説明

緊急通報システムおよび緊急通報方法

【課題】即時性、確実性をもって緊急情報を通報することができる「緊急通報システムおよび緊急通報方法」を提供する。
【解決手段】緊急通報システム10は、移動体の緊急状態を検出する検出手段と、移動体に搭載されており、外部と通信を可能にする複数の通信端末30A〜30Nと、緊急連絡先を含む緊急情報を記憶する記憶手段と、緊急状態が検出されたとき、緊急連絡先に基づき複数の通信端末に同時に通信を開始させる制御手段とを有する。これにより、複数の携帯端末30A〜30Nは、移動体の位置情報を含む緊急情報を同時に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急通報システムおよび緊急通報方法に関し、特に、車両等の移動体の緊急状態が検出されたときの通報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に故障や事故などの緊急事態が発生したとき、緊急事態を緊急センター等に迅速に知らせ、救援活動を支援するシステムが提案されている。特許文献1に開示される緊急通報システムは、移動体の緊急状態を検出すると、これをトリガーとして携帯電話から緊急連絡先に必要な情報を知らせるものである。知らせる情報には、GPSなどで得られた移動体の位置情報に加え、予めメモリに記憶されたユーザ情報が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−3806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ナビゲーション装置には、高級機種であれば専用の電話機が取り付けられ、また比較的廉価機種であれば、赤外線などの近距離無線通信を利用して携帯電話などを接続することが可能である。このような通信端末を利用して、車内から公衆電話回線網に接続して通話したり、外部のインターネット等に接続することができる。今後、通信インフラの拡充および通信技術の発展に伴い、音楽や映像の再生機能を備えたネットワークに対応できるような携帯端末が増加することが予想される。
【0005】
通信端末の通信方式は、例えば、FOMA、HSDPA、EVDO、WiMax、WiFiなど様々であり、それに応じてデータ通信速度や電波状況も異なる。通常のデータ通信の場合には、通信料金、転送速度などが重視されるが、緊急通報の場合には、迅速にかつ確実にデータ通信が行われることが求められる。
【0006】
複数の通信端末がナビゲーション装置との間でデータ通信が可能であるとき、優先的に選択された1つの通信端末、または予め登録された1つの通信端末により緊連連絡先に接続を試みた結果、当該1つの通信端末に接続エラーが生じると、緊急情報を迅速にかつ確実に伝えることができないという課題がある。また、通信端末のデータ通信速度が遅い場合には、緊急情報を伝えるのに時間がかかってしまうという課題がある。
【0007】
本発明の目的は、上記従来の課題を解決し、即時性、確実性をもって緊急情報を通報することができる緊急通報システムおよび緊急通報方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る緊急通報システムは、移動体の緊急状態を通報するものであって、移動体の緊急状態を検出する検出手段と、移動体に搭載されており、外部と通信を可能にする複数の通信端末と、少なくとも緊急連絡先を記憶する記憶手段と、前記検出手段により緊急状態が検出されたとき、前記緊急連絡先に基づき前記複数の通信端末に同時に通信を開始させる制御手段とを有する。
【0009】
好ましくは前記制御手段は、前記複数の通信端末に、移動体の位置情報を含む緊急情報を同時に送信させる。好ましくは前記制御手段は、前記複数の通信端末のいずれか1つが緊急情報の送信を完了したとき、通信中の他の通信端末があれば、当該他の通信端末の通信を終了させる。また、前記制御手段は、前記複数の通信端末に、緊急連絡先の電話番号を同時に発呼させることができる。この場合、好ましくは前記制御手段は、前記複数の通信端末のいずれか1つが緊急連絡先と通話接続されたとき、他の通信端末の通話接続を終了させる。好ましくは前記制御手段は、緊急連絡先に一番最初に接続された通信端末の通話接続を維持し、他の通信端末の通話接続を終了させる。好ましくはナビゲーション機能を備えた電子装置が少なくとも前記記憶手段および前記制御手段を含む。
【0010】
本発明に係る、ナビゲーション機能を備えた電子装置と当該電子装置とデータ通信が可能でありかつ外部との通信を可能にする複数の通信端末とを搭載した移動体のシステムにおける緊急連絡方法は、前記電子装置において移動体の緊急状態を検出するステップと、緊急状態が検出されたとき、前記電子装置は、前記複数の通信端末に同一の緊急連絡先に同時に通信させるステップとを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の通信端末から同時に通信を開始させることで、いずれかの通信端末により確実にかつ迅速に緊急情報を通報することができる。また、本発明によれば、複数の通信端末から同時に発呼させることで、いずれかの通信端末により確実にかつ迅速に緊急情報を通話にて連絡することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施例に係る緊急通報システムの概要を示す図である。
【図2】緊急通信システムの車載装置の構成を示すブロック図である。
【図3】緊急情報の例を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る緊急通報システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】緊急通報ガイドを表示するときのメニュー画面の表示例である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る緊急通報システムの概要を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る緊急通報システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。好ましい実施態様として、車両の緊急通報システムを例に説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の実施例に係る車両の緊急通報システムの概要を説明する図である。同図に示すように、緊急通報システム10は、車両に搭載された車載電子装置20と、車載電子装置20と有線または無線通信が可能となるように接続された複数の通信端末30A、30B、・・・30N(以下、総称して通信端末30とする)と、通信端末30とインターネット、イントラネット等のネットワーク40を介して接続された管理サーバ50とを含んで構成される。
【0015】
車載電子装置20は、ナビゲーション機能、オーディオ機能、ビデオ機能、テレビ機能、コンピュータ機能などを含む装置であることができる。さらに車載電子装置20は、車両の動作に関する情報や車両に搭載された設備に関する情報を受け取ることができ、これらの情報を緊急情報に利用する。さらに車載電子装置20は、通信端末30とデータ通信する機能を有し、後述するように車両の緊急状態が検出されたとき、通信端末30の通信を制御する。
【0016】
通信端末30は、車載電子装置20との間でデータ通信が可能である。図示する例では、通信端末30Aは、通信ケーブル32を介して車載電子装置20に接続され、他の通信端末30B、30Nは、ブルーツース(登録商標)や無線LANなどの近距離無線通信34によって車載電子装置20に接続される。
【0017】
さらに通信端末30は、車外のネットワーク40とデータ通信する機能を有する。すなわち、通信端末30は、例えば、携帯電話のような公衆電話回線網に接続する通信機能を有し、これを利用してネットワーク40に接続したり、あるいは、狭域、広域の無線通信施設を利用してネットワーク40に接続する機能を有する。
【0018】
管理サーバ50は、通信端末30から緊急情報を受け取り、緊急情報に基づき緊急時に決められている動作を実行する。例えば、車両事故のような場合には、警察署や消防署に事故発生を伝えたり、保険会社や販売ディーラに事故発生を連絡する。連絡方法は、インターネット等を介したデータ通信、電子メール、オペレータによる通話のいずれであってもよい。なお、図1では、管理サーバ50を示すが、これ以外の緊急連絡先であってもよい。また、管理サーバ50等の緊急連絡先に、どのような動作をさせるかは、適宜決定することができる。
【0019】
図2は、車載電子装置20の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、車載電子装置20は、車両の動作に関する情報や車両に搭載された設備に関する情報を取得可能な車内バスインターフェース(I/F)100と、車両に緊急状態が発生したか否かを検出する緊急状態検出部110と、ナビゲーション部120と、ユーザからの入力と受け取る入力部130と、緊急情報を記憶する緊急情報記憶部140と、通信端末30のデータ通信を制御するデータ通信部150と、スピーカから音声を出力する音声出力部160と、ディスプレイにナビゲーション画面やその他の情報を表示する表示部170と、各部を制御する制御部180とを備えている。制御部180は、好ましくは緊急通報の際に各部の動作を制御するためのプログラムを記憶したメモリ、および当該プログラムを実行する処理プロセッサなどを含む。また、ここには示さないが、車載電子装置20は、オーディオデータやビデオデータを再生する機能、テレビ放送やラジオ放送を受信する機能を備えることができる。
【0020】
車両には、種々の動作の目的のために、振動センサ、加速度センサなどが搭載されている。例えば、エアバックは、加速度センサにより検出された加速度が一定値を超えると動作する。車内バスI/F100は、加速度センサ、振動センサなどの検出信号や、エアバックを動作させる駆動信号などを入力する。
【0021】
緊急状態検出部110は、車内バスI/F100から受け取られた各種センサの検出信号またはエアバッグを動作させる駆動信号に基づき車両が緊急状態にあるか否かを検出する。車両が事故を起こすとき、急ブレーキや衝突により大きな加速度が検出される。通常では発生し得ないような加速度または振動が検出されたとき、緊急状態と判定することができる。さらにエアバックを駆動する信号が入力されたとき、緊急状態と判定することができる。また、ユーザが入力部130からマニュアルによって緊急状態を入力したときも緊急状態の検出とされる。
【0022】
ナビゲーション部120は、自車位置から目的地までの経路を探索しこれを案内する機能を備えている。また、ナビゲーション部120は、GPS衛星や自立航法センサ(車速センサ、ジャイロセンサ)からの信号に基づき自車位置を検出する機能も備えている。好ましくは、遅々刻々と変化する自車位置を検出し、この検出結果は、緊急情報記憶部140に記憶されかつ更新される。ナビゲーションによる自車位置周辺の道路地図は、表示部170に表示され、音声ガイドは音声出力部160によって成される。
【0023】
入力部130は、リモコン、マウス、タッチパネルなどのユーザインターフェースを提供し、そこからユーザ入力を受け取る。好ましくは、ユーザがマニュアル操作により緊急状態を入力することが可能である。
【0024】
緊急情報記憶部140は、緊急通報時に管理サーバ50と接続するための情報や送信に必要な情報(以下、緊急情報という)を記憶する。緊急情報は、任意に設定し得るものであるが、ここでは、好ましい例を説明する。図3は、緊急情報を説明する図である。緊急情報200には、例えば、救急連絡先210、緊急状態分析情報220、自車位置情報230、ユーザ情報240、車両情報250が含まれる。
【0025】
[緊急連絡先]
緊急連絡先は、複数の通信端末30がネットワーク40に接続するために必要な接続情報を含む。この接続情報は、通信端末30が公衆通話回線網を利用してデータ通信をする場合には、ネットワーク40にダイアルアップするための電話番号、ログイン情報、パスワードなどを含む。また、狭域または広域無線通信などを利用してネットワーク40に接続する場合には、無線通信を利用するために必要なログイン情報やパスワードなどを含む。これ以外の通信方式を利用する場合にも、ネットワーク40との接続に必要な情報を登録しておく。
【0026】
緊急連絡先はさらに、管理サーバ50のURLまたはアドレス情報や、管理サーバ50に接続するためのログイン情報やパスワードを含むことができる。さらに、図1の例では、緊急連絡先として管理サーバ50を例示しているが、緊急連絡先が特定のコンピュータ装置、家庭用電話、携帯電話などであれば、それらの電話番号、電子メールアドレスなどを登録することができる。
【0027】
[緊急状態分析情報]
緊急状態分析情報は、緊急状態の判定のために用いられた情報を示す。例えば、加速度センサの検出結果により緊急状態が検出された場合には、加速度センサとその検出結果が記憶される。また、エアバッグの駆動信号により緊急状態が検出された場合には、エアバックの駆動信号を識別する情報が記憶される。さらに緊急状態分析情報は、緊急状態の検出が行われた検出時間情報を含む。さらに、車載用撮像カメラにより撮像データを記録するドライブレコーダが搭載されている場合には、必要に応じて、撮像データを緊急状態分析情報に含ませることも可能である。
【0028】
[自車位置情報]
ナビゲーション部120において検出された最新の自車位置情報である。自車位置情報は、緯度、経度のみらならず、自車位置が存在する住所や、自車が走行している道路名(例えば、国道1号)、路線名、交差点名などの情報を含めることができる。
【0029】
[ユーザ情報]
ユーザ情報は、ユーザによって予め登録された情報である。例えば、ユーザの氏名、住所、性別、年齢、血液型、病歴、加入保険などを含めることができる。
[車両情報]
車両情報は、車種、ナンバープレート、販売ディーラの名称などを含ませることができる。
【0030】
次に、本実施例の緊急通報システムの動作を図4のフローチャートを参照して説明する。先ず、自車の走行中に、緊急状態検出部110により車両が緊急状態であるか否かが監視される(ステップS101)。緊急状態が検出されるまでの間、緊急情報記憶部140に最新の自車位置が更新される。
【0031】
緊急状態が検出されると、制御部180は、緊急情報記憶部140から緊急情報を読出し(ステップS102)、次に、データ通信部150を介してデータ通信が可能な通信端末30が存在するか否かを判定する(ステップS103)。データ通信が可能である通信端末とは、制御部180からの指示によって通信端末30がネットワーク40と通信できるようなスタンバイ状態にあることを意味する。
【0032】
データ通信が可能である通信端末30が存在すると判定された場合、制御部180は、緊急情報を送信するため、複数の通信端末30に同時に通信を開始させる(ステップS104)。すなわち、制御部180は、緊急情報記憶部140から緊急情報を読出し、そこから緊急連絡先を抽出し、データ通信部150により複数の通信端末30に緊急連絡先へ接続を開始させる。通信端末30の機種等が異なれば、通信方式が異なるので、データ通信部150は、通信端末30の通信方式に応じた手順にて接続を確立させる。例えば、携帯電話からネットワーク40に接続するためにダイアルアップが必要であれば、その電話番号を自動的にダイアルしてネットワーク40に接続させ、次いで、管理サーバ50にログオン接続させる。あるいは、通信端末30が広域無線LANを利用する場合には、それに応じてネットワーク40に接続させ、次いで、管理サーバ50にログオン接続させる。
【0033】
次に、制御部180は、管理サーバ50との接続を確認すると、複数の通信端末30に緊急情報を同時に送信させる(ステップS105)。実際には、通信方式によって通信端末30が管理サーバ50に接続されるタイミングは、多少のズレを含むので、接続が確立された通信端末から順に緊急情報を送信することになる。従って、ここでいう「同時」は、接続に要する時差を含む。送信すべき緊急情報は、上記した図3に示す緊急状態分析情報220、自車位置情報230、ユーザ情報240および車両情報250などである。
【0034】
次に、制御部180は、いずれかの通信端末が緊急情報の送信を終了したか否かを検出する(ステップS106)。通信端末30の通信方式によって通信速度が異なるため、同じサイズの緊急情報を送信した場合であっても、通信端末によって通信時間が異なる。次に、制御部180は、いずれかの通信端末による緊急情報の送信が終了したことを検出すると、他の通信端末が未だ緊急情報を送信中か否かを検出し(ステップS107)、他の通信端末が送信中である場合には、当該他の通信端末の送信を終了させる(ステップS108)。これにより、最速でかつ確実に緊急情報を管理サーバ50に通報することができる。
【0035】
他方、通信可能な通信端末30がないと判定されたとき(ステップS103)、制御部180は、表示部170に、マニュアル操作の手順を示した緊急通報ガイドを表示させる(ステップS109)。緊急通報ガイドは、例えば、図5に示すようなメニュー画面300を含み、「事故が発生?」、「車両が故障?」、「落下物等の連絡?」などの項目を表示し、いずれかをユーザに選択させ、次いで、緊急情報を緊急連絡先に通報するための誘導を表示部170、音声出力部160を利用して行う。このようなメニュー画面300による操作支援は、ユーザが入力部130からマニュアルによって緊急状態を選択した場合にも同様に実施される。
【0036】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例では、複数の通信端末30にデータ通信により緊急情報を通報させる例を示したが、第2の実施例は、複数の通信端末30に同時に通話接続させるものである。図6は、第2の実施例の緊急通報システムの概要を示す図である。
【0037】
第2の実施例の緊急通報システム10Aは、車載電子装置20Aと、複数の通信端末30A、30B、30C(本例では3つの通信端末を例示)と、通信端末30と公衆電話回線網40Aを介して接続されるサービスセンター50Aとを備えている。車載電子装置20Aは、第1の実施例の車載電子装置20と実質的に同様の構成であるが、第2の実施例では、緊急状態が検出されたとき、複数の通信端末30A〜30Cに緊急連絡先に同時にダイアルさせる。図示する例では、通信端末30Aは、通信ケーブル32によって車載電子装置20Aに接続され、スタンバイ状態に置かれている。また、通信端末30B、30Cは、ブルーツースや無線LANのような近距離無線通信34によって車載電子装置20Aに接続され、スタンバイ状態に置かれている。通信端末30A〜30Cがサービスセンター50Aに接続されると、オペレータが通話によって対応する。
【0038】
次に、第2の実施例の緊急通報システムの動作を図7のフローチャートを参照して説明する。ステップS201からS203までは、第1の実施例で説明した図4のステップS101からS103と同様である。通信可能な通信端末30A〜30Cが存在すると判定されると(ステップSS203)、制御部180は、緊急情報記憶部140から緊急連絡先の電話番号を読出す(ステップS204)。ここでは、サービスセンター50Aの電話番号である。
【0039】
次に、制御部180は、読出した緊急連絡先の電話番号をデータ通信部150を介して通信端末30A〜30Cへ転送し、さらに複数の通信端末30A〜30Cに緊急連絡先の電話番号に同時に発呼させる(ステップS205)。通信端末30A〜30Cの通信方式、車両の走行速度、車両の位置などによって、接続に要する時間に差異が生じたり、回線に接続できなかったり、一旦接続されてもエラーになることがある。制御部180は、通信端末30の接続状況を監視し、通信端末30の中でいずれか1つの接続が確立されたか否かを検出する(ステップS206)。好ましくは、最初に接続されたものが該当する。いずれか1つの通信端末の接続が確立されたことを検出すると、制御部180は、他の通信端末の接続シーケンスを終了させる(ステップS207)。これにより、一番早く接続された通信端末とサービスセンター50Aとの接続が開始され、ユーザは、オペレータとの会話により必要な緊急情報を連絡する。なお、通信可能な通信端末が存在しない場合には、第1の実施例のときと同様に緊急通報ガイドを表示させ(ステップS208)、画面や音声により緊急通報を誘導する。このように、本実施例では、確実にかつ最速でサービスセンターに通信端末30を接続させることができる。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
10、10A:緊急通報システム
20、20A:車載電子装置
30A、30B、30C〜30N:通信端末
32:ケーブル
40:ネットワーク
40A:公衆電話回線網
50:管理サーバ
50A:サービスセンター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の緊急状態を通報する緊急通報システムであって、
移動体の緊急状態を検出する検出手段と、
移動体に搭載されており、外部と通信を可能にする複数の通信端末と、
少なくとも緊急連絡先を記憶する記憶手段と、
前記検出手段により緊急状態が検出されたとき、前記緊急連絡先に基づき前記複数の通信端末に同時に通信を開始させる制御手段と、
を有する緊急通報システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数の通信端末に、移動体の位置情報を含む緊急情報を同時に送信させる、請求項1に記載の緊急通報システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記複数の通信端末のいずれか1つが緊急情報の送信を完了したとき、通信中の他の通信端末があれば、当該他の通信端末の通信を終了させる、請求項1または2に記載の緊急通報システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記複数の通信端末に、緊急連絡先の電話番号を同時に発呼させる、請求項1に記載の緊急通報システム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記複数の通信端末のいずれか1つが緊急連絡先と通話接続されたとき、他の通信端末の通話接続を終了させる、請求項4に記載の緊急通報システム。
【請求項6】
前記制御手段は、緊急連絡先に一番最初に接続された通信端末の通話接続を維持し、他の通信端末の通話接続を終了させる、請求項4または5に記載の緊急通報システム。
【請求項7】
ナビゲーション機能を備えた電子装置が少なくとも前記記憶手段および前記制御手段を含む、請求項1ないし6いずれか1つに記載の緊急通報システム。
【請求項8】
ナビゲーション機能を備えた電子装置と当該電子装置とデータ通信が可能でありかつ外部との通信を可能にする複数の通信端末とを搭載した移動体システムにおける緊急通報方法であって、
前記電子装置において移動体の緊急状態を検出するステップと、
緊急状態が検出されたとき、前記電子装置は、前記複数の通信端末に同一の緊急連絡先に同時に通信させるステップと、
を有する緊急通報方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−232872(P2011−232872A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101081(P2010−101081)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】