説明

育毛及び/又は発毛組成物

本開示は、ミノキシジルなどのある種のピリミジン化合物及び/又は硫酸ミノキシジルなどのある種のピリミジン硫酸塩(分子内塩)化合物を含有する組成物に関し、特に、少なくとも1つの酸化防止剤と、少なくとも1つの有機酸と、選択脂肪酸混合物とを含む混合物と組み合わせてピリミジン化合物を含有する組成物に関する。本開示はまた、哺乳類、特にヒトにおいて、育毛及び/若しくは発毛する並びに/又は脱毛を防ぐための組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ミノキシジルなどの特定のピリミジン化合物及び/又は硫酸ミノキシジルなどの特定のピリミジン硫酸塩(分子内塩)化合物を含有する組成物に関し、特に、少なくとも1つの酸化防止剤と、少なくとも1つの有機酸と、選択脂肪酸混合物とを含む混合物と組み合わせてピリミジン化合物を含有する組成物に関する。本開示はまた、哺乳類、特にヒトにおいて、育毛する及び/又は脱毛を防ぐための組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトを含む哺乳類の育毛及び/又は発毛に有用であるとして、種々のピリミジン化合物が提案されている。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるChidsey,IIIに付与された米国特許第4,139,619号を参照されたい。特に、ミノキシジル(6−アミノ−1,2−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2−イミノ−4−ピペリジノピリミジンは、男性型はげ頭症の治療で用いる育毛剤として、現在商業的に使用されている。
【0003】
最近になって、硫酸ミノキシジルなどのある種のピリミジン硫酸塩を使用することが、哺乳類の育毛に有用であることが示唆されている。特に、米国特許第4,287,338号を参照されたい。硫酸塩は、育毛を促進する際に、ミノキシジルよりもより速く且つ強力であることが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定の状況及び/又は市場区分において、より速く及び/又はより密度の高い育毛又は発毛は継続的な望み及び目標であり、したがって、改善された育毛製剤を開発する努力が継続している。
【0005】
したがって、本発明の一態様は、脱毛の治療若しくは防止、又はより密度の高い若しくはより豊かな被毛状態をもたらすのに有用である、育毛及び/又は発毛組成物を提供することである。
【0006】
本開示の別の態様は、哺乳類の育毛の成長期の開始を速めるために、本開示の組成物を使用することに関する。
【0007】
本開示の別の態様は、治療した皮膚の所与の領域を硬毛が覆う速度を高めるために、本開示の組成物を使用することに関する。
【0008】
本開示の更なる態様は、脱毛の改善された治療又は予防を目的として、少なくとも1つのピリミジン化合物と、少なくとも1つの酸化防止剤、少なくとも1つの有機酸、及び選択脂肪酸混合物又は選択脂肪酸混合物の供給源を含む混合物と、を含む組成物を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示によると、米国特許第4,139,619号に開示されているピリミジン化合物の少なくとも1つ、及び/又は米国特許第4,287,338号に開示されているピリミジン硫酸塩化合物の少なくとも1つを含有する製剤が提供され、当該特許は共に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
より詳細には、一実施形態において、本開示は、育毛又は発毛組成物であって、
a.以下の式
【化1】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、R及びR>は、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.組成物の約0.1重量%〜約99重量%、任意に約5重量%〜約50重量%、及び任意に約10重量%〜約40重量%、任意に約15重量%〜約30重量%の混合物であって、混合物は、
i.任意に、混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の、クレブス回路の中間体、クレブス回路の中間体でないαケト酸、これらの誘導体、これらの塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
ii.任意に、混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の酸化防止剤、並びに
iii.混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ペンタデカン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸、ベヘン酸、ジホモリノレン酸、アラキドン酸、及びリグノセリン酸からなる群から選択されるが、これらに限定されない、少なくとも7種、任意に少なくとも14種、及び任意に少なくとも22種の不飽和又は飽和脂肪酸を含む脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源、を含む混合物と、を含む、組成物に関する。
【0011】
別の実施形態において、本開示は、育毛又は発毛組成物であって、
a.以下の式
【化2】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、R及びR>は、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.組成物の約0.1重量%〜約99重量%、任意に約5重量%〜約50重量%、及び任意に約10重量%〜約40重量%、任意に約15重量%〜約30重量%の混合物であって、混合物は、
i.混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%のαケト酸、
ii.混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の酸化防止剤、並びに
iii.混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%、任意に約2.0重量%〜約33.3重量%、及び任意に約2.0重量%〜約7.0重量%の、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ペンタデカン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸、ベヘン酸、ジホモリノレン酸、アラキドン酸、及びリグノセリン酸からなる群から選択されるが、これらに限定されない、少なくとも7種、任意に少なくとも14種、及び任意に少なくとも22種の不飽和又は飽和脂肪酸を含む脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源、を含む混合物と、を含む組成物に関する。
【0012】
更なる実施形態において、本開示は、育毛及び/又は発毛組成物であって、
a.以下の式
【化3】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、R及びR>は、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.組成物の約0.1重量%〜約99重量%、任意に約5重量%〜約50重量%、及び任意に約10重量%〜約40重量%、任意に約15重量%〜約30重量%の混合物であって、混合物は、
i)混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の、ピルビン酸、その塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
ii)混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%のトコフェロール又はそのエステル、並びに
iii)混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の脂肪酸混合物の供給源であって、脂肪酸混合物の供給源は、
i)脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%のオリーブ油、
ii)脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%のカカオバター、及び
iii)脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の綿実油を含む油混合物である脂肪酸混合物の供給源を含む混合物と、を含む組成物に関する。
【0013】
更なる実施形態において、本開示は育毛及び/又は発毛組成物であって、
a.以下の式
【化4】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、R及びR>は、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.組成物の約0.1重量%〜約99重量%、任意に約5重量%〜約50重量%、及び任意に約10重量%〜約40重量%、任意に約15重量%〜約30重量%の混合物であって、混合物は、
i.混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の、ピルビン酸、その塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
ii.混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の酸化防止剤、並びに
iii.混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源を含む、混合物と、を含み、
ピルビン酸成分と脂肪酸混合物との比が、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(約1:0.01)であり、ピルビン酸成分と酸化防止剤成分との比が、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(又は約1:1.01)であり、脂肪酸混合物成分と酸化防止剤成分との比が、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(又は約1:0.01)であり、あるいは、任意に、ピルビン酸成分又は脂肪酸混合物成分と酸化防止剤成分との比が、1:1(又は約1:1)〜1:0.01(又は約1:0.01)である組成物に関する。
【0014】
他の一実施形態において、本発明は、組成物であって、
a.以下の式
【化5】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、R及びR>は、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.組成物の5重量%(又は約5重量%)〜10重量%(又は約10重量%)、任意に6重量%(又は約6重量%)〜約8重量%(又は約8重量%)の酸と、
c.組成物の5重量%(又は約5重量%)〜10重量%(又は約10重量%)、任意に6重量%(又は約6重量%)〜約8重量%(又は約8重量%)の酸化防止剤と、
d.組成物の5重量%(又は約5重量%)〜10重量%(又は約10重量%)、任意に6重量%(又は約6重量%)〜約8重量%(又は約8重量%)の脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源であって、脂肪酸混合物又は該脂肪酸混合物の供給源は、
i)脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の第1の油、
ii)脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の第2の油、及び
iii)脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%、又は任意に10重量%〜90重量%、又は任意に20重量%〜70重量%、又は任意に25重量%〜50重量%、又は任意に30重量%〜40重量%、又は任意に約33重量%の第3の油を含む、油混合物である、脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源と、を含む、組成物である。
【0015】
本開示は、ヒト及び動物の両方を含む全ての哺乳類種に応用される。ヒトでは、本発明の組成物は、例えば、頭部、恥部、上唇、眉毛、及びまぶたに適用され得る。ペットとして飼育されている動物(例えば、ミンクなど)では、本組成物は、商業的理由から生皮を全体的に改善するために、身体の全表面上に適用され得る。該方法は、化粧学的な理由で動物に使用することも可能であり、例えば、疥癬又はその他の病気が原因で禿げ上がった部分を有するイヌ及びネコの皮膚に適用されることができる。
【0016】
本発明の他の態様は、次の発明を実施するための形態から当業者には容易に明らかになるであろう。そこでは最良の形態の単に例示として好ましい実施形態が示され、記述される。理解されるように、本開示は、他の異なる実施形態も可能であり、また、そのいくつかの詳細は、本開示の趣旨から逸脱せずに、種々の明らかな観点で変更が可能である。したがって、本説明は、単なる例示に過ぎず、本発明をそれに限定するものではないと見なされるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の組成物は、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載される追加若しくは任意の成分、構成要素、又は制限事項を含み、これらからなり、又はこれらから本質的になることができる。
【0018】
本明細書において使われる「comprising」(及びその文法的変化物)は、「having」又は「including」を包括する意味で用いられ、「consisting only of」の排他的な意味では使われない。本明細書で使用される「a」及び「the」は単数の他に複数も包含すると理解される。
【0019】
参照により全体が本明細書に組み込まれる全ての文書は、これらが本明細書に矛盾しない範囲においてのみ組み込まれる。
【0020】
百分率、部分及び比率は全て、特に指定しない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。列挙された成分に関連するこのような重量は全て活性レベルに基づいているので、特に指定しない限り、市販の物質に含まれ得る担体又は副産物を含まない。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「安全かつ有効な量」とは、当業者の適切な判定範囲内で、明白な利益、例えば、育毛又は発毛を有意に生じさせるのに十分な局所的又は全身活性であるが、深刻な副作用を回避するよう十分に少ない、即ち合理的な利益対危険比を提供する、化合物又は組成物の量を意味する。
【0022】
ピリミジン化合物
本発明の組成物は、次の式で表わされる少なくとも1つの化合物を含有する。
【化6】

は、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分である。
【0023】
各R及びRは、個々に、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R3及びR4は、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってよく、該複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、低級ハロアラルキル、及びこれらの化合物の薬理学的に許容される酸付加塩類からなる群から選択される。
【0024】
上記式I及び/又は式IIの化合物の量は、育毛及び/又は発毛を促進するのに安全かつ有効な量である。特定の実施形態では、式I及び/又は式IIの化合物は、製剤の0.1%(又は約0.1%)〜20%(又は約20.0%)の濃度、又は任意に、組成物の約0.5重量%〜約10重量%の濃度で存在する。
【0025】
以下に記載されているのは、本発明を説明するために用いられる種々の用語の定義である。個々に、あるいはより大きな群の一部として、特定の場合において別段の制限がない限り、定義は、本明細書全体にわたって使用されている語句に適用する。
【0026】
用語「低級アルキル」は、典型的には1〜6個の炭素原子、より典型的には1〜3個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素基を指す。
【0027】
好適な低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、及びプロピルが挙げられる。分枝状のアルキル基の例としては、イソプロピル及びt−ブチルが挙げられる。好適なアルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシである。
【0028】
「低級シクロアルキル」基は、典型的には、3〜6個の炭素原子を含有し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルを包含する。
【0029】
「低級アルケニル」基は、典型的には、2〜6個の炭素原子を含有し、エテニル、プロペニル、及びブテニルを包含する。
【0030】
「低級シクロアルケニル」基は、典型的には、3〜6個の炭素原子を含有し、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、及びシクロヘキセニルを包含する。
【0031】
用語「低級アリール」は、典型的には環部分に6〜14個の炭素原子を有する単環式又は多環式芳香族炭化水素基を指し、例えばフェニル、2−ナフチル、1−ナフチル、4−ビフェニル、3−ビフェニル、2−ビフェニル、及びジフェニル基などである。
【0032】
ハロ基の例は、Cl、F、Br、及びIである。
【0033】
式I及び/又は式IIの化合物はまた、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、プロピレングリコール/エタノール/水、及びこれらの混合物などの従来の有機溶媒中に溶解されてもよい。
【0034】
組成物は、酸(例えば、乳酸)又はアルコール性の可溶化剤などに溶解されることもでき、あるいはこれらを補助成分として含有することもできる。例えば、本開示の組成物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,652,274号に開示されるように、任意に式I及び/又は式IIの化合物のために酸可溶化剤を含むことができる。他の実施形態において、好適な可溶化剤としては、プロピレングリコール及びアルコールが挙げられる。可溶化剤は、存在する場合、約1%〜約60%、又は任意に、約20%〜約50%の量で使用され得る。
【0035】
使用する場合、乳酸又は乳酸塩は、乳酸、乳酸の塩類、乳酸のプロドラッグ、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。乳酸の塩類としては、アルカリ塩及びアルカリ土類塩を挙げることができるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、乳酸塩は、乳酸、乳酸リチウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸マグネシウム、乳酸カルシウム、乳酸亜鉛、乳酸マンガンなど、及びこれらの混合物からなる群から選択される。他の実施形態において、乳酸塩は、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸マグネシウム、乳酸カルシウム、乳酸亜鉛、乳酸マンガン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。更なる実施形態において、乳酸塩は乳酸である。
【0036】
本発明の組成物中に存在する場合、乳酸塩は、式I又は式IIの化合物を溶解するのに適した量で存在する。特定の実施形態において、乳酸塩は、組成物の約0.05重量%〜約50重量%、任意に、約1.0重量%〜約45重量%、又は任意に、約1.0重量%〜約5.0重量%の量で組成物中に存在する。
【0037】
混合物
本発明の組成物としては、更に、次を1)及び2)含む混合物が挙げられる。1)クレブス回路の中間体、クレブス回路の中間体でない(non-Kreb cycle intermediate)αケト酸、これらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群から選択される酸、及び/又は酸化防止剤、並びに2)飽和及び不飽和脂肪酸の混合物。
【0038】
特定の実施形態では、混合物は、組成物の0.1重量%(又は約0.1重量%)〜99重量%(又は約99重量%)、任意に3重量%(又は約3重量%)〜75重量%(又は約75重量%)、任意に5重量%(又は約5重量%)〜50重量%(又は約50重量%)、任意に10重量%(又は約10重量%)〜40重量%(又は約40重量%)、任意に15重量%(又は約15重量%)〜30重量%(又は約30重量%)、又は任意に19重量%(又は約19重量%)〜23重量%(又は約23重量%)の濃度で組成物中に存在する。
【0039】

特定の実施形態において、本発明の混合物の酸は、クレブス回路の中間体、クレブス回路でない(non-Kreb cycle)αケト酸、これらの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0040】
本明細書で有用なクレブス回路(又はクエン酸回路)中間体としては、2−オキソグルタル酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、オキサロ酢酸塩、クエン酸塩、シスアコニット酸塩、イソクエン酸塩、オキサロコハク酸塩、α−ケトグルタル酸塩、L−リンゴ酸塩、これらのエステル類、これらのエーテル類、又はこれらの塩類、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
他の実施形態において、酸は、クレブス回路の中間体でないαケト酸(又は2−オキソ酸)である。αケト酸(又は2−オキソ酸)は、カルボン酸に隣接したケト基を有する。「クレブス回路の中間体でない」とは、本明細書で使用される場合、クレブス回路又はクエン酸回路で生成されない化学物質、化合物、又は中間体を意味する。特定の実施形態において、好適なクレブス回路でないαケト酸としては、ピルビン酸(α−ケトプロピオン酸)、α−ケトイソ吉草酸、α−ケトイソカプロン酸、これらの塩類、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、これらのαケト酸に加えて、非限定的用語「αケト酸」には、αケトグルタル酸が含まれるがこれに限定されないことを理解すべきである。
【0042】
特定の実施形態において、酸として有用なαケト酸はピルビン酸である。本発明における使用に適しているピルビン酸は、ピルビン酸、ピルビン酸の塩、ピルビン酸のプロドラッグ、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。特定の実施形態では、ピルビン酸の塩は、アルカリ塩及びアルカリ土類塩であり得る。特定の実施形態では、ピルビン酸は、ピルビン酸、ピルビン酸リチウム、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸カリウム、ピルビン酸マグネシウム、ピルビン酸カルシウム、ピルビン酸亜鉛、ピルビン酸マンガン、ピルビン酸メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0043】
他の実施形態では、ピルビン酸は、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸カリウム、ピルビン酸マグネシウム、ピルビン酸カルシウム、ピルビン酸亜鉛、ピルビン酸マンガンなど、及びこれらの混合物からなる塩の群から選択される。更に他の実施形態では、ピルビン酸はピルビン酸ナトリウムである。
【0044】
理論によって制限されないが、酸は、混合物のエネルギー源成分としての役割を果たすと考えられている。特定の実施形態では、酸は、混合物の0.01重量%(又は約0.01重量%)〜99.98重量%(又は約99.98重量%)、又は任意に10重量%(又は約10重量%)〜90重量%(又は約90重量%)、又は任意に20重量%(又は約20重量%)〜70重量%(又は約70重量%)、又は任意に25重量%(又は約25重量%)〜50重量%(又は約50重量%)、又は任意に30重量%(又は約30重量%)〜40重量%(又は約40重量%)、又は任意に約33重量%の量で組成物中に存在する。
【0045】
酸化防止剤
酸化防止剤もまた、前述のように、本発明の混合物の構成成分として存在する。一般に、酸化防止剤は、酸化を防止する、又は酸素若しくは過酸化物によって促進される反応を抑制する物質である。理論によって制限されないが、酸化防止剤、又は任意に脂溶性酸化防止剤は、細胞膜に吸収されて酸素ラジカルを中和し、それによって酸化的損傷から毛嚢を保護することができると考えられている。特定の実施形態において、酸化防止剤は、リコピン、ルテイン、レチナール及び3,4−ジデヒドロレチナールなどのビタミンAの全ての形態、α−カロチン、β−カロチン(β,β−カロチン)、γ−カロチン、δ−カロチンなどのカロチンの全ての形態、ビタミンC(D−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸)の全ての形態、ビタミンE(α−トコフェロール、3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−1−ベンゾピラン−6−オール)、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールなどのトコフェロールの全ての形態、トコキノン、トコトリエノール、及び酢酸ビタミンE及びコハク酸ビタミンEなどの容易に加水分解されてビタミンEになるビタミンEエステル、並びにリン酸ビタミンEなどのビタミンE塩、ビタミンA、カロチン、ビタミンC及びビタミンEのプロドラッグ、ビタミンA、カロチン、ビタミンC及びビタミンEの塩など、フラボノイド、並びにそれらの混合物からからなる群から選択され得る。本発明において有用なフラボノイドは、参照によって本明細書に組み込まれる、Bissettに付与された米国特許第6,051,602号に見出すことができる。他の実施形態において、酸化防止剤は、ビタミンA、β−カロチン、トコフェロール、及びこれらの混合物からなる脂溶性酸化防止剤の群から選択される。更に他の実施形態において、酸化防止剤は、トコフェロールビタミンE又は酢酸ビタミンEである。更に他の実施形態において、酸化防止剤は、レスベラトロル又はエピガロカテキン没食子酸塩などのポリフェノールである。
【0046】
特定の実施形態において、酸化防止剤成分は、混合物の0.01重量%(又は約0.01重量%)〜99.98重量%(又は約99.98重量%)、任意に10重量%(又は約10重量%)〜90重量%(又は約90重量%)、任意に20重量%(又は約20重量%)〜70重量%(又は約70重量%)、任意に25重量%(又は約25重量%)〜50重量%(又は約50重量%)、又は任意に30重量%(又は約30重量%)〜40重量%(又は約40重量%)、又は任意に約33%の量で組成物中に存在する。
【0047】
特定の実施形態において、酸成分と酸化防止剤成分との重量比は、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(又は約1:0.01)、任意に1:1(又は約1:1)〜1:0.1(又は約1:0.1)、任意に1:1(又は約1:1)〜1:0.5(又は約1:0.5)である。
【0048】
脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源
本発明の混合物はまた、容易に入手可能な栄養源を毛嚢に提供するのに有用である、飽和及び不飽和脂肪酸(遊離又は結合)の混合物、又はかかる飽和及び不飽和脂肪酸の供給源を含有する。
【0049】
飽和及び不飽和脂肪酸の好適な混合物は、動物性及び植物性脂肪及びワックス、哺乳類又は魚の卵物質、本発明の組成物に有用である飽和及び不飽和脂肪酸のプロドラッグ、並びにこれらの混合物から誘導され得る。脂肪酸混合物中の脂肪酸は、モノ−、ジ−、若しくはトリグリセリド、又は遊離脂肪酸、あるいはこれらの混合物の形態であり得る。
【0050】
一実施形態において、飽和及び不飽和脂肪酸の脂肪酸混合物は、人脂の組成と同様の組成を有し、次の脂肪酸を含む:酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ジホモリノレイン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、及びガドレイン酸。典型的には、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、及びガドレイン酸は、それぞれほぼ次の重量%で混合物中に存在する:約0.2重量%〜0.4重量%の酪酸、約0.1重量%のカプロン酸、約0.3重量%〜0.8重量%のカプリル酸、約2.2重量%〜3.5重量%のカプリン酸、約0.9重量%〜5.5重量%のラウリン酸、約2.8重量%〜8.5重量%のミリスチン酸、約0.1重量%〜0.6重量%のミリストレイン酸、約23.2重量%〜24.6重量%のパルミチン酸、約1.8重量%〜3.0重量%のパルミトレイン酸、約6.9重量%〜9.9重量%のステアリン酸、約36.0重量%〜36.5重量%のオレイン酸、約20重量%〜20.6重量%のリノール酸、約7.5〜7.8重量%のリノレン酸、約1.1重量%〜4.9重量%のアラキジン酸、約2重量%〜3重量%のジホモリノレイン酸、約7重量%〜9重量%のアラキドン酸、約3重量%〜4重量%のベヘン酸、約11重量%〜13重量%のリグノセリン酸、及び約3.3重量%〜6.4重量%のガドレイン酸。
【0051】
別の実施形態において、飽和及び不飽和脂肪酸の脂肪酸混合物は、鶏脂の組成と同様の組成を有し、次の脂肪酸を含む:ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、及びガドレイン酸。任意に、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、及びガドレイン酸は、それぞれほぼ次の重量%で混合物中に存在する:約0.1重量%のラウリン酸、約0.8重量%のミリスチン酸、約0.2重量%のミリストレイン酸、約0.1重量%のペンタデカン酸、約25.3重量%のパルミチン酸、約7.2重量%のパルミトレイン酸、約0.1重量%のマルガリン酸(magaric acid)、約0.1重量%のヘプタデセン酸、約6.5重量%のステアリン酸、約37.7重量%のオレイン酸、約20.6重量%のリノール酸、約0.8重量%のリノレン酸、約0.2重量%のアラキジン酸、及び約0.3重量%のガドレイン酸。
【0052】
他の特定の実施形態において、飽和及び不飽和脂肪酸の脂肪酸混合物は、レシチンと同様の組成を有する。レシチン(ホスファチジルコリン)は、全ての生きている生物(植物及び動物)において見出されるホスファチドであり、神経組織及び脳内物質の重要な成分である。レシチンは、リン酸のコリンエステルに結合した、ステアリン酸、パルミチン酸、及びオレイン酸のジグリセリドの混合物である。商業製品は、主として、大豆油の製造において副産物として得られる大豆レシチンである。大豆レシチンは、パルミチン酸11.7%、ステアリン酸4.0%、パルミトレイン酸8.6%、オレイン酸9.8%、リノール酸55.0%、リノレン酸4.0%、C20〜C22酸(アラキドン酸を含む)5.5%を含有する。レシチンは、次の式によって表わすことができる:C17NR10(式中、R及びR10はそれぞれ、独立して、ステアリン酸、パルミチン酸、及びオレイン酸からなる群から選択される)。
【0053】
他の特定の実施形態において、飽和及び不飽和脂肪酸の脂肪酸混合物は、卵黄と同様の組成を有する。卵黄中の最も一般的な脂肪酸混合物の組成物(重量百分率で)は、次の重量百分率に分けることができる。
A.オレイン酸(約47%)、リノール酸(約16%)、パルミトレイン酸(約5%)、及びリノレン酸(約2%)などの不飽和脂肪酸、及び
B.パルミチン酸(約23%)、ステアリン酸(約4%)、及びミリスチン酸(約1%)などの飽和脂肪酸。
卵黄は、レシチンの供給源でもある。
【0054】
上記脂肪酸混合物(又は脂肪酸混合物の供給源)及び様々な脂肪酸混合物(又はその供給源)中に存在する脂肪酸の割合は、一例として示されている。脂肪酸混合物(又は混合物の供給源)中に存在する脂肪酸の正確な種類及び脂肪酸混合物(又は混合物の供給源)中で用いられる脂肪酸の正確な量は、最終製品で望まれる結果が得られるよう変えることができ、このような変更は、過度の実験を必要とすることなく当業者の能力の範囲内である。
【0055】
本発明の特定の実施形態において、脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ペンタデカン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸、ベヘン酸、ジホモリノレイン酸、アラキドン酸、及びリグノセリン酸からなる群から選択されるがこれらに限定されない、少なくとも7種、任意に少なくとも14種、及び任意に少なくとも22種の不飽和又は飽和脂肪酸を含む。その他の有用な脂肪酸は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,874,794号(Adachiら)に見出すことができる。
【0056】
特定の実施形態では、混合物中の脂肪酸混合物は、油混合物から得られるか又は供給される。例えば、綿実油は、多価不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸とを2:1の比で有する。その脂肪酸プロフィールは、一般に、18%の単不飽和(オレイン酸の)脂肪酸と、52%の多価不飽和(リノール酸の)脂肪酸と、26%の飽和(主としてパルミチン酸及びステアリン酸の)脂肪酸とを含む、70%の不飽和脂肪酸からなる。より詳細には、綿実油は、それぞれおよそ次の割合で混合物中に存在する脂肪酸を有する:約0.5〜2.0%のミリスチン酸、約17.0〜29.0%のパルミチン酸、約1.5%未満のパルミトレイン酸、約1.0〜4.0%のステアリン酸、約13.0〜44.0%のオレイン酸、約40.0〜63.0%のリノール酸、及び約0.1〜2.1%のリノレン酸。
【0057】
カカオバターは、それぞれほぼ次の重量%で混合物中に存在する脂肪酸を有する:少なくとも約0.1%のミリスチン酸、約0.5〜26.3%のパルミチン酸、少なくとも約0.4%のパルミトレイン酸、約0.5〜33.8%のステアリン酸、約0.5〜34.4%のオレイン酸、及び約0.5〜3.1%のリノール酸。
【0058】
オリーブ油は、それぞれほぼ次の重量%で混合物中に存在する脂肪酸を有することが、ある研究で測定された:約0.5〜9.0%のパルミチン酸、少なくとも約0.4%のパルミトレイン酸、約0.5〜2.7%のステアリン酸、約0.5〜80.3%のオレイン酸、約0.5〜6.3%のリノール酸、及び約0.5〜0.7%のリノレン酸。
【0059】
脂肪酸混合物の供給源としての使用に適している油としては、バオバブ(Adansonla digitata oil)油、アプリコット(Prunus armeniaca)核油、アルガニアスピノサ油、アルゲモンメキシカーナ油、アボカド(Persea gratissima)油、ババス(Orbignya olelfera)油、バームミント(Melissa officinalis)種子油、ビターアーモンド(Prunus amygdalus amara)油、ビターチェリー(Prunus cerasus)油、ブラックカラント(Ribes nigrum)油、ルリヂサ(Borago officinalis)種子油、ブラジル(Bertholletia excelsa)ナッツ油、ゴボウ(Arctium lappa)種子油、バター、カロフィラムタカマハカ油、カメリアキッシ油、カメリアオレイフェラ種子油、キャノーラ油、ヒメウイキョウ(Carum carvi)種子油、ニンジン(Daucus carota sativa)油、カシュー(Anacardium occidentale)ナッツ油、ヒマシ油ベンゾエート、ヒマシ(Ricinus communis)油、セファリンズ、ダイフウシノキ(Taraktogenos kurzii)油、チーア(Salvia hispanica)油、ココア(Theobrama cocao)バター、ココナッツ(Cocos nucifera)油、タラ肝油、コーヒー(Coffea arabica)油、コーン(Zea mays)胚芽油、コーン(Zea mays)油、綿実(Gossypium)油、キュウリ(Cucumis sativus)油、ドッグローズ(Rosa canina)ヒップ油、卵油、エミュー油、エポキシ化大豆油、月見草(Oenothera biennis)油、魚肝油、ゲブイナアベラナ油、ゴートバター、ブドウ(Vitis vinifera)種子油、へーゼル(Croylus americana)ナッツ油、へーゼル(Corylus aveilana)ナッツ油、ヒト胎盤脂質、ハイブリッドベニバナ(Carthamus tinctorius)油、ハイブリッドひまわり(Helianthus annuus)種子油、ホソバタイセイ油、ジュズダマ(Coix lacryma−jobi)油、ホホバ油、キーウィ(Actinidia chinensis)種子油、ククイ(Aleurites moluccana)ナッツ油、ラード、亜麻仁(Linum usitatissiumum)油、ルーピン(Lupinus albus)油、マカダミアナッツ油、マカデミアターニフォリア種子油、マカデミアインテグリフォリア種子油、マレイン化大豆油、マンゴー(Mangifera Indica)種子油、マーモット油、メドウフォーム(Limnanthes fragraalba)種子油、メンハーデン油、乳脂質、ミンク油、ワサビノキ(Moringa Pterygosperma)油、モルティエラ油、ジャコウバラ(Rosa moschata)種子油、牛脚油、インドセンダン(Melia azadirachta)種子油、オート麦(Avena sativa)核油、オリーブ(Olea europaea)殻油、オリーブ(Olea europaea)油、大網脂質、オレンジラフィー油、ダチョウ油、酸化トウモロコシ油、パーム(Elaeis guineensis)核油、パーム(Elaeis guineensis)油、トウケイソウ(Passiflora edulis)油、杏(Prunus persica)仁油、ラッカセイ(Arachis hypogaea)油、ペカン(Caiya illinoensis)油、タカワラビ(Cibotium barometz)油、ピスタチオ(Pistacia vera)ナッツ油、胎盤脂質、ケシ(Papaver orientale)油、カボチャ(Cucurbita pepo)種子油、キノア(Chenopodium quinoa)油、菜種(Brassica campestris)油、米(Oryza sativa)ぬか油、米(Oryza sativa)胚芽油、ベニバナ(Carthamus tinctorius)油、サーモン油、ビャクダン(Santalum album)種子油、沙棘(Hippophae rhamnoides)油、ゴマ(Sesamum indicum)油、サメ肝油、シアバター(Butyrospermum parkii)、カイコ脂質、皮膚脂質、大豆(Glycine soja)油、大豆脂質、スフィンゴ脂質、ヒマワリ(Helianthus annuus)種子油、甘扁桃(Prunus amygdalus dulcis)油、セイヨウミザクラ(Prunus avium)ピット油、ターリ油、獣脂、ティートリー(Melaleuca alternifolia)油、テルファリアペダータ油、トマト(Solanum lycopersicum)油、トリコデスマゼイラニカム油、マグロ油、植物油、クルミ(Juglans regia)油、小麦ふすま脂質、及び小麦(Triticum vulgare))麦芽油、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
特定の実施形態において、油は、0.01重量%(又は約0.01重量%)〜99.98重量%(又は約99.98重量%)、任意に10重量%(又は約10重量%)〜90重量%(又は約90重量%)、任意に20重量%(又は約20重量%)〜70重量%(又は約70重量%)、任意に25重量%(又は約25重量%)〜50重量%(又は約50重量%)、任意に30重量%(又は約30重量%)〜40重量%(又は約40重量%)、又は任意に約33重量%の総量の脂肪酸混合物で、本発明の組成物中に存在する。
【0061】
特定の実施形態において、脂肪酸混合物の供給源として使用される油混合物は、次の脂肪酸組成を提供するように選択される油から形成される:0.3%(又は約0.3%)のミリスチン酸、19%(又は約19%)のパルミチン酸、0.5%(又は約0.5%)のパルミトレイン酸、13%(又は約13%)のステアリン酸、44.4%(又は約44.4%)のオレイン酸、21.3%(又は約21.3%)のリノール酸、及び0.5%(又は約0.5%)のリノレン酸。特定の実施形態において、脂肪酸混合物の供給源として使用される油混合物は、カカオバター、オリーブ油、綿実油、及びこれらの混合物からなる群から選択される油から形成される。
【0062】
特定の実施形態において、脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源は、混合物の0.01重量%(又は約0.01重量%)〜99.98重量%(又は約99.98重量%)、任意に10重量%(又は約10重量%)〜90重量%(又は約90重量%)、任意に20重量%(又は約20重量%)〜70重量%(又は約70重量%)、任意に25重量%(又は約25重量%)〜50重量%(又は約50重量%)、又は任意に30重量%(又は約30重量%)〜40重量%(又は約40重量%)、又は任意に33重量%の量で、本発明の組成物中に存在する。
【0063】
特定の実施形態において、酸成分と脂肪酸混合物成分との重量比は、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(又は約1:0.01)、任意に1:1(又は約1:1)〜1:0.1(又は約1:0.1)、任意に1:1(又は約1:1)〜1:0.5(又は約1:0.5)、又は任意に1:1(又は約1:1)である。
【0064】
特定の実施形態では、脂肪酸混合物成分と酸化防止剤成分との重量比は、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(又は約1:0.01)、任意に1:1(又は約1:1)〜1:0.1(又は約1:0.1)、任意に1:1(又は約1:1)〜1:0.5(又は約1:0.5)である。
【0065】
特定の実施形態では、ピルビン酸成分又は脂肪酸混合物成分と酸化防止剤成分との重量比は、1:1(又は約1:1)〜1:0.01(又は約1:0.01)である。
【0066】
理論によって制限されないが、本発明者らは、本発明の組成物及び方法は、改善された育毛若しくは発毛をもたらし、密度の高い若しくはより豊かな被毛状態をもたらし、並びに/又は哺乳類の育毛の成長期の開始を速めることにより脱毛を治療若しくは防止し、及び/若しくは哺乳類の皮膚上に硬毛が現れる速度を高めると考える。
【0067】
毛髪研究は、ヒトの毛嚢の組織学的特徴が成長周期の間に大幅に異なると結論付けている。毛髪は、次のいずれかに分類され得る:1.色素が濃く、長くて太い硬毛、又は2.非常に細くて明るい色の毛髪である軟毛。禿げるとき、男性の太い硬毛は、細い軟毛状の毛髪に置きかえられる場合が多い。
【0068】
全ての毛髪(硬毛及び軟毛)は、成長期(毛髪成長期)、退行又は移行期(毛髪退行期)、及び休止期(毛髪休止期)を経験する。
【0069】
成長期の間、真皮乳頭内の成長細胞は急速に分裂して毛幹を生成し、この毛幹は、毛嚢から押し上がり毛穴に出るときに角質化する。毛髪成長期の毛球は、皮膚の深い皮下脂肪レベルに位置している。毛髪退行期の毛球は真皮内にあり、毛髪休止期の毛球は真皮の中間から上部にある。軟毛の成長期は、典型的には、硬毛の成長期よりもはるかに短い。
【0070】
化粧学的に許容される任意の活性剤
一実施形態において、本発明による組成物は、1つ以上の追加の化粧学的に活性の薬剤、並びに上述の構成成分を更に含有し得る。「化粧学的に許容される活性剤」とは、合成化合物、又は天然源から単離、精製、若しくは濃縮された化合物であり得る化合物、あるいは、化合物の混合物を含有しかつ組成物に対して化粧学的効果を有する天然抽出物であり、例えば、非限定的に、老化防止剤、日焼け止め剤、光防護剤、酸化防止剤、角質溶解剤、洗浄剤/界面活性剤、保湿剤、栄養剤、ビタミン類、ミネラル、エネルギー増強剤、制汗剤、収斂剤、育毛促進剤、染毛剤、顔料、固定化剤、皮膚調整剤、並びに防臭剤又はpH変更剤及び緩衝剤などの臭気抑制剤が挙げられる。
【0071】
特定の実施形態において、追加の化粧学的に許容される活性物質は、育毛を促進することで知られる化合物の群から選択され、ジアゾキシド、ピナシジル、ビマトプロスト、フィナステリド、2型の5−α−還元酵素阻害薬、及びデュタステリド、1型及び2型の5−α−還元酵素阻害薬、並びにフルタミド、ビカルタミド、プレグナン誘導体、プロゲステロン誘導体、FCE 28260などの実験的薬剤などの薬物として入手可能な育毛活性物質である。スピロノラクトン及びその他の利尿薬もまた、症例によって女性の治療に適応される場合に利用することができる(アルダクトン:アルドステロン受容体拮抗薬としても知られている)。
【0072】
本発明の組成物の他の実施形態では、合成若しくは天然の5−α−還元酵素阻害薬、又は他の抗皮脂成分、例えば、これらに限定されないがセピコントロール(カプリロイルグリシン、サルコシン、及びセイロンニッケイ樹皮エキス)、甘草末又は抽出物などを組み込むことができる。MC5受容体拮抗薬もまた、本発明の組成物で使用することができる。MC5受容体拮抗薬の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,049,331号に見出すことができる。
【0073】
特定の実施形態で同様に有用なのは、5−α−還元酵素阻害作用を有し得る、ないしは別の方法で育毛を促すことができる薬草剤であり、ノコギリヤシ及びアフリカプルーンを挙げることができる。そのような活性を有し得る他の剤は、β−システロール、セピコントロール及び甘草、γ−リノレン酸及びその他の不飽和脂肪酸、亜鉛及び亜鉛塩、コティヌスコギグリア抽出物、緑茶カテキン(−)−エピガロカテキン没食子酸塩(EGCG)、並びにその他のポリフェノールなどである。ブドウの種、リンゴの種、リンゴ果汁、及び大麦抽出物もまた、育毛を促すことができる潜在的な剤であり得るが、これらはあまり一般的であるとは考えられておらず、また納得のいく結果を達成するという点で申し分ないとは考えられていない。
【0074】
局所用担体
本発明で有用な局所適用組成物は、皮膚及び頭皮への局所適用に適した製剤を含有する。用語「局所」は、本明細書で使用される場合、組成物を好適な製薬学的担体と共に使用し、局所作用を発揮させるために、本発明の方法に従って脱毛、育毛低下、又は禿頭症の部位に適用されることを指す。したがって、本発明の方法に有用なかかる局所適用組成物は、治療されるべき皮膚表面と直接接触させることによって化合物が外部から適用される剤型を包含する。
【0075】
一実施形態において、組成物は、化粧学的に許容される局所用担体中に上記構成要素を含有する。好適な担体形態としては、軟膏、ペースト、ゲル、ゼリー、セラム、エアゾール及び非エアゾールスプレー、泡、クリーム、ローション、溶液、懸濁液などが挙げられる。用語「軟膏」は、脂肪性基剤、吸収基剤、水溶性及び乳化基剤を有する製剤(クリームを含む)、例えば、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物を包含する。本発明の組成物に有用である具体的な担体及び追加成分のより詳細な考察は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0145331号(Bruningら)に見出すことができる。一実施形態において、化粧学的に許容される局所用担体は、組成物の約50重量%〜約99.99重量%、又は任意に、組成物の約80重量%〜約95重量%を構成する。
【0076】
その他の物質
種々の他の材料もまた、本発明に有用な組成物中に存在してもよい。これらには、保湿剤、タンパク質及びポリペプチド、保存料、アルカリ性剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。本発明の組成物は、キレート剤(例えば、EDTA)及び保存料(例えば、パラベン)を更に含んでもよい。これに加えて、本明細書で有用な局所適用組成物は、従来の化粧用アジュバント、例えば、染料、日焼け止め剤(例えば、二酸化チタン)、顔料、及び香料などを含有し得る。これら及びその他の材料のより詳細な考察は、先に組み込まれた米国特許出願公開第2008/0145331号(Bruningら)、並びに参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,658,956号(Martinら)に見出すことができる。
【0077】
上記保存料の混合物を使用することも可能である。
【0078】
使用方法
本発明の組成物の局所適用によって哺乳類の育毛の成長期の開始を速める及び/又は皮膚上に硬毛が現れる速度を高めるのを目的とした、本発明の組成物の使用は、以下に記載されるマウスの研究により判定された。
【0079】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、哺乳類又はヒトの身体の所望の領域に、少なくとも11週間、任意に少なくとも9週間、又は任意に少なくとも7週間の間少なくとも1日1回、局所的に適用される必要がある。本発明の育毛メリットは、本発明の組成物の長期投与によって無期限に維持され得る。
【実施例】
【0080】
以下の実施例で示される本発明の組成物は、本発明の組成物の特定の実施形態を示すものであって、本発明を限定するものではない。その他の変更は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実行されることができる。
【0081】
速められた成長期の開始の判定
成長期の開始における加速をC3Hマウスにおいて判定するために、従来の混合技術を用いて以下の治療製剤を調製した。
【表1】

【表2】

1.Actavis MidAtlantic LLC,Baltimore,MDより供給
【0082】
6〜7週齢の雌のC3HマウスをTaconic Farms(Germantown,NY)から購入した。C3Hマウスの毛周期は、同様の成長期、退行期、及び休止期を有する。(表1)(Miyamoto I.;Hamada K., Journal of Dermatological Science,Volume 10,Number 1,July 1995,pp.99〜99(1))。
【表3】

【0083】
各時期は、対応するヒトの毛周期よりもかなり短く、全ての毛嚢にわたって同時に生じる。このため、C3Hマウスは、活性物質による発毛の誘発活性を研究するための有用なモデルとなる。C3Hマウスは、第7週から第15週までの間が長い休止時期となる。したがって、典型的には、発毛研究は7週目に開始し、15週目に終了する、即ち、研究期間は約8週間である。
【0084】
マウスは、12時間明るく12時間暗くなる光周期の環境調節室内にある、適切に寸法設定されたケージに入れられ、餌と水は不断給餌された。動物の世話は、「Guide for the Care and Use of Laboratory Animals」、NIH Publication No.85〜23に基づいた。全てのマウスが毛周期の長期の毛髪休止期/休息期に入った時点で、背部領域約1.5×5cmを刈り込んだ(Wahl Clippers 8900 Series,Blade # 1086)。群ごとに5匹の雌のマウスを刈り込むと同時に、誘発及び維持のための2%のイソフルラン及び0.5Lの酸素で鎮静させた。データに表示されるマウスの実際の数は、研究中の1匹以上のマウスの不慮の死により変化し得る。
【0085】
治療群及び治療製剤は、次のように選択された。
【表4】

(角括弧「[ ]」は、治療製剤中の、αケト酸成分と、酸化防止剤成分と、脂肪酸混合物成分との重量%比を示す。)
【0086】
200mgの各試験製剤を試験皮膚領域に、毎日、週5日間局所適用した。毛髪成長期/活発な成長期の初発症候を目視観察により判定するために、及び硬毛が皮膚治療領域を覆う速度を判定するために、治療の各週の5日目及びその後7日ごとに画像を撮影した。成長期に入ったマウスの日々の観察を記録するために、研究ログ(又は、成長期ログ)をつけた(即ち、灰色の皮膚の最初の出現、新たな育毛の最初の目に見える手掛かりを観察するため)。治療は9週間継続した。驚くべきことに、成長期の開始は、5%ミノキシジル単独よりも、5%のミノキシジルに本発明の混合物を加えたもので治療したC3Hマウス群でより速く現れた。
【0087】
表IIは、成長期ログに記録されたA群〜H群に関する成長期開始を示している。
【表5】

(角括弧「[ ]」は、治療製剤中の、αケト酸成分と、酸化防止剤成分と、脂肪酸混合物成分との重量%比を示す。)
【0088】
表IIのデータは、混合物を含有している群のそれぞれにおいて、成長期の開始が次のように現れたことを明らかにしている。
i.A、B、及びC群はG群よりも9日早く、H群よりも27日早い。
ii.D群はG群よりも13日早く、H群よりも31日早い。
iii.E群はG群よりも5日早く、H群よりも23日早い。
iv.F群はG群よりも10日早く、H群よりも18日早い。
【0089】
各群におけるマウスの硬毛の平均被覆度は、0週目、4週目及び5週目に撮影した画像の目視検査によって判定された。「硬毛の被覆度」というフレーズは、硬毛によって覆われた治療部位の観察されたおよその平均割合を意味する。「高い硬毛の被覆度」というフレーズは、マウスの1つの群に関連した硬毛の平均被覆が、a.平均して密度が高い又は色が濃い、及び/又はb.別の群で観察された平均割合よりも大きな観察されたおよその平均割合で治療部位を覆っている、ことを意味する。「低い硬毛の被覆度」というフレーズは、マウスの1つの群に関連した硬毛の平均被覆が、a.平均して薄い又は色が明るい、及び/又はb.別の群で観察された平均割合よりも小さな観察されたおよその平均割合で治療部位を覆っている、ことを意味する。「硬毛の平均被覆度が速い」というフレーズは、硬毛の被覆度が時間的により速く達成されることを意味する。用語「平均」とは、各群のマウス全体の平均を意味する。用語「観察された」又は「目視観察」とは、ヒトの裸眼によって行われる画像の目視検査を意味する。
【0090】
次に、群を、最も高い硬毛被覆度から最も低い硬毛被覆度の順番でランク付けした。表示されている混合物成分に関する酸と酸化防止剤と脂肪酸混合物の混合比は、用語「混合物」の後の角括弧の中に記載されている。
【0091】
0週目(マウスを剃毛した日)に撮影された画像の目視観察は、この研究段階において、A群〜H群の全てのマウスの全ての硬毛が除去されていることを示している。
【0092】
A群〜H群間の硬毛の被覆度の差異は、4週目の終りに撮影された画像で最初に観察された。4週目に撮影された画像を基に、群を硬毛の被覆度によってランク付けし、表IIIに示す。
【表6】

【0093】
表IIIのランキングは、製剤4(混合物[7:1:7]含有5%ミノキシジル)で治療されたD群が、全群の中で最も早くかつ高い硬毛被覆度を提供したことを示している。製剤1(混合物[7:7:7]含有5%ミノキシジル)で治療されたA群、製剤2(混合物[7:7:1]含有5%ミノキシジル)で治療されたB群、製剤3(混合物[1:7:7]含有5%ミノキシジル)で治療されたC群、及び製剤6(混合物[3.5:3.5:3.5]含有5%ミノキシジル)で治療されたF群は、全群の中で2番目に早くかつ高い硬毛被覆度を示した。製剤5(ミノキシジル非含有混合物[7:7:7])で治療されたE群、未治療のG群、及び製剤7(混合物非含有5%ミノキシジル)で治療されたH群は、この研究段階において最も少ない硬毛被覆度を示した。
【0094】
表IVは、5週目に撮影された画像に基づく硬毛被覆度のランキングである。
【表7】

【0095】
表IVのランキングは、製剤1(混合物[7:7:7]含有5%ミノキシジル)で治療されたA群、製剤2(混合物[7:7:1]含有5%ミノキシジル)で治療されたB群、製剤3(混合物[1:7:7]含有5%ミノキシジル)で治療されたC群、製剤4(混合物[7:1:7]含有5%ミノキシジル)で治療されたD群、及び製剤6(混合物[3.5:3.5:3.5]含有5%ミノキシジル)で治療されたF群は、この研究段階において全群の中で最も早くかつ高い硬毛被覆度を提供したことを示している。製剤5(ミノキシジル非含有混合物[7:7:7])で治療されたE群は、全群の中で2番目に早くかつ高い硬毛被覆度を示した。未治療の群G及び製剤7(5%ミノキシジル単独)で治療された群Hは、この研究段階において最も少ない硬毛被覆度を示す形でこのランキング段階で最下位を維持した。
【0096】
表III及び表IVに記録されているランキングデータの要約は、以下のことを示している。
a.ミノキシジルと本発明の混合物とを含有する組成物で治療されたマウスの皮膚は、次のi.、ii.、iii.の皮膚よりも硬毛の被覆度が速いことを実証した:
i.同量の混合物非含有ミノキシジルを含有する組成物で治療されたマウスの皮膚、
ii.同量のミノキシジル非含有混合物を含有する組成物で治療されたマウスの皮膚、及び
iii.未治療のマウスの皮膚。
b.ミノキシジル非含有混合物を含有する組成物で治療されたマウスの皮膚は、未治療マウスの皮膚よりも硬毛の被覆度が速いことを実証した。
c.αケト酸と脂肪酸混合物との比が1:1であるが、酸化防止剤が比例的に少ない混合物を含有する組成物で治療されたマウスの皮膚は、同等に少ない量のαケト酸又は脂肪酸混合物(即ち、酸化防止剤と脂肪酸混合物との比、及びαケト酸と酸化防止剤との比が、それぞれ1:1の場合)を含有する混合物よりも硬毛の被覆度が速いことを実証した。
【0097】
以下の非限定的実施例は、本開示の組成物を更に説明する。各実施例の成分は、従来の混合技術を用いて当該成分を混合することによって調製された。
【表8】

【表9】

【0098】
〔実施の態様〕
(1) 育毛及び/又は発毛組成物であって、
a.以下の式
【化7】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、
及びRは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ(heptamethylenimino)、オクタメチレンイミノ(octamethylenimino)、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル(lower alkaralkyl)、低級アルコキシアラルキル(lower alkoxyaralkyl)、及び低級ハロアラルキル(lower haloaralkyl)、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.約0.1重量%〜約99重量%の混合物であって、前記混合物は、
i.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、クレブス回路の中間体、クレブス回路の中間体でないαケト酸、これらの誘導体、これらの塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
ii.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の酸化防止剤、並びに
iii.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸(myristoleic acid)、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ペンタデカン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸(margaroleic acid)、ベヘン酸、ジホモリノレン酸(dihomolinoleic acid)、アラキドン酸、及びリグノセリン酸からなる群から選択される少なくとも7種の不飽和又は飽和脂肪酸を含む脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源、を含む、混合物と、
を含む、組成物。
(2) 前記化合物がミノキシジルである、実施態様1に記載の組成物。
(3) 前記化合物が硫酸ミノキシジルである、実施態様2に記載の組成物。
(4) 前記酸がαケト酸である、実施態様1に記載の組成物。
(5) 前記αケト酸が、ピルビン酸、α−ケトグルタル酸、α−ケトイソ吉草酸、α−ケトイソカプロン酸、これらの塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様4に記載の組成物。
【0099】
(6) 前記αケト酸が、ピルビン酸、ピルビン酸リチウム、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸カリウム、ピルビン酸マグネシウム、ピルビン酸カルシウム、ピルビン酸亜鉛、ピルビン酸マンガン、ピルビン酸メチル、これらの塩、これらのプロドラッグ、及びこれらの混合物からなる群から選択されるピルビン酸である、実施態様5に記載の組成物。
(7) 前記ピルビン酸がピルビン酸ナトリウムである、実施態様6に記載の組成物。
(8) 前記酸化防止剤が、ビタミンA、ビタミンC、トコフェロール、ビタミンAのプロドラッグ、ビタミンCのプロドラッグ、及びビタミンEのプロドラッグ、ビタミンAの塩、ビタミンCの塩、及びビタミンEの塩、フラボノイド、ポリフェノール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様1に記載の組成物。
(9) 前記酸化防止剤が、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、トコキノン、トコトリエノール、これらのエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるビタミンEである、実施態様8に記載の組成物。
(10) 前記ビタミンEが、トコフェロールのエステル、β−トコフェロールのエステル、γ−トコフェロールのエステル、δ−トコフェロールのエステル、トコキノンのエステル、トコトリエノールのエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様9に記載の組成物。
【0100】
(11) 前記ビタミンEが、トコフェロールの酢酸エステル、β−トコフェロールの酢酸エステル、γ−トコフェロールの酢酸エステル、δ−トコフェロールの酢酸エステル、トコキノンの酢酸エステル、トコトリエノールの酢酸エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様10に記載の組成物。
(12) 乳酸塩を更に含む、実施態様1に記載の組成物。
(13) 好適な局所用担体の形態である、実施態様1に記載の組成物。
(14) 前記局所用担体が、軟膏、ペースト、ゲル、ゼリー、セラム、エアゾールスプレー、非エアゾールスプレー、泡、クリーム、ローション、溶液、又は懸濁液の形態である、実施態様13に記載の組成物。
(15) 育毛又は発毛組成物であって、
a.以下の式
【化8】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、
及びRは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.約5%〜約50%の混合物であって、前記混合物は、
i)前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、ピルビン酸、その塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
ii)前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の酸化防止剤、並びに
iii)前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源を含む、混合物と、を含み、
前記ピルビン酸成分と前記脂肪酸混合物との比が、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(約1:0.01)であり、前記ピルビン酸成分と前記酸化防止剤成分との比が、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(又は約1:1.01)であり、前記脂肪酸混合物成分と前記酸化防止剤成分との比が、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(又は約1:0.01)である、組成物。
【0101】
(16) 前記ピルビン酸成分又は前記脂肪酸成分と前記酸化防止剤成分との比が、1:1〜1:0.5である、実施態様15に記載の組成物。
(17) 育毛及び/又は発毛組成物であって、
a.以下の式
【化9】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、
及びRは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.約0.1%〜約99%の混合物であって、前記混合物は、
i.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、ピルビン酸、その塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
ii.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%のトコフェロール又はそのエステル、並びに
iii.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の脂肪酸混合物の供給源であって、前記脂肪酸混合物は、
1.前記脂肪酸混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%のオリーブ油、
2.前記脂肪酸混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%のカカオバター、及び
3.前記脂肪酸混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の綿実油を含む、油混合物である、脂肪酸混合物の供給源を含む、混合物と、
を含む、組成物。
(18) 育毛又は発毛組成物であって、
a.以下の式
【化10】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、
及びRは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.約0.1重量%〜約99重量%の混合物であって、前記混合物は、
i.任意に、前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%のαケト酸、
ii.任意に、前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の酸化防止剤、及び
iii.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ペンタデカン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸、ベヘン酸、ジホモリノレン酸、アラキドン酸、及びリグノセリン酸からなる群から選択されるがこれらに限定されない少なくとも7種の不飽和又は飽和脂肪酸を含む脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源を含む、混合物と、
を含む、組成物。
(19) 前記脂肪酸のそれぞれが、約0.2%〜0.4%の酪酸、約0.1%のカプロン酸、約0.3%〜0.8%のカプリル酸、約2.2%〜3.5%のカプリン酸、約0.9%〜5.5%のラウリン酸(laurie acid)、約2.8%〜8.5%のミリスチン酸、約0.1%〜0.6%のミリストレイン酸、約23.2%〜24.6%のパルミチン酸、約1.8%〜3.0%のパルミトレイン酸、約6.9%〜9.9%のステアリン酸、約36.0%〜36.5%のオレイン酸、約20%〜20.6%のリノール酸、約7.5〜7.8%のリノレン酸、約1.1%〜4.9%のアラキジン酸、及び約3.3%〜6.4%のガドレイン酸の重量で前記脂肪酸混合物中に存在する、実施態様18に記載の組成物。
(20) 前記脂肪酸のそれぞれが、約0.3%のミリスチン酸、約19%のパルミチン酸、約0.5%のパルミトレイン酸、約13%のステアリン酸、約44.4%のオレイン酸、約21.3%のリノール酸、及び約0.5%のリノレン酸の重量で前記脂肪酸混合物中に存在する、実施態様18に記載の組成物。
【0102】
(21) αケト酸を更に含む、実施態様18に記載の組成物。
(22) 育毛又は発毛組成物であって、
a.前記組成物の約0.1重量%〜約20重量%の、以下の式
【化11】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、R及びRは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.前記組成物の5重量%〜10重量%の酸と、
c.前記組成物の5重量%〜10重量%の酸化防止剤と、
d.前記組成物の5重量%〜10重量%の脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源であって、前記脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源は、
i)前記脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%の第1の油、
ii)前記脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%の第2の油、及び
iii)前記脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%の第3の油を含む、油混合物である、脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源と、
を含む、組成物。
(23) 実施態様1に記載の組成物の育毛を促すのに有効な量を局所的に適用することを含む、哺乳類の育毛の成長期の開始を速める方法。
(24) 実施態様1に記載の組成物の育毛を促すのに有効な量を局所的に適用することを含む、硬毛が哺乳類の皮膚に現れる速度を速める方法。
(25) 前記化合物がミノキシジルであり、前記哺乳類がヒトであり、前記適用部位がヒトの頭皮である、実施態様23に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
育毛及び/又は発毛組成物であって、
a.以下の式
【化1】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、
及びRは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.約0.1重量%〜約99重量%の混合物であって、前記混合物は、
i.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、クレブス回路の中間体、クレブス回路の中間体でないαケト酸、これらの誘導体、これらの塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
ii.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の酸化防止剤、並びに
iii.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ペンタデカン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸、ベヘン酸、ジホモリノレン酸、アラキドン酸、及びリグノセリン酸からなる群から選択される少なくとも7種の不飽和又は飽和脂肪酸を含む脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源、を含む、混合物と、
を含む、組成物。
【請求項2】
前記化合物がミノキシジルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記化合物が硫酸ミノキシジルである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記酸がαケト酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記αケト酸が、ピルビン酸、α−ケトグルタル酸、α−ケトイソ吉草酸、α−ケトイソカプロン酸、これらの塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記αケト酸が、ピルビン酸、ピルビン酸リチウム、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸カリウム、ピルビン酸マグネシウム、ピルビン酸カルシウム、ピルビン酸亜鉛、ピルビン酸マンガン、ピルビン酸メチル、これらの塩、これらのプロドラッグ、及びこれらの混合物からなる群から選択されるピルビン酸である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記ピルビン酸がピルビン酸ナトリウムである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記酸化防止剤が、ビタミンA、ビタミンC、トコフェロール、ビタミンAのプロドラッグ、ビタミンCのプロドラッグ、及びビタミンEのプロドラッグ、ビタミンAの塩、ビタミンCの塩、及びビタミンEの塩、フラボノイド、ポリフェノール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記酸化防止剤が、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、トコキノン、トコトリエノール、これらのエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるビタミンEである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記ビタミンEが、トコフェロールのエステル、β−トコフェロールのエステル、γ−トコフェロールのエステル、δ−トコフェロールのエステル、トコキノンのエステル、トコトリエノールのエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記ビタミンEが、トコフェロールの酢酸エステル、β−トコフェロールの酢酸エステル、γ−トコフェロールの酢酸エステル、δ−トコフェロールの酢酸エステル、トコキノンの酢酸エステル、トコトリエノールの酢酸エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
乳酸塩を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
好適な局所用担体の形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記局所用担体が、軟膏、ペースト、ゲル、ゼリー、セラム、エアゾールスプレー、非エアゾールスプレー、泡、クリーム、ローション、溶液、又は懸濁液の形態である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
育毛又は発毛組成物であって、
a.以下の式
【化2】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、
及びRは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.約5%〜約50%の混合物であって、前記混合物は、
i)前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、ピルビン酸、その塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
ii)前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の酸化防止剤、並びに
iii)前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源を含む、混合物と、を含み、
前記ピルビン酸成分と前記脂肪酸混合物との比が、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(約1:0.01)であり、前記ピルビン酸成分と前記酸化防止剤成分との比が、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(又は約1:1.01)であり、前記脂肪酸混合物成分と前記酸化防止剤成分との比が、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(又は約1:0.01)である、組成物。
【請求項16】
前記ピルビン酸成分又は前記脂肪酸成分と前記酸化防止剤成分との比が、1:1〜1:0.5である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
育毛及び/又は発毛組成物であって、
a.以下の式
【化3】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、
及びRは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.約0.1%〜約99%の混合物であって、前記混合物は、
i.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、ピルビン酸、その塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
ii.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%のトコフェロール又はそのエステル、並びに
iii.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の脂肪酸混合物の供給源であって、前記脂肪酸混合物は、
1.前記脂肪酸混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%のオリーブ油、
2.前記脂肪酸混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%のカカオバター、及び
3.前記脂肪酸混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の綿実油を含む、油混合物である、脂肪酸混合物の供給源を含む、混合物と、
を含む、組成物。
【請求項18】
育毛又は発毛組成物であって、
a.以下の式
【化4】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、
及びRは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.約0.1重量%〜約99重量%の混合物であって、前記混合物は、
i.任意に、前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%のαケト酸、
ii.任意に、前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の酸化防止剤、及び
iii.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ペンタデカン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸、ベヘン酸、ジホモリノレン酸、アラキドン酸、及びリグノセリン酸からなる群から選択されるがこれらに限定されない少なくとも7種の不飽和又は飽和脂肪酸を含む脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源を含む、混合物と、
を含む、組成物。
【請求項19】
前記脂肪酸のそれぞれが、約0.2%〜0.4%の酪酸、約0.1%のカプロン酸、約0.3%〜0.8%のカプリル酸、約2.2%〜3.5%のカプリン酸、約0.9%〜5.5%のラウリン酸、約2.8%〜8.5%のミリスチン酸、約0.1%〜0.6%のミリストレイン酸、約23.2%〜24.6%のパルミチン酸、約1.8%〜3.0%のパルミトレイン酸、約6.9%〜9.9%のステアリン酸、約36.0%〜36.5%のオレイン酸、約20%〜20.6%のリノール酸、約7.5〜7.8%のリノレン酸、約1.1%〜4.9%のアラキジン酸、及び約3.3%〜6.4%のガドレイン酸の重量で前記脂肪酸混合物中に存在する、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記脂肪酸のそれぞれが、約0.3%のミリスチン酸、約19%のパルミチン酸、約0.5%のパルミトレイン酸、約13%のステアリン酸、約44.4%のオレイン酸、約21.3%のリノール酸、及び約0.5%のリノレン酸の重量で前記脂肪酸混合物中に存在する、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
αケト酸を更に含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項22】
育毛又は発毛組成物であって、
a.前記組成物の約0.1重量%〜約20重量%の、以下の式
【化5】

により表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びにこれらの混合物
(式中、Rは、式−N(R)(R)の部分からなる群から選択される部分であり、R及びRは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アラルキル、及び低級シクロアルキルからなる群から選択され、R及びRは、一緒になって、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘプタメチレンイミノ、オクタメチレンイミノ、モルホリノ、及び4−低級アルキルピペラジニルからなる群から選択される複素環部分であってもよく、前記複素環部分のそれぞれは、炭素原子上の置換基として0〜3個の低級アルキル基、ヒドロキシ、又はアルコキシを結合しており、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級アルカリル、低級アルカラルキル、低級アルコキシアラルキル、及び低級ハロアラルキル、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩からなる群から選択される)と、
b.前記組成物の5重量%〜10重量%の酸と、
c.前記組成物の5重量%〜10重量%の酸化防止剤と、
d.前記組成物の5重量%〜10重量%の脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源であって、前記脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源は、
i)前記脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%の第1の油、
ii)前記脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%の第2の油、及び
iii)前記脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%の第3の油を含む、油混合物である、脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源と、
を含む、組成物。
【請求項23】
請求項1に記載の組成物の育毛を促すのに有効な量を局所的に適用することを含む、哺乳類の育毛の成長期の開始を速める方法。
【請求項24】
請求項1に記載の組成物の育毛を促すのに有効な量を局所的に適用することを含む、硬毛が哺乳類の皮膚に現れる速度を速める方法。
【請求項25】
前記化合物がミノキシジルであり、前記哺乳類がヒトであり、前記適用部位がヒトの頭皮である、請求項23に記載の方法。

【公表番号】特表2013−520400(P2013−520400A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544668(P2012−544668)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/060003
【国際公開番号】WO2011/081861
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(506105814)マクニール−ピーピーシー・インコーポレーテツド (69)
【Fターム(参考)】