説明

置換ジアゼパンオレキシン受容体アンタゴニスト

本発明は、オレキシン受容体のアンタゴニストであり、オレキシン受容体が関与する神経および精神の障害および疾患の治療において有用なジアゼパン化合物を対象とする。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにオレキシン受容体が関与する疾患の治療におけるこれらの化合物および組成物の使用を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
オレキシン(ヒポクレチン)は、視床下部内で産生される2種の神経ペプチド:オレキシンA(OX−A)(33アミノ酸ペプチド)およびオレキシンB(OX−B)(28アミノ酸ペプチド)を含む(Sakurai T.et al.,Cell,1998,92,573−585)。オレキシンはラットにおいて食物消費を刺激することが見出されており、摂食行動を調節する中枢フィードバック機序におけるメディエーターとしてのこれらのペプチドについての生理的役割が示唆されている(Sakurai T.et al.,Cell,1998,92,573−585)。オレキシンは睡眠および覚醒の状態を調節しており、ナルコレプシーまたは不眠症患者のための潜在的に新規な治療アプローチが開かれている(Chemelli R.M.et al.,Cell,1999,98,437−451)。オレキシンは、目覚め、報酬、学習および記憶において役割を果たしていることも示されている(Harris,et al.,Trends Neurosci.,2006,29(10),571−577)。2種のオレキシン受容体が哺乳動物においてクローニングされ、特性決定されている。これらのオレキシン受容体は、Gタンパク質共役型受容体スーパーファミリーに属しており(Sakurai T.et al.,Cell,1998,92,573−585):オレキシン−1受容体(OXまたはOX1R)はOX−Aについて選択的であり、オレキシン−2受容体(OX2またはOX2R)はOX−AおよびOX−Bを結合させることができる。オレキシンが関与していると想定される生理的作用は、オレキシン受容体の2種のサブタイプとしてのOX1受容体およびOX2受容体の一方または両方を介して発現されると考えられる。
【0002】
オレキシン受容体は哺乳動物の脳内に見出され、うつ病;不安症;嗜癖;強迫性障害;情動神経症;抑うつ神経症;不安神経症;気分変調性障害;行動障害;気分障害;性機能不全;心因性性機能不全;性的障害;統合失調症;躁うつ病;せん妄;認知症;重度の精神遅滞およびジスキネジア、例えば、ハンチントン病およびトゥーレット症候群;摂食障害、例えば、食欲不振、過食症、悪液質および肥満症;嗜癖摂食行動;ビンジ/パージ摂食行動;心血管疾患;糖尿病;食欲/味覚障害;嘔吐、悪心、吐気;喘息;癌;パーキンソン病;クッシング症候群/クッシング病;好塩基性細胞腺腫;プロラクチノーマ;高プロラクチン血症;下垂体腫瘍/腺腫;視床下部疾患;炎症性腸疾患;胃性ジスキネジア;胃潰瘍;フレーリッヒ症候群;腺性下垂体疾患;下垂体疾患;腺性下垂体機能低下;腺性下垂体機能高進;視床下部性性機能低下;カルマン症候群(嗅覚脱失、嗅覚減退);機能性または心因性無月経;下垂体機能低下症;視床下部性甲状腺機能低下症;視床下部・副腎機能不全;特発性高プロラクチン血症;成長ホルモン欠乏視床下部障害;特発性成長ホルモン欠乏症;小人症;巨人症;先端巨大症;生物学的・日周期リズムの異常;神経障害、神経因性疼痛および下肢静止不能症候群などの疾患に伴う睡眠障害;心疾患および肺疾患、急性およびうっ血性心不全;低血圧;高血圧;尿閉;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;虚血性または出血性卒中;クモ膜下出血;潰瘍;アレルギー;良性前立腺肥大;慢性腎不全;腎疾患;糖耐性異常;片頭痛;痛覚過敏;疼痛;疼痛感受性の増進または過大化、例えば、痛覚過敏、灼熱痛および異痛症;急性疼痛;熱傷疼痛;非定型顔面痛;神経因性疼痛;背痛;複合性局所疼痛症候群I型およびII型;関節痛;スポーツ損傷疼痛;感染、例えばHIVに関連する疼痛、化学療法後疼痛;卒中後疼痛;術後疼痛;神経痛;嘔吐、吐気、悪心;内臓痛、例えば過敏性腸症候群および狭心症に伴う病態;片頭痛;膀胱失禁、例え切迫性尿失禁;麻薬耐性または麻薬離脱;睡眠障害;睡眠時無呼吸;ナルコレプシー;不眠症;睡眠時随伴症;時差症候群;記憶障害;ならびに疾病分類単位、例えば脱抑制−認知症−パーキンソン症候群−筋萎縮症複合疾患を含む神経変性疾患;淡蒼球−橋−黒質変性症;てんかん;発作障害ならびに全般的なオレキシン系機能不全に関連する他の疾患などの病変に多くの関係があり得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573−585
【非特許文献2】Chemelli R.M.ら,Cell,1999,98,437−451
【非特許文献3】Harris,ら,Trends Neurosci.,2006,29(10),571−577
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、オレキシン受容体のアンタゴニストであり、オレキシン受容体が関与する神経および精神の障害ならびに疾患の治療または予防において有用なジアゼパン化合物を対象とする。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにオレキシン受容体が関与する疾患の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、式I:
【0006】
【化1】

の化合物または医薬的に許容されるこれらの塩
[式中、
は、
(1)フェニル(フェニルはR1a、R1bおよびR1cで置換されている。)および
(2)ナフチル(ナフチルはR1a、R1bおよびR1cで置換されている。);
(3)ヘテロアリール(ヘテロアリールはR1a、R1bおよびR1cで置換されている。)からなる群から選択され;
は、ヘテロアリール(ヘテロアリールはR2a、R2bおよびR2cで置換されている。)であり;
1a、R1b、R1c、R2a、R2bおよびR2cは、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(mは0または1であり、nは0または1であり(mが0であるかまたはnが0である場合、結合が存在する。)、およびアルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(アルケニルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(アルキニルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル(フェニルまたはナフチルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(9)−(C=O)−O−複素環(複素環は非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(10)−(C=O)−NR1011(R10およびR11は、
(a)水素、
(b)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC1−6アルキル、
(c)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC3−6アルケニル、
(d)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているシクロアルキル、
(e)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているフェニルおよび
(f)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている複素環
からなる群から独立して選択される。)、
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12(qは0、1または2であり、およびR12はR10およびR11の定義から選択される。)、
(13)−COH、
(14)−CN、
(15)−NOおよび
(16)−B(OH)
からなる群から独立して選択され;
、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル(アルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(3)−O−C1−6アルキル(アルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)および
(4)−フェニル(フェニルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)
からなる群から独立して選択され、
または、RおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR10、もしくはR11およびR12は、C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)を一緒になって形成し、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11またはR12の少なくとも2個は水素以外であり;
13は、
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−(C=O)−O−C1−6アルキル(アルキルは非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(4)−O−(C1−3)ペルフルオロアルキル、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(アルケニルは非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(7)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル(フェニルまたはナフチルは非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(8)−(C=O)−O−複素環(複素環は非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(9)−(C=O)−NR1011
(10)−S(O)−NR1011
(11)−S(O)−R12
(12)−COH、
(13)−CNおよび
(14)−NO
からなる群から選択され;
14は、
(1)ヒドロキシル、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)−C3−6シクロアルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−O(C=O)−C1−6アルキル、
(7)−NH−C1−6アルキル、
(8)フェニル、
(9)複素環、
(10)−COHおよび
(11)−CN
からなる群から選択される。]を対象とする。
【0007】
本発明の実施形態は、式Ia:
【0008】
【化2】

の化合物または医薬的に許容されるこれらの塩
[式中、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されている。]を含む。
【0009】
本発明の実施形態は、式Ib:
【0010】
【化3】

の化合物または医薬的に許容されるこれらの塩
[式中、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されている。]を含む。
【0011】
本発明の実施形態は、式Ic
【0012】
【化4】

の化合物または医薬的に許容されるこれらの塩
[式中、R、R、RおよびR11は、本明細書に定義されている。]を含む。
【0013】
本発明の実施形態は、式Id:
【0014】
【化5】

の化合物または医薬的に許容されるこれらの塩
[式中、R、R、RおよびR11は、本明細書に定義されている。]を含む。
【0015】
本発明の実施形態は、式Ie:
【0016】
【化6】

の化合物または医薬的に許容されるこれらの塩
[式中、R、R、R、RおよびR10は、本明細書に定義されている。]を含む。
【0017】
本発明の実施形態は、式Ie’:
【0018】
【化7】

の化合物または医薬的に許容されるこれらの塩
[式中、R、RおよびRは、本明細書に定義されている。]を含む。
【0019】
本発明の実施形態は、式If:
【0020】
【化8】

の化合物または医薬的に許容されるこれらの塩
[式中、R、R、R、RおよびR10は、本明細書に定義されている。]を含む。
【0021】
本発明の実施形態は、式If’:
【0022】
【化9】

の化合物または医薬的に許容されるこれらの塩
[式中、R、RおよびRは、本明細書に定義されている。]を含む。
【0023】
本発明の実施形態は、Rが、非置換であるかまたは
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−O−C1−6アルキル(nは0または1であり(nが0である場合、結合が存在する。)、およびアルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(4)−O−フェニル(フェニルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(5)−複素環(複素環は非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−NR1011(R10およびR11は、
(a)水素
(b)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC1−6アルキル
からなる群から独立して選択される。)、
(7)−S(O)−NR1011
(8)−COH、
(9)−CN、
(10)−NOおよび
(11)−B(OH)
の1個以上で置換されているフェニルである化合物を含む。
【0024】
本発明の実施形態は、Rが、非置換であるかまたは1個以上のメチル、−CF、ハロ、−OCF、−OCH、−OCHCH、−COCH、−CN、−N(CH)、−NH(CHCH)、−NO、−B(OH)、トリアゾリル、チアゾリルもしくはフェニルで置換されているフェニルである化合物を含む。
【0025】
本発明の実施形態は、Rが、非置換であるかまたは1個以上のメチル、−CF、クロロ、フルオロ、−OCF、−OCH、−OCHCH、−COCH、−B(OH)、トリアゾリル、チアゾリルもしくはフェニルで置換されているフェニルである化合物を含む。
【0026】
本発明の実施形態は、Rが、非置換であるかまたは1個以上のメチル、−CF、フルオロ、−OCF、−OCH、−COCH、−B(OH)、トリアゾリル、チアゾリルもしくはフェニルで置換されているフェニルである化合物を含む。
【0027】
本発明の実施形態は、Rが、
(1)フェニル、
(2)ビフェニル、
(3)2,6−ジメトキシフェニル、
(4)2,4−ジクロロフェニル、
(5)2,6−ジクロロフェニル、
(6)2,3−ジフルオロフェニル、
(7)2,4−ジフルオロフェニル、
(8)2,6−ジフルオロフェニル、
(9)2−メトキシ−4−メチル−フェニル、
(10)3−メトキシ−ビフェニル、
(11)3−メチル−ビフェニル
(12)5−メチル−2−チアゾリル−フェニルおよび
(13)5−メチル−2−トリアゾリル−フェニル
からなる群から選択される化合物を含む。
【0028】
本発明の実施形態は、Rがフェニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rが2,6−ジメトキシフェニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rが5−メチル−2−チアゾリル−フェニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rが5−メチル−2−トリアゾリル−フェニルである化合物を含む。
【0029】
本発明の実施形態は、Rが、非置換であるかまたは
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−O−C1−6アルキル(nは0または1であり(nが0である場合、結合が存在する。)、およびアルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(4)−O−フェニル(フェニルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(5)−複素環(複素環は非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−NR1011(R10およびR11は、
(a)水素、
(b)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC1−6アルキル
からなる群から独立して選択される。)、
(7)−S(O)−NR1011
(8)−COH、
(9)−CNおよび
(10)−NO
の1個以上で置換されているヘテロアリールである化合物を含む。
【0030】
本発明の実施形態は、Rが、非置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはフェニルで置換されているヘテロアリールである化合物を含む。
【0031】
本発明の実施形態は、Rが、非置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはフェニルで置換されている
(1)ベンゾイミダゾリル、
(2)ベンゾチアゾリル、
(3)ベンゾオキサゾリル、
(4)キナゾリニル、
(5)キノリニル、
(6)チアジアゾリル、
(7)チアゾリルおよび
(8)オキサゾロピリジル
からなる群から選択される化合物を含む。
【0032】
本発明の実施形態は、Rが、非置換であるかまたはメチル、フルオロ、クロロもしくはフェニルで置換されている
(1)ベンゾイミダゾール−2−イル、
(2)1,3−ベンゾチアゾール−2−イル、
(3)1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル、
(4)2−キナゾリニル、
(5)1−キノリン−2−イル、
(6)1,2,4−チアジアゾール−5−イル、
(7)1,3−チアゾール−2−イルおよび
(8)オキサゾロ[5,4−b]ピリジル
からなる群から選択される化合物を含む。
【0033】
本発明の実施形態は、Rが非置換であるかまたはクロロで置換されているベンゾチアゾリルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rが6−クロロ−ベンゾチアゾリルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rがベンゾオキサゾリルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rがキナゾリニルまたはキノリニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rが6−フルオロ−キナゾリニルである化合物を含む。
【0034】
本発明の実施形態は、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12が、
(1)水素
(2)−C1−6アルキル(アルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)
からなる群から独立して選択されるか、
または、RおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR10、もしくはR11およびR12が、C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)を一緒になって形成しており、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11またはR12の少なくとも2個が水素以外である化合物を含む。
【0035】
本発明の実施形態は、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12が、
(1)水素および
(2)−C1−6アルキル
からなる群から独立して選択されるか、
または、RおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR10、もしくはR11およびR12が、C3−6シクロアルキルを一緒になって形成しており、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11またはR12の少なくとも2個は水素以外である化合物を含む。
【0036】
本発明の実施形態は、Rが−C1−6アルキルであり、Rが水素であり、Rが−C1−6アルキルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、R10が水素であり、R11が水素であり、およびR12が水素である化合物を含む。この実施形態において、本発明は、Rがメチルであり、Rが水素であり、Rがメチルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、R10が水素であり、R11が水素であり、およびR12が水素である化合物を含む。
【0037】
本発明の実施形態は、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが−C1−6アルキルであり、Rが水素であり、Rが−C1−6アルキルであり、R10が水素であり、R11が水素であり、およびR12が水素である化合物を含む。この実施形態において、本発明は、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rがメチルであり、Rが水素であり、Rがメチルであり、R10が水素であり、R11が水素であり、およびR12が水素である化合物を含む。
【0038】
本発明の実施形態は、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが−C1−6アルキルであり、R10が水素であり、R11がC1−6アルキルであり、およびR12が水素である化合物を含む。この実施形態において、本発明は、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rがメチルであり、R10が水素であり、R11がメチルであり、およびR12が水素である化合物を含む。
【0039】
本発明の実施形態は、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが−C1−6アルキルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、R10が水素であり、R11が−C1−6アルキルであり、およびR12が水素である化合物を含む。この実施形態において、本発明は、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが−メチルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、R10が水素であり、R11がメチルであり、およびR12が水素である化合物を含む。
【0040】
本発明の実施形態は、Rが−C1−6アルキルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、RおよびR10が一緒になってC3−6シクロアルキルであり、R11が水素であり、およびR12が水素である化合物を含む。この実施形態において、本発明は、Rがメチルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、RおよびR10が一緒になってシクロプロピルであり、R11が水素であり、およびR12が水素である化合物を含む。
【0041】
本発明の実施形態は、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが−C1−6アルキルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、RおよびR10が一緒になってC3−6シクロアルキルであり、R11が水素であり、およびR12が水素である化合物を含む。この実施形態において、本発明は、Rが水素であり、Rが水素であり、Rがメチルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、RおよびR10が一緒になってシクロプロピルであり、R11が水素であり、およびR12が水素である化合物を含む。
【0042】
本発明の特定の実施形態は、本明細書の実施例の主題化合物または医薬的に許容されるこれらの塩からなる群から選択される化合物を含む。
【0043】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含有することができ、従って、ラセミ化合物およびラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオマー混合物および個別のジアステレオマーとして生じることができる。追加の不斉中心が、分子上の種々の置換基の性質に応じて存在することができる。このような各不斉中心は、2種の光学異性体を独立してもたらし、混合物中の、ならびに純粋であるかまたは部分的に精製された化合物としての、考えられる光学異性体およびジアステレオマーは、全て本発明の範囲内に含まれることが意図される。本発明は、これらの化合物のこのような異性体の形態を全て包含することを意図する。式Iは、特定の立体化学を有しない化合物のクラスの構造を示す。
【0044】
これらのジアステレオマーの独立の合成またはクロマトグラフィーによる分離は、本明細書に開示の方法の適切な改変により、当分野において知られているとおりに達成することができる。これらの絶対立体化学は、既知の絶対配置の不斉中心を含有する試薬を必要に応じて用いて結晶生成物または誘導体化された結晶性中間体のX線結晶解析により決定することができる。所望により、本化合物のラセミ混合物を個別の鏡像異性体が単離されるように分離することができる。この分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物とカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、次いで個別のジアステレオマーを標準的な方法、例えば分別結晶またはクロマトグラフィーにより分離するなどの当分野においてよく知られている方法により実施することができる。カップリング反応は、鏡像異性的に純粋な酸または塩基を使用して塩を形成することが多い。次いで、ジアステレオマー誘導体を、付加されたキラル残基の開裂により純粋な鏡像異性体に変換することができる。化合物のラセミ混合物を、キラル固定相を利用するクロマトグラフィー法により直接分離することもでき、この方法は当分野において十分公知である。また、化合物の任意の鏡像異性体は、当分野においてよく知られている方法により光学的に純粋な出発材料または既知の立体配置の試薬を使用して立体選択的合成により得ることができる。
【0045】
当業者に理解されるとおり、本明細書において使用されるハロゲンまたはハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含むものとする。同様に、C1−6アルキルにおけるようなC1−6は、1、2、3、4、5または6個の炭素を直鎖または分枝鎖の配置で有する基であると定義され、従ってC1−8アルキルは、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。置換基で独立して置換されていると指定される基は、このような置換基の複数により独立して置換されていてよい。本明細書において使用される用語「複素環」は、不飽和および飽和の両方の複素環式部分を含み、ここで、不飽和複素環式部分(即ち、「ヘテロアリール」)は、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイミダゾロニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、ジヒドロインドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリルおよびこれらのN−オキシドを含み、飽和複素環式部分は、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニルおよびテトラヒドロチエニル、ならびにこれらのN−オキシドを含む。
【0046】
用語「医薬的に許容される塩」は、無機もしくは有機塩基および無機もしくは有機酸を含む、医薬的に許容される非毒性の塩基または酸から調製される塩を意味する。無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)塩、マンガン(II)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などを含む。特定の実施形態は、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩を含む。固体形態の塩は、1種超の結晶構造で存在することができ、水和物の形態であってもよい。医薬的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩は、第一級、第二級および第三級アミン、天然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンの塩などを含む。
【0047】
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機および有機酸を含む医薬的に許容される非毒性酸から調製することができる。このような酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを含む。特定の実施形態は、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸を含む。本明細書で使用される式Iの化合物への言及は、医薬的に許容される塩をも含むことを意味すると理解される。
【0048】
本発明の例示は、実施例および本明細書に開示の化合物の使用である。本発明の範囲内の具体的な化合物は、以下の実施例に開示の化合物および医薬的に許容されるこれらの塩、ならびにこれらの個別の鏡像異性体またはジアステレオマーからなる群から選択される化合物を含む。
【0049】
主題化合物は、化合物の有効量を投与することを含む、オレキシン受容体活性の阻害が必要とされる患者、例えば哺乳動物においてオレキシン受容体活性を拮抗する方法において有用である。本発明は、オレキシン受容体活性のアンタゴニストとしての、本明細書に開示の化合物の使用を対象とする。霊長類、特にヒトの他、種々の他の哺乳動物を本発明の方法により治療することができる。本発明は、医薬において使用される本発明の化合物または医薬的に許容されるこの塩を対象とする。本発明はさらに、ヒトおよび動物においてオレキシン受容体活性を拮抗する、または本明細書に提示の障害および疾患を治療する医薬品の製造のための、本発明の化合物または医薬的に許容されるこの塩の使用を対象とする。
【0050】
本発明の方法において治療される対象は、一般に、雄または雌の哺乳動物、特にヒトである。用語「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医により求められている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する、主題化合物の量を意味する。当業者は、本発明の化合物の有効量を用いて、現在障害に罹患している患者を治療すること、または障害に罹患する患者を予防治療することにより、神経および精神障害に影響を及ぼすことができることが認識される。本明細書で使用される用語「治療」および「治療する」は、本明細書に記載の神経および精神障害の進行の遅延、中断、抑制、制御または停止の存在し得る全ての過程を意味するが、必ずしも全ての障害の症状の完全な排除を示すものではなく、特にこのような疾患または障害に罹患しやすくなっている患者における上記病態の予防的治療をも示す。化合物「の投与」および または化合物「を投与する」という用語は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを、これらが必要とされる個体に提供することを意味すると理解されるべきである。
【0051】
本明細書で使用される用語「組成物」は、特定の量の特定の成分を含む生成物、および特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的または間接的に生じる任意の生成物を包含するものとする。医薬組成物に関するこのような用語は、(1種以上の)活性成分および担体を構成する(1種以上の)不活性成分を含む生成物を包含し、ならびに成分の任意の2種以上の組み合わせ、複合もしくは集合から、または成分の1種以上の解離から、または成分の1種以上の反応もしくは相互作用の他の型から直接的または間接的に生じる任意の生成物を包含するものとする。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体とを混合することにより作出される任意の組成物を包含する。「医薬的に許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分との適合性を示さなければならず、これらのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0052】
オレキシン受容体OX1Rおよび/またはOX2Rアンタゴニストとしての本発明の化合物の有用性は、「FLIPR Ca2+フラックスアッセイ」(Okumura et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.280:976−981,2001)を含む当分野においてよく知られている方法により過度の実験を行うことなく容易に測定することができる。典型的な実験において、以下の実験方法により本発明の化合物のOX1およびOX2受容体アンタゴニスト活性を測定した。細胞内カルシウム計測のため、2mMのL−グルタミン、0.5g/mlのG418、1%のヒポキサンチン−チミジンサプリメント、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンおよび10%熱不活化ウシ胎仔血清(FCS)を含有するイスコブ改変DMEM中で、ラットオレキシン−1受容体またはヒトオレキシン−2受容体を発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を増殖させる。ポリ−D−リシンがコーティングされたBecton−Dickinson黒色384ウェル透明底滅菌プレート中に、細胞をウェル当たり20000個播種する。全試薬は、GIBCO−Invitrogen Corp.から入手した。播種したプレートを37℃および5%CO2において一晩温置する。アゴニストとしてのAla−6,12ヒトオレキシン−Aを1%ウシ血清アルブミン(BSA)中1mM原液として調製し、アッセイ使用のために最終濃度70pMでアッセイ緩衝液(20mMのHEPES、0.1%のBSAおよび2.5mMのプロベネシドを含有するHBSS、pH7.4)中で希釈する。試験化合物をDMSO中10mM原液として調製し、次いで384ウェルプレート中で、最初にDMSO中で、次いでアッセイ緩衝液中で希釈する。アッセイ当日に細胞を100μlのアッセイ緩衝液により3回洗浄し、次いで1μMのFluo−4AMエステル、0.02%のプルロニック酸および1%のBSAを含有する60μlのアッセイ緩衝液中で60分間(37℃、5%CO2)温置する。次いで、色素ローディング溶液を吸引し、細胞を100μlのアッセイ緩衝液により3回洗浄する。同一の緩衝液30μlを各ウェルに残す。蛍光イメージングプレートリーダー(Fluorescent Imaging Plate Reader)(FLIPR、Molecular Devices)内で試験化合物を25μlの容量でプレートに添加し、5分間温置し、最後にアゴニスト25μlを添加する。各ウェルにつき1秒間隔で5分間蛍光を計測し、各蛍光ピークの高さを、アンタゴニストに代えて緩衝液を有する70pMのAla−6,12オレキシン−Aにより誘導した蛍光ピークの高さと比較する。各アンタゴニストにつき、IC50値(アゴニスト応答の50%を阻害するために必要な化合物の濃度)を測定する。本発明において使用することができる化合物の固有のオレキシン受容体アンタゴニスト活性は、これらのアッセイにより測定することができる。
【0053】
特に、以下の実施例の化合物は、上記アッセイにおいてラットオレキシン−1受容体および/またはヒトオレキシン−2受容体を拮抗する活性を有し、一般にIC50は約50μM未満であった。本発明の範囲内の化合物の多くは、上記アッセイにおいてラットオレキシン−1受容体および/またはヒトオレキシン−2受容体を拮抗する活性を有し、IC50は約100nM未満であった。このような結果は、オレキシン−1受容体および/またはオレキシン−2受容体のアンタゴニストとしての使用におけるこれらの化合物の固有の活性を示している。本発明はまた、オレキシン−1受容体および/またはオレキシン−2受容体のアゴニストとしての活性を有する本発明の包括的な範囲内の化合物を含む。他のジアゼパン化合物に関して、本発明の化合物は、例えば、経口バイオアベイラビリティの増大、代謝安定性、代謝酵素の阻害の減少(例えば、シトクロムP450 3A4(CYP3A4)阻害の減少)、トランスポーターの阻害の減少(例えば、p−糖タンパク質/PGP阻害の減少)および/またはヒトオレキシン−2受容体を含む他の受容体に関する選択性に関する予期されない特性を示す。
【0054】
オレキシン受容体は、広範な生物学的機能に関与している。このことは、ヒトまたは他の種における種々の疾患過程についてのこれらの受容体の潜在的役割を示唆している。本発明の化合物は、オレキシン受容体に関連するかもしくはオレキシン受容体が関与する種々の神経もしくは精神障害の治療、予防、改善、制御またはリスク低減において有用である。本発明の化合物は、以下の病態もしくは疾患の1種以上の治療、予防、改善、制御またはリスク低減において有用である:睡眠の質の向上、睡眠の質の改善、睡眠効率の増大、睡眠維持の増加を含む睡眠障害、睡眠異常;対象の睡眠時間を対象が睡眠を試みた時間で割ることにより計算される値の増大;睡眠開始の改善;睡眠潜時もしくは開始時間(入眠までの時間)の減少;入眠困難の減少;睡眠持続性の増大;睡眠中の覚醒回数の減少;睡眠中の間欠的な覚醒の減少;夜間覚醒の減少;最初の睡眠開始後に覚醒に要する時間の減少;総睡眠量の増大;睡眠の断片化の低減;REM睡眠期のタイミング、頻度または持続時間の変化;徐波(即ち、第3または第4段階)睡眠期のタイミング、頻度または持続時間の変化;第2段階睡眠の量および割合の増大;徐波睡眠の促進;睡眠中のEEG−デルタ活動の向上;夜間覚醒、特に早朝覚醒の減少;日中の覚醒の増大;日中の嗜眠の低減;日中の過剰な眠気の治療または低減;睡眠深度の満足度の増大;睡眠維持の増大;特発性不眠症;睡眠の問題;不眠症、過眠症、特発性過眠症、反復性過眠症、内因性過眠症(intrinsic hypersomnia)、ナルコレプシー、断続睡眠、睡眠時無呼吸、覚醒、夜間ミオクローヌス、REM睡眠中断、時差ぼけ、交代勤務性睡眠障害、睡眠不全、夜驚症、うつ病、情緒/気分障害、アルツハイマー病もしくは認知障害に伴う不眠症、ならびに夢遊病および遺尿症、ならびに加齢に伴う睡眠障害;アルツハイマー型日没現象;日周期リズムに関連する病態、ならびに時間帯域横断旅行および交代勤務スケジュールに伴う精神および身体障害、副作用としてREM睡眠の低減をもたらす薬物に起因する病態;線維筋痛;非回復性睡眠により顕在化する症候群および睡眠中の呼吸障害に伴う筋痛または睡眠時無呼吸;睡眠の質の低下から生じる病態;学習の増大、記憶の増加、記憶機能および能力の増大、記憶保持の増大、記憶の向上、記憶の維持、記憶の回復(短期、中期および長期記憶の全ての段階および/または型を含む。);過食に伴う摂食障害およびこの摂食障害に伴う合併症、強迫性摂食障害、肥満症(任意の原因に起因するもの、遺伝的原因または環境的原因を問わない。)、過食症および神経性過食症を含む肥満症関連障害、高血圧、糖尿病、血漿インスリン濃度およびインスリン抵抗性の上昇、脂質異常症、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌および結腸癌、変形性関節症、閉塞型睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心疾患、心調律異常および不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠状動脈性心疾患、突然死、卒中、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プラダー・ウィリ症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠損対象、正常範囲内変異低身長、ターナー症候群および代謝活性の低減または総除脂肪量の割合としての安静時エネルギー消費量の減少を示す他の病理学的状態、例えば、急性リンパ芽球性白血病の幼児、代謝症候群(別称X症候群)、インスリン抵抗性症候群、生殖ホルモン異常、性機能不全および生殖機能不全、例えば、受精障害、不妊症、男性の性機能低下症および女性の男性型多毛症、母体肥満症に伴う胎児欠損、胃腸運動障害、例えば肥満症関連胃食道逆流、呼吸器障害、例えば肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、息切れ、心血管障害、炎症、例えば全身性血管系炎症、動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸血症、腰痛、胆嚢疾患、通風、腎臓癌、麻酔のリスク増大、肥満症の副次アウトカムのリスク低減、例えば左心室肥大のリスク低減;うつ病、片頭痛、神経因性疼痛、パーキンソン病、精神病および統合失調症を含む脳内で異常振動活動が生じる疾患または障害ならびに特に視床を介する活動の異常なカップリングが存在する疾患または障害;認知機能の向上;記憶の向上;記憶保持の増大;免疫応答の増大;免疫機能の増大;ほてり;寝汗;延命;統合失調症;心調律などの神経系により課される興奮/弛緩リズムにより制御される筋関連障害および他の心血管系の障害;血管拡張または血管拘束(vasorestriction)などの細胞増殖および血圧に関連する病態;癌;心不整脈;高血圧;うっ血性心不全;生殖器/泌尿器系の病態;性機能および生殖能の障害;腎機能の適正;麻酔に対する応答性;気分障害、例えばうつ病またはさらに特定すると、うつ病性障害、例えば、単一エピソードまたは反復性大うつ病性障害および気分変調性障害、または双極性障害、例えばI型双極性障害、II型双極性障害および循環病、一般病状に起因する気分障害、および物質誘発性気分障害、非定型うつ病;急性ストレス障害、広場恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害、対人恐怖症、特定恐怖症、物質誘発性不安障害および一般病状に起因する不安症を含む不安障害;急性神経および精神障害、例えば、心臓バイパス手術および移植後の脳欠損、卒中、虚血性発作、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖神経細胞損傷;ハンチントン舞踏病;筋委縮性側索硬化症;多発性硬化症;眼球損傷;網膜症;認知障害;特発性および薬物誘発性パーキンソン病;筋攣縮および振戦、てんかん、痙攣を含む筋痙縮に伴う障害;認知症(アルツハイマー病、虚血、外傷、血管の問題または卒中、HIV病、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、周産期低酸素症、他の一般病状または物質乱用に伴う)を含む認知障害;せん妄、健忘性障害または加齢性認知低下;統合失調症(妄想型、解体型、緊張型または未分化型)、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、一般病状に起因する精神病性障害および物質誘発性精神病性障害を含む統合失調症または精神病;物質関連障害、物質乱用、嗜癖および嗜癖行動、報酬関連行動(物質誘発性せん妄、持続性認知症、持続性健忘性障害、精神病性障害または不安障害;アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤を含む物質に対する耐性、嗜癖摂食、依存性、離脱または回帰を含む。);無動症および無動固縮(akinetic−rigid)症候群を含む運動障害(パーキンソン病、薬物誘発性パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン症候群−ALS認知症複合および大脳基底核石灰化を含む。)、慢性疲労症候群、パーキンソン疲労、多発性硬化症疲労、睡眠障害または日周期リズム障害により引き起こされる疲労を含む疲労、薬剤誘発性パーキンソン症候群(例えば、神経遮断剤誘発性パーキンソン症候群、神経遮断剤性悪性症候群、神経遮断剤誘発性急性ジストニー、神経遮断剤誘発性急性静坐不能症、神経遮断剤誘発性遅発性ジスキネジアおよび薬物誘発性姿勢時振戦)、ジルドラトゥレット症候群、てんかんおよびジスキネジア[振戦(例えば、静止時振戦、本態性振戦、姿勢時振戦および企図振戦)、舞踏病(例えば、シデナム舞踏病、ハンチントン病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球症、症候性舞踏病、薬物誘発性舞踏病および片側バリズム)、ミオクローヌス(全身性ミオクローヌスおよび限局性ミオクローヌスを含む。)、チック(単純チック、複雑チックおよび症候性チックを含む。)、下肢静止不能症候群およびジストニー(全身性ジストニー、例えば、特発性ジストニー、薬物誘発性ジストニー、症候性ジストニーおよび発作性ジストニー、ならびに限局性ジストニー、例えば、眼痙攣、顎口腔ジストニー、痙攣性発声障害、痙攣性斜頚、軸性ジストニー、ジストニー書痙および片麻痺性ジストニーを含む。)を含む。];注意欠陥/多動障害(ADHD);行動障害;片頭痛(片頭痛による頭痛を含む。);尿失禁;物質耐性、物質離脱(オピエート、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、催眠剤などのような物質を含む。);精神病;統合失調症;不安症(全般性不安障害、パニック障害および強迫性障害を含む。);気分障害(うつ病、躁病、双極性障害を含む。);三叉神経痛;難聴;耳鳴;眼球損傷を含む神経細胞損傷;網膜症;眼の黄斑変性症;嘔吐;脳水腫;急性および慢性疼痛状態、激痛、難治性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、外傷後疼痛、骨関節疼痛(変形性関節症)、反復性運動疼痛、歯痛、癌性疼痛、筋膜疼痛(筋損傷、線維筋痛)、周術期疼痛(一般外科、婦人科)、慢性疼痛、神経因性疼痛、外傷後疼痛、三叉神経痛、片頭痛および片頭痛による頭痛を含む疼痛。
【0055】
従って、特定の実施形態において、本発明は、睡眠の質の向上;睡眠維持の増加;REM睡眠の増大;第2段階睡眠の増大;睡眠パターンの断片化の減少;不眠症の治療;認知の向上;記憶保持の増大;肥満症の治療もしくは制御;うつ病の治療もしくは制御;欠伸てんかんを含むてんかんの治療、制御、改善もしくはリスク低減;神経因性疼痛を含む疼痛の治療もしくは制御;パーキンソン病の治療もしくは制御;精神病の治療もしくは制御;嗜癖の治療もしくは制御;うつ病の治療もしくは制御;または統合失調症の治療、制御、改善もしくはリスク低減を、これらを必要とする哺乳動物患者において行う方法であって、本発明の化合物の治療有効量を前記患者に投与することを含む方法を提供する。
【0056】
主題化合物は、本明細書に提示の疾患、障害および病態を予防、治療、制御、改善またはリスク低減する方法においてさらに有用である。本発明の組成物中の活性成分の投与量は変動してよいが、活性成分の量は、好適な剤形が得られるような量であることが必要である。活性成分は、このような治療が必要とされる患者(動物およびヒト)に、最適な医薬的効能を提供する投与量で投与することができる。選択される投与量は、所望の治療効果、投与経路および治療期間に依存する。用量は、疾患の性質および重症度、患者の体重、患者が投与時に従っている特別食、併用薬、ならびに当業者が認識する他の要因に応じて患者毎に変動する。一般に、オレキシン受容体の有効な拮抗を得るため、0.0001から10mg/kg体重の一日投与量レベルを、患者、例えばヒトおよび高齢のヒトに投与する。投与量範囲は、一般に、患者1人あたり1日につき約0.5mgから1.0gであり、単回または複数回用量で投与することができる。一実施形態においては、投与量範囲は、患者1人あたり1日につき約0.5mgから500mgであり;別の実施形態においては、患者1人あたり1日につき約0.5mgから200mgであり;なお別の実施形態においては、患者1人あたり1日につき約5mgから50mgである。本発明の医薬組成物は、例えば、約0.5mgから500mgの活性成分を含むか、または約1mgから250mgの活性成分を含む固体投与製剤で提供することができる。医薬組成物は、約1mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、200mgまたは250mgの活性成分を含む固体投与製剤で提供することができる。経口投与のため、本組成物は、治療されるべき患者への投与量を症状に応じて調整するため、活性成分1.0から1000ミリグラム、例えば活性成分1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900および1000ミリグラムを含有する錠剤の形態で提供することができる。本化合物は、1日あたり1回から4回、例えば1日あたり1回または2回の治療計画に基づき投与することができる。
【0057】
本発明の化合物は、本発明の化合物または他の薬物が有用性を有し得る疾患もしくは病態の治療、予防、制御、改善またはリスク低減において、1種以上の他の薬物と組み合わせて使用することができ、薬物を一緒に組み合わせることは、いずれかの薬物単独よりも安全であるかまたは有効である。このような(1種以上の)他の薬物は、この薬物について一般的に使用される経路および量によって、本発明の化合物と同時にまたは本発明の化合物に連続して投与することができる。本発明の化合物が1種以上の他の薬物と同時に使用される場合、このような他の薬物および本発明の化合物を含有する単位剤形の医薬組成物が企図される。しかしながら、併用治療は、本発明の化合物および1種以上の他の薬物が異なる重複スケジュールに基づき投与される治療を含むこともできる。1種以上の他の活性成分と組み合わせて使用される場合、本発明の化合物および他の活性成分は、それぞれ単独で使用される場合よりも低用量で使用することができることも企図される。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物の他に1種以上の他の活性成分を含有する医薬組成物を含む。上記組み合わせは、本発明の化合物と1種の他の活性化合物との組み合わせだけでなく、2種以上の他の活性化合物との組み合わせをも含む。
【0058】
同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患もしくは病態の予防、治療、制御、改善またはリスク低減において使用される他の薬物と組み合わせて使用することができる。このような他の薬物は、この薬物について一般的に使用される経路および量によって、本発明の化合物と同時にまたは本発明の化合物に連続して投与することができる。本発明の化合物が1種以上の他の薬物と同時に使用される場合、本発明の化合物の他にこのような他の薬物を含有する医薬組成物が企図される。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物の他に1種以上の他の活性成分をも含有する医薬組成物を含む。
【0059】
本発明の化合物と第2の活性成分との重量比は変動してよく、各成分の有効用量に依存する。一般に、それぞれの有効用量が使用される。従って、例えば、本発明の化合物が別の薬剤と組み合わされる場合、本発明の化合物と他の薬剤との重量比は、一般に約1000:1から約1:1000の範囲であり、例えば、約200:1から約1:200の範囲である。また、本発明の化合物と他の活性成分との組み合わせは、一般に上記範囲内であるが、各場合において、各活性成分の有効用量が使用されるべきである。このような組み合わせにおいて、本発明の化合物および他の活性成分を別個にまたは一緒に投与することができる。さらに、ある構成成分の投与は、(1種以上の)他の薬剤の投与前、投与と同時または投与後とすることができる。
【0060】
本発明の化合物は、例えば、鎮静剤、催眠剤、不安緩解剤、抗精神病剤、抗不安剤、抗ヒスタミン剤、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、シクロピロロン、GABAアゴニスト、5HT−2Aアンタゴニストおよび5HT−2A/2Cアンタゴニストを含む5HT−2アンタゴニスト、例えばヒスタミンH3アンタゴニスト、ヒスタミンH3インバースアゴニストを含むヒスタミンアンタゴニスト、イミダゾピリジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニストおよびアンタゴニスト、メラトニン作動薬、他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニストおよびアンタゴニスト、ピラゾロピリミジン、T型カルシウムチャネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジンなど、例えば:アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル、APD−125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスピロン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼパート、クロレタート、クロザピン、クロナゼパム、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエックス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD−281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エトクロルビノール、エトミダート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インジプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY−156735、マプロチリン、MDL−100907、メクロクアロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバマート、メタクアロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD−2−73、ニソバマート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オルノルトリプチリン(ornortriptyline)、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK−375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾラート、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフロペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデムおよびこれらの塩、ならびにこれらの組み合わせなどを含む、睡眠の質の向上、ならびに睡眠障害および睡眠異常の予防および治療に有用であることが当分野において知られている化合物と組み合わせて投与することができるか、または本発明の化合物は、物理的方法の使用、例えば光線療法もしくは電気刺激と併せて投与することができる。
【0061】
別の実施形態において、主題化合物は、当分野において知られている他の化合物と組み合わせて使用することができ、これらの化合物は別個に投与されるか、または同一医薬組成物で投与され、限定されるものではないが、インスリン増感剤、例えば(i)PPARγアンタゴニスト、例えばグリタゾン(例えばシグリタゾン;ダルグリタゾン;エングリタゾン;イサグリタゾン(MCC−555);ピオグリタゾン;ロシグリタゾン;トログリタゾン;ツラリク;BRL49653;CLX−0921;5−BTZD)、GW−0207、LG−100641およびLY−300512など);(iii)ビグアニド、例えば、メトホルミンおよびフェンホルミン;(b)インスリンまたはインスリン模倣体、例えばバイオタ、LP−100、ノバラピド、インスリンデテミル、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリン亜鉛懸濁液(レンテおよびウルトラレンテ);Lys−Proインスリン、GLP−1(73−7)(インスリントロピン);およびGLP−1(7−36)−NH);(c)スルホニル尿素、例えば、アセトヘキサミド;クロルプロパミド;ジアビネーゼ;グリベンクラミド;グリピジド;グリブリド;グリメピリド;グリクラジド;グリペンチド;グリキドン;グリソラミド;トラザミド;およびトルブタミド;(d)α−グルコシダーゼ阻害剤、例えば、アカルボース、アジポシン;カミグリボース;エミグリタート;ミグリトール;ボグリボース;プラジミシン−Q;サルボスタチン;CKD−711;MDL−25637;MDL−73945;およびMOR14など;(e)コレステロール低下剤、例えば、(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(アトルバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンおよび他のスタチン)、(ii)胆汁酸吸収剤/捕捉剤、例えば、コレスチラミン、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;Colestid(登録商標);LoCholest(登録商標)など、(ii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸またはこれらの塩、(iii)増殖因子活性化受容体αアゴニスト、例えばフェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラートおよびベンザフィブラート)、(iv)コレステロール吸収抑制阻害剤、例えば、スタノールエステル、ベータ−シトステロール、ステロールグリコシド、例えばチクエシド;およびアゼチジノン、例えばエゼチミブなど、ならびに(アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT))阻害剤、例えば、アバシミブおよびメリナミド、(v)酸化防止剤、例えばプロブコール、(vi)ビタミンE、および(vii)甲状腺ホルモン模倣体(thyromimetics);(f)PPARαアゴニスト、例えば、ベクロフィブラート(beclofibrate)、ベンザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラートおよびゲムフィブロジル;ならびに他のフィブリン酸誘導体、例えば、Atromid(登録商標)、Lopid(登録商標)およびTricor(登録商標)など、ならびにWO97/36579に記載のPPARαアゴニスト;(g)PPARδアゴニスト、例えばWO97/28149に開示のアゴニスト;(h)PPARα/δアゴニスト、例えば、ムラグリタザールおよびUS6,414,002に開示の化合物;(i)抗肥満剤、例えば(1)成長ホルモン分泌促進剤、成長ホルモン分泌促進剤受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、NN703、ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424391、L−692429およびL−163255、ならびに、例えば米国特許5,536,716および6,358,951、米国特許2002/049196および2002/022637、ならびにPCT出願WO01/56592およびWO02/32888に開示のもの;(2)プロテインチロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;(3)カンナビノイド受容体リガンド、例えば、カンナビノイドCB受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニスト、例えばリモナバント、タラナバント、AMT−251、ならびにSR−14778およびSR141716A(Sanofi Synthelabo)、SLV−319(Solvay)、BAY65−2520(Bayer)、ならびに米国特許5,532,237、4,973,587、5,013,837、5,081,122、5,112,820、5,292,736、5,624,941、6,028,084、PCT出願WO96/33159、WO98/33765、WO98/43636、WO98/43635、WO01/09120、WO98/31227、WO98/41519、WO98/37061、WO00/10967、WO00/10968、WO97/29079、WO99/02499、WO01/58869、WO01/64632、WO01/64633、WO01/64634、WO02/076949、WO03/007887、WO04/048317およびWO05/000809に開示のもの;(4)抗肥満セロトニン作動薬、例えば、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミンおよびシブトラミン;(5)β3−アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、AD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、トレカドリン、Zeneca D7114、SR59119A;(6)膵リパーゼ阻害剤、例えば、オルリスタット(Xenical(登録商標))、トリトンWR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン、リン酸ジエチルウンベリフェリルおよびPCT出願WO01/77094に開示の阻害剤;(7)ニューロペプチドY1アンタゴニスト、例えば、BIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A、ならびに米国特許6,001,836、ならびにPCT特許公開WO96/14307、WO01/23387、WO99/51600、WO01/85690、WO01/85098、WO01/85173およびWO01/89528に開示のアンタゴニスト;(8)ニューロペプチドY5アンタゴニスト、例えば、GW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819AおよびJCF−104、ならびに米国特許6,057,335;6,043,246;6,140,354;6,166,038;6,180,653;6,191,160;6,313,298;6,335,345;6,337,332;6,326,375;6,329,395;6,340,683;6,388,077;6,462,053;6,649,624;および6,723,847、欧州特許EP−01010691およびEP−01044970;ならびにPCT国際特許公開WO97/19682、WO97/20820、WO97/20821、WO97/20822、WO97/20823、WO98/24768;WO98/25907;WO98/25908;WO98/27063、WO98/47505;WO98/40356;WO99/15516;WO99/27965;WO00/64880、WO00/68197、WO00/69849、WO01/09120、WO01/14376;WO01/85714、WO01/85730、WO01/07409、WO01/02379、WO01/02379、WO01/23388、WO01/23389、WO01/44201、WO01/62737、WO01/62738、WO01/09120、WO02/22592、WO0248152およびWO02/49648;WO02/094825;WO03/014083;WO03/10191;WO03/092889;WO04/002986;およびWO04/031175に開示のアンタゴニスト;(9)メラニン凝集ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト、例えば、WO01/21577およびWO01/21169に開示のアンタゴニスト;(10)メラニン凝集ホルモン1受容体(MCH1R)アンタゴニスト、例えばT−226296(Takeda)およびPCT特許出願WO01/82925、WO01/87834、WO02/051809、WO02/06245、WO02/076929、WO02/076947、WO02/04433、WO02/51809、WO02/083134、WO02/094799、WO03/004027に開示のアンタゴニスト;(11)メラニン凝集ホルモン2受容体(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシン受容体アンタゴニスト、例えば、SB−334867−Aおよび本明細書における特許公開に開示の化合物;(13)セロトニン再取込み阻害剤、例えば、フルオキセチン、パロキセチンおよびセルトラリン;(14)メラノコルチンアゴニスト、例えばメラノタンII;(15)Mc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、例えばCHIR86036(Chiron)、ME−10142およびME−10145(Melacure)、CHIR86036(Chiron);PT−141およびPT−14(Palatin);(16)5HT−2アゴニスト;(17)5HT2C(セロトニン受容体2C)アゴニスト、例えば、BVT933、DPCA37215、WAY161503、R−1065および米国特許3,914,250、ならびにPCT出願WO02/36596、WO02/48124、WO02/10169、WO01/66548、WO02/44152、WO02/51844、WO02/40456およびWO02/40457に開示のアゴニスト;(18)ガラニンアンタゴニスト;(19)CCKアゴニスト;(20)CCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト、例えば、AR−R15849、GI181771、JMV−180、A−71378、A−71623およびSR14613、ならびに米国特許5,739,106に開示のアゴニスト;(21)GLP−1アゴニスト;(22)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(23)ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター;(24)ヒスタミン受容体−3(H3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えば、チオペラミド、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピルN−(4−ペンテニル)カルバマート、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(Gliatech)およびO−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]−カルバマート;(25)β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1阻害剤(β−HSD−1);(26)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤、例えば、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラムおよびシロミラスト;(27)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)阻害剤;(28)NE(ノルエピネフリン)輸送阻害剤、例えば、GW320659、デスピラミン、タルスプラムおよびノミフェンシン);(29)グレリン受容体アンタゴニスト、例えば、PCT出願WO01/87335およびWO02/08250に開示のアンタゴニスト;(30)組換えヒトレプチン(PEG−OB、Hoffman La Roche)および組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含むレプチン;(31)レプチン誘導
体;(32)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト、例えば[D−Phe6,ベータ−Ala11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)および[D−Phe6,Phe13]Bn(6−13)プロピルアミド、ならびにPept.Sci.2002 Aug;8(8):461−75)に開示の化合物;(33)CNTF(毛様体神経栄養因子)、例えば、GI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンジド、PD170292およびPD149164(Pfizer);(34)CNTF誘導体、例えばアクソカイン(Regeneron);(35)モノアミン再取込み阻害剤、例えばシブトラミン;(36)UCP−1(脱共役タンパク質−1)、2または3活性化剤、例えばフィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイン酸;(37)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えばKB−2611(KaroBioBMS);(38)FAS(脂肪酸シンターゼ)阻害剤、例えば、セルレニンおよびC75;(39)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤;(40)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤;(41)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害剤;(42)グルココルチコイドアンタゴニスト;(43)アシル−エストロゲン、例えばdel Mar−Grasa,M.et al.,Obesity Research,9:202−9(2001)に開示のオレオイル−エストロン;(44)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤、例えば、イソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、NVP−DPP728、LAF237、P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VIP0177、SDZ274−444、シタグリプチン;ならびにUS6,699,871、WO03/004498;WO03/004496;EP1258476;WO02/083128;WO02/062764;WO03/000250;WO03/002530;WO03/002531;WO03/002553;WO03/002593;WO03/000180;およびWO03/000181に開示の化合物;(46)ジカルボン酸トランスポーター阻害剤;(47)グルコーストランスポーター阻害剤;(48)リン酸トランスポーター阻害剤;(49)メトホルミン(Glucophage(登録商標));(50)トピラマート(Topimax(登録商標));(50)ペプチドYY、PYY3−36、ペプチドYY類似体、誘導体およびフラグメント、例えば、BIM−43073D、BIM−43004C(Olitvak,D.A.et al.,Dig.Dis.Sci.44(3):643−48(1999));(51)ニューロペプチドY2(NPY2)受容体アゴニスト、例えば、NPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY24−36、TASP−Vおよびシクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−Glu32]−(25−36)−pNPY;(52)ニューロペプチドY4(NPY4)アゴニスト、例えば膵ペプチド(PP)および他のY4アゴニスト、例えば1229U91;(54)シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、例えば、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、BMS347070、チラコキシブまたはJTE522、ABT963、CS502およびGW406381;(55)ニューロペプチドY1(NPY1)アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A;(56)オピオイドアンタゴニスト、例えば、ナルメフェン(Revex(登録商標)、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン;(57)11βHSD−1(11−ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1)阻害剤、例えば、BVT3498、BVT2733、ならびにWO01/90091、WO01/90090、WO01/90092、US6,730,690およびUS2004−0133011に開示の阻害剤;(58)アミノレックス;(59)アンフェクロラール;(60)アンフェタミン;(61)ベンズフェタミン;(62)クロルフェンテルミン;(63)クロベンゾレックス;(64)クロホレックス;(65)クロミノレックス;(66)クロルテルミン;(67)シクレキセドリン;(68)デキストロアンフェタミン;(69)ジフェメトキシジン、(70)N−エチルアンフェタミン;(71)フェンブトラザート;(72)フェニソレックス;(73)フェンプロポレックス;(74)フルドレックス;(75)フルミノレックス;(76)フルフリルメチルアンフェタミン;(77)レバンフェタミン;(78)レボファセトペラン;(79)メフェノレックス;(80)メタンフェプラモン;(81)メタンフェタミン;(82)ノルプソイドエフェドリン;(83)ペントレックス;(84)フェンジメトラジン;(85)フェンメトラジン;(86)ピシロレックス;(87)フィトファーム57;ならびに(88)ゾニサミド、(89)ニューロメジンUおよびこの類似体または誘導体、(90)オキシントモジュリンおよびこの類似体または誘導体、ならびに(91)ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト(NK−1アンタゴニスト)、例えば米国特許5,162,339、5,232,929、5,242,930、5,373,003、5,387,595、5,459,270、5,494,926、5,496,833および5,637,699に開示の化合物を含む。
【0062】
別の実施形態において、主題化合物は、ノルエピネフリン再取込み阻害剤(第三級アミン三環式化合物および第二級アミン三環式化合物を含む。)、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニンおよびノルアドレナリン再取込み阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、非定型抗うつ剤、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニストまたはアンタゴニスト、特に5−HT1A部分アゴニストおよびコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストを含む抗うつ剤または抗不安剤と組み合わせて使用することができる。具体的な薬剤は:アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミンおよびトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリンおよびプロトリプチン;シタロプラム、デュロキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミンおよびセレギリン;モクロベミド;ベンラファキシン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼパート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムおよびプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロンおよびイプサピロン、ならびに医薬的に許容されるこれらの塩を含む。
【0063】
別の実施形態において、主題化合物は、抗アルツハイマー剤;ベータ−セクレターゼ阻害剤;ガンマ−セクレターゼ阻害剤;成長ホルモン分泌促進剤;組換え成長ホルモン;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;イブプロフェンを含むNSAID;ビタミンE;抗アミロイド抗体;CB−1受容体アンタゴニストまたはCB−1受容体インバースアゴニスト;抗生物質、例えばドキシサイクリンおよびリファンピン;N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト、例えばメマンチン;コリンエステラーゼ阻害剤、例えば、ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジルおよびタクリン;成長ホルモン分泌促進剤、例えば、イブタモレン、メシル酸イブタモレンおよびカプロモレリン;ヒスタミンHアンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDEIV阻害剤;GABAインバースアゴニスト;または神経性ニコチン性アゴニストと組み合わせて使用することができる。
【0064】
別の実施形態において、主題化合物は、鎮静剤、催眠剤、不安緩解剤、抗精神病剤、抗不安剤、シクロピロロン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニストおよびアンタゴニスト、メラトニン作動薬、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、5HT−2アンタゴニストなど、例えば:アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスピロン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼパート、クロレタート、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロルアルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エトクロルビノール、エトミダート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロクアロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバマート、メタクアロン、ミダフルル、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバマート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パルアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、テマゼパム、チオリダジン、トラカゾラート、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフロペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾルピデムおよびこれらの塩、ならびにこれらの組み合わせなどと組み合わせて使用することができるか、または主題化合物は、物理的方法の使用、例えば光線療法または電気刺激と併せて投与することができる。
【0065】
別の実施形態において、主題化合物は、レボドパ(選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害剤、例えば、カルビドパもしくはベンセラジドを用いるかまたは用いない。)、抗コリン作動薬、例えばビペリデン(場合により、この塩酸塩もしくは乳酸塩として)およびトリヘキシルフェニジル(ベンズヘキソール)塩酸塩、COMT阻害剤、例えばエンタカポン、MOA−B阻害剤、酸化防止剤、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニストおよびドーパミン受容体アゴニスト、例えば、アレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリドおよびプラミペキソールと組み合わせて使用することができる。
【0066】
別の実施形態において、主題化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、ベンセラジドを用いるレボドパ、カルビドパを用いるレボドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン(molindolone)、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシルフェニジル、チオリダジン、チオチキセンまたはトリフルオペラジンと組み合わせて使用することができる。
【0067】
別の実施形態において、主題化合物は、神経遮断剤のフェノチアジン、チオキサンテン、複素環式ジベンズアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジンおよびインドロンのクラスからの化合物と組み合わせて使用することができる。フェノチアジンの好適な例は、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジンおよびトリフロペラジンを含む。チオキサンテンの好適な例は、クロルプロチキセンおよびチオチキセンを含む。ジベンズアゼピンの例は、クロザピンである。ブチロフェノンの例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの例は、ピモジドである。インドロンの例は、モリンドロンである。他の神経遮断剤は、ロキサピン、スルピリドおよびリスペリドンを含む。
【0068】
別の実施形態において、主題化合物は、ニコチンアゴニストまたはニコチン受容体部分アゴニスト、例えば、バレニクリン、オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン(ナルトレキソンデポーを含む。)、アンタブースおよびナルメフェン)、ドーパミン作用薬(例えば、アポモルフィン)、ADD/ADHD薬剤(例えば、メチルフェニダート塩酸塩(例えば、Ritalin(登録商標)およびConcerta(登録商標))、アトモキセチン(例えば、Strattera(登録商標))、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、アンフェタミン(例えば、Adderall(登録商標))および抗肥満剤、例えばアポ−B/MTP阻害剤、11ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1(11ベータ−HSD1型)阻害剤、ペプチドYY3−36またはこの類似体、MCR−4アゴニスト、CCK−Aアゴニスト、モノアミン再取込み阻害剤、交感神経様作用薬、β3アドレナリン作動性受容体アゴニスト、ドーパミン受容体アゴニスト、メラノサイト刺激ホルモン受容体類似体、5−HT2c受容体アゴニスト、メラニン凝集ホルモン受容体アンタゴニスト、レプチン、レプチン類似体、レプチン受容体アゴニスト、ゲラニン受容体アンタゴニスト、リパーゼ阻害剤、ボンベシン受容体アゴニスト、ニューロペプチド−Y受容体アンタゴニスト(例えば、NPY Y5受容体アンタゴニスト)、甲状腺様作用剤、ジヒドロエピアンドロステロンまたはこの類似体、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、他のオレキシン受容体アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1受容体アゴニスト、毛様体神経栄養因子、ヒトアグーチ関連タンパク質アンタゴニスト、グレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニストおよびニューロメジンU受容体アゴニスト、ならびに医薬的に許容されるこれらの塩と組み合わせて使用することができる。
【0069】
別の実施形態において、主題化合物は、食欲抑制剤、例えば、アミノレックス、アンフェクロラール、アンフェタミン、ベンズフェタミン、クロルフェンテルミン、クロベンゾレックス、クロホレックス、クロミノレックス、クロルテルミン、シクレキセドリン、デクスフェンフルラミン、デキストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N−エチルアンフェタミン、フェンブトラザート、フェンフルラミン、フェニソレックス、フェンプロポレックス、フルドレックス、フルミノレックス、フルフリルメチルアンフェタミン、レバンフェタミン、レボファセトペラン、マジンドール、メフェノレックス、メタンフェプラモン、メタンフェタミン、ノルプソイドエフェドリン、ペントレックス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、ピシロレックスおよびシブトラミン;選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI);クロルフェンテルミン、クロホレックス、クロルテルミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、ピシロレックスおよびシブトラミンを含むハロゲン化アンフェタミン誘導体;ならびに医薬的に許容されるこれらの塩と組み合わせて使用することができる。
【0070】
別の実施形態において、主題化合物は、オピエートアゴニスト、リポキシゲナーゼ阻害剤、例えば5−リポキシゲナーゼの阻害剤、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えばシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、インターロイキン阻害剤、例えばインターロイキン−1阻害剤、NMDAアンタゴニスト、一酸化窒素阻害剤もしくは一酸化窒素合成阻害剤、非ステロイド性抗炎症剤またはサイトカイン抑制抗炎症剤と組み合わせて、例えばアセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド性鎮痛薬、スフェンタニル、スリンダク、テニダップなどのような化合物と組み合わせて使用することができる。同様に、主題化合物は、鎮痛剤;増強剤、例えば、カフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウムまたはマグネシウム;充血除去剤、例えば、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたは左旋性デオキシエフェドリン;鎮咳剤、例えば、コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファン;利尿剤;ならびに鎮静性または非鎮静性抗ヒスタミン剤とともに投与することができる。
【0071】
本発明の化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射または注入、皮下注射または移植)、吸入噴霧、経鼻、経膣、経直腸、舌下または局所の投与経路により投与することができ、単独でまたは一緒に、各投与経路に適切な従来の非毒性の医薬的に許容される担体、補助剤およびビヒクルを含有する好適な単位投与製剤中に配合することができる。本発明の化合物は、温血動物、例えば、マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどの治療の他、ヒトにおける使用に有効である。本発明の化合物の投与用医薬組成物は、単位剤形で好都合に存在することができ、薬剤学技術分野においてよく知られている方法のいずれかにより調製することができる。全ての方法は、活性成分を1種以上の補助成分を構成する担体と会合させる段階を含む。一般に、医薬組成物は、活性成分を液体担体もしくは微粉化固体担体と、またはこの両方と均一に緊密に会合させ、次いで、必要に応じて生成物を所望の製剤に成形することにより調製される。医薬組成物において、活性を示す目的化合物は、疾患の過程または病態に対して所望の効果をもたらすのに十分な量で含まれる。本明細書で使用される用語「組成物」は、特定の量の特定の成分を含む生成物、および特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的または間接的に生じる任意の生成物を包含するものとする。
【0072】
経口使用が意図される医薬組成物は、医薬組成物の製造について当分野で知られている任意の方法により調製することができ、このような組成物は、医薬的に洗練された口当たりの良い調合剤を提供するため、甘味剤、着香剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含有することができる。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に好適な非毒性の医薬的に許容される賦形剤との混合物として含有する。これらの賦形剤は、例えば不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化剤および崩壊剤、例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム、ならびに平滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであってよい。錠剤は未被覆であってよく、または錠剤は、胃腸管内の分解および吸収を遅延させ、これによってより長期間にわたり持続的作用を提供するために公知技術により被覆されていてもよい。経口使用のための組成物は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合している硬ゼラチンカプセル剤として、または活性成分が水もしくは油媒質、例えばラッカセイ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合している軟ゼラチンカプセル剤として提供されてもよい。水性懸濁剤は、活性材料を水性懸濁剤の製造に好適な賦形剤との混合物として含有する。油性懸濁剤は、活性成分を好適な油中に懸濁することにより配合することができる。水中油型乳剤が使用されてもよい。水の添加による水性懸濁剤の調製に好適な分散性散剤および顆粒剤は、活性成分を、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種以上の保存剤との混合物として提供する。本化合物の医薬組成物は、無菌の注射用水性または油質懸濁剤の形態であってもよい。本発明の化合物は、直腸内投与用の坐剤の形態で投与することもできる。局所使用には、本発明の化合物を含有する、クリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、液剤または懸濁剤などを使用することができる。本発明の化合物は、吸入投与のために配合することもできる。本発明の化合物は、当分野において知られている方法により経皮パッチ剤により投与することもできる。
【0073】
本発明の化合物を調製する幾つかの方法を、以下のスキームおよび実施例において例示する。出発材料は、当分野において知られている手順により、または本明細書に例示のとおりに作出する。以下の略語を本明細書において使用する:Me:メチル;Et:エチル;t−Bu:tert−ブチル;Ar:アリール;Ph:フェニル;Bn:ベンジル;Ac:アセチル;THF:テトラヒドロフラン;DEAD:アゾジカルボン酸ジエチル;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDC:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド;HOBT:ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;Boc:tert−ブチルオキシカルボニル;EtN:トリエチルアミン;DCM:ジクロロメタン;DCE:ジクロロエタン;BSA:ウシ血清アルブミン;TFA:トリフルオロ酢酸;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;MTBE:メチルtert−ブチルエーテル;PyClu:1−(クロロ−1−ピロリジニルメチレン)−ピロリジニウムヘキサフルオロホスファート;SOCl:塩化チオニル;CDI:カルボニルジイミダゾール;rt:室温;HPLC:高速液体クロマトグラフィー。本発明の化合物は、種々の様式において調製することができる。
【0074】
幾つかの場合において、最終生成物を、例えば置換基の操作によりさらに改変することができる。これらの操作は、当業者に一般的に知られている還元、酸化、アルキル化、アシル化および加水分解反応を含むことができるが、これらに限定されるものではない。幾つかの場合において、上記反応スキームを実施する順序は、反応を促進するため、または不所望な反応生成物を避けるために変えることができる。以下の実施例は、本発明をより完全に理解することができるように提供される。これらの実施例は、説明を目的とするにすぎず、本発明をいかようにも限定するものとして解釈されるべきではない。
【0075】
【化10】

【0076】
不飽和ケトンを、Michael反応において区別して保護されているエチレンジアミンと反応させ、次いでCbzカルバマートとして保護する。次いでBoc保護基を脱保護し、得られたアミンを還元的アミノ化反応に供し、再保護してA−3などの化合物を生じさせる。A−3などの中間体は、Cbz脱保護、アミド形成、Boc脱保護および最後に種々の複素環によるSArを介して最終化合物A−4に変換する。
【0077】
【化11】

【0078】
Boc保護ベータ−アミノ酸(B−1)を、標準アミドカップリング条件下でベンジル保護アラニン誘導体(B−2)とカップリングさせてB−3を生じさせる。B−3などの化合物を脱保護し、TFAを使用し、次いでトリメチルアルミニウムを使用して環化させてB−4などの化合物を得る。水素化アルミニウムリチウムにより還元し、Boc保護することにより、区別して保護されている化合物B−5を生じさせる。ベンジル基を水素化を介して除去し、種々のカルボン酸とカップリングさせてB−6を生じさせる。これらの中間体を、Boc脱保護およびSAr化学反応を介して最終化合物(b−7)に進行させる。
【実施例】
【0079】
(実施例1−A)
【0080】
【化12】

1−ベンジル4−tert−ブチル5,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン−1,4−ジカルボキシラート(1−3)
N−Boc−エチレンジアミン(5.0g、31.2mmol、1.0当量、1−2)のジエチルエーテル(30mL)中溶液に、3−メチル−3−ブテン−2−オン(2.6g、31.2mmol、1.0当量、1−1)を添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、トリエチルアミン(6.5mL、46.8mmol、1.5当量)およびベンジルクロロホルマート(5.4mL、37.4mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物をさらに12時間撹拌し、EtOAcおよび10%クエン酸水溶液に分配した。層を分離し、有機物を5%水性NaCOにより洗浄し、次いで塩水により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、回転蒸発により濃縮した。残留物をジオキサン(50mL)中で溶解させ、4NのHClのジオキサン中溶液(70mL、約10当量)により処理し、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を直接濃縮し、1NのHCl(100mL)中で溶解させ、ジエチルエーテルにより抽出した。水性物を1NのNaOH(150mL)により中和し、続いて3:1のクロロホルム:エタノール(3×200mL)により抽出し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。得られた残留物をDCM(100mL)中で溶解させ、氷酢酸(2mL)を添加した。30分後、NaBH(OAc)(6.4g、30.2mmol)を添加し、反応物を1時間撹拌した。反応混合物を直接濃縮し;飽和NaHCO(50mL)および3:1のクロロホルム:エタノール(150mL)に分配した。水層をクロロホルム:エタノール(2×150mL)により抽出し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をDCM(100mL)中で溶解させ、溶液にトリエチルアミン(4.2mL、30.2mmol)およびBocO(5.0g、22.7mmol)を添加し、反応混合物を18時間撹拌した。反応混合物に、10%クエン酸水溶液を添加した。有機相をMgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0から75%のEtOAc)により精製して1−3を油状物として提供した。1−3についてのデータ:LC/MS:m/z(M+Na)=385.2実測値;385.5要求値。
【0081】
tert−ブチル6,7−ジメチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラート(1−4)
1−3(3.3g、9.1mmol)の酢酸エチル(45mL)中溶液に、20%の炭素上水酸化パラジウム(256mg)を添加し、反応物を水素ガスのバルーン圧下において室温で一晩撹拌した。反応物をセライトに通して濾過し、真空中で濃縮して1−4を得た。
【0082】
tert−ブチル6,7−ジメチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラート(1−6)
化合物1−4(250mg、1.1mmol)をDMF(5mL)中で溶解させ、この溶液にカルボン酸1−5(222mg、1.1mmol;実施例1−Cを参照のこと)、HATU(541mg、1.42mmol)およびN−メチルモルホリン(602μL、5.47mmol)を添加した。反応物を室温で45分間撹拌し、酢酸エチルにより希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液および塩水により洗浄した。有機層を濃縮し、残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0から100%のEtOAc)により精製して1−6を提供した。1−6についてのデータ:LC/MS:m/z(M−Boc+Na)=314.3実測値;314.5計算値。
【0083】
5,6−ジメチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン塩酸塩(1−7)
塩化水素ガスを、化合物1−6(385mg、0.93mmol)の酢酸エチル(5mL)中0℃溶液に通して1分間吹き込んだ。反応物を密封し、40分間撹拌した。真空中で濃縮することにより、表題化合物を白色固体として生じさせた。1−7についてのデータ:LC/MS:m/z(M+Na)=314.2実測値;314.4計算値。
【0084】
2−{6,7−ジメチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6−フルオロキナゾリン(1−9)
化合物1−7(75mg、0.21mmol)を、トルエン(2mL)中の2−クロロ−6−フルオロキナゾリン1−8(39mg、0.21mmol;実施例1−Dを参照のこと)、トリエチルアミン(30μL、0.21mmol)および炭酸カリウム(296mg、2.1mmol)と合わせ、密封管中で130℃に一晩加熱した。反応物を真空中で濃縮し、残留物をC−18カラム上での逆相分取クロマトグラフィー(0.1%のTFA緩衝液を有する水中5から75%のアセトニトリル)により精製した。清浄分画を合わせ、20%炭酸ナトリウム溶液により塩基性とした。この分画を酢酸エチルにより2回抽出し、合わせた有機物を塩水により洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させた。真空中で濃縮することにより、表題化合物を固体として生じさせた。1−9についてのデータ:LC/MS:m/z(M+Na)=460.2実測値;460.5計算値。
【0085】
(実施例1−B)
【0086】
【化13】

tert−ブチル4−(6−フルオロキナゾリン−2−イル)−6,7−ジメチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラート(1−10)
アミン1−4(270mg、1.18mmol)を、DMF(5mL)中の2−クロロ−6−フルオロキナゾリン1−8(216mg、1.18mmol;実施例1−Dを参照のこと)およびトリエチルアミン(412μL、2.96mmol)と合わせ、130℃に3時間加熱した。反応物をEtOAcにより希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液および塩水により洗浄し、有機層を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0から100%のEtOAc)により精製して1−10を提供した。1−10についてのデータ:LC/MS:m/z(M+Na)=375.2実測値;375.4計算値。
【0087】
2−(5,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−6−フルオロキナゾリン(1−11)
塩化水素ガスを、化合物1−10(338mg、0.9mmol)の酢酸エチル(5mL)中0℃溶液に通して1分間吹き込んだ。反応物を密封し、40分間撹拌した。真空中で濃縮することにより、表題化合物を白色固体として生じさせた。1−11についてのデータ:LC/MS:m/z(M+CHCN)=315.2実測値;315.3計算値。
【0088】
2−{5,6−ジメチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6−フルオロキナゾリン(1−12)
化合物1−11(65mg、0.21mmol)をDMF(1.5mL)中で溶解させ、この溶液に1−5(42mg、0.21mmol;実施例1−Cを参照のこと)、HATU(103mg、0.27mmol)およびN−メチルモルホリン(115μL、1.05mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。反応物を濾過し、C−18カラム上での逆相分取クロマトグラフィー(0.1%のTFA緩衝液を有する水中5から60%のアセトニトリル)により精製した。清浄分画を合わせ、20%炭酸ナトリウム溶液により塩基性とした。この分画を酢酸エチルにより2回抽出し、合わせた有機物を塩水により洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させた。真空中で濃縮することにより、表題化合物を固体として生じさせた。1−12についてのデータ:LC/MS:m/z(M+Na)=460.1実測値;460.5計算値。
【0089】
(実施例1−C)
【0090】
【化14】

2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−5−メチル安息香酸(1−5)
2−ヨード−5−メチル安息香酸(1−13、4.0g、15.3mmol)のDMF(10mL)中溶液を、1,2,3−トリアゾール(2.1g、30.5mmol)、CsCO(9.95g、30.5mmol)、CuI(0.145g、0.76mmol)およびトランス−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.43g、3.05mmol)により処理した。混合物をマイクロ波反応器中で120℃で10分間加熱した。反応物を室温に冷却し、水により希釈し、EtOAcにより洗浄した。水相を1NのHClにより酸性化し、EtOAcにより抽出した。有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をSiO上での勾配溶出(0.1%AcOHを有する水中0から10%のMeOH)により精製し、先に溶出する2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−5−メチル安息香酸1−5を生じさせ、次いで不所望な位置異性体1−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−5−メチル安息香酸(1−14)を生じさせた。1−5についてのデータ:HNMR(500MHz,DMSO−d)d12.98(brs,1H),8.04(s,2H),7.72−7.45(m,3H),2.41(s,3H)ppm。
【0091】
(実施例1−D)
【0092】
【化15】

2−(ジブトキシメチル)−4−フルオロ−1−ニトロベンゼン(1−16)
5−フルオロ−2−ニトロベンズアルデヒド(1−15、75g、443mmol)、パラ−トルエンスルホン酸一水和物(8.4g、44.3mmol)およびn−ブタノール(122mL、1.33mol)の溶液を、Dean−Stark装置を使用してトルエン(630mL)中で15時間還流させた。反応物を冷却し、濃縮し、水(1L)およびEtOAc(1L)に分配した。有機層を水(1L)および塩水(1L)に分配し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。粗製反応物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0から25%のEtOAc、1%トリエチルアミン緩衝液)により精製して2−(ジブトキシメチル)−4−フルオロ−1−ニトロベンゼン(1−16)を油状物としてもたらした。1−16についてのデータ:HNMR(500MHz,CDCl)δ7.92(dd,J=8.5,4.5Hz,1H),7.54(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),7.15−7.11(m,1H),6.05(s,1H),3.67−3.52(m,4H),1.63−1.57(m,4H),1.43−1.35(m,4H),0.94−0.91(m,6H)ppm;C1522FNO(−アセタール)についてのESI MS[M+H]=169.8。
【0093】
2−クロロ−6−フルオロキナゾリン(1−8)
窒素雰囲気下の2−(ジブトキシメチル)−4−フルオロ−1−ニトロベンゼン(1−16)(26.1g、87mmol)のEtOAc(350mL)中25℃溶液に、Pd−C(10重量%、2.3g)を添加し、反応物を水素雰囲気(1atm)下に置いた。反応物を12時間撹拌し、セライトに通して濾過し、濃縮した。残留物をTHF(350mL)中で再溶解させ、0℃に冷却した。この溶液に、THF(60mL)中のトリエチルアミン(45.0mL、323mmol)およびトリホスゲン(8.6g,29.1mmol)を滴加した。反応物を10分間撹拌し、メタノール中アンモニア(46.1mL、323mmol、7M溶液)を添加した。反応物を0℃で10分間撹拌し、周囲温度に急速に加温した。室温で15分後、反応物をジオキサン中4MのHCl(120mL)によりpH2に酸性化した。反応物を室温で1時間撹拌し、直接濃縮した。残留物をトルエンおよびメタノールにより共沸させて黄色ケーク(1−17、6−フルオロキナゾリン−2−オール;CFNOについてのESI MS[M+H]=164.9)を生じさせた。黄色ケークを無希釈のオキシ塩化リン(130mL)中で溶解させ、1時間還流させた(120℃)。反応物を冷却し、過剰の溶媒を真空中で除去した。粗製反応混合物をEtOAc(600mL)中で溶解させ、水(500mL)により0℃でゆっくり反応停止させた。水相をEtOAc(2×200mL)により抽出し、合わせた有機相をMgSO上で乾燥させ、濃縮した。粗製反応物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0から20%のEtOAc)により精製して1−8をオフホワイト色固体として得た。1−8についてのデータ:HNMR(500MHz,CDCl)δ9.29(s,1H),8.04(dd,J=9.0,5.0Hz,1H),7.77−7.72(m,1H),7.59(dd,J=7.5,2.5Hz,1H)ppm;CClFNについてのESI MS[M+H]=183.2。
【0094】
(実施例2)
【0095】
【化16】

メチルN−ベンジル−N−[(1−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}シクロプロピル)カルボニル]−L−アラニナート(2−1)
5.0gのBoc−APCA−OH(23.3mmol、CHEM−IMPEX)、6.4g(27.9mmol)のBzl−Ala−OMe HCl、4.65g(30.2mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物および9.7mL(70mmol)のトリエチルアミンのDMF75mL中溶液に、5.8g(30.2mmol)のEDCを添加し、反応物を室温で48時間撹拌した。反応物をEtOAcおよび10%水性クエン酸に分配し、層を分離し、有機物を5%水性NaCOにより洗浄し、次いで塩水により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、回転蒸発により濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して2−1を白色固体として提供した。3−1についてのデータ:LC/MS:室温=2.29分;m/z(M+H)=391.3実測値;391.2要求値。
【0096】
(6S)−5−ベンジル−6−メチル−5,8−ジアザスピロ[2.6]ノナン−4,7−ジオン(2−2)
2.8g(7.2mmol)の2−1の75mLのCHClおよび5mLのTFA中溶液を、室温で一晩撹拌させた。溶媒を回転蒸発により除去し、残留物を飽和水性NaCOにより塩基性化し、2:1のCHCl/EtOHにより3回に分けて抽出した。有機抽出物を濃縮し、CHCl中で再溶解させ、濾過し、濃縮して褐色油状物を提供した。この材料をトルエン75mL中で溶解させ、0℃に冷却し、AlMeのトルエン中2M溶液8.4mL(16.9mmol)を滴加した。反応物を撹拌しながら室温に一晩ゆっくり加温させた。追加のAlMe2mLを添加し、撹拌をさらに24時間継続した。反応物を0℃に冷却し、1MのHCl100mLにより慎重に反応停止させ、EtOAcにより3回に分けて抽出した。合わせた有機抽出物を塩水により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して2−2を白色タフィー状物として提供した。2−2についてのデータ:LC/MS:室温=1.38分;m/z(M+H)=258.1,実測値;258.1要求値。
【0097】
tert−ブチル(7S)−8−ベンジル−7−メチル−5,8−ジアザスピロ[2.6]−ノナン−5−カルボキシラート(2−3)
1.35g(5.2mmol)の2−2の100mLのTHF中0℃溶液を、LAHのTHF中4M溶液6.5mL(26.1mmol)により処理した。反応物を撹拌しながら室温にゆっくり加温し、室温で72時間撹拌しておいた。次いで、反応物を0℃に冷却し、1.2mLの水により、次いで1.2mLの15%NaOHにより、次いで追加の水3.6mLの添加により慎重に反応停止させた。NaSOを1回で添加し、混合物を1時間撹拌してからセライトに通して濾過した。濾液を濃縮して無色油状物1.16gを提供した。この材料をCHCl50mL中で溶解させ、BocO1.32g(6mmol)を添加し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応物を濃縮し、カラム上に直接負荷し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して2−3を無色油状物として提供した。2−3についてのデータ:LC/MS:室温=1.43分;m/z(M+H)=331.3,実測値;331.2要求値。
【0098】
tert−ブチル(7S)−7−メチル−8−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−5,8−ジアザスピロ[2.6]ノナン−5−カルボキシラート(2−5)
1.26g(3.8mmol)の2−3の40mLのMeOH中溶液を減圧下で脱気し、Nによる3回のパージ後に炭素上水酸化パラジウムを1回で添加した。Nによるさらなる3回のパージ後、雰囲気をHに代え、反応物をHのバルーン下で2時間撹拌した。反応物をセライトのパッドに通してEtOAcおよびMeOHによりすすぐことにより濾過し、濾液を濃縮して無色油状物を提供した。この材料をDMF3mL中で溶解させ、この材料に683mgの2−4(3.6mmol;1−5と類似の様式において調製、実施例1−Cを参照のこと)、668mg(4.3mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、1.5mL(10.8mmol)のトリエチルアミンおよび831mg(4.3mmol)のEDCを添加し、反応物を60℃で一晩撹拌した。反応物をEtOAcおよび10%水性クエン酸に分配し、層を分離し、有機物を水、塩水により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、回転蒸発により濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して2−5を白色固体として提供した。2−5についてのデータ:LC/MS:室温=2.36分;m/z(M+H)=412.3実測値;412.2要求値。
【0099】
6−フルオロ−2−{(7S)−7−メチル−8−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−5,8−ジアザスピロ[2.6]ノン−5−イル}キナゾリン(2−6)
1.03g(2.5mmol)の2−5の50mLのCHClおよび5mLのTFA中溶液を、室温で一晩撹拌しておいた。溶媒を回転蒸発により除去し、残留物を飽和水性NaCOにより塩基性化し、2:1のCHCl/EtOHにより3回に分けて抽出した。有機抽出物を濃縮し、CHCl中で再溶解させ、濾過し、濃縮してタフィー状物765mgを提供した。この材料116mg(0.37mmol)の3mLのDMF中溶液を68mgの1−8(0.37mmol)および130mL(0.93mmol)のトリエチルアミンにより処理し、60℃で一晩撹拌した。室温に冷却し、反応物をEtOAcにより希釈し、飽和水性NaHCOにより洗浄し、次いで水、塩水により洗浄し、NaSO上で乾燥させた。回転蒸発により濃縮した後、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して2−6を薄黄色固体として提供した。2−6についてのデータ:HRMS(APCI)m/z(M+H)458.2103実測値;458.2099要求値。
【0100】
表1
適切に置換されている試薬を代用した以外は上記方法を使用して上記反応スキームおよび実施例に記載のとおり以下の化合物を調製した。必要な出発材料は市販されており、文献に記載されており、または有機合成の当業者により過度の実験を行うことなく容易に合成されるものであった。幾つかの最終生成物は、フラッシュクロマトグラフィー(SiO;EtOAc/ヘキサン)により精製し、遊離塩基として単離し;または幾つかの生成物は逆相HPLC(CHCN/0.1%TFAをモディファイアとして含有するHO)により精製し、TFA塩として単離し、この場合、質量を報告し、実測値は遊離塩基についてのものである。または、生成物を含有する分画をNaHCOにより塩基性化し、EtOAcにより抽出し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して遊離塩基を提供することもできた。
【0101】
【表1】



【0102】
本発明を、これらのある特定の実施形態を参照して説明および例示してきたが、当業者は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、手順およびプロトコールの種々の適合、変更、改変、置換、削除または追加をなすことができることを理解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物または医薬的に許容されるこの塩
[式中、
は、
(1)フェニル(フェニルはR1a、R1bおよびR1cで置換されている。)および
(2)ナフチル(ナフチルはR1a、R1bおよびR1cで置換されている。);
(3)ヘテロアリール(ヘテロアリールはR1a、R1bおよびR1cで置換されている。)からなる群から選択され;
は、ヘテロアリール(ヘテロアリールはR2a、R2bおよびR2cで置換されている。)であり;
1a、R1b、R1c、R2a、R2bおよびR2cは、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(mは0または1であり、nは0または1であり(mが0であるかまたはnが0である場合、結合が存在する。)、およびアルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(アルケニルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(アルキニルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル(フェニルまたはナフチルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(9)−(C=O)−O−複素環(複素環は非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(10)−(C=O)−NR1011(R10およびR11は、
(a)水素、
(b)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC1−6アルキル、
(c)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC3−6アルケニル、
(d)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているシクロアルキル、
(e)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているフェニルおよび
(f)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている複素環
からなる群から独立して選択される。)、
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12(qは0、1または2であり、およびR12はR10およびR11の定義から選択される。)、
(13)−COH、
(14)−CN、
(15)−NOおよび
(16)−B(OH)
からなる群から独立して選択され;
、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル(アルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(3)−O−C1−6アルキル(アルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)および
(4)−フェニル(フェニルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)
からなる群から独立して選択され、
または、RおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR10、もしくはR11およびR12は、C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)を一緒になって形成し、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11またはR12の少なくとも2個は水素以外であり;
13は、
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−(C=O)−O−C1−6アルキル(アルキルは非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(4)−O−(C1−3)ペルフルオロアルキル、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(アルケニルは非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(7)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル(フェニルまたはナフチルは非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(8)−(C=O)−O−複素環(複素環は非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(9)−(C=O)−NR1011
(10)−S(O)−NR1011
(11)−S(O)−R12
(12)−COH、
(13)−CNおよび
(14)−NO
からなる群から選択され;
14は、
(1)ヒドロキシル、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)−C3−6シクロアルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−O(C=O)−C1−6アルキル、
(7)−NH−C1−6アルキル、
(8)フェニル、
(9)複素環、
(10)−COHおよび
(11)−CN
からなる群から選択される。]。
【請求項2】
式Ia、Ib、Ic、Id、IeまたはIf:
【化2】

からなる群から選択される、請求項1の化合物または医薬的に許容されるこの塩。
【請求項3】
が、非置換であるかまたは
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−O−C1−6アルキル(nは0または1であり(nが0である場合、結合が存在する。)、およびアルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(4)−O−フェニル(フェニルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(5)−複素環(複素環は非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−NR1011(R10およびR11は、
(a)水素
(b)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC1−6アルキル
からなる群から独立して選択される。)、
(7)−S(O)−NR1011
(8)−COH、
(9)−CN、
(10)−NOおよび
(11)−B(OH)
の1個以上で置換されているフェニルである、請求項1の化合物。
【請求項4】
が、非置換であるかまたは1個以上のメチル、−CF、ハロ、−OCF、−OCH、−OCHCH、−COCH、−CN、−N(CH)、−NH(CHCH)、−NO、−B(OH)、トリアゾリル、チアゾリルもしくはフェニルで置換されているフェニルである、請求項3の化合物。
【請求項5】
が、
(1)フェニル、
(2)ビフェニル、
(3)2,6−ジメトキシフェニル、
(4)2,4−ジクロロフェニル、
(5)2,6−ジクロロフェニル、
(6)2,3−ジフルオロフェニル、
(7)2,4−ジフルオロフェニル、
(8)2,6−ジフルオロフェニル、
(9)2−メトキシ−4−メチル−フェニル、
(10)3−メトキシ−ビフェニル、
(11)3−メチル−ビフェニル
(12)5−メチル−2−チアゾリル−フェニルおよび
(13)5−メチル−2−トリアゾリル−フェニル
からなる群から選択される、請求項4の化合物。
【請求項6】
が、非置換であるかまたは
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−O−C1−6アルキル(nは0または1であり(nが0である場合、結合が存在する。)、およびアルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(4)−O−フェニル(フェニルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(5)−複素環(複素環は非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−NR1011(R10およびR11は、
(a)水素、
(b)非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC1−6アルキル
からなる群から独立して選択される。)、
(7)−S(O)−NR1011
(8)−COH、
(9)−CNおよび
(10)−NO
の1個以上で置換されているヘテロアリールである、請求項1の化合物。
【請求項7】
が、非置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルもしくはフェニルで置換されている
(1)ベンゾイミダゾリル、
(2)ベンゾチアゾリル、
(3)ベンゾオキサゾリル、
(4)キナゾリニル、
(5)キノリニル、
(6)チアジアゾリル、
(7)チアゾリルおよび
(8)オキサゾロピリジル
からなる群から選択される、請求項6の化合物。
【請求項8】
が、非置換であるかまたはメチル、フルオロ、クロロもしくはフェニルで置換されている
(1)ベンゾイミダゾール−2−イル、
(2)1,3−ベンゾチアゾール−2−イル、
(3)1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル、
(4)2−キナゾリニル、
(5)1−キノリン−2−イル、
(6)1,2,4−チアジアゾール−5−イル、
(7)1,3−チアゾール−2−イルおよび
(8)オキサゾロ[5,4−b]ピリジル
からなる群から選択される、請求項7の化合物。
【請求項9】
、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12が、
(1)水素および
(2)−C1−6アルキル(アルキルは非置換であるかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)
からなる群から独立して選択されるか、
または、RおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR10、もしくはR11およびR12が、C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは非置換であるかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)を一緒になって形成しており、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11またはR12の少なくとも2個が水素以外である、請求項1の化合物。
【請求項10】
、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12が、
が−C1−6アルキルであり、Rが水素であり、Rが−C1−6アルキルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、R10が水素であり、R11が水素であり、およびR12が水素であり;
が水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが−C1−6アルキルであり、Rが水素であり、Rが−C1−6アルキルであり、R10が水素であり、R11が水素であり、およびR12が水素であり;
が水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが−C1−6アルキルであり、R10が水素であり、R11がC1−6アルキルであり、およびR12が水素であり;
が水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが−C1−6アルキルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、R10が水素であり、R11が−C1−6アルキルであり、およびR12が水素であり;
が−C1−6アルキルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、RおよびR10が一緒になってC3−6シクロアルキルであり、R11が水素であり、およびR12が水素であり;ならびに
が水素であり、Rが水素であり、Rが−C1−6アルキルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、RおよびR10が一緒になってC3−6シクロアルキルであり、R11が水素であり、およびR12が水素である
からなる群から独立して選択される、請求項9の化合物。
【請求項11】
2−{6,7−ジメチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6−フルオロキナゾリン;
2−{5,6−ジメチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6−フルオロキナゾリン;
6−フルオロ−2−{(7S)−7−メチル−8−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−5,8−ジアザスピロ[2.6]ノン−5−イル}キナゾリン;
2−{6,7−ジメチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6−フルオロキナゾリン;
2−{5,6−ジメチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6−フルオロキナゾリン;
2−{6,7−ジメチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール;
2−{5,6−ジメチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6−フルオロキナゾリン;
6−フルオロ−2−{4−[2−フルオロ−6−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−5,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン−1−イル}キナゾリン;
6−フルオロ−2−{4−[5−フルオロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−5,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン−1−イル}キナゾリン;
6−フルオロ−2−[4−(2−ヨードベンゾイル)−5,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン−1−イル]キナゾリン;
2−{5,6−ジメチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール;
5−ブロモ−2−{5,6−ジメチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール;
2−{5,6−ジメチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−4−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール;
7−クロロ−2−{5,6−ジメチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール;
7−クロロ−2−{5,6−ジメチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール;
2−(4−ベンゾイル−5,6−ジメチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−6−フルオロキナゾリン;
2−{5,6−ジメチル−4−[5−メチル−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−4−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール;
5,6−ジメチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1−(4−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)−1,4−ジアゼパン;
5,6−ジメチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1−(5−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)−1,4−ジアゼパン;
5,6−ジメチル−4−[5−メチル−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)ベンゾイル]−1−(5−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)−1,4−ジアゼパン;
2−{5,6−ジメチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−7−メチル[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン;
6−フルオロ−2−{(7S)−7−メチル−8−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−5,8−ジアザスピロ[2.6]ノナ−5−イル}キナゾリン
からなる群から選択される化合物または医薬的に許容されるこの塩。
【請求項12】
不活性担体および請求項1の化合物または医薬的に許容されるこの塩を含む医薬組成物。
【請求項13】
医薬において使用される、請求項1の化合物または医薬的に許容されるこの塩。
【請求項14】
睡眠障害を治療または予防する医薬品の製造のための、請求項1の化合物または医薬的に許容されるこの塩の使用。
【請求項15】
オレキシン受容体が関与する疾患または障害の治療が必要な哺乳動物患者においてオレキシン受容体が関与する疾患または障害を治療する方法であって、前記患者に請求項1の化合物または医薬的に許容されるこの塩の治療有効量を投与することを含む方法。
【請求項16】
疾患または障害が、睡眠障害、睡眠異常、睡眠維持の減少、睡眠の質の減少、REM睡眠の減少、第2段階睡眠の減少、睡眠パターンの断片化の増大、不眠症、認知の減少、記憶保持の減少、肥満症、うつ病、てんかん、欠伸てんかん、疼痛、神経因性疼痛、パーキンソン病、精神病および統合失調症から選択される、請求項15の方法。

【公表番号】特表2011−502146(P2011−502146A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532028(P2010−532028)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/012182
【国際公開番号】WO2009/058238
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】