説明

縦形製袋充填包装機

【課題】縦形製袋充填包装機において、被充填物の噛み込みによる横シールなどのシール不良の発生を低減することができるようにする。
【解決手段】縦形製袋充填包装機100が、落下遮断板9A、9Bと、横シーラ10A、10Bと、横シーラ移動部51と、舞上がり遮断板12A、12Bと、これら落下遮断板9A、9B、横シーラ10A、10B、横シーラ移動部51、および前記舞上がり遮断板12A、12Bの各動作を制御する制御部55とを備え、落下遮断板9A、9B、横シーラ10A、10B、および舞上がり遮断板12A、12Bが、この順で、搬送方向に沿って上流側から配置され、制御部55により、落下遮断板9A、9Bで内部通路を閉鎖し、一定時間後に舞上がり遮断板12A、12Bによってさらに内部通路を閉鎖してから、横シーラ10A、10Bで横シールを行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦形製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート状の包装材の端部を縦シールして筒状となし、これを上方から下方に搬送して、筒状の包装材を横シールすることにより袋底部を形成し、さらに搬送しつつ内部に被充填物を落下させて充填し、所定距離だけ搬送して横シールすることで、袋状の包装物を連続的に製造する縦形製袋充填包装機が知られている。また、この縦形製袋充填包装機の横シーラに隣接してジッパシーラを設けることで、ジッパ付きの袋を製造するものが知られている。
このような縦形製袋充填包装機では、横シーラ、ジッパシーラのシール位置に被充填物が噛み込まれると製袋不良となる。そのため、シール位置の上流側に被充填物の落下を防止するための落下遮断手段を、シール位置の下流側に下方から舞い上がる被充填物を遮断する舞上がり遮断手段を、それぞれ設けた装置が知られている。
また、粉体状あるいは粒子状の軽量の被充填物、例えば、小麦粉やパン粉などを充填する場合、所定の袋容積に一定量の被充填物が充填されるように、充填中の包装材を側方から押圧してエア抜きを行うエア抜き手段を設けることが多い。
例えば、特許文献1には、横シーラである横シールジョーの上下に、横シールジョーとともに筒状包材に対して進退するシャッタ板とシゴキ板をそれぞれ設け、それらの下流側に、筒状包材の厚みを一定にするように側方から押圧してエア抜きを行う1対のエア抜きプレートを設けた包装機が記載されている。
【特許文献1】特開平6−263117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような従来の縦形製袋充填包装機には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、旋回アームの先端に一体に設けた横シールジョー、シャッタ板、シゴキ板によって筒状包材を挟む構成有し、シャッタ板により落下する被充填物を、シゴキ板によって下方から舞い上がる被充填物をそれぞれ遮断できるようになっている。そのため、それらによる遮断後には、被充填物が落下したり舞い上がったりしてもシール不良とならないものの、シャッタ板およびシゴキ板の遮断動作中においてそれらの間に浮遊する被充填物が残留し、それらの間に閉じこめられる場合がある。すなわち、横シール時あるいはジッパシール時に被充填物が噛み込まれる不良を必ずしも十分に低減できるものではないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、被充填物の噛み込みによる横シールなどのシール不良の発生を低減することができる縦形製袋充填包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、筒状の包装材を上方から下方に向けて搬送し、その内部に被充填物を落とし込んで充填し、横シールして製袋する縦形製袋充填包装機であって、前記筒状の包装材の内部通路を閉鎖して、落下する被充填物を遮断する落下遮断手段と、前記筒状の包装材を互いに対向する側方から押しつぶして搬送方向に交差する方向に沿ってシールする1対の横シーラと、該1対の横シーラを前記筒状の包装材に対して対向方向に沿って互いに進退させる横シーラ移動手段と、前記筒状の包装材の内部通路を閉鎖して、下流側から舞い上がる被充填物を遮断する舞上がり遮断手段と、前記落下遮断手段、前記横シーラ、前記横シーラ移動手段、および前記舞上がり遮断手段の各動作を制御する制御手段とを備え、前記落下遮断手段、前記横シーラ、および前記舞上がり遮断手段が、この順で、前記搬送方向に沿って上流側から配置され、前記制御手段により、前記落下遮断手段で前記筒状の包装材の内部通路を閉鎖し、一定時間後に前記舞上がり遮断手段によってさらに前記筒状の包装材の内部通路を閉鎖してから、前記横シーラで横シールを行うようにした構成とする。
この発明によれば、落下遮断手段で筒状の包装材の内部通路を閉鎖し、一定時間後に舞上がり遮断手段によってさらに前記筒状の包装材の内部通路を閉鎖してから、前記横シーラで横シールを行うので、一定時間のうちに、落下遮断手段の搬送方向下流側の被充填物が内部通路を通って落下していく。そして、その後、さらに舞上がり遮断手段によって内部通路を閉鎖するので、それ以後に被充填物の舞上がりが生じても、落下遮断手段と舞上がり遮断手段との間に被充填物が侵入しない。そして、その後に横シーラを移動して横シールするので、その間に被充填物が噛み込まれることなく良好な横シールを行うことができる。
ここで、上記一定時間は、被充填物の落下速度などの条件に応じて適宜設定することができる。
また、ここで、筒状の包装材の内部通路を閉鎖するとは、被充填物が流通しない程度に閉鎖することを意味する。すなわち、内部通路内のエアやエアに代わる不活性ガスなどの充填用気体などが流通可能な状態で、かつ、被充填物が流通できない閉鎖状態を意味する。
【0006】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の縦形製袋充填包装機において、前記落下遮断手段および前記舞上がり遮断手段の少なくともいずれかが、前記筒状の包装材を前記搬送方向に交差する方向に沿って挟むとともに互いの先端部の位置を前記搬送方向にずらして配置された1対の遮断板と、該1対の遮断板を互いに対向方向に進退させる遮断板移動手段とからなる構成とする。
この発明によれば、互いの先端部の位置を搬送方向にずらして配置された1対の遮断板を、遮断板移動手段により互いに対向方向に進出させ、それらの間に包装材を側方から押しつぶした状態とすることで、内部通路を閉鎖することができる。その閉鎖度合いは、それぞれの進出位置を調整して、包装材がジグザグ状に屈曲される度合いを変えることで変えることができる。
そして、先端部の位置が搬送方向にずらされているため、遮断板の進出時に遮断板同士で押圧し合うことなく内部通路を閉鎖することができる。そのため、遮断板の先端部の間に、被充填物を噛み込んで粉砕してしまったり、包装材に傷をつけてしまったりすることなく、内部通路を閉鎖することができる。また、被充填物が流通せず、かつエアなどの気体が流通する程度に閉鎖することが容易となる。
【0007】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の縦形製袋充填包装機において、前記落下遮断手段が、前記1対の遮断板を備え、該1対の遮断板を前記1対の横シーラにそれぞれ設けることにより、前記横シーラ移動手段が、前記落下遮断手段の前記遮断板移動手段を兼ねるとともに、前記横シーラ移動手段が、前記横シーラの進出時の位置を、前記落下遮断手段の前記1対の遮断板で前記包装材の内部通路を閉鎖する状態とする第1の進出位置と、前記横シーラで前記筒状の包装材を押しつぶして横シール可能な状態とする第2の進出位置との少なくとも2段階に切り換えることができるようにした構成とする。
この発明によれば、横シーラ移動手段が落下遮断手段の遮断板移動手段を兼ねるので、簡素かつコンパクトな構成とすることができる。
また、横シーラ移動手段により、横シーラを第1の進出位置に進出させて、横シーラに設けられた落下遮断手段の1対の遮断板により内部通路を閉鎖する。そして一定時間後に、舞上がり遮断手段により包装材の内部通路を閉鎖してから、横シーラを第2の進出位置に進出させ、横シールを行うことができる。
そのため、第1の進出位置、第2の進出位置のそれぞれの到達タイミングを制御することで、横シーラ移動手段が落下遮断手段の遮断板移動手段の機能と横シーラを移動して横シールを行う機能との両立が容易となる。
【0008】
請求項4に記載の発明では、請求項2または3に記載の縦形製袋充填包装機において、前記舞上がり遮断手段が、前記1対の遮断板を備え、前記横シーラと前記舞上がり遮断手段との間に、前記包装材に配置されたジッパ部材を前記包装材に貼り付ける1対のジッパシーラと、該1対のジッパシーラを前記筒状の包装材に対して対向方向に沿って互いに進退させるジッパシーラ移動手段とが設けられ、前記舞上がり遮断手段の1対の遮断板を前記ジッパシーラ移動手段に設けることで、前記舞上がり遮断手段の前記遮断板移動手段を兼ねるとともに、前記1対の遮断板の前記ジッパシーラ移動手段に対する装着位置を、前記1対のジッパシーラの位置と、前記1対のジッパシーラの前記搬送方向下流側の位置とのいずれかに選択的に切り替えられるようにし、かつ、前記ジッパシーラ移動手段が、前記ジッパシーラの進出時の位置を、前記舞上がり遮断手段の前記1対の遮断板で前記包装材の内部通路を閉鎖する状態とする第3の進出位置と、前記ジッパシーラで前記筒状の包装材を押しつぶして前記ジッパ部材を貼り付け可能な状態とする第4の進出位置との少なくとも2段階に切り替えることができる構成とする。
この発明によれば、1対のジッパシーラを備えることで、ジッパ付き袋を製袋することができる。そして、舞上がり遮断手段が1対の遮断板を備え、これら遮断板をジッパシーラ移動手段に装着することで、ジッパシーラ移動手段が舞上がり遮断手段の遮断板移動手段を兼ねることができる。さらに、舞上がり遮断手段をジッパシーラの位置とジッパシーラの搬送方向下流側のとの位置のいずれかに選択的に切り替えて装着することができるので、ジッパ無し袋の製袋とジッパ付き袋の製袋のいずれにも対応することができる。
また、落下遮断手段により包装材の内部通路を遮断し、一定時間後に、ジッパシーラ移動手段により、ジッパシーラを第3の進出位置に進出させて、ジッパシーラに設けられた舞上がり遮断手段の1対の遮断板により内部通路を閉鎖する。そして、ジッパシーラ移動手段によりジッパシーラを第4の進出位置に進出させてジッパシールを行うことができる。
そのため、第3の進出位置、第4の進出位置のそれぞれの到達タイミングを制御することで、ジッパシーラ移動手段が舞上がり遮断手段の遮断板移動手段の機能とジッパシーラを移動してジッパシールを行う機能との両立が容易となる。
【0009】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の縦形製袋充填包装機において、前記舞上がり遮断手段の前記搬送方向下流側に、前記搬送方向上流側から下流側に向けて対向間隔が増大するように対向され、前記被充填物が充填された包装材を側方から挟んで押圧可能に設けられた1対の押圧板を設けた、前記包装材内の充填部分のエア抜き手段を備える構成とする。
この発明によれば、エア抜き手段を備えるので、包装材から余分な気体を排出して、一定容積の包装材に一定量の被充填物を充填することができる。
また、搬送方向上流側から下流側に向けて対向間隔が増大するように対向された1対の押圧板によって、包装材を側方から挟んで押圧するので、押圧の過程で、被充填物が上流側から下流側に向けて徐々に被包装物が移動するように押圧される。そのため、上流側から下流側に向けて同時に押圧される場合に比べて、被充填物の舞上がりを低減することができる。
【0010】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の縦形製袋充填包装機において、前記1対の押圧板が、前記舞上がり遮断手段によって前記内部通路を閉鎖された後に、前記被充填物が充填された包装材を押圧開始するように移動され、押圧中は減速して、前記ジッパシーラが前記第4の進出位置に至る前に停止するように制御される。
この発明によれば、1対の押圧板によるエア抜き動作が、舞上がり遮断手段によって内部通路が閉鎖された後に開始され、減速下で押圧され、ジッパシーラが第4の進出位置に至る前に終了される。そのため、エア抜き動作において、被充填物の一定速度または加速して押圧する場合に比べて、被充填物の舞上がりの勢いをより低減することができ、舞上がり遮断手段による内部通路の閉鎖の作用と相俟って、その後に行われるジッパシール時に、被充填物が舞い上がってジッパシール部、横シール部および両シール部の間に噛み込まれることを確実に防止することができる。
【0011】
請求項7に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の縦形製袋充填包装機において、前記舞上がり遮断手段の前記搬送方向下流側に、前記搬送方向上流側から下流側に向けて対向間隔が増大するように対向され、前記被充填物が充填された包装材を側方から挟んで押圧可能に設けられた1対の押圧板を設けた、前記包装材内の充填部分のエア抜き手段を備え、前記1対の押圧板が、前記舞上がり遮断手段によって前記内部通路を閉鎖された後に、前記被充填物が充填された包装材を押圧開始するように移動され、押圧中は減速して、前記横シーラが前記内部通路を閉鎖する前に停止するように制御される。
この発明によれば、1対の押圧板によるエア抜き動作が、舞上がり遮断手段によって内部通路が閉鎖された後に開始され、減速下で押圧され、横シーラが内部通路を閉鎖する前に終了される。そのため、エア抜き動作において、被充填物の一定速度または加速して押圧する場合に比べて、被充填物の舞上がりの勢いをより低減することができ、舞上がり遮断手段による内部通路の閉鎖の作用と相俟って、その後に行われる横シール時に、被充填物が舞い上がって横シール部に噛み込まれることを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の縦形製袋充填包装機によれば、筒状の包装材の内部通路を落下遮断手段によって閉鎖し、横シーラの搬送方向下流側で、一定時間後に舞上がり遮断手段によって閉鎖するので、被充填物の噛み込みによる横シールなどのシール不良の発生を低減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下では、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の概略構成を示す模式的な斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の主要部の概略構成を示す正面図である。図3は、本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の主要部における主要部材の配置について説明する模式的な側面図である。図4は、本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の正面視の部分断面図である。図5は、本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の平面図である。図6は、本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機のエア抜き手段の概略構成を示す平面図である。図7は、図6のA−A断面図である。図8は、図6のB−B断面図である。
なお、各図に記載したXYZ直交座標系は、方向参照の便宜のために、各図共通の方向に配置している。XY平面は水平面を表し、Z軸正方向は鉛直上方に一致されている。以下では、図中の方向をこれらの座標軸を参照して表す場合がある。
【0014】
本実施形態の縦形製袋充填包装機100は、図1に示すように、フィルムなどの包装材Wの端部を縦シールして筒状包装材Wa(筒状の包装材)を形成して、鉛直上方から下方に(Z軸正方向から負方向に)搬送し、その下端側で横シールして底部を形成し、その内部に上方から、例えば粉体や粒状体などの被包装物(被充填物、図示せず)を充填し、一定長さだけ下方に繰り出して、上端側を横シールするとともに筒状包装材Waに予め仮止めしたジッパ部材5を貼り付ける工程を繰り返して、被包装物が充填されたジッパJの付いた包装袋Wbを連続的に製造するものである。
包装材Wの材質は、適宜材質のプラスチックフィルム、ラミネートフィルムなどを採用することができる。
ジッパ部材5の形態、形状は、包装材Wに貼り付けることができるものであれば、特に限定されず、周知の種々のものを採用することができる。
【0015】
縦形製袋充填包装機100の概略構成は、包装材Wを供給するフィルムロール1と、包装材Wを搬送する複数の搬送ローラ2と、搬送ローラ2によって搬送された包装材Wを幅方向の端部が対向する状態で重ね合わせてZ軸を軸方向とする略円筒状の筒状包装材Waに整形するフォーマー部3aと、筒状包装材Waの形状を保持してZ軸負方向に向けて案内する製袋チューブ3と、製袋チューブ3上で筒状包装材WaをZ軸負方向に間欠的に繰り出す繰り出しベルト6と、繰り出しベルト6によって間欠搬送される筒状包装材Waの兼ね合わされた端部を挟んで縦シールする縦シール部7と、製袋チューブ3の内側の充填空間に上方から被包装物を充填するためのホッパ8と、落下遮断板9A、9B(落下遮断手段の遮断板)、横シーラ10A、10B、ジッパシーラ11A、11B、舞上がり遮断板12A、12B(舞上がり遮断手段の遮断板)、エア抜き押圧板14A、14B(押圧板)、および排出ガイド31からなる。
そして、落下遮断板9A、9B、横シーラ10A、10B、ジッパシーラ11A、11B、舞上がり遮断板12A、12B、およびエア抜き押圧板14A、14Bには、それぞれの移動を行うための横シーラ移動部51(横シーラ移動手段)、ジッパシーラ移動部52(ジッパシーラ移動手段)、および押圧板移動部54が接続されている。これらおよび上記他の機構の動作は、制御部55(制御手段)によって制御される。
なお、本実施形態では、筒状包装材Waの搬送方向(以下、単に搬送方向ということにする)が鉛直下方向の場合で説明するが、これは一例であって、例えば、被包装物の落下などの動作などに不都合がない限りでは、厳密な鉛直方向から傾斜していてもよい。
本実施形態では、包装材Wは、X軸正方向側から製袋チューブ3に供給されるようになっている。
【0016】
図2に示すように、製袋チューブ3の下端部には、製袋チューブ3の下方で、筒状包装材Waを平袋状に形成するための袋開き部材3bが設けられている。
落下遮断板9A、9Bは、それぞれ、L字状、逆L字状の断面を有しその水平部分がZ軸方向に段違いとなる状態で、それぞれY軸方向に延ばされた部材であり、袋開き部材3bの下方側で筒状包装材WaをX軸方向に挟んで対向し、それぞれ対向方向に進退可能に設けられている。
落下遮断板9A、9Bの各水平部分の対向方向の先端部は、先細りのテーパを有している。また、落下遮断板9A、9Bの水平部分は、Z軸方向には、後述する横シーラ10A、10Bの上面に近接した位置に配置される。
落下遮断板9A、9BのY軸方向の両端部(図5参照)には、それぞれ進出時の位置を規制するため、各先端が当接するストッパ9a、9bがそれぞれ設けられている。そして落下遮断板9A、9Bの進出位置は、製袋チューブ3の中心線に整列するか、より好ましくは、わずかに対向方向に超えた位置に設定される。
本実施形態では、わずかに超えた位置に設定している。したがって、それぞれの先端部がZ軸方向に段違いに配置されていることで、進出時にそれぞれの先端面で押しつぶされた筒状包装材Waが、正面視でジグザグ状に屈曲され、内部通路Pが閉鎖されるようになっている。
【0017】
落下遮断板9A(9B)の背面側(X軸負(正)方向側)には、落下遮断板9A(9B)を進退させるために、X軸方向に延ばされたガイドシャフト20が固定されている。
ガイドシャフト20は、落下遮断板9A(9B)を進退させる駆動力を伝達する遮断板保持ブラケット22A(22B)のガイド孔22aに挿通され、X軸負(正)方向側の端部で遮断板保持ブラケット22A(22B)に対する抜け止めが施されている。
落下遮断板9A(9B)の背面側と遮断板保持ブラケット22A(22B)の間のガイドシャフト20には、落下遮断板9A(9B)をX軸正(負)方向側に付勢するスプリング21が挿着されている。
このため、遮断板保持ブラケット22A(22B)がX軸正(負)方向に移動すると、スプリング21で付勢された落下遮断板9A(9B)がX軸正(負)方向に移動するようになっている。また、遮断板保持ブラケット22A(22B)がX軸負(正)方向に移動すると、ガイドシャフト20の抜け止めを介して、落下遮断板9A(9B)が、X軸負(正)方向に移動するようになっている。
【0018】
横シーラ10A、10Bは、それぞれ落下遮断板9A、9Bの下方側に略平行に配置されたブロック状部材であり、筒状包装材Waを、繰り出しベルト6の繰り出し動作に連動するタイミングで、側方から押しつぶし、搬送方向に交差する方向に沿ってシール(横シール)するものである。
横シーラ10A、10Bは、それぞれ筒状包装材WaのX軸負方向側、正方向側に配置され、筒状包装材Waを側方から押圧して横シール部分を形成するためにY軸方向に長く延ばされた押圧面10a、10aをそれぞれ対向させた状態で配置されている。すなわち、各押圧面10aは、搬送方向に交差する方向に延ばされている。以下、各押圧面10aが延ばされた方向を横シール方向という場合がある。
押圧面10aのY軸方向の長さは、筒状包装材Waを押しつぶした状態で幅方向(Y軸方向)に横断しうる長さとなっている。
ここで、筒状包装材Waを押しつぶす場合に、目的とする袋の形態により種々の押しつぶし方が可能である。例えば、円筒を単純に押しつぶすようにしてもよいし、マチ部を形成するように押しつぶしてもよい。
【0019】
そして、横シーラ10A、10Bは、横シーラ移動部51によって、対向方向に沿って、それぞれの押圧面10aを対称的に移動して、筒状包装材Waの搬送路中心を通るYZ平面を中心としてX軸方向に開閉動作を行うことができるようになっている。
また、横シーラ10AのZ軸方向の中間部には、横シール部分を横シール方向に切断するためのカッタ機構10bが設けられている。このため、横シーラ10A、10BのZX平面に平行な断面は、押圧面10a側に開口するコ字状あるいはU字状とされている。
【0020】
本実施形態では、各押圧面10aが、ヒータなどにより加熱され、筒状包装材Waを押しつぶしたときに、筒状包装材Waを押しつぶし方向に熱シールする構成を採用している。
ただし、横シールするための機構は、熱シールに限定されるものではなく、周知の種々の横シーラの構成を採用することができる。例えば、超音波融着、感圧接着などを採用することができ、横シーラ10A、10Bの構成もそれぞれに応じた構成を採用することができる。
【0021】
横シーラ移動部51の概略構成は、図4、5に示すように、駆動モータ39の回動がスライダクランク機構を介して、横シーラブラケット23A、23Bに伝達され、横シーラブラケット23A、23Bが製袋チューブ3の中心線を挟んで開閉するようにX軸方向にスライド移動する構成になっている。
【0022】
横シーラブラケット23A、23Bの製袋チューブ3の側にはそれぞれ横シーラ10A、10Bが取り付けられている。
また、横シーラブラケット23A、23BのそれぞれのY軸方向上面側(Z軸正方向側)には、遮断板保持ブラケット22A、22BがX軸方向の取付位置を調整できるようにボルト締結されている。遮断板保持ブラケット22A、22Bの取付位置は、それぞれ落下遮断板9A、9Bの先端面の位置が横シーラ10A、10Bの押圧面10a、10aよりも一定距離(L−L)だけ製袋チューブ3側となる位置に取り付けられている。
【0023】
駆動モータ39は、駆動力を伝達するモータであり、回動方向の正逆の切り替え、および回動量、回動速度を制御部55により制御できるようになっているものである。本実施形態では、例えばサーボモータを採用している。
【0024】
このような構成において、例えば、図4には、横シーラ10A、10Bが離間した状態が示されている。
このとき、モータシャフト38が図示反時計回りに回動すると、横シーラブラケット23Bに取り付けられた横シーラ10Bと、横シーラブラケット23Aに取り付けられた横シーラ10Aとは、互いに近接する方向に移動される。
そして、このようにして近接した状態から図示時計回りに回動すると、この逆の動作を行うことができる。
すなわち、横シーラ10A、10BのX軸方向における開閉動作を行うことができるようになっている。また、それに伴って、落下遮断板9A、9Bの開閉動作も行うことができるようになっている。したがって、本実施形態の横シーラ移動部51は、落下遮断板9A、9Bを閉じて、内部通路Pを閉鎖する落下遮断手段の遮断板移動手段を兼ねている。
【0025】
本実施形態では、横シーラ10A、10Bの各開放状態に対応して、モータシャフト38の回動角度位置(以下では、単に、駆動モータ39の回動角度位置と称する)が予め制御部55に記憶されており、それぞれの回動角度位置の間で、適宜回転速度を変えて回動できるようになっている。
第1の回動角度位置は、横シーラ10A、10Bと、落下遮断板9A、9Bとがともに筒状包装材Waに接触しない開放状態に対応する。例えば、筒状包装材Waの内部通路Pが全面的に開放された状態の距離、本実施形態では内部通路Pの中心として距離2・Lだけ、横シーラ10A、10Bを開放する状態である。
第2の回動角度位置は、落下遮断板9A、9Bのストッパ9a同士が当接する距離、すなわち、距離L(ただし、L<L)だけ進出した進出位置(第1の進出位置)に対応する。このとき、横シーラ10A、10Bの押圧面10a、10a間には、隙間が形成されており、内部通路Pは落下遮断板9A、9Bによって閉鎖されるものの、押圧面10a、10aによっては閉鎖されない。
第3の回動角度位置は、横シーラ10A、10Bの押圧面10a、10aが筒状包装材Waを押しつぶし、横シールが可能となる距離Lだけ進出する進出位置(第2の進出位置)に対応する。このとき、横シーラブラケット23A(23B)に固定された遮断板保持ブラケット22A(22B)は、スプリング21を圧縮しつつスプリング21に沿って対向方向に移動するものの、落下遮断板9A、9Bは、ストッパ9a、9bの作用によりX軸方向に停止した状態に置かれる。
【0026】
ジッパシーラ11A、11Bは、図2に示すように、それぞれ筒状包装材WaのX軸の負方向側、正方向側に配置され、筒状包装材Waを側方から押圧して、筒状包装材Wa内面の横シール部分の下方に配置されたジッパ部材5を筒状包装材Waに貼り付けるためY軸方向に長く延ばされた押圧面11c、11cがそれぞれ対向された部材であり、それぞれジッパシーラ本体11bおよびシーラ保持部11aから構成される。
ジッパシーラ本体11bは、押圧面11cを備えるブロック状部材からなる。押圧面11cのY軸方向の長さと形状は、ジッパ部材5の形態、形状に応じて、貼り付けに必要な長さ、形状とされる。
ジッパシールの方式は、例えば、熱シール可能なジッパ片上に封止部が形成されたジッパ部材の場合には、仮止めされたジッパ部材5の封止部を、搬送方向上流側および横シール方向の両端の側を取り囲むような、下に開いたコ字状の押圧面11c(図3参照)を備え、ジッパ片を包装材Wで挟んで熱シールするような構成を採用することができる。
ただし、ジッパ部材5を貼り付けるための機構は、熱シールに限定されるものではなく、周知の種々のジッパシーラの構成を採用することができる。例えば、超音波融着、感圧接着などを採用することができ、ジッパシーラ本体11bの構成もそれぞれに応じた構成とすることができる。
【0027】
シーラ保持部11aは、ジッパシーラ本体11bと、後述する舞上がり遮断板12A(12B)とを選択的に付け替えられるようにX軸正(負)方向の側面に取付穴11dを備えるY軸方向に延ばされたブロック部材である。取付穴11dは、例えば、ボルト締結を行うための雌ねじが形成されている。
本実施形態では、ジッパ付き袋を製袋するため、以下では、取付穴11dに螺合されるボルト15によって、ジッパシーラ本体11bが取り付けられている場合の例で説明する。
シーラ保持部11aに、舞上がり遮断板12A(12B)が取り付けられている場合には、ジッパシーラ11A、11Bの機能は停止され、横シールして、ジッパ無しの袋を製袋するモードで運転される。
【0028】
ジッパシーラ11A、11Bは、ジッパシーラ移動部52によって、対向方向に沿って、それぞれの押圧面11aを対称的に移動して、搬送路中心を通るYZ平面を中心としてX軸方向に開閉動作を行うことができるようになっている。
【0029】
ジッパシーラ移動部52の概略構成は、図4、5に示すように、駆動モータ43の回動がスライダクランク機構を介して、ジッパシーラブラケット24A、24Bに伝達され、ジッパシーラブラケット24A、24Bが製袋チューブ3の中心線を挟んで開閉するようにX軸方向にスライド移動する構成になっている。
【0030】
ジッパシーラブラケット24A、24Bの製袋チューブ3の側にはそれぞれジッパシーラ11A、11Bが取り付けられている。
また、ジッパシーラブラケット24A、24BのそれぞれY軸方向下面側(Z軸負方向側)には、遮断板保持ブラケット25A、25BがX軸方向の取付位置を調整できるようにボルト締結されている。遮断板保持ブラケット25A、25Bの取付位置は、それぞれ舞上がり遮断板12A、12Bの先端面の位置がジッパシーラ11A、11Bの押圧面11c、11cよりも一定距離(L−L)だけ製袋チューブ3側となる位置に取り付けられている。
【0031】
駆動モータ43は、駆動力を伝達するモータであり、回動方向の正逆の切り替え、および回動量、回動速度を制御部55により制御できるようになっているものである。本実施形態では、駆動モータ39と同様のサーボモータを採用している。
【0032】
このような構成において、例えば、図4には、ジッパシーラ11A、11Bの各押圧面11aが離間した状態が示されている。
このとき、モータシャフト42が図示時計回りに回動すると、ジッパシーラブラケット24Bに取り付けられたジッパシーラ11Bと、ジッパシーラブラケット24Aに取り付けられたジッパシーラ11Aとは、互いに近接する方向に移動される。
そして、このようにして近接した状態から、図示時計回りに回動すると、この逆の動作を行うことができる。
すなわち、ジッパシーラ11A、11BのX軸方向における開閉動作を行うことができるようになっている。
【0033】
本実施形態では、ジッパシーラ11A、11Bの各開放状態に対応してモータシャフト42の回動角度位置(以下では、単に、駆動モータ43の回動角度位置と称する)が予め制御部55に記憶されており、それぞれの回動角度位置の間で、適宜回転速度を変えて回動できるようになっている。
第1の回動角度位置は、ジッパシーラ11A、11Bと舞上がり遮断板12A、12Bとがともに筒状包装材Waに接触しない開放状態に対応する。例えば、筒状包装材Waの内部通路Pが全面的に開放された状態の距離、本実施形態では内部通路Pの中心として距離2・Lだけ、ジッパシーラ11A、11Bを開放する状態である。
第2の回動角度位置は、後述する舞上がり遮断板12A、12Bのストッパ9a同士が当接する距離、すなわち、距離Lだけ進出した進出位置(第3の進出位置)に対応する。このとき、ジッパシーラ11A、11Bの押圧面11a、11a間には、隙間が形成されており、内部通路Pは舞上がり遮断板12A、12Bによって閉鎖されるものの、押圧面11a、11aによっては閉鎖されない。
第3の回動角度位置は、ジッパシーラ11A、11Bの押圧面11a、11aが筒状包装材Waを押しつぶし、ジッパシールが可能となる距離Lだけ進出する進出位置(第4の進出位置)に対応する。
【0034】
舞上がり遮断板12A、12Bは、落下遮断板9A、9Bの構成を、XY平面内で反転して、ジッパシーラ11A、11Bの下方位置に設け、ガイドシャフト20、スプリング21により水平方向に支持されているものである。ただし、これらガイドシャフト20、スプリング21は、遮断板保持ブラケット22A、22Bに代えて、それらと同様の構成を備え、取付位置がジッパシーラブラケット24A、24Bの下面である点が異なる遮断板保持ブラケット25A、25Bによって保持されている。
遮断板保持ブラケット25A、25Bは、ジッパシーラブラケット24A、24Bに対して、固定ねじ26によって着脱可能に設けられている。
また、落下遮断板9A、9Bと同様に、舞上がり遮断板12A、12BのY軸方向の両端部には、それぞれ進出時の位置を規制するため、各先端が当接するストッパ9a、9bがそれぞれ設けられている。そして舞上がり遮断板12A、12Bの進出位置は、各先端面が内部通路Pの中心線に整列するか、より好ましくはわずかに超えた位置に設定される。
本実施形態では、わずかに超えた位置としており、それぞれがZ軸方向に段違いに配置されていることで、進出時にそれぞれの先端面で押しつぶされた筒状包装材Waが正面視でジグザグ状に屈曲され、内部通路Pが閉鎖されるようになっている。
【0035】
このような構成により、ジッパシーラブラケット24A(24B)が、ジッパシーラ移動部52の駆動モータ43の第2の回動角度位置に移動されると、ジッパシーラブラケット24A(24B)に固定された遮断板保持ブラケット25A(25B)は、スプリング21を介して、舞上がり遮断板12A(12B)をX軸正(負)方向に移動させる。
したがって、本実施形態のジッパシーラ移動部52は、舞上がり遮断板12A、12Bを閉じて、内部通路Pを閉鎖する舞上がり遮断手段の遮断板移動手段を兼ねている。
【0036】
また、ジッパシーラ移動部52が、駆動モータ43の第3の回動角度位置に移動されると、ジッパシーラブラケット24A(24B)に固定された遮断板保持ブラケット25A(25B)は、スプリング21を圧縮しつつスプリング21に沿って対向方向に移動するものの、舞上がり遮断板12A(12B)は、ストッパ9a、9bの作用によりX軸方向に停止した状態に置かれる。
【0037】
舞上がり遮断板12A、12Bの下方側には、図2に示すように、遮断板保持ブラケット25A、25Bに、補助エア抜き支持ブラケット27A、27Bを介して固定された補助エア抜き部13A、13Bが配置されている。
補助エア抜き部13A、13Bは、後述するエア抜き押圧板14A、14Bで、筒状包装材Wa内に被包装物を充填する際のエア抜き動作を行う場合に、エア抜き押圧板14A、14Bの上方での筒状包装材WaのX軸方向への膨張を抑制するものである。
本実施形態では、筒状包装材WaのY軸方向の幅よりもやや長い距離に延ばされ、Z軸方向に並列して張架されたコイルスプリング28、28を採用している。コイルスプリング28、28のX軸方向の位置は、ジッパシーラブラケット24A、24Bが、ジッパシーラ移動部52の第3の回動角度位置に対応する位置に移動されたとき、それぞれのコイルスプリング28の側面が筒状包装材Waに当接または近接する位置に設定する。
【0038】
エア抜き押圧板14A、14Bは、補助エア抜き部13A、13Bの搬送方向下流側で筒状包装材WaをX軸方向に挟持して筒状包装材Wa内のエア抜きを行う部材であり、押圧板移動部54によってX軸方向に移動される。
エア抜き押圧板14A、14Bは、それぞれ筒状包装材WaをX軸方向に所定厚さとなるまで押圧したときの筒状包装材WaをYZ面内で略覆うことができる大きさを有し、筒状包装材Waに押圧される各押圧面14aが、搬送方向上流側(Z軸正方向側)から下流側(負方向)に向けて、対向間隔が増大する状態に配置されて押圧動作を行うようにしたものである。
本実施形態では、エア抜き押圧板14A(14B)として、ZX平面内で、Z軸正方向から負方向側に向けて、板厚が薄くなるテーパ付きの板材を採用し、その一方の面を、押圧板取付ブラケット29A(29B)によって鉛直に支持し、その押圧板取付ブラケット29A(29B)をX軸方向に移動する押圧板移動部54で保持することにより、押圧面14aを平行移動する構成を採用している。
【0039】
押圧板移動部54の概略構成は、図6〜8に示すように、押圧ブラケット30A、スライドシャフト48、48、連結ブラケット60、クランクアーム61A、押圧ブラケット30B、クランクアーム61B、および駆動モータ64からなる。
押圧ブラケット30Aは、Y軸方向に延ばされたブロック状部材であり、その長手方向(Y軸方向)の両端部にX軸正方向に平行に延びるスライドシャフト48、48が固定されている。
図6に示すように、各スライドシャフト48は、支持ブラケット49L、49Rにそれぞれ設けられた2つのスライドシャフト支持部49a、49bの軸受によりX軸方向に移動可能に支持されている。
押圧ブラケット30AのY軸方向の中間部の上面側(Z軸正方向側)には、押圧板取付ブラケット29Aが取り付けられている。
連結ブラケット60は、押圧ブラケット30Aと略同等の長さでY軸方向に延ばされたブロック状部材であり、そのY軸方向の両端部が、それぞれスライドシャフト48、48と固定されている。そして、Y軸方向の中間部のX軸負方向側に、後述する駆動モータ64からの駆動力を伝達するクランクアーム61Aを回動自在に固定するジョイント部60aが設けられている。
このように、押圧ブラケット30A、スライドシャフト48、48、連結ブラケット60は、平面視格子状に組み立てられ、クランクアーム61Aによって、駆動力が伝達されることで、X軸方向に移動可能とされている。
【0040】
押圧ブラケット30Bは、Y軸方向に延ばされたブロック状部材であり、その長手方向(Y軸方向)の両端部においてスライドシャフト48、48に摺動可能に連結するスライダ部30bが設けられ、それぞれがスライドシャフト支持部49a、49bの間で、スライドシャフト48に連結されている。
そして、押圧ブラケット30BのY軸方向の中間部の上面側には押圧板取付ブラケット29Bが取り付けられている。
また、同じくX軸負方向側の側面には、後述する駆動モータ64からの駆動力を伝達するクランクアーム61Bを回動自在に固定するジョイント部30aが設けられている。ジョイント部30aとジョイント部60aとは、それぞれ略対向する位置に設けられている。
【0041】
駆動モータ64は、クランクアーム61A、61Bに駆動力を伝達するモータであり、回動方向の正逆の切り替え、および回動量、回動速度を制御部55により制御できるようになっているものである。本実施形態では、駆動モータ39と同様のサーボモータを採用している。そして、支持ブラケット49L、49Rの間に渡されたモータ支持ブラケット65の下面側に固定されている。
出力軸であるモータシャフト63は、Z軸に沿って設けられ、その先端に回動アーム62が固定されている。
回動アーム62には、回動の径方向の両端部にそれぞれクランクアーム61A、61Bが、例えばピン結合などの回転ジョイントにより結合されている。
【0042】
このような構成において、例えば、図6には、エア抜き押圧板14A、14Bの各押圧面14aが最大限に離間した状態が示されている。
このとき、モータシャフト63が図示反時計回りに回動すると、連結ブラケット60、押圧ブラケット30Bと連結されたクランクアーム61A、61Bの端部がそれぞれX軸方向に離間する方向に対称的に移動される。このため、押圧ブラケット30Bに押圧板取付ブラケット29Bを介して取り付けられたエア抜き押圧板14Bと、連結ブラケット60に対向する位置の押圧ブラケット30Aに押圧板取付ブラケット29Aを介して取り付けられたエア抜き押圧板14Aとは、互いにより近接する方向に移動される。
そして、このようにして近接した状態から、図示時計回りに回動すると、この逆の動作を行うことができる。
すなわち、エア抜き押圧板14A、14BのX軸方向における開閉動作を行うことができるようになっている。
【0043】
本実施形態では、エア抜き押圧板14A、14Bの対向間隔に対応して、回動アーム62、モータシャフト63の回動角度位置(以下では、単に、駆動モータ64の回動角度位置と称する)が予め制御部55に記憶されており、それぞれの回動角度位置の間で、適宜回転速度を変えて回動できるようになっている。
第1の回動角度位置は、被包装物が充填中の筒状包装材Waを押圧面14aに触れさせることなく搬送方向に通過させるための開放状態に対応する。
第2の回動角度位置は、被包装物が充填された筒状包装材Waのエア抜きを行って、一定の厚さにするための対向間隔に対応するものである。
【0044】
排出ガイド31は、エア抜き押圧板14A、14Bの搬送方向下流側に設けられたガイド部材であり、被包装物の充填後に、横シーラ10A、10Bにより上端が横シールされ、カッタ機構10bで切断されることで形成され、鉛直下方に落下する包装袋Wb(図1参照)を、不図示の搬送ベルトなどが位置する適宜位置に排出するためのガイド部材である。例えば、断面コ字状で、コ字状の底面をなすガイド面が斜めに傾斜された構成を採用することができる。
【0045】
次に、縦形製袋充填包装機100の動作について、横シール時の動作を中心に説明する。
図9は、本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の動作について説明するためのタイミングチャートである。
【0046】
縦形製袋充填包装機100の概略動作は以下の通りである。
まず、図1に示すように、搬送ローラ2を駆動して、フィルムロール1から包装材Wを一定長さだけ巻きだして間欠的に搬送する。包装材Wは、略水平方向に広げられた状態で、ジッパ仮止め部4の下方側に到達する。このとき、ジッパ仮止め部4によって、包装材W上にジッパ部材5を配置して包装材W上に仮止めする。ジッパ部材5の仮止め位置は、横シールが形成される予定位置からわずかに搬送方向下流側の位置とされる。
【0047】
ジッパ部材5が仮止めされた包装材Wは、フォーマー部3aに搬送される。
フォーマー部3aでは、包装材Wを幅方向の端部が対向する状態で重ね合わせて製袋チューブ3の外周に沿う略円筒状に整形し、筒状包装材Waを形成する。
筒状包装材Waは、製袋チューブ3上で、繰り出しベルト6によって、包装袋Wbの長さ分だけ、間欠的にZ軸負方向に繰り出される。
この動作タイミングは、縦シール部7の縦シール動作、横シーラ移動部51、ジッパシーラ移動部52による各シーラの開閉動作と同期されている。
すなわち、繰り出しの停止時に、縦シール部7によって、筒状包装材Waの周方向で重ね合わされた端部が縦シールされ、搬送方向上流側の筒状包装材Waの形状が固定される。
また、搬送方向下流側で、落下遮断板9A、9B、横シーラ10A、10B、ジッパシーラ11A、11B、舞上がり遮断板12A、12Bの閉止動作が行われ、それぞれが開放された際に、繰り出し動作が行われる。そして、繰り出し動作の間に、ホッパ8から被包装物の充填工程が行われる。
【0048】
次に、図9を参照して、詳細の動作タイミングについて説明する。図9は、1つの包装袋Wbが製袋される周期をTとして、2周期分の動作が記載されている。時間0〜Tの部分に記載した時刻tからt24は、添字の順序と時間的な順序を一致させている。そして時間T〜2・Tの間も同様の動作が繰り返される。
図9において、曲線200〜206は、それぞれ、被包装物の落下動作、筒状包装材Waの搬送動作、横シーラ10A、10Bの開閉動作、カッタ機構10bの動作、ジッパシーラ11A、11Bの開閉動作、エア抜き押圧板14A、14Bの開閉動作、縦シール部7の動作のタイミングを示す。
【0049】
前工程における被包装物の充填工程が終了すると、時刻0では、駆動モータ39をその第3の回動角度位置から第1の回動角度位置に向けて回動し、横シーラ移動部51によって閉じられていた横シーラ10A、10Bが徐々に開放される(曲線202参照)。また、同時に、繰り出しベルト6の繰り出しを徐々に開始する(曲線201参照)。
ジッパシーラ11A、11B、エア抜き押圧板14A、14Bは、それ以前の時点で、開放動作を開始している(曲線204、205参照)。また、カッタ機構10bは、横シーラ10A内への退避を開始しており、時刻tで退避が完了する(曲線203参照)。
そして、時刻tで、駆動モータ64がその第1の回動角度位置まで回動し、押圧板移動部54によりエア抜き押圧板14A、14Bが開放状態の位置に移動する(曲線205参照)。
時刻tでは、駆動モータ39、43がそれぞれの第1の回動角度位置に回動まで回動し、それに応じて、横シーラ移動部51、ジッパシーラ移動部52により、横シーラ10A、10B、ジッパシーラ11A、11Bが、それぞれ開放状態の位置に移動する。本実施形態では、押圧面10a同士、および押圧面11a同士が、距離2・Lだけ離されている。
このとき、横シーラ移動部51、ジッパシーラ移動部52によって移動される落下遮断板9A、9B、舞上がり遮断板12A、12Bも、同時に開放状態とされる。
かくして、製袋チューブ3の下方側で筒状包装材Wa内に内部通路Pが形成された状態で、自由に搬送できる状態となる。したがって、直前の製造サイクルで落下された被包装物が、下方に落下し始め、筒状包装材Wa内に徐々に充填される。
【0050】
一方、曲線201に示すように、時刻tから、繰り出しベルト6によって筒状包装材Waを定速で繰り出す。そして、時刻tで減速し、時刻tで繰り出しを停止する。この間(時刻0〜t)に、1つの包装袋Wbを形成するために必要な長さだけ繰り出される設定とする。
また、筒状包装材Waが停止する時刻t以降に縦シールを行うため、時刻tから縦シール部7を駆動し、時刻t11〜t17までの間、縦シール部7を閉じて縦シール動作を行う(曲線206参照)。
【0051】
また、曲線200に示すように、時刻uから時刻uまでの間に、ホッパ8から被包装物を投入し、1つの包装袋Wbに充填する量の被包装物を投入する。
これらの被包装物は、製袋チューブ3内を落下し、内部通路Pを通して、底部が横シールされた筒状包装材Wa内に徐々に充填される。このため時刻u〜uに投入された被包装物は、内部通路P内で拡散しつつ落下して、時刻t14〜(t10+T)の間に製袋チューブ3の下方に到達する。ここで、時刻u、時刻uは、被包装物の落下時間を考慮して、時刻t14が落下遮断板9A、9Bが閉じた後になり、(t10+T)が、次の周期の落下遮断板9A、9Bが閉じる前になるように設定される。
【0052】
曲線202に示すように、時刻t〜t12では、駆動モータ39をその第1の回動角度位置から第2の回動角度位置まで回動し、落下遮断板9A、9Bをそれぞれ対向方向に距離Lだけ進出させ、内部通路Pを閉鎖する。これにより、時刻t12以降、上方から落下する被包装物は、落下遮断板9A、9Bにより遮断され、その上方の内部通路P内に蓄積される。
一方、曲線205に示すように、時刻t〜t15では、駆動モータ64をその第1の回動角度位置から第2の回動角度位置まで回動し、エア抜き押圧板14A、14Bを対向方向に徐々に移動し、被包装物が充填中の筒状包装材Waを押圧していく。
本実施形態では、制御部55によって、押圧板移動部54を、時刻t、t15の中間であって、かつ押圧面14a、14aが筒状包装材Waに接触開始する時刻vまでの間の時刻vまで、加速もしく定速で移動し、時刻vから時刻t15まで減速しながら移動するように制御している。
このため、時刻vから、筒状包装材Waが、X軸方向の側面において、押圧面14aの傾斜に沿って、上方から下方側に被包装物が移動するように押圧されていき、所定の包装袋Wbの厚さとなる。この過程において、筒状包装材Wa内の被包装物は、押圧面14aによって、下方側に移動し、筒状包装材Wa内からエア抜きが行われる。このとき、押圧面14aは減速しつつ押圧していくので、加速または等速で押圧される場合に比べて、筒状包装材Wa内の被充填物の舞上がりを低減することができる。
時刻t12では、落下遮断板9A、9Bにより内部通路Pが閉鎖されるが、落下遮断板9A、9BはZ軸方向に段違いに設けられているため、筒状包装材Waが正面視ジグザグ状に屈曲されて閉鎖されており、被包装物は通過せず、エアは通過できる状態となっている。
【0053】
そして、曲線204に示すように、時刻t〜t13では、駆動モータ43をその第1の回動角度位置から第2の回動角度位置まで回動し、舞上がり遮断板12A、12Bをそれぞれ対向方向に距離Lだけ進出させ、内部通路Pを閉鎖する。これにより、時刻t13以降、下方の筒状包装材Wa内から舞い上がる被包装物が、舞上がり遮断板12A、12Bにより遮断される。このとき、落下遮断板9A、9B同様、上方に押し出されるエアは通過できる状態になっている。
この過程で、下流側から押し出されるエアで、舞上がり遮断板12A、12Bの近傍の筒状包装材Waが膨らんでくるが、本実施形態では、舞上がり遮断板12A、12Bとともに、その下流側で補助エア抜き部13A、13Bが対向方向に進出されるため、筒状包装材Waが各2本のコイルスプリング28でX軸方向から挟まれ、それらコイルスプリング28の弾性力により徐々にエア抜きされていく。
【0054】
このように、本実施形態では、落下遮断板9A、9Bと舞上がり遮断板12A、12Bとが、それぞれ内部通路Pを閉鎖するタイミングに、時間差Δt=t13−t12を設けている。この時間差Δtは、時刻t12において、落下遮断板9A、9Bによる遮断位置8上側の遮断位置)から舞上がり遮断板12A、12Bによる遮断位置(下側の遮断位置)までの間の空間に存在する被包装物が、舞上がり遮断板12A、12Bによる遮断位置の下方側に落下するために必要な時間より長い時間に設定しておく。これにより、時刻t13以降では、上下の遮断位置の間の内部通路Pに被包装物が残留せず、かつ上下流側から侵入しない状態が形成される。
【0055】
本実施形態では、ジッパシーラ移動部52は、時刻t13以降、そのまま移動し、時刻t16までの間、駆動モータ43を回動し続け第3の回動角度位置まで到達させる(曲線204参照)。このとき、ジッパシーラ11A、11Bは、それぞれ時刻tの位置から距離Lだけ進出して、筒状包装材Waを押しつぶしており、この位置で時刻t21まで停止する。そして、ジッパ部材5の貼り付け動作を行う。
この間、遮断板保持ブラケット25A、25Bも対向方向に進出し、それぞれスプリング21を押圧し続けるが、ストッパ9a、9bにより舞上がり遮断板12A、12Bの位置は、時刻t13の位置が維持される。また、横シーラ移動部51は、時刻t16まで停止されている(曲線202参照)。また、押圧面14a、14aは、時刻t16以前の時刻t15で停止されている。
そのため、時刻t13〜t15までエア抜き押圧板14A、14Bが押圧され続けても、上流側にエア抜けていくことが可能となっている。また、時刻t16では、押圧面14a、14aの押圧が原因の舞上がりが発生しない状態となっている。したがって、これらが相俟って、ジッパシール時に、被包装物が舞い上がって、シール部分に侵入し、噛み込まれることを防止することができる。
【0056】
また、横シーラ移動部51は、時刻t16から、駆動モータ39の回動を開始し、時刻t18まで回動して第3の回動角度位置まで到達させる(曲線202参照)。このとき、横シーラ10A、10Bは、それぞれ時刻tの位置から距離Lだけ進出して、筒状包装材Waを押しつぶしており、この位置で時刻t24まで停止する。そして、横シール動作を行う。
この間、遮断板保持ブラケット22A、22Bも対向方向に進出し、それぞれスプリング21を押圧し続けるが、ストッパ9a、9bにより落下遮断板9A、9Bの位置は、時刻t12の位置が維持される。そのため、横シーラ10A、10B、ジッパシーラ11A、11Bにより、上下の遮断位置の間に挟まれたエアが押圧されると、横シールが完了するまでは、上流側に抜けることができ、横シールを円滑に行うことができる。
【0057】
そして、横シールが完了後、時刻t23でカッタ機構10bの切断動作が行われ、包装袋Wbが切り離される。また、ジッパシーラ移動部52、押圧板移動部54は、それぞれ時刻t21、t19から、開放動作を開始するので、切り離された包装袋Wbは左右方向の挟持から解放され、排出ガイド31に向けて落下する。
以上で、1つの包装袋Wbの製造サイクルが終了する。上記を繰り返すことにより、複数の包装袋Wbが連続的に製袋される。
【0058】
このように、本実施形態の縦形製袋充填包装機100によれば、横シーラ10A、10B、ジッパシーラ11A、11Bの上流側と下流側に、それぞれ落下遮断板9A、9B、舞上がり遮断板12A、12Bを設け、前者で内部通路P閉鎖してから、一定時間Δt後に後者により内部通路Pを閉鎖するため、上下の遮断位置の間に、被包装物が挟まれないようにして、横シールおよびジッパシールを行うことができる。そのため、被包装物が噛み込まれることによる横シールおよびジッパシールの不良の発生を低減することができる。
その際、落下遮断板9A、9B、および舞上がり遮断板12A、12Bが、各対の先端部を搬送方向(Z軸方向)にずらして配置されているため、筒状包装材Waが、各遮断板の先端に押しつぶされることなく内部通路Pが閉鎖される。そのため、先端部同士の間に被包装物を噛み込んで粉砕してしまったり、先端部で包装材Wに傷をつけてしまったりすることを防止できる。
また、進出位置を調整することで閉鎖度合いを変えることができるため、被包装物が流通せず、かつエアなどの気体が十分流通するような閉鎖度合いに調整することが容易となる。
さらに、ジッパシールの後に横シールを行うので、ジッパシール部と横シール部間のエア抜きも確実に行える。
【0059】
なお、上記の説明では、ジッパ付き袋を製袋する場合の例で説明したが、縦形製袋充填包装機100は、ジッパ無し袋の製袋にも容易に対応できる。
図10は、ジッパ無し袋を製袋するため、遮断板の付け替えについて説明する部分正面図である。
すなわち、上記実施形態において、固定ねじ26を外して、遮断板保持ブラケット25A(25B)を外し、シーラ保持部11aにジッパシーラ本体11bに代えて、舞上がり遮断板12A(12B)を取り付ける。これにより、ジッパ無し袋を製袋する場合でも、ジッパシーラ移動部52を舞上がり遮断手段の遮断板移動手段として兼用することができる。
【0060】
また、上記の説明では、エア抜き手段を備える場合の例で説明したが、エア抜き手段を必要としない場合には、エア抜き手段を備えない構成としてもよい。
【0061】
また、上記の説明では、ジッパシーラ、ジッパシーラ移動手段を備える場合の例で説明したが、ジッパ無し袋のみを製袋する場合には、ジッパシーラ、ジッパシーラ移動手段を省略してもよい。
そのような場合や、あるいはジッパシーラを備えていても遮断板を付け替えるような場合であって、かつエア抜き手段を備える場合、エア抜き手段を停止するタイミングは、横シーラが停止する前のタイミングで停止させるようにする。
【0062】
また、上記の説明では、横シーラ、ジッパシーラ間のそれぞれの開放状態の距離がそれぞれ共通の2・L、落下遮断手段、舞上がり遮断手段の各遮断板間のそれぞれの開放状態の距離がそれぞれ共通の2・Lの場合で説明したが、これは一例であって、それぞれの距離は、各シーラと各遮断手段との間の閉鎖タイミングに必要な時間差を設定できれば互いに異なる距離に設定してもよい。また、ジッパ部材の厚みや遮断板の位置、シーラの形状等を考慮して適宜異なる距離に設定することができる。
【0063】
また、上記の説明では、横シーラ移動手段、ジッパシーラ移動手段、および遮断板移動手段に、駆動モータの回動を2方向のクランク機構により対向方向の開閉運動に変換する機構を採用した例で説明した。このような機構によれば、それぞれ1つの駆動モータで、対称な開閉動作を実現できるので、簡素な構成とすることができる。
ただし、横シーラ移動手段、ジッパシーラ移動手段、および遮断板移動手段は、このような移動手段に限定されるものではなく、1対の部材を対向方向に開閉動作させることができるならば、どのような機構を採用してもよい。例えば、リニアモータやアクチュエータなどの直動機構により各対部材を駆動する機構を採用してもよい。
【0064】
また、上記の説明では、横シーラ移動手段、ジッパシーラ移動手段が、それぞれ落下遮断手段、舞上がり遮断手段の遮断板移動手段を兼用する場合の例で説明したが、それぞれの開閉タイミングが制御できれば、各遮断板移動手段の少なくともいずれかが専用の移動機構からなる構成としてもよい。
【0065】
また、上記の説明では、落下遮断手段、舞上がり遮断手段が、遮断板と遮断板移動手段とからなる場合の例で説明したが、内部通路が閉鎖できれば、他の機構により構成してもよい。例えば、遮断板に代えて、円柱を互い違いに組み合わせた構成や、互いに凹凸部が嵌合する凹凸ブロックなどを進退させる構成などにより、ジグザグ状の屈曲を形成する機構を採用してもよい。
【0066】
また、上記の説明では、ジッパシーラ移動手段の進出位置を、第3の進出位置と第4の進出位置とで2段階に切り替えられるものの、第3の進出位置で停止しないで、第4の進出位置に至るようにした例で説明したが、第3の進出位置で一旦停止してもよい。
【0067】
また、上記の説明では、搬送方向上流側から下流側に向けて対向間隔が増大するように対向された1対の押圧板によって、被充填物が充填された包装材を側方から挟んで押圧するようにしたことを特徴とするエア抜き手段を備える例で説明したが、このようなエア抜き手段は、落下遮断手段、舞上がり遮断手段の動作タイミングの時間差の有無や、それら手段自体の有無と関係なく、縦形製袋充填包装機に備えても、優れた効果を奏することができるものである。
特許文献1に記載された従来技術では、筒状包材の厚みを一定にするように側方から押圧してエア抜きを行うので、上流側から下流側にわたって、被充填物とエアが同時に中心に向かって押圧される結果、押圧中心で、上方に向かう流れが一斉に発生するため、被充填物の上方に勢いよく噴出されてしまうという問題があった。
これに対して、上記のエア抜き手段を採用すれば、被充填物が、上流側から下流側に向かって、被充填物を徐々に下方に移動させながら、押圧中心に徐々にエアを集めていくことができる。そのため、従来技術に比べて、被充填物の舞上がりを低減することができる。そのため、舞上がりにより、被充填物の充填量がばらついてしまったり、横シール部分に被充填物が噛み込まれたりする不良を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の概略構成を示す模式的な斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の主要部の概略構成を示す正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の主要部における主要部材の配置について説明する模式的な側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の正面視の部分断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機のエア抜き手段の概略構成を示す平面図である。
【図7】図6のA−A断面図である。
【図8】図6のB−B断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の動作について説明するためのタイミングチャートである。
【図10】ジッパ無し袋を製袋するため、遮断板の付け替えについて説明する部分正面図である。
【符号の説明】
【0069】
3 製袋チューブ
5 ジッパ部材
6 繰り出しベルト
9A、9B 落下遮断板(落下遮断手段の遮断板)
9a、9b ストッパ
10A、10B 横シーラ
11A、11B ジッパシーラ
11a シーラ保持部
11b ジッパシーラ本体
11c 取付穴
12A、12B 舞上がり遮断板(舞上がり遮断手段の遮断板)
13A、13B 補助エア抜き部
14A、14B エア抜き押圧板(エア抜き手段)
39、43、64 駆動モータ
51 横シーラ移動部(横シーラ移動手段)
52 ジッパシーラ移動部(ジッパシーラ移動手段)
54 押圧板移動部
55 制御部(制御手段)
100 縦形製袋充填包装機
P 内部通路
W 包装材
Wa 筒状包装材(筒状の包装材)
Wb 包装袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の包装材を上方から下方に向けて搬送し、その内部に被充填物を落とし込んで充填し、横シールして製袋する縦形製袋充填包装機であって、
前記筒状の包装材の内部通路を閉鎖して、落下する被充填物を遮断する落下遮断手段と、
前記筒状の包装材を互いに対向する側方から押しつぶして搬送方向に交差する方向に沿ってシールする1対の横シーラと、
該1対の横シーラを前記筒状の包装材に対して対向方向に沿って互いに進退させる横シーラ移動手段と、
前記筒状の包装材の内部通路を閉鎖して、下流側から舞い上がる被充填物を遮断する舞上がり遮断手段と、
前記落下遮断手段、前記横シーラ、前記横シーラ移動手段、および前記舞上がり遮断手段の各動作を制御する制御手段とを備え、
前記落下遮断手段、前記横シーラ、および前記舞上がり遮断手段が、この順で、前記搬送方向に沿って上流側から配置され、
前記制御手段により、前記落下遮断手段で前記筒状の包装材の内部通路を閉鎖し、一定時間後に前記舞上がり遮断手段によってさらに前記筒状の包装材の内部通路を閉鎖してから、前記横シーラで横シールを行うようにしたことを特徴とする縦形製袋充填包装機。
【請求項2】
前記落下遮断手段および前記舞上がり遮断手段の少なくともいずれかが、
前記筒状の包装材を前記搬送方向に交差する方向に沿って挟むとともに互いの先端部の位置を前記搬送方向にずらして配置された1対の遮断板と、
該1対の遮断板を互いに対向方向に進退させる遮断板移動手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項3】
前記落下遮断手段が、前記1対の遮断板を備え、
該1対の遮断板を前記1対の横シーラにそれぞれ設けることにより、前記横シーラ移動手段が、前記落下遮断手段の前記遮断板移動手段を兼ねるとともに、
前記横シーラ移動手段が、
前記横シーラの進出時の位置を、
前記落下遮断手段の前記1対の遮断板で前記包装材の内部通路を閉鎖する状態とする第1の進出位置と、
前記横シーラで前記筒状の包装材を押しつぶして横シール可能な状態とする第2の進出位置との少なくとも2段階に切り換えることができるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項4】
前記舞上がり遮断手段が、前記1対の遮断板を備え、
前記横シーラと前記舞上がり遮断手段との間に、前記包装材に配置されたジッパ部材を前記包装材に貼り付ける1対のジッパシーラと、該1対のジッパシーラを前記筒状の包装材に対して対向方向に沿って互いに進退させるジッパシーラ移動手段とが設けられ、
前記舞上がり遮断手段の1対の遮断板を前記ジッパシーラ移動手段に設けることで、前記舞上がり遮断手段の前記遮断板移動手段を兼ねるとともに、
前記1対の遮断板の前記ジッパシーラ移動手段に対する装着位置を、前記1対のジッパシーラの位置と、前記1対のジッパシーラの前記搬送方向下流側の位置とのいずれかに選択的に切り替えられるようにし、
かつ、前記ジッパシーラ移動手段が、前記ジッパシーラの進出時の位置を、
前記舞上がり遮断手段の前記1対の遮断板で前記包装材の内部通路を閉鎖する状態とする第3の進出位置と、
前記ジッパシーラで前記筒状の包装材を押しつぶして前記ジッパ部材を貼り付け可能な状態とする第4の進出位置との少なくとも2段階に切り替えることができることを特徴とする請求項2または3に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項5】
前記舞上がり遮断手段の前記搬送方向下流側に、
前記搬送方向上流側から下流側に向けて対向間隔が増大するように対向され、前記被充填物が充填された包装材を側方から挟んで押圧可能に設けられた1対の押圧板を設けた、前記包装材内の充填部分のエア抜き手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項6】
前記1対の押圧板が、
前記舞上がり遮断手段によって前記内部通路を閉鎖された後に、前記被充填物が充填された包装材を押圧開始するように移動され、押圧中は減速して、前記ジッパシーラが前記第4の進出位置に至る前に停止するように制御されることを特徴とする請求項5に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項7】
前記舞上がり遮断手段の前記搬送方向下流側に、
前記搬送方向上流側から下流側に向けて対向間隔が増大するように対向され、前記被充填物が充填された包装材を側方から挟んで押圧可能に設けられた1対の押圧板を設けた、前記包装材内の充填部分のエア抜き手段を備え、
前記1対の押圧板が、
前記舞上がり遮断手段によって前記内部通路を閉鎖された後に、前記被充填物が充填された包装材を押圧開始するように移動され、押圧中は減速して、前記横シーラが前記内部通路を閉鎖する前に停止するように制御されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の縦形製袋充填包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−320604(P2007−320604A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−151652(P2006−151652)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】