腋窩の悪臭の生成を抑制する微生物
腋窩のバクテリアによる悪臭化合物の製造を抑制することができる微生物が記載されている。また、かかる微生物を含む組成物、並びにかかる微生物を、化粧品、予防又は治療用途における使用についても記載されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腋窩のバクテリアによる悪臭化合物の生成を抑制することが可能な微生物に関する。更に本発明は、かかる微生物を含む組成物、例えば化粧品又は医薬組成物、及びかかる微生物を化粧品、予防又は治療の用途に使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、新たに抽出される腋窩の汗は無臭であることが当該分野において公知である。Leyden等によると(J. Invest. Dermatol. 77 (1981), 413-416頁)、腋窩の臭気は、汗をバクテリアが分解することに起因して生じる。一般的に腋窩の強力な臭気は、アポクリン分泌物から放出し得るものであり、そしてかかる分泌物に存在する無臭分子から臭気のある化合物を生成するには、皮膚バクテリアの作用を必要とすることが知られている(Shelly等、Arch. Dermatol. Syphilol. 68 (1953), 430-446頁)。腋窩に存在するバクテリアが臭気前駆体と接触すると、典型的な腋窩の汗の臭いが発生する。かかる腋窩は、ブドウ球菌及びコリネバクテリア属によって占められ、密な微生物集団を支持する皮膚領域である。殆どの個体は、かかる2種類の属のいずれかが優勢な細菌叢を保有しており、そして強力な相関作用が、高密度のコリネバクテリアと強力な腋窩の臭気の形成との間で見出された(Leyden等の1981;Natsch等, J. Biol. Chem. 278(8) (2003), 5718-5727頁)。したがって、腋窩の分泌物は、コリネバクテリア種に主として存在する細菌酵素によって変化する無臭前駆体を含む。
【0003】
人体の臭気のいくつかの臭気化合物が、同定されている。初期の研究では、腋窩の悪臭の原因因子として、腋窩において分泌されるサルフェート及びグルクロニドから放出されるアンドロステノン型の臭気ステロイドに関して特徴付けた。他の重要な臭気成分としてチオールが同定された。これは、腋窩において、一般式COO−H−CH(NH2)−CH2−S−Rを有するアミノ酸を開裂するように作用するアミノ酸β−リアーゼによって産生される。これにより得られる揮発性の硫黄生成物は、ヒトの腋窩の臭気に特有の刺激臭の原因であると考えられている(US5213781)。Zeng等は、短鎖、分岐脂肪酸が、腋窩の悪臭における重要な成分として作用するが、その際に、3−メチル−2−ヘキセン酸(3M2H)が主として関与することを提案した(J. Chem. Ecol. 18 (1991), 1039-1055頁)。更に彼等は、3M2Hが、腋窩の分泌物に含まれる主なタンパク質であるアポリポタンパク質Dと非共有結合すること、および3M2Hがアポクリン分泌物の水性画分をコリネバクテリアと共に培養することにより放出されることを示した。これは、水溶性の共有結合前駆体が存在しなければならないことを示す。Natsch等(2003)は、3M2H並びに化学的に関連する化合物、すなわち3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサン酸(HMHA)が、新たな腋窩の分泌物におけるグルタミン残留物に共有結合することを示した。かかる無臭前駆体、すなわち3−メチル−2−ヘキセノイル−L−グルタミン(3M2H−Gln)及び3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサノイル−L−グルタミン(HMHA−Gln)は、Corynebacterium striatum株から精製されるN−アシル−アミノアシラーゼ酵素によって開裂されることが示された。従って、かかる酵素が、短鎖分岐脂肪酸型の悪臭化合物を主に産生するものと仮定される。
【特許文献1】US5213781
【非特許文献1】J. Invest. Dermatol. 77 (1981), 413-416頁
【非特許文献2】Arch. Dermatol. Syphilol. 68 (1953), 430-446頁
【非特許文献3】J. Biol. Chem. 278(8) (2003), 5718-5727頁
【非特許文献4】J. Chem. Ecol. 18 (1991), 1039-1055頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
初期のデオドラントは、体臭を隠すために強力な香料に依存している。しかしながら、市場で入手可能な現在のデオドラント化粧品の殆どは、腋窩における微生物の生物活性に対する非特異的な阻害、すなわち、臭いを生じる原因となるバクテリアの根絶に依存している。実際、デオドラント化粧品は、皮膚の細菌叢の成長を阻害する抗菌性化合物、例えば2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル(トリクロサン(Triclosan))を含むのが一般的である。しかしながら、かかる原理は臭気の形成に対して有効であるものの、これにより、例えば、潜在的な病原性微生物より皮膚を保護する天然の常在性微生物の皮膚細菌叢を重度に破壊する(Bisno等., Am. J. Med. 76 (5A) (1984), 172-179)。考えられる代替法では、悪臭化合物の生成に関与していることが公知である酵素の作用を直接阻害する(EP1258531)。しかしながら、多くの阻害剤、例えば、3M2Hを放出する酵素であるN−アシル−アミノアシラーゼの有効な阻害剤であることが示されている、フェナントロリン、DTT又はCuSO4は、潜在的に有害であることから、腋窩の皮膚に対して局所的に用いることに不適当である。in vivo及びin vitroにおける実験では、亜鉛のキレート化剤、例えばEDTA、EGTA等が、その皮膚保護機能を低下させる特性のために、重大な組織及び皮膚刺激特性を有することを報告している(Braz, Dent. J. 16, (2005), 3-8頁)。また、ジチオトレイトール等のジチオールは、皮膚に刺激を与えることが一般に知られている。アシル−L−グルタメート、例えばラウロイル−L−グルタミン又はグルタミンのカラマーテ(caramate)は、安全ではないと記載されている(Siga-Aldrich MSDS saftey report 43817 and 61732を参照されたい)。更に、これらの全ての物質は、皮膚の重要な保護機能を維持することに関与する天然の片利共生微生物の皮膚細菌叢を妨げる効力を有している(Bisno等., Am. J. Med. 76 (5A) (1984), 172-179頁)。
【0005】
従って、重篤な副作用を生じさせず、又はヒトの腋窩における微生物の皮膚細菌叢に悪影響を与えることなく悪臭化合物の放出を抑制することができる手段及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる要求に取り組み、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する微生物及び方法を提供する。特に、特許請求の範囲で特徴付けられているような実施形態を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
従って、本発明は、第1の実施形態において、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが可能な微生物に関する。
【0008】
驚くべきことに、本発明者等は、腋窩に対して、上述の微生物又はその不活性形態を用いることによって、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を効果的に抑制することができることを見出した。本発明者等は、当該微生物を初めて同定し、そしてその同定方法を提供した。かかる微生物は、無臭前駆体化合物の、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体への転化を生化学的に抑制することができる。これにより、腋窩の悪臭の生成を妨げる。
【0009】
“3−メチル−2−ヘキセン酸の臭気誘導体”なる用語は、3−メチル−2−ヘキセン酸から化学的に誘導可能であるか、又は3−メチル−2−ヘキセン酸と構造的に関連し、そして臭いのある化合物に関する。好ましくは、かかる用語は、3−メチル−2−ヘキサン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサン酸、(E)−3−メチル−2−ヘキセン酸(E−3M2H)及び(Z)−3−メチル−2−ヘキセン酸(Z−3M2H)からなる群から選択される化合物に関する。
【0010】
“3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出”なる用語は、腋窩分泌物において一般的に見出し得る無臭前駆体を3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体に転化することに関する。
【0011】
特に、“無臭前駆体”なる用語は、それ自体悪臭を放たないものの、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の生成に至る反応において化学的に又は酵素によって転化される場合に臭気を放つ化合物に関する。好ましくは、“無臭前駆体”なる用語は、3−メチル−2−ヘキセノイル−L−グルタミン(3M2H−Gln)、3−メチル−2−ヘキセノイル−L−アポリポプロテイン(3M2H−apoD)、3−メチル−2−ヘキセノイル−L−ASOP1、3−メチル−2−ヘキセノイル−L−ASOP2、3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサノイル−L−グルタミン(HMHA−Gln)、3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサノイル−L−アポリポプロテインD(HMHA−apoD)、3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサノイル−L−ASOP1又は3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサノイル−L−ASOP2に関する。
【0012】
“臭気”又は“臭気を放つ”なる用語は、腋窩特有の汗の臭いが検出可能であることを意味する。好ましくはかかる用語は、腋窩特有の汗の臭いに関する検出が、鼻、好ましくは当業者の鼻で臭いを嗅ぐことによって確認されることを意味する。より好ましくはかかる用語は、GC/MS分析によって検出し得る量の3−メチル−2−ヘキセン酸又はその誘導体を意味する。“無臭”なる用語は、腋窩特有の汗の臭いが、鼻、好ましくは当業者の鼻で臭いを嗅いでも検出され得ないことを意味する。より好ましくはかかる用語は、GC/MS分析によって3−メチル−2−ヘキセン酸又はその誘導体が検出され得ないことを意味する。
【0013】
“鼻で臭いを嗅ぐ”ことによる検証は、鼻で臭いを検出することに関して訓練された1人以上のヒトによって行われる、腋窩特有の汗の臭いの検出に関する。かかる検出は、任意の好適な形態で、又は当業者に公知である好適な技術を用いて行っても良い。検出は、鼻で腋窩の臭いを検出することに関して訓練された適任のパネラーによって行われても良く、更に好ましくは、3人からなる適任のパネラーによって行なわれても良い。臭気強度については、様々に分類される。好ましくは、この分類は、以下のように規定することができる:0=臭気検出不可能、1=僅かに臭気を検出可能、2=臭気を検出可能、及び3=強い臭気を検出可能。適任のパネラーを形成する人又は人々は、微生物の臭気サンプルの臭気強度を独立して評価しても良い。好ましくは、3M2Hをその前駆体の形態から放出可能である微生物、無臭の腋窩分泌物及び3M2Hの放出を抑制可能な微生物からなるin vtroにて作製したサンプルまたは本発明で規定される微生物が存在しない対応する対照サンプルの臭気を調べることができる。適任のパネラーに属する人による臭気認知の値は、当業者に公知である任意の手段によって算出することができる。好ましくは、適任のパネラーに属する全ての人による臭気認知の値の平均値を算出することができる。次に、かかるデータに基づいて、臭気の強度を、当業者に公知である任意の手段で定量化することができる。
【0014】
“臭気誘導体”又は“3−メチル−2−ヘキセン酸の誘導体”なる用語は、鼻、好ましくは当業者の鼻で臭いを嗅ぐことによって確認し得るような腋窩特有の汗の臭いを生成する3−メチル−2−ヘキセン酸の誘導体に関する。好ましくは、“3−メチル−2−ヘキセン酸の誘導体”なる用語は、3−メチル−2−ヘキセン酸から化学的に誘導可能であるか、又は3−メチル−2−ヘキセン酸と構造的に関連し、そして臭いのある化合物に関する。より好ましくは、かかる用語は、3−メチル−2−ヘキサン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサン酸、(E)−3−メチル−2−ヘキセン酸(E−3M2H)及び(Z)−3−メチル−2−ヘキセン酸(Z−3M2H)からなる群から選択される化合物に関する。
【0015】
“皮膚”なる用語は、当業者に公知であるように、身体の外層を称する。好ましくは、かかる用語は、3層に関する:すなわち、表皮、真皮、及び皮下脂肪組織である。表皮は、皮膚の最も外側の層である。それは、一般に、体表に対して、防水の、保護外皮を形成し、下層の基底層を伴う層状の鱗状の表皮を形成する。通常、表皮は、血管を含まず、真皮からの拡散によって養われている。表皮を形成する主な種類の細胞は、ケラチノサイトであるが、メラノサイト及びランゲルハンス細胞も存在する。表皮は、いくつかの層に分かれ、細胞は最も内側の層における有糸分裂により形成される。これらは、分化しケラチンを保有するにつれて、形状及び組成を変えて上層へと移動する。これらは最終的に、角質層と称される表面層に到達し、そして剥がれ落ちるか、又は落屑する。表皮の最も外側の層は、25〜30層の死細胞からなる。一般的に、表皮は、5つの副層又は階層に分かれる(表面から深層):すなわち、角質層、透明層、顆粒層、有棘層及び基底層又は表皮基底層である。表皮と真皮の間の境界面は、不規則であり、連続する乳頭状の、又は指状の突起部からなるのが一般的であり、かかる突起部は、皮膚が薄い場所では小さく、掌及び足の裏の皮膚において最も大きい。掌及び足の裏の乳頭部は、表皮の隆起部と結合し、これにより頂上部を形成する。皮下脂肪組織は、皮膚の最深層である。かかる層の特徴は、結合組織、血管、及び脂肪細胞から構成されていることにある。一般的に、かかる層により、皮膚を下に在る構造体に結合させ、体を寒さから防護し、そしてエネルギーを脂肪の形態で貯蔵する。一般的に皮膚は、物理的作用、化学的及び生物的因子に対する深部組織のための保護層を形成する。これは、例えば、口腔又は膣領域又は粘膜に属する組織が皮膚でないことを意味する。好ましい実施形態において、“皮膚”なる用語は、身体の外層における最外層、すなわち、表皮に関する。より好ましい実施形態において、“皮膚”なる用語は、表皮における角質層に関する。さらに好ましい実施形態において、“皮膚”なる用語は、表皮における最も外側の25〜30層からなる死細胞に関する。最も好ましい実施形態において、“皮膚”なる用語は、表皮における最も外側の10層からなる死細胞に関する。
【0016】
他の好ましい実施形態において、“皮膚”なる用語は、腋窩の皮膚に関する。“腋窩の皮膚”なる用語は、アクスル(axle)又はわきの下の窪みにおける皮膚領域に関する。腋窩の皮膚は、例えば、細菌に対して特有の環境を生じるのが一般的である。腋窩の皮膚は、通常、例えば、汗腺の存在、性質及び数に関して身体の他の領域と異なっている。汗腺は、通常、表皮又は皮下脂肪中に埋没した極小の螺旋状の管を形成する。2種類の汗腺が存在するのが一般的である:すなわち、エクリン汗腺及びアポクリン汗腺である。エクリン汗腺は、汗、すなわち、特に水と塩の混合物を含む物質を形成するのが一般的である。汗は、身体を冷やす場合、例えば、皮膚から水を蒸発させることによって身体の温度を調節する場合に重要な役割を果たすのが一般的である。更に、汗は、身体から老廃物(例、毒素)を除去するのに有用な天然の手段を生じ得る。エクリン汗腺の極小管は、表皮及び真皮を貫き、皮膚に直接開放しているのが一般的である。一般に、腋窩の皮膚におけるエクリン汗腺の数及び密度は、身体の他の皮膚領域と比較して高い。通常、汗の生成は、汗腺、例えばエクリン汗腺の数に依拠する。したがって、腋窩の皮膚中で、又は腋窩の皮膚上での汗の生成は、体の他の皮膚領域と比較して高いことを意味する。
【0017】
アポクリン汗腺は、毛胞及び脂腺と同一の構造から形成されるのが一般的である。通常、アポクリン汗腺は、思春期が始まると極めて活性となる。腋窩の皮膚は、アポクリン汗腺を含むのが一般的であるのに対し、身体における他の皮膚領域の殆どは、かかる汗腺を含まないのが一般的である。好ましくは、腋窩の皮膚におけるアポクリン汗腺の数は、身体の他の皮膚領域、例えば生殖器部と比較して高い。
【0018】
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出に関して“抑制する”なる用語は、本発明の微生物と接触した場合、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を止めるか、又は低減することを意味する。“止められた放出”とは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体が、無臭の腋窩の分泌物の存在下における3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出可能な微生物と、本発明の微生物とを含む混合物中に、検出できないことを意味する。“低減された放出”とは、腋窩の無臭の分泌物の存在下における3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出可能な微生物と本発明の微生物とを含む混合物における3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の量が、本発明の微生物が存在しない混合物におけるそれと比較して、低減されていることを意味する。3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出に関して“低減される”なる用語は、腋窩の無臭の分泌物の存在下における3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出可能な微生物と本発明の微生物とを含む混合物における3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の量が、本発明の微生物が存在しない混合物に含まれる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の量の、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、更に好ましくは3%、最も好ましくは2%であることを意味する。
【0019】
3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制する本発明の微生物の能力は、以下に記載されるようなアッセイにおいて測定し得る:
簡単に述べれば、かかるアッセイは、以下のステップを含む:
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力に関して試験される微生物を、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物及び無臭の腋窩分泌物と混合し、
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出条件下で混合物をインキュベートし、
混合物の上清から短鎖脂肪酸を抽出し、
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の発生による臭気の放出を検出する。
【0020】
成分の混合は、当業者に公知である適当な割合で且つ好適な緩衝液中において行うことができる。好ましい実施形態において、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物は、37℃のBHI培養液中において好気的に培養する。培養は、例えば、20〜40時間、好ましくは25〜35時間、更に好ましくは30時間に亘って行うことができる。好気培養用の容積としては、適当な容積を使用可能であり、好ましくは1〜50mL、更に好ましくは5〜40mL、なおいっそう好ましくは10〜30mL、最も好ましくは20mLの容積を使用する。3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物を、次に、適当な方法によって培地から分離する。例えば、かかる微生物の培養物を、3000×gで10分間遠心分離し得る。さらなるステップとして、得られた微生物を、当業者に公知である好適な方法によって洗浄しても良く、好ましくは、得られた細胞ペレットを緩衝液、例えばpH7.0のPBS緩衝液で1回〜数回洗浄する。さらなるステップとして、得られた細胞を、当業者に公知である好適な緩衝液に再懸濁しても良く、好ましくは、得られた細胞ペレットを、例えば20mLの緩衝液、例えばpH7.0のPBS緩衝液に再懸濁する。
【0021】
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力について試験される微生物を、当業者に公知である好適な条件下で培養する。好ましくは、嫌気条件下、例えば37℃にてMRS培養液中で培養する。培養は、好適な時間、例えば1〜3日間、好ましくは30〜60時間、更に好ましくは40〜50時間、なおいっそう好ましくは48時間に亘って行うことができる。嫌気培養用の容積としては、適当な容積が使用可能であり、好ましくは1〜1000μL、更に好ましくは10〜500μL、なおいっそう好ましくは100〜300μL、最も好ましくは150μLの容積を使用する。
【0022】
腋窩の分泌物を、当業者に公知である適当な方法によって得ることができ、例えば、滅菌した腋窩から無菌無臭の汗を採取する。腋窩は、当業者に公知である適当な洗浄材料で洗浄しても良く、例えば、0.1%のトライトン(Triton)X100を含むPBS緩衝液で洗浄しても良い。乾燥後、腋窩を、例えば、70%のエタノールおよび清潔なティッシュペーパーで滅菌し得る。当業者に公知である好適な時間、好ましくは2〜10時間、更に好ましくは4〜6時間、なおいっそう好ましくは3時間の後、腋窩の分泌物を、腋窩を例えば10%のエタノールで4回洗浄及び消毒して採取し得る。各々の洗浄画分を、好ましくはガラスフラスコに回収し、そして各画分を合わせて、当業者に公知である好適な温度、例えば−20℃にて保存することができる。回収手順は、十分な量、例えば200mLの腋窩の分泌物が集められるまで繰り返し行い得る。希釈された無臭の腋窩分泌物を、例えばロータリエバポレータによって更に濃縮しても良い。その後、濃縮した腋窩分泌物を、例えば5000×gにて10分間に亘って更に遠心分離しても良い。
【0023】
アッセイに関して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物の洗浄細胞、好ましくは洗浄した細胞を、当業者に公知である適当な割合で無臭の腋窩分泌物と混合する。好ましい実施形態において、1〜500μLの洗浄細胞を使用し、更に好ましくは10〜200μL、なおいっそう好ましくは30〜100μL、最も好ましくは50μLを使用する。濃縮された無臭の腋窩分泌物は、例えば、1〜1000μL、好ましくは5〜500μL、更に好ましくは10〜250μL、最も好ましくは100μLの量で使用し得る。かかる混合物に対して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力に関して試験される微生物の培養物を当業者に公知である好適な量で添加しても良い。好ましくは1〜1000μL、更に好ましくは5〜500μL、なおいっそう好ましくは10〜250μL、最も好ましくは100μLを添加する。対照として、適当な緩衝液又は培地、例えば、対応する適量のPBS緩衝液又はMRS培地を、上述したように特徴付けられる混合物に添加することができる。サンプルは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出する条件下でインキュベートする。かかる条件は、当業者に公知である。“3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出する条件”とは対照にて検証されるように、微生物が3−メチル−2−ヘキセン酸を放出することが可能な当業者に公知である条件を意味する。当該対照には3−メチル−2−ヘキセン酸を放出することが可能な微生物のみが含まれ、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが可能な微生物は存在しない。更に好ましくは、サンプルを、好気条件下37℃にて、例えば、5〜30時間、更に好ましくは7〜25時間、10〜20時間、最も好ましくは16時間に亘ってインキュベートする。その後、細胞を遠心分離しても良く、そして上清を、例えば6MのHClで酸性化しても良い。次に、短鎖脂肪酸を当業者に公知である方法で抽出することが可能であり、3×150μLのCHCl3で抽出するのが好ましい。抽出物を、例えば窒素下で更に濃縮して、例えば10μLの体積にしても良い。
【0024】
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の存在は、当業者に公知である方法によって検出し得る。好ましくは、GC/MS分析によって、例えば、スプリット/スプリットレスインジェクタ及びFFAPカラムを具備する、ヒューレッドパッカード社のGC5980シリーズII/MSD5971システムを用いて測定する。好ましい実施形態において、少ない体積、例えば1μLの、上述の臭気溶液又は抽出物を、例えば、30m、0.25mmのID、0.25μLのフィルム厚を有する、例えばFFAPカラムを具備するGC/MSDに、スプリットレスで注入しても良い。当業者に公知であるような好適なインジェクタ及び検出器の温度が選択される。インジェクタ及び検出器の温度は180℃を選択するのが好ましい。短鎖脂肪酸の分離に関し、当業者に公知である好適な温度条件が選択される。短鎖脂肪酸を分離するための温度条件は、100℃にて2分、その後、10℃/分にて180℃の最終温度まで上昇させても良い。かかる温度は、1〜100分、好ましくは5〜50分、最も好ましくは10分間に亘って保持されても良い。カラムの流量は、当業者に公知である条件に従って設定することができる。好ましくは、カラムの流量は、0.5mL/分に設定されても良い。3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の同定は、未知のスペクトルを市販の標準と比較することによって行うことができる。更なる同定パラメータとして、例えば、相対クロマトグラフ保持時間を用いることができる。少なくとも1種のかかる微生物での臭気放出アッセイに基づき上記の腋窩分泌物において検出される3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の量が、本発明の微生物が存在しない混合物において検出される3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の量の、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下、最も好ましくは2%以下である場合に、かかる微生物は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することができるとみなされる。上述のアッセイを使用して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することができる微生物を同定することができる。
【0025】
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力を測定する代替的なin vitroアッセイは、基質としてN−α−ラウリル−グルタミンを使用することに基づいている。N−α−ラウリル−グルタミンは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物によって、アミノアシラーゼの基質としても認識される人工の物質である。天然の基質に構造的に類似しているために、N−α−ラウリル−グルタミンを使用して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する微生物の能力を間接的に測定することができる。対応のアッセイは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力に関して試験される微生物とインキュベートする前およびインキュベートした後のN−α−ラウリル−グルタミンの量の比較に基づいている。簡単に述べると、かかるアッセイは、以下のステップを含む:
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力に関して試験される微生物を、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物及びN−α−ラウリル−グルタミンと混合し、
N−α−ラウリル−グルタミンから誘導されるラウレエートを放出する条件下で混合物をインキュベートし、
残留するN−α−ラウリル−グルタミンの存在に関して混合物の上清を分析する。
【0026】
成分の混合は、当業者に公知である適当な割合で且つ好適な緩衝液中において行うことができる。好ましい実施形態において、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物は、BHI培養液中37℃において好気的に培養する。培養は、例えば、20〜40時間、好ましくは25〜35時間、更に好ましくは30時間に亘って行うことができる。好気培養用の容積としては、適当な容積を使用可能であり、好ましくは1〜50mL、更に好ましくは5〜40mLの容積、なおいっそう好ましくは10〜30mLの容積、最も好ましくは20mLの容積を使用する。3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物は、次に、適当な方法によって培地から分離され、例えば、かかる微生物の培養物を、例えば3000×gで10分間遠心分離し得る。さらなるステップとして、得られた微生物を、当業者に公知である好適な方法によって洗浄しても良く、好ましくは、得られた細胞ペレットを緩衝液、例えばpH7.0のPBS緩衝液で1回〜数回洗浄する。さらなるステップとして、得られた細胞を、当業者に公知である好適な緩衝液に再懸濁しても良く、好ましくは、得られた細胞ペレットを、例えば20mLの緩衝液、例えばpH7.0のPBS緩衝液に再懸濁する。
【0027】
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力に関して試験される微生物を、当業者に公知である好適な条件下で培養する。好ましくは、嫌気条件下、例えばMRS培養液中37℃にて培養する。培養は、好適な時間、例えば1〜3日間、好ましくは30〜60時間、更に好ましくは40〜50時間、なおいっそう好ましくは48時間に亘って行うことができる。嫌気培養用の容積としては、適当な容積を使用可能であり、好ましくは1〜1000μL、更に好ましくは10〜500μL、なおいっそう好ましくは100〜300μL、最も好ましくは150μLの容積を使用する。
【0028】
アッセイに関して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物の細胞、好ましくは洗浄した細胞を、当業者に公知である適当な割合でN−α−ラウリル−グルタミン(例えば、10mg/mL)と混合する。好ましい実施形態において、1〜500μL、更に好ましくは10〜200μL、なおいっそう好ましくは30〜100μL、最も好ましくは50μLの細胞を使用する。N−α−ラウリル−グルタミンを当業者に公知である好適な量、例えば、0.1〜100μL、好ましくは1〜50μL、更に好ましくは2〜25μL、最も好ましくは5μLの量で使用できる。かかる混合物に対して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力に関して試験される微生物の培養物を当業者に公知である好適な量にて添加しても良い。好ましくは1〜1000μL、更に好ましくは5〜500μL、なおいっそう好ましくは10〜250μL、最も好ましくは100μLを添加する。対照として、適当な緩衝液又は培地、例えば、対応する適量のPBS緩衝液又はMRS培地を、上述したように特徴付けられるような混合物に添加することができる。サンプルは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出する条件下でインキュベートする。かかる条件は、当業者に公知である。“3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出する条件”とは、対照にて検証されるように微生物が3−メチル−2−ヘキセン酸を放出することが可能な当業者に公知である条件を意味する。当該対照には3−メチル−2−ヘキセン酸を放出することが可能な微生物のみが含まれ、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが可能な微生物は存在しない。更に好ましくは、サンプルは、好気性条件下、37℃にて、例えば、5〜30時間、更に好ましくは7〜25時間、10〜20時間、最も好ましくは16時間に亘ってインキュベートする。
【0029】
その後、細胞を培地から、例えば遠心分離によって分離しても良く、そして上清を、残留しているN−α−ラウリル−グルタミンの存在に関して分析することができる。
【0030】
残留しているN−α−ラウリル−グルタミン、すなわち、開裂していないN−α−ラウリル−グルタミンの存在は、当業者に公知である方法によって検出できる。好ましくは、198nmにおけるUV検出を用いたHPLC分析によって、例えば、C8逆相カラム(例、Zorbax Eclipse XDB-C8)を具備する1100シリーズのHPCLシステム(Agilent Technologies社)を用いて測定する。
【0031】
少なくとも1種のかかる微生物でのN−α−ラウリル−グルタミンベースアッセイにおいて検出される非開裂のN−α−ラウリル−グルタミンの残量が、アッセイにおいて当初に施与されるN−α−ラウリル−グルタミンの量の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、更に好ましくは少なくとも95%、なおいっそう好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは99%である場合に、場合に、かかる微生物は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することができるとみなされる。
【0032】
上述のアッセイを使用して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することができる微生物を同定し得る。
【0033】
好ましい実施形態において、上述したアッセイで使用される、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することができる臭気生成微生物は、コリネバクテリア属に属する。更に好ましくは、臭気生成微生物は、Corynebacterium bovis、Corynebacterium jeikeium又はCorynebacterium striatumである。最も好ましくは、上述のアッセイで使用される臭気生成微生物は、Corynebacterium jeikeium(DSM7171)である。
【0034】
特に好ましい実施形態において、本発明の微生物は、乳酸菌の群に属する微生物である。“乳酸菌の群に属する微生物”なる用語は、特にグラム陽性の発酵性真正細菌に属し、更に好ましくは、乳酸菌を含むlactobacteriaceae科に属するバクテリア(細菌)に属する微生物を包含する。乳酸菌は、分類上の観点からStreptococcus, Leuconostoc, Pediococcus及びLactobacillusに細分類される。本発明の微生物は、ラクトバシラス種であるのが好ましい。乳酸菌群のメンバーは、ポルフィリン及びシトクロムを欠き、電子伝達リン酸化を行わないので、基質レベルのリン酸化によってのみエネルギーを得る。すなわち、乳酸菌においては、ATPを、炭水化物の発酵によって合成する。全ての乳酸菌は嫌気的に成長するものの、多くの嫌気性生物と異なり、殆どの乳酸菌は、酸素に対して敏感ではないので、酸素が存在してもしなくても成長可能である。従って、本発明の細菌は、好ましくはラクトバシラス属に属する耐気性の嫌気乳酸菌であるのが好ましい。
【0035】
本発明の乳酸菌は、長く且つ細長いものから短く曲がった桿状体に変化する、桿状又は球形であるのが好ましく、更に好ましくは、不動性及び/又は胞子非形性であり発酵代謝の主要な又は唯一の生成物として乳酸を生成する。好ましい実施形態において、本発明の微生物が属するラクトバシラス属は、以下の特徴により、3つの主要な亜群に分類される。これにより、本発明のラクトバシラス種が、かかる3つの主要な亜群のそれぞれに属することが認識される:
(a)homofermentative lactobacilli
(i)乳酸、好ましくは、乳酸のL−、D−又はDL−異性体を、エムデン−マイヤーホフ経路を介してグルコースから少なくとも85%の量で生成する、
(ii)45℃の温度条件下で成長するものの、15℃の温度条件下で成長しない、
(iii)長桿状である、
(iv)細胞壁にグリセロールテイコ酸を有する;
(b)homofermantative lactobacilli
(i)乳酸、好ましくは、乳酸のL−又はDL−異性体を、エムデン−マイヤーホフ経路を介して生成する、
(ii)15℃の温度条件下で成長し、45℃の温度条件下で可変性の成長を示す、
(iii)長桿状、又はコリネ型である、
(iv)細胞壁にリビトール及び/又はグリセロールテイコ酸を有する;
(c)heterofermentative lactobacilli
(i)乳酸、好ましくは、乳酸のDL−異性体を、ペントース−ホスフェート経路を介してグルコースから少なくとも50%の量で生成する、
(ii)二酸化炭素及びエタノールを生成する、
(iii)15℃又は45℃の温度条件下で可変性の成長を示す、
(iv)長い又は短い桿状である、
(iv)細胞壁にグリセロールテイコ酸を有する。
【0036】
上述の性質に基づいて、本発明の微生物は、乳酸菌の群に、特にラクトバシラス属に属するように分類し得る。典型的な分類学を使用することによって、例えば、"Bergey's Manual of Systematic Bacteriology" (Williams & Wilkins Co., 1984)における適切な記載を参照して、本発明の微生物は、ラクトバシラス属に属すると決定し得る。或いは、本発明の微生物は、当該分野において公知である方法、例えば、代謝指数、すなわち、糖類を代謝する本発明の微生物の能力に匹敵する概観、又は例えばSchleifer等のSystem. Appl. Microb., 18 (1995), 461-467頁若しくはLudwig等のSystem. Appl. Microb., 15 (1992), 487-501頁に記載される他の方法によって、ラクトバシラス属に属すると分類し得る。本発明の微生物は、糖源を代謝することができる。これはラクトバシラス属に属する微生物であれば、当該分野において一般的であり且つ知られている
本発明の微生物をラクトバシラス属に認定するのは、当該分野において公知である他の方法、例えば、測定するべき種における総タンパク量をSDS−PAGEゲル電気泳動し、そして、これを、ラクトバシラス属の公知で且つ既に特徴付けられている菌株と比較することによって特徴付けられ得る。上述した総タンパクプロファイルを調製する技術、並びにかかるプロファイルに対する多くの分析法は、当業者に公知である。しかしながら、結果は、処理の各段階が十分に標準化されている場合にのみ信頼性が高い。ある微生物をラクトバシラス属に決定する際に正確性を必要とすると場合には、標準の手順が、例えば、1994年9月12〜16日、ベルギーのゲント大学において、欧州連合によって組織化される“研究集会”により紹介されるようなPot等の手順(Fingerprinting techniques for classification and identification of bacteria, SDS-PAGE of whole cell protein)が利用可能である。SDS−PAGE電気泳動ゲルを分析する技術で使用されるソフトウエアは、非常に重要である。なぜなら、種間の相関関係の程度は、かかるソフトウエアにより用いられるパラメータ及びアルゴリズムに応じて異なるからである。理論的な詳細を検討することなく、濃度計によって測定され、そしてコンピュータによって標準化されるバンドを定量的に比較するのは、ピアソンの相関係数によって得られるのが好ましい。これにより得られる類似マトリックスは、UPGMA(unweighted pair group method using average linkage)アルゴリズムによって体系化されても良いが、かかるアルゴリズムにより、最も類似するプロファイルを一緒にまとめることができるだけでなく、デンドログラム(dendogram)を構築することも可能である(Kersters, Numerical methods in the classification and identification of bacteria by electrophoresis, in Computer-assisted Bacterial Systematics, 337-368, M. Goodfellow, A. G. O'Donnell Ed., John Wiley and Sons Ltd, 1985を参照されたい)。
【0037】
或いは、本発明の微生物をラクトバシラス属に認定するのは、いわゆるRiboprinterのRTMでリボソームRNAに関する特徴付けにより行い得る。更に好ましくは、本発明の新たに同定される種をラクトバシラス属に認定するのは、本発明のバクテリアにおける16SリボソームRNAのヌクレオチド配列か、又はその、16SリボソームRNAをコードするゲノムDNAのヌクレオチド配列を、これまで知られている乳酸菌における他の属及び種の配列と比較することによって行う。ラクトバシラス属に本発明の新たに同定される種を認定するための他の好ましい代替法は、16S−23SrRNAスペーサー領域を標的とする種特異的PCRプライマーを使用するものである。他の好ましい代替法は、株特異的DNAパターンを生じるRAPD−PCR(Nigatu等、in Antonie van Leeuwenhoek (79), 1-6, 2001)である。これにより、本発明により同定される微生物をラクトバシラス属に認定することができる。本発明の微生物をラクトバシラス属に認定することに有用な他の技術は、制限断片長多型(RFLP)(Giraffa等、Int. J. Food Microbiol. 82 (2003), 163-172)、反復エレメントのフィンガープリント(Gevers等、FEMS Microbiol. Lett. 205 (2001) 31-36)又はバクテリア細胞における脂肪酸メチルエステル(FAME)パターンの分析(Heyrman等、FEMS Microbiol. Lett. 181 (1991), 55-62)である。或いは、ラクトバシラスを、レクチン型(Annuk等、J. Med. Microbiol. 50 (2001), 1069-1074)か、又はラクトバシラスの細胞壁のタンパク質を分析する(Gatti等、Lett. Appl. Microbiol. 25 (1997), 345-348)ことによって決定することができる。
【0038】
本願の好ましい実施形態において、微生物は、プロバイオティック微生物である。本発明において、“プロバイオティック”なる用語は、微生物が、皮膚に対して局所的に用いられる場合に健康に有益な効果を有することを意味する。好ましくは、“プロバイオティック”微生物は、皮膚、例えば腋窩の皮膚に局所的に用いられる場合、かかる組織の健康に有益である生きている微生物である。微生物が皮膚のミクロ細菌叢に対してプラスの影響を有するのが最も好ましい。
【0039】
好ましい実施形態において、本発明の微生物は、Lactobacillus plantarum、 Lactobacillus crispatus、 Lactobacillus acidophilus II、 Lactobacillus acidophilus III 又はLactobacillus delbrueckii delbrueckiiの種に属する。しかしながら、ラクトバシラス種は、これに限定されない。
【0040】
本発明の特に好ましい実施形態において、本発明の微生物は、受託番号DSM 17598 (Lactobacillus plantarum, OB-AG-0002 ), DSM 17567 (Lactobacillus crispatus, OB-AG-0003), DSM 17568 (Lactobacillus acidophilus II, OB-AG-0004 ), DSM 17569 (Lactobacillus acidophilus II, OB-AG-0005), DSM 17570 (Lactobacillus acidophilus III, OB-AG-0006)及びDSM 17571 (Lactobacillus delbrueckii delbrueckii, OB-AG-0007)で、OrganoBalance GmbH, Gustav-Meyer-Allee 25, 13355 Berlin, GermanyによりDSMZにて寄託されているLactobacillus plantarum、 Lactobacillus crispatus、Lactobacillus acidophilus II、 Lactobacillus acidophilus III及びLactobacillus delbrueckii delbrueckii からなる群から選択される。
【0041】
更に本発明は、上述の寄託されたラクトバシラス菌株の変異体又は誘導体に関する。この変異体又は誘導体は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力を保有する。
【0042】
“DSMZにて寄託されるLactobacillus plantarum、 Lactobacillus crispatus、Lactobacillus acidophilus II、 Lactobacillus acidophilus III又はLactobacillus delbrueckii delbrueckii”なる用語は、Deutsche Sammlung fuer Mikroorganismen und Zellkulturen (DSMZ)に2005年9月12日にOrganoBalance GmbH, Gustav-Meyer-Allee 25, 13355 Berlin, Germanyによって寄託され、そして以下の受託番号:すなわち、DSM 17598 (Lactobacillus plantarum, OB-AG-0002 ), DSM 17567 (Lactobacillus crispatus, OB-AG-0003), DSM 17568 (Lactobacillus acidophilus II, OB-AG-0004 ), DSM 17569 (Lactobacillus acidophilus II, OB-AG-0005), DSM 17570 (Lactobacillus acidophilus III, OB-AG-0006)及びDSM 17571 (Lactobacillus delbrueckii delbrueckii, OB-AG-0007)を有するLactobacillus plantarum、 Lactobacillus crispatus、Lactobacillus acidophilus II、 Lactobacillus acidophilus III又はLactobacillus delbrueckii delbrueckiiの種に属する微生物細胞に関する。DSMZは、Mascheroder Weg 1b, D-38124 Braunschweig, Germanyに位置している。上述の寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に従う。
【0043】
特に好ましい実施形態において、本発明の微生物を“単離”又は“精製”する。“単離する”なる用語は、物質をその最初の環境から取りだすこと、例えば、天然にある場合には天然の環境から、又は培養の場合には培地から取り出すことを意味する。例えば、天然の系において共存する物質のうちのいくつかまたは全てから分離している天然の微生物、好ましくはラクトバシラス種は単離されている。かかる微生物は、組成物の一部であっても良く、そしてかかる組成物が天然の環境の一部ではない場合には、依然として単離されていると考えられる。
【0044】
“精製する”なる用語は、絶対的な純度を必要としない;むしろ、相対的な定義として意図される。ライブラリーから得られる個々の微生物を、微生物学的に均一に、従来的に精製する。すなわち、かかる微生物は、当該分野において公知である方法によって寒天プレートにストリーキングした場合に単一コロニーとして成長する。この場合に使用される寒天プレートは、ラクトバシラス種に対して選択的であるのが好ましい。かかる選択的な寒天プレートは、当該分野において公知である。
【0045】
他の実施形態において、本発明は、本発明の微生物の不活性形態に関する。これは例えば、熱による不活性化又は凍結乾燥されたものは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力が保持されているという特性を有する。
【0046】
本発明によると、“本発明の微生物の不活性形態”なる用語は、本発明の微生物、好ましくは本願明細書中に開示されるラクトバシラス種の死細胞又は不活性細胞を含み、これらは、ラクトバシラス属に属する微生物に特異的なプレートにおいて単一コロニーを形成することがもはや可能ではない。かかる死細胞又は不活性細胞は、無傷の細胞膜を有していても又は破壊された細胞膜を有していても良い。本発明の微生物細胞を死なせる又は不活性にする方法は、当該分野において公知である。El-Nezami等は、J. Food Prot. 61 (1998), 466-468において、UV放射線によってラクトバシラス種を不活性にする方法を記載している。好ましくは、本発明の微生物細胞は、熱により不活性化又は凍結乾燥される。本発明の細胞を凍結乾燥すると、細胞を容易に保存および取り扱うことができ、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する特性を保持することができるという点において有利である。
【0047】
更に、凍結乾燥された細胞は、当該分野において公知である条件下で適当な液体又は固体培地に播種されると、再び増殖可能である。凍結乾燥は、当該分野において公知である方法によって行われる。室温条件下で、すなわち、16〜25℃の間の温度条件下で少なくとも2時間に亘って行われるのが好ましい。更に、本発明の微生物における凍結乾燥細胞は、上述の特性を依然として保持するように、4℃の温度条件下で少なくとも4週間安定である。熱による不活性化は、本発明の微生物細胞を170℃の温度条件下で少なくとも2時間インキュベートすることによって達成し得る。また、熱による不活性化は、かかる細胞を、2バールの大気圧の飽和蒸気の存在下、121℃で少なくとも20分間に亘ってオートクレーブにて処理することによって達成されるのが好ましい。或いは、本発明の微生物細胞に対する熱による不活性は、かかる細胞を、−20℃で少なくとも4週間、3週間、2週間、1週間、12時間、6時間、2時間又は1時間、冷凍することによって達成される。本発明の微生物における不活性形態の細胞の、少なくとも70%、75%又は80%、更に好ましくは85%、90%又は95%、特に好ましくは少なくとも97%、98%、99%、極めて好ましくは99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%又は99.9%、最も好ましくは100%が死ぬか、又は不活性にされるものの、かかる細胞は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力を依然として有するのが好ましい。本発明の微生物の不活性形態が本当に死んでいるか、又は不活性にされているかは、当該分野において公知である方法、例えば生存率に関する試験によって調べることができる。
【0048】
また、“本発明の微生物の不活性形態”なる用語は、本発明の微生物、好ましくは本願明細書中に開示されるラクトバシラス種の溶解物又は断片を包含し、かかる溶解物又は断片は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するのが好ましい。かかる抑制は、本願明細書中に記載され、特に、実施例に記載されるように試験し得る。この場合、溶解物又は断片は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが可能であり、その後、当業者は、例えば、当該分野で知られ、以下に例示される方法によってかかる溶解物又は断片を更に精製して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することができる物質を取り出す。これは、本発明の微生物の溶解物又は断片が3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することができない場合、当業者は、例えば、当該分野において公知である方法によって、かかる溶解物又は断片を更に精製して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することを妨げ得る物質を除去することを意味する。その後、当業者は、かかる溶解物又は断片について、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するかどうかをさらに試験することができる。
【0049】
本発明によると、“溶解物”なる用語は、本発明の微生物における、分解される細胞の、水性媒体に対する溶液もしくは懸濁液か、又は抽出物を意味する。しかしながら、かかる用語は、限定されるものとして解釈すべきではない。細胞の溶解物は、例えば、高分子、例えばDNA、RNA、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質及び/又はマイクロ分子、例えばアミノ酸、糖類、脂質の酸(lipid acid)、又はその一部を含む。更に、かかる溶解物は、平滑な又は顆粒の構造であり得る細胞デブリを含む。微生物細胞溶解物を調製する方法は、当該分野において知られており、例えば、フレンチプレス、ガラス若しくは鉄のビーズを用いる細胞粉砕(cells mill)又は酵素による細胞溶解によって行われる。更に、細胞溶解は、細胞を開口/破壊する場合に当該分野において公知である種々の方法に関する。細胞を溶解する方法は、重要ではなく、本発明の微生物細胞を溶解することができる任意の方法を用いることができる。当業者は、適当な方法を選択可能であり、例えば、細胞の開口/破壊は、酵素により、化学的に、又は物理的に行われ得る。酵素及び酵素カクテルに関する非限定例は、プロテアーゼ、例えばプロテアーゼK、リパーゼ又はグリコシダーゼであり;化学物質の非限定例は、イオノホア、界面活性剤、例えばナトリウムドデシルサルフェート、酸又は塩基であり;そして物理的手段の非限定例は、高圧、例えばフレンチプレス、容量オスモル濃度、温度、例えば加熱又は冷却である。更に、タンパク質分解酵素以外の酵素、酸、塩基などの適当な組み合わせを用いる方法についても利用することができる。例えば、本発明の微生物細胞を、冷凍及び解凍することによって、更に好ましくは−70℃未満の温度条件下で冷凍し、30℃を超える温度条件下で解凍することによって溶解し、特に、冷凍は、−75℃未満の温度条件下であるのが好ましく、解凍は、35℃を超える温度条件下であるのが好ましく、最も好ましくは、−80℃未満の温度条件下で冷凍し、37℃を超える温度条件下で解凍する。また、かかる冷凍/解凍は、少なくとも1回、更に好ましくは少なくとも2回、なおいっそう好ましくは少なくとも3回、特に好ましくは少なくとも4回、最も好ましくは少なくとも5回繰り返されるのが好ましい。
【0050】
従って、当業者は、上述の一般的な説明を参照し、必要により、かかる方法を適当に改変又は変更することによって所望の溶解物を調製することが可能である。好ましくは、上述の溶解物に使用される水性媒体は、水、生理食塩水、又は緩衝溶液である。細菌細胞の溶解物は、技術的能力をあまり必要としないために、かかる溶解物を容易に製造し、そしてコスト効率が高く貯蔵することができるという点において有利である。
【0051】
好ましくは、“抽出物”なる用語は、本発明の微生物細胞成分、例えば、高分子、例えばDNA、RNA、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質及び/又はマイクロ分子、例えばアミノ酸、糖類、脂質の酸、又は他の有機化合物若しくは分子、又はその一部を意味し、且つかかる抽出物は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するのが好ましい。更に好ましくは、“抽出物”なる用語は、無細胞溶媒における上述した細胞成分のいずれかを称する。
【0052】
他の好ましい実施形態において、抽出物は、上述したように、細胞の開口/破壊に用いられ当該分野において公知である種々の方法により細胞を分解することによって、及び/又は当業者に公知である適当な液体、培地又は緩衝液における本発明の微生物の培養物、又はかかる培養物の溶解物若しくは他の好適な細胞懸濁液に対する遠心分離処置後の上清として、得られる場合がある。更に好ましくは、抽出物は、精製された溶解物又は細胞培養上清又はその一部若しくはサブポーション(subportion)であっても良く、かかる精製された溶解物又は細胞培養上清又はその一部若しくはサブポーションは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する。抽出物を精製するための好適な方法は、当業者に知られており、例えば、親和性クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、サイズ除外クロマトグラフィ、逆相クロマトグラフィ、及びカラムに他のクロマトグラフィ材料を有するクロマトグラフィ、又はバッチ法、他の分別法、例えばろ過法、例えば、限外ろ過、透析、遠心分離でのサイズ除外を伴う透析及び濃縮、密度勾配又は段階マトリックスの遠心分離、沈殿、例えば親和性沈殿、塩溶又は塩析(アンモニウムサルフェート−沈殿)、アルコール沈殿又は他のタンパク質化学、分子生物学、生化学、免疫学、化学又は物理学な方法を含む。
【0053】
本発明によると、溶解物は、上述の溶解物から得られる分子の断片の製剤でもある。かかる断片は、当業者に公知である方法、例えば、クロマトグラフィ、例えば親和性クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、サイズ除外クロマトグラフィ、逆相クロマトグラフィ、及びカラムに他のクロマトグラフィ材料を有するクロマトグラフィ、又はバッチ法、他の分別法、例えばろ過法、例えば、限外ろ過、透析、遠心分離でのサイズ除外と一緒の透析及び濃縮、密度勾配又は段階マトリックスの遠心分離、沈殿、例えば親和性沈殿、塩溶又は塩析(アンモニウムサルフェート−沈殿)、アルコール沈殿又は他のタンパク質化学、分子生物学、生化学、免疫学、化学又は物理学的な方法によって得られ、これにより、上述した溶解物の成分を分離することができる。好ましい実施形態において、他と比較して更に免疫原性である断片が好ましい。当業者であれば、適当な方法を選択し、そして、上述の一般的な説明及び本願明細書の実施例における特定の説明を参照し、必要により、かかる方法を適当に改変又は変更することによって、その免疫原性を測定することができる。
【0054】
従って、“本発明の微生物の不活性形態”なる用語は、本発明の微生物、好ましくは本願明細書中で開示されたラクトバシラス種のろ液も包含し、かかるろ液は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するのが好ましい。かかる抑制は、本願明細書中に記載され、特に、実施例に記載されるように試験し得る。この場合、本発明の微生物のろ液は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが不可能であり、その後、当業者は、例えば、当該分野において公知である方法によってかかるろ液を更に精製して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することを妨げ得る物質を除去する。その後、当業者は、かかるろ液について、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するかどうかをさらに試験することができる。
【0055】
“ろ液”なる用語は、当業者に公知である適当な液体、培地又は緩衝液において本発明の微生物の培養物に対する遠心分離処置の上清として得られた、本発明の微生物の無細胞溶液又は懸濁液を意味する。しかしながら、かかる用語は、限定されるものとして解釈すべきではない。ろ液は、例えば、高分子、例えばDNA、RNA、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質及び/又はマイクロ分子、例えばアミノ酸、糖類、脂質の酸、又はその一部を含む。微生物のろ液を調製する方法は、当該分野において公知である。更に、“ろ液”は、当該分野において公知である種々の方法に関する。抽出方法は、重要ではなく、本発明の微生物細胞をろ過することが可能な任意の方法を用いることができる。
【0056】
“本発明の微生物の不活性形態”なる用語は、本発明の微生物細胞の一部を包含する。好ましくは、かかる不活性形態は、膜調製(membrane-preparation)によって得られる膜画分である。ラクトバシラス属に属する微生物の膜調製物は、当該分野において公知である方法、例えば、Rollan等によるInt. J. Food Microbiol. 70 (2001), 303-307、Matsuguchi等によるClin. Diagn. Lab. Immunol. 10 (2003), 259-266、又はStentz等によるAppl. Environ. Microbiol. 66 (2000), 4272-4278、又はVarmanen等によるJ. Bacteriology 182 (2000), 146-154に記載される方法を用いることによって得ることができる。或いは、全細胞調製物も意図される。
【0057】
他の実施形態において、本発明は、本発明の微生物と、上述の当該微生物の変異体、誘導体又は不活性形態とを含む組成物に関する。好ましい実施形態において、かかる組成物は、上述の微生物を、固体状態の組成物に1mgあたり102〜1012細胞、好ましくは103〜108細胞の量で含む。液体状態の組成物の場合、微生物の量は、1mLあたり102〜1013細胞である。さらに好ましい実施形態において、かかる組成物は、エマルジョンの形態であり、例えば、水中油型又は油中水型のエマルジョン、軟膏、又はマイクロカプセルの形態である。エマルジョン、軟膏又はマイクロカプセルの場合、組成物は、本願明細書中に記載される微生物を、1mLあたり102〜1013細胞の量で含む。しかしながら、特定の組成物の場合、微生物の量は、本願明細書中に記載される量とは異なっていても良い。
【0058】
また、“組成物”なる用語は、更に以下に記載するようにテキスタイル組成物を含む。
【0059】
更に別の実施形態において、本発明は、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するのに用いられる組成物の製造方法を提供する。本方法は、本発明の微生物又は上述の当該微生物の変異体、誘導体又は不活性形態を、化粧品として又は医薬的に受容可能な担体又は賦形剤と共に処方するステップを含む。
【0060】
本発明に使用される場合“組成物”なる用語は、少なくとも1種の、本発明の微生物又は上述の当該微生物の変異体、誘導体又は不活性形態を含む組成物に関する。以下に記載される本発明の組成物は、上述の成分を任意の組み合わせで含むことが意図される。必要に応じて、少なくとも1種の、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するのに好適な他の成分を含み得る。従って、以下に記載される他の成分を任意の組み合わせで含み得る。“腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するのに好適な他の成分”なる用語は、pH値を増大させる化合物又は組成物及び/又はこれらの組み合わせを包含する。
【0061】
組成物は、固体、液体又は気体の形態であっても良く、そして特に、粉末、溶液、エーロゾル、懸濁液、エマルジョン、液体、エリキシル、抽出物、チンキ又は流体抽出物の形態であるか、又は局所投与に特に好適な形態であり得る。局所投与に好適な形態は、例えば、デオドラント、ペースト、軟膏、ポンプスプレー(pumpspray)、ローション、ゲル(ジェル)、クリーム、エーロゾルスプレーとして、例えば、ポンプ−ディスペンサーボトルにおいて、又はロールオン式として、管若しくはグリルに分散される濃厚なクリームの形態で、ワンドの形態で、又は経皮パッチとして分散されるクリーム若しくは流体ゲルを含む。
【0062】
好ましくは、本発明の組成物は、化粧品として受容可能な担体又は賦形剤を更に含む化粧品組成物である。
【0063】
本発明の化粧品組成物は、本発明の組成物に関連して上述した本発明の微生物、当該微生物の変異体、誘導体又は不活性形態と、更に、化粧品として受容可能な担体とを含む。本発明の化粧品組成物は、局所施与で使用するのが好ましい。
【0064】
本願明細書中で使用される場合、“化粧品として受容可能な担体”なる用語は、好適な賦形剤であり、これは、本発明の組成物を皮膚に対して、安全に且つ有効な方法で施与するために使用し得る。かかる賦形剤は、エマルジョン、例えば水中油型又は油中水型のエマルジョン、軟膏又はマイクロカプセル等の物質を含むことができる。本願明細書中で使用される場合、“安全に且つ有効な方法”なる用語は、3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するのに十分な量を意味する。
【0065】
別の実施形態において、本発明は、上述した本発明の微生物又はその変異体、誘導体又は不活性形態と、更に、医薬的に受容可能な担体又は賦形剤とを含む医薬組成物に関する。医薬組成物は、局所投与に好適な形態であるのが好ましい。
【0066】
更に、本発明は、上述した本発明の微生物又はその誘導体、変異体、若しくは不活性形態を、組成物、好ましくは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することによる腋窩の臭気を抑制するための医薬組成物又は化粧品組成物の調製に使用する方法に関する。
【0067】
医薬組成物は、治療有効量の、本発明の微生物又はその誘導体、変異体、若しくは不活性形態を含み、種々の形態、例えば、固体、液体、粉末、水性、凍結乾燥された形態に処方し得る。
【0068】
医薬組成物は、医薬的に受容可能な担体と共に、本願明細書中に記載されるように、患者に対して投与しても良い。特定の実施形態において、“医薬的に受容可能”なる用語は、動物、特にヒトで使用することについて、管理機関又は他の一般的に認証されている薬局方によって承認されていることを意味する。
【0069】
“担体”なる用語は、治療薬と一緒に投与される希釈剤、アジュバンド、賦形剤、又ビヒクルを指す。かかる担体は、医薬的に受容可能であり、すなわち、用いられる投薬量及び濃度条件下では受容者に対して非毒性である。担体は、等張性、低張性又は弱高張性であり、スクロース溶液によって供給される場合等は比較的低いイオン強度を有するのが好ましい。かかる医薬的に受容可能な担体は、滅菌液体、例えば、水及び油、例えば石油、動物油、植物油または合成油、例えば落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などであり得る。生理食塩水及び水性のデキストロース及びグリセロール溶液を液体の担体として使用することも可能である。好適な医薬賦形剤は、デンプン、グルコース、スクロース、ゼラチン、モルト、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、ナトリウムイオン、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール等である。組成物は、所望により、少量の湿潤剤、乳化剤、又はpH緩衝剤を含み得る。かかる組成物は、例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン、粉末、徐放性調製物などの形態をとることができる。好適な医薬担体の例が、E. W. Martinによる"Remington's Pharmaceutical Sciences"に記載されている。医薬担体と機能し得る物質の他の例は、糖類、例えばグルコース及びスクロース;デンプン、例えばコーンスターチ及びポテトスターチ;セルロース及びその誘導体、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及びセルロースアセテート;粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;ステアリン酸;ステアリン酸マグネシウム;硫酸カルシウム;炭酸カルシウム;植物性油、例えば落花生油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びカカオの油;ポリオール、例えばポリプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール;寒天;アルギン酸;ピロゲン非含有水;等張食塩水;クラムベリーの抽出物及びホスフェート緩衝溶液;スキムミルク粉末;並びに、医薬調製物に用いられる他の非毒性の適合性のある物質、例えばビタミンC、エストロゲン及びエキナシアである。湿潤剤及び滑剤、例えばナトリウムラウリルサルフェート、並びに着色剤、香料添加剤、滑剤、賦形剤、タブレット剤、安定剤、抗酸化剤及び保存剤を含むこともできる。また、投与者とって、有効成分が被包性の形態、例えばセルロースカプセル、ゼラチン、ポリアミド、ニオソーム(niosome)、ワックスマトリックス、シクロデキストリン、又はリポソームによりカプセル封入されているのが都合が良い。
【0070】
成分は、単位用量形態にて別個に、又は一緒に混合されて、例えば、有効成分の量を指示するアンプル又はサシェ等の密封した容器中における乾燥凍結乾燥粉末又は非含水濃縮物として、供給されるのが一般的である。
【0071】
本発明の医薬組成物は、中性又は塩の形態として処方し得る。医薬的に受容可能な塩は、アニオンと共に形成される塩、例えば塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸等から誘導される塩、及びカチオンにより形成される塩、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどから誘導される塩を含む。
【0072】
in vitroアッセイ、例えば、実施例に記載されるアッセイのいずれかは、必要に応じて、最適用量範囲を明らかにするために用いても良い。処方物に用いられるべき正確な投薬量は、投与の経路、並びに疾患及び障害の重篤度に応じて異なり、そして開業医の判断及び各患者の状況に従って決定されるであろう。局所経路の投与が好ましい。効果的な投薬量は、in vitro又は(動物)モデル試験システムから誘導される用量反応曲線から推定することができる。医薬組成物は、直接投与されるか、アジュバンドと組み合わせて投与されるのが好ましい。アジュバンドは、クロロキン、プロトン性の極性化合物、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、EtOH、1−メチルL−2−ピロリドン又はその誘導体、又は非プロトン性の極性化合物、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルスルホキシド、ジ−n−プロピルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、アセトニトリル又はその誘導体からなる群から選択することができる。かかる化合物は、pH制限を鑑みる条件下で添加される。本発明の組成物は、脊椎動物に対して投与することができる。本願明細書中で使用される場合、“脊椎動物”は、当業者によって一般的に理解されているのと同一の意味を有することを意図する。特に、“脊椎動物”は、哺乳類、更に詳細にはヒトを包含する。
【0073】
“投与される”なる用語は、上述の組成物の治療有効用量を投与することを意味する。“治療有効量”とは、投与された場合に効果を生じる用量を意味する。かかる効果は、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することであるのが好ましい。正確な用量は、治療目的に応じて異なり、そして公知の技術を用いて、当業者によって確かめられるであろう。当該分野で知られており、そして上述したように、全身性または局所的、年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与時間、薬物間相互作用及び症状の重特性に対する調節が必要であり、そして当業者によって所定の実験を用いて確かめられるであろう。
【0074】
かかる方法は、ヒトの治療に用いることができる。本願明細書中に記載される、所望の治療活性を有する化合物を、生理学的に受容可能な担体中に含めて、本願明細書中に記載するように患者に対して投与することができる。投与方法に応じて、化合物を、以下に記載するように種々の方法で処方することができる。処方物中における治療上有効な化合物の濃度は、約0.01〜100重量%まで変更可能である。薬剤を、単独で、又は他の治療薬と組み合わせて投与することができる。
【0075】
医薬組成物の投与は、種々の方法で行われ得る。好ましい投与経路は、局所的経路である。
【0076】
担当医及び臨床学的因子により、用法を決定するであろう。医学分野において周知であるように、患者に対する投薬量は、多くの要因、例えば患者の大きさ、身体の表面積、年齢、投与されるべき特定の化合物、性別、投与時間及び経路、全体的な健康、並びに、同時に投与される他の薬剤に応じて異なる。一般的な用量は、例えば、0.001〜1000μgの範囲であっても良く;しかしながら、特に上述の要因を考慮して、かかる具体的な範囲未満又はかかる範囲を超える用量も考えられる。
【0077】
投薬量は、1週間に1度、投与されるのが好ましく、更に好ましくは1週間に2回、3回、4回、5回又は6回、最も好ましくは毎日、なおいっそう好ましくは1日2回又はそれ以上である。しかしながら、治療の経過中、投薬量を、より長期の時間間隔で投与し、そして必要な場合には、より短い時間間隔で、例えば1日に何度も投与することができる。好ましい場合において、免疫反応を、本願明細書中に記載される方法及び当業者に公知である他の方法によってモニターし、そして投与量を、例えば、時間、量及び/又は組成に関して最適化する。経過は、定期評価によってモニターし得る。また、医薬組成物を、併用療法、すなわち、他の医薬又は薬剤、例えば3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する他の薬剤との同時投与(co-administration)において使用することが意図される。
【0078】
本発明の化粧品又は医薬組成物を局所投与するのは、所望の治療が、局所投与によって容易に到達可能な領域又は器官を含む場合に有用である。皮膚に対する局所投与の場合、医薬組成物は、デオドラント又はスプレー(ポンプスプレー又はエーロゾル)の形態で、又はペースト、軟膏、ローション、クリーム、ゲル又は経皮パッチに処方されるのが好ましい。化粧品又は医薬組成物は、使用分野に応じて、フォーム、ゲルスプレー、ムース、懸濁液又は粉末の形態であり得る。
【0079】
また、化粧品又は医薬組成物は、スプレー(ポンプスプレー又はエーロゾル)の形態で処方し得る。本発明によりエーロゾルに好適な噴射剤は、一般的な噴射剤、例えばプロパン、ブタン、ペンタンである。
【0080】
或いは、化粧品又は医薬組成物は、担体に懸濁させた有効成分を含む好適なペーストに処方し得る。かかる担体として、石油、軟質の白色パラフィン、黄色ワセリン及びグリセロールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
化粧品又は医薬組成物は、担体に懸濁又は溶解させた有効成分を含む好適な軟膏に処方し得る。かかる担体としては、1種以上のグリセロール、鉱油、液体の油、液体の石油、白色石油、黄色ワセリン、プロピレングリコール、アルコール、トリグリセリド、脂肪酸エステル、例えばセチルエステル、ポリオキシエチレンポリプロピレン化合物、ワックス、例えば白ろう及び蜜ろう、脂肪酸アルコール、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール及びセチルステアリルアルコール、脂肪酸、例えばステアリン酸、セチルステアレート、ラノリン、水酸化マグネシウム、カオリン及び水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
或いは、化粧品又は医薬組成物は、担体に懸濁又は溶解させた有効成分を含む好適なローション又はクリームに処方し得る。かかる担体としては、1種以上の鉱油、例えばパラフィン、植物性油、例えばひまし油、キャスター・シード油及び水素化ひまし油、ソルビタンモノステアラト、ポリソルバト、脂肪酸エステル、例えばセチルエステル、ワックス、脂肪酸アルコール、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、アルコール、トリグリセリド及び水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
或いは、化粧品又は医薬組成物は、担体に懸濁又は溶解させた有効成分を含む好適なゲルに処方し得る。かかる担体としては、1種以上の水、グリセロール、プロピレングリコール、液体のパラフィン、ポリエチレン、脂肪油、セルロース誘導体、ベントナイト及びコロイド状の二酸化ケイ素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
本発明の製剤は、一般に、かかる製剤で一般的に用いられるような他の助剤、例えば保存剤、香料、消泡剤、染料、顔料、増粘剤、界面活性剤、乳化剤、エモリエント、仕上げ剤、脂肪、油、ワックス又は他の一般的な成分を、化粧品又は皮膚科学的な処方物、例えばアルコール、ポリオール、ポリマー、フォーム安定剤、溶解促進剤、電解質、有機酸、有機溶剤又はシリコーン誘導体を含み得る。
【0085】
本発明の化粧品又は医薬組成物は、エモリエントを含み得る。エモリエントは、乾燥を防ぎ又は和らげるのに有効な量で使用できる。有用なエモリエントとして、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:すなわち、炭化水素油及びワックス;シリコーン油;トリグリセリドエステル;アセトグリセリドエステル;エトキシル化グリセリド;アルキルエステル;アルケニルエステル;脂肪酸;脂肪アルコール;脂肪アルコールエーテル;エーテルエステル;ラノリン及び誘導体;多価アルコール(ポリオール)及びポリエーテル誘導体;多価アルコール(ポリオール)エステル;ワックスエステル;蜜ろう誘導体;植物性ワックス;リン脂質;ステロール;並びにアミド。
【0086】
従って、例えば、一般的なエモリエントとしては、鉱油、特に50〜500SUSの範囲の粘度を有する鉱油、ラノリン油、ミンク油、ココナッツ油、ココアバター、オリーブ油、アーモンド油、マカダミアナッツ油、アロエの抽出物、ホホバ油、紅花油、トウモロコシ油、液体のラノリン、綿実油、ピーナツ油、ピュアセリン油、ペルヒドロスクアレン(スクアレン)、ひまし油、ポリブタン、無臭の軽油、スイートアーモンド油、アボカド油、カロフィラム油、リシン油、ビタミンEアセテート、オリーブ油、軽油、セテアリルアルコール(セチルから主としてなる脂肪アルコールとステアリルアルコールの混合物)、リノレンアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、穀物麦芽の油、例えば小麦麦芽のセテアリルオクタノエートの油(セテアリルアルコールと2−エチルヘキサン酸のエステル)、セチルパルミテート、ジイソプロピルアジペート、イソプロピルパルミテート、オクチルパルミテート、イソプロピルミリステート、ブチルミリステート、グリセリルステアレート、ヘキサデシルステアレート、イソセチルステアレート、オクチルステアレート、オクチルヒドロキシステアレート、プロピレングリコールステアレート、ブチルステアレート、デシルオレエート、グリセリルオレエート、アセチルグリセリド、(C12−C15)アルコールのオクタノエート及びベンゾエート、アルコールとポリアルコールのオクタノエート及びベンゾエート、例えばグリコールとグリセロールのオクタノエート及びベンゾエート、並びにアルコールとポリアルコールのリシン−オレエート、例えば以下のもの、イソプロピルアジペート、ヘキシルラウレート、オクチルドデカノエート、ジメチコンコポリオール、ジメチコノール、ラノリン、ラノリンアルコール、ラノリンワックス、水素化ラノリン、ヒドロキシル化ラノリン、アセチル化ラノリン、石油、イソプロピルラノレート、セチルミリステート、グリセリルミリステート、ミリスチルミリステート、ミリスチルラクテート、セチルアルコール、イソステアリルアルコールステアリルアルコール、及びイソセチルラノレートなどを含む。
【0087】
更に、本発明の化粧品又は医薬組成物は、乳化剤を含み得る。乳化剤(すなわち、乳化試薬(emulsifying agent))は、組成物における成分を均一にブレンドするのに有効な量で使用されるのが好ましい。有用な乳化剤としては、(i)アニオン性のもの、例えば脂肪酸セッケン、例えばステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸アンモニウム、及びトリエタノールアミンステアレート;脂肪酸セッケンを含むポリオール脂肪酸モノエステル、例えば、カリウム又はナトリウム塩を含むグリセロールモノステアレート;硫酸エステル(ナトリウム塩)、例えば、ナトリウムラウリル5サルフェート、及びナトリウムセチルサルフェート;並びに、硫酸エステルを含むポリオール脂肪酸モノエステル、例えば、ナトリウムラウリルサルフェートを含むグリセリルモノステアレート;(ii)カチオン性の塩化物、例えば、N(ステアロイルコルアミノホルミルメチル)ピリジウム;N−ソーヤ−N−エチルモルホリニウムエトサルフェート;アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;ジイソブチルフェノキシセオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;及びセチルピリジウムクロリド;並びに(iii)非イオン性のもの、例えばポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、例えばモノステアレート;ポリオキシエチレンラウリルアルコール;ポリオキシプロピレン脂肪アルコールエーテル、例えば、プロポキシル化オレイルアルコール;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えばポリオキシエチレンステアレート;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート;ソルビタン脂肪酸エステル、例えばソルビタン;ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレングリコールモノステアレート;及びポリオール脂肪酸エステル、例えば、グリセリルモノステアレート及びプロピレングリコールモノステアレート;及びエトキシル化ラノリン誘導体、例えば、エトキシル化ラノリン、エトキシル化ラノリンアルコール及びエトキシル化コレステロールが挙げられる。乳化剤の選択は、Schrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika, Huethig Buch Verlag, Heidelberg, 第2版, 1989, 第3部に具体的に記載されている。
【0088】
本発明の化粧品又は医薬組成物は、界面活性剤を含み得る。好適な界面活性剤としては、例えば、洗浄剤、乳化剤、増泡剤、ハイドロトロープ剤、可溶化剤、懸濁剤及び非界面活性剤(液体に対する固体の分散を促進する)として一般に分類される界面活性剤が挙げられる。
【0089】
界面活性剤は、通常、両性、アニオン性、カチオン性及び非イオン性の界面活性剤として分類される。両性の界面活性剤としては、アシルアミノ酸及び誘導体並びにN−アルキルアミノ酸が挙げられる。アニオン性の界面活性剤はとしては、以下のものを挙げられる:アシルアミノ酸及び塩、例えば、アシルグルタメート、アシルペプチド、アシルサルコシネート、及びアシルタウレート;カルボン酸及び塩、例えば、アルカン酸、カルボン酸エステル、及びカルボン酸エーテル;スルホン酸及び塩、例えば、アシルイセチオネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルホネート、及びスルホスクシネート;硫酸エステル、例えば、アルキルエーテルサルフェート及びアルキルサルフェート。カチオン性の界面活性剤としては、以下のものを挙げられる:アルキルアミン、アルキルイミダゾリン、エトキシル化アミン、及び4級化合物(quaternary)(例、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルベタイン、複素環式アンモニウム塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩)。そして、非イオン性の界面活性剤としては、以下のものが挙げられる:アルコール、例えば、8〜18個の炭素原子を含む第一級アルコール;アルカノールアミド、例えば、アルカノールアミン誘導アミド及びエトキシル化アミド;アミンの酸化物;エステル、例えば、エトキシル化カルボン酸、エトキシル化グリセリド、グリコールエステル及び誘導体、モノグリセリド、ポリグリセリルエステル、多価アルコールエステル及びエーテル、ソルビタン/ソルビトールエステル、及びリン酸のトリエステル;並びにエーテル、例えば、エトキシル化アルコール、エトキシル化ラノリン、エトキシル化ポリシロキサン、及びプロポキシル化ポリオキシエチレンエーテル。
【0090】
更に、本発明の化粧品又は医薬組成物は、フィルム形成剤(film former)を含み得る。本発明により使用される好適なフィルム形成剤は、組成物を平滑に且つ平坦に保ち、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:アクリルアミド/ナトリウムアクリレート共重合体;アンモニウムアクリレート共重合体;バルサムペルー;セルロースガム;エチレン/無水マレイン酸共重合体;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ポリアクリルアミド;ポリエチレン;ポリビニルアルコール;pvm/MA共重合体(ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸);PVP(ポリビニルピロリドン);無水マレイン酸共重合体、例えば、Gulf Science and Technology社製のPA−18;PVP/ヘキサデカン共重合体、例えば、GAF Corporation社製のGanex V−216;アクリルアクリレート共重合体など。
【0091】
一般に、フィルム形成剤は、組成物全体の、約0.1〜約10重量%の量で使用可能であり、約1〜約8重量%であるのが好ましく、約0.1DEG/O〜約5重量%であるのが最も好ましい。また、保水剤を、有効量で使用可能である。保水剤としては以下のものが挙げられる:フルクトース、グルコース、グルラム酸(glulamic acid);グリセリン;ハチミツ;マルチトール;メチルグルセス−10;メチルグルセス−20;プロピレングリコール;乳酸ナトリウム;スクロースなど。
【0092】
勿論、本発明の化粧品又は医薬組成物は、保存剤を含み得る。本発明の特定の組成物における保存剤としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:ブチルパラベン;エチルパラベン;イミダゾリジニル尿素;メチルパラベン;O−フェニルフェノール;プロピルパラベン;クオタニウム−14;クオタニウム−15;ナトリウムデヒドロアセテート;亜鉛ピリチオンなど。
【0093】
保存剤は、微生物の増殖を防ぎ又は阻止するのに有効な量で使用される。一般に、保存剤は、組成物全体の、約0.1〜約1重量%の量で使用され、約0.1〜約0.8重量%であるのが好ましく、約0.1〜約0.5%重量であるのが最も好ましい。
【0094】
本発明の化粧品又は医薬組成物は、香料を含み得る。当業者に周知の香料(芳香成分)及び着色剤(色素剤)を、所望の芳香性及び色彩を本発明の組成物に与えるのに有効な量で使用できる。
【0095】
更に、本発明の化粧品又は医薬組成物は、ワックスを含み得る。本発明に有用である好適なワックスとして、以下のものが挙げられる:動物ろう、例えば蜜ろう、鯨ろう、又は羊毛ろう(ラノリン);植物ろう、例えばカルナウバ又はカンデリラ;鉱ろう、例えばモンタンろう又はオゾケライト;及び石油ワックス、例えばパラフィンワックス及びミクロクリスタリンワックス(高分子量の石油ワックス)。動物ろう、植物ろう、及び鉱ろうは、高分子量脂肪アルコールと高分子量脂肪酸との第一級エステルである。例えば、トリコンタノールのヘキサデカノン酸エステルは、蜜ろうの主成分とであると一般に報告されている。本発明における他の好適なワックスとしては、合成ワックス、例えばポリエチレンポリオキシエチレン、及び一酸化炭素と水素から誘導される炭化水素ワックスが挙げられる。
【0096】
また、代表的なワックスとして、以下のものが挙げられる:セロシン;セチルエステル;水素化ホホバ油;水素化ホホバワックス;水素化米ぬかワックス;日本ろう;ホホババター;ホホバ油;ホホバワックス;ムンクワックス;モンタン酸ワックス;オウリキュリーワックス;米ぬかワックス;シェラックろう;サフライズドホホバ油(sufurized jojoba oil);合成蜜ろう;合成ホホバ油;トリヒドロキシステアリン;セチルアルコール;ステアリルアルコール;ココアバター;ラノリンの脂肪酸;25DEGCで固体であるモノ−、ジ−及び25トリグリセリド、例えば、Syncrowax HRC及びSyncrowax HGL-Cという商品名でそれぞれCroda, Inc., New York, N.Y.から市販されているグリセリルトリベヘナーテ(ベヘン酸とグリセリンのトリエステル)及びC1g−C36酸トリグリセリド(C1g−C36カルボン酸のトリエステルとグリセリンの混合物);25DEGCで固体である脂肪エステル;シリコーンワックス、例えば、メチルオクタデカンオキシポリシロキサン及びポリ(ジメチルシロキシ)ステアロキシシロキサン;ステアリルモノ−及びジエタノールアミド;ロジン及びその誘導体、例えば、グリコール及びグリセロールのアビエテート;25DEGCで固体である水素化油;及びスクログリセリド。水性系において有効量で使用できる増粘剤(粘性制御剤)として、以下のものが挙げられる:アルギン;カルボマー、例えばカルボマー934、934P、940及び941;セルロースガム;セテアリルアルコール、コカミドDEA、デキストリン;ゼラチン;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;マグネシウムアルミニウムシリケート;ミリスチルアルコール;エンバク粉;オレアミドDEA;オレイルアルコール;PEG−7M;PEG−14M;PEG−90M;ステアルアミドDEA;ステアルアミドMEA;ステアリルアルコール;トラガカントガム;小麦のデンプン;キサンタンガム;そして、上に挙げた増粘剤の中で、DEAは、ジエタノールアミンであり、MEAは、モノエタノールアミンである。非水性系において有効量で使用できる増粘剤(粘性制御剤)として、以下のものが挙げられる:アルミニウムステアレート;蜜ろう;カンデリラワックス;カルナウバワックス;セレシン;ステアリルアルコール;セチルアルコール;コレステロール;シリカ水和物;水素化ひまし油;水素化綿実油;水素化大豆油;水素化獣脂グリセリド;水素化植物性油;ヒドロキシプロピルセルロース;ラノリンアルコール;ミリスチルアルコール;オクチトドデシルステアロイルサルフェート;オレイルアルコール;オゾケライト;ミクロクリスタリンワックス;パラフィン、ペンタエリスリチルテトラオクタノエート;ポリアクリルアミド;ポリブテン;ポリエチレン;プロピレングリコールジカピレート;プロピレングリコールジペラゴネート;ステアロアルコニウムヘクトライト;ステアリルアルコール;ステアリルステアレート;合成蜜ろう;トリヒドロキシステアリン;トリリノレイン;トリステアリン;ステアリン酸亜鉛。
【0097】
処方物における一般的な天然及び合成の増粘剤又はゲル形成剤は、架橋ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリサッカリド、例えばキサンタンガム又はアルギネート、カルボキシメチルセルロース又はヒドロキシカルボキシメチルセルロース、親水コロイド、例えばアラビアゴム又はモンモリロナイト鉱物、例えばベントナイト又は脂肪アルコール、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンである。
【0098】
本発明の化粧品又は医薬組成物に対して、使用目的に有効な量で添加又は使用し得る他の成分として、以下のものが挙げられる:性能又は消費者の興味を高めるための生物学的添加剤、例えばアミノ酸、タンパク質、バニラ、アロエの抽出物、バイオフラボノイドなど;緩衝剤;エマルジョン安定剤;pH調節剤;乳白剤;及び噴射剤、例えばブタン炭素クリオキシド、エタン、ヒドロクロロフルオロカーボン22及び142b、ヒドロフルオロカーボン152a、イソブタン、イソペンタン、窒素、酸化窒素、ペンタン、プロパンなど。
【0099】
更に、本発明の製剤は、抗酸化性、フリーラジカルスカベンジャー、皮膚保湿若しくは水分保持、抗紅斑性、抗炎症性又は抗アレルギー性の作用を有する化合物を含んで、その作用を補足又は高めることができる。特に、かかる化合物は、ビタミン、植物エキス、α−及びβ−ヒドロキシ酸、セラミド、抗炎症薬、抗菌性又はUVフィルタリング物質、並びにこれらの誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択し得る。有利には、本発明の製剤は、UV−B及び/又はUV−A領域におけるUV放射線を吸収する物質を含み得る。液相は、鉱油、鉱ろう、分岐及び/又は非分岐の炭化水素及び炭化水素ワックス、飽和及び/又は不飽和で、分岐及び/又は非分岐のC.sub.8−C.sub.24アルカンカルボン酸のトリグリセリドからなる物質群から選択されるのが好ましく;かかる物質は、合成、半合成又は天然の油、例えばオリーブ油、パーム油、アーモンド油又は混合物;飽和及び/又は不飽和で、分岐及び/又は非分岐のC.sub.3−C.sub.30アルカンカルボン酸及び飽和及び/又は不飽和で、分岐及び/又は非分岐のC.sub.3−C.sub.30アルコールの油、脂肪又はワックス、エスエルからか、芳香族カルボン酸及び飽和及び/又は不飽和で、分岐及び/又は非分岐のC.sub.3−C.sub.30アルコール、例えばイソプロピルミリステート、イソプロピルステアレート、ヘキシルデシルステアレート、オレイルオレエートから;そして更に、かかるエステルの合成、半合成及び天然の混合物、例えば、ホホバ油、安息香酸アルキル又はシリコーン油、例えば、シクロメチコン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、オクタメチルシクロ−テトラシロキサン及びこれらの混合物又はジアルキルエーテルから選択し得る。
【0100】
本発明の有効成分は、例えば、皮膚の洗浄に用いられる化粧品組成物、例えば固形石けん、化粧石けん、カードソープ、透明石けん、豪華セッケン、脱臭セッケン、クリームセッケン、ベビー用セッケン、皮膚保護セッケン、研磨剤、合成洗剤、液体石けん、ペーストセッケン、軟セッケン、洗濯ペースト、液体の洗濯剤、シャワー及び入浴剤、例えば、洗濯ローション、シャワー剤、シャワー用ジェル、フォームバス、クリームフォームバス、オイルバス、バス用抽出物、洗濯剤、in situ生成物、シェービングフォーム、シェービングローション、シェービングクリームであり得る。更に、かかる有効成分は、皮膚の化粧製剤、例えばW/O又はO/Wスキン及びボディークリーム、昼夜兼用クリーム、光保護用組成物、アフターサン物質、多重エマルジョン、ゲル、ミクロエマルジョン、リポソーム製剤、ニオソーム製剤、リポゲル、スポーツゲル、保湿クリーム、漂白クリーム、ビタミンクリーム、スキンローション、ケアローション、アンプル、アフターシェービングローション、プレシェーブローション、湿潤ローション、セリュライトクリーム、脱色用組成物、マッサージ製剤、ボディーパウダー、デオドラント、制汗薬、リペレント剤などに好適である。“有効成分”なる用語は、例えば、上述した本発明の微生物、その変異体、誘導体、不活性形態、溶解物、断片又は抽出物を指す。好ましくは、以下の組成物に使用される場合“有効成分”なる用語は、例えば、上述した微生物、その変異体、誘導体、不活性形態、溶解物、断片又は抽出物の代用である。特に明記しない限り、以下に記載される組成物において使用される場合“有効成分”なる用語は、例えば、上述した本発明の微生物、その変異体、誘導体、不活性形態、溶解物、断片又は抽出物の組成物における割合を指す。好ましくは、“有効成分”なる用語は、本願明細書中において上述したように、1mLあたり、例えば102〜1013細胞の濃度のラクトバシラス種を指す。更に好ましくは、“有効成分”なる用語は、本願明細書中において上述したように、当業者に公知である好適な濃度で、例えば、0.001%以下〜99.999%以下、例えば1mLあたり102〜1013細胞の濃度でラクトバシラス種を含む溶液、例えば水溶液又は当業者に公知である他の好適な溶液を指す。なおいっそう好ましくは、かかる用語は、本願明細書中において上述したように、当業者に公知である好適な濃度で、例えば、0.001%、0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.9%、99.99%又は99.999%以下のラクトバシラス種を含み、最も好ましくは、0.001以下〜5%以下、例えば1mLあたり102〜1013細胞の濃度でラクトバシラス種を含む溶液を指す。
【0101】
好ましい実施形態において、化粧品組成物は、デイリーケア用O/W調剤からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
1.7 セテアレス−17、ステアリルアルコール
0.7 セテアレス−25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
2.0 PEG−14ジメチコン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジブチルアジペート
B
5.0 グリセロール
1.0 パンテノール
適量(q.w.) 保存剤
68.6 脱塩水(aqua dem.)
C
4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
D
0.2 ナトリウムアスコルビルホスフェート
1.0 トコフェリルアセテート
0.2 ビサボロール
1.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアスコルベート、トコフェロール、レチノール
1.0 活性成分
E
適量 水酸化ナトリウム
活性成分 5%:
A
1.7 セテアレス−6、ステアリルアルコール
0.7 セテアレス−25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
2.0 PEG−14ジメチコン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジブチルアジペート
B
5.0 グリセロール
1.0 パンテノール
適量 保存剤
64.6 脱塩水
C
4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
D
0.2 ナトリウムアスコルビルホスフェート
1.0 トコフェリルアセテート
0.2 ビサボロール
1.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアスコルベート、トコフェロール、レチノール
5.0 活性成分
E
適量 水酸化ナトリウム。
【0102】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。次に、B相をA相に入れ撹拌し、そして均一にする。C相を、A相とB相の組み合わせに入れ撹拌し、そして均一にする。混合物を撹拌しながら約40℃に冷却し;その後、D相を添加し、pHをE相を用いて約6.5に調節する。次に、溶液を均一にし、そして室温まで冷却する。
【0103】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、保護用のデイクリームO/W調剤からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
1.7 セテアレス−6、ステアリルアルコール
0.7 セテアレス−25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
2.0 PEG−14ジメチコン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジブチルアジペート
B
5.0 グリセロール
1.0 パンテノール
適量 保存剤
68.6 脱塩水
C
4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
D
1.0 ナトリウムアスコルビルホスフェート
1.0 トコフェリルアセテート
0.2 ビサボロール
1.0 活性成分
E
適量 水酸化ナトリウム
活性成分 5%:
A
1.7 セテアレス−6、ステアリルアルコール
0.7 セテアレス−25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
2.0 PEG−14ジメチコン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジブチルアジペート
B
5.0 グリセロール
1.0 パンテノール
適量 保存剤
64.8 脱塩水
C
4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
D
1.0 ナトリウムアスコルビルホスフェート
1.0 トコフェリルアセテート
0.2 ビサボロール
5.0 活性成分
E
適量 水酸化ナトリウム。
【0104】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。次に、B相をA相に入れ撹拌し、そして均一にする。C相を、A相とB相の組み合わせに入れ撹拌し、そして均一にする。混合物を撹拌しながら約40℃に冷却し;その後、D相を添加し、pHをE相を用いて約6.5に調節する。次に、溶液を均一にし、そして室温まで冷却する。
【0105】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、皮膚洗浄剤のO/W調剤からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
1.5 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロサン
2.0 PEG−40水素化ひまし油
B
3.5 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
C
1.0 トコフェリルアセテート
0.2 ビサボロール
適量 保存剤
適量 香料油
D
3.0 ポリクオタニウム−44
0.5 ココトリモニウムメトサルフェート
0.5 セテアレス−25
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
4.0 プロピレングリコール
1.0 活性成分
60.7 脱塩水
活性成分 5%:
A
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
1.5 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロサン
2.0 PEG−40水素化ひまし油
B
3.5 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
C
1.0 トコフェリルアセテート
0.2 ビサボロール
適量 保存剤
適量 香料油
D
3.0 ポリクオタニウム−44
0.5 ココトリモニウムメトサルフェート
0.5 セテアレス−25
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
4.0 プロピレングリコール
5.0 活性成分
56.8 脱塩水。
【0106】
最初に、A相を溶解し、次に、B相をA相に入れ撹拌する。次に、C相を、A相及びB相の組み合わせに導入する。次のステップで、D相を溶解し、そして組み合わされたA相、B相及びC相に入れ撹拌する。混合物を均一にし、15分間撹拌する。
【0107】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、デイリーケアのボディースプレー調剤からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
3.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
1.0 ポリクオタニウム−44
3.0 プロピレングリコール
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
1.0 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
10.0 オクチルドデカノール
0.5 PVP
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
3.0 安息香酸C12−15アルキル
3.0 グリセロール
1.0 トコフェリルアセテート
0.3 ビサボロール
1.0 活性成分
59.2 アルコール
活性成分5%:
A
3.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
1.0 ポリクオタニウム−44
3.0 プロピレングリコール
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
1.0 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
10.0 オクチルドデカノール
0.5 PVP
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
3.0 安息香酸C12−15アルキル
3.0 グリセロール
1.0 トコフェリルアセテート
0.3 ビサボロール
5.0 活性成分
55.2 アルコール。
【0108】
A相の成分を秤量し、透明になるまで溶解した。
【0109】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、皮膚用ジェルからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
3.6 PEG−40水素化ひまし油
15.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.5 トコフェリルアセテート
適量 香料
B
3.0 パンテノール
0.6 カルボマー
1.0 活性成分
75.4 脱塩水
C
0.8 トリエタノールアミン
活性成分5%:
3.6 PEG−40水素化ひまし油
15.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.5 トコフェリルアセテート
適量 香料
B
3.0 パンテノール
0.6 カルボマー
5.0 活性成分
71.4 脱塩水
C
0.8 トリエタノールアミン。
【0110】
最初に、A相を透明になるまで溶解する。B相を柔らかくし、次に、C相で中和する。次のステップで、A相を、均一にされたB相に入れて撹拌し、混合物を均一にする。
【0111】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、アフターシェービングローションからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 トコフェリルアセテート
1.0 ビサボロール
0.1 香料油
0.3 アクリレート/C10−30アルキルアクリレート架橋ポリマー
B
15.0 アルコール
1.0 パンテノール
3.0 グリセロール
1.0 活性成分
0.1 トリエタノールアミン
63.5 脱塩水
活性成分5%:
A
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 トコフェリルアセテート
1.0 ビサボロール
0.1 香料油
0.3 アクリレート/C10−30アルキルアクリレート架橋ポリマー
B
15.0 アルコール
1.0 パンテノール
3.0 グリセロール
5.0 活性成分
0.1 トリエタノールアミン
59.5 脱塩水。
【0112】
A相の成分を混合する。次のステップで、B相を溶解し、そしてA相に導入し、そして均一にする。
【0113】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、アフターサンローションからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
0.4 アクリレート/C10−30アルキルアクリレート架橋ポリマー
15.0 セテアリルエチルヘキサノエート
0.2 ビサボロール
1.0 トコフェリルアセテート
適量 香料油
B
1.0 パンテノール
15.0 アルコール
3.0 グリセロール
1.0 活性成分
63.2 脱塩水
C
0.2 トリエタノールアミン
活性成分5%:
A
0.4 アクリレート/C10−30アルキルアクリレート架橋ポリマー
15.0 セテアリルエチルヘキサノエート
0.2 ビサボロール
1.0 トコフェリルアセテート
適量 香料油
B
1.0 パンテノール
15.0 アルコール
3.0 グリセロール
5.0 活性成分
59.2 脱塩水
C
0.2 トリエタノールアミン。
【0114】
A相の成分を混合する。B相をA相に導入し、均一にする。混合物をC相で中和し、そして均一にする。
【0115】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ボディーバルサムからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.0 セテアレス−6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス−25
5.0 セテアリルエチルヘキサノエート
4.0 セチルアルコール
4.0 グリセリルステアレート
5.0 鉱油
0.2 メントール
0.5 カンファー
B
69.3 脱塩水
適量 保存剤
C
1.0 ビサボロール
1.0 トコフェリルアセテート
D
1.0 活性成分
5.0 マンサクの抽出物
活性成分5%:
A
2.0 セテアレス−6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス−25
5.0 セテアリルエチルヘキサノエート
4.0 セチルアルコール
4.0 グリセリルステアレート
5.0 鉱油
0.2 メントール
0.5 カンファー
B
65.3 脱塩水
適量 保存剤
C
1.0 ビサボロール
1.0 トコフェリルアセテート
D
5.0 活性成分
5.0 マンサクの抽出物。
【0116】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。次に、B相をA相に入れ撹拌し、そして均一にする。混合物を撹拌しながら約40℃に冷却し;その後、C相及びDを添加する。次に、混合物を均一にし、そして撹拌しながら室温まで冷却する。
【0117】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ビサボロールを含むW/Oエマルジョンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
6.0 PEG−7水素化ひまし油
8.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 イソプロピルミリステート
15.0 鉱油
0.3 ステアリン酸マグネシウム
0.3 ステアリン酸アルミニウム
2.0 PEG−45/ドデシルグリコール共重合体
B
5.0 グリセロール
0.7 硫酸マグネシウム
55.6 脱塩水
C
1.0 活性成分
0.5 トコフェリルアセテート
0.6 ビサボロール
活性成分5%:
A
6.0 PEG−7水素化ひまし油
8.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 イソプロピルミリステート
15.0 鉱油
0.3 ステアリン酸マグネシウム
0.3 ステアリン酸アルミニウム
2.0 PEG−45/ドデシルグリコール共重合体
B
5.0 グリセロール
0.7 硫酸マグネシウム
51.6 脱塩水
C
5.0 活性成分
0.5 トコフェリルアセテート
0.6 ビサボロール。
【0118】
A相及びB相を別個に約85℃に加熱する。次に、B相をA相に入れ撹拌し、そして均一にする。混合物を撹拌しながら約40℃に冷却し;その後、C相を添加する。次に、混合物を簡単に均一にし、そして撹拌しながら室温まで冷却する。
【0119】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、保持剤を含むムースコンディショナーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
10.0 PVP/VA共重合体
0.2 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
0.2 セテアレス−25
0.5 ジメチコンコポリオール
適量 香料油
10.0 アルコール
1.0 活性成分
68.1 脱塩水
10.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
10.0 PVP/VA共重合体
0.2 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
0.2 セテアレス−25
0.5 ジメチコンコポリオール
適量 香料油
10.0 アルコール
5.0 活性成分
64.1 脱塩水
10.0 プロパン/ブタン。
【0120】
A相の成分を秤量し、そして完全に溶解するまで撹拌する。次に、混合物を瓶に保存する。
【0121】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ムースコンディショナーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
1.0 ポリクオタニウム−4
0.5 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
1.0 活性成分
適量 香料油
適量 保存剤
91.5 脱塩水
6.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
1.0 ポリクオタニウム−4
0.5 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
5.0 活性成分
適量 香料油
適量 保存剤
87.5 脱塩水
6.0 プロパン/ブタン。
【0122】
A相の成分を秤量し、そして完全に溶解するまで撹拌する。次に、混合物を瓶に保存する。
【0123】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ムースコンディショナーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
1.0 ポリクオタニウム−11
0.5 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
1.0 活性成分
適量 香料油
適量 保存剤
91.5 脱塩水
6.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
1.0 ポリクオタニウム−11
0.5 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
5.0 活性成分
適量 香料油
適量 保存剤
87.5 脱塩水
6.0 プロパン/ブタン。
【0124】
A相の成分を秤量し、そして完全に溶解するまで撹拌する。次に、混合物を瓶に保存する。
【0125】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
0.5 ラウレス−4
適量 香料油
B
77.3 脱塩水
10.0 ポリクオタニウム−28
1.0 活性成分
0.5 ジメチコンコポリオール
0.2 セテアレス−25
0.2 パンテノール
0.1 PEG−25PABA
0.2 ヒドロキシエチルセルロース
C
10.0 HFC 152A
活性成分5%:
A
0.5 ラウレス−4
適量 香料油
B
73.3 脱塩水
10.0 ポリクオタニウム−28
5.0 活性成分
0.5 ジメチコンコポリオール
0.2 セテアレス−25
0.2 パンテノール
0.1 PEG−25PABA
0.2 ヒドロキシエチルセルロース
C
10.0 HFC 152A。
【0126】
A相の成分を混合する。その後、B相の成分を連続して添加し、溶解する。混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0127】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.0 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
78.5 脱塩水
6.7 アクリレート共重合体
0.6 AMP
1.0 活性成分
0.5 ジメチコンコポリオール
0.2 セテアレス−25
0.2 パンテノール
0.1 PEG−25PABA
0.2 ヒドロキシエチルセルロース
C
10.0 HFC 152A
活性成分5%:
A
2.0 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
74.5 脱塩水
6.7 アクリレート共重合体
0.6 AMP
5.0 活性成分
0.5 ジメチコンコポリオール
0.2 セテアレス−25
0.2 パンテノール
0.1 PEG−25PABA
0.2 ヒドロキシエチルセルロース
C
10.0 HFC 152A。
【0128】
A相の成分を混合する。その後、B相の成分を連続して添加し、溶解する。混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0129】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.0 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
7.70 ポリクオタニウム−44
1.0 活性成分
適量 保存剤
79.3 脱塩水
C
10.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
2.0 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
7.70 ポリクオタニウム−44
5.0 活性成分
適量 保存剤
75.3 脱塩水
C
10.0 プロパン/ブタン。
【0130】
A相の成分を混合する。B相の成分を、不透明感が無くなるまで溶解し、次に、A相に入れて撹拌する。pHを6〜7に調節する。混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0131】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.00 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
72.32 脱塩水
2.00 VP/アクリレート/ラウリルメタクリレート共重合体
0.53 AMP
1.00 活性成分
0.20 セテアレス−25
0.50 パンテノール
0.05 ベンゾフェノン−4
0.20 アモジメチコン、セトリモニウムクロリド、トリデセス−12
15.00 アルコール
C
0.20 ヒドロキシエチルセルロース
D
6.00 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
2.00 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
68.32 脱塩水
2.00 VP/アクリレート/ラウリルメタクリレート共重合体
0.53 AMP
5.00 活性成分
0.20 セテアレス−25
0.50 パンテノール
0.05 ベンゾフェノン−4
0.20 アモジメチコン、セトリモニウムクロリド、トリデセス−12
15.00 アルコール
C
0.20 ヒドロキシエチルセルロース
D
6.00 プロパン/ブタン。
【0132】
A相の成分を混合する。B相の成分を連続して添加し、溶解する。C相を、A相とB相の混合物に溶解する。次に、pHを6〜7に調節し、混合物をD相と共に瓶に保存する。
【0133】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.00 セトリモニウムクロリド
適量 香料油
B
67.85 脱塩水
7.00 ポリクオタニウム−46
1.00 活性成分
0.20 セテアレス−25
0.50 パンテノール
0.05 ベンゾフェノン−4
0.20 アモジメチコン、セトリモニウムクロリド、トリデセス−12
15.00 アルコール
C
0.20 ヒドロキシエチルセルロース
D
6.00 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
2.00 セトリモニウムクロリド
適量 香料油
B
63.85 脱塩水
7.00 ポリクオタニウム−46
5.00 活性成分
0.20 セテアレス−25
0.50 パンテノール
0.05 ベンゾフェノン−4
0.20 アモジメチコン、セトリモニウムクロリド、トリデセス−12
15.00 アルコール
C
0.20 ヒドロキシエチルセルロース
D
6.00 プロパン/ブタン。
【0134】
A相の成分を混合する。B相の成分を連続して添加し、溶解する。C相を、A相とB相の混合物に溶解する。次に、pHを6〜7に調節し、混合物をD相と共に瓶に保存する。
【0135】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
適量 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
85.5 脱塩水
B
7.0 ナトリウムポリスチレンスルホネート
1.0 活性成分
0.5 セトリモニウムブロミド
適量 保存剤
C
6.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
適量 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
81.5 脱塩水
B
7.0 ナトリウムポリスチレンスルホネート
5.0 活性成分
0.5 セトリモニウムブロミド
適量 保存剤
C
6.0 プロパン/ブタン。
【0136】
A相を可溶化する。その後、B相をA相に入れ秤量し、不透明感が無くなるまで溶解する。pHを6〜7に調節し、混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0137】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
適量 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
92.0 脱塩水
B
0.5 ポリクオタニウム−10
1.0 活性成分
0.5 セトリモニウムブロミド
適量 保存剤
C
6.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
適量 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
88.0 脱塩水
B
0.5 ポリクオタニウム−10
5.0 活性成分
0.5 セトリモニウムブロミド
適量 保存剤
C
6.0 プロパン/ブタン。
【0138】
A相を可溶化する。その後、B相をA相に入れ秤量し、不透明感が無くなるまで溶解する。pHを6〜7に調節し、混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0139】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
適量 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
82.5 脱塩水
B
10.0 ポリクオタニウム−16
1.0 活性成分
0.5 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
適量 保存剤
C
6.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
適量 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
78.5 脱塩水
B
10.0 ポリクオタニウム−16
5.0 活性成分
0.5 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
適量 保存剤
C
6.0 プロパン/ブタン。
【0140】
A相を可溶化する。その後、B相をA相に入れ秤量し、不透明感が無くなるまで溶解する。pHを6〜7に調節し、混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0141】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.0 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
84.0 脱塩水
2.0 キトサン
1.0 活性成分
0.5 ジメチコンコポリオール
0.2 セテアレス−25
0.2 パンテノール
0.1 PEG−25PABA
C
10.0 HFC 152A
活性成分5%:
A
2.0 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
80.0 脱塩水
2.0 キトサン
5.0 活性成分
0.5 ジメチコンコポリオール
0.2 セテアレス−25
0.2 パンテノール
0.1 PEG−25PABA
C
10.0 HFC 152A
A相の成分を混合する。B相の成分を連続して添加し、溶解する。混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0142】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ケアシャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
30.0 ナトリウムラウレスサルフェート
6.0 ナトリウムココアムホアセテート
6.0 コカミドプロピルベタイン
3.0 ナトリウムラウレスサルフェート、グリコールジステアレート、コカミドミア(cocamide mea)、ラウレス−10
1.0 活性成分
7.7 ポリクオタニウム−44
2.0 アモジメチコン
適量 香料油
適量 保存剤
1.0 塩化ナトリウム
43.3 脱塩水
B
適量 クエン酸
活性成分5%:
A
30.0 ナトリウムラウレスサルフェート
6.0 ナトリウムココアムホアセテート
6.0 コカミドプロピルベタイン
3.0 ナトリウムラウレスサルフェート、グリコールジステアレート、コカミドミア、ラウレス−10
5.0 活性成分
7.7 ポリクオタニウム−44
2.0 アモジメチコン
適量 香料油
適量 保存剤
1.0 塩化ナトリウム
39.3 脱塩水
B
適量 クエン酸。
【0143】
A相の成分を混合し、そして溶解する。pHをB相、すなわちクエン酸を用いて6〜7に調節する。
【0144】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、シャワージェルからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
40.0 ナトリウムラウレスサルフェート
5.0 デシルグルコシド
5.0 コカミドプロピルベタイン
1.0 活性成分
1.0 パンテノール
適量 香料油
適量 保存剤
2.0 塩化ナトリウム
46.0 脱塩水
B
適量 クエン酸
活性成分5%:
A
40.0 ナトリウムラウレスサルフェート
5.0 デシルグルコシド
5.0 コカミドプロピルベタイン
5.0 活性成分
1.0 パンテノール
適量 香料油
適量 保存剤
2.0 塩化ナトリウム
42.0 脱塩水
B
適量 クエン酸。
【0145】
A相の成分を混合し、そして溶解する。pHをB相、すなわちクエン酸を用いて6〜7に調節する。
【0146】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、シャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
40.0 ナトリウムラウレスサルフェート
5.0 ナトリウムC12−15パレス−15スルホネート
5.0 デシルグルコシド
適量 香料油
0.1 フィタントリオール
44.6 脱塩水
1.0 活性成分
0.3 ポリクオタニウム−10
1.0 パンテノール
適量 保存剤
1.0 ラウレス−3
2.0 塩化ナトリウム
活性成分5%:
A
40.0 ナトリウムラウレスサルフェート
5.0 ナトリウムC12−15パレス−15スルホネート
5.0 デシルグルコシド
適量 香料油
0.1 フィタントリオール
40.6 脱塩水
5.0 活性成分
0.3 ポリクオタニウム−10
1.0 パンテノール
適量 保存剤
1.0 ラウレス−3
2.0 塩化ナトリウム
A相の成分を混合し、そして溶解する。pHをクエン酸を用いて6〜7に調節する。
【0147】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、シャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
15.00 コカミドプロピルベタイン
10.00 ジナトリウムココアムホジアセテート
5.00 ポリソルベート20
5.00 デシルグルコシド
適量 香料油
適量 保存剤
1.00 活性成分
0.15 グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
2.00 ラウレス−3
58.00 脱塩水
適量 クエン酸
B
PEG−150ジステアレート
活性成分5%:
A
15.00 コカミドプロピルベタイン
10.00 ジナトリウムココアムホジアセテート
5.00 ポリソルベート20
5.00 デシルグルコシド
適量 香料油
適量 保存剤
5.00 活性成分
0.15 グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
2.00 ラウレス−3
54.00 脱塩水
適量 クエン酸
B
PEG−150ジステアレート。
【0148】
A相の成分を秤量し、溶解する。pHを6〜7に調節する。その後、B相を添加し、50℃以下に加熱する。混合物を撹拌しながら室温まで冷却する。
【0149】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、湿潤ボディーケアクリームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.0 セテアレス−25
2.0 セテアレス−6、ステアリルアルコール
3.0 セテアリルエチルヘキサノエート
1.0 ジメチコン
4.0 セテアリルアルコール
3.0 グリセリルステアレートSE
5.0 鉱油
4.0 Simmondsia chinensis(ホホバ)種油
3.0 鉱油、ラノリンアルコール
B
5.0 プロピレングリコール
1.0 活性成分
1.0 パンテノール
0.5 マグネシウムアルミニウムシリケート
適量 保存剤
65.5 脱塩水
C
適量 香料油
D
適量 クエン酸
活性成分5%:
A
2.0 セテアレス−25
2.0 セテアレス−6、ステアリルアルコール
3.0 セテアリルエチルヘキサノエート
1.0 ジメチコン
4.0 セテアリルアルコール
3.0 グリセリルステアレートSE
5.0 鉱油
4.0 Simmondsia chinensis(ホホバ)種油
3.0 鉱油、ラノリンアルコール
B
5.0 プロピレングリコール
5.0 活性成分
1.0 パンテノール
0.5 マグネシウムアルミニウムシリケート
適量 保存剤
61.5 脱塩水
C
適量 香料油
D
適量 クエン酸。
【0150】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。B相を簡単に予め均一にする。次に、B相をA相に入れ撹拌し、均一にする。混合物を約40℃に冷却し;その後、C相を添加する。次に、混合物を均一にする。pHをD相、すなわちクエン酸を用いて6〜7に調節する。
【0151】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、湿潤ボディーケアクリームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
6.0 PEG−7水素化ひまし油
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 イソプロピルミリステート
7.0 鉱油
0.5 シアバター(butyrospermum parkii)
0.5 アルミニウムステアレート
0.5 マグネシウムステアレート
0.2 ビサボロール
0.7 クアテルニウム−18−ヘクトライト
B
5.0 ジプロピレングリコール
0.7 マグネシウムサルフェート
適量 保存剤
62.9 脱塩水
C
適量 香料油
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
6.0 PEG−7水素化ひまし油
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 イソプロピルミリステート
7.0 鉱油
0.5 シアバター(butyrospermum parkii)
0.5 アルミニウムステアレート
0.5 マグネシウムステアレート
0.2 ビサボロール
0.7 クアテルニウム−18−ヘクトライト
B
5.0 ジプロピレングリコール
0.7 マグネシウムサルフェート
適量 保存剤
58.9 脱塩水
C
適量 香料油
5.0 活性成分。
【0152】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。B相をA相に入れ撹拌し、均一にする。混合物を撹拌しながら約40℃に冷却し;その後、C相を添加する。次に、混合物を均一にする。混合物を撹拌しながら室温まで冷却する。
【0153】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、発汗防止ロールオンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
0.40 ヒドロキシエチルセルロース
50.0 脱塩水
B
25.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.3 ファルネソール
2.0 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
C
3.0 ジプロピレングリコール
3.0 PEG−14デメチコン
3.0 ポリクオタニウム−16
8.2 脱塩水
D
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
0.40 ヒドロキシエチルセルロース
46.0 脱塩水
B
25.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.3 ファルネソール
2.0 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
C
3.0 ジプロピレングリコール
3.0 PEG−14デメチコン
3.0 ポリクオタニウム−16
8.2 脱塩水
D
5.0 活性成分。
【0154】
A相を膨張させ、B相及びC相を独立して可溶化する。次に、B相及びA相をC相に入れて撹拌する。最後に、D相を添加する。
【0155】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、透明なデオスティック(deo stick)からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
3.0 セテアレス−25
3.0 PEG−40水素化ひまし油
0.2 ビサボロールrac
1.0 トコフェリルアセテート
3.0 香料油
5.0 ステアリン酸ナトリウム
15.0 グリセロール87%
60.0 プロピレングリコール
9.3 脱塩水
B
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
3.0 セテアレス−25
3.0 PEG−40水素化ひまし油
0.2 ビサボロールrac
1.0 トコフェリルアセテート
3.0 香料油
5.0 ステアリン酸ナトリウム
15.0 グリセロール87%
60.0 プロピレングリコール
4.3 脱塩水
B
5.0 活性成分。
【0156】
A相の成分を秤量し、溶解する。次に、B相を添加する。
【0157】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、発汗防止スプレーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
3.0 PEG−40水素化ひまし油
0.2 フィタントリオール
0.5 香料油
40.0 アルコール
B
53.49 脱塩水
2.0 プロピレングリコール
0.5 パンテノール
0.01 BHT
C
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
3.0 PEG−40水素化ひまし油
0.2 フィタントリオール
0.5 香料油
40.0 アルコール
B
49.49 脱塩水
2.0 プロピレングリコール
0.5 パンテノール
0.01 BHT
C
5.0 活性成分。
【0158】
A相を可溶化する。次のステップで、B相の成分を連続して添加する。最後に、C相を添加する。
【0159】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、デオスティックからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
26.0 ステアリルアルコール
60.0 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
5.0 PEG−40水素化ひまし油
2.5 イソプロピルパルミテート
B
1.44 香料油
0.05 BHT
C
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
26.0 ステアリルアルコール
56.0 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
5.0 PEG−40水素化ひまし油
2.5 イソプロピルパルミテート
B
1.44 香料油
0.05BHT
C
5.0 活性成分。
【0160】
A相の成分を秤量し、溶解する。次に、A相を撹拌しながら約50℃に冷却する。B相及びC相の成分を均一にし、連続して添加する。
【0161】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、透明なデオロールオンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
0.40 ヒドロキシエチルセルロース
50.0 脱塩水
B
2.0 PEG−40水素化ひまし油
0.1 ビサボロール
0.3 ファルネソール
0.5 香料油
7.6 脱塩水
25.0 アルコール
C
3.0 プロピレングリコール
3.0 PEG−14デメチコン
3.0 ポリクオタニウム−16
0.1 アラントイン
D
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
0.40 ヒドロキシエチルセルロース
46.0 脱塩水
B
2.0 PEG−40水素化ひまし油
0.1 ビサボロール
0.3 ファルネソール
0.5 香料油
7.6 脱塩水
25.0 アルコール
C
3.0 プロピレングリコール
3.0 PEG−14デメチコン
3.0 ポリクオタニウム−16
0.1 アラントイン
D
5.0 活性成分。
【0162】
A相を膨潤させ、B相を可溶化する。次に、C相を添加し、撹拌する。最後に、B相、C相及びD相をA相に入れて撹拌する。
【0163】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、エマルジョンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
1.5 セテアレス−6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス−25
5.0 PEG−40水素化ひまし油
1.5 グリセリルステアレート
1.0 セテアリルアルコール
0.5 Eucerinum anhydricum
0.2 フィタントリオール
1.0 セチルパルミテート
5.0 ジカプリリルエーテル
0.3 ファルネソール
B
適量 保存剤
72.0 脱塩水
C
適量 香料油
D
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
1.5 セテアレス−6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス−25
5.0 PEG−40水素化ひまし油
1.5 グリセリルステアレート
1.0 セテアリルアルコール
0.5 Eucerinum anhydricum
0.2 フィタントリオール
1.0 セチルパルミテート
5.0 ジカプリリルエーテル
0.3 ファルネソール
B
適量 保存剤
68.0 脱塩水
C
適量 香料油
D
5.0 活性成分。
【0164】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。B相をA相に入れ撹拌し、3分間に亘って均一にする。次に、混合物を40℃に冷却し、C相及びD相を添加する。最後に、混合物を撹拌し、室温まで冷却する。
【0165】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、デオポンプスプレーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
5.0 PEG−40水素化ひまし油
0.3 PEG−7水素化ひまし油
1.0 グリセリルステアレート
1.0 ステアリルアルコール
5.0 シクロペンタシロキサン
0.5 Eucerinum anhydricum
0.2 フィタントリオール
5.0 ジカプリリルエーテル
0.3 ファルネソール
B
適量 保存剤
76.7 脱塩水
C
適量 香料油
D
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
5.0 PEG−40水素化ひまし油
0.3 PEG−7水素化ひまし油
1.0 グリセリルステアレート
1.0 セテアリルアルコール
6.0 シクロペンタシロキサン
0.5 Eucerinum anhydricum
0.2 フィタントリオール
5.0 ジカプリリルエーテル
0.3 ファルネソール
B
適量 保存剤
72.7 脱塩水
C
適量 香料油
D
5.0 活性成分。
【0166】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。B相を均一にし、A相及びC相に入れて撹拌する。次に、混合物を40℃に冷却し、D相を添加する。最後に、混合物を撹拌し、室温まで冷却する。
【0167】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、デオローションからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
1.5 セテアレス−6、ステアリルアルコール
1.5 セテアレス−25
2.0 PEG−40水素化ひまし油
2.0 グリセリルステアレート
2.0 セテアリルアルコール
2.0 セチルアルコール
2.0 水素化ココ−グリセリド
8.0 デシルオレエート
0.5 PEG−14デメチコン
0.3 ファルネソール
B
適量 保存剤
75.2 脱塩水
C
適量 香料油
D
1.0 活性成分1%
活性成分5%:
A
1.5 セテアレス−6、ステアリルアルコール
1.5 セテアレス−25
2.0 PEG−40水素化ひまし油
2.0 グリセリルステアレート
2.0 セテアリルアルコール
2.0 セチルアルコール
2.0 水素化ココ−グリセリド
8.0 デシルオレエート
0.5 PEG−14デメチコン
0.3 ファルネソール
B
適量 保存剤
71.2 脱塩水
C
適量 香料油
D
5.0 活性成分1%。
【0168】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。B相を均一にし、A相に入れて撹拌する。次に、混合物を40℃に冷却し、C相及びD相を添加する。最後に、混合物を撹拌し、室温まで冷却する。
【0169】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、デオローションのO/W型からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.0 セテアレス−6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス−25
4.0 セテアリルエチルヘキサノエート
2.0 セテアリルアルコール
2.0 水素化ココ−グリセリド
1.0 グリセリルステアレート
1.0 鉱油
0.5 ジメチコン
0.2 ビサボロール
B
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
2.0 プロピレングリコール
適量 保存剤
79.8 脱塩水
C
1.2 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
D
0.2 トコフェロール
適量 香料油
E
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
2.0 セテアレス−6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス−25
4.0 セテアリルエチルヘキサノエート
2.0 セテアリルアルコール
2.0 水素化ココ−グリセリド
1.0 グリセリルステアレート
1.0 鉱油
0.5 ジメチコン
0.2 ビサボロール
B
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
2.0 プロピレングリコール
適量 保存剤
75.8 脱塩水
C
1.2 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
D
0.2 トコフェロール
適量 香料油
E
5.0 活性成分。
【0170】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。次に、C相をA相及びB相に入れて撹拌し、均一にする。最後に、混合物を40℃に冷却し、D相及びE相を添加する。
【0171】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、透明なシャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表1】
【0172】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、シャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表2】
【0173】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、透明なコンディショニングシャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表3】
【0174】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、フォームO/Wエマルジョンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表4】
【0175】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、真珠色の光沢を有するコンディショニングシャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表5】
【0176】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、透明なコンディショニングシャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表6】
【0177】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ボリューム効果を有する透明なコンディショニングシャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表7】
【0178】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ジェルクリームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表8】
【0179】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、水系分散液(hydrodispersion)からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表9】
【0180】
【0181】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スティックからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表10】
【0182】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、PITエマルジョンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表11】
【0183】
【0184】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ジェルクリームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表12】
【0185】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、アフターサン水系分散液からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表13】
【0186】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、W/Oエマルジョンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表14】
【0187】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ピカリングエマルジョンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表15】
【0188】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スティックからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表16】
【0189】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、オイルジェルからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表17】
【0190】
更に本発明は、腋窩の臭気を抑制又は治療するための医薬組成物の調製における、上述の本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態の使用に関する。
【0191】
他の実施形態において、本発明は、テキスタイル又はテキスタイル基材における上述の本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態の上述したような使用に関する。好ましくは、本発明は、テキスタイル又はテキスタイル基材のコンディショニング又は含浸における、上述の本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態の上述したような使用に関する。更に好ましくは、上述の本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態を、当業者に公知である好適な方法により、又は以下に例示されているようにテキスタイル又はテキスタイル基材中に、あるいはテキスタイル又はテキスタイル基材に対して施与しても良い。従って、本発明は、テキスタイル又はテキスタイル基材の領域における、上述したような使用、組成物又は方法のいずれかに関する。
【0192】
従って、本発明は、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するためのテキスタイル又はテキスタイル基材の製造方法であって、上述の本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態をテキスタイル及びテキスタイル基材と共に処方するステップを含む、上記製造方法に関する。好ましくは、かかるテキスタイル及びテキスタイル基材は、上述したような化粧品として又は医薬的に受容可能な担体又は賦形剤を含むか、或いは、上述したような1種以上の化粧品又は医薬組成物を含み得る。
【0193】
本発明において用いられる場合、“腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するためのテキスタイル又はテキスタイル基材”なる用語は、少なくとも1種の本発明の微生物又は上述したような、かかる微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態を含むテキスタイル組成物に関する。本発明のテキスタイル組成物は、上述の成分を任意の組み合わせで含むことが意図される。必要に応じて、少なくとも1種の、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するのに好適な他の成分を含んでも良い(本願明細書中に援用されるUllmann, 第A26S巻, 227頁以降, 1995を参照)。
【0194】
本発明において、テキスタイル及びテキスタイル基材は、テキスタイル繊維、半仕上げ及び完成したテキスタイルであり、これらから製造される最終製品としては、更に、衣料産業用のテキスタイルの他に、例えば、カーペット及び他の家庭用織物並びに技術上の要求を満たすテキスタイル製品を含む。また、かかるテキスタイル製品は、未成形の形成物、例えばフロック、直線状の形成物、例えば糸、繊維、ヤーン、リネン、コード、ロープ、双糸及び固体の形成物、例えばフェルト、織布、メリヤス、編物、不織布及び詰め物を含む。テキスタイルは、例えば、天然の材料、例えば綿ウール、ウール又は亜麻か、又は合成材料、例えばポリアミド、ポリエスエル、変性ポリエステル、ポリエステル混紡、ポリアミド混紡、ポリアクリロニトリル、トリアセテート、アセテート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステルマイクロファイバー又はガラス繊維から作製できる。
【0195】
本発明の実施形態において、本発明の腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するためのテキスタイル及びテキスタイル基材の製造方法は、当業者に公知であるテキスタイルを仕上げる器械又は装置、例えば、フーラード等の標準的な装置を用いて行うことができる。好ましくは、かかるフーラードは、例えば垂直方向の送り部を備えるフーラード機であり、これは、例えば必須の構成要素として、一緒にプレスされる2個のロールを含み、かかるロールを通ってテキスタイルがガイドされる。ロールの上方で、水性調製物が充填され、ここでテキスタイルを湿潤させる。一般に、圧力により、テキスタイルをクエッチ(quetch)し、一定の散布を保証する。他の好ましい実施形態において、フーラード機では、テキスタイルは、例えば、含浸浴に最初にガイドされ、次に、例えば、下から垂直方向にテキスタイルを送るフーラードにて、一緒にプレスされる2個のロールにより上方へとガイドされる。テキスタイルを仕上げる器械又は装置、特にフーラード機は、例えば、本願明細書中に援用されるHans-Karl Rouette, “Handbuch der Textilveredlung”, Deutscher Fachverlag 2003, p. 618 to 620に記載されている。
【0196】
本発明の他の実施形態において、本発明の腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するためのテキスタイル及びテキスタイル基材の製造方法は、当業者に公知である好適な排出法、例えば、スプレー、スロップパディング、キスロール又は印刷により行うことができる。好ましくは、本発明の腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するためのテキスタイル及びテキスタイル基材の製造方法は、例えば1〜50%、好ましくは20〜40%の液体吸収を伴う排出法により行われる。
【0197】
本発明の他の実施形態において、テキスタイルを、次に、当業者に公知である好適な方法によって熱処理することが可能であり、例えば、30〜100℃の範囲の温度条件下で乾燥するか、又は少なくとも100℃、好ましくは少なくとも101℃〜150℃以下、好ましくは135℃以下で熱固定(thermal fixing)することによって行うことができる。好ましい実施形態において、10秒〜30分以下、好ましくは30秒〜10分以下に亘って熱処理をし得る。本発明の他の好ましい実施形態において、2つの熱処理ステップが、相互に異なる温度条件下で行わる。例えば、第1のステップでは、例えば30〜100℃の範囲の温度条件下で、例えば10秒〜20分間乾燥し、その後、101℃〜135℃の範囲の温度条件下で、例えば30秒〜3分間、固定する。
【0198】
好ましい実施形態において、本発明の腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するのに好適であるテキスタイル及びテキスタイル基材に含まれる他の成分は、DE4035378又はDE1010294.2に記載されるシクロデキストリン、EP−A1−1522626に記載されるアミロース含有物質であり得る。
【0199】
一般に、シクロデキストリンは、環式のオリゴサッカリドであり、デンプンの酵素分解によって形成される。好ましくは、本発明のテキスタイル又はテキスタイル基材における成分として使用されるシクロデキストリンは、α−、β−又はγ−シクロデキストリンであり、これは、例えば、それぞれ6個、7個又は8個のα−1,4−結合グルコース単位からなる。シクロデキストリン分子の特性は、大きく一定の寸法を有するその環構造にある。一般に、環の内径は、α−シクロデキストリンの場合に約570pmであり、β−シクロデキストリンの場合に約780pmであり、γ−シクロデキストリンの場合に約950pmである。その構造に起因して、シクロデキストリンは、ゲスト分子を取り込むことができる。好ましい実施形態において、かかるゲスト分子は、当業者に公知である揮発性の芳香剤を含み得る:好ましくは、かかる芳香剤は、本願明細書中において、以下に記載するような芳香剤を含む。
【0200】
他の好ましい実施形態において、本発明は、本発明のテキスタイル又はテキスタイル基材の臭気特性を改変するアミロース含有物質の使用を提供する。好ましくは、アミロース含有量は、物質の全重量に基づいて少なくとも30重量%である。更に本発明は、本発明のテキスタイルの臭気特性を改変する方法であって、テキスタイルがアミロース又はアミロース含有物質で仕上げ処理され、好ましくは少なくとも30重量%のアミロース含有量で仕上げ処理されることを特徴とする、上記変更方法を提供する。“アミロース又はアミロース含有物質”なる用語は、アミロース含有デンプン、例えば、天然のデンプン、変性デンプン及びデンプン誘導体であって、アミロース含有量が好ましくは少なくとも30重量%であることを意味する。デンプンは、天然のものであっても良く、例えば、トウモロコシのデンプン、小麦のデンプン、ジャガイモのデンプン、ソルガムのデンプン、米のデンプン又はマランタのデンプンであっても良く、天然のデンプンを部分的に消化することにより得るか、又は化学的に変性される。例えば、酵素処理により得られるアミロース、例えばスクロースから得られるアミロースのように、純粋なアミロースも好適である。アミロースとデンプンの混合物も好適であるが、これは、アミロースの全含有量が、混合物の全重量に基づいて少なくとも30重量%である場合に好ましい。アミロース又はアミロース含有物質に関する重量%で表される全てのデータは、アミロースとデンプンの混合物の場合、特に明記しない限り、常に、アミロース+デンプンの全重量に基づいている。
【0201】
本発明において、アミロース含有物質、特にアミロース及びアミロース含有デンプン、及びアミロース/デンプン混合物が特に好適であり、そのアミロース含有量は、物質の全重量に基づいて、少なくとも40重量%であり、特に少なくとも45重量%である。好ましくは、アミロース含有量は、90重量%を超えず、特に80重量%を超えない。かかる物質は、当業者に公知であり、そして市販されている。
【0202】
臭気の改善効果を達成するために、本発明のテキスタイルは、一般に当業者に公知である好適な量のアミロース含有物質にて仕上げ処理し得る。アミロース含有物質の量は、テキスタイルの重量に基づいて、好ましくは少なくとも0.5重量%、更に好ましくは少なくとも1重量%、特に少なくとも2重量%の量である。好ましくは、アミロース含有物質は、テキスタイルの触覚特性に悪影響を及ぼさないように、テキスタイルの重量に基づいて、25重量%以下、しばしば、20重量%以下、特に15重量%以下の量で使用し得る。
【0203】
本発明の他の好ましい実施形態において、臭気特性を改善するために、本発明のテキスタイル材料は、アミロース含有物質そのもので仕上げ処理し得る。しかしながら、アミロース含有物質を芳香剤と一緒に使用して、テキスタイルにおいて、長持ちする心地よい臭い、又は香りを達成することも可能である。好ましくは、かかる処理では、本発明のテキスタイルをアミロース含有物質で処理するか、又はかかるテキスタイルを、本発明の微生物及びアミロース含有物質で同時に処理することを含む。このようにして仕上げ処理されたテキスタイルは、その後、芳香剤で処理し得る。結果として、アミロース含有物質には、芳香剤が充填される。
【0204】
他の好ましい実施形態において、上述した本発明の微生物又はその変異体、誘導体又は不活性形態を用いて処方される本発明のテキスタイル又はテキスタイル基材は、芳香剤で仕上げ処理し得る。
【0205】
好ましくは、上述の実施形態のいずれかにより使用されるような芳香剤は、当業者に公知であるように、所望の芳香効果に十分な量で使用できる。上限は、使用されるアミロース含有物質のアミロース単位における最大吸収容量によって決定され、物質のアミロース含有量に基づいて、20重量%を超えないのが一般的であり、しばしば、10重量%を超えない。所望により、芳香剤は、0.1〜10重量%、特に0.5〜5重量%の量で使用されるのが一般的である。
【0206】
好適な芳香剤は、原則として、芳香剤として知られている全ての揮発性有機化合物及び有機化合物の混合物である。芳香剤の概要については、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版. on CD Rom, Flavours and Fragrances, 第2章, 特に第2.1 to 2.4章に示されている。本発明において、脂肪族及び脂環式の性質を有する芳香剤が特に好適である。例えば、以下のものが挙げられる:脂肪族C4−C12アルコール、例えば3−オクタノール、cis−3−ヘキセン−1−オール、trans−3−ヘキセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、2,6−ジメチルヘプタン−2−オール、9−デセン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、2−trans−6−cis−ノナジエン−1−オール、脂肪族C6−C13アルデヒド、例えばヘキサナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、2−メチルデカナール、2−メチルウンデカナール、ドデカナール及びトリデカナール、cis−4−ヘプテナール及び10−ウンデセナール、脂肪族C1−C6カルボン酸と、脂肪族で、必要によりモノ不飽和C1−C8アルコールからなるエステル、例えばエチルホルメート、cis−3−ヘキセニルホルメート、エチルアセテート、ブチルアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、3,5,5−トリメチルヘキシルアセテート、trans−2−ヘキセニルアセテート、cis−3−ヘキセニルアセテート、エチルプロピオネート、エチルブチレート、ブチルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、cis−3−ヘキセニルイソブチレート、エチルイソバレレート、エチル2−メチルブチレート、エチルヘキサノエート、2−プロペニルヘキサノエート、エチルヘプタノエート、2−プロペニルヘプタノエート及びエチルオクタノエート、非環式テルペン炭化水素及び炭化水素アルコール、例えばネロール、ゲラニオール、テトラヒドロゲラニオール、リナロオール、テトラヒドロリナロオール、シトロネルオール、ラバンデュルオール、ミルセノール、ファルネソール、ネロリドール、かかるアルコールのホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、バレレート及びイソブチレート、上述のアルコールに対応するアルデヒド、例えばシトラール、シトロネラール、ヒドロキシジヒドロシトロネラール、メトキシジヒドロシトロネラール及びかかるアルデヒドのジメチル−及びジエチルアセタール、例えばジエチルシトラール、メトキシジヒドロシトロネラール−ジメチルアセタール、更に、環式テルペン炭化水素、炭化水素アルコール及びアルデヒド。これらは、天然由来の芳香、例えばローズオイル、レモンオイル、ラベンダーオイル及びクローブの香りのオイルを含み得る。
【0207】
更に本発明は、上述したような本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態を含むテキスタイル又はテキスタイル基材に関する。“含む”は、例えば、特に、上述の方法のいずれかより得られるような形で、上述したような本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態と関連付けられる又はこれらを取り込むことを意味する。
【0208】
他の実施形態において、本発明は、組成物の製造方法であって、上述したような本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態を、化粧品及び/又は医薬における担体又は賦形剤と共に処方するステップを含む、上記製造方法に関する。
【0209】
更に本発明は、腋窩の臭気、好ましくは統合失調症に関連する腋窩の臭気を抑制又は治療する方法であって、それを必要とする患者に対して、予防上又は治療上有効な量の本発明の組成物を投与するステップを含む、上記抑制又は治療方法に関する。
【0210】
本発明は、本願明細書中に記載されるような、特定の方法論、プロトコール、バクテリア、ベクトル、及び試薬等に限定されず、変更可能であるものとして理解すべきである。また、本願明細書中で使用される技術用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、特許請求の範囲によってのみ限定されるであろう本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。特段規定しない限り、本願明細書中で用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0211】
好ましくは、本願明細書中で使用される用語は、“A multilingual glossary of biotechnological terms: (IUPAC Recommendations)”, Leuenberger, H.G.W, Nagel, B. and Koelbl, H. eds. (1995), Helvetica Chimica Acta, CH-4010 Basel, Switzerland)に記載されるように定義される。
【0212】
本願の明細書及び特許請求の範囲において、特に別の事情がない限り、“含む”なる用語は、述べられたもの又はステップ或いはもの又はステップの群を含むだけではなく、他のもの又はステップ或いはもの又はステップの群を除外しないと理解されるべきであろう。
【0213】
幾つかの文献が、本願の明細書の本文を通じて引用されている。本願明細書中において引用される各々の文献(例、全ての特許、特許出願、科学文献、製造者の表示、教示)は、上記又は以下において、その全体が本明細書中に援用される。本明細書中に、先行発明による開示に対して本発明が先行する権利がないことを容認するものとして解釈されるものはない。
【0214】
本願明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、単数形は、内容上明確に示されない限り、複数形の指示対象を含むことに留意する必要がある。従って、例えば、“試薬”とは、1種以上の異なる試薬を含み、そして“方法”とは、本願明細書中に記載される方法に関して変更又は置換し得るような当業者に公知である同等のステップ及び方法を含む。
【0215】
以下の実施例より、本発明及びその利点を良好に理解することができるが、実施例は、説明目的のみであって、本発明の範囲をいかなるようにも限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0216】
[実施例1]
腋窩分泌物抽出物の調製
新たに抽出される腋窩の汗は、無臭である。腋窩の臭気は、好気性皮膚細菌による離出分泌のバクテリア分解に起因して生じる。バクテリアがコロニー形成する場合だけ、腋窩は、臭気前駆体と接触し、特有の腋窩の汗の臭気を生じる。臭気の形成を抑制することができる乳酸菌を検出するためのin vitro試験を行うために、無菌無臭の汗を、無菌の腋窩から採取しなければならない。
【0217】
腋窩を、0.1%のトライトンX100を含むPBS緩衝液で洗浄した。乾燥後、腋窩を、70%のエタノール及び清潔なティッシュペーパーで滅菌した。3時間後、腋窩を5mLの10%エタノールで4回洗浄及び摩擦することによって、腋窩の分泌物を回収した。各々の洗浄分をガラスフラスコに回収し、画分を合わせて、−20℃にて保存した。200mL集められるまで、かかる収集手順を数日間に亘って繰り返した。かかる希釈腋窩分泌物を、90rpmの回転及び15ミリバールの圧力の条件下、ロータリエバポレータ(Heidolph)にて濃縮した。25℃にて蒸発を行い、そして200mLの希釈された無臭の汗を100倍に濃縮した。濃縮された腋窩分泌物を、その後、5000×gにて10分間に亘って遠心分離して、皮膚残留物及び他の非溶解性内容物を除去した。臭気前駆体の存在を、100μLの濃縮分泌物の加水分解によって確認した。かかる加水分解により、臭気のある分岐鎖脂肪酸3M2Hが放出された。加水分解物を再酸性化して、3M2Hを、CHCl3によって抽出し、10μLに濃縮し、そしてGC/MSによって検出した。
【0218】
[実施例2]
腋窩の臭気のin vitro生成及び定量化
新たな無臭の腋窩分泌物の加水分解による臭気の生成に関して一般的に認められている原理を実証するために、100μLの濃縮された無臭の腋窩分泌物を0.5mLの5M NaOH水溶液に溶解し、そして窒素下にて100℃にて20分間加熱した。その後、反応混合物を室温まで冷却し、50μLの6M HClで酸性化し、3×150μLのCHCl3によって抽出した。抽出物を窒素下にて10μLに濃縮し、そして3M2Hの存在に関してGC/MSによって分析した。腋窩特有の汗の臭いの生成を、鼻で臭いを嗅いで確認した。3M2Hの存在は、特有の腋窩の臭気の生成と関連していた。
【0219】
GC/MS分析については、スプリット/スプリットレスインジェクタ及びFFAPカラム(30m×0.53mm ID)を具備する、ヒューレッドパッカード社のGC5980シリーズII/MSD5971システムを用いた。GCは、以下の通りにプログラムした:100℃で2分間、10℃/分で220℃まで、そして20分間保持。かかる分析中に用いられる質量範囲は、一般にm/zが40〜400であり、これは、1回/秒でスキャンされる。一般的なランでは、36000のスキャンを含む。3M2Hの同定は、未知のスペクトルを市販の標準と比較することによって行った。更に、相対クロマトグラフィ保持時間を、同定パラメータとして使用した。3M2Hを、対照サンプルと標準物質に対して定量化した。
【0220】
[実施例3]
臭気放出抑制アッセイ
腋窩のバクテリアによる臭気物質の放出を抑制することができる乳酸菌を同定した。臭気物質の減少を、所定の乳酸菌の存在下、特有の臭気を生成する腋窩の皮膚のバクテリアであるCorynebacterium jeikeium(DSM7171)によって仲介される3M2Hの放出の低減として測定した。
【0221】
腋窩のバクテリアによる臭気物質の放出を抑制することができる乳酸菌を同定するために、以下のin vitroアッセイを行った。
【0222】
Corynebacterium jeikeium(DSM7171)、すなわち、代表的な臭気を生成する腋窩のバクテリアを、37℃にて20mLのBHI培養液中において30時間に亘って好気培養した。培養物を、3000×gにて10分間遠心分離し、そして細胞ペレットを、pH7.0のPBS緩衝液中において2回洗浄した。細胞ペレットを20mLのPBS緩衝液に再懸濁させた。乳酸菌を、37℃の条件下、150μLのMRS培養液中において2日間に亘って嫌気的に培養した。
【0223】
アッセイについては、50μLの、Corynebacterium jeikeium(DSM7171)の洗浄細胞を、100μLの濃縮した、無臭の腋窩分泌物と混合した。100μLの乳酸菌培養物又は100μLの対照としてのPBSを、各々のサンプルに添加した。サンプルを、37℃で16時間に亘って好気的に培養した。その後、細胞を遠心分離し、そして上清を、6M HClで酸性化し、短鎖脂肪酸を150μLのCHCl3で3回抽出した。抽出物を窒素下にて10μLに濃縮し、そして3M2Hの存在に関してGC/MSによって分析した。
【0224】
[培地及び緩衝液]
BHI培養液 Difco
MRS培養液 Difco
PBS緩衝液 20mMのホスフェート、150mMのNaCl、pH7.0
【0225】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腋窩のバクテリアによる悪臭化合物の生成を抑制することが可能な微生物に関する。更に本発明は、かかる微生物を含む組成物、例えば化粧品又は医薬組成物、及びかかる微生物を化粧品、予防又は治療の用途に使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、新たに抽出される腋窩の汗は無臭であることが当該分野において公知である。Leyden等によると(J. Invest. Dermatol. 77 (1981), 413-416頁)、腋窩の臭気は、汗をバクテリアが分解することに起因して生じる。一般的に腋窩の強力な臭気は、アポクリン分泌物から放出し得るものであり、そしてかかる分泌物に存在する無臭分子から臭気のある化合物を生成するには、皮膚バクテリアの作用を必要とすることが知られている(Shelly等、Arch. Dermatol. Syphilol. 68 (1953), 430-446頁)。腋窩に存在するバクテリアが臭気前駆体と接触すると、典型的な腋窩の汗の臭いが発生する。かかる腋窩は、ブドウ球菌及びコリネバクテリア属によって占められ、密な微生物集団を支持する皮膚領域である。殆どの個体は、かかる2種類の属のいずれかが優勢な細菌叢を保有しており、そして強力な相関作用が、高密度のコリネバクテリアと強力な腋窩の臭気の形成との間で見出された(Leyden等の1981;Natsch等, J. Biol. Chem. 278(8) (2003), 5718-5727頁)。したがって、腋窩の分泌物は、コリネバクテリア種に主として存在する細菌酵素によって変化する無臭前駆体を含む。
【0003】
人体の臭気のいくつかの臭気化合物が、同定されている。初期の研究では、腋窩の悪臭の原因因子として、腋窩において分泌されるサルフェート及びグルクロニドから放出されるアンドロステノン型の臭気ステロイドに関して特徴付けた。他の重要な臭気成分としてチオールが同定された。これは、腋窩において、一般式COO−H−CH(NH2)−CH2−S−Rを有するアミノ酸を開裂するように作用するアミノ酸β−リアーゼによって産生される。これにより得られる揮発性の硫黄生成物は、ヒトの腋窩の臭気に特有の刺激臭の原因であると考えられている(US5213781)。Zeng等は、短鎖、分岐脂肪酸が、腋窩の悪臭における重要な成分として作用するが、その際に、3−メチル−2−ヘキセン酸(3M2H)が主として関与することを提案した(J. Chem. Ecol. 18 (1991), 1039-1055頁)。更に彼等は、3M2Hが、腋窩の分泌物に含まれる主なタンパク質であるアポリポタンパク質Dと非共有結合すること、および3M2Hがアポクリン分泌物の水性画分をコリネバクテリアと共に培養することにより放出されることを示した。これは、水溶性の共有結合前駆体が存在しなければならないことを示す。Natsch等(2003)は、3M2H並びに化学的に関連する化合物、すなわち3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサン酸(HMHA)が、新たな腋窩の分泌物におけるグルタミン残留物に共有結合することを示した。かかる無臭前駆体、すなわち3−メチル−2−ヘキセノイル−L−グルタミン(3M2H−Gln)及び3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサノイル−L−グルタミン(HMHA−Gln)は、Corynebacterium striatum株から精製されるN−アシル−アミノアシラーゼ酵素によって開裂されることが示された。従って、かかる酵素が、短鎖分岐脂肪酸型の悪臭化合物を主に産生するものと仮定される。
【特許文献1】US5213781
【非特許文献1】J. Invest. Dermatol. 77 (1981), 413-416頁
【非特許文献2】Arch. Dermatol. Syphilol. 68 (1953), 430-446頁
【非特許文献3】J. Biol. Chem. 278(8) (2003), 5718-5727頁
【非特許文献4】J. Chem. Ecol. 18 (1991), 1039-1055頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
初期のデオドラントは、体臭を隠すために強力な香料に依存している。しかしながら、市場で入手可能な現在のデオドラント化粧品の殆どは、腋窩における微生物の生物活性に対する非特異的な阻害、すなわち、臭いを生じる原因となるバクテリアの根絶に依存している。実際、デオドラント化粧品は、皮膚の細菌叢の成長を阻害する抗菌性化合物、例えば2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル(トリクロサン(Triclosan))を含むのが一般的である。しかしながら、かかる原理は臭気の形成に対して有効であるものの、これにより、例えば、潜在的な病原性微生物より皮膚を保護する天然の常在性微生物の皮膚細菌叢を重度に破壊する(Bisno等., Am. J. Med. 76 (5A) (1984), 172-179)。考えられる代替法では、悪臭化合物の生成に関与していることが公知である酵素の作用を直接阻害する(EP1258531)。しかしながら、多くの阻害剤、例えば、3M2Hを放出する酵素であるN−アシル−アミノアシラーゼの有効な阻害剤であることが示されている、フェナントロリン、DTT又はCuSO4は、潜在的に有害であることから、腋窩の皮膚に対して局所的に用いることに不適当である。in vivo及びin vitroにおける実験では、亜鉛のキレート化剤、例えばEDTA、EGTA等が、その皮膚保護機能を低下させる特性のために、重大な組織及び皮膚刺激特性を有することを報告している(Braz, Dent. J. 16, (2005), 3-8頁)。また、ジチオトレイトール等のジチオールは、皮膚に刺激を与えることが一般に知られている。アシル−L−グルタメート、例えばラウロイル−L−グルタミン又はグルタミンのカラマーテ(caramate)は、安全ではないと記載されている(Siga-Aldrich MSDS saftey report 43817 and 61732を参照されたい)。更に、これらの全ての物質は、皮膚の重要な保護機能を維持することに関与する天然の片利共生微生物の皮膚細菌叢を妨げる効力を有している(Bisno等., Am. J. Med. 76 (5A) (1984), 172-179頁)。
【0005】
従って、重篤な副作用を生じさせず、又はヒトの腋窩における微生物の皮膚細菌叢に悪影響を与えることなく悪臭化合物の放出を抑制することができる手段及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる要求に取り組み、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する微生物及び方法を提供する。特に、特許請求の範囲で特徴付けられているような実施形態を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
従って、本発明は、第1の実施形態において、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが可能な微生物に関する。
【0008】
驚くべきことに、本発明者等は、腋窩に対して、上述の微生物又はその不活性形態を用いることによって、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を効果的に抑制することができることを見出した。本発明者等は、当該微生物を初めて同定し、そしてその同定方法を提供した。かかる微生物は、無臭前駆体化合物の、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体への転化を生化学的に抑制することができる。これにより、腋窩の悪臭の生成を妨げる。
【0009】
“3−メチル−2−ヘキセン酸の臭気誘導体”なる用語は、3−メチル−2−ヘキセン酸から化学的に誘導可能であるか、又は3−メチル−2−ヘキセン酸と構造的に関連し、そして臭いのある化合物に関する。好ましくは、かかる用語は、3−メチル−2−ヘキサン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサン酸、(E)−3−メチル−2−ヘキセン酸(E−3M2H)及び(Z)−3−メチル−2−ヘキセン酸(Z−3M2H)からなる群から選択される化合物に関する。
【0010】
“3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出”なる用語は、腋窩分泌物において一般的に見出し得る無臭前駆体を3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体に転化することに関する。
【0011】
特に、“無臭前駆体”なる用語は、それ自体悪臭を放たないものの、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の生成に至る反応において化学的に又は酵素によって転化される場合に臭気を放つ化合物に関する。好ましくは、“無臭前駆体”なる用語は、3−メチル−2−ヘキセノイル−L−グルタミン(3M2H−Gln)、3−メチル−2−ヘキセノイル−L−アポリポプロテイン(3M2H−apoD)、3−メチル−2−ヘキセノイル−L−ASOP1、3−メチル−2−ヘキセノイル−L−ASOP2、3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサノイル−L−グルタミン(HMHA−Gln)、3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサノイル−L−アポリポプロテインD(HMHA−apoD)、3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサノイル−L−ASOP1又は3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサノイル−L−ASOP2に関する。
【0012】
“臭気”又は“臭気を放つ”なる用語は、腋窩特有の汗の臭いが検出可能であることを意味する。好ましくはかかる用語は、腋窩特有の汗の臭いに関する検出が、鼻、好ましくは当業者の鼻で臭いを嗅ぐことによって確認されることを意味する。より好ましくはかかる用語は、GC/MS分析によって検出し得る量の3−メチル−2−ヘキセン酸又はその誘導体を意味する。“無臭”なる用語は、腋窩特有の汗の臭いが、鼻、好ましくは当業者の鼻で臭いを嗅いでも検出され得ないことを意味する。より好ましくはかかる用語は、GC/MS分析によって3−メチル−2−ヘキセン酸又はその誘導体が検出され得ないことを意味する。
【0013】
“鼻で臭いを嗅ぐ”ことによる検証は、鼻で臭いを検出することに関して訓練された1人以上のヒトによって行われる、腋窩特有の汗の臭いの検出に関する。かかる検出は、任意の好適な形態で、又は当業者に公知である好適な技術を用いて行っても良い。検出は、鼻で腋窩の臭いを検出することに関して訓練された適任のパネラーによって行われても良く、更に好ましくは、3人からなる適任のパネラーによって行なわれても良い。臭気強度については、様々に分類される。好ましくは、この分類は、以下のように規定することができる:0=臭気検出不可能、1=僅かに臭気を検出可能、2=臭気を検出可能、及び3=強い臭気を検出可能。適任のパネラーを形成する人又は人々は、微生物の臭気サンプルの臭気強度を独立して評価しても良い。好ましくは、3M2Hをその前駆体の形態から放出可能である微生物、無臭の腋窩分泌物及び3M2Hの放出を抑制可能な微生物からなるin vtroにて作製したサンプルまたは本発明で規定される微生物が存在しない対応する対照サンプルの臭気を調べることができる。適任のパネラーに属する人による臭気認知の値は、当業者に公知である任意の手段によって算出することができる。好ましくは、適任のパネラーに属する全ての人による臭気認知の値の平均値を算出することができる。次に、かかるデータに基づいて、臭気の強度を、当業者に公知である任意の手段で定量化することができる。
【0014】
“臭気誘導体”又は“3−メチル−2−ヘキセン酸の誘導体”なる用語は、鼻、好ましくは当業者の鼻で臭いを嗅ぐことによって確認し得るような腋窩特有の汗の臭いを生成する3−メチル−2−ヘキセン酸の誘導体に関する。好ましくは、“3−メチル−2−ヘキセン酸の誘導体”なる用語は、3−メチル−2−ヘキセン酸から化学的に誘導可能であるか、又は3−メチル−2−ヘキセン酸と構造的に関連し、そして臭いのある化合物に関する。より好ましくは、かかる用語は、3−メチル−2−ヘキサン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサン酸、(E)−3−メチル−2−ヘキセン酸(E−3M2H)及び(Z)−3−メチル−2−ヘキセン酸(Z−3M2H)からなる群から選択される化合物に関する。
【0015】
“皮膚”なる用語は、当業者に公知であるように、身体の外層を称する。好ましくは、かかる用語は、3層に関する:すなわち、表皮、真皮、及び皮下脂肪組織である。表皮は、皮膚の最も外側の層である。それは、一般に、体表に対して、防水の、保護外皮を形成し、下層の基底層を伴う層状の鱗状の表皮を形成する。通常、表皮は、血管を含まず、真皮からの拡散によって養われている。表皮を形成する主な種類の細胞は、ケラチノサイトであるが、メラノサイト及びランゲルハンス細胞も存在する。表皮は、いくつかの層に分かれ、細胞は最も内側の層における有糸分裂により形成される。これらは、分化しケラチンを保有するにつれて、形状及び組成を変えて上層へと移動する。これらは最終的に、角質層と称される表面層に到達し、そして剥がれ落ちるか、又は落屑する。表皮の最も外側の層は、25〜30層の死細胞からなる。一般的に、表皮は、5つの副層又は階層に分かれる(表面から深層):すなわち、角質層、透明層、顆粒層、有棘層及び基底層又は表皮基底層である。表皮と真皮の間の境界面は、不規則であり、連続する乳頭状の、又は指状の突起部からなるのが一般的であり、かかる突起部は、皮膚が薄い場所では小さく、掌及び足の裏の皮膚において最も大きい。掌及び足の裏の乳頭部は、表皮の隆起部と結合し、これにより頂上部を形成する。皮下脂肪組織は、皮膚の最深層である。かかる層の特徴は、結合組織、血管、及び脂肪細胞から構成されていることにある。一般的に、かかる層により、皮膚を下に在る構造体に結合させ、体を寒さから防護し、そしてエネルギーを脂肪の形態で貯蔵する。一般的に皮膚は、物理的作用、化学的及び生物的因子に対する深部組織のための保護層を形成する。これは、例えば、口腔又は膣領域又は粘膜に属する組織が皮膚でないことを意味する。好ましい実施形態において、“皮膚”なる用語は、身体の外層における最外層、すなわち、表皮に関する。より好ましい実施形態において、“皮膚”なる用語は、表皮における角質層に関する。さらに好ましい実施形態において、“皮膚”なる用語は、表皮における最も外側の25〜30層からなる死細胞に関する。最も好ましい実施形態において、“皮膚”なる用語は、表皮における最も外側の10層からなる死細胞に関する。
【0016】
他の好ましい実施形態において、“皮膚”なる用語は、腋窩の皮膚に関する。“腋窩の皮膚”なる用語は、アクスル(axle)又はわきの下の窪みにおける皮膚領域に関する。腋窩の皮膚は、例えば、細菌に対して特有の環境を生じるのが一般的である。腋窩の皮膚は、通常、例えば、汗腺の存在、性質及び数に関して身体の他の領域と異なっている。汗腺は、通常、表皮又は皮下脂肪中に埋没した極小の螺旋状の管を形成する。2種類の汗腺が存在するのが一般的である:すなわち、エクリン汗腺及びアポクリン汗腺である。エクリン汗腺は、汗、すなわち、特に水と塩の混合物を含む物質を形成するのが一般的である。汗は、身体を冷やす場合、例えば、皮膚から水を蒸発させることによって身体の温度を調節する場合に重要な役割を果たすのが一般的である。更に、汗は、身体から老廃物(例、毒素)を除去するのに有用な天然の手段を生じ得る。エクリン汗腺の極小管は、表皮及び真皮を貫き、皮膚に直接開放しているのが一般的である。一般に、腋窩の皮膚におけるエクリン汗腺の数及び密度は、身体の他の皮膚領域と比較して高い。通常、汗の生成は、汗腺、例えばエクリン汗腺の数に依拠する。したがって、腋窩の皮膚中で、又は腋窩の皮膚上での汗の生成は、体の他の皮膚領域と比較して高いことを意味する。
【0017】
アポクリン汗腺は、毛胞及び脂腺と同一の構造から形成されるのが一般的である。通常、アポクリン汗腺は、思春期が始まると極めて活性となる。腋窩の皮膚は、アポクリン汗腺を含むのが一般的であるのに対し、身体における他の皮膚領域の殆どは、かかる汗腺を含まないのが一般的である。好ましくは、腋窩の皮膚におけるアポクリン汗腺の数は、身体の他の皮膚領域、例えば生殖器部と比較して高い。
【0018】
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出に関して“抑制する”なる用語は、本発明の微生物と接触した場合、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を止めるか、又は低減することを意味する。“止められた放出”とは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体が、無臭の腋窩の分泌物の存在下における3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出可能な微生物と、本発明の微生物とを含む混合物中に、検出できないことを意味する。“低減された放出”とは、腋窩の無臭の分泌物の存在下における3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出可能な微生物と本発明の微生物とを含む混合物における3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の量が、本発明の微生物が存在しない混合物におけるそれと比較して、低減されていることを意味する。3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出に関して“低減される”なる用語は、腋窩の無臭の分泌物の存在下における3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出可能な微生物と本発明の微生物とを含む混合物における3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の量が、本発明の微生物が存在しない混合物に含まれる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の量の、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、更に好ましくは3%、最も好ましくは2%であることを意味する。
【0019】
3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制する本発明の微生物の能力は、以下に記載されるようなアッセイにおいて測定し得る:
簡単に述べれば、かかるアッセイは、以下のステップを含む:
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力に関して試験される微生物を、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物及び無臭の腋窩分泌物と混合し、
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出条件下で混合物をインキュベートし、
混合物の上清から短鎖脂肪酸を抽出し、
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の発生による臭気の放出を検出する。
【0020】
成分の混合は、当業者に公知である適当な割合で且つ好適な緩衝液中において行うことができる。好ましい実施形態において、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物は、37℃のBHI培養液中において好気的に培養する。培養は、例えば、20〜40時間、好ましくは25〜35時間、更に好ましくは30時間に亘って行うことができる。好気培養用の容積としては、適当な容積を使用可能であり、好ましくは1〜50mL、更に好ましくは5〜40mL、なおいっそう好ましくは10〜30mL、最も好ましくは20mLの容積を使用する。3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物を、次に、適当な方法によって培地から分離する。例えば、かかる微生物の培養物を、3000×gで10分間遠心分離し得る。さらなるステップとして、得られた微生物を、当業者に公知である好適な方法によって洗浄しても良く、好ましくは、得られた細胞ペレットを緩衝液、例えばpH7.0のPBS緩衝液で1回〜数回洗浄する。さらなるステップとして、得られた細胞を、当業者に公知である好適な緩衝液に再懸濁しても良く、好ましくは、得られた細胞ペレットを、例えば20mLの緩衝液、例えばpH7.0のPBS緩衝液に再懸濁する。
【0021】
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力について試験される微生物を、当業者に公知である好適な条件下で培養する。好ましくは、嫌気条件下、例えば37℃にてMRS培養液中で培養する。培養は、好適な時間、例えば1〜3日間、好ましくは30〜60時間、更に好ましくは40〜50時間、なおいっそう好ましくは48時間に亘って行うことができる。嫌気培養用の容積としては、適当な容積が使用可能であり、好ましくは1〜1000μL、更に好ましくは10〜500μL、なおいっそう好ましくは100〜300μL、最も好ましくは150μLの容積を使用する。
【0022】
腋窩の分泌物を、当業者に公知である適当な方法によって得ることができ、例えば、滅菌した腋窩から無菌無臭の汗を採取する。腋窩は、当業者に公知である適当な洗浄材料で洗浄しても良く、例えば、0.1%のトライトン(Triton)X100を含むPBS緩衝液で洗浄しても良い。乾燥後、腋窩を、例えば、70%のエタノールおよび清潔なティッシュペーパーで滅菌し得る。当業者に公知である好適な時間、好ましくは2〜10時間、更に好ましくは4〜6時間、なおいっそう好ましくは3時間の後、腋窩の分泌物を、腋窩を例えば10%のエタノールで4回洗浄及び消毒して採取し得る。各々の洗浄画分を、好ましくはガラスフラスコに回収し、そして各画分を合わせて、当業者に公知である好適な温度、例えば−20℃にて保存することができる。回収手順は、十分な量、例えば200mLの腋窩の分泌物が集められるまで繰り返し行い得る。希釈された無臭の腋窩分泌物を、例えばロータリエバポレータによって更に濃縮しても良い。その後、濃縮した腋窩分泌物を、例えば5000×gにて10分間に亘って更に遠心分離しても良い。
【0023】
アッセイに関して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物の洗浄細胞、好ましくは洗浄した細胞を、当業者に公知である適当な割合で無臭の腋窩分泌物と混合する。好ましい実施形態において、1〜500μLの洗浄細胞を使用し、更に好ましくは10〜200μL、なおいっそう好ましくは30〜100μL、最も好ましくは50μLを使用する。濃縮された無臭の腋窩分泌物は、例えば、1〜1000μL、好ましくは5〜500μL、更に好ましくは10〜250μL、最も好ましくは100μLの量で使用し得る。かかる混合物に対して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力に関して試験される微生物の培養物を当業者に公知である好適な量で添加しても良い。好ましくは1〜1000μL、更に好ましくは5〜500μL、なおいっそう好ましくは10〜250μL、最も好ましくは100μLを添加する。対照として、適当な緩衝液又は培地、例えば、対応する適量のPBS緩衝液又はMRS培地を、上述したように特徴付けられる混合物に添加することができる。サンプルは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出する条件下でインキュベートする。かかる条件は、当業者に公知である。“3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出する条件”とは対照にて検証されるように、微生物が3−メチル−2−ヘキセン酸を放出することが可能な当業者に公知である条件を意味する。当該対照には3−メチル−2−ヘキセン酸を放出することが可能な微生物のみが含まれ、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが可能な微生物は存在しない。更に好ましくは、サンプルを、好気条件下37℃にて、例えば、5〜30時間、更に好ましくは7〜25時間、10〜20時間、最も好ましくは16時間に亘ってインキュベートする。その後、細胞を遠心分離しても良く、そして上清を、例えば6MのHClで酸性化しても良い。次に、短鎖脂肪酸を当業者に公知である方法で抽出することが可能であり、3×150μLのCHCl3で抽出するのが好ましい。抽出物を、例えば窒素下で更に濃縮して、例えば10μLの体積にしても良い。
【0024】
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の存在は、当業者に公知である方法によって検出し得る。好ましくは、GC/MS分析によって、例えば、スプリット/スプリットレスインジェクタ及びFFAPカラムを具備する、ヒューレッドパッカード社のGC5980シリーズII/MSD5971システムを用いて測定する。好ましい実施形態において、少ない体積、例えば1μLの、上述の臭気溶液又は抽出物を、例えば、30m、0.25mmのID、0.25μLのフィルム厚を有する、例えばFFAPカラムを具備するGC/MSDに、スプリットレスで注入しても良い。当業者に公知であるような好適なインジェクタ及び検出器の温度が選択される。インジェクタ及び検出器の温度は180℃を選択するのが好ましい。短鎖脂肪酸の分離に関し、当業者に公知である好適な温度条件が選択される。短鎖脂肪酸を分離するための温度条件は、100℃にて2分、その後、10℃/分にて180℃の最終温度まで上昇させても良い。かかる温度は、1〜100分、好ましくは5〜50分、最も好ましくは10分間に亘って保持されても良い。カラムの流量は、当業者に公知である条件に従って設定することができる。好ましくは、カラムの流量は、0.5mL/分に設定されても良い。3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の同定は、未知のスペクトルを市販の標準と比較することによって行うことができる。更なる同定パラメータとして、例えば、相対クロマトグラフ保持時間を用いることができる。少なくとも1種のかかる微生物での臭気放出アッセイに基づき上記の腋窩分泌物において検出される3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の量が、本発明の微生物が存在しない混合物において検出される3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の量の、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下、最も好ましくは2%以下である場合に、かかる微生物は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することができるとみなされる。上述のアッセイを使用して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することができる微生物を同定することができる。
【0025】
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力を測定する代替的なin vitroアッセイは、基質としてN−α−ラウリル−グルタミンを使用することに基づいている。N−α−ラウリル−グルタミンは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物によって、アミノアシラーゼの基質としても認識される人工の物質である。天然の基質に構造的に類似しているために、N−α−ラウリル−グルタミンを使用して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する微生物の能力を間接的に測定することができる。対応のアッセイは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力に関して試験される微生物とインキュベートする前およびインキュベートした後のN−α−ラウリル−グルタミンの量の比較に基づいている。簡単に述べると、かかるアッセイは、以下のステップを含む:
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力に関して試験される微生物を、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物及びN−α−ラウリル−グルタミンと混合し、
N−α−ラウリル−グルタミンから誘導されるラウレエートを放出する条件下で混合物をインキュベートし、
残留するN−α−ラウリル−グルタミンの存在に関して混合物の上清を分析する。
【0026】
成分の混合は、当業者に公知である適当な割合で且つ好適な緩衝液中において行うことができる。好ましい実施形態において、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物は、BHI培養液中37℃において好気的に培養する。培養は、例えば、20〜40時間、好ましくは25〜35時間、更に好ましくは30時間に亘って行うことができる。好気培養用の容積としては、適当な容積を使用可能であり、好ましくは1〜50mL、更に好ましくは5〜40mLの容積、なおいっそう好ましくは10〜30mLの容積、最も好ましくは20mLの容積を使用する。3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物は、次に、適当な方法によって培地から分離され、例えば、かかる微生物の培養物を、例えば3000×gで10分間遠心分離し得る。さらなるステップとして、得られた微生物を、当業者に公知である好適な方法によって洗浄しても良く、好ましくは、得られた細胞ペレットを緩衝液、例えばpH7.0のPBS緩衝液で1回〜数回洗浄する。さらなるステップとして、得られた細胞を、当業者に公知である好適な緩衝液に再懸濁しても良く、好ましくは、得られた細胞ペレットを、例えば20mLの緩衝液、例えばpH7.0のPBS緩衝液に再懸濁する。
【0027】
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力に関して試験される微生物を、当業者に公知である好適な条件下で培養する。好ましくは、嫌気条件下、例えばMRS培養液中37℃にて培養する。培養は、好適な時間、例えば1〜3日間、好ましくは30〜60時間、更に好ましくは40〜50時間、なおいっそう好ましくは48時間に亘って行うことができる。嫌気培養用の容積としては、適当な容積を使用可能であり、好ましくは1〜1000μL、更に好ましくは10〜500μL、なおいっそう好ましくは100〜300μL、最も好ましくは150μLの容積を使用する。
【0028】
アッセイに関して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物の細胞、好ましくは洗浄した細胞を、当業者に公知である適当な割合でN−α−ラウリル−グルタミン(例えば、10mg/mL)と混合する。好ましい実施形態において、1〜500μL、更に好ましくは10〜200μL、なおいっそう好ましくは30〜100μL、最も好ましくは50μLの細胞を使用する。N−α−ラウリル−グルタミンを当業者に公知である好適な量、例えば、0.1〜100μL、好ましくは1〜50μL、更に好ましくは2〜25μL、最も好ましくは5μLの量で使用できる。かかる混合物に対して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力に関して試験される微生物の培養物を当業者に公知である好適な量にて添加しても良い。好ましくは1〜1000μL、更に好ましくは5〜500μL、なおいっそう好ましくは10〜250μL、最も好ましくは100μLを添加する。対照として、適当な緩衝液又は培地、例えば、対応する適量のPBS緩衝液又はMRS培地を、上述したように特徴付けられるような混合物に添加することができる。サンプルは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出する条件下でインキュベートする。かかる条件は、当業者に公知である。“3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出する条件”とは、対照にて検証されるように微生物が3−メチル−2−ヘキセン酸を放出することが可能な当業者に公知である条件を意味する。当該対照には3−メチル−2−ヘキセン酸を放出することが可能な微生物のみが含まれ、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが可能な微生物は存在しない。更に好ましくは、サンプルは、好気性条件下、37℃にて、例えば、5〜30時間、更に好ましくは7〜25時間、10〜20時間、最も好ましくは16時間に亘ってインキュベートする。
【0029】
その後、細胞を培地から、例えば遠心分離によって分離しても良く、そして上清を、残留しているN−α−ラウリル−グルタミンの存在に関して分析することができる。
【0030】
残留しているN−α−ラウリル−グルタミン、すなわち、開裂していないN−α−ラウリル−グルタミンの存在は、当業者に公知である方法によって検出できる。好ましくは、198nmにおけるUV検出を用いたHPLC分析によって、例えば、C8逆相カラム(例、Zorbax Eclipse XDB-C8)を具備する1100シリーズのHPCLシステム(Agilent Technologies社)を用いて測定する。
【0031】
少なくとも1種のかかる微生物でのN−α−ラウリル−グルタミンベースアッセイにおいて検出される非開裂のN−α−ラウリル−グルタミンの残量が、アッセイにおいて当初に施与されるN−α−ラウリル−グルタミンの量の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、更に好ましくは少なくとも95%、なおいっそう好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは99%である場合に、場合に、かかる微生物は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することができるとみなされる。
【0032】
上述のアッセイを使用して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することができる微生物を同定し得る。
【0033】
好ましい実施形態において、上述したアッセイで使用される、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することができる臭気生成微生物は、コリネバクテリア属に属する。更に好ましくは、臭気生成微生物は、Corynebacterium bovis、Corynebacterium jeikeium又はCorynebacterium striatumである。最も好ましくは、上述のアッセイで使用される臭気生成微生物は、Corynebacterium jeikeium(DSM7171)である。
【0034】
特に好ましい実施形態において、本発明の微生物は、乳酸菌の群に属する微生物である。“乳酸菌の群に属する微生物”なる用語は、特にグラム陽性の発酵性真正細菌に属し、更に好ましくは、乳酸菌を含むlactobacteriaceae科に属するバクテリア(細菌)に属する微生物を包含する。乳酸菌は、分類上の観点からStreptococcus, Leuconostoc, Pediococcus及びLactobacillusに細分類される。本発明の微生物は、ラクトバシラス種であるのが好ましい。乳酸菌群のメンバーは、ポルフィリン及びシトクロムを欠き、電子伝達リン酸化を行わないので、基質レベルのリン酸化によってのみエネルギーを得る。すなわち、乳酸菌においては、ATPを、炭水化物の発酵によって合成する。全ての乳酸菌は嫌気的に成長するものの、多くの嫌気性生物と異なり、殆どの乳酸菌は、酸素に対して敏感ではないので、酸素が存在してもしなくても成長可能である。従って、本発明の細菌は、好ましくはラクトバシラス属に属する耐気性の嫌気乳酸菌であるのが好ましい。
【0035】
本発明の乳酸菌は、長く且つ細長いものから短く曲がった桿状体に変化する、桿状又は球形であるのが好ましく、更に好ましくは、不動性及び/又は胞子非形性であり発酵代謝の主要な又は唯一の生成物として乳酸を生成する。好ましい実施形態において、本発明の微生物が属するラクトバシラス属は、以下の特徴により、3つの主要な亜群に分類される。これにより、本発明のラクトバシラス種が、かかる3つの主要な亜群のそれぞれに属することが認識される:
(a)homofermentative lactobacilli
(i)乳酸、好ましくは、乳酸のL−、D−又はDL−異性体を、エムデン−マイヤーホフ経路を介してグルコースから少なくとも85%の量で生成する、
(ii)45℃の温度条件下で成長するものの、15℃の温度条件下で成長しない、
(iii)長桿状である、
(iv)細胞壁にグリセロールテイコ酸を有する;
(b)homofermantative lactobacilli
(i)乳酸、好ましくは、乳酸のL−又はDL−異性体を、エムデン−マイヤーホフ経路を介して生成する、
(ii)15℃の温度条件下で成長し、45℃の温度条件下で可変性の成長を示す、
(iii)長桿状、又はコリネ型である、
(iv)細胞壁にリビトール及び/又はグリセロールテイコ酸を有する;
(c)heterofermentative lactobacilli
(i)乳酸、好ましくは、乳酸のDL−異性体を、ペントース−ホスフェート経路を介してグルコースから少なくとも50%の量で生成する、
(ii)二酸化炭素及びエタノールを生成する、
(iii)15℃又は45℃の温度条件下で可変性の成長を示す、
(iv)長い又は短い桿状である、
(iv)細胞壁にグリセロールテイコ酸を有する。
【0036】
上述の性質に基づいて、本発明の微生物は、乳酸菌の群に、特にラクトバシラス属に属するように分類し得る。典型的な分類学を使用することによって、例えば、"Bergey's Manual of Systematic Bacteriology" (Williams & Wilkins Co., 1984)における適切な記載を参照して、本発明の微生物は、ラクトバシラス属に属すると決定し得る。或いは、本発明の微生物は、当該分野において公知である方法、例えば、代謝指数、すなわち、糖類を代謝する本発明の微生物の能力に匹敵する概観、又は例えばSchleifer等のSystem. Appl. Microb., 18 (1995), 461-467頁若しくはLudwig等のSystem. Appl. Microb., 15 (1992), 487-501頁に記載される他の方法によって、ラクトバシラス属に属すると分類し得る。本発明の微生物は、糖源を代謝することができる。これはラクトバシラス属に属する微生物であれば、当該分野において一般的であり且つ知られている
本発明の微生物をラクトバシラス属に認定するのは、当該分野において公知である他の方法、例えば、測定するべき種における総タンパク量をSDS−PAGEゲル電気泳動し、そして、これを、ラクトバシラス属の公知で且つ既に特徴付けられている菌株と比較することによって特徴付けられ得る。上述した総タンパクプロファイルを調製する技術、並びにかかるプロファイルに対する多くの分析法は、当業者に公知である。しかしながら、結果は、処理の各段階が十分に標準化されている場合にのみ信頼性が高い。ある微生物をラクトバシラス属に決定する際に正確性を必要とすると場合には、標準の手順が、例えば、1994年9月12〜16日、ベルギーのゲント大学において、欧州連合によって組織化される“研究集会”により紹介されるようなPot等の手順(Fingerprinting techniques for classification and identification of bacteria, SDS-PAGE of whole cell protein)が利用可能である。SDS−PAGE電気泳動ゲルを分析する技術で使用されるソフトウエアは、非常に重要である。なぜなら、種間の相関関係の程度は、かかるソフトウエアにより用いられるパラメータ及びアルゴリズムに応じて異なるからである。理論的な詳細を検討することなく、濃度計によって測定され、そしてコンピュータによって標準化されるバンドを定量的に比較するのは、ピアソンの相関係数によって得られるのが好ましい。これにより得られる類似マトリックスは、UPGMA(unweighted pair group method using average linkage)アルゴリズムによって体系化されても良いが、かかるアルゴリズムにより、最も類似するプロファイルを一緒にまとめることができるだけでなく、デンドログラム(dendogram)を構築することも可能である(Kersters, Numerical methods in the classification and identification of bacteria by electrophoresis, in Computer-assisted Bacterial Systematics, 337-368, M. Goodfellow, A. G. O'Donnell Ed., John Wiley and Sons Ltd, 1985を参照されたい)。
【0037】
或いは、本発明の微生物をラクトバシラス属に認定するのは、いわゆるRiboprinterのRTMでリボソームRNAに関する特徴付けにより行い得る。更に好ましくは、本発明の新たに同定される種をラクトバシラス属に認定するのは、本発明のバクテリアにおける16SリボソームRNAのヌクレオチド配列か、又はその、16SリボソームRNAをコードするゲノムDNAのヌクレオチド配列を、これまで知られている乳酸菌における他の属及び種の配列と比較することによって行う。ラクトバシラス属に本発明の新たに同定される種を認定するための他の好ましい代替法は、16S−23SrRNAスペーサー領域を標的とする種特異的PCRプライマーを使用するものである。他の好ましい代替法は、株特異的DNAパターンを生じるRAPD−PCR(Nigatu等、in Antonie van Leeuwenhoek (79), 1-6, 2001)である。これにより、本発明により同定される微生物をラクトバシラス属に認定することができる。本発明の微生物をラクトバシラス属に認定することに有用な他の技術は、制限断片長多型(RFLP)(Giraffa等、Int. J. Food Microbiol. 82 (2003), 163-172)、反復エレメントのフィンガープリント(Gevers等、FEMS Microbiol. Lett. 205 (2001) 31-36)又はバクテリア細胞における脂肪酸メチルエステル(FAME)パターンの分析(Heyrman等、FEMS Microbiol. Lett. 181 (1991), 55-62)である。或いは、ラクトバシラスを、レクチン型(Annuk等、J. Med. Microbiol. 50 (2001), 1069-1074)か、又はラクトバシラスの細胞壁のタンパク質を分析する(Gatti等、Lett. Appl. Microbiol. 25 (1997), 345-348)ことによって決定することができる。
【0038】
本願の好ましい実施形態において、微生物は、プロバイオティック微生物である。本発明において、“プロバイオティック”なる用語は、微生物が、皮膚に対して局所的に用いられる場合に健康に有益な効果を有することを意味する。好ましくは、“プロバイオティック”微生物は、皮膚、例えば腋窩の皮膚に局所的に用いられる場合、かかる組織の健康に有益である生きている微生物である。微生物が皮膚のミクロ細菌叢に対してプラスの影響を有するのが最も好ましい。
【0039】
好ましい実施形態において、本発明の微生物は、Lactobacillus plantarum、 Lactobacillus crispatus、 Lactobacillus acidophilus II、 Lactobacillus acidophilus III 又はLactobacillus delbrueckii delbrueckiiの種に属する。しかしながら、ラクトバシラス種は、これに限定されない。
【0040】
本発明の特に好ましい実施形態において、本発明の微生物は、受託番号DSM 17598 (Lactobacillus plantarum, OB-AG-0002 ), DSM 17567 (Lactobacillus crispatus, OB-AG-0003), DSM 17568 (Lactobacillus acidophilus II, OB-AG-0004 ), DSM 17569 (Lactobacillus acidophilus II, OB-AG-0005), DSM 17570 (Lactobacillus acidophilus III, OB-AG-0006)及びDSM 17571 (Lactobacillus delbrueckii delbrueckii, OB-AG-0007)で、OrganoBalance GmbH, Gustav-Meyer-Allee 25, 13355 Berlin, GermanyによりDSMZにて寄託されているLactobacillus plantarum、 Lactobacillus crispatus、Lactobacillus acidophilus II、 Lactobacillus acidophilus III及びLactobacillus delbrueckii delbrueckii からなる群から選択される。
【0041】
更に本発明は、上述の寄託されたラクトバシラス菌株の変異体又は誘導体に関する。この変異体又は誘導体は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力を保有する。
【0042】
“DSMZにて寄託されるLactobacillus plantarum、 Lactobacillus crispatus、Lactobacillus acidophilus II、 Lactobacillus acidophilus III又はLactobacillus delbrueckii delbrueckii”なる用語は、Deutsche Sammlung fuer Mikroorganismen und Zellkulturen (DSMZ)に2005年9月12日にOrganoBalance GmbH, Gustav-Meyer-Allee 25, 13355 Berlin, Germanyによって寄託され、そして以下の受託番号:すなわち、DSM 17598 (Lactobacillus plantarum, OB-AG-0002 ), DSM 17567 (Lactobacillus crispatus, OB-AG-0003), DSM 17568 (Lactobacillus acidophilus II, OB-AG-0004 ), DSM 17569 (Lactobacillus acidophilus II, OB-AG-0005), DSM 17570 (Lactobacillus acidophilus III, OB-AG-0006)及びDSM 17571 (Lactobacillus delbrueckii delbrueckii, OB-AG-0007)を有するLactobacillus plantarum、 Lactobacillus crispatus、Lactobacillus acidophilus II、 Lactobacillus acidophilus III又はLactobacillus delbrueckii delbrueckiiの種に属する微生物細胞に関する。DSMZは、Mascheroder Weg 1b, D-38124 Braunschweig, Germanyに位置している。上述の寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に従う。
【0043】
特に好ましい実施形態において、本発明の微生物を“単離”又は“精製”する。“単離する”なる用語は、物質をその最初の環境から取りだすこと、例えば、天然にある場合には天然の環境から、又は培養の場合には培地から取り出すことを意味する。例えば、天然の系において共存する物質のうちのいくつかまたは全てから分離している天然の微生物、好ましくはラクトバシラス種は単離されている。かかる微生物は、組成物の一部であっても良く、そしてかかる組成物が天然の環境の一部ではない場合には、依然として単離されていると考えられる。
【0044】
“精製する”なる用語は、絶対的な純度を必要としない;むしろ、相対的な定義として意図される。ライブラリーから得られる個々の微生物を、微生物学的に均一に、従来的に精製する。すなわち、かかる微生物は、当該分野において公知である方法によって寒天プレートにストリーキングした場合に単一コロニーとして成長する。この場合に使用される寒天プレートは、ラクトバシラス種に対して選択的であるのが好ましい。かかる選択的な寒天プレートは、当該分野において公知である。
【0045】
他の実施形態において、本発明は、本発明の微生物の不活性形態に関する。これは例えば、熱による不活性化又は凍結乾燥されたものは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力が保持されているという特性を有する。
【0046】
本発明によると、“本発明の微生物の不活性形態”なる用語は、本発明の微生物、好ましくは本願明細書中に開示されるラクトバシラス種の死細胞又は不活性細胞を含み、これらは、ラクトバシラス属に属する微生物に特異的なプレートにおいて単一コロニーを形成することがもはや可能ではない。かかる死細胞又は不活性細胞は、無傷の細胞膜を有していても又は破壊された細胞膜を有していても良い。本発明の微生物細胞を死なせる又は不活性にする方法は、当該分野において公知である。El-Nezami等は、J. Food Prot. 61 (1998), 466-468において、UV放射線によってラクトバシラス種を不活性にする方法を記載している。好ましくは、本発明の微生物細胞は、熱により不活性化又は凍結乾燥される。本発明の細胞を凍結乾燥すると、細胞を容易に保存および取り扱うことができ、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する特性を保持することができるという点において有利である。
【0047】
更に、凍結乾燥された細胞は、当該分野において公知である条件下で適当な液体又は固体培地に播種されると、再び増殖可能である。凍結乾燥は、当該分野において公知である方法によって行われる。室温条件下で、すなわち、16〜25℃の間の温度条件下で少なくとも2時間に亘って行われるのが好ましい。更に、本発明の微生物における凍結乾燥細胞は、上述の特性を依然として保持するように、4℃の温度条件下で少なくとも4週間安定である。熱による不活性化は、本発明の微生物細胞を170℃の温度条件下で少なくとも2時間インキュベートすることによって達成し得る。また、熱による不活性化は、かかる細胞を、2バールの大気圧の飽和蒸気の存在下、121℃で少なくとも20分間に亘ってオートクレーブにて処理することによって達成されるのが好ましい。或いは、本発明の微生物細胞に対する熱による不活性は、かかる細胞を、−20℃で少なくとも4週間、3週間、2週間、1週間、12時間、6時間、2時間又は1時間、冷凍することによって達成される。本発明の微生物における不活性形態の細胞の、少なくとも70%、75%又は80%、更に好ましくは85%、90%又は95%、特に好ましくは少なくとも97%、98%、99%、極めて好ましくは99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%又は99.9%、最も好ましくは100%が死ぬか、又は不活性にされるものの、かかる細胞は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力を依然として有するのが好ましい。本発明の微生物の不活性形態が本当に死んでいるか、又は不活性にされているかは、当該分野において公知である方法、例えば生存率に関する試験によって調べることができる。
【0048】
また、“本発明の微生物の不活性形態”なる用語は、本発明の微生物、好ましくは本願明細書中に開示されるラクトバシラス種の溶解物又は断片を包含し、かかる溶解物又は断片は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するのが好ましい。かかる抑制は、本願明細書中に記載され、特に、実施例に記載されるように試験し得る。この場合、溶解物又は断片は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが可能であり、その後、当業者は、例えば、当該分野で知られ、以下に例示される方法によってかかる溶解物又は断片を更に精製して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することができる物質を取り出す。これは、本発明の微生物の溶解物又は断片が3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することができない場合、当業者は、例えば、当該分野において公知である方法によって、かかる溶解物又は断片を更に精製して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することを妨げ得る物質を除去することを意味する。その後、当業者は、かかる溶解物又は断片について、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するかどうかをさらに試験することができる。
【0049】
本発明によると、“溶解物”なる用語は、本発明の微生物における、分解される細胞の、水性媒体に対する溶液もしくは懸濁液か、又は抽出物を意味する。しかしながら、かかる用語は、限定されるものとして解釈すべきではない。細胞の溶解物は、例えば、高分子、例えばDNA、RNA、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質及び/又はマイクロ分子、例えばアミノ酸、糖類、脂質の酸(lipid acid)、又はその一部を含む。更に、かかる溶解物は、平滑な又は顆粒の構造であり得る細胞デブリを含む。微生物細胞溶解物を調製する方法は、当該分野において知られており、例えば、フレンチプレス、ガラス若しくは鉄のビーズを用いる細胞粉砕(cells mill)又は酵素による細胞溶解によって行われる。更に、細胞溶解は、細胞を開口/破壊する場合に当該分野において公知である種々の方法に関する。細胞を溶解する方法は、重要ではなく、本発明の微生物細胞を溶解することができる任意の方法を用いることができる。当業者は、適当な方法を選択可能であり、例えば、細胞の開口/破壊は、酵素により、化学的に、又は物理的に行われ得る。酵素及び酵素カクテルに関する非限定例は、プロテアーゼ、例えばプロテアーゼK、リパーゼ又はグリコシダーゼであり;化学物質の非限定例は、イオノホア、界面活性剤、例えばナトリウムドデシルサルフェート、酸又は塩基であり;そして物理的手段の非限定例は、高圧、例えばフレンチプレス、容量オスモル濃度、温度、例えば加熱又は冷却である。更に、タンパク質分解酵素以外の酵素、酸、塩基などの適当な組み合わせを用いる方法についても利用することができる。例えば、本発明の微生物細胞を、冷凍及び解凍することによって、更に好ましくは−70℃未満の温度条件下で冷凍し、30℃を超える温度条件下で解凍することによって溶解し、特に、冷凍は、−75℃未満の温度条件下であるのが好ましく、解凍は、35℃を超える温度条件下であるのが好ましく、最も好ましくは、−80℃未満の温度条件下で冷凍し、37℃を超える温度条件下で解凍する。また、かかる冷凍/解凍は、少なくとも1回、更に好ましくは少なくとも2回、なおいっそう好ましくは少なくとも3回、特に好ましくは少なくとも4回、最も好ましくは少なくとも5回繰り返されるのが好ましい。
【0050】
従って、当業者は、上述の一般的な説明を参照し、必要により、かかる方法を適当に改変又は変更することによって所望の溶解物を調製することが可能である。好ましくは、上述の溶解物に使用される水性媒体は、水、生理食塩水、又は緩衝溶液である。細菌細胞の溶解物は、技術的能力をあまり必要としないために、かかる溶解物を容易に製造し、そしてコスト効率が高く貯蔵することができるという点において有利である。
【0051】
好ましくは、“抽出物”なる用語は、本発明の微生物細胞成分、例えば、高分子、例えばDNA、RNA、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質及び/又はマイクロ分子、例えばアミノ酸、糖類、脂質の酸、又は他の有機化合物若しくは分子、又はその一部を意味し、且つかかる抽出物は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するのが好ましい。更に好ましくは、“抽出物”なる用語は、無細胞溶媒における上述した細胞成分のいずれかを称する。
【0052】
他の好ましい実施形態において、抽出物は、上述したように、細胞の開口/破壊に用いられ当該分野において公知である種々の方法により細胞を分解することによって、及び/又は当業者に公知である適当な液体、培地又は緩衝液における本発明の微生物の培養物、又はかかる培養物の溶解物若しくは他の好適な細胞懸濁液に対する遠心分離処置後の上清として、得られる場合がある。更に好ましくは、抽出物は、精製された溶解物又は細胞培養上清又はその一部若しくはサブポーション(subportion)であっても良く、かかる精製された溶解物又は細胞培養上清又はその一部若しくはサブポーションは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する。抽出物を精製するための好適な方法は、当業者に知られており、例えば、親和性クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、サイズ除外クロマトグラフィ、逆相クロマトグラフィ、及びカラムに他のクロマトグラフィ材料を有するクロマトグラフィ、又はバッチ法、他の分別法、例えばろ過法、例えば、限外ろ過、透析、遠心分離でのサイズ除外を伴う透析及び濃縮、密度勾配又は段階マトリックスの遠心分離、沈殿、例えば親和性沈殿、塩溶又は塩析(アンモニウムサルフェート−沈殿)、アルコール沈殿又は他のタンパク質化学、分子生物学、生化学、免疫学、化学又は物理学な方法を含む。
【0053】
本発明によると、溶解物は、上述の溶解物から得られる分子の断片の製剤でもある。かかる断片は、当業者に公知である方法、例えば、クロマトグラフィ、例えば親和性クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、サイズ除外クロマトグラフィ、逆相クロマトグラフィ、及びカラムに他のクロマトグラフィ材料を有するクロマトグラフィ、又はバッチ法、他の分別法、例えばろ過法、例えば、限外ろ過、透析、遠心分離でのサイズ除外と一緒の透析及び濃縮、密度勾配又は段階マトリックスの遠心分離、沈殿、例えば親和性沈殿、塩溶又は塩析(アンモニウムサルフェート−沈殿)、アルコール沈殿又は他のタンパク質化学、分子生物学、生化学、免疫学、化学又は物理学的な方法によって得られ、これにより、上述した溶解物の成分を分離することができる。好ましい実施形態において、他と比較して更に免疫原性である断片が好ましい。当業者であれば、適当な方法を選択し、そして、上述の一般的な説明及び本願明細書の実施例における特定の説明を参照し、必要により、かかる方法を適当に改変又は変更することによって、その免疫原性を測定することができる。
【0054】
従って、“本発明の微生物の不活性形態”なる用語は、本発明の微生物、好ましくは本願明細書中で開示されたラクトバシラス種のろ液も包含し、かかるろ液は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するのが好ましい。かかる抑制は、本願明細書中に記載され、特に、実施例に記載されるように試験し得る。この場合、本発明の微生物のろ液は、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが不可能であり、その後、当業者は、例えば、当該分野において公知である方法によってかかるろ液を更に精製して、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することを妨げ得る物質を除去する。その後、当業者は、かかるろ液について、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するかどうかをさらに試験することができる。
【0055】
“ろ液”なる用語は、当業者に公知である適当な液体、培地又は緩衝液において本発明の微生物の培養物に対する遠心分離処置の上清として得られた、本発明の微生物の無細胞溶液又は懸濁液を意味する。しかしながら、かかる用語は、限定されるものとして解釈すべきではない。ろ液は、例えば、高分子、例えばDNA、RNA、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質及び/又はマイクロ分子、例えばアミノ酸、糖類、脂質の酸、又はその一部を含む。微生物のろ液を調製する方法は、当該分野において公知である。更に、“ろ液”は、当該分野において公知である種々の方法に関する。抽出方法は、重要ではなく、本発明の微生物細胞をろ過することが可能な任意の方法を用いることができる。
【0056】
“本発明の微生物の不活性形態”なる用語は、本発明の微生物細胞の一部を包含する。好ましくは、かかる不活性形態は、膜調製(membrane-preparation)によって得られる膜画分である。ラクトバシラス属に属する微生物の膜調製物は、当該分野において公知である方法、例えば、Rollan等によるInt. J. Food Microbiol. 70 (2001), 303-307、Matsuguchi等によるClin. Diagn. Lab. Immunol. 10 (2003), 259-266、又はStentz等によるAppl. Environ. Microbiol. 66 (2000), 4272-4278、又はVarmanen等によるJ. Bacteriology 182 (2000), 146-154に記載される方法を用いることによって得ることができる。或いは、全細胞調製物も意図される。
【0057】
他の実施形態において、本発明は、本発明の微生物と、上述の当該微生物の変異体、誘導体又は不活性形態とを含む組成物に関する。好ましい実施形態において、かかる組成物は、上述の微生物を、固体状態の組成物に1mgあたり102〜1012細胞、好ましくは103〜108細胞の量で含む。液体状態の組成物の場合、微生物の量は、1mLあたり102〜1013細胞である。さらに好ましい実施形態において、かかる組成物は、エマルジョンの形態であり、例えば、水中油型又は油中水型のエマルジョン、軟膏、又はマイクロカプセルの形態である。エマルジョン、軟膏又はマイクロカプセルの場合、組成物は、本願明細書中に記載される微生物を、1mLあたり102〜1013細胞の量で含む。しかしながら、特定の組成物の場合、微生物の量は、本願明細書中に記載される量とは異なっていても良い。
【0058】
また、“組成物”なる用語は、更に以下に記載するようにテキスタイル組成物を含む。
【0059】
更に別の実施形態において、本発明は、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するのに用いられる組成物の製造方法を提供する。本方法は、本発明の微生物又は上述の当該微生物の変異体、誘導体又は不活性形態を、化粧品として又は医薬的に受容可能な担体又は賦形剤と共に処方するステップを含む。
【0060】
本発明に使用される場合“組成物”なる用語は、少なくとも1種の、本発明の微生物又は上述の当該微生物の変異体、誘導体又は不活性形態を含む組成物に関する。以下に記載される本発明の組成物は、上述の成分を任意の組み合わせで含むことが意図される。必要に応じて、少なくとも1種の、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するのに好適な他の成分を含み得る。従って、以下に記載される他の成分を任意の組み合わせで含み得る。“腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制するのに好適な他の成分”なる用語は、pH値を増大させる化合物又は組成物及び/又はこれらの組み合わせを包含する。
【0061】
組成物は、固体、液体又は気体の形態であっても良く、そして特に、粉末、溶液、エーロゾル、懸濁液、エマルジョン、液体、エリキシル、抽出物、チンキ又は流体抽出物の形態であるか、又は局所投与に特に好適な形態であり得る。局所投与に好適な形態は、例えば、デオドラント、ペースト、軟膏、ポンプスプレー(pumpspray)、ローション、ゲル(ジェル)、クリーム、エーロゾルスプレーとして、例えば、ポンプ−ディスペンサーボトルにおいて、又はロールオン式として、管若しくはグリルに分散される濃厚なクリームの形態で、ワンドの形態で、又は経皮パッチとして分散されるクリーム若しくは流体ゲルを含む。
【0062】
好ましくは、本発明の組成物は、化粧品として受容可能な担体又は賦形剤を更に含む化粧品組成物である。
【0063】
本発明の化粧品組成物は、本発明の組成物に関連して上述した本発明の微生物、当該微生物の変異体、誘導体又は不活性形態と、更に、化粧品として受容可能な担体とを含む。本発明の化粧品組成物は、局所施与で使用するのが好ましい。
【0064】
本願明細書中で使用される場合、“化粧品として受容可能な担体”なる用語は、好適な賦形剤であり、これは、本発明の組成物を皮膚に対して、安全に且つ有効な方法で施与するために使用し得る。かかる賦形剤は、エマルジョン、例えば水中油型又は油中水型のエマルジョン、軟膏又はマイクロカプセル等の物質を含むことができる。本願明細書中で使用される場合、“安全に且つ有効な方法”なる用語は、3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するのに十分な量を意味する。
【0065】
別の実施形態において、本発明は、上述した本発明の微生物又はその変異体、誘導体又は不活性形態と、更に、医薬的に受容可能な担体又は賦形剤とを含む医薬組成物に関する。医薬組成物は、局所投与に好適な形態であるのが好ましい。
【0066】
更に、本発明は、上述した本発明の微生物又はその誘導体、変異体、若しくは不活性形態を、組成物、好ましくは、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することによる腋窩の臭気を抑制するための医薬組成物又は化粧品組成物の調製に使用する方法に関する。
【0067】
医薬組成物は、治療有効量の、本発明の微生物又はその誘導体、変異体、若しくは不活性形態を含み、種々の形態、例えば、固体、液体、粉末、水性、凍結乾燥された形態に処方し得る。
【0068】
医薬組成物は、医薬的に受容可能な担体と共に、本願明細書中に記載されるように、患者に対して投与しても良い。特定の実施形態において、“医薬的に受容可能”なる用語は、動物、特にヒトで使用することについて、管理機関又は他の一般的に認証されている薬局方によって承認されていることを意味する。
【0069】
“担体”なる用語は、治療薬と一緒に投与される希釈剤、アジュバンド、賦形剤、又ビヒクルを指す。かかる担体は、医薬的に受容可能であり、すなわち、用いられる投薬量及び濃度条件下では受容者に対して非毒性である。担体は、等張性、低張性又は弱高張性であり、スクロース溶液によって供給される場合等は比較的低いイオン強度を有するのが好ましい。かかる医薬的に受容可能な担体は、滅菌液体、例えば、水及び油、例えば石油、動物油、植物油または合成油、例えば落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などであり得る。生理食塩水及び水性のデキストロース及びグリセロール溶液を液体の担体として使用することも可能である。好適な医薬賦形剤は、デンプン、グルコース、スクロース、ゼラチン、モルト、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、ナトリウムイオン、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール等である。組成物は、所望により、少量の湿潤剤、乳化剤、又はpH緩衝剤を含み得る。かかる組成物は、例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン、粉末、徐放性調製物などの形態をとることができる。好適な医薬担体の例が、E. W. Martinによる"Remington's Pharmaceutical Sciences"に記載されている。医薬担体と機能し得る物質の他の例は、糖類、例えばグルコース及びスクロース;デンプン、例えばコーンスターチ及びポテトスターチ;セルロース及びその誘導体、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及びセルロースアセテート;粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;ステアリン酸;ステアリン酸マグネシウム;硫酸カルシウム;炭酸カルシウム;植物性油、例えば落花生油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びカカオの油;ポリオール、例えばポリプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール;寒天;アルギン酸;ピロゲン非含有水;等張食塩水;クラムベリーの抽出物及びホスフェート緩衝溶液;スキムミルク粉末;並びに、医薬調製物に用いられる他の非毒性の適合性のある物質、例えばビタミンC、エストロゲン及びエキナシアである。湿潤剤及び滑剤、例えばナトリウムラウリルサルフェート、並びに着色剤、香料添加剤、滑剤、賦形剤、タブレット剤、安定剤、抗酸化剤及び保存剤を含むこともできる。また、投与者とって、有効成分が被包性の形態、例えばセルロースカプセル、ゼラチン、ポリアミド、ニオソーム(niosome)、ワックスマトリックス、シクロデキストリン、又はリポソームによりカプセル封入されているのが都合が良い。
【0070】
成分は、単位用量形態にて別個に、又は一緒に混合されて、例えば、有効成分の量を指示するアンプル又はサシェ等の密封した容器中における乾燥凍結乾燥粉末又は非含水濃縮物として、供給されるのが一般的である。
【0071】
本発明の医薬組成物は、中性又は塩の形態として処方し得る。医薬的に受容可能な塩は、アニオンと共に形成される塩、例えば塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸等から誘導される塩、及びカチオンにより形成される塩、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどから誘導される塩を含む。
【0072】
in vitroアッセイ、例えば、実施例に記載されるアッセイのいずれかは、必要に応じて、最適用量範囲を明らかにするために用いても良い。処方物に用いられるべき正確な投薬量は、投与の経路、並びに疾患及び障害の重篤度に応じて異なり、そして開業医の判断及び各患者の状況に従って決定されるであろう。局所経路の投与が好ましい。効果的な投薬量は、in vitro又は(動物)モデル試験システムから誘導される用量反応曲線から推定することができる。医薬組成物は、直接投与されるか、アジュバンドと組み合わせて投与されるのが好ましい。アジュバンドは、クロロキン、プロトン性の極性化合物、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、EtOH、1−メチルL−2−ピロリドン又はその誘導体、又は非プロトン性の極性化合物、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルスルホキシド、ジ−n−プロピルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、アセトニトリル又はその誘導体からなる群から選択することができる。かかる化合物は、pH制限を鑑みる条件下で添加される。本発明の組成物は、脊椎動物に対して投与することができる。本願明細書中で使用される場合、“脊椎動物”は、当業者によって一般的に理解されているのと同一の意味を有することを意図する。特に、“脊椎動物”は、哺乳類、更に詳細にはヒトを包含する。
【0073】
“投与される”なる用語は、上述の組成物の治療有効用量を投与することを意味する。“治療有効量”とは、投与された場合に効果を生じる用量を意味する。かかる効果は、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することであるのが好ましい。正確な用量は、治療目的に応じて異なり、そして公知の技術を用いて、当業者によって確かめられるであろう。当該分野で知られており、そして上述したように、全身性または局所的、年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与時間、薬物間相互作用及び症状の重特性に対する調節が必要であり、そして当業者によって所定の実験を用いて確かめられるであろう。
【0074】
かかる方法は、ヒトの治療に用いることができる。本願明細書中に記載される、所望の治療活性を有する化合物を、生理学的に受容可能な担体中に含めて、本願明細書中に記載するように患者に対して投与することができる。投与方法に応じて、化合物を、以下に記載するように種々の方法で処方することができる。処方物中における治療上有効な化合物の濃度は、約0.01〜100重量%まで変更可能である。薬剤を、単独で、又は他の治療薬と組み合わせて投与することができる。
【0075】
医薬組成物の投与は、種々の方法で行われ得る。好ましい投与経路は、局所的経路である。
【0076】
担当医及び臨床学的因子により、用法を決定するであろう。医学分野において周知であるように、患者に対する投薬量は、多くの要因、例えば患者の大きさ、身体の表面積、年齢、投与されるべき特定の化合物、性別、投与時間及び経路、全体的な健康、並びに、同時に投与される他の薬剤に応じて異なる。一般的な用量は、例えば、0.001〜1000μgの範囲であっても良く;しかしながら、特に上述の要因を考慮して、かかる具体的な範囲未満又はかかる範囲を超える用量も考えられる。
【0077】
投薬量は、1週間に1度、投与されるのが好ましく、更に好ましくは1週間に2回、3回、4回、5回又は6回、最も好ましくは毎日、なおいっそう好ましくは1日2回又はそれ以上である。しかしながら、治療の経過中、投薬量を、より長期の時間間隔で投与し、そして必要な場合には、より短い時間間隔で、例えば1日に何度も投与することができる。好ましい場合において、免疫反応を、本願明細書中に記載される方法及び当業者に公知である他の方法によってモニターし、そして投与量を、例えば、時間、量及び/又は組成に関して最適化する。経過は、定期評価によってモニターし得る。また、医薬組成物を、併用療法、すなわち、他の医薬又は薬剤、例えば3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する他の薬剤との同時投与(co-administration)において使用することが意図される。
【0078】
本発明の化粧品又は医薬組成物を局所投与するのは、所望の治療が、局所投与によって容易に到達可能な領域又は器官を含む場合に有用である。皮膚に対する局所投与の場合、医薬組成物は、デオドラント又はスプレー(ポンプスプレー又はエーロゾル)の形態で、又はペースト、軟膏、ローション、クリーム、ゲル又は経皮パッチに処方されるのが好ましい。化粧品又は医薬組成物は、使用分野に応じて、フォーム、ゲルスプレー、ムース、懸濁液又は粉末の形態であり得る。
【0079】
また、化粧品又は医薬組成物は、スプレー(ポンプスプレー又はエーロゾル)の形態で処方し得る。本発明によりエーロゾルに好適な噴射剤は、一般的な噴射剤、例えばプロパン、ブタン、ペンタンである。
【0080】
或いは、化粧品又は医薬組成物は、担体に懸濁させた有効成分を含む好適なペーストに処方し得る。かかる担体として、石油、軟質の白色パラフィン、黄色ワセリン及びグリセロールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
化粧品又は医薬組成物は、担体に懸濁又は溶解させた有効成分を含む好適な軟膏に処方し得る。かかる担体としては、1種以上のグリセロール、鉱油、液体の油、液体の石油、白色石油、黄色ワセリン、プロピレングリコール、アルコール、トリグリセリド、脂肪酸エステル、例えばセチルエステル、ポリオキシエチレンポリプロピレン化合物、ワックス、例えば白ろう及び蜜ろう、脂肪酸アルコール、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール及びセチルステアリルアルコール、脂肪酸、例えばステアリン酸、セチルステアレート、ラノリン、水酸化マグネシウム、カオリン及び水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
或いは、化粧品又は医薬組成物は、担体に懸濁又は溶解させた有効成分を含む好適なローション又はクリームに処方し得る。かかる担体としては、1種以上の鉱油、例えばパラフィン、植物性油、例えばひまし油、キャスター・シード油及び水素化ひまし油、ソルビタンモノステアラト、ポリソルバト、脂肪酸エステル、例えばセチルエステル、ワックス、脂肪酸アルコール、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、アルコール、トリグリセリド及び水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
或いは、化粧品又は医薬組成物は、担体に懸濁又は溶解させた有効成分を含む好適なゲルに処方し得る。かかる担体としては、1種以上の水、グリセロール、プロピレングリコール、液体のパラフィン、ポリエチレン、脂肪油、セルロース誘導体、ベントナイト及びコロイド状の二酸化ケイ素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
本発明の製剤は、一般に、かかる製剤で一般的に用いられるような他の助剤、例えば保存剤、香料、消泡剤、染料、顔料、増粘剤、界面活性剤、乳化剤、エモリエント、仕上げ剤、脂肪、油、ワックス又は他の一般的な成分を、化粧品又は皮膚科学的な処方物、例えばアルコール、ポリオール、ポリマー、フォーム安定剤、溶解促進剤、電解質、有機酸、有機溶剤又はシリコーン誘導体を含み得る。
【0085】
本発明の化粧品又は医薬組成物は、エモリエントを含み得る。エモリエントは、乾燥を防ぎ又は和らげるのに有効な量で使用できる。有用なエモリエントとして、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:すなわち、炭化水素油及びワックス;シリコーン油;トリグリセリドエステル;アセトグリセリドエステル;エトキシル化グリセリド;アルキルエステル;アルケニルエステル;脂肪酸;脂肪アルコール;脂肪アルコールエーテル;エーテルエステル;ラノリン及び誘導体;多価アルコール(ポリオール)及びポリエーテル誘導体;多価アルコール(ポリオール)エステル;ワックスエステル;蜜ろう誘導体;植物性ワックス;リン脂質;ステロール;並びにアミド。
【0086】
従って、例えば、一般的なエモリエントとしては、鉱油、特に50〜500SUSの範囲の粘度を有する鉱油、ラノリン油、ミンク油、ココナッツ油、ココアバター、オリーブ油、アーモンド油、マカダミアナッツ油、アロエの抽出物、ホホバ油、紅花油、トウモロコシ油、液体のラノリン、綿実油、ピーナツ油、ピュアセリン油、ペルヒドロスクアレン(スクアレン)、ひまし油、ポリブタン、無臭の軽油、スイートアーモンド油、アボカド油、カロフィラム油、リシン油、ビタミンEアセテート、オリーブ油、軽油、セテアリルアルコール(セチルから主としてなる脂肪アルコールとステアリルアルコールの混合物)、リノレンアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、穀物麦芽の油、例えば小麦麦芽のセテアリルオクタノエートの油(セテアリルアルコールと2−エチルヘキサン酸のエステル)、セチルパルミテート、ジイソプロピルアジペート、イソプロピルパルミテート、オクチルパルミテート、イソプロピルミリステート、ブチルミリステート、グリセリルステアレート、ヘキサデシルステアレート、イソセチルステアレート、オクチルステアレート、オクチルヒドロキシステアレート、プロピレングリコールステアレート、ブチルステアレート、デシルオレエート、グリセリルオレエート、アセチルグリセリド、(C12−C15)アルコールのオクタノエート及びベンゾエート、アルコールとポリアルコールのオクタノエート及びベンゾエート、例えばグリコールとグリセロールのオクタノエート及びベンゾエート、並びにアルコールとポリアルコールのリシン−オレエート、例えば以下のもの、イソプロピルアジペート、ヘキシルラウレート、オクチルドデカノエート、ジメチコンコポリオール、ジメチコノール、ラノリン、ラノリンアルコール、ラノリンワックス、水素化ラノリン、ヒドロキシル化ラノリン、アセチル化ラノリン、石油、イソプロピルラノレート、セチルミリステート、グリセリルミリステート、ミリスチルミリステート、ミリスチルラクテート、セチルアルコール、イソステアリルアルコールステアリルアルコール、及びイソセチルラノレートなどを含む。
【0087】
更に、本発明の化粧品又は医薬組成物は、乳化剤を含み得る。乳化剤(すなわち、乳化試薬(emulsifying agent))は、組成物における成分を均一にブレンドするのに有効な量で使用されるのが好ましい。有用な乳化剤としては、(i)アニオン性のもの、例えば脂肪酸セッケン、例えばステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸アンモニウム、及びトリエタノールアミンステアレート;脂肪酸セッケンを含むポリオール脂肪酸モノエステル、例えば、カリウム又はナトリウム塩を含むグリセロールモノステアレート;硫酸エステル(ナトリウム塩)、例えば、ナトリウムラウリル5サルフェート、及びナトリウムセチルサルフェート;並びに、硫酸エステルを含むポリオール脂肪酸モノエステル、例えば、ナトリウムラウリルサルフェートを含むグリセリルモノステアレート;(ii)カチオン性の塩化物、例えば、N(ステアロイルコルアミノホルミルメチル)ピリジウム;N−ソーヤ−N−エチルモルホリニウムエトサルフェート;アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;ジイソブチルフェノキシセオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;及びセチルピリジウムクロリド;並びに(iii)非イオン性のもの、例えばポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、例えばモノステアレート;ポリオキシエチレンラウリルアルコール;ポリオキシプロピレン脂肪アルコールエーテル、例えば、プロポキシル化オレイルアルコール;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えばポリオキシエチレンステアレート;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート;ソルビタン脂肪酸エステル、例えばソルビタン;ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレングリコールモノステアレート;及びポリオール脂肪酸エステル、例えば、グリセリルモノステアレート及びプロピレングリコールモノステアレート;及びエトキシル化ラノリン誘導体、例えば、エトキシル化ラノリン、エトキシル化ラノリンアルコール及びエトキシル化コレステロールが挙げられる。乳化剤の選択は、Schrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika, Huethig Buch Verlag, Heidelberg, 第2版, 1989, 第3部に具体的に記載されている。
【0088】
本発明の化粧品又は医薬組成物は、界面活性剤を含み得る。好適な界面活性剤としては、例えば、洗浄剤、乳化剤、増泡剤、ハイドロトロープ剤、可溶化剤、懸濁剤及び非界面活性剤(液体に対する固体の分散を促進する)として一般に分類される界面活性剤が挙げられる。
【0089】
界面活性剤は、通常、両性、アニオン性、カチオン性及び非イオン性の界面活性剤として分類される。両性の界面活性剤としては、アシルアミノ酸及び誘導体並びにN−アルキルアミノ酸が挙げられる。アニオン性の界面活性剤はとしては、以下のものを挙げられる:アシルアミノ酸及び塩、例えば、アシルグルタメート、アシルペプチド、アシルサルコシネート、及びアシルタウレート;カルボン酸及び塩、例えば、アルカン酸、カルボン酸エステル、及びカルボン酸エーテル;スルホン酸及び塩、例えば、アシルイセチオネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルホネート、及びスルホスクシネート;硫酸エステル、例えば、アルキルエーテルサルフェート及びアルキルサルフェート。カチオン性の界面活性剤としては、以下のものを挙げられる:アルキルアミン、アルキルイミダゾリン、エトキシル化アミン、及び4級化合物(quaternary)(例、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルベタイン、複素環式アンモニウム塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩)。そして、非イオン性の界面活性剤としては、以下のものが挙げられる:アルコール、例えば、8〜18個の炭素原子を含む第一級アルコール;アルカノールアミド、例えば、アルカノールアミン誘導アミド及びエトキシル化アミド;アミンの酸化物;エステル、例えば、エトキシル化カルボン酸、エトキシル化グリセリド、グリコールエステル及び誘導体、モノグリセリド、ポリグリセリルエステル、多価アルコールエステル及びエーテル、ソルビタン/ソルビトールエステル、及びリン酸のトリエステル;並びにエーテル、例えば、エトキシル化アルコール、エトキシル化ラノリン、エトキシル化ポリシロキサン、及びプロポキシル化ポリオキシエチレンエーテル。
【0090】
更に、本発明の化粧品又は医薬組成物は、フィルム形成剤(film former)を含み得る。本発明により使用される好適なフィルム形成剤は、組成物を平滑に且つ平坦に保ち、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:アクリルアミド/ナトリウムアクリレート共重合体;アンモニウムアクリレート共重合体;バルサムペルー;セルロースガム;エチレン/無水マレイン酸共重合体;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ポリアクリルアミド;ポリエチレン;ポリビニルアルコール;pvm/MA共重合体(ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸);PVP(ポリビニルピロリドン);無水マレイン酸共重合体、例えば、Gulf Science and Technology社製のPA−18;PVP/ヘキサデカン共重合体、例えば、GAF Corporation社製のGanex V−216;アクリルアクリレート共重合体など。
【0091】
一般に、フィルム形成剤は、組成物全体の、約0.1〜約10重量%の量で使用可能であり、約1〜約8重量%であるのが好ましく、約0.1DEG/O〜約5重量%であるのが最も好ましい。また、保水剤を、有効量で使用可能である。保水剤としては以下のものが挙げられる:フルクトース、グルコース、グルラム酸(glulamic acid);グリセリン;ハチミツ;マルチトール;メチルグルセス−10;メチルグルセス−20;プロピレングリコール;乳酸ナトリウム;スクロースなど。
【0092】
勿論、本発明の化粧品又は医薬組成物は、保存剤を含み得る。本発明の特定の組成物における保存剤としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:ブチルパラベン;エチルパラベン;イミダゾリジニル尿素;メチルパラベン;O−フェニルフェノール;プロピルパラベン;クオタニウム−14;クオタニウム−15;ナトリウムデヒドロアセテート;亜鉛ピリチオンなど。
【0093】
保存剤は、微生物の増殖を防ぎ又は阻止するのに有効な量で使用される。一般に、保存剤は、組成物全体の、約0.1〜約1重量%の量で使用され、約0.1〜約0.8重量%であるのが好ましく、約0.1〜約0.5%重量であるのが最も好ましい。
【0094】
本発明の化粧品又は医薬組成物は、香料を含み得る。当業者に周知の香料(芳香成分)及び着色剤(色素剤)を、所望の芳香性及び色彩を本発明の組成物に与えるのに有効な量で使用できる。
【0095】
更に、本発明の化粧品又は医薬組成物は、ワックスを含み得る。本発明に有用である好適なワックスとして、以下のものが挙げられる:動物ろう、例えば蜜ろう、鯨ろう、又は羊毛ろう(ラノリン);植物ろう、例えばカルナウバ又はカンデリラ;鉱ろう、例えばモンタンろう又はオゾケライト;及び石油ワックス、例えばパラフィンワックス及びミクロクリスタリンワックス(高分子量の石油ワックス)。動物ろう、植物ろう、及び鉱ろうは、高分子量脂肪アルコールと高分子量脂肪酸との第一級エステルである。例えば、トリコンタノールのヘキサデカノン酸エステルは、蜜ろうの主成分とであると一般に報告されている。本発明における他の好適なワックスとしては、合成ワックス、例えばポリエチレンポリオキシエチレン、及び一酸化炭素と水素から誘導される炭化水素ワックスが挙げられる。
【0096】
また、代表的なワックスとして、以下のものが挙げられる:セロシン;セチルエステル;水素化ホホバ油;水素化ホホバワックス;水素化米ぬかワックス;日本ろう;ホホババター;ホホバ油;ホホバワックス;ムンクワックス;モンタン酸ワックス;オウリキュリーワックス;米ぬかワックス;シェラックろう;サフライズドホホバ油(sufurized jojoba oil);合成蜜ろう;合成ホホバ油;トリヒドロキシステアリン;セチルアルコール;ステアリルアルコール;ココアバター;ラノリンの脂肪酸;25DEGCで固体であるモノ−、ジ−及び25トリグリセリド、例えば、Syncrowax HRC及びSyncrowax HGL-Cという商品名でそれぞれCroda, Inc., New York, N.Y.から市販されているグリセリルトリベヘナーテ(ベヘン酸とグリセリンのトリエステル)及びC1g−C36酸トリグリセリド(C1g−C36カルボン酸のトリエステルとグリセリンの混合物);25DEGCで固体である脂肪エステル;シリコーンワックス、例えば、メチルオクタデカンオキシポリシロキサン及びポリ(ジメチルシロキシ)ステアロキシシロキサン;ステアリルモノ−及びジエタノールアミド;ロジン及びその誘導体、例えば、グリコール及びグリセロールのアビエテート;25DEGCで固体である水素化油;及びスクログリセリド。水性系において有効量で使用できる増粘剤(粘性制御剤)として、以下のものが挙げられる:アルギン;カルボマー、例えばカルボマー934、934P、940及び941;セルロースガム;セテアリルアルコール、コカミドDEA、デキストリン;ゼラチン;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;マグネシウムアルミニウムシリケート;ミリスチルアルコール;エンバク粉;オレアミドDEA;オレイルアルコール;PEG−7M;PEG−14M;PEG−90M;ステアルアミドDEA;ステアルアミドMEA;ステアリルアルコール;トラガカントガム;小麦のデンプン;キサンタンガム;そして、上に挙げた増粘剤の中で、DEAは、ジエタノールアミンであり、MEAは、モノエタノールアミンである。非水性系において有効量で使用できる増粘剤(粘性制御剤)として、以下のものが挙げられる:アルミニウムステアレート;蜜ろう;カンデリラワックス;カルナウバワックス;セレシン;ステアリルアルコール;セチルアルコール;コレステロール;シリカ水和物;水素化ひまし油;水素化綿実油;水素化大豆油;水素化獣脂グリセリド;水素化植物性油;ヒドロキシプロピルセルロース;ラノリンアルコール;ミリスチルアルコール;オクチトドデシルステアロイルサルフェート;オレイルアルコール;オゾケライト;ミクロクリスタリンワックス;パラフィン、ペンタエリスリチルテトラオクタノエート;ポリアクリルアミド;ポリブテン;ポリエチレン;プロピレングリコールジカピレート;プロピレングリコールジペラゴネート;ステアロアルコニウムヘクトライト;ステアリルアルコール;ステアリルステアレート;合成蜜ろう;トリヒドロキシステアリン;トリリノレイン;トリステアリン;ステアリン酸亜鉛。
【0097】
処方物における一般的な天然及び合成の増粘剤又はゲル形成剤は、架橋ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリサッカリド、例えばキサンタンガム又はアルギネート、カルボキシメチルセルロース又はヒドロキシカルボキシメチルセルロース、親水コロイド、例えばアラビアゴム又はモンモリロナイト鉱物、例えばベントナイト又は脂肪アルコール、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンである。
【0098】
本発明の化粧品又は医薬組成物に対して、使用目的に有効な量で添加又は使用し得る他の成分として、以下のものが挙げられる:性能又は消費者の興味を高めるための生物学的添加剤、例えばアミノ酸、タンパク質、バニラ、アロエの抽出物、バイオフラボノイドなど;緩衝剤;エマルジョン安定剤;pH調節剤;乳白剤;及び噴射剤、例えばブタン炭素クリオキシド、エタン、ヒドロクロロフルオロカーボン22及び142b、ヒドロフルオロカーボン152a、イソブタン、イソペンタン、窒素、酸化窒素、ペンタン、プロパンなど。
【0099】
更に、本発明の製剤は、抗酸化性、フリーラジカルスカベンジャー、皮膚保湿若しくは水分保持、抗紅斑性、抗炎症性又は抗アレルギー性の作用を有する化合物を含んで、その作用を補足又は高めることができる。特に、かかる化合物は、ビタミン、植物エキス、α−及びβ−ヒドロキシ酸、セラミド、抗炎症薬、抗菌性又はUVフィルタリング物質、並びにこれらの誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択し得る。有利には、本発明の製剤は、UV−B及び/又はUV−A領域におけるUV放射線を吸収する物質を含み得る。液相は、鉱油、鉱ろう、分岐及び/又は非分岐の炭化水素及び炭化水素ワックス、飽和及び/又は不飽和で、分岐及び/又は非分岐のC.sub.8−C.sub.24アルカンカルボン酸のトリグリセリドからなる物質群から選択されるのが好ましく;かかる物質は、合成、半合成又は天然の油、例えばオリーブ油、パーム油、アーモンド油又は混合物;飽和及び/又は不飽和で、分岐及び/又は非分岐のC.sub.3−C.sub.30アルカンカルボン酸及び飽和及び/又は不飽和で、分岐及び/又は非分岐のC.sub.3−C.sub.30アルコールの油、脂肪又はワックス、エスエルからか、芳香族カルボン酸及び飽和及び/又は不飽和で、分岐及び/又は非分岐のC.sub.3−C.sub.30アルコール、例えばイソプロピルミリステート、イソプロピルステアレート、ヘキシルデシルステアレート、オレイルオレエートから;そして更に、かかるエステルの合成、半合成及び天然の混合物、例えば、ホホバ油、安息香酸アルキル又はシリコーン油、例えば、シクロメチコン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、オクタメチルシクロ−テトラシロキサン及びこれらの混合物又はジアルキルエーテルから選択し得る。
【0100】
本発明の有効成分は、例えば、皮膚の洗浄に用いられる化粧品組成物、例えば固形石けん、化粧石けん、カードソープ、透明石けん、豪華セッケン、脱臭セッケン、クリームセッケン、ベビー用セッケン、皮膚保護セッケン、研磨剤、合成洗剤、液体石けん、ペーストセッケン、軟セッケン、洗濯ペースト、液体の洗濯剤、シャワー及び入浴剤、例えば、洗濯ローション、シャワー剤、シャワー用ジェル、フォームバス、クリームフォームバス、オイルバス、バス用抽出物、洗濯剤、in situ生成物、シェービングフォーム、シェービングローション、シェービングクリームであり得る。更に、かかる有効成分は、皮膚の化粧製剤、例えばW/O又はO/Wスキン及びボディークリーム、昼夜兼用クリーム、光保護用組成物、アフターサン物質、多重エマルジョン、ゲル、ミクロエマルジョン、リポソーム製剤、ニオソーム製剤、リポゲル、スポーツゲル、保湿クリーム、漂白クリーム、ビタミンクリーム、スキンローション、ケアローション、アンプル、アフターシェービングローション、プレシェーブローション、湿潤ローション、セリュライトクリーム、脱色用組成物、マッサージ製剤、ボディーパウダー、デオドラント、制汗薬、リペレント剤などに好適である。“有効成分”なる用語は、例えば、上述した本発明の微生物、その変異体、誘導体、不活性形態、溶解物、断片又は抽出物を指す。好ましくは、以下の組成物に使用される場合“有効成分”なる用語は、例えば、上述した微生物、その変異体、誘導体、不活性形態、溶解物、断片又は抽出物の代用である。特に明記しない限り、以下に記載される組成物において使用される場合“有効成分”なる用語は、例えば、上述した本発明の微生物、その変異体、誘導体、不活性形態、溶解物、断片又は抽出物の組成物における割合を指す。好ましくは、“有効成分”なる用語は、本願明細書中において上述したように、1mLあたり、例えば102〜1013細胞の濃度のラクトバシラス種を指す。更に好ましくは、“有効成分”なる用語は、本願明細書中において上述したように、当業者に公知である好適な濃度で、例えば、0.001%以下〜99.999%以下、例えば1mLあたり102〜1013細胞の濃度でラクトバシラス種を含む溶液、例えば水溶液又は当業者に公知である他の好適な溶液を指す。なおいっそう好ましくは、かかる用語は、本願明細書中において上述したように、当業者に公知である好適な濃度で、例えば、0.001%、0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.9%、99.99%又は99.999%以下のラクトバシラス種を含み、最も好ましくは、0.001以下〜5%以下、例えば1mLあたり102〜1013細胞の濃度でラクトバシラス種を含む溶液を指す。
【0101】
好ましい実施形態において、化粧品組成物は、デイリーケア用O/W調剤からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
1.7 セテアレス−17、ステアリルアルコール
0.7 セテアレス−25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
2.0 PEG−14ジメチコン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジブチルアジペート
B
5.0 グリセロール
1.0 パンテノール
適量(q.w.) 保存剤
68.6 脱塩水(aqua dem.)
C
4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
D
0.2 ナトリウムアスコルビルホスフェート
1.0 トコフェリルアセテート
0.2 ビサボロール
1.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアスコルベート、トコフェロール、レチノール
1.0 活性成分
E
適量 水酸化ナトリウム
活性成分 5%:
A
1.7 セテアレス−6、ステアリルアルコール
0.7 セテアレス−25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
2.0 PEG−14ジメチコン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジブチルアジペート
B
5.0 グリセロール
1.0 パンテノール
適量 保存剤
64.6 脱塩水
C
4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
D
0.2 ナトリウムアスコルビルホスフェート
1.0 トコフェリルアセテート
0.2 ビサボロール
1.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアスコルベート、トコフェロール、レチノール
5.0 活性成分
E
適量 水酸化ナトリウム。
【0102】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。次に、B相をA相に入れ撹拌し、そして均一にする。C相を、A相とB相の組み合わせに入れ撹拌し、そして均一にする。混合物を撹拌しながら約40℃に冷却し;その後、D相を添加し、pHをE相を用いて約6.5に調節する。次に、溶液を均一にし、そして室温まで冷却する。
【0103】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、保護用のデイクリームO/W調剤からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
1.7 セテアレス−6、ステアリルアルコール
0.7 セテアレス−25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
2.0 PEG−14ジメチコン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジブチルアジペート
B
5.0 グリセロール
1.0 パンテノール
適量 保存剤
68.6 脱塩水
C
4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
D
1.0 ナトリウムアスコルビルホスフェート
1.0 トコフェリルアセテート
0.2 ビサボロール
1.0 活性成分
E
適量 水酸化ナトリウム
活性成分 5%:
A
1.7 セテアレス−6、ステアリルアルコール
0.7 セテアレス−25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
2.0 PEG−14ジメチコン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジブチルアジペート
B
5.0 グリセロール
1.0 パンテノール
適量 保存剤
64.8 脱塩水
C
4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
D
1.0 ナトリウムアスコルビルホスフェート
1.0 トコフェリルアセテート
0.2 ビサボロール
5.0 活性成分
E
適量 水酸化ナトリウム。
【0104】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。次に、B相をA相に入れ撹拌し、そして均一にする。C相を、A相とB相の組み合わせに入れ撹拌し、そして均一にする。混合物を撹拌しながら約40℃に冷却し;その後、D相を添加し、pHをE相を用いて約6.5に調節する。次に、溶液を均一にし、そして室温まで冷却する。
【0105】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、皮膚洗浄剤のO/W調剤からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
1.5 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロサン
2.0 PEG−40水素化ひまし油
B
3.5 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
C
1.0 トコフェリルアセテート
0.2 ビサボロール
適量 保存剤
適量 香料油
D
3.0 ポリクオタニウム−44
0.5 ココトリモニウムメトサルフェート
0.5 セテアレス−25
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
4.0 プロピレングリコール
1.0 活性成分
60.7 脱塩水
活性成分 5%:
A
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
1.5 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロサン
2.0 PEG−40水素化ひまし油
B
3.5 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
C
1.0 トコフェリルアセテート
0.2 ビサボロール
適量 保存剤
適量 香料油
D
3.0 ポリクオタニウム−44
0.5 ココトリモニウムメトサルフェート
0.5 セテアレス−25
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
4.0 プロピレングリコール
5.0 活性成分
56.8 脱塩水。
【0106】
最初に、A相を溶解し、次に、B相をA相に入れ撹拌する。次に、C相を、A相及びB相の組み合わせに導入する。次のステップで、D相を溶解し、そして組み合わされたA相、B相及びC相に入れ撹拌する。混合物を均一にし、15分間撹拌する。
【0107】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、デイリーケアのボディースプレー調剤からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
3.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
1.0 ポリクオタニウム−44
3.0 プロピレングリコール
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
1.0 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
10.0 オクチルドデカノール
0.5 PVP
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
3.0 安息香酸C12−15アルキル
3.0 グリセロール
1.0 トコフェリルアセテート
0.3 ビサボロール
1.0 活性成分
59.2 アルコール
活性成分5%:
A
3.0 エチルヘキシルメトキシシンナメート
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
1.0 ポリクオタニウム−44
3.0 プロピレングリコール
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
1.0 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
10.0 オクチルドデカノール
0.5 PVP
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
3.0 安息香酸C12−15アルキル
3.0 グリセロール
1.0 トコフェリルアセテート
0.3 ビサボロール
5.0 活性成分
55.2 アルコール。
【0108】
A相の成分を秤量し、透明になるまで溶解した。
【0109】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、皮膚用ジェルからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
3.6 PEG−40水素化ひまし油
15.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.5 トコフェリルアセテート
適量 香料
B
3.0 パンテノール
0.6 カルボマー
1.0 活性成分
75.4 脱塩水
C
0.8 トリエタノールアミン
活性成分5%:
3.6 PEG−40水素化ひまし油
15.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.5 トコフェリルアセテート
適量 香料
B
3.0 パンテノール
0.6 カルボマー
5.0 活性成分
71.4 脱塩水
C
0.8 トリエタノールアミン。
【0110】
最初に、A相を透明になるまで溶解する。B相を柔らかくし、次に、C相で中和する。次のステップで、A相を、均一にされたB相に入れて撹拌し、混合物を均一にする。
【0111】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、アフターシェービングローションからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 トコフェリルアセテート
1.0 ビサボロール
0.1 香料油
0.3 アクリレート/C10−30アルキルアクリレート架橋ポリマー
B
15.0 アルコール
1.0 パンテノール
3.0 グリセロール
1.0 活性成分
0.1 トリエタノールアミン
63.5 脱塩水
活性成分5%:
A
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 トコフェリルアセテート
1.0 ビサボロール
0.1 香料油
0.3 アクリレート/C10−30アルキルアクリレート架橋ポリマー
B
15.0 アルコール
1.0 パンテノール
3.0 グリセロール
5.0 活性成分
0.1 トリエタノールアミン
59.5 脱塩水。
【0112】
A相の成分を混合する。次のステップで、B相を溶解し、そしてA相に導入し、そして均一にする。
【0113】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、アフターサンローションからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
0.4 アクリレート/C10−30アルキルアクリレート架橋ポリマー
15.0 セテアリルエチルヘキサノエート
0.2 ビサボロール
1.0 トコフェリルアセテート
適量 香料油
B
1.0 パンテノール
15.0 アルコール
3.0 グリセロール
1.0 活性成分
63.2 脱塩水
C
0.2 トリエタノールアミン
活性成分5%:
A
0.4 アクリレート/C10−30アルキルアクリレート架橋ポリマー
15.0 セテアリルエチルヘキサノエート
0.2 ビサボロール
1.0 トコフェリルアセテート
適量 香料油
B
1.0 パンテノール
15.0 アルコール
3.0 グリセロール
5.0 活性成分
59.2 脱塩水
C
0.2 トリエタノールアミン。
【0114】
A相の成分を混合する。B相をA相に導入し、均一にする。混合物をC相で中和し、そして均一にする。
【0115】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ボディーバルサムからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.0 セテアレス−6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス−25
5.0 セテアリルエチルヘキサノエート
4.0 セチルアルコール
4.0 グリセリルステアレート
5.0 鉱油
0.2 メントール
0.5 カンファー
B
69.3 脱塩水
適量 保存剤
C
1.0 ビサボロール
1.0 トコフェリルアセテート
D
1.0 活性成分
5.0 マンサクの抽出物
活性成分5%:
A
2.0 セテアレス−6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス−25
5.0 セテアリルエチルヘキサノエート
4.0 セチルアルコール
4.0 グリセリルステアレート
5.0 鉱油
0.2 メントール
0.5 カンファー
B
65.3 脱塩水
適量 保存剤
C
1.0 ビサボロール
1.0 トコフェリルアセテート
D
5.0 活性成分
5.0 マンサクの抽出物。
【0116】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。次に、B相をA相に入れ撹拌し、そして均一にする。混合物を撹拌しながら約40℃に冷却し;その後、C相及びDを添加する。次に、混合物を均一にし、そして撹拌しながら室温まで冷却する。
【0117】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ビサボロールを含むW/Oエマルジョンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
6.0 PEG−7水素化ひまし油
8.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 イソプロピルミリステート
15.0 鉱油
0.3 ステアリン酸マグネシウム
0.3 ステアリン酸アルミニウム
2.0 PEG−45/ドデシルグリコール共重合体
B
5.0 グリセロール
0.7 硫酸マグネシウム
55.6 脱塩水
C
1.0 活性成分
0.5 トコフェリルアセテート
0.6 ビサボロール
活性成分5%:
A
6.0 PEG−7水素化ひまし油
8.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 イソプロピルミリステート
15.0 鉱油
0.3 ステアリン酸マグネシウム
0.3 ステアリン酸アルミニウム
2.0 PEG−45/ドデシルグリコール共重合体
B
5.0 グリセロール
0.7 硫酸マグネシウム
51.6 脱塩水
C
5.0 活性成分
0.5 トコフェリルアセテート
0.6 ビサボロール。
【0118】
A相及びB相を別個に約85℃に加熱する。次に、B相をA相に入れ撹拌し、そして均一にする。混合物を撹拌しながら約40℃に冷却し;その後、C相を添加する。次に、混合物を簡単に均一にし、そして撹拌しながら室温まで冷却する。
【0119】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、保持剤を含むムースコンディショナーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
10.0 PVP/VA共重合体
0.2 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
0.2 セテアレス−25
0.5 ジメチコンコポリオール
適量 香料油
10.0 アルコール
1.0 活性成分
68.1 脱塩水
10.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
10.0 PVP/VA共重合体
0.2 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
0.2 セテアレス−25
0.5 ジメチコンコポリオール
適量 香料油
10.0 アルコール
5.0 活性成分
64.1 脱塩水
10.0 プロパン/ブタン。
【0120】
A相の成分を秤量し、そして完全に溶解するまで撹拌する。次に、混合物を瓶に保存する。
【0121】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ムースコンディショナーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
1.0 ポリクオタニウム−4
0.5 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
1.0 活性成分
適量 香料油
適量 保存剤
91.5 脱塩水
6.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
1.0 ポリクオタニウム−4
0.5 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
5.0 活性成分
適量 香料油
適量 保存剤
87.5 脱塩水
6.0 プロパン/ブタン。
【0122】
A相の成分を秤量し、そして完全に溶解するまで撹拌する。次に、混合物を瓶に保存する。
【0123】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ムースコンディショナーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
1.0 ポリクオタニウム−11
0.5 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
1.0 活性成分
適量 香料油
適量 保存剤
91.5 脱塩水
6.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
1.0 ポリクオタニウム−11
0.5 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
5.0 活性成分
適量 香料油
適量 保存剤
87.5 脱塩水
6.0 プロパン/ブタン。
【0124】
A相の成分を秤量し、そして完全に溶解するまで撹拌する。次に、混合物を瓶に保存する。
【0125】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
0.5 ラウレス−4
適量 香料油
B
77.3 脱塩水
10.0 ポリクオタニウム−28
1.0 活性成分
0.5 ジメチコンコポリオール
0.2 セテアレス−25
0.2 パンテノール
0.1 PEG−25PABA
0.2 ヒドロキシエチルセルロース
C
10.0 HFC 152A
活性成分5%:
A
0.5 ラウレス−4
適量 香料油
B
73.3 脱塩水
10.0 ポリクオタニウム−28
5.0 活性成分
0.5 ジメチコンコポリオール
0.2 セテアレス−25
0.2 パンテノール
0.1 PEG−25PABA
0.2 ヒドロキシエチルセルロース
C
10.0 HFC 152A。
【0126】
A相の成分を混合する。その後、B相の成分を連続して添加し、溶解する。混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0127】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.0 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
78.5 脱塩水
6.7 アクリレート共重合体
0.6 AMP
1.0 活性成分
0.5 ジメチコンコポリオール
0.2 セテアレス−25
0.2 パンテノール
0.1 PEG−25PABA
0.2 ヒドロキシエチルセルロース
C
10.0 HFC 152A
活性成分5%:
A
2.0 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
74.5 脱塩水
6.7 アクリレート共重合体
0.6 AMP
5.0 活性成分
0.5 ジメチコンコポリオール
0.2 セテアレス−25
0.2 パンテノール
0.1 PEG−25PABA
0.2 ヒドロキシエチルセルロース
C
10.0 HFC 152A。
【0128】
A相の成分を混合する。その後、B相の成分を連続して添加し、溶解する。混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0129】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.0 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
7.70 ポリクオタニウム−44
1.0 活性成分
適量 保存剤
79.3 脱塩水
C
10.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
2.0 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
7.70 ポリクオタニウム−44
5.0 活性成分
適量 保存剤
75.3 脱塩水
C
10.0 プロパン/ブタン。
【0130】
A相の成分を混合する。B相の成分を、不透明感が無くなるまで溶解し、次に、A相に入れて撹拌する。pHを6〜7に調節する。混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0131】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.00 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
72.32 脱塩水
2.00 VP/アクリレート/ラウリルメタクリレート共重合体
0.53 AMP
1.00 活性成分
0.20 セテアレス−25
0.50 パンテノール
0.05 ベンゾフェノン−4
0.20 アモジメチコン、セトリモニウムクロリド、トリデセス−12
15.00 アルコール
C
0.20 ヒドロキシエチルセルロース
D
6.00 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
2.00 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
68.32 脱塩水
2.00 VP/アクリレート/ラウリルメタクリレート共重合体
0.53 AMP
5.00 活性成分
0.20 セテアレス−25
0.50 パンテノール
0.05 ベンゾフェノン−4
0.20 アモジメチコン、セトリモニウムクロリド、トリデセス−12
15.00 アルコール
C
0.20 ヒドロキシエチルセルロース
D
6.00 プロパン/ブタン。
【0132】
A相の成分を混合する。B相の成分を連続して添加し、溶解する。C相を、A相とB相の混合物に溶解する。次に、pHを6〜7に調節し、混合物をD相と共に瓶に保存する。
【0133】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.00 セトリモニウムクロリド
適量 香料油
B
67.85 脱塩水
7.00 ポリクオタニウム−46
1.00 活性成分
0.20 セテアレス−25
0.50 パンテノール
0.05 ベンゾフェノン−4
0.20 アモジメチコン、セトリモニウムクロリド、トリデセス−12
15.00 アルコール
C
0.20 ヒドロキシエチルセルロース
D
6.00 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
2.00 セトリモニウムクロリド
適量 香料油
B
63.85 脱塩水
7.00 ポリクオタニウム−46
5.00 活性成分
0.20 セテアレス−25
0.50 パンテノール
0.05 ベンゾフェノン−4
0.20 アモジメチコン、セトリモニウムクロリド、トリデセス−12
15.00 アルコール
C
0.20 ヒドロキシエチルセルロース
D
6.00 プロパン/ブタン。
【0134】
A相の成分を混合する。B相の成分を連続して添加し、溶解する。C相を、A相とB相の混合物に溶解する。次に、pHを6〜7に調節し、混合物をD相と共に瓶に保存する。
【0135】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
適量 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
85.5 脱塩水
B
7.0 ナトリウムポリスチレンスルホネート
1.0 活性成分
0.5 セトリモニウムブロミド
適量 保存剤
C
6.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
適量 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
81.5 脱塩水
B
7.0 ナトリウムポリスチレンスルホネート
5.0 活性成分
0.5 セトリモニウムブロミド
適量 保存剤
C
6.0 プロパン/ブタン。
【0136】
A相を可溶化する。その後、B相をA相に入れ秤量し、不透明感が無くなるまで溶解する。pHを6〜7に調節し、混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0137】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
適量 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
92.0 脱塩水
B
0.5 ポリクオタニウム−10
1.0 活性成分
0.5 セトリモニウムブロミド
適量 保存剤
C
6.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
適量 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
88.0 脱塩水
B
0.5 ポリクオタニウム−10
5.0 活性成分
0.5 セトリモニウムブロミド
適量 保存剤
C
6.0 プロパン/ブタン。
【0138】
A相を可溶化する。その後、B相をA相に入れ秤量し、不透明感が無くなるまで溶解する。pHを6〜7に調節し、混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0139】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
適量 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
82.5 脱塩水
B
10.0 ポリクオタニウム−16
1.0 活性成分
0.5 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
適量 保存剤
C
6.0 プロパン/ブタン
活性成分5%:
A
適量 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
78.5 脱塩水
B
10.0 ポリクオタニウム−16
5.0 活性成分
0.5 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
適量 保存剤
C
6.0 プロパン/ブタン。
【0140】
A相を可溶化する。その後、B相をA相に入れ秤量し、不透明感が無くなるまで溶解する。pHを6〜7に調節し、混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0141】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スタイリングフォームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.0 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
84.0 脱塩水
2.0 キトサン
1.0 活性成分
0.5 ジメチコンコポリオール
0.2 セテアレス−25
0.2 パンテノール
0.1 PEG−25PABA
C
10.0 HFC 152A
活性成分5%:
A
2.0 ココトリモニウムメトサルフェート
適量 香料油
B
80.0 脱塩水
2.0 キトサン
5.0 活性成分
0.5 ジメチコンコポリオール
0.2 セテアレス−25
0.2 パンテノール
0.1 PEG−25PABA
C
10.0 HFC 152A
A相の成分を混合する。B相の成分を連続して添加し、溶解する。混合物をC相と共に瓶に保存する。
【0142】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ケアシャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
30.0 ナトリウムラウレスサルフェート
6.0 ナトリウムココアムホアセテート
6.0 コカミドプロピルベタイン
3.0 ナトリウムラウレスサルフェート、グリコールジステアレート、コカミドミア(cocamide mea)、ラウレス−10
1.0 活性成分
7.7 ポリクオタニウム−44
2.0 アモジメチコン
適量 香料油
適量 保存剤
1.0 塩化ナトリウム
43.3 脱塩水
B
適量 クエン酸
活性成分5%:
A
30.0 ナトリウムラウレスサルフェート
6.0 ナトリウムココアムホアセテート
6.0 コカミドプロピルベタイン
3.0 ナトリウムラウレスサルフェート、グリコールジステアレート、コカミドミア、ラウレス−10
5.0 活性成分
7.7 ポリクオタニウム−44
2.0 アモジメチコン
適量 香料油
適量 保存剤
1.0 塩化ナトリウム
39.3 脱塩水
B
適量 クエン酸。
【0143】
A相の成分を混合し、そして溶解する。pHをB相、すなわちクエン酸を用いて6〜7に調節する。
【0144】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、シャワージェルからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
40.0 ナトリウムラウレスサルフェート
5.0 デシルグルコシド
5.0 コカミドプロピルベタイン
1.0 活性成分
1.0 パンテノール
適量 香料油
適量 保存剤
2.0 塩化ナトリウム
46.0 脱塩水
B
適量 クエン酸
活性成分5%:
A
40.0 ナトリウムラウレスサルフェート
5.0 デシルグルコシド
5.0 コカミドプロピルベタイン
5.0 活性成分
1.0 パンテノール
適量 香料油
適量 保存剤
2.0 塩化ナトリウム
42.0 脱塩水
B
適量 クエン酸。
【0145】
A相の成分を混合し、そして溶解する。pHをB相、すなわちクエン酸を用いて6〜7に調節する。
【0146】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、シャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
40.0 ナトリウムラウレスサルフェート
5.0 ナトリウムC12−15パレス−15スルホネート
5.0 デシルグルコシド
適量 香料油
0.1 フィタントリオール
44.6 脱塩水
1.0 活性成分
0.3 ポリクオタニウム−10
1.0 パンテノール
適量 保存剤
1.0 ラウレス−3
2.0 塩化ナトリウム
活性成分5%:
A
40.0 ナトリウムラウレスサルフェート
5.0 ナトリウムC12−15パレス−15スルホネート
5.0 デシルグルコシド
適量 香料油
0.1 フィタントリオール
40.6 脱塩水
5.0 活性成分
0.3 ポリクオタニウム−10
1.0 パンテノール
適量 保存剤
1.0 ラウレス−3
2.0 塩化ナトリウム
A相の成分を混合し、そして溶解する。pHをクエン酸を用いて6〜7に調節する。
【0147】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、シャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
15.00 コカミドプロピルベタイン
10.00 ジナトリウムココアムホジアセテート
5.00 ポリソルベート20
5.00 デシルグルコシド
適量 香料油
適量 保存剤
1.00 活性成分
0.15 グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
2.00 ラウレス−3
58.00 脱塩水
適量 クエン酸
B
PEG−150ジステアレート
活性成分5%:
A
15.00 コカミドプロピルベタイン
10.00 ジナトリウムココアムホジアセテート
5.00 ポリソルベート20
5.00 デシルグルコシド
適量 香料油
適量 保存剤
5.00 活性成分
0.15 グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
2.00 ラウレス−3
54.00 脱塩水
適量 クエン酸
B
PEG−150ジステアレート。
【0148】
A相の成分を秤量し、溶解する。pHを6〜7に調節する。その後、B相を添加し、50℃以下に加熱する。混合物を撹拌しながら室温まで冷却する。
【0149】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、湿潤ボディーケアクリームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.0 セテアレス−25
2.0 セテアレス−6、ステアリルアルコール
3.0 セテアリルエチルヘキサノエート
1.0 ジメチコン
4.0 セテアリルアルコール
3.0 グリセリルステアレートSE
5.0 鉱油
4.0 Simmondsia chinensis(ホホバ)種油
3.0 鉱油、ラノリンアルコール
B
5.0 プロピレングリコール
1.0 活性成分
1.0 パンテノール
0.5 マグネシウムアルミニウムシリケート
適量 保存剤
65.5 脱塩水
C
適量 香料油
D
適量 クエン酸
活性成分5%:
A
2.0 セテアレス−25
2.0 セテアレス−6、ステアリルアルコール
3.0 セテアリルエチルヘキサノエート
1.0 ジメチコン
4.0 セテアリルアルコール
3.0 グリセリルステアレートSE
5.0 鉱油
4.0 Simmondsia chinensis(ホホバ)種油
3.0 鉱油、ラノリンアルコール
B
5.0 プロピレングリコール
5.0 活性成分
1.0 パンテノール
0.5 マグネシウムアルミニウムシリケート
適量 保存剤
61.5 脱塩水
C
適量 香料油
D
適量 クエン酸。
【0150】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。B相を簡単に予め均一にする。次に、B相をA相に入れ撹拌し、均一にする。混合物を約40℃に冷却し;その後、C相を添加する。次に、混合物を均一にする。pHをD相、すなわちクエン酸を用いて6〜7に調節する。
【0151】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、湿潤ボディーケアクリームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
6.0 PEG−7水素化ひまし油
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 イソプロピルミリステート
7.0 鉱油
0.5 シアバター(butyrospermum parkii)
0.5 アルミニウムステアレート
0.5 マグネシウムステアレート
0.2 ビサボロール
0.7 クアテルニウム−18−ヘクトライト
B
5.0 ジプロピレングリコール
0.7 マグネシウムサルフェート
適量 保存剤
62.9 脱塩水
C
適量 香料油
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
6.0 PEG−7水素化ひまし油
10.0 セテアリルエチルヘキサノエート
5.0 イソプロピルミリステート
7.0 鉱油
0.5 シアバター(butyrospermum parkii)
0.5 アルミニウムステアレート
0.5 マグネシウムステアレート
0.2 ビサボロール
0.7 クアテルニウム−18−ヘクトライト
B
5.0 ジプロピレングリコール
0.7 マグネシウムサルフェート
適量 保存剤
58.9 脱塩水
C
適量 香料油
5.0 活性成分。
【0152】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。B相をA相に入れ撹拌し、均一にする。混合物を撹拌しながら約40℃に冷却し;その後、C相を添加する。次に、混合物を均一にする。混合物を撹拌しながら室温まで冷却する。
【0153】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、発汗防止ロールオンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
0.40 ヒドロキシエチルセルロース
50.0 脱塩水
B
25.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.3 ファルネソール
2.0 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
C
3.0 ジプロピレングリコール
3.0 PEG−14デメチコン
3.0 ポリクオタニウム−16
8.2 脱塩水
D
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
0.40 ヒドロキシエチルセルロース
46.0 脱塩水
B
25.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.3 ファルネソール
2.0 PEG−40水素化ひまし油
適量 香料油
C
3.0 ジプロピレングリコール
3.0 PEG−14デメチコン
3.0 ポリクオタニウム−16
8.2 脱塩水
D
5.0 活性成分。
【0154】
A相を膨張させ、B相及びC相を独立して可溶化する。次に、B相及びA相をC相に入れて撹拌する。最後に、D相を添加する。
【0155】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、透明なデオスティック(deo stick)からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
3.0 セテアレス−25
3.0 PEG−40水素化ひまし油
0.2 ビサボロールrac
1.0 トコフェリルアセテート
3.0 香料油
5.0 ステアリン酸ナトリウム
15.0 グリセロール87%
60.0 プロピレングリコール
9.3 脱塩水
B
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
3.0 セテアレス−25
3.0 PEG−40水素化ひまし油
0.2 ビサボロールrac
1.0 トコフェリルアセテート
3.0 香料油
5.0 ステアリン酸ナトリウム
15.0 グリセロール87%
60.0 プロピレングリコール
4.3 脱塩水
B
5.0 活性成分。
【0156】
A相の成分を秤量し、溶解する。次に、B相を添加する。
【0157】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、発汗防止スプレーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
3.0 PEG−40水素化ひまし油
0.2 フィタントリオール
0.5 香料油
40.0 アルコール
B
53.49 脱塩水
2.0 プロピレングリコール
0.5 パンテノール
0.01 BHT
C
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
3.0 PEG−40水素化ひまし油
0.2 フィタントリオール
0.5 香料油
40.0 アルコール
B
49.49 脱塩水
2.0 プロピレングリコール
0.5 パンテノール
0.01 BHT
C
5.0 活性成分。
【0158】
A相を可溶化する。次のステップで、B相の成分を連続して添加する。最後に、C相を添加する。
【0159】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、デオスティックからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
26.0 ステアリルアルコール
60.0 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
5.0 PEG−40水素化ひまし油
2.5 イソプロピルパルミテート
B
1.44 香料油
0.05 BHT
C
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
26.0 ステアリルアルコール
56.0 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
5.0 PEG−40水素化ひまし油
2.5 イソプロピルパルミテート
B
1.44 香料油
0.05BHT
C
5.0 活性成分。
【0160】
A相の成分を秤量し、溶解する。次に、A相を撹拌しながら約50℃に冷却する。B相及びC相の成分を均一にし、連続して添加する。
【0161】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、透明なデオロールオンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
0.40 ヒドロキシエチルセルロース
50.0 脱塩水
B
2.0 PEG−40水素化ひまし油
0.1 ビサボロール
0.3 ファルネソール
0.5 香料油
7.6 脱塩水
25.0 アルコール
C
3.0 プロピレングリコール
3.0 PEG−14デメチコン
3.0 ポリクオタニウム−16
0.1 アラントイン
D
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
0.40 ヒドロキシエチルセルロース
46.0 脱塩水
B
2.0 PEG−40水素化ひまし油
0.1 ビサボロール
0.3 ファルネソール
0.5 香料油
7.6 脱塩水
25.0 アルコール
C
3.0 プロピレングリコール
3.0 PEG−14デメチコン
3.0 ポリクオタニウム−16
0.1 アラントイン
D
5.0 活性成分。
【0162】
A相を膨潤させ、B相を可溶化する。次に、C相を添加し、撹拌する。最後に、B相、C相及びD相をA相に入れて撹拌する。
【0163】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、エマルジョンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
1.5 セテアレス−6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス−25
5.0 PEG−40水素化ひまし油
1.5 グリセリルステアレート
1.0 セテアリルアルコール
0.5 Eucerinum anhydricum
0.2 フィタントリオール
1.0 セチルパルミテート
5.0 ジカプリリルエーテル
0.3 ファルネソール
B
適量 保存剤
72.0 脱塩水
C
適量 香料油
D
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
1.5 セテアレス−6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス−25
5.0 PEG−40水素化ひまし油
1.5 グリセリルステアレート
1.0 セテアリルアルコール
0.5 Eucerinum anhydricum
0.2 フィタントリオール
1.0 セチルパルミテート
5.0 ジカプリリルエーテル
0.3 ファルネソール
B
適量 保存剤
68.0 脱塩水
C
適量 香料油
D
5.0 活性成分。
【0164】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。B相をA相に入れ撹拌し、3分間に亘って均一にする。次に、混合物を40℃に冷却し、C相及びD相を添加する。最後に、混合物を撹拌し、室温まで冷却する。
【0165】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、デオポンプスプレーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
5.0 PEG−40水素化ひまし油
0.3 PEG−7水素化ひまし油
1.0 グリセリルステアレート
1.0 ステアリルアルコール
5.0 シクロペンタシロキサン
0.5 Eucerinum anhydricum
0.2 フィタントリオール
5.0 ジカプリリルエーテル
0.3 ファルネソール
B
適量 保存剤
76.7 脱塩水
C
適量 香料油
D
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
5.0 PEG−40水素化ひまし油
0.3 PEG−7水素化ひまし油
1.0 グリセリルステアレート
1.0 セテアリルアルコール
6.0 シクロペンタシロキサン
0.5 Eucerinum anhydricum
0.2 フィタントリオール
5.0 ジカプリリルエーテル
0.3 ファルネソール
B
適量 保存剤
72.7 脱塩水
C
適量 香料油
D
5.0 活性成分。
【0166】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。B相を均一にし、A相及びC相に入れて撹拌する。次に、混合物を40℃に冷却し、D相を添加する。最後に、混合物を撹拌し、室温まで冷却する。
【0167】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、デオローションからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
1.5 セテアレス−6、ステアリルアルコール
1.5 セテアレス−25
2.0 PEG−40水素化ひまし油
2.0 グリセリルステアレート
2.0 セテアリルアルコール
2.0 セチルアルコール
2.0 水素化ココ−グリセリド
8.0 デシルオレエート
0.5 PEG−14デメチコン
0.3 ファルネソール
B
適量 保存剤
75.2 脱塩水
C
適量 香料油
D
1.0 活性成分1%
活性成分5%:
A
1.5 セテアレス−6、ステアリルアルコール
1.5 セテアレス−25
2.0 PEG−40水素化ひまし油
2.0 グリセリルステアレート
2.0 セテアリルアルコール
2.0 セチルアルコール
2.0 水素化ココ−グリセリド
8.0 デシルオレエート
0.5 PEG−14デメチコン
0.3 ファルネソール
B
適量 保存剤
71.2 脱塩水
C
適量 香料油
D
5.0 活性成分1%。
【0168】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。B相を均一にし、A相に入れて撹拌する。次に、混合物を40℃に冷却し、C相及びD相を添加する。最後に、混合物を撹拌し、室温まで冷却する。
【0169】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、デオローションのO/W型からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
活性成分1%:
A
2.0 セテアレス−6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス−25
4.0 セテアリルエチルヘキサノエート
2.0 セテアリルアルコール
2.0 水素化ココ−グリセリド
1.0 グリセリルステアレート
1.0 鉱油
0.5 ジメチコン
0.2 ビサボロール
B
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
2.0 プロピレングリコール
適量 保存剤
79.8 脱塩水
C
1.2 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
D
0.2 トコフェロール
適量 香料油
E
1.0 活性成分
活性成分5%:
A
2.0 セテアレス−6、ステアリルアルコール
2.0 セテアレス−25
4.0 セテアリルエチルヘキサノエート
2.0 セテアリルアルコール
2.0 水素化ココ−グリセリド
1.0 グリセリルステアレート
1.0 鉱油
0.5 ジメチコン
0.2 ビサボロール
B
2.0 パンテノール、プロピレングリコール
2.0 プロピレングリコール
適量 保存剤
75.8 脱塩水
C
1.2 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体
D
0.2 トコフェロール
適量 香料油
E
5.0 活性成分。
【0170】
A相及びB相を別個に約80℃に加熱する。次に、C相をA相及びB相に入れて撹拌し、均一にする。最後に、混合物を40℃に冷却し、D相及びE相を添加する。
【0171】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、透明なシャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表1】
【0172】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、シャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表2】
【0173】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、透明なコンディショニングシャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表3】
【0174】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、フォームO/Wエマルジョンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表4】
【0175】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、真珠色の光沢を有するコンディショニングシャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表5】
【0176】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、透明なコンディショニングシャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表6】
【0177】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ボリューム効果を有する透明なコンディショニングシャンプーからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表7】
【0178】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ジェルクリームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表8】
【0179】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、水系分散液(hydrodispersion)からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表9】
【0180】
【0181】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スティックからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表10】
【0182】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、PITエマルジョンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表11】
【0183】
【0184】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ジェルクリームからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表12】
【0185】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、アフターサン水系分散液からなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表13】
【0186】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、W/Oエマルジョンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表14】
【0187】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、ピカリングエマルジョンからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表15】
【0188】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、スティックからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表16】
【0189】
他の好ましい実施形態において、化粧品組成物は、オイルジェルからなり、これは、例えば、化粧品成分の国際命名法、すなわちINCIに準拠して以下の成分を、%単位で含み得る:
【表17】
【0190】
更に本発明は、腋窩の臭気を抑制又は治療するための医薬組成物の調製における、上述の本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態の使用に関する。
【0191】
他の実施形態において、本発明は、テキスタイル又はテキスタイル基材における上述の本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態の上述したような使用に関する。好ましくは、本発明は、テキスタイル又はテキスタイル基材のコンディショニング又は含浸における、上述の本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態の上述したような使用に関する。更に好ましくは、上述の本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態を、当業者に公知である好適な方法により、又は以下に例示されているようにテキスタイル又はテキスタイル基材中に、あるいはテキスタイル又はテキスタイル基材に対して施与しても良い。従って、本発明は、テキスタイル又はテキスタイル基材の領域における、上述したような使用、組成物又は方法のいずれかに関する。
【0192】
従って、本発明は、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するためのテキスタイル又はテキスタイル基材の製造方法であって、上述の本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態をテキスタイル及びテキスタイル基材と共に処方するステップを含む、上記製造方法に関する。好ましくは、かかるテキスタイル及びテキスタイル基材は、上述したような化粧品として又は医薬的に受容可能な担体又は賦形剤を含むか、或いは、上述したような1種以上の化粧品又は医薬組成物を含み得る。
【0193】
本発明において用いられる場合、“腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するためのテキスタイル又はテキスタイル基材”なる用語は、少なくとも1種の本発明の微生物又は上述したような、かかる微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態を含むテキスタイル組成物に関する。本発明のテキスタイル組成物は、上述の成分を任意の組み合わせで含むことが意図される。必要に応じて、少なくとも1種の、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するのに好適な他の成分を含んでも良い(本願明細書中に援用されるUllmann, 第A26S巻, 227頁以降, 1995を参照)。
【0194】
本発明において、テキスタイル及びテキスタイル基材は、テキスタイル繊維、半仕上げ及び完成したテキスタイルであり、これらから製造される最終製品としては、更に、衣料産業用のテキスタイルの他に、例えば、カーペット及び他の家庭用織物並びに技術上の要求を満たすテキスタイル製品を含む。また、かかるテキスタイル製品は、未成形の形成物、例えばフロック、直線状の形成物、例えば糸、繊維、ヤーン、リネン、コード、ロープ、双糸及び固体の形成物、例えばフェルト、織布、メリヤス、編物、不織布及び詰め物を含む。テキスタイルは、例えば、天然の材料、例えば綿ウール、ウール又は亜麻か、又は合成材料、例えばポリアミド、ポリエスエル、変性ポリエステル、ポリエステル混紡、ポリアミド混紡、ポリアクリロニトリル、トリアセテート、アセテート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステルマイクロファイバー又はガラス繊維から作製できる。
【0195】
本発明の実施形態において、本発明の腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するためのテキスタイル及びテキスタイル基材の製造方法は、当業者に公知であるテキスタイルを仕上げる器械又は装置、例えば、フーラード等の標準的な装置を用いて行うことができる。好ましくは、かかるフーラードは、例えば垂直方向の送り部を備えるフーラード機であり、これは、例えば必須の構成要素として、一緒にプレスされる2個のロールを含み、かかるロールを通ってテキスタイルがガイドされる。ロールの上方で、水性調製物が充填され、ここでテキスタイルを湿潤させる。一般に、圧力により、テキスタイルをクエッチ(quetch)し、一定の散布を保証する。他の好ましい実施形態において、フーラード機では、テキスタイルは、例えば、含浸浴に最初にガイドされ、次に、例えば、下から垂直方向にテキスタイルを送るフーラードにて、一緒にプレスされる2個のロールにより上方へとガイドされる。テキスタイルを仕上げる器械又は装置、特にフーラード機は、例えば、本願明細書中に援用されるHans-Karl Rouette, “Handbuch der Textilveredlung”, Deutscher Fachverlag 2003, p. 618 to 620に記載されている。
【0196】
本発明の他の実施形態において、本発明の腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するためのテキスタイル及びテキスタイル基材の製造方法は、当業者に公知である好適な排出法、例えば、スプレー、スロップパディング、キスロール又は印刷により行うことができる。好ましくは、本発明の腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するためのテキスタイル及びテキスタイル基材の製造方法は、例えば1〜50%、好ましくは20〜40%の液体吸収を伴う排出法により行われる。
【0197】
本発明の他の実施形態において、テキスタイルを、次に、当業者に公知である好適な方法によって熱処理することが可能であり、例えば、30〜100℃の範囲の温度条件下で乾燥するか、又は少なくとも100℃、好ましくは少なくとも101℃〜150℃以下、好ましくは135℃以下で熱固定(thermal fixing)することによって行うことができる。好ましい実施形態において、10秒〜30分以下、好ましくは30秒〜10分以下に亘って熱処理をし得る。本発明の他の好ましい実施形態において、2つの熱処理ステップが、相互に異なる温度条件下で行わる。例えば、第1のステップでは、例えば30〜100℃の範囲の温度条件下で、例えば10秒〜20分間乾燥し、その後、101℃〜135℃の範囲の温度条件下で、例えば30秒〜3分間、固定する。
【0198】
好ましい実施形態において、本発明の腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を抑制するのに好適であるテキスタイル及びテキスタイル基材に含まれる他の成分は、DE4035378又はDE1010294.2に記載されるシクロデキストリン、EP−A1−1522626に記載されるアミロース含有物質であり得る。
【0199】
一般に、シクロデキストリンは、環式のオリゴサッカリドであり、デンプンの酵素分解によって形成される。好ましくは、本発明のテキスタイル又はテキスタイル基材における成分として使用されるシクロデキストリンは、α−、β−又はγ−シクロデキストリンであり、これは、例えば、それぞれ6個、7個又は8個のα−1,4−結合グルコース単位からなる。シクロデキストリン分子の特性は、大きく一定の寸法を有するその環構造にある。一般に、環の内径は、α−シクロデキストリンの場合に約570pmであり、β−シクロデキストリンの場合に約780pmであり、γ−シクロデキストリンの場合に約950pmである。その構造に起因して、シクロデキストリンは、ゲスト分子を取り込むことができる。好ましい実施形態において、かかるゲスト分子は、当業者に公知である揮発性の芳香剤を含み得る:好ましくは、かかる芳香剤は、本願明細書中において、以下に記載するような芳香剤を含む。
【0200】
他の好ましい実施形態において、本発明は、本発明のテキスタイル又はテキスタイル基材の臭気特性を改変するアミロース含有物質の使用を提供する。好ましくは、アミロース含有量は、物質の全重量に基づいて少なくとも30重量%である。更に本発明は、本発明のテキスタイルの臭気特性を改変する方法であって、テキスタイルがアミロース又はアミロース含有物質で仕上げ処理され、好ましくは少なくとも30重量%のアミロース含有量で仕上げ処理されることを特徴とする、上記変更方法を提供する。“アミロース又はアミロース含有物質”なる用語は、アミロース含有デンプン、例えば、天然のデンプン、変性デンプン及びデンプン誘導体であって、アミロース含有量が好ましくは少なくとも30重量%であることを意味する。デンプンは、天然のものであっても良く、例えば、トウモロコシのデンプン、小麦のデンプン、ジャガイモのデンプン、ソルガムのデンプン、米のデンプン又はマランタのデンプンであっても良く、天然のデンプンを部分的に消化することにより得るか、又は化学的に変性される。例えば、酵素処理により得られるアミロース、例えばスクロースから得られるアミロースのように、純粋なアミロースも好適である。アミロースとデンプンの混合物も好適であるが、これは、アミロースの全含有量が、混合物の全重量に基づいて少なくとも30重量%である場合に好ましい。アミロース又はアミロース含有物質に関する重量%で表される全てのデータは、アミロースとデンプンの混合物の場合、特に明記しない限り、常に、アミロース+デンプンの全重量に基づいている。
【0201】
本発明において、アミロース含有物質、特にアミロース及びアミロース含有デンプン、及びアミロース/デンプン混合物が特に好適であり、そのアミロース含有量は、物質の全重量に基づいて、少なくとも40重量%であり、特に少なくとも45重量%である。好ましくは、アミロース含有量は、90重量%を超えず、特に80重量%を超えない。かかる物質は、当業者に公知であり、そして市販されている。
【0202】
臭気の改善効果を達成するために、本発明のテキスタイルは、一般に当業者に公知である好適な量のアミロース含有物質にて仕上げ処理し得る。アミロース含有物質の量は、テキスタイルの重量に基づいて、好ましくは少なくとも0.5重量%、更に好ましくは少なくとも1重量%、特に少なくとも2重量%の量である。好ましくは、アミロース含有物質は、テキスタイルの触覚特性に悪影響を及ぼさないように、テキスタイルの重量に基づいて、25重量%以下、しばしば、20重量%以下、特に15重量%以下の量で使用し得る。
【0203】
本発明の他の好ましい実施形態において、臭気特性を改善するために、本発明のテキスタイル材料は、アミロース含有物質そのもので仕上げ処理し得る。しかしながら、アミロース含有物質を芳香剤と一緒に使用して、テキスタイルにおいて、長持ちする心地よい臭い、又は香りを達成することも可能である。好ましくは、かかる処理では、本発明のテキスタイルをアミロース含有物質で処理するか、又はかかるテキスタイルを、本発明の微生物及びアミロース含有物質で同時に処理することを含む。このようにして仕上げ処理されたテキスタイルは、その後、芳香剤で処理し得る。結果として、アミロース含有物質には、芳香剤が充填される。
【0204】
他の好ましい実施形態において、上述した本発明の微生物又はその変異体、誘導体又は不活性形態を用いて処方される本発明のテキスタイル又はテキスタイル基材は、芳香剤で仕上げ処理し得る。
【0205】
好ましくは、上述の実施形態のいずれかにより使用されるような芳香剤は、当業者に公知であるように、所望の芳香効果に十分な量で使用できる。上限は、使用されるアミロース含有物質のアミロース単位における最大吸収容量によって決定され、物質のアミロース含有量に基づいて、20重量%を超えないのが一般的であり、しばしば、10重量%を超えない。所望により、芳香剤は、0.1〜10重量%、特に0.5〜5重量%の量で使用されるのが一般的である。
【0206】
好適な芳香剤は、原則として、芳香剤として知られている全ての揮発性有機化合物及び有機化合物の混合物である。芳香剤の概要については、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版. on CD Rom, Flavours and Fragrances, 第2章, 特に第2.1 to 2.4章に示されている。本発明において、脂肪族及び脂環式の性質を有する芳香剤が特に好適である。例えば、以下のものが挙げられる:脂肪族C4−C12アルコール、例えば3−オクタノール、cis−3−ヘキセン−1−オール、trans−3−ヘキセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、2,6−ジメチルヘプタン−2−オール、9−デセン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、2−trans−6−cis−ノナジエン−1−オール、脂肪族C6−C13アルデヒド、例えばヘキサナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、2−メチルデカナール、2−メチルウンデカナール、ドデカナール及びトリデカナール、cis−4−ヘプテナール及び10−ウンデセナール、脂肪族C1−C6カルボン酸と、脂肪族で、必要によりモノ不飽和C1−C8アルコールからなるエステル、例えばエチルホルメート、cis−3−ヘキセニルホルメート、エチルアセテート、ブチルアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、3,5,5−トリメチルヘキシルアセテート、trans−2−ヘキセニルアセテート、cis−3−ヘキセニルアセテート、エチルプロピオネート、エチルブチレート、ブチルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、cis−3−ヘキセニルイソブチレート、エチルイソバレレート、エチル2−メチルブチレート、エチルヘキサノエート、2−プロペニルヘキサノエート、エチルヘプタノエート、2−プロペニルヘプタノエート及びエチルオクタノエート、非環式テルペン炭化水素及び炭化水素アルコール、例えばネロール、ゲラニオール、テトラヒドロゲラニオール、リナロオール、テトラヒドロリナロオール、シトロネルオール、ラバンデュルオール、ミルセノール、ファルネソール、ネロリドール、かかるアルコールのホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、バレレート及びイソブチレート、上述のアルコールに対応するアルデヒド、例えばシトラール、シトロネラール、ヒドロキシジヒドロシトロネラール、メトキシジヒドロシトロネラール及びかかるアルデヒドのジメチル−及びジエチルアセタール、例えばジエチルシトラール、メトキシジヒドロシトロネラール−ジメチルアセタール、更に、環式テルペン炭化水素、炭化水素アルコール及びアルデヒド。これらは、天然由来の芳香、例えばローズオイル、レモンオイル、ラベンダーオイル及びクローブの香りのオイルを含み得る。
【0207】
更に本発明は、上述したような本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態を含むテキスタイル又はテキスタイル基材に関する。“含む”は、例えば、特に、上述の方法のいずれかより得られるような形で、上述したような本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態と関連付けられる又はこれらを取り込むことを意味する。
【0208】
他の実施形態において、本発明は、組成物の製造方法であって、上述したような本発明の微生物又は当該微生物の誘導体、変異体若しくは不活性形態を、化粧品及び/又は医薬における担体又は賦形剤と共に処方するステップを含む、上記製造方法に関する。
【0209】
更に本発明は、腋窩の臭気、好ましくは統合失調症に関連する腋窩の臭気を抑制又は治療する方法であって、それを必要とする患者に対して、予防上又は治療上有効な量の本発明の組成物を投与するステップを含む、上記抑制又は治療方法に関する。
【0210】
本発明は、本願明細書中に記載されるような、特定の方法論、プロトコール、バクテリア、ベクトル、及び試薬等に限定されず、変更可能であるものとして理解すべきである。また、本願明細書中で使用される技術用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、特許請求の範囲によってのみ限定されるであろう本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。特段規定しない限り、本願明細書中で用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0211】
好ましくは、本願明細書中で使用される用語は、“A multilingual glossary of biotechnological terms: (IUPAC Recommendations)”, Leuenberger, H.G.W, Nagel, B. and Koelbl, H. eds. (1995), Helvetica Chimica Acta, CH-4010 Basel, Switzerland)に記載されるように定義される。
【0212】
本願の明細書及び特許請求の範囲において、特に別の事情がない限り、“含む”なる用語は、述べられたもの又はステップ或いはもの又はステップの群を含むだけではなく、他のもの又はステップ或いはもの又はステップの群を除外しないと理解されるべきであろう。
【0213】
幾つかの文献が、本願の明細書の本文を通じて引用されている。本願明細書中において引用される各々の文献(例、全ての特許、特許出願、科学文献、製造者の表示、教示)は、上記又は以下において、その全体が本明細書中に援用される。本明細書中に、先行発明による開示に対して本発明が先行する権利がないことを容認するものとして解釈されるものはない。
【0214】
本願明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、単数形は、内容上明確に示されない限り、複数形の指示対象を含むことに留意する必要がある。従って、例えば、“試薬”とは、1種以上の異なる試薬を含み、そして“方法”とは、本願明細書中に記載される方法に関して変更又は置換し得るような当業者に公知である同等のステップ及び方法を含む。
【0215】
以下の実施例より、本発明及びその利点を良好に理解することができるが、実施例は、説明目的のみであって、本発明の範囲をいかなるようにも限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0216】
[実施例1]
腋窩分泌物抽出物の調製
新たに抽出される腋窩の汗は、無臭である。腋窩の臭気は、好気性皮膚細菌による離出分泌のバクテリア分解に起因して生じる。バクテリアがコロニー形成する場合だけ、腋窩は、臭気前駆体と接触し、特有の腋窩の汗の臭気を生じる。臭気の形成を抑制することができる乳酸菌を検出するためのin vitro試験を行うために、無菌無臭の汗を、無菌の腋窩から採取しなければならない。
【0217】
腋窩を、0.1%のトライトンX100を含むPBS緩衝液で洗浄した。乾燥後、腋窩を、70%のエタノール及び清潔なティッシュペーパーで滅菌した。3時間後、腋窩を5mLの10%エタノールで4回洗浄及び摩擦することによって、腋窩の分泌物を回収した。各々の洗浄分をガラスフラスコに回収し、画分を合わせて、−20℃にて保存した。200mL集められるまで、かかる収集手順を数日間に亘って繰り返した。かかる希釈腋窩分泌物を、90rpmの回転及び15ミリバールの圧力の条件下、ロータリエバポレータ(Heidolph)にて濃縮した。25℃にて蒸発を行い、そして200mLの希釈された無臭の汗を100倍に濃縮した。濃縮された腋窩分泌物を、その後、5000×gにて10分間に亘って遠心分離して、皮膚残留物及び他の非溶解性内容物を除去した。臭気前駆体の存在を、100μLの濃縮分泌物の加水分解によって確認した。かかる加水分解により、臭気のある分岐鎖脂肪酸3M2Hが放出された。加水分解物を再酸性化して、3M2Hを、CHCl3によって抽出し、10μLに濃縮し、そしてGC/MSによって検出した。
【0218】
[実施例2]
腋窩の臭気のin vitro生成及び定量化
新たな無臭の腋窩分泌物の加水分解による臭気の生成に関して一般的に認められている原理を実証するために、100μLの濃縮された無臭の腋窩分泌物を0.5mLの5M NaOH水溶液に溶解し、そして窒素下にて100℃にて20分間加熱した。その後、反応混合物を室温まで冷却し、50μLの6M HClで酸性化し、3×150μLのCHCl3によって抽出した。抽出物を窒素下にて10μLに濃縮し、そして3M2Hの存在に関してGC/MSによって分析した。腋窩特有の汗の臭いの生成を、鼻で臭いを嗅いで確認した。3M2Hの存在は、特有の腋窩の臭気の生成と関連していた。
【0219】
GC/MS分析については、スプリット/スプリットレスインジェクタ及びFFAPカラム(30m×0.53mm ID)を具備する、ヒューレッドパッカード社のGC5980シリーズII/MSD5971システムを用いた。GCは、以下の通りにプログラムした:100℃で2分間、10℃/分で220℃まで、そして20分間保持。かかる分析中に用いられる質量範囲は、一般にm/zが40〜400であり、これは、1回/秒でスキャンされる。一般的なランでは、36000のスキャンを含む。3M2Hの同定は、未知のスペクトルを市販の標準と比較することによって行った。更に、相対クロマトグラフィ保持時間を、同定パラメータとして使用した。3M2Hを、対照サンプルと標準物質に対して定量化した。
【0220】
[実施例3]
臭気放出抑制アッセイ
腋窩のバクテリアによる臭気物質の放出を抑制することができる乳酸菌を同定した。臭気物質の減少を、所定の乳酸菌の存在下、特有の臭気を生成する腋窩の皮膚のバクテリアであるCorynebacterium jeikeium(DSM7171)によって仲介される3M2Hの放出の低減として測定した。
【0221】
腋窩のバクテリアによる臭気物質の放出を抑制することができる乳酸菌を同定するために、以下のin vitroアッセイを行った。
【0222】
Corynebacterium jeikeium(DSM7171)、すなわち、代表的な臭気を生成する腋窩のバクテリアを、37℃にて20mLのBHI培養液中において30時間に亘って好気培養した。培養物を、3000×gにて10分間遠心分離し、そして細胞ペレットを、pH7.0のPBS緩衝液中において2回洗浄した。細胞ペレットを20mLのPBS緩衝液に再懸濁させた。乳酸菌を、37℃の条件下、150μLのMRS培養液中において2日間に亘って嫌気的に培養した。
【0223】
アッセイについては、50μLの、Corynebacterium jeikeium(DSM7171)の洗浄細胞を、100μLの濃縮した、無臭の腋窩分泌物と混合した。100μLの乳酸菌培養物又は100μLの対照としてのPBSを、各々のサンプルに添加した。サンプルを、37℃で16時間に亘って好気的に培養した。その後、細胞を遠心分離し、そして上清を、6M HClで酸性化し、短鎖脂肪酸を150μLのCHCl3で3回抽出した。抽出物を窒素下にて10μLに濃縮し、そして3M2Hの存在に関してGC/MSによって分析した。
【0224】
[培地及び緩衝液]
BHI培養液 Difco
MRS培養液 Difco
PBS緩衝液 20mMのホスフェート、150mMのNaCl、pH7.0
【0225】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが可能な微生物。
【請求項2】
1種以上の以下のアッセイ:
アッセイ(A):
(i)前記微生物を、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物、及び無臭の腋窩分泌物と混合し、
(ii)3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を許容する条件下で混合物をインキュベートし、
(iii)混合物の上清から短鎖脂肪酸を抽出し、
(iv)3−メチル−2−ヘキセン酸の発生により臭気の放出を検出する、或いは
アッセイ(B):
(i)前記微生物を、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物及びN−α−ラウリル−グルタミンと混合し、
(ii)N−α−ラウリル−グルタミンから誘導されるラウレエート(laureate)の放出を許容する条件下で混合物をインキュベートし
(iii)N−α−ラウリル−グルタミンの存在に関して混合物の上清を分析する、或いは
アッセイ(C):
鼻でにおいを嗅ぐことによるアッセイ、
において、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制できる能力を示す請求項1に記載の微生物。
【請求項3】
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体が、コリネバクテリウム属に属するバクテリアによって放出される請求項1又は2に記載の微生物。
【請求項4】
コリネバクテリウム属に属するバクテリアは、Corynebacterium jeikeiumである請求項3に記載の微生物。
【請求項5】
ラクトバシラス属に属する微生物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の微生物。
【請求項6】
ラクトバシラスは、Lactobacillus plantarum、 Lactobacillus crispatus、 Lactobacillus acidophilus II、 Lactobacillus acidophilus III 又はLactobacillus delbrueckii delbrueckiiである請求項5に記載の微生物。
【請求項7】
Lactobacillus plantarum OB-AG-0002 (DSM 17598)、 Lactobacillus crispatus OB-AG-0003 (DSM 17567)、 Lactobacillus acidophilus II OB-AG-0004 (DSM 17568)、 Lactobacillus acidophilus II OB-AG-0005 (DSM 17569)、 Lactobacillus acidophilus III OB-AG-0006 (DSM 17570) 及びLactobacillus delbrueckii delbrueckii OB-AG-0007 (DSM 17571)からなる群から選択されるか、或いはこれらの変異体又は誘導体であり、変異体又は誘導体は、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力を保有する請求項6に記載の微生物。
【請求項8】
腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが可能な請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物の不活性形態。
【請求項9】
熱により不活性化されているか又は凍結乾燥されている請求項8に記載の不活性形態。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物又は請求項8又は9に記載の不活性形態を含む組成物。
【請求項11】
必要に応じて、化粧品として受容可能な担体又は賦形剤を含む化粧品組成物である請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
必要に応じて、医薬的に受容可能な担体又は賦形剤を含む医薬組成物である請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
腋窩の臭気を抑制する化粧品組成物又は医薬組成物の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物又は請求項8若しくは9に記載の不活性形態の使用。
【請求項14】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物又は請求項8若しくは9に記載の不活性形態を、化粧品として受容可能な担体又は賦形剤と処方するステップを含む化粧品組成物の製造方法。
【請求項15】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物又は請求項8若しくは9に記載の不活性形態を、医薬的に受容可能な担体又は賦形剤と処方するステップを含む医薬組成物の製造方法。
【請求項1】
腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが可能な微生物。
【請求項2】
1種以上の以下のアッセイ:
アッセイ(A):
(i)前記微生物を、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物、及び無臭の腋窩分泌物と混合し、
(ii)3−メチル−2−ヘキセン酸の放出を許容する条件下で混合物をインキュベートし、
(iii)混合物の上清から短鎖脂肪酸を抽出し、
(iv)3−メチル−2−ヘキセン酸の発生により臭気の放出を検出する、或いは
アッセイ(B):
(i)前記微生物を、3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体を放出することが可能な微生物及びN−α−ラウリル−グルタミンと混合し、
(ii)N−α−ラウリル−グルタミンから誘導されるラウレエート(laureate)の放出を許容する条件下で混合物をインキュベートし
(iii)N−α−ラウリル−グルタミンの存在に関して混合物の上清を分析する、或いは
アッセイ(C):
鼻でにおいを嗅ぐことによるアッセイ、
において、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制できる能力を示す請求項1に記載の微生物。
【請求項3】
3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体が、コリネバクテリウム属に属するバクテリアによって放出される請求項1又は2に記載の微生物。
【請求項4】
コリネバクテリウム属に属するバクテリアは、Corynebacterium jeikeiumである請求項3に記載の微生物。
【請求項5】
ラクトバシラス属に属する微生物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の微生物。
【請求項6】
ラクトバシラスは、Lactobacillus plantarum、 Lactobacillus crispatus、 Lactobacillus acidophilus II、 Lactobacillus acidophilus III 又はLactobacillus delbrueckii delbrueckiiである請求項5に記載の微生物。
【請求項7】
Lactobacillus plantarum OB-AG-0002 (DSM 17598)、 Lactobacillus crispatus OB-AG-0003 (DSM 17567)、 Lactobacillus acidophilus II OB-AG-0004 (DSM 17568)、 Lactobacillus acidophilus II OB-AG-0005 (DSM 17569)、 Lactobacillus acidophilus III OB-AG-0006 (DSM 17570) 及びLactobacillus delbrueckii delbrueckii OB-AG-0007 (DSM 17571)からなる群から選択されるか、或いはこれらの変異体又は誘導体であり、変異体又は誘導体は、腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制する能力を保有する請求項6に記載の微生物。
【請求項8】
腋窩のバクテリアによる3−メチル−2−ヘキセン酸又はその臭気誘導体の放出を抑制することが可能な請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物の不活性形態。
【請求項9】
熱により不活性化されているか又は凍結乾燥されている請求項8に記載の不活性形態。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物又は請求項8又は9に記載の不活性形態を含む組成物。
【請求項11】
必要に応じて、化粧品として受容可能な担体又は賦形剤を含む化粧品組成物である請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
必要に応じて、医薬的に受容可能な担体又は賦形剤を含む医薬組成物である請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
腋窩の臭気を抑制する化粧品組成物又は医薬組成物の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物又は請求項8若しくは9に記載の不活性形態の使用。
【請求項14】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物又は請求項8若しくは9に記載の不活性形態を、化粧品として受容可能な担体又は賦形剤と処方するステップを含む化粧品組成物の製造方法。
【請求項15】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物又は請求項8若しくは9に記載の不活性形態を、医薬的に受容可能な担体又は賦形剤と処方するステップを含む医薬組成物の製造方法。
【公表番号】特表2009−507477(P2009−507477A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529566(P2008−529566)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008923
【国際公開番号】WO2007/031300
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008923
【国際公開番号】WO2007/031300
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】
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