説明

絶縁シートの製造方法

【課題】熱伝導性及び絶縁性が比較的高い絶縁シートの製造方法を提供する。
【解決手段】無機フィラー3とポリマー成分4とを備えるポリマー組成物をシート状に成形してポリマーシート2a、2a’を形成するポリマーシート形成工程と、少なくとも2枚の該ポリマーシート2a、2a’を積層して熱プレスし2層以上のポリマー層2b、2b’を有する積層体2cを形成する熱プレス工程とからなる絶縁シートの製造方法であって、ポリマーシート形成工程ではポリマー層2b、2b’の無機フィラー3を該ポリマー層2b、2b’から突き出させ得るように、最大粒径が該ポリマー層2b、2b’の厚さよりも大きな無機フィラー3を用い、熱プレス工程ではポリマー層2b、2b’から無機フィラー3を突き出させて、該無機フィラー3を積層体2cを形成するポリマー層2b、2b’に挿入させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレクトロニクス分野において、金属ベース回路基板、パワーモジュール等に用いられている絶縁シートは、樹脂と無機フィラーとを含有してなる。
【0003】
例えば、特許文献1には、ポリマー成分と無機充填材(以下「無機フィラー」ともいう)とを含む樹脂組成物により形成されたポリマーシートと、金属箔により形成された金属層とが積層された絶縁シートが記載されており、この絶縁シートが多層プリント配線板に用いられることが記載されている。
【0004】
斯かる絶縁シートは、通常、絶縁性に加え、熱伝導性が求められていることから、含有される無機フィラーには、例えば窒化ホウ素や窒化アルミニウムなどといった高い熱伝導率を有する無機窒化物等が用いられている。
【0005】
また、粒径の大きな無機フィラーを含有させる方が、熱伝達経路において無機フィラーとポリマー成分との界面の形成が少なく熱伝導性に有利であり、また、無機フィラーを高充填させる方が熱伝導性に有利である。
【0006】
しかるに、無機フィラーを高充填させると、ポリマーシートにはボイドが形成されやすくなり、斯かるボイドがポリマーシートを貫通する場合には、ボイドを介して、絶縁されるべき媒体間が通電されるという問題がある。
斯かる観点から、ポリマーシートを貫通するボイドが形成されても、このボイドを介して、絶縁されるべき媒体間が通電されないように、該ポリマーシートを少なくとも1枚の他のポリマーシートに積層して絶縁シートを形成する方法も提案されている(例えば、特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】特開2006−191150号公報
【特許文献2】特開2005−298582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のポリマーシートを複数枚積層して形成した絶縁シートでは、十分な熱伝導性が得られない。
【0009】
本発明の課題は、上記従来の問題点に鑑み、熱伝導性が比較的高く、且つ絶縁性が比較的高い絶縁シートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、本発明は、無機フィラー3とポリマー成分4とを備えるポリマー組成物2’をシート状に成形してポリマーシートを形成するポリマーシート形成工程と、少なくとも2枚の該ポリマーシート2a、2a’を積層して熱プレスし2層以上のポリマー層2b、2b’を有する積層体2cを形成する熱プレス工程とを実施し、該積層体2cを備えてなる絶縁シートを形成する絶縁シートの製造方法であって、
前記ポリマー層2bの無機フィラー3を該ポリマー層2bから突き出させ得るように、最大粒径が該ポリマー層2bの厚さよりも大きな無機フィラー3を用いてポリマーシート2aを形成する前記ポリマーシート形成工程を実施し、前記熱プレスすることにより、前記ポリマーシート2aによって形成されるポリマー層2bから無機フィラー3を突き出させて、該無機フィラー3を該ポリマー層2bと共に前記積層体2cを形成するポリマー層2b’に挿入させる前記熱プレス工程を実施することを特徴とする絶縁シートの製造方法を提供する。
【0011】
上記構成からなる絶縁シートの製造方法によれば、前記ポリマー層2bの無機フィラー3を該ポリマー層2bから突き出させ得るように、最大粒径が該ポリマー層2bの厚さよりも大きな無機フィラー3を用いてポリマーシート2aを形成することにより、前記絶縁シートが比較的粒径の大きい無機フィラー3を有することとなり、該絶縁シートの熱伝導性は比較的高いものとなる。また、前記熱プレスすることにより、前記ポリマーシート2aによって形成されるポリマー層2bから無機フィラー3を突き出させて、該無機フィラー3を該ポリマー層2bと共に前記積層体2cを形成するポリマー層2b’に挿入させることにより、優れた熱伝導性を有する積層体2cを形成させるとともに、ポリマー層2b、2b’が積層されることから、一方のポリマー層2bを貫通するボイドが形成されても他方のポリマー層2b’によって積層体2cを貫通するボイドが形成されることを防止して、絶縁信頼性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る絶縁シートの製造方法は、好ましくは、4体積%以上の前記無機フィラー3が、該無機フィラー3を有するポリマー層2bの厚さよりも大きな粒径を備えてなる。
【0013】
斯かる絶縁シートの製造方法によれば、より一層優れた熱伝導性を有することができるという利点がある。
【0014】
さらに、本発明に係る絶縁シートの製造方法は、好ましくは、前記積層体2cが、前記無機フィラー3を50〜65体積%含んでいる。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、熱伝導性が比較的高く、且つ絶縁性が比較的高い絶縁シートの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面に基づき説明する。
【0017】
本実施形態の絶縁シートの製造方法では、無機フィラーとポリマー成分とを備えるポリマー組成物を調製するポリマー組成物調製工程と、前記前記ポリマー組成物をシート状に成形してポリマーシートを形成するポリマーシート形成工程と、少なくとも2枚の該ポリマーシートを積層して熱プレスし2層以上のポリマー層を有する積層体を形成する熱プレス工程とを実施し、該積層体を備えてなる絶縁シートを形成する。
また、前記ポリマーシート形成工程は、前記ポリマー層の無機フィラーを該ポリマー層から突き出させ得るように、最大粒径が該ポリマー層の厚さよりも大きな無機フィラーを用いてポリマーシートを形成する工程である。
更に、前記熱プレス工程は、前記ポリマーシートによって形成されるポリマー層から無機フィラーを突き出させて、該無機フィラーを該ポリマー層と共に前記積層体を形成するポリマー層に挿入させる工程である。
【0018】
前記ポリマー組成物調製工程は、無機フィラーとポリマー成分と、必要に応じて揮発性溶媒とその他の成分とを一般的な方法で混合して前記ポリマー組成物を調製する工程である。
【0019】
前記ポリマー組成物調製工程におけるポリマー組成物の作製方法としては、例えば、ポリマー成分を揮発性溶媒で溶解し、更に無機フィラーやその他の成分を加え混合する方法を採用することができる。また、例えば、前記ポリマー組成物のポリマー成分が熱可塑性を有する場合、ポリマー成分を加熱溶融しながら、無機フィラーとこの加熱溶融したポリマー成分とその他の成分とをミキサー等によって混合する方法を採用することができる。
【0020】
前記無機フィラーとしては、前記ポリマー層の無機フィラーを該ポリマー層から突き出させ得るように、最大粒径が該ポリマー層の厚さよりも大きな無機フィラーが用いられる。
【0021】
無機フィラーが不定形等である場合、本発明におけるポリマー層の厚さより大きい最大粒径を有する無機フィラーとは、その粒子を平面に投影した際に、その投影像の最大長さがポリマー層の厚さを超える長さの粒子が含有されていることを意味する。このことにより、前記絶縁シートが比較的粒径の大きい無機フィラーを有することとなり、該絶縁シートの熱伝導性は比較的高いものとなる。
しかしながら、この最大長さが積層体の厚さを超えると、絶縁されるべき媒体間が通電される虞があることから、最大長さがポリマー層の厚さを超え積層体の厚さ以下となるように、ポリマー層の厚さを超え積層体の厚さ以下の目開きを有する標準ふるい(JIS Z 8801)を用いて、無機フィラーを篩い分けしてこのふるい上に残る無機フィラーを除去し、このふるいの目を通過した無機フィラーを用いることが好ましい。
例えば、ポリマー層の厚さを100μm、積層体の厚さを200μmに形成させる場合には、目開きが105μmである標準ふるいを用いて、無機フィラーを篩い分けしてこのふるい上に残る無機フィラーを除去し、このふるいの目を通過した無機フィラーを用いる。
【0022】
前記無機フィラーは、積層体において所望の含有量となるように前記ポリマー組成物に配合される。具体的には、前記無機フィラーの含有量は、積層体を形成させるポリマー組成物のうち、揮発性溶媒を除いた成分に占める無機フィラーの体積割合により決定することができる。
【0023】
絶縁シートの熱伝導性を高めるというという観点で、4体積%以上の前記無機フィラーが、該無機フィラーを有するポリマー層の厚さよりも大きな粒径を備えてなることが好ましい。
【0024】
前記積層体に含まれる無機フィラーは、50体積%以上であることが好ましく、65体積%以下であることが好ましい。50体積%以上であることにより、絶縁シートの熱伝導性がより高まり得る。また、積層体に含有し得る上限という点で、前記無機フィラーの含有量は65体積%以下であることが好ましい。なお、体積は20℃における体積を意味する。
【0025】
前記無機フィラーは、絶縁シートの熱伝導性を高めるという観点で、窒化ホウ素の粒子を含んでいることが好ましい。前記無機フィラーに占める窒化ホウ素の含有割合としては、50体積%以上であることが好ましい。50体積%以上であることにより、絶縁シートの熱伝導性がより高まるという利点がある。なお、絶縁シートの熱伝導性がさらに高まるという点で、100体積%、すなわち、前記無機フィラーは窒化ホウ素の粒子のみからなることが好ましい。
【0026】
窒化ホウ素以外の他の無機フィラーとしては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ガリウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、ダイヤモンドなどの粒子が挙げられる。
【0027】
前記ポリマー成分としては、特に限定されるものではなく、一般に用いられている樹脂成分やゴム成分を単独または複数組み合わせて用いることができる。
この樹脂成分としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を例示でき、この内、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルアミドイミド樹脂、ポリエーテルアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
また、前記ゴム成分としては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体ゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロ・スルホン化ポリエチレン、ポリウレタンゴムなどが挙げられる。
なかでも、加熱接着により絶縁シートを素子等に接着する場合には、ポリマー成分としては、優れた接着性を示すと共に耐熱性にも優れていることからエポキシ樹脂を用いることが好適である。
この加熱接着の際に、接着箇所からの滲み出し等を防止しうる点において、常温固体のエポキシ樹脂が好ましい。
【0028】
一方で、被着体への接着時にある程度の粘度低下が生じないと積層体にあるボイド(空隙)などが消滅しにくく、絶縁性を低下させるおそれもある。
ポリマー組成物に適度な流れ性を付与して、これらの問題をより確実に抑制させ得る点において、このエポキシ樹脂としては、エポキシ当量450〜2000g/eqの常温固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、エポキシ当量160〜220g/eqの多官能の常温固体で60℃から93℃の間に軟化点を有するノボラック型エポキシ樹脂とが(ビスフェノールA型エポキシ樹脂/ノボラック型エポキシ樹脂)=40/60〜60/40となる質量比率で混合されているものを用いることが好ましい。
なお、このエポキシ当量は、JIS K 7236により求めることができる。
【0029】
このように、ポリマー組成物にポリマー成分としてエポキシ樹脂が含まれる場合においては、さらに、エポキシ樹脂の硬化剤、硬化促進剤をポリマー組成物に含有させて熱硬化性を付与することができる。
前記硬化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、トリエチレンテトラミンなどのアミン系硬化剤、フェノールノボラック樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂、ビスフェノール系フェノール樹脂などのフェノール系硬化剤、酸無水物などを用いることができる。
中でも、電気特性における信頼性を確保し易い点において、フェノールノボラック樹脂、ジアミノジフェニルスルホンが好適である。
前記硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、イミダゾール類や、トリフェニルフォスフェイト(TPP)、三フッ化ホウ素モノエチルアミンなどのアミン系硬化促進剤が保存性などにおいて好適である。
【0030】
前記その他の成分としては、分散剤、粘着性付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、加工助剤、安定剤、消泡剤、難燃剤、増粘剤、顔料などといったプラスチック配合薬品として一般に用いられるその他の成分を本発明の効果を損なわない範囲において適宜加えることができる。
【0031】
前記揮発性溶媒は、例えば、前記ポリマー成分を加熱溶解することが困難な場合に、前記ポリマー組成物に含まれる成分を均一分散させるべく用いられる。
前記揮発性溶媒としては、特に限定されないが、ポリマーシート形成工程時において揮発除去が容易であるという点で、沸点が120℃以下のものが好ましい。また、ポリマー組成物との反応性がないという点で、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン等を用いることが好ましい。
【0032】
前記ポリマーシート形成工程は、無機フィラーとポリマー成分とを備えるポリマー組成物をシート状に成形してポリマーシートを形成する工程である。
【0033】
前記ポリマーシート形成工程では、例えば、揮発性溶媒が用いられていない熱可塑性樹脂をベースとしたポリマー組成物を用いる場合には、T−ダイなどを用いた押出し成形などによって、ポリマー組成物を加熱溶融させてポリマーシートを形成することができる。
【0034】
また、前記ポリマーシート形成工程では、例えば、揮発性溶媒が用いられるなどしてポリマー組成物として常温で液状のものを用いる場合には、図1に示すような一般的な塗工装置により、ポリマーシートを形成させるためのポリマー組成物2’を支持層1の一面側に塗工し、続いて、ポリマー組成物2’を乾燥させることにより支持層1上にポリマーシートを形成させることができる。
【0035】
前記ポリマー組成物2’を塗工する方法としては、特に限定されず、ドクターブレード法、コーター法、押し出し成形法、スクリーン印刷法、メタルマスク印刷法などを採用できる。
【0036】
前記ポリマー組成物2’を乾燥する方法としては、常圧での加温による乾燥方法の他、真空条件下で前記ポリマー組成物2’中の揮発性溶媒を揮発除去させる方法も採用できる。前記ポリマー組成物2’中に揮発性溶媒が含まれている場合、通常、この乾燥によりポリマー組成物2’が乾燥し固化する。前記ポリマー組成物2’を乾燥する温度としては、特に限定されないが、例えば熱硬化性樹脂に関して、常圧での乾燥の場合、ポリマー組成物2’に配合された揮発性溶媒の沸点以上であって熱硬化性樹脂の完全硬化温度以下の温度が好ましく、通常は70〜130℃が適当である。
【0037】
前記ポリマーシート形成工程では、図1に示したように支持層1を用いる場合、該支持層1としては、例えば、表面未処理の他、表面粗化処理、表面離型処理されたシート状のものを用いることができる。前記支持層1の材質としては、特に限定されるものではなく、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイミドなどのプラスチック、銅、アルミニウム、ニッケルなどの金属等が挙げられる。なかでも、剥離性が良好で、外形加工性もよく、安価であるという点において、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。前記支持層1の厚みとしては、通常、25〜188μmを例示できる。
【0038】
また、前記ポリマーシート形成工程では、例えば、支持層1を一方で送り出すとともに他方で巻き取り、この送り出しと巻き取りとの間において液状のポリマー組成物2’の塗工と乾燥とを連続的に実施させる、いわゆる「ロール トゥ ロール」などと呼ばれる生産性に優れた方法などを採用することもできる。
【0039】
更に、前記ポリマーシート形成工程は、前記ポリマー層の無機フィラーを該ポリマー層から突き出させ得るように、最大粒径が該ポリマー層の厚さよりも大きな無機フィラーを用いてポリマーシートを形成する工程である。
該ポリマーシート形成工程によれば、前記ポリマー層の無機フィラーを該ポリマー層から突き出させ得るように、最大粒径が該ポリマー層の厚さよりも大きな無機フィラーを用いてポリマーシートを形成することにより、前記絶縁シートが比較的粒径の大きい無機フィラーを有することとなり、該絶縁シートの熱伝導性は比較的高いものとなる。
【0040】
前記ポリマーシートは、通常、図2(A)に示すように、ボイド5を有している。ポリマーシート2a、2a’を熱プレスすることにより、ポリマーシート2a、2a’のボイド5を減少させることができるため、図2(B)に示すように、熱プレス工程後に形成されるポリマー層2b、2b’の方が、ポリマーシート2a、2a’よりも厚さが小さくなる。したがって、斯かる厚さの変化を考慮して、例えば、支持層1にポリマー組成物2’を塗工する際の厚みを適切に設定することにより、所望のポリマー層2b、2b’の厚みとすることができる。ポリマーシート2a、2a’の厚みとしては、特に限定されるものではなく、通常、50〜300μmが挙げられる。また、例えば、常温で固体状のポリマー組成物2’を加熱溶融して、押出し成形などにより前記ポリマーシート2a、2a’を形成する場合は、その成形時の厚みを適切に設定することにより、所望の厚みとすることができる。前記ポリマーシート2a、2a’の厚みは、容易にシート状に形成できる厚みの下限という点で、50μm以上であることが好ましい。また、ポリマーシート2a、2a’に含有されうるボイドを熱プレス工程で容易に減少させることができるという観点で、300μm以下であることが好ましい。
【0041】
尚、ポリマー層が積層されている面の単位面積当たりのポリマー層の質量をw、ポリマー層の厚さをm、ポリマー層の密度をρとすると、下記式(1)で表される。
w=m×ρ (1)
また、ポリマー層の密度ρは、ポリマーシートにおいて、ポリマー層の各成分の密度に、ポリマー層における各成分の体積割合を乗じたものの和から算出することができる。若しくは、別途ポリマー層を1層形成し、斯かる質量と体積を測定して、ポリマー層の密度ρを算出しても良い。
更に、ポリマー層の質量は、該ポリマー層の形成に使用されたポリマー組成物の質量から、熱プレス時に揮発する成分の質量分を引いて算出することができる。
従って、乾燥後の単位面積当たりの質量がwとなるようにポリマーシートを形成させることにより、後段における熱プレス工程後のポリマー層の厚さを目的とする厚さmとすることができる。
【0042】
前記熱プレス工程は、少なくとも2枚のポリマーシート2a、2a’を積層して熱プレスし2層以上のポリマー層2b、2b’を有する積層体2cを形成する工程である。
また、前記熱プレス工程は、前記熱プレスすることにより、前記ポリマーシート2aによって形成されるポリマー層2bから無機フィラー3を突き出させて、該無機フィラー3を該ポリマー層2bと共に前記積層体2cを形成するポリマー層2b’に挿入させる工程である。前記熱プレスすることにより、前記ポリマーシート2aによって形成されるポリマー層2bから無機フィラー3を突き出させて、該無機フィラー3を該ポリマー層2bと共に前記積層体2cを形成するポリマー層2b’に挿入させることによって、優れた熱伝導性を有する積層体2cを形成させるとともに、ポリマー層2b、2b’が積層されることから、一方のポリマー層2bを貫通するボイドが形成されても他方のポリマー層2b’によって積層体2cを貫通するボイドが形成されることを防止して、絶縁信頼性を向上させることができる。
【0043】
前記熱プレス工程では、例えば図2(A)に示すように、前記ポリマーシート形成工程で調製した支持層1付きポリマーシート2a、2a’を2枚、ポリマーシート2a、2a’の支持層がない面同士が向かい合うように重ねあわせ、図2(B)のように重ね合わせたポリマーシート2a、2a’を熱プレスによって一体化して、2層のポリマー層2b、2b’を有する積層体2cを形成する。前記熱プレスすることにより、前記ポリマーシート2aによって形成されるポリマー層2bから無機フィラー3を突き出させて、該無機フィラー3を該ポリマー層2bと共に前記積層体2cを形成するポリマー層2b’に挿入させるように、前記熱プレス工程は実施される。
また、図2(C)に示すように、ポリマー層2b、2b’の一方から支持層1を剥離し、該支持層1が剥離されたポリマー層2bに、さらにポリマーシート2aを積層し、該積層したポリマーシート2aを熱プレスによって一体化し、3層のポリマー層2bを有する積層体2cを形成してもよい。
更に、3枚以上のポリマーシート2aを積層し、該積層したポリマーシート2aを熱プレスによって一体化して、3層以上のポリマー層2bを有する積層体2cを形成してもよい。
また、積層するポリマーシートとしては、シートの厚さ、ポリマー成分の種類、無機フィラーの種類等が異なるもの同士を積層したものを用いても良いが、同種のものを用いる方が好ましい。
【0044】
前記熱プレスの条件としては、特に限定されないが、通常、温度40〜160℃、圧力4〜20MPa、2秒〜10時間が例示でき、該ポリマーシート2aによって形成されるポリマー層2bから突き出される無機フィラー3を、前記ポリマーシート2aと共に前記積層体2cを形成するポリマー層2b’に挿入させるように、適宜熱プレス工程を実施する。積層体2cにエポキシ樹脂が含まれている場合、熱硬化をさらに促進するという点で40℃以上であることが好ましく、積層体2cに含まれているエポキシ樹脂の硬化反応が進みすぎて、電気が絶縁されるべき媒体間に積層体2cを接着できなくなることを防止するという点で160℃以下であることが好ましい。また、積層体2cにあるボイドをさらに減少させるという点で4MPa以上であることが好ましく、一般的な装置で通常なし得る圧力であるという点で20MPa以下であることが好ましい。
また、ボイドを効率良く取り除き得るという点で、減圧下にて熱プレスを行うことがより好ましい。
【0045】
前記熱プレスを実施した後、積層体2cに含まれているエポキシ樹脂は、未硬化の状態、より詳しくは、完全に硬化していない半硬化の状態であるのが好ましい。半硬化の状態としては、実施例に記載されているDSC測定において、全く硬化させていない積層体2cの発熱量を100%として、前記熱プレス工程を実施したあとの積層体2cの発熱量が20〜85%の範囲であることが好ましい。
【0046】
前記熱プレス工程により、積層体2cのボイドが少なくなり得るため、積層体2cに含まれている無機フィラー3同士が密着し、無機フィラー3間の熱伝導の効率が高まり、絶縁シートの熱伝導特性が向上し得る。
また、積層体2cが有し得るボイドが少なくなり得るため、絶縁シートの絶縁性が向上し得る。
【0047】
前記熱プレス工程において、前記ポリマーシート2aを複数枚重ねた状態で熱プレスする場合、該積層体2cの厚みとしては、限定されるものではないが、例えば100〜300μmが挙げられる。
【0048】
前記熱プレス工程は、加熱装置を備えているほかに、例えば、減圧装置を備えているプレス機、冷却装置を備えているプレス機、その他、多段プレス機などによって実施することができる。
また、前記熱プレス工程を実施する具体的方法としては、加熱プレスして自然冷却する方法、熱交換による加熱冷却一貫プレス方法、加熱プレスと冷却プレスとを分け加熱プレス後冷却プレスを行う方法等が例示される。
【0049】
本実施形態の絶縁シートの製造方法において形成された絶縁シートは、例えば、5kV以上の耐電圧を備えてなる。
【0050】
絶縁シートは、積層体2cが脆いため、例えば、積層体2cに、支持層1が積層された構成で用いられうる。支持層としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケルなどの金属箔若しくは金属板等が挙げられる。絶縁シートは、積層体2cに金属箔若しくは金属板が積層されてなることにより、絶縁シートの強度が高まる。
【0051】
また、本実施形態における絶縁シートは、金属ベース回路基板に用いられうる。該金属ベース回路基板は、例えば、前記金属板を備えた絶縁シートにおける積層体2c上に回路層が接着されて構成されうる。斯かる構成からなる金属ベース回路基板は、前記絶縁シートを有しているため、この金属ベース回路基板も熱伝導性ならびに絶縁性に比較的優れたものとなる。
【0052】
更に、本実施形態における絶縁シートは、パワーモジュールに用いられうる。該パワーモジュールは、例えば、前記金属ベース回路基板の回路層の上に半導体チップや、パワーICなどの発熱素子が実装され、これらの素子が一旦シリコーンゲルにて封止され、さらにシリコーンゲル上に樹脂モールドが実施されて構成されうる。斯かる構成からなるパワーモジュールは、前記絶縁シートを有しているため、このパワーモジュールも熱伝導性ならびに絶縁性に比較的優れたものとなる。
【実施例】
【0053】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
以下に示す方法により、絶縁シートを製造した。
【0055】
無機フィラーとして、窒化ホウ素フィラー(水島合金鉄社製 商品名「HP−40」)を用いた。目開きが106μmである標準ふるい(JIS Z 8801)を用いて窒化ホウ素フィラーをふるい分け、このふるいの目を通過した窒化ホウ素フィラーを得た。
このふるいの目を通過した窒化ホウ素フィラーの粒度分布を、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置LS13320(ベックマン・コールター株式会社製)を用いて測定した。チャンネル径の最大値を、窒化ホウ素フィラーの最大粒径とした。窒化ホウ素フィラーの最大粒径は、176.9μmであり、平均粒径(メジアン径“D50”の値)が、24.33μmで、チャンネルごとに求めた体積基準で4.1%の窒化ホウ素フィラーが、100μmよりも大きな粒径を備えていた。
次いで、下記の<ポリマー組成物の配合>に示す配合にてポリマー組成物をディスパーにて減圧下で混合し、ポリマー組成物調製工程を実施した。
<ポリマー組成物の配合>
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂 50質量部
(ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとを重縮合させて得られる重合体、
エポキシ当量450〜500[g/eq])
・ノボラック型エポキシ樹脂 50質量部
(フェノールノボラック、o―クレゾールノボラックをグリシジルエーテル化
したもの、エポキシ当量195〜220[g/eq])
・アミン系硬化剤 (4,4’−ジアミノジフェニルスルホン) 20質量部
・アミン系促進剤 (3フッ化ホウ素・モノエチルアミン錯化合物) 2質量部
・窒化ホウ素フィラー(密度:2.26g/cm3) 317.6質量部
・メチルエチルケトン 253.0質量部
【0056】
上記ポリマー組成物72.7g(ポリマー層の質量:46.5g)を、厚み1oz(約38μm)、面積2500cm2の銅箔に塗工した。塗工方式としては、コーター方式、ロール トゥ ロールを採用し、乾燥条件としては、120℃で5分間とした。以上のようにして、ポリマーシート形成工程を実施した。
【0057】
上記方法で得られたポリマーシートの支持層がない面同士が向かい合うように、2枚のポリマーシートを重ね合わせて、温度:100℃、圧力:8MPa、時間:20分間の条件で熱プレスし、実施例1の金属箔を備えた絶縁シートを作製した。
尚、ポリマー層の密度は1.86g/cm3、ポリマー層の質量は46.5gであり、ポリマー層が積層された面の面積が2500cm2であることから、ポリマー層の厚さは100μmである。したがって、窒化ホウ素フィラーの最大粒径(176.9μm)は、ポリマー層の厚さ(100μm)よりも大きく、4.1体積%の窒化ホウ素フィラーは、ポリマー層の厚さ(100μm)よりも大きな粒径を備えていた。
窒化ホウ素フィラーの密度は2.26g/cm3、ポリマー層の密度は1.86g/cm3であり、積層体は、窒化ホウ素フィラーを70.5質量%含んでなるので、窒化ホウ素フィラーを58体積%含んでなる。
【0058】
(実施例2)
実施例1と同様にして、窒化ホウ素フィラー(水島合金鉄社製 商品名「HP−40」)を、目開きが106μmである標準ふるい(JIS Z 8801)を用いてふるい分け、このふるいの目を通過した窒化ホウ素フィラーを得た。
実施例1と同様に、窒化ホウ素フィラーの粒径分布を測定したところ、窒化ホウ素フィラーは、最大粒径194.2μm、平均粒径(D50)26.41μmで、4.7体積%の窒化ホウ素フィラーが、100μmよりも大きな粒径を備えていた。
この窒化ホウ素フィラーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、絶縁シートを作製した。
【0059】
(実施例3)
実施例1と同様にして、窒化ホウ素フィラー(水島合金鉄社製 商品名「HP−40」)を、目開きが106μmである標準ふるい(JIS Z 8801)を用いてふるい分け、このふるいの目を通過した窒化ホウ素フィラーを得た。
実施例1と同様に、窒化ホウ素フィラーの粒径分布を測定したところ、窒化ホウ素フィラーは、最大粒径194.2μm、平均粒径(D50)32.37μmで、8.8体積%の窒化ホウ素フィラーが、100μmよりも大きな粒径を備えていた。
この窒化ホウ素フィラーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、絶縁シートを作製した。
【0060】
(実施例4)
実施例1と同様にして、窒化ホウ素フィラー(水島合金鉄社製 商品名「HP−40」)を、目開きが106μmである標準ふるい(JIS Z 8801)を用いてふるい分け、このふるいの目を通過した窒化ホウ素フィラーを得た。
実施例1と同様に、窒化ホウ素フィラーの粒径分布を測定したところ、窒化ホウ素フィラーは、最大粒径194.2μmであり、平均粒径(D50)26.89μmで、9.3体積%の窒化ホウ素フィラーが、100μmよりも大きな粒径を備えていた。
この窒化ホウ素フィラーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、絶縁シートを作製した。
【0061】
(比較例1)
表1に示すような、最大粒径、平均粒径、100μmよりも大きな粒径の体積百分率(体積%)の窒化ホウ素フィラーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、絶縁シートを作製した。
【0062】
(比較例2)
表1に示すような、最大粒径、平均粒径、100μmよりも大きな粒径の体積百分率(体積%)の窒化ホウ素フィラーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、絶縁シートを作製した。
【0063】
上記のとおり製造した、各実施例、比較例の絶縁シートの積層体を完全硬化させ、耐電圧、熱伝導率を測定した。完全硬化のための処理条件は、170℃で8時間とした。各測定方法の詳細は以下に説明する。結果を表1に示す。
【0064】
<耐電圧の測定>
耐電圧は、波高率が1.34〜1.48の間にあり、50又は60Hzの周波数の電圧を加えることができる最大電圧AC10kV以上の絶縁破壊装置により測定した。測定方法の詳細については図3、4を参照しながら以下に説明する。
70mm×60mmの絶縁シートの片側の銅箔を剥離し、該剥離面にアルミ板を積層し加熱して、アルミ板を絶縁シートに一体化させ、さらに加熱して積層体を完全硬化させた。積層体の界面から放電が生じることを避けるべく、図3に示すように、銅箔11を60mm×50mmのサイズで銅箔11の四つの角をとるように(半径が5mmとなるように)エッチングして、試料を得た。図4に示すように、この試料6を油槽24の絶縁油23(JIS C2320)中でアルミ板側を下にして黄銅性円板電極22(φ:40mm)上に置き、この試料6の上に、この試料6の略中央部分で接するように黄銅性球状電極21(φ:15mm、重さ:50g)を置いた。この絶縁油23は20±10℃に保ち、試料6に約AC7kVrmsで1分間印加した。そして、絶縁破壊が発生していない場合には、速やかにAC0.5kVrms上げて1分間印加し、絶縁破壊が発生するまでAC0.5kVrms間隔(0.5kVステップ、1分間印加)で昇圧した。
尚、絶縁破壊の判断基準として、カットオフ電流を10mAとした。そして、絶縁破壊が発生した電圧より0.5kV低い印加電圧を耐電圧とした。
【0065】
<熱伝導率の測定>
熱伝導率はトランジスタ法により測定した。測定方法の詳細について図5を参照しながら以下に説明する。
絶縁シートの片側の銅箔を剥離し、該剥離面にアルミ板を積層し加熱して、アルミ板を絶縁シートに一体化させた。この絶縁シートにおける銅箔を10×15mmのサイズでエッチングし、この部分に、トランジスタ(TO−220型 「C2233」)をハンダで固定し、アルミ板側に「1W/m・Kの放熱グリース」を適量塗布して、ここにヒートシンクを貼り付けた。そしてトランジスタにかける電圧と電流とを調整してトランジスタの消費電力が10〜40Wとなるようにして、トランジスタの放熱部の直下、及びアルミ板それぞれに取り付けた熱電対で温度を測定した。
トランジスタの放熱部の直下の温度から、アルミ板の温度を引き、それを電力で割り、その逆数から熱伝導率を算出した。この結果を表1に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
本発明の範囲内である実施例1〜4の絶縁シートの耐電圧は、無機フィラー(窒化ホウ素フィラー)の最大粒径がポリマー層よりも小さい比較例の絶縁シートに比べて、耐電圧を低下させること無く、比較例の絶縁シートに比して高い熱伝導率の値(11.8W/mK以上)を示した。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】塗工装置を表す概略断面図。
【図2】絶縁シートの製造過程を表す概略断面図。
【図3】エッチングされた積層体を表す概略図。
【図4】耐電圧の測定における配置を表す概略図。
【図5】熱伝導率の測定における配置を表す概略図。
【符号の説明】
【0069】
1:支持層、2’:ポリマー組成物、2a、2a’:ポリマーシート、2b、2b’:ポリマー層、2c:積層体、3:無機フィラー、4:ポリマー成分、5:ボイド、6:試料、11:銅箔、21:黄銅性球状電極、22:黄銅性円板電極、23:絶縁油、24:油槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機フィラー(3)とポリマー成分(4)とを備えるポリマー組成物(2’)をシート状に成形してポリマーシートを形成するポリマーシート形成工程と、少なくとも2枚の該ポリマーシート(2a、2a’)を積層して熱プレスし2層以上のポリマー層(2b、2b’)を有する積層体(2c)を形成する熱プレス工程とを実施し、該積層体(2c)を備えてなる絶縁シートを形成する絶縁シートの製造方法であって、
前記ポリマー層(2b)の無機フィラー(3)を該ポリマー層(2b)から突き出させ得るように、最大粒径が該ポリマー層(2b)の厚さよりも大きな無機フィラー(3)を用いてポリマーシート(2a)を形成する前記ポリマーシート形成工程を実施し、前記熱プレスすることにより、前記ポリマーシート(2a)によって形成されるポリマー層(2b)から無機フィラー(3)を突き出させて、該無機フィラー(3)を該ポリマー層(2b)と共に前記積層体(2c)を形成するポリマー層(2b’)に挿入させる前記熱プレス工程を実施することを特徴とする絶縁シートの製造方法。
【請求項2】
4体積%以上の前記無機フィラー(3)が、該無機フィラー(3)を有するポリマー層(2b)の厚さよりも大きな粒径を備えてなることを特徴とする請求項1記載の絶縁シートの製造方法。
【請求項3】
前記積層体(2c)が、前記無機フィラー(3)を50〜65体積%含んでいることを特徴とする請求項1又は2記載の絶縁シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−94887(P2010−94887A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267036(P2008−267036)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000190611)日東シンコー株式会社 (104)
【Fターム(参考)】