説明

置換三環式複素環及びそれらの使用

坑炎症薬として活性である、以下に示される式(I)、(II)及び(III)
【化1】


(式中、R1、R2、R3及びR4は本明細書に記載されている)
の置換三環式複素環化合物が開示される。また、このような化合物の使用方法及び製造方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願データ
この出願は2003年10月10日に出願された米国仮特許出願第60/510,160号の利益を主張する。
本発明はIκBキナーゼ(IKK)複合体のキナーゼ活性のインヒビターとして有益な置換ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン化合物、ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕〔1,2,3〕トリアジン化合物及びピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリジン化合物に関する。それ故、これらの化合物は自己免疫疾患、炎症性疾患及び癌を含むIKK媒介疾患の治療に有益である。また、本発明はこのような化合物の調製方法及びそれらを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
NF-κB即ち核因子κBは多数の炎症性遺伝子及び抗アポトーシス遺伝子の発現を誘導する転写因子である。これらとして、サイトカイン、例えば、IL-1、IL-2、TNF-α及びIL-6、IL-8及びRANTESを含むケモカインだけでなく、COX-2を含むその他の炎症性分子並びに細胞付着分子、例えば、ICAM-1、VCAM-1、及びE-セレクチンが挙げられる。NF-κBファミリーはRelファミリー(例えば、P.A. Baeurle及びD. Baltimore, Cell, 1996, 87, 13を参照のこと)の員を含むホモダイマー及びヘテロダイマーの転写因子を含む。静止条件下で、NF-κBはIκBとの複合体として細胞のサイトゾル中に存在する。タンパク質のIκBファミリーはNF-κBのインヒビターとして利用でき、その核局在化シグナルの機能に干渉する(例えば、U. Siebenlistら, Ann. Rev. Cell Biol., 1994, 10, 405を参照のこと)。細胞活性化後のIκB-NF-κB複合体の分断後に、NF-κBは核に転移し、遺伝子転写を活性化する。IκB-NF-κB複合体の分断及びその後のNF-κBの活性化はIκBの分解により開始される。
IL-1、TNF-α及びLPS(細菌のリポポリサッカリド)を含む種々の炎症性刺激による細胞活性化後に、IκBの二つの特定のセリン残基がリン酸化される。リン酸化後に、IκBはポリユビキチン化及び26Sプロテアソームによるその後の分解を受けて(例えば、V.J. Palombellaら, Cell, 1994, 78, 773を参照のこと)、NF-κBを遊離して核に転移させる。IκBのリン酸化はIκBキナーゼにより行なわれる(例えば、M. Karin及びM. Delhase, Seminars in Immunology, 2000, 12, 85による総説を参照のこと)。従来のIKK複合体は少なくとも三つのサブユニット、IKKα(またIKK-1と称される)、IKKβ(又はIKK-2)及びIKKγ(又はNEMO)を含むが、IKKα及びIKKβを含むその他の関連複合体が存在し得る。IKKα及びIKKβは両方とも触媒サブユニットであり、一方、IKKγは調節サブユニットであると考えられる。IKKα及びIKKβの両方がIκBをリン酸化し得る。この書類の目的のために、IKK又はIKK複合体という用語はIKKαサブユニット及び/又はIKKβサブユニットに由来するキナーゼ活性を有するあらゆる複合体を表す。
IKKのin vivo活性化はその触媒サブユニットのリン酸化後に起こる。IKKα及びIKKβの両方がセリン残基、IKKβの場合には活性化ループのS177及びS181、またIKKαについての活性化ループのS176及びS180でリン酸化し得る。177及び181にあるセリンに代えてアラニンを有するIKKβ変異体はIKKβリン酸化及びその後のTNFα、IL-1及びその他の上流アクチベーターによるIKK複合体の活性化を阻止した。これらの結果は炎症性刺激後のIκBのリン酸化におけるIKKβの重要な役割を支持する。
【0003】
NF-κB経路が細胞及び動物中で抑制されたという研究はIκBのリン酸化の抑制が炎症性疾患、自己免疫疾患及びその他の疾患の治療に実行できるアプローチであるという概念を支持する。これらの研究において、NF-κB活性化がIκBタンパク質の非分解性バージョンの発現により阻止された。慢性関節リウマチ患者に由来する滑膜細胞中のこのインヒビターの発現がTNF-α、IL-6、IL-1β及びIL-8の発現を減少し、一方、坑炎症分子IL-10、IL-1ra及びIL-11は影響されなかった。マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP1及びMMP3)がまたダウンレギュレートされた(J. Bondersonら, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 1999, 96, 5668)。T細胞中のIκBインヒビターのトランスジェニック発現はマウスのコラーゲン誘導関節炎の重度及び発症の有意な減少を生じた(R. Seetharamanら, J. Immunol. 1999, 163, 1577)。これらの実験は疾患の関節中のNF-κBの抑制がRAの重度及び進行の両方を軽減し得ることを示す。原発性腸上皮細胞中で、NF-κBインヒビターは炎症性腸疾患の経過中にアップレギュレートされる媒介物質、IL-1、IL-8、iNOS及びCOX-2の発現をブロックした(C. Jubinら, J. Immunol., 1998, 160, 410)。或る種の腫瘍細胞中のこのインヒビターの発現は化学療法試薬によるこれらの細胞の死滅を増進する(A.A. Beg及びD. Baltimore, Science, 274, 782)。集約して、上記研究はIKKの抑制によるNF-κB機能の抑制が自己免疫疾患及び炎症性疾患、並びに癌を含むその他の疾患の治療に有益な治療アプローチであり得るという支持を与える。
【0004】
これらの結果はIKKβ遺伝子のターゲッティングされた分断によりマウスで確かめられていた。IKKβ遺伝子のノックアウトは肝細胞のアポトーシスのための胚致死をもたらした。しかしながら、IKKβノックアウトからの繊維芽細胞はIL-1又はTNFαによる刺激後にIKK及びNF-κB活性化を受けず(Q. Liら, Science, 1999, 284, 321)、炎症刺激後のNF-κB活性化におけるIKKβの重要な役割を支持した。
条件的ノックアウトは肝臓特異性誘導優性陰性IκBαトランスジーンを発現することにより発生された(I. Lavonら, Nature Medicine, 2000, 6, 573)。これらのマウスは1年後でさえも肝臓機能不全の徴候がなく生存したが、それらは損なわれた免疫機能を有していた。この研究はIKKβの抑制が肝臓に損傷なしに免疫抑制をもたらし得るという考えを支持する。
IKKαノックアウトマウスは誕生直後に死亡し、種々の骨格欠陥及び皮膚の異常を示した。これらのマウスからの繊維芽細胞及び胸腺細胞はTNFα、IL-1又はLPSに応答して通常のIKK活性化及びIκB分解を示した(Y. Huら, Science, 1999, 284, 316; K. Takedaら, Science, 1999, 284, 313)。ノックアウトマウス及びノックインマウスを用いる最近の研究は発育及び細胞シグナリングにおけるIKKαの特有の役割を明らかにしていた。IKKαノックアウトマウスを用いる研究とは対照的に、ノックインされたIKKαのキナーゼ不活性バージョンを有するマウスは生存可能であり、受胎能があり、IKKαノックアウトマウスに見られる周産期致死及び異常がキナーゼ活性の欠如のためではないことを示す。しかしながら、これらのマウスはB細胞成熟及び二次リンパ球系臓器の発達に欠陥を有する(U. Senftlebenら, Science, 2001, 293, 1495)。この表現型は転写因子のRelファミリーのこの員のDNA結合形態、p52へのNF-κB2/p100タンパク質のプロセシングにおける欠陥のためであることが明らかである。順に、これはB細胞中のNF-κB標的遺伝子のサブセットの活性化における欠陥をもたらす。加えて、これらの同じマウスを用いるその他の研究はIKKαキナーゼ活性が妊娠中の乳上皮中のNF-κB活性化に必要とされることを示していた(Cao, Y.ら, Cell, 2001, 107, 763)。この経路はTNF受容体ファミリー員RANKにより特異的に活性化され、規定IKK基質IκBαのリン酸化を必要とし、細胞サイクル調節遺伝子サイクリンD1の誘導に終わる。
【0005】
これらの研究はIKKαキナーゼ活性のインヒビターが不適当なB細胞活性化と関連する疾患、例えば、ループス(O.T. Chanら, Immunological Rev., 1999, 169, 107)及び慢性関節リウマチ(A. Gause及びC. Borek, Biodrugs, 2001, 15, 73)を治療するのに有益であり得ることを示す。加えて、IKKαのインヒビターは乳癌の治療に有益であるかもしれない。何とならば、NF-κBが幾つかの乳腫瘍中で構成的に活性であり、これらの腫瘍の多くが増殖のためにサイクリンD1に依存するからである。
IKKβの或る種のインヒビターが報告されていた。WO 01/58890はIKKβのインヒビターとしてヘテロ芳香族カルボキサミド誘導体を記載している。WO 01/68648はIKKβ抑制活性を有する置換β-カルボリンを記載している。IKKβ抑制活性を有する置換インドールがWO 01/30774に報告されている。WO 01/00610はNF-κB抑制活性を有する置換ベンゾイミダゾールを記載している。アスピリン及びサリチレートはIKKβに結合し、それを抑制すると報告されていた(M. Yinら, Nature, 1998, 396, 77)。
【0006】
PI3K抑制活性を有する置換ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジンがUS 2002/0151544 A1に報告されている。A.J. Bridgesはチロシンキナーゼインヒビターとして、最も広い意味でピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジンを含む、縮合三環式系を記載していた(WO 9519970)。同様に、J.P. Daubはまた殺菌剤として、その広い形態でピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジンを含む、縮合環系を記載していた(WO 9314080)。J.M. Quitelaら(Bioorg. Med. Chem., 1998, 6, 1911)は或る種の置換ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジンがラットマスト細胞からのヒスタミンの放出を誘導又は抑制し得ることを報告していた。LM-2616、即ち、2,7,9-トリメチル-4-(N-メチル-ピペラジノ)ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジンが、ベータ-1アドレノセプターアンタゴニスト及びベータ-2アドレノセプターアゴニストとしてT.S. Shahらにより報告されていた(Pharm. Comm. 1995, 5, 253)。このコアー構造を有する化合物の可能な抗菌活性がJ.M. Michaelらにより報告されていた(Al-Azhar, Bull. Science, 1992, 3, 767)。
幾つかの置換ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジンが化学文献に記載されていた。例として、9-(3-ピリジニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、9-(2-フラニル)-7-フェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、9-(4-フルオロフェニル)-7-(2-チエニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン一臭化水素酸塩、1-(4-アミノ-7-メチルピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-8-イル)-エタノン、7-ブチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、9-(4-クロロフェニル)-7-(2-チエニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、9-フェニル-7-(2-チエニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、
【0007】
9-(2-クロロフェニル)-7-(2-チエニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7,9-ジフェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7-(4-メトキシフェニル)-9-フェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、9-メチル-7-フェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7-(2-チエニル)-9-(トリフルオロメチル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、7-(4-メトキシフェニル)-9-(トリフルオロメチル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、9-(4-クロロフェニル)-7-(2-チエニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、9-(4-フルオロフェニル)-7-(2-チエニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、7-(2-チエニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、9-フェニル-7-(2-チエニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、7-フェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、1-(2,4-ジアミノ-7-メチルピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-8-イル)-エタノン、2,4,7-トリアミノ-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-8-カルボニトリル、7-メチル-9-(トリフルオロメチル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7,9-ジ-2-チエニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、7-エチル-8-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7,8,9-トリメチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7-(2-メチルプロピル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7-シクロプロピル-9-(4-メトキシフェニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、9-(2,4-ジクロロフェニル)-7-(2-チエニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7-メチル-9-(トリフルオロメチル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、
【0008】
4,7-ジアミノ-9-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-8-カルボニトリル、2-アミノ-7-エトキシ-9-フェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-8-カルボニトリル、2,4,7-トリアミノ-9-(メチルチオ)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-8-カルボニトリル、9-(2-フラニル)-7-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、7-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、8-エチル-7-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7,9-ビス(トリフルオロメチル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、7-フェニル-9-(トリフルオロメチル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、7-フェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、7,9-ジメチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、7-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、9-(4-クロロフェニル)-7-(4-メチルフェニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、7,9-ジフェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-2,4-ジアミン、4-アミノ-6,7-ジヒドロ-7-オキソ-9-フェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-8-カルボニトリル、7-(3-ピリジニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7-フェニル-9-(トリフルオロメチル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7-メチル-9-フェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7-(4-メチルフェニル)-9-フェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7-(4-フルオロフェニル)-9-フェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7,9-ジメチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミン、7,9-ジメチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-アミンが挙げられる。
【0009】
幾つかの置換ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕〔1,2,3〕トリアジンが坑ヒスタミン薬としてJ.M. Quintelaらにより記載されていた(Eur. J. Med. Chem., 1998, 33, 887)。幾つかのこれらの化合物が幾つかのヒト腫瘍細胞系及びマウス腫瘍細胞系に対し細胞傷害性であった。抗菌活性を有する幾つかのその他の置換ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕〔1,2,3〕トリアジンがF. Guerreraらにより報告されていた(Farmaco, 1993, 48, 1725)。D.Y. Raymondは坑アレルギー薬として幾つかの置換ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕〔1,2,3〕トリアジンを記載していた(米国特許第4239887号)。4-(4-メチル-1-ピペラジニル)-7,9-ジフェニル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン、1-〔4-〔4-(7,9-ジフェニルピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-4-イル)-1-ピペラジニル〕フェニル〕-エタノン、N-(4-モルホリニルメチル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-4-アミン、N-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-4-アミン、N-ブチル-7-メチル-4-(1-ピペリジニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-9-カルボキサミド、N-ブチル-4-〔〔(2-クロロフェニル)メチル〕アミノ〕-7-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-9-カルボキサミド、N-ブチル-4-〔〔2-(ジエチルアミノ)エチル〕アミノ〕-7-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-9-カルボキサミド、N-ブチル-4-(ブチルアミノ)-7-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-9-カルボキサミド、2-〔〔7-メチル-9-(4-ピリジニル)ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-4-イル〕アミノ〕-エタノール、2-〔〔7-メチル-9-(3-ピリジニル)ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-4-イル〕アミノ〕-エタノール、N,N-ジメチル-N'-〔7-メチル-9-(4-ピリジニル)ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-4-イル〕-1,2-エタンジアミン、N,N-ジメチル-N'-〔7-メチル-9-(3-ピリジニル)ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-4-イル〕-1,2-エタンジアミン、9-(4-クロロフェニル)-7-フェニル-4-(1-ピペリジニル)-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン、7-メチル-N-〔3-(4-モルホリニル)プロピル〕-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-4-アミン、7-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン、7-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-4(1H)-オン(1-メチルエチリデン)ヒドラゾン、2-(7-メチルピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-4-イル)-ヒドラジンカルボン酸メチルエステル、7-メチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-4-アミン、及びN,7-ジメチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕-1,2,3-トリアジン-4-アミンを含む、幾つかの置換ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕〔1,2,3〕トリアジンがその文献に報告されていた。
置換ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕〔1,2,3〕ピリジンが文献に報告されていた(Babaら, Chem. Pharm. Bull., 1999, 47, 993)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それ故、本発明の目的は下記の式(I)及び(II)並びに(III)の新規化合物(これらはIKKを抑制する)を提供することである。
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、基R1、R2、R3、及びR4は本明細書に記載される)
本発明の更なる目的はIKKにより悪化される疾患及び症状、例えば、自己免疫疾患、炎症性疾患及び癌(これらに限定されない)の治療方法を提供することである。本発明の更なる目的は上記新規化合物の新規調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第一実施態様は式(I)の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体を含む。
【0014】
【化2】

【0015】
式中、
R1
(a) 必要により1個〜2個のRaで置換されていてもよい、フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれたヘテロアリール、
(b) 必要によりC1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリール(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)から選ばれた1個〜2個の基で置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれた複素環、
(c) Rb(CH2)mO-、
(d) C3-6-シクロアルキル、
(e) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(f) RbOCH2-、
(g) Rb(CH2)mNH-、
(h) Rb(CH2)p(CH=CH)m-、
(i) C1-6アルキル、
(j) C1-8アルコキシ、
(k) C1-8アルキルチオ、
(l) C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、
(m) -CF3
(n) -CHO、
(o) -OCH2CO2H、
(p) -OSO2CF3
(q) -N(Rc)(Rd)、又は
(r) -C(O)NRcRdであり、
【0016】
R2
(a) C1-6アルキル-OC(O)C1-6アルコキシ、
(b) ヒドロキシC1-6アルキル-、
(c) 必要により-C(O)C1-6アルキルで置換されていてもよい、ヒドロキシC1-6アルコキシ-、
(d) (Rc)(Rd)NC1-6アルコキシ-、
(e) (Rc)(Rd)NC1-6アルキル-、
(f) ヒドロキシC1-6アルキルアミノ-、
(g) (Rc)(Rd)NC1-6アルキルアミノ-、
(h) C1-6アルコキシC1-6アルキルアミノ-、
(i) 複素環(CH2)m-(前記複素環は1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよい)、
(j) 複素環(CH2)mO-(その複素環は必要によりC1-6アルキルで置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル及び1-ピロリジニルから選ばれる)、
(k) Rb(CH2)mO-、
(l) ヘテロアリール(CH2)mO-(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(m) ヘテロアリールC1-6アルキルアミノ(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(n) -SC1-6アルキル、又は
(o) -SC1-6アルキルC(O)N(Rc)(Rd)であり、
R3は-N(Rc)(Rd)であり、
R4は水素又は-NH2であり、
【0017】
RaはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-NO2、-OH、-CF3、-N(Rc)(Rd)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)及びフェニル(必要によりハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)から選ばれ、
Rbは必要によりハロゲン、ピリジル、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)、NO2及びC1-6アルコキシから選ばれた1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニル基であり、又はRbはC3-6シクロアルキル、ナフチル、ピリジル、キノリニル及びイソキノリニルであり、
Rc及びRdは独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、また
Rc及びRdが両方ともC1-6アルキルである場合、それらはそれらが結合されている窒素と一緒に、4-7員環を必要により形成してもよく、
Reは-OH、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-NHCH2CO2H、-NHCH2CON(Rc)(Rd)、-NHCOOベンジル、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rg)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環はピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfはC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、ベンジル又はRbから選ばれ、
RgはC1-6-アルキル基;フェニル、ナフチル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ〔1,4〕ジオキシニル、1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ〔1,4〕オキサジニル及び2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾリルから選ばれたアリール基又はヘテロアリール基であり、
【0018】
Rgはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、ベンジル、C1-6アルコキシ、フェノキシ、フェニルアミノ、ヒドロキシC1-6アルキル、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-N(Rc)(Rd)、C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-C(O)N(Rc)(Rd)、-NO2、-S(O)nC1-6アルキル及び-S(O)nN(Rc)(Rd)から選ばれた1〜3個のRh基で必要により置換されていてもよく、又はRhはフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル、及びキノリニルから選ばれたアリール基もしくはヘテロアリール基であり、又はRhはモルホリニルであり、
Rhはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-N(Rc)(Rd)及びC(O)N(Rc)(Rd)から選ばれた1〜3個のRi基で必要により置換されていてもよく、
mは0又は1であり、
nは0、1又は2であり、かつ
pは0、1、2又は3である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の第二実施態様は
R1
(a) 必要により1個〜2個のRaで置換されていてもよい、フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれたヘテロアリール、
(b) 必要によりC1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリール(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)から選ばれた1個〜2個の基で置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれた複素環、
(c) Rb(CH2)mO-、
(d) C3-6-シクロアルキル、
(e) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(f) RbOCH2-、
(g) Rb(CH2)mNH-、
(h) Rb(CH2)p(CH=CH)m-、
(i) C1-6アルキル、
(j) C1-8アルコキシ、
(k) C1-8アルキルチオ、
(l) C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、
(m) -CF3
(n) -CHO、
(o) -OCH2CO2H、
(p) -OSO2CF3
(q) -N(Rc)(Rd)、又は
(r) -C(O)NRcRdであり、
R2
(a) C1-6アルキル-OC(O)C1-6アルコキシ、
(b) ヒドロキシC1-6アルキル-、
(c) 必要により-C(O)C1-6アルキルで置換されていてもよい、ヒドロキシC1-6アルコキシ-、
(d) (Rc)(Rd)NC1-6アルコキシ-、
(e) (Rc)(Rd)NC1-6アルキル-、
【0020】
(f) ヒドロキシC1-6アルキルアミノ-、
(g) (Rc)(Rd)NC1-6アルキルアミノ-、
(h) C1-6アルコキシC1-6アルキルアミノ-、
(i) 複素環(CH2)m-(前記複素環は1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよい)、
(j) 複素環CH2O-(その複素環は必要によりC1-6アルキルで置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル及び1-ピロリジニルから選ばれる)、
(k) Rb(CH2)mO-、
(l) ヘテロアリール(CH2)mO-(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(m) ヘテロアリールC1-6アルキルアミノ(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(n) -SC1-6アルキル、又は
(o) -SC1-6アルキルC(O)N(Rc)(Rd)であり、
R3が-N(Rc)(Rd)であり、
R4が水素又は-NH2であり、
RaがC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-NO2、-OH、-CF3、-N(Rc)(Rd)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)及びフェニル(必要によりハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)から選ばれ、
Rbが必要によりハロゲン、ピリジル、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)、NO2及びC1-6アルコキシから選ばれた1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニル基であり、又はRbがC3-6シクロアルキル、ナフチル、ピリジル、キノリニル及びイソキノリニルであり、
Rc及びRdが独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、
Reが-OH、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、-N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rf)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rb)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環はピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfがC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、フェニル又はベンジルから選ばれ、
mが0又は1であり、
nが0、1又は2であり、かつ
pが0、1、2又は3である、先の第一実施態様に記載された式(I)の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体を含む。
【0021】
本発明の第三実施態様は
R1
(a) C1-6アルキル、
(b) C3-6-シクロアルキル、
(c) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(d) C1-4アルコキシ、
(e) C1-4アルキルチオ、
(f) -CF3、又は
(g) -C(O)NRcRdであり、
【0022】
R2
複素環であり、前記複素環が1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよく、
R3が-NH2であり、
R4が水素であり、かつ
Rc及びRdが独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、
Reが-OH、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、-N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rb)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環がピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfがC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、フェニル又はベンジルから選ばれ、
mが0又は1であり、
nが0、1又は2であり、かつ
pが0、1、2又は3である、先の実施態様に記載された式(I)の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体を含む。
本発明の第四実施態様は式(II)の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体を含む。
【0023】
【化3】

【0024】
式中、
R1
(a) 必要により1個〜2個のRaで置換されていてもよい、フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれたヘテロアリール、
(b) 必要によりC1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリール(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)から選ばれた1個〜2個の基で置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれた複素環、
(c) Rb(CH2)mO-、
(d) C3-6-シクロアルキル、
(e) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(f) RbOCH2-、
(g) Rb(CH2)mNH-、
(h) Rb(CH2)p(CH=CH)m-、
(i) C1-6アルキル、
(j) C1-8アルコキシ、
(k) C1-8アルキルチオ、
(l) C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、
(m) -CF3
(n) -CHO、
(o) -OCH2CO2H、
(p) -OSO2CF3
(q) -N(Rc)(Rd)、又は
(r) -C(O)NRcRdであり、
【0025】
R2
(a) C1-6アルキル-OC(O)C1-6アルコキシ、
(b) ヒドロキシC1-6アルキル-、
(c) 必要により-C(O)C1-6アルキルで置換されていてもよい、ヒドロキシC1-6アルコキシ-、
(d) (Rc)(Rd)NC1-6アルコキシ-、
(e) (Rc)(Rd)NC1-6アルキル-、
(f) ヒドロキシC1-6アルキルアミノ-、
(g) (Rc)(Rd)NC1-6アルキルアミノ-、
(h) C1-6アルコキシC1-6アルキルアミノ-、
(i) 複素環(CH2)m-(前記複素環は1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよい)、
(j) 複素環(CH2)mO-(その複素環は必要によりC1-6アルキルで置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル及び1-ピロリジニルから選ばれる)、
(k) Rb(CH2)mO-、
(l) ヘテロアリール(CH2)mO-(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(m) ヘテロアリールC1-6アルキルアミノ(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(n) -SC1-6アルキル、又は
(o) -SC1-6アルキルC(O)N(Rc)(Rd)であり、
R3は-N(Rc)(Rd)であり、
【0026】
RaはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-NO2、-OH、-CF3、-N(Rc)(Rd)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)及びフェニル(必要によりハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)から選ばれ、
Rbは必要によりハロゲン、1-ナフチル、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)、NO2及びC1-6アルコキシから選ばれた1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニル基であり、又はRbはC3-6シクロアルキルであり、
Rc及びRdは独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、また
Rc及びRdが両方ともC1-6アルキルである場合、それらはそれらが結合されている窒素と一緒に、4-7員環を必要により形成してもよく、
Reは-OH、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-NHCH2CO2H、-NHCH2CON(Rc)(Rd)、-NHCOOベンジル、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rg)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環はピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfはC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、ベンジル又はRbから選ばれ、
【0027】
RgはC1-6アルキル基;フェニル、ナフチル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ〔1,4〕ジオキシニル、1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ〔1,4〕オキサジニル及び2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾリルから選ばれたアリール基又はヘテロアリール基であり、
Rgはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、ベンジル、C1-6アルコキシ、フェノキシ、フェニルアミノ、ヒドロキシC1-6アルキル、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-N(Rc)(Rd)、C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-C(O)N(Rc)(Rd)、-NO2、-S(O)nC1-6アルキル及び-S(O)nN(Rc)(Rd)から選ばれた1〜3個のRh基で必要により置換されていてもよく、又はRhはフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル、及びキノリニルから選ばれたアリール基もしくはヘテロアリール基であり、又はRhはモルホリニルであり、
Rhはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-N(Rc)(Rd)及びC(O)N(Rc)(Rd)から選ばれた1〜3個のRi基で必要により置換されていてもよく、
mは0又は1であり、
nは0、1又は2であり、かつ
pは0、1、2又は3である。
【0028】
本発明の第五実施態様は
R1
(a) 必要により1個〜2個のRaで置換されていてもよい、フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれたヘテロアリール、
(b) 必要によりC1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリール(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)から選ばれた1個〜2個の基で置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれた複素環、
(c) Rb(CH2)mO-、
(d) C3-6-シクロアルキル、
(e) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(f) RbOCH2-、
(g) Rb(CH2)mNH-、
(h) Rb(CH2)p(CH=CH)m-、
(i) C1-6アルキル、
(j) C1-8アルコキシ、
(k) C1-8アルキルチオ、
(l) C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、
(m) -CF3
(n) -CHO、
(o) -OCH2CO2H、
(p) -OSO2CF3
(q) -N(Rc)(Rd)、又は
(r) -C(O)NRcRdであり、
R2
(a) C1-6アルキル-OC(O)C1-6アルコキシ、
(b) ヒドロキシC1-6アルキル-、
(c) 必要により-C(O)C1-6アルキルで置換されていてもよい、ヒドロキシC1-6アルコキシ-、
(d) (Rc)(Rd)NC1-6アルコキシ-、
(e) (Rc)(Rd)NC1-6アルキル-、
【0029】
(f) ヒドロキシC1-6アルキルアミノ-、
(g) (Rc)(Rd)NC1-6アルキルアミノ-、
(h) C1-6アルコキシC1-6-アルキルアミノ-、
(i) 複素環(CH2)m-(前記複素環が1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよい)、
(j) 複素環CH2O-(その複素環が必要によりC1-6アルキルで置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル及び1-ピロリジニルから選ばれる)、
(k) Rb(CH2)mO-、
(l) ヘテロアリール(CH2)mO-(そのヘテロアリールがフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(m) ヘテロアリールC1-6アルキルアミノ(そのヘテロアリールがフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(n) -SC1-6アルキル、又は
(o) -SC1-6アルキルC(O)N(Rc)(Rd)であり、
R3が-N(Rc)(Rd)であり、
RaがC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-NO2、-OH、-CF3、-N(Rc)(Rd)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)及びフェニル(必要によりハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)から選ばれ、
Rbが必要によりハロゲン、1-ナフチル、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)、NO2及びC1-6アルコキシから選ばれた1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニル基であり、又はRbがC3-6シクロアルキルであり、
Rc及びRdが独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、
Reが-OH、-NH2、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、-N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-CH2OH、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rb)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環がピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfがC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、フェニル又はベンジルから選ばれ、
mが0又は1であり、
nが0、1又は2であり、かつ
pが0、1、2又は3である、先の実施態様に記載された式(II)の化合物及びその医薬上許される誘導体を含む。
【0030】
本発明の第六実施態様は
R1
(a) C1-6アルキル、
(b) C1-4アルコキシ、
(c) C3-6-シクロアルキル、
(d) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(e) C1-4アルキルチオ、
(f) -CF3、又は
(g) -C(O)NRcRdであり、
R2
複素環であり、前記複素環が1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよく、
【0031】
R3が-NH2であり、かつ
Rc及びRdが独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、
Reが-OH、-NH2、-NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、-N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-CH2OH、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rb)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環がピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfがC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、フェニル又はベンジルから選ばれ、
mが0又は1であり、
nが0、1又は2であり、かつ
pが0、1、2又は3である、第五実施態様に記載された式(II)の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体を含む。
本発明の第七実施態様は式(III)
の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体を含む。
【0032】
【化4】

【0033】
式中、
R1
(a) 必要により1個〜2個のRaで置換されていてもよい、フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれたヘテロアリール、
(b) 必要によりC1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリール(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)から選ばれた1個〜2個の基で置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれた複素環、
(c) Rb(CH2)mO-、
(d) C3-6-シクロアルキル、
(e) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(f) RbOCH2-、
(g) Rb(CH2)mNH-、
(h) Rb(CH2)p(CH=CH)m-、
(i) C1-6アルキル、
(j) C1-8アルコキシ、
(k) C1-8アルキルチオ、
(l) C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、
(m) -CF3
(n) -CHO、
(o) -OCH2CO2H、
(p) -OSO2CF3
(q) -N(Rc)(Rd)、又は
(r) -C(O)NRcRdであり、
【0034】
R2
(a) C1-6アルキル-OC(O)C1-6アルコキシ、
(b) ヒドロキシC1-6アルキル-、
(c) 必要により-C(O)C1-6アルキルで置換されていてもよい、ヒドロキシC1-6アルコキシ-、
(d) (Rc)(Rd)NC1-6アルコキシ-、
(e) (Rc)(Rd)NC1-6アルキル-、
(f) ヒドロキシC1-6アルキルアミノ-、
(g) (Rc)(Rd)NC1-6アルキルアミノ-、
(h) C1-6アルコキシC1-6アルキルアミノ-、
(i) 複素環(CH2)m-(前記複素環は1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよい)、
(j) 複素環CH2O-(その複素環は必要によりC1-6アルキルで置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル及び1-ピロリジニルから選ばれる)、
(k) Rb(CH2)mO-、
(l) ヘテロアリール(CH2)mO-(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(m) ヘテロアリールC1-6アルキルアミノ(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(n) -SC1-6アルキル、又は
(o) -SC1-6アルキルC(O)N(Rc)(Rd)であり、
R3は-N(Rc)(Rd)であり、
【0035】
RaはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-NO2、-OH、-CF3、-N(Rc)(Rd)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)及びフェニル(必要によりハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)から選ばれ、
Rbは必要によりハロゲン、1-ナフチル、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)、NO2及びC1-6アルコキシから選ばれた1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニル基であり、又はRbはC3-6シクロアルキルであり、
Rc及びRdは独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、また
Rc及びRdが両方ともC1-6アルキルである場合、それらはそれらが結合されている窒素と一緒に、4-7員環を必要により形成してもよく、
Reは-OH、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-NHCH2CO2H、-NHCH2CON(Rc)(Rd)、-NHCOOベンジル、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rg)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環はピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfはC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、ベンジル又はRbから選ばれ、
RgはC1-6-アルキル基;フェニル、ナフチル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ〔1,4〕ジオキシニル、1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ〔1,4〕オキサジニル及び2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾリルから選ばれたアリール基又はヘテロアリール基であり、
Rgはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、ベンジル、C1-6アルコキシ、フェノキシ、フェニルアミノ、ヒドロキシC1-6アルキル、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-N(Rc)(Rd)、C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-C(O)N(Rc)(Rd)、-NO2、-S(O)nC1-6アルキル及び-S(O)nN(Rc)(Rd)から選ばれた1〜3個のRh基で必要により置換されていてもよく、又はRhはフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル、及びキノリニルから選ばれたアリール基もしくはヘテロアリール基であり、又はRhはモルホリニルであり、
Rhはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-N(Rc)(Rd)及びC(O)N(Rc)(Rd)から選ばれた1〜3個のRi基で必要により置換されていてもよく、
mは0又は1であり、
nは0、1又は2であり、かつ
pは0、1、2又は3である。
【0036】
本発明の第八実施態様は
R1
(a) 必要により1個〜2個のRaで置換されていてもよい、フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれたヘテロアリール、
(b) 必要によりC1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリール(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)から選ばれた1個〜2個の基で置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれた複素環、
(c) Rb(CH2)mO-、
(d) C3-6-シクロアルキル、
(e) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(f) RbOCH2-、
(g) Rb(CH2)mNH-、
(h) Rb(CH2)p(CH=CH)m-、
(i) C1-6アルキル、
(j) C1-8アルコキシ、
(k) C1-8アルキルチオ、
(l) C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、
(m) -CF3
(n) -CHO、
(o) -OCH2CO2H、
(p) -OSO2CF3
(q) -N(Rc)(Rd)、又は
(r) -C(O)NRcRdであり、
【0037】
R2
(a) C1-6アルキル-OC(O)C1-6アルコキシ、
(b) ヒドロキシC1-6アルキル-、
(c) 必要により-C(O)C1-6アルキルで置換されていてもよい、ヒドロキシC1-6アルコキシ-、
(d) (Rc)(Rd)NC1-6アルコキシ-、
(e) (Rc)(Rd)NC1-6アルキル-、
(f) ヒドロキシC1-6アルキルアミノ-、
(g) (Rc)(Rd)NC1-6アルキルアミノ-、
(h) C1-6アルコキシC1-6-アルキルアミノ-、
(i) 複素環(CH2)m-(前記複素環が1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよい)、
(j) 複素環CH2O-(その複素環が必要によりC1-6アルキルで置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル及び1-ピロリジニルから選ばれる)、
【0038】
(k) Rb(CH2)mO-、
(l) ヘテロアリール(CH2)mO-(そのヘテロアリールがフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(m) ヘテロアリールC1-6アルキルアミノ(そのヘテロアリールがフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(n) -SC1-6アルキル、又は
(o) -SC1-6アルキルC(O)N(Rc)(Rd)であり、
R3が-N(Rc)(Rd)であり、
RaがC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-NO2、-OH、-CF3、-N(Rc)(Rd)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)及びフェニル(必要によりハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)から選ばれ、
Rbが必要によりハロゲン、1-ナフチル、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)、NO2及びC1-6アルコキシから選ばれた1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニル基であり、又はRbがC3-6シクロアルキルであり、
Rc及びRdが独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、
Reが-OH、-NH2、-NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、-N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-CH2OH、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rb)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環がピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfがC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、フェニル又はベンジルから選ばれ、
mが0又は1であり、
nが0、1又は2であり、かつ
pが0、1、2又は3である、第七実施態様に記載された式(III)の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体を含む。
【0039】
本発明の第九実施態様は
R1
(a) C1-6アルキル、
(b) C1-4アルコキシ、
(c) C3-6-シクロアルキル、
(d) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(e) C1-4アルキルチオ、
(f) -CF3、又は
(g) -C(O)NRcRdであり、
R2
複素環であり、前記複素環が1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよく、
R3が-NH2であり、かつ
Rc及びRdが独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、
Reが-OH、-NH2、-NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、-N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-CH2OH、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rb)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環がピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfがC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、フェニル又はベンジルから選ばれ、
mが0又は1であり、
nが0、1又は2であり、かつ
pが0、1、2又は3である、第八実施態様に記載された式(III)の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体を含む。
本発明の第十実施態様において、表1にリストされた下記の化合物又はこれらの医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体が提供される。
【0040】
【表1】

















【0041】
【表2】




【0042】
【表3】






【0043】
【表4】

【0044】
本発明の第11実施態様において、化合物:
N-〔1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イル〕-メタンスルホンアミド、
7-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-イルアミン、
1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-オン、
2-〔1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イルアミノ〕-1-ナフタレン-1-イル-エタノール、
(S)-2-〔1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イルアミノ〕-1-フェニル-エタノール、
4-{2-〔1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イルアミノ〕-1-ヒドロキシ-エチル}-ベンズアミド、
7-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-9-トリフルオロメチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-イルアミン、
N-〔1-(4-アミノ-9-トリフルオロメチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イル〕-ホルムアミド
又はこれらの医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体が提供される。
【0045】
先に開示された全ての化合物において、命名法が構造と不一致である場合には、化合物が構造により特定されることが理解されるべきである。
本発明は式(I)の化合物の医薬上許される誘導体を含む。“医薬上許される誘導体”は本発明の化合物のあらゆる医薬上許される酸、塩もしくはエステル、又は、患者への投与後に、本発明の化合物を(直接又は間接に)与えることができるあらゆるその他の化合物、その薬理学上活性な代謝産物もしくは薬理学上活性な残渣を表す。
本発明の化合物の医薬上許される塩として、医薬上許される無機及び有機の酸及び塩基から誘導されたものが挙げられる。好適な酸の例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。シュウ酸の如きその他の酸は、それら自体では医薬上許されないが、本発明の化合物及びそれらの医薬上許される酸付加塩を得る際に中間体として有益な塩の調製に使用し得る。適当な塩基から誘導された塩として、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、アンモニウム塩及びN-(C1-C4アルキル)4+塩が挙げられる。
【0046】
加えて、本発明の化合物は式(I)の化合物のプロドラッグを含む。プロドラッグとして、簡単な変換後に、本発明の化合物を生じるように変性されるこれらの化合物が挙げられる。簡単な化学変換として、加水分解、酸化及び還元が挙げられ、これらは酵素的、代謝的又はそれ以外に生じる。詳しくは、本発明のプロドラッグが患者に投与される場合、プロドラッグが式(I)の化合物に変換され、それにより所望の薬理学的効果を与え得る。
一つ以上の不斉炭素原子を含む本発明の化合物はラセミ体及びラセミ体混合物、単一鏡像体、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして生じ得る。これらの化合物の全てのこのような異性体形態が本発明に明らかに含まれる。夫々の立体中心(stereogenic)炭素はR配置もしくはS配置、又はこれらの配置の組み合わせであってもよい。
本発明の化合物の幾つかは一つより多い互変異性体形態で存在し得る。本発明は全てのこのような互変異性体を含む。
本発明の化合物は当業者により認められるように“化学的に安定である”と意図されている化合物のみである。例えば、“ダングリング原子価”、又は“カルバニオン”を有する化合物は本発明により意図されている化合物ではない。
本明細書に使用されるように、下記の略号が使用される。
DMFはジメチルホルムアミドであり、
DMSOはジメチルスルホキシドであり、
EtOAcは酢酸エチルであり、
EtOHはエタノールであり、
HPLCは高性能液体クロマトグラフィーであり、
MeOHはメタノールであり、
THFはテトラヒドロフランであり、
TLCは薄層クロマトグラフィーである。
【0047】
本明細書に特別に定義されない用語は開示及び状況に鑑みて当業者によりそれらに与えられるような意味を与えられるべきである。例えば、“C1-6アルコキシ”は末端酸素を有するC1-6アルキル、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ペントキシ及びヘキソキシである。全てのアルキル基、アルキレン基又はアルキニル基は特に明記されない限り、分岐又は非分岐であると理解されるべきである。その他の更に特別な定義は以下のとおりである。
“アルキル”という用語は、特にことわらない限り、1個から10個までの炭素原子を含む飽和脂肪族基又は2個から12個までの炭素原子を含むモノ-又はポリ不飽和脂肪族炭化水素基を表す。モノ-又はポリ不飽和脂肪族炭化水素基は夫々、少なくとも一つの二重結合又は三重結合を含む。“アルキル”は分岐アルキル基及び非分岐アルキル基の両方を表す。“アルキル”の例として、1個から8個までの炭素原子を含む直鎖アルキル基及び3個から10個までの炭素原子を含む分岐アルキル基であるアルキル基が挙げられる。その他の例として、1個から6個までの炭素原子を含む直鎖アルキル基及び3個から6個までの炭素原子を含む分岐アルキル基である低級アルキル基が挙げられる。“alk”又は“アルキル”接頭辞を使用するあらゆる組み合わせ用語は“アルキル”の上記定義に従う類似体を表すことが理解されるべきである。例えば、“アルコキシ”、“アルキルチオ”の如き用語は酸素原子又は硫黄原子を介して第二の基に結合されたアルキル基を表す。“アルカノイル”はカルボニル基(C=O)に結合されたアルキル基を表す。本明細書に記載された夫々のアルキル又はアルキル類似体は必要により部分的又は完全にハロゲン化されていてもよいことが理解されるべきである。
【0048】
“シクロアルキル”という用語は先に定義された、アルキル基の環状類似体を表す。シクロアルキルの例は3個から8個までの炭素原子を含む飽和又は不飽和非芳香族シクロアルキル基であり、またその他の例として、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基が挙げられる。
“ヘテロシクロアルキル”という用語は安定な4-8員(好ましくは、5員又は6員)単環式又は8-11員二環式の複素環基(これらは飽和又は不飽和であってもよい)を表し、非芳香族である。夫々の複素環は炭素原子と窒素、酸素及び硫黄から選ばれた1〜4個のヘテロ原子からなる。複素環はその環のいずれかの原子により結合されてもよく、これが安定な構造の形成をもたらす。“ヘテロシクロアルキル”の例として、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、インドリニル、アゼチジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ジヒドロ-オキサゾリル、1,2-チアジナニル-1,1-ジオキサイド、1,2,6-チアジアジナニル-1,1-ジオキサイド、イソチアゾリジニル-1,1-ジオキサイド及びイミダゾリジニル-2,4-ジオンの如き基が挙げられる。
“ハロゲン”という用語は臭素、塩素、フッ素又はヨウ素を表す。
“アリール”という用語は6-12員芳香族炭素環を意味すると理解されるべきであり、これは単環であってもよく、又は一緒に縮合され、もしくは共有結合された多環であってもよい。“アリール”という用語は、例えば、フェニル及びナフチルを含む。“アリール”を含むその他の用語はアリール成分について同じ定義を有し、これらの部分の例として、アリールアルキル、アリールオキシ又はアリールチオが挙げられる。
【0049】
“ヘテロアリール”という用語は安定な5-8員(好ましくは、5員又は6員)単環式又は8-11員二環式の芳香族複素環基を表す。夫々の複素環は炭素原子と窒素、酸素及び硫黄から選ばれた1〜4個のヘテロ原子からなる。ヘテロアリール基はその環のいずれかの原子により結合されてもよく、これが安定な構造の形成をもたらす。“ヘテロアリール”の例として、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル及びフェノキサジニルの如き基が挙げられる。
“任意の”又は“必要により”という用語は続いて記載されるイベント又は状況が起こってもよく、また起こらなくてもよいこと、及びその記載はイベント又は状況が起こる場合及びそれが起こらない場合を含むことを意味する。例えば、“必要により置換されていてもよいアリール”はアリール基が置換されていてもよく、また置換されていなくてもよいこと、及びその記載が置換アリール基及び置換を有しないアリール基の両方を含むことを意味する。
“置換された”という用語は基又は部分の原子の位置の1個以上の水素(明記の有無を問わない)が置換基の示された群からの選択で置換されていることを意味し、但し、その原子の通常の原子価が越えられないこと、及びその置換が安定な化合物をもたらすことを条件とする。置換基への結合が環中の二つの原子を連結する結合に交差することが示されている場合、このような置換基はその環のいずれかの原子に結合されてもよい。このような置換基が化合物の残部に結合される原子を示さないで置換基がリストされている場合、このような置換基はこのような置換基中のいずれかの原子を介して結合されてもよい。例えば、置換基がピペラジニル、ピペリジニル、又はテトラゾリルである場合、特に明記されない限り、このようなピペラジニル基、ピペリジニル基、又はテトラゾリル基はこのようなピペラジニル基、ピペリジニル基、又はテトラゾリル基中のいずれかの原子を介して本発明の化合物の残部に結合されてもよい。一般に、置換基又は基が成分又は化合物中に一度より多く現れる場合、夫々の発生についてのその定義は夫々のその他の発生におけるその定義とは独立である。こうして、例えば、基が0〜2個のRで置換されていることが示されている場合、このような基は2個までのR基で必要により置換されていてもよく、夫々の発生におけるRは可能なRの特定されたリストから独立に選ばれる。しかしながら、置換基及び/又は変数のこのような組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許される。
本明細書に先に使用され、またこの出願中に使用される“窒素”及び“硫黄”は窒素及び硫黄の酸化された形態及び塩基性窒素の四級化された形態を含む。
【0050】
治療上の使用の方法
本発明によれば、式(I)の化合物の新規使用方法が提供される。本発明の化合物はIKKβ及び/又はIKKαの活性を抑制するのに有効である。特に、これらの化合物はIKKβ媒介NF-κB活性化及びB細胞活性又は細胞サイクル調節遺伝子サイクリンD1のIKKα活性化により悪化される疾患プロセスをブロックするのに有益である。NF-κB活性化をブロックする際に、本発明の化合物はIL-1、IL-2、IL-6、IL-8、TNFαを含む炎症性サイトカイン、IL-8及びRANTESを含むケモカイン並びにCOX-2及び細胞付着分子、例えば、ICAM-1、VCAM-1及びE-セレクチンを含むその他の炎症性分子をコードする遺伝子の転写を有効にブロックする。これらの媒介物質は炎症性疾患及び自己免疫疾患の病因に重要な役割を果たす。これらの媒介物質の生成の阻止はこれらの疾患を治療するのに望ましい手段である。こうして、本発明の化合物を使用するこれらの症状の治療方法が提供される。このような炎症性症状及び自己免疫症状として、骨関節炎、再潅流障害、喘息、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、移植片対宿主病、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、アルツハイマー病、トキシックショック症候群、インスリン依存性真性糖尿病、急性の痛み及び慢性の痛みだけでなく、炎症及び心血管疾患の症候、卒中、単独又は血栓溶解療法後の心筋梗塞、熱損傷、成人呼吸困難症候群(ARDS)、トラウマに二次的な多発性臓器障害、急性腎炎、急性炎症性成分による皮膚病、急性化膿性脳膜炎又はその他の中枢神経系障害、グレーブス病、重症筋無力症、硬皮症並びにアトピー性皮膚炎が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の化合物はまた先にリストされ、又は背景技術に説明されたものとは無関係のNF-κBのIKK活性化と関連するその他の疾患を治療するのに使用し得る。例えば、本発明の化合物はまた化学療法薬の有効性を高めることにより癌の治療に有効であり得る。それ故、本発明はまた治療を要する患者に医薬有効量の本発明の化合物を投与することを特徴とする、炎症性疾患及び自己免疫疾患、並びに癌を含むその他の疾患の治療方法を提供する。
【0051】
IKKαのキナーゼ活性を抑制することにより、本発明の化合物はB細胞が疾患の病因に寄与し得る炎症性症状(ループス及び慢性関節リウマチが挙げられるが、これらに限定されない)を治療するのに有益である。それらはまたサイクリンD1の誘導を抑制することにより乳癌の治療に有益である。本発明の化合物はまた先にリストされ、又は背景技術に説明されたものとは無関係の、不適当なIKKα活性化と関連するその他の疾患を治療するのに使用し得る。
治療上の使用のために、本発明の化合物はあらゆる通常の様式であらゆる通常の投薬形態で投与されてもよい。投与の経路として、静脈内、筋肉内、皮下、滑液包内、注入、舌下、経皮、経口、局所又は吸入が挙げられるが、これらに限定されない。投与の好ましい様式は経口及び静脈内である。投与の上記経路の夫々のための本発明の化合物を含む組成物は当業者に明らかであろう。また、本発明は治療有効量の本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。このような医薬組成物は以下に更に記載されるような医薬上許される担体及びアジュバントを含むであろう。
本発明の化合物は単独で投与されてもよく、又はインヒビターの安定性を高め、或る実施態様においてそれらを含む医薬組成物の投与を促進し、増大された溶解もしくは分散を与え、抑制活性を増大し、補助療法を与える等のアジュバント(その他の活性成分を含む)と組み合わせて投与されてもよい。有利には、このような組み合わせ治療薬は一層低い用量の通常の治療薬を利用し、こうしてこれらの薬剤が単一治療薬として使用される場合に誘発される可能な毒性及び不利な副作用を回避する。本発明の化合物は単一医薬組成物へと通常の治療薬又はその他のアジュバントと物理的に合わされてもよい。有利には、化合物がその後に単一投薬形態で一緒に投与されてもよい。或る実施態様において、化合物のこのような組み合わせを含む医薬組成物は少なくとも約15%(w/w)、更に好ましくは少なくとも約20%の、本発明の化合物又はこれらの組み合わせを含む。また、化合物は別々に投与されてもよい(逐次又は平行に)。別々の投薬は投薬養生法に一層大きい融通性を可能にする。
【0052】
上記のように、本発明の化合物の投薬形態は当業者に知られている医薬上許される担体及びアジュバントを含む。これらの担体及びアジュバントとして、例えば、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、緩衝剤物質、水、塩又は電解質及びセルロース系物質が挙げられる。好ましい投薬形態として、錠剤、カプセル、カプレット、液体、溶液、懸濁液、エマルション、ロゼンジ、シロップ、再生粉末、顆粒、座薬及び経皮パッチが挙げられる。このような投薬形態の調製方法が知られている(例えば、H.C. Ansel及びN.G. Popovish, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 第5編, Lea and Febiger (1990)を参照のこと)。投薬レベル及び要件は当業界で良く認められており、特別な患者に適した利用できる方法及び技術から当業者により選ばれてもよい。或る実施態様において、投薬レベルは70kgの患者について投薬当り約10-1000mgの範囲である。毎日1回の投薬が充分であり得るが、毎日5回までの投薬が施されてもよい。経口用量について、2000mg/日までが必要とされるかもしれない。当業者が認めるように、それより低い用量又は高い用量が特別な因子に応じて必要とされるかもしれない。例えば、特別な用量及び治療養生法は患者の全般の健康プロフィール、患者の疾患の重度及び経過又はその気質、並びに治療医師の判断の如き因子に依存するであろう。
【0053】
一般合成方法
更に、本発明は式I、II及びIIIの化合物の製造方法を提供する。本発明の化合物は以下に示される一般的な方法及び例、並びに当業者に知られている方法により調製し得る。最適の反応条件及び反応時間は使用される特別な反応体に応じて変化し得る。特に明記しない限り、溶媒、温度、圧力、及びその他の反応条件は当業者により容易に選択し得る。特別な操作が合成実施例の部分に示される。反応進行は薄層クロマトグラフィー(TLC)の如き通常の方法により監視し得る。中間体及び生成物はカラムクロマトグラフィー、HPLC又は再結晶を含む、当業界で知られている方法により精製し得る。
R4=Hを有する式Iの本発明の化合物は以下にスキームIに示される方法A又は方法Bにより製造し得る。
【0054】
【化5】

【0055】
R1を有するアルキノエートエステル、例えば、先に示されたメチルエステルIVを、モルホリンの如き好適な塩基の存在下で2-シアノチオアセトアミドと反応させてメルカプトピリジンVを得る。次いで中間体Vを炭酸カリウムの如き好適な塩基の存在下で2-ブロモアセトアミドと反応させてメルカプトアセトアミドVIaを得てもよい(方法A)。また、方法Aに記載された条件を使用して、Vを2-ブロモアセトニトリルと反応させてメルカプトアセトニトリルVIbを得てもよい(方法B)。
方法Aで進めて、VIaをトリエチルアミンの如き好適な塩基の存在下でN-フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドの如きトリフルオロメチルスルホニル化試薬と反応させてトリフルオロメタンスルホン酸エステルVIIaを生成する。VIIaを好適な塩基の存在下で求核性R2H、例えば、アミン、アルコール又はチオールと反応させて夫々R2でアミン、エーテル又はチオエーテルを有するアミドVIIIaを得る。VIbによる同じ順序がニトリルVIIIbを与える(方法B)。
方法Aを使用して、VIIIaをEtOHの如き好適な溶媒中で、触媒量の氷酢酸の如き酸の存在下でトリエチルオルトホルメートとともに加熱してピリドチエノピリミジノンIXaを得る。IXaをオキシ塩化リンの如き好適な塩素化試薬と反応させてクロロ中間体Xaを得る。Xaを、好ましくはシールされた容器中で加熱しながら、所望のアミン-NH(Rc)(Rd)と反応させて式I(R3=-NH(Rc)(Rd)、R4=H)の所望の化合物を得る。
方法Bを使用して、ニトリルVIIIbを、好ましくはマイクロウェーブ補助反応器中で加熱することにより、ホルムアミドと反応させて式I(R2=アミン、エーテル又はチオエーテル、R3=NH2、R4=H)の所望の化合物を得る。VIIIa、VIIIb又はIの初期に形成されたR1基及びR2基は当業界で知られている方法により更に反応させられて式Iの付加的な化合物を得てもよい。
R3=R4=NH2を有する式Iの化合物はスキームIIに示されるように調製し得る。VIIIbをグアニジン炭酸塩の如きグアニジン塩とともに加熱してI(R3=R4=NH2)を得る。
【0056】
【化6】

【0057】
式IIの化合物はスキームIIIに記載されるようにして調製し得る。VIIIbをEtOHの如き好適な溶媒中で亜硝酸イソアミル及びHClと反応させてXIを得る。XIを、好ましくはシールした管中で加熱しながら、アンモニアと反応させてII(R3=NH2)を得る。









【0058】
【化7】

【0059】
式IIIの化合物はスキームIVに示されるように調製し得る。
【0060】
【化8】

【0061】
先に示されたように、VIIIbのアミノ基を、例えば、亜硝酸イソアミルによる処理によりジアゾ化し、続いてCH2I2の如きヨウ素源と反応させてヨード中間体XIIを得る。XIIをトリメチルシリルアセチレンとクロスカップリング反応させてXIIIを得る。トリメチルシリル基を、例えば、フッ化テトラブチルアンモニウムによる処理により除去してアセチレン中間体XIVを得る。XIVをシールした反応容器中で加熱しながらジオキサンの如き好適な溶媒中で、水酸化アンモニウムの如きアンモニア源で処理して式IIIの所望の生成物を得る。
発明を実施するための最良の形態に記載されたその他のR1及びR2を有する本発明の化合物は当業界で知られている方法により調製し得る。例えば、米国特許出願第60/386,312号(本明細書に参考として含まれる)は、種々の異なるR1及びR2を有するVIIIaの幾つかの合成を記載している。次いでこれらの中間体は方法Aにより更に反応させられて式Iの付加的な化合物を調製し得る。式IIIaの中間体は当業界で知られている方法、例えば、五酸化リン、オキシ塩化リン又はシアヌル酸クロリドの如き脱水剤による処理によりニトリルVIIIbに変換し得る。次いで得られるVIIIbが方法B、スキームII又はスキームIIIに記載されたように更に反応させられて本発明の付加的な化合物を得てもよい。
【実施例】
【0062】
合成実施例
実施例1:7-(4-メチル-〔1,4〕ジアゼパン-1-イル)-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-イルアミンの合成
方法A:
【0063】
【化9】

【0064】
EtOH(40mL)中のメチル2-ヘキシノエート(15g、0.119モル)の溶液に、モルホリン(10.5g、0.120モル)を室温で滴下して添加した。次いでその溶液を窒素雰囲気下で4時間にわたって45℃に温めた。次いで固体のNCCCH2C(S)NH2(12.1g、0.120モル)を少しづつ添加した。45℃で30分間撹拌した後、その混合物を室温で一夜撹拌した。黄色の沈殿を濾過により集め、所望のメルカプトピリドン10.9gを1分子のモルホリンとの錯体として得た。
乾燥DMF(50mL)中の上記メルカプトピリドン(5.25g、18.68ミリモル)、2-ブロモアセトアミド(2.58g、18.68ミリモル)及びK2CO3(2.58g、18.68ミリモル)の混合物をAr雰囲気下で70℃で4時間加熱した。次いでその混合物を0℃に冷却し、6N HCl(約3mL)でpH約2に酸性にした。その混合物を0℃で2時間保ち、得られる白色の沈殿を濾過により集めた。生成物を冷水で洗浄して所望のメルカプトアセトアミド5.5gを得た。
乾燥ジオキサン(40mL)中の上記メルカプトアセトアミド(4.15g、16.54ミリモル)及びiPr2NEt(4.6mL、32.82ミリモル)の混合物に、N-フェニルトリフルオロメタン-スルホンイミド(5.91g、16.54ミリモル)を少しづつ添加した。その混合物を窒素雰囲気下で16時間撹拌し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、50-80%のEtOAc-ヘキサン(勾配)で溶離して所望の2-(3-シアノ-4-n-プロピル-6-トリフルオロメタンスルホニルピリジン-2-イルメルカプト)アセトアミド4.7gを得た。
【0065】
1,4-ジオキサン中の上記トリフレート(0.200g、2.08ミリモル)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下で1-メチルホモピペラジン(0.32mL、2.5ミリモル)、続いてトリエチルアミン(1.0mL、7.4ミリモル)を室温で添加した(白色の沈殿が生成する)。得られる懸濁液を1時間にわたって80℃に温め、周囲温度に冷却した(TLC、SiO2、10%のMeOH/CH2Cl2により反応の完結)。その反応液を2M Na2CO3(2mL)で処理し、3時間にわたって100℃に温め、次いで48時間にわたって70℃で温めた(TLC、SiO2、0.5%のNH4OH/10%のMeOH/CH2Cl2により反応の完結)。室温に冷却した後、その反応液をEtOAcで希釈し、層を分離した。水相をEtOAc(2x)で抽出した。合わせた有機物をSiO2(約0.8g)で処理し、得られる懸濁液を濃縮した。得られる固体をフラッシュクロマトグラフィー(35gのSiO2、0.5%のNH4OH/6%のMeOH/CH2Cl2、流量30mL/分、254nmでUV検出)により精製した。3-アミノ-6-(4-メチル-〔1,4〕ジアゼパン-1-イル)-4-プロピル-チエノ〔2,3-b〕ピリジン-2-カルボン酸アミド(0.590g)をオフホワイトの固体として単離した。
EtOH及びトリエチルオルトホルメート(5.0mL)中の上記アミド(0.590g、1.70ミリモル)の撹拌懸濁液に、氷酢酸(5滴)を添加した。得られる混合物を終末にわたって90℃に温め(均一になる)、その時間中に沈殿が生成した。その反応液を室温に冷却し、固体を濾過により集め、EtOHで洗浄して7-(4-メチル-〔1,4〕ジアゼパン-1-イル)-9-プロピル-3H-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-オン0.450gを白色の固体として得た。
オキシ塩化リン(0.7mL)中の上記ピリミジン-4-オン(0.270g、0.755ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下で95℃に温めた(均一な赤オレンジ色の溶液になった)。0.5時間後、固体が生成し、その反応溶液を周囲温度に冷却した。過剰のオキシ塩化リンを高真空下で除去した。得られる黄褐色の固体をヘキサンで2回洗浄し、高真空下で乾燥させて4-クロロ-7-(4-メチル-〔1,4〕ジアゼパン-1-イル)-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン0.300gを得た。
パール鋼容器中で-78℃で、上記クロロピリミジン(150mg、0.334ミリモル)をジオキサン3mL及び液体アンモニア5mL中で懸濁させた。次いでこの混合物をパール加圧容器中で100℃で20時間加熱した。次いで容器を-78℃に冷却し、開放し、室温に徐々に温めた。得られる懸濁液を水で希釈し、懸濁された固体を濾過により集め、水洗し、次いで空気乾燥させた。粗生成物をMeOH及びエーテルで再結晶して標題化合物(30mg、86%)を得た。
方法B:













【0066】
【化10】

【0067】
2-メルカプト-6-オキソ-4-プロピル-1,6-ジヒドロ-ピリジン-3-カルボニトリルのモルホリン塩(上記を参照のこと)を2-ブロモアセトアミドについて上記された2-ブロモアセトニトリルと反応させて2-シアノメチルスルファニル-6-オキソ-4-プロピル-1,6-ジヒドロ-ピリジン-3-カルボニトリルを得た。このニトリル(19.02g、81.53ミリモル)及びN-フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(29.59g、82.00ミリモル)を乾燥ジオキサン100mLに溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(19.3mL、135ミリモル)を添加し、その混合物をアルゴン雰囲気下で室温で4時間撹拌した。溶媒を濃縮した。残渣をEtOAc及びエーテルに溶解し、得られる溶液をシリカゲルのパッドで濾過し、これをエーテルで洗浄した。濾液を濃縮し、得られる黄色の固体を濾過により集め、真空下で乾燥させてトリフルオロメタンスルホン酸5-シアノ-6-シアノメチルスルファニル-4-プロピル-ピリジン-2-イルエステル(18.45g、62%)を得た。
上記エステル(0.548g、1.50ミリモル)、1-メチルホモピペリジン(0.19mL、1.5ミリモル)及びトリエチルアミン(0.21mL、1.5ミリモル)をジオキサン2mLに溶解した。その反応混合物をスミスシンセサイザーTM(パーソナル・ケミストリィ)中で100℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、その反応混合物を水に注ぎ、懸濁された固体を濾過し、真空下で乾燥させて3-アミノ-6-(4-メチル-〔1,4〕ジアゼパン-1-イル)-4-プロピル-チエノ〔2,3-b〕ピリジン-2-カルボニトリルを明緑色の固体(336mg、68%)として得た。
上記ニトリル(316mg、1.00ミリモル)及びホルムアミド(3mL)をスミスシンセサイザーTM(パーソナル・ケミストリィ)中で150℃で16時間加熱した。その反応混合物を水に注ぎ、得られる固体を濾過により集めた。固体をフラッシュクロマトグラフィー(35gのシリカゲルカートリッジ、30分でヘキサン/EtOAc 20-0% 10mL、30分にわたって0%、0.1%の水酸化アンモニウム)により更に精製して標題化合物を黄色の固体(198mg、56%)として得た。
実施例2:1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-オールの合成





【0068】
【化11】

【0069】
トリフルオロメタンスルホン酸5-シアノ-6-シアノメチルスルファニル-4-プロピル-ピリジン-2-イルエステル(1.10g、3.00ミリモル)(実施例1、方法Bを参照のこと)及び4-ヒドロキシピペリジン(310mg、3.00ミリモル)をジオキサン2mL中で懸濁させた。トリエチルアミン(0.84mL、6.0ミリモル)を添加し、その反応混合物をスミスシンセサイザーTM(パーソナル・ケミストリィ)中で100℃で2時間加熱した。この反応混合物を水に注ぎ、得られる固体を濾過により集め、空気乾燥させて3-アミノ-6-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-4-プロピル-チエノ〔2,3-b〕ピリジン-2-カルボニトリル(845mg、89%)を得た。
上記ニトリル(316mg、1.0ミリモル)及びホルムアミド(3mL)をスミスシンセサイザーTM(パーソナル・ケミストリィ)中で150℃で16時間加熱した。その反応混合物を水に注ぎ、得られる固体を濾過により集めた。固体をHPLC(シマズ、サーモハイパーシルPEP 100-C18、254nM、25分でアセトニトリル/水15-70%、保持時間=12.61分)で更に精製して標題化合物を白色の固体(120mg、35%)として得た。
実施例3:7-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-イルアミンの合成
【0070】
【化12】

【0071】
トリフルオロメタンスルホン酸5-シアノ-6-シアノメチルスルファニル-4-プロピル-ピリジン-2-イルエステル(1.10g、3.00ミリモル)(実施例1、方法Bを参照のこと)及び4-N-boc-アミノ-ピペリジン(613mg、3.00ミリモル)をジオキサン2mL中で懸濁させた。トリエチルアミン(0.84mL、6.0ミリモル)を添加した。その反応混合物をスミスシンセサイザーTM(パーソナル・ケミストリィ)中で100℃で2時間加熱した。その反応混合物を水に注ぎ、得られる固体を濾過により集め、空気乾燥させて3-アミノ-6-(4-N-boc-アミノ-ピペリジン-1-イル)-4-プロピル-チエノ〔2,3-b〕ピリジン-2-カルボニトリル(847mg、69%)を得た。
上記ニトリル(415mg、1.0ミリモル)をホルムアミド1mL中で懸濁させた。その反応混合物をスミスシンセサイザーTM(パーソナル・ケミストリィ)中で100℃で1時間加熱した。その反応混合物を水に注ぎ、得られる固体を濾過により集め、空気乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(35gのシリカゲルカートリッジ、50分でジクロロメタン中5-10%のMeOH、Rf=0.2)により精製してN-〔1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イル〕-ホルムアミドを黄色の固体(249mg、67%)として得た。
上記ホルムアミド(249mg、0.672ミリモル)を濃HCl 1mL及び水1mLに溶解した。その反応混合物をスミスシンセサイザーTM(パーソナル・ケミストリィ)中で60℃で1時間加熱した。溶媒を真空で除去した。残渣をMeOHから再結晶して黄色の固体を得た。その固体を2Mの炭酸ナトリウム溶液5mL中で6時間撹拌した。得られる黄色の固体を濾過により集め、水洗し、空気乾燥させて標題化合物(98mg、43%)を得た。
実施例4:1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-オンの合成
【0072】
【化13】

【0073】
トリフルオロメタンスルホン酸5-シアノ-6-シアノメチルスルファニル-4-プロピル-ピリジン-2-イルエステル(1.83g、5.00ミリモル)(実施例1、方法Bを参照のこと)及び1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ〔4.5〕デカン(0.66mL、5.00ミリモル)をジオキサン3mL中で懸濁させた。トリエチルアミン(0.84mL、6.0ミリモル)を添加した。その反応混合物をスミスシンセサイザーTM(パーソナル・ケミストリィ)中で100℃で2時間加熱した。その反応混合物を水に注ぎ、得られる固体を濾過により集め、アセトニトリルから再結晶して3-アミノ-6-(1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ〔4.5〕デカ-8-イル)-4-プロピル-チエノ〔2,3-b〕ピリジン-2-カルボニトリルを黄色の固体(1.57g、88%)として得た。
上記ニトリル(1.57g、4.38ミリモル)及びアンモニアで飽和された、ホルムアミド(3mL)をスミスシンセサイザーTM(パーソナル・ケミストリィ)中で180℃で1時間加熱した。この反応混合物を水に注ぎ、得られる固体を濾過により集め、MeOHから再結晶して7-(1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ〔4.5〕デカ-8-イル)-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-イルアミンを褐色の固体(1.13g、67%)として得た。
上記アミン(1.13g、2.93ミリモル)を6M HCl 3mLに溶解した。その溶液を80℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、その反応混合物を水で希釈し、炭酸ナトリウムで中和した。得られる沈殿を濾過により集め、EtOHから再結晶して標題化合物を黄色の固体(0.931g、93%)として得た。
実施例5:2-〔1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イルアミノ〕-1-ナフタレン-1-イル-エタノールの合成
【0074】
【化14】

【0075】
トリメチルシリルシアニド(2.0mL、15ミリモル)を0℃の乾燥エーテル40mL中の1-ナフトアルデヒド(1.0mL、7.0ミリモル)及びモンモリロナイトK10(0.50g)の混合物に滴下して添加した。室温で16時間撹拌した後、得られる固体を濾過により除去した。濾液を減圧で濃縮してシアノヒドリン2.01gを白色の固体として得た。
上記シアノヒドリン(2.01g、8.00ミリモル)を乾燥THF30mLに溶解した。この溶液を0℃のTHF中のボランの溶液(1M、10.0mL、10.0ミリモル)に添加した。その反応混合物を室温で17時間撹拌した。MeOHで反応停止した後、溶媒を真空で除去した。残渣をエーテル中で懸濁させ、HCl/ジオキサン4mLを添加した。得られる白色の固体を吸引濾過により集め、エーテルで洗浄し、真空で乾燥させてアミノアルコール1.40gを得た。
上記アミノアルコール(200mg、0.586ミリモル)及び1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-オン(実施例4)(200mg、0.894ミリモル)を乾燥DMF10mLに溶解した。MP-シアノホウ水素化物(375mg、0.884ミリモル)、続いて氷酢酸(0.3mL)を添加した。この混合物を16時間振とうした。その樹脂を濾過により除去し、MeOH及びジクロロメタンで洗浄した。濾液を蒸発させた。残渣を2Mの炭酸ナトリウム溶液で処理した。得られる固体を濾過により集め、MeOH/アセトニトリルから再結晶して標題化合物を淡く着色された固体として得た。収量:189mg、63%。
実施例6:(S)-2-〔1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イルアミノ〕-1-フェニル-エタノール









【0076】
【化15】

【0077】
1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-オン(実施例4)(341mg、1.00ミリモル)及び(S)-2-アミノ-1-フェニルエタノール(142mg、1.00ミリモル)を乾燥DMF10mLに溶解した。MP-シアノホウ水素化物(0.534mg、1.20ミリモル)、続いて氷酢酸10滴を添加した。この混合物を16時間振とうした。その樹脂を濾過により除去し、MeOH及びジクロロメタンで洗浄した。濾液を蒸発させた。残渣を2Mの炭酸ナトリウム溶液で処理した。得られる固体を濾過により集め、MeOH/アセトニトリルから再結晶して標題化合物を淡く着色された固体(0.260g、56%)として得た。
実施例7:4-{2-〔1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イルアミノ〕-1-ヒドロキシ-エチル}-ベンズアミドの合成
【0078】
【化16】

【0079】
0℃の乾燥ジエチルエーテル20mL中のメチル4-ホルミルベンゾエート(15.00g、90.46ミリモル)の溶液に、トリメチルシリルシアニド(25.0mL、184ミリモル)を1時間にわたって添加した。得られる固体を濾過により除去した。濾液を真空で濃縮してトリメチルシリル保護シアノヒドリン(24.05g、100%)を白色の固体として得た。
上記シアノヒドリン(23.96g、90.97ミリモル)を乾燥THF4mLに溶解した。0℃のこの溶液に、ボラン-THF錯体(100.0mL、1M、100.0ミリモル)を添加した。その反応混合物を室温で16時間撹拌し、0℃に冷却し、次いでMeOHで反応停止した。溶媒を真空で除去し、残渣を最小量のEtOAcに溶解した。MeOH中のHCl(6M)を添加し、15分間撹拌した。この混合物をジエチルエーテル200mLで希釈した。得られる白色の固体を濾過により集め、ジエチルエーテルで洗浄し、真空で乾燥させて所望のアミノアルコール18.87g(90%)をHCl塩として得た。
上記アミノアルコールHCl塩(1.00g、4.32ミリモル)を水酸化アンモニウム中で懸濁させ、ステンレス鋼加圧容器中で90℃で3時間加熱した。溶媒を真空で除去した。得られる遊離塩基を更に精製しないで使用した。
1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-オン(実施例4)(570mg、1.67ミリモル)及び上記アミド(300mg、1.67ミリモル)を乾燥DMF10mLに溶解した。MP-シアノホウ水素化物(0.534mg、1.20ミリモル)、続いて氷酢酸0.5mLを添加した。この混合物を16時間振とうした。その樹脂を濾過により除去し、MeOH及びジクロロメタンで洗浄した。濾液を蒸発させた。残渣を2Mの炭酸ナトリウム溶液で処理した。得られる固体を濾過により集め、フラッシュクロマトグラフィー(110gのSiO2、10-20%のEtOH/CH2Cl2 1%のNH4OH、50mL/分、100分、254nmにおけるUV検出)で精製して標題化合物を黄色の固体(0.360g、49%)として得た。
実施例8:1-(2,4-ジアミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-オールの合成
【0080】
【化17】

【0081】
3-アミノ-6-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-4-プロピル-チエノ〔2,3-b〕ピリジン-2-カルボニトリル(316mg、1.00モル)(実施例2を参照のこと)及びグアニジン炭酸塩(360mg、2ミリモル)を試験管中で混合した。ガス発生が停止するまで、その混合物を15分間にわたって加熱、融解した。室温に冷却した後、その混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ35g、ジクロロメタン中10%のMeOH、15分間にわたって30mL/分、Rf=0.25)により精製して標題化合物を黄色の固体(120mg、33%)として得た。
実施例9:1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕〔1,2,3〕トリアジン-7-イル)-ピペリジン-4-オールの合成










【0082】
【化18】

【0083】
3-アミノ-6-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-4-プロピル-チエノ〔2,3-b〕ピリジン-2-カルボニトリル(316mg、1.00ミリモル)(実施例2を参照のこと)をEtOH中のHCl(1.25M)3mLに溶解した。0℃のこの溶液に、亜硝酸イソアミル(0.42mL、3.0ミリモル)を添加した。その反応混合物を2時間で室温に温めた。得られる沈殿を濾過により集め、MeOHで洗浄して1-(4-クロロ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕〔1,2,3〕トリアジン-7-イル)-ピペリジン-4-オールを黄色の固体(120mg、35%)として得た。
-78℃のパール鋼容器中で、上記固体(170mg、0.467ミリモル)をジオキサン3mL及び液体アンモニア5mL中で懸濁させた。次いでその混合物をパール加圧容器中で100℃で20時間加熱した。-78℃に冷却した後、容器を開け、室温まで徐々に温めた。溶媒を真空で除去した。固体を濾過により集め、水洗し、次いで空気乾燥させた。粗生成物をEtOHから再結晶して標題化合物(89mg、55%)を得た。
実施例10:7-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-9-トリフルオロメチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-イルアミンの合成
【0084】
【化19】

【0085】
3-シアノ-2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチルピリジン(482mg、2.00ミリモル)を無水EtOH10mLに溶解した。0℃のこの溶液に、4-N-boc-アミノピペリジン(401mg、2.00ミリモル)、続いてトリエチルアミン(0.30mL、2.2ミリモル)を添加した。この混合物を0℃で1時間撹拌した。メルカプトアセトニトリルの原液(1.2mL、2.4ミリモル)、続いてトリエチルアミン(0.30mL、2.2ミリモル)を添加した。この反応混合物を80℃で4時間加熱した。水を添加し、得られる固体を濾過により集めて黄色の結晶性生成物(0.59g、67%)を得た。
上記の黄色の固体(500mg、1.13ミリモル)をアンモニアで飽和されたホルムアミド3mL中で懸濁させた。この混合物を180℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、その反応混合物を水で希釈し、得られる固体を濾過により集め、MeOHから再結晶してN-〔1-(4-アミノ-9-トリフルオロメチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イル〕-ホルムアミドを黄色の結晶性生成物(288mg、64%)として得た。
上記の黄色のホルムアミド(268mg、0.676ミリモル)を6%のHCl 3mLに溶解した。この溶液を80℃で40分間加熱した。その反応混合物を水で希釈し、炭酸ナトリウムでpH10に中和した。得られる固体を濾過により集め、MeOHから再結晶して標題化合物を白色の結晶性生成物(171mg、69%)として得た。
実施例11:(S)-2-〔1-(8-アミノ-4-プロピル-9-チア-1,7-ジアザ-フルオレン-2-イル)-ピペリジン-4-イルアミノ〕-1-フェニル-エタノールの合成
【0086】
【化20】

【0087】
油浴で100℃に加熱されたジヨードメタン7mL中の3-アミノ-6-(1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ〔4.5〕デカ-8-イル)-4-プロピル-チエノ〔2,3-d〕ピリジン-2-カルボニトリル(2.00g、5.58ミリモル)の撹拌溶液に、亜硝酸イソアミルを20分間にわたって滴下して添加した。その混合物を更に1時間加熱した。その混合物を冷却し、シリカゲルで直接分別し、EtOAc/ヘキサン(1/99から1/2への勾配)で溶離してヨード化合物を結晶性固体(0.880g、34%)として得た。
窒素雰囲気下で撹拌されたDMF2mL及びトリエチルアミン(1mL)中の上記ヨード化合物(0.72g、1.53ミリモル)、ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)クロリド(0.019g)、ヨウ化銅(I)(0.01g)、及びトリメチルシリルアセチレン(0.4mL)の混合物を、90℃で2時間加熱した。その混合物を室温に冷却し、EtOAc/ヘキサンで希釈し、水洗し、乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル(EtOAc/ヘキサン5/95から3/1への勾配)で分別してアセチレン生成物を油(0.620g、92%)として得た。
THF(2mL)中の上記シリル化アセチレン(0.610mg、1.39ミリモル)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1M、2.5mL、2.5ミリモル)を添加した。30分後に、その混合物をEtOAcで希釈し、水洗し、乾燥させ、濾過し、蒸発させ、短いシリカゲルプラグに通し、EtOAc/ヘキサン/塩化メチレン(1/1/2)で溶離してアセチレン生成物を固体(0.290g、57%)として得た。
【0088】
ジオキサン4mL中の上記アセチレン化合物(0.210g、0.571ミリモル)の溶液に、水酸化アンモニウム水溶液(28%-30%、4mL)を添加した。その混合物をシールしたねじキャップ付きの肉厚試験管中で四つの等しい部分に分けた。混合物を100℃で24時間加熱した。その混合物を室温に冷却し、合わせ、EtOAcで希釈した。得られる溶液を水洗し、乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をジエチルエーテルですり砕いてケタールを固体生成物として得、これを濾過により集めた(0.148g、67%)。
上記ケタール(71mg、18ミリモル)をシールした試験管中で100℃で2時間にわたって酢酸(1mL)及び濃HCl(0.5mL)の混合物中で加熱した。この混合物を冷却し、次いでEtOAc及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液の混合物に添加した。有機相を分離し、乾燥させ、濾過し、蒸発させて固体生成物を得た。固体生成物をシリカゲルの短いカラムで分別し、EtOAc中のEtOH(0-3%)で溶離し、ジエチルエーテルによるすり砕き後にケトンを固体生成物として得た(43mg、69%)。
シアノホウ水素化ナトリウム(0.009g)を含むEtOH0.5mL中の上記ケトン(18mg、13ミリモル)及び(S)-2-アミノ-1-フェニル-エタノールの混合物を室温で3時間撹拌した。この混合物をクロロホルムで希釈し、水洗し、乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を失活した塩基性アルミナで分別し、クロロホルム中のEtOH(0-5%)で溶離して、ジエチルエーテルによるすり砕き後に標題化合物を固体として得た(4mg、48%)。
【0089】
生物学的性質の評価
本発明の化合物によるIKKα及びIKKβの抑制を夫々のキナーゼによるIκBα基質のリン酸化を測定する下記のアッセイで測定した。そのアッセイに使用した酵素はヒトIKKβ又はIKKαのN末端フラッグ標識バージョンであり、基質はIκBαとのGST融合タンパク質(アミノ酸1-54)であった。
反応混合物(60μl)は20mM HEPES pH 7.5、10mM MgCl2、2mM MnCl2、100mM NaCl、100μM Na3VO4、20mM β-グリセロホスフェート、1mM DTT、2%DMSO、250nM ATP、0.4nM 〔33P〕ATP(比活性、3000Ci/ミリモル)、IκBα基質、IKK酵素及び試験化合物を含んでいた。その反応混合物は3.6μg/mlのIKKα及び245μg/mlのIκBα又は0.9μg/mlのIKKβ及び53μg/mlのIκBαを含んでいた。
IκBα基質及びATPの溶液をIKK酵素(これは5分間にわたって試験化合物でプレインキュベートされた)を含むポリプロピレンプレートに添加することにより、反応を開始した。次いでその反応混合物を25℃で1時間インキュベートし、氷の上に置き、150μlの10%のトリクロロ酢酸及び5%のピロリン酸二ナトリウムの添加により反応停止した。混合後、反応停止された反応混合物の全内容物を予備湿潤したパッカード・ユニフィルター濾過プレートに移し、吸引し、パッカード・フィルターメート・ハーベスターを使用して250μlのddH2Oで6回洗浄した。次いで濾過プレートを空気乾燥させ、40μlのミクロシント20シンチレーション液体を補給し、パッカード・トップカウントシンチレーションカウンターを使用して33P標識反応生成物を定量した。
化合物を3倍連続希釈液中で試験し、SASソフトウェア(SASインスティチュート、キャリイNC)を使用して、酵素活性の50%抑制を得るためのインヒビター濃度(即ち、IC50)を用量-応答曲線から誘導した。ヒル式に基づく非線形回帰分析を抑制%対濃度データに適用した。全ての場合に、化合物濃度をHPLCにより確かめた。
発明を実施するための最良の形態中の表I中の化合物をIKKβ抑制についてアッセイで全て評価し、10μM以下のIC50を有していた。また、それらをIKKα抑制について評価し、25μM以下のIC50を有していた。表2中の化合物はIKKβ抑制について1μM以下のIC50を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体。
〔式中、
R1
(a) 必要により1個〜2個のRaで置換されていてもよい、フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれたヘテロアリール、
(b) 必要によりC1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリール(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)から選ばれた1個〜2個の基で置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれた複素環、
(c) Rb(CH2)mO-、
(d) C3-6-シクロアルキル、
(e) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(f) RbOCH2-、
(g) Rb(CH2)mNH-、
(h) Rb(CH2)p(CH=CH)m-、
(i) C1-6アルキル、
(j) C1-8アルコキシ、
(k) C1-8アルキルチオ、
(l) C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、
(m) -CF3
(n) -CHO、
(o) -OCH2CO2H、
(p) -OSO2CF3
(q) -N(Rc)(Rd)、又は
(r) -C(O)NRcRdであり、
R2
(a) C1-6アルキル-OC(O)C1-6アルコキシ、
(b) ヒドロキシC1-6アルキル-、
(c) 必要により-C(O)C1-6アルキルで置換されていてもよい、ヒドロキシC1-6アルコキシ-、
(d) (Rc)(Rd)NC1-6アルコキシ-、
(e) (Rc)(Rd)NC1-6アルキル-、
(f) ヒドロキシC1-6アルキルアミノ-、
(g) (Rc)(Rd)NC1-6アルキルアミノ-、
(h) C1-6アルコキシC1-6アルキルアミノ-、
(i) 複素環(CH2)m-(前記複素環は1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよい)、
(j) 複素環(CH2)mO-(その複素環は必要によりC1-6アルキルで置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル及び1-ピロリジニルから選ばれる)、
(k) Rb(CH2)mO-、
(l) ヘテロアリール(CH2)mO-(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(m) ヘテロアリールC1-6アルキルアミノ(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(n) -SC1-6アルキル、又は
(o) -SC1-6アルキルC(O)N(Rc)(Rd)であり、
R3は-N(Rc)(Rd)であり、
R4は水素又は-NH2であり、
RaはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-NO2、-OH、-CF3、-N(Rc)(Rd)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)及びフェニル(必要によりハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)から選ばれ、
Rbは必要によりハロゲン、ピリジル、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)、NO2及びC1-6アルコキシから選ばれた1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニル基であり、又はRbはC3-6シクロアルキル、ナフチル、ピリジル、キノリニル及びイソキノリニルであり、
Rc及びRdは独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、また
Rc及びRdが両方ともC1-6アルキルである場合、それらはそれらが結合されている窒素と一緒に、4-7員環を必要により形成してもよく、
Reは-OH、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-NHCH2CO2H、-NHCH2CON(Rc)(Rd)、-NHCOOベンジル、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rg)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環はピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfはC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、ベンジル又はRbから選ばれ、
RgはC1-6-アルキル基;フェニル、ナフチル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ〔1,4〕ジオキシニル、1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ〔1,4〕オキサジニル及び2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾリルから選ばれたアリール基又はヘテロアリール基であり、
Rgはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、ベンジル、C1-6アルコキシ、フェノキシ、フェニルアミノ、ヒドロキシC1-6アルキル、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-N(Rc)(Rd)、C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-C(O)N(Rc)(Rd)、-NO2、-S(O)nC1-6アルキル及び-S(O)nN(Rc)(Rd)から選ばれた1〜3個のRh基で必要により置換されていてもよく、又はRhはフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル、及びキノリニルから選ばれたアリール基もしくはヘテロアリール基であり、又はRhはモルホリニルであり、
Rhはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-N(Rc)(Rd)及びC(O)N(Rc)(Rd)から選ばれた1〜3個のRi基で必要により置換されていてもよく、
mは0又は1であり、
nは0、1又は2であり、かつ
pは0、1、2又は3である〕
【請求項2】
R1
(a) 必要により1個〜2個のRaで置換されていてもよい、フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれたヘテロアリール、
(b) 必要によりC1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリール(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)から選ばれた1個〜2個の基で置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれた複素環、
(c) Rb(CH2)mO-、
(d) C3-6-シクロアルキル、
(e) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(f) RbOCH2-、
(g) Rb(CH2)mNH-、
(h) Rb(CH2)p(CH=CH)m-、
(i) C1-6アルキル、
(j) C1-8アルコキシ、
(k) C1-8アルキルチオ、
(l) C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、
(m) -CF3
(n) -CHO、
(o) -OCH2CO2H、
(p) -OSO2CF3
(q) -N(Rc)(Rd)、又は
(r) -C(O)NRcRdであり、
R2
(a) C1-6アルキル-OC(O)C1-6アルコキシ、
(b) ヒドロキシC1-6アルキル-、
(c) 必要により-C(O)C1-6アルキルで置換されていてもよい、ヒドロキシC1-6アルコキシ-、
(d) (Rc)(Rd)NC1-6アルコキシ-、
(e) (Rc)(Rd)NC1-6アルキル-、
(f) ヒドロキシC1-6アルキルアミノ-、
(g) (Rc)(Rd)NC1-6アルキルアミノ-、
(h) C1-6アルコキシC1-6アルキルアミノ-、
(i) 複素環(CH2)m-(前記複素環は1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよい)、
(j) 複素環CH2O-(その複素環は必要によりC1-6アルキルで置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル及び1-ピロリジニルから選ばれる)、
(k) Rb(CH2)mO-、
(l) ヘテロアリール(CH2)mO-(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(m) ヘテロアリールC1-6アルキルアミノ(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(n) -SC1-6アルキル、又は
(o) -SC1-6アルキルC(O)N(Rc)(Rd)であり、
R3が-N(Rc)(Rd)であり、
R4が水素又は-NH2であり、
RaがC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-NO2、-OH、-CF3、-N(Rc)(Rd)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)及びフェニル(必要によりハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)から選ばれ、
Rbが必要によりハロゲン、ピリジル、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)、NO2及びC1-6アルコキシから選ばれた1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニル基であり、又はRbがC3-6シクロアルキル、ナフチル、ピリジル、キノリニル及びイソキノリニルであり、
Rc及びRdが独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、
Reが-OH、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、-N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rf)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環はピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfがC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、フェニル又はベンジルから選ばれ、
mが0又は1であり、
nが0、1又は2であり、かつ
pが0、1、2又は3である、請求項1記載の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体。
【請求項3】
R1
(a) C1-6アルキル、
(b) C3-6-シクロアルキル、
(c) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(d) C1-4アルコキシ、
(e) C1-4アルキルチオ、
(f) -CF3、又は
(g) -C(O)NRcRdであり、
R2
複素環であり、前記複素環が1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよく、
R3が-NH2であり、
R4が水素であり、かつ
Rc及びRdが独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、
Reが-OH、NHCHO、-O(CH2)フェニル、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-NHCOOベンジル、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rb)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環がピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfがC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、フェニル又はベンジルから選ばれ、
mが0又は1であり、
nが0、1又は2であり、かつ
pが0、1、2又は3である、請求項1記載の式Iの化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体。
【請求項4】
式(II)
【化2】

の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体。
〔式中、
R1
(a) 必要により1個〜2個のRaで置換されていてもよい、フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれたヘテロアリール、
(b) 必要によりC1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリール(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)から選ばれた1個〜2個の基で置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれた複素環、
(c) Rb(CH2)mO-、
(d) C3-6-シクロアルキル、
(e) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(f) RbOCH2-、
(g) Rb(CH2)mNH-、
(h) Rb(CH2)p(CH=CH)m-、
(i) C1-6アルキル、
(j) C1-8アルコキシ、
(k) C1-8アルキルチオ、
(l) C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、
(m) -CF3
(n) -CHO、
(o) -OCH2CO2H、
(p) -OSO2CF3
(q) -N(Rc)(Rd)、又は
(r) -C(O)NRcRdであり、
R2
(a) C1-6アルキル-OC(O)C1-6アルコキシ、
(b) ヒドロキシC1-6アルキル-、
(c) 必要により-C(O)C1-6アルキルで置換されていてもよい、ヒドロキシC1-6アルコキシ-、
(d) (Rc)(Rd)NC1-6アルコキシ-、
(e) (Rc)(Rd)NC1-6アルキル-、
(f) ヒドロキシC1-6アルキルアミノ-、
(g) (Rc)(Rd)NC1-6アルキルアミノ-、
(h) C1-6アルコキシC1-6アルキルアミノ-、
(i) 複素環(CH2)m-(前記複素環は1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよい)、
(j) 複素環(CH2)mO-(その複素環は必要によりC1-6アルキルで置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル及び1-ピロリジニルから選ばれる)、
(k) Rb(CH2)mO-、
(l) ヘテロアリール(CH2)mO-(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(m) ヘテロアリールC1-6アルキルアミノ(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(n) -SC1-6アルキル、又は
(o) -SC1-6アルキルC(O)N(Rc)(Rd)であり、
R3は-N(Rc)(Rd)であり、
RaはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-NO2、-OH、-CF3、-N(Rc)(Rd)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)及びフェニル(必要によりハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)から選ばれ、
Rbは必要によりハロゲン、1-ナフチル、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)、NO2及びC1-6アルコキシから選ばれた1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニル基であり、又はRbはC3-6シクロアルキルであり、
Rc及びRdは独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、また
Rc及びRdが両方ともC1-6アルキルである場合、それらはそれらが結合されている窒素と一緒に、4-7員環を必要により形成してもよく、
Reは-OH、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-NHCH2CO2H、-NHCH2CON(Rc)(Rd)、-NHCOOベンジル、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rg)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環はピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfはC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、ベンジル又はRbから選ばれ、
RgはC1-6アルキル基;フェニル、ナフチル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ〔1,4〕ジオキシニル、1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ〔1,4〕オキサジニル及び2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾリルから選ばれたアリール基又はヘテロアリール基であり、
Rgはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、ベンジル、C1-6アルコキシ、フェノキシ、フェニルアミノ、ヒドロキシC1-6アルキル、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-N(Rc)(Rd)、C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-C(O)N(Rc)(Rd)、-NO2、-S(O)nC1-6アルキル及び-S(O)nN(Rc)(Rd)から選ばれた1〜3個のRh基で必要により置換されていてもよく、又はRhはフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル、及びキノリニルから選ばれたアリール基もしくはヘテロアリール基であり、又はRhはモルホリニルであり、
Rhはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-N(Rc)(Rd)及びC(O)N(Rc)(Rd)から選ばれた1〜3個のRi基で必要により置換されていてもよく、
mは0又は1であり、
nは0、1又は2であり、かつ
pは0、1、2又は3である〕
【請求項5】
R1
(a) 必要により1個〜2個のRaで置換されていてもよい、フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれたヘテロアリール、
(b) 必要によりC1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリール(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)から選ばれた1個〜2個の基で置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれた複素環、
(c) Rb(CH2)mO-、
(d) C3-6-シクロアルキル、
(e) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(f) RbOCH2-、
(g) Rb(CH2)mNH-、
(h) Rb(CH2)p(CH=CH)m-、
(i) C1-6アルキル、
(j) C1-8アルコキシ、
(k) C1-8アルキルチオ、
(l) C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、
(m) -CF3
(n) -CHO、
(o) -OCH2CO2H、
(p) -OSO2CF3
(q) -N(Rc)(Rd)、又は
(r) -C(O)NRcRdであり、
R2
(a) C1-6アルキル-OC(O)C1-6アルコキシ、
(b) ヒドロキシC1-6アルキル-、
(c) 必要により-C(O)C1-6アルキルで置換されていてもよい、ヒドロキシC1-6アルコキシ-、
(d) (Rc)(Rd)NC1-6アルコキシ-、
(e) (Rc)(Rd)NC1-6アルキル-、
(f) ヒドロキシC1-6アルキルアミノ-、
(g) (Rc)(Rd)NC1-6アルキルアミノ-、
(h) C1-6アルコキシC1-6-アルキルアミノ-、
(i) 複素環(CH2)m-(前記複素環が1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよい)、
(j) 複素環CH2O-(その複素環が必要によりC1-6アルキルで置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル及び1-ピロリジニルから選ばれる)、
(k) Rb(CH2)mO-、
(l) ヘテロアリール(CH2)mO-(そのヘテロアリールがフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(m) ヘテロアリールC1-6アルキルアミノ(そのヘテロアリールがフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(n) -SC1-6アルキル、又は
(o) -SC1-6アルキルC(O)N(Rc)(Rd)であり、
R3が-N(Rc)(Rd)であり、
RaがC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-NO2、-OH、-CF3、-N(Rc)(Rd)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)及びフェニル(必要によりハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)から選ばれ、
Rbが必要によりハロゲン、1-ナフチル、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)、NO2及びC1-6アルコキシから選ばれた1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニル基であり、又はRbがC3-6シクロアルキルであり、
Rc及びRdが独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、
Reが-OH、-NH2、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、-N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-CH2OH、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rb)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環がピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfがC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、フェニル又はベンジルから選ばれ、
mが0又は1であり、
nが0、1又は2であり、かつ
pが0、1、2又は3である、請求項4記載の式(II)の化合物及びその医薬上許される誘導体。
【請求項6】
R1
(a) C1-6アルキル、
(b) C1-4アルコキシ、
(c) C3-6-シクロアルキル、
(d) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(e) C1-4アルキルチオ、
(f) -CF3、又は
(g) -C(O)NRcRdであり、
R2
複素環であり、前記複素環が1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよく、
R3が-NH2であり、かつ
Rc及びRdが独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、
Reが-OH、-NH2、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、-N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-CH2OH、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rb)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環がピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfがC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、フェニル又はベンジルから選ばれ、
mが0又は1であり、
nが0、1又は2であり、かつ
pが0、1、2又は3である、請求項4記載の式(II)の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体。
【請求項7】
式(III)
【化3】

の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体。
〔式中、
R1
(a) 必要により1個〜2個のRaで置換されていてもよい、フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれたヘテロアリール、
(b) 必要によりC1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリール(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)から選ばれた1個〜2個の基で置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれた複素環、
(c) Rb(CH2)mO-、
(d) C3-6-シクロアルキル、
(e) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(f) RbOCH2-、
(g) Rb(CH2)mNH-、
(h) Rb(CH2)p(CH=CH)m-、
(i) C1-6アルキル、
(j) C1-8アルコキシ、
(k) C1-8アルキルチオ、
(l) C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、
(m) -CF3
(n) -CHO、
(o) -OCH2CO2H、
(p) -OSO2CF3
(q) -N(Rc)(Rd)、又は
(r) -C(O)NRcRdであり、
R2
(a) C1-6アルキル-OC(O)C1-6アルコキシ、
(b) ヒドロキシC1-6アルキル-、
(c) 必要により-C(O)C1-6アルキルで置換されていてもよい、ヒドロキシC1-6アルコキシ-、
(d) (Rc)(Rd)NC1-6アルコキシ-、
(e) (Rc)(Rd)NC1-6アルキル-、
(f) ヒドロキシC1-6アルキルアミノ-、
(g) (Rc)(Rd)NC1-6アルキルアミノ-、
(h) C1-6アルコキシC1-6アルキルアミノ-、
(i) 複素環(CH2)m-(前記複素環は1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよい)、
(j) 複素環CH2O-(その複素環は必要によりC1-6アルキルで置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル及び1-ピロリジニルから選ばれる)、
(k) Rb(CH2)mO-、
(l) ヘテロアリール(CH2)mO-(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(m) ヘテロアリールC1-6アルキルアミノ(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(n) -SC1-6アルキル、又は
(o) -SC1-6アルキルC(O)N(Rc)(Rd)であり、
R3は-N(Rc)(Rd)であり、
RaはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-NO2、-OH、-CF3、-N(Rc)(Rd)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)及びフェニル(必要によりハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)から選ばれ、
Rbは必要によりハロゲン、1-ナフチル、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)、NO2及びC1-6アルコキシから選ばれた1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニル基であり、又はRbはC3-6シクロアルキルであり、
Rc及びRdは独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、また
Rc及びRdが両方ともC1-6アルキルである場合、それらはそれらが結合されている窒素と一緒に、4-7員環を必要により形成してもよく、
Reは-OH、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-NHCH2CO2H、-NHCH2CON(Rc)(Rd)、-NHCOOベンジル、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rg)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環はピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfはC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、ベンジル又はRbから選ばれ、
RgはC1-6-アルキル基;フェニル、ナフチル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ〔1,4〕ジオキシニル、1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ〔1,4〕オキサジニル及び2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾリルから選ばれたアリール基又はヘテロアリール基であり、
Rgはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、ベンジル、C1-6アルコキシ、フェノキシ、フェニルアミノ、ヒドロキシC1-6アルキル、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-N(Rc)(Rd)、C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-C(O)N(Rc)(Rd)、-NO2、-S(O)nC1-6アルキル及び-S(O)nN(Rc)(Rd)から選ばれた1〜3個のRh基で必要により置換されていてもよく、又はRhはフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル、及びキノリニルから選ばれたアリール基もしくはヘテロアリール基であり、又はRhはモルホリニルであり、
Rhはハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-N(Rc)(Rd)及びC(O)N(Rc)(Rd)から選ばれた1〜3個のRi基で必要により置換されていてもよく、
mは0又は1であり、
nは0、1又は2であり、かつ
pは0、1、2又は3である〕
【請求項8】
R1
(a) 必要により1個〜2個のRaで置換されていてもよい、フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれたヘテロアリール、
(b) 必要によりC1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリール(そのヘテロアリールはフラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)から選ばれた1個〜2個の基で置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれた複素環、
(c) Rb(CH2)mO-、
(d) C3-6-シクロアルキル、
(e) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(f) RbOCH2-、
(g) Rb(CH2)mNH-、
(h) Rb(CH2)p(CH=CH)m-、
(i) C1-6アルキル、
(j) C1-8アルコキシ、
(k) C1-8アルキルチオ、
(l) C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、
(m) -CF3
(n) -CHO、
(o) -OCH2CO2H、
(p) -OSO2CF3
(q) -N(Rc)(Rd)、又は
(r) -C(O)NRcRdであり、
R2
(a) C1-6アルキル-OC(O)C1-6アルコキシ、
(b) ヒドロキシC1-6アルキル-、
(c) 必要により-C(O)C1-6アルキルで置換されていてもよい、ヒドロキシC1-6アルコキシ-、
(d) (Rc)(Rd)NC1-6アルコキシ-、
(e) (Rc)(Rd)NC1-6アルキル-、
(f) ヒドロキシC1-6アルキルアミノ-、
(g) (Rc)(Rd)NC1-6アルキルアミノ-、
(h) C1-6アルコキシC1-6-アルキルアミノ-、
(i) 複素環(CH2)m-(前記複素環が1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよい)、
(j) 複素環CH2O-(その複素環が必要によりC1-6アルキルで置換されていてもよい、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル及び1-ピロリジニルから選ばれる)、
(k) Rb(CH2)mO-、
(l) ヘテロアリール(CH2)mO-(そのヘテロアリールがフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(m) ヘテロアリールC1-6アルキルアミノ(そのヘテロアリールがフラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びピロリルから選ばれる)、
(n) -SC1-6アルキル、又は
(o) -SC1-6アルキルC(O)N(Rc)(Rd)であり、
R3が-N(Rc)(Rd)であり、
RaがC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-NO2、-OH、-CF3、-N(Rc)(Rd)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)及びフェニル(必要によりハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)から選ばれ、
Rbが必要によりハロゲン、1-ナフチル、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)N(Rc)(Rd)、NO2及びC1-6アルコキシから選ばれた1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニル基であり、又はRbがC3-6シクロアルキルであり、
Rc及びRdが独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、
Reが-OH、-NH2、NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、-N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-CH2OH、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rb)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環がピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfがC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、フェニル又はベンジルから選ばれ、
mが0又は1であり、
nが0、1又は2であり、かつ
pが0、1、2又は3である、請求項7記載の式(III)の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体。
【請求項9】
R1
(a) C1-6アルキル、
(b) C1-4アルコキシ、
(c) C3-6-シクロアルキル、
(d) C3-6-シクロアルキルC1-3アルキル、
(e) C1-4アルキルチオ、
(f) -CF3、又は
(g) -C(O)NRcRdであり、
R2
複素環であり、前記複素環が1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、4-モルホリニル、1-アゼパニル、1-ピロリジニル、ジアゼパン-1-イル、1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル、及び2,5-ジアザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン-2-イルから選ばれ、必要により1個又は2個のReで置換されていてもよく、
R3が-NH2であり、かつ
Rc及びRdが独立にH、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ、
Reが-OH、-NH2、-NHCHO、-O(CH2)フェニル、アミノ、-CN、オキソ、-CO2C1-6アルキル、-CO2H、-C(O)N(Rc)(Rd)、-N(Rc)(Rd)、-CH2N(Rc)(Rd)、-CH2OH、C1-6アルキル、-CO2ベンジル、ヒドロキシC1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキルN(Rc)(Rd)、-NHCO2C1-6アルキル、HOCH(Rb)CH2NH-、-NHC(O)N(Rc)(Rd)、-S(O)nC1-6アルキル、(CH3)3COC(O)-、フェニル、ピリジル、H2NCH(Rf)C(O)-及び-C(O)複素環から選ばれ、前記複素環がピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルから選ばれ、
RfがC1-6アルキル、-(CH2)1-4NH2、フェニル又はベンジルから選ばれ、
mが0又は1であり、
nが0、1又は2であり、かつ
pが0、1、2又は3である、請求項8記載の式(III)の化合物又はその医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体。
【請求項10】
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

及びこれらの医薬上許される誘導体から選ばれた化合物。
【請求項11】
N-〔1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イル〕-メタンスルホンアミド、
7-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-イルアミン、
1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-オン、
2-〔1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イルアミノ〕-1-ナフタレン-1-イル-エタノール、
(S)-2-〔1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イルアミノ〕-1-フェニル-エタノール、
4-{2-〔1-(4-アミノ-9-プロピル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イルアミノ〕-1-ヒドロキシ-エチル}-ベンズアミド、
7-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-9-トリフルオロメチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-4-イルアミン、
N-〔1-(4-アミノ-9-トリフルオロメチル-ピリド〔3',2':4,5〕チエノ〔3,2-d〕ピリミジン-7-イル)-ピペリジン-4-イル〕-ホルムアミド
から選ばれた請求項10記載の化合物又はこれらの医薬上許される塩、エステル、異性体もしくは互変異性体。
【請求項12】
医薬有効量の請求項1から11に記載の化合物及び一種以上の医薬上許される担体及び/又はアジュバントを含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項13】
免疫疾患を治療するための請求項1から11に記載の化合物の使用。
【請求項14】
炎症性疾患のための請求項1から11に記載の化合物の使用。
【請求項15】
アレルギー性疾患のための請求項1から11に記載の化合物の使用。
【請求項16】
慢性炎症、接触皮膚炎、乾癬、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、1型糖尿病、炎症性腸疾患、ギラン・バレー症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、移植片対宿主疾患、エリテマトーデス、喘息、慢性閉塞性肺病(COPD)、成人呼吸困難症候群(ARDS)、気管支炎、結膜炎、皮膚炎及びアレルギー性鼻炎から選ばれた疾患のための請求項1から11に記載の化合物の使用。
【請求項17】
癌を治療するための請求項1から11に記載の化合物の使用。
【請求項18】
ワクチンのための請求項1から11に記載の化合物の使用。
【請求項19】
医薬有効量の請求項10記載の化合物及び一種以上の医薬上許される担体及び/又はアジュバントを含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項20】
免疫疾患を治療するための請求項10記載の化合物の使用。
【請求項21】
炎症性疾患のための請求項10記載の化合物の使用。
【請求項22】
アレルギー性疾患のための請求項10記載の化合物の使用。
【請求項23】
慢性炎症、接触皮膚炎、乾癬、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、1型糖尿病、炎症性腸疾患、ギラン・バレー症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、移植片対宿主疾患、エリテマトーデス、喘息、慢性閉塞性肺病(COPD)、成人呼吸困難症候群(ARDS)、気管支炎、結膜炎、皮膚炎及びアレルギー性鼻炎から選ばれた疾患のための請求項10記載の化合物の使用。
【請求項24】
癌を治療するための請求項10記載の化合物の使用。
【請求項25】
ワクチンのための請求項10記載の化合物の使用。
【請求項26】
下記の式(I)
【化8】

(式中、R1、R2、R3、及びR4は請求項1に定義されたとおりである)の化合物の製造方法であって、前記方法が
R1を有するアルキノエートエステル、例えば、先に示されたメチルエステルIVを好適な塩基、例えば、モルホリンの存在下で2-シアノチオアセトアミドと反応させてメルカプトピリジンVを得、
中間体Vを好適な塩基、例えば、炭酸カリウムの存在下で2-ブロモアセトアミドと反応させてメルカプトアセトアミドVIaを生成し、
中間体VIaを好適な塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下でトリフルオロメチルスルホニル化試薬、例えば、N-フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドと反応させてトリフルオロメタンスルホン酸エステルVIIaを生成し、
中間体VIIaを好適な塩基の存在下で求核性R2Hと反応させて中間体VIIIaを得、
中間体VIIIaを好適な溶媒、例えば、EtOH中で触媒量の酸、例えば、氷酢酸の存在下でトリエチルオルトホルメートとともに加熱してピリドチエノピリミジノンIXaを得、
中間体IXaを好適な塩素化試薬、例えば、オキシ塩化リンと反応させてクロロ中間体Xaを得、
中間体Xaを、好ましくはシールした容器中で加熱しながら所望のアミン-NH(Rc)(Rd)と反応させて式I(R3=-NH(Rc)(Rd)、R4=H)の化合物を得ることを特徴とする式(I)の化合物の製造方法。

【公表番号】特表2007−508323(P2007−508323A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534455(P2006−534455)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/033535
【国際公開番号】WO2005/035537
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(500091335)ベーリンガー インゲルハイム ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (55)
【Fターム(参考)】