説明

脂肪分解活性を有する化合物、その取得方法および利用方法

本発明は脂肪分解活性を有する化合物に関するものであり、該化合物は、とりわけフラボノイド状をしたポリフェノール、特にフラバノンとアントシアンと、フェノール酸およびカフェインを少なくとも含んでいる。本発明はまた、このような化合物の取得方法と、脂肪の燃焼を促進し、体重の減少を促進することを目的とした投与のための、化合物の利用方法にも関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に柑橘類から得られる、脂肪分解活性を有する化合物に関するものである。
【0002】
さらに本発明は、そのような化合物の取得方法ならびにそのような化合物の利用方法にも関するものである。
【0003】
本発明は栄養補助食品の分野および食品用途を目的とした、つまり、とりわけ食品への混入を目的とした粉末の分野に関するものである。
【背景技術】
【0004】
脂肪分解は、有機体による脂肪の分解に対応する生物学的現象である。
【0005】
特に、このような分解は、脂肪組織に脂肪の形で蓄えられているエネルギーを放出させることができる。生理学的な領域においては、この分解はとりわけ含脂肪細胞で生じ、前記含脂肪細胞に蓄えられているトリグリセリドの加水分解によって脂肪酸とグリセロールを放出することからなる反応という形をとる。
【0006】
したがって、脂肪分解現象を促進させることは、脂肪分解が脂肪の燃焼へとつながる限りにおいて、体重の減少や筋肉の運動によって補助される肉体の強化を促進するための効果的な方法であり、身体能力を向上させることもできる。
【0007】
この意味での作用を目的としたいくつかの栄養補助食品が知られているが、これらはシネフリン、つまりエフェドリンと構造的に類似するアルカロイドを含入している。これらの分子を含んだ化合物の使用の結果、心臓血管および脳血管といったレベルで望ましくない作用が報告されている。
【0008】
また、その他の分子もその潜在的な脂肪分解活性によって知られているが、この活性に限定されるものではない。それはたとえば、テオフィリン、カフェイン、あるいはイソプロテレノールである。テオフィリンとカフェインが茶やコーヒーといった植物中に自然に見つけられるために広く知られてはいるが、これらは興奮物質でもあり、過剰な摂取は健康でバランスのとれた食習慣とは相容れないものである。イソプロテレノールは薬物である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、その食品用途を目的とした、天然由来で、好ましくないあらゆる副作用がなく、効果的な脂肪分解活性を有する栄養補助食品または粉末を望んでいる消費者の期待に応えようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
果物、とりわけ柑橘類の抽出物に対して行ってきた研究によって、本発明による化合物の優れた脂肪分解作用を明らかにすることができた。
【0011】
そのため、本発明は脂肪分解活性を有する化合物に関するものであり、該化合物は、とりわけフラボノイド状をしたポリフェノール、特にフラバノンおよびアントシアニンと、フェノール酸、そしてカフェインを少なくとも含むことを特徴としている。
【0012】
本発明による化合物は、さらにビタミンCを含むことができる。
【0013】
本発明のもう一つの特徴によると、本発明による化合物は少なくとも30%、好ましくは60%から90%のポリフェノールを含んでいる。
【0014】
本発明のもう一つの特徴によると、本発明による化合物は0.1%から4%のカフェインを含んでいる。
【0015】
本発明のもう一つの特徴によると、本発明による化合物は0.1%から3%のビタミンCを含んでいる。
【0016】
本発明のもう一つの特徴によると、本発明による化合物は、少なくとも0.1%から30%のフラバノン、0.01%から10%のアントシアニンおよび0.01から5%のフェノール酸を含んでおり、これにおいてパーセントは化合物全体に対するものである。
【0017】
有利には、本発明による化合物は、ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)、オレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)、ダイダイ(Citrus aurantium L.var.amara)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、ガラナ(Paulinia cupanna)、マテ(Illex Paraguariensis)、コーラ(Cola Nitida)のうち一つまたは複数の植物種の混合物から得られるものである。
【0018】
本発明のもう一つの特徴によると、本発明による化合物は、少なくとも5重量%から30重量%のブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)、5重量%から30重量%のグレープフルーツ(Citrus paradisi)、5重量%から25重量%のオレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)、1重量%から10重量%のダイダイ(Citrus aurantium L.var.amara)および5重量%から20重量%のガラナ(Paulinia cupanna)を含む植物種の混合物から得られる。
【0019】
有利には、本発明による化合物は、単独あるいは補助的なアジュバントとともに、水溶性または不水溶性の粉末を呈する。この粉末は、さまざまな生薬剤に組み入れることあるいは食品に単独で用いることができる。
【0020】
さらに、本発明は、本発明によるこのような化合物の取得方法にも関するものであり、該方法は、少なくとも、
−ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)とオレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)の果汁からポリフェノールを抽出する過程と、
−ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、オレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)およびダイダイ(Citrus aurantium L.var.amara)の副産物からポリフェノールを抽出する過程と、
−先行する抽出過程で得られた抽出物を混合する過程と、
−混合過程に続いて、マルトデキストリン担体上で霧化することで混合物を乾燥させる過程と、
−乾燥過程に続いて、カフェインの標準化、とりわけガラナ(Paulinia cupanna)および/またはマテ(Illex Paraguariensis)および/またはコーラ(Cola Nitida)の抽出物の乾燥過程で生じた産物に加えることでカフェインを標準化する過程と、
−そして最後に、粉末を得るために、生じた産物をふるいにかける過程、
を含むことを特徴としている。
【0021】
本発明のもう一つの特徴によると、本方法は、ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)およびオレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)の果汁からアントシアニンおよびフェノール酸の抽出、およびブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、オレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)およびダイダイ(Citrus aurantium L.var.amara)の副産物からフラバノンの抽出を行うことを特徴としている。
【0022】
さらに、本発明は、栄養補助食品としての、または食品、とりわけ果汁および/または野菜汁といった飲料ならびに乳製品の栄養価を高めるための、本発明による化合物の利用方法にも関するものである。
【0023】
有利には、本発明による化合物は、脂肪の燃焼を促進すること、または体重の減少を促進することを目的とした投与に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による化合物の効能を証明する実験結果を示しているグラフ
【図2】4週目と12週目の平均体重の推移の結果を示しているグラフ
【図3】4週目と12週目の平均脂肪塊の推移の結果を示しているグラフ
【図4】本発明による化合物の取得方法の実施態様を図示するダイアグラム
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の目的および利点は、いくつかの実施例に関して述べる詳しい説明によって明らかになるものである。この説明は、添付図面を参照することでより理解しやすくなり、該添付図面において、図1から図3は本発明による化合物の効能を証明する実験結果を示しており、図4は本発明による化合物の取得方法の実施態様を図示するダイアグラムである。
【0026】
本発明は、栄養補助食品の分野および食品用途を目的とした、つまり、とりわけ食品への混入を目的とした粉末に関するものであり、より特徴的には、特に柑橘類から得られる、脂肪分解活性を有する化合物に関するものである。
【0027】
該化合物を得るための植物種は、相乗的に作用する活性物質の適切な配合をもたらす化合物が得られるように考慮されている。
【0028】
特に、本発明による化合物は、とりわけフラボノイドとフェノール酸の形をしたポリフェノールの効果と、該化合物が含有するカフェインの効果との間の相乗効果を利用するものである。
【0029】
有利には、相乗効果は、さらにビタミンCがあることによって高められる。
【0030】
より詳細には、ポリフェノールはフラボノイドおよびフェノール酸の形で見つけられる。より特徴的には、本発明による化合物は、フラボノイドの二つのサブグループであるフラバノンとアントシアニンの特徴的な含有量と、フェノール酸の特徴的な含有量とを有する。
【0031】
表1は、本発明による化合物の好ましい実施態様における、これら多様な主要活性物質の配合を示している。
【0032】
より特徴的には、本発明による脂肪分解活性を有する化合物は、少なくとも30%のポリフェノール、好ましくは60%から90%のポリフェノールと、0.1%から4%のカフェインを含んでいる。
【0033】
より特徴的には、ポリフェノールはフラバノン、アントシアニンおよびフェノール酸として現れる。有利には、化合物はより特徴的には0.1%から30%のフラバノン、0.01%から10%のアントシアニンおよび0.01%から5%のフェノール酸を含み、これにおいてパーセントは化合物全体に対するものであり、存在するポリフェノール全体が少なくとも化合物全体の30%に達する。
【0034】
フラバノンは、排他的でも包括的でもない、もっとも一般的な仕方で、たとえば、ヘスペリジン、ナリンギン、イソナリンギン、ナリルチン、ネオヘスペリジン、ナリンゲニンといった形を呈することができる。
【0035】
アントシアニンは、排他的でも包括的でもない、もっとも一般的な仕方で、たとえば、シアニジン−3−グルコシド、マルビジン−3−グルコシド、ペオニジン−3−グルコシド、ペチュニジン−3−グルコシドといった形を呈することができる。
【0036】
フェノール酸は、排他的でも包括的でもない、もっとも一般的な仕方で、たとえば、カフェイン酸、クマリン酸、フェルラ酸、ケイ皮酸、シナピン酸といった形を呈することができる。
【0037】
有利には、ビタミンCが化合物全体の0.1%から3%程度含まれる。
【0038】
パーセントは、さまざまな方法を通じて、本発明の化合物のサンプルの分析に基づいて計算した。ポリフェノール全体は280nm紫外線分光光度計を用いて測定され、アントシアニンは550nmの同一技術を用いることで測定される。フラバノン、フェノール酸、さらにアントシアニン、カフェインおよびビタミンCに関しては、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によって測定される。
【0039】
次に説明する最適化された方法によって、本発明による脂肪分解活性を有する化合物を得ることが可能になり、該化合物は、最終的には、水溶性または不溶性の粉末の形を呈する。
【0040】
驚くべきことに、実験によって、上述した活性物質の配合が目指す目的に対して特に効果的であること、つまり、脂肪の燃焼ならびに身体能力の向上に対する効果が分かった。
【0041】
より特徴的には、本発明による化合物は脂肪分解に作用する。
【0042】
これらの実験をより良く理解するためには、脂肪分解に関与する生物学的要因を事前に述べておく必要がある。
【0043】
脂肪分解とは、脂肪の加水分解によって脂肪酸およびグリセロールを放出することからなる反応である。これは食物の脂質の消化だけではなく、脂肪組織にも見られることがあり、該組織では、周辺的な脂肪分解反応は、有機体の含脂肪細胞に蓄えられたトリグリセリドの加水分解によって脂肪酸とグリセロールを放出することからなる。これは、我々にとって特に興味深いのは、蓄えられた脂肪の燃焼という期待される効果に対応する反応である。
【0044】
脂肪分解はホルモンに対する感度の高い反応であり、とりわけアドレナリンまたはノルアドレナリンのような「カテコールアミン」ホルモンに対する反応である。該脂肪分解は、そのホルモンの含脂肪細胞のβ−3受容体との結合によって開始され、この開始によって、サイクリックAMP(cAMP)の合成酵素であるアデニル−シクラーゼの活性化を引き起こし、この活性化がこのようにしてサイクリックAMP(cAMP)の細胞内増加へとつながる。サイクリックAMP(cAMP)はトリグリセリド・リパーゼの活性化分子であり、それ自体、含脂肪細胞中にトリグリセリドの形で蓄えられている貯蔵脂肪を放出する原因となる。貯蔵脂肪の放出は、
1トリグリセリド→3遊離脂肪酸(FFA)+1グリセロール、
という反応式にしたがって、トリグリセリドの加水分解によって行われる。
【0045】
放出されたFFAは、今度は有機体の細胞にとってエネルギー基質の役割を果たす。
【0046】
脂肪分解の阻害は期待される効果と逆の効果を誘発し、とりわけ二つの酵素、カテコール−o−メチル転移酵素およびホスホジエステラーゼの作用によって引き起こされることがある。カテコール−o−メチル転移酵素はβ−3受容体に結合するホルモンの異化作用に関与し、FFAの放出へとつながるサイクルの刺激の制限につながる。ホスホジエステラーゼは、サイクリックAMP(cAMP)を不活性の非環状の形へと分解させることに関与し、このこともまた、FFAの放出へとつながるサイクルの刺激の制限につながる。
【0047】
本発明による化合物の効力を試験するために行った実験は、一方では、その他の物質との比較において、まだ非エステル化脂肪酸(NEFA)と呼ばれるFFAの放出での本発明による化合物の効果を評価することを目的とした、ヒトの含脂肪細胞に対して行ったエクスビボ実験からなり、また他方では、インビボ実験、つまり、偽薬との比較において、本発明による化合物を投与した過体重の被験者に対して行った臨床研究からなるものである。
【0048】
これらの二つの実験によって、特に本発明による化合物の投与による生理作用が明らかになった。
【0049】
実験1。
表2および図1に結果を示した第一の実験は、懸濁液に保持されているヒトの含脂肪細胞による非エステル化脂肪酸(NEFA)の放出について、本発明による化合物の投与効果を検出することを目的としている。実際、この測定によって、含脂肪細胞のトリグリセリドの加水分解に対する本発明の化合物の効果が明らかになった。
【0050】
この実験は、35歳女性の提供者の腹部形成から単離したヒトの含脂肪細胞に対して行った。受容の直後から、脂肪組織の断片を37℃で30分間、コラゲナーゼのもとでインキュベートした。単離・洗浄した含脂肪細胞を4ボリュームの試験培地(1.87mg/mLの重炭酸塩、25UI/mL/25μg/mLのペニシリン/ストレプトマイシン、2mMのグルタミン、フェノールレッドのないqsq100%のMEM(v/v)に取り、0.5%の脱脂されたウシ血清アルブミン(w/v))が加えられた。
【0051】
比較結果を得るために、さまざまな化合物、つまり、テオフィリン溶液、イソプロテレノール溶液、カフェイン溶液、カフェインで12%に滴定したガラナの溶液、そして本発明による化合物の溶液に対し、NEFAの測定前の懸濁した含脂肪細胞についての試験を行なった。
【0052】
試験培地中の540μLの含脂肪細胞懸濁液に試験すべき化合物を60μL添加し、そして混合物を攪拌下において2時間、37℃でインキュベートした。
【0053】
試験培地中の10−2Mの保存溶液から開始して、1mMの試験した混合物におけるテオフィリンの最終濃度を維持した。
【0054】
同様に、試験培地中の10−2Mの保存溶液から開始して、1μMの試験した混合物におけるイソプロテレノールの最終濃度を維持した。
【0055】
同じく、試験培地中の5mMの保存溶液から開始して、0.5mMの試験した混合物におけるカフェインの最終濃度を維持した。
【0056】
カフェイン中で12%に滴定されたガラナは粉末の形で提供されているため、試験培地において貯蔵液を20mg/mL、2%(w/v)となるように調製した。この貯蔵液から開始して、試験した混合物の貯蔵液の三つの、1%、0.2%、そして0.04%の最終的な希釈物に対して試験を行った。
【0057】
本発明による化合物は粉末であるため、該化合物は、一方ではDMSOで、他方では試験培地で希釈した。DMSOで調製した貯蔵液は、0.01%の試験した混合物のDMSO溶液における本発明による化合物の最終濃度について、10mg/mL、すなわち1%(w/v)となるように希釈した。
【0058】
試験培地で調製した貯蔵液は、1%と0.2%の試験した混合物の試験培地溶液における本発明による化合物の最終濃度について、20mg/mL、すなわち2%(w/v)となるように希釈した。
【0059】
試験培地中に含脂肪細胞しか含まない対照も作成した。
【0060】
合計で、化合物の添加の有無において異なる10の画分から、10通りの配合を行った。
【0061】
インキュベーションに続いて、5分間のデカンテーションの後、30μLの培地の画分中でNEFAが測定された。配合は通例通り、NEFA−C測定キットによって行った。
【0062】
測定したデータは統計的に処理した。グループ間の比較は、ダネットの多重比較検定を用いた分散分析(ANOVA)によって行った。
【0063】
この研究の結果は表2および図1に示されており、該図1は、表2に示した結果のグラフ表示からなる。
【0064】
対照が示すように、基礎脂肪分解は2時間で放出された36μMのNEFAだった。
【0065】
1mMのテオフィリンおよび1μMのイソプロテレノールは顕著に脂肪分解を刺激した(それぞれ対照に対して係数10、p<0.01)。0.5mMの試験したカフェインは、NEFAの放出をはっきりと刺激した(対照に対して係数およそ9.5、p<0.01)。このように、効果の知られている対照化合物であるこれらの化合物で得られた脂肪分解の刺激は、非エステル化脂肪酸(NEFA)の放出実験が有効であることを示している。
【0066】
水相の試験培地に溶解した本発明による化合物の添加は1%および0.2%で試験され、NEFA放出の明らかな刺激を結果として有している(それぞれ対照に対しておよそ係数7および6)。これらの刺激は容量に応じて変動することが明らかになった。DMSOに溶解し、0.01%で試験した本発明による化合物は、試験培地中において1%で得られたものに似た活性によって脂肪分解を刺激した。
【0067】
最後に、1%、0.2%、0.04%で試験した、カフェイン中で12%に滴定したガラナ希釈液は、脂肪分解活性を顕著かつ容量に応じた仕方で刺激した(それぞれ対照に対して係数5.3ならびに2.5)。
【0068】
また、NEFAの配合と産物の干渉がない対照も系統的に行った。陰性の対照は、用いた最終濃度の化合物の画分の光学密度(OD)を測定することで行った(培地は同じだが、含脂肪細胞を含まない)。化合物の存在は信号を顕著に増加させてはならない、すなわち、化合物の存在はサンプルのODを大きく変えてはならず、このことは、用いた最終的な希釈の化合物が持つ高いOD、あるいは試験用化合物中に無視できない量の脂肪酸があることに起因している可能性がある。陽性対照は、試験する化合物があるときまたはないときに、一定量のNEFA(0.5mM)を配合することで行った。産物の存在は、信号を顕著に減少させてはならない。
【0069】
示した実験条件において、化合物は対照の一方または他方に対してNEFAの配合との干渉を示さなかった。ただ一つの弱い相互作用が、DMSOで希釈した本発明による化合物で観察され、該希釈液において、陽性対照は弱い干渉を示したが(過小評価されたNEFAの配合量)、この干渉は結果の解釈を妨げるものではない。
【0070】
この実験の結論としては、実験条件のもと、等しい配合量では、本発明による化合物はガラナの活性より高い脂肪分解活性を示し、ヒトの含脂肪細胞におけるエクスビボ脂肪分解を刺激するための活性を構成する構成要素の相乗効果を明確に証明している。
【0071】
実験2。
第二の実験は臨床研究からなり、該実験の結果は表3から表6、図2および図3に示されている。この研究は、偽薬の投与と比較して、過体重の被験者に対する本発明による化合物の投与の効果を検出することが目的である。二つの変数、つまり、体重と脂肪塊のパーセントが検査された。
【0072】
実際、これらの変数は、脂肪分解の結果である脂肪燃焼活性と、それに続く体重の減少に対する、本発明による化合物の作用の巨視的な指標となっている。
【0073】
臨床研究は二つのグループに振り分けられた20人の被験者を対象とした。
−「偽薬」と名付けた10人(女性9、男性1)のグループであり、肥満度指数(BMI)が27と30の間、平均のBMIは28.5である。このグループの被験者の年齢は22歳と55歳の間に含まれ、研究当初に確認した平均体重は73kgだった。
−「本発明による化合物」と名付けた10人(女性7、男性3)のグループであり、平均BMIは28.1である。より特徴的には、二つのサブグループが分類され、第一のサブグループA(女性4)は、BMIが29と33の間にある肥満症と考えられる被験者で構成され、第二のサブグループBは(女性3、男性3)は、BMIが27と30の間にある過体重と考えられる被験者で構成された。被験者の年齢は25歳と55歳の間に含まれ、研究当初に確認した平均体重は70.5kgだった。
【0074】
BMIは肥満の研究によく用いられている指標であり、kg表示による人の体重をメートル表示の身長の二乗で割ったものに相当する(BMI=kg/m)。
【0075】
過体重にも関わらず、研究の被験者らは、妊娠しておらず、非喫煙者であり、医薬品またはその他のあらゆる栄養補助食品を摂取していない、健康の問題のない人が選択された(肝臓、心臓血管または腎臓の機能不全は完全に除外される)。
【0076】
被験者は12週間追跡調査され、この期間、「本発明による化合物」のグループには、本発明による化合物を、本発明による化合物の粉末をそれぞれ350mg含有した4つのカプセルの形で、朝2カプセル、夕食中に2カプセルの割合で投与した。「偽薬」グループは同一形の偽薬を摂取した。
【0077】
被験者は、研究前の日常の運動量ならびに食事習慣(一日あたり1500から2000カロリーの間)を保持した。
【0078】
生体電気インピーダンス法による被験者の脂肪塊のパーセンテージと体重測定による体重を、この12週間、定期的に測定した。
【0079】
表3および表4は、それぞれ「偽薬」グループと「本発明による化合物」グループの被験者における、体重測定に対応するデータを示している。
【0080】
「偽薬」グループの被験者においては、個別または平均で体重の減少が有意ではないが、「本発明による化合物」グループの被験者は4週目で平均3kg、12週目で5、6kg、体重が減少するのを確認した。
【0081】
図2はグラフの形で、とりわけ4週目と12週目の、両方のグループにおける平均体重の推移の結果を示している。
【0082】
より特徴的には、サブグループAの被験者は当初、29と33の間という高いBMIを有していたが、12週の研究の後、最も顕著な体重の減少を示した。
【0083】
表5および表6は、それぞれ「偽薬」グループの被験者と「本発明による化合物」グループの被験者における、脂肪塊の測定に対応するデータを示している。
【0084】
明らかに、「偽薬」グループの被験者においては、個別または平均で脂肪塊の減少が有意でないが、「本発明による化合物」グループの被験者は4週目で平均5.9%、12週目で15.6%の脂肪塊の低下を確認した。
【0085】
図3はグラフの形で、とりわけ4週目と12週目の、両方のグループにおける平均脂肪塊の推移の結果を示している。
【0086】
より特徴的には、サブグループAの被験者は当初、29と33の間という高いBMIを有していたが、12週間の研究の後、脂肪塊の最も顕著な減少を示した。
【0087】
本発明による化合物を毎日1.4グラム用いた12週間の治療の間、いずれの被験者においても、頻脈や血圧の低下といった、いかなる重大な副作用も観察されなかった。
【0088】
この臨床研究から、本発明による化合物は、脂肪の燃焼および体重の減少に関する効果に関し、確実であり効果的であることが明らかになる。
【0089】
本発明による化合物を得るためには、植物、とりわけ柑橘類の選択を行い、その組み合わせは、特に前記化合物を得るために適合化されている。表7は、好ましい実施態様による必要不可欠な植物種を示しており、これにおいて、化合物は、ブラッド・オレンジ、オレンジ、ダイダイ、グレープフルーツおよび、好ましくはガラナの混合物から得られる。有利には、各植物種の割合を固定する重量パーセントは遵守される。
【0090】
しかし、その他の実施態様によると、カフェインの標準化はマテ(Illex Paraguariensis)またはコーラ(Cola Nitida)のような植物種から、これらの種とガラナのあらゆる組み合わせにしたがって得ることができる。
【0091】
選択されるブラッド・オレンジの種類は、有利には次のリストの通りである:Citrus sinensis L.Osbeck CV ‘Sanguinelli’、Citrus sinensis L.Osbeck CV ‘Tarocco’、Citrus sinensis L.Osbeck CV ‘Melitense’、Citrus sinensis L.Osbeck CV‘St Michael’。
【0092】
本発明による化合物およびその構成要素が天然由来であることは、含脂肪細胞における脂肪分解作用を高めることを可能にする二重の作用メカニズムの説明となる。本発明による化合物はまったくシネフリンを含んでいないことが喚起されるだろう。
【0093】
これらの構成要素の大部分が持つポリフェノール構造によって、カテコール−o−メチル転移酵素の作用を阻害することが可能となるのに対し、そのポリフェノールおよびキサンチンベースのみの結合は、ホスホジエステラーゼの作用を阻害することを可能にする。
【0094】
比較のためにいえば、テオフィリン作用はカテコール−o−メチル転移酵素にもっぱら作用し、カフェインの作用がホスホジエステラーゼに作用することが知られている。
【0095】
最後に、本発明による化合物は好ましい方法によって得られるものであり、その過程を以下に再掲する。また、図4は、前記方法の実施態様の詳細な下位過程を、ダイアグラムを用いて示している。
【0096】
この方法は本発明による化合物を得ることに完全に適合化されている。とりわけ、該方法は二つの基本事項に基づいている。一つは、該方法によって相乗的に脂肪分解活性を有しているポリフェノールの集合(先に詳述したように異なる複数のサブグループに属する)を選択的に抽出することが可能となり、もう一つは、該方法によって、カラム上での選択的な精製過程によって、最終的な化合物中にシネフリンが存在しないことを確実にすることである。
【0097】
より特徴的には、本発明による化合物を構成するポリフェノールの選択的抽出に関しては、本発明による化合物を得るためには植物種、とりわけ柑橘類の混合を行うことが必要であり、求められるポリフェノールはすべてが単一の植物種に存在するわけではなく、複数の植物種に存在する。さらに、さまざまなポリフェノールは、前述の規則に従って事前に選択された植物種の果汁、あるいは皮および/または種に主に存在し、したがって、とりわけ果汁および皮から二重に抽出することが必要である。
【0098】
有利には、本発明による化合物は、水溶性または水溶性ではない粉末の形で得ることができる。
【0099】
本発明による化合物の取得方法をより良く示すために、四つの異なる過程を示すことにする。すなわち、
−過程1と呼ぶ第一の過程であり、選択された柑橘類の果汁からのポリフェノール、とりわけアントシアニンとフェノール酸の抽出からなる過程と、
−過程2と呼ばれる第二の過程であり、選択された柑橘類の皮および/または種からのポリフェノール、とりわけフラバノンの抽出からなる過程と、
−過程3と呼ばれる第三の過程であり、それぞれ過程1および過程2で得られた産物の混合に続いて、水不溶性の、本発明による化合物の粉末を得ることを可能にする過程と、
−過程4と呼ばれる第四の過程であり、それぞれ過程1および過程2で得られた産物の混合に続いて、水溶性の、本発明による化合物の粉末を得ることを可能にする過程である。
【0100】
したがって、過程1および過程2は過程3および過程4に先行するわけだが、過程1および過程2は平行して行うことができる。過程3および過程4は本発明による化合物の粉末を得るための相互的な二つの実施態様であり、過程4は、過程3による粉末の取得方法に対して補足的な過程が加わっている点で過程3とは区別される。
【0101】
以下では、本発明による前記方法の実施態様を示すが、これにおいて、前記方法を構成する下位過程を特に詳しく説明する。図4は、符号を使い(本明細書の括弧の中に表示される符号)、これら下位過程の時系列をダイアグラムを用いて示している。
【0102】
過程1。
第一の過程は選択された柑橘類の果汁からポリフェノールを抽出することからなる。より特徴的には、用いる柑橘類は、ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)およびオレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)である。好ましくは、生の柑橘類が用いられる。乾燥あるいは冷凍した柑橘類を用いることも可能である。
【0103】
アントシアニンはポリフェノール類に属し、炭素鎖C3−C6−C3のピリリウム環を囲む二つのベンゼン環が存在することを特徴としている。ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)では、アントシアニンは糖の形で存在する(グルコースのような単糖類)。グリコシル化はアントシアニジン(アグリコン形)の3位で起こる。ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)の中で支配的なアントシアニンはシアニジン−3−グルコシドである。フェノール酸も柑橘類の果汁に存在する。
【0104】
こうして、過程1によって、より特徴的にはこれら柑橘類のアントシアニンとフェノール酸の抽出が可能となる。
【0105】
ビタミンCも柑橘類の果汁に存在し、同時に抽出される。
【0106】
選択した柑橘類は冷やした状態で、個別あるいはさまざまなグループの組み合わせで圧搾される(1a)。
【0107】
圧搾で得られた果汁のpHは、0.1%、12Mの塩酸(HCl)または10%のギ酸を加えて1.5と2の間に含まれる値にすぐに調整する(1b)。本来的にフラビリウム・カチオンの形(最も安定した形)をしているアントシアニンを保持するためには低い値のpHが必要なのである。事前の研究では、97%のアントシアニンが1.5と2の間に含まれるpHでフラビニウム・カチオンの形であったが、pHの値が2.5を超えるときには55%に過ぎなかった。
【0108】
次に、果汁は30分間、4000回転/分で3時間、遠心分離にかけられ(1c)、液相は、カラム上での分離によって精製するために回収される(1d)。
【0109】
特にシネフリンを除去するため、慣例のように、異なる溶媒を用いた二重の溶出を行った(本発明による化合物の枠組みではシネフリンは完全に除去される)。アントシアニンとフェノール酸は、多数の吸着カラムに可逆的に固定する能力を持っており、こうしてシネフリンを除去することが可能となる。用いるカラムは、有利には、それぞれの割合が70:30から95:5のポリビニルピロリドン(pvp)とゲル(Sephadex G25)の混合物で構成することができる。もちろん、果汁がカラムを通過したときにアントシアニンとフェノール酸をうまく保持させることから、良好な分離のためにはこの担体混合物が最も効果的であることが明らかであっても、その他のタイプのカラムを選択することもできる。
【0110】
二つの部分への分割は用いられる溶出溶媒に応じて得られる。第一の画分は水を用いたカラムの溶出後に得られ、該カラムは、第一の画分に水溶性の糖、酸および多糖類をもたらす。第二の画分はエタノール/水/ギ酸(それぞれ30:68:2から83:15:2の割合)といった混合溶媒による溶出後に得られ、これによって、主として、第二の画分ではアントシアニン−3−モノグルコシドとフェノール酸を得ることが可能となる。
【0111】
これら二つの画分をHPLC法でコントールすることで、シネフリンやオクトパミンのような阻害物質がないことが分かった。
【0112】
次に、結果として生じた画分は混合され(1e)、そして該混合物は真空下で濃縮され(1f)、このことによって、濃縮物1と呼ぶ濃縮物を得るために、用いた溶媒すべてと大部分の水を除去することが可能となる。
【0113】
柑橘類の50%の質量がそれらの果汁で構成されていれば、この唯一の圧搾から非常に多い副産物が生じる(主として皮と種)。したがってこれらの副産物は過程2で用いられることになる。
【0114】
過程2。
第二の過程は選択された柑橘類の副産物からポリフェノールを抽出することからなる。より特徴的には、用いる柑橘類は、ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、オレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)、およびダイダイ(Citrus aurantium L.var.amara)である。
【0115】
好ましくは、生の柑橘類の副産物が選択されるが、該副産物は乾燥または冷凍されたものであってもよい。
【0116】
こうして、過程2によって、より特徴的にはこれらの柑橘類からフラバノンを抽出することが可能となる。
【0117】
ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、オレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)およびダイダイ(Citrus aurantium L.var.amara)の副産物の混合物を、溶媒、たとえばそれぞれ40:10:50の割合のエタノール/メタノール/水の混合物のもと、1時間から12時間、摂氏40から70℃で抽出器に置く(2a)。
【0118】
次に、混合物を4時間から6時間、抽出器内で休ませる(2b)。
【0119】
次に、抽出器の内容物を、30分から3時間、4000回転/分で遠心分離する(2c)。固相を分離し、液相を精製カラムに入れる(2d)。該カラムは有利には樹脂カラムではあるが、これに限定はされない。フラバノンは、それぞれ65:5:30の割合にあるエタノール/メタノール/水による溶媒混合物によるカラムの溶出後に得られる。
【0120】
生じた最終的な抽出物は、必要に応じて先行過程で生じたさまざまな抽出物の混合後(任意の過程2e)、濃縮物2と呼ぶ濃縮物を得るために真空下で濃縮する(2f)。
【0121】
過程3。
第三過程は、粉末を得るために、二つの濃縮物1および濃縮物2を混合することからなる(3a)。こうして混合された濃縮物1および濃縮物2は、マルトデキストリン担体上で霧化することで乾燥される(3b)。得られた産物は、80:20から95:5の本発明による化合物/ガラナ抽出物の比率にしたがって、天然カフェイン中で12%に滴定されたガラナ(Paulinia cupanna)の抽出物と混合することで、カフェインを標準化する(3c)。最終的な天然カフェインの含有量は本発明による化合物の0.1%から4%の間で変動する。たとえばマテまたはコーラなどを用いることなどのような、その他の一般的なカフェイン源も、この目的を達成するために用いることができる。最終的な産物をふるいにかけることで(3d)、水不溶性であり、粒度が40メッシュと100メッシュの間にある、本発明による化合物の粉末を得ることができる。
【0122】
過程4。
第四の過程は、水溶性の粉末を得ることを目的として濃縮物1および濃縮物2を混合する(4a)ことからなる。こうして混合された濃縮物1および濃縮物2は、二つの濃縮物の混合物1単位あたり10単位の水という割合で、水を用いて溶液にし(4b)、不活性雰囲気において、攪拌下で1時間から5時間、20℃に保つ(4c)。
【0123】
次に、1時間から3時間、デカンテーションによって不溶性粒子を分離する(4d)。続いて表面の画分を採取する。前述した分離(4bから4d)と同様に、分離を新たに行うため、不溶性堆積物が水で処理される。
【0124】
そして、回収された液体画分を紙のフィルターで濾過する(4e)。不溶性/水溶性という二つの画分の最終的な比率はそれぞれ、15%から30%の不溶性画分、85%から70%の水溶性画分である。
【0125】
次に、水溶性画分は過程3で説明したものと同一の処理、つまり、真空下で濃縮し(4f)、マルトデキストリン上での霧化によって乾燥する(4g)という処理にかけられる。
【0126】
得られた産物は、80:20から95:5の本発明による化合物/ガラナという比率にしたがって、天然カフェイン中で12%に滴定されたガラナ(Paulinia cupanna)の抽出物と混合することで、カフェインを標準化する(4h)。天然カフェインの最終的な含有量は本発明による化合物において0.1%から4%の間で変動する。この目的を達成するために、たとえばマテやコーラなどを用いることなどのような、その他の一般的なカフェインの源を用いることもできる。最終的な産物はふるいにかけることで(4i)、水溶性であり、粒度が40メッシュと100メッシュの間にある、本発明による化合物の粉末を得ることができる。
【0127】
本発明による方法によって、課題に有利に応える化合物、つまり、脂肪分解活性を有する化合物を得ることが可能であり、脂肪分解が脂肪の燃焼へとつながり、したがって身体能力の向上を可能とする限りにおいて、該化合物によって、体重の減少および筋肉の運動に補助される肉体の強化を促進することが可能となる。得られる化合物はさらに、シネフリンをまったく含んでいない。
【0128】
本発明による方法の結果として得られる粉末は、水溶性でありうる。
【0129】
さらに、本発明は、得られた化合物の栄養補助食品としての、または食品の栄養価を高めるための利用方法にも関するものである。
【0130】
栄養補助食品としての使用は、水不溶性の粉末の形で容易に行うことができる。これに関連して、得られた水不溶性の粉末は、単独あるいは補助的なアジュバントとともに、生薬の形、すなわちゼラチンによってカプセル化された粉末、錠剤に圧縮された粉末の形、あるいはあらゆる形に粒化された粉末の形で用いることもできるが、これらに限定されるわけではない。
【0131】
食品の栄養価を高めるための使用は、水溶性の粉末の形で容易に行うことができる。水溶性の粉末は、有利には、単独または補助的なアジュバントとともに、たとえば食用の液体に溶解して、そしてそのようにして飲料に混入させて、あるいはヨーグルトのような乳製品に用いることができる。さらに、該粉末は、ビスケットや砂糖菓子に混入させることも、または水溶性の小分けになった袋の形を呈することもできるが、これらに限定されるわけではない。
【0132】
非限定的な仕方では、飲料は、たとえば果汁および/または野菜汁とすることができる。
【0133】
さらに、本発明は、その食餌療法での投与を目的として得られた化合物の利用方法にも関するものである。
【0134】
最後にもう一度、本発明による化合物の投与によって、脂肪の燃焼または体重の減少を有利に促進することが可能となることを述べておこう。該投与は、BMIが肥満症タイプの個体、つまり30を超える個体で特に効果的である。
【0135】
研究した薬量は好ましい薬量に対応し、一日あたりおよそ1.4グラムの化合物である。この薬量は当然、治療の生理学的反応にしたがって適合化させることができ、一日あたり、そして個体あたり、1.0グラムから2.0グラムの間で変動する。
【0136】
【表1】

【0137】
【表2】

【0138】
【表3】

【0139】
【表4】

【0140】
【表5】

【0141】
【表6】

【0142】
【表7】

【符号の説明】
【0143】
1a 圧搾
1b pH調整
1c 遠心分離
1f 濃縮
2a 抽出器
2c 遠心分離
2f 濃縮
3a 濃縮物1および2の混合

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪分解活性を有する化合物であり、とりわけフラボノイドの形をしたポリフェノール、特にフラバノンおよびアントシアニンと、フェノール酸、そしてカフェインを少なくとも含むことを特徴とする化合物。
【請求項2】
さらにビタミンCを含むことを特徴とする、請求項1に記載の脂肪分解活性を有する化合物。
【請求項3】
少なくとも30%、好ましくは60%と90%の間のポリフェノールを含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の脂肪分解活性を有する化合物。
【請求項4】
0.1%から4%のカフェインを含むことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物。
【請求項5】
0.1%から3%のビタミンCを含むことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物。
【請求項6】
ポリフェノールが少なくとも0.1%から30%のフラバノン、0.01%から10%のアントシアニンおよび0.01%から5%のフェノール酸から成ることを特徴とするものであり、これにおいてパーセントは化合物全体に対するものであり、存在するポリフェノール全体が少なくとも化合物全体の40%に達する、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物。
【請求項7】
ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)、オレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)、ダイダイ(Citrus aurantium L.var.amara)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、ガラナ(Paulinia cupanna)、マテ(Illex Paraguariensis)、コーラ(Cola Nitida)のうちの一つまたは複数の植物種の混合物から得られることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物。
【請求項8】
少なくとも5重量%から30重量%のブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)、5重量%から30重量%のグレープフルーツ(Citrus paradisi)、5重量%から25重量%のオレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)、1重量%から10重量%のダイダイ(Citrus aurantium L.var.amara)、5重量%20重量%のガラナ(Paulinia cupanna)を含む植物種の混合物から得られることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物。
【請求項9】
単独または補助的なアジュバントとともに粉末の形を呈することを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物。
【請求項10】
単独または補助的なアジュバントとともに水溶性の粉末の形を呈することを特徴する、請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物。
【請求項11】
単独または補助的なアジュバントとともにカプセル化された粉末、とりわけゼラチン・カプセルの形を呈することを特徴とする、請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物。
【請求項12】
単独または補助的なアジュバントとともに圧縮された粉末の形、とりわけ錠剤の形またはあらゆる形に粒化された形を呈することを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物。
【請求項13】
単独または補助的なアジュバントとともに、小分けされた袋に入った粉末の形を呈することを特徴とする、請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物の取得方法であり、少なくとも、
−ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)とオレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)の果汁からポリフェノールを抽出する過程(1a、1b、1c、1d、1e、1f)と、
−ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、オレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)およびダイダイ(Citrus aurantium L.var.amara)の副産物からポリフェノールを抽出する過程(2a、2b、2c、2d、2f)と、
−先行する抽出過程で得られた抽出物を混合する過程(3a;4a)と、
−混合過程に続いて(3a;4a)、マルトデキストリン担体上で霧化することで混合物を乾燥させる過程(3b;4g)と、
−乾燥過程(3b;4g)に続いて、カフェインを標準化、とりわけ、ガラナ(Paulinia cupanna)および/またはマテ(Illex Paraguariensis)および/またはコーラ(Cola Nitida)の抽出物の乾燥過程で生じた産物に加えることでカフェインを標準化する過程(3c;4h)と、
−そして最後に、粉末を得るために、生じた産物をふるいにかける過程(3d;4i)、
を含むことを特徴とする、脂肪分解活性を有する化合物の取得方法。
【請求項15】
カフェインの標準化過程(3c;4h)が、ガラナ(Paulinia cupanna)の抽出物の乾燥過程(3b;4g)で生じた産物に加えることで行われることを特徴とする、請求項14に記載の脂肪分解活性を有する化合物の取得方法。
【請求項16】
ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)およびオレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)の果汁からアントシアニンおよびフェノール酸の抽出(1a、1b、1c、1d、1e、1f)と、ブラッド・オレンジ(Citrus sinensis L.Osbeck)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、オレンジ(Citrus aurantium L.var.sinensis L.)およびダイダイ(Citrus aurantium L.var.amara)の副産物からフラバノンの抽出(2a、2b、2c、2d、2f)を行うことを特徴とする、請求項14または請求項15に記載の脂肪分解活性を有する化合物の取得方法。
【請求項17】
乾燥過程(3b;4g)に先立ち、混合物から不水溶性の粒子を取り除く過程(4b、4c、4d、4e、4f)を行うことを特徴とする、請求項14から請求項16のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物の取得方法。
【請求項18】
栄養補助食品としての、請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物の利用方法。
【請求項19】
食品、とりわけ果汁および/または野菜汁といった飲料ならびに乳製品の栄養価を高めるための、請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物の利用方法。
【請求項20】
脂肪の燃焼を促進させるための投与を目的とした、請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物の利用方法。
【請求項21】
体重の減少を促進させるための投与を目的とした、請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物の利用方法。
【請求項22】
一日あたり1.0グラムと2.0グラムの間、好ましくは1.4グラムの薬量にしたがった、脂肪分解活性を有する化合物の投与を目的とした、請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の脂肪分解活性を有する化合物の利用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−526043(P2010−526043A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504778(P2010−504778)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【国際出願番号】PCT/FR2007/051559
【国際公開番号】WO2008/135643
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509303914)
【氏名又は名称原語表記】NUTRACEUTIC ET BUSINESS CONSULTING
【Fターム(参考)】