説明

繊維機械

【課題】パッケージ径の検査精度に限界があるだけでなく、パッケージ径の不良な満巻パッケージを生産するユニットを特定しようとしても、どのような大きさのパッケージ径の満巻パッケージが、どの巻取りユニットで形成されたか不明で、追跡調査ができなかった。
【解決手段】紡績機1に、満巻パッケージ45のパッケージ径情報を検出する回転角度検出センサ99と、そのパッケージ径情報が検出された満巻パッケージ45を特定する対応ユニット特定手段(信号発信部41a、信号受信部41b、玉揚台車コントローラ40、信号受信部21a、信号発信部21b、ユニットコントローラ20)と、紡績ユニット2で形成された満巻パッケージ45の径情報を検出する回転角度検出センサ99と、満巻パッケージ45のパッケージ径情報と、その満巻パッケージ45を形成した紡績ユニット2のユニット番号とを、関連付けて記憶するコントロールマスタ50と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
糸を一定長さに巻き取って満巻パッケージを形成する巻取りユニットが複数並べて配置されると共に、前記各巻取りユニット間を走行して、前記各巻取りユニットより満巻パッケージを取り出す玉揚げ作業を行う玉揚台車を備える、繊維機械に関する。
【背景技術】
【0002】
糸を巻き取ってパッケージを形成する紡績機やワインダー等の繊維機械には、多数の巻取りユニットが並設される構成となっている。巻取りユニットは、ボビン上に糸を巻き取ってパッケージを形成する。そして、一定長さの糸が巻き取られて形成されたパッケージ(満巻パッケージ)は、巻取りユニットより取り出される(玉揚げされる)。
このような繊維機械において、各巻取りユニットより玉揚げ作業を行う玉揚台車を備える構成として、玉揚げ作業を自動化したものがある。
【0003】
特許文献1には、自動の玉揚台車を備える構成において、満玉(満巻パッケージ)と小玉(糸切れにより巻き量の著しく小さなパッケージ)とを自動搬送でき、パッケージと品質データとのひもづけを確実にする仮撚工程の自動化システムが開示されている。より詳しくは、パッケージの搬送トレイに付与されたIDと、そのIDに対応するパッケージの品質に係るデータとを、ひもづけして記憶することが行われる。
【0004】
【特許文献1】特開平10−305968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
満巻パッケージは、パッケージの糸量を一定とするため、前述したように、一定長さの糸が巻き取られることで形成される。
ここで、テンション不良などにより巻き不良が発生している場合、同じ巻取り長さで同じ重量の満巻パッケージであっても、径が正常とは異なるため、巻き量の少ない不良パッケージと同様に、不良パッケージとして扱われる。このパッケージ径の良・不良の判別は、オペレーターによる感覚的な確認によって行われ、不良とされた満巻パッケージが排除されるようにしている。しかし、オペレーターは、各巻取りユニットから満巻パッケージが払い出された時点で、逐一、パッケージ径の良・不良を確認しているわけではなく、例えば、払い出されたパッケージを一旦集積した後、各パッケージの良・不良を順に検査するようなことをしている。つまり、オペレータが、不良原因となる問題のある巻取りユニットを特定することは困難である。また、オペレータによる確認では、良・不良の検査精度にも限界がある。
このため、パッケージ径の検査精度に限界があるだけでなく、パッケージ径の不良な満巻パッケージを生産するユニットを特定しようとしても、どのような大きさのパッケージ径の満巻パッケージが、どの巻取りユニットで形成されたか不明で、追跡調査ができなかった。
【0006】
一方、特許文献1に開示される仮撚工程の自動化システムでは、パッケージと品質データとのひもづけが行われているので、不良なパッケージを生産するユニットを特定するなど、追跡調査が可能である。しかし、この自動化システムは、巻取り時間を計測するドッフィングタイマの計測値によりパッケージ径を算出するものであって、パッケージ径自体を検出するものではない。このため、この自動化システムは、パッケージ径の大まかな大小変化は把握できるが、テンションによる巻きつきの緩急による径変化まで、特定できるわけではない。つまり、この場合も、パッケージ径の検査精度に限界がある。
【0007】
つまり、解決しようとする問題点は、パッケージ径の検査精度に限界があるだけでなく、パッケージ径の不良な満巻パッケージを生産するユニットを特定しようとしても、どのような大きさのパッケージ径の満巻パッケージが、どの巻取りユニットで形成されたか不明で、追跡調査ができなかった点、である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
請求項1に係る繊維機械は、
糸を一定長さに巻き取って満巻きパッケージを形成する巻取りユニットが複数並べて配置されると共に、
前記各巻取りユニット間を走行して、前記各巻取りユニットより満巻パッケージを取り出す玉揚げ作業を行う玉揚台車を備える、繊維機械であって、
前記満巻パッケージのパッケージ径情報を検出する径情報検出手段と、
前記パッケージ径情報が検出された前記満巻パッケージを形成した前記巻取りユニットを特定する対応ユニット特定手段と、
前記満巻パッケージの前記パッケージ径情報と、その満巻パッケージを形成した前記巻取りユニットに付与されている識別情報とを、関連付けて記憶する記憶手段と、
を備える、ものである。
【0010】
巻取りユニットは、パッケージの巻取装置を最小構成とする装置集合体ユニットを意味し、巻取装置に紡績装置を加えるなど、他の装置(例えば紡績装置)を追加したユニットとしてもよい。
巻取りユニットの識別情報とは、個々の巻取りユニットを区別して識別可能とする情報を意味する。個々の巻取りユニットには、このような識別情報が付与されている。
満巻パッケージの径情報とは、パッケージ径自体の大きさの情報に限定されるものではなく、パッケージ径の大きさに対応して変化する量の情報一般を意味する。
【0011】
以上構成により、次の作用がある。
満巻パッケージの径情報がオペレータ自身による確認によることなく、径情報検出手段により得られる。また、満巻パッケージのパッケージ径自体が、検出対象となっている。
満巻パッケージの径情報と、その満巻パッケージを形成し巻取りユニットの識別情報とを関連付けた情報が、保存される。
【0012】
請求項2に係る繊維機械は、請求項1において、次の構成としたものである。
前記玉揚台車による前記玉揚げ作業の実行時に、前記満巻パッケージに当接させて、その回転を制止させるパッケージプレートを備えると共に、
前記径情報検出手段は、前記満巻パッケージに当接させた際のパッケージプレートの傾斜角度を検出する角度検出手段とする、
ものである。
【0013】
以上構成により、次の作用がある。
パッケージ径の大小に応じて変化するパッケージプレートの傾斜角度が、パッケージ径の径情報として得られる。
【0014】
請求項3に係る繊維機械は、請求項1または請求項2において、次の構成としたものである。
パッケージ径の許容範囲から外れるパッケージ径の前記満巻パッケージを形成する前記巻取りユニットを特定する不良ユニット特定手段を備えると共に、
前記許容範囲は、前記記憶手段に記憶されている複数の前記径情報を元に、前記満巻パッケージのパッケージ径の平均値および標準偏差を算出して、その平均値および標準偏差から算出された許容範囲、または、前記径情報とは関わりなく設定した許容範囲とする、ものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、
パッケージ径の検査精度が向上する。加えて、どのような大きさのパッケージ径の満巻パッケージが、どの巻取りユニットで形成されたかが明確で、追跡調査が可能である。
【0017】
請求項2においては、請求項1の効果に加えて、
パッケージ径情報の検出において、満巻パッケージの回転を制止するパッケージプレートを利用するので、パッケージ径情報の検出手段を新たに設ける必要が無く、コストアップを防止できる。
【0018】
請求項3においては、請求項1または請求項2の効果に加えて、
不良な巻取りユニットが特定されるので、パッケージ径の不良な満巻パッケージが継続して形成されるのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、並設された多数の紡績ユニット2を備えた、繊維機械としての紡績機1を示している。この紡績機1には、紡績ユニット2が並べられる方向に走行自在に設けられた糸継台車3と、この糸継台車3とは独立に走行自在に設けられた玉揚台車4と、ブロワボックス80と、原動機ボックス81とが装備される。
【0020】
図1に示すように、各紡績ユニット2は、ドラフト装置7と、紡績装置9と、糸送り装置11と、巻取装置12と、を主要な構成として有する装置集合体である。この紡績ユニット2は、少なくとも巻取装置12を主要な構成として有する装置集合体(巻取りユニット)の一例でもある。
ドラフト装置7は紡績機1本体のケーシング6の上端近傍に設けられており、このドラフト装置7から送られてくる繊維束8を紡績装置9で紡績するように構成している。紡績装置9から排出された紡績糸10は糸送り装置11で下方へ送られ、糸の欠陥を検出して糸切断を行い糸欠陥部分を除去するためのクリアラー(糸欠陥検出器)19を経て、巻取装置12によって巻き取られ、パッケージ45を形成する。例えばクリアラー19は、糸の太さムラ欠陥を検出する機能や、紡績糸10内に混入した異物を検出する機能や、これらの機能を兼用したものが考えられる。
【0021】
図2に示すように、ドラフト装置7はスライバ13を延伸して繊維束8にするためのものであり、バックローラ対14、サードローラ対15、エプロンベルト16を装架したミドルローラ17対及びフロントローラ18対の4つのローラ対から構成されている。
【0022】
紡績装置9は、フロントローラ対18から送られてくる繊維束8を挿通させながら、その繊維束8に旋回流を与えて、紡績糸10を形成する空気式の紡績装置である。
【0023】
糸送り装置11は、紡績機1本体のケーシング6に支持されたデリベリローラと、デリベリローラに接離自在に設けられたニップローラとからなる。紡績装置9から排出された紡績糸10をデリベリローラとニップローラとの間に挟んでデリベリローラを回転駆動させることにより、紡績糸10を巻取装置12側へ送るようになっている。
【0024】
巻取装置12は、ボビン48の軸方向両端を回転可能に支持するクレードルを構成する二本のアーム83・84(図1参照)と、ボビン48やパッケージ45を回転駆動させるための駆動ドラム79(図2参照)と、を主要な構成として備えている。二本のアーム83・84の下端部はケーシング6に枢支されており、正面側(図1の紙面手前側、図2の紙面左側)に倒れるように回動可能である。このアーム83・84には図示しない付勢バネが弾設されて、起立方向の付勢力を常時アーム83・84に加えている。従って、アーム83・84に支持されるボビン48あるいはパッケージ45の周面が前記駆動ドラム79に押し付けられることによって、ボビン48あるいはパッケージ45は駆動ドラム79の駆動力を受けて回転する。ボビン48に紡績糸10が巻かれてパッケージ45が巻き太るに従って、アーム83・84は図2の鎖線に示すように正面側に倒れ、パッケージ45の軸の位置が前方へ移動する。駆動ドラム79は等速で回転駆動されているので、パッケージ45が巻き太っても、その巻取速度(周速度)は一定に保たれる。
【0025】
図1に示すように、巻取装置12の一側のアーム83は、他側のアーム84に対し接離方向に傾動可能に構成される。またこのアーム83は、図示しないバネによって、他側のアーム84に近づく方向に付勢されている。従って、紡績糸10の巻取時にはバネ力によってボビン48を両アーム83・84の間に挟持できる一方、ボビン48に紡績糸10が巻かれてパッケージ45が満巻となったときは、アーム83を他側のアーム84から離れる方向に傾けて上記挟持状態を解除することで(図1の鎖線)、満巻のパッケージ45を巻取装置12から取り外すことができる。この満巻パッケージ45の取外しは、前記一側のアーム83の延出状の先端部を、前記玉揚台車4のクレードル操作アーム90が押動することにより行われる(詳細は後述する)。
【0026】
図1や図2に示すように、糸継台車3は、糸継台車本体32と、この糸継台車本体32に設けられたノッター又はスプライサ等の糸継装置33と、糸継台車本体32に俯仰自在に設けられ、軸を中心に旋回しながら、紡績装置9から排出され糸送り装置11を通過した糸端を吸い込みつつ捕捉して糸継装置33へ案内するサクションパイプ(紡出側糸端捕捉案内手段)34と、糸継台車本体32に俯仰自在に設けられ、軸を中心に旋回しながら、巻取装置12に回転自在に支持されたパッケージ45から糸端を吸引捕捉して糸継装置33へ案内するサクションマウス36と、を有している。
【0027】
図2に示すように、前記ケーシング6の後部側の内部には、前記糸継台車3の走行空間61が構成されている。この走行空間61は、前記紡績ユニット2の並べられる方向に沿って、細長く形成されている。この走行空間61の上部と下部にレール31が配設されるとともに、前記糸継台車本体32の下部には走行輪39が備えられている。この構成で糸継台車3は、前記レール31によってその走行方向を案内されながら、走行輪39の駆動によって走行空間61の内部を走行できるようになっている。
【0028】
図1や図2に示すように、玉揚台車4は前記糸継台車3とは独立して設けられており、紡績機1本体の前部に設けられた走行路86に沿って走行できるようになっている。玉揚台車4の走行方向は前記糸継台車3と同じく紡績ユニット2の並設方向であり、その走行経路が、紡績ユニット2の並設方向に沿って細長く設けられている。
【0029】
図1や図2に示すように、玉揚台車4は前記走行路86上を走行輪87によって走行可能な台車ケーシング85を有している。この台車ケーシング85には、バンチ巻における糸捕捉手段としてのサクションパイプ88や、チャッカ89や、クレードル操作アーム90や、バンチ巻駆動アーム91を備えている。サクションパイプ88は、紡績装置9から排出される糸端を吸い込みながら捕捉して前記巻取装置12まで案内するために、前記台車ケーシング85に俯仰自在かつ伸縮自在に設けられる。チャッカ89は、空のボビン48を前記巻取装置12に供給するために、前記台車ケーシング85に回動自在に設けられている。クレードル操作アーム90は、前記巻取装置12のアーム83の先端を操作するために、前記台車ケーシング85に回動自在に設けられている。更にはバンチ巻駆動アーム91は、空のボビン48に紡績糸10を巻き始める初期のバンチ巻を行わせるために、前記台車ケーシング85に回動自在に設けられている。
【0030】
前記玉揚台車4の走行路86より更に前側には、満巻パッケージ45の載置エリア95が設定されている。即ち、前記紡績ユニット2が並べられる方向に直交する方向(図2の紙面左右方向)において、玉揚台車4の走行路86が、前記満巻パッケージ45の載置エリア95と前記紡績ユニット2との間の位置に配置されており、且つ、紡績ユニット2の糸走行側を前面側として、前記玉揚台車4の走行路86と、満巻パッケージ45の載置エリア95とが、前面側に配置されている。
【0031】
図1に示すように、玉揚台車4の台車ケーシング85は正面視門型に構成するとともに、台車ケーシング85内に形成された空間であるパッケージ通路93を備えている。巻取装置12にある満巻パッケージ45は、パッケージ通路93を通過して、載置エリア95に形成される浅い溝96へと払い出される(玉揚げされる)。
そして、載置エリア95に移動した満巻パッケージ45は作業者によって回収され、次工程へ送られる。なお、載置エリア95にコンベア等の搬送手段を配置し、次工程へ自動的に搬送する構成としても構わない。
【0032】
図2、図3に示すように、玉揚台車4には、パッケージ通路93内に、玉揚げ作業の実行時に満巻パッケージ45に当接させて、その回転を制止させるパッケージプレート94が備えられている。このパッケージプレート94は、巻取装置12から載置エリア95に向けて満巻パッケージ45を滑らせるガイド手段としても機能する。
図3には、満巻パッケージ45の回転を制止する手段として機能するパッケージプレート94を示しており、図2には、満巻パッケージ45を滑らせるガイド手段として機能するパッケージプレート94を示している。
【0033】
このパッケージプレート94は板状部材であり、玉揚台車4に回動自在に支持される回転軸97に固定されていて、回転軸97の回転に連動して、傾倒(図2)、起立(図3)するように構成されている。パッケージプレート94について、傾倒時がガイド手段として機能する場合であり、起立時が回転制止手段として機能する場合である。
図2には、パッケージプレート94が傾倒した通常位置にあるときを示している。このとき、このパッケージプレート94の上面(傾倒時における上面)94aは前低後高となっており、巻取装置12より取り外された満巻パッケージ45は、上面94aを滑って、載置エリア95へと移動していく。
【0034】
図3には、パッケージプレート94が起立した制止位置にあるときを示している。パッケージプレート94は通常は、傾倒した状態の通常位置(図2)にあるが、玉揚げ作業の際に、駆動ドラム79の回転が停止しても、慣性によって回転している満巻パッケージ45の回転を制止させるために、このパッケージプレート94を起立させて、満巻パッケージ45に当接させる。このときのパッケージプレート94の位置を、制止位置としており、このときッケージプレート94の上面94aは後方を向いている。
ここで、パッケージプレート94の起立側への回転移動は、パッケージプレート94が巻取装置12に支持される満巻パッケージ45に当接するまで行われるものである。このため、パッケージプレート94の通常位置が定位置であるのに対して、パッケージプレート94の制止位置は、満巻パッケージ45のパッケージ径の大きさによって変動する。
【0035】
図4を用いて、紡績機1の制御システムについて説明する。
紡績機1には、紡績機1に備える各種装置の制御に拘わる装置として、紡績機1の全体を統括管理するコントロールマスタ50と、各紡績ユニット2の駆動を制御するユニットコントローラ20と、糸継台車3の駆動を制御する糸継台車コントローラ30と、玉揚台車4の駆動を制御する玉揚台車コントローラ40と、が備えられている。ユニットコントローラ20は紡績ユニット2に備えられ、糸継台車コントローラ30は糸継台車3に備えられ、玉揚台車コントローラ40は玉揚台車4に備えられている。コントロールマスタ50は原動機ボックス81に備えられている。
【0036】
コントロールマスタ50は、各ユニットコントローラ20や糸継台車コントローラ30および玉揚台車コントローラ40と信号線を介して接続されており、これらのコントローラ20・30・40を統括管理する。そして、これらのコントローラ20・30・40およびコントロールマスタ50により、紡績機1の制御システムが構成されている。
【0037】
コントローラ20・30・40およびコントロールマスタ50は、コンピュータの四つの主要部分である演算装置、記憶装置、入出力装置、制御装置(ここでは演算装置、記憶装置、入出力装置の制御装置)のうち、入出力装置を除いた装置として構成されている。
入出力装置に該当するのは、コントロールマスタ50の場合、このコントロールマスタ50に接続される外部装置であり、オペレータが入力操作を行うための入力装置51(例えばキーボード)や、オペレータが紡績機1の作動状況を把握するための出力装置52(例えばディスプレイ)、コントローラ20・30・40である。また、ユニットコントローラ20の場合、紡績ユニット2に備える各種装置(クリアラー19や巻取装置12など)が入出力装置に該当する。玉揚台車コントローラ40の場合、玉揚台車4に備える各種装置(後述のプレート駆動モータ98や回転角度検出センサ99など)が入出力装置に該当する。
【0038】
パッケージ径管理システムについて説明する。
パッケージ径管理システムは、巻取装置12より玉揚げされる満巻パッケージ45のパッケージ径を測定し、そのパッケージ径のデータと、その満巻パッケージ45を生産した紡績ユニット2の番号(ユニット番号)とを、関連付けて記憶するシステムである。このパッケージ径管理システムは、紡績機1の制御システムを利用して構成されている。
ここで、紡績機1に備える各紡績ユニット2には、各紡績ユニット2を特定するための固有の番号が付されており、この番号をユニット番号としている。このユニット番号は、紡績ユニット2を特定するための識別情報の一形態である。
加えて、このパッケージ径管理システムは、このパッケージ径管理システムに記憶されるデータ(パッケージ径とユニット番号との関連情報)を利用して、パッケージ径が不良な満巻パッケージ45を生産する紡績ユニット2の特定も可能に構成されている。
以下、詳しく説明する。
【0039】
まず、満巻パッケージ45のパッケージ径の良・不良について説明する。
紡績ユニット2は、ボビン48に一定長さの紡績糸10を巻きつけることで、満巻のパッケージ45を形成する。ボビン48への紡績糸10の巻き付け量は、紡績糸10の紡績装置9からの紡出速度が一定であることから、巻取装置12で紡績糸10を巻き取る時間を計測することで、算出可能である。ここで、糸継ぎ等で紡績糸10の生成が中断された際の計測時間は、巻取り時間の計測から除外するものとする。
【0040】
各紡績ユニット2で形成される満巻パッケージ45は、巻取り長さが一定となるように形成されるものであるから、基本的には、そのパッケージ径も同一となるはずである。しかし、巻取装置12でパッケージ45を形成する際のテンション不良などの要因により、巻取り長さが一定であっても、パッケージがきつく巻かれたり緩く巻かれたりすることになって、パッケージ径が変動することがある。
整理すると、テンション等が適正に保たれた状態で紡績糸10が巻き取られてパッケージが形成された場合が、パッケージ径が良い場合である。これに対して、テンション等が適正ではなく、良いパッケージ径とは異なるパッケージ径となる場合が、パッケージ径が不良の場合である。
【0041】
満巻パッケージ45のパッケージ径を測定する手段について説明する。
紡績機1においては、パッケージ径の測定手段は、前記パッケージプレート94を利用して構成されている。前述したように、パッケージプレート94は、傾倒させた状態の通常位置(図2)から、満巻パッケージ45に当接するまで起立させた規制位置(図3)まで回転するように制御されるものである。同じく前述したように、パッケージプレート94の規制位置は、満巻パッケージ45の径の大小に応じて、前後方向に変動する。
このときのパッケージプレート94の回転角度、つまり通常位置から規制位置までのパッケージプレート94の回転角度は、満巻パッケージ45の径の大きさに係る情報を与えるものである。パッケージプレート94や巻取装置12(パッケージの支持位置)の位置関係に、パッケージプレート94の回転角度を適用すれば、満巻パッケージ45の径の大きさを算出することが可能である。
【0042】
図4に示すように、玉揚台車4には、パッケージプレート94に係る装置として、パッケージプレート94(回転軸97)を回転駆動させるプレート駆動モータ98と、パッケージプレート94(回転軸97)の回転角度を検出する回転角度検出センサ99と、が備えられている。
そして、プレート駆動モータ98の駆動により、通常位置から制止位置に向けて、パッケージプレート94を回転させると共に、パッケージプレート94の回転角度を、回転角度検出センサ99により検出する。パッケージプレート94が満巻パッケージ45に当接したことが検出されると、パッケージプレート94の回転を停止させる。このときのパッケージプレート94の停止位置が、前記制止位置である。
ここで、パッケージプレート94が満巻パッケージ45に当接した状態の検出は、次のようにして行うものとする。プレート駆動モータ98に掛かる負荷の増大があった場合や、プレート駆動モータ98が駆動しているにも拘わらず回転角度検出センサ99による角度変化がない状態が一定時間継続する状況が発生する場合に、パッケージプレート94が満巻パッケージ45に当接したことが検出されたとする。あるいは、パッケージプレート94の上面94aに圧力センサを設け、この圧力センサより圧力の検知信号が出力された場合としてもよい。
【0043】
そして、回転角度検出センサ99により、通常位置から規制位置までのパッケージプレート94の回転角度が計測される。この計測結果(回転角度)は、満巻パッケージ45の径の大きさに係る情報(以下、パッケージ径情報)である。
つまり、パッケージ径情報の検出手段が、回転角度検出センサ99により構成されている。また、パッケージ径の測定手段は、パッケージ径情報の検出手段である回転角度検出センサ99と、パッケージ径情報(パッケージプレート94の回転角度)を前記位置関係を利用してパッケージ径の大きさに変換する算出装置と、から構成される。この算出装置は、前記コントロールマスタ50に備えられる。
【0044】
図4を用いて、玉揚げ作業の対象となる紡績ユニット2を特定する手段について説明する。
パッケージ径管理システムは、前述したように、満巻パッケージ45のパッケージ径のデータと、その満巻パッケージ45を生産した紡績ユニット2の番号(ユニット番号)とを、関連付けて記憶する。
ここで、パッケージ径が計測された満巻パッケージ45が、どの紡績ユニット2で形成されたかを特定することが必要である。満巻パッケージ45の玉揚げ作業(パッケージ径の計測)が行われる紡績ユニット2の特定は、紡績機1に備える台車制御システムを利用して行うことが可能である。
【0045】
紡績機1の制御システムには、台車(糸継台車3および玉揚台車4)の走行を制御する台車制御システムが備えられている。
この台車制御システムは、紡績ユニット2から糸継ぎ作業または玉揚げ作業の処理要求があった場合に、その処理要求を発した紡績ユニット2の正面位置に、糸継台車3または玉揚台車4を移動させる。
ここで、糸継ぎ作業の処理要求は、紡績ユニット2において、クリアラー19による糸切断が行われた際などに、クリアラー19の動作を制御するユニットコントローラ20が発生させる。また、玉揚げ作業の処理要求は、紡績ユニット2において、一定長さの紡績糸10により満巻パッケージ45が形成された場合に、つまり巻取り時間が所定時間に達したことを認識したユニットコントローラ20が発生させる。そして、これらの処理要求は、紡績ユニット2のユニットコントローラ20よりコントロールマスタ50に向けて送信される。
【0046】
この台車制御システムは、台車3・4の走行目標位置(処理要求のある紡績ユニット2)を設定する手段(ユニットコントローラ20)、台車3・4を走行目標位置に移動させるように指令する手段(コントロールマスタ50)、走行目標位置に到達するように台車3・4の走行を制御する手段(台車コントローラ30・40)、台車3・4の現在位置を確認する手段(後述)、を備えている。以下、糸継台車3および玉揚台車4で同様であるので、玉揚台車4の走行制御について説明する。
【0047】
玉揚台車4には、走行輪87を回転させる走行駆動モータ49が備えられている。玉揚台車コントローラ40は、走行駆動モータ49の駆動を制御して、玉揚台車4を移動させてる。
ここで、台車コントローラ40は、玉揚台車4の現在位置を確認する手段(後述)を利用して、この台車コントローラ40が搭載される玉揚台車4の走行路86上における現在位置を確認できるようになっている。そして、台車コントローラ40は、玉揚台車4の現在位置が、処理要求による走行目標位置(いずれかの紡績ユニット2)に到達したことが確認すると、走行駆動モータ49の駆動を停止して、玉揚台車4をその走行目標位置に停止させる。
【0048】
玉揚台車4の停止時において、玉揚台車4の現在位置を確認する手段は、玉揚台車4に設ける信号発信部41aおよび信号受信部41bおよび玉揚台車コントローラ40と、紡績ユニット2に設ける信号受信部21aおよび信号発信部21bおよびユニットコントローラ20と、で構成される。信号発信部41aや信号発信部21bが発生させる信号は、電磁波もしくは光による信号である。
【0049】
そして、玉揚台車コントローラ40が信号発信部41aより紡績ユニット2の信号受信部21aに向けて、紡績ユニット2のユニット番号の返信を求める信号を送信すると、ユニットコントローラ20は信号発信部21bから玉揚台車4の信号受信部41bに向けて、ユニット番号の返信を行う。このような信号の送信および返信は、玉揚台車4がいずれかの紡績ユニット2の正面に位置するとき、対向する位置関係にある玉揚台車4と紡績ユニット2との間でのみ可能である。このような通信が可能となるように、信号発信部41a、信号受信部41b、信号受信部21a、信号発信部21bのレイアウトが構成されている。
【0050】
ここで、各紡績ユニット2には、前述したように、各紡績ユニット2の識別情報としてのユニット番号が付与されており、このユニット番号に関する情報がユニットコントローラ20に記憶されている。
また、紡績ユニット2側における現在位置確認手段の構成としては、信号受信部21aおよび信号発信部21bおよびユニットコントローラ20に代えて、RFIDタグを用いるものとしてもよい。この場合、RFIDタグにユニット番号に関する情報が記憶されているものとする。
また、ユニット番号の返信については、紡績ユニット2の信号発信部21bおよび玉揚台車4の信号受信部41bを利用する構成ではなく、ユニットコントローラ20からコントロールマスタ50を経由して玉揚台車コントローラ40へと接続される信号線を利用するものとしてもよい。
【0051】
また、玉揚台車4の走行中において、玉揚台車4の現在位置を確認する手段は、紡績ユニット2に設けるドグ(被検出部材)22と、玉揚台車4に設けるドグセンサ42および玉揚台車コントローラ40と、で構成される。ドグセンサ42は、玉揚台車4の走行により、ドグ22の正面をドグセンサ42が通過する際に、ドグ22の有無を検出できるセンサであれば、光反射を利用するセンサでも磁力変化を利用するセンサでもよい。
ここで、ドグセンサ42によるドグ22の検出は、玉揚台車4がいずれかの紡績ユニット2の正面に位置するとき、対向する位置関係にある玉揚台車4と紡績ユニット2との間でのみ可能である。このような検出が可能となるように、ドグセンサ42やドグ22のレイアウトが構成されている。
【0052】
玉揚台車4の走行中に玉揚台車コントローラ40は、ドグセンサ42がドグ22を検出した数をカウントする。そして、玉揚台車コントローラ40は、停止時における現在位置であったユニット番号に、ドグ22のカウント数を加算することで、走行中における玉揚台車4の現在位置を随時特定する。ここで、ユニット番号は、自然数で設定され、1から順に紡績機1における紡績ユニット2の配設数(例えば80個)まで、順に付与された数字としている。また、ユニット番号を数字とせず記号等としてもよく、この場合はドグのカウント数とユニット番号との対応表を作成しておき、その対応表を玉揚台車コントローラ40に記憶させておいて、玉揚台車コントローラ40に走行中における玉揚台車4の現在位置を随時特定可能とさせる。
【0053】
なお、玉揚台車4が目的の紡績ユニット2に到達して停止した際には、走行中における現在位置を確認する手段(ドグセンサ42等)により、玉揚台車コントローラ40は、その現在位置は確認できているが、さらに停止時における現在位置の確認手段(信号発信部41a等)を利用して、現在位置を再確認するものとしている。
【0054】
玉揚台車コントローラ40は、パッケージ径の計測された満巻パッケージ45を形成した紡績ユニット2を、以上で述べた(停止時における)現在位置の確認手段を利用して、特定することが可能である。玉揚台車4の(停止時における)現在位置の確認手段は、信号発信部41a、信号受信部41b、玉揚台車コントローラ40、信号受信部21a、信号発信部21b、ユニットコントローラ20で構成されている。
玉揚げ作業時には、玉揚台車4が玉揚げ作業の処理要求を出した紡績ユニット2の正面に停止し、この玉揚台車4により、玉揚げ作業に伴って、この紡績ユニット2から玉揚げされる満巻パッケージ45のパッケージ径情報が検出される。さらに言えば、玉揚げ作業時に玉揚台車4停止した先の紡績ユニット2は、その同じ玉揚げ作業時にパッケージ径の計測された満巻パッケージ45を形成した紡績ユニット2である。
つまり、パッケージ径の計測された満巻パッケージ45を形成した紡績ユニット2を特定する手段(対応ユニット特定手段)は、玉揚台車4の(停止時における)現在位置の確認手段と、玉揚げ作業とパッケージ径の計測とが連動していることを認識している玉揚台車コントローラ40と、で構成されている。
【0055】
加えて、玉揚台車コントローラ40は、この玉揚げ作業の際に回転角度検出センサ99が検出したパッケージ径情報と、この玉揚げ作業の対象となっている紡績ユニット2のユニット番号とを、セットとしてコントロールマスタ50に送信する。
コントロールマスタ50は、満巻パッケージ45のパッケージ径情報と、その満巻パッケージ45を形成した紡績ユニット2のユニット番号とを関連付けて記憶する記憶手段として機能する。コントロールマスタ50には、前述したように、記憶装置が備えられている。
ここで、パッケージ径情報は、本実施の形態では、回転角度検出センサ99によるパッケージプレート94の回転角度の検出値であるが、このパッケージ径情報よりパッケージ径の大きさを算出することが可能である。したがって以下では、説明の便宜上、パッケージ径情報とパッケージ径とを特に区別することなく用いるものとする。
【0056】
また、コントロールマスタ50は、パッケージ径とユニット番号とが関連付けられたデータ群を利用して、不良の紡績ユニット2を特定する特定手段として機能する。
ここで、不良の紡績ユニット2とは、不良なパッケージ径の満巻パッケージ45を形成する紡績ユニット2を指している。この不良の紡績ユニット2には、糸送り装置11の糸送り速度と駆動ドラム79の糸送り速度との設定や調整に問題があるなど、パッケージ45を形成する紡績糸10のテンションを発生させる装置に問題があって、テンション不良などによるパッケージ径の不良が発生する。
【0057】
コントロールマスタ50は、次のようにして、不良の紡績ユニット2を特定する。
まず、コントロールマスタ50は、このコントロールマスタ50に記憶されている数多くのパッケージ径のデータ群を元に、満巻パッケージ45の径が良好とされる径の範囲(以下、許容範囲)を算出する。この許容範囲の算出は、パッケージ径の平均値および標準偏差を算出し、この平均値および標準偏差に基づいて、行われる。具体的には、例えば、パッケージ径のデータ群について、平均値を中心に、径の増加側および減少側についてそれぞれ標準偏差の2倍の範囲にわたる範囲(都合、標準偏差の4倍にわたる範囲)を、許容範囲とする。この段階において、コントロールマスタ50は、許容範囲を算出する許容範囲算出手段として機能している。
また、パッケージ径の許容範囲の設定を、前記パッケージ径のデータ群を元にして設定する代わりに、これらのデータとは関わりなく設定した許容範囲を、予めコントロールマスタ50に入力しておくことで設定するものとしてもよい。
次いで、コントロールマスタ50は、前記許容範囲から外れるパッケージ径のデータのそれぞれについて、そのパッケージ径のデータに関連付けられているユニット番号を検索する。そのユニット番号が付されている紡績ユニット2が、不良のパッケージ径となる満巻パッケージ45を形成する紡績ユニット2である。この段階において、コントロールマスタ50は、許容範囲から外れるパッケージ径の満巻パッケージ45を形成する紡績ユニット2を特定する不良ユニット特定手段として機能している。
このようにして、コントロールマスタ50に記憶されるパッケージ径のデータ群を元に、不良な紡績ユニット2が特定される。
【0058】
コントロールマスタ50は、不良な紡績ユニット2が特定されると、その都度、その不良な紡績ユニット2における巻取りを中断させる。
あるいは、コントロールマスタ50において、不良な紡績ユニット2を特定した結果を利用して、各紡績ユニット2について、不良な満巻パッケージ45の発生数の度数分布を算出することも可能である。さらに、この度数分布の結果に基づいて、2回以上連続して不良な満巻パッケージ45が形成されるなど、継続してパッケージ径が不良な満巻パッケージ45を形成する紡績ユニット2を、コントロールマスタ50が、機械的な問題がある紡績ユニット2であると特定するものとする。
コントロールマスタ50による各種の算出結果、つまり不良な紡績ユニット2として特定された個々の紡績ユニット2に関する情報や、各紡績ユニット2に関する不良な満巻パッケージ45の発生数の度数分布などは、表示ディスプレイとした出力装置52上に表示出力することができる。あるいは、これらの各種の算出結果は、信号線を介して、紡績機1に接続される外部のコンピュータ機器などに送信され、そのコンピュータ機器に備える画像表示装置等に出力される。
オペレータは、これらの算出結果を確認して、機械的な問題がある紡績ユニット2の作動を停止させるなどして、パッケージ径の不良な満巻パッケージ45の形成を停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】紡績機の正面図。
【図2】パッケージプレートを倒して満巻きパッケージを玉揚げする状態における紡績機の側面断面図。
【図3】パッケージプレートを満巻きパッケージに当てた状態における紡績機の側面断面図。
【図4】紡績機の制御システムの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0060】
1 紡績機
2 紡績ユニット(巻取りユニット)
4 玉揚台車
10 紡績糸
40 玉揚台車コントローラ(対応ユニット特定手段の一部)
45 満巻パッケージ
50 コントロールマスタ(記憶手段、許容範囲算出手段、不良ユニット特定手段)
94 パッケージプレート
99 回転角度検出センサ(径情報検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸を一定長さに巻き取って満巻きパッケージを形成する巻取りユニットが複数並べて配置されると共に、
前記各巻取りユニット間を走行して、前記各巻取りユニットより満巻パッケージを取り出す玉揚げ作業を行う玉揚台車を備える、繊維機械であって、
前記満巻パッケージのパッケージ径情報を検出する径情報検出手段と、
前記パッケージ径情報が検出された前記満巻パッケージを形成した前記巻取りユニットを特定する対応ユニット特定手段と、
前記満巻パッケージの前記パッケージ径情報と、その満巻パッケージを形成した前記巻取りユニットに付与されている識別情報とを、関連付けて記憶する記憶手段と、
を備える、
ことを特徴とする繊維機械。
【請求項2】
前記玉揚台車による前記玉揚げ作業の実行時に、前記満巻パッケージに当接させて、その回転を制止させるパッケージプレートを備えると共に、
前記径情報検出手段は、前記満巻パッケージに当接させた際のパッケージプレートの傾斜角度を検出する角度検出手段とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の繊維機械。
【請求項3】
パッケージ径の許容範囲から外れるパッケージ径の前記満巻パッケージを形成する前記巻取りユニットを特定する不良ユニット特定手段を備えると共に、
前記許容範囲は、前記記憶手段に記憶されている複数の前記径情報を元に、前記満巻パッケージのパッケージ径の平均値および標準偏差を算出して、その平均値および標準偏差から算出された許容範囲、または、前記径情報とは関わりなく設定した許容範囲とする、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の繊維機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−284833(P2007−284833A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115157(P2006−115157)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】