説明

脂肪酸アミド加水分解酵素の阻害剤

FAAHの改善された競合的阻害剤は、α−ケト複素環ファーマコフォアと不飽和を有する結合サブユニットとを用いる。α−ケト複素環ファーマコフォアと結合サブユニットとは、好ましくは炭化水素鎖によって互いに結合している。改善点は、4位および/または5位にアルキルまたはアリール置換基を有するオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾールおよびチアジアゾールから選択される複素環ファーマコフォアを用いることにある。FAAHの改善された競合的阻害剤は、FAAHの従来の競合的阻害剤より強い活性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[技術分野]
本発明は、脂肪酸加水分解酵素の阻害剤に関する。さらに特には、本発明は、複素環のヘッド基がテール領域に結合している種類の脂肪酸加水分解酵素の阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
[背景]
脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)は、多種多様の範囲のオレイルおよびアラキドニルアミド、CB1アゴニスト2−アラキドニルグリセロール、関連の1−アラキドニルグリセロールおよび1−オレイルグリセロールおよびアラキドン酸メチルを加水分解する内在性膜タンパク質であり、広範な生物活性な脂肪酸アミドまたはエステル基質が例示されている(W.Lang,ら、(1999)J.Med.Chem.42,896−902;S.K.Goparaju,ら、(1998)FEBS Lett.442,69−73;Y.Kurahashi,ら、(1997)Biochem.Biophys.Res.Commun.237,512−515およびT.Bisogno,ら、(1997)Biochem.J.322,671.Di Marzo,V.,T.Bisogno,ら、(1998)Biochem.J.331,15−19)。FAAHのCNSへの分布は、それが作用部位における神経調節作用のある脂肪酸アミドを分解し、調節に密接に関与することを示唆している(E.A.Thomas,ら、(1997)J.Neurosci.Res.50,1047−1052)。広範な脂肪酸一級アミドはこの酵素によって加水分解されるが、FAAHはアラキドニルおよびオレイル基質に最も効果的に作用すると思われる(B.F.Cravat,ら、(1996)Nature 384,83−87およびD.K.Giang,ら、(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94,2238−2242)。FAAHは、初期の検討ではオレアミド加水分解酵素およびアナンダミドアミドヒドロラーゼ(anandamide amidohydrolase)と呼ばれた。
【0003】
式A−B−Cによって表されるクラスのFAAH阻害剤は、Dale Boger(米国特許第6,462,054号)によって開示されている。この式において、Aは脂肪酸アミド加水分解酵素を阻害するα−ケト複素環ファーマコフォアであり、BはAとCを連結する鎖であって、炭素、酸素、硫黄および窒素からなる群から選択される3〜9原子の直鎖状の骨格を有し、連結骨格は第1の末端と第2の末端を有し、第1の末端はAのα−ケト基に共有結合しており、ただし、上記鎖の第1の末端がAのα−ケト基に対してα−炭素である場合には、α−炭素は、任意選択的に、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、アルコキシ、トリフルオロメチルおよびアルキルからなる群から選択される置換基でモノ−官能基化またはビス−官能基化されており、Cは、FAAHに結合する結合サブユニットであり、上記α−ケト複素環ファーマコフォアの阻害活性を増強し、上記結合サブユニットは、アリール、アルケニル、アルキニルおよび1つ以上のヘテロ原子を有してもよく、少なくとも1つの不飽和を有する環構造からなる群から選択される基を含有するΠ−結合内に位置する少なくとも1つのΠ−不飽和を有し、Bの直鎖状骨格の第2の末端に共有結合されており、Π−結合内にΠ−不飽和を含有する基は、互いに連続して結合される4以上で9以下の原子の配列でAのα−ケト基から分離されており、直鎖状の骨格を含む。
【0004】
必要なのは、ヘッドがテール領域に結合しており、脂肪酸アミド加水分解酵素の阻害に関して増強された活性を達成するために、ヘッド基が1つ以上の複素環を有するFAAH阻害剤である。
【発明の開示】
【0005】
[概要]
本発明は、α−ケト複素環ファーマコフォアとΠ−不飽和を有する結合サブユニットを使用するFAAHの改善された競合的阻害剤に関する。α−ケト複素環ファーマコフォアと結合サブユニットは、好ましくは炭化水素鎖によって互いに結合されている。改善点は、4位および/または5位にアルキルまたはアリール置換基を有するオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾールおよびチアジアゾールから選択される複素環ファーマコフォアを使用することにある。FAAHの改善された競合的阻害剤は、FAAHの従来の競合的阻害剤より強い活性を示す。
【0006】
本発明の一態様は、式:
A−B−C
によって表される脂肪酸アミド加水分解酵素の阻害剤に関する。
上記式において、Aは阻害サブユニットであり、Bは連結サブユニットであり、Cは結合サブユニットである。
【0007】
阻害サブユニットAは脂肪酸アミド加水分解酵素を阻害するためのα−ケト複素環ファーマコフォアである。α−ケト複素環ファーマコフォアは、式:
【化1】

によって表される。
上記式において、「het」は以下の構造:
【化2】

によって表される。
上記式において、Xは、炭素および窒素からなる群から選択され、Yは、酸素および硫黄からなる群から選択され、R1およびR2は、独立して、水素、C1−C6アルキル、芳香環およびヘテロ芳香環からなる群から選択される。好ましい実施態様において、R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C6アルキルおよび以下の構造:
【化3A】

【化3B】

によって表される基からなる群から選択される。
ただし、1)R1およびR2は共に水素にはなりえず、2)Xが窒素である場合には、R1は存在しない。
【0008】
連結サブユニットBは阻害サブユニットAと結合サブユニットCを連結するための鎖であって、かつ結合サブユニットCを脂肪酸アミド加水分解酵素の結合領域に結合させると同時に阻害サブユニットAが脂肪酸アミド加水分解酵素を阻害するための鎖である。鎖は炭素、酸素、硫黄および窒素からなる群から選択される3〜9原子の直鎖状の骨格を有し、連結骨格は第1の末端と第2の末端を有し、第1の末端はAのα−ケト基に共有結合している。ただし、上記鎖の第1の末端が阻害サブユニットAのα−ケト基に対してα−炭素である場合には、α−炭素は、任意選択的に、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、アルコキシ、トリフルオロメチルおよびアルキルからなる群から選択される置換基でモノ−官能基化またはビス−官能基化されている。
【0009】
結合サブユニットCは、Π−不飽和を有する基を含有するΠ−結合である。結合サブユニットCは、アリール、アルケニル、アルキニル、および1つ以上のヘテロ原子を有してもよく有さなくてもよい少なくとも1つの不飽和を有する環構造からなる群から選択される。結合サブユニットCは、連結サブユニットBの第2の末端に共有結合されている。Π−結合内にΠ−不飽和を含有する基は、互いに連続して結合される3以上で9以下の原子の配列でAのα−ケト基から分離されており、Π−不飽和を脂肪酸アミド加水分解酵素の結合領域に結合させると同時に、阻害サブユニットAが脂肪酸アミド加水分解酵素を阻害するための直鎖状の骨格を含む。ただし、Cは、任意選択的に、C1〜C10のアルキルである。
【0010】
さらに別の好ましい実施態様において、α−ケト複素環ファーマコフォアの「het」は、以下の基:
【化4A】

【化4B】

から選択される。
【0011】
さらに別の好ましい実施態様において脂肪酸アミド加水分解酵素の阻害剤は以下の構造:
【化5】

によって表される。
上記の構造において、R1およびR2は、独立して、水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、アルコキシ、トリフルオロメチルおよびアルキルからなる群から選択され、「n」は2〜8の整数である。
【0012】
本発明のさらに別の局面は、脂肪酸アミド加水分解酵素を阻害する方法に関する。本発明の方法は、阻害濃度の上記阻害剤を脂肪酸アミド加水分解酵素に接触させるステップを使用する。脂肪酸アミドに接触させる結果、阻害剤の疎外活性を増強するために、阻害剤の結合サブユニットCが、脂肪酸アミド加水分解酵素の結合領域に結合する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[詳細な説明]
FAAHの改善された競合的阻害剤は、α−ケト複素環ファーマコフォアおよびΠ−不飽和を有する結合サブユニットを使用して開発された。α−ケト複素環ファーマコフォアと結合サブユニットは、好ましくは炭化水素鎖によって互いに結合されている。改善点は、4位および/または5位にアルキルまたはアリール置換基を含むオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾールおよびチアジアゾールから選択される複素環ファーマコフォアを使用することにある。FAAHの改善された競合的阻害剤は、非−アゾール複素環ファーマコフォアおよび/またはアリールまたはアルキル置換基のない複素環ファーマコフォアを使用するFAAHの従来の競合的阻害剤より強い活性を示す。
【0014】
脂肪酸鎖に不飽和を導入すると阻害剤の効力が増加することを本明細書に開示するFAAHの改善された競合的阻害剤は確認している。ベンゼン環の導入は特に有効であることが証明された。同様に、親電子的カルボニルは、本明細書に開示されているFAAHの競合的阻害剤に関して強力な酵素阻害に必要であることが確認された。
【0015】
方法
[阻害検討]
酵素アッセイは全て、125mMのTris、1mMのEDTA、0.2%のグリセロール、0.02%のTriton X−100、0.4mMのHEPES、pH9.0の緩衝液からなる反応緩衝液に、FAAHを含有する可溶化した肝細胞質膜抽出物を使用して、20〜23℃において実施した(M.P.Patricelliら、(1998)Bioorg.Med.Chem.Lett.8、613−618およびJ.E.Pattersonら、(1996)J.Am.Chem.Soc.118,5938−5945)。最初の加水分解速度は、以前に記載されているように(B.F.Cravattら、(1995)Science268、1506−1509およびM.P.Patricelliら、(1998)Bioorg.Med.Chem.Lett.8、613−618)、14C−オレアミドのオレイン酸への分解を追跡することによってモニターした。この阻害は可逆的であり、時間依存的でなく、線形最小二乗適合を全ての反応進行曲線に使用し、R2値は常に>0.97であった。IC50値は、式IC50=[l]/(K0/Ki)−1](式中、K0は阻害剤を使用しない対照の反応速度であり、Kiは濃度[l]の阻害剤の反応速度である)を使用して3〜5の異なる阻害剤濃度において観察された(各阻害剤濃度における3つ以上の試験の)阻害から決定した(K.Conde−Frieboesら、(1996)J.Am.Chem.Soc.118、5519−5525)。Ki値は、Dixon方法によって測定された(一定の基質濃度における[l]対1/速度プロットの加重線形適応(weighted linear fits)のx切片で、式、Ki=−xint/[1+[S]/Km])を使用してKi値に変換した)。以前の研究は、ラットとヒトの酵素は相同性が高く(84%)、ほぼ同じ基質特異性を示し、同じアミダーゼコンセンサス配列およびSH3結合ドメインを組込んでいることを証明しており、ラットFAAH用いてなされる観察は、ヒトFAAHと同じでないにしても、ほぼ類似していることを示唆している(B.F.Cravatら、(1996)Nature384、83−87およびD.K.Giangら、(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94,2238−2242)。
【0016】
図の詳細な説明
図1は、試験した種々の化合物のKiを記載する2つの表を例示する。最初の表は、オキサゾールおよびオキサジアゾールがチアゾールより1000倍以上強力であることを示す。興味深いことに、強力さはチアジアゾール複素環の別の窒素を置換することによってほぼ回復される。第2の表は、オキサゾールヘッド基の4位および5位の複素環の変更と、Kiに与える影響を示す。図2は図1の第2の表の続きである。データに見られる1つの傾向は、含窒素複素環の活性の増加である。
【0017】
図3は、FAAHのα−ケトオキサゾロピリジン阻害剤のKiの表を例示する。明らかな傾向は表の下に記載されている。4−−アリール−置換オキサゾールヘッド基化合物および5−アリール−置換オキサゾールヘッド基化合物の図2からわかるように、環に塩基性の窒素を導入すると活性が大幅に増強される。窒素の位置の変化に伴うKiの大きな変化はない。
【0018】
図4は、脂肪酸側鎖の改変とKiに与える影響を示す表を例示する。傾向は、先に試験したオキサゾロピリジン阻害剤とわずかに異なる。この5−(2−ピリジル)−置換オキサゾールの飽和ドデカノイル基は、望ましいアルキルフェニル側鎖よりKiが低かった。化合物185と化合物200の差は2倍にすぎない。
【0019】
図5は、化合物206および207と、パラジウムに触媒されるクロス−カップリング反応を使用して化合物206および207を合成する方法を例示する。Suzukiカップリングは、塩基および望ましいアリールまたはヘテロアリールボロン酸の存在下において触媒パラジウム(0)ジベンジリデンアセトンを使用して実施する(Miyaura,N.,Suzuki,A.Chem.Rev.1995、95、2857−2483)。
【0020】
図6は、FAAHのα−ケト複素環阻害剤のC18テールの二重結合の有無による化合物のKiの変化を示す表を例示する。完全に飽和されている鎖に対して結合定数が5倍大きくなる程度にまで結合するのに鎖の不飽和が重要であることを、最初の3つの化合物は示している。本質的に同じ結果が次の2つのヘッド基で観察される。
【0021】
図7に、FAAHのα−ケトオキサゾロピリジン阻害剤の脂肪酸側鎖を改変することが化合物のKiに与える影響を示す表を例示する。この表は、種々の炭化水素テール基を互いに比較しており、一般的な傾向をチャートの下の行に要約している。最良の飽和鎖は炭素数8〜12のものである。フェニル含有側鎖は、このヘッド基を有する飽和側鎖の約3倍強力である。最良のKiはこのシリーズの化合物では200pMであった。
【0022】
図8は、第一世代の阻害剤とそれらのFAAHのIC50を示す表を例示する。IC50の値は、この酵素の対応するKiより約10倍大きい。設計した阻害剤と比較するためにトリフルオロメチルケトンを加えている。IC50は化合物のKiと良好に対応する。また、化合物118は最低のIC50および最低のKiの両方を有する。
【0023】
図9は、第二世代の阻害剤とそれらのFAAHのIC50を示す表を例示する。第二世代の阻害剤は、対応するそれらのKiと比較するとIC50の変動が大きいことを示す。
【0024】
図10は、置換オキサゾール阻害剤を合成する方法を例示する一連の反応を例示する。ページの上の最初の反応はオキサゾールの2位をアシル化する方法を示す。オキサゾールを、先ず、n−ブチルリチウムでリチウム化し、塩化亜鉛でトランス金属化(transmetallated)し、ヨウ化銅(I)を添加して銅塩を形成し、次いで酸塩化物で銅塩をアシル化する。詳細な手法は、実験セクションにおいて、化合物162について記載されている。2−アシルオキサゾールを製造する第2の方法は、標準的なリチウム化を実施し、次いでWeinrebアミドでアシル化する。化合物144は、実験セクションに概略するこの方法によって合成した。残りの2つの反応は、4−置換複素環または5−置換複素環の逆合成を示す。最後の反応では、Xはハロゲンまたは他の離脱基である。
【0025】
図11は、OL−135(10mg/kg、i.p.)注射後60分の熱疼痛反応の低下を示す棒グラフを例示する。この試験は、尾休薬試験(tail withdrawal test)であり、ビヒクルでは影響がないが、OL−135の投与後では顕著な遅延が見られる。[p<0.001、1群あたりN=12匹のマウス、結果は平均±S.E.として示す]
【0026】
図12は、OL−135(10mg/kg、i.p.)注射後60分の熱疼痛反応の低下を示す棒グラフを例示する。この試験はホットプレート試験であり、ビヒクルでは影響がないが、OL−135の投与後では幾分か遅延が見られる。[p<0.001、1群あたりN=12匹のマウス、結果は平均±S.E.として示す]
【0027】
図13は、尾液浸試験(tail immersion test)においてOL−135の鎮痛作用をSR141716Aが遮断することを示す棒グラフを例示する。マウスにビヒクルまたはSR141716A(3mg/kg)をi.p.注射し、10分後、全ての被験動物にOL−135(10mg/kg、i.p.)を投与し、次いで2回目の注射の1時間後に尾液浸試験において評価した。(ビヒクルで前処理したOL−135処理マウス対それらの注射前のベースライン潜時またはSR141716Aで前処理したOL−135処理マウスについてp<0.001)。結果は平均±S.E.として示す。N=6匹のマウス/群。
【0028】
図14は、ホットプレート試験においてOL−135の鎮痛作用をSR141716Aが遮断することを示す棒グラフを例示する。マウスにビヒクルまたはSR141716A(3mg/kg)をi.p.注射し、10分後、全ての被験動物にOL−135(10mg/kg、i.p.)を投与し、次いで2回目の注射の1時間後にホットプレート試験において評価した。[ビヒクルで前処理したOL−135処理マウス対それらの注射前のベースライン潜時またはSR141716Aで前処理したOL−135処理マウスについてp<0.001。結果は平均±S.E.として示す。N=6匹のマウス/群]。
【0029】
図15は、エステルのα位をフッ素、ヒドロキシルおよびトリフルオロメチル基で官能基化する方法を例示する。キラルα−フルオロエステルを製造するための非対称方法を示すが、当業者には、トリフルオロメチル誘導体の製造を非対称的に実施する方法は既知である。これらの方法は、「R」に存在する任意の官能基は好適に保護されていると仮定している。
【0030】
図16は、塩素、α−アルキル−α−ヒドロキシル、α−アルキル−α−トリフルオロメチルおよびα−アルキル−α−フルオロ基をエステルに付加しうる方法を例示する。「R」が何であるかに応じて、これらのエステルまたは対応する酸は市販品を購入できるものもある。Mitsunobu反応は、対応するα−ヒドロキシエステルからα−クロロ化合物を得るために実施される。α−アルキルエステルのエノラートの非対称水酸化は、非対称オキサジリジン(I)を使用することによって実施される。この図の最後の2つの生成物はラセミ体として得られる。
【0031】
[実験]
1−([1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)オクタデセ−9−エン−1−オン.(140)
Dess−Martinペルヨージナン(1.2当量,0.025mmol,11mg)の無水CH2Cl2(0.5mL)の懸濁液を、室温においてN2雰囲気下で1−([1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)オクタデセ−9−エン−1−オール(7mg,0.021mmol)の無水CH2Cl2(0.5mL)溶液で処理した。6時間後、懸濁液をEt2O(10mL)で希釈し、Na223(77mg)の飽和NaHCO3水溶液(6.5mL)の溶液に注いだ。混合物を室温において1時間撹拌し、層を分離した。エーテル層を飽和NaHCO3水溶液(1×10mL)およびH2O(1×10mL)で洗浄して、乾燥して(MgSO4)、ろ過し、留去した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×15cm,2%のMeOH−CH2Cl2)により、1−([1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)オクタデセ−9−エン−1−オン(140)(5mg,0.016mmol,収率75%)を暗黄色の油状物質として得た:1H NMR(CDCl3、250MHz)d9.34(s,1H)、5.42−5.26(m,2H)、3.04(t,J=7.4Hz,2H)、2.12−1.87(m,4H)、1.82−1.75(m,2H)、1.43−1.19(m,20H)、0.88(br t,J=6.8Hz,3H);IR(CDC13)Umax 2940、2860、1705、1612、1547、1510、1423、1380 cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z335.2689(C203422+H+は335.2698である)。
【0032】
1−([1,3,4]チアジアゾール−2−イル)オクタデセ−9−エン−1−オン。(141)
Dess−Martinペルヨージナン(1.2当量,0.013mmol,14mg)の無水CH2Cl2(0.5mL)の懸濁液を、室温においてN2雰囲気下で1−([1,3,4]チアジアゾール−2−イル)オクタデセ−9−エン−1−オール(4mg,0.011mmol)の無水CH2Cl2(0.5mL)溶液で処理した。10時間後、懸濁液をEt2O(10mL)で希釈し、Na223(40mg)の飽和NaHCO3水溶液(3.4mL)の溶液に注いだ。混合物を室温において1時間撹拌し、層を分離した。エーテル層を飽和NaHCO3水溶液(1×10mL)およびH2O(1×10mL)で洗浄して、乾燥して(MgSO4)、ろ過し、留去した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×15cm,2%MeOH−CH2Cl2)により1−([1,3,4]チアジアゾール−2−イル)オクタデセ−9−エン−1−オン(141)(3mg,0.008mmol,収率70%)を暗黄色の油状物質として得た:MALDI−FTMS(DHB)m/z351.2464(C20342OS+H+は351.2470である)。
【0033】
1−(5−フェニルオキサゾール−2−イル)−1−オキソ−9(Z)−オクタデセン.(142)
この物質は、162について記載する手法を使用して、5−フェニルオキサゾールから製造した(Van Leusen,A.M.ら、Tetrahedron Lett.1972,2369−2372)。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5×12cm,3%Et2O−ヘキサン)により142(192mg,0.471mmol,72%)を無色の結晶状粉末として得た:mp32.0℃;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z432.2892(C2739NO2+Na+は432.2873である)。
【0034】
1−オキソ−1−[5(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−9−(Z)−オクタデセン.(143)
この物質は、162に記載した手法を使用して、5−(2−ピリジル)オキサゾールから製造した(Saikachi,H.ら、Chem.Pharm.Bull.1979,27,793−796)。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5×12cm,1% MeOH−CHCl3)により、143(64.3mg,0.157mmol,24%)を淡黄色の油状物質として得た:MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z433.2826(C263822+Na+は433.2825である)。
【0035】
1−オキソ−1−[5−(3−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−9(Z)−オクタデセン.(144)
BuLiのヘキサン溶液(2.5M,0.13mL,0.325mmol,1.05当量)を、5−(3−ピリジル)オキサゾール(Saikachi,H.ら、Chem.Pharm.Bull.1979,27,793−796)(45mg,0.308 mmol,1.0当量)の無水THF(5.0mL)の溶液に−78℃において滴下し、得られた溶液を−78℃において10分間撹拌した。N−メトキシ−N−メチルオレオイルアミド(100 mg,0.308mmol,1.0当量)の無水THF(2.0mL)溶液を混合物に滴下し、混合物を加温して室温にした。16時間撹拌後、水(15mL)を混合物に添加し、混合物を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、留去した。クロマトグラフィー(SiO2,1.5×12cm,CHCl3)により、144(40.4mg,0.098mmol,収率32%)を無色の結晶状粉末として得た:mp35.5〜36.0°C;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z411.3002(C263822+H+は411.3006である)。
【0036】
1−オキソ−1−[5−(4−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−9(Z)−オクタデセン.(145)
この物質は、144について記載した手法を使用して、5−(4−ピリジル)オキサゾール(Saikachi,H.ら、Chem.Pharm.Bull.1979,27,793−796)から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5×12cm,3%Et2O−ヘキサン)により、145(80.8mg,0.197 mmol,64%)を無色の固体として得た:mp48.0〜49.0°C;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z411.3004(C263822+H+は411.3006である)。
【0037】
1−[5−(1−メチルピロール−2−イル)オキサゾール−2−イル]−1−オキソ−9−(Z)−オクタデセン.(150)
この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(1−メチルピロール−2−イル)オキサゾール(Saikachi,H.ら、Chem.Pharm.Bull.1979,27,793−796)から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5×12cm,10%EtOAc−ヘキサン)により、150(157mg,0.380mmol,59%)を淡い赤色の油状物質として得た:MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z413.3172(C264022+H+は413.3163)。
【0038】
1−オキソ−1−[5−(2−チエニル)オキサゾール−2−イル]−9(Z)−オクタデセン.(151)
この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(2−チエニル)オキサゾール(Saikachi,H.ら、Chem.Pharm.Bull.1979,27,793−796)から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5×12cm,5%Et2O−ヘキサン)により、151(165mg,0.397mmol,61%)を淡黄色の油状物質として得た:MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z416.2617 (C2537NO2S+H+は416.2618である)。
【0039】
1−[5−(2−フリル)オキサゾール−2−イル]−1−オキソ−9(Z)−オクタデセン.(152)
この物質は、162について記載する手法を使用して5−(2−フリル)オキサゾール(Saikachi,H.ら、Chem.Pharm.Bull.1979,27,793−796)から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5×12cm,3%Et2O−ヘキサン)により、152(177mg,0.443mmol,68%)を淡い橙色の油状物質として得た:MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z400.2849(C2537NO3+H+は400.2846である)。
【0040】
1−オキソ−1−[5−(チアゾール)−2−イル]オキサゾール−2−イル]−9−(Z)−オクタデセン.(154)
5−(チアゾール)−2−イル]オキサゾール.
炭酸カリウム(690mg,5.00mmol,1.0当量)を、2−チアゾールカルボキシアルデヒド(566mg,5.00mmol,1.0 当量)および(p−トルエンスルホニル)メチルイソシアニド(TosMIC)(975mg,5.00mmol,1.0当量)の蒸留メタノール(15mL)溶液に添加し、混合物を3時間環流して撹拌した。室温に冷却後、混合物を減圧下濃縮した。残渣をクロロホルム(70mL)で希釈し、水(20mL)で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、留去した。クロマトグラフィー(SiO2,15g,ヘキサン:エーテル=5:1)により、5−(チアゾール−2−イル)オキサゾール(626mg,4.11mmol,82%)を淡黄色の結晶性粉末として得た。1H NMR (CDCl3,250 MHz)δ7.96(s,1 H),7.90(d,1H,J =3.3Hz),7.67(s,1H),7.42(d,1H,J=3.3Hz)。
【0041】
1−オキソ−1−[5−(チアゾール−2−イル)オキサゾール−2−イル]−9(Z)−オクタデセン.
この物質は、162について記載する手法を使用して、5−(チアゾール−2−イル)オキサゾールから製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5×12cm,10%Et2O−ヘキサン)により、154(97.2mg,0.233mmol,36%)を淡黄色の結晶性粉末として得た:mp32.0〜32.5°C;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z417.2572(C243622S+H+は 417.2570である)。
【0042】
1−オキソ−1−[5−(1−メチルイミダゾール−2−イル)オキサゾール−2−イル]−9(Z)−オクタデセン.(155)
5−(1−メチルイミダゾール−2−イル)オキサゾール.この物質は、5−(チアゾール−2−イル)オキサゾールについて記載した手法を使用して、1−メチルイミダゾール−2−カルボキシアルデヒドから収率79%で製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5×12cm,1%MeOH−CHCl3)により、5−(1−メチルイミダゾール−2−イル)オキサゾール(586mg,3.93mmol,79%)を黄色の結晶性粉末として得た。1H NMR (CDCl3,250MHz)δ7.96(s,1H),7.48(s,1H),7.14(d,1H,J=1.1Hz),6.97(d,1H,J=1.1Hz),3.86(s,3H)。
【0043】
1−オキソ−1−[5−(1−メチルイミダゾール−2−イル)オキサゾール−2−イル]−9(Z)−オクタデセン.(155)
この物質は、162に記載する手法を使用して、5−(1−メチルイミダゾール−2−イル)オキサゾールから製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5×12cm,50%Et2O−ヘキサン)により、155(44.6mg,0.108mmol,17%)を淡い橙色の結晶性粉末として得た:mp.46.0〜47.0°C;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z414.3123(C253932+H+は414.3115である)。
【0044】
1−[5−(3−チエニル)オキサゾール−2−イル]−1−オキソ−9(Z)−オクタデセン.(158)
5−(3−チエニル)オキサゾール.この物質は、5−(チアゾール−2−イル)オキサゾール(上記参照)について記載した手法を使用して、チオフェン−3−カルボキシアルデヒドから製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5×12cm,10%EtOAc−ヘキサン)により、5−(3−チエニル)オキサゾール(519mg,3.43mmol,34%)を黄色の油状物質として得た:1H NMR (CDCl3,250MHz)δ7.97(s,1H),7.66(dd,1H,J=2.9および1.1Hz),7.50(dd,1H,J=4.9および2.9Hz),7.32(s,1H),7.10(d,1H,J=4.9および1.1Hz)。
【0045】
1−オキソ−1−[5−(3−チエニル)オキサゾール−2−イル」−9(Z)−オクタデセン.(158)
この物質は、162について記載する手法を使用して、5−(3−チエニル)オキサゾールから製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5×12cm,5%EtOAc−ヘキサン)により、158(102mg,0.244mmol,38%)を淡黄色の油状物質として得た:1H NMR(CDCl3,250MHz)δ7.77(dd,1H,J=2.6および1.5Hz),7.43(dd,1H,J=5.0および2.6Hz),7.39(dd,1H,J=5.0および1.5Hz),7.35(s,1H),5.44〜5.27(m,2H),3.07(t,3H,J=7.5Hz),2.10〜1.93(m,4H),1.84〜1.69(m,2H),1.47〜1. 19(m,20H),0.87(t,3H,J=6.6Hz);IR(フィルム)Umax3109,3005,2920,2852,1694,1601,1520,1479,1403,1377,1318,1120,1041,976,909,857,786,733,693,610cm-1;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z416.2632(C2537NO2S+H+は416.2618である)。
【0046】
1−[5−(3−フリル)オキサゾール−2−イル]−1−オキソ−9(Z)−オクタデセン.(159)
5−(3−フリル)オキサゾール.この物質は、5−(チアゾール−2−イル)オキサゾールについて記載した手法を使用して、3−フルアルデヒドから製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5×12cm,10%Et2O−ヘキサン)により、5−(3−フリル)オキサゾール(212mg,1.57mmol,16%)を黄色の油状物質として得た:1H NMR(CDCl3,250MHz)δ7.85(s,1H),7.48(s,1H),7.44(d,1H,J=1.8Hz),7.12(s,1H),6.62(d,1H,J=1.8Hz)。
【0047】
1−[5−(3−フリル)オキサゾール−2−イル]−1−オキソ−9(Z)−オクタデセン.(159)
この物質は、162について記載する手法を使用して、5−(3−フリル)オキサゾールから製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5×12cm,5%Et2O−ヘキサン)により、159(54.8mg,0.137mmol,21%)を淡黄色の油状物質として得た:MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z400.2848(C2537NO3+H+は400.2846である)。
【0048】
1−(4−フェニルオキサゾール−2−イル)−1−オキソ−9(Z)−オクタデセン.(162)
4−フェニルオキサゾール(Giardina,ら、J.Med.Chem.1997,40,1794〜1807)(94.4 mg,0.65mmol,1.0当量)の無水THF(5.0mL)の溶液に−78℃においてBuLiのヘキサン溶液(2.5M,0.29mL,0.725mmol,1.1当量)をN2雰囲気下で滴下して処理し、得られた溶液を−78℃において20分間撹拌した。ZnCl2のTHF溶液(0.5M,2.60mL,1.30 mmol,2.0当量)を混合物に滴下し、混合物を加温して0℃にした。0℃において45分間撹拌後、CuI(107mg,0.56mmol,1.0当量)を混合物に添加した。次いで、これを0℃において10分間撹拌し、塩化9(Z)−オクタデセン−1−オイル(385mgのオレイン酸と0.34mLの塩化オキサリルから製造、1.30mmol,2.0当量)の無水THF(3.0mL)溶液を混合物に滴下し、混合物を0℃においてさらに1時間撹拌した。反応混合物をヘキサンと酢酸エチルの1:1混合物(60mL)で希釈し、15%NH4OH(2×30mL)、水(30mL)および飽和NaCl水溶液(30mL)で連続して洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、留去した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5×12cm、3%Et2O−ヘキサン)により、162(115mg,0.282mmol,43%)を無色の油状物質として得た:MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z432.2886 (C2739NO2+Na+は432.2873である)。
【0049】
1−(4−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)オクタデセ−9−エン−1−オン.(163)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−4−イル)ピリジン(4mg,0.027mmol)の無水THF(1mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.030mmol,12mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,0.054mmol,22mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.027mmol,5mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。分液フラスコにオレイン酸(2当量,0.054mmol,15mg)の無水CH2Cl2(0.5mL)溶液を添加し、N2雰囲気下において0℃に冷却したこの溶液に、塩化オキサリル(5当量,0.27mmol,34mg,24mL)を添加した。室温において2時間撹拌後、溶液を減圧下濃縮し、無水THF(0.5mL)に溶解した。塩化オレオイルの溶液を添加し、この溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×17.5cm,2%MeOH−CH2Cl2)により、1−(4−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)オクタデセ−9−エン−1−オン(163)(5mg,0.011mmol,収率42%)を茶色の残渣として得た:1H NMR(CDCl3,250MHz)d8.66(br d,J=4.8Hz,1H),7.90〜7.68(m,4H),5.40〜5.25(m,2H),3.10(t,J=7.4Hz,2H),2.10〜1.93(m,4H),1.80〜1.72(m,2H),1.47〜1.17(m,20H),0.86(br t,J=6.6Hz,3H);IR(CDCl3)Umax2925,2860,1705,1605,1570,1501,1425,1385cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z411.3003(C263822+H+は411.3006である)。
【0050】
1−(4−ピリジン−3−イル)オキサゾール−2−イル)オクタデセ−9−エン−1−オン.(164)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、3−(オキサゾール−4−イル)ピリジン(6mg,0.041mmol)の無水THF(1mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.045mmol,18mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,0.082mmol,33mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.041mmol,8mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。分液フラスコにオレイン酸(2当量,0.082mmol,23mg)の無水CH2Cl2(0.5mL)溶液を添加し、N2雰囲気下において0℃に冷却したこの溶液に、塩化オキサリル(5当量,0.41mmol,52mg,37mL)を添加した。室温において2時間撹拌後、溶液を減圧下濃縮し、無水THF(0.5mL)に溶解した。塩化オレオイルの溶液を添加し、この溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×17.5cm,2%MeOH−CH2Cl2)により、1−(4−(ピリジン−3−イル)オキサゾール−2−イル)オクタデセ−9−エン−1−オン(164)(4mg,0.009mmol,収率23%)を茶色の残渣として得た:1H NMR(CDCl3,250 MHz)d 8.99(br s,1H),8.65(br d,J=4.7Hz,1H),8.04(br d,J=7.5Hz,1H),7.86〜7. 54(m,2H),5.41−5.26(m,2H),3.10(t,J=7. 4Hz,2H),2.10〜1.93(m,4H),1.83〜1.70(m, 2H),1.45−1.20(m,20H),0.86(br t,J=6.6 Hz,3H);IR(CDCl3)Umax2926,2871,1700,1601,1564,1510,1421,1382cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z411.3012(C263822+H+は411.3006である)。
【0051】
1−(4−(ピリジン−4−イル)オキサゾール−2−イル)オクタデセ−9−エン−1−オン.
(165)N2雰囲気下において−75℃に冷却した、4−(オキサゾール−4−イル)ピリジン(3mg,0.021mmol)の無水THF(1mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.023mmol,9mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,0.042mmol,17mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.021mmol,4mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。分液フラスコにオレイン酸(2当量,0.042mmol,12mg)の無水CH2Cl2(0.5mL)溶液を添加し、N2雰囲気下において0℃に冷却したこの溶液に、塩化オキサリル(5当量,0.21mmol,27mg,19mL)を添加した。室温において2時間撹拌後、溶液を減圧下濃縮し、無水THF(0.5mL)に溶解した。塩化オレオイルの溶液を添加し、この溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×17.5cm,2%MeOH−CH2Cl2)により、1−(4−(ピリジン−4−イル)オキサゾール−2−イル)オクタデセ−9−エン−1−オン(165)(2mg,0.005mmol,収率24%)を茶色の残渣として得た:1H NMR(CDCl3,250MHz)d 8.75(m,2H),7.70〜7.61(m,3H),5.42〜5.27(m,2H),3.09(t,J=7.4Hz,2H),2.12〜1.89(m,4H),1.82〜1.75(m,2H),1.48〜1. 21(m,20H),0.87(br t,J=6.8Hz,3H);IR(CDCl3)Umax2926,2873,1702,1612,1559,1512,1425,1380cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z411.2997(C263822+H+は411.3006である)。
【0052】
1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)オクタデカン−1−オン.(182)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−5−イル)ピリジン(113mg,0.77mmol)の無水THF(5mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.85mmol,0.34mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,1.54mmol,3.1mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.77mmol,147mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。分液フラスコにステアリン酸(2当量,1.54mmol,440mg)の無水CH2Cl2(4.2mL)溶液を添加し、N2雰囲気下において0℃に冷却したこの溶液に、塩化オキサリル(5当量,7.7mmol,0.98g,0.68mL)を添加した。室温において2時間撹拌後、溶液を減圧下濃縮し、無水THF(1.5mL)に溶解した。塩化ステアロイルの溶液を添加し、この溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×17.5cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)オクタデカン−1−オン(182)(97mg,0.24mmol,収率31%)を白色の粉末として得た:mp86〜87℃:1H NMR(CDCl3,250 MHz)d8.66(br d,J=5.4Hz,1H),7.89〜7.76(m,3H),7.34〜7.27(m,1H),3.10 (t,J=7.7Hz,2H),1.82〜1.74(m,2H),1.44〜1.19(m,28H),0.87(br t,J=6.6Hz,3H);13C NMR(CDCl3,62.5MHz)d 188.6,157.4,153.2,150.1(2C),137.1,126.8,124.1,120.3, 39.2,31.9,29.7(5C),29.6(2C),29.6,29.4,29.3(2C),29.2,24.0,22.7,14.1;IR(KBr)Umax2942,2871,1701,1601,1429,1376cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z413.3170(C264022 +H+は713.3162である)。
【0053】
1−(5−ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ヘキサデカン−1−オン.(183)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−5−イル)ピリジン(97mg,0.65mmol)の無水THF(5mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.72mmol,0.29mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,1.30mmol,2.6mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.65mmol,124mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。塩化パルミトイル(2当量,1.3mmol,357mg,0.39mL)を添加し、溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×17.5cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ヘキサデカン−1−オン(183)(103mg,0.27mmol,収率42%)をオフホワイトの粉末として得た:mp78〜80℃;1H NMR(CDCl3,250MHz)d 8.66(br d,J=5.1Hz,1H),7.88〜7.76(m,3H),7.34〜7.27 (m,1H),3.10(t,J=7.3Hz,2H),1.83〜1.70(m,2H),1.24(br s,24H),0.87(br t,J=6.9Hz,3H);13C NMR(CDCl3,62.5MHz)d 188.6,157.4,153.2,150.1,146.3,137.0,126.8,124.1,120.4,39.2,31.9,29.6(2C),29.6(2C),29.4(2C),29.3(3C),29.2 24.0,22.7,14.1;IR(KBr)Umax2935,2847,1699,1605,1425,1381cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z385.2841(C243622+H+は385.2849である)。
【0054】
1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)テトラデカン−1−オン.(184)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−5−イル)ピリジン(97mg,0.66mmol)の無水THF(5mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.73mmol,0.29mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,1.32mmol,2.7mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.66mmol,126mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。分液フラスコにミリスチン酸(2当量,1.32mmol,303mg)の無水CH2Cl2(4.2mL)溶液を添加し、N2雰囲気下において0℃に冷却したこの溶液に、塩化オキサリル(5当量,6.6mmol,0.84g,0.68mL)を添加した。室温において2時間撹拌後、溶液を減圧下濃縮し、無水THF(1.5mL)に溶解した。塩化ミリストイル溶液を添加し、溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×17.5cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)テトラデカン−1−オン(184)(102mg,0.29mmol,収率44%)を白色の粉末として得た:mp79〜80℃;1H NMR(CDCl3,250MHz)d 8.65(br d,J=4.8Hz,1H),7.89〜7.75(m,3H),7.34〜7.25(m,1H),3.10(t,J=7.3Hz,2H),1.80〜1.70(m,2H),1.43〜1.18(m,20H),0.86(br t,J=6.6Hz,3H);13C NMR(CDCl3,62.5MHz)d 188.6,157.4,153.2,150.1(2C),146.4,137.1,126.8,124.1,120.3,39.1,31.9,29.6(2C),29.6,29.4,29.3(2C),29.2,24.0,22.7,14.1;IR(KBr)Umax2960,2878,1705,1598,1426,1387cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z357.2536(C223222+H+は357.2536である)。
【0055】
1−(5−ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ドデカン−1−オン.(185)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−5−イル)ピリジン(102mg,0.70mmol)の無水THF(5mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.77mmol,0.31mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,1.40mmol,2.8mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.70mmol,133mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。塩化ラウロイル(2当量,1.4mmol,306mg,0.32mL)を添加し、溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×17.5cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ドデカン−1−オン(185)(122mg,0.37mmol,収率53%)をオフホワイトの粉末として得た:mp73〜74℃;1H NMR(CDCl3,250MHz)d 8.65(br d,J=4.0 Hz,1H),7.89〜7.75(m,3H),7.34〜7.25(m,1H),3.09(t,J=7.7Hz,2H),1.83〜1.69(m,2H),1.41〜1.19(m,16H),0.86(br t,J=7.0Hz;3H);13C NMR(CDCl3,62.5MHz)d 188.6,153.2,150.1(2C),146.3,137.1,126.8,124.1,120.3,39.1,31.9,29.6(2C),29.4,29.3,29.2(2C),24.0,22.7,14.1;IR(KBr)Umax2929,2857,1704,1609,1415,1378cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z329.2214(C202822+H+は329.2223である)。
【0056】
1−(5−ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)デカン−1−オン.(187)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−5−イル)ピリジン(100mg,0.68mmol)の無水THF(5mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.75mmol,0.30mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,1.40mmol,2.8mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.68mmol,130mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。塩化デカノイル(2当量,1.4mmol,270mg,0.29mL)を添加し、溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×17.5cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)デカン−1−オン(187)(80mg,0.27mmol,収率40%)を明るい茶色の粉末として得た:mp56〜57℃;1H NMR(CDCl3,250MHz)d 8.69〜8.62(m,1H),7.87〜7.75(m,3H),7.33〜7.25(m,1H),3.08(t,J=7.7Hz,2H),1.81〜1.69(m,2H),1.41〜1.19(m,12H),0.86(br t,J=7.0Hz,3H);13C NMR(CDCl3,62.5MHz)d 188.5,157.3,153.1,150.0,146.2,136.9,127.8,124.1,120.3,39.1,31.8,29.4,29.3,29.2,29.1,24.0,22.6,14.0;IR(KBr)Umax2930,2845,1697,1601,1422,1380cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z300.1911(C182422+H+は301.1910である)。
【0057】
1−(5−ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ノナン−1−オン.(188)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−5−イル)ピリジン(117mg,0.80mmol)の無水THF(5mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.88mmol,0.35mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,1.60mmol,3.2mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.80mmol,152mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。分液フラスコにノナン酸(2当量,1.60mmol,253mg,0.28mL)の無水CH2Cl2(4.2mL)溶液を添加し、N2雰囲気下において0℃に冷却したこの溶液に、塩化オキサリル(5当量,8.0mmol,1.02g,0.70mL)を添加した。室温において2時間撹拌後、溶液を減圧下濃縮し、無水THF(1.5mL)に溶解した。塩化ノナノイル溶液を添加し、溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×17.5cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ノナン−1−オン(188)(94mg,0.33mmol,収率41%)を明るい茶色の粉末として得た:mp56〜57℃;1H NMR(CDCl3,250MHz)d 8.61(br d,J=4.4Hz,1H),7.84〜7.71(m,3H),7.29〜7.22(m,1H),3.05(t,J=7.3Hz,2H),1.79〜1.66(m,2H),1.42〜1.16(m,10H),0.88〜0.77(m,3H);13C NMR(CDCl3,62.5MHz)d 188.4,157.3,153.1,150.0,146.2,137.0,126.8,124.0,120.3,39.0,31.7,29.2,29.0,24.0,23.9,22.5,14.0;IR(KBr)Umax2922,2856,1705,1697,1600,1420,1381cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z287.1744 (C172222+H+は287.1754である)。
【0058】
1−(5−ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)オクタン−1−オン.(189)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−5−イル)ピリジン(111mg,0.76mmol)の無水THF(5mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.84mmol,0.33mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,1.52mmol,3.0mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.76mmol,145mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。分液フラスコにオクタン酸(2当量,1.52mmol,219mg,0.24mL)の無水CH2Cl2(4.2mL)溶液を添加し、N2雰囲気下において0℃に冷却したこの溶液に、塩化オキサリル(5当量,7.6mmol,0.96g,0.66mL)を添加した。室温において2時間撹拌後、溶液を減圧下濃縮し、無水THF(1.5mL)に溶解した。塩化オクタノイル溶液を添加し、溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×17.5cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)オクタン−1−オン(189)(107mg,0.39mmol,収率52%)を明るい茶色の粉末として得た:mp56℃;1H NMR(CDCl3,250MHz)d 8.63(br d,J=4.8Hz,1H),7.85〜7.74(m,3H),7.28(br t,J=5.1Hz,1H),3.08(t,J=7.3Hz,2H),1.84〜1.67(m,2H),1.47〜1.17(m,8H),0.85(br t,J=6.6Hz,3H);13C NMR(CDCl3,62.5MHz)d 188.5,157.3,153.1,150.0,146.2,137.0,127.8,124.1,120.3,39.1,31.6,29.0,28.9,24.0,22.5,14.0;IR(KBr)Umax2926,2849,1694,1601,1499,1470,1426,1382cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z273.1595(C162022+H+は273.1597)である。
【0059】
1−(5−ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ヘプタン−1−オン.(190)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−5−イル)ピリジン(112mg,0.77mmol)の無水THF(5mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.85mmol,0.34mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,1.58mmol,3.1mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.77mmol,146mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。分液フラスコにヘプタン酸(2当量,1.55mmol,202mg,0.22mL)の無水CH2Cl2(4.2mL)溶液を添加し、N2雰囲気下において0℃に冷却したこの溶液に、塩化オキサリル(5当量,7.8mmol,0.99g,0.68mL)を添加した。室温において2時間撹拌後、溶液を減圧下濃縮し、無水THF(1.5mL)に溶解した。塩化ヘプタノイル溶液を添加し、溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×17.5cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ヘプタン−1−オン(190)(97mg,0.38mmol,収率49%)を明るい茶色の粉末として得た:mp52℃;1H NMR(CDCl3,250MHz)d 8.63(br d,J=4.8Hz,1H),7.85〜7.74(m,3H),7.31〜7.25(m,1H),3.08(t,J= 7.7Hz,2H),1.78〜1.69(m,2H),1.44〜1.22(m,6H),0.86(t,J=6.6Hz,3H);13C NMR(CDCl3,62.5MHz)d 188.5,157.3,153.2,150.0,146.3,137.0,126.8,124.1,120.3,39.1,31.4,28.8,23.9,22.4,14.0;IR(KBr)Umax2933,2847,1698,1604,1430,1387cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z259.1436(C151822+H+は259.1441である)。
【0060】
1−(5−ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ヘキサン−1−オン.(191)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−5−イル)ピリジン(116mg,0.79mmol)の無水THF(5mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.87mmol,0.35mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,1.58mmol,3.2mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.79mmol,151mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。分液フラスコにヘキサン酸(2当量,1.58mmol,186mg,0.20mL)の無水CH2Cl2(4.2mL)溶液を添加し、N2雰囲気下において0℃に冷却したこの溶液に、塩化オキサリル(5当量,8.0mmol,1.02g,0.70mL)を添加した。室温において2時間撹拌後、溶液を減圧下濃縮し、無水THF(1.5mL)に溶解した。塩化ヘキサノイル溶液を添加し、溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×17.5cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ヘキサン−1−オン(191)(50mg,0.20mmol,収率25%)を明るい茶色の粉末として得た:mp49〜50.5℃;1H NMR(CDCl3,250MHz)d 8.64(br d,J=3.9Hz,1H),7.85〜7.75(m,3H),7.32〜7.26(m,1H),3.09(t,J=7.7Hz,2H),1.82〜1.70(m,2H),1.40〜1.31(m,4H),0.89(t,J=6.95Hz,3H);13C NMR(CDCl3,62.5MHz)d 181.5,150.3,146.2,143.0,139.3,130.0,119.8,117.0,113.3,32.0,24.2,16.6,15.3,6.8;IR(KBr)Umax2957,2872,1700,1677,1603,1426,1387cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z245.1284(C141622+H+は245.1284である)。
【0061】
1−(5−ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ペンタン−1−オン.(192)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−5−イル)ピリジン(116mg,0.79mmol)の無水THF(5mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.87mmol,0.35mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,1.58mmol,3.2mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.79mmol,151mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。分液フラスコに吉草酸(2当量,1.58mmol,161mg,0.17mL)の無水CH2Cl2(4.2mL)溶液を添加し、N2雰囲気下において0℃に冷却したこの溶液に、塩化オキサリル(5当量,7.89mmol,1.00g,0.69mL)を添加した。室温において2時間撹拌後、溶液を減圧下濃縮し、無水THF(1.5mL)に溶解した。塩化バレリル溶液を添加し、溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×17.5cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ペンタン−1−オン(192)(43mg,0.19mmol,収率24%)を明るい茶色の粉末として得た:mp36〜37℃;1H NMR(CDCl3,250MHz)d 8.68〜8.66(m,1H),7.89〜7.81(m,3H),7.34〜7.29(m,1H),3.12(t,J=7.7Hz,2H),1.83〜1.71(m,2H),1.48〜1.39(m,2H),0.96(t,J=7.3Hz,3H);13C NMR(CDCl3,62.5MHz)d 188.5,162.1,157.6,150.0,137.1,127.9,126.8,124.1,120.3,38.9,26.0,22.2,13.8;IR(KBr)Umax2954,2926,2862,1700,1690,1602,1472,1427,1381,cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z253.0950(C131422+Na+は253.0947である)。
【0062】
1−[5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル]ブタン−1−オン.(193)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−5−イル)ピリジン(98mg,0.67mmol)の無水THF(5mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.74mmol,0.3mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,1.34mmol,2.7mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.67mmol,128mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。塩化ブチリル(2当量,1.34mmol,143mg,0.14mL)を添加し、溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×17.5cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、1−(5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル)ブタン−1−オン(193)(68mg,0.31mmol,収率46%)を明るい茶色の粉末として得た:mp54〜55℃;1H NMR(CDCl3,250MHz)d 8.65〜8.62(m,1H),7.85〜7.78(m,3H),7.31〜7.26(m,1H),3.07(t,J=7.3Hz,2H),1.87〜1.72(m,2H),1.00(t,J=7.7Hz,3H);13C NMR(CDCl3,62.5MHz)d 188.4,162.0,157.3,150.1,146.3,136.9,126.8,124.1,120.3,40.9,17.5,13.5;IR(KBr)Umax2963,2933,2872,1675,1469,1426,1387,1227cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z217.0968(C121222+H+は217. 0971である)。
【0063】
1−[5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル]プロパン−1−オン.(194)
2雰囲気下において−75℃に冷却した、2−(オキサゾール−5−イル)ピリジン(98mg,0.67mmol)の無水THF(5mL)溶液をn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液,1.1当量,0.74mmol,0.3mL)で処理し、20分間撹拌した。ZnCl2(0.5M THF溶液,2.0当量,1.34mmol,2.7mL)を−75℃において添加し、0℃において45分間撹拌した。CuI(1.0当量,0.67mmol,128mg)を添加し、溶液を0℃において10分間撹拌した。塩化プロピオニル(2当量,1.34mmol,124mg,0.12mL)を添加し、溶液を0℃において1時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、15%NH4OH水溶液(1×10mL)、H2O(1×10mL)および飽和NaCl水溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下において濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×17.5cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、1−[5−(ピリジン−2−イル)オキサゾール−2−イル]プロパン−1−オン(194)(89mg,0.44mmol,収率65%)を明るい茶色の粉末として得た:mp65〜67℃;1H NMR(CDCl3,250MHz)d 8.65〜8.62(m,1H),7.86〜7.75(m,3H),7.31〜7.26(m,1H),3.18〜3.08(m,2H),1.29〜1.21(m,3H);13C NMR(CDCl3,62.5MHz)d 188.8,161.9,157.2,150.1,146.3,136.9,126.8,124.0,120.3,32.5,7.8;IR(KBr)Umax2935,2862,1699,1471,1426,1377cm-1;MALDI−FTMS(DHB)m/z203.0818(C111022+H+は203.0815である)。
【0064】
1−オキソ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−2−フェニルエタン.(195)
この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(2−ピリジル)オキサゾールとフェニル酢酸から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,20%EtOAc−ヘキサン)により195(5.7mg,0.022mmol,3%)を黄色の油状物質として得た:MALDI−FTMS(NBA−NAI)m/z265.0963(C161222+H+は265.0971である)。
【0065】
1−オキソ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−3−フェニルプロパン.(196)
この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(2−ピリジル)オキサゾールとヒドロ桂皮酸から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,20%EtOAc−ヘキサン)により196(46.9mg,0.169mmol,26%)を黄色の結晶性粉末として得た:mp67.0〜70.0℃;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z279.1120(C171422+H+は279.1128である)。
【0066】
1−オキソ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−4−フェニルブタン.(197)
この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(2−ピリジル)オキサゾールと4−フェニル酪酸から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,20%EtOAc−ヘキサン)により197(28.3mg,0.097mmol,15%)を黄色の結晶性粉末として得た:mp69.0〜72.0°C;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z293.1287(C181622+H+は293.1284である)。
【0067】
1−オキソ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−5−フェニルペンタン.(198)
この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(2−ピリジル)オキサゾールと5−フェニルペンタン酸から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,20%EtOAc−ヘキサン)により198(39.5mg,0.129mmol,20%)を黄色の結晶性粉末として得た:mp49.0〜51.0℃;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z307.1440(C191822+H+は307.1441である)。
【0068】
1−オキソ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−6−フェニルヘキサン.(199)
この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(2−ピリジル)オキサゾールと6−フェニルヘキサン酸から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,20%EtOAc−ヘキサン)により199(50.0mg,0.159mmol,24%)を淡黄色の結晶性粉末として得た:mp43.5〜45.5℃;MALDI−FTMS(NBA−NAI)m/z321.1607(C202022+H+は321.1597)。
【0069】
1−オキソ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−7−フェニルヘプタン.(200)
この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(2−ピリジル)オキサゾールと7−フェニルヘプタン酸から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,20%EtOAc−ヘキサン)により200(70.9mg,0.212mmol,33%)を淡黄色の結晶性粉末として得た:mp45.0〜48.0℃;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z335.1756(C212222+H+は335.1754である)。
【0070】
1−オキソ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−8−フェニルオクタン.(201)この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(2−ピリジル)オキサゾールと8−フェニルオクタン酸から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,20%EtOAc−ヘキサン)により201(62.6mg,0.180mmol,28%)を淡黄色の結晶性粉末として得た:mp72.0〜73.0℃;MALDI−FTMS(NBA−NAI)m/z349.1905(C222422+H+は349.1910である)。
【0071】
1−オキソ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−9−フェニルノナン.(202)
この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(2−ピリジル)オキサゾールと9−フェニルノナン酸(Kiuchi,F.ら、Chem.Pharm.Bull.1997,45,685−696)から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,20%EtOAc−ヘキサン)により202(88.9mg,0.245mmol,35%)を淡黄色の結晶性粉末として得た:mp39.0〜41.0℃;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z363.2058(C232622+H+は363.2067である)。
【0072】
1−オキソ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−9−デセン.(203)
この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(2−ピリジル)オキサゾールと9−デセン酸から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,20%EtOAc−ヘキサン)により203(64.5mg,0.216mmol,33%)を淡黄色の結晶性粉末として得た:mp55.0〜57.0℃;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z299.1748(C182222+H+は299.1754である)。
【0073】
1−オキソ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−9−デシン.(204)
この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(2−ピリジル)オキサゾールと9−デシン酸(decynoic acid)から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,20%EtOAc−ヘキサン)により204(67.9mg,0.229mmol,47%)を無色の結晶性粉末として得た:mp64.5〜65.5℃;MALDI−FTMS(NBA−NAI)m/z297.1589(C182022+H+は297.1597である)。
【0074】
1−オキソ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−9−オクタデシン.(205)
この物質は、162について記載した手法を使用して、5−(2−ピリジル)オキサゾールとステアロル酸(stearolic acid)から製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,20%EtOAc−ヘキサン)により205(75.7mg,0.185mmol,29%)を無色の結晶性粉末として得た:mp41.0℃;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z409.2850(C263622+H+は409.2849である)。
【0075】
1−(4,5−ジフェニルオキサゾール−2−イル)−1−オキソ−9(Z)−オクタデセン.(212)
4,5−ジフェニルオキサゾール.α−ブロモ−α−フェニルアセトフェノン(臭化デンシル(densyl bromide) ,5.53g,20.10mmol,1.0当量)、ギ酸アンモニウム(4.4g,69.8mmol,3.5当量)とギ酸(96%,21.3mL)の混合物を2.5時間加熱環流した。混合物を室温に冷却し、氷冷した水(70mL)に滴下し、次いで30%NaOH水溶液を添加して溶液を塩基性にした。これをエーテル(200mL、次いで100mL)で抽出し、分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、留去した。クロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×12cm,2%EtOAc−ヘキサン)により、4,5−ジフェニルオキサゾール(752mg,3.40mmol,17%)を淡黄色の油状物質として得た:1H NMR (CDCl3,250MHz)δ7.96(s,1H),7.72〜7.59(m,4H),7.45〜7.33(m,6H)。
【0076】
1−(4,5−ジフェニルオキサゾール−2−イル)−1−オキソ−9(Z)−オクタデセン.
この物質は、162について記載した手法を使用して、4,5−ジフェニルオキサゾールから製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×12cm,2%EtOAc−ヘキサン)により212(33.3mg,0.069mmol,11%)を黄色の油状物質として得た:MALDI−FTMS(NBA−NaI)M/Z508.3177(C3343NO2+Na+は508.3186である)。
【0077】
1−(4,5−ジメチルオキサゾール−2−イル)−1−オキソ−9(Z)−オクタデセン.(213)
4,5−ジメチルオキサゾール.(Theilig,G.Chem.Ber.1953,86,96−109)
3−クロロ−2−ブタノン(2.50g,23.46mmol,1.0当量)、臭化テトラブチルアンモニウム(152mg,0.47mmol,0.02当量)およびホルムアミド(7.5mL)の混合物を100℃において6時間加熱した。生成物を大気圧下において混合物から蒸留して、4,5−ジメチルオキサゾール(浴温度150〜170℃,796mg,8.20mmol,35%)を無色の油状物質として得た:1H NMR(CDCl3, 250MHz)δ7.66(s,1H),2.23(s,3H),2.09(s,3H)。
【0078】
1−(4,5−ジメチルオキサゾール−2−イル)−1−オキソ−9(Z)−オクタデセン.
この物質は、162について記載した手法を使用して、4,5−ジフェニルオキサゾールから製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,2.5cm×12cm,5%Et2O−ヘキサン)により213(106mg,0.293mmol,45%)を黄色の油状物質として得た:MALDI−FTMS (NBA−NAI)m/z362.3049(C2339NO2+H+は362.3054である)。
【0079】
1−ヒドロキシ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−9(Z)−オクタデセン.
1−オキソ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−9(Z)−オクタデセン(143)(13.0mg,0.032mmol)のメタノールとTHFの1:1混合物(3.0mL)の溶液に水素化ホウ素ナトリウム(1.8mg,0.048mmol)を0℃において添加した。0℃において20分撹拌後、混合物に飽和NaCl水溶液を添加し、混合物を酢酸エチル(40mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、留去した。クロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,50%EtOAc−ヘキサン)により、26(7.2mg,0.017mmol,55%)を無色の固体として得た:mp.37.5〜39.5℃;MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z413.3164(C264022+H+は413.3162である)。
【0080】
1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−9(Z)−オクタデセン.
1−ヒドロキシ−1−[5−(2−ピリジル)オキサゾール−2−イル]−9(Z)−オクタデセン(26,21.8mg,0.053mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液にトリフェニルホスフィン(69.3mg,0.264mmol,5.0当量)および四臭化炭素(87.6mg,0.264mmol,5.0当量)を0℃において添加した(同様の反応が報告されている:Bohimann,F.ら、Chem.Ber.1976,109,1586−1588)。0℃において30分撹拌後、混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、水(25mL)で洗浄した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、留去した。クロマトグラフィー(SiO2,1.5cm×12cm,20%EtOAc−ヘキサン)により、27(2.1mg,0.053mmol,10%)を淡黄色の油状物質として得た:MALDI−FTMS(NBA−NaI)m/z397.3209(C26402O+H+は397.3213である)。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】試験した種々の化合物のKiを記載する2つの表を例示する。
【図2】FAAHの4−および5−ヘテロアリール置換α−ケトオキサゾール阻害剤のKiを記載する図1の第2表の続きである。
【図3】FAAHのα−ケトオキサゾロピリジン阻害剤のKiの表を例示する。
【図4】側鎖の系統的な変更および記載した化合物の活性に対する影響を示す表を例示する。例示的なヘッド基をこのシリーズにおいて使用する。
【図5】アリール−置換複素環と4−または5−ブロモ化合物206および207からのそれらの合成方法を例示する。
【図6】FAAHのα−ケト複素環阻害剤のC18テールの二重結合の有無による化合物のKiの変化を示す表を例示する。
【図7】化合物のKiに対して、α−ケトオキサゾロピリジン阻害剤の脂肪酸側鎖の改変が与える影響を示す表を例示する。
【図8】第1世代阻害剤とそれらのFAAHのIC50を示す表を例示する。
【図9】第2世代阻害剤とそれらのFAAHのIC50を示す表を例示する。
【図10】置換オキサゾール阻害剤を合成する方法を開示する一連の反応を例示する。
【図11】OL−135(10mg/kg、i.p.)注射後60分の熱疼痛反応の減少を示す棒グラフを例示する。
【図12】OL−135(10mg/kg、i.p.)注射後60分の熱疼痛反応の減少を示す棒グラフを例示する。
【図13】尾液浸試験におけるOL−135の鎮痛作用をSR141716Aが遮断することを示す棒グラフを例示する。
【図14】ホットプレート試験におけるOL−135の鎮痛作用をSR141716Aが遮断することを示す棒グラフを例示する。
【図15】エステルのα位にフッ素、ヒドロキシルおよびトリフルオロメチル基を官能基として導入する方法を例示する。
【図16】塩素、α−アルキル−α−ヒドロキシル、α−アルキル−α−トリフルオロメチルおよびα−アルキル−α−フルオロ基をエステルに付加することができる方法を例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式:
A−B−C
(式中、Aは阻害サブユニットであり、Bは連結サブユニットであり、Cは結合サブユニットであり、
阻害サブユニットAは、脂肪酸アミド加水分解酵素を阻害するためのα−ケト複素環ファーマコフォアであって、式:
【化1】

(式中、「het」は以下の構造:
【化2】

(式中、Xは、炭素および窒素からなる群から選択され、
Yは、酸素および硫黄からなる群から選択され、
1およびR2は、独立に、水素C1−C6アルキル、芳香環およびヘテロ芳香環からなる群から選択され、
ただし、R1およびR2は共に水素にはなりえず、
Xが窒素である場合には、R1は存在しない)である)によって表されるα−ケト複素環ファーマコフォアであり、
連結サブユニットBは阻害サブユニットAと結合サブユニットCを連結するための鎖であって、かつ結合サブユニットCを脂肪酸アミド加水分解酵素の結合領域に結合させるための鎖であり、該鎖は炭素、酸素、硫黄および窒素からなる群から選択される3〜9原子の直鎖状の骨格を有し、該連結骨格は第1の末端と第2の末端を有し、該第1の末端はAのα−ケト基に共有結合し、
ただし、前記鎖の第1の末端が阻害サブユニットAのα−ケト基に対してα−炭素である場合には、α−炭素は、任意選択的に、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、アルコキシ、トリフルオロメチルおよびアルキルからなる群から選択される置換基でモノ−官能基化またはビス−官能基化されており、
結合サブユニットCは、Π−不飽和を有する基を含有するΠ−結合であって、アリール、アルケニル、アルキニルおよび1つ以上のヘテロ原子を有してもよく、有さなくても良い少なくとも1つの不飽和を有する環構造からなる群から選択され、結合サブユニットCは連結サブユニットBの第2の末端に共有結合されており、Π−結合内にΠ−不飽和を含有する基は、互いに連続して結合される3以上で9以下の原子の配列でAのα−ケト基から分離されており、Π−不飽和を脂肪酸アミド加水分解酵素の結合領域に結合させると同時に、阻害サブユニットAが脂肪酸アミド加水分解酵素を阻害するための直鎖状の骨格を含み、
ただし、Cは、任意選択的に、C1〜C10のアルキルである)によって表される脂肪酸アミド加水分解酵素の阻害剤。
【請求項2】
1およびR2が、独立して、水素、C1〜C6アルキルおよび以下の構造:
【化3】

によって表される基からなる群から選択される基であるが、
ただし、R1およびR2は共に水素にはなりえず、
Xが窒素である場合には、R1は存在しない請求項1記載の脂肪酸アミド加水分解酵素の阻害剤。
【請求項3】
前記α−ケト複素環ファーマコフォアの「het」が、以下の群:
【化4A】

【化4B】

【化4C】

から選択される請求項2記載の脂肪酸アミド加水分解酵素阻害剤。
【請求項4】
以下の構造:
【化5】

(式中、R1およびR2が、独立して、水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、アルコキシ、トリフルオロメチルおよびアルキルからなる群から選択され、
「n」が2〜8の整数である)によって表される請求項3記載の脂肪酸アミド加水分解酵素阻害剤。
【請求項5】
脂肪酸アミド加水分解酵素を阻害する方法であって、脂肪酸アミド加水分解酵素に、以下の式:
A−B−C
(式中、Aは阻害サブユニットであり、Bは連結サブユニットであり、Cは結合サブユニットであり、
阻害サブユニットAは、脂肪酸アミド加水分解酵素を阻害するためのα−ケト複素環ファーマコフォアであって、式:
【化6】

(式中、「het」は以下の構造:
【化7】

(式中、Xは、炭素および窒素からなる群から選択され、
Yは、酸素および硫黄からなる群から選択され、
1およびR2は、独立して、水素C1−C6アルキル、芳香環およびヘテロ芳香環からなる群から選択され、
ただし、R1およびR2は共に水素にはなりえず、
Xが窒素である場合には、R1は存在しない)である)によって表されるα−ケト複素環ファーマコフォアであり、
連結サブユニットBは阻害サブユニットAと結合サブユニットCを連結するための鎖であって、結合サブユニットCを脂肪酸アミド加水分解酵素の結合領域に結合させるための鎖であり、該鎖は炭素、酸素、硫黄および窒素からなる群から選択される3〜9原子の直鎖状の骨格を有し、連結骨格は第1の末端と第2の末端を有し、第1の末端はAのα−ケト基に共有結合しており、
ただし、前記鎖の第1の末端が阻害サブユニットAのα−ケト基に対してα−炭素である場合には、α−炭素は、任意選択的に、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、アルコキシ、トリフルオロメチルおよびアルキルからなる群から選択される置換基でモノ−官能基化またはビス−官能基化されており、
結合サブユニットCは、Π−不飽和を有し、アリール、アルケニル、アルキニル、および1つ以上のヘテロ原子を有してもよく有さなくてもよい、少なくとも1つの不飽和を有する環構造からなる群から選択される基を含有するΠ−結合であり、結合サブユニットCは連結サブユニットBの第2の末端に共有結合されており、Π−結合内にΠ−不飽和を含有する基は、互いに連続して結合される3以上で9以下の原子の配列でAのα−ケト基から分離されており、Π−不飽和を脂肪酸アミド加水分解酵素の結合領域に結合させると同時に、阻害サブユニットAが脂肪酸アミド加水分解酵素を阻害するための直鎖状の骨格を含み、
ただし、Cは、任意選択的に、C1〜C10のアルキルである)によって表される阻害濃度の阻害剤を接触させるステップであって、脂肪酸アミドに接触させる結果、脂肪酸アミド加水分解酵素の阻害を増強するために、結合サブユニットCが脂肪酸アミド加水分解酵素の結合領域に結合するステップを含む脂肪酸アミド加水分解酵素を阻害する方法。
【請求項6】
1およびR2が、独立して、水素、C1〜C6アルキルおよび以下の構造:
【化8】

によって表される基からなる群から選択される基であり、
ただし、R1およびR2は共に水素にはなりえず、
Xが窒素である場合には、R1は存在しない請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記α−ケト複素環ファーマコフォアの「het」が、以下の群:
【化9A】

【化9B】

【化9C】

から選択される請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記阻害剤が、以下の構造:
【化10】

(式中、R1およびR2が、独立して、水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、アルコキシ、トリフルオロメチルおよびアルキルからなる群から選択され、
「n」が2〜8の整数である)によって表される請求項7記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公表番号】特表2006−502229(P2006−502229A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−543576(P2004−543576)
【出願日】平成15年10月8日(2003.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2003/031975
【国際公開番号】WO2004/033652
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(501244222)ザ スクリプス リサーチ インスティテュート (33)
【Fターム(参考)】