縮合複素環化合物
【課題】チロシンキナーゼ阻害剤または癌の予防・治療剤として有用な化合物の提供。
【解決手段】式:
[式中、WはC(R1)またはNを、Aはそれぞれ置換されていてもよいアリール基またはヘテロアリール基を、X1は−NR3−Y1−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−または−CHR3−を、R1は水素または炭素、窒素もしくは酸素を介して結合し、置換されていてもよい基を、R2は水素または炭素もしくは硫黄を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。あるいは、R1とR2、またはR2とR3はそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。]で表される化合物またはその塩。
【解決手段】式:
[式中、WはC(R1)またはNを、Aはそれぞれ置換されていてもよいアリール基またはヘテロアリール基を、X1は−NR3−Y1−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−または−CHR3−を、R1は水素または炭素、窒素もしくは酸素を介して結合し、置換されていてもよい基を、R2は水素または炭素もしくは硫黄を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。あるいは、R1とR2、またはR2とR3はそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。]で表される化合物またはその塩。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】
[式中、WはC(R1)またはNを、
Aはそれぞれ置換されていてもよいアリール基またはヘテロアリール基を、
X1は−NR3−Y1−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−または−CHR3−
(式中、R3は水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3はAで表されるアリール基またはヘテロアリール基上の炭素原子またはヘテロ原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Y1は単結合またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−4アルキレンもしくは−O−(C1−4アルキレン)−を表す)を示す。
R1は水素原子または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を、R2は水素原子または炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R1とR2、またはR2とR3はそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。]で表される化合物(但し、式
【化2】
で示される化合物およびN−{2−[4−({3−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エチル}−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミドを除く)またはその塩。
【請求項2】
WがC(R1)である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Aが式−Y2−B(式中、Y2は単結合、−O−、−O−(C1−3アルキレン)−、−NH−または−S−を、Bはそれぞれ置換されていてもよい、アリール基、複素環基、C3−8シクロアルキル基、カルバモイル基、ウレイド基、C6−18アリール−カルボニル基またはC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基で置換され、さらに置換されていてもよいアリール基である請求項2記載の化合物。
【請求項4】
R1が式−X2−R4(式中、X2は単結合、−NH−または−O−を、R4は水素原子、シアノ基、またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−8アルキル基、C2−8アルケニル基、C2−8アルキニル基、カルバモイル基、C1−8アルキル−カルボニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−18アリール基、C6−18アリール−C1−4アルキル基、C6−18アリール−カルボニル基、C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基、複素環基、複素環−C1−4アルキル基、複素環−カルボニル基もしくは複素環−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基である請求項2記載の化合物。
【請求項5】
R2が水素原子またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−8アルキル基、C2−8アルケニル基、C2−8アルキニル基、カルバモイル基、C1−8アルキル−カルボニル基、C1−8アルキルスルホニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−18アリール基、C6−18アリール−C1−4アルキル基、C6−18アリール−カルボニル基、C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基、C6−18アリール−スルホニル基、複素環基、複素環−C1−4アルキル基、複素環−カルボニル基もしくは複素環−C1−4アルキル−カルボニル基である請求項2記載の化合物。
【請求項6】
X1が−NR3−(式中、R3は水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表す)である請求項2記載の化合物。
【請求項7】
Aが式−Y2−B(式中、Y2は単結合、−O−、−O−(C1−3アルキレン)−、−NH−または−S−を、Bはそれぞれ置換されていてもよい、アリール基、複素環基、C3−8シクロアルキル基、カルバモイル基、ウレイド基、C6−18アリール−カルボニル基またはC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基で置換され、さらに置換されていてもよいアリール基であり;
R1が式−X2−R4(式中、X2は単結合、−NH−または−O−を、R4は水素原子、シアノ基、またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−8アルキル基、C2−8アルケニル基、C2−8アルキニル基、カルバモイル基、C1−8アルキル−カルボニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−18アリール基、C6−18アリール−C1−4アルキル基、C6−18アリール−カルボニル基、C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基、複素環基、複素環−C1−4アルキル基、複素環−カルボニル基もしくは複素環−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基であり;
R2が水素原子またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−8アルキル基、C2−8アルケニル基、C2−8アルキニル基、カルバモイル基、C1−8アルキル−カルボニル基、C1−8アルキルスルホニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−18アリール基、C6−18アリール−C1−4アルキル基、C6−18アリール−カルボニル基、C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基、C6−18アリール−スルホニル基、複素環基、複素環−C1−4アルキル基、複素環−カルボニル基もしくは複素環−C1−4アルキル−カルボニル基であり;
X1が−NR3−(式中、R3は水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表す)である請求項2記載の化合物。
【請求項8】
WがNである請求項1記載の化合物。
【請求項9】
Aが式−Y2−B(式中、Y2は単結合、−O−、−O−(C1−3アルキレン)−、−NH−または−S−を、Bはそれぞれ置換されていてもよい、アリール基、複素環基、C3−8シクロアルキル基、カルバモイル基、ウレイド基、C6−18アリール−カルボニル基またはC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基で置換され、さらに置換されていてもよいアリール基である請求項8記載の化合物。
【請求項10】
R2が水素原子またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−8アルキル基、C2−8アルケニル基、C2−8アルキニル基、カルバモイル基、C1−8アルキル−カルボニル基、C1−8アルキルスルホニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−18アリール基、C6−18アリール−C1−4アルキル基、C6−18アリール−カルボニル基、C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基、C6−18アリール−スルホニル基、複素環基、複素環−C1−4アルキル基、複素環−カルボニル基もしくは複素環−C1−4アルキル−カルボニル基である請求項8記載の化合物。
【請求項11】
X1が−NR3−(式中、R3は水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表す)である請求項8記載の化合物。
【請求項12】
X1が−NR3−(式中、R3は水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表す)であり;
Aが式−Y2−B(式中、Y2は単結合、−O−、−O−(C1−3アルキレン)−、−NH−または−S−を、Bはそれぞれ置換されていてもよい、アリール基、複素環基、C3−8シクロアルキル基、カルバモイル基、ウレイド基、C6−18アリール−カルボニル基またはC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基で置換され、さらに置換されていてもよいアリール基であり;
R2が水素原子またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−8アルキル基、C2−8アルケニル基、C2−8アルキニル基、カルバモイル基、C1−8アルキル−カルボニル基、C1−8アルキルスルホニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−18アリール基、C6−18アリール−C1−4アルキル基、C6−18アリール−カルボニル基、C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基、C6−18アリール−スルホニル基、複素環基、複素環−C1−4アルキル基、複素環−カルボニル基もしくは複素環−C1−4アルキル−カルボニル基である請求項8記載の化合物。
【請求項13】
X1が−NR3−であり;
Aが式−Y2−B(式中、Y2は単結合、−O−、−O−(C1−3アルキレン)−、−NH−または−S−を、Bはそれぞれ置換されていてもよい、アリール基、複素環基、C3−8シクロアルキル基、カルバモイル基、ウレイド基、C6−18アリール−カルボニル基またはC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基で置換され、さらに置換されていてもよいアリール基であり;
R2とR3が結合して、置換されていてもよい環構造を構築する請求項8記載の化合物。
【請求項14】
式:
【化3】
[式中、R1aは水素原子または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を、
R2aは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R1aとR2a、またはR2aとR3aはそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3aは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3aは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Baは置換されていてもよいベンゼン環を、Caは置換されていてもよいC6−18アリール基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項15】
式:
【化4】
[式中、R1bは水素原子または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を、
R2bは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R1bとR2b、またはR2bとR3bはそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3bは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3bは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Bbは置換されていてもよいベンゼン環を、Cbは置換されていてもよいC6−18アリール基を、
Zbは置換されていてもよいC1−3アルキレン基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項16】
式:
【化5】
[式中、R1cは水素原子または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を、
R2cは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R1cとR2c、またはR2cとR3cはそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3cは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3cは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Bcは置換されていてもよいベンゼン環を、Ccは置換されていてもよい複素環基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項17】
式:
【化6】
[式中、R1dは水素原子または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を、
R2dは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R1dとR2d、またはR2dとR3dはそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3dは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3dは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Bdは置換されていてもよいベンゼン環を、Cdは置換されていてもよい複素環基を、
Zdは置換されていてもよいC1−3アルキレン基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項18】
式:
【化7】
[式中、R2eは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R2eとR3eは結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3eは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3eは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Beは置換されていてもよいベンゼン環を、Ceは置換されていてもよいC6−18アリール基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項19】
式:
【化8】
[式中、R2fは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R2fとR3fは結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3fは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3fは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Bfは置換されていてもよいベンゼン環を、Cfは置換されていてもよいC6−18アリール基を、
Zfは置換されていてもよいC1−3アルキレン基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項20】
式:
【化9】
[式中、R2gは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R2gとR3gは結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3gは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3gは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Bgは置換されていてもよいベンゼン環を、Cgは置換されていてもよい複素環基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項21】
(i)2−{2−[4−({3−クロロ−4−[(3−フルオロベンジル)オキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エトキシ}エタノール、
(ii)2−{2−[4−({3−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エトキシ}エタノール、
(iii)N−{2−[4−({3−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エチル}−2−(メチルスルホニル)アセトアミド、
(iv)N−{2−[4−({3−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エチル}−2−メチル−2−(メチルスルホニル)プロパンアミド、
(v)5−{2−[2−(tert−ブチルスルホニル)エトキシ]エチル}−N−{3−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン、
(vi)2−(メチルスルホニル)−N−{2−[4−({3−メチル−4−[3−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エチル}アセトアミド、
(vii)N−[2−(4−{[3−クロロ−4−(3−クロロフェノキシ)フェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−(メチルスルホニル)アセトアミド、もしくは
(viii)N−{2−[4−({3−クロロ−4−[3−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エチル}−2−(メチルスルホニル)アセトアミド、またはそれらの何れかの塩。
【請求項22】
式:
【化10】
[式中、Lは脱離基を示し、その他の各記号は請求項1と同意義を示す。]で表される化合物またはその塩と式:
【化11】
[式中、Gは水素原子または金属原子を示し、その他の各記号は請求項1と同意義を示す。]で表される化合物またはその塩とを反応させることを特徴とする、式:
【化12】
[式中、各記号は請求項1と同意義を示す。]で表される化合物またはその塩の製造法。
【請求項23】
式:
【化13】
[式中、WはC(R1)またはNを、
Aはそれぞれ置換されていてもよいアリール基またはヘテロアリール基を、
X1は−NR3−Y1−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−または−CHR3−
(式中、R3は水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3はAで表されるアリール基またはヘテロアリール基上の炭素原子またはヘテロ原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Y1は単結合またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−4アルキレンもしくは−O−(C1−4アルキレン)−を表す)を示す。
R1は水素原子または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を、R2は水素原子または炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R1とR2、またはR2とR3はそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。]で表される化合物(但し、式
【化14】
で示される化合物を除く)またはその塩からなる医薬。
【請求項24】
チロシンキナーゼ阻害剤である請求項23記載の医薬。
【請求項25】
癌の予防・治療剤である請求項23記載の医薬。
【請求項26】
癌が乳癌、前立腺癌、肺癌、膵癌または腎臓癌である請求項25記載の医薬。
【請求項1】
式:
【化1】
[式中、WはC(R1)またはNを、
Aはそれぞれ置換されていてもよいアリール基またはヘテロアリール基を、
X1は−NR3−Y1−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−または−CHR3−
(式中、R3は水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3はAで表されるアリール基またはヘテロアリール基上の炭素原子またはヘテロ原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Y1は単結合またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−4アルキレンもしくは−O−(C1−4アルキレン)−を表す)を示す。
R1は水素原子または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を、R2は水素原子または炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R1とR2、またはR2とR3はそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。]で表される化合物(但し、式
【化2】
で示される化合物およびN−{2−[4−({3−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エチル}−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミドを除く)またはその塩。
【請求項2】
WがC(R1)である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Aが式−Y2−B(式中、Y2は単結合、−O−、−O−(C1−3アルキレン)−、−NH−または−S−を、Bはそれぞれ置換されていてもよい、アリール基、複素環基、C3−8シクロアルキル基、カルバモイル基、ウレイド基、C6−18アリール−カルボニル基またはC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基で置換され、さらに置換されていてもよいアリール基である請求項2記載の化合物。
【請求項4】
R1が式−X2−R4(式中、X2は単結合、−NH−または−O−を、R4は水素原子、シアノ基、またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−8アルキル基、C2−8アルケニル基、C2−8アルキニル基、カルバモイル基、C1−8アルキル−カルボニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−18アリール基、C6−18アリール−C1−4アルキル基、C6−18アリール−カルボニル基、C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基、複素環基、複素環−C1−4アルキル基、複素環−カルボニル基もしくは複素環−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基である請求項2記載の化合物。
【請求項5】
R2が水素原子またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−8アルキル基、C2−8アルケニル基、C2−8アルキニル基、カルバモイル基、C1−8アルキル−カルボニル基、C1−8アルキルスルホニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−18アリール基、C6−18アリール−C1−4アルキル基、C6−18アリール−カルボニル基、C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基、C6−18アリール−スルホニル基、複素環基、複素環−C1−4アルキル基、複素環−カルボニル基もしくは複素環−C1−4アルキル−カルボニル基である請求項2記載の化合物。
【請求項6】
X1が−NR3−(式中、R3は水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表す)である請求項2記載の化合物。
【請求項7】
Aが式−Y2−B(式中、Y2は単結合、−O−、−O−(C1−3アルキレン)−、−NH−または−S−を、Bはそれぞれ置換されていてもよい、アリール基、複素環基、C3−8シクロアルキル基、カルバモイル基、ウレイド基、C6−18アリール−カルボニル基またはC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基で置換され、さらに置換されていてもよいアリール基であり;
R1が式−X2−R4(式中、X2は単結合、−NH−または−O−を、R4は水素原子、シアノ基、またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−8アルキル基、C2−8アルケニル基、C2−8アルキニル基、カルバモイル基、C1−8アルキル−カルボニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−18アリール基、C6−18アリール−C1−4アルキル基、C6−18アリール−カルボニル基、C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基、複素環基、複素環−C1−4アルキル基、複素環−カルボニル基もしくは複素環−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基であり;
R2が水素原子またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−8アルキル基、C2−8アルケニル基、C2−8アルキニル基、カルバモイル基、C1−8アルキル−カルボニル基、C1−8アルキルスルホニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−18アリール基、C6−18アリール−C1−4アルキル基、C6−18アリール−カルボニル基、C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基、C6−18アリール−スルホニル基、複素環基、複素環−C1−4アルキル基、複素環−カルボニル基もしくは複素環−C1−4アルキル−カルボニル基であり;
X1が−NR3−(式中、R3は水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表す)である請求項2記載の化合物。
【請求項8】
WがNである請求項1記載の化合物。
【請求項9】
Aが式−Y2−B(式中、Y2は単結合、−O−、−O−(C1−3アルキレン)−、−NH−または−S−を、Bはそれぞれ置換されていてもよい、アリール基、複素環基、C3−8シクロアルキル基、カルバモイル基、ウレイド基、C6−18アリール−カルボニル基またはC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基で置換され、さらに置換されていてもよいアリール基である請求項8記載の化合物。
【請求項10】
R2が水素原子またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−8アルキル基、C2−8アルケニル基、C2−8アルキニル基、カルバモイル基、C1−8アルキル−カルボニル基、C1−8アルキルスルホニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−18アリール基、C6−18アリール−C1−4アルキル基、C6−18アリール−カルボニル基、C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基、C6−18アリール−スルホニル基、複素環基、複素環−C1−4アルキル基、複素環−カルボニル基もしくは複素環−C1−4アルキル−カルボニル基である請求項8記載の化合物。
【請求項11】
X1が−NR3−(式中、R3は水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表す)である請求項8記載の化合物。
【請求項12】
X1が−NR3−(式中、R3は水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表す)であり;
Aが式−Y2−B(式中、Y2は単結合、−O−、−O−(C1−3アルキレン)−、−NH−または−S−を、Bはそれぞれ置換されていてもよい、アリール基、複素環基、C3−8シクロアルキル基、カルバモイル基、ウレイド基、C6−18アリール−カルボニル基またはC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基で置換され、さらに置換されていてもよいアリール基であり;
R2が水素原子またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−8アルキル基、C2−8アルケニル基、C2−8アルキニル基、カルバモイル基、C1−8アルキル−カルボニル基、C1−8アルキルスルホニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−18アリール基、C6−18アリール−C1−4アルキル基、C6−18アリール−カルボニル基、C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基、C6−18アリール−スルホニル基、複素環基、複素環−C1−4アルキル基、複素環−カルボニル基もしくは複素環−C1−4アルキル−カルボニル基である請求項8記載の化合物。
【請求項13】
X1が−NR3−であり;
Aが式−Y2−B(式中、Y2は単結合、−O−、−O−(C1−3アルキレン)−、−NH−または−S−を、Bはそれぞれ置換されていてもよい、アリール基、複素環基、C3−8シクロアルキル基、カルバモイル基、ウレイド基、C6−18アリール−カルボニル基またはC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル基を表す)で示される基で置換され、さらに置換されていてもよいアリール基であり;
R2とR3が結合して、置換されていてもよい環構造を構築する請求項8記載の化合物。
【請求項14】
式:
【化3】
[式中、R1aは水素原子または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を、
R2aは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R1aとR2a、またはR2aとR3aはそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3aは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3aは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Baは置換されていてもよいベンゼン環を、Caは置換されていてもよいC6−18アリール基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項15】
式:
【化4】
[式中、R1bは水素原子または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を、
R2bは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R1bとR2b、またはR2bとR3bはそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3bは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3bは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Bbは置換されていてもよいベンゼン環を、Cbは置換されていてもよいC6−18アリール基を、
Zbは置換されていてもよいC1−3アルキレン基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項16】
式:
【化5】
[式中、R1cは水素原子または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を、
R2cは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R1cとR2c、またはR2cとR3cはそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3cは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3cは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Bcは置換されていてもよいベンゼン環を、Ccは置換されていてもよい複素環基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項17】
式:
【化6】
[式中、R1dは水素原子または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を、
R2dは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R1dとR2d、またはR2dとR3dはそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3dは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3dは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Bdは置換されていてもよいベンゼン環を、Cdは置換されていてもよい複素環基を、
Zdは置換されていてもよいC1−3アルキレン基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項18】
式:
【化7】
[式中、R2eは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R2eとR3eは結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3eは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3eは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Beは置換されていてもよいベンゼン環を、Ceは置換されていてもよいC6−18アリール基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項19】
式:
【化8】
[式中、R2fは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R2fとR3fは結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3fは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3fは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Bfは置換されていてもよいベンゼン環を、Cfは置換されていてもよいC6−18アリール基を、
Zfは置換されていてもよいC1−3アルキレン基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項20】
式:
【化9】
[式中、R2gは炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R2gとR3gは結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
R3gは水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3gは隣接するフェニル基の炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Bgは置換されていてもよいベンゼン環を、Cgは置換されていてもよい複素環基を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項21】
(i)2−{2−[4−({3−クロロ−4−[(3−フルオロベンジル)オキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エトキシ}エタノール、
(ii)2−{2−[4−({3−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エトキシ}エタノール、
(iii)N−{2−[4−({3−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エチル}−2−(メチルスルホニル)アセトアミド、
(iv)N−{2−[4−({3−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エチル}−2−メチル−2−(メチルスルホニル)プロパンアミド、
(v)5−{2−[2−(tert−ブチルスルホニル)エトキシ]エチル}−N−{3−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン、
(vi)2−(メチルスルホニル)−N−{2−[4−({3−メチル−4−[3−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エチル}アセトアミド、
(vii)N−[2−(4−{[3−クロロ−4−(3−クロロフェノキシ)フェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−(メチルスルホニル)アセトアミド、もしくは
(viii)N−{2−[4−({3−クロロ−4−[3−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エチル}−2−(メチルスルホニル)アセトアミド、またはそれらの何れかの塩。
【請求項22】
式:
【化10】
[式中、Lは脱離基を示し、その他の各記号は請求項1と同意義を示す。]で表される化合物またはその塩と式:
【化11】
[式中、Gは水素原子または金属原子を示し、その他の各記号は請求項1と同意義を示す。]で表される化合物またはその塩とを反応させることを特徴とする、式:
【化12】
[式中、各記号は請求項1と同意義を示す。]で表される化合物またはその塩の製造法。
【請求項23】
式:
【化13】
[式中、WはC(R1)またはNを、
Aはそれぞれ置換されていてもよいアリール基またはヘテロアリール基を、
X1は−NR3−Y1−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−または−CHR3−
(式中、R3は水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表すか、あるいはR3はAで表されるアリール基またはヘテロアリール基上の炭素原子またはヘテロ原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。
Y1は単結合またはそれぞれ置換されていてもよい、C1−4アルキレンもしくは−O−(C1−4アルキレン)−を表す)を示す。
R1は水素原子または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を、R2は水素原子または炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
あるいは、R1とR2、またはR2とR3はそれぞれ結合し、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。]で表される化合物(但し、式
【化14】
で示される化合物を除く)またはその塩からなる医薬。
【請求項24】
チロシンキナーゼ阻害剤である請求項23記載の医薬。
【請求項25】
癌の予防・治療剤である請求項23記載の医薬。
【請求項26】
癌が乳癌、前立腺癌、肺癌、膵癌または腎臓癌である請求項25記載の医薬。
【公開番号】特開2008−247907(P2008−247907A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80528(P2008−80528)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【分割の表示】特願2006−514152(P2006−514152)の分割
【原出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【分割の表示】特願2006−514152(P2006−514152)の分割
【原出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】
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