説明

結露検出装置、結露促進装置および結露検出方法

【課題】分子程度の大きさの液化分子の凝縮を容易に検出することができる結露検出装置、結露促進装置および結露検出方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る結露検出装置は、光源と、結露促進部12と、受光部と、液体凝縮解析部と、を有する。結露促進部12は、基板41と、基板41の上面に形成され所定の金属に表面の少なくとも一部を覆われた周期構造42と、所定の金属により構成され周期構造42の周期より小さい直径を有し周期構造42の表面に付着した複数の金属微粒子43と、を有し、所定の金属の周期構造の表面プラズモン共鳴および複数の金属微粒子の表面プラズモン共鳴により光源が照射した光の一部をプラズモン吸収する。受光部は、結露促進部による反射光を受光する。液体凝縮解析部は、受光部により受光された反射光にもとづいて結露促進部12の上面の液体の凝縮を解析する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、被測定気体の物体表面への結露を検出する結露検出装置、結露促進装置および結露検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の結露を検出する技術に、特開2005−283509号公報(特許文献1)に開示された技術がある。
【0003】
この特許文献1に開示された水分検出装置は、鏡面冷却式の水分検出装置であって、被測定気体中の水分を結露させる鏡面を有する鏡と、鏡に照射した光の反射光にもとづいて鏡面上に生じる水分を検出する手段と、を備える。鏡面には、微小な突部が形成される。このため、突部がない場合に比べ、突部が水分凝集核となって結露や結霜が促進され、応答速度および測定精度の向上が期待できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−283509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、水分凝集核としての突部は、直径および高さが100〜1000nm程度となるよう形成される。このため、従来の技術では、光源として可視光を用いる場合、凝集した水分の大きさが可視光を散乱する十分な大きさの露滴でなければ検出することができない。したがって、従来の技術では、露滴への成長前における水分子程度の大きさの凝集過程を検知することが難しい。
【0006】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、分子程度の大きさの液化分子の凝縮を容易に検出することができる結露検出装置、結露促進装置および結露検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の結露検出装置は、上述した課題を解決するために、光源と、結露促進部と、受光部と、液体凝縮解析部と、を備えたものである。結露促進部は、基板と、基板の上面に形成され所定の金属に表面の少なくとも一部を覆われた周期構造と、所定の金属により構成され周期構造の周期より小さい直径を有し周期構造の表面に付着した複数の金属微粒子と、を有し、周期構造の表面プラズモン共鳴および複数の金属微粒子の表面プラズモン共鳴により光源が照射した光の一部をプラズモン吸収する。受光部は、結露促進部による反射光を受光する。液体凝縮解析部は、受光部により受光された反射光にもとづいて結露促進部上の液体の凝縮を解析する。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の結露検出装置において、周期構造が、基板の上面に複数の微小球が密に周期的に配置された単層膜を形成し、この単層膜を形成する複数の微小球のそれぞれの上面の少なくとも一部を覆うように所定の金属を所定の膜厚で物理蒸着することにより形成され、微小球は、周期構造の表面に付着した金属微粒子より大きい直径を有するものである。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の結露検出装置において、微小球が光源の光の波長より小さい直径を有するものである。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の結露検出装置において、光源の光が300nmより大きく1500nmより小さい波長を有し、周期構造の周期が100nmより大きく300nmより小さい周期であり、周期構造の表面に付着した金属微粒子が1nmより大きく100nmより小さい直径を有するものである。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の結露検出装置において、受光部が少なくとも反射光の所定の測定波長における強度に応じた信号を出力し、液体凝縮解析部が反射光の所定の測定波長における強度にもとづいて結露促進部上の液体の凝縮を解析するものである。
【0012】
また、請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の結露検出装置において、受光部が少なくとも反射光の強度の波長分布を取得可能に構成され、液体凝縮解析部が結露促進部によるプラズモン吸収の波長分布の影響を受けた反射光の強度の周波数分布に応じて結露促進部上の液体の凝縮を解析するものである。
【0013】
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の結露検出装置において、液体凝縮解析部が反射光の強度の波長分布の変化からプラズモン吸収のピーク波長の変化の情報を取得し、このピーク波長変化が長波長シフトすると結露促進部上の液体の凝縮が進行したと判定するものである。
【0014】
さらに、請求項8記載の結露促進装置は、上述した課題を解決するために、基板と、基板の上面に形成され所定の金属に表面の少なくとも一部を覆われた周期構造と、所定の金属により構成され周期構造の周期より小さい直径を有し周期構造の表面に付着した複数の金属微粒子と、を備え、周期構造の表面プラズモン共鳴および複数の金属微粒子の表面プラズモン共鳴により光源が照射した光の一部をプラズモン吸収することを特徴とするものである。
【0015】
一方、請求項9記載の結露検出方法は、上述した課題を解決するために、基板と、基板の上面に形成され所定の金属に表面の少なくとも一部を覆われた周期構造と、所定の金属により構成され周期構造の周期より小さい直径を有し周期構造の表面に付着した複数の金属微粒子と、を有する結露促進部を用いた結露検出方法であって、結露促進部に光を照射するステップと、周期構造の表面プラズモン共鳴および複数の金属微粒子の表面プラズモン共鳴により照射された光の一部をプラズモン吸収するステップと、結露促進部による反射光を受光するステップと、反射光にもとづいて結露促進部上の液体の凝縮を解析するステップと、を有することを特徴とする方法である。
【0016】
また、請求項10記載の発明は、請求項9に記載の結露検出方法において、少なくとも反射光の所定の測定波長における強度に応じた信号を出力するステップ、をさらに有するとともに、液体の凝縮を解析するステップが、反射光の所定の測定波長における強度にもとづいて結露促進部上の液体の凝縮を解析するステップである方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る結露検出装置、結露促進装置および結露検出方法は、分子程度の大きさの液化分子の凝縮を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る結露促進部を含む結露検出装置の一例を示す概略的な全体構成図。
【図2】結露促進部の一例を示す概略的な構成図。
【図3】基板の上面に形成された微小球の単層膜の一構成例を示す平面図。
【図4】(a)は、金属蒸着膜が微小球のそれぞれの上面の全てを覆う場合の様子の一例を示す説明図、(b)は、金属蒸着膜が微小球のそれぞれの上面の一部を覆う場合の様子の一例を示す説明図。
【図5】図4(b)のV−V線断面図。
【図6】周期構造の表面プラズモン共鳴による吸収スペクトルの一例を示す説明図。
【図7】金属微粒子の表面プラズモン共鳴による吸収スペクトルの一例を示す説明図。
【図8】結露促進部による吸収強度の波長分布の一例を示す説明図。
【図9】結露促進部に対して単色光を照射した場合における温度と結露促進部による吸収強度との関係の一例を示す説明図。
【図10】光学系の第1変形例を示す説明図。
【図11】(a)は光学系の第2変形例を示す説明図、(b)は光学系の第3変形例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る結露検出装置、結露促進装置および結露検出方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0020】
本発明の一実施形態に係る結露検出装置、結露促進装置および結露検出方法は、液化分子の凝縮を促進する結露促進部を用い、結露促進部によるプラズモン吸収の影響を受けた反射光にもとづいて分子程度の大きさの液化分子の凝縮を容易に検出する技術を提供するものである。被測定気体は、水蒸気のほか、たとえばエタノールなどの蒸気をも含む。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る結露促進部を含む結露検出装置の一例を示す概略的な全体構成図である。
【0022】
図1に示すように、結露検出装置10は、被測定気体が導入されるチャンバー11と、チャンバー11の内部に配置された結露促進部12と、を備える。また、結露検出装置10は、チャンバー11の内部に配置された結露促進部12の表面(上面)に光を照射する光源13と、この光のうち結露促進部12の上面で反射(散乱)された光を受光する受光部14と、を有する。図1には、光源13が結露促進部12の上面に対し所定の入射角で斜めに光を照射する場合の例について示した。
【0023】
また、チャンバー11の内部に参照光源15および参照光受光部16を設けてもよい。
【0024】
受光部14および参照光受光部16は、受光した光の情報に応じた信号を出力し、情報処理装置30に与える。情報処理装置30は、受光部14により受光された結露促進部12の上面の反射光にもとづいて結露促進部12の上面に液化した分子の凝縮度合いを解析する。
【0025】
結露促進部12の下面には、結露促進部12の上面の温度を変更するための温度調節機構が設けられる。図1には、この温度調節機構が、ペルチェ素子17ならびにペルチェ素子17の下面からの放熱を助けるための放熱フィン18および冷却ファン19により構成される場合の例について示した。ペルチェ素子17は、情報処理装置30に制御されて結露促進部12を加熱または冷却する。
【0026】
結露促進部12およびペルチェ素子17の近傍には、結露促進部12の上面の温度を計測するための温度センサ20が設けられる。温度センサ20の出力は情報処理装置30に与えられる。情報処理装置30は、温度センサ20の出力に応じてペルチェ素子17を制御することにより、結露促進部12の上面の温度を制御する。
【0027】
情報処理装置30は、たとえばデスクトップ型やノートブック型のパーソナルコンピュータなどにより構成することができる。情報処理装置30は、入力部31、表示部32および主制御部を有する。
【0028】
入力部31は、たとえばキーボード、タッチパネル、テンキーなどの一般的な入力装置により構成され、ユーザの操作に対応した操作入力信号を主制御部に出力する。表示部32は、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成され、主制御部の制御に従って各種情報を表示する。
【0029】
主制御部は、CPU、RAMおよびROMをはじめとする記憶媒体などにより構成される。主制御部のCPUは、ROMをはじめとする記憶媒体に記憶された液体凝縮解析プログラムおよびこのプログラムの実行のために必要なデータをRAMへロードし、このプログラムに従って、結露促進部12の上面に凝縮した分子程度の大きさの液化分子を容易に検出する処理を実行する。
【0030】
主制御部のRAMは、CPUが実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。主制御部のROMをはじめとする記憶媒体は、情報処理装置30の起動プログラム、液体凝縮解析プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
【0031】
なお、ROMをはじめとする記憶媒体は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。ここで電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、無線/有線LAN(Local Area Network)やインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワークなどを含む。
【0032】
主制御部のCPUは、液体凝縮解析プログラムによって、少なくとも液体凝縮解析部33および温度制御部34として機能する。この各部33および34は、RAMの所要のワークエリアをデータの一時的な格納場所として利用する。なお、これらの機能実現部33および34は、CPUを用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0033】
液体凝縮解析部33は、受光部14により受光された反射光にもとづいて結露促進部12の上面の液体の凝縮度合いを解析する。この解析結果は、表示部32に表示される。
【0034】
温度制御部34は、入力部31を介してユーザにより指示を受けて、またはあらかじめ設定された温度調整スケジュールに従って、温度センサ20の出力に応じてペルチェ素子17を制御することにより、結露促進部12の上面の温度を制御する。
【0035】
図2は、結露促進部12の一例を示す概略的な構成図である。結露促進部12は、周期構造42の表面プラズモン共鳴、および複数の金属微粒子43の表面プラズモン共鳴により光源13から照射された光をプラズモン吸収するよう構成されるとともに、被計測気体の液化分子が吸着しやすいよう構成される。
【0036】
表面プラズモン共鳴は、金属に照射された光と金属表面付近の自由電子との相互作用が共鳴的に起こる現象である。光源13から照射された光は、結露促進部12の上面で生じる表面プラズモン共鳴によりプラズモン吸収される。このため、受光部14が受光する反射光強度は、このプラズモン吸収の影響を反映した波長分布をもつ。
【0037】
光の入射に対する自由電子の応答は、金属表面に接する媒質、すなわち被計測気体の液化分子の誘電率に非常に敏感である。この性質を利用し、結露検出装置10は、受光部14が受光する反射光にもとづいて結露促進部12の上面に吸着した分子サイズレベルの液化分子の吸着を検出する。
【0038】
図2に示すように、結露促進部12は、基板41、所定の金属の周期構造42および所定の金属により構成された複数の金属微粒子43としての複数の銀ナノ粒子を有する。金属微粒子43は、周期構造42の表面に付着される。
【0039】
基板41は、ケイ酸ガラスなどの一般的なガラス基板などにより構成される。
【0040】
周期構造42は、基板41の上面に微小球44としてのポリスチレン球が密に周期的に配置された単層膜と、この単層膜を形成するポリスチレン球のそれぞれの上面の少なくとも一部を覆う金属蒸着膜45と、を有する。
【0041】
図3は、基板41の上面に形成された微小球44の単層膜の一構成例を示す平面図である。
【0042】
単層膜は、たとえば次の手順により形成される。まず、微小球44を溶媒に分散したコロイド溶液を作成する。次にこのコロイド溶液を基板41の上面へ滴下し塗布する。次に基板41の上面に塗布されたコロイド溶液の溶媒を蒸発させる。蒸発に際し、各微小球44の間に毛細管力が働くため、微小球44どうしが引き付けあう。この結果、微小球44が密に周期的に配置された自己組織化単層膜が形成される。この自己組織化単層膜は、六方最密格子構造であることが好ましい(図3参照)。
【0043】
なお、溶媒の蒸発時に粒子間に毛細管力が働き自己組織化膜形成が可能な粒子であれば、微小球44はポリスチレン球に限られず、たとえばシリカ球や、金属や他のポリマーなどにより構成された微粒子などを用いてもよい。また、単層膜の作成方法は自己組織化に限られず、たとえば電子線でパターニングしても構わない。
【0044】
シリカ球は、ポリスチレン球に比べ耐熱性に優れる。このため、微小球44としてシリカ球を用いる場合、ガラス基板上に分散された後に加熱処理を施すことによりシリカ球のガラス基板に対する付着力を向上させることが可能である。具体的には、基板41にシリカ球の単層膜(図3参照)が形成された後、基板41とシリカ球との付着力が向上するよう、基板41および単層膜に対して所定の条件(たとえば700℃で1時間など)で加熱処理が施される。加熱処理により、基板41とシリカ球とが水素結合されて互いの付着力を向上させることができる。
【0045】
単層膜の上面には、所定の金属が物理蒸着される。このとき、蒸着条件(蒸着膜厚、蒸着源と基板41との位置関係など)により、所定の金属は、単層膜を構成する微小球44のそれぞれの上面を全て覆う場合と、微小球44のそれぞれの上面の一部を覆う場合とがある。
【0046】
図4(a)は、金属蒸着膜45が微小球44のそれぞれの上面の全てを覆う場合の様子の一例を示す説明図であり、図4(b)は、金属蒸着膜45が微小球44のそれぞれの上面の一部を覆う場合の様子の一例を示す説明図である。また、図5は図4(b)のV−V線断面図である。なお、図4(a)および(b)において、金属蒸着膜45に対して便宜的に斜線を付した。
【0047】
たとえば、金属蒸着膜45の膜厚が厚い場合(たとえば膜厚が200nm以上など)には、金属蒸着膜45は、微小球44のそれぞれの上面を全て覆う(図4(a)参照)。一方、金属蒸着膜45の膜厚が薄い場合(たとえば膜厚が50nm以下など)には、金属蒸着膜45は、微小球44のそれぞれの上面の一部を覆うキャップ形状(cap-shaped)となる(図4(b)および図5参照)。
【0048】
図4(a)に示すように金属蒸着膜45が微小球44のそれぞれの上面を全て覆う場合には、金属蒸着膜45の表面に沿って生じる電子疎密波である表面プラズモンポラリトン(SPP)は、図中Aの方向には伝搬する伝搬型となり、図中Bの方向には伝搬せずに局在型となる。一方、図4(b)および図5に示すように金属蒸着膜45が微小球44のそれぞれの上面の一部を覆う場合には、SPPは局在型となる。なお、図2には、図4(a)の図中A方向における断面図を示した。
【0049】
SPPが伝搬型の場合には、SPPに起因する表面プラズモン共鳴による吸収は角度依存性をもつ。一方、SPPが局在型の場合には、SPPに起因する表面プラズモン共鳴による吸収は角度依存性をもたない。したがって、たとえば結露促進部12の上面に対して光源13の光を垂直に入射する場合には、SPPが局在型となるよう、すなわち金属蒸着膜45がキャップ形状となるように所定の金属を微小球44の上面に物理蒸着するとよい。
【0050】
所定の金属を微小球44の上面に物理蒸着することにより、基板41の上面に所定の金属に表面の少なくとも一部を覆われた周期構造42が形成される。金属蒸着膜45は、下地となる単層膜の微小球44の配列状態を反映した形状となる。
【0051】
金属蒸着膜45の上面には、被測定気体が結露する。このため、結露過程を通じて所定の金属の表面反射率を高く維持するよう、所定の金属としては不活性な金属を用いるとよい。また、所定の金属は、光源13により照射される光の波長により表面プラズモン共鳴が高効率で生じることが好ましい。たとえば、光源13が300〜1500nm程度の波長の光を出射する場合、所定の金属は金や銀などの貴金属を用いるとよい。以下の説明では、所定の金属として銀を用いる場合の例について示す。
【0052】
なお、光源13が300〜1500nm程度の波長の光を出射する場合、光源13としては可視光波長およびその近傍の波長を出射する光源を用いることができ、受光部14としてはこれらの波長を検知可能な受光素子を用いることができる。この種の光源および受光素子は簡素な構成であるとともに容易に入手できるため、低コストに結露検出装置10を提供することができる。
【0053】
金属蒸着膜45は、下地となる単層膜の微小球44の配列状態を反映した形状を有する。このため、金属蒸着膜45が図4(a)に示すように微小球44のそれぞれの上面を全て覆う場合には、金属蒸着膜45には隣接する微小球44により形成された谷間を反映した細孔(谷間)が多数存在する。また、図4(b)および図5に示すように金属蒸着膜45がキャップ形状である場合には、隣接する微小球44により形成された谷間部分にさらに金属の微小なギャップが形成される。この細孔中および金属の微小なギャップ中では、他の金属表面に比べ、毛管凝縮現象により液体の飽和蒸気圧が低下する。このため、周期構造42の上面の少なくとも一部を覆う金属蒸着膜45は、微小球44が離散的に存在する場合や平面的な金属膜に比べ、被測定気体の液化が促進される。
【0054】
また、水分子の凝縮を検知する場合は、金属蒸着膜45の上面は親水化処理を施してもよい。親水化処理により、金属蒸着膜45の上面への水分子の吸着確率を高めることができる。たとえば金属蒸着膜45が銀により構成される場合、金属蒸着膜45の表面に酸化膜を形成することにより金属蒸着膜45の上面を親水化することができる。この場合、酸化膜の形成方法としては、たとえば水道水または過酸化水素水に数秒間浸す方法などが挙げられる。また、金属蒸着膜45の上面に親水性材料(カルボン酸、スルホン酸など)を塗布するなどして親水性の薄膜を形成することで金属蒸着膜45の上面を親水化しても良い。
【0055】
なお、微小球44(ポリスチレン球)は、その直径が10nm〜1000nm程度であると容易に毛細管力による自己組織化単層膜を形成することができる。また、微小球44の直径は、光源13により照射される光の波長より小さいものを用いる。これは、金属蒸着膜45による表面プラズモン共鳴を高効率で生じさせるためである。ここで、微小球44の直径は周期構造42の周期に直接影響し、周期構造42の周期や所定の金属の材質や金属蒸着膜45の膜厚は周期構造42の表面プラズモン共鳴に影響することに注意する。たとえば光源13が300nm程度以上の波長の光を受光する場合には、微小球44は直径が100nm〜300nm程度のものを用いるとよい。
【0056】
金属蒸着膜45の膜厚は、金属蒸着膜45の内部に効果的に表面プラズモンが形成される膜厚であるとよく、たとえば光源13から照射される光の波長が可視光波長程度である場合は10nm〜200nm程度であることが好ましく、50nm〜100nm程度であるとより好ましい。
【0057】
所定の金属により構成された複数の金属微粒子43(たとえば、銀ナノ粒子)は、コロイド溶液として周期構造42の上面にスピンコートなどにより塗布されて周期構造42の上面に分散して付着する。
【0058】
なお、水分子の凝縮を検知する場合は、金属微粒子43のコロイド溶液の溶媒に対してスルホン酸やカルボン酸などの親水性溶液を添加するとよい。この場合、周期構造42の上面に付着した金属微粒子43の周囲を親水性とすることができ、金属微粒子43の周囲への水分子の吸着確率を高めることができる。
【0059】
周期構造42の上面に分散して付着した複数の金属微粒子43は、それぞれ孤立金属粒子として光源の光に対して局在型SPPにもとづく表面プラズモン共鳴現象を生じる。そこで、金属微粒子43の直径は、光源13により照射される光の波長により金属微粒子43が表面プラズモン共鳴を高効率で生じる直径とするとよく、1nm〜100nmであることが好ましく、5nm〜50nmであると液化分子の凝集核となることが期待されるためより好ましい。
【0060】
さらに好ましくは、金属微粒子43の直径は、金属微粒子43の表面プラズモン共鳴波長が周期構造42による表面プラズモン共鳴波長と一致するように選択される。
【0061】
図6は、周期構造42の表面プラズモン共鳴による吸収スペクトルの一例を示す説明図であり、図7は、金属微粒子43の表面プラズモン共鳴による吸収スペクトルの一例を示す説明図である。
【0062】
なお、図6には、周期構造42の表面に金属微粒子43が付着していない場合の例について示した。また、図7には、ガラス基板上に50nm程度の銀蒸着膜を形成し、その上面に金属微粒子43を分散させた試料における、金属微粒子43による表面プラズモン共鳴による吸収スペクトルの例について示した。また、図6および図7には、あわせて吸収スペクトルの入射角特性を示してある。図6および図7において、入射角は、垂直入射が0度であるものとする。
【0063】
結露促進部12に光が照射されると、結露促進部12は、周期構造42による表面プラズモン共鳴および金属微粒子43による表面プラズモン共鳴により光の一部をプラズモン吸収する。たとえば、結露促進部12に白色光が入射すると、周期構造42によって入射光の回折光成分が生じる。周期構造42の周期は入射光の波長より小さいため、回折光成分は金属蒸着膜45の表面成分のみの非伝搬光成分であり、伝搬光成分を持たない。
【0064】
この結果、金属蒸着膜45を構成する銀の内部の自由電子振動波数と回折光波数が一致すると、表面プラズモン共鳴が生じる。表面プラズモン共鳴波長成分は自由電子に吸収される。このため、反射光強度の波長分布に大きな吸収ピークが現れる(図6参照)。
【0065】
一方、金属微粒子43は、それぞれ孤立金属粒子として光源の光に対して表面プラズモン共鳴現象を生じる。この表面プラズモン共鳴によっても、反射光強度の波長分布に大きな吸収ピークが現れる(図7参照)。
【0066】
表面プラズモン共鳴による吸収共鳴波長は、金属粒子の直径や誘電率、周囲媒質の誘電率で決まる。このため、金属微粒子43の直径を調整することで、金属微粒子43の表面プラズモン共鳴波長と周期構造42による表面プラズモン共鳴波長とを一致させることができる。これらの共鳴波長を一致させることにより、それぞれ単独の場合にくらべて共鳴波長における光の吸収量が増大する。
【0067】
また、金属微粒子43の直径が10nm程度である場合には、金属微粒子43が液化分子の凝集核となる。
【0068】
結露促進部12の表面プラズモン共鳴による受光部14が受光する反射光強度の変化は、理論的な露点または露点よりも高い温度で起きる。このため、結露検出装置10は被測定気体の液化分子程度の大きさの結露促進部12への凝縮を高感度に検知できる。
【0069】
なお、図6および図7に示すように、あらかじめ入射角ごとに吸収スペクトルを取得しておくことにより最もピークが急峻となる入射角を決定しておき、この入射角にあわせて光源13および受光部14を配置するとよい。
【0070】
図8は、結露促進部12による吸収強度の波長分布の一例を示す説明図である。図8には、ペルチェ素子17により結露促進部12の温度を変化させたときの吸収スペクトルの温度特性をあわせて示した。
【0071】
また、図9は、結露促進部12に対して単色光を照射した場合における温度と結露促進部12による吸収強度との関係の一例を示す説明図である。図9には単色光の波長が450nm、470nmおよび490nmである場合の例について示した。
【0072】
光源13は、周期構造42の表面プラズモン共鳴および複数の金属微粒子43の表面プラズモン共鳴を励起可能な波長の光を出射する。また、受光部14は、これらのプラズモン共鳴の影響を受けた反射光を受光し、反射光の情報に応じた信号を出力する。
【0073】
たとえば、光源13が白色光を出射し、受光部14が分光器を備えている場合、受光部14は図8に示した吸収スペクトルの情報を情報処理装置30に与える。この場合、図8に示す例では、吸収スペクトルは結露促進部12の冷却にともない450nm付近で初期の変化を起こす。さらに結露促進部12を冷却することにより液化分子の吸着量が増加すると、図8に示すように、吸収スペクトルはピーク強度を強めながらピーク波長が長波長シフトする。
【0074】
この長波長シフトは、結露促進部12の上面に接する媒質(液化分子)の吸着量増加にともない、結露促進部12の上面の等価的な屈折率が変化したことに起因する。また、この長波長シフトは490nm付近で停止する。これは、結露促進部12の上面全体が吸着した液化分子で覆われたことを示す。
【0075】
このため、光源13が多色光(白色光など)であり、かつ受光部14が吸収スペクトルの情報を出力可能である場合は、液体凝縮解析部33は、この吸収スペクトルにもとづいて結露促進部12の上面の液体の凝縮度合いを解析することができる。たとえば、吸収スペクトルのピーク波長が長波長シフトすると、液体凝縮解析部33は、結露促進部12の上面の液体の凝縮が進行したと判定する。また、あらかじめピーク波長およびピーク強度と結露促進部12の上面の結露量とを関連付けておくことにより、液体凝縮解析部33は、吸収スペクトルにもとづいて結露量を同定することができる。
【0076】
また、図9から明らかなように、特定の波長に注目すると、吸収強度は結露促進部12の上面の結露量に応じて変化する。たとえば図9に示す例では、冷却過程において最も高温側で吸収強度の応答がある波長は450nmである。このため、受光部14を反射光のうち450nmの波長の光のみを受光するよう構成する場合、他の波長(470nmおよび490nm)の場合に比べ、初期の液化分子の吸着に対する感度を高めることができる。また、490nmの場合には表面飽和付近での感度を高めることができ、470nmの場合には初期から飽和付近まで平均的に安定した感度を得ることができることがわかる。
【0077】
そこで、あらかじめ波長ごとに温度と結露促進部12による吸収強度との関係(図9参照)を取得しておき、目的に応じて最適な波長(所定の測定波長)を求めておくとよい。この場合、液体凝縮解析部33は、反射光の所定の測定波長の強度にもとづいて結露促進部12の上面の液体の凝縮度合いを解析する。なお、あらかじめ所定の測定波長における反射光強度と結露促進部12の上面の結露量とを関連付けておくことにより、液体凝縮解析部33は、所定の測定波長の強度にもとづいて結露量を同定することができる。
【0078】
液体凝縮解析部33が反射光の所定の測定波長の強度にもとづいて結露促進部12の上面の液体の凝縮度合いを解析する場合、受光部14はこの所定の測定波長のみを受光するよう構成される。たとえば、光源13が所定の波長(たとえば450nmなど)の単色光を出射する場合は、受光部14はこの単色光と対応する所定の測定波長(たとえば500nmなど)の強度に応じた信号を出力するよう構成されればよい。このとき、光源13が出射する単色光のピーク波長と所定の測定波長とは一致しなくても構わない。また、光源13が多色光(白色光など)を出射する場合は、受光部14の光路上の手前側に所定の測定波長のみを透過するフィルタ25を設けておくとよい(図1参照)。
【0079】
本実施形態に係る結露検出装置10は、結露促進部12の周期構造42による表面プラズモン共鳴および金属微粒子43による表面プラズモン共鳴により影響を受けた反射光にもとづいて結露促進部12の上面の液体の凝縮度合いを解析する。この反射光強度変化は、理論的な露点または露点よりも高い温度で起きる。
【0080】
このため、結露検出装置10は被測定気体の液化分子程度の大きさの結露促進部12への凝縮を高感度に検知できる。したがって、結露検出装置10によれば、露滴への成長前における分子程度の大きさの凝縮過程を検知することができ、容易に結露の予告を行うことができる。
【0081】
また、本実施形態に係る結露検出装置10の結露促進部12の上面に10nm程度の金属微粒子43を分散させる場合、結露検出装置10は、液化分子の分子程度の大きさの凝縮を検知することができる。
【0082】
また、金属微粒子43のコロイド溶液に親水性溶液を添加する場合、結露検出装置10は、金属微粒子43の周囲への水分子の吸着確率をより高めることができ、より早期の凝縮過程を検知することができる。
【0083】
図10は、光学系の第1変形例を示す説明図である。また、図11(a)は光学系の第2変形例を示す説明図、(b)は光学系の第3変形例を示す説明図である。
【0084】
図10に示すように、光源13が出射した光をビームスプリッタ51で分離し、一方の光を直接参照光受光部16へ入射し、他方の光を結露促進部12に照射して受光部14に受光させてもよい。この第1変形例に示す光学系の構成によれば、光源13の出射光の揺らぎを容易に取り除くことができる。
【0085】
また、図11(a)および(b)に示すように、結露促進部12の上面に対して光源13の光を垂直に入射してもよい。図11(a)には、光源13の光を結露促進部12の上面に対して垂直に照射するとともに、正反射光を偏光ビームスプリッタ52および1/4波長板53を用いて受光部14へ導く場合の光学系の構成例について示した。また、図11(b)には、光源13の光をバンドル光ファイバ54で導くことにより結露促進部12の上面に対して垂直に照射するとともに、正反射光をバンドル光ファイバ54で受光部14へ導く場合の光学系の構成例について示した。図11(a)および(b)に示すように垂直入射を行う場合、斜め入射の場合に比べ、光学系の設置や調整を容易に行うことができる。
【0086】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0087】
たとえば、結露検出装置10は、結露の予告を好適に行うことが可能であり、半導体やフラットパネルディスプレイ、リチウムイオン電池などの水分を特に嫌う製造プロセスにおける露点計測や、高効率な燃料電池の開発に必要な供給ガス中の湿度計測に適用することができる。また、ライフサイエンス分野では、蛋白質結晶形成や結晶多形解析・水和解析などにおける露点計測に適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
10 結露検出装置
12 結露促進部
13 光源
14 受光部
33 液体凝縮解析部
41 基板
42 周期構造
43 金属微粒子
44 微小球
45 金属蒸着膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
基板と、前記基板の上面に形成され所定の金属に表面の少なくとも一部を覆われた周期構造と、所定の金属により構成され前記周期構造の周期より小さい直径を有し前記周期構造の表面に付着した複数の金属微粒子と、を有し、前記周期構造の表面プラズモン共鳴および前記複数の金属微粒子の表面プラズモン共鳴により前記光源が照射した光の一部をプラズモン吸収する結露促進部と、
前記結露促進部による反射光を受光する受光部と、
前記受光部により受光された前記反射光にもとづいて前記結露促進部上の液体の凝縮を解析する液体凝縮解析部と、
を備えたことを特徴とする結露検出装置。
【請求項2】
前記周期構造は、
前記基板の上面に複数の微小球が密に周期的に配置された単層膜を形成し、この単層膜を形成する前記複数の微小球のそれぞれの上面の少なくとも一部を覆うように前記所定の金属を所定の膜厚で物理蒸着することにより形成され、
前記微小球は、
前記周期構造の表面に付着した前記金属微粒子より大きい直径を有する、
請求項1記載の結露検出装置。
【請求項3】
前記微小球は、前記光源の光の波長より小さい直径を有する、
請求項2記載の結露検出装置。
【請求項4】
前記光源の光は、300nmより大きく1500nmより小さい波長を有し、
前記周期構造の前記周期は、100nmより大きく300nmより小さい周期であり、
前記周期構造の表面に付着した前記金属微粒子は、1nmより大きく100nmより小さい直径を有する、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の結露検出装置。
【請求項5】
前記受光部は、
少なくとも前記反射光の所定の測定波長における強度に応じた信号を出力し、
前記液体凝縮解析部は、
前記反射光の前記所定の測定波長における強度にもとづいて前記結露促進部上の液体の凝縮を解析する、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の結露検出装置。
【請求項6】
前記受光部は、
少なくとも前記反射光の強度の波長分布を取得可能に構成され、
前記液体凝縮解析部は、
前記結露促進部による前記プラズモン吸収の波長分布の影響を受けた前記反射光の強度の波長分布に応じて前記結露促進部上の液体の凝縮を解析する、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の結露検出装置。
【請求項7】
前記液体凝縮解析部は、
前記反射光の強度の波長分布の変化から前記プラズモン吸収のピーク波長の変化の情報を取得し、このピーク波長変化が長波長シフトすると前記結露促進部上の液体の凝縮が進行したと判定する、
請求項6記載の結露検出装置。
【請求項8】
基板と、
前記基板の上面に形成され所定の金属に表面の少なくとも一部を覆われた周期構造と、
所定の金属により構成され前記周期構造の周期より小さい直径を有し前記周期構造の表面に付着した複数の金属微粒子と、
を備え、
前記周期構造の表面プラズモン共鳴および前記複数の金属微粒子の表面プラズモン共鳴により光源が照射した光の一部をプラズモン吸収することを特徴とする結露促進装置。
【請求項9】
基板と、前記基板の上面に形成され所定の金属に表面の少なくとも一部を覆われた周期構造と、所定の金属により構成され前記周期構造の周期より小さい直径を有し前記周期構造の表面に付着した複数の金属微粒子と、を有する結露促進部を用いた結露検出方法であって、
前記結露促進部に光を照射するステップと、
前記周期構造の表面プラズモン共鳴および前記複数の金属微粒子の表面プラズモン共鳴により前記光の一部をプラズモン吸収するステップと、
前記結露促進部による反射光を受光するステップと、
前記反射光にもとづいて前記結露促進部上の液体の凝縮を解析するステップと、
を有することを特徴とする結露検出方法。
【請求項10】
少なくとも前記反射光の所定の測定波長における強度に応じた信号を出力するステップ、
をさらに有し、
前記液体の凝縮を解析するステップは、
前記反射光の前記所定の測定波長における強度にもとづいて前記結露促進部上の液体の凝縮を解析するステップである、
請求項9記載の結露検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−98082(P2012−98082A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244293(P2010−244293)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(801000072)農工大ティー・エル・オー株式会社 (83)
【出願人】(000108797)エスペック株式会社 (282)
【Fターム(参考)】