説明

肉代替食品素材の製造方法

【課題】こんにゃくを主要な材料として使用して、肉の食感と食味を得ることができると共に、健康にもよい肉代替食品素材の製造方法である。
【解決手段】冷凍したこんにゃくを解凍した後、該解凍したこんにゃくを加圧等により水分を抜き、含水率20%〜30%程度とした主材料のこんにゃく50重量%〜80重量%に対して、卵白、または全卵5重量%〜30重量%を添加混入して、ミキサーで撹拌してペースト状の混合物とする一方、該ペースト状の混合物に対して、たんぱく系の非水溶性食品の粉末またはフレーク、あるいは該非水溶性食品そのままを2重量%〜30重量%と、小麦粉1重量%〜10重量%と、コンソメエキスパウダーまたはビーフエキスパウダーのいずれか0.5重量%〜3重量%とを添加混入・撹拌して製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、こんにゃくを主要な材料として使用して、肉の食感と食味を得ることができると共に、健康にもよい肉代替食品素材の製造方法に関するものである。そして、本発明方法によって得られた肉代替食品は、そのまま調理して食することも可能であり、また他の食品素材に添加混入して調理することも可能である。
【背景技術】
【0002】
こんにゃくは、体内に摂取される栄養成分はほとんどないが、食用すると体内の老廃物を排出して身体によいとされる。こんにゃくは、食物繊維の一種であるグルコマンナンが主成分であり、このグルコマンナンは人間の消化酵素では分解できない食物繊維で、これが消化されないまま腸に入り、水分を吸収して膨らみ、腸内を移動する間に便を軟らかくして、便通をよくする効果がある。また、こんにゃくは、低カロリーであるので、ダイエット食にも向いており、更にグルコマンナンには血糖値の上昇を抑え、コレステロール値を下げる作用があるので、糖尿病、高血圧症の改善にも役立つ。そして、近年では、こんにゃくは、通常の調理用としての利用のほか、所謂健康食品と称して、こんにゃくゼリー、こんにゃくスープ等として広く販売されている。
【0003】
本発明は、優れた効能を有するこんにゃくを主要な材料として、肉の食感と食味を備えた低カロリーで、健康にもよい肉代替食品素材の製造方法を提供しようとするものであるが、従来、このような肉の食感と食味を有するこんにゃくを原材料とする肉代替食品は実用に供されておらず、また過去の特許文献を遡及検索しても、前記こんにゃくを原材料とする肉代替食品についての先行技術は全く存在していない。そして、単に、乾燥こんにゃくを用いて、肉食品の組織を改良することを目的とする肉食品用組織改良組成物に関する、下記の特許文献1が公知である。
【0004】
【特許文献1】特開2004−173585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように、従来は、こんにゃくを主要な材料とする肉代替食品は実用に供されておらず、健康食品であるこんにゃくを肉代替食品とする有効利用は図られていないという課題があった。
【0006】
また、前記特許文献1に記載のものは、単に乾燥コンニャク加工品を含むゲル化物を畜肉、魚肉の挽肉を原料とする加工食品、例えば、ハンバーグ、肉団子、ソーセージ等の加工食品に添加することによって、これら畜肉、魚肉の加工食品の脂肪や肉汁等のジューシーな食感を変えることのない肉食品用組織改良組成物に関するものであるが、肉食品そのものは使用するので、肉代替食品という発想は全くなく、健康食品としての効果はあまりないという課題があった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、肉そのものは全く使用することなく、こんにゃくを主要な材料として、肉の食感と食味を備えた低カロリーで、健康にもよい肉代替食品素材の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、冷凍したこんにゃくを解凍した後、該解凍したこんにゃくを加圧等により水分を抜き、含水率20%〜30%程度とした主材料のこんにゃく50重量%〜80重量%に対して、卵白、または全卵5重量%〜30重量%を添加混入して、ミキサーで撹拌してペースト状の混合物とする一方、該ペースト状の混合物に対して、たんぱく系の非水溶性食品の粉末またはフレーク、あるいは該非水溶性食品そのままを2重量%〜30重量%と、小麦粉1重量%〜10重量%と、コンソメエキスパウダーまたはビーフエキスパウダーのいずれか0.5重量%〜3重量%とを添加混入・撹拌して製造するという手段、または、
冷凍したこんにゃくを解凍した後、該解凍したこんにゃくを加圧等により水分を抜き、含水率20%〜30%程度とした主材料のこんにゃく50重量%〜80重量%に対して、卵白、または全卵5重量%〜30重量%を添加混入して、ミキサーで撹拌してペースト状の混合物とする一方、該ペースト状の混合物に対して、たんぱく系の非水溶性食品の粉末またはフレーク、あるいは該非水溶性食品そのままを2重量%〜30重量%と、小麦粉1重量%〜10重量%とを添加混入・撹拌して製造するという手段、
のいずれかを採用することにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によって得られた肉代替食品素材は、肉そのものは全く使用することなく、こんにゃくを主要な材料として、これに卵白または全卵、小麦粉、たんぱく系の非水溶性食品の粉末またはフレークあるいは非水溶性食品そのまま、更には、コンソメエキスパウダーまたはビーフエキスパウダーおよび香辛料を加えて、肉の食感と食味を備えた肉代替食品素材を製造するようにしたものであるので、低カロリーであり、ダイエット食にも向いていると共に、所謂健康食品として有用であり、更にこんにゃくの食物繊維マトリックス間に、前記非水溶性食品中のたんぱく成分が取込まれて充填され、肉に似た適度の弾力性を持たせ、肉の食感や食味を得ることができる。
【0010】
また、請求項1の発明によって得られた肉代替食品素材は、食品メーカーで極めて簡単に製造でき、且つ該製造された肉代替食品素材を買い求めた主婦等は極めて簡単に調理できるという優れた効果を奏する。
【0011】
請求項2の発明によって得られた肉代替食品素材を、牛肉、豚肉、鶏肉等のひき肉に、適宜の量を添加混入して、ハンバーグ、肉だんご、ぎょうざ、コロッケ、メンチカツを製造しても、味はすべて肉を使用したハンバーグ、肉だんご、ぎょうざ、コロッケ、メンチカツと何ら遜色なく、然も肉の使用量が減るので、特にダイエット食品素材として有用である。
【0012】
また、請求項2の発明によって得られた肉代替食品素材は、食品メーカーで極めて簡単に製造でき、且つ該製造された肉代替食品素材を買い求めた主婦等は、該素材をひき肉に添加混入して、極めて簡単に調理できるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の形態につき詳細に説明する。本発明は、肉そのものは全く使用することなく、冷凍こんにゃくを解凍した後のこんにゃくを主要な材料として、これに卵白または全卵、小麦粉、たんぱく系の非水溶性食品の粉末またはフレークあるいは非水溶性食品をそのまま、更には必要であれば、コンソメエキスパウダーまたはビーフエキスパウダーおよび香辛料を加えて、肉の食感と食味を備えた肉代替食品素材を製造する製造方法に関するものである。
【0014】
そして、前記請求項1の発明によって得られた肉代替食品素材に、他の食品素材を加えて、例えば、ハンバーグもどき、とんかつもどき、唐揚げもどきのような肉代替食品とすることもできるし、また、請求項2の発明によって得られた肉代替食品素材をひき肉に加えて、前記のようなもどき食品ではなく、実際の肉の使用量を減らしたハンバーグ、肉だんご、ぎょうざ、コロッケ、メンチカツ等とすることもできる。
【0015】
本発明の主要な材料であるこんにゃくは、こんにゃくいもの粉末に水を加えてこね、これに石灰乳を混ぜて煮沸し固めて製造した食品である。そして、こんにゃくいもの皮をむいた粉末を用いて製造したものを白こんにゃくといい、皮付きのままの粉末を用いて製造したものを黒こんにゃくといい、また板状になったものを板こんにゃくといい、更に糸状になったものを糸こんにゃくという。これらのこんにゃくは、いずれも本発明に採用することができる。
【0016】
本発明においては、前記白こんにゃく、黒こんにゃく、板こんにゃく、または糸こんにゃくを、後述する実施例において記載する用途に応じて、それぞれ使い分けるが、前記こんにゃくは、いずれも冷凍庫内に入れて、冷凍された冷凍こんにゃくを使用する。冷凍こんにゃくを使用するのは、こんにゃくは冷凍した後、解凍することにより水分が抜け、ほぼ食物繊維だけが残る。この残った食物繊維により、肉のような弾力性が付与される。本発明は、前記食物繊維の弾力性を利用して、肉の食感と食味を得るようにした肉代替食品素材を製造するものである。
【0017】
その他の材料中の卵白または全卵および小麦粉は、いずれも料理で、ねばり気のないものに入れて、離れたり崩れたりするのを防ぐ、結合材、すなわち、つなぎとしての目的のために使用するものである。
【0018】
更に、その他の材料中の非水溶性食品とは、たんぱく系の乾燥食品である麩や高野豆腐、またはたんぱく系の含水率の高い食品である、おから、コラーゲン、豆腐のような水に溶けない非水溶性食品をいう。そして、これら非水溶性食品のうち、乾燥食品である麩や高野豆腐は、粉末状にしたもの、あるいは、ちぎったり、砕いたりしてフレーク状にしたものを使用し、更に、おから、コラーゲン、あるいは豆腐は含水率が高いので、そのまま使用する。これら非水溶性食品がたんぱく成分が、前記こんにゃくの食物繊維マトリックス間に取込まれて充填され、肉に似た適度の弾力性を持たせ、肉の食感や、食味を得ることができる。
【0019】
すなわち、本発明は、こんにゃくの食物繊維マトリックス間に、前記たんぱく成分を取込んで充填することにより、前記肉の線維質部分とたんぱく質部分の代替作用をさせるものである。
【0020】
また更に、その他の材料中のコンソメエキスパウダーまたはビーフエキスパウダーおよび香辛料は、前記各材料は基本的に味がないため、肉らしい味に仕上げるために味付け用として使用するものである。そして、これらは、必要な場合のみ使用し、使用しない場合もある。
【0021】
次に、前記目的および作用を有する各材料を用いて、肉代替食品素材を製造する方法を工程順に説明する。なお、下記の各材料の配合比率は、本発明者が種々テストの結果、食感・食味の観点から判断して得た数値である。
【0022】
先ず、1日以上、冷凍庫で冷凍したこんにゃくを解凍する。この解凍は、
自然解凍の外、電子レンジによる加熱調理による解凍でもよい。次に、前記解凍したこんにゃくを水洗した後、加圧するか、絞るようにして水分を充分抜いてダイス状に切断する。実験の結果、解凍前のこんにゃくの重量が、500gであったものが、解凍して水分を抜くと、大体重量が、100g〜200g程度になった。このときのこんにゃくの含水率は、20%〜30%程度であった。本発明においては、特に限定する必要はないが、好ましくは、前記程度の含水率のこんにゃくを使用することが推奨される。
【0023】
そして、ミキサーに、前記ダイス状に切断したこんにゃく50重量%〜80重量%、好ましくは55重量%〜75重量%、特に好ましくは65重量%〜70重量%と、卵(例えば、コレステロールの数値が高い人のためには、卵白のみ、その他の人には全卵)5重量%〜30重量%、好ましくは10重量%〜25重量%、特に好ましくは15重量%〜20重量%を入れ、充分に撹拌し、ペースト状の混合物とする。前記こんにゃくと卵をミキサーに入れて撹拌する場合、該こんにゃくの食物繊維が、特に限定する必要はないが、前記攪拌によって、好ましくは、5mm以下の長さになるよう撹拌することが推奨される。
【0024】
然る後、前記こんにゃくと卵がペースト状の混合物となった状態で、ミキサーから取出し、別の容器に移し、前記ペースト状の混合物に、乾燥食品である麩や高野豆腐は、粉末またはフレークとしたもの、含水率の高いおから、コラーゲンまたは豆腐はそのままで、前記いずれか1つの非水溶性食品2重量%〜30重量%、好ましくは4重量%〜25重量%、特に好ましくは5重量%〜20重量%、小麦粉1重量%〜10重量%、好ましくは2重量%〜8重量%、特に好ましくは3重量%〜7重量%、並びにコンソメエキスパウダーまたはビーフエキスパウダーのうち、いずれか1つのパウダー0.5重量%〜3重量%、好ましくは0.7重量%〜2.5重量%、特に好ましくは1重量%〜2重量%、更には少量の塩、こしょう、にんにく等の香辛料を添加混入して、例えば、へら等の攪拌手段を用いて充分に撹拌して肉代替食品素材とする。前記得られた肉代替食品素材の性状は、ペースト状をしている。
【0025】
前記こんにゃくの食物繊維が攪拌されて、5mm以下の長さとなった、該食物繊維マトリックス間に前記たんぱく成分が取込まれて充填され、肉に似た弾力性が得られる。
【0026】
そして、前記ペースト状の肉代替食品素材に更に他の食品素材を加えて、ハンバーグもどき、とんかつもどき、唐揚げもどきの肉代替食品を製造する。または、本発明方法によって得られた肉代替食品素材をひき肉に加えて、前記のようなもどき食品ではなく、ハンバーグ、肉だんご、ぎょうざ、コロッケ、メンチカツ等を製造することもできる。
【0027】
以下、本発明製造方法によって得られた肉代替食品素材に、種々の食材を加えて調理して肉代替食品を製造する場合の実施例につき、以下に説明する。
【実施例1】
【0028】
〔鶏肉代替食品〕
鶏肉代替食品を作るときは、白板こんにゃくを使い、味付けは、必要に応じてチキンコンソメエキスパウダーを使用する。
(1)唐揚げもどきの製造
(a)高野豆腐を使用する場合
<材料>
水分を抜いた冷凍こんにゃく 70重量%
卵白 20重量%
(コレステロールを気にしない人の場合、全卵20重量%)
高野豆腐(粉末状にしたもの、あるいはフレーク状にしたもの) 5重量%
小麦粉 5重量%
チキンコンソメエキスパウダー(必要な場合) 少量
(なお、後述する唐揚げ粉には、チキンコンソメエキスパウダーが予め添加されているので、本実施例で添加するチキンコンソメエキスパウダーは、味を濃くする目的のため等、必要な場合でよい。)
塩・こしょう(必要な場合) 少量
以上が、鶏肉代替食品素材の材料であり、更に
唐揚げ粉 適量

【0029】
(b)麩を使用する場合
<材料>
水分を抜いた冷凍こんにゃく 80重量%
卵白 10重量%
(コレステロールを気にしない人の場合、全卵10重量%)
麩(粉末状にしたもの、あるいはフレーク状にしたもの) 5重量%
小麦粉 5重量%
チキンコンソメエキスパウダー(必要な場合) 少量
(なお、後述する唐揚げ粉には、チキンコンソメエキスパウダーが予め添加されているので、本実施例で添加するチキンコンソメエキスパウダーは、味を濃くする目的のため等、必要な場合でよい。)
塩・こしょう(必要な場合) 少量
以上が、鶏肉代替食品素材の材料であり、更に、
唐揚げ粉 適量

【0030】
(c)おからを使用する場合
<材料>
水分を抜いた冷凍白板こんにゃく 60重量%
卵白 15重量%
(コレステロールを気にしない人の場合、全卵 15重量%)
おから 21.5重量%
小麦粉 3重量%
チキンコンソメエキスパウダー 0.5重量%
塩・こしょう(必要な場合) 少量
以上が、鶏肉代替食品素材の材料であり、更に
唐揚げ粉 適量

【0031】
前記(a)〜(c)の材料を使用した「唐揚げもどき」の製造方法
(1)1日以上冷凍したこんにゃくを、解凍する。
(2)解凍したこんにゃくを軽く水洗いした後、加圧するか、絞るようにして水分を充分に抜く。
(3)前記水分を抜いた解凍こんにゃくを、ダイス状に切断する。
(4)前記ダイス状の解凍こんにゃくと卵をミキサーに入れ、充分に攪拌する。
(5)前記攪拌したものを、ミキサーから別の容器に移し、前記高野豆腐、麩、または、おからのいずれかと、小麦粉、および必要な場合、チキンコンソメエキスパウダーを加え混合する。(更に、必要な場合、塩・こしょうを少量加える)
(6)(5)で得られたものをなるべく小さくとり分け、唐揚げ粉をまぶし、油で揚げて完成。
【実施例2】
【0032】
〔豚肉代替食品〕
(1)とんかつもどきの製造
<材料>
水分を抜いた冷凍板こんにゃく 70重量%
麩または高野豆腐
(粉末状にしたもの、あるいはフレーク状にしたもの) 3重量%
小麦粉 5重量%
ビーフエキスパウダー 2重量%
卵白 20重量%
にんにく・塩・こしょう 少量
以上が、豚肉代替食品素材の材料であり、更に
スライスチーズ
パン粉
揚げ油
【0033】
(2)とんかつもどきの製造
<材料>
水分を抜いた冷凍板こんにゃく 57重量%
おから 25重量%
小麦粉 5重量%
ビーフエキスパウダー 3重量%
全卵 10重量%
にんにく・塩・こしょう 少量
以上が、豚肉代替食品素材の材料であり、更に
スライスチーズ
パン粉
揚げ油
【0034】
前記材料を使用した「とんかつもどき」の製造方法
(1)板こんにゃくを適当な大きさに切断して冷凍する。(好ましくは、薄くスライスする方が、水分が抜けやすく、美味しく仕上がる。)
(2)1日以上冷凍した白板こんにゃくを、解凍する。
(3)解凍したこんにゃくを水洗いした後、加圧するか、絞るようにして水分を充分に抜く。
(4)水分を抜いた解凍こんにゃくを、ダイス状に切断する。
(5)前記ダイス状の解凍こんにゃくと卵をミキサーに入れ、充分に攪拌する。
(6)前記攪拌したものを、ミキサーから別の容器に移し、高野豆腐、麩、または、おからのいずれかと、小麦粉、ビーフエキスパウダーおよびにんにく・塩・こしょうを加え、混合する。
(7)スライスチーズを半分に割り、前記(6)を得られた生地で、該スライスチーズを包み込むようにサンドする。
(8)後は、普通のとんかつを作る要領で、小麦粉、とき卵、パン粉を付け、油で揚げて完成。
【実施例3】
【0035】
〔牛肉代替食品の製造〕
(1)牛肉もどきの製造
<材料>
水分を抜いた冷凍黒板こんにゃく 75重量%
麩または高野豆腐
(粉末状にしたもの、あるいはフレーク状にしたもの) 4重量%
卵白 15重量%
小麦粉 5重量%
ビーフエキスパウダー 1重量%
にんにく・塩・こしょう 少量
【0036】
(2)牛肉もどきの製造
<材料>
水分を抜いた冷凍黒板こんにゃく 60重量%
おから 25重量%
全卵 10重量%
小麦粉 3重量%
ビーフエキスパウダー 2重量%
にんにく・塩・こしょう 少量
【0037】
前記材料を使用した「牛肉もどき」の製造方法
(1)〜(6)までは、実施例2と同じ。
(7)前記得られた生地を薄く、クレープを作る要領でフライパンに流し成型しながら、焼く。
(8)焼きあがったら、手で牛肉っぽく千切る。
(9)野菜等を炒めた後、最後に、(8)の千切った生地を入れ、味付けする。但し、肉と違い、味が染み込みやすいので、味付けは薄めにする。
【0038】
前記各実施例においては、たんぱく系の非水溶性食品として、高野豆腐、麩およびおからを挙げて説明しているが、たんぱく含量を高めるため、たんぱく系の非水溶性食品であるコラーゲンや豆腐等を添加することも可能である。
【0039】
なお、請求項1の発明に関する前記各実施例においては、いずれもコンソメエキスパウダーまたはビーフエキスパウダーおよび香辛料を使用しているが、これらを使用することなく得られた本発明請求項2の肉代替食品
素材を、牛肉、豚肉、鶏肉等のひき肉に、20重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜70重量%、特に好ましくは40重量%〜60重量%添加混入して、ハンバーグ、肉だんご、ぎょうざ、コロッケ、メンチカツを製造したが、味はすべて肉を使用したハンバーグ、肉だんご、ぎょうざ、コロッケ、メンチカツと何ら遜色なく、然も肉の使用量が減るので、特にダイエット食品素材として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍したこんにゃくを解凍した後、該解凍したこんにゃくを加圧等により水分を抜き、含水率20%〜30%程度とした主材料のこんにゃく50重量%〜80重量%に対して、卵白、または全卵5重量%〜30重量%を添加混入して、ミキサーで撹拌してペースト状の混合物とする一方、該ペースト状の混合物に対して、たんぱく系の非水溶性食品の粉末またはフレーク、あるいは該非水溶性食品そのままを2重量%〜30重量%と、小麦粉1重量%〜10重量%と、コンソメエキスパウダーまたはビーフエキスパウダーのいずれか0.5重量%〜3重量%とを添加混入・撹拌して製造することを特徴とする肉代替食品素材の製造方法。
【請求項2】
冷凍したこんにゃくを解凍した後、該解凍したこんにゃくを加圧等により水分を抜き、含水率20%〜30%程度とした主材料のこんにゃく50重量%〜80重量%に対して、卵白、または全卵5重量%〜30重量%を添加混入して、ミキサーで撹拌してペースト状の混合物とする一方、該ペースト状の混合物に対して、たんぱく系の非水溶性食品の粉末またはフレーク、あるいは該非水溶性食品そのままを2重量%〜30重量%と、小麦粉1重量%〜10重量%とを添加混入・撹拌して製造することを特徴とする肉代替食品素材の製造方法。


【公開番号】特開2008−142035(P2008−142035A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334228(P2006−334228)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(506412251)
【Fターム(参考)】