OCH);3.50(s,6H,2×OCH);0.82(s,9H,C(CH);−0.13(s,6H,Si(CH
【0104】
Csuk et al.,Z.Naturforsch.,2003,58b,67−105の修飾操作を使用した。THF10ml中の上の生成物の撹拌溶液へテトラブチルアンモニウムフルオライド(0.79mmol,0.25g)を加えた。反応終了後(TLC制御)濃縮した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:メタノール=2:7:1)によって達成され、3−(1−[2−ヒドロキシエチル]−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)マレイミド(0.4mmol,58%)が、暗赤色結晶として得られた。mp195−196℃;IR[cm−1]=3221,1746,1705;EI−MSm/z(相対強度)=422(100%、M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.02(s,1H,インドール−H);7.37(d,J=7.9Hz,インドール−H);7.32(s,1H,イミド−NH);7.17(t,J=7.7Hz,1H,インドール−H);6.87(t,J=7.7Hz,1H,インドール−H);6.79(s,2H,Ar−H);6.50(d,J=7.9Hz,1H,インドール−H);4.37(t,J=5.2Hz,2H,インドール−CH);4.06(q,J=5.0Hz,2H,CHO);3.86(s,3H,OCH);3.50(s,6H,2×OCH);元素分析C2322:計算値C,65.39;H,5.25;N,6.63;実験値C,65.35;H,5.33;N,6.70
【0105】
実施例I
3−(1−[3−ヒドロキシプロピル]−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化29】

実施例Hと同じ操作を用いて(3−ブロモプロピル)−t−ブチルジメチルシラン(36.4mmol,93%)を合成した。H−NMR(300MHz,CDCl)3.73(t,J=5.7Hz,2H,CHO);3.51(t,J=6.4Hz,2H,CHBr);2.02(q,J=5.7Hz,J=6.4Hz,2H,CHCHCH);0.89(s,9H,C(CH);0.06(s,6H,2×CH
【0106】
次に上の生成物(7.9mmol,2g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(7.4mmol,1.61g)と、CsCO(10mmol,3.25g)を用いて一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=9:1)によって達成され、2−(1−{3−[{1−(t−ブチル)−1,1−ジメチルシリル}オキシ]プロピル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(6.7mmol,91%)を淡黄色結晶として得た。mp51−52℃;IR[cm−1]=3142,2958,2924,2867,1727,1638;EI−MSm/z(相対強度)=389(5.2%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.46(m,1H,インドール−H);8.37(s,1H,インドール−H);7.43(m,1H,インドール−H);7.34(m,1H,インドール−H);4.41(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.33(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CH);3.58(t,J=5.5Hz,2H,CHO);2.06(m,2H,インドール−CHCHCHO);1.43(t,J=7.1Hz,3H,OCHCHCH);0.94(s,9H);0.07(s,6H)
【0107】
2−(1−{3−[{1−(t−ブチル)−1,1−ジメチルシリル]オキシ]プロピル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(6.7mmol,2.64g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(6.04mmol,1.36g)と、1M t−BuOK(18mmol,18ml)とを用いて、一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=7:3)によって達成され、3−(1−{3−[{1−(t−ブチル)−1,1−ジメチルシリル}オキシ]プロピル}−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(3.0mmol,45%)を黄色結晶として得た。mp99−100℃;IR[cm−1]=3201,3066,2955,2923,2854,1771,1701;EI−MSm/z(相対強度)=551(86.49%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.30(bs,1H,イミドール−NH);7.98(s,1H,インドール−H);7.38(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);7.15(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.85(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.80(s,2H,Ar−H);6.47(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.34(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CHCHCHO);3.86(s,3H,OCH);3.60(t,J=5.5Hz,2H,インドール−CHCHCHO);3.49(s,6H,2×OCH);2.08(m,2H,インドール−CHCHCHO);0.94(s,9H,SiC(CH);0.07(s,6H,Si(CH
【0108】
実施例3と同じ操作を用いて3−(1−[3−ヒドロキシプロピル]−1H−インドル−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(2.25mml,75%)を合成した。mp160℃;IR[cm−1]=3367,2980,2882,1708;EI−MSm/z(rel.int.)=437(100%;M);H−NMR(300MHz,CDCl)7.97(s,1H;インドール−N);7.38(m;2H;インドール−H+イミド−NH);7.17(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.86(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.79(s,2H,Ar−H);6.49(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.39(t,J=6.79Hz,2H,インドール−CHCHCHO);3.86(s,3H,OCH);3.65(t,J=5.67Hz,2H,インドール−CHCHCHO);3.50(s,6H,2xOCH);2.13(m,2H,インドール−CHCHCHO);元素分析C2424;計算値C,66.04;H,5.54;N,6.42;実験値:C,65.93;H,5.63;N,6.34
【0109】
実施例J
3−{1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化30】

1−クロロ−2−ジメチルアミノエタン(6mmol,0.65g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(6mmol,1.3g)と、CsCO(6.6mmol,2.15g)を用いて一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:ジエチルアミン=6:3:1)によって達成され、2−{1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ酢酸エチル(3.7mmol,62%)を淡黄色結晶として得た。mp71−72℃;IR[cm−1]=3139,3044,2977,2946,2797,2772,1727,1641;EI−MSm/z(rel.int.)=288(19.15%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.45(m,2H,インドール−H);7.37(m,3H,インドール−H);4.41(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.26(t,J=6.9Hz,2H,インドール−CHCHN);2.76(t,J=6.9Hz,2H,インドール−CHCHN);2.31(s,6H);1.44(t,3H,J=7.1Hz,OCHCH
【0110】
次に上の生成物(3.7mmol,1.07g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(3.7mmol,0.83g)と,1M t−BuOK(10mmol,10ml)を用いて一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=9:1)によって達成され、黄色結晶として3−{1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(1.34mmol,36%)を得た。mp184−185℃;IR[cm−1]=2980,2920,1701;EI−MSm/z(相対強度)=449(100%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.04(s,1H,インドール−H);7.97(bs,1H,NH);7.34(d,J=8.2Hz,1H,インドール−H));7.16(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.85(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.75(s,2H,Ar−H);6.45(d,J=8.2Hz,1H,インドール−);4.32(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CHCHN);3.84(s,3H,OCH);3.47(s,6H,2×OCH);2.80(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CHCHN);2.32(s,6H,N(CH);元素分析C2527:計算値C,66.8;H,6.05;N,9.35;実験値C,66.91;H,6.05;N,9.29
【0111】
実施例K
3−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5)トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化31】

1−クロロ−3−ジメチルアミノプロパン(7mmol,0.75g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(6mmol,1.3g)と、CsCO(6.6mmol,2.15g)を使用して一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:ジュチルアミン=6:3:1)によって行い、2−{1−[2−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ酢酸エチル(3.8mmol,63%)を淡黄色オイルとして得た。IR[cm−1]=3023、2962,2917,1732,1630;EI−MSm/z(相対強度)=302(8.21%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.43(m,1H,インドール−H);8.39(s,1H,インドール−H);7.33(m,3H,インドール−H);4.40(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.27(t,J=6.8MHz,2H,インドール−CHCHCHN);2.22(s,6H,N(CH);2.20(m,2H,インドール−CHCHCHN);2.00(quint,J=6.7Hz,2H,インドール−CHCHCHN);1.42(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH
【0112】
上の生成物(3.8mmol,1.15g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(3.8mmol,0.83g)と、1M t−BuOK(10mmol,10ml)を用いて一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=8:2)によって行い、3−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(0.73mmol,19%)をオレンジ色結晶として得た。mp187−188℃;IR[cm−1]=2939、1705,1613,1578;EI−MSm/z(相対強度)=463(36.77%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.01(s,1H,インドール−H);7.78(bs,1H,イミド−NH);7.37(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);7.16(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.85(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.79(s,2H,Ar−H);6.46(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.31(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CHCHN);3.85(s,3H,OCH);3.49(s,6H,2×OCH);2.28(m,8H,インドール−CHCHCHN+N(CH);2.06(m,2H,インドール−CHCHCHN);元素分析C2629(×2/3HO);計算値C,65.67;H,6.43;N,8.84;実験値C,65.46;H,6.13;N,8.62
【0113】
実施例L
3−{1−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化32】

1−(2−クロロエチル)ピペリジン(10mmol,1.5g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(7mmol,1.5g)と、KCO(10.9mmol,1.5g)を用いて一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:ジエチルアミン=8:1:1)によって行い、2−{1−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−3−イル}−2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ酢酸エチル(4.6mmol,66%)を淡黄色オイルとして得た。IR[cm−1]=2936,2857,1730,1638;EI−MSm/z(相対強度)=328(18.99%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.43(m,2H,インドール−H);7.35(m,3H,インドール−H);4.40(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.25(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CHCHN);2.72(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CHCHN);2.43(m,4H,ピペリジン−CH(C−2+6));1.57(m,4H,ピペリジン−CH(C−3+5));1.43(m,5H,ピペリジン−CH(C−4)+OCHCH
【0114】
上の生成物(4.6mmol,1.51g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(4.6mmol,1.04g)と、1M t−BuOK(14mmol,14ml)を用いて一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=9:1)によって行い、3−{1−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(1.6mmol,35%)を黄色結晶として得た。mp179−180℃;IR[cm−1]=3132,2939,2829,1704,1629;EI−MSm/z(相対強度)=491(31.97%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.18(bs,1H,イミド−NH);8.12(s,1H,インドール−H);7.35(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);7.16(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.85(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.77(s,2H,Ar−H);6.44(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.34(t,J=7.0Hz,2H,インドール−CHCHN);3.85(s,3H,OCH);3.48(s,6H,2×OCH);2.80(t,J=7.0Hz,2H,インドール−CHCHN));2.49(m,4H,ピペリジン−CH(C−2+6));1.62(m,4H−ピペリジン−CH(C−3+5));1.46(m,2H,ピペリジン−CH(C4));元素分析C2831(xHO)計算値C,66.26;H,6.55;N,8.28;実験値C,66.50;H,6.57;N,7.83
【0115】
実施例M
3−{1−(2−モリホリノエチル)−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化33】

1−(2−クロロエチル)モルホリン(10mmol,1.5g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(7mmol,1.5g)と、KCO(10.9mmol,1.5g)を用いて一般的操作を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:ジェチルアミン=5:5:1)によって行い、2−[1−(2−モルホリノエチル)−1H−インドール−3−イル]−2−オキソ酢酸エチル(3.8mmol,55%)を淡黄色結晶として得た。mp99−100℃;IR[cm−1]=3164,2955,2822,1717,1625;EI−MSm/z(相対強度)=330(19.60%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.45(m,2H,インドール−H);7.37(m,3H,インドール−H);4.41(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.27(t,J=6.5Hz,2H,インドール−CHCHN));3.71(m,4H,モルホリン−CH(C3+5));2.79(t,2H,J=6.5Hz,インドール−CHCHN));2.49(m,4H,モルホリン−CH(C2+6));1.44(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH
【0116】
上の生成物(3.8mmol,1.25g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(3.8mmol,0.85g)と、1M t−BuOK(12mmol,12ml)を用いて一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=9:1)によって行い、3−{1−(2−モルホリノエチル)−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(1mmol,27%)をオレンジ色結晶として得た。mp238−239℃;IR[cm−1]=3145、2955,1857,1698,1616;EI−MSm/z(相対強度)=492(44.94%,M);H−NMR(300MHz,DMSO)11.04(bs,1H,イミド−NH);8.07(s,1H,インドール−H);7.56(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);7.13(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.78(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.72(s,2H,Ar−H);6.36(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.40(t,J=6.0Hz,2H,インドール−CHCHN);3.66(s,3H,OCH);3.52(m,4H,モルホリン−CH(C3+5));3.37(s,6H,2×OCH);2.68(t,J=6.0Hz,2H,インドール−CHCHN);2.40(m,4H,モルホリン−CH(C2+6));元素分析C2729(×1/2HO)計算値C,64.79;H,6.04;N,8.39;実験値C,64.63;H,6.03;N,8.23
【0117】
実施例N
3−{1−[3−(4−メチルヘキサヒドロ−1−ピラジンジイウム)プロピル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミドジクロライド
【化34】

Mahesh et al.,Phamazie,2005,60,6,411−414の修飾操作を用いた。アセトン100ml中のN−メチルピペラジン(50mmol,5.55ml)の撹拌溶液を0℃へ冷却した後、25%NaOH水溶液10mlと、1−ブロモ−3−クロロプロパン(50mmol,7.87g=4.92ml)とを注意深く加えた。反応物を室温で24時間撹拌した。減圧下混合物を濃縮後、残渣を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。集めた有機相をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をエタノールで希釈し、そして2.3Mエタノール性HClを添加した後、1−(3−クロロプロピル)−4−メチルピペラジン塩酸塩が白色結晶(12.5mmol,25%)として結晶化した。mp=257℃;H−NMR(300MHz,DMSO)3.74(t,2H,J=6.4Hz,NCHCHCHCl);3.37(m,12H,NCHCHCHCl+4×ピペラジン−CH+2×NH);2.81(s,3H,CH);2.19(d,2H,J=6.8Hz,NCHCHCHCl)
【0118】
1−(3−クロロプロピル)−4−メチルピペラジン(12.5mmol,2.2g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(10mmol,2.17mg)と、KCO(10.8mmol,1.5g)を使用し、一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:ジェチルアミン=5:5:1)によって実施し、2−{1−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ酢酸エチル(5.3mmol,42%)を得た。IR[cm−1]=2936,2790,1727,1638;FD−MSm/z(rel.int.)=359.9(2.05%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.40(m,2H,インドール−H);7.36(m,3H,インドール−H);4.38(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.25(t,J=6.5Hz,2H,インドール−CHCHCHN);2.44(m,8H,4×ピペラジン−CH);2.30(s,3H,CH);2.26(t,J=6.5Hz,2H,インドール−CHCHCHN);2.00(m,2H)
【0119】
上の生成物(5.3mmol,1.9g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(5.3mmol,1.2g)と、1M t−BuOK(15mmol,15ml)を使用し、一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=8:2)によって行った。生成物をエタノールで希釈し、2.3Mエタノール性HClを加えた後、3−{1−[3−(4−メチルヘキサヒドロ−1−ピラジンジイミル)プロピル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミドジクロライド(0.93mmol,29%)をオレンジ色結晶として結晶化した。mp225−226℃;IR[cm−1]=3088、2996,2958,1695;EI−MSm/z(相対強度)=520(27.12%,M);H−NMR(300MHz,DMSO)11.11(bs,1H,イミド−NH);8.09(s,1H,インドール−H);7.64(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);7.15(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.80(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.73(s,2H,Ar−H);6.35(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.43(m,2H,インドール−CHCHCHN);3.70(m,12H,4×ピペラジン−CH+2×NH+インドール−CHCHCHN);3.65(s,3H,OCH);3.37(s,6H,2×OCH);2.80(s,3H,CH);2.24(m,2H,インドール−CHCHCHN);元素分析C2936Cl(×2HCl×HO)計算値C,57.14;H,6.28;N,9.19;実験値C,57.10;H,6.30;N,8.68
【0120】
実施例O
3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化35】

2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチルを製造するため、Catarzi et al.,Arch.Pharm.(Weinheim)1997,330,12,383−386の修飾操作を使用した。ジェチルエーテル30ml中の5−フルオロインドール(7.4mmol,1.0g)と、ピリジン(0.8ml)の撹拌溶液を0℃へ冷却した。エチルオキサリルクロライド(8.9mmol,1.21g=1.5ml)を注意深く20分にわたって加えた。反応物を0℃において1時間、そして室温で4時間撹拌した。沈澱を濾過し、冷ジェチルエーテルおよび水で洗い、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(8mmol,64.8%)を淡黄色結晶として得た。集めた有機相をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)によって精製した。IR[cm−1]=3158,2978,1724,1614;EI−MSm/z(相対強度)=235(9.64%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)9.22(bs,1H,イミド−NH);8.53(d,J=3.3Hz,1H,インドール−H);8.11(dd,J=2.5Hz,J=9.0Hz,1H,インドール−H);7.41(dd,J=4.3Hz,J=9.0Hz,1H,インドール−H);7.06(dt,J=2.5Hz,J=9.0Hz,1H,インドール−H);4.41(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);1.43(t,J=7.1Hz,3H,OCHOCH
【0121】
2−[1−(t−ブトキシカルボニル)−5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチルを製造するため、Basel et al.,J.Org.Chem.,2000,65,20,6368−6380の修飾操作を使用した。ジクロロメタン30ml中の上の2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(4.8mmol,1.1g)およびジ−t−ブチルカーボネート(4.8mmol,1.05g)の撹拌懸濁液へDMAP(ジメチルアミノピリジン)の触媒量を加えた。DMAPの添加により懸濁液は透明溶液になった。反応物を一夜撹拌し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製し、2−[1−(t−ブトキシカルボニル)−5−フルオロ−1H−インドール−3−イル]−2−オキソ酢酸エチル(4.6mmol,95.8%)を白色結晶として得た。mp137−138℃;IR[cm−1]=2974,1753,1736,1663;EI−MSm/z(相対強度)=335(10.61%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.83(s,1H,インドール−H);8.12(dd,J=4.7Hz,1H,インドール−H);8.08(dd,J=2.7Hz,J=9.2Hz,1H,インドール−H);7.14(dt,J=2.7Hz,J=9.2Hz,1H,インドール−H);4.44(q,J=7.2Hz,2H,OCHCH);1.70(s,9H,C(CH);1.45(t,J=7.2Hz,3H,OCHCH
【0122】
上の生成物(4.5mmol,1.5g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(4.5mmol,1.0g)と、1M t−BuOK(13.5mmol,13.5ml)を用い、一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:メタノール=4.75:4.75:0.5)によって行い、3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(1.7mmol,39%)を黄色結晶として得た。mp232−233℃;IR[cm−1]=3289,1716,1577;FD−MSm/z(相対強度)=398.1(1.71%,M);H−NMR(300MHz,DMSO)11.99(bs,1H,インドール−NH);11.07(bs,1H,イミド−NH);8.06(d,J=2.6Hz,1H,インドール−H);7.44(dd,J=4.7Hz,J=8.8Hz,1H,インドール−H);6.94(dt,J=2.3Hz,J=9.1Hz,1H,インドール−H);6.7(s,2H,Ar−H);5.91(dd,J=2.1Hz,J=10.7Hz,1H,インドール−H);3.67(s,3H,OCH);3.43(s,6H,2×OCH);元素分析C2117FN 計算値C,63.63;H,4.32;N,7.07;実験値C,63.44;H,4.45;N,6.86
【0123】
実施例P
3−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化36】

実施例Oと同じ操作を用いて2−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチルを製造した。以下の量を用いた。5−ブロモインドール(6.6mmol,1.29g);
エチルオキザリルクロライド(7.5mmol,1.02g=0.83ml);ピリジン(0.7ml);ジエチルエーテル(30ml)
2−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(3.5mmol,53%)が淡黄色結晶として得られた。mp182−183℃;IR[cm−1]=3224,1720,1618;EI−MSm/z(相対強度)=297(100%,M);H−NMR(300MHz,CDCl+DMSO)11.79(bs,1H,NH);8.09(d,J=1.1Hz,1H,インドール−H);8.01(d,J=3.3Hz,1H,インドール−H);7.01(m,2H,インドール−H);4.04(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);1.07(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH
【0124】
実施例Oと同じ操作を用いて2−[1−(t−ブトキシカルボニル)−5−ブロモ−1H−インドール−3−イル]−2−オキソ酢酸エチルを製造した。以下の量を用いた。2−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(3.5mmol,1.05g);ジ−t−ブチルジカーボネート(4mmol,0.8g);DMPA;ジクロロメタン(30ml)
2−{1−(t−ブトキシカルボニル)−5−ブロモ−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ酢酸エチルが白色結晶(2.6mmol,74,3%)として得られた。mp159−160℃;IR[cm−1]=2962,1751,1732,1663;EI−MSm/z(相対強度)=397(12.17%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.78(s,1H,インドール−H);8.56(d,J=2.0Hz,インドール−H);8.05(d,J=8.9Hz,1H,インドール−H);7.52(dd,J=2.0Hz,J=8.9Hz,1H,インドール−H);4.44(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);1.70(s,9H,C(CH);1.45(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH
【0125】
上の生成物(2.6mmol,1.02g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(2.7mmol,0.6g)と、1M t−BuOK(8mmol,8ml)を用い、一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:メタノール=4.5:4.5:1)によって行い、3−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(0.68mmol,26%)をオレンジ色結晶として得た。mp259−262℃;IR[cm−1]=3342,1708,1614;FD−MS m/z(相対強度)=458.1(38.24%,M);H−NMR(300MHz,DMSO)12.07(bs,1H,インドール−NH);11.08(bs,1H イミド−NH);8.05(d,J=2.7Hz,1H,インドール−H);7.40(d,J=8.6Hz,インドール−H);7.20(dd,J=1.6Hz,J=8.6Hz,1H,インドール−H);6.68(s,2H,Ar−H);6.38(s,1H,インドール−H);3.71(s,3H,OCH);3.43(s,6H,2×OCH);元素分析C2117BrN;計算値C,55.16;H,3.75;N,6.13;実験値C,55.06;H,3.87;N,6.01
【0126】
3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体の生物学的効果
本発明の3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体(表1を見よ)が、脈管内皮結腸癌および胃癌細胞ラインの生存率に対するそれらの効果、それらの抗新生物活性、および異なるタンパクキナーゼに対するそれらの阻害効果について研究された。
【0127】
材料および方法
GSK−3β,VEGFR−2,FLT−3キナーゼ阻害アッセイ
タンパクキナーゼGSK−3β,VEGFR−2,FLT−3の活性に対する試験化合物の効果は、Millipore UK Ltd;Gemini Cresent;Dundee Technology Park;Dundee DD2 1SW,UK(IC50 Profier)によって決定した半最大阻害濃度(IC50)値に基づいて評価された。詳細なプロトコールはwww.millipore.com./drugdiscovery/dd3/assay/protocolsを見よ。
【0128】
定量的ニワトリ胎芽インビボアッセイにおける抗新生物活性の評価
脈管形成(新血管形成)の阻害はWO2006/061212に記載されているように測定された。
【0129】
抗増殖効果の評価(MTTアッセイ)
テスト化合物の抗増殖活性は、以前記載されたように(Mosmann,T.et al.(1983)J.Immunol.Methods65,55−63),3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)アッセイによって決定された。指数増殖期にある細胞が96ウェル平底プレートへ移された。10,000個の生存細胞を含んでいる細胞懸濁液(200μl)が各ウェルへプレートされ、異なる濃度の化合物の100μlと共に37℃において5%COと共に3日インキュベートされた。時点(3日)の終りに,MTTストック溶液(5mg/ml)(Biomol,ドイツ)の10μl/ウェルが加えられた。細胞は次に37℃において5%COと共に4時間インキュベートされた。可溶化溶液(0.01M HCl中10%SDS)100μlが加えられ、そして細胞は37℃において5%COと共に一夜インキュベートされた。プレートがELISA−リーダーELX800(BIO−TEKソフトウェアKC4)上で562nm吸光度において読まれた。各実験は3回実施された。
【0130】
細胞サイクル分析によるNicolettiアポプトシスアッセイ
癌細胞が12ウェル平底プレートへ移された。1.5×10個生存細胞を含んでいる細胞懸濁液(1ml)が各ウェルへプレートされ、そして種々濃度の剤へ暴露前に一夜インキュベートされた。細胞は次に単独で適用された剤、イリノテカン単独、または剤とイリノテカンまたはトポテカンとの組合わせの種々の濃度を有する媒体中で37℃において5%COと共にインキュベートされた。インキュベーション後、細胞はPBSで洗浄され、トリプシン化およびペレット化され、そしてヨウ化プロピジウムバッファー(0.1%クエン酸ナトリウム、0.1%トリトンX−100,50mg/mlヨウ化プロピジウムを含有)と混合され、4℃で1時間インキュベートされた。細胞サイクルサブ−G1−分画分析は、FACSサイトメーター(BD FACS CaliburTM,BD Bioscience,Heidelberg,ドイツ)を用いて以前記載されたとおりに実施された。各実験は3回実施された。同じ分析は、HUVEC細胞でも実施された。1.5×10細胞が各ウエル中へプレートされ、そしてテスト化合物で4日間処理された。
【0131】
テスト化合物(式(I)の化合物)および細胞毒剤
DMSO中26mMのテスト化合物の作業溶液がつくられ、部分標本中に−20℃で貯蔵された。イリノテカンおよびトポテカンはマインツ大学薬局から得て、水に溶解した。それぞれイリノテカン29.6mMおよびトポテカン4.75mMが調製され、部分標本で4℃で貯蔵された。薬物は所望の濃度を得るため使用直前培地中に希釈された。
【0132】
細胞ライン
ヒト結腸癌細胞ラインHCT−116,HT−29,Caco−2,SW480および胃癌細胞ラインMKN−45はDSMZ,ドイツから得た。HCT−116,HT−29およびSW480は、10%FCSを補給したRPMI 1640中で、Caco−2細胞は、20%FCSと非必須アミノ酸を補給した80%MEM(Earle‘s 塩添加)中で培養された。すべての細胞は37℃および5%COに保たれた。
【0133】
VEGFに対しミトゲン特異性として知られるヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)は、マインツ大学病院病理学部、ドイツから得た。細胞は、20% FCS,1% Pen/Strep,0.34% GlutaMAX−I,25μg/ml内皮細胞増殖サプリメント(BD Bioscience),25μg/ml ヘパリン ナトリウム(179 USP 単位/mg,Sigma,ドイツ)を補給したM199中に培養され、そして37℃および5%COに保たれた。
【0134】
実施例1:式(I)の化合物はタンパクキナーゼVEGFR−2,FLT−3およびGSK−3βに対して異なる選択性プロファイルを有する:
タンパクキナーゼVEGFR−2,FLT−3およびGSK−3βに対するテスト化合物の阻害効果は、それぞれのキナーゼ阻害アッセイを用いて研究され、そして半最大阻害濃度(IC50)がアッセイ結果から決定された(表2を見よ)。個々のテスト化合物はキナーゼ選択性にかなりの相違を示した。アザインドールまたは1−H インドール基を有する化合物、すなわち化合物A,B,CおよびDは有意にVEGFR−2を阻害し、低ナノモル範囲のIC50値を示した。低ナノモル範囲のIC50値を持つ最も強力なGSK−3β阻害剤は、Nlヒドロキシアルキルまたはアミノアルキル置換インドール基を有する化合物(化合物F,G,HおよびI)と、5−または6−アザインドール基を有する化合物(化合物CおよびD)であった。FLT−3は、化合物A,BおよびFによって最も有意に阻害された。要約すると、選択性キナーゼプロファイルを持ったテスト化合物の集まりが同定され、他のキナーゼ活性により生ずる低い副作用を示しつつ、ある種の腫瘍または症状に特異的な適用を許容する。
【0135】
表2:VEGFR−2,FLT−3およびGSK−3βのキナーゼアッセイにおけるIC50の決定
【表2】

【0136】
実施例2:式(I)の化合物は微小脈管形成阻害を示す
本発明の化合物の抗脈管形成活性が定量的ニワトリ胎芽インビボアッセイを用いて分析された。24時間インキュベーション後、テスト化合物は、微小脈管形成の82%までの阻害を示し(表3)、有意な抗脈管形成活性を示した。
【0137】
表3:微小脈管形成の阻害
【表3】

【0138】
実施例3:式(I)の化合物はHUVEC細胞のアポプトシスを誘発する
本発明の化合物は、低マイクロモル範囲までのナノモル濃度において、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVAC)のVEGF依存増殖に対するそれらの効果について研究された。表4に示すように、高い投与量依存性プロアポプトチック活性、すなわちサブ−G1細胞の有意に増加したフラクションがテスト化合物で4日間インキュベートしたサンプル中に観察された。
【0139】
表4:HUVEC中のアポプトシスの誘発
【表4】

【0140】
実施例4:式(I)の化合物はインビボにおいてヒト結腸腺癌細胞の生存率を減少する
HT−29ヒト結腸腺癌細胞に対するテスト化合物の有効性がMTTアッセイによって測定された。すべてのテスト化合物は、低マイクロモル範囲の濃度で適用する時、HT−29細胞に対し有意な投与量依存細胞毒性を示した(表5)。
【0141】
表5:HT−29結腸腺癌細胞生存率の減少
【表5】


【0142】
実施例5:式(I)の化合物とトポイソメラーゼI阻害剤の組み合わせはヒト結腸および胃腺癌細胞のアポプトシスを促進し、相乗効果を示す
テスト化合物とトポイソメラーゼI阻害剤イリノテカンおよびトポテカンがアポプトシスアッセイにおいてそれらの個別および組み合わせ効果について分析された。
テスト化合物と低投与量イリノテカンの有意な相乗効果がCaco−2,SW480,HT−29およびHCT−116に対して示された(表6)。化合物Aとトポテカンの組み合わせはCaco−2,MKN−45,SW480およびHT−29のアポプトシスを相乗的に阻害した(表7)。さらなるテスト化合物はHT−29細胞に対しイリノテカンと組み合わせてテストされた(表8)。Nl置換インドール基を有するすべての化合物(化合物F〜N)、およびハロゲン化インドール基を有する化合物(化合物OおよびP)は、少なくとも化合物Aに匹敵する活性を示した。いくつかの化合物(H,IおよびL)はイリノテカンとの組み合わせにおいて化合物Aよりも強力であった。
これらの結果は、本出願に記載した、イリノテカンおよびトポテカンのようなトポイソメラーゼI阻害剤と組み合わせた式(I)の化合物の使用は、胃および結腸直腸癌細胞に対して大きく改善された効果を提供することができることを証明する。このためより良い耐薬性へ導く投与量減少を伴ったトポイソメラーゼI阻害剤の効力の増強を達成することができ、そして癌細胞の薬物抵抗性を克服することができる。
【0143】
表6:化合物Aをイリノテカンと組み合わせることによるヒト結腸および胃腺癌細胞のアポプトシスの促進
【表6】

【0144】
表7:化合物Aをトポテカンと組み合わせることによるヒト結腸および胃腺癌細胞のアポプトシスの促進
【表7】

【0145】
表8:式(I)の化合物とイリノテカンの組み合わせによるヒト結腸腺癌細胞(HT−29)のアポプトシスの促進
【表8】


【0146】
実施例6:バンデタニブおよびスニチニブに比較した化合物AによりHT−29細胞アポプトシス誘発
イリノテカン併用がヒトHT−29細胞を使用してアポプトシスアッセイにより分析された。イリノテカンと組み合わせたテストした剤は化合物Aと、そして結腸直腸癌の処置のために臨床開発中の2種類の匹敵する受容体チロシンキナーゼ阻害剤である、バンデタニブおよびスニチニブを含んでいた。
表9に示すように、化合物Aは、イリノテカン併用処置7日においてバンデタニブおよびスニチニブの同じ処置養生法と比較してアポプトシスのより大きい誘発を示した。この結果は、イリノテカンと、化合物Aのような式(I)の化合物の組み合わせの他の受容体チロシンキナーゼ阻害剤に比較しての結腸直腸癌細胞に対する改善された効果を証明する。
【0147】
表9:イリノテカンとの併用処置に比較した化合物Aとバンデタニブおよびスニチニブの比較
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
結腸直腸または胃腺癌の処置に使用のための式(I)の3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体、生理学的に許容し得るその塩、または式(I)の化合物の溶媒和物もしくはその塩:
【化37】

式中、
は、H、C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキルまたはフェニルであり;
は式、
【化38】

を有する基であって、ここでR,RおよびRはC−C−アルコシキであり;
はC−Cアルキル、C−C−アルコシキ、フェニル、OH、ハロゲン、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキル−R10、O,NおよびSから独立に選ばれたヘテロ原子1または2を含む環原子5または6のヘテロアリール、またはO,NおよびSから独立に選ばれたヘテロ原子1または2を含む環原子5または6のヘテロサイクリルから独立に選ばれた1,2または3個の置換基を持つことができるインドリルまたはアザインドリルであり;R10は、
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、
c)ジ−C−C−アルキルアミノ、
d)ヒドロキシ、
e)C−C−アルコキシ、
f)1個の窒素ヘテロ原子と、任意にO,NおよびSから独立に選ばれた追加のヘテロ原子を含んでいる環原子5または6の飽和ヘテロサイクリルであって、窒素原子を介してC−C−アルキルへ結合し、そして1,2,3または4個のC−C−アルキル置換基を担持し得る飽和ヘテロサイクリル;
g)フェノキシ、
h)ベンジルオキシ、
i)R11CONR12−、
j)NR1212CO−、
k)C−C−アルキル−NHCONH−、
l)C−C−アルキル−NHCOO−、
m)C−C−アルキル−OCONH−、
n)R12−OSOO−、
o)R11SOO−、
p)R12−OSO−、
q)R11SO−、
r)(R12O)P(O)O−、
s)(R12O)P(O)−、および
t)(R12O)R11P(O)O−
から選ばれ;
11はC−C−アルキルであり;
12はHまたはC−C−アルキルである。
【請求項2】
が、
【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

から選ばれた請求項1の使用のための化合物;
式中、
は、H、C−C−アルキルまたはフェニルであり;
は、H、C−C−アルキルまたはフェニルであり;
は、H、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、OH、ハロゲン、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、O,NおよびSから独立に選ばれたヘテロ原子1または2を含む環原子5または6のヘテロアリール、またはO,NおよびSから独立に選ばれたヘテロ原子1または2を含む環原子5または6のヘテロサイクリルである。
【請求項3】
が3個のC−C−アルコキシ基で置換されたフェニルであり、そしてR
【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

から選ばれ、
式中、
は、HまたはC−C−アルキルであり、
は、HまたはC−C−アルキル−R10であり、R10は、
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、
c)ジ−C−C−アルキルアミノ、
d)ヒドロキシ、
e)C−C−アルコキシ、
f)1個の窒素ヘテロ原子と、任意にO,NおよびSから独立に選ばれた追加のヘテロ原子を含んでいる環原子5または6の飽和ヘテロサイクリルであって、窒素原子を介してC−C−アルキルへ結合し、そして1,2,3または4個のC−C−アルキル置換基を担持し得る飽和ヘテロサイクリル;
g)フェノキシ、
h)ベンジルオキシ、
i)R11CONR12−、
j)NR1212CO−、
k)C−C―アルキル−NHCONH−,
l)C−C―アルキル−NHCOO−,
m)C−C―アルキル−OCONH−
n)R12−OSOO−,
o)R11SOO−、
p)R12−OSO−、
q)R11SO−、
r)(R12O)P(O)O−、
s)(R12O)P(O)−、および
t)(R12O)R11P(O)O−
から選ばれ;
はH、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、OHまたはハロゲンであり;そして
11およびR12はC−C−アルキルである、請求項1に従った使用のための化合物。
【請求項4】
がHである請求項1ないし3のいずれかに従った使用のための化合物。
【請求項5】
(1)式(Ia):
【化49】

を有し、式中R,R,RおよびRは請求項1の定義のとおりであり、そしてR,RおよびRは請求項2または3に定義したとおりであり、特にR,RおよびRはHであり、Rはハロゲンであり;
(2)式(Ib):
【化50】

を有し、式中R,R,RおよびRは請求項1の定義のとおりであり、そしてR,RおよびRは請求項2または3の定義のとおりであり;
(3)式(Ic):
【化51】

を有し、式中R,R,RおよびRは請求項1の定義のとおりであり、そしてR,RおよびRは請求項2または3の定義のとおりであり;
(4)式(Id):
【化52】

を有し、式中R,R,RおよびRは請求項1の定義のとおりであり、そしてR,RおよびRは請求項2または3の定義のとおりであり;
(5)式(Ie):
【化53】

を有し、式中R,R,RおよびRは請求項1の定義のとおりであり、そしてR,RおよびRは請求項2または3の定義のとおりである、請求項1ないし4のいずれかに従った使用のための化合物。
【請求項6】
,RおよびRはHである請求項1ないし5のいずれかに従った使用のための化合物。
【請求項7】
,RおよびRはHである請求項1ないし6のいずれかに従った使用のための化合物。
【請求項8】
10が、
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、
c)ジ−C−C−アルキルアミノ、
d)ヒドロキシ、
e)C−C−アルコキシ、
f)1個の窒素ヘテロ原子と、任意にO,NおよびSから独立に選ばれた1個または2個の追加のヘテロ原子を含んでいる環原子5または6の飽和ヘテロサイクリルであって、窒素原子を介してC−C−アルキルへ結合し、そして1,2,3または4個のC−C−アルキル置換基を担持することができる飽和ヘテロサイクリルから選ばれる、請求項1ないし7のいずれかに従った使用のための化合物。
【請求項9】
3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体は以下の化合物である、請求項1に従った使用のための化合物。
【化54】


【請求項10】
処置は、抗新生物剤、多剤抵抗性逆転剤、生物学的応答モディファイヤーおよびそれらの組み合わせから選ばれたさらなる化学療法剤の投与をさらに含んでいる、請求項1ないし9のいずれかに従った使用のための化合物。
【請求項11】
さらなる化学療法剤は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、エキサテカン、ルルトテカン、ギマテカン、プロセカン、カレニテシン、ベロテカン、シラテカン、ジフロモテカンおよびそれらの塩から選ばれたトポイソメラーゼI阻害剤、特にイリノテカンである請求項10に従った使用のための化合物。
【請求項12】
処置は、癌細胞のアポプトシスの容易性の促進またはアポプトシスの誘発を含んでいる請求項1ないし11のいずれかに従った使用のための化合物。
【請求項13】
結腸または胃腺癌が難治性腺癌である請求項1ないし12のいずれかに従った使用のための化合物。
【請求項14】
結腸直腸または胃腺癌の処置のための請求項1ないし9のいずれかに定義した式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩、または前記化合物の溶媒和物またはその塩の使用。
【請求項15】
請求項1ないし9のいずれかに定義した式(I)の化合物、生理学的に許容し得るその塩、または前記化合物の溶媒和物またはその塩の治療上有効量を投与することを含む、対象の結腸直腸または胃腺癌を処置する方法。
【請求項16】
さらなる化学療法剤の投与を含む請求項15の方法。
【請求項17】
化学療法剤は、抗新生物剤、多剤抵抗性逆転剤、生物学的応答モディファイヤーおよびそれらの組み合わせから選ばれる請求項16の方法。
【請求項18】
さらなる化学療法剤は、トポイソメラーゼI阻害剤である請求項15の方法。
【請求項19】
さらなる化学療法剤は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、エキサテカン、ルルトテカン、ギマテカン、プロセカン、カレニテシン、ベロテカン、シラテカン、ジフロモテカンおよびそれらの塩から選ばれたトポイソメラーゼI阻害剤、特にイリノテカンである請求項18の方法。
【請求項20】
トポイソメラーゼI阻害剤は、イリノテカンまたはトポテカンである請求項18の方法。
【請求項21】
処置は、癌細胞のアポプトシス容易性の促進またはアポプトシスの誘発を含む請求項15の方法。
【請求項22】
結腸直腸または胃腺癌は難治性腺癌である請求項15の方法。

【公表番号】特表2013−514294(P2013−514294A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543625(P2012−543625)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069349
【国際公開番号】WO2011/073091
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(312016078)ヨハネス、グーテンベルク−ウニフェルジテート、マインツ (2)
【出願人】(512157829)ウニフェルジテーツメディツィン、デル、ヨハネス、グーテンベルク−ウニフェルジテート、マインツ (1)
【Fターム(参考)】