説明

縮合アゾールピリミジン誘導体

本発明は新規な縮合アゾールピリミジン誘導体、それらの製造方法およびそれらを含有させた薬剤調合物に関する。本発明の縮合アゾールピリミジン誘導体はホスホチジルイノシトール−3−キナ−ゼ(PI3K)の阻害、特にPI3K−γの阻害に関して向上した効力を示しかつPI3K、特にPI3K−γ活性に関連した病気の予防および治療で使用可能である。より具体的には、本発明のアゾール誘導体は下記の如き病気の治療および予防で用いるに有用である:炎症性および免疫調節性疾患、例えば喘息、アトピー性皮膚炎、鼻炎、アレルギー性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血症性ショック、関節疾患、自己免疫病、例えば関節リューマチおよびグレーブス病など、癌、心筋収縮能障害、心不全、血栓塞栓症、虚血およびアテローム性動脈硬化症。本発明の化合物は、また、肺高血圧症、腎不全、心臓肥大ばかりでなく神経変性障害、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病など、糖尿病および局所性虚血にも有効である、と言うのは、そのような病気もまたヒトまたは動物被験体におけるPI3K活性に関係しているからである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な縮合アゾールピリミジン誘導体、それらの製造方法およびそれらを含有させた薬剤調合物に関する。本発明の縮合アゾールピリミジン誘導体はホスホチジルイノシトール−3−キナ−ゼ(PI3K)の阻害、特にPI3K−γの阻害に関して向上した効力を示しかつPI3K、特にPI3K−γ活性に関連した病気の予防および治療で使用可能である。
【0002】
より具体的には、本発明の縮合アゾールピリミジン誘導体は下記の如き病気の治療および予防で用いるに有用である:炎症性および免疫調節性疾患、例えば喘息、アトピー性皮膚炎、鼻炎、アレルギー性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血症性ショック、関節疾患、自己免疫病、例えば関節リューマチおよびグレーブス病(Graves’ disease)など、癌、心筋収縮能障害(myocardial contractility disorders)、心不全、血栓塞栓症、虚血およびアテローム性動脈硬化症。
【0003】
本発明の化合物は、また、肺高血圧症、腎不全、心臓肥大ばかりでなく神経変性障害、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病など、糖尿病および局所性虚血にも有効である、と言うのは、そのような病気もまたヒトまたは動物被験体におけるPI3K活性に関係しているからである。
【背景技術】
【0004】
炎症性疾患における白血球の運動性を制御しようとする時に化学誘因物質受容体に由来するシグナル変換経路が重要な標的であると考えられている。白血球の輸送は、ヘテロ三量体G蛋白質結合受容体(heterotrimeric G−protein coupled receptors)(GPCR)を活性にすることで複雑で多様な下流の細胞内イベントの引き金になる化学誘因因子によって制御される。そのような経路の1つで起こるシグナル変換(結果として細胞内の遊離Ca2+が可動化する)、細胞骨格の再組織化および方向性は、ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)活性によって産出される脂質誘導性セカンドメッセンジャー(lipid−derived second messengers)に依存する[非特許文献1、2]。
【0005】
PI3Kは、膜燐脂質ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート[PtdIns(4,5)P]のD3−ヒドロキシル位を燐酸化することでホスファチジルイノシトール−3,4,5−トリホスフェート[PtdIns(4,5)P]を生じさせる。PI3Kファミリーには、基質特異性および蛋白質構造を基にして、3クラスが含まれる[非特許文献4−6]。白血球の移動で特に興味の持たれるものはクラスIのPI3K(これらは全部が受容体誘発炎症性細胞反応に関与する)であり、これらは更にサブクラスIA(p110α、β、δ)およびIB(p110γ)に分割される。
【0006】
クラスIAの酵素(p110α、β、δ)はp85アダプターサブユニット(adapter subunit)[これはSH2ドメインを2個含有する]と結合してヘテロ二量体複合体を形成する。この複合体はホスホチロシンYxxMモチーフを認識する能力を有し、その結果として受容体チロシンキナーゼと結合し、その後、この酵素は受容体チロシンキナーゼによって活性化される(非特許文献1、2)。クラスIAのサブタイプは細胞の増殖および発癌と関連していると考えられている。IAのサブタイプは活性化したras腫瘍遺伝子(これはいろいろな癌に存在する)と結合してそれらの酵素活性を発現させる。また、p110αおよびβの両方がヒト癌の増殖でも重要な役割を果たしていることが確認された(非特許文献3)。
【0007】
クラスIB(p110γ)の酵素(これの発現は主として白血球に限定される)はG蛋白質とβγの複合体によって活性化され、7回膜貫通型化学誘因物質受容体の下流で機能する(非特許文献7−9)。p110γ(PI3Kγ)のG蛋白質βγ反応性にはp101アダプター蛋白質(これは他の公知蛋白質のいずれとも類似性を持たない)が必須である(非特許文献10−12)。
【0008】
機能的PI3Kγが欠如しているマウス(PI3Kγ−/−マウス)[これは生存力および繁殖力を有しかつ通常のマウス施設の中で正常な寿命を示した]を用いた最近の研究で、好中球にGPCR作動薬、例えばfMLP、C5aまたはIL−8などによる刺激を受けさせるとそれはPtdIns(3、4、5)Pを産生しなくなり得ることが分かった。このことからPI3Kγがそのような細胞の中のGPCRと結合するただ1つのPI3Kであることが分かる(非特許文献13−16)。その上、また、そのような好中球には蛋白質キナーゼB(PKB)のPtdIns(3、4、5)P依存活性化も存在しないが、それでも、PKBはGM−CSFまたはIgG/C3b被覆ザイモサンによってp110α、βまたはδのいずれかで活性化され得る。それと同時に、G蛋白質介在反応、例えばPLCβの活性化などは無傷のままである。PI3Kγ−/−マウスでは胸腺細胞発育が悪化しておりかつ好中球、単球および好酸球の数が増えることが分かった(非特許文献14)。その上、PI3Kγ−/−マウスから単離された好中球およびマクロファージはGPCR作動薬および化学走化薬(chemotactic agents)に反応して移動および呼吸バースト(respiratory burst)の点でひどい欠陥を示した(非特許文献14、16)。PI3Kγの発現は、また、緑色蛍光を発光する蛋白質(GFP)を内因性PI3Kγプロモーターの制御下で発現する遺伝子組み換えマウスを用いることでも検査された。GFPが脾臓および骨髄細胞および好中球の中で検出され、このことは、PI3Kγの発現は造血性細胞に限定されることを示唆している(非特許文献15)。総合的に、クラスIBのホスホイノシチド3−キナーゼPI3Kγは白血球輸送の制御に極めて重要であると思われ、従って、PI3Kγのアイソタイプに選択的な阻害剤の開発は魅力的な抗炎症手段になるはずである。
【0009】
肥大反応(hypertrophic responses)はPI3Kシグナル経路によって始まる可能性がある。PTEN−PI3Kγ経路が心筋収縮の調節で果たす機能を同定する新しい研究が最近公開された。PI3Kαは心臓肥大中に見られる細胞の大きさの変化に介在して心不全に至らせる一方、PI3Kγは心筋収縮能の負の調節剤として働く。
【0010】
PTENは、細胞増殖シグナル伝達においてホスホイノシチドホスファターゼとして関係していると最近見なされるようになった二重特異性(dual−specificity)蛋白質ホスファターゼである。腫瘍抑制因子であるPTENはホスファチジルイノシトール3,4,5−トリホスフェート(PIP3)[これは特にPI3Kの作用によって生じる重要なセカンドメッセンジャーである]に脱燐酸化を受けさせることが分かっている。PTENは細胞内のPIP3濃度を低くしかつPI3K介在細胞シグナル伝達に拮抗作用を及ぼす。また、組織培養物に入れたラット心筋細胞の中でドミナントネガティブPTENが発現すると結果として肥大化がもたらされることも報告された。
【0011】
PI3Kγは基礎cAMP濃度を調節しかつ細胞における収縮能を制御する。このような研究は、また、基礎cAMP濃度の変動が変異マウスが起こす収縮能の増大の一因になっていることも示している(非特許文献17)。
【0012】
従って、そのような研究の結果は、PI3Kγが心筋収縮能に関与しており、従って、その阻害剤はうっ血性心不全、虚血、肺高血圧症、腎不全、心臓肥大、アテローム性動脈硬化症、血栓塞栓症および糖尿病の効力のある治療薬になるであろうことを示している。
【0013】
PI3Kの阻害剤はGPCRからのシグナル変換を遮断しかついろいろな免疫細胞の活性化を妨害すると期待され、これは、炎症性および免疫調節性疾患(非特許文献2)の治療で効力を有することに加えて幅広い抗炎症プロファイル(anti−inflammatory profile)も示すはずであり、そのような疾患には喘息、アトピー性皮膚炎、鼻炎、アレルギー性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血症性ショック、関節疾患、自己免疫病、例えば関節リューマチおよびグレーブス病など、糖尿病、癌、心筋収縮能障害、血栓塞栓症(非特許文献18)およびアテローム性動脈硬化症が含まれる。
【0014】
下記のいくつかのPI3−キナーゼ阻害剤が同定された:ウオルトマニン(wortmannin)(非特許文献19)[これは最初にペニシリウム・ウオルトマニイ(Penicillium wortmannii)から真菌毒素として単離された]、デメトキシビリジン(demethoxyviridin)[密に関係付けられてはいるが、あまり充分には特徴づけられていない]、およびLY294002[幅広いスペクトルのキナーゼ阻害剤であるケルセチンのモルホリノ誘導体](非特許文献20)。
【0015】
一般式:
【0016】
【化1】

[式中、RおよびRは、独立して、水素、低級アルキル、低級アルケニルであり、R’およびR”は、独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシである]
または
【0017】
【化2】

で表される5−置換2,3,ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリンが血圧降下剤および冠動脈拡張薬として特許文献1に開示されている。
【0018】
しかしながら、これらの文献のいずれにも縮合アゾールピリミジン、例えばこれらに限定するものでないが、アゾール−キナゾリン、アゾール−ピリドピリミジン、アゾール−ピリミドピリミジン、アゾール−ピリミドピリダジン、アゾール−ピリミドトリアジン、アゾール−プテリジン、アゾール−ピリミドテトラジン、および縮合アゾールピリミジンの5位もしくは6位にアシル化アミンもしくは−CR−C(O)−(ここで、Rは水素またはC1−6アルキルでありそしてRはハロゲン、水素またはC1−6アルキルである)リンカーを有しかつまたPI3K阻害活性も示す他の誘導体などは全く開示されていない。
【0019】
それでも、PI3K活性に関連した炎症、癌および/または心筋収縮能障害の治療および予防で用いるに有用な化合物を開発することが望まれていた。
【特許文献1】米国特許第3644354号
【非特許文献1】Wymann MP、Sozzani S、Altruda F、Mantovani A、Hirsch E:Lipids on the move:phosphoinositide 3−kinases in leukocyte function、Immunol.Today 2000;6:260−264
【非特許文献2】Stein RC、Waterfield MD:PI3−kinase inhibition:a target for drug development?、Mol.Med.Today.2000;6:347−357
【非特許文献3】Sean A.Weaver、Stephen G.Ward:Phosphoinositide 3−kinases in the gut:a link between inflammation and cancer?、Trends in Molecular Medicine 2001:7:455−462
【非特許文献4】Vanhaesebroeck B、Leevers SJ、Panayotou G.、Waterfield MD:Phosphoinositide 3−kinases:a conserved family of signal transducers、Trends Biochem.Sci.1997;22:267−272
【非特許文献5】Fruman DA、Meyers RE、Cantley LC:Phosphoinositide kinases、Annu.Rev.Biochem.1998;67:481−507
【非特許文献6】Wymann MP、Pirola L:Structure and function of phosphoinositide 3−kinases、Biochim.Biophys.Acta 1998;1436:127−150
【非特許文献7】Sotsios Y、Ward SG:Phosphoinositide 3−kinases:a key biochemical signal for cell migration in response to chemokines、Immunol.Rev.2000;177:217−235
【非特許文献8】Toker A、Cantley LC:Signalling through the lipid products of phosphoinositide−3−OH kinase、Nature 1977;387:673−676
【非特許文献9】Stephens LR、Jackson TR、Hawkins PT:Agonist−stimulated synthesis of phosphatidylinositol(3,4,5)−trisphosphate:a new intracellular signalling system?、Biochim.Biophys.Acta.1993;1179:27−75
【非特許文献10】Stephens LR、Eguinoa A、Erdjumentbromage H、Lui M、Cooke F、Coadwell J、Smrcka AS、Thelen M、Cadwallader K、Tempst P、Hawkins PT:The G beta gamma sensitivity of a PI3K is dependent upon a tightly associated adaptor、101頁、Cell 1997;89:105−114
【非特許文献11】Stoyanov B、Volinia S、Hanck T、Rubio I、Loubtchenkov M、Malek D、Stoyanova S、Van−Haesebroeck B、Dhand R、Nurnberg B、Gierschi P、Seedorf K、Hsuan JJ、Waterfield MD、Wetzker R:Cloning and characterization of a G protein−activated human phosphoinositide−3 kinase、Science 1995;269:690−693
【非特許文献12】Krugmann S、Hawkins PT、Pryer N、Braselmann S:Characterizing the interactions between the two subunits of the p1001/p110gamma phosphoinositide 3−kinase and their role in the activation of this enzyme by G beta gamma subunits、J.Biol.Chem.1999;274:17152−17158
【非特許文献13】Sasaki T、Suzuki A、Sasaki J、Penninger JM:Phosphoinositide 3−kinases in immunity:lessons from knockout mice、J.Biochem.2002;131:495−501
【非特許文献14】Sasaki T、Irie−Sasaki J、Jones RG、Oliveria−dos−Santos AJ、Stanford WL、Bolon B、Wakeham A、Itie A、Bouchard D、Kozieradzki I、Joza N、Mak TW、Ohashi PS、Suzuki A、Penninger JM:Function of PI3Kγ in thymocyte development,T cell activation,and neutrophil migration、Science 2000;287:1040−1046
【非特許文献15】Li Z、Jiang H、Xie W、Zhang Z、Smrcka AV、Wu D:Roles of PLC−beta2 and −beta3 and PI3Kγ in chemoattractant−mediated signal transduction、Science 2000;287:1046−1049
【非特許文献16】Hirsch E,Katanaev VL、Garlanda C、Azzolino O、Pirola L、Silengo L、Sozzani S、Mantovani A、Altruda F、Wymann MP:Central role for G protein−coupled phosphoinositide 3−kinase γ in inflammation、Science 2000;287:1049−1053
【非特許文献17】Michael A.Crackower、Gravan Y.Oudit、Ivona Kozieradzki、Renu Sarao他:Regulation of myocardial contractility and cell size by distinct PI3K−PTEN signaling pathways、Cell.2002;110:737−749
【非特許文献18】Emilio Hirsch、Ornella Bosco他:Resistance to thromboembolism in PI3Kγ−deficient mice、The FASEB Journal、2001;15:2019−2021
【非特許文献19】Ui M、Okada T、Hazeki K、Hazeki O:Wortmannin as a unique probe for an intracellular signalling protein,phosphoinositide 3−kinase、Trends Biochem.Sci.1995;20:303−307
【非特許文献20】Vlahos CJ、Matter WF、Hui KY、Brown RF:A specific inhibitor of phosphatidylinositol 3−kinase,2−(4−morpholino)−8−phenyl−H−1−benzopyran−4−one(LY294002)、J.Biol.Chem.1994;269:5241−5248
【発明の開示】
【0020】
(発明の要約)
本発明者らは、縮合アゾールピリミジン誘導体の化学的修飾に関して広範な研究を行った結果として、本発明に関係した新規な化学構造を有する化合物がPI3K阻害活性、特にPI3K−γ阻害活性を示すことを見いだした。この見いだしたことを基にして本発明を完成させた。
【0021】
本発明は、式(I)
【0022】
【化3】

{式中、
Xは、CRまたはNHを表し、
は、CRまたはNを表し、
【化4】

間の化学結合は、単結合または二重結合を表すが、但し
【化5】

が二重結合を表す時にはYおよびYが独立してCRまたはNを表しそして
【化6】

が単結合表す時にはYおよびYが独立してCRまたはNRを表すことを条件とし、
、Z、ZおよびZは、独立して、CH、CRまたはNを表し、
は、場合によりR11から選択される1から3個の置換基を持っていてもよいアリール、場合によりR11から選択される1から3個の置換基を持っていてもよいC3−8シクロアルキル、場合によりアリール、ヘテロアリール、C1−6アルコキシアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシまたは1個以上のハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル、場合によりカルボキシ、アリール、ヘテロアリール、C1−6アルコキシアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシまたは1個以上のハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルコキシ、または場合によりR11から選択される1から3個の置換基を持っていてもよくかつN、OおよびSから成る群から選択されるハロゲン原子を1から3個含有する3から15員の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式環を表し、
ここで、
11は、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(ホルミル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アルカンスルホニル)アミノ、N−(カルボキシC1−6アルキル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノ、N−[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノメチレン]アミノ、N−[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ(C1−6アルキル)メチレン]アミノ、N−[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノC2−6アルケニル]アミノ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニル、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルカンスルホニル、スルファモイル、C1−6アルコキシカルボニル、N−アリールアミノ[ここで、前記アリール部分は場合によりR101、N−(アリールC1−6アルキル)アミノ(ここで、前記アリール部分は場合によりR101、アリールC1−6アルコキシカルボニル(ここで、前記アリール部分は場合によりR101から選択される置換基を1から3個持っていてもよい)から選択される置換基を1から3個持っていてもよい)から選択される置換基を1から3個持っていてもよい]、場合によりモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノで置換されていてもよいC1−6アルキル、場合によりモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、N−(C1−6アルキル)スルホンアミドまたはN−(アリール)スルホンアミドで置換されていてもよいC1−6アルコキシ、またはO、SおよびNから成る群から選択されるヘテロ原子を1から3個有しかつ場合によりR101から選択される置換基を1から3個持っていてもよい5から7員の飽和もしくは不飽和環を表し、
ここで、
101は、ハロゲン、カルボキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニル、NN−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、ピリジル、場合によりシアノまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル、および場合によりシアノ、カルボキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニル、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、
は、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アシルオキシ、アミノC1−6アシルオキシ、C2−6アルケニル、アリール、O、SおよびNから成る群から選択されるヘテロ原子を1から3個有しかつ場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、オキソ、アミノ、アミノC1−6アルキル、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルキル)カルボニルアミノ、フェニル、フェニルC1−6アルキル、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノで置換されていてもよい5−7員の飽和もしくは不飽和複素環式環、−C(O)−R20[ここで、R20は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、またはO、SおよびNから成る群から選択されるヘテロ原子を1から3個有しかつ場合によりC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、オキソ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、フェニルまたはベンジルで置換されていてもよい5−7員の飽和もしくは不飽和複素環式環を表す]、場合によりR21で置換されていてもよいC1−6アルキル、または場合によりR21で置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、
ここで、
21は、シアノ、モノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N−(ハロフェニルC1−6アルキル)アミノ、アミノC2−6アルケニル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(O)−R201、−NHC(O)−R201、C3−8シクロアルキル、イソインドリノ、フタリミジル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジニル、アリール、またはO、SおよびNから成る群から選択されるヘテロ原子を1から4個有しかつ場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、オキソ、アミノ、アミノC1−6アルキル、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノまたはベンジルで置換されていてもよい5もしくは6員の飽和もしくは不飽和複素環式環を表し、
ここで、
201は、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ハロフェニルC1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、アミノC2−6アルケニル、C1−6アルコキシ、O、SおよびNから成る群から選択されるヘテロ原子を1から4個有しかつ場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、オキソ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノまたはベンジルで置換されていてもよい5もしくは6員の飽和もしくは不飽和複素環式環を表し、
は、水素、ハロゲン、アミノカルボニル、または場合によりアリールC1−6アルコキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキルを表し、
は、水素またはC1−6アルキルを表し、
は、水素またはC1−6アルキルを表し、そして
は、ハロゲン、水素またはC1−6アルキルを表す}
で表される新規な縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体および立体異性体形態またはこれらの塩を提供するものである。
【0023】
本発明の化合物はPI3K阻害活性およびPI3K−γ阻害活性を示す。従って、それらはPI3Kおよび/またはPI3K−γ関連疾患、例えば炎症性および免疫調節性疾患、例えば喘息、アトピー性皮膚炎、鼻炎、アレルギー性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血症性ショック、関節疾患、自己免疫病、例えば関節リューマチおよびグレーブス病など、心筋収縮能障害、心不全、血栓塞栓症、虚血、心臓肥大、アテローム性動脈硬化症および癌、例えば皮膚癌、膀胱癌、乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、結腸癌、膵臓癌、腎臓癌、胃癌、脳腫瘍、白血病などの治療および予防で用いるに有用であり得る薬剤または医学用組成物の製造で用いるに適切である。
【0024】
本発明の化合物は、また、肺高血圧症、腎不全、ハンチントン舞踏病および心臓肥大などばかりでなく神経変性障害、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病など、糖尿病および局所性虚血の治療で用いるにも有効である、と言うのは、そのような病気もまたヒトまたは動物被験体におけるPI3K活性に関係しているからである。
【0025】
本発明は、また、ヒトまたは動物被験体におけるPI3K活性、特にPI3K−γ活性に関連した疾患または病気を治療または予防する方法も提供し、この方法は、前記被験体に式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または生理学的に受け入れられる塩を治療有効量で投与することを含んで成る。
【0026】
本発明は、更に、薬剤を製造する時に式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または生理学的に受け入れられる塩を用いることも提供する。
【0027】
本発明は、1つの態様において、
XがCRまたはNHを表し、
がCRまたはNを表し、
【化7】

間の化学結合が単結合または二重結合を表すが、但し
【化8】

が二重結合を表す時にはYおよびYが独立してCRまたはNを表しそして
【化9】

が単結合表す時にはYおよびYが独立してCRまたはNRを表すことを条件とし、
、Z、ZおよびZが独立してCH、CRまたはNを表し、
が場合によりモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、フェニル、メトキシフェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されていてもよいC1−6アルキル、場合によりモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、フェニル、メトキシフェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されていてもよいC1−6アルコキシ、またはシクロプロピル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、ピラゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、イソイミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,5−トリアゾール、1,3,4−トリアゾール、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1−ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、インダゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、キノリニルおよび1,8−ナフチリジニルから成る群から選択される炭素環状および複素環式環の中の1つを表し、
ここで、
前記炭素環状および複素環式環が場合によりヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノ、N−(ホルミル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、N[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノメチレン]アミノ、N[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ(C1−6アルキレン)メチレン]アミノ、N−[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノC2−6アルケニル]アミノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルカンスルホニル、スルファモイル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、フェニルC1−6アルコキシカルボニル、場合によりピリジルで置換されていてもよいチアゾリル、場合によりC1−6アルキルまたはC1−6アルコキシで置換されていてもよいピペラジニル、および場合によりモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキルから成る群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、
がヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、C2−6アルケニル、C1−6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−6アシルオキシ、アミノC1−6アシルオキシ、フリル、モルホリノ、フェニル、ピペリジノ、アリール、場合によりC1−6アシルアミノで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、カルボキシ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルで置換されていてもよいピペリジノ、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニル、場合によりシアノ、モノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、C3−6シクロアルキル、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、フタリミジル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジニル、フェニル、−C(O)−R201、場合によりC1−6アシルアミノで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、カルボキシ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルで置換されていてもよいピペリジノまたは場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニルで置換されていてもよいC1−6アルキルを表し、
ここで、
201がヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ハロベンジル)アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、場合によりC1−6アシルアミノで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、カルボキシ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルで置換されていてもよいピペリジノ、または場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニル、場合によりシアノ、モノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルコキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、ピロリル、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、フタリミジル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジニル、フェニル、−C(O)−R201で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、場合によりC1−6アシルアミノで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、カルボキシ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルで置換されていてもよいピペリジノ、または場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニルを表し、
ここで、
201がヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ハロベンジル)アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノC2−6アルケニル、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、場合によりC1−6アシルアミノで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、カルボキシ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルで置換されていてもよいピペリジノ、または場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニルを表し、
が水素、ハロゲン、場合によりアミノカルボニル、アリールC1−6アルコキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキルを表し、
が水素またはC1−6アルキルを表し、
が水素またはC1−6アルキルを表し、そして
が水素、ハロゲンまたはC1−6アルキルを表す、
前記式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩を提供する。
【0028】
本発明は、別の態様において、
XがCRまたはNHを表し、
がNを表し、
およびYがCRを表し、
【化10】

間の化学結合が単結合を表し、
がCHを表し、
、ZおよびZが独立してN、CHまたはCRを表し、
がシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−フリル、3−フリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピペラジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3−ベンゾチアゾリル、キノリル、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよい1H−ピロール−2−イル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよい1H−ピロール−3−イル、場合により1または2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいピラゾリル、場合により1または2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいイソキサゾリル、場合によりクロロ、ニトロ、シアノまたはC1−6アルキルで置換されていてもよい2−チエニル、場合によりクロロ、ニトロ、シアノまたはC1−6アルキルで置換されていてもよい3−チエニル、場合によりC1−6アルコキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルで置換されていてもよいピペリジニル、場合によりフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ホルミル)−N−C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルカンスルホニル、スルファモイル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよび場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニルから成る群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいフェニル、場合によりクロロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルカン)スルホニルアミノ、N[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノメチレン]アミノおよび場合によりトリハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキルから成る群から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいピリジル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピラジニル、場合によりC1−6アルキル、ピリジルおよびN−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノから成る群から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい1,3−チアゾリル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいインドリル、場合によりC1−6アルキルまたはトリ−ハロC1−6アルキルで置換されていてもよいベンズイミダゾリル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよい1,2,3−ベンゾトリアゾリル、場合によりC1−6アルキル(場合によりトリハロゲンで置換されていてもよい)で置換されていてもよい1,8−ナフチリジニル、場合によりトリ−ハロゲン、フェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されていてもよいC1−6アルキル、または場合によりフェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、
がフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、ビニル、シアノ、アミノ、アミノアセトキシ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、2−フリル、ピペリジノ、モルホリノ、フェニル、場合によりアセトアミドで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいピペリジノ、場合によりメチル、ベンジル、C1−6アルコキシカルボニルまたはアミノカルボニルで置換されていてもよいピペラジニル、場合によりシアノ、トリ−フルオロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、アミノカルボニル、t−ブトキシカルボニル、テトラヒドロピラニルまたはモルホリノで置換されていてもよいC1−6アルキル、場合によりヒドロキシ、シアノ、メトキシ、メトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、カルボキシ、アミノアセチル、ジメチルアミノ、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、フルオロベンジルアミノカルボニル、シクロプロピル、ピロリジニル、ピペリジノ、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、モルホリノカルボニル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−4−イル、フタリミジ−N−イルまたはヒドロキシC1−6アルキレンオキシで置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、Rが水素を表し、
が水素を表し、
が水素を表し、そして
が水素を表す、
前記式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩を提供する。
【0029】
本発明は、別の態様において、
XがCRまたはNHを表し、
がNを表し、
およびYがCRを表し、
【化11】

間の化学結合が単結合を表し、
およびZがCHを表し、
およびZが独立してCHまたはCRを表し、
が3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、ベンズイミダゾリル、場合によりヒドロキシ、アミノ、アセトアミド、メトキシベンジルオキシまたはメチルスルホニルアミノで置換されていてもよいピリジル、または場合により1または2個のメチルで置換されていてもよい1,3−チアゾリルを表し、
がフルオロ、クロロ、ブロモ、モルホリノ、ピペラジニル、メチルピペラジニル、メチル、トリ−フルオロメチル、または場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ジメチルアミノカルボニル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、モルホリノカルボニル、テトラゾリルまたはフタリミジ−N−イルで置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、
が水素を表し、
が水素を表し、
が水素を表し、そして
が水素を表す、
前記式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩を提供する。
【0030】
本発明は、別の態様において、
XがCRまたはNHを表し、
がNを表し、
およびYがCRを表し、
【化12】

間の化学結合が単結合を表し、
およびZがCHを表し、
およびZが独立してCHまたはCRを表す、
前記式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩を提供する。
【0031】
本発明は、別の態様において、
XがCRまたはNHを表し、
がNを表し、
およびYがCRを表し、
【化13】

間の化学結合が単結合を表し、
およびZがCHを表し、
およびZが独立してCHまたはCRを表す、
前記式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩を提供する。
【0032】
本発明は、別の態様において、
XがCRまたはNHを表し、
がNを表し、
およびYがCRを表し、
【化14】

間の化学結合が単結合を表し、
、ZおよびZがCHを表し、
がCRを表す、
前記式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩を提供する。
【0033】
本発明の好適な化合物は下記である:
N−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
2−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−ピリジン−3−イルエチルエノール;
N−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
6−(アセトアミド)−N−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
N−{5−[2−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−ヒドロキシビニル]ピリジン−2−イル}アセトアミド;
2−({5−[2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル]−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル}オキシ)−N,N−ジメチルアセトアミド;
2−[7−メトキシ−8−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメトキシ)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1−ピリジン−3−イルエチルエノール;
2−[8−(2−ヒドロキシエトキシ)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1−ピリジン−3−イルエチルエノール;
({5−[2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル]−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル}オキシ)酢酸;
4−({5−[2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル]−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル}オキシ)酪酸;
({5−[2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル]−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル}オキシ)アセトニトリル;
2−[7−メトキシ−8−(2H−テトラゾール−5−イルメトキシ)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1−ピリジン−3−イルエチルエノール;
2−[7−メトキシ−8−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソブトキシ)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1−ピリジン−3−イルエチルエノール;
5−[1−ヒドロキシ−2−(8−モルホリン−4−イル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ビニル]ピリジン−3−オール;
N−(2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−5−ヒドロキシニコチンアミド;
6−(アセトアミド)−N−(7,9−ジメトキシ−8−メチル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
N−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−5−ヒドロキシニコチンアミド;
5−ヒドロキシ−N−(7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
N−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−5−[(4−メトキシベンジル)オキシ]ニコチンアミド;
N−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−5−ヒドロキシニコチンアミド;
5−ヒドロキシ−N−[8−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]ニコチンアミド;
N−{8−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロポキシ]−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル}ニコチンアミド;
N−(7−ブロモ−8−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
6−アミノ−N−(8−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
1−(1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)エチルエノール;2−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)エチルエノール;
N−(9−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−(8−ブロモ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
N−(8−ブロモ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−(8−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−(8−メチル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−[8−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−(7−フルオロ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−(7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
N−(8−クロロ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
6−(アセトアミド)−N−(8−モルホリン−4−イル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
1−(1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−(8−モルホリン−4−イル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)エチルエノール;
N−{5−[1−ヒドロキシ−2−(8−モルホリン−4−イル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ビニル]ピリジン−2−イル}アセトアミド;
6−メチル−N−(8−モルホリン−4−イル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
1−(1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−[8−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]エチルエノール;
N−(2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキサミド;
N−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキサミド;
N−[7−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−(7,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−{5−[2−(7,9−ジメトキシ−8−メチル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−ヒドロキシビニル]ピリジン−2−イル}アセトアミド;
N−{5−[2−(7−ブロモ−9−メチル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−ヒドロキシビニル]ピリジン−2−イル}アセトアミド;および
2−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−ピリジン−3−イルエチルエノール;
およびこれらの互変異性体もしくは立体異性体形態、これらの薬学的に受け入れられる塩。
【0034】
本発明は、更に、この上に記述した化合物の中の1種を含有しかつ場合により薬学的に受け入れられる賦形剤を含有していてもよい薬剤も提供する。
【0035】
アルキル自身およびアルカン、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノおよびアルカノイルアミノの中の「アルカ」および「アルコ」および「アルキル」は、炭素原子数が一般に1から6、好適には1から4、特に好適には1から3の直鎖もしくは分枝アルキル基を表し、具体的および好適には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、s−ブチル、ペンチル、n−ヘキシルなどを表す。
【0036】
アルキレンは、炭素原子と水素原子のみで構成されている炭素数が一般に1から6、好適には炭素原子数が1から4、特に好適には1から3の二価の直鎖もしくは分枝飽和炭化水素基を表し、具体的および好適には、メチレン、エチレン、2−メチル−プロピレン、ブチレン、2−エチルブチレンなどを表す。
【0037】
アルコキシは、具体的および好適には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシなどを表す。
【0038】
アルキルアミノは、アルキル置換基を1または2個(独立して選択)有するアルキルアミノ基を表し、具体的および好適には、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−t−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノ、N−n−ヘキシル−N−メチルアミノなどを表す。
【0039】
アルキルアミノカルボニルは、アルキル置換基を1または2個(独立して選択)有する基を表し、具体的および好適には、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、t−ブチルアミノカルボニル、n−ペンチルアミノカルボニル、n−ヘキシルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−t−ブチル−N−メチルアミノカルボニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノカルボニル、N−n−ヘキシル−N−メチルアミノカルボニルなどを表す。
【0040】
アルキルアミノスルホニルは、アルキル置換基を1または2個(独立して選択)有するアルキルアミノスルホニル基を表し、具体的および好適には、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、n−プロピルアミノスルホニル、イソプロピルアミノスルホニル、t−ブチルアミノスルホニル、n−ペンチルアミノスルホニル、n−ヘキシルアミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、N,N−ジエチルアミノスルホニル、N−エチル−N−メチルアミノスルホニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノスルホニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノスルホニル、N−t−ブチル−N−メチルアミノスルホニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノスルホニル、N−n−ヘキシル−N−メチルアミノスルホニルなどを表す。
【0041】
アルキルスルホニルは、具体的および好適には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、t−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル、n−ヘキシルスルホニルなどを表す。
【0042】
アルコキシカルボニルは、具体的および好適には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニル、n−ヘキソキシカルボニルなどを表す。
【0043】
アルコキシカルボニルアミノは、具体的および好適には、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノ、イソプロポキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−ペントキシカルボニルアミノ、n−ヘキソキシカルボニルアミノなどを表す。
【0044】
アルカノイルアミノは、具体的および好適には、アセトアミド、エチルカルボニルアミノなどを表す。
【0045】
シクロアルキル自身およびシクロアルキルアミノおよびシクロアルキルカルボニルの中のシクロアルキルは、炭素原子数が一般に3から8、好適には5からの7のシクロアルキル基を表し、具体的および好適には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどを表す。
【0046】
アリール自身およびアリールアミノ、アリールカルボニル、アルコキシアリールの中の「アリール」は、炭素原子数が一般に6から14の一環状から三環状の芳香炭素環状基を表し、具体的および好適には、フェニル、ナフチル、フェナントレニルなどを表す。
【0047】
アリールアミノは、アリール置換基を1または2個(独立して選択)有するアリールアミノ基を表し、具体的および好適には、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ナフチルアミノなどを表す。
【0048】
ヘテロアリール自身およびヘテロアリールアミノおよびヘテロアリールカルボニルの中の「ヘテロアリール」は、S、OおよびNから成る群から選択されるヘテロ原子を5個以下、好適には4個以下の数で有する環原子数が一般に5から15、好適には5または6の一環状または二環状芳香基を表し、具体的および好適には、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、ピラジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チオフェニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、1,3ベンゾジオキソール、ベンゾフラニル、ベンゾフラン−2,5−ジイル、ベンゾフラン−3,5−ジイルなどを表す。
【0049】
複素環式自身および複素環式環自身は、N、O、S、SOおよびSOから成る群から選択されるヘテロ原子および/またはヘテロ基を3個以下、好適には2個以下の数で有する環原子数が一般に4から10、好適には5から8の一環状または多環状、好適には一環状または二環状の非芳香複素環式基を表す。このようなヘテロシクリル基は飽和または部分不飽和であり得る。O、NおよびSから成る群から選択されるヘテロ原子を2個以下の数で有する5員から8員の一環状飽和ヘテロシクリル基、例えば具体的および好適には、テトラヒドロフラン−2−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリニル、ピペリジニル、モルホリノ、パーヒドロアゼピニルなどが好ましい。
【0050】
ヘテロシクリルカルボニルは、具体的および好適には、テトラヒドロフラン−2−カルボニル、ピロリジン−2−カルボニル、ピロリジン−3−カルボニル、ピロリンカルボニル、ピペリジンカルボニル、モルホリンカルボニル、パーヒドロアゼピンカルボニルを表す。
【0051】
ハロゲンおよびハロはフルオロ、クロロ、ブロモおよび/またはヨードを表す。
【0052】
本発明は、更に、この上に記述した化合物の中の1種を含有しかつ場合により薬学的に受け入れられる賦形剤を含有していてもよい薬剤も提供する。
【0053】
(発明の態様)
本発明の式(I)で表される化合物の調製は、これらに限定するものでないが、以下に記述する反応で実施可能である。いくつかの態様では、出発材料または中間体として用いる化合物が有するアミノ基、カルボキシル基およびヒドロキシル基の如き置換基の中の1つ以上を有利には本分野の技術者に公知の保護基で保護する。保護基の例がGreeneおよびWutsによる「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版)」に記述されている。
【0054】
本発明の式(I)で表される化合物の調製は、これらに限定するものでないが、以下の方法[A]および[B]で実施可能である。
【0055】
式(I−a):
【0056】
【化15】

[式中、R、R、R、Y、Y、Y、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りである]
で表される化合物の調製は、これらに限定するものでないが、下記の方法Aを用いて実施可能である。
【0057】
【化16】

前記式(I−a)で表される化合物の調製は、例えば式(II)[式中、Y、Y、Y、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りである]と式(III)[式中、R、RおよびRは、この上で定義した通りであり、そしてLはC1−6アルキルを表す]で表される化合物を反応させることなどで実施可能である。
【0058】
前記反応は無溶媒または溶媒中で実施可能であり、そのような溶媒には、例えばエーテル、例えばジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなど、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレンなど、アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンなど、スルホキサイド、例えばジメチルスルホキサイド(DMSO)など、アルコール、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールおよびt−ブタノールなど、水などが含まれる。場合により、この上に示したリストから2種以上の溶媒を選択して混合して用いることも可能である。
【0059】
反応温度は、場合により、反応させるべき化合物に応じて設定可能である。反応温度を、通常は、これらに限定するものでないが約10℃から200℃、好適には約50℃から160℃にする。この反応を通常は10分から48時間、好適には30分から24時間実施してもよい。
【0060】
中間体の調製
式(II’)[式中、Y、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りであり、YおよびYは、独立して、CRまたはNRを表し、これらは単結合で連結している]で表される化合物および式(II”)[式中、Y、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りであり、YおよびYは、独立して、CHまたはNを表し、これらは二重結合で連結している]で表される化合物の調製は、これらに限定するものでないが、下記の方法[A−i]を用いて実施可能である。
【0061】
【化17】

段階1では、式(II’)[式中、Y、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りであり、YおよびYは、独立して、CRまたはNRを表し、これらは単結合で連結している]で表される化合物の調製を例えば式(VI)[式中、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りである]で表される化合物とジアミノアルカン誘導体、例えばエチレンジアミンなどを反応させることなどで実施してもよい。
【0062】
この反応は有利には適切な脱水剤、例えばSOCl、POCl、P、P、CSなどを用いて実施可能である。
【0063】
前記反応は無溶媒または溶媒中で実施可能であり、そのような溶媒には、例えばエーテル、例えばジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなど、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレンなどが含まれる。場合により、この上に示したリストから2種以上の溶媒を選択して混合して用いることも可能である。
【0064】
反応温度を、通常は、これらに限定するものでないが約10℃から200℃、好適には約50℃から200℃にする。この反応を通常は10分から48時間、好適には30分から24時間実施してもよい。
【0065】
段階2では、式(II”)[式中、Y、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りであり、YおよびYは、独立して、CHまたはNを表し、これらは二重結合で連結している]で表される化合物の調製を例えば式(II’)[式中、Y、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りであり、YおよびYは、独立して、CRまたはNRを表し、これらは単結合で連結している]で表される化合物にMnO、KMnOなどの如き作用剤を用いた酸化反応を受けさせるか或は炭素に担持されているパラジウムを用いた脱水素反応を受けさせることなどで実施してもよい。
【0066】
前記反応は溶媒中で実施可能であり、そのような溶媒には、例えばエーテル、例えばジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなど、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレンなど、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチルピロリジノン(NMP)などが含まれる。場合により、この上に示したリストから2種以上の溶媒を選択して混合して用いることも可能である。
【0067】
反応温度を、通常は、これらに限定するものでないが約0℃から200℃、好適には約50℃から200℃にする。この反応を通常は30分から48時間、好適には2時間から24時間実施してもよい。
【0068】
前記式(VI)で表される化合物は商業的に入手可能であるか或は通常方法を用いて合成可能である。
【0069】
前記式(III)で表される化合物の調製は、例えば下記の方法[A−ii]を用いて実施可能である。
【0070】
【化18】

式(III)[式中、L、R、RおよびRは、この上で定義した通りである]で表される化合物の調製は、式(VII)[式中、R、RおよびRは、この上で定義した通りである]で表される化合物と式(VIII)[式中、Lは、この上で定義した通りである]で表される化合物を塩基、例えば水素化カリウム、カリウムヘキサメチルジシラジドなどの存在下で反応させることなどで実施可能である。
【0071】
この反応は溶媒中で実施可能であり、そのような溶媒には、例えばエーテル、例えばジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなど、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレンなど、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチルピロリジノン(NMP)などが含まれる。場合により、この上に示したリストから2種以上の溶媒を選択して混合して用いることも可能である。
【0072】
反応温度を、通常は、これらに限定するものでないが約−100℃から100℃にする。この反応を通常は30分から48時間、好適には2時間から12時間実施してもよい。
【0073】
別法として、前記式(III)で表される化合物の調製は、例えば下記の方法[A−iii]を用いて実施可能である。
【0074】
【化19】

式(III)[式中、L、R、RおよびRは、この上で定義した通りである]で表される化合物の調製は、式(IX)[式中、Rは、この上で定義した通りであり、そしてL’は脱離基、例えばハロゲン原子、例えば塩素または臭素原子など、またはイミダゾールなどである]で表される化合物と式(X)[式中、L、RおよびRは、この上で定義した通りである]で表される化合物またはこれの塩、例えばカリウム塩などを反応させることなどで実施可能である。
【0075】
この反応はルイス酸(これにはマグネシウム塩、例えば臭化マグネシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、酢酸マグネシウムなどが含まれる)または塩基、例えばn−ブチルリチウム、s−ブチルリチウムなどの存在下で実施可能である。この反応は溶媒中で実施可能であり、そのような溶媒には、例えばエーテル、例えばジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなど、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレンなどが含まれる。場合により、この上に示したリストから2種以上の溶媒を選択して混合して用いることも可能である。
【0076】
式(I−b):
【0077】
【化20】

[式中、R、Y、Y、Y、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りである]
で表される化合物の調製は、これらに限定するものでないが、下記の方法Bを用いて実施可能である。
【0078】
【化21】

前記式(I−b)で表される化合物の調製は、例えば式(IV)[式中、Y、Y、Y、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りである]で表される化合物と式(V)[式中、Rは、この上で定義した通りであり、そしてL”は脱離基、例えばヒドロキシ、ハロゲン原子、例えば塩素、臭素またはヨウ素原子など、イミダゾール、または
【0079】
【化22】

(ここで、Rは、この上で定義した通りである)などである]で表される化合物を反応させることなどで実施可能である。L”がヒドロキシの場合の反応は有利に連成剤、例えばヘキサフルオロ燐酸ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム(PyBOP)、1,1’−カルボニルジ(1,3−イミダゾール)(CDI)、1,1’−カルボニルジ(1,2,4−トリアゾール)(CDT)などを用いて実施可能である。
【0080】
L”がハロゲン原子、イミダゾールまたは
【0081】
【化23】

の場合の反応は有利に塩基の存在下で実施可能であり、そのような塩基には、例えばピリジン、トリエチルアミンおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリンなどが含まれる。
【0082】
前記反応は無溶媒または溶媒中で実施可能であり、そのような溶媒には、例えばエーテル、例えばジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなど、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレンなど、ニトリル、例えばアセトニトリルなど、アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)およびN−メチルピロリドン(NMP)など、尿素、例えば1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)など、スルホキサイド、例えばジメチルスルホキサイド(DMSO)などが含まれる。場合により、この上に示したリストから2種以上の溶媒を選択して混合して用いることも可能である。
【0083】
反応温度を、通常は、これらに限定するものでないが約40℃から200℃、好適には約20℃から180℃にする。この反応を通常は30分から48時間、好適には2時間から12時間実施してもよい。
【0084】
中間体の調製
式(IV)で表される化合物の調製は、これらに限定するものでないが、下記の方法[B−i]を用いて実施可能である。
【0085】
【化24】

式(IV)[式中、Y、Y、Y、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りである]で表される化合物の調製は、式(II)[式中、Y、Y、Y、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りである]で表される化合物とハロゲン化シアン、例えば臭化シアンなどを反応させることで実施可能である。
【0086】
この反応は溶媒中で実施可能であり、そのような溶媒には、例えばエーテル、例えばジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなど、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレンなど、アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンなど、アルコール、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールおよびt−ブタノールなどが含まれる。場合により、この上に示したリストから2種以上の溶媒を選択して混合して用いることも可能である。
【0087】
反応温度を、通常は、これらに限定するものでないが約−10℃から200℃にする。この反応を通常は30分から48時間、好適には1時間から24時間実施してもよい。
【0088】
式(II)[式中、Y、Y、Y、Z、Z、ZおよびZは、この上で定義した通りである]で表される化合物は、方法[A−i]に記述した様式と同じ様式で入手可能である。
【0089】
前記式(VII)、(VIII)、(IX)および(X)で表される化合物は、商業的に入手可能であるか或は通常方法を用いて合成可能である。
【0090】
式(I)で表される化合物またはこれの塩が構造の中に不斉炭素原子を1個以上有する場合、それらの光活性化合物およびラセミ混合物も本発明の範囲内に含める。
【0091】
前記式(I)で表される化合物の典型的な塩には、本発明の化合物を鉱酸もしくは有機酸または有機塩基もしくは無機塩基と反応させることで生じさせた塩が含まれる。そのような塩はそれぞれ酸付加塩および塩基付加塩として知られる。
【0092】
酸付加塩を生じさせる時の酸には、無機酸、例えばこれらに限定するものでないが、硫酸、燐酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸など、および有機酸、例えばこれらに限定するものでないが、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、しゅう酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、こはく酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などが含まれる。
【0093】
塩基付加塩には、無機塩基、例えばこれらに限定するものでないが、水酸化アンモニウム、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など、および有機塩基、例えばこれらに限定するものでないが、エタノールアミン、トリエチルアミン、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどから作られた塩基付加塩が含まれる。無機塩基の例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどが含まれる。
【0094】
本発明の化合物またはこれの塩に、これの置換基に応じて、これが低級アルキルエステルまたは他の公知エステルおよび/または水化物または他の溶媒和物を形成するように修飾を受けさせることも可能である。そのようなエステル、水化物および溶媒和物を本発明の範囲内に包含させる。
【0095】
本発明の化合物は経口形態、例えばこれらに限定するものでないが、通常および腸溶性被膜で覆われた錠剤、カプセル、ピル、粉末、顆粒、エリキシル、チンキ、溶液、懸濁液、シロップ、固体状および液状エーロゾルおよび乳液などの形態で投与可能である。それらはまた非経口形態、例えばこれらに限定するものでないが、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内形態などでも投与可能であり、それらは薬剤技術の通常の技術者に良く知られている。本発明の化合物は適切な鼻内媒体を局所的に用いることによる鼻内形態または本分野の通常の技術者に良く知られている経皮送達システムを用いることによる経皮ルートでも投与可能である。
【0096】
本分野の通常の技術者は、いろいろな要因を考慮して本発明の化合物を用いる時の投薬計画を選択するであろうが、そのような要因には、これらに限定するものでないが、受益者の年齢、体重、性および医学的状態、治療すべき状態のひどさ、投与経路、受益者の代謝および分泌機能のレベル、用いる投薬形態、用いる個々の化合物およびこれの塩などが含まれる。
【0097】
本発明の化合物を、好適には、投与前に1種以上の薬学的に受け入れられる賦形剤と一緒に配合しておく。賦形剤は不活性な物質、例えばこれらに限定するものでないが、担体、希釈剤、風味剤、甘味剤、滑剤、可溶化剤、懸濁剤、結合剤、錠剤崩壊剤および封じ込め用材料などである。
【0098】
本発明の更に別の態様は、本発明の化合物と1種以上の薬学的に受け入れられる賦形剤(これらは本調合物の他の材料に適合しかつこれの受益者にとって有害ではない)を含んで成る薬剤調合物である。本発明の薬剤調合物の調製では、治療有効量の本発明の化合物を1種以上の薬学的に受け入れられる賦形剤と一緒にすることで調製を行う。本発明の組成物を製造する時、本活性材料を希釈剤と一緒に混合するか或は担体(これはカプセル、袋、紙または他の容器の形態であってもよい)の中に封じ込めてもよい。そのような担体は希釈剤[これは固体、半固体または液状材料(これは媒体として働く)であってもよい]として働き得るか、或は錠剤、ピル、粉末、トローチ剤、エリキシル、懸濁液、乳液、溶液、シロップ、エーロゾル、軟膏(これらに本活性化合物を例えば10重量%以下の量で含有させる)、軟質および硬質ゼラチン製カプセル、座薬、注射可能無菌溶液および包装された無菌粉末の形態であってもよい。
【0099】
本活性材料を経口投与する場合、薬学的に受け入れられる無毒の経口用担体、例えばこれらに限定するものでないが、ラクトース、澱粉、スクロース、グルコース、炭酸ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、硫酸カルシウム、メチルセルロースなどと一緒にし、場合により崩壊剤、例えばこれらに限定するものでないが、トウモロコシ、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴム、アルギン酸など、および場合により結合剤、例えばこれらに限定するものでないが、ゼラチン、天然糖、ベータ−ラクトース、トウモロコシ甘味料、天然および合成ゴム、アカシア、トラガカント、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、蝋など、および場合により滑剤、例えばこれらに限定するものでないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、タルクなどと一緒にしてもよい。
【0100】
粉末形態の担体は微細な固体であってもよく、これを微細な活性材料と混合する。本活性材料を結合特性を有する担体と適切な比率で一緒に混合しそして錠剤にするに望ましい形状および大きさに圧縮することも可能である。このような粉末および錠剤に含有させる本発明の新規な組成物である活性材料の量を好適には約1から約99重量パーセントにする。適切な固体状担体はマグネシウムカルボキシメチルセルロース、低融点の蝋およびココアバターである。
【0101】
無菌の液状調合物には、懸濁液、乳液、シロップおよびエリキシルが含まれる。本活性材料を薬学的に受け入れられる担体、例えば無菌水、無菌有機溶媒または無菌水と無菌有機溶媒両方の混合物の中に入れて溶解または懸濁させてもよい。
【0102】
また、本活性材料を適切な有機溶媒、例えばプロピレングリコール水溶液などに溶解させることも可能である。微細な本活性材料を澱粉水溶液またはナトリウムカルボキシメチルセルロース溶液または適切な油の中に分散させることで他の組成物を製造することも可能である。
【0103】
このような調合物の形態は単位投薬形態であってもよく、このような形態はヒトまたは他の哺乳動物に投与するに適した単位投薬物(unit dose)を含有する物理的に個々別々の単位である。単位投薬形態物はカプセルもしくは錠剤または数多くのカプセルまたは錠剤であってもよい。「単位投薬物」は、所望の治療効果がもたらされるように計算して前以て決めておいた量の本発明の活性化合物が1種以上の賦形剤と一緒になっている状態である。単位投薬物の中の活性材料の量は、関係する個々の治療に従って、約0.1から約1000ミリグラムまたはそれ以上に及んで多様であるか或は調整可能である。
【0104】
本発明の典型的な経口投薬物を指定効果の目的で用いる場合、その量を約0.01mg/kg/日から約100mg/kg/日、好適には約0.1mg/kg/日から30mg/kg/日、最も好適には約0.5mg/kg/日から約10mg/kg/日の範囲にする。非経口投与の場合、一般に、それを約0.001から100mg/kg/日、好適には0.01から1mg/kg/日の量で投与する方が有利であることを確認した。本発明の化合物は日に1回の投薬で投与されてもよいか或は1日の投薬量全体を1日当たり2回、3回またはそれ以上の回数に分割して投与してもよい。送達を経皮形態で行う場合の投与は勿論連続的である。
【実施例】
【0105】
本発明を実施例の形態で以下に詳細に説明するが、それらは決して本発明の境界を限定するとして解釈されるべきでない。
【0106】
以下に示す実施例では、特に明記しない限り、量的データは全部が重量パーセントに関する。
【0107】
Bruker DRX−300(Hの場合には300MHz)スペクトロメータまたはBrucker 500 UltraSchieled(商標)(Hの場合には500MHz)のいずれかを用いてH NMRスペクトルを記録した。テトラメチルシラン(TMS)を0ppmの所に位置する内部標準として用いて化学シフトをppm(parts per million)で報告する。結合定数(J)をヘルツで示しそして省略形s、d、t、q、mおよびbrはそれぞれ一重線、二重線、三重線、四重線、多重線および幅広を指す。MAT95(Finnigan MAT)を用いて質量測定を実施した。
【0108】
Shimadzu Phenomenex ODSカラム(4.6mmΦX30mm)が備わっているMicromass Platform LCを用い、アセトニトリル−水(9:1から1:9)の混合物を1ml/分の流量で流し込むことで、液クロ−質量分析(LC−MS)データを記録した。エレクトロスプレー(ES)イオン化技術(Micromass Platform LC)を用いて質量スペクトルを得た。シリカゲルで前以て被覆しておいたプレート(Merckシリカゲル60 F−254)を用いてTLCを実施した。あらゆるカラムクロマトグラフィー分離でシリカゲル[WAKO−ゲル C−200(75−150μm)]を用いた。化学品は全部が試薬品質であり、これらをSigma−Aldrich、Wako pure chemical industries,Ltd.、Tokyo kasei kogyo Col.,Ltd.、Nacalai tesque,Inc.、Watanabe Chemical Ind.Ltd.、Maybridge plc、Lancaster Synthesis Ltd.、Merck KgaA、Kanto Chemical Co.,Ltd.から購入した。
【0109】
本発明の化合物が示す効果を下記の検定で検査した。
【0110】
[PI3Kγのキナーゼ検定で化合物が示すIC50値の測定]
化学品および検定用材料
ホスファチジルイノシトール(PtdIns)およびホスファチジルセリン(PtdSer)をDOOSAN SERDARY RESEARCH LABORATORIES(トロント、カナダ)から購入した。組換え型ヒトPI3Kγ[C末端の所でHis−tagと融合している全長のヒトPI3Kp110γ、S.フルギペルダ9(S.frugiperda 9)昆虫細胞内で発現]をALEXIS BIOCHEMICALS(#201−055−C010;サンディエゴ、CA)から入手した。[γ33P]ATPおよび未標識ATPをそれぞれAMERSHAM PHARMACIA BIOTECH(Buckinghamshire、UK)およびROCHE DIAGNOSTICS(Mannheim、ドイツ)から購入した。シンチレーションカクテル(scintillation cocktails)およびMicroScint PS(商標)をPACKARD(Meriden、CT)から購入した。Maxisorp(商標)プレートをNALGE NUNC INTERNATIONAL K.K.(東京、日本)から購入した。さらなる指定を行わなかった他の化学品は全部WAKO PURE CHEMICALS(大阪、日本)の化学品であった。
【0111】
固相脂質キナーゼ検定
化合物がPI3Kγを阻害するか否かを評価する目的で、クロロホルム:エタノール(3:7)にPtdInsを50μg/mlとPtdSerを50μg/ml溶解させることで生じさせた溶液でMaxisorp(商標)プレートを50μl/穴になるように被覆した。その後、前記プレートをフュームフード(fume food)の中で少なくとも2時間インキュベートすることで空気乾燥させた。前記脂質で前以て被覆しておいたプレートの中で25μl/穴の検定用緩衝液2x[100mMのMOPSO/NaOH、0.2MのNaCl、pH7.0、8mMのMgCl、2mg/mlのBSA(脂肪酸が入っていない)]と50ng/穴のPI3Kγを混合することで反応を組み立てた後、10xの試験化合物を2%のDMSOに入れて加えた。ATPミックス(最終的に10μMのATP、[γ33P]ATPを0.05μCi/穴)を20μl/穴加えることで反応を開始させた。インキュベーションを室温で2時間行った後、停止用溶液(50mMのEDTA、pH8.0)を50μl/穴加えることで反応を停止させた。次に、前記プレートをトリス緩衝食塩水(TBS、pH7.4)で2回洗浄した。MicroScint PS(商標)(PACKARD)シンチレーションミックスを100μl/穴加えた後、TopCount(商標)(PACKARD)シンチレーションカウンターを用いて放射能の計数を行った。
【0112】
各濃度の化合物が示した阻害パーセントを計算しそして阻害曲線からIC50値を決定した。
【0113】
[PI3Kに関するイソ酵素選択性試験]
{PI3Kβのキナーゼ検定で化合物が示すIC50値の測定}
PI3Kβp110βとGST−p85αの組換え型バキュロウイルスをDr.Katada(東京大学)から入手した。p110βとGST−p85αの組換え型PI3Kヘテロ複合体(heterocomplex)を製造業者(Pharmingen、サンディエゴ、CA)の取り扱い説明書に従って昆虫細胞の中で共発現させた後、グルタチオンアフィニティーカラムを用いて精製した。
【0114】
[PI3Kγのキナーゼ検定で化合物が示すIC50値の測定]部分に記述した様式と同じ様式でPI3Kβのキナーゼ検定も準備した。
【0115】
[他のキナーゼを用いた選択性試験]
いくつかのキナーゼ検定、例えばSykのキナーゼ検定などを用いて当該化合物が示すキナーゼ選択性を評価した。
【0116】
{選択性に関するSykチロシンキナーゼ阻害検定}
(1)Syk蛋白質の調製
RT−PCR方法を用いて、ヒトSykオープンリーディングフレームをエンコードするcDNAフラグメントをヒトバーキットリンパ腫B細胞株Raji(American
Type Culture Collection)の全RNAからクローンとして作成した。前記cDNAフラグメントをpAcG2T(Pharmingen、サンディエゴ、CA)の中に挿入させることでバキュロウイルストランスファーベクターを構築した。次に、このベクターを線形化したバキュロウイルス(BaculoGoldTM、Pharmingen)と一緒に用いてSf21細胞(Invitrogen、サンディエゴ、CA)へのトランスフェクションを行った。
【0117】
生じた組換え型バキュロウイルスをSf21細胞の中で無性的に繁殖させて増幅させた。Sf21細胞をそのように増幅させた高タイターのウイルスに感染させることで、Sykキナーゼとグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)が融合したキメラ蛋白質を生じさせた。
【0118】
グルタチオンカラム(Amersham Pharmacia Biotech AB、Uppsala、スウェーデン)を製造業者の取り扱い説明書に従って用いることで、前記の結果として生じたGST−Sykを精製した。SDS−PAGEを用いて、前記蛋白質の純度が90%を超えることを実証した。
【0119】
(2)ペプチドの合成
次に、ペプチド合成装置を用いて、チロシン残基を2個含有する残基数が30のペプチドフラグメントKISDFGLSKALRADENYYKAQTHGKWPVKWを合成した。次に、このフラグメントのN末端にビオチニル化を受けさせることでビオチニル化アクチベーションループペプチド(biotinylated activation loop peptide)(AL)を得た。
【0120】
(3)Sykチロシンキナーゼ活性の測定
あらゆる試薬をSykキナーゼ検定用緩衝液[50mMのトリス−HCl(pH8.0)、10mMのMgCl、0.1mMのNaVO、0.1%のBSA、1mMのDTT]で希釈した。最初に、GST−Sykを3.2μgとALを0.5μg含有する混合物(35μl)を96穴プレートの中の各穴に入れた。次に、各穴に5μlの試験化合物を2.5%のジメチルスルホキサイド(DMSO)の存在下で加えた。この混合物に300μMのATP(10μl)を加えることでキナーゼ反応を開始させた。最終的反応混合物(50μl)は0.65nMのGST−Syk、3μMのAL、30μMのATP、試験化合物、0.25%のDMSOおよびSykキナーゼ検定用緩衝液で構成されている。
【0121】
この混合物を室温(RT)で1時間インキュベートした後、停止用緩衝液[50mMのトリス−HCl(pH8.0)、10mMのEDTA、500mMのNaCl、0.1%のBSA]を120μl加えることで反応を停止させた。この混合物をストレプトアビジンで被覆しておいたプレートに移して室温で30分間インキュベートすることで、ビオチン−ALを前記プレートと化合させた。Tween−20を0.05%入れておいたトリス緩衝食塩水(TBS)[50mMのトリス−HCl(pH8.0)、138mMのNaCl、2.7mMのKCl]を用いて前記プレートを3回洗浄し、50mMのトリス−HCl(pH8.0)と138mMのNaClと2.7mMのKClと1%のBSAと60ng/mlの抗−ホスホチロシンモノクローナル抗体4G10(Upstate Biotechnology)[これに前以てAmersham Pharmaciaのキットを用いてユウロピウムによる標識を付けておいた]で構成させた抗体溶液を100μl加えた後、室温で60分間インキュベートした。洗浄後、増強用溶液(Amersham Pharmacia Biotech)を100μl加えた後、マルチラベルカウンターARVO(Wallac Oy、フィンランド)を用い、励起用を340nmにしそして発光用を615nmにし、遅延を400ミリ秒にしそしてウインドを400ミリ秒にして、時間分解蛍光を測定した。
【0122】
[ヒト抹消単核細胞から生じるスーパーオキシド発生に関して化合物が示すIC50値の測定]
ヘパリンを50単位入れておいた50mlのシリンジを静脈に刺すことを通して、健康なヒト志願者から血液(100ml/供与者)を採取した。デキストランを1%(重量/体積)およびグルコースを0.45%(重量/体積)用いてインキュベーションを室温で30分間行うことで赤血球を除去した。遠心分離を350xgで10分間行った後、細胞ペレットを10mlのPBSに入れて再懸濁させた。この細胞懸濁液を50mlの管(#2335−050、Iwaki、日本)の中に入れておいたPBS中60%のPercoll(Amersham Pharmacia Biotech、スウェーデン)が20mlで80%のPercollが20mlの勾配の上に穏やかに置いて層状にした。400xgの遠心分離を室温で30分間行った後、60%のPercoll相と80%のPercoll相の界面から抹消多形核白血球(PMN)を得た。PBSを用いて2回洗浄した後のPMNをNa−Hepes(pH7.6)を10mMとBSAを0.1%補充しておいたハンクの平衡塩類溶液(HBSS:Nissui、日本)に細胞密度が10個の細胞/mlになるように懸濁させた後、さらなる使用まで氷の上に置いた。
【0123】
ホルミル−メチオニル−ロイシル−フェニルアラニン(fMLP)誘発スーパーオキシド発生を化合物が阻害するか否かを試験する目的で、96穴クリアボトムブラックプレート(clear bottom black plate)(カタログ番号3904、Costar)に入れておいたHBSS、10mMのNa−Hepes(pH7.6)、0.1%のBSAにPMN(2x10個の細胞/穴)を蒔いた後、ルミノール(1μg/穴;Sigma)および試験化合物を用いた予備処理を37℃で10分間行った。fMLPペプチド(カタログ番号4066;Peptide Institute Inc,日本)を同じ緩衝液で10μMになるように調製した後、ポリプロピレン製プレート(カタログ番号3365、Coster)の中に入れて準備した。fMLPを1μM用いた刺激を受けさせた後にFDSS−6000(Hamamatsu Photonics)を用いて化学発光(CL)を15分間に渡って測定した。刺激物を添加してから約1分後に各濃度の化合物が示す阻害パーセントをCLの最初のピークを基にして計算しそしてその阻害曲線からIC50値を決定した。
【0124】
オプソニンを作用させたザイモサン(OZ)およびホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)による刺激では、ザイモサンA(Sigma)をHBSSに1mg/mlの濃度で入れて懸濁させた後、プールしておいたヒト血清と最終濃度が9から80%の範囲になるように一緒にして37℃で30分間インキュベートすることでザイモサンにオプソニンを作用させた後、500xgの遠心分離を4℃で10分間実施した。次に、沈澱物をHBSSで2回洗浄した後、最後にHBSSに1から10mg/mlの範囲の濃度で入れて再懸濁させた。オプソニンを作用させておいたザイモサン(OZ)を刺激の目的で5mg/ml用いた。最初に、ホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)を原液としてDMSOの中に0.1mg/mlの濃度で溶解させた後、−20℃で凍結貯蔵した。前記原液をHBSSで濃度が100ng/mlになるように更に希釈することでPMN溶液を調製した。96穴白色プレート(Packard)に入れておいたHBSS、10mMのNa−Hepes(pH7.6)、0.1%のBSAにPMN(2x10個の細胞/穴)を蒔いた後、ルミノール(1μg/穴;Sigma)および試験化合物を用いた予備処理を37℃で10分間行った。OZまたはPMAによる刺激を受けさせてから30分後にArvoカウンター(Wallac)を用いてCLを測定した。各濃度の化合物が示す阻害パーセントを計算しそしてその阻害曲線からIC50値を決定した。
【0125】
[ヒト抹消単核細胞からのエラスターゼ放出に関して化合物が示すIC50値の測定]
化合物がエラスターゼ放出を阻害するか否かを試験する目的で、Na−Hepes(pH7.6)を10mMとBSAを0.1%補充しておいたHBSSを96穴プレートに入れて、それにPMN(5x10個の細胞/穴)を蒔いた。細胞にシトカラシン(cytochalasine)B(0.1μg/穴;Nakarai、日本)および試験化合物(90μl/穴)による予備処理を37℃で10分間受けさせた。細胞にfMLPを1μM用いた刺激を37℃で15分間受けさせた。上澄み液(40μl/穴)を集めて384穴黒色プレート(Packard)に入れることを通して、エラスターゼの活性を測定した。室温の384穴プレートに0.5mMのSuc−Ala−Ala−Ala−MCA(カタログ番号3133v;Peptide Institute Inc、日本)を10μl加えることで蛍光が基になったエラスターゼ反応を開始させた。Wallac−Arvoカウンター(PerkinElmer、ボストン、MA)蛍光プレートリーダー(plate leader)を用いて460nm(λex、360nm)の所の蛍光の発光を120分間測定した。反応の初期速度の時に化合物が示すIC50値を測定した。
【0126】
[ヒトPMNを用いた走化性検定で化合物が示すIC50値の測定]
Na−Hepes(pH7.6)を10mMとBSAを0.1%補充しておいたHBSSをポリプロピレン製96穴プレート(カタログ番号3365、Coster)に入れて、その中で、新しく調製したPMN(1.1x10個の細胞/ml)を化合物と一緒に10分間インキュベートした。細胞(100μl)を試験化合物または媒体と一緒に30分間インキュベートした後、Multiwellインサート(カタログ番号351183;Falcon)24穴プレートに移した。このプレートの下方チャンバにFMLP(10nM、0.5ml)を加えた後、37℃のCOインキュベーターの中で走化性を1時間測定した。FACScan(Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ)を用いて移動した細胞の数を数えた。各濃度の化合物が示した阻害パーセントを計算し、そしてその阻害曲線からIC50値を決定した。
【0127】
[トランスフェクタント(transfectants)を用いた走化性検定で化合物が示すIC50値の測定]
(1)細胞
ヒトCCR3形質転換L1.2細胞を用いた。J.Exp.Med.183:2437−2448、1996に記述されている方法を参照して、ヒトCCR3を発現する安定なL1.2形質転換細胞をエレクトロポレーションで樹立した。ヒトCCR3形質転換L1.2細胞をFCSを10%とペニシリンGを100単位/mlとストレプトマイシンを100μg/mlとゲネチシン(Geneticin)を0.4mg/ml補充しておいたRPMI−1640に入れて維持した。CCR3の発現を向上させる目的で、走化性検定を受けさせる1日前の細胞に酪酸ナトリウムを5mM入れておいた培養培地を用いた予備処理を20−24時間受けさせておいた(5x10個の細胞/ml)。
【0128】
(2)走化性検定
酪酸塩による予備処理を受けさせておいた細胞を走化性用緩衝液(ハンクスの溶液、カタログ番号05906 Nissui、20mMのHEPES pH7.6、0.1%のヒト血清アルブミン、カタログ番号A−1887 Sigma)に細胞密度が1.1x10個の細胞/mlになるように入れて懸濁させた。細胞懸濁液が90μlで化合物溶液が10μlの混合物を走化性用緩衝液(最終濃度の10倍濃度)で希釈して、37℃で10分間プレインキュベートした(preincubated)。走化性用の24穴チャンバ[Transwell(商標)、カタログ番号3421、Costar、孔サイズ:5μm]の上方チャンバに前記細胞と化合物の混合物を加えた。前記走化性用プレートの下方チャンバに走化性用緩衝液で希釈しておいた10nMのヒト組換え型エオタキシン(eotaxin)(カタログ番号23209、Genzyme Techne)溶液を0.5ml加えた。次に、37℃のCOインキュベーターの中で走化を4時間起こさせた。インキュベーションを4時間行った後に移動した細胞の数をFACScan(Becton Dickinson)を用いて数えた。各濃度の化合物が示した阻害パーセントを計算し、そしてその阻害曲線からIC50値を決定した。
【0129】
[マウスfMLP誘発胸膜炎モデル]
7週令のメスBALB/cマウスを3グループ、即ち未処置グループと媒体グループと処置グループに分けた。処置グループのマウスには最初に本発明の化合物をいろいろな用量で静脈内注射した。媒体グループのマウスには食塩水にCremophor El(Nacalai Tesque)が10%入っている媒体を注射した。処置してから3分後に、PBS中3.3%のDMSOにfMLPを1mg/マウスになるように入れておいた溶液を媒体グループおよび処置グループのマウスの胸膜内に投与した。fMLPを注射してから4時間後にマウスを屠殺して、胸腔を2mlのPBSで2回洗浄することで胸膜液を集めた。血球計を用いて胸膜液1ミリリットル当たりの総細胞数を数えた。Giemsa染色シトスピンスライドプレパレーション(Giemsa’s−stained cytospin slide preparation)を用いて最低限200個の細胞の数を数えることで、胸膜液の細胞分化を決定した。対になったデータではスチューデントt−検定を用い、または分散分析ではダネットポスト検定を用い、Windows用GraphPadPRISM、バージョン2.01を用いて、統計学的解析を実施した。
【0130】
実用上の理由で、化合物を以下のように数種の活性に分類分けした:
インビトロIC50=A(=または<)0.1μM<B(=または<)0.5μM<C(=または<)2μM<D

本発明の化合物はまたインビボ検定でも強力な活性を示す。
【0131】
下記の表の中の(dec.)は分解を示す。
【0132】
実施例1−1
Z)−2−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−(3−ピリジニル)エテノール
(1) 3−オキソ−3−(3−ピリジニル)プロピオン酸メチル
【0133】
【化25】

トルエン中0.5Mのカリウムヘキサメチルジシラジド溶液(22ml、11ミリモル)をテトラヒドロフラン(5ml)と混合した後、この混合物を−78℃に冷却した。この冷(−78℃)混合物に、3−アセチルピリジン(1.0g、8.26ミリモル)をテトラヒドロフラン(5ml)に入れることで生じさせた溶液を滴下した。この混合物を室温に温めて3時間撹拌した。この混合物を−78℃に冷却した後、ジメチルカーボネート(1.2ml、14.3ミリモル)を滴下した。その結果として生じた溶液を室温に温めて一晩撹拌した。この反応溶液に1NのHCl水溶液を加えることで反応を停止させた後、酢酸エチルで3回抽出した。その有機層を一緒にして水そして食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後、減圧下で濃縮した。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチルを1/1)で精製することで3−オキソ−3−(3−ピリジニル)プロピオン酸メチル(1.0g、収率68%)を油として得た。
【0134】
(2) 2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−4,5−ジメトキシアニリン:
【0135】
【化26】

室温のエチレンジアミン(7.9g、131ミリモル)に2−アミノ−4,5−ジメトキシベンゾニトリル(5.0g、28ミリモル)を加えた。その結果として生じた溶液を40℃に温めた後、五硫化二燐を触媒量(50mg)で加えた。この混合物を80−90℃に加熱して撹拌を一晩継続した。この反応混合物を水で希釈した後、結果として生じた沈澱物を濾過で集めることで2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−4,5−ジメトキシアニリン(5.1g、82%)を固体として得た。
【0136】
(3) (Z)−2−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−(3−ピリジニル)エテノール
【0137】
【化27】

2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−4,5−ジメトキシアニリン(0.15g、0.68ミリモル)と3−オキソ−3−(3−ピリジニル)プロピオン酸メチル(0.20g、1.12ミリモル)の混合物を155℃で1時間撹拌した。この反応混合物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノールを25/1)で精製することで(Z)−2−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−(3−ピリジニル)エテノール(66.9mg、28%)を黄色固体として得た。
【0138】
融点:275℃質量分析:351
インビトロPI3K−β阻害活性:C
インビトロPI3K−γ阻害活性:A
H−NMR(500MHz、DMSO−d6):d 3.79(3H、s)、3.88(3H、s)、3.98−4.08(4H、m)、5.63(1H、s)、7.13(1H、s)、7.24(1H、s)、7.50(1H、dd、J=4.7、7.8Hz)、8.27(1H、dt、J=1.6、7.8Hz)、8.67(1H、dd、J=1.6、4.7Hz)、9.13(1H、d、J=1.6Hz)、13.9(1H、bs)。
【0139】
実施例1−2:
塩酸(Z)−2−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−(3−ピリジニル)エテノール
【0140】
【化28】

(Z)−2−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−(3−ピリジニル)エテノール(16.8mg、0.05ミリモル)をジオキサン(15ml)に入れることで生じさせた室温の溶液に6NのHCl水溶液(0.05ml)を加えた。この混合物を30分間撹拌した後、減圧下で乾燥させることで塩酸(Z)−2−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−(3−ピリジニル)エテノール(18.5mg、定量的)を黄色固体として得た。
【0141】
融点:>300℃
質量分析:351
インビトロPI3K−β阻害活性:C
インビトロPI3K−γ阻害活性:A
H−NMR(500MHz、DMSO−d6):δ 3.88(3H、s)、4.00(3H、s)、4.22(2H、t、J=9.1Hz)、4.55(2H、t、J=9.1Hz)、6.21(1H、s)、7.60(1H、s)、7.66(1H、dd、J=4.7、8.2Hz)、7.90(1H、s)、8.47(1H、d、J=8.2Hz)、8.79(1H、d、J=4.7Hz)、9.28(1H、s)、14.9(1H、bs)。
【0142】
実施例1−3:
2−[7−メトキシ−8−(メトキシメトキシ)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1−ピリジン−3−イルエチルエノール
(1) 酢酸4−ホルミル−2−メトキシ−3−ニトロフェニル
【0143】
【化29】

米国特許第4287341号またはJ.Chem.Soc.376(1948)に記述されている手順を用いて、5.00gの酢酸バニリンから表題の化合物を黄色固体として4.54g得た。収率73.6%。
【0144】
H−NMR(500MHz、DMSO−d6)δ:2.40(s、3H)、3.87(s、3H)、7.75(d 1H J=8.4Hz)、7.94(d 1H J=8.4Hz)、9.90(s 1H)。
【0145】
(2) 4−ヒドロキシ−3−メトキシ−2−ニトロベンズアルデヒド
【0146】
【化30】

酢酸4−ホルミル−2−メトキシ−3−ニトロフェニル(4.54g、19.0ミリモル)と炭酸カリウム(5.24g、37.9ミリモル)をメタノール(40mL)に入れることで生じさせた混合物を室温で2時間撹拌した。この反応混合物を水の中に注ぎ込み、1NのHCl溶液で酸性にした後、AcOEtで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をn−ヘキサンで洗浄することで表題の化合物を白色固体として3.60g得た。収率96.3%。
【0147】
(3) 4−ヒドロキシ−3−メトキシ−2−ニトロベンゾニトリル
【0148】
【化31】

4−ヒドロキシ−3−メトキシ−2−ニトロベンズアルデヒド(14.5g、73.5ミリモル)を28%のアンモニア溶液(150mL)とテトラヒドロフラン(15mL)に入れることで生じさせた混合物にヨウ素(22.4g、88.2ミリモル)を加えて室温で一晩撹拌した。この反応混合物に濃縮を真空下で受けさせた。その残留物を2NのHCl溶液で酸性にした後、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をジイソプロピルエーテルで洗浄することで表題の化合物を褐色固体として12.1g得た。収率84.5%。
【0149】
(4) 3−メトキシ−4−(メトキシメトキシ)−2−ニトロベンゾニトリル
【0150】
【化32】

4−ヒドロキシ−3−メトキシ−2−ニトロベンゾニトリル(1.00g)とクロロメチルメチルエーテル(0.47mL、6.18ミリモル)と炭酸カリウム(3.56g、25.8ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に入れることで生じさせた混合物を50℃で2時間撹拌した。この反応混合物を水の中に注ぎ込んだ後、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/AcOEt=4/1)で表題の化合物を無色固体として1.03g得た。収率83.5%。
【0151】
(5) 2−アミノ−3−メトキシ−4−(メトキシメトキシ)ベンゾニトリル
【0152】
【化33】

活性炭に5%担持されているパラジウム(6.00g)にアルゴン雰囲気下で3−メトキシ−4−(メトキシメトキシ)−2−ニトロベンゾニトリル(6.00g、25.2ミリモル)をエタノール(50mL)に入れることで生じさせた溶液を加えた後、水素雰囲気下室温で8時間撹拌した。この反応混合物を濾過した後、その濾液に濃縮を真空下で受けさせた。シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/AcOEt=4/1)で表題の化合物を白色固体として2.83g得た。収率53.9%。
【0153】
(6) [6−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−2−メトキシ−3−(メトキシメトキシ)フェニル]アミン
【0154】
【化34】

2−アミノ−3−メトキシ−4−(メトキシメトキシ)ベンゾニトリル(475mg、2.28ミリモル)と五硫化燐(25.4mg、0.11ミリモル)をエチレンジアミン(2.75g)に入れることで生じさせた溶液を120℃で一晩撹拌した。この反応混合物を室温に冷却した後、水の中に注ぎ込んだ。その沈澱物を集めた後、水で洗浄することで表題の化合物を白色固体として293mg得た。収率51.1%。
【0155】
(7) 3−オキソ−3−(ピリジン−3−イル)プロピオン酸エチル
【0156】
【化35】

ニチコン酸(5.00g、40.6ミリモル)をテトラヒドロフラン(50mL)に入れることで生じさせた5℃の懸濁液にカルボニルジイミダゾール(9.76g、60.9ミリモル)を加えた後、室温で1時間撹拌した。別のフラスコの中でMgCl(4.64g、48.7ミリモル)とエチルマロン酸カリウム塩(10.37g、60.92ミリモル)をテトラヒドロフラン(50mL)に入れることで生じさせた懸濁液を50℃で4時間撹拌した。この懸濁液に室温で上述したイミダゾリド溶液を加えて12時間撹拌した。この反応物に水を添加することで反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/AcOEt=2/1)で表題の化合物を淡黄色油として3.89g得た。収率49.5%。
【0157】
(8) 2−[7−メトキシ−8−(メトキシメトキシ)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1−ピリジン−3−イルエチルエノール
【0158】
【化36】

[6−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−2−メトキシ−3−(メトキシメトキシ)フェニル]アミン(1.31g、5.20ミリモル)と3−オキソ−3−(ピリジン−3−イル)プロピオン酸エチル(1.00g、5.20ミリモル)をトルエン(30mL)に入れることで生じさせた溶液を一晩還流させた。沈澱物を集めた後、ジエチルエーテルで洗浄することで表題の化合物(1.52g)を黄色固体として得た。収率76.9%。
【0159】
融点:215−216℃
質量分析:381
インビトロPI3K−β阻害活性:
インビトロPI3K−γ阻害活性:B
H−NMR(500MHz、CDCl)δ:3.54(s 3H)、3.95(t 2H J=9.5Hz)、4.08(s 3H)、4.22(t 2H J=9.5Hz)、5.30(s 2H)、5.38(s 1H)、6.98(d 1H J=8.8Hz)、7.37(dd 1H J=8.0Hz、4.9Hz)、7.64(d 1H J=8.8Hz)、8.21(dt 1H J=8.0Hz、1.7Hz)、8.67(dd 1H J=4.9Hz、1.7Hz)、9.09(d 1H J=1.7Hz)、13.75(s 1H)。
【0160】
実施例1−4:
塩酸5−(2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−オール
【0161】
【化37】

2−[7−メトキシ−8−(メトキシメトキシ)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1−ピリジン−3−イルエチルエノール(実施例1−3)(1.52g、4.00ミリモル)を1,4−ジオキサン中4NのHCl(30mL)と水(0.3mL)に入れることで生じさせた懸濁液を室温で一晩撹拌した。この反応混合物をジエチルエーテルで希釈した。沈澱物を集めた後、ジエチルエーテルで洗浄することで表題の化合物を黄色固体として1.23g得た。収率82.4%。
【0162】
融点:245℃
質量分析:337
インビトロPI3K−β阻害活性:C
インビトロPI3K−γ阻害活性:A
H−NMR(500MHz、DMSO−d6)δ:3.97(s 3H)、4.22(dd 2H J=12.3Hz、9.0Hz)、4.43(dd 2H J=12.3Hz、J=9.0Hz)、6.17(s 1H)、7.10(d 1H J=9.0Hz)、7.71(dd 1H J=7.7Hz、4.7Hz)、7.98(d 1H J=9.0Hz)、8.57(br d 1H J=7.7Hz)、8.82(dd 1H J=4.7Hz、1.4Hz)、9.34(d 1H J=1.4Hz)、11.79(s 1H)、14.60(s 1H)。
【0163】
実施例1−5:
4−{[5−(2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル]オキシ}酪酸メチル
【0164】
【化38】

塩酸5−(2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−オール(実施例1−4)(50.4mg、0.14ミリモル)とクロロ酪酸メチル(22.2mg、0.16ミリモル)と炭酸カリウム(186.9mg、1.35ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)に入れることで生じさせた混合物を120℃で4時間撹拌した。この反応混合物を水の中に注ぎ込んだ後、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をジエチルエーテルで洗浄することで表題の化合物(35.0mg)を黄色固体として得た。収率59.3%。
【0165】
融点:199−200℃
質量分析:437
インビトロPI3K−β阻害活性:C
インビトロPI3K−γ阻害活性:A
H−NMR(500MHz、CDCl)δ:2.20(quint 2H J=7.1Hz)、2.58(t 2H J=7.09Hz)、3.71(s 3H)、3.94(t 2H J=9.5Hz)、4.06(s 3H)、4.15(t 2H J=7.1Hz)、4.21(t 2H J=9.5Hz)、5.38(s 1H)、6.76(d
1H J=8.8Hz)、7.37(dd 1H J=8.2Hz、5.2Hz)、7.65(d 1H J=8.8Hz)、8.21(dt J=8.2Hz、2.1Hz)、8.67(d 1H J=5.2Hz)、9.09(s 1H)、13.70(s 1H)。
【0166】
実施例1−6:
実施例3−4: 4−{[5−(2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル]オキシ}酪酸
【0167】
【化39】

4−{[5−(2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル]オキシ}酪酸メチル(実施例1−5)(20.0mg、0.05ミリモル)を1NのLiOH溶液(0.1mL)とエタノール(1.0mL)に入れることで生じさせた溶液を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を1NのHCl溶液で中和した後、真空下で濃縮した。その残留物を水に入れて磨り潰した。その沈澱物を集めることで表題の化合物(10.0g)を白色固体として得た。収率51.7%。
【0168】
融点:257−258℃
質量分析:423
インビトロPI3K−β阻害活性:B
インビトロPI3K−γ阻害活性:A
H−NMR(500MHz、DMSO−d6)δ:2.02(quint 2H J=6.2Hz)、2.45(t 2H J=6.2Hz)、3.94(s 3H)、3.98(br t 2H J=8.5Hz)、4.06(br t 2H J=8.5Hz)、4.14(t 2H J=6.2Hz)、5.67(s 1H)、6.97(d 1H J=8.7Hz)、7.49(dd 1H J=8.2Hz、4.4Hz)、7.57(d 1H J=8.7Hz)、8.29(d 1H J=8.2Hz)、8.67(d 1H J=4.4Hz)、9.14(s 1H)、12.15(s 1H)、13.76(s 1H)。
【0169】
実施例1−7:
塩酸4−{[5−(2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル]オキシ}酪酸
【0170】
【化40】

4−{[5−(2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル]オキシ}酪酸(実施例1−6)(4.0mg、9.5ミクロモル)を1,4−ジオキサン中4NのHCl(2.0mL)に入れることで生じさせた混合物を室温で2時間撹拌した。この反応混合物をジエチルエーテルで希釈した。その沈澱物を集めることで表題の化合物(4.00g)を黄色固体として得た。収率92.0%。
【0171】
融点:249−251℃
質量分析:423
インビトロPI3K−β阻害活性:B
インビトロPI3K−γ阻害活性:A
H−NMR(500MHz、DMSO−d6)δ:2.06(quint 2H J=7.3Hz)、2.46(t 2H J=7.3Hz)、4.01(s 3H)、4.24(t 2H J=9.0Hz)、4.29(t 2H J=7.3Hz)、4.45(t
2H J=9.0Hz)、6.18(s 1H)、7.36(d 1H J=9.1Hz)、7.70(dd 1H J=7.9Hz、5.0Hz)、8.14(d 1H J=9.1Hz)、8.56(br d 1H J=7.9Hz)、8.82(br d 1H J=5.0Hz)、9.34(s 1H)、12.34(s 1H)、14.57(s 1H)。
【0172】
実施例1−8:
2−[7−メトキシ−8−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソブトキシ)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1−ピリジン−3−イルエチルエノール
【0173】
【化41】

4−{[5−(2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル]オキシ}酪酸(実施例1−6)(20.0mg、0.044ミリモル)とモルホリン(19.0mg、0.22ミリモル)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.038mL、0.22ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL)に入れることで生じさせた溶液にPyBOP[ヘキサフルオロ燐酸(1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)(トリピロリジン−1−イル)ホスホニウム](34.0mg、0.065ミリモル)を加えて80℃で一晩撹拌した。この反応混合物を室温に冷却した後、水の中で注ぎ込んだ。その沈澱物を集めた後、水で洗浄することで表題の化合物(13.0mg)を白色固体として得た。収率60.7%。
【0174】
融点:234−235℃
質量分析:492
インビトロPI3K−β阻害活性:B
インビトロPI3K−γ阻害活性:A

H−NMR(500MHz、DMSO−d6)δ:2.03(quint 2H J=6.6Hz)、3.46(m 4H)、3.56(m 4H)、3.96(s 3H)、3.99(br d 2H J=8.2Hz)、4.05(br d 2H J=8.2Hz)、4.15(t 2H J=6.6Hz)、5.66(s 1H)、6.98(d J=8.8Hz)、7.50(dd 1H J=7.7Hz、4.7Hz)、7.57(d 1H J=8.8Hz)、8.29(br d 1H J=7.7Hz)、8.67(br d 1H J=4.7Hz)、9.14(s 1H)、13.76(s 1H)。
【0175】
この上に示した実施例1−1から1−8に従う方法と同様な方法で実施例1−9から1−210の化合物を合成した。
【0176】
【表1】

【0177】
【表2】

【0178】
【表3】

【0179】
【表4】

【0180】
【表5】

【0181】
【表6】

【0182】
【表7】

【0183】
【表8】

【0184】
【表9】

【0185】
【表10】

【0186】
【表11】

【0187】
【表12】

【0188】
【表13】

【0189】
【表14】

【0190】
【表15】

【0191】
【表16】

【0192】
【表17】

【0193】
【表18】

【0194】
【表19】

【0195】
【表20】

【0196】
【表21】

【0197】
【表22】

【0198】
【表23】

【0199】
【表24】

【0200】
【表25】

【0201】
【表26】

【0202】
【表27】

【0203】
【表28】

【0204】
【表29】

【0205】
【表30】

【0206】
【表31】

【0207】
【表32】

【0208】
【表33】

【0209】
【表34】

【0210】
【表35】

【0211】
【表36】

【0212】
【表37】

【0213】
【表38】

【0214】
【表39】

【0215】
【表40】

【0216】
【表41】

【0217】
【表42】

【0218】
【表43】

【0219】
【表44】

【0220】
【表45】

【0221】
【表46】

【0222】
【表47】

【表48】

実施例2−1:
N−(2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド
(1) 2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)アニリン
【0223】
【化42】

エチレンジアミン(25.5ml、381ミリモル)を0℃で撹拌しながらこれに2−アミノベンゾニトリル(9.00g、76.2ミリモル)を少しづつ加えた。五硫化燐(200mg、0.900ミリモル)を加えた後の混合物を100℃で一晩撹拌した。この反応物を0℃に冷却した後、水で希釈した。その結果として生じた白色沈澱物を濾過で集め、水そしてジエチルエーテルで洗浄した後、減圧下で乾燥させることで2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)アニリン(10.0g、収率81%)を得た。
【0224】
(2) 臭化水素酸2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イルアミン
【0225】
【化43】

2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)アニリン(5.00g、31.0ミリモル)を85%のメタノール(60ml)に入れることで生じさせた0℃の懸濁液に臭化シアン(3.61g、34.1ミリモル)を分割して加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物に濃縮を減圧下で受けさせた後、結果として生じた沈澱物を濾過で集めた。その淡緑色の固体を逐次的に水、メタノールそしてジエチルエーテルで洗浄した後、減圧下で乾燥させることで臭化水素酸2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イルアミン(4.94g、収率60%)を得た。
【0226】
(3) N−(2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド
【0227】
【化44】

臭化水素酸2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イルアミン(500mg、1.87ミリモル)とニコチン酸(346mg、2.81ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(25ml)に入れることで生じさせた室温の懸濁液にヘキサフルオロ燐酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム(1.46g、2.81リモル)に続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.30ml、7.49ミリモル)を加えた。この混合物を80℃に4時間加熱した。この混合物を室温に冷却した後、これに飽和NaHCO水溶液を用いたクエンチを受けさせた(quenched)。結果として生じた沈澱物を濾過で集め、水そしてジエチルエーテルで洗浄した後、減圧下で乾燥させることでN−(2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド(450mg、収率83%)を得た。
【0228】
融点:238−239℃(分解)
質量分析:292
インビトロPI3K−β阻害活性:B
インビトロPI3K−γ阻害活性:A
H−NMR(300MHz、DMSO−d6):d 4.00−4.11(2H、m)、4.11−4.21(2H、m)、7.29(1H、ddd、J=3.0、5.3、7.9Hz)、7.52(1H、dd、J=4.9、7.9Hz)、7.57−7.66(2H、m)、7.89(1H、d、J=7.9Hz)、8.42−8.48(1H、m)、8.73(1H、dd、J=1.9、4.9Hz)、9.32(1H、d、J=1.1Hz)、12.36(1H、s)。
【0229】
実施例2−2:
塩酸N−(2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド
【0230】
【化45】

N−(2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド(150mg、0.515ミリモル)をテトラヒドロフラン(4ml)に入れることで生じさせた0℃の懸濁液に1,4−ジオキサン中4Nの塩酸溶液(2ml、8ミリモル)を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。その結果として得た残留物をジエチルエーテルと一緒にして磨り潰した。結果として生じた沈澱物を濾過で集め、エチルエーテルで洗浄した後、減圧下で乾燥させることで塩酸N−(2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド(192mg、定量的)を得た。
【0231】
融点:289℃(分解)
質量分析:292
インビトロPI3K−β阻害活性:B
インビトロPI3K−γ阻害活性:A
H−NMR(300MHz、DMSO−d6):δ 4.18−4.30(2H、m)、4.54−4.65(2H、m)、7.56−7.65(1H、m)、7.88(1H、dd、J=4.9、7.9Hz)、7.97−8.10(2H、m)、8.64(1H、d、J=7.9Hz)、8.80(1H、d、J=7.9Hz)、8.95(1H、dd、J=1.5、5.3Hz)、9.43(1H、d、J=1.1Hz)、12.7−13.3(1H、br)。
【0232】
実施例2−3:
6−(アセトアミド)−N−[8−(モルホリン−4−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]ニコチンアミド
(1) 4−(モルホリン−4−イル)−2−ニトロベンゾニトリル
【0233】
【化46】

2,4−ジニトロベンゾニトリル(4.20g、21.75ミリモル)とモルホリン(5.7mL、66.0ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に入れることで生じさせた混合物を室温で20時間撹拌した。この反応混合物を水の中に注ぎ込んだ。その沈澱物を集めた後、水で洗浄することで表題の化合物をオレンジ色の固体として4.20g得た。収率74.5%。
【0234】
(2) 2−アミノ−4−(モルホリン−4−イル)ベンゾニトリル
【0235】
【化47】

塩化錫(II)二水化物(12.8g、56.7ミリモル)を濃HCl(40mL)に入れることで生じさせた混合物を氷浴で冷却しながらこれに4−(モルホリン−4−イル)−2−ニトロベンゾニトリル(4.20g、16.09ミリモル)を加えた後、室温で2時間撹拌した。この反応混合物を希NaOH溶液の中に注ぎ込んだ後、酢酸エチルで抽出した。その有機層を水そして食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。その粗生成物をジエチルエーテルで洗浄することで表題の化合物をオフホワイト(off−white)の固体として3.13g得た。収率95.0%。
【0236】
(3) [2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−5−(モルホリン−4−イル)フェニル]アミン
【0237】
【化48】

2−アミノ−4−(モルホリン−4−イル)ベンゾニトリル(3.65g、18.0ミリモル)をエチレンジアミン(20mL)に入れることで生じさせた溶液に五硫化燐(4.00mg、0.018ミリモル)を加えて140℃で16時間撹拌した。室温になるまで冷却した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を水そしてジエチルエーテルで洗浄することで表題の化合物をオフホワイトの固体として3.70g得た。収率83.5%。
【0238】
(4) 臭化水素酸8−(モルホリン−4−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−アミン
【0239】
【化49】

[2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−5−(モルホリン−4−イル)フェニル]アミン(3.60g、14.6ミリモル)を2−プロパノール(20mL)に入れることで生じさせた0℃の懸濁液に臭化シアン(2.32g、21.9ミリモル)を分割して加えた後、100℃で2時間撹拌した。室温になるまで冷却した後、沈澱物を集めてジエチルエーテルで洗浄することで表題の化合物を黄色固体として1.20g得た。収率77.5%。
【0240】
(5) 6−(アセトアミド)ニコチン酸
【0241】
【化50】

6−アミノニコチン酸(5.00g、36.5ミリモル)と無水酢酸(3.80mL、40.2ミリモル)をピリジン(30mL)に入れることで生じさせた混合物を140℃で24時間撹拌した。この反応混合物に酢酸エチルを加えた後、希HCl溶液で酸性にすることでpHを2にした。その有機層を水そして食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をジイソプロピルエーテルで洗浄することで表題の化合物をオフホワイトの固体として1.70g得た。収率26%。
【0242】
(6) 6−(アセトアミド)−N−[8−(モルホリン−4−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]ニコチンアミド
【0243】
【化51】

臭化水素酸8−(モルホリン−4−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−アミン(105.7mg、0.30ミリモル)と6−(アセトアミド)ニコチン酸(81.1mg、0.45ミリモル)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.26mL、1.50ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)に入れることで生じさせた混合物にPyBOP[ヘキサフルオロ燐酸(1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)(トリピロリジン−1−イル)ホスホニウム](234.2mg、0.45ミリモル)を加えて90℃で16時間撹拌した。室温になるまで冷却した後、飽和NaHCO溶液を加えた。その沈澱物を集めた後、水、メタノールそしてジエチルエーテルで洗浄することで表題の化合物を黄色固体として41.1mg得た。収率31.6%。
【0244】
融点:228℃
質量分析:434
インビトロPI3K−β阻害活性:C
インビトロPI3K−γ阻害活性:A
H−NMR(500MHz、DMSO−d6)δ:3.22−3.30(m 4H)、3.74(s 3H)、3.86(m 2H)、3.97(m 2H)、6.77(br s 1H)、7.60(m 1H)、8.07(m 1H)、8.32(m 1H)、8.95(br s 1H)、10.60(s 1H)。
【0245】
実施例2−4:
塩酸6−(アセトアミド)−N−[8−(モルホリン−4−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]ニコチンアミド
【0246】
【化52】

6−(アセトアミド)−N−[8−(モルホリン−4−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]ニコチンアミド(実施例2−3)(20.0mg、0.046ミリモル)を1,4−ジオキサン(1.5mL)に入れることで生じさせた混合物に1,4−ジオキサン中4NのHCl(0.5mL)を加えて室温で40分間撹拌した。その沈澱物を集めた後、ジエチルエーテルで洗浄することで表題の化合物を黄色固体として17.0mg得た。収率78%。
【0247】
融点:237℃
質量分析:434
インビトロPI3K−β阻害活性:B
インビトロPI3K−γ阻害活性:A
H−NMR(500MHz、DMSO−d6)δ:3.41−3.76(m 7H)、3.86(m 2H)、4.10(m 2H)、7.20(m 1H)、7.39(m 1H)、8.19(m 1H)、8.45(m 1H)、9.09(br s 1H)、10.86(s 1H)。
【0248】
実施例2−5:
N−(8−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド
【0249】
【化53】

N−(8−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド(実施例2−22)(3.50g、10.9ミリモル)と硫化ナトリウム(4.25g、54.5ミリモル)を1−メチル−2−ピロリジノン(10mL)に入れることで生じさせた懸濁液を160℃に4時間加熱した(LC−MSで出発材料が完全に消費されたことが分かった)。この混合物を室温に冷却した後、揮発性の副生成物を蒸発させた。この混合物をクロロホルムと0.5NのNaOH溶液の間で分離させた。その水層を中和した後、生じた沈澱物を集めることで表題の化合物をオフホワイトの固体として2.34g得た。収率69.9%。
【0250】
融点:289℃
質量分析:308
インビトロPI3K−β阻害活性:C
インビトロPI3K−γ阻害活性:B
H−NMR(500MHz、DMSO−d6)δ:4.01(m 2H)、4.15(m
2H)、6.75(dd 1H J=8Hz、2Hz)、6.91(s 1H)、7.52(dd 1H J=8Hz、5Hz)、7.75(d 1H J=8Hz)、8.44(d 1H J=8Hz)、8.73(dd 1H J=5Hz、2Hz)、9.31(s 1H)、10.61(br s 1H)、12.24(br s 1H)。
【0251】
実施例2−6:
N−{8−[2−(1−ピロリル)エトキシ]−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル}ニコチンアミド
【0252】
【化54】

N−(8−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド(実施例2−5)(70.0mg、0.23ミリモル)とN−(2−ブロモエチル)ピロール(47.6mg、0.27ミリモル)と炭酸カリウム(126mg、0.91ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に入れることで生じさせた懸濁液を密封管の中で120℃に3時間加熱した。この反応混合物を濃縮した後、ジクロロメタンと水の間で分離させた。その有機層を0.1NのNaOH溶液そして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた後、溶媒を蒸発させることで表題の化合物をオフホワイトの固体として49.0mg得た。収率54%。
【0253】
融点:209℃
質量分析:401
インビトロPI3K−β阻害活性:B
インビトロPI3K−γ阻害活性:B
H−NMR(500MHz、DMSO−d6)δ:4.00(m 2H)、4.12(m
2H)、4.30(s 4H)、6.00(m 2H)、6.84(m 2H)、6.85(dd 1H J=6Hz、2Hz)、7.27(d 1H J=2Hz)、7.52(dd 1H J=6Hz)、7.76(d 1H J=8Hz)、8.44(d 1H J=8Hz、2Hz)、8.72(dd 1H J=5Hz、2Hz)、9.31(s 1H)、12.32(s 1H)。
【0254】
この上に示した実施例2−1から2−6に従う方法と同様な方法で実施例2−7から2−368の化合物を合成した。
【0255】
【表49】

【0256】
【表50】

【0257】
【表51】

【0258】
【表52】

【0259】
【表53】

【0260】
【表54】

【0261】
【表55】

【0262】
【表56】

【0263】
【表57】

【0264】
【表58】

【0265】
【表59】

【0266】
【表60】

【0267】
【表61】

【0268】
【表62】

【0269】
【表63】

【0270】
【表64】

【0271】
【表65】

【0272】
【表66】

【0273】
【表67】

【0274】
【表68】

【0275】
【表69】

【0276】
【表70】

【0277】
【表71】

【0278】
【表72】

【0279】
【表73】

【0280】
【表74】

【0281】
【表75】

【0282】
【表76】

【0283】
【表77】

【0284】
【表78】

【0285】
【表79】

【0286】
【表80】

【0287】
【表81】

【0288】
【表82】

【0289】
【表83】

【0290】
【表84】

【0291】
【表85】

【0292】
【表86】

【0293】
【表87】

【0294】
【表88】

【0295】
【表89】

【0296】
【表90】

【0297】
【表91】

【0298】
【表92】

【0299】
【表93】

【0300】
【表94】

【0301】
【表95】

【0302】
【表96】

【0303】
【表97】

【0304】
【表98】

【0305】
【表99】

【0306】
【表100】

【0307】
【表101】

【0308】
【表102】

【0309】
【表103】

【0310】
【表104】

【0311】
【表105】

【0312】
【表106】

【0313】
【表107】

【0314】
【表108】

【0315】
【表109】

【0316】
【表110】

【0317】
【表111】

【0318】
【表112】

【0319】
【表113】

【0320】
【表114】

【0321】
【表115】

【0322】
【表116】

【0323】
【表117】

【0324】
【表118】

【0325】
【表119】

【0326】
【表120】

【0327】
【表121】

【0328】
【表122】

【0329】
【表123】

【0330】
【表124】

【0331】
【表125】

【0332】
【表126】

【0333】
【表127】

【0334】
【表128】

【0335】
【表129】

【0336】
【表130】

【0337】
【表131】

【0338】
【表132】

【0339】
【表133】

【0340】
【表134】

【0341】
【表135】

【表136】

【0342】
【表137】

実施例3−1:
(Z)−2−イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル−1−(2−チエニル)エテノール
(1) 2−(1H−イミダゾール−2−イル)アニリン
【0343】
【化55】

臭化水素酸2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)アニリン(50.0mg、0.207ミリモル)と二酸化マンガン(170mg、1.96ミリモル)をN,N’−ジメチルプロピレン尿素(2.0mL)に入れることで生じさせた混合物を150℃(浴温度)に加熱した。1時間後、その反応混合物を室温に冷却し、塩酸ヒドロキシルアミン(0.5g)を水(50mL)に入れることで生じさせた溶液の中に注ぎ込んだ後、結果として得た混合物を酢酸エチルで抽出した。その有機層を分離して食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後、減圧下で濃縮した。その粗残留物をイソプロピルエーテルと一緒にして磨り潰した後、その沈澱物を濾過で除去した。その濾液に濃縮を減圧下で受けさせた後、その残留物を調製用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤として酢酸エチル)で精製することで2−(1H−イミダゾール−2−イル)アニリン(20mg、収率61%)を得た。
【0344】
(2) 3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチル
【0345】
【化56】

2−チオフェンカルボン酸(6.48g、50.57ミリモル)をテトラヒドロフラン(100ml)に入れることで生じさせた5℃の懸濁液に1,1’−カルボニルジイミダゾール(8.61g、53.09ミリモル)を分割して加えた。この混合物を室温になるまで温めて撹拌を1時間継続した。この反応混合物を、塩化マグネシウム(4.86g、51.07ミリモル)と3−エトキシ−3−オキソプロピオン酸カリウム(12.91g、75.85ミリモル)をテトラヒドロフラン(50ml)に入れることで生じさせた懸濁混合物に加えた。撹拌を50℃で2時間そして室温で一晩行った後の反応混合物を水の中に注ぎ込んだ後、酢酸エチルで抽出した。その抽出液を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後、減圧下で濃縮した。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサンを15/85)で精製することで3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチル(7.83g、収率78%)を黄色油として得た。
【0346】
(3) (Z)−2−イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル−1−(2−チエニル)エテノール
【0347】
【化57】

2−(1H−イミダゾール−2−イル)アニリン(60.0mg、0.38ミリモル)と3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチル(74.7mg、0.38ミリモル)とp−トルエンスルホン酸一水化物(36.1mg、0.19ミリモル)をトルエン(30ml)に入れることで生じさせた混合物を還流に2時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却した後、飽和NaHCO水溶液の中に注ぎ込んで、結果として生じた混合物を酢酸エチルで抽出した。その抽出液を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後、減圧下で濃縮した。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサンを2/3−1/1)で精製することで(Z)−2−イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル−1−(2−チエニル)エテノール(37.0mg、収率33%)を黄色粉末として得た。
【0348】
融点:128℃
質量分析:294
インビトロPI3K−β阻害活性:
インビトロPI3K−γ阻害活性:D
H−NMR(300MHz、CDCl):d 6.11(1H、s)、7.16(1H、dd、J=3.8、4.9Hz)、7.34−7.41(2H、m)、7.53−7.60(3H、m)、7.64(1H、d、J=1.7Hz)、7.73(1H、dd、J=1.1、3.8Hz)、8.34(1H、dd、J=0.9、7.8Hz)、14.70(1H、bs)。
【0349】
実施例3−2
塩酸(Z)−2−イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル−1−(2−チエニル)エテノール
【0350】
【化58】

(Z)−2−イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル−1−(2−チエニル)エテノール(0.06g、0.07ミリモル)をクロロホルム(1.0ml)に入れることで生じさせた溶液に1,4−ジオキサン中4NのHCl溶液(0.5ml)を加えた。この混合物をエチルエーテルで希釈した後、結果として生じた沈澱物を濾過で集め、エチルエーテルで洗浄した後、減圧下で乾燥させることで塩酸(Z)−2−イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル−1−(2−チエニル)エテノール(0.07g、定量的)を黄色固体として得た。
【0351】
融点:263℃(分解)
質量分析:294
インビトロPI3K−β阻害活性:
インビトロPI3K−γ阻害活性:D
H−NMR(300MHz、DMSO−d6):δ 6.79(1H、s)、7.28(1H、dd、J=3.8、4.9Hz)、7.45(1H、t、J=7.0Hz)、7.66−7.77(2H、m)、7.82(1H、d、1.7)、7.91(1H、dd、J=1.1、5.0Hz)、8.17(1H、dd、J=1.1、3.8Hz)、8.30(1H、dd、J=1.0、8.0Hz)、8.62(1H、d、J=1.7Hz)、14.36(1H、br)。
【0352】
実施例4−1:
N−イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イルニコチンアミド
【0353】
(1) イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−アミン
【0354】
【化59】

2−(1H−イミダゾール−2−イル)アニリン(0.06g、0.38ミリモル)をメタノール(3ml)に入れることで生じさせた溶液に臭化シアン(0.05g、0.45ミリモル)を加えた。その結果として得た混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を水の中に注ぎ込んだ後、結果として生じた沈澱物を濾過で集め、アセトンで洗浄した後、減圧下で乾燥させることで臭化水素酸イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−アミン(0.06g、収率61%)を白色固体として得た。
【0355】
(2) N−イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イルニコチンアミド
【0356】
【化60】

臭化水素酸イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−アミン(93mg、0.35ミリモル)とニコチン酸(124mg、1.01ミリモル)とDMF(2.5ml)から生じさせた室温の混合物にヘキサフルオロ燐酸ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム(525mg、1.01ミリモル)に続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.264ml、1.51ミリモル)を加えた後、この混合物を80℃で6時間撹拌した。この反応混合物を室温に冷却した後、飽和NaHCO水溶液の中に注ぎ込んだ。結果として生じた沈澱物を濾過で集め、アセトンで洗浄した後、減圧下で乾燥させることでN−イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イルニコチンアミド(40mg、収率39%)を白色固体として得た。
【0357】
融点:223−224℃(分解)
質量分析:290
インビトロPI3K−β阻害活性:インビトロPI3K−γ阻害活性:C
H−NMR(300MHz、DMSO−d6):d 7.53−7.62(3H、m)、7.70(1H、t、J=7.34Hz)、8.00(1H、d、J=8.10Hz)、8.30(1H、d、J=7.91Hz)、8.44(1H、s)、8.63(1H、d、J=7.72Hz)、8.81(1H、dd、J=1.5、4.7Hz)、9.49(1H、s)、13.49(1H、br)。
【0358】
実施例4−2
塩酸N−イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イルニコチンアミド
【0359】
【化61】

N−イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イルニコチンアミド(40mg、0.14ミリモル)をメタノール(20ml)に入れることで生じさせた溶液に1,4−ジオキサン中4NのHCl溶液(0.5ml)を加えた。この混合物に濃縮を減圧下で受けさせた。その結果として得た固体を濾過で集め、テトラヒドロフランで洗浄した後、減圧下で乾燥させることで塩酸N−イミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イルニコチンアミド(40mg、収率89%)を白色固体として得た。
【0360】
融点:228℃(分解)
質量分析:290
インビトロPI3K−β阻害活性:
インビトロPI3K−γ阻害活性:C
H−NMR(300MHz、DMSO−d6):δ 7.60(2H、br)、7.65(1H、t、J=7.5Hz)、7.82(1H、dd、J=7.3、8.1Hz)、7.92(1H、s)、8.02(1H、dd、J=5.5、7.9Hz)、8.54(1H、d、J=8.3Hz)、8.73(1H、s)、9.02(1H、dd、J=1.3、5.3Hz)、9.07(1H、d、J=7.53Hz)、9.67(1H、s)。
【表138】

【表139】

【表140】

【表141】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

{式中、
Xは、CRまたはNHを表し、
は、CRまたはNを表し、
【化2】

間の化学結合は、単結合または二重結合を表すが、但し
【化3】

が二重結合を表す時にはYおよびYが独立してCRまたはNを表しそして
【化4】

が単結合表す時にはYおよびYが独立してCRまたはNRを表すことを条件とし、
、Z、ZおよびZは、独立して、CH、CRまたはNを表し、
は、場合によりR11から選択される1から3個の置換基を持っていてもよいアリール、場合によりR11から選択される1から3個の置換基を持っていてもよいC3−8シクロアルキル、場合によりアリール、ヘテロアリール、C1−6アルコキシアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシまたは1個以上のハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル、場合によりカルボキシ、アリール、ヘテロアリール、C1−6アルコキシアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシまたは1個以上のハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルコキシ、または場合によりR11から選択される1から3個の置換基を持っていてもよくかつN、OおよびSから成る群から選択されるハロゲン原子を1から3個含有する3から15員の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式環を表し、
ここで、
11は、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(ホルミル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アルカンスルホニル)アミノ、N−(カルボキシC1−6アルキル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノ、N−[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノメチレン]アミノ、N−[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ(C1−6アルキル)メチレン]アミノ、N−[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノC2−6アルケニル]アミノ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニル、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルカンスルホニル、スルファモイル、C1−6アルコキシカルボニル、N−アリールアミノ[ここで、前記アリール部分は場合によりR101、N−(アリールC1−6アルキル)アミノ(ここで、前記アリール部分は場合によりR101、アリールC1−6アルコキシカルボニル(ここで、前記アリール部分は場合によりR101から選択される置換基を1から3個持っていてもよい)から選択される置換基を1から3個持っていてもよい)から選択される置換基を1から3個持っていてもよい]、場合によりモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノで置換されていてもよいC1−6アルキル、場合によりモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、N−(C1−6アルキル)スルホンアミドまたはN−(アリール)スルホンアミドで置換されていてもよいC1−6アルコキシ、またはO、SおよびNから成る群から選択されるヘテロ原子を1から3個有しかつ場合によりR101から選択される置換基を1から3個持っていてもよい5から7員の飽和もしくは不飽和環を表し、
ここで、
101は、ハロゲン、カルボキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニル、NN−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、ピリジル、場合によりシアノまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル、および場合によりシアノ、カルボキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニル、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、
は、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アシルオキシ、アミノC1−6アシルオキシ、C2−6アルケニル、アリール、O、SおよびNから成る群から選択されるヘテロ原子を1から3個有しかつ場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、オキソ、アミノ、アミノC1−6アルキル、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルキル)カルボニルアミノ、フェニル、フェニルC1−6アルキル、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノで置換されていてもよい5−7員の飽和もしくは不飽和複素環式環、−C(O)−R20[ここで、R20は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、またはO、SおよびNから成る群から選択されるヘテロ原子を1から3個有しかつ場合によりC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、オキソ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、フェニルまたはベンジルで置換されていてもよい5−7員の飽和もしくは不飽和複素環式環を表す]、場合によりR21で置換されていてもよいC1−6アルキル、または場合によりR21で置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、
ここで、
21は、シアノ、モノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N−(ハロフェニルC1−6アルキル)アミノ、アミノC2−6アルケニル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(O)−R201、−NHC(O)−R201、C3−8シクロアルキル、イソインドリノ、フタリミジル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジニル、アリール、またはO、SおよびNから成る群から選択されるヘテロ原子を1から4個有しかつ場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、オキソ、アミノ、アミノC1−6アルキル、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノまたはベンジルで置換されていてもよい5もしくは6員の飽和もしくは不飽和複素環式環を表し、
ここで、
201は、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ハロフェニルC1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、アミノC2−6アルケニル、C1−6アルコキシ、O、SおよびNから成る群から選択されるヘテロ原子を1から4個有しかつ場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、オキソ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノまたはベンジルで置換されていてもよい5もしくは6員の飽和もしくは不飽和複素環式環を表し、
は、水素、ハロゲン、アミノカルボニル、または場合によりアリールC1−6アルコキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキルを表し、
は、水素またはC1−6アルキルを表し、
は、水素またはC1−6アルキルを表し、そして
は、ハロゲン、水素またはC1−6アルキルを表す}
で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩。
【請求項2】
XがCRまたはNHを表し、
がCRまたはNを表し、
【化5】

間の化学結合が単結合または二重結合を表すが、但し
【化6】

が二重結合を表す時にはYおよびYが独立してCRまたはNを表しそして
【化7】

が単結合表す時にはYおよびYが独立してCRまたはNRを表すことを条件とし、
、Z、ZおよびZが独立してCH、CRまたはNを表し、
が場合によりモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、フェニル、メトキシフェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されていてもよいC1−6アルキル、場合によりモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、フェニル、メトキシフェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されていてもよいC1−6アルコキシ、またはシクロプロピル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、ピラゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、イソイミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,5−トリアゾール、1,3,4−トリアゾール、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1−ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、インダゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、キノリニルおよび1,8−ナフチリジニルから成る群から選択される炭素環状および複素環式環の中の1つを表し、
ここで、
前記炭素環状および複素環式環が場合によりヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノ、N−(ホルミル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、N[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノメチレン]アミノ、N[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ(C1−6アルキレン)メチレン]アミノ、N−[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノC2−6アルケニル]アミノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルカンスルホニル、スルファモイル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、フェニルC1−6アルコキシカルボニル、場合によりピリジルで置換されていてもよいチアゾリル、場合によりC1−6アルキルまたはC1−6アルコキシで置換されていてもよいピペラジニル、および場合によりモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキルから成る群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、
がヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、C2−6アルケニル、C1−6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−6アシルオキシ、アミノC1−6アシルオキシ、フリル、モルホリノ、フェニル、ピペリジノ、アリール、場合によりC1−6アシルアミノで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、カルボキシ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルで置換されていてもよいピペリジノ、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニル、場合によりシアノ、モノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、C3−6シクロアルキル、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、フタリミジル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジニル、フェニル、−C(O)−R201、場合によりC1−6アシルアミノで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、カルボキシ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルで置換されていてもよいピペリジノまたは場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニルで置換されていてもよいC1−6アルキルを表し、
ここで、
201がヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ハロベンジル)アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、場合によりC1−6アシルアミノで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、カルボキシ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルで置換されていてもよいピペリジノ、または場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニル、場合によりシアノ、モノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルコキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、ピロリル、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、フタリミジル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジニル、フェニル、−C(O)−R201で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、場合によりC1−6アシルアミノで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、カルボキシ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルで置換されていてもよいピペリジノ、または場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニルを表し、
ここで、
201がヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ハロベンジル)アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノC2−6アルケニル、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、場合によりC1−6アシルアミノで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシ、C1−6アルキル、カルボキシ、アミノカルボニル、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニルまたはN,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルで置換されていてもよいピペリジノ、または場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニルを表し、
が水素、ハロゲン、場合によりアミノカルボニル、アリールC1−6アルコキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキルを表し、
が水素またはC1−6アルキルを表し、
が水素またはC1−6アルキルを表し、そして
が水素、ハロゲンまたはC1−6アルキルを表す、
請求項1記載の式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩。
【請求項3】
XがCRまたはNHを表し、
がNを表し、
およびYがCRを表し、
【化8】

間の化学結合が単結合を表し、
がCHを表し、
、ZおよびZが独立してCH、CRまたはNを表し、
が場合によりモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲン、フェニル、メトキシフェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されていてもよいC1−6アルキル、場合によりフェニル、フェノキシ、チエニルまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルコキシ、またはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、ピラゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、イソイミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1−ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、インダゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、キノリニルおよび1,8−ナフチリジニルから成る群から選択される炭素環状および複素環式環の中の1つを表し、
ここで、
前記炭素環状および複素環式環が場合によりヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノ、N−(ホルミル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ(C2−6アルケニル)アミノ、N−(C1−6アルカン)スルホニルアミノ、N[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノメチレン]アミノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルカンスルホニル、スルファモイル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、フェニルC1−6アルコキシカルボニル、場合によりピリジルで置換されていてもよいチアゾリル、場合によりC1−6アルキルまたはC1−6アルコキシで置換されていてもよいピペラジニル、および場合によりモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキルから成る群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、
がハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、(C2−6)アルケニル、C1−6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、フリル、ピペリジノ、モルホリノ、フェニル、場合によりN−(C1−6アシル)アミノまたはN−(C1−6アルキル)カルボニルアミノで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいピペリジノ、場合によりC1−6アルキル、フェニルC1−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニルまたはアミノカルボニルで置換されていてもよいピペラジニル、場合によりアミノ、シアノ、C1−6アルコキシカルボニル、モルホリノまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル、または場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アシル、C1−6アルコキシカルボニル、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノカルボニル、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノC1−6アルキルカルボニル、N−(ハロベンジル)アミノカルボニル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキル、モルホリノ、モルホリノカルボニル、ピロリジニル、ピロリル、ピペリジノ、フタリミジルまたは場合によりベンジルで置換されていてもよいピペラジニルで置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、
が水素を表し、
が水素を表し、
が水素を表し、そして
が水素を表す、
請求項1記載の式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩。
【請求項4】
XがCRまたはNHを表し、
がNを表し、
およびYがCRを表し、
【化9】

間の化学結合が単結合を表し、
がCHを表し、
、ZおよびZが独立してN、CHまたはCRを表し、
がシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−フリル、3−フリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピペラジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3−ベンゾチアゾリル、キノリル、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよい1H−ピロール−2−イル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよい1H−ピロール−3−イル、場合により1または2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいピラゾリル、場合により1または2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいイソキサゾリル、場合によりクロロ、ニトロ、シアノまたはC1−6アルキルで置換されていてもよい2−チエニル、場合によりクロロ、ニトロ、シアノまたはC1−6アルキルで置換されていてもよい3−チエニル、場合によりC1−6アルコキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルで置換されていてもよいピペリジニル、場合によりフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ホルミル)−N−C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルカンスルホニル、スルファモイル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよび場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニルから成る群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいフェニル、場合によりクロロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルカン)スルホニルアミノ、N[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノメチレン]アミノおよび場合によりトリハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキルから成る群から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいピリジル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピラジニル、場合によりC1−6アルキル、ピリジルおよびN−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノから成る群から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい1,3−チアゾリル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいインドリル、場合によりC1−6アルキルまたはトリ−ハロC1−6アルキルで置換されていてもよいベンズイミダゾリル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよい1,2,3−ベンゾトリアゾリル、場合によりC1−6アルキル(場合によりトリハロゲンで置換されていてもよい)で置換されていてもよい1,8−ナフチリジニル、場合によりトリ−ハロゲン、フェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されていてもよいC1−6アルキル、または場合によりフェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、
がフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、ビニル、シアノ、アミノ、アミノアセトキシ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、2−フリル、ピペリジノ、モルホリノ、フェニル、場合によりアセトアミドで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいピペリジノ、場合によりメチル、ベンジル、C1−6アルコキシカルボニルまたはアミノカルボニルで置換されていてもよいピペラジニル、場合によりシアノ、トリ−フルオロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、アミノカルボニル、t−ブトキシカルボニル、テトラヒドロピラニルまたはモルホリノで置換されていてもよいC1−6アルキル、場合によりヒドロキシ、シアノ、メトキシ、メトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、カルボキシ、アミノアセチル、ジメチルアミノ、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、フルオロベンジルアミノカルボニル、シクロプロピル、ピロリジニル、ピペリジノ、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、モルホリノカルボニル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−4−イル、フタリミジ−N−イルまたはヒドロキシC1−6アルキレンオキシで置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、Rが水素を表し、
が水素を表し、
が水素を表し、そして
が水素を表す、
請求項1記載の式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩。
【請求項5】
XがCRまたはNHを表し、
がNを表し、
およびYがCRを表し、
【化10】

間の化学結合が単結合を表し、
およびZがCHを表し、
およびZが独立してCHまたはCRを表し、
がシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−フリル、3−フリル、イミダゾリル、1H−ピロール−2−イル、1H−ピロール−3−イル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピペラジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3−ベンゾチアゾリル、キノリル、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピロリル、場合により1または2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいピラゾリル、場合により1または2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいイソキサゾリル、場合によりクロロ、ニトロ、シアノまたはC1−6アルキルで置換されていてもよい2−チエニル、場合によりクロロ、ニトロ、シアノまたはC1−6アルキルで置換されていてもよい3−チエニル、場合によりC1−6アルコキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルで置換されていてもよいピペリジニル、場合によりフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ホルミル)−N−C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルカンスルホニル、スルファモイル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよび場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニルから成る群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいフェニル、場合によりクロロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルカン)スルホニルアミノ、N[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノメチレン]アミノおよび場合によりトリハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキルから成る群から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいピリジル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピラジニル、場合によりC1−6アルキル、ピリジルおよびN−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノから成る群から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい1,3−チアゾリル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいインドリル、場合によりC1−6アルキルまたはトリ−ハロC1−6アルキルで置換されていてもよいベンズイミダゾリル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよい1,2,3−ベンゾトリアゾリル、場合によりC1−6アルキル(場合によりトリハロゲンで置換されていてもよい)で置換されていてもよい1,8−ナフチリジニル、場合によりトリ−ハロゲン、フェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されていてもよいC1−6アルキル、またはフェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されているC1−6アルコキシを表し、
がフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、ビニル、シアノ、アミノ、アミノアセトキシ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、2−フリル、ピペリジノ、モルホリノ、フェニル、場合によりアセトアミドで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいピペリジノ、場合によりメチル、ベンジル、C1−6アルコキシカルボニルまたはアミノカルボニルで置換されていてもよいピペラジニル、場合によりシアノ、トリ−フルオロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、アミノカルボニル、t−ブトキシカルボニル、テトラヒドロピラニルまたはモルホリノで置換されていてもよいC1−6アルキル、または場合によりヒドロキシ、シアノ、メトキシ、メトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、カルボキシ、アミノアセチル、ジメチルアミノ、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、フルオロベンジルアミノカルボニル、シクロプロピル、ピロリジニル、ピペリジノ、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、モルホリノカルボニル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−4−イル、フタリミジ−N−イルまたはヒドロキシC1−6アルキレンオキシで置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、
が水素を表し、
が水素を表し、
が水素を表し、そして
が水素を表す、
請求項1記載の式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩。
【請求項6】
XがCRまたはNHを表し、
がNを表し、
およびYがCRを表し、
【化11】

間の化学結合が単結合を表し、
およびZがCHを表し、
およびZが独立してCHまたはCRを表し、
がシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−フリル、3−フリル、イミダゾリル、1H−ピロール−2−イル、1H−ピロール−3−イル、ピリミジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3−ベンゾチアゾリル、キノリル、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピロリル、場合により1または2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいピラゾリル、場合により1または2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいイソキサゾリル、場合によりクロロ、ニトロ、シアノまたはC1−6アルキルで置換されていてもよい2−チエニル、場合によりクロロ、ニトロ、シアノまたはC1−6アルキルで置換されていてもよい3−チエニル、場合によりC1−6アルコキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルで置換されていてもよいピペリジニル、場合によりフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ホルミル)−N−C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルカンスルホニル、スルファモイル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよび場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピペラジニルから成る群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいフェニル、場合によりクロロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、アミノ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アシル)アミノ、N−(C1−6アルカン)スルホニルアミノ、N[N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノメチレン]アミノ、C1−6アルコキシフェニルC1−6アルコキシおよび場合によりトリハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキルから成る群から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいピリジル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいピラジニル、場合によりC1−6アルキル、ピリジルおよびN−(C1−6アルコキシカルボニル)アミノから成る群から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい1,3−チアゾリル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいインドリル、場合によりC1−6アルキルまたはトリ−ハロC1−6アルキルで置換されていてもよいベンズイミダゾリル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよい1,2,3−ベンゾトリアゾリル、場合によりC1−6アルキル(場合によりトリハロゲンで置換されていてもよい)で置換されていてもよい1,8−ナフチリジニル、場合によりトリ−ハロゲン、フェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されていてもよいC1−6アルキル、またはフェニル、フェノキシまたはチエニルで置換されているC1−6アルコキシを表し、
がフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、ビニル、シアノ、アミノ、アミノアセトキシ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−ジ(C1−6アルキル)アミノ、N−(ヒドロキシC1−6アルキル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、2−フリル、ピペリジノ、モルホリノ、フェニル、場合によりアセトアミドで置換されていてもよいピロリジニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいピペリジノ、場合によりメチル、ベンジル、C1−6アルコキシカルボニルまたはアミノカルボニルで置換されていてもよいピペラジニル、場合によりシアノ、トリ−フルオロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、アミノカルボニル、t−ブトキシカルボニル、テトラヒドロピラニルまたはモルホリノで置換されていてもよいC1−6アルキル、または場合によりヒドロキシ、シアノ、メトキシ、メトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、カルボキシ、アミノアセチル、ジメチルアミノ、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、フルオロベンジルアミノカルボニル、シクロプロピル、ピロリジニル、ピペリジノ、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、モルホリノカルボニル、テトラゾリル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−4−イル、フタリミジ−N−イルまたはヒドロキシC1−6アルキレンオキシで置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、
が水素を表し、
が水素を表し、
が水素を表し、そして
が水素を表す、
請求項1記載の式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩。
【請求項7】
XがCRまたはNHを表し、
がNを表し、
およびYがCRを表し、
【化12】

間の化学結合が単結合を表し、
およびZがCHを表し、
およびZが独立してCHまたはCRを表し、
が3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、ベンズイミダゾリル、場合によりヒドロキシ、アミノ、アセトアミド、メトキシベンジルオキシまたはメチルスルホニルアミノで置換されていてもよいピリジル、または場合により1または2個のメチルで置換されていてもよい1,3−チアゾリルを表し、
がフルオロ、クロロ、ブロモ、モルホリノ、ピペラジニル、メチルピペラジニル、メチル、トリ−フルオロメチル、または場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ジメチルアミノカルボニル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、モルホリノカルボニル、テトラゾリルまたはフタリミジ−N−イルで置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、
が水素を表し、
が水素を表し、
が水素を表し、そして
が水素を表す、
請求項1記載の式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩。
【請求項8】
XがCRまたはNHを表し、
がNを表し、
およびYがCRを表し、
【化13】

間の化学結合が単結合を表し、
、ZおよびZがCHを表し、
がCRを表し、
が3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、ベンズイミダゾリル、場合によりヒドロキシ、アミノ、アセトアミド、メトキシベンジルオキシまたはメチルスルホニルアミノで置換されていてもよいピリジル、または場合により1または2個のメチルで置換されていてもよい1,3−チアゾリルを表し、
がフルオロ、クロロ、ブロモ、モルホリノ、ピペラジニル、メチルピペラジニル、メチル、トリ−フルオロメチル、場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ジメチルアミノカルボニル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、モルホリノカルボニル、テトラゾリルまたはフタリミジ−N−イルで置換されていてもよいC1−6アルコキシを表し、
が水素を表し、
が水素を表し、
が水素を表し、そして
が水素を表す、
請求項1記載の式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩。
【請求項9】
前記誘導体が下記の化合物:
N−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
2−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−ピリジン−3−イルエチルエノール;
N−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
6−(アセトアミド)−N−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
N−{5−[2−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−ヒドロキシビニル]ピリジン−2−イル}アセトアミド;
2−({5−[2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル]−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル}オキシ)−N,N−ジメチルアセトアミド;
2−[7−メトキシ−8−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメトキシ)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1−ピリジン−3−イルエチルエノール;
2−[8−(2−ヒドロキシエトキシ)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1−ピリジン−3−イルエチルエノール;({5−[2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル]−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル}オキシ)酢酸;
4−({5−[2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル]−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル}オキシ)酪酸;
({5−[2−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルビニル]−7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−8−イル}オキシ)アセトニトリル;
2−[7−メトキシ−8−(2H−テトラゾール−5−イルメトキシ)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1−ピリジン−3−イルエチルエノール;
2−[7−メトキシ−8−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソブトキシ)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1−ピリジン−3−イルエチルエノール;
5−[1−ヒドロキシ−2−(8−モルホリン−4−イル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ビニル]ピリジン−3−オール;
N−(2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−5−ヒドロキシニコチンアミド;
6−(アセトアミド)−N−(7,9−ジメトキシ−8−メチル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
N−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−5−ヒドロキシニコチンアミド;
5−ヒドロキシ−N−(7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
N−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−5−[(4−メトキシベンジル)オキシ]ニコチンアミド;
N−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−5−ヒドロキシニコチンアミド;
5−ヒドロキシ−N−[8−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]ニコチンアミド;
N−{8−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロポキシ]−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル}ニコチンアミド;
N−(7−ブロモ−8−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
6−アミノ−N−(8−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
1−(1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)エチルエノール;
2−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)エチルエノール;
N−(9−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−(8−ブロモ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
N−(8−ブロモ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−(8−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−(8−メチル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−[8−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−(7−フルオロ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−(7−メトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
N−(8−クロロ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
6−(アセトアミド)−N−(8−モルホリン−4−イル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
1−(1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−(8−モルホリン−4−イル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)エチルエノール;
N−{5−[1−ヒドロキシ−2−(8−モルホリン−4−イル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ビニル]ピリジン−2−イル}アセトアミド;
6−メチル−N−(8−モルホリン−4−イル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)ニコチンアミド;
1−(1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−[8−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]エチルエノール;
N−(2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキサミド;
N−(7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキサミド;
N−[7−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−(7,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド;
N−{5−[2−(7,9−ジメトキシ−8−メチル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−ヒドロキシビニル]ピリジン−2−イル}アセトアミド;
N−{5−[2−(7−ブロモ−9−メチル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−ヒドロキシビニル]ピリジン−2−イル}アセトアミド;および
2−(8,9−ジメトキシ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリン−5−イル)−1−ピリジン−3−イルエチルエノール;
から成る群から選択される請求項1記載の式(I)で表される縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または塩。
【請求項10】
請求項1記載の縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または生理学的に受け入れられる塩を活性材料として含んで成る薬剤。
【請求項11】
更に薬学的に受け入れられる1種以上の賦形剤も含んで成る請求項10記載の薬剤。
【請求項12】
前記縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または生理学的に受け入れられる塩がPI3K阻害剤である請求項10記載の薬剤。
【請求項13】
前記縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または生理学的に受け入れられる塩がPI3K−γ阻害剤である請求項10記載の薬剤。
【請求項14】
炎症性または免疫調節性疾患を予防および/または治療するための請求項10記載の薬剤。
【請求項15】
喘息、鼻炎、アレルギー性疾患、自己免疫病、関節リューマチ、グレーブス病およびアテローム性動脈硬化症を予防および/または治療するための請求項14記載の薬剤。
【請求項16】
神経変性障害、アルツハイマー病または局所性虚血を予防および/または治療するための請求項10記載の薬剤。
【請求項17】
糖尿病、癌、心筋収縮能障害、心不全、虚血、肺高血圧症、腎不全または心臓肥大を予防および/または治療するための請求項10記載の薬剤。
【請求項18】
炎症性疾患または病を治療および/または予防するための薬剤を製造する目的で請求項1記載の縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または生理学的に受け入れられる塩を用いる使用。
【請求項19】
喘息、鼻炎、アレルギー性疾患または自己免疫病を治療および/または予防するための薬剤を製造する目的で請求項1記載の縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または生理学的に受け入れられる塩を用いる使用。
【請求項20】
糖尿病、癌、心筋収縮能障害、心不全、虚血、肺高血圧症、腎不全および心臓肥大を治療および/または予防するための薬剤を製造する目的で請求項1記載の縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または生理学的に受け入れられる塩を用いる使用。
【請求項21】
PI3K活性に関連した疾患または病気を治療および/または予防するための薬剤を製造する目的で請求項1記載の縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または生理学的に受け入れられる塩を用いる使用。
【請求項22】
PI3K−γ活性に関連した疾患または病気を治療および/または予防するための薬剤を製造する目的で請求項1記載の縮合アゾールピリミジン誘導体、これの互変異性体もしくは立体異性体形態または生理学的に受け入れられる塩を用いる使用。
【請求項23】
ヒトおよび動物における炎症性疾患または病を抑える方法であって、請求項1記載の化合物をPI3K阻害有効量で投与することによる方法。
【請求項24】
ヒトおよび動物における炎症性疾患または病を抑える方法であって、請求項1記載の化合物をPI3K−γ阻害有効量で投与することによる方法。
【請求項25】
ヒトおよび動物における喘息、鼻炎、アレルギー性疾患または自己免疫病を抑える方法であって、請求項1記載の化合物をPI3K−γ阻害有効量で投与することによる方法。
【請求項26】
ヒトおよび動物における糖尿病、癌、心筋収縮能障害、心不全、虚血、肺高血圧症、腎不全および心臓肥大を抑える方法であって、請求項1記載の化合物をPI3K−γ阻害有効量で投与することによる方法。

【公表番号】特表2006−508063(P2006−508063A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−538935(P2004−538935)
【出願日】平成15年9月18日(2003.9.18)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010377
【国際公開番号】WO2004/029055
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
WINDOWS
【出願人】(503211596)バイエル・フアーマシユーチカルズ・コーポレーシヨン (46)
【Fターム(参考)】