説明

腎臓患者における栄養欠乏の補充のための方法及び組成物

【課題】腎性患者における栄養欠乏の補充のための方法及び組成物。
【解決手段】本発明は、腎疾患及び関連する疾患に罹患している患者において観察される栄養欠乏を治療するための組成物及び方法に関する。具体的には、該方法は、ビタミンC、ビタミンE、B-複合ビタミン、セレン、及び亜鉛を含む組成物を腎臓患者に投与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々のビタミン及びミネラルを含む組成物、及び、腎疾患及び関連する疾患の治療のためにそれらの組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
腎臓は、排泄、内分泌、及び代謝という三つの主要な生理学的機能を有する。しかしながら、水、ミネラル、及び他の栄養の調節及び排出が腎臓の最も重要な機能である。代謝は、尿素、クレアチニン、尿酸、ヘモグロビン分解産物、及びホルモン代謝産物を含む腎臓によって排出される産物を排出する。また腎臓は、レニンのような血管作動性物質を分泌することによって、動脈圧を調節する役割を果たす。加えて、腎臓は、赤血球の生産を刺激するエリスロポエチンを分泌し、また、1,25-ジヒドロキシビタミンD3、活性型のビタミンDを生産する。腎疾患においては、任意のそれらの機能が損なわれ、患者の栄養状態の破壊をもたらす(TEXTBOOK OF MEDICAL PHYSIOLOGY 315 (Guyton & Hall, 9th ed. 1996))。
【0003】
腎疾患は病的状態の主要な原因の一つであり、毎年百万人が発症する。一般に、腎疾患は二つのカテゴリーに分類される:1)急性腎不全及び2)慢性腎不全。急性腎不全は、腎臓機能の突然の低下又は休止によって特徴付けられる。対照的に、慢性腎不全は、腎臓機能の進行性の減少、通常は根底にある病理学的状態の結果を指す。例えば、紅斑性狼蒼のような免疫学的疾患、真性糖尿病及び高血圧症のような代謝障害、及び結核のような感染症が、慢性腎不全をもたらし得る。腎臓機能が悪化を続けると、患者は、最終的には透析治療又は移植が必要となる、末期腎不全(ESRD)を発達させる(Id. at 413)。
【0004】
慢性腎不全の患者は、典型的には全身性の浮腫、アシドーシス、及び尿毒症(血液中の窒素代謝産物の蓄積)を発達させる。それらの症状を軽減するために、患者は、食事性療法又は透析を施される。腎臓患者のために定められた、タンパク質が制限された食事は、通常、葉酸塩、Bビタミン、及びビタミンCのようなビタミンを欠いている(Handbook of Nutrition and the Kidney 42 (Mitch & Klahr, eds., 3rd ed. 1998)、以後、「ハンドブック」と称する)。加えて、透析方法自体がビタミン及び栄養成分を取り去り得る。慢性腎不全に罹患している患者ではビタミンの消化管吸収も変質され得る(Makoff, 25 Miner. Electrolyte Metabol. 349-351 (1999))。
【0005】
拘束性の腎臓食事制限によるコンプライアンスもまた、亜鉛及びセレンのような微量ミネラルの欠乏をもたらし得る。高タンパク質結合ミネラルが、タンパク尿の患者において過剰量損失され得る(Zima et al., 17 Blood Purif. 182-186 (1999))。さらに、セレンの血漿レベルが透析患者において減少していることが示されている(Handbook, at 43)。貧栄養状態及びビタミン及びミネラルの不十分なレベルは、腎臓患者に、貧血、感染、及び循環器病のような疾病、又は高脂血症、骨粗鬆症、及びウイルス性肝炎の高いリスクを与え、或いは、前存在(pre-existing)状態を悪化させる(Modern Nutrition in Health and Disease, 1447 (Shils et al., eds., 9th ed. 1999))。
【0006】
栄養処置は、慢性腎疾患及び末期腎疾患の管理に重大な意味を持つ。食餌療法は、腎臓患者の栄養状態を維持又は改善し、また、腎不全に関する尿毒症性及び代謝性の毒素を最小化又は防ぐべきである。この挑戦は、効果的な栄養上の治療を提供すると同時に、複雑な食事養生法を単純化するためのものである。ここで記載される栄養組成物及び関連する方法は、腎臓患者の制限された食事に欠損している多数のビタミン及びミネラルを含む。従って、本発明の組成物及び方法は、無併発性のアプローチにおいて腎臓患者の栄養要求を満たすものである。
【発明の開示】
【発明の概要】
【0007】
本出願は、2000年9月27日に出願された米国特許出願番号09/671,283号の一部継続出願であり、35 U.S.C. §120に基づく利益を主張し、参照によってその全てが明確に本明細書に援用されるものである。
【0008】
本発明は、栄養性の組成物及びそれらの組成物を用いた腎疾患の患者を治療するための方法を提供する。具体的には、本発明は、腎疾患、腎不全、又は末期腎疾患に悩む患者において観察される栄養欠乏を補うために用いることができる量のビタミン及びミネラルの新規の組成物を開示する。本発明の組成物は、透析治療中の患者又は食事を制限された患者のための栄養の補充として用いることもできる。加えて、該組成物は、結果として酸化ストレスの上昇、コレステロールレベルの上昇、又はホモシステインレベルの上昇になる任意の疾病状態の栄養欠乏を治療するために用いることができる。
【0009】
本発明の組成物は、患者の栄養状態を改善する多数のビタミン及びミネラルを含む。本発明の組成物中に含まれる該ビタミンは、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビオチン、及びビタミンB9が含まれてよい。本発明の組成物中に含まれる該ミネラルは、セレン及び亜鉛が含まれてよい。
【0010】
本発明の一つの態様において、該組成物は、アスコルビン酸の形態のビタミンC;d-アルファトコフェリルスクシナート又はd-アルファトコフェリルアセテートの形態のビタミンE;チアミンモノニトレートの形態のビタミンB1;リボフラビンの形態のビタミンB2;ナイアシンアミド又はナイアシンの形態のビタミンB3;パントテン酸(d-パントテン酸カルシウム)の形態のビタミンB5;塩酸ピリドキシンの形態のビタミンB6;シアノコバラミンの形態のビタミンB12;ビオチン;葉酸、フォルアシン(folacin)、メタフォリン(metafolin)、葉酸塩及び/又は(6S)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、5-メチル-(6S)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、5-ホルミル-(6S)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、10-ホルミル-(6R)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、5,10-メチレン-(6R)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、5,10-メテニル-(6R)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体及び5-ホルムイミノ-(6S)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体を含む一以上の葉酸塩の天然の異性体の形態のビタミンB9;L-セレノメチオニンの形態のセレン;及びL-Optizinc ZML-200 InterHealth9TM又は酸化亜鉛の形態の亜鉛の、一以上を含み得る。
【0011】
本発明の他の態様において、該組成物は、先行する段落において記載されていない任意の他の加えられたビタミン及びミネラルを実質的に含まないでよい。例えば、本発明の組成物は、加えられたアルファカロテンを実質的に含まない;加えられたベータカロテンを実質的に含まない;加えられたルテインを実質的に含まない;加えられたリコピンを実質的に含まない;加えられたゼアキサンチンを実質的に含まない;加えられたビタミンB4を実質的に含まない;加えられたビタミンB7を実質的に含まない;加えられたビタミンB8を実質的に含まない;加えられたビタミンB10を実質的に含まない;加えられたビタミンB11を実質的に含まない;加えられたビタミンDを実質的に含まない;加えられたカルシウムを実質的に含まない;加えられたクロムを実質的に含まない;加えられた鉄を実質的に含まない;加えられたマグネシウムを実質的に含まない;加えられた銅を実質的に含まない;加えられたマンガンを実質的に含まない;加えられたホウ素を実質的に含まない;加えられた無臭のニンニクを実質的に含まない;加えられたコエンザイムQ-10を実質的に含まない;加えられたl-カルニチンを実質的に含まない;加えられたグレープ種子抽出物を実質的に含まない;加えられた緑茶抽出物を実質的に含まない;加えられたケルセチンを実質的に含まない;加えられたホーソンベリー(hawthorne berries)を実質的に含まない;及び/又は加えられたアルファリポ酸を実質的に含まない。
【0012】
他の具体的な態様において、本発明の組成物は、加えられたビタミンCを実質的に含まないでよく;加えられたビタミンEを実質的に含まないでよく;加えられたビタミンB1を実質的に含まないでよく;加えられたビタミンB2を実質的に含まないでよく;加えられたビタミンB3を実質的に含まないでよく;加えられたビタミンB5を実質的に含まないでよく;加えられたビタミンB6を実質的に含まないでよく;加えられたビタミンB12を実質的に含まないでよく;加えられたビオチンを実質的に含まないでよく;加えられたビタミンB9を実質的に含まないでよく;加えられたセレンを実質的に含まないでよく;及び/又は加えられた亜鉛を実質的に含まないでよい。
【0013】
他の具体的な態様において、該組成物は、約60 mg〜約140 mgのビタミンC;約40 IU〜約80 IUのビタミンE;約1.5 mg〜約4.5 mgのビタミンB1;約1 mg〜約3 mgのビタミンB2;約10 mg〜約30 mgのビタミンB3;約5 mg〜約15 mgのビタミンB5;約18 mg〜約42 mgのビタミンB6;約500 μg〜約1500 μgのビタミンB12;約150 μg〜約450 μgのビオチン;約3 mg〜約8 mgのビタミンB9;約35 μg〜約105 μgのセレン;及び約10 mg〜約30 mgの亜鉛を含み得る。
【0014】
他の特定の態様において、本発明の組成物は、約80 mg〜約120 mgのビタミンC;約48 IU〜約72 IUのビタミンE;約2.4 mg〜約3.6 mgのビタミンB1;約1.6 mg〜約2.4 mgのビタミンB2;約16 mg〜約24 mgのビタミンB3;約8 mg〜約12 mgのビタミンB5;約24 mg〜約36 mgのビタミンB6;約800 μg〜約1200 μgのビタミンB12;約240 μg〜約360 μgのビオチン;約4.4 mg〜約6.6 mgのビタミンB9;約56 μg〜約84 μgのセレン;及び約16 mg〜約24 mgの亜鉛を含み得る。
【0015】
他の態様において、本発明の組成物は、約90 mg〜約110 mgのビタミンC;約54 IU〜約66 IUのビタミンE;約2.7 mg〜約3.3 mgのビタミンB1;約1.8 mg〜約2.2 mgのビタミンB2;約18 mg〜約22 mgのビタミンB3;約9 mg〜約11 mgのビタミンB5;約27 mg〜約33 mgのビタミンB6;約900 μg〜約1100 μgのビタミンB12;約270 μg〜約330 μgのビオチン;約4.95 mg〜約6.05 mgのビタミンB9;約63 μg〜約77 μgのセレン;及び約18 mg〜約22 mgの亜鉛を含み得る。
【0016】
本発明のさらに特定の態様において、該組成物は、約100 mgのビタミンC;約60 IUのビタミンE;約3 mgのビタミンB1;約2 mgのビタミンB2;約20 mgのビタミンB3;約10 mgのビタミンB5;約30 mgのビタミンB6;約12 μgのビタミンB12;約300 μgのビオチン;約5.5 mgのビタミンB9;約70 μgのセレン;及び約20 mgの亜鉛を含み得る。
【0017】
ちょうど記載された本発明の態様は、患者に毎日投与され得る。それらの態様は、経口的に投与されることもでき、薬学的に許容される担体を含むこともできる。それらの製剤が、結果として酸化ストレスの上昇、コレステロールレベルの上昇、及び/又はホモシステインレベルの上昇をもたらす、腎臓疾患、末期腎疾患、腎不全、治療、食事制限又は他の疾病状態のために、そのような治療を必要とする患者の栄養欠乏を治療するために用いることができることが考慮される。
【0018】
本発明は、結果として酸化ストレスの上昇、コレステロールレベルの上昇、及び/又はホモシステインレベルの上昇をもたらす、腎臓疾患、末期腎疾患、腎不全、治療、食事制限又は他の疾病状態のための栄養欠乏を有する患者における栄養欠乏を補充するための方法をも含む。また本発明の方法は、治療を受けている患者又は食事が制限された患者のための栄養補充として用いることができる組成物を利用し得る。一つの態様において、本発明の方法は、ビタミンC、ビタミンE、B-複合ビタミン、セレン、及び亜鉛を含む組成物を利用し得る。より具体的には、本発明の方法は、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビオチン、ビタミンB9、セレン、及び亜鉛を含み得る組成物を利用し得る。
【0019】
一つの態様において、本発明の方法は、アスコルビン酸の形態のビタミンC;d-アルファトコフェリルスクシナート又はd-アルファトコフェリルアセテートの形態のビタミンE;モノ硝酸チアミンの形態のビタミンB1;リボフラビンの形態のビタミンB2;ナイアシンアミド又はナイアシンの形態のビタミンB3;パントテン酸(d-パントテン酸カルシウム)の形態のビタミンB5;塩酸ピリドキシンの形態のビタミンB6;シアノコバラミンの形態のビタミンB12;ビオチン;葉酸、フォルアシン、メタフォリン、葉酸塩(folate)及び/又は(6S)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、5-メチル-(6S)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、5-ホルミル-(6S)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、10-ホルミル-(6R)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、5,10-メチレン-(6R)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、5,10-メテニル-(6R)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体及び5-ホルムイミノ-(6S)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体を含む一以上の葉酸塩の天然の異性体の形態のビタミンB9;L-セレノメチオニンの形態のセレン;及びL-Optizinc ZML-200 InterHealth9TM又は酸化亜鉛の形態の亜鉛の、一以上を含む組成物を利用し得る。
【0020】
本発明の他の態様において、該方法は、先行する段落で記載されていない、任意のさらに加えられたビタミン及びミネラルを実質的に含まない組成物を利用し得る。例えば、本発明の方法は、加えられたアルファカロテンを実質的に含まない;加えられたベータカロテンを実質的に含まない;加えられたルテインを実質的に含まない;加えられたリコピンを実質的に含まない;加えられたゼアキサンチンを実質的に含まない;加えられたビタミンB4を実質的に含まない;加えられたビタミンB7を実質的に含まない;加えられたビタミンB8を実質的に含まない;加えられたビタミンB10を実質的に含まない;加えられたビタミンB11を実質的に含まない;加えられたビタミンDを実質的に含まない;加えられたカルシウムを実質的に含まない;加えられたクロムを実質的に含まない;加えられた鉄を実質的に含まない;加えられたマグネシウムを実質的に含まない;加えられた銅を実質的に含まない;加えられたマンガンを実質的に含まない;加えられたホウ素を実質的に含まない;加えられた無臭のニンニクを実質的に含まない;加えられたコエンザイムQ-10を実質的に含まない;加えられたl-カルニチンを実質的に含まない;加えられたグレープ種子抽出物を実質的に含まない;加えられた緑茶抽出物を実質的に含まない;加えられたケルセチンを実質的に含まない;加えられたホーソンベリーを実質的に含まない;及び/又は加えられたアルファリポ酸を実質的に含まない、組成物を利用し得る。
【0021】
他の具体的な態様において、本発明の方法は、加えられたビタミンCを実質的に含まない;加えられたビタミンEを実質的に含まない;加えられたビタミンB1を実質的に含まない;加えられたビタミンB2を実質的に含まない;加えられたビタミンB3を実質的に含まない;加えられたビタミンB5を実質的に含まない;加えられたビタミンB6を実質的に含まない;加えられたビタミンB12を実質的に含まない;加えられたビオチン実質的に含まない;加えられたビタミンB9を実質的に含まない;加えられたセレンを実質的に含まない;及び/又は加えられた亜鉛を実質的に含まない組成物を利用し得る。
【0022】
他の態様において、本発明の方法は、約60 mg〜約140 mgのビタミンC;約40 IU〜約80 IUのビタミンE;約1.5 mg〜約4.5 mgのビタミンB1;約1 mg〜約3 mgのビタミンB2;約10 mg〜約30 mgのビタミンB3;約5 mg〜約15 mgのビタミンB5;約18 mg〜約42 mgのビタミンB6;約500 μg〜約1500 μgのビタミンB12;約150 μg〜約450 μgのビオチン;約3 mg〜約8 mgのビタミンB9;約35 μg〜約105 μgのセレン;及び約10 mg〜約30 mgの亜鉛を含み得る組成物を利用し得る。
【0023】
他の特定の態様において、該方法は、約80 mg〜約120 mgのビタミンC;約48 IU〜約72 IUのビタミンE;約2.4 mg〜約3.6 mgのビタミンB1;約1.6 mg〜約2.4 mgのビタミンB2;約16 mg〜約24 mgのビタミンB3;約8 mg〜約12 mgのビタミンB5;約24 mg〜約36 mgのビタミンB6;約800 μg〜約1200 μgのビタミンB12;約240 μg〜約360 μgのビオチン;約4.4 mg〜約6.6 mgのビタミンB9;約56 μg〜約84 μgのセレン;及び約16 mg〜約24 mgの亜鉛を含み得る組成物を利用し得る。
【0024】
本発明のさらに他の態様において、該方法は、約90 mg〜約110 mgのビタミンC;約54 IU〜約66 IUのビタミンE;約2.7 mg〜約3.3 mgのビタミンB1;約1.8 mg〜約2.2 mgのビタミンB2;約18 mg〜約22 mgのビタミンB3;約9 mg〜約11 mgのビタミンB5;約27 mg〜約33 mgのビタミンB6;約900 μg〜約1100 μgのビタミンB12;約270 μg〜約330 μgのビオチン;約4.95 mg〜約6.05 mgのビタミンB9;約63 μg〜約77 μgのセレン;及び約18 mg〜約22 mgの亜鉛を含み得る組成物を利用し得る。
【0025】
さらに特定の態様において、該方法は、約100 mgのビタミンC;約60 IUのビタミンE;約3 mgのビタミンB1;約2 mgのビタミンB2;約20 mgのビタミンB3;約10 mgのビタミンB5;約30 mgのビタミンB6;約12 μgのビタミンB12;約300 μgのビオチン;約5.5 mgのビタミンB9;約70 μgのセレン;及び約20 mgの亜鉛を含み得る組成物を利用し得る。
【0026】
本発明の方法は、本発明の組成物を患者に毎日投与することを含み得る。該方法は、薬学的に許容される担体を含む組成物の経口投与も考慮される。腎臓疾患、末期腎疾患、腎不全、治療、食事制限又は他の疾病状態のために、それらの製剤がそのような治療を必要とする患者における栄養欠乏の治療のために用いられることができることが考慮される。該組成物は、結果として酸化ストレスの上昇、コレステロールレベルの上昇、又はホモシステインレベルの上昇をもたらす、任意の疾病状態の栄養欠乏を治療するためにも用いられ得る。
【0027】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになる。本発明の詳細な説明及び具体例が具体的な態様を示すとはいえ、説明のためにのみ提供されるものである。従って、本発明は、この詳細な説明から当該分野の技術者には明らかであるような
本発明の精神及び範囲の中での種々の変化及び改変をも含む。
【発明の詳細な説明】
【0028】
本発明が、変化可能なここで記載された特定の方法論、プロトコル、賦形剤(fillers)、賦形剤(excipients)などに限定されないことは理解されるであろう。ここで用いられる用語が、特定の態様を記載する目的でのみ用いられ、本発明の範囲を限定するとは意図されないことも理解されるであろう。明細書及び請求の範囲で用いられるように、単数形態の「a」、「an」及び「the」は、前後関係から他に明らかに指示されない限り、複数の言及を含むことは留意されるべきである。従って、例えば、「ビタミン(a vitamin)」という言及は、一以上のビタミンを言及し、及び、当該分野の技術者が知るそれらの等価物などを含む。
【0029】
他に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当該分野の通常の技術者によってよく理解されるものと同様の意味を有する。具体的な方法、デバイス、及び材料が記載されるが、しかしながら、本明細書に記載されたものと類似又は等価な任意の方法及び材料を、本発明の実行又は試験において用いることができる。
【0030】
腎疾患の固体の栄養療法は、複数の代謝及び生化学的変化、並びに食事制限のために、独特の製剤を必要とする。定められた食事制限は通常、結果としてビタミンC、ビタミンE、B-複合ビタミン、及び亜鉛のような重要な栄養の消費を減少させる(Rocco et al., 7 J. Renal Nutr. 17-24 (1997))。加えて、末期腎疾患の患者は、酸化ストレス及び遊離ラジカル産生が上昇し、食欲に影響し、及び身体の栄養利用能力を変化させる、尿毒症性の状態にあることが多い(Tetta et al., 17 Blood Purif. 118-126 (1999))。透析方法は、結果として必須の栄養の欠乏をももたらし得る(Stein et al., 3 Blood Purif. 52-62 (1985))。本発明の新規の組成物及び関連する方法は、腎疾患に罹患している患者を治療するための栄養補充として有用であるビタミン及びミネラルの独特の混合物を含む。
【0031】
用語「腎疾患」は、腎臓を苦しめる疾患のアレイ(array)を包含する一般的な表現である。用語「腎臓患者」は、腎疾患に罹患している患者を含む。一般に、腎疾患は、発症する形態学的な成分:糸球体、尿細管、及び血管に従って分類される。糸球体は、血液からタンパク質、毒素及び他の物質を濾過する枝分れし吻合した毛細管のネットワークである。免疫疾患、血管性疾患、及び代謝疾患からの二次的な作用を含む多くの要因が、糸球体に傷害をもたらし得る。糸球体の疾病は、これらに限定されないが、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、リポイド腎症、糸球体硬化症、ベルジェ病、及び遺伝性腎炎を含む(Robbins Pathologic Basis of Disease 942 (Cotran et al., 6th ed. 1999))。
【0032】
腎臓の尿細管は、糸球体濾過液から血液中に成分を再吸収する。尿細管の上皮細胞は、特に虚血及び毒素に感受性であり、従って、尿細管の傷害の素因となる。尿細管の疾病状態は、これらに限定されないが、急性尿細管ネクローシス、尿細管間質性腎炎、腎盂腎炎、尿酸塩腎症、及び腎石灰化症を含む(Id. at 968-980)。
【0033】
豊富に血管新生化した腎臓は、約25%の心拍出量を受け、血管炎及び高血圧症のような全身血管病は腎臓血管に二次的な影響を有する。腎臓血管の他の疾病は、これらに限定されないが、良性腎硬化症、腎動脈狭窄、血栓性細小血管症、溶血尿毒症症候群、及び鎌形赤血球病腎症を含む(Id. at 981-987)。加えて、オンコサイトーマ及び腎細胞腫のような腫瘍は、腎臓機能を障害し得る(Id. at 991-994)。上記の多数の疾病は、その起源にかかわらず、やがては結果的に慢性腎疾患になり、究極的には末期腎疾患になる。
【0034】
血清ビタミンCのレベルの減少が慢性腎不全の患者において観察される。それらのレベルの減少は、低-カリウム食餌及び食物摂取の減少のためである可能性が高い(Marumo et al., 9 Int. J. Artif. Organs 17-24 (1986))。低カリウム腎性食餌は、一般に、カリウム及びビタミンCに富む果物及び野菜を制限する。ビタミンCの主要な生化学的役割は、金属が触媒するヒドロキシル化における共基質(cosubstrate)としてであり、それは、スーパーオキシドヒドロキシルラジカル及び一重項酸素と直接的に相互作用する抗酸化物の性質を有する。加えて、ビタミンCは、葉酸塩及びビタミンEのための抗酸化保護作用を提供する(Recommended Dietary Allowances 115 (National Research Council, 10th ed., 1989)、以後「RDA」と称する)。本発明の具体的な態様において、ビタミンCは、アスコルビン酸の形態で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンCは、約60 mg〜約140 mgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンCは、約80 mg〜約120 mgの範囲の量で含まれ得る。さらに他の具体的な態様において、ビタミンCは、約90 mg〜約110 mgの範囲の量で含まれ得る。さらなる態様において、ビタミンCは、約100 mgの量で含まれ得る。
【0035】
ビタミンEは、生物膜中に発見される抗酸化物であり、酸化的ストレスからリン脂質膜を保護する(RDA, at 99-101)。それは抗アテローム生成的な薬剤でもあり、研究は、ビタミンEの取り込みの上昇によって、冠状動脈心疾患のリスクを減少することを示している(Stampfer et al., 328 N. Engl. J. Med. 1444-1449 (1993))。ビタミンEレベルの減少は、慢性腎不全の患者及び透析を受けている患者に観察される(Taccone-Gallucci et al., 27 Clin. Nephrol. 238-241 (1987); Ito et al., 217 JAMA 699 (1971))。加えて、典型的な腎性の食餌はビタミンEを欠乏することが証明されている(Ono, 40 Nephron 440-445 (1985))。さらに、アテローム硬化型の循環器病は、末期腎疾患の患者における主要な死因である(Maiorca, et al., 43 Kidney Int. S4-S10 (1993))。本発明の具体的な態様において、ビタミンEはd-アルファ-トコフェリルアセテートの形態で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンEは、等価なモル量のd-アルファトコフェリルスクシナートの形態で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンEは、約40 IU〜約80 IUの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンEは、約48 IU〜約72 IUの範囲の量で含まれ得る。さらに他の具体的な態様において、ビタミンEは、約54 IU〜約66 IUの範囲の量で含まれ得る。さらなる態様において、ビタミンEは、約60 IUの量で含まれ得る。
【0036】
チアミン(ビタミンB1)は、α-ケト酸の酸化的な脱炭酸のため及びトランスケトラーゼのためのコエンザイムであり、ペントースリン酸経路の成分である。チアミンの活性は、葉酸塩の欠損及び栄養不良によって阻害される(RDA, at 123)。慢性腎不全の患者は、チアミン欠損を示す低タンパク質の食餌を施される(Porrini et al., 59 Int. J. Vitam. Nutr. Res. 304-308 (1989))。加えて、赤血球トランスケトラーゼ活性は、透析患者において傷害される(Descombes et al., 43 Kidney Int. 1319-1328 (1993))。それ故、腎臓患者におけるチアミン欠損の全ての可能性を矯正するため、本発明の具体的な態様において、ビタミンB1がチアミンモノニトレートの形態で含まれ得る。本発明の他の具体的な態様において、ビタミンB1は、約1.5 mg〜約4.5 mgの範囲の量で含まれ得る。さらに他の具体的な態様において、ビタミンB1は、約2.4 mg〜約3.6 mgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB1は、約2.7 mg〜約3.3 mgの範囲の量で含まれ得る。さらなる態様において、ビタミンB1は、約3 mgの量で含まれ得る。
【0037】
リボフラビン(ビタミンB2)は、フラビンモノヌクレオチド(FMN)及びフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)の二つのフラビンコエンザイムの成分である。それらのフラビン酵素は、ピリドキシン及びナイアシンの転換を含む多くの酸化-還元反応に関与する(RDA, at 132)。低タンパク質の食餌を処方された腎臓患者は、リボフラビン欠損の証拠を示す(Porrini et al., 59 Int. J. Vitam. Nutr. Res. 304-308 (1989); Stein et al., 3 Blood Purif. 52-62 (1985))。角膜の血管新生及び皮膚炎がリボフラビン欠損を示す患者において認められている(Handbook, at 116)。従って、本発明の具体的な態様において、ビタミンB2は、リボフラビンの形態で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB2は、約1 mg〜約3 mgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB2は、約1.6 mg〜約2.4 mgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB2は、約1.8 mg〜約2.2 mgの範囲の量で含まれ得る。他の態様において、ビタミンB2は、約2 mgの量で含まれ得る。
【0038】
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)及びNADリン酸塩(NADP)は、ナイアシン(ビタミンB3)の活性コエンザイムである。それらのコエンザイムは、解糖、脂肪酸代謝、及びステロイド合成のような多くの酵素反応に関与している。ナイアシンはまた、ピロキシジン(pyroxidine)、リボフラビン、及び葉酸の合成のために必要である(RDA, at 137)。ナイアシンの投与は、総コレステロール、LDL、及びVLDLレベルの減少、及び、HDLコレステロールの上昇を生じ得る(Henkin et al., 91 Am. J. Med. 239-246 (1991))。ナイアシン欠損は、透析患者において認められ、ナイアシンの量の減少は、低タンパク質腎臓性ダイエットにおいて証明されている(DeBari et al., 39 Am. J. Clin. Nutr. 410-415 (1984); Mackenzie et al., 5 Proc. Eur. Dial. Transplant. Assoc. 172-178 (1968))。腎臓患者における適切なナイアシンレベルを維持するために、本発明の具体的な態様は、ナイアシンの形態のビタミンB3を含み得る。他の具体的な態様において、本発明は、等価なモル量のナイアシンアミドを含み得る。他の具体的な態様において、ビタミンB3は、約10 mg〜約30 mgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB3は、約16 mg〜約24 mgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB3は、約18 mg〜約22 mgの範囲の量で含まれ得る。他の態様において、ビタミンB3は、約20 mgの量で含まれ得る。
【0039】
パントテン酸(ビタミンB5)は、コエンザイムA巨大分子の成分であり、脂肪酸、コレステロース、ステロイドホルモン、及び神経伝達物質の合成のために必要とされる。該コエンザイムA複合体はまた、多くのタンパク質のアセチル化及びアシル化において重要な役割を有する(RDA, at 169)。腎臓患者に典型的に処方される低タンパク質ダイエットは、最小量のパントテン酸を提供する。加えて、パントテン酸の血漿レベルの減少が透析患者において観察される(Mackenzie et al. 5 Proc. Eur. Dial. Transplant. Assoc. 172-178 (1968))。それ故、腎臓患者におけるパントテン酸の欠乏を最小限にするために、ビタミンB5がd-パントテン酸カルシウムの形態で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB5は約5 mg〜約15 mgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB5は約8 mg〜約12 mgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB5は約9 mg〜約11 mgの範囲の量で含まれ得る。他の態様において、ビタミンB5は約10 mgの量で含まれ得る。
【0040】
活性型のピリドキシン(ビタミンB6)、ピリドキサール-5’-ホスフェート(PLP)及びピリドキサミン-5’-ホスフェートは、多くの酵素のためのコエンザイムであり、そのようなものは糖新生、ナイアシン形成、及び赤血球代謝のために必須である(RDA, at 142-143)。ピリドキシン欠乏の高い発生率が、成人及び小児科の慢性腎不全患者のいずれも、並びに、透析を受けている患者で認められる(Stein et al., 3 Blood Purif. 52-62 (1985); Stockberger et al., 7 Nutr. Res. 1021-1030 (1987); Descombes et al., 43 Kidney Int. 1319-1328 (1993))。低タンパク質の食餌は、一般に、最小の量のピリドキシンを有する(Kopple et al., 19 Kidney Int. 694-704 (1981))。ピリドキシンの欠乏は、慢性腎臓患者において観察される抑制された免疫機能、並びに、腎不全における上昇した血漿及び組織中シュウ酸塩濃度に起因する(Dobblestein et al., 5 Kidney Int. 233-239 (1974); Morgan et al., 46 Nephron 253-257 (1987))。
【0041】
加えて、ピリドキシン欠乏は、腎臓患者において観察されるホモシステインミア(homocysteinemia)における役割を果たすことが示唆されている。ピリドキシンは、シスタチオニンシンターゼ及びシスタチオナーゼの両方(メチオニンからのシステインの形成を触媒する酵素)のためのコエンザイムである。ホモシステインは、本方法における中間体であり、血漿ホモシステインの上昇したレベルは、血管性疾患の危険因子として認識される(Robinson et al., 94 Circulation 2743-2748 (1996))。しかしながら、ピリドキシンの投与は、ホモシステインのレベルを減少し得ることが提唱されている(Bostom et al., 49 Kidney Int. 147-152 (1996))。それ故、本発明の具体的な態様において、ビタミンB6は、塩酸ピリドキシンの形態で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB6は約18 mg〜約42 mgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB6は約24 mg〜約36 mgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB6は約27 mg〜約33 mgの範囲の量で含まれ得る。さらに他の態様において、ビタミンB6は約30 mgの量で含まれ得る。
【0042】
シアノコバラミン(ビタミンB12)は、活性コエンザイム、メチルコバラミン及び5’-デオキシアデノシルコバラミンに転換されることができる、コバラミンの薬学的形態である。それらのコエンザイムは、葉酸代謝、コエンザイムAの転換、及びミエリン合成のために必要である。例えば、メチルコバラミンは、DNA合成に関与する葉酸コファクターの脱メチル化を触媒する。脱メチル化の欠如は、葉酸欠乏をもたらし得る(RDA, at 159-160)。さらに、ビタミンB12は、組織への葉酸の輸送に必須である(RDA, at 150)。ビタミンB12の欠乏は、慢性腎不全の患者及び透析患者において観察される。加えて、ゆっくりとした神経伝達速度も透析患者において認められている(Rostand, 29 Am. J. Clin. Res. 691-697 (1976))。それらの知見に基づいて、ビタミンB12補充は、任意の欠乏を補償するための手段として適切であり得る。さらに、ビタミンB12が葉酸代謝に役割を有するために、補充は、腎臓患者のホモシステインレベルを管理するのに有効であり得る。よって、本発明の具体的な態様の一つにおいて、ビタミンB12は、シアノコバラミンの形態で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB12は約500 μg〜約1500 μgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB12は約800 μg〜約1200 μgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB12は約900 μg〜約1100 μgの範囲の量で含まれ得る。さらなる態様において、ビタミンB12は約1000 μgの量で含まれ得る。
【0043】
ビオチンは、多くのカルボキシラーゼのためのコエンザイムとして作用し、それ故、糖新生、脂肪酸代謝、及びアミノ酸代謝において重要な役割を有する(RDA, at 166)。ビオチンが、尿毒性毒素のチューブリンポリメライゼーション(polymerization)への影響を阻害することが示されている(Braguer et al., 57 Nephron 192-196 (1991))。さらに、慢性腎不全の患者及び透析患者が、ビオチン欠乏の発達の危険にあることを示唆する幾つかの証拠がある(Mackenzie et al., 5 Proc. Eur. Dial. Transplant. Assoc. 172-178 (1968))。尿毒症性脳症及び神経障害と診断された幾つかの透析患者において、それらの疾患の症状が、ビオチンの投与によって緩和された(Yatzidis et al., 305 N. Engl. J. Med. 764 (1981))。本発明の具体的な態様において、ビオチンは約150 μg〜約450 μgの範囲の量で含まれ得る。本発明の他の具体的な態様において、ビオチンは約240 μg〜約360 μgの範囲の量で含まれ得る。本発明のさらに具体的な態様において、ビオチンは約270 μg〜約330 μgの範囲の量で含まれ得る。他の態様において、ビオチンは、約300 μgの量で含まれ得る。
【0044】
活性型の葉酸(ビタミンB9)、テトラヒドロ葉酸は、メチル基の転移に関与するコエンザイムであり、それは、DNA合成、プリン合成、及びグリシンのセリンへの転換及びホモシステインのメチオニンへの変換のようなアミノ酸合成における役割を果たす。葉酸の代謝は尿毒によって変化され、テトラヒドロ葉酸の吸収は慢性腎不全患者において障害される(Said et al., 6 Acta Vitaminol. Enzymol. 339-346 (1984))。さらに、腎臓患者のために定められた食事は、一般に、葉酸含有量が低い傾向があり、また、慢性腎不全に用いられる薬剤も葉酸の活性を阻害し得る(Stein et al., 3 Blood Purif. 52-62 (1985); Cunningham et al., 282 Br. Med. J. 1582 (1981))。慢性腎不全患者で観察されるホモシステインミアの高い発生率、及び、アテローム性動脈硬化症の発達に関連するリスクが、葉酸補充がこの状態を維持するための有効な方法を提供し得ること、及び心臓保護効果をも提供し得るということを示唆している(Robinson et al., 94 Circulation 2743-2748 (1996))。それ故、本発明の具体的な態様において、ビタミンB9は葉酸の形態で含まれ得る。他の態様において、ビタミンB9は、葉酸、フォラシン(folacin)、メタフォリン、葉酸塩及び/又は一以上の(6S)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、5-メチル-(6S)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、5-ホルミル-(6S)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、10-ホルミル-(6R)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、5,10-メチレン-(6R)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体、5,10-メテニル-(6R)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体及び5-ホルムイミノ-(6S)-テトラヒドロ葉酸又はそれらのポリグルタミル誘導体を含む一以上の葉酸塩の天然の異性体の形態で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB9は約3 mg〜約8 mgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB9は約4.4 mg〜約6.6 m
gの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、ビタミンB9は約4.95 mg〜約6.05 mgの範囲の量で含まれ得る。他の態様において、ビタミンB9は、約5.5 mgの量で含まれ得る。
【0045】
セレンは抗酸化酵素、グルタチオンペルオキシダーゼの成分であり、酸素代謝において重要な役割を果たし、特に過酸化水素の分解を触媒する(Burk, 3 Annu. Rev. Nutr. 53-70 (1983))。グルタチオンペルオキシダーゼは、遊離ラジカルの発生を防ぎ、血管系を含む多くの組織の酸化的損傷のリスクを減少する(Holben, 99 J. Am. Diet. Assoc. 836-843 (1999))。糖尿病患者は、糖尿病と腎疾患の組合せのために、高いレベルの酸化ストレスを有する(Kedziora-Kornatowska, et al., 11 Nephrol. Dial. Transplant. 2829-2832 (1998))。セレンは治療の間に失われ、食事性のセレンは、タンパク質制限のために適切な量よりも少ない。幾つかの研究が、透析患者における血清セレン、セレン依存性酵素の著しい減少、及び、脂質過酸化物の上昇を証明している(Smith et al., 7 J. Renal Nutr. 69-72 (1997); Zima et al., 16 Blood Purif. 253-260 (1998))。経口及び静脈内のセレン補充が、腎臓患者のセレン状態及び免疫機能の改善、同時に、酸化ストレス産物のレベルの減少に効果的であることが証明されている(Temple et al., 10 J. Renal Nutr. 16 (2000))。それ故、本発明の一つの態様において、該組成物はL-セレノメチオニンの形態のセレンを含み得る。他の具体的な態様において、セレンは約35 μg〜約105 μgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、セレンは約56 μg〜約84 μgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、セレンは約63 μg〜約77 μgの範囲の量で含まれ得る。他の態様において、セレンは、約70 μgの量で含まれ得る。
【0046】
アルドラーゼ、アルコール脱水素酵素、RNAポリメラーゼ、及びプロテインキナーゼCを含む、200を超える亜鉛金属結合酵素がある。よって、亜鉛は核酸産生、タンパク質合成、及び免疫系の発生のような、多くの代謝活性における役割を果たす(Zima et al., 17 Blood Purif. 182-186 (1999))。幾つかの研究は、透析患者及び腎不全の患者における亜鉛の血清レベルの減少を示している(Thomson et al., 23 Kidney Int. 9-14 (1983); Muirhead et al., 6 Am. J. Nephrol. 422-426 (1986))。亜鉛の補充が、味覚不全(dygeusia)、神経伝導速度、及び無気力のような、腎臓患者において観察される多くの臨床的徴候を改善することがされており、障害された、細胞が媒介する免疫及びリンパ球機能を回復し得ることが提唱されている(Zima et al., 17 Blood Purif. 182-186 (1999))。本発明の具体的な態様において、亜鉛は、L-Optizinc ZML-200 InterHealth9TMの形態で含まれ得る。他の具体的な態様において、亜鉛は約10 mg〜約30 mgの範囲の量で含まれ得る。他の具体的な態様において、亜鉛は約16 mg〜約24 mgの範囲の量で含まれ得る。他の態様において、亜鉛は約18 mg〜約22 mgの範囲の量で含まれ得る。さらに他の態様において、亜鉛は、約20 mgの量で含まれ得る。
【0047】
本発明の組成物は、腎疾患に関連したビタミン及びミネラル欠乏を軽減するために必要な補充を提供する量で患者に投与されることが好ましい。本発明の組成物の好ましい投与量は、ヒトの経口消費のための一以上のキャプレット(caplets)から成ってよい。二以上のキャプレットが用いられる場合、それぞれのキャプレットは、他のキャプレットと同じであってもよく、又は、異なるキャプレットの組合せが本発明の組成物を含むように、それぞれが該組成物の成分の幾つかのみを含んでもよい。
【0048】
本発明の組成物は、種々の代謝系及びヒトの身体の生理学的応答と共に作用する、必須のビタミン及びミネラルの組合せを表す。本発明の成分は、好ましくは、固体粉末、キャプレット、タブレット、ロゼンジ、ピル、カプセル、又は液体の形態であってよい組成物中に混合され、単独で又は他の成分と適切に組合されて投与されてよい。例えば、本発明の組成物は、投与が容易な一以上のキャプレット又はロゼンジで実際に投与されて良い。ビタミン及びミネラルのそれぞれは、商業的に入手可能であり、一つの組成物を形成するためにブレンドされることができ、或いは、共に投与され得る複数の組成物を形成されることができる。
【0049】
本発明の成分を調製するために、各活性成分は、従来の配合技術に従って、適切な担体と本質的に混合されて組合せられてよい。この担体は、例えば経口、舌下、経鼻、局所的パッチ、又は非経口的などの投与のために望ましい製剤の形態に依存して、広く多様な形態を取り得る。該組成物は、一つから三つのキャプレット又はロゼンジを含んでよく、それぞれの組成物は、他のキャプレット又はロゼンジと互いに同じである。
【0050】
経口剤形の形態である組成物の調製において、任意の有用な媒体が利用され得る。液体製剤(例えば、懸濁液、エリキシル剤、及び溶液)のためには、例えば水、油、アルコール、調味剤(flavoring agents)、保存剤、着色剤などを含む媒体が用いられ得る。スターチ、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを含む担体が、経口固体(例えば、粉末、キャプレット、ピル、タブレット、カプセル、及びロゼンジ)を調製するために用いられ得る。放出制御形態も用いられ得る。それらが投与において容易であるために、キャプレット、タブレット、ピル、及びカプセルは、固体担体が用いられる場合に、最も有利な経口剤形単位形態を表す。必要であれば、タブレットは標準的な技術によって糖コーティング又は腸溶コーティングされてもよい。
【0051】
本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに説明される。
【実施例1】
【0052】
以下の処方の組成物を、当業者には既知の標準的な方法によってキャプレット形態で調製した:
アスコルビン酸 100 mg
d-アルファトコフェニルスクシナート 60 IU
チアミンモノニトレート 3 mg
リボフラビン 2 mg
ナイアシン 20 mg
d-パントテン酸カルシウム 10 mg
ピリドキシンハイドロクロライド 30 mg
シアノコバラミン 1000 μg
ビオチン 30 μg
葉酸 5.5 mg
L-セレノメチオニン 70 μg
L-Optizinc ZML-200 Inter-HealthTM 20 mg
一日当り一(1)キャプレットが推奨される投与量、又は医師によって推奨されるような投与量である。
【実施例2】
【0053】
調査は、末期腎疾患 (ESRD)と診断された患者の治療における、本発明の組成物の有効性の評価のために着手された。調査の目的は、該組成物の経口摂取が該患者の栄養状態の改善をもたらすかどうかを決定することである。
【0054】
二重盲検、プラセボ対照された調査を、12ヶ月間にわたって行った。年齢が40〜85歳であり、ESRDに罹患している、全60人の被検者(30人の男性及び30人の女性)が該調査のために選ばれた。栄養状態の初期評価が行われた。ビタミンC、セレン及び亜鉛のレベルは、分光光度的方法及び比色定量方法を用いて測定された。ビタミンB9及びビタミンB12 のレベルは、放射性免疫測定法によって測定された。オチン及びビタミンB6 のレベルは、高速液体クロマトグラフィーによって評価され、ビタミンB3 のレベルがN’メチルニコチンアミド及びそのピリジンの尿中排出を測定することによって測定された。ビタミンEは過酸化物溶血試験によって測定され、ビタミンB1 は赤血球トランスケトラーゼ活性を定量することによって測定された。ビタミンB2 のレベルは、赤血球グルタチオンレダクターゼ活性を検査することによって評価され、ビタミンB5 は、コエンザイムA活性を測定することによって評価された。
【0055】
60人の被検者は、15人の男性及び15人の女性のグループの二つグループに分けられた。第一のグループでは、それぞれの被検者に、実施例1に記載したような組成物のキャプレットを毎日1〜2投与した。第二のグループ(対照)では、それぞれの被検者に、毎日1〜2のプラセボキャプレットを投与した。
【0056】
各被験者の栄養状態の評価は、12ヶ月間の間に一月間隔で上記のように測定し、そのデータは、多重線形回帰分析及び標準スチューデントのt-検定を用いて評価した。各分析において、結果の変数の基底値は、共変としてのモデルに含まれた。共変相互作用効果による処理は、「Weigel & Narvaez, 12 CONTROLLED CLINICAL TRIALS 378-94 (1991)」により概要が述べられた方法によって試験した。著しい相互作用効果がない場合、該相互作用期間は該モデルから排除した。残差分散の正規性及び均一性の回帰モデル仮説は、予測値に対する残渣のプロットの検査(inspection)によって評価した。効果の時間的な開始の検出は、18、12、及び6週間での著しい治療の効果の存在を試験することによって経時的に行い、各後半期間に著しい効果が確認された場合のみ、連続的により早い時点に進めた。各グループ内のベースラインからの変化を、ペアードt−試験を用いて評価した。加えて、分散の分析を、全ベースライン測定及びグループ間の均一性評価するための測定可能なサブジェクト特性で行った。全ての統計学的方法は、統計学的分析システム(SAS Institute Inc., Cary, NC)を用いて行った。全ての統計学的試験で、0.05のアルファレベルを用いた。
【0057】
栄養状態における統計学的に著しい改善が、該調査の完了した、処置された被検者において観察されたが、対照では観察されなかった。処置された被検者と対象との間の栄養状態の相違は、統計学的に著しかった。それ故、本発明の組成物の経口投与が、ESRDと診断された患者の治療に有効であるということが、該調査によって確証された。
【0058】
上記した全ての参考文献及び公報の開示は、それぞれを個々の参照によって援用したのと同じ範囲で、それらの全てが参照によって明らかに援用される。本発明の開示された方法及び組成物の種々の改変及び変化は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者によって明らかにされる。本発明は具体的な好ましい態様と関連付けて記載されたとはいえ、それは、本発明をそのような具体的な態様に不当に限定するものではないことは理解されるべきである。実際に、本発明が保有する記載された様式の種々の改変は、当業者には明らかであり、本発明の範囲内であることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約60 mg〜約140 mgのビタミンC;約40 IU〜約80 IUのビタミンE;約1.5 mg〜約4.5 mgのビタミンB1;約1 mg〜約3 mgのビタミンB2;約10 mg〜約30 mgのビタミンB3;約5 mg〜約15 mgのビタミンB5;約18 mg〜約42 mgのビタミンB6;約500 μg〜約1500 μgのビタミンB12;約150 μg〜約450 μgのビオチン;約 3 mg〜約8 mgのビタミンB9;約 35 μg〜約105 μgのセレン;及び約10 mg〜約30 mgの亜鉛を含む、それらを必要とする患者又は個人における栄養欠乏を補うための組成物。
【請求項2】
約80 mg〜約120 mgのビタミンC;約48 IU〜約72 IUのビタミンE;約2.4 mg〜約3.6 mgのビタミンB1;約1.6 mg〜約2.4 mgのビタミンB2;約16 mg〜約24 mgのビタミンB3;約8 mg〜約12 mgのビタミンB5;約24 mg〜約36 mgのビタミンB6;約800 μg〜約1200 μgのビタミンB12;約240 μg〜約360 μgのビオチン;約4.4 mg〜約6.6 mgのビタミンB9;約56 μg〜約84 μgのセレン;及び約16 mg〜約24 mgの亜鉛を含む、それらを必要とする患者又は個人における栄養欠乏を補うための組成物。
【請求項3】
約90 mg〜約110 mgのビタミンC;約54 IU〜約66 IUのビタミンE;約2.7 mg〜約3.3 mgのビタミンB1;約1.8 mg〜約2.2 mgのビタミンB2;約18 mg〜約22 mgのビタミンB3;約9 mg〜約11 mgのビタミンB5;約27 mg〜約33 mgのビタミンB6;約900 μg〜約1100 μgのビタミンB12;約270 μg〜約330 μgのビオチン;約4.95 mg〜約6.05 mgのビタミンB9;約63 μg〜約77 μgのセレン;及び約18 mg〜約22 mgの亜鉛を含む、それらを必要とする患者又は個人における栄養欠乏を補うための組成物。
【請求項4】
前記組成物が約100 mgのビタミンCを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が約60 IUのビタミンEを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が約3 mgのビタミンB1を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が約2 mgのビタミンB2を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が約20 mgのビタミンB3を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が約10 mgのビタミンB5を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が約30 mgのビタミンB6を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が約1000 μgのビタミンB12を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が約300 μgのビオチンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が約5.5 mgのビタミンB9を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が約70 μgのセレンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が約20 mgの亜鉛を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、約100 mgのビタミンC;約60 IUのビタミンE;約3 mgのビタミンB1;約2 mgのビタミンB2;約20 mgのビタミンB3;約10 mgのビタミンB5;約30 mgのビタミンB6;約1000 μgのビタミンB12;約300 μgのビオチン;約5.5 mgのビタミンB9;約70 μgのセレン;及び約20 mgの亜鉛を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が他の加えられたビタミン及びミネラルを実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が前記患者に毎日投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が前記患者に経口的に投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が腎臓疾患を罹患している患者に投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記腎臓疾患が末期腎疾患である、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が腎不全に罹患している患者に投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が透析治療を受けている患者に投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記栄養欠乏が食事制限の結果である、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
前記栄養欠乏が疾病状態の結果である、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
前記疾病状態が腎臓疾患である、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記腎臓疾患が末期腎疾患である、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記栄養欠乏が透析治療の結果である、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
前記疾病状態が、前記患者において酸化的ストレスの上昇をもたらす、請求項26に記載の組成物。
【請求項31】
前記疾病状態が前記患者においてコレステロールレベルの上昇をもたらす、請求項26に記載の組成物。
【請求項32】
患者における栄養欠乏を補うための方法であって、約60 mg〜約140 mgのビタミンC;約40 IU〜約80 IUのビタミンE;約1.5 mg〜約4.5 mgのビタミンB1;約1 mg〜約3 mgのビタミンB2;約10 mg〜約30 mgのビタミンB3;約5 mg〜約15 mgのビタミンB5;約18 mg〜約42 mgのビタミンB6;約500 μg〜約1500 μgのビタミンB12;約150 μg〜約450 μgのビオチン;約 3 mg〜約8 mgのビタミンB9;約 35 μg〜約105 μgのセレン;及び約10 mg〜約30 mgの亜鉛を含む組成物を、前記患者に投与する工程を含む方法。
【請求項33】
患者における栄養欠乏を補うための方法であって、約80 mg〜約120 mgのビタミンC;約48 IU〜約72 IUのビタミンE;約2.4 mg〜約3.6 mgのビタミンB1;約1.6 mg〜約2.4 mgのビタミンB2;約16 mg〜約24 mgのビタミンB3;約8 mg〜約12 mgのビタミンB5;約24 mg〜約36 mgのビタミンB6;約800 μg〜約1200 μgのビタミンB12;約240 μg〜約360 μgのビオチン;約4.4 mg〜約6.6 mgのビタミンB9;約56 μg〜約84 μgのセレン;及び約16 mg〜約24 mgの亜鉛を含む組成物を、前記患者に投与する工程を含む方法。
【請求項34】
患者における栄養欠乏を補うための方法であって、約90 mg〜約110 mgのビタミンC;約54 IU〜約66 IUのビタミンE;約2.7 mg〜約3.3 mgのビタミンB1;約1.8 mg〜約2.2 mgのビタミンB2;約18 mg〜約22 mgのビタミンB3;約9 mg〜約11 mgのビタミンB5;約27 mg〜約33 mgのビタミンB6;約900 μg〜約1100 μgのビタミンB12;約270 μg〜約330 μgのビオチン;約4.95 mg〜約6.05 mgのビタミンB9;約63 μg〜約77 μgのセレン;及び約18 mg〜約22 mgの亜鉛を含む組成物を、前記患者に投与する工程を含む方法。
【請求項35】
前記組成物が約100 mgのビタミンCを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記組成物が約60 IUのビタミンEを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物が約3 mgのビタミンB1を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記組成物が約2 mgのビタミンB2を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記組成物が約20 mgのビタミンB3を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記組成物が約10 mgのビタミンB5を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項41】
前記組成物が約30 mgのビタミンB6を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
前記組成物が約1000 μgのビタミンB12を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項43】
前記組成物が約300 μgのビオチンを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項44】
前記組成物が約5.5 mgのビタミンB9を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項45】
前記組成物が約70 μgのセレンを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項46】
前記組成物が約20 mgの亜鉛を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項47】
前記組成物が約100 mgのビタミンC;約60 IUのビタミンE;約3 mgのビタミンB1;約2 mgのビタミンB2;約20 mgのビタミンB3;約10 mgのビタミンB5;約30 mgのビタミンB6;約1000 μgのビタミンB12;約300 μgのビオチン;約5.5 mgのビタミンB9;約70 μgのセレン;及び約20 mgの亜鉛を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項48】
前記組成物が他の加えられたビタミン及びミネラルを実質的に含まない、請求項32に記載の方法。
【請求項49】
前記組成物が前記患者に毎日投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項50】
前記組成物が前記患者に経口的に投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項51】
前記組成物が薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項52】
前記組成物が腎臓疾患に罹患している患者に投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項53】
前記腎臓疾患が末期腎疾患である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記組成物が腎不全に罹患している患者に投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項55】
前記組成物が、透析治療を受けている患者に投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項56】
前記栄養欠乏が、食事制限の結果である、請求項32に記載の方法。
【請求項57】
前記栄養欠乏が、疾病状態の結果である、請求項32に記載の方法。
【請求項58】
前記疾病状態が、腎臓疾患である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記腎臓疾患が末期腎臓疾患である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記栄養欠乏が透析治療の結果である、請求項32に記載の方法。
【請求項61】
前記疾病状態が、前記患者において酸化的ストレスの上昇をもたらす、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
前記疾病状態が、前記患者においてコレステロールレベルの上昇をもたらす、請求項57に記載の方法。

【公表番号】特表2008−516948(P2008−516948A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536703(P2007−536703)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/033913
【国際公開番号】WO2006/044101
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(507047311)イブレット・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】