説明

絶縁体微粒子膜とその製造方法及びそれを用いたコンデンサー

【課題】
スパッタ法やCVD法では、特殊な真空チャンバーが必要であり、製造コストが高くなるという欠点があり、ゾルゲル法では、反応に高温を必要とするため、基材が耐熱性のものに限定されていた。さらに、大面積の被膜を作成する場合、膜厚にばらつきがあった。
【解決手段】
導電性基材表面に絶縁層として1層形成された絶縁体微粒子膜が導電性基材表面に形成された第1の有機膜と絶縁体微粒子表面に形成された第2の有機膜を介して共有結合している単層絶縁体微粒子膜を製造提供することを要旨とする。さらに同様の方法を用いて、単層誘電体微粒子層が第1及び第2の電極に挟まれた構造のコンデンサーであり、第1の電極と誘電体微粒子が第1の電極表面に形成された第1の有機膜と誘電体微粒子表面に形成された第2の有機膜を介して共有結合しているコンデンサーを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁体微粒子膜とその製造方法及びそれを用いたコンデンサーに関するものである。さらに詳しくは、漏電防止や防水、防湿、防傷機能を有する絶縁体微粒子膜(保護膜あるいはパシベーション膜といわれることがある。)、およびそれを用いた誘電体膜とコンデンサーに関するものであり、表面に熱反応性または光反応性、あるいはラジカル反応性またはイオン反応性を付与した絶縁体微粒子よりなる単層絶縁体微粒子膜や累積絶縁体微粒子膜であることを特徴とする。
【0002】
本発明において、「絶縁体微粒子」には、ポリスチレン、ポリカーボネート等の高分子化合物微粒子、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、タンタルオキサイド等の金属酸化物微粒子が含まれる。
【背景技術】
【0003】
従来から、有機物による保護膜形成には、溶剤に溶かした高分子化合物を塗布する方法、無機物質による耐久性の高い保護膜形成には、スパッタ法やCVD法、ゾルゲル法が用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スパッタ法やCVD法では、特殊な真空チャンバーが必要であり、製造コストが高くなるという欠点があった。また、ゾルゲル法では、反応に高温を必要とするため、基材が耐熱性のものに限定されるという欠点があった。さらに、大面積の被膜を作成する場合、膜厚にばらつきが生じやすい欠点があった。
【0005】
本発明は、基材大きさが制限されることなく、真空チャンバーも必要としない絶縁体微粒子膜やその製造方法として、表面に反応性の官能基を有する有機薄膜を形成した絶縁体微粒子を用い層状の絶縁体微粒子膜とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段として提供される第1の発明は、導電性基材表面に絶縁層として1層形成された絶縁体微粒子膜が導電性基材表面に形成された第1の有機膜と絶縁体微粒子表面に形成された第2の有機膜を介して互いに共有結合していることを特徴とする単層絶縁体微粒子膜である。
ここで、導電性基材表面に形成された第1の有機被膜と絶縁体微粒子表面に形成された第2の有機膜が互いに異なると、単層の微粒子膜を形成する上で都合がよい。
また、共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であると、微粒子膜の被着強度向上できて都合がよい。
さらに、導電性基材表面に形成された第1の有機被膜と絶縁体微粒子表面に形成された第2の有機膜が単分子膜で構成されていると膜厚を制御する上で好都合である。
【0007】
第2の発明は、導電性基材表面を少なくとも第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と導電性基材表面を反応させて導電性基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程と、絶縁体微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と絶縁体微粒子表面を反応させて絶縁体微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の反応性の有機膜が形成された導電性基材表面に第2の反応性の有機膜で被覆された絶縁体微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機膜で被覆された絶縁体微粒子を洗浄除去することを特徴とする単層絶縁体微粒子膜の製造方法である。
【0008】
このとき、導電性基材表面を少なくとも第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と導電性基材表面を反応させて導電性基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程、および絶縁体微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と絶縁体微粒子表面を反応させて絶縁体微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程の後に、それぞれ導電性基材および絶縁体微粒子表面を有機溶剤で洗浄して導電性基材及び絶縁体微粒子表面に共有結合した第1及び第2の反応性の単分子膜を形成すると、被膜強度及び膜厚均一性を向上する上で都合がよい。
【0009】
また、第1の反応性の有機膜がエポキシ基を含み第2の反応性の有機膜がイミノ基を含むか、第1の反応性の有機膜がイミノ基を含み第2の反応性の有機膜がエポキシ基を含むと、被膜耐久性を向上する上で都合がよい。
さらに、第1の反応性の単分子膜がエポキシ基を含み第2の反応性の単分子膜がイミノ基を含むか、第1の反応性の単分子膜がイミノ基を含み第2の反応性の単分子膜がエポキシ基を含むと被膜の被着強度を向上できて好都合である。
【0010】
第3の発明は、導電性基材表面に絶縁層として層状に累積され絶縁体微粒子が絶縁体微粒子表面に形成された有機被膜を介して層間で互いに共有結合していることを特徴とする累積絶縁体微粒子膜である。
ここで、絶縁体微粒子表面に形成された有機被膜が2種類有り、第1の有機膜が形成された絶縁体微粒子と第2の有機膜が形成された絶縁体微粒子とが交互に積層されていると微粒子膜を累積する上で都合がよい。
また、第1の有機膜と第2の有機膜が反応して共有結合を形成していると被膜耐久性を向上する上で都合がよい。
さらに、共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であると、被膜耐久性を向上する上で都合がよい。
【0011】
第4の発明は、少なくとも導電性基材表面を第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と導電性基材表面を反応させて導電性基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の絶縁体微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と絶縁体微粒子表面を反応させて第1の絶縁体微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の反応性の有機膜の形成された導電性基材表面に第2の反応性の有機膜で被覆された第1の絶縁体微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機膜で被覆された第1の絶縁体微粒子を洗浄除去して第1の絶縁体微粒子膜を形成する工程と、第2の絶縁体微粒子を少なくとも第3のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と絶縁体微粒子表面を反応させて第2の絶縁体微粒子表面に第3の反応性の有機膜を形成する工程と、第2の反応性の有機膜で被覆された第1の絶縁媒体が形成された導電性基材表面に第3の反応性の有機膜で被覆された第2の絶縁体微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第3の反応性の有機膜で被覆された第2の絶縁体微粒子を洗浄除去して第2の絶縁体微粒子膜を形成する工程とを含むことを特徴とする累積絶縁体微粒子膜の製造方法である。
【0012】
ここで、第1の反応性の有機膜と第3の反応性の有機膜が同じものであると製造工程を簡略化できて都合がよい。
また、第2の絶縁体微粒子膜を形成する工程の後、同様に第1の絶縁体微粒子膜を形成する工程と第2の絶縁媒体を形成する工程を繰り返し行うと、累積工程を単純化できて都合がよい。
【0013】
さらに、第1〜3の反応性の有機膜を形成する工程の後に、それぞれ導電性基材あるいは絶縁体微粒子表面を有機溶剤で洗浄して導電性基材や絶縁体微粒子表面に共有結合した第1〜3の反応性の単分子膜を形成すると、被膜膜厚を均一化する上で都合がよい。
さらにまた、第1および3の反応性の有機膜がエポキシ基を含み第2の反応性の有機膜がイミノ基を含むか、第1および3の反応性の有機膜がイミノ基を含み第2の反応性の有機膜がエポキシ基を含むと製造工程を単純化できて都合がよい。
【0014】
また、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると、製造時間を短縮できて都合がよい。
さらに、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いると、製造時間をより一層短縮できて都合がよい。
【0015】
第5の発明は、前記第1、第2の発明を応用した単層誘電体微粒子層が第1及び第2の電極に挟まれた構造のコンデンサーであり、少なくとも前記第1の電極と誘電体微粒子が前記第1の電極表面に形成された第1の有機膜と前記誘電体微粒子表面に形成された第2の有機膜を介して互いに共有結合していることを特徴とするコンデンサーである。
【0016】
第6の発明は、前記第3,第4の発明を応用した累積誘電体微粒子層が第1及び第2の電極に挟まれた構造のコンデンサーであり、少なくとも前記累積誘電体微粒子層を構成している個々の単層誘電体微粒子層が微粒子表面に形成された有機被膜を介して層間で互いに共有結合していることを特徴とするコンデンサーである。
ここで、微粒子がポリスチレン、ポリカーボネート等の高分子化合物、あるいは、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、タンタルオキサイド等の金属酸化物であると、高容量のコンデンサーを作成する上で都合が良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、製造に特殊な真空チャンバーや高温を必要としない。また、形成された被膜にばらつきが生じないので、大面積の絶縁体微粒子膜を低コストで提供できる格別の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、導電性基材表面を少なくとも第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と導電性基材表面を反応させて導電性基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程と、絶縁体微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と絶縁体微粒子表面を反応させて絶縁体微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の反応性の有機膜が形成された導電性基材表面に第2の反応性の有機膜で被覆された絶縁体微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機膜で被覆された絶縁体微粒子を洗浄除去することにより、導電性基材表面に絶縁層として1層形成された絶縁体微粒子膜が導電性基材表面に形成された第1の有機膜と絶縁体微粒子表面に形成された第2の有機膜を介して互いに共有結合している単層絶縁体微粒子膜を製造提供するものである。
【0019】
さらに、前記同様の方法を用いて、単層誘電体微粒子層が第1及び第2の電極に挟まれた構造のコンデンサーであり、少なくとも前記第1の電極と誘電体微粒子が前記第1の電極表面に形成された第1の有機膜と前記誘電体微粒子表面に形成された第2の有機膜を介して互いに共有結合しているコンデンサーを製造提供するものである。
【0020】
以下、本願発明の詳細を実施例に基づいて説明するが、本願発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0021】
また、本発明の絶縁体微粒子には、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート等の高分子化合物、あるいはアルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、タンタルオキサイド等の誘電体金属酸化物微粒子があるが、まず、代表例としてチタン酸バリウムを取り上げて説明する。
【実施例1】
【0022】
まず、大きさが100nm程度(この粒子径で誘電体層となる絶縁微粒子膜1層の膜厚が決まるので、できるだけ粒子径の分散が少ないも微粒子を用いた方がよかった。)の無水のチタン酸バリウム微粒子1を用意し、よく乾燥した。次に、化学吸着剤として機能部位に反応性の官能基、例えば、エポキシ基あるいはイミノ基と他端にアルコキシシリル基を含む薬剤、例えば、下記化学式(化1)あるいは(化2)に、示す薬剤を99重量%、シラノール縮合触媒として、例えば、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、あるいは有機酸である酢酸を1重量%となるようそれぞれ秤量し、シリコーン溶媒、例えば、ヘキサメチルジシロキサンとジメチルホルムアミド(50:50)混合溶媒に1重量%程度の濃度(好ましくい化学吸着剤の濃度は、0.5〜3%程度)になるように溶かして化学吸着液を調製した。
【0023】
【化1】

【0024】
【化2】

【0025】
この吸着液にチタン酸バリウム微粒子1を混入撹拌して空気中で(相対湿度48%)で2時間程度反応させた。このとき、チタン酸バリウム微粒子表面には水酸基2が多数含まれているの(図1(a))で、前記化学吸着剤の−Si(OCH)基と前記水酸基がシラノール縮合触媒あるいは酢酸存在下で脱アルコール(この場合は、脱CHOH)反応し、下記化学式(化3)あるいは(化4)に示したような結合を形成し、絶縁体微粒子表面全面に亘り表面と化学結合したエポキシ基を含む化学吸着単分子膜3あるいはアミノ基を含む化学吸着膜4が約1ナノメートル程度の膜厚で形成された(図1(b)、1(c))。
なお、ここで、アミノ基を含む吸着剤を使用する場合には、スズ系の触媒では沈殿が生成するので、酢酸等の有機酸を用いた方がよかった。また、アミノ基はイミノ基を含んでいるが、アミノ基以外にイミノ基を含む物質には、ピロール誘導体や、イミダゾール誘導体等がある。さらに、ケチミン誘導体を用いれば、被膜形成後、加水分解により容易にアミノ基を導入できた。
【0026】
その後、トリクレン等の塩素系溶媒を添加して撹拌洗浄すると、表面に反応性の官能基、例えばエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子、あるいはアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子をそれぞれ作製できた。
【0027】
【化3】

【0028】
【化4】

【0029】
なお、この被膜はナノメートルレベルの膜厚で極めて薄いため、粒子径を損なうことはなかった。
【0030】
一方、洗浄せずに空気中に取り出すと、反応性はほぼ変わらないが、溶媒が蒸発し粒子表面に残った化学吸着剤が表面で空気中の水分と反応して、表面に前記化学吸着剤よりなる極薄のポリマー膜が形成された絶縁体微粒子が得られた。
【実施例2】
【0031】
実施例1と同様に、まず、導電性基材としてアルミニウム箔11を用意し、よく乾燥した。次に、化学吸着剤として機能部位に反応性の官能基、例えば、エポキシ基、あるいは、イミノ基と他端にアルコキシシリル基を含む薬剤、例えば、前記化学式(化1)あるいは、化学式(化2)に示す薬剤を99重量%、シラノール縮合触媒として、例えば、ジブチル錫ジアセチルアセトナートあるいは酢酸を1重量%となるようそれぞれ秤量し、シリコーン溶媒、例えば、ヘキサメチルジシロキサン溶媒に1重量%程度の濃度(好ましくい化学吸着剤の濃度は、0.5〜3%程度)になるように溶かして化学吸着液を調製した。
【0032】
次ぎに、この吸着液に、アルミニウム箔11を漬浸して普通の空気中で(相対湿度45%)で2時間程度反応させた。このとき、アルミニウム箔11表面には水酸基12が多数含まれているの(図2(a))で、前記化学吸着剤の−Si(OCH)基と前記水酸基がシラノール縮合触媒の存在下で脱アルコール(この場合は、脱CHOH)反応し、前記化学式(化3)あるいは(化4)に示したような結合を形成し、アルミニウム箔11表面全面に亘り表面と化学結合したエポキシ基を含む化学吸着単分子膜13(図2(b))あるいは、アミノ基を含む化学吸着膜14(図2(c))が約1ナノメートル程度の膜厚で形成される。
【0033】
その後、トリクレン等の塩素系溶媒を用いて洗浄すると、表面に反応性の官能基、例えばエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたアルミニウム箔15、あるいは、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたアルミニウム箔16がそれぞれ作製できた。(図2(b)、2(c))
【0034】
なおここで、洗浄せずに空気中に取り出すと、反応性はほぼ変わらないが、溶媒が蒸発しアルミニウム箔表面に残った化学吸着剤が表面で空気中の水分と反応して、表面に前記化学吸着剤よりなる極薄のポリマー膜が形成されたアルミニウム箔が得られた。
【実施例3】
【0035】
次に、前記エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたアルミニウム箔15表面に、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子(前記アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたアルミニウム箔表面に、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子の組み合わせでもよい。)をアルコールに分散させて塗布し、100℃程度に加熱すると、アルミニウム箔表面のエポキシ基と接触しているチタン酸バリウム微粒子表面のアミノ基が下記化学式(化5)に示したような反応で付加して絶縁体微粒子はアルミニウム箔表面に二つの単分子膜を介して結合固定された。
【0036】
【化5】

そこで、再びアルコールで箔表面を洗浄し、余分で未反応のアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子を洗浄除去すると、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子がアルミニウム箔表面15に1層のみの共有結合し、粒子を並べた状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの絶縁層を有する絶縁媒体17が形成できた。(図3(a))
【0037】
一方、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたアルミニウム箔表面に、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子の被膜を形成した場合には、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子がアルミニウム箔表面に1層のみ並べた状態で共有結合し、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの絶縁層を形成できた。
なお、この場合、絶縁層の厚みの制御は、粒径で制御できることは言うまでもない。
【実施例4】
【0038】
さらに、絶縁体微粒子膜の膜厚を厚くしたい場合、実施例3に引き続き、共有結合したアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子を1層のみ並べた状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの絶縁層が形成されたアルミニウム箔表面15に、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子をアルコールに分散させて塗布し、100℃程度に加熱すると、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子の絶縁層表面のアミノ基と接触しているチタン酸バリウム微粒子表面のエポキシ基が前記化学式(化5)に示したような反応で付加して、アルミニウム箔表面でアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子とエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子が、二つの単分子膜を介して共有結合した。
【0039】
そこで、再びアルコールで箔表面を洗浄し、余分で未反応のエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子を洗浄除去すると、アルミニウム箔表面15に1層目のチタン酸バリウム微粒子層を介して共有結合した2層目のチタン酸バリウム微粒子が1層のみ並んだ状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの2層構造の累積絶縁体微粒子膜18が形成できた。(図3(b))
以下同様に、必要に応じてアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子とエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子を交互に積層すると、多層構造の絶縁体微粒子の絶縁層を累積製造できた。
ここで、さらにこの絶縁体微粒子膜表面に、導電の対向電極19を蒸着形成し、それぞれの電極基板にリード線を装着すると、コンデンサーを製造できた。
【0040】
なお、上記実施例1および2では、反応性基を含む化学吸着剤として化学式(化1)あるいは(化2)に示した物質を用いたが、上記のもの以外にも、下記(1)〜(16)に示した物質が利用できた。
(1) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OCH)3
(2) (CHOCH)CH2O(CH2)11Si(OCH)3
(3) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(4) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(5) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(6) (CH2OCH)CH2O(CH2)Si(OC)3
(7) (CHOCH)CH2O(CH2)11Si(OC)3
(8) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(9) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(10) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(11) H2N (CH2)Si(OCH)3
(12) H2N (CH2)Si(OCH)3
(13) H2N (CH2)Si(OCH)3
(14) H2N (CH2)Si(OC)3
(15) H2N (CH2)Si(OC)3
(16) H2N (CH2)Si(OC)3
【0041】
ここで、(CHOCH)−基は、下記化学式(化7)で表される官能基を表し、(CHCHOCH(CH)CH−基は、下記化学式(化8)で表される官能基を表す。
【0042】
【化6】

【0043】
【化7】

【0044】
なお、実施例1および2に置いて、シラノール縮合触媒には、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類が利用可能である。さらに具体的には、酢酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクタン酸第1錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチル錫ビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチル錫マレイン酸エステル塩、ジブチル錫マレイン酸塩ポリマー、ジメチル錫メルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチル錫ビスアセチルアセテート、ジオクチル錫ビスアセチルラウレート、テトラブチルチタネート、テトラノニルチタネート及びビス(アセチルアセトニル)ジープロピルチタネートを用いることが可能であった。
【0045】
また、膜形成溶液の溶媒としては、水を含まない有機塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、あるいはフッ化炭素系溶媒やシリコーン系溶媒、あるいは、それら混合物を用いることが可能であった。なお、洗浄を行わず、溶媒を蒸発させて粒子濃度を上げようとする場合には、溶媒の沸点は50〜250℃程度がよい。さらに、吸着剤がアルコキシシラン系の場合で且つ溶媒を蒸発させて有機被膜を形成する場合には、前記溶媒に加え、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれら混合物が使用できた。
【0046】
具体的に使用可能なものは、クロロシラン系非水系の石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、ノナン、デカン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
【0047】
また、フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭アルミニウム社製品)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、クロロホルム等有機塩素系の溶媒を添加しても良い。
【0048】
一方、上述のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いた場合、同じ濃度でも処理時間を半分〜2/3程度まで短縮できた。
【0049】
さらに、シラノール縮合触媒とケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を混合(1:9〜9:1範囲で使用可能だが、通常1:1前後が好ましい。)して用いると、処理時間をさらに数倍早く(30分程度まで)でき、製膜時間を数分の一まで短縮できる。
【0050】
例えば、シラノール触媒であるジブチル錫オキサイドをケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を1時間程度にまで短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
【0051】
さらに、シラノール触媒を、ケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3と、シラノール触媒であるジブチル錫ビスアセチルアセトネートの混合物(混合比は1:1)に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を30分程度に短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
【0052】
したがって、以上の結果から、ケチミン化合物や有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物がシラノール縮合触媒より活性が高いことが明らかとなった。
【0053】
さらにまた、ケチミン化合物や有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物の内の1つとシラノール縮合触媒を混合して用いると、さらに活性が高くなることが確認された。
【0054】
なお、ここで、利用できるケチミン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン等がある。
【0055】
また、利用できる有機酸としても特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、ラク酸、マロン酸等があり、ほぼ同様の効果があった。
【0056】
また、上記実施例1〜4では、チタン酸バリウム微粒子とアルミニウム箔を例として説明したが、本発明は、表面に活性水素、すなわち水酸基の水素やアミノ基あるいはイミノ基の水素などを含んだ絶縁体微粒子であれば、どのような絶縁体微粒子にでも適用可能である。
【0057】
具体的には、絶縁体微粒子として、ポリスチレン、ポリカーボネート等の高分子化合物あるいはアルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、タンタルオキサイド等の金属酸化物がある。なお、表面に活性水素を含まない高分子化合物の場合、表面をコロナ処理や酸素プラズマ処理などして酸化しておけば本発明の方法を適用できた。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施例における絶縁体微粒子表面の反応を分子レベルまで拡大した概念図であり、(a)は反応前の絶縁体微粒子表面の図、(b)は、エポキシ基を含む単分子膜が形成された後の図、(c)は、アミノ基を含む単分子膜が形成された後の図を示す。
【図2】本発明の第2の実施例におけるアルミニウム箔表面の反応を分子レベルまで拡大した概念図であり、(a)は反応前の表面の図、(b)は、エポキシ基を含む単分子膜が形成された後の図、(c)は、アミノ基を含む単分子膜が形成された後の図を示す。
【図3】本発明の第3および第4の実施例におけるアルミニウム箔表面の反応を分子レベルまで拡大した概念図であり、(a)は絶縁媒体が形成された導電性基材表面の図、(b)は、絶縁媒体が2層形成された導電性基材表面の図を示す。
【符号の説明】
【0059】
1 チタン酸バリウム微粒子
2 水酸基
3 エポキシ基を含む単分子膜
4 アミノ基を含む単分子膜
エポキシ基を含む単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子
アミノ基を含む単分子膜で被われたチタン酸バリウム微粒子
11 アルミニウム箔
12 水酸基
13 エポキシ基を含む単分子膜
14 アミノ基を含む単分子膜
15 エポキシ基を含む単分子膜で被われたアルミニウム箔
16 アミノ基を含む単分子膜で被われたアルミニウム箔
17 単層の絶縁体微粒子膜
18 2層構造の絶縁体微粒子膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基材表面に絶縁層として1層形成された絶縁体微粒子膜が導電性基材表面に形成された第1の有機膜と絶縁体微粒子表面に形成された第2の有機膜を介して互いに共有結合していることを特徴とする単層絶縁体微粒子膜。
【請求項2】
導電性基材表面に形成された第1の有機被膜と絶縁体微粒子表面に形成された第2の有機膜が互いに異なることを特徴とする請求項1記載の単層絶縁体微粒子膜。
【請求項3】
共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であることを特徴とする請求項1記載の単層絶縁体微粒子膜。
【請求項4】
導電性基材表面に形成された第1の有機被膜と絶縁体微粒子表面に形成された第2の有機膜が単分子膜で構成されていることを特徴とする請求項1、および、請求項2記載の単層絶縁体微粒子膜。
【請求項5】
導電性基材表面を少なくとも第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と導電性基材表面を反応させて導電性基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程と、絶縁体微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と絶縁体微粒子表面を反応させて絶縁体微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の反応性の有機膜が形成された導電性基材表面に第2の反応性の有機膜で被覆された絶縁体微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機膜で被覆された絶縁体微粒子を洗浄除去することを特徴とする単層絶縁体微粒子膜の製造方法。
【請求項6】
第1の反応性の有機膜がエポキシ基を含み第2の反応性の有機膜がイミノ基を含むか、第1の反応性の有機膜がイミノ基を含み第2の反応性の有機膜がエポキシ基を含むことを特徴とする請求項5記載の単層絶縁体微粒子膜の製造方法。
【請求項7】
絶縁体微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程の後に、それぞれ導電性基材および絶縁体微粒子表面を有機溶剤で洗浄して導電性基材及び絶縁体微粒子表面に共有結合した第1及び第2の反応性の単分子膜を形成することを特徴とする請求項5記載の単層絶縁体微粒子膜の製造方法。
【請求項8】
第1の反応性の単分子膜がエポキシ基を含み第2の反応性の単分子膜がイミノ基を含むか、第1の反応性の単分子膜がイミノ基を含み第2の反応性の単分子膜がエポキシ基を含むことを特徴とする請求項7記載の単層絶縁体微粒子膜の製造方法。
【請求項9】
導電性基材表面に絶縁層として層状に累積され絶縁体微粒子が絶縁体微粒子表面に形成された有機被膜を介して層間で互いに共有結合していることを特徴とする累積絶縁体微粒子膜。
【請求項10】
絶縁体微粒子表面に形成された有機被膜が2種類有り、第1の有機膜が形成された絶縁体微粒子と第2の有機膜が形成された絶縁体微粒子とが交互に積層されていることを特徴とする請求項9記載の累積絶縁体微粒子膜。
【請求項11】
第1の有機膜と第2の有機膜が反応して共有結合を形成していることを特徴とする請求項10記載の累積絶縁体微粒子膜。
【請求項12】
共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であることを特徴とする請求項9記載の累積絶縁体微粒子膜。
【請求項13】
少なくとも導電性基材表面を第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と導電性基材表面を反応させて導電性基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の絶縁体微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と絶縁体微粒子表面を反応させて第1の絶縁体微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の反応性の有機膜の形成された導電性基材表面に第2の反応性の有機膜で被覆された第1の絶縁体微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機膜で被覆された第1の絶縁体微粒子を洗浄除去して第1の絶縁体微粒子膜を形成する工程と、第2の絶縁体微粒子を少なくとも第3のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と絶縁体微粒子表面を反応させて第2の絶縁体微粒子表面に第3の反応性の有機膜を形成する工程と、第2の反応性の有機膜で被覆された第1の絶縁媒体が形成された導電性基材表面に第3の反応性の有機膜で被覆された第2の絶縁体微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第3の反応性の有機膜で被覆された第2の絶縁体微粒子を洗浄除去して第2の絶縁体微粒子膜を形成する工程とを含むことを特徴とする累積絶縁体微粒子膜の製造方法。
【請求項14】
第1の反応性の有機膜と第3の反応性の有機膜が同じものであることを特徴とする請求項13記載の累積絶縁体微粒子膜の製造方法。
【請求項15】
第2の絶縁体微粒子膜を形成する工程の後、同様に第1の絶縁体微粒子膜を形成する工程と第2の絶縁媒体を形成する工程を繰り返し行うことを特徴とする請求項13記載の累積絶縁体微粒子膜の製造方法。
【請求項16】
第1〜3の反応性の有機膜を形成する工程の後に、それぞれ導電性基材あるいは絶縁体微粒子表面を有機溶剤で洗浄して導電性基材や絶縁体微粒子表面に共有結合した第1〜3の反応性の単分子膜を形成することを特徴とする請求項13記載の累積絶縁体微粒子膜の製造方法。
【請求項17】
第1および3の反応性の有機膜がエポキシ基を含み第2の反応性の有機膜がイミノ基を含むか、第1および3の反応性の有機膜がイミノ基を含み第2の反応性の有機膜がエポキシ基を含むことを特徴とする請求項13記載の累積絶縁体微粒子膜の製造方法。
【請求項18】
シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いることを特徴とする請求項5および13に記載の累積絶縁体微粒子膜の製造方法。
【請求項19】
シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いることを特徴とする請求項5および13に記載の累積絶縁体微粒子膜の製造方法。
【請求項20】
単層誘電体微粒子層が第1及び第2の電極に挟まれた構造のコンデンサーであり、少なくとも前記第1の電極と誘電体微粒子が前記第1の電極表面に形成された第1の有機膜と前記誘電体微粒子表面に形成された第2の有機膜を介して互いに共有結合していることを特徴とするコンデンサー。
【請求項21】
累積誘電体微粒子層が第1及び第2の電極に挟まれた構造のコンデンサーであり、少なくとも前記累積誘電体微粒子層を構成している個々の単層誘電体微粒子層が微粒子表面に形成された有機被膜を介して層間で互いに共有結合していることを特徴とするコンデンサー。
【請求項22】
微粒子が高分子化合物あるいは金属酸化物であることを特徴とする請求項20および21に記載のコンデンサー。
【請求項23】
微粒子がポリスチレン、ポリカーボネート、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、タンタルオキサイドであることを特徴とする請求項22に記載のコンデンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−142006(P2007−142006A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−331242(P2005−331242)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(304028346)国立大学法人 香川大学 (285)
【出願人】(503027931)学校法人同志社 (346)
【Fターム(参考)】