説明

肥満及びそれに関連するメタボリックシンドロームを治療するための製剤

本発明は、肥満及びそれに関連するメタボリックシンドロームを治療するための製剤に関する。その製剤は、特に選択された植物抽出物:エピガロカテキンガレート(EGCG)を含む緑茶抽出物、コレウスフォルスコリ(Coleus forskholii)抽出物、ベチュラアルバ(Betula alba)抽出物、及びガラナ又はマテ(Yerba Mate)抽出物の組合せである。in vivo及びin vitroでの臨床試験によれば、本発明の製剤の使用は、知られているすべての型の肥満及びそれに関連する併存疾患の治療の助けとなる実証済みの方法として取り扱われるはずである。体重減少の促進は別として、本発明の製剤の最も重要な利点の1つは、痩身治療の終了後に体重の再増加が防止されることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥満及びそれに関連するメタボリックシンドロームを治療するための製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満は、ほとんどの国において驚くべき速さで増加している。この進行により、2型糖尿病が劇的に、心血管疾患、高血圧及び癌がある程度増加することが現在十分に認知され、これらは数年の平均余命の短縮に寄与するメタボリックシンドロームとして知られている。20世紀後半の間に、肥満の割合は5〜10倍増加し、それには最大の問題として以前は低栄養状態に苦しんでいた極東及びアジアの諸国が含まれる。肥満の蔓延は極めて急速に進行し、現代世界の最大の健康問題となっている。
【0003】
利用可能な肥満治療方法の多くは、体重の一時的な減少しか起こさず、食事療法の終了後、患者は急速な体重再増加に直面する。痩身療法では、主に活動−身体的運動を増やし、カロリー摂取を減らす。食事制限の中断は、体重の再増加、いわゆるヨーヨー効果につながる。体重減少プログラムの継続と共に増大する難点は、カロリー制限に基づくものであり、急速な体重再増加は、代謝率及び熱発生の低下によって生じると考えられている。その低下は、エネルギー均衡の変化、及び食物摂取の低下への身体の適応に依存する。低カロリー摂取への適応には、とりわけ、交感神経系の活性の低下、及び活性が低い型のホルモン産生に向かう甲状腺ホルモンの代謝の変化がある。アドレナリン作動性神経系の活性低下、及び活性型の甲状腺ホルモンの濃度変化により、脂肪酸の動員及び酸化の低下、並びに脱共役タンパク質UCP1〜3の活性/発現の低下が生じる。代謝率の低下は、肥満治療の成功率が低く、90%を超える痩身した患者が開始時の体重に戻ることに対する主要な理由の1つである。
【0004】
これら既知の事実からみて、肥満治療の他の方法には代謝率を上昇させる努力を必要とすることが分かることは驚くにはあたらない。主に脂肪の形で身体中に蓄積されたカロリーは、様々な熱発生薬の投与により急速に燃焼し、その結果体重が減少する。しかし、この療法にはしばしば負の副作用があり、さらにこの場合でも、治療の中断後、患者の体重は、治療前の開始時の値に戻る。
【0005】
様々な型の植物抽出物が、肥満の食事療法における付属物としてしばしば使用される。最近使用されるものの1つが、緑茶(Green tea)抽出物である。(緑茶、学名カメリアシネンシス(Camellia sinensis))は、大量のカテキンポリフェノール、主にエピガロカテキンガレート−EGCGを含む。エピガロカテキンガレートは非常に強い抗酸化剤であり、それはまた、食欲を減退させ、食物摂取の低下を誘導する(Am.J.Clin.Nutr 2000年、第72巻、1232〜1234ページを参照)。緑茶抽出物は、炭水化物及び脂質の消化を抑制し、強い抗炎症活性を示すことが記載されている。緑茶活性の熱発生効果は、Am.J.Chin.Nutr.1999年、第70巻、1040〜1045ページに記載されている。著者らは、ポリフェノール及びカフェインに富む抽出物が、エネルギー消費及び脂肪の酸化を有効に且つ著しく増大させることを報告している。
【0006】
民間に非常に普及している他の治療用植物は、マテ(Yerba Mate)(パラグアイ、イレクスパラグアリエンシス(Ilex paraguariensis))と呼ばれる南米で栽培されているハーブであり、それはトリテルペン、カフェイン及びカフェイン様化合物を含有する。全米では、イレクスパラグアリエンシスは、コーヒーよりも茶及び注入液の形でしばしば使用される。ドイツでは、マテの葉は、尿路及び頭痛の治療において水性注入液の剤形で使用される。マテの葉を含む製剤は、精神的身体的疲労の治療にも使用され、体重減少プログラムで経口及び局所補助薬としてしばしば使用される。マテの薬理活性は、カフェイン、カフェオイルキナ酸及びカフェイン様ポリフェノールに起因するものである。
【0007】
同様の体重減少活性は、他の植物であるガラナ(パウリニアクパナ(Paulinia cupana)、P.ソルボリス(P.sorbolis))によっても示され、それは大量のカフェイン及び他のポリフェノールであるクロロゲン酸(CGA)を含有する。Hurel,J.P.1993年(仏国特許2,712,191A1)によれば、ガラナ抽出物中に含まれるカフェインは、体重減少の原因である主要な作用物質である。しかし、マテ又はガラナを単独の作用物質として使用しても瞬間的な効果しか得られず、治療を終えた後に即時的な体重増加が観察される。
【0008】
米国特許文献第5,804,596号は、コレウスフォルスコリ(Coleus Forskholii)の根の抽出物(フォースリン(ForsLean)(登録商標))の活性について開示している。この抽出物は、活性作用物質であるフォルスコリン(ジテルペン化合物フォルスコリン)を含む。ジテルペン化合物フォルスコリン活性の生物学的機構は、医学文献中に幅広く記載され、多数の臨床評価が行われている。この評価は、ジテルペン化合物フォルスコリンの様々な活性、例えば、気管支拡張(気管支喘息の治療について)、動脈の弛緩(高血圧及び心血管系障害の治療について)、緑内障及びインポテンスの治療に関するものである。ラットに対して行った研究から、低用量のジテルペン化合物フォルスコリンが有効でないことが示された。極めて高用量の使用でしか、明確な体重減少は生じなかった。しかし、ヒトの場合、そのような高用量では、低血圧効果、及び心筋に対する有害な高収縮活性が生じるはずである。
【0009】
カバの葉(ベチュラアルバ(Betula Alba)、ベチュレフォリウム(betulae folium)、バチュラペンデュラロス(Batula pendula Roth))の薬理活性は、上記に記載したハーブの場合のような広範な研究の対象ではなかったが、それは欧州では何世紀もの間広く使用されている。カバの葉は、約2〜3%のフラボノイド配糖体並びに以前はサポニンとみなされていたトリテルペンアルコール及びエステルを含有する。新鮮なカバの葉は、約0.5%のアスコルビン酸も含む。カバの葉の水性抽出物は、軽度の利尿薬として知られ、それを使用して、尿路を洗浄し、砂を除去し、尿路の炎症を防止する。それはまた経口でも使用された。
【0010】
ヒトの肥満は、商標ゼニカル(Xenical)(登録商標)で販売されているオルリスタット(Orlistat)(登録商標)([2S−[2a(R),3b]]N−ホルミル−L−ロイシン1−[(3−ヘキシル−4−オキソ−2−オキセタニル)メチル]ドデシルエステル)で治療することもできる(米国特許第4,598,089号)。この薬物の1日当たりの用量は、3カプセルであり、オルリスタット(登録商標)を120mg含有する。オルリスタットによって引き起こされるリパーゼ活性の抑制は、摂取された脂肪の30%が分解されずに消化管を通過し吸収されないことを意味する。しかし、前記の薬物は、疲労、頭痛、胃痛、油性の下痢、腸内ガスや膨満などいくつかの副作用を示す。それは小児に適さず、妊娠している女性及び授乳中の女性によって使用されるべきでない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、体重減少の促進に有効であり、主な副作用の欠如を特徴とし、痩身中に得られた、減少した体重を維持する助けとなる、ヒト肥満を治療するための組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
驚くべきことに、異なるハーブ及び植物由来抽出物の特定の組合せが、各構成成分単独より有効に作用することが判明した。その構成成分は、一斉に(相乗的に)作用し、その混合物の2つの主要な効果、すなわち熱発生効果(代謝率の増大)及び脂肪吸収の低下を一緒に強化する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明によれば、選択された植物抽出物の組合せを含む肥満及びそれに関連するメタボリックシンドロームを治療するための製剤は、
a)70%を超えるカテキンを含み、エピガロカテキンガレートEGCGを好ましくは含む緑茶抽出物20〜90重量%、
b)少なくとも10%のジテルペン化合物フォルスコリンを含むコレウスフォルスコリ抽出物2〜30重量%、
c)2〜4%のカフェイン及びカフェオイルキナ酸(CGA)を含むマテ抽出物5〜58重量%、
d)最大で3%のフラボノイドを含むベチュラアルバ抽出物7.5〜45重量%からなる。
【0014】
他の実施形態では、マテ抽出物の代わりにガラナ抽出物を使用する。下記の製剤の組成を使用した:
a)70%を超えるカテキンを含み、エピガロカテキンガレートEGCGを好ましくは含む緑茶抽出物20〜80重量%、
b)少なくとも10%のジテルペン化合物フォルスコリンを含むコレウスフォルスコリ抽出物2〜30重量%、
c)8%を超えるカフェイン及びカフェイン様ポリフェノール(クロロゲン酸−CGA)を含むガラナ抽出物5〜50重量%、
d)最大で3%のフラボノイドを含むベチュラアルバ抽出物7.5〜45重量%。
【0015】
本発明の製剤は、シロインゲンマメ(ファセオラスブルガリス(Phaseolus Vulgaris))の植物抽出物の有効量をさらに含んでよい。
【0016】
好ましくは、緑茶抽出物は、低温減圧下で、水及び/又は酢酸エチル+水の抽出によって得られる抽出物である。
【0017】
他の好ましい実施形態では、緑茶抽出物は、低温減圧下で、アルコール抽出、又は、例えば、メタノール−クロロホルム混合物、アルコールエーテル及び界面活性剤を含む群から選択される脂肪溶媒の存在下で行われる抽出によって得られる抽出物である。
【0018】
一実施形態では、緑茶抽出物は、EGCGを少なくとも30%含む。他の実施形態では、緑茶抽出物は、50%EGCGを少なくとも含み、他の実施形態では、緑茶抽出物は、EGCGを少なくとも80%含む。
【0019】
剤形に応じて、本発明の製剤は、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び微結晶性セルロースからなる群から選択される他の界面活性物質、リン酸二カルシウムなどの固化防止剤からなる群から選択される不活性な賦形剤又は充填剤と、カプセルの殻を形成する物質とを含んでよい。
【0020】
in vitro及びin vivoにおける動物及びヒトでの研究によれば、本発明の製剤の適用は、体重減少を有効に促進する。
【0021】
体重減少の促進は別として、本発明の製剤の最も重要な利点の1つは、痩身治療の終了後に体重の再増加が防止されることである。製剤はまた、脂質低下効果及び抗高血圧効果をも示す。
【0022】
本発明の製剤は、注入液、茶、カプセル、錠剤、チューインガム及び散剤の形で使用することができ、それらは水に溶解することができる。
【0023】
ヒトの場合における1日当たりの製剤の用量は、以下に等しい:
緑茶抽出物250〜2000mg、
バチュラアルバ抽出物20〜300mg、
マテ30〜400mg、
ガラナ20〜350mg、
コレウスフォルスコリ30〜600mg。
【0024】
シロインゲンマメ抽出物を製剤中に添加する場合、ヒトについての1日当たりの用量は、シロインゲンマメ抽出物500〜4000mgとなる。
【0025】
実施例及び図面により、本発明を説明する。
【実施例】
【0026】
(実施例1)
カプセル組成物
本発明の製剤は、カプセルの形で投与することができる。カプセル組成物の例を下記に示す。
【表1】

【0027】
(実施例2)
カプセル組成物
カプセル組成物の他の例を下記に示す。
【表2】

【0028】
(実施例3)
リパーゼ活性の抑制
脂肪の消化及び脂肪の吸収を低下させることによってヒト肥満を治療することができる。脂肪は、生体によって吸収される前にリパーゼによって分解されなければならない。リパーゼ活性を抑制すると、脂肪吸収がかなり大きく低下し、それによってカロリー摂取が低下する。そのような機構は、Roche社の抗肥満製剤ゼニカル(登録商標)(オルリスタット(登録商標))の活性を説明するものである。
【0029】
図1に、30分後、45分後、60分後における37℃での膵リパーゼの活性に対するその改変のin vitro効果と、様々な濃度のゼニカル(登録商標)(0.5〜100mg)との比較を示す。本発明の製剤の組成を下記の表1に示す。
【表3】

【0030】
本発明の製剤の場合、リパーゼ活性は、30分後に既に低下した。45分及び60分と時間を延長すると、本発明の製剤が低濃度(30mgまで低下)の場合でリパーゼ活性の低下はより大きくなった。得られたリパーゼ活性低下は、最大で約80%に等しかった。ゼニカル(登録商標)(オルリスタット(登録商標))は、本発明の製剤より強くリパーゼ活性を抑制し、濃度10mgで45分後及び60分後リパーゼ活性を完全に抑制したが、それはまた、本明細書に記載した負の副作用をも引き起こす。
【0031】
(実施例4)
ラットにおける体重増加の低下に対する本発明の製剤及びその構成成分の効果
本製剤の別々の成分を与えた群と比較した、実験用ラットの体重に対する本発明の製剤(表1に示す組成物)の影響を証明する試験を行った。
【0032】
8週齢の雌Wistarラット(初期の体重173〜209g)を72匹飼育し、1ケージにラット6匹の群を入れて、温度及び湿度を管理した条件下で7日間(明/暗期が12時間/12時間)飼育した。7日間馴化した後、実験に選択した健常なラットを6群に分け、各群に以下の物質のうち1つを投与した:本発明の製剤、コレウスフォルスコリ、ベチュラアルバ、マテ、緑茶抽出物(EGCG)及びガラナ。その物質は、溶液の形で(強制飼養により)経口投与した。実験の間、動物は、Ssniff(登録商標)R(Spezialdiaten GmbH、ドイツより購入)という認可済固形飼料及び水道水を与えられた。ヒトの1日当たりの用量と対応させて算出した用量を表2に示す。
【表4】

【0033】
1週間に1回体重を測定し記録した。
【0034】
Wistarラットの12週間の観察から、本発明の製剤で処置した群で体重増加が最低レベルであることが証明された。試験群での平均体重増加の値を表3及び図2Bに示す。
【表5】

【0035】
実験全体の間におけるラットの体重増加(%)を図2Aにも示す。
【0036】
さらに、適当な群におけるラットに食された固形飼料の平均量を測定した。その結果を図3に示す。本発明の製剤で処置した群で平均食物摂取が最低であることが明らかである。
【0037】
この実験から、本発明の製剤中に存在する天然物質の組合せがラットの体重増加の低下に有効であり、その別々の成分よりはるかに強く作用することが証明された。
【0038】
(実施例5)
本発明の製剤の効果−ヒトに対して行われた試験
健常な自発的被験者に対して行う試験によって、本発明の製剤の有利な特性を確認した。この試験の目的は、本発明の安全性及び効力を確認し、安静時代謝率に対する、食物補助物質として用いた本発明の製剤の影響を調べることであった。平均安静時代謝率は、処置群で3日後に4.3±0.2kJ/分から4.8±0.2kJ/分に上昇したが(図4)、運動時代謝率は変化しないままであった(示さず)。
【0039】
他のヒト試験−二重盲検プラセボ対照臨床試験をGCPの下で行って、低カロリー食(1000kcal/日)を行っている患者の体重の減少、体脂肪重量、脂肪以外の体重の増加(容姿の向上)、血漿のLDLコレステロール、総コレステロール及び血漿のトリグリセリド濃度の低下を調べた。この試験は14週間続いた。本発明の製剤の組成を下記の表4に示す。
【表6】

【0040】
2群に分割され、試験を終了した肥満患者48名に対して行った試験の間における本発明の製剤の影響を調べた。どちらの群も低カロリー食(1000kcal/日)を行っていたが、一方の群のみの食事に本発明の製剤が補充されていた(「処置群」)。
【0041】
14週間後、体重の減少は、対照群では6.06%に、本発明の製剤を投与していた処置群では9.28%に等しかった(図5)。キログラムで表したそれらの値はそれぞれ、5.54kg及び8.51kgに等しかった。この2群間の差は53.6%であった。差は統計上有意であることが判明した。
【0042】
体脂肪濃度の低下は、対照群では−4.0kgに、処置群では−6.6kgに等しかった(図6)。同時に、対照群では1.58mg/dlの、処置群では6.08mg/dlのLDL血漿コレステロール濃度の低下が観察され(図7)、総血漿コレステロールではそれぞれ3.92mg/dl及び19.42mg/dlの低下が観察された(図8)。コレステロール濃度の低下は、処置群では6.63mg/dlの血漿トリグリセリド濃度の低下に伴って生じたが、対照群ではトリグリセリド濃度は1.42mg/dl上昇した(図9)。
【0043】
例に挙げた試験から、下記のことが実証された。
a)本発明の製剤が、肥満の食事療法の間に体重減少を促進する。
b)本発明の製剤が、その効果を互いに相乗的に強化し、その結果その混合物の効果が別々のどんな成分単独の効果よりも有意に大きい有効成分を含む。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の製剤とゼニカル(登録商標)製剤のリパーゼ抑制活性を比較した図である。
【図2A】本発明の製剤、又はマテ、ガラナ、コレウスフォルスコリ、ベチュラアルバ及び緑茶(EGCG)の純粋抽出物を補充した食餌を12週間行った後における成長中のラットの体重増加の減速を比較した図である。
【図2B】本発明の製剤、又はマテ、ガラナ、コレウスフォルスコリ、ベチュラアルバ及び緑茶(EGCG)の純粋抽出物を補充した食餌を12週間行った後におけるラット体重の平均変化を比較した図である。
【図3】本発明の製剤、並びにマテ、ガラナ、コレウスフォルスコリ、ベチュラアルバ及び緑茶(EGCG)の純粋抽出物で処置した群のラットにおける12週間後の平均食物摂取を比較した図である。
【図4】健常な自発的被験者12名の安静時代謝率に対する本発明の製剤の効果を示す図である。
【図5】同じ低カロリー食を行い、プラセボを補充した患者と比較した、本発明を補充した低カロリー食を行った患者の、連続した14週間の間での体重の変化(%)を示す図である(試験は臨床試験実施基準の規則に従い、大学病院で行った)。
【図6】本発明の製剤又はプラセボを補充した低カロリー食を14週間行った後の体脂肪重量の減少(kg)を示す図である。
【図7】本発明の製剤又はプラセボを補充した低カロリー食を14週間行った後のLDL血漿コレステロール濃度の低下(mg/dl)を示す図である。
【図8】本発明の製剤又はプラセボを補充した低カロリー食を14週間行った後の総血漿コレステロール濃度の低下(mg/dl)を示す図である。
【図9】本発明の製剤又はプラセボを補充した低カロリー食を14週間行った後の総血漿トリグリセリド濃度の低下(mg/dl)を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物抽出物の組合せを含む、肥満及びそれに関連するメタボリックシンドロームを治療するための製剤であって、
a)70%を超えるカテキンを含み、エピガロカテキンガレート(EGCG)を好ましくは含む緑茶抽出物20〜90重量%、
b)少なくとも10%のジテルペン化合物フォルスコリンを含むコレウスフォルスコリ(Coleus forskholii)抽出物2〜30重量%、
c)2〜4%のカフェイン及びカフェオイルキナ酸(CGA)を含むマテ(Yerba Mate)抽出物5〜58重量%、
d)最大で3%のフラボノイドを含むベチュラアルバ(Betula alba)抽出物7.5〜45重量%
からなることを特徴とする製剤。
【請求項2】
シロインゲンマメ(ファセオラスブルガリス(Phaseolus Vulgaris))の植物抽出物の有効量をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
緑茶抽出物が、低温減圧下で、水並びに/又は酢酸エチル及び水の抽出によって得られる抽出物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項4】
緑茶抽出物が、低温減圧下で、アルコール抽出、又は、例えば、メタノール−クロロホルム混合物、アルコールエーテル及び界面活性剤からなる群から選択される脂肪溶媒の存在下で行われる抽出によって得られる抽出物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項5】
緑茶抽出物が、EGCGを少なくとも30%含むことを特徴とする、請求項3又は4に記載の製剤。
【請求項6】
緑茶抽出物が、EGCGを少なくとも50%含むことを特徴とする、請求項3又は4に記載の製剤。
【請求項7】
緑茶抽出物が、EGCGを少なくとも80%含むことを特徴とする、請求項3又は4に記載の製剤。
【請求項8】
二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び微結晶性セルロースからなる群から選択される他の界面活性物質、リン酸二カルシウムなどの固化防止剤からなる群から選択される不活性な賦形剤又は充填剤と、カプセルの殻を形成する物質とをさらに含むことを特徴とする、請求項1から7までのいずれかに記載の製剤。
【請求項9】
選択された植物抽出物の組合せを含む、肥満及びそれに関連するメタボリックシンドロームを治療するための製剤であって、
a)70%を超えるカテキンを含み、エピガロカテキンガレート(EGCG)を好ましくは含む緑茶抽出物20〜80重量%、
b)少なくとも10%のジテルペン化合物フォルスコリンを含むコレウスフォルスコリ(Coleus forskholii)抽出物2〜30重量%、
c)8%を超えるカフェイン及びカフェイン様ポリフェノール(クロロゲン酸−CGA)を含むガラナ抽出物5〜50重量%、
d)最大で3%のフラボノイドを含むベチュラアルバ(Betula alba)抽出物7.5〜45重量%
からなることを特徴とする製剤。
【請求項10】
シロインゲンマメ(ファセオラスブルガリス(Phaseolus Vulgaris))の植物抽出物の有効量をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の製剤。
【請求項11】
緑茶抽出物が、低温減圧下で、水並びに/又は酢酸エチル及び水の抽出によって得られる抽出物であることを特徴とする、請求項9又は10に記載の製剤。
【請求項12】
緑茶抽出物が、低温減圧下で、アルコール抽出、又は、例えば、メタノール−クロロホルム混合物、アルコールエーテル及び界面活性剤からなる群から選択される脂肪溶媒の存在下で行われる抽出によって得られる抽出物であることを特徴とする、請求項9又は10に記載の製剤。
【請求項13】
緑茶抽出物が、EGCGを少なくとも30%含むことを特徴とする、請求項11又は12に記載の製剤。
【請求項14】
緑茶抽出物が、EGCGを少なくとも50%含むことを特徴とする、請求項11又は12に記載の製剤。
【請求項15】
緑茶抽出物が、EGCGを少なくとも80%含むことを特徴とする、請求項11又は12に記載の製剤。
【請求項16】
二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び微結晶性セルロースからなる群から選択される他の界面活性物質、リン酸二カルシウムなどの固化防止剤からなる群から選択される不活性な賦形剤又は充填剤と、カプセルの殻を形成する物質とをさらに含むことを特徴とする、請求項9から15までのいずれかに記載の製剤。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−517830(P2007−517830A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548251(P2006−548251)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000206
【国際公開番号】WO2005/067952
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(506242670)ブリングウェル インターナショナル エービー (1)
【Fターム(参考)】